説明

粒子ビーム露光装置のためのパターンロック装置

粒子ビーム装置のパターンロック装置において、パターンの投影は少なくとも2つの連続する投影段を用いてなされ、記録手段は、中間投影面の公称位置の箇所に配置され、基準マークは、最終でない投影段により生成された基準マークの中間像の位置において、粒子ビームの位置を決定する記録手段上に投影される。さらに、記録手段上の走査動作を起こすため、基準ビームレットは、パターン描画手段に設けられた偏向手段を用いて、時間依存性の電圧に依存して横方向にシフトされる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[発明の技術分野および従来技術の説明]
本発明は、粒子ビーム処理装置で使用されるパターンロック手法の改善に関する。より詳しくは、本発明は、粒子ビーム処理装置でターゲットに像を露光する間に、パターン像の位置を制御する方法に関する。このパターンは、パターン描画手段に形成され、荷電粒子のビームを用いて、粒子光学投影装置を通して、以下の考え方のステップによりターゲット上に投影される。
【0002】
−パターン描画手段に設けられた複数の基準マークを、同じ投影装置を通して、基準マーク像の所望の位置に配置された、対応する数の記録手段に投影するステップ
−各基準マークの正確な位置に依存する対応する信号を発生する記録手段で基準マーク像を検知するステップ
−これらの信号を制御手段で処理し、投影装置の投影特性を調整するための制御信号を得て、基準マーク像を前記した所望の位置に一致させるステップ。
【0003】
パターンロッキングといわれる方法および装置、すなわち、ウエハ基板のようなターゲット上に投影された構造パターンの位置を粒子投影装置内で固定させる方法および装置は公知であり、出願人(譲受人)の米国特許第4,823,011号(=欧州特許0 250 391号)および米国特許4,967,088号(=欧州特許0 294 363号)に詳細に説明されている。
【0004】
この種の処理装置の一つの重要な応用は、描画装置としての、半導体技術に使用される粒子ビーム描画の分野であり、基板表面上に所望のパターンを描画するために、ウエハは放射線感受性のフォトレジスト層で覆われ、所望の構造は描画装置を用いてフォトレジスト上に投影され、それからこのフォトレジストは、前の露光ステップにより描画されたパターンに従い部分的に除去されてパターン化され、それからエッチングのようなさらなる構造化処理のためのマスクとして使用される。この種の処理装置の他の重要な応用は、ナノスケール装置、特に100nm以下の形状を有する装置の製造または機能付与に使用される、ダイレクトイオンビーム材料加工またはイオンビーム誘発型のエッチングおよび/または堆積による、ナノスケールパターニングの分野である。
【0005】
ウエハ(またはターゲットのようなものの)上に所望のパターンを形成する処理においては、露光の間においてウエハ上に正確な像の位置を維持することが通常要求される。この操作は一般にパターンロッキングといわれる。パターンロッキングは、例えば、台形ひずみΔおよびΔと同様に、ウエハ面における像のXおよびYの並進、回転角θ、ならびに横のスケールに対する拡大率MおよびM、のそれぞれについてなされる。露光の間、これらのパラメータの変化が、電圧変動(拡大率M)または投影装置に対するターゲットステーションの僅かな動きによって発生し、両者は横方向XYとZ方向に、後者は拡大率Mにも変化を発生させる。像を変化させる主たる他の原因は、外部磁気場および/または電磁場にある。
【0006】
パターン化されたビームのパターン像の位置は直接測定することができないので(それは像に干渉する)、「基準ビームレット」と呼ばれる追加的な基準ビームが、調整の目的で採用される。ビームレットは、パターン化する装置(マスクまたは他の描画装置)、つまり、パターン領域に隣接し、しかし離間した基準アパーチャにより描画され、像のパターン情報を担うビームの一部がターゲット上に形成されるのと同様に、ターゲット面に向けて投影される。このため、ビームレットは、パターン情報を担う中央部分のビームを取り囲み、「ダイビーム」とも呼ばれる。ダイビームとは対照的に、基準ビームレットはターゲットには届かない(ダイビームと異なり、それらはターゲット上に投影されない)が、それらは、個別のビームレットの位置を測定する記録手段として機能する、対応する数の検知ユニットに記録され、そして、このように測定された位置は、光学装置の補正信号を引き出すために、不変の基準面に関連した公称位置と比較される。
【0007】
検知ユニットは、リファレンス装置に含まれる。この装置は、ビームの方向に見てターゲットの前(つまり、上流)に位置している。リファレンス装置は、リファレンス装置の測定信号から補正信号を引き出す装置とともに、パターンロック装置といわれる。(この用語には、ときに補正信号により制御された投影装置の光学要素をも含む。)
通常の技術水準の構成では、リファレンス装置は、走査ブロックと基準面を含んでなり、走査ブロックは、基準面の前に位置している。基準面は、走査ブロックに収容されたディテクタと協働して、入射するビームレットを検知するため記録マークが設けられている。走査ブロックは、ビームレットのための偏向手段をも含んでなる。各ビームレットはビームレットが通過する各偏向手段、基準マークおよびディテクタと関係している。ビームレットは、基準マークに入射すると、各ディテクタにより検知される二次電子を発生させる。偏向手段を用いて、各ビームレットは記録マークを横切って走査される。走査動作の周波数は、典型的には100Hzの範囲である。時間依存性の検知信号から、時間依存性の偏向電圧信号を考慮すると、ビームレットの位置(つまり、偏向されない位置に関し)が求められる。
【0008】
現状の技術水準の走査ブロックは、ダイビームの開口を取り囲んだ装置であり、例えば、ビームを僅かにガイドする電場に影響を与える、円形の開口を有するリング形状のユニットである。一方、基準ビームレットは、走査ブロックに位置した検知手段を通過するため、パターンビーム領域の外側に位置している。基準ビームレットの幾何学的配置は、パターン描画装置のレイアウトに反映される。そして、基準マークはアパーチャパターンのパターン領域を取り囲む範囲(通常はリング形状)に位置する。ビームは、基準マークと同様にパターン領域を照射し、結果的に、基準マーク領域を含む全体領域にわたって十分に規定される(均一性と光学収差に関し)。
【0009】
このリファレンス装置のレイアウトは、スペースの問題、特に、ターゲットに生成される像が小さく、最終的な光学要素が走査ブロックのようなスペースを取る装置のための十分な大きさが無いことから、光学系を減らす上での問題を引き起こす。それゆえ、パターンロック装置から推察されるスペースの問題を解決するための新たな方法が求められる。この問題は、いくつかの側面を通じ、本発明により解決される。
【特許文献1】米国特許第4,823,011号(=欧州特許0 250 391号
【特許文献2】米国特許4,967,088号(=欧州特許0 294 363号)
【特許文献3】米国特許第6,768,125号(=英国特許公開第2 389 454号)
【特許文献4】米国特許第4,985,634号(欧州特許 0344646号)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
[発明の概要]
