粒子計測装置
【課題】高い応答性で、粒子の濃度および種類を高精度に測定することができる粒子計測装置を提供する。
【解決手段】粒子計測装置は、大気中の粒子を吸引する吸入口と、吸引された粒子を輸送する配管部と、配管部を経由した粒子が通過するサンプルセルと、サンプルセル内を通過する粒子へ光を照射する光源と、光のうち粒子により散乱された散乱光を検出する第1の光センサと、光により粒子が発する蛍光を検出する第2の光センサと、第2の光センサの出力信号に基づいて粒子の種類を特定する分析部と、第1の光センサの出力信号に基づいて粒子を検出した時点で光源の発光強度を増加させて、第2の光センサによって蛍光を検出させる制御部と、を備える。
【解決手段】粒子計測装置は、大気中の粒子を吸引する吸入口と、吸引された粒子を輸送する配管部と、配管部を経由した粒子が通過するサンプルセルと、サンプルセル内を通過する粒子へ光を照射する光源と、光のうち粒子により散乱された散乱光を検出する第1の光センサと、光により粒子が発する蛍光を検出する第2の光センサと、第2の光センサの出力信号に基づいて粒子の種類を特定する分析部と、第1の光センサの出力信号に基づいて粒子を検出した時点で光源の発光強度を増加させて、第2の光センサによって蛍光を検出させる制御部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大気中や液中に飛散する花粉等の粒子を計測する粒子計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スギやヒノキなど代表される花粉に対してアレルギー症状を示す花粉症患者が増加している。これらの花粉症患者にとって、家屋の窓の開閉や、洗濯物を屋外へ干す際や、外出の際に、参考のために、飛散している花粉の濃度をリアルタイムに把握することは、非常に有益である。
花粉症の患者毎にアレルゲンとなる花粉種即ち植物の種類が異なる。従って、花粉種毎に飛散している濃度を把握することは非常に有益である。
【0003】
従来のリアルタイム花粉計測装置としては、例えば、特許文献1では、大気中に飛散する花粉を吸引し配管部に導き、配管中を通過する花粉にレーザ光を照射し、その散乱光を検出し花粉濃度を算出する装置が提案されている。また、特許文献2では、配管経路中を通過する花粉に励起光となるレーザ光を照射し、花粉が発光する特有の蛍光量を計測することにより、花粉量に加えて花粉の種類を算出する構成が開示されている。
【特許文献1】特開平10−318908号公報
【特許文献2】特開2001−242065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2記載の装置を用いてレーザ光を連続発光(CW)させて測定する場合、照射パワーが不足することにより蛍光検出精度が低下し、結果的に花粉種の特定精度が低下する可能性がある。
この照射パワー不足を補うために、大気の吸引速度(単位時間当たりの吸引体積)を低下させることにより花粉の通過速度を低下させて、蛍光検出精度を向上させる方法が考えられる。しかし、大気の吸引速度を低下させると、濃度変化に対する応答性が低下し、リアルタイム性を損なうという問題があった。
そこで、本発明は、上記従来の問題に鑑み、高い応答性で、粒子の濃度および種類を高精度に測定することができる粒子計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る粒子計測装置は、大気中の粒子を吸引する吸入口と、吸引された前記粒子を輸送する配管部と、前記配管部を経由した前記粒子が通過するサンプルセルと、前記サンプルセル内を通過する前記粒子へ光を照射する光源と、前記光のうち前記粒子により散乱された散乱光を検出する第1の光センサと、前記光により前記粒子が発する蛍光を検出する第2の光センサと、前記第2の光センサの出力信号に基づいて前記粒子の種類を特定する分析部と、前記第1の光センサの出力信号に基づいて前記粒子を検出した時点で前記光源の発光強度を増加させて、前記第2の光センサによって前記蛍光を検出させる制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、高い応答性で、大気中等に存在する粒子の濃度および種類を高精度に測定することができる粒子計測装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の粒子計測装置の実施の形態を以下に示す。
(実施の形態1)
本実施の形態の粒子計測装置の構成を説明する。図1は、本実施の形態の粒子計測装置全体を示す構成図である。粒子計測装置は、大気中の花粉8を吸引する吸入口1、吸入口1に水やゴミが落下して花粉8と混ざり合わないようにするための覆い2、吸入口1から検出部6へ花粉8を導く配管部3、一定の吸引速度で大気を吸引するポンプ4、花粉8よりも大きな粒子などが配管部3内に入るのを防止するフィルタ5、および検出部6を制御解析する制御解析ユニット7を備える。
【0008】
ここで、図2に検出部および制御解析ユニットの構成を示す。図3および4に検出部6の正面図および縦断面図を示す。
検出部6は、配管部3を経由した花粉8が通過するサンプルセル61、サンプルセル61内を通過する花粉8にレーザ光を照射する半導体レーザ照射モジュール62、レーザ光のうち花粉8により散乱された散乱光を検出する散乱光受光モジュール63、およびレーザ光により花粉8が発する蛍光を検出する蛍光受光モジュール64からなる。散乱光受光モジュール63および蛍光受光モジュール64は、半導体レーザ照射モジュール62を含むyz面に配されている。半導体レーザ照射モジュール62が本発明における光源に相当し、散乱光受光モジュール63が本発明における第1の光センサに相当し、蛍光受光モジュール64が本発明における第2の光センサに相当する。
【0009】
配管部3を経由した花粉8は、注入口65から注入されサンプルセル61内の空洞部61aを通過する。この空洞部61aは、断面は一辺が2.5mmの正方形であり、長さ(X方向(流速方向))が10mmの直方体形状である。空洞部61aを通過した花粉8は排出口66から配管部3へ移動する。そしてポンプ4を経由して外部へ排出される。
半導体レーザ照射モジュール62は、半導体レーザと、これを発した光を略平行光にしてz方向に出射する光学系とからなる。
【0010】
散乱光受光モジュール63は、フォトダイオードと、プリアンプと、サンプルセル61内の半導体レーザ照射モジュール62が照射している領域でy方向へ散乱された光をフォトダイオードの受光面に入射させる光学系とからなる。散乱光受光モジュール63から出力される信号強度が散乱光強度を示す。
蛍光受光モジュール64は、フォトダイオードと、プリアンプと、サンプルセル61内の半導体レーザ照射モジュール62が照射している領域で発生し−y方向へ伝搬する蛍光をフォトダイオードの受光面に入射させる光学系と、特定の波長をフォトダイオードに入射させる分光素子とからなる。蛍光受光モジュール64からの出力される信号強度が蛍光強度を示す。