本発明の第1の側面は、粒子ビーム装置に適用でき、パターンの投影は、投影装置の少なくとも2つの連続する投影段を用いて実施され、つまり、少なくとも一つの最終でない投影段と一つの最終投影段を含み、後者はパターンの像を生成する。パターン像とは対照的に、基準マーク像の検知は、最終でない投影段の中間像の位置でなされ、記録手段は、中間像面の公称位置に配置されている。この解決手段により、極めて軽減されたスペース制約のなかでパターンロックを実現することができる。しかも、投影装置を減らしながら、中間像の縮小率は小さく、検知装置は解放された小型化にして形成することができる。
【0011】
本発明の第2の側面によれば、基準ビームレットの走査動作は、パターン描画装置の位置において既に行われる。それゆえ、少なくとも一つの基準マークにより形成された基準ビームレットは、偏向手段に付与される時間依存性の電圧に依存したパターン描画手段に設けられた偏向手段、を用いて横方向にシフトされ、対応する時間依存性の各基準マーク像の走査動作となる。一つの好ましい実施形態においては、基準ビームレットの横方向のシフトは、2つ(またはそれ以上の)電極のセットにより生成され、それらの電極は、ビームレットの方向に沿って見て直列に配置された、例えば多極電極である。
【0012】
本発明の他の側面は、ビームがウエハ上の他のダイ領域に動くための休止のような、2つの露光ステップの間での露光休止を用いる。露光休止の間、基準マーク像の横方向の動きは、投影装置、特に、静電多極手段のような偏向手段を用いて実施され、結果として発生する像の検知からの変化する信号が記録され、そしてこれらの信号データに基づき、各記録手段に関する基準マーク像の位置のための好適な動作基点が選択される。この手続により、リファレンス装置の繰り返しの再校正がなされ、パターンロック制御ループの質が改善される。
【0013】
基準ビームの相対位置の解像度を改善するため、基準マーク像は記録手段を用いて検知されてもよい。この記録手段は、互いに傍に配置された多数の検知エリアと、基準マークから照射が当たったのが合計信号に加わったときの、検知エリアにより生成された検知信号とを含んでなり、この検知エリアは、照射のユニットに関連して、それぞれ検知信号に異なる寄与をもたらし、検知手段に関して基準マーク像の位置に依存して変化する合計信号となる。このような検知手段の好ましい一実施形態においては、検知エリアは選択的に減算ユニットの正および負の入力に接続されている。もう一つの方法として、検知エリアは、照射の方向に対して、その箇所の横方向の幅よりも小さくない高さの違いに従って選択的に上昇または下降する箇所として実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図示した好適な実施形態を参照して、本発明を詳細に説明する。
【0015】
[発明の詳細な説明]
本開示の説明のため、Z座標が光軸に沿った軸座標を示し、X,Yが2つの直交する方向を示すデカルト座標を用いる。
【0016】
以下に説明する本発明の好ましい実施形態は、出願人(譲受人)が米国特許第6,768,125号(=英国特許公開第2 389 454号)で開示したパターン描画(PD)装置に基づき、前記文献での教示は、ここに本開示に組み入れられる。以下において、PD装置の技術的背景を本発明に関連する限りにおいて、図1から図4(米国特許第6,768,125号の同図に対応する)を参照してまず説明し、それから、PD装置の発明の実施形態について説明する。本発明が以下の実施形態またはPD装置に限定されないことは当然であり、それらは単に本発明の可能な実施を表すに過ぎない。むしろ、本発明は、他の型の粒子ビーム露光装置にも同様に好適である。
【0017】
[パターン描画装置とPML2装置]
米国特許第6,768,125号に記載されたPD装置は、PML2(Projection Mask-Less Lithography #2の省略である)と呼ばれる複数ビーム直接書き込み方式を実現したものである。その装置は、他のプレートの上に積み上げられた複数のプレートと、それらの間のアパーチャアレイ手段(アパーチャプレート)と、ブランキング手段(ブランキングプレート)とを含んでなるPD装置を採用している。これらの分離されたプレートは、規定された距離離れて、例えばケースの中に一緒に設置されている。アパーチャアレイ手段は、前記アパーチャを透過するビームレットの形を規定する同一形状の複数のアパーチャを有し、アパーチャは、ねじれ形の並びの複数のアパーチャからなるPD領域の中に配列され、アパーチャは、一つの開口の幅の第1整数倍だけ前記並びの中で間隔を有して離れ、そして、隣接する並びの間で前記整数倍の幅の端数だけずれている。ブランキング手段は、アパーチャアレイ手段のアパーチャに対応した配列で並んだ複数のブランキング開口を有しており、特に、ねじれ形の並びのブランキング開口を有している。PD装置の構造と操作に関しての米国特許第6,768,125号の教示と、特に、そのブランキングプレートの構造は、この開示の一部としてここに含まれる。
【0018】
すでに説明したように、照光系により発生された電子ビームは、PML2装置で使用される。それは、ターゲット表面に投影されるビームパターンを描画するためにPD手段を照射する。アパーチャを通過する各ビームの経路は、各アパーチャを通過するビームの粒子の経路を許容(「スイッチオン」)または事実上無力化(「スイッチオフ」)するために制御される。アパーチャアレイを透過する(またはより正確には、スイッチオンしたアレイの開口を通った)ビームは、アパーチャの空間的配置を代表したパターン情報を担うパターン化された粒子ビームを形成する。それから、パターン化されたビームは、粒子光投影装置を用いてターゲット上に投影され、そして、ターゲットには、照射された位置においてターゲットが修正されるようにアパーチャの像が形成される。ビームによって形成された像は、各ダイ領域にわたって直線に沿って連続的に動く。走査方向に直交する方向への追加的なビームの走査は必要ではない(必要に応じて、走査ステージの横方向移動誤差を補償する場合を除く)。
【0019】
本発明の好適な実施形態を採用したマスクレス粒子ビーム露光装置PML2の全体像を図1に示す。以下において、細部は本発明を開示するために必要に応じて示されており、明瞭化のため、図1において、各構成要素は実際のサイズ通りに示されてはいない。装置100の主要な構成要素は、この例で図1の下方に向かって垂直に走る描画ビームlb、pbの方向に対応して、照光系101と、パターン描画(PD)装置102と、投影装置103と、基板41を含むターゲットステーション104とである。装置100全体は、この装置の光軸cxに沿ってビームlb、pbが妨げられずに伝搬するのを保障するために高真空に保持された真空ハウジング105内に設けられている。粒子光装置101,103は、静電レンズまたは電磁レンズが用いられる。
【0020】
照光系は、例えば、電子銃11と、収斂レンズ装置13だけでなく引出系12を備える。しかしながら、電子に代えて、一般に、他の荷電粒子も同様に用いることができることに注意すべきである。(電子銃から放射された)電子は別として、上記粒子は、例えば、水素イオン又は重イオンであり、本開示においては、重イオンは、O,N等のCよりも重い元素のイオン、あるいはNe,Ar,Kr,Xe等の希ガスを指す。
【0021】
イオン源11は、例えば、通常数keV、例えば10keVなどの規定の(運動)エネルギーを有するエネルギーイオンを放射する。電子光集光レンズ装置13によって、イオン源11から放射されたイオンは、描画ビームlbとして機能する、ワイドで、実質的にテレセントリックなイオンビームに形成される。そして、この描画ビームlbは、その位置を保持するのに必要な装置と共に、PD装置102を構成するPD装置20を照射する。PD装置20は、描画ビームlbの経路中の特定の位置に保持され、それにより複数のアパーチャ21(図2参照)を照射する。複数のアパーチャのうちのいくつかは、入射ビームを透過するようにスイッチオン又は開放され、残りのアパーチャはスイッチオフ又は閉塞されて、即ちビームに対して非透過性(不透明)になる。スイッチオンされたアパーチャのパターンは、基板上で露光されるパターンに従って選択される。なぜなら、これらのアパーチャは、PD装置のうちビームlbに対して透明な唯一の部分であるからであり、それにより、ビームlbは、アパーチャからでてくるパターン化されたビームpbに形成される(図1において装置20の下参照)。