【0011】
制御解析ユニット7は、蛍光受光モジュール64の出力信号を分析して花粉8の種類を特定する蛍光分析器74と、散乱光受光モジュール63の出力信号に基づいて花粉8を検出した時点で半導体レーザの発光強度を増加させて、蛍光受光モジュール64によって蛍光を検出させ、花粉8が蛍光受光モジュール64の受光領域を通過した後、半導体レーザ照射モジュール62の発光強度を増加する前の強度に戻す制御部と、を含む。さらに詳しくは、制御部は、半導体レーザ照射モジュール62を駆動する駆動器71、半導体レーザの発光強度をパルス状に増加させるトリガー信号を、駆動器71に供給するトリガ−発生器72、および散乱光受光モジュール63の出力信号のパルス数を計数するカウンター73からなる。蛍光分析器74が本発明における分析部に相当する。
【0012】
次に、本実施の形態の粒子計測装置の動作を、図5〜7を用いて説明する。
ここでは、一例として、半導体レーザ照射モジュール62が、波長≒400nmで、x方向のビーム厚さが1mmの略平行光のレーザ光をz方向へ照射する場合を説明する。なお、波長≒400nmの光が照射されると、スギ花粉の場合は波長≒500nmにピークを示す蛍光スペクトルを発し、ヒノキ花粉の場合は波長≒521nmにピークを示す蛍光スペクトルを発し、ブタクサ花粉の場合は波長≒505nmにピークを示す蛍光スペクトル蛍光を発することが知られている。
【0013】
また、分光素子として、透過率のピークが500nm、および透過率の半値全幅が10nmの誘電体多層膜からなるバンドパスフィルターを用い、シリコンフォトダイオードの受光面には500±5nmの蛍光を入射するように構成された蛍光受光モジュール64を用い、スギ花粉の蛍光スペクトルのピークを検出する場合を説明する。
本実施の形態では、ポンプ4が吸引速度=4.1L/分で大気を吸引する。従って、サンプルセル61内の空洞部61aでは、流速≒10.9m/sの空気流が発生し、これに乗って花粉も速度≒10.9m/sで、サンプルセル61内を移動する。
【0014】
図5〜7のグラフにおいて横軸は時間(s)を示す。図5のグラフの縦軸は、散乱光受光モジュール63の出力信号を示し、これは花粉により散乱された散乱光強度と他の粒子によって散乱された散乱光強度との合計に相当する。図6のグラフの縦軸は、半導体レーザ照射モジュール62から照射されるパワーを示す。図7のグラフの縦軸は、蛍光受光モジュール64の出力信号を示し、これは花粉が発した蛍光強度に相当する。
【0015】
図5のグラフにおいて、散乱光受光モジュール62は、粒子が半導体レーザ照射モジュール62の照射領域を通過する毎に、パルス信号を発生する。ここで、このパルス信号のパルス幅は(1mm)/(10.9m/s)≒91.4μsになる。また、パルス振幅は粒子の大きさに依存し、粒子が大きくなるほど大きくなる。花粉の粒径は20μm以上であり、その他の大半の浮遊粒子は10μm以下なので、パルス振幅のピークが所定値以上の場合は花粉と判定する。ここで、予め花粉以外の浮遊粒子に対するパルス振幅と、花粉に対するパルス振幅を計測しておく。そして、これらを区別するために、花粉以外の浮遊粒子に対するパルス振幅の値よりも大きく、かつ花粉に対するパルス振幅の値よりも小さい所定値y1を設定する。なお、この所定値y1を小さくしすぎると花粉以外の浮遊粒子を花粉と誤判定してしまい、所定値y1を大きくしすぎると花粉をそれ以外の浮遊粒子と誤判定してしまうので、使用する環境に応じてこれらの誤判定が最小になるように設定する。
【0016】
単位時間当たりのパルス数が粒子の濃度に相当し、例えば花粉濃度が1000個/m3の時、単位時間当たりのパルス数=1000×(4.1L/1m3)=4.1パルス/min≒0.0683パルス/sになる。カウンター73は単位時間当たりのパルス数を計数し濃度を算出する。ここで、所定値y1を超えたパルスだけを計数した場合は花粉の濃度に相当し、所定値y1以下のパルスを計数した場合は、その他の粒子濃度に相当する。
【0017】
トリガー発生器72は、パルス振幅が所定値y1を超えたパルス信号を観測する時(図5中のt1およびt3の時点)、駆動器71へトリガー信号を供給する。そして、駆動器71は半導体レーザ照射モジュール62を制御し、図6のグラフに示すように、出力パワーをパルス状に増加させる。すなわち、図6中のt1およびt3の時点で、出力パワーをy2からy3へ(例えば、5mWから100mWへ)増加させる。そして、粒子が照射領域通過後、t1およびt3から所定時間τ経過後のt2およびt4の時点で、パワーをy3からy2へ(例えば、100mWから5mWへ)元に戻す。本実施の形態の場合はパワーを増加させている期間τ(図6中のt1〜t2の期間およびt3〜t4の期間)は91.4μsになる。言い換えると、出力パワーを振幅95mW(=100−5mW)、幅(τ)=91.4μsでパルス変調する。
【0018】
このように、出力パワーを制御すると、図7のグラフに示すように、蛍光受光モジュール64はパルス状の出力信号を示す。ここで、予めスギ花粉に対する蛍光受光モジュール64の出力信号(実線)のパルス振幅と、ヒノキ花粉に対するパルス振幅(点線)を計測しておき、これらが区別できるパルス振幅を所定値y4と設定する。そして、蛍光分析器74は、トリガー発生器72よりトリガー信号が供給されると、蛍光受光モジュールの出力信号を分析し、花粉種を特定する。即ちパルス振幅が所定値y4を超えている場合はスギ花粉と特定し、超えていない場合はヒノキ花粉と特定する。
【0019】
以上のように、本実施の形態によれば、花粉がレーザ光の照射領域を通過している期間のみレーザ光のパワーをパルス状に増加させることで、花粉に照射するパワーを増加させることができる。本実施の形態の粒子計測装置では、20倍のパワーを照射でき、蛍光強度も20倍になり蛍光の検出精度が向上することで、結果的に花粉種の特定精度を向上させることができる。
【0020】
半導体レーザの出力パワーの最大規格は、連続発光(CW)の場合とパルス発光の場合とに区別して設定されている。連続発光(CW)より、パルス発光の方が出力パワーを大きくすることができる。また、パルス幅とデューティーが小さいほど出力パワーを大きくできる。本発明は、この特性に鑑み、花粉が照射領域を通過するタイミングに合わせてパワーをパルス変調することで、発光能力を有効利用するものである。
【0021】
好ましくは、想定される最大花粉濃度時のデューティーとパルス幅から、許容される発光パワーにパルス発光時のパワー(パルス振幅)を設定すると最大の蛍光強度が得られる。例えば、花粉飛散量が非常に多く、花粉濃度が1000個/m3である場合、平均パルス間隔は(1m3/4.1L)/1000≒0.244min≒14.6sになる。パルス幅は91.4μsであるので、デューティーは91.4μs/14.6s≒6.26×10-6となる。そして、このデューティーとパルス幅から、パルス発光時のパワーを設定する。