【0022】
そして、パターン化されたビームpbによって表わされるようなパターンは、電子光投影装置103によって基板41上に投影され、基板41にはスイッチオンされたマスクアパーチャ21の像が形成される。これは、アパーチャではなく粒子源の像が基板上に形成される、Araiらのものと対照的である。投影装置103は、2つのクロスオーバc1、c2を有する、例えば200倍の縮小率を実現する。基板41は、例えば、フォトレジスト層で覆われたシリコンウエハである。ウエハ41は、ターゲットステーション104のウエハステージ40に保持され、配置される。
【0023】
図1に示す本発明の実施形態においては、投影装置103は、2つの連続する電子光投影段31、32からなる。静電イメージング装置の技術的な実現は、例えば米国特許第4,985,634号(欧州特許 0344646号)等、従来技術で公知なので、投影部31、32を実現するために用いる静電レンズは、図1において象徴的な形で示す。第1の投影段31は、装置20のアパーチャの面を中間面e1に投影し、中間面e1は、第2の投影段32によって基板表面に順に投影される。PD装置の位置と同様に、中間面e1においては、ビームは実質的にテレセントリックである。両投影段31、32は、クロスオーバc1、c2を介した縮小投影を用いるので、面e1内の中間像は反転されるが、基板上に形成される最終的な像は(非反転の)正立像である。縮小率は両投影段において14倍であり、全体で200倍の縮小率になる。この程度の縮小投影は、PD装置の小型化の問題を高めるために、特に描画機構に適している。
【0024】
第1の投影段31の後段において、ビーム幅は、例えば、PD領域pf(図2)の最初の幅L=60mmから中間面e1における約4mmに十分に減じられる。この結果、第2の投影段32の電子光部品の寸法を、ビーム幅と同じ縮尺に減じる必要がないので、レンズ要素を、ビームに対してより大きく実施することができ、それによりレンズの欠陥及び投影収差のより容易な処理が可能になる。例えば、イオン源と基板との間の全長が約2mの場合、第2の投影段のクロスオーバc2の後段の最終レンズの焦点距離は、約20mmに短くすることができる。これにより、空間電荷相関が小さな影響のみを有するので、例えば4〜10μA程度の、処理可能な高イオン電流が可能になる。
【0025】
両投影段において、それぞれのレンズ系は、色収差及び幾何学的収差に対して正しく補償されており、さらに、第1の投影段31の残りの色収差は、第2の投影段32における電極電位の適切で緻密な補正によって補償することができる。色補償によって、イオン源11から放射されたイオン(あるいは一般に荷電粒子)のエネルギーは、ΔE=6eVまでの比較的高いエネルギーの不鮮明さを有することができる。これにより、品質に対する要求があまり厳密でないイオン源を用いることが可能になり、そのため高電流を放射することができる。
【0026】
さらに、第2の投影段において、第1の投影段の確率論的なエラーが縮小されるので、第1の投影段の、クロスオーバc1,c2での相互作用による確率論的なエラーは減少し、第2の投影段における確率論的なエラーは、基板表面からの第2のクロスオーバc2の距離が小さいので、影響はほとんどない。
【0027】
イメージを横方向にシフトする手段として、即ち、光軸cxと直角な方向に沿って、偏向手段315、325が、投影段の一方または双方に設けられている。この偏向手段は、例えば、図1に示す第1段の偏向手段315のようにクロスオーバの近くに配置されるか、あるいは図1の第2段の偏向手段325の場合のように、各投影部の最終レンズの後段に配置される、多電極装置として実現することができる。この装置においては、多電極は、ステージの動きに関連して像をシフトするための、および以下に説明するパターンロック装置と協働するイメージング装置を補正するための、偏向手段として用いられる。さらに、必要であれば、基板面でパターンの回転を生じさせるために電磁コイル62が使用される。
【0028】
図2は、PD装置20のアパーチャの配置の平面図を示す。PD領域pf内に、隣接するラインplに沿ってアパーチャ21が並ぶ規則的な配列で、複数の正方形状のアパーチャ21が設けられ、各ラインplには、同数のアパーチャが存在する。PD領域pfは、アパーチャを含むアパーチャ領域afといわれる部分と、アパーチャがない領域sfとの複数のストライプに分割されていてもよい。ラインplと直角な方向に沿って見たアパーチャ領域afには、アパーチャが、列r1、r2、r3の並びを構成している。即ち、図示の実施形態においては、列r1〜r3は隣接しておらず、互いに離間している。アパーチャは、斜めに規則的な配列に従って、アパーチャ領域af内に配置されている。
【0029】
2行おきのアパーチャは、隣接して並ぶもの同士の間のピッチpnがアパーチャの幅wの3倍(即ち、pn=n×w)になるように並んでおり(n=3;他の実施形態においては、nは2より大きな他の値でもよい)、隣接する列間のオフセットpmは、アパーチャの幅wの4倍となっている(即ち、pm=m×w で m=4である;mは2より大きな他の値でもよい)。ラインpl内において、アパーチャ間のずれは、n・pm=12である。従って、アパーチャは、領域afの面積の1/(n×m)=1/12のみをカバーし、図3に示すように、一度に、n×m=12の画素の中から一つのみを露光することができる。残りの画素は、基板をアパーチャのイメージに対して「走査方向」sdに沿って移動させる手段によって、後続のステップで露光される。アパーチャ21の空間的配置及びアパーチャを制御する回路のレイアウトは、米国特許第6,768,125号に記載されている。
【0030】
図3は、基板上に形成されたイメージ領域mfを示すが、分かりやすくするため、この図では、全てのアパーチャがスイッチオンされていると仮定する。イメージ領域の幅fwは、投影系の縮小率によって減じられたPD領域pfの幅Lである。イメージ領域は、複数の画素(ピクセルともいう)mxからなる。図示の基板上のイメージ領域の位置の場合、アパーチャアレイの各アパーチャ21は画素mxに対応するが、アパーチャは、PD領域面積のうちの一部のみをカバーするので、画素の数のうちの対応する一部のみ(図3でハッチングした部分)を一度に露光することができる。残りの画素も露光するために、基板は、イメージ領域を基板上でシフトさせるように、ビーム下で移動される。図3aは、取りうる12(=n×m)の位置を通じて、基板の動きにより順次変わる位置での画素の露光を示しており、画素には、a〜lの参照符号が付けられている(ハッチングしたピクセルは位置aである)。イメージ領域mf全体は、基板表面の全領域をカバーするように、基板41として機能する、フォトレジストで覆われたウエハの表面上を移動される。図4に示すように、移動距離を最小化するために、走査方向sdは、一つの走査ラインslから次のラインへ互い違いに変わる(左から右に次は右から左へと交互に行を進める動き)。
【0031】