【0022】
また、半導体レーザの寿命は、出力の平均パワーが低い程長くなるので、パルス発光時以外は、図6に示すグラフに示すパルス状の出力信号で、花粉が必要な精度で判定できる範囲で、発光パワーを小さく設定することにより半導体レーザの寿命を長くでき経済的である。さらに、パルス幅(τ)を通過期間(t1〜t2の期間)と一致させたことにより、蛍光検出の精度を最大に維持しつつ、平均パワーを低く設定することができ有利である。
【0023】
(実施の形態2)
本実施の形態の粒子計測装置の構成を説明する。
検出部6および制御解析ユニット7の代わりに検出部16および制御解析ユニット17を用いた以外は、図1に示す実施の形態1の粒子計測装置と同じである。
ここで、図8に検出部16および制御解析ユニット17の構成を示す。図9および10に検出部16の正面図および縦断面図を示す。なお、図8中のサンプルセル61、蛍光受光モジュール64、注入口65、排出口66、およびカウンター73は、図2のサンプルセル61、蛍光受光モジュール64、注入口65、排出口66、およびカウンター73と同じである。また、図8の蛍光励起用の半導体レーザ照射モジュール62およびトリガー発生器72は、図2の半導体レーザ照射モジュール62およびトリガー発生器72と同じであるが、設定や動作は異なる。
【0024】
検出部16は、サンプルセル61と、z方向に光を照射する半導体レーザ照射モジュール62と、半導体レーザ照射モジュール62の照射領域よりも上流側(−x方向に3mmの位置)に、サンプルセル61内を通過中の花粉8にレーザ光をz方向に照射する散乱光発生用の半導体レーザ照射モジュール67と、半導体レーザ照射モジュール62を含むyz面において、サンプルセル61の空洞部61aの両側に配された粒子が−yおよびy方向に発した蛍光を検出する一対の蛍光受光モジュール64および69、すなわち第1の蛍光受光モジュール64および第2の蛍光受光モジュール69とを備える。この半導体レーザ照射モジュール67は、半導体レーザと、これを発した光を略平行光にして出射する光学系とからなる。出力パワー≒20mW、波長≒780nmで、x方向のビーム厚さが1mmの略平行光のレーザ光をz方向へ照射する。半導体レーザ照射モジュール67及び半導体レーザ照射モジュール62が、それぞれ本発明における第1の光源及び第2の光源に相当する。また、第1の蛍光受光モジュール64および第2の蛍光受光モジュール69が本発明における第2の光センサに相当する。
【0025】
散乱光受光モジュール68は、花粉8により散乱された散乱光を検出する。この散乱光受光モジュール68は、フォトダイオードと、プリアンプと、サンプルセル61内の半導体レーザ照射モジュール67が照射している領域でy方向へ散乱された光をフォトダイオードの受光面に入射させる光学系とからなる。散乱光受光モジュール68から出力された信号強度が散乱光強度を示す。散乱光受光モジュール68が本発明における第1の光センサに相当する。
【0026】
半導体レーザ照射モジュール62は、実施の形態1と同様に、波長≒400nmで、x方向のビーム厚さが1mmの略平行光のレーザ光をz方向へ照射する。
第2の蛍光受光モジュール69は、花粉8が発した蛍光のみを検出する。第2の蛍光受光モジュール69は、フォトダイオードと、プリアンプと、サンプルセル61内の半導体レーザ照射モジュール62が照射している領域で発生しy方向へ伝搬する蛍光をフォトダイオードの受光面に入射させる光学系と、特定の波長をフォトダイオードに入射させる分光素子とからなる。第2の蛍光受光モジュール69から出力された信号強度が蛍光強度を示す。蛍光分析器76が本発明における分析部に相当する。
【0027】
次に、本実施の形態の粒子計測装置の動作を図11〜14を用いて説明する。
ここでは、分光素子として、透過率のピークが521nm、透過率の半値全幅が10nmの誘電体多層膜からなるバンドパスフィルターを用い、シリコンフォトダイオードの受光面には521±5nmの蛍光を入射するように構成された第2の蛍光受光モジュール69を用いて、ヒノキ花粉の蛍光スペクトルのピークを検出する場合を説明する。
【0028】
実施の形態1と同様に、ポンプ4が吸引速度=4.1L/分で大気を吸引している。従って、サンプルセル61内の空洞部61aでは、流速≒10.9m/sの空気流が発生し、これに乗って花粉も速度≒10.9m/sで、サンプルセル61内を移動する。
図11〜14のグラフにおいて横軸は時間(s)を示す。図11のグラフの縦軸は、半導体レーザ照射モジュール67から照射されるパワーを示し、散乱光を発生させるパワーである。図12のグラフの縦軸は、散乱光受光モジュール68の出力信号を示し、これは花粉により散乱された散乱光強度だけでなく、他の粒子によって散乱された散乱光強度に相当する。図13のグラフの縦軸は、半導体レーザ照射モジュール62から照射されるパワーを示し、蛍光を励起するパワーを示す。図14のグラフの縦軸は、蛍光受光モジュール64,69の出力信号を示し、これは花粉が発した蛍光強度に相当する。
【0029】
図12のグラフに示すように、散乱光受光モジュール68は、粒子が半導体レーザ照射モジュール67の照射領域を通過する毎に、パルス信号を発生する。ここで、このパルス信号のパルス幅は(1mm)/(10.9m/s)≒91.4μsになる。また、パルス振幅は粒子の大きさに依存し、粒子が大きくなるほど大きくなる。花粉の粒径は20μm以上であり、その他の大半の浮遊粒子は10μm以下なので、パルス振幅のピークが所定値以上の場合は花粉と判定する。ここで、予め花粉以外の浮遊粒子に対するパルス振幅と、花粉に対するパルス振幅を計測しておく。そして、これらを区別するために、花粉以外の浮遊粒子に対するパルス振幅の値よりも大きく、かつ花粉に対するパルス振幅の値よりも小さい所定値y5を設定する。なお、この所定値y5を小さくしすぎると花粉以外の浮遊粒子を花粉と誤判定してしまい、所定値y5を大きくしすぎると花粉をそれ以外の浮遊粒子と誤判定してしまうので、使用する環境に応じてこれらの誤判定が最小になるように設定する。
【0030】
単位時間当たりのパルス数が粒子の濃度に相当し、例えば花粉濃度が1000個/m3の時、単位時間当たりのパルス数=1000×(4.1L/1m3)=4.1パルス/min≒0.0683パルス/sになる。カウンター73は単位時間当たりのパルス数を計数し濃度を算出する。ここで、所定値y5を超えたパルスだけを計数した場合は花粉の濃度に相当し、所定値y5以下のパルスを計数した場合は、その他の粒子も含めた濃度に相当する。
【0031】