ここで説明した実施例においては、最小形状は50nmとすることができ、例えば、ピクセル幅xとして定義されるウエハ上に照光される最小スポットは25nmである。イメージ領域幅fwは300μmであり、上述の2段の200倍の縮小投影装置関連してイメージ領域を形成するために、正方形のPD領域は、L=60mmの幅を有する。図2から図4で示した例で使用した、n、m、wなどのパラメータは、それぞれ上述したのとは異なる値を採りうることには注意すべきである。
【0032】
[ビームコントロール]
ダイビームをターゲット上で位置決め制御するタスクは、各制御のスピードにしたがって、異なる制御装置によるいくつかのタスクに分けることができる。
【0033】
1.ウエハ調整。前処理の段階で構造を有した特定のウエハにおいては、すべてのターゲットは、完全に像をかぶせることを保証するために、描画ビームに対して適切に調整されなければならない。この処理は、すべてのウエハについて一度はなされなければならない。ウエハ調整のための方法は、従来技術において公知であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0034】
2.フットプリント校正。関連速度(associated rate)は、0.1Hzより下がよく、典型的には、約0.01Hzである。装置の長期間でのドリフトを補償するため、予め決められた間隔で鏡筒全体を再校正する。このため、描画ビームのステージ装置40に対する位置とビームフットプリントが測定される。フットプリント校正のための方法は、従来技術において公知であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0035】
3.パターンロック。これは、100Hzのオーダーの外乱を補償できるようにするため、1kHzのオーダーの速度で起こる。ビーム位置は、記録装置により実時間で測定され、閉制御ループを通じて記録装置の位置に固定される。パターンロックは、粒子ビーム装置内の短時間ドリフトを補償するのに役立ち、以下で詳細を説明する。
【0036】
4.ビームトラッキング。これは、1kHzのオーダーの速度で起こる。ステージ装置40の公称位置に対する変位は、ビームトラッキング装置により補正される。ビームトラッキング装置は、従来技術において公知であり、ライトオンザフライ(write-on-the-fly)技術に大きく関連している。
【0037】
5.トグル補正。ターゲット上に投影されるパターンは、典型的には1MHzまたはそれ以上の速度で、アパーチャの並びを通して移動される。この不連続な動作は、ターゲットステージ40の継続的な動作に適合するようになっている。これは、好ましくは、ターゲット上の像を補正シフト(経時的に鋸歯上の)する反射手段325により実現される。
【0038】
ここでは、PML2装置のような粒子ビーム装置のパターンロック装置を中心に説明する。パターンロックは、約100Hz程度のタイプの電磁的な、特に磁性の外乱を補償するのに必要とされる。
【0039】
[パターンロック装置]
パターンロック装置は、基板上におけるマスクのアパーチャ(イメージ領域mf)の画像位置を、イオン光学装置に対して安定化させるために設けられる。パターンロック装置の原理は、米国特許第4,823,011号および米国特許第4,967,088号に記載されている。これらの2つの特許文献の内容全体は、ここに参照により組み入れられる。
【0040】
パターンロックの考え方によれば、多くの基準ビームrbが使用される。この基準ビームrbは、PDフィールドpf(図6)の側部に示した基準マーク26のように、PD装置内に形成される。基準ビームレットは、ダイビーム(dye beam)とともに鏡筒を通って伝搬し、これにより実質的にダイビームと同じ処理(光学要素により)と外乱(他の要因により)の影響を受ける。基準マーク26の典型的な配置は、例えば、PD領域pf(図6a)から数ミリ離れて配置された、0.5mm×0.5mmの寸法領域のたくさんのスロットである。
【0041】
ビームトラッキング装置は、ステージの動作での変位による画像位置誤差を、実時間のフィードバック制御装置を多極パターン補正と共に用いることで、さらに確かに補償する。例えば、画像の位置とゆがみの補正は、多極電極325(図1)によりすることができる。さらに、電磁コイル62は、基板面でパターンを回転させるのに用いられる。図1においては、現状の技術水準の装置60の位置を図示しており、本発明のパターンロック装置の配置は、図5ffを参照して以下に説明する。以下においては示されていないけれども、図1の粒子ビーム装置の配置に変更はない。
【0042】
図5は、関連するパターンロック装置を基準ビームレットrbの経路とともに強調した本発明の粒子ビーム装置の全体像を示す。上述したように、基準ビームレットrbは、PD装置20に照射ビームlbから形成された基準構造により規定される。PD装置の後において、ビームレットrbはパターン化されたビームプロパーpbとともに、同じ光学要素により投影される。特に、第1のクロスオーバc1を通り、中間面e1においてリファレンス構造のイメージに投影される。その場所において、記録装置601は、パターン化されたビームpbを取り囲み、基準ビームレットrbを遮断する。(対照的に、パターン化されたビームは、さらに、投影装置の2番目のそして最後の段を通過してターゲット上に投影される。)図5aの詳細図には、中間面における配置の詳細を示している。記録装置601は、多くの検知ユニット61(各ビームレットrbにひとつ)を備えている。それらは、各基準ビームレットのために記録手段として機能し、中間面が形成される場所に位置している。
【0043】
このレイアウトは、基準ビームの記録はターゲットの直前でなされなければならないという従来の要件を不要としており、そして、形状寸法の極端な減少とイメージング装置に影響する画像の敏感さとによるスペースの問題が重大である。一方、第2段の減少された寸法を理由として、中間イメージi1の後の光学装置は、外部の影響から容易に遮蔽される。なぜなら、それが短い長さを有するし、また、小さな直径と高い粒子エネルギー(例えば、100keV)により、ビームが外部の影響に対し比較的敏感とはほとんど言えないからである。一方、中間イメージi1の前においては、ビームを周囲から遮蔽するのが困難であり、そして、比較的大きな大きさと低い粒子エネルギーにより「柔軟」である。
【0044】
[PD装置]
図6は、本発明に使用するのに適合したPD装置102を示し、すなわち、図6aにおいて上面図、図6bにおいて横断面図を示す。PD装置は、描画ビームのパターンを規定する機能を果たすだけでなく、基準ビームレットrbを形成する機能を果たす。図7は、PD装置の単一のアパーチャの構造を詳細に示し、図8は、PD装置の基準マークの構造の詳細を同様に示す。
【0045】
装置102は、積層構造に設けられた複数のプレート22を備えている。本発明のPD装置102は、各要素がそれぞれの機能を果たす複合装置として実現される。各プレート22は、本技術分野で知られた微細構造化技術により形成された構造の半導体(特にシリコン)ウエハとして実現される。描画ビームは、PD領域pf(図6)に並んだアパーチャを通ってプレートを横断する。各アパーチャは、複数のプレート22(図7)に規定された開口210,220,230,250のセットに対応する。以下では、PD装置102とその構成要素であるプレート22について、本発明の開示に必要な限りにおいて説明する。詳細については、米国特許第6,768,125号を参照されたい。
【0046】
各プレート22の厚さは、アパーチャがある領域で、約500μmから50μmである。それらのお互いの距離は、10μmから1mmのオーダーである。図6bと7において、縦軸(装置の光軸に平行なz軸)の大きさは、拡大されており、寸法通りではないことに注意すべきである。プレート22は、PD装置102の前および後に設けられた冷却要素28,28(図1)、例えば、冷却された遮蔽要素による手段および/または第1投影段もしくは収斂レンズの冷却された電極を用いた手段からの熱放射により冷却されている。