パルス振幅が所定値y5を超えたパルス信号を観測した時点(図12のt9およびt11)より所定時間t経過後、トリガー発生器72は、駆動器75へトリガー信号を供給する。本実施の形態の場合、散乱光が観測される領域よりも3mm下流側で蛍光が観測されるため、所定時間t=(3mm)/(10.9m/s)≒275μsになるように、トリガー発生器72を設定する。駆動器75は半導体レーザ照射モジュール62を制御し、図13のグラフのように、t9およびt11の時点から275μs経過後のt5およびt7の時点で、出力パワーを0mWから所定値y6(例えば、200mW)に増加させてパルス発光させる。そして、粒子が照射領域通過後、すなわち蛍光発光モジュール64、69の受光領域通過後、出力パワーを、所定値y6(例えば、200mW)から0mWへ元に戻す。本実施の形態の場合は出力パワーを増加させる期間(図13中のt5〜t6の期間およびt7〜t8の期間)は91.4μsになる。言い換えると、出力パワーを振幅200mW幅=91.4μsでパルス変調する。
【0032】
このように、出力パワーを制御すると、図14のグラフに示すように、蛍光受光モジュールはパルス状の出力信号を示す。図14中において、実線は第1の蛍光受光モジュール64の出力信号を示し、点線は第2の蛍光受光モジュール69の出力信号を示す。ここで、第1の蛍光受光モジュール64はスギ花粉の蛍光スペクトルのピークを検出するように設定されており、第2の蛍光受光モジュール69はヒノキ花粉の蛍光スペクトルのピークを検出するように設定されている。
【0033】
このため、スギ花粉の場合は第1の蛍光受光モジュール64の出力信号のほうが第2の蛍光受光モジュール69の出力信号よりも大きくなる。ヒノキ花粉の場合は第2の蛍光受光モジュール69の出力信号のほうが第1の蛍光受光モジュール64の出力信号よりも大きくなる。従って、蛍光分析器76は、実線(第1の蛍光受光モジュール64の出力信号)の方が、点線(第2の蛍光受光モジュール69の出力信号)よりも大きい場合をスギ花粉と特定し、反対の場合はヒノキ花粉と特定する。
【0034】
さらに、半導体レーザ照射モジュール67は、蛍光を検出している期間即ち半導体レーザ照射モジュール62がパルス発光している期間(図13に示すt5〜t6およびt7〜t8の期間)、発光を停止する。これにより、蛍光検出における迷光を低減させることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、花粉がレーザ光の照射領域を通過している期間のみレーザ光のパワーをパルス状に増加させることで、花粉に照射するパワーを増加させることができる。
【0035】
特に、蛍光分析の際に、分光特性、すなわち検出する蛍光波長が異なる2種の蛍光受光モジュール64、69の出力信号に基づいて花粉種を特定するため、特定精度が向上する。即ち、実施の形態1に比べて、励起光照射領域中のyz面における花粉位置の違いによる、照射強度や蛍光捕捉率の違いによる影響を除去できるので、特定精度が向上する。例えば、2種の蛍光受光モジュールの信号の比を算出し、予め花粉種毎に比を計測して登録しておくことで、多数の花粉種を特定できる。
【0036】
また、一般的にパルス発光専用の半導体レーザは、CW発光が可能な半導体レーザよりも、高いパワーで発光可能である。従って、本実施の形態のように半導体レーザ照射モジュール62が蛍光励起専用である場合、パルス発光専用の半導体レーザを使用することができ、高いパワーを照射することが可能になり、精度向上に有利である。
【0037】
上記実施の形態は、花粉の種類を特定する場合を示すが、花粉以外でも特有の蛍光を発する粒子であれば、その粒子の特有の蛍光スペクトルを検出することにより、粒子の種類を特定することができる。
また、上記実施の形態は、大気中を浮遊する花粉の種類を特定する場合を示すが、大気中を浮遊する他の粒子であってもよい。このような粒子としては、例えば、土誇り、ハウスダスト、ディーゼル車から排出される粒子等が挙げられる。また、溶液中を浮遊する粒子、例えば、ポリスチレン粒子、抗原抗体複合物等を特定する場合も上記と同様の効果を発揮することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る粒子計測装置は、大気中に飛散する花粉等の粒子の濃度と種類を高精度、かつ高い応答性で特定できるため、花粉症対策等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態1の粒子計測装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1の粒子計測装置における検出部6と制御解析ユニット7の構成図である。
【図3】図2の検出部6の正面図である。
【図4】図2の検出部6の縦断面図である。
【図5】散乱光受光モジュール63の出力信号の経時変化を示す図である。
【図6】半導体レーザ照射モジュール62の出力パワーの経時変化を示す図である。
【図7】蛍光受光モジュール64の出力信号の経時変化を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2の粒子計測装置における検出部16と制御解析ユニット17の構成図である。
【図9】図8の検出部16の正面図である。
【図10】図8の検出部16の縦断面図である。
【図11】散乱光発生用半導体レーザ照射モジュール67の出力パワーの経時変化を示す図である。
【図12】散乱光受光モジュール68の出力信号の経時変化を示す図である。
【図13】蛍光励起用半導体レーザ照射モジュール62の出力パワーの経時変化を示す図である。
【図14】蛍光受光モジュール64、69の出力信号の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1 吸引口
2 覆い
3 配管部
4 ポンプ
5 フィルタ
6、16 検出部
7、17 制御解析ユニット
8 花粉
61 サンプルセル
61a 空洞部
62、67 半導体レーザ照射モジュール
63、68 散乱光受光モジュール
64、69 蛍光受光モジュール
71、75 駆動器
72 トリガー発生器
73 カウンター
74、76 蛍光分析器
【技術分野】
【0001】
本発明は、大気中や液中に飛散する花粉等の粒子を計測する粒子計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スギやヒノキなど代表される花粉に対してアレルギー症状を示す花粉症患者が増加している。これらの花粉症患者にとって、家屋の窓の開閉や、洗濯物を屋外へ干す際や、外出の際に、参考のために、飛散している花粉の濃度をリアルタイムに把握することは、非常に有益である。
花粉症の患者毎にアレルゲンとなる花粉種即ち植物の種類が異なる。従って、花粉種毎に飛散している濃度を把握することは非常に有益である。
【0003】
従来のリアルタイム花粉計測装置としては、例えば、特許文献1では、大気中に飛散する花粉を吸引し配管部に導き、配管中を通過する花粉にレーザ光を照射し、その散乱光を検出し花粉濃度を算出する装置が提案されている。また、特許文献2では、配管経路中を通過する花粉に励起光となるレーザ光を照射し、花粉が発光する特有の蛍光量を計測することにより、花粉量に加えて花粉の種類を算出する構成が開示されている。
【特許文献1】特開平10−318908号公報
【特許文献2】特開2001−242065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2記載の装置を用いてレーザ光を連続発光(CW)させて測定する場合、照射パワーが不足することにより蛍光検出精度が低下し、結果的に花粉種の特定精度が低下する可能性がある。
この照射パワー不足を補うために、大気の吸引速度(単位時間当たりの吸引体積)を低下させることにより花粉の通過速度を低下させて、蛍光検出精度を向上させる方法が考えられる。しかし、大気の吸引速度を低下させると、濃度変化に対する応答性が低下し、リアルタイム性を損なうという問題があった。
そこで、本発明は、上記従来の問題に鑑み、高い応答性で、粒子の濃度および種類を高精度に測定することができる粒子計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る粒子計測装置は、大気中の粒子を吸引する吸入口と、吸引された前記粒子を輸送する配管部と、前記配管部を経由した前記粒子が通過するサンプルセルと、前記サンプルセル内を通過する前記粒子へ光を照射する光源と、前記光のうち前記粒子により散乱された散乱光を検出する第1の光センサと、前記光により前記粒子が発する蛍光を検出する第2の光センサと、前記第2の光センサの出力信号に基づいて前記粒子の種類を特定する分析部と、前記第1の光センサの出力信号に基づいて前記粒子を検出した時点で前記光源の発光強度を増加させて、前記第2の光センサによって前記蛍光を検出させる制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、高い応答性で、大気中等に存在する粒子の濃度および種類を高精度に測定することができる粒子計測装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の粒子計測装置の実施の形態を以下に示す。
(実施の形態1)
本実施の形態の粒子計測装置の構成を説明する。図1は、本実施の形態の粒子計測装置全体を示す構成図である。粒子計測装置は、大気中の花粉8を吸引する吸入口1、吸入口1に水やゴミが落下して花粉8と混ざり合わないようにするための覆い2、吸入口1から検出部6へ花粉8を導く配管部3、一定の吸引速度で大気を吸引するポンプ4、花粉8よりも大きな粒子などが配管部3内に入るのを防止するフィルタ5、および検出部6を制御解析する制御解析ユニット7を備える。
【0008】
ここで、図2に検出部および制御解析ユニットの構成を示す。図3および4に検出部6の正面図および縦断面図を示す。
検出部6は、配管部3を経由した花粉8が通過するサンプルセル61、サンプルセル61内を通過する花粉8にレーザ光を照射する半導体レーザ照射モジュール62、レーザ光のうち花粉8により散乱された散乱光を検出する散乱光受光モジュール63、およびレーザ光により花粉8が発する蛍光を検出する蛍光受光モジュール64からなる。散乱光受光モジュール63および蛍光受光モジュール64は、半導体レーザ照射モジュール62を含むyz面に配されている。半導体レーザ照射モジュール62が本発明における光源に相当し、散乱光受光モジュール63が本発明における第1の光センサに相当し、蛍光受光モジュール64が本発明における第2の光センサに相当する。
【0009】
配管部3を経由した花粉8は、注入口65から注入されサンプルセル61内の空洞部61aを通過する。この空洞部61aは、断面は一辺が2.5mmの正方形であり、長さ(X方向(流速方向))が10mmの直方体形状である。空洞部61aを通過した花粉8は排出口66から配管部3へ移動する。そしてポンプ4を経由して外部へ排出される。
半導体レーザ照射モジュール62は、半導体レーザと、これを発した光を略平行光にしてz方向に出射する光学系とからなる。
【0010】
散乱光受光モジュール63は、フォトダイオードと、プリアンプと、サンプルセル61内の半導体レーザ照射モジュール62が照射している領域でy方向へ散乱された光をフォトダイオードの受光面に入射させる光学系とからなる。散乱光受光モジュール63から出力される信号強度が散乱光強度を示す。
蛍光受光モジュール64は、フォトダイオードと、プリアンプと、サンプルセル61内の半導体レーザ照射モジュール62が照射している領域で発生し−y方向へ伝搬する蛍光をフォトダイオードの受光面に入射させる光学系と、特定の波長をフォトダイオードに入射させる分光素子とからなる。蛍光受光モジュール64からの出力される信号強度が蛍光強度を示す。
【0011】
制御解析ユニット7は、蛍光受光モジュール64の出力信号を分析して花粉8の種類を特定する蛍光分析器74と、散乱光受光モジュール63の出力信号に基づいて花粉8を検出した時点で半導体レーザの発光強度を増加させて、蛍光受光モジュール64によって蛍光を検出させ、花粉8が蛍光受光モジュール64の受光領域を通過した後、半導体レーザ照射モジュール62の発光強度を増加する前の強度に戻す制御部と、を含む。さらに詳しくは、制御部は、半導体レーザ照射モジュール62を駆動する駆動器71、半導体レーザの発光強度をパルス状に増加させるトリガー信号を、駆動器71に供給するトリガ−発生器72、および散乱光受光モジュール63の出力信号のパルス数を計数するカウンター73からなる。蛍光分析器74が本発明における分析部に相当する。
【0012】
次に、本実施の形態の粒子計測装置の動作を、図5〜7を用いて説明する。
ここでは、一例として、半導体レーザ照射モジュール62が、波長≒400nmで、x方向のビーム厚さが1mmの略平行光のレーザ光をz方向へ照射する場合を説明する。なお、波長≒400nmの光が照射されると、スギ花粉の場合は波長≒500nmにピークを示す蛍光スペクトルを発し、ヒノキ花粉の場合は波長≒521nmにピークを示す蛍光スペクトルを発し、ブタクサ花粉の場合は波長≒505nmにピークを示す蛍光スペクトル蛍光を発することが知られている。
【0013】
また、分光素子として、透過率のピークが500nm、および透過率の半値全幅が10nmの誘電体多層膜からなるバンドパスフィルターを用い、シリコンフォトダイオードの受光面には500±5nmの蛍光を入射するように構成された蛍光受光モジュール64を用い、スギ花粉の蛍光スペクトルのピークを検出する場合を説明する。
本実施の形態では、ポンプ4が吸引速度=4.1L/分で大気を吸引する。従って、サンプルセル61内の空洞部61aでは、流速≒10.9m/sの空気流が発生し、これに乗って花粉も速度≒10.9m/sで、サンプルセル61内を移動する。
【0014】