【0047】
ビームレットのブランキングは、ブランキングプレート202により実現されるブランキング手段により制御される。ブランキングプレート202は、それぞれアパーチャに対応した幅w2の開口220の並び(「ブランキング開口」)を備えてなる。このブランキング開口は、すなわち、PD領域pfのアパーチャに類似した配置のブランキング領域bfを形成する。各開口220は、電極221を制御するための回路222に加えてビームブランキング電極221のセットを備える。開口220の幅w2は、電極221に影響を与えないように、ビームレットbmの大きさよりも大きい。
【0048】
PD装置102は、さらに、ビームレットを横方向に規定し、ここでは幅w3の開口の並びを有したアパーチャアレイプレート203(以下、単に「アパーチャプレート」とする)として実現される、アパーチャアレイ手段を備える。本実施形態では、図示したアパーチャプレートは、最後のプレート22としてブランキングプレート202の後(ビームの方向に沿って見て)に位置している。装置102から出てくるビームレットの横方向の形状を規定するのは、幅w3のアパーチャ230であることに注意すべきである(図2のアパーチャ幅wに相当する)。
【0049】
ビームレットbmは、ブランキング電極221が通電されていないと仮定すると、経路p1に沿って連なるプレート22の開口の制限を超え、イメージング装置(図1)に投影される。これは、開口の「スイッチオン」状態に相当する(スイッチ状態に関して、ブランキング開口、それとそれぞれ関連したアパーチャ、またはアパーチャによって規定されたビームレットは、差異がない。)「スイッチオフ」のアパーチャは、電極に電圧を掛け、横断する電圧を付与することにより実現される。この状態において、ブランキング電極221は、ビームbmを経路p1から変位している経路p0へ偏向させ、ビームレットは、例えば、PD装置の後の適宜な場所に位置したストッププレート204(図1)において、吸収される。(スイッチオフ状態においては、ビームレットbmを僅かな角度だけ偏向させれば十分であることに注意すべきである。これにより、ビームレットは、なおアパーチャ230を通過するかもしれない。この偏向が、後の方の位置でビームレットを横方向に変位させるのに十分であると仮定すると、スイッチオフされたビームレットを遮断するのは容易である。)
他のプレートの前(描画ビームの方向に見て)には、他のプレートを保護、特に、ブランキングプレート202とその繊細な回路を照射による損傷から保護するために、カバープレート201として実現されたカバー手段が設けられている。描画ビームlbの多くは、カバープレート201に当たる。粒子は、アレイ状に形成されたブランキングプレートの開口に対応して形成された開口210を通ることができるのみで、開口は、ブランキング領域bfの全体のうち、ごく一部のみを形作っている。
【0050】
図6bに示すように、カバープレート201とアパーチャプレート203は、それぞれ、PD装置のプレート22の最初と最後のものである。描画ビームの照射を受けるのがこれらの2つのプレートだけであることは、注目すべき特徴である。それゆえ、他のプレートは、交換の提供が不要であるのに対して、これらの2つのプレートだけ定期的に交換しなくてはならない。(変形例では、アパーチャプレート203は、第1プレートとして配置されてもよい。これもカバープレートの役割を満たす。この場合には、1つのプレートだけが描画ビームの照射を受ける。)
プレート22は、公知のピエゾアクチュエータまたは微小位置決め要素により実現されるアクチュエータ手段24,25により、お互いに対して位置決めされたチャック23に保持されている。垂直アクチュエータ25は、省スペースにするために省略されてもよい。そうすると、プレート間の位置決めは、単に互いに積み上げられたチャック23自身の高さにより規定されるであろう。プレートが数100nmよりも大きくは動かないことを保証するように、プレート同士の位置が規定されると仮定すれば、水平アクチュエータを省略することも可能である。複数のチャックのうち1つ、例えば、図6のアパーチャプレートのチャックは、他のチャックの横方向の位置決めが容易になるようにカップ233として形成されていてもよい。好ましくは、プレート22とチャック23とは同じ材料、例えば、シリコンまたは動作温度範囲でこれと同じ熱膨張の挙動を示す材料により製造される。チャックはまた、ブランキングプレート202と補正手段205(もしあれば)に電力を供給する。明確化のために、電気の線は図面に示していない。
【0051】
プレート22には、開口26が、以下に詳細に説明する基準ビームrbを規定するために設けられている。そして、基準ビームrbとパターンドビームpbは基板面に向けて投影される。しかしながら、パターンドビームpbとは対照的に基準ビームrbは、基板41には届かないが、以下に詳細に説明するように、パターンロック装置で測定される。チャック23は、チャック23と、それらが保持するプレート22との相対的な位置決めをするための調整マーカーとして機能する調整開口236をさらに有している。
【0052】
さらに、一もしくはそれ以上の調整ユニットがPD装置に設けられていてもよい。ここに示した実施形態には、カバーとブランキングプレート201,202の間に調整ユニット501が配置されている。発明の他の実施形態としては、いかなる調整ユニットの組み合わせでも実施することができる。調整ユニットは、PD装置102の開口210,220,230,250のセットに沿ってビームレットbmが進む経路を(静的に)制御する機能を果たし、それゆえ、特に、製造や設置の許容範囲に起因しても起こりうるPD装置の構成要素の寸法許容差に加え、PD装置を有する装置100の構成要素に起こりうる不完全な整合、および/または、PD装置の構成要素(プレート)同士の互いの調整を考慮し、これらを補正する。また、グローバルな空間電荷効果に起因する像のゆがみと同様、像のゆがみや像面湾曲のようないくつかの光学収差が減じられる。
【0053】
好ましくは、調整ユニット501は、PD装置の第1プレート、すなわち、図6および7に示したカバープレート201の直後に配置される。調整ユニット501は、照光系101に課された要件を減じる助けになり、PDプレートの調整を容易にする。調整ユニット501は、図7を参照して以下に説明するように実現することができる。調整ユニットは、2つの偏向板50a,50bにより構成され、これらは、「下」側(ターゲットに向かう側)に電極ea1,ea2,eb1と適当な給電線(図示せず)を備えてなる導体面51a,51bを有している。好適な方法で幾何学的経路を補正する調整ユニットの電極には、静的な電圧が付与される。偏向板50a,50bは、調整され、ボンディングまたは真空に適合した接着剤で互いに固定される。異なる導体面51a,51bの間の電気的接触は、例えば、ワイヤーボンディングによりなされる。偏向板には、PD装置のアパーチャに対応しているが、カバープレートにより規定されるビームの幅w1よりは十分に大きい幅w5を有する開口の並びが形成されている。
【0054】
[基準マークおよびビームの偏向]
図8は、図6のPD装置における基準マークの配置を示す。PD装置の第1プレート、すなわちカバープレート201において、多数の平行なスロット、この例では5つのスロットが形成されている。このスロットのセットは、対応する数の副ビームレットからなる基準ビームレットrbを規定する基準マーク26として機能する。そして、基準ビームレットは、他のプレート501,202,203に形成された開口260を通過する。開口260は、基準ビームレットの通過を阻止しないことを保証するように十分に広い。こうして形成された基準ビームレットは、各検知ユニット61に基準マーク像を形成しながら、図6を参照して説明したように投影される。