図5〜7のグラフにおいて横軸は時間(s)を示す。図5のグラフの縦軸は、散乱光受光モジュール63の出力信号を示し、これは花粉により散乱された散乱光強度と他の粒子によって散乱された散乱光強度との合計に相当する。図6のグラフの縦軸は、半導体レーザ照射モジュール62から照射されるパワーを示す。図7のグラフの縦軸は、蛍光受光モジュール64の出力信号を示し、これは花粉が発した蛍光強度に相当する。
【0015】
図5のグラフにおいて、散乱光受光モジュール62は、粒子が半導体レーザ照射モジュール62の照射領域を通過する毎に、パルス信号を発生する。ここで、このパルス信号のパルス幅は(1mm)/(10.9m/s)≒91.4μsになる。また、パルス振幅は粒子の大きさに依存し、粒子が大きくなるほど大きくなる。花粉の粒径は20μm以上であり、その他の大半の浮遊粒子は10μm以下なので、パルス振幅のピークが所定値以上の場合は花粉と判定する。ここで、予め花粉以外の浮遊粒子に対するパルス振幅と、花粉に対するパルス振幅を計測しておく。そして、これらを区別するために、花粉以外の浮遊粒子に対するパルス振幅の値よりも大きく、かつ花粉に対するパルス振幅の値よりも小さい所定値y1を設定する。なお、この所定値y1を小さくしすぎると花粉以外の浮遊粒子を花粉と誤判定してしまい、所定値y1を大きくしすぎると花粉をそれ以外の浮遊粒子と誤判定してしまうので、使用する環境に応じてこれらの誤判定が最小になるように設定する。
【0016】
単位時間当たりのパルス数が粒子の濃度に相当し、例えば花粉濃度が1000個/m3の時、単位時間当たりのパルス数=1000×(4.1L/1m3)=4.1パルス/min≒0.0683パルス/sになる。カウンター73は単位時間当たりのパルス数を計数し濃度を算出する。ここで、所定値y1を超えたパルスだけを計数した場合は花粉の濃度に相当し、所定値y1以下のパルスを計数した場合は、その他の粒子濃度に相当する。
【0017】
トリガー発生器72は、パルス振幅が所定値y1を超えたパルス信号を観測する時(図5中のt1およびt3の時点)、駆動器71へトリガー信号を供給する。そして、駆動器71は半導体レーザ照射モジュール62を制御し、図6のグラフに示すように、出力パワーをパルス状に増加させる。すなわち、図6中のt1およびt3の時点で、出力パワーをy2からy3へ(例えば、5mWから100mWへ)増加させる。そして、粒子が照射領域通過後、t1およびt3から所定時間τ経過後のt2およびt4の時点で、パワーをy3からy2へ(例えば、100mWから5mWへ)元に戻す。本実施の形態の場合はパワーを増加させている期間τ(図6中のt1〜t2の期間およびt3〜t4の期間)は91.4μsになる。言い換えると、出力パワーを振幅95mW(=100−5mW)、幅(τ)=91.4μsでパルス変調する。
【0018】
このように、出力パワーを制御すると、図7のグラフに示すように、蛍光受光モジュール64はパルス状の出力信号を示す。ここで、予めスギ花粉に対する蛍光受光モジュール64の出力信号(実線)のパルス振幅と、ヒノキ花粉に対するパルス振幅(点線)を計測しておき、これらが区別できるパルス振幅を所定値y4と設定する。そして、蛍光分析器74は、トリガー発生器72よりトリガー信号が供給されると、蛍光受光モジュールの出力信号を分析し、花粉種を特定する。即ちパルス振幅が所定値y4を超えている場合はスギ花粉と特定し、超えていない場合はヒノキ花粉と特定する。
【0019】
以上のように、本実施の形態によれば、花粉がレーザ光の照射領域を通過している期間のみレーザ光のパワーをパルス状に増加させることで、花粉に照射するパワーを増加させることができる。本実施の形態の粒子計測装置では、20倍のパワーを照射でき、蛍光強度も20倍になり蛍光の検出精度が向上することで、結果的に花粉種の特定精度を向上させることができる。
【0020】
半導体レーザの出力パワーの最大規格は、連続発光(CW)の場合とパルス発光の場合とに区別して設定されている。連続発光(CW)より、パルス発光の方が出力パワーを大きくすることができる。また、パルス幅とデューティーが小さいほど出力パワーを大きくできる。本発明は、この特性に鑑み、花粉が照射領域を通過するタイミングに合わせてパワーをパルス変調することで、発光能力を有効利用するものである。
【0021】
好ましくは、想定される最大花粉濃度時のデューティーとパルス幅から、許容される発光パワーにパルス発光時のパワー(パルス振幅)を設定すると最大の蛍光強度が得られる。例えば、花粉飛散量が非常に多く、花粉濃度が1000個/m3である場合、平均パルス間隔は(1m3/4.1L)/1000≒0.244min≒14.6sになる。パルス幅は91.4μsであるので、デューティーは91.4μs/14.6s≒6.26×10-6となる。そして、このデューティーとパルス幅から、パルス発光時のパワーを設定する。
【0022】
また、半導体レーザの寿命は、出力の平均パワーが低い程長くなるので、パルス発光時以外は、図6に示すグラフに示すパルス状の出力信号で、花粉が必要な精度で判定できる範囲で、発光パワーを小さく設定することにより半導体レーザの寿命を長くでき経済的である。さらに、パルス幅(τ)を通過期間(t1〜t2の期間)と一致させたことにより、蛍光検出の精度を最大に維持しつつ、平均パワーを低く設定することができ有利である。
【0023】
(実施の形態2)
本実施の形態の粒子計測装置の構成を説明する。
検出部6および制御解析ユニット7の代わりに検出部16および制御解析ユニット17を用いた以外は、図1に示す実施の形態1の粒子計測装置と同じである。
ここで、図8に検出部16および制御解析ユニット17の構成を示す。図9および10に検出部16の正面図および縦断面図を示す。なお、図8中のサンプルセル61、蛍光受光モジュール64、注入口65、排出口66、およびカウンター73は、図2のサンプルセル61、蛍光受光モジュール64、注入口65、排出口66、およびカウンター73と同じである。また、図8の蛍光励起用の半導体レーザ照射モジュール62およびトリガー発生器72は、図2の半導体レーザ照射モジュール62およびトリガー発生器72と同じであるが、設定や動作は異なる。
【0024】
検出部16は、サンプルセル61と、z方向に光を照射する半導体レーザ照射モジュール62と、半導体レーザ照射モジュール62の照射領域よりも上流側(−x方向に3mmの位置)に、サンプルセル61内を通過中の花粉8にレーザ光をz方向に照射する散乱光発生用の半導体レーザ照射モジュール67と、半導体レーザ照射モジュール62を含むyz面において、サンプルセル61の空洞部61aの両側に配された粒子が−yおよびy方向に発した蛍光を検出する一対の蛍光受光モジュール64および69、すなわち第1の蛍光受光モジュール64および第2の蛍光受光モジュール69とを備える。この半導体レーザ照射モジュール67は、半導体レーザと、これを発した光を略平行光にして出射する光学系とからなる。出力パワー≒20mW、波長≒780nmで、x方向のビーム厚さが1mmの略平行光のレーザ光をz方向へ照射する。半導体レーザ照射モジュール67及び半導体レーザ照射モジュール62が、それぞれ本発明における第1の光源及び第2の光源に相当する。また、第1の蛍光受光モジュール64および第2の蛍光受光モジュール69が本発明における第2の光センサに相当する。
【0025】
散乱光受光モジュール68は、花粉8により散乱された散乱光を検出する。この散乱光受光モジュール68は、フォトダイオードと、プリアンプと、サンプルセル61内の半導体レーザ照射モジュール67が照射している領域でy方向へ散乱された光をフォトダイオードの受光面に入射させる光学系とからなる。散乱光受光モジュール68から出力された信号強度が散乱光強度を示す。散乱光受光モジュール68が本発明における第1の光センサに相当する。
【0026】
半導体レーザ照射モジュール62は、実施の形態1と同様に、波長≒400nmで、x方向のビーム厚さが1mmの略平行光のレーザ光をz方向へ照射する。
第2の蛍光受光モジュール69は、花粉8が発した蛍光のみを検出する。第2の蛍光受光モジュール69は、フォトダイオードと、プリアンプと、サンプルセル61内の半導体レーザ照射モジュール62が照射している領域で発生しy方向へ伝搬する蛍光をフォトダイオードの受光面に入射させる光学系と、特定の波長をフォトダイオードに入射させる分光素子とからなる。第2の蛍光受光モジュール69から出力された信号強度が蛍光強度を示す。蛍光分析器76が本発明における分析部に相当する。
【0027】
次に、本実施の形態の粒子計測装置の動作を図11〜14を用いて説明する。
ここでは、分光素子として、透過率のピークが521nm、透過率の半値全幅が10nmの誘電体多層膜からなるバンドパスフィルターを用い、シリコンフォトダイオードの受光面には521±5nmの蛍光を入射するように構成された第2の蛍光受光モジュール69を用いて、ヒノキ花粉の蛍光スペクトルのピークを検出する場合を説明する。
【0028】
実施の形態1と同様に、ポンプ4が吸引速度=4.1L/分で大気を吸引している。従って、サンプルセル61内の空洞部61aでは、流速≒10.9m/sの空気流が発生し、これに乗って花粉も速度≒10.9m/sで、サンプルセル61内を移動する。
図11〜14のグラフにおいて横軸は時間(s)を示す。図11のグラフの縦軸は、半導体レーザ照射モジュール67から照射されるパワーを示し、散乱光を発生させるパワーである。図12のグラフの縦軸は、散乱光受光モジュール68の出力信号を示し、これは花粉により散乱された散乱光強度だけでなく、他の粒子によって散乱された散乱光強度に相当する。図13のグラフの縦軸は、半導体レーザ照射モジュール62から照射されるパワーを示し、蛍光を励起するパワーを示す。図14のグラフの縦軸は、蛍光受光モジュール64,69の出力信号を示し、これは花粉が発した蛍光強度に相当する。
【0029】
図12のグラフに示すように、散乱光受光モジュール68は、粒子が半導体レーザ照射モジュール67の照射領域を通過する毎に、パルス信号を発生する。ここで、このパルス信号のパルス幅は(1mm)/(10.9m/s)≒91.4μsになる。また、パルス振幅は粒子の大きさに依存し、粒子が大きくなるほど大きくなる。花粉の粒径は20μm以上であり、その他の大半の浮遊粒子は10μm以下なので、パルス振幅のピークが所定値以上の場合は花粉と判定する。ここで、予め花粉以外の浮遊粒子に対するパルス振幅と、花粉に対するパルス振幅を計測しておく。そして、これらを区別するために、花粉以外の浮遊粒子に対するパルス振幅の値よりも大きく、かつ花粉に対するパルス振幅の値よりも小さい所定値y5を設定する。なお、この所定値y5を小さくしすぎると花粉以外の浮遊粒子を花粉と誤判定してしまい、所定値y5を大きくしすぎると花粉をそれ以外の浮遊粒子と誤判定してしまうので、使用する環境に応じてこれらの誤判定が最小になるように設定する。
【0030】
単位時間当たりのパルス数が粒子の濃度に相当し、例えば花粉濃度が1000個/m3の時、単位時間当たりのパルス数=1000×(4.1L/1m3)=4.1パルス/min≒0.0683パルス/sになる。カウンター73は単位時間当たりのパルス数を計数し濃度を算出する。ここで、所定値y5を超えたパルスだけを計数した場合は花粉の濃度に相当し、所定値y5以下のパルスを計数した場合は、その他の粒子も含めた濃度に相当する。
【0031】
パルス振幅が所定値y5を超えたパルス信号を観測した時点(図12のt9およびt11)より所定時間t経過後、トリガー発生器72は、駆動器75へトリガー信号を供給する。本実施の形態の場合、散乱光が観測される領域よりも3mm下流側で蛍光が観測されるため、所定時間t=(3mm)/(10.9m/s)≒275μsになるように、トリガー発生器72を設定する。駆動器75は半導体レーザ照射モジュール62を制御し、図13のグラフのように、t9およびt11の時点から275μs経過後のt5およびt7の時点で、出力パワーを0mWから所定値y6(例えば、200mW)に増加させてパルス発光させる。そして、粒子が照射領域通過後、すなわち蛍光発光モジュール64、69の受光領域通過後、出力パワーを、所定値y6(例えば、200mW)から0mWへ元に戻す。本実施の形態の場合は出力パワーを増加させる期間(図13中のt5〜t6の期間およびt7〜t8の期間)は91.4μsになる。言い換えると、出力パワーを振幅200mW幅=91.4μsでパルス変調する。
【0032】
このように、出力パワーを制御すると、図14のグラフに示すように、蛍光受光モジュールはパルス状の出力信号を示す。図14中において、実線は第1の蛍光受光モジュール64の出力信号を示し、点線は第2の蛍光受光モジュール69の出力信号を示す。ここで、第1の蛍光受光モジュール64はスギ花粉の蛍光スペクトルのピークを検出するように設定されており、第2の蛍光受光モジュール69はヒノキ花粉の蛍光スペクトルのピークを検出するように設定されている。
【0033】
このため、スギ花粉の場合は第1の蛍光受光モジュール64の出力信号のほうが第2の蛍光受光モジュール69の出力信号よりも大きくなる。ヒノキ花粉の場合は第2の蛍光受光モジュール69の出力信号のほうが第1の蛍光受光モジュール64の出力信号よりも大きくなる。従って、蛍光分析器76は、実線(第1の蛍光受光モジュール64の出力信号)の方が、点線(第2の蛍光受光モジュール69の出力信号)よりも大きい場合をスギ花粉と特定し、反対の場合はヒノキ花粉と特定する。
【0034】
さらに、半導体レーザ照射モジュール67は、蛍光を検出している期間即ち半導体レーザ照射モジュール62がパルス発光している期間(図13に示すt5〜t6およびt7〜t8の期間)、発光を停止する。これにより、蛍光検出における迷光を低減させることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、花粉がレーザ光の照射領域を通過している期間のみレーザ光のパワーをパルス状に増加させることで、花粉に照射するパワーを増加させることができる。