【0055】
偏向ユニット56は、各基準ビームレットrbに、手段56がビームレットrbを偏向するようにPD装置に設けられる。その目的は、ビームレットrbに、小さいが十分な角度偏向θを与えるためである。角度偏向θは、基準ビームレットの経路を調整する機能を果たし、これにより基準ビームレットは、開口または他のビーム制限装置(例えば、ストッププレート204)にじゃまされることなく露光装置を通過し、各検知ユニットに正しく到達することができる。このような角度偏向は、照光系の高オーダーの収差効果によっては必要になることがある。
【0056】
図8に示した例においては、偏向ユニット56は、調整ユニット501に設置されている。調整ユニットは、各基準ビームレットのために、図7を参照して説明したような、調整電極を有していても良いことに注意すべきである。それから、電極561により生成された角度偏向θは、調整電極によって影響された(静的な)偏向に重なる。
【0057】
図9aの縦方向断面と図9bの横断面は、偏向ユニット56の好ましい実施形態を示している。少なくとも多極電極57の一つのセットは、電極を囲み、それらによって形成された電場を含むハウジングチューブ562の中に設置されている。ここで採用された小さな角度の型では、角度偏向は、複数の電極57の間の空間に保持された電場の強さの一次関数である。
【0058】
好ましくは、図9aに示すように、偏向電極のセットは、軸方向に2つの片571,572に分割されていてもよい。これは、例えば、基準ビームレットrbを、他の基準ビームレットおよび/またはダイビームから独立した方法で、検知ユニットを横切って移動させることが求められるような用途の場合に好ましい。特に、もし2つの多極片が通過するビームレットrbに対して対蹠的な電場を付与するなら、そのビームは、電場の方向に沿って、場の強さに比例した量だけずれ、結果として検知ユニット上で基準マーク26の像の位置のずれとなるであろうが、ビームレットには偏向は付与されない。2つの電場がゼロと異なる値に増加させるなら、追加的な角度偏向が付与される。2つの片571,572は、個別に制御され、これにより角度偏向θとビームレットのズレが互いに個別に調整される。
【0059】
角度偏向θを用いて、基準ビームレットは、光軸に対して特に径方向に偏向される。基準ビームレットが光軸から相当な距離に位置し、それにより場合によっては相当量の光学的な軸外収差を免れないにもかかわらず、これは、基準ビームレットが、どんなビーム制限装置(例えば、ストッププレート)にもぶつかることなく、鏡筒と、特にクロスオーバc1を通ってガイドされるのを確かにする。さらに、ビームレットのずれを導入することにより、偏向ユニットは、検知ユニットで基準ビームレットが当たる位置の正確な補正に用いることができる。結果として、基準ビームレットが当たる位置は、基準ビームレットの位置変位に対して最大の応答信号が与えられるように、偏向ユニットを用いて調整される。
【0060】
[検知ユニット]
すでに説明したように、各基準マーク26は記録装置601に含まれる各検知ユニット61に投影される。図10から14は検知ユニット61の好ましい実施形態を示す。これらの例において、基準ビームレットは3つの副ビームレットによって構成されていると考えることができる。このケースは、他の基準ビームレットの構成に容易に拡張することができる。
【0061】
図10の検知ユニット610に関して、差分アンプ619の正と負の入力に選択的に接続された6つのレジスタパッド611,612,613,614,615,616が設けられている。パッド611から616は、同じ形の、好ましくは長方形の隣接したストライプとして形成され、互いに、また周囲に対して隔離された導電性の材料により作られている。この材料は、帯電した照射を吸収できる。結果として、領域が基準ビームの照射に当たったとき、帯電し、発生する電流は、接続された差分アンプ619により測定される。もしくは、パッドは、二次電子を高効率で発生する材料で作られていてもよく、この場合には、当たった照射は主として二次電子の生成により帯電効果を引き起こす。いずれの場合にも、電流は、パッドに照射される比例する。レジスタパッドは、基準マーク26の大きさに対応した領域の中に配置される。本実施形態では、それらは、側長が約36μmの領域内のストライプとして形成される。もしこの領域に6つのパッドが形成されるなら、各パッドは、幅約6μmとなる。もし、パッドの数がより多ければ、それにしたがって幅は小さくなる。
【0062】
図11は、基準ビームの副ビームレット61sにより照射された記録パッド611〜616を示している。図示したケースでは、正のパッド611,613,615と負のパッド612,614,616に同じ量の照射が付与されている。もし、基準ビームが右に動けば、負のパッドに生ずる電流が減ずるのと同じくして、一方で正のパッドに生ずる電流は増大し、結果的に差分アンプ619の出力に明白な差異がある信号が出る。
【0063】
図12は、3つの副ビームレットからなる基準ビームのための、変形例の検知ユニットをグルーブディテクタ63に実現したものである。ディテクタ63は、周囲から隔離されグラウンド(周囲)に対して電流を測るアンプ639の入力に接続された、導電性の材料片で実現される。いくつかの溝637は、この場合には櫛状構造を形成するための3つのストライプとして形成され、幅w6よりも大きな深さd6の溝で設けられている。もちろん、溝の構造は、基準ビーム(副ビームレット)の構造に対応している。
【0064】
図13を参照すると、電子線の基準ビームによる照射により、ディテクタの材料表面から二次電子が出てくる。この二次電子は、すべての方向に放射される。溝の中で、二次電子はファラデーカップの中のように壁に吸収され、結果的に、電子線が当たるのに対応して負の電流が測定される。しかしながら、頂部領域に当たるビームの一部は、ディテクタから自由に飛び出す二次電子を引き起こし、結果として正味の電子の欠乏、つまり正の電流が生ずる。そのため、溝と頂部の境界に対する位置によって結果として生じる電流の符号と大きさが変化する。つまり、もし副ビームレットの大部分が溝に落ちれば負となり、大部分が頂部に当たれば正となる。
【0065】
同様の効果が負に帯電したイオンビームの場合にも見られる。正に帯電したイオンの場合、生ずる電流は常に正であるが、大きさは、位置による。
【0066】
図14は、2次元配列のレジスタパッドを備える「複数検知ユニット」64を図示している。図10に示したパッド64a,64b,64c,64dのようなセットは、平行に位置しているが、微妙にオフセットしている。それゆえ、基準ビームは、各パッドのセットの個別のアンプ649a〜649dの出力において、異なる検知信号を生じさせるだろう。
【0067】
図15は、「複数検知ユニット」の線形な変形例65を図示している。この例において、5つのパッドセットが一列に並んでおり、各セットは、差分アンプ659に接続された2つの組のパッド651,652,653,654からなっている。同じ符号のパッドのオフセットは、副ビームレット65sのオフセットと少し異なり、そのため個別のパッドセットは、基準副ビームレットに異なる態様で当たり、アンプ659の正味の出力信号と異なる結果となる。
【0068】
レジスタパッドの配置は、必ずしも基準ビームの副ビームレットに正確に対応していなくても構わないことに注意すべきである。実際、図15ですでに説明したように、レジスタパッドの形が、基準副ビームレットから適切に異なっているのも有益である。
【0069】
さらに、図16と図17を参照し、パッドと副ビームレットの構造が一様に周期的でないとしても有益である。図16は、グルーブディテクタ(上述の図12の説明参照)の非周期的な構造のプロファイル67を示しており、溝の幅は変化している。選択された溝677の幅は、例えば2倍である。この例において、基準ビームの副ビームレットの配置は、同じく、ディテクタの溝構造に対応するように修正されている。適切に修正された溝幅の構造のおかげで、ディテクタ電流Iの強度は、図17に示すように基準ビームレットの相対位置Δxに対し複雑な依存関係を示す。一つの際だった特徴は、高コントラストな中央の主たる最大値m1の存在である。他の有利な特徴は、構造特徴の距離の適切な選択を通じて対象な配置で発生し、基準走査動作の幅を測定させる、第2の最大値m2の存在である。
【0070】
[パターンロック制御ループ]
再び図5を参照し、検知ユニットによって発生した信号、例えば検知電流Iは、入力信号s1として受け取られ、各基準ビームレットの位置情報を得るために、パターンロック制御ユニットPCUに計算のため導かれる。位置情報に基づき、X/Y変位の観点からダイビームの相対ゆがみ状態、回転変位、拡大ゆがみ、台形ゆがみなどが決定される。
【0071】
これらのデータから、順に、制御ユニットPCUは、望まれた公称値からのずれの量を計算し、対応する補正信号s2を決定する。変位/ゆがみ信号を最小とし、それにより対応するダイビームのある基準面に対する変位/ゆがみを減少させるように、信号s2は、PID閉鎖ループ制御装置を使用し、鏡筒(例えば、静電多極および/または上述したような磁性要素)の調整要素315を用いて鏡筒にフィードバックされる。検知信号の測定は、例えば1kHzの測定速度で行われる。このことは、基準ビームに測定速度より下の周波数範囲内、ここでは例えば数百Hzで基準ビームに(そして結果的にダイビームに)作用する位置誤差の影響を決定し、そして補償する。パターンロックは、ある基準面に関する静的な変位/ゆがみのみを維持することに注意すべきである。そして、ターゲット(例えば、ウエハ)に対する変位/ゆがみ状態制御は、おそらくパターンロックそのもの、通常アライメントといわれるものに非常に類似した、追加的な手続/装置でなければならない。
【0072】
基準ビームレットの位置検知を実行するため、適切な電圧変化が各偏向ユニット56の電極に付与され、これにより対応する基準ビームは、そして結果的に基準マーク像は検知ユニット上を走査され、順に計算されて所望のビーム位置を与える特徴信号が得られる。
【0073】
[簡略化されたビーム偏向]
偏向ユニットの簡略化された配置が図18と図19に示されている。このケースにおいて、基準ビームレットは、偏向板561の組のみを備える偏向ユニット56′を通る。偏光板は、それらの主軸mx(図19bの水平軸)が露光装置の光軸cxを横切るような向きに向き合わせされ、ビームレットをガイドする目的で、ビームレットの角度偏向が、どんなビーム制限装置にも当たること無く鏡筒を通過する。この角度偏向は、存在する軸外収差と相まって、基準面に形成される基準ビームレットの像の精密な位置調整の可能性をさらに提供する。
【0074】
図20を参照して、再校正の方法とともに以下に説明する簡略化された配置は、偏向ユニット56′が上述したものよりもずっとシンプルであるという点、また、ビームレットの走査が必要とされないという点で有利である。さらに、もし基準ビームレットがPD装置の中で補正されることなくビームラインとなってすべての開口を通過できる方法でPD装置20を照射することができるなら、偏向ユニットは省略されてもよい。この場合には、検知ユニットにおいて基準ビームレットが当たる位置の精密な調整は他の方法、例えば第1投影段の光学要素の適切な調整および/または、図14および15に示した「マルチ検知ユニット」64,65のパッドセットのような記録装置内での検知ユニットの適切な位置の選択によってなされてもよい。
【0075】
この場合、基準ビームレットの位置検出を実行するために、ビームレットの走査は避けるべきであり、それにより基準ビームは名目上固定された位置をとり、そして検知ユニットに一定した信号レベルを与える。外乱による基準ビームレットの位置の変化は結果として対応するディテクタ上の信号レベルの変化となり、この信号レベルの次々の変化は、基準ビームレットの位置決定に使用される。
【0076】
[再校正の方法]
オーバタイムtの関数としての検知ユニット信号Iの例を示す図20は、基準ビーム位置の再校正とパターンロックの制御の好ましい、周期的な合成方法を図示している。この方法は、処理装置100の製造過程において、ターゲットが露光されていない期間により分離された、規定された時間Texpの間隔でターゲットの露光が起こるという事実を利用している。これらの露光休止の間において、ダイビームは通常スイッチオフされ、さもなければ遮断される。
【0077】
提案された方法によれば、露光休止の間に基準ビームレットの再校正が実行される。このため、基準ビームレットは(ダイビームとともに)偏向ユニット315を用いてディテクタ範囲にわたりアクティブ走査される。このアクティブ走査は、露光休止の最初において時間間隔Tcalで実行される。図20は、再校正の間において、操作可能な型の2つの終わりを印す、2つの極値的ピークが検知されたことを図示し、校正間隔Tcalの終わりに向かって、動作基点Iはこれら2つの極値の間の中央が採用される(図20においては、明確化のために検知ユニットの複雑な特徴のすべてを示すよりむしろ、両極値の間の簡略化された傾斜だけが示されている)。
【0078】
動作基点の選択が完了し、校正間隔Tcalが終了した後、パターンロック制御は、上述したようにパターンロックフィードバックのための信号Iを使用して再開される。パターンロック制御間隔Tregは、一またはそれ以上の連続的なダイ露光ステップTexpの時間を完全に埋め込んでいる。ダイ露光ステップの間に、基準ビームレットは、ダイビームに対して固定され、それらの位置は、ダイビームの位置の特定に使用される。この方法は、検出範囲にわたって完全な信号挙動を決定するのを可能にし、またディテクタとアンプを再校正、特に検出範囲の基準位置に対して再校正するのを可能にする。この方法により、基準位置は、次の露光ステップの間に使用されることができる信号範囲の中央に調整されることができる。好ましくは、動作基点Iは、信号の傾斜が十分に高い(高解像度)位置が選択され、一方の側に制御するのに十分な余地がある。
【0079】
検知ユニットから信頼できる信号レベルを得るため、個別の検知反応機能の定期的な再校正は必要である。再校正を用いて検知ユニット内のどのようなドリフトも補償できる。PML2の装置においては、この再校正は、各ストライプ像を書いた後ステージを反転させる動作のために必要な各書込休止において有利に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】通常の技術水準のマスクレス粒子ビーム装置の配置を縦方向断面で示す。
【図2】図1の描画装置のパターン定義装置におけるアパーチャの配置を示す平面図である。
【図3】基板表面に存在するイメージ領域を示す図である。
【図4】露光されるウエハ基板上の、図3のイメージ領域の動きを示す図である。
【図5】好ましい実施形態に係る粒子ビーム装置およびそのパターンロック装置の全体図である。
【図5a】基準ビーム記録の詳細を示す。
【図6a】パターン描画装置を上面図で示す。
【図6b】パターン描画装置の縦断面図である。
【図7】アパーチャの詳細を示す図6bの詳細図である。
【図8】基準マークの詳細を示す図6bの他の詳細図である。
【図9a】偏向ユニットの図8の基準マークにおける縦方向断面の詳細を示す。
【図9b】偏向ユニットの図8の基準マークにおける横断面の詳細を示す。
【図10】検知ユニットの第1の変形例を示す。
【図11】基準ビームにより照射された図10の検知ユニットを示す。
【図12】検知ユニットの第2の変形例を示す。
【図13】基準ビームにより照射された図12の検知ユニットを示す。
【図14】検知ユニットのさらなる変形例を示す。
【図15】検知ユニットのさらなる変形例を示す。
【図16】検知ユニットの他の配置を示す。
【図17】図16の検知ユニットに関し、基準ビームの位置の関数として発生する電流パターンを示す。
【図18】簡略化された基準マークの変形例の図8に対応する図である。
【図19a】簡略化された基準マークの変形例の図9aに対応する図である。
【図19b】簡略化された基準マークの変形例の図9bに対応する図である。
【図20】パターンロック制御装置の再校正を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子ビーム投影処理装置(100)でパターン像(i2)によりターゲット(41)を露光する間に前記パターン像の位置を制御する方法であって、前記パターンは、パターン描画手段(20)において形成され、かつ荷電粒子(lb,pb)を用いて粒子光投影装置(103)を通して前記ターゲット(41)上に投影され、前記方法は、
−同じ投影装置(103)を通して、前記パターン描画手段(20)において設けられた複数の基準マーク(26)を、所望の位置にある前記基準マークの像の箇所に位置した対応する数の記録手段(61)上に投影し、
−前記記録手段(61)において前記基準マーク(26)の像を検知し、前記記録手段は対応する信号(s1)を発生し、
−制御手段(PCU)において前記信号を処理し、前記投影装置の投影特性を調整するために制御信号(s2)を算出し、前記基準マークの像を前記所望の位置に一致させ、
前記パターンの投影は、前記投影装置(103)の少なくとも2つの連続的な投影段(31,32)、つまり、少なくとも1つのの最終でない投影段と1つの最終的な投影段とを備え、かつ、この後者が前記パターン像(i2)を生成するもの、を用いてなされ、
前記基準マークの像の検知は、最終的でない投影段の中間像(i1)の位置においてなされ、前記記録手段(61)は、中間像面(e1)の公称位置の箇所に位置していることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1の方法において、
前記基準マークの少なくとも1つにより形成された基準ビームレットは、偏向手段に付与される時間依存性の電圧に依存し、前記パターン描画手段(20)に設けられた前記偏向手段(56)により横方向にシフトされ、各基準マークの像に、対応する時間依存性の走査動作がなされることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2の方法において、
基準ビームレットの横方向のシフトは、少なくとも2セット(571,572)の電極により発生され、前記セットは、前記ビームレットの方向に沿って見て直列に配置されたことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3の方法において、
前記電極のセットとして多極電極が使用されることを特徴とする方法。
【請求項5】
パターン像(i2)をターゲット(41)に露光するのに適合した粒子ビーム投影処理装置(100)であって、前記パターンを形成するパターン描画手段(20)と、荷電粒子ビーム(lb,pb)を用いて前記パターンを前記ターゲット(41)上に投影するのに適合した粒子光投影装置(103)と、を備え、
前記装置は、制御手段(PCU)と、複数の記録手段とをさらに備え、この記録手段は、前記パターン描画手段(20)に設けられた、対応する数の基準マーク(26)の像を、同じ投影装置(103)を通して投影されたときに検知するものであり、
前記記録手段(61)は、所望の位置にある前記基準マークの像の箇所に位置し、前記像に対応する信号を発生するのに適合しており、
前記制御手段(PCU)は、前記信号を処理するのに適合しており、前記投影装置の投影特性を調整するために制御信号(s2)を算出し、前記基準マークの像を前記所望の位置に一致させ、
前記投影装置(103)は、前記パターンを投影するために少なくとも2つの連続する投影段(31,32)、つまり、少なくとも1つのの最終でない投影段と1つの最終的な投影段とを備え、かつ、この後者が前記パターン像(i2)を生成するものであり、
前記記録装置(61)は、中間像面(e1)の公称位置の箇所に位置し、前記位置制御装置は、最終でない投影段の中間像(i1)の位置において基準マークの像の検知を実行するのに適合されたことを特徴とする粒子ビーム投影処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、
パターン描画手段(20)に設けられた偏向手段(56)を備え、前記偏向手段(56)は、前記偏向手段に付与される時間依存性の電圧に依存する少なくとも1つの基準マークにより形成された基準ビームレットを横方向にシフトするのに適合され、各基準マークの像に、対応する時間依存性の走査動作がなされることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、
少なくとも2つのセット(571,572)の電極が前記基準ビームレットの横方向のシフトを発生させるために設けられ、前記セットは、前記ビームレットの方向に沿って見て直列に配置されたことを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、
前記電極のセットは、多極電極として実現されることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3a】
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【図4】
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【図5】
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【図5a】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19a】
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【図19b】
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【図20】
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【公表番号】特表2008−521221(P2008−521221A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541574(P2007−541574)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【国際出願番号】PCT/AT2005/000454
【国際公開番号】WO2006/053358
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(503070579)イーエムエス ナノファブリカツィオン アーゲー (7)
【Fターム(参考)】