【0035】
特に、蛍光分析の際に、分光特性、すなわち検出する蛍光波長が異なる2種の蛍光受光モジュール64、69の出力信号に基づいて花粉種を特定するため、特定精度が向上する。即ち、実施の形態1に比べて、励起光照射領域中のyz面における花粉位置の違いによる、照射強度や蛍光捕捉率の違いによる影響を除去できるので、特定精度が向上する。例えば、2種の蛍光受光モジュールの信号の比を算出し、予め花粉種毎に比を計測して登録しておくことで、多数の花粉種を特定できる。
【0036】
また、一般的にパルス発光専用の半導体レーザは、CW発光が可能な半導体レーザよりも、高いパワーで発光可能である。従って、本実施の形態のように半導体レーザ照射モジュール62が蛍光励起専用である場合、パルス発光専用の半導体レーザを使用することができ、高いパワーを照射することが可能になり、精度向上に有利である。
【0037】
上記実施の形態は、花粉の種類を特定する場合を示すが、花粉以外でも特有の蛍光を発する粒子であれば、その粒子の特有の蛍光スペクトルを検出することにより、粒子の種類を特定することができる。
また、上記実施の形態は、大気中を浮遊する花粉の種類を特定する場合を示すが、大気中を浮遊する他の粒子であってもよい。このような粒子としては、例えば、土誇り、ハウスダスト、ディーゼル車から排出される粒子等が挙げられる。また、溶液中を浮遊する粒子、例えば、ポリスチレン粒子、抗原抗体複合物等を特定する場合も上記と同様の効果を発揮することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る粒子計測装置は、大気中に飛散する花粉等の粒子の濃度と種類を高精度、かつ高い応答性で特定できるため、花粉症対策等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態1の粒子計測装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1の粒子計測装置における検出部6と制御解析ユニット7の構成図である。
【図3】図2の検出部6の正面図である。
【図4】図2の検出部6の縦断面図である。
【図5】散乱光受光モジュール63の出力信号の経時変化を示す図である。
【図6】半導体レーザ照射モジュール62の出力パワーの経時変化を示す図である。
【図7】蛍光受光モジュール64の出力信号の経時変化を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2の粒子計測装置における検出部16と制御解析ユニット17の構成図である。
【図9】図8の検出部16の正面図である。
【図10】図8の検出部16の縦断面図である。
【図11】散乱光発生用半導体レーザ照射モジュール67の出力パワーの経時変化を示す図である。
【図12】散乱光受光モジュール68の出力信号の経時変化を示す図である。
【図13】蛍光励起用半導体レーザ照射モジュール62の出力パワーの経時変化を示す図である。
【図14】蛍光受光モジュール64、69の出力信号の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1 吸引口
2 覆い
3 配管部
4 ポンプ
5 フィルタ
6、16 検出部
7、17 制御解析ユニット
8 花粉
61 サンプルセル
61a 空洞部
62、67 半導体レーザ照射モジュール
63、68 散乱光受光モジュール
64、69 蛍光受光モジュール
71、75 駆動器
72 トリガー発生器
73 カウンター
74、76 蛍光分析器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気中の粒子を吸引する吸入口と、
吸引された前記粒子を輸送する配管部と、
前記配管部を経由した前記粒子が通過するサンプルセルと、
前記サンプルセル内を通過する前記粒子へ光を照射する光源と、
前記光のうち前記粒子により散乱された散乱光を検出する第1の光センサと、
前記光により前記粒子が発する蛍光を検出する第2の光センサと、
前記第2の光センサの出力信号に基づいて前記粒子の種類を特定する分析部と、
前記第1の光センサの出力信号に基づいて前記粒子を検出した時点で前記光源の発光強度を増加させて、前記第2の光センサによって前記蛍光を検出させる制御部と、
を備えた粒子計測装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記粒子が前記サンプルセル内における前記第2の光センサの受光領域を通過した後、前記光源の発光強度を増加する前の強度に戻す請求項1記載の粒子計測装置。
【請求項3】
前記光源は、前記サンプルセル内の上流側を通過する前記粒子へ光を照射する第1の光源と、前記サンプルセル内の下流側を通過する前記粒子へ光を照射する第2の光源と、を含み、
前記第1のセンサは、前記第1の光源からの光のうち前記粒子により散乱された散乱光を検出し、
前記第2のセンサは、前記第2の光源からの光により前記粒子が発する蛍光を検出し、
前記制御部は、前記第1の光センサの出力信号に基づいて前記粒子を検出した時点で前記第2の光源の発光強度を増加させて、前記第2の光センサによって前記蛍光を検出させる請求項1記載の粒子計測装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記粒子が前記サンプルセル内における前記第2の光センサの受光領域を通過した後、前記第2の光源の発光強度を増加する前の強度に戻す請求項3記載の粒子計測装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の光センサの出力信号に基づいて前記第2の光源を発光させる請求項3記載の粒子計測装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2の光源が発光している間は、前記第1の光源の発光強度を低下させる請求項4または5記載の粒子計測装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第2の光源の発光時間を、前記粒子が前記第2の光センサの受光領域を通過する時間と一致させる請求項3〜6のいずれかに記載の粒子計測装置。
【請求項8】
前記分析部は、前記第2の光センサの出力信号に基づいて花粉種を特定する請求項1〜7のいずれかに記載の粒子計測装置。
【請求項9】
前記第2の光センサは、検出する蛍光波長が異なる2個以上の検出部を備え、
前記分析部は、前記2個以上の検出部の出力信号に基づいて花粉種を特定する請求項1〜7のいずれかに記載の粒子計測装置。
【請求項1】
大気中の粒子を吸引する吸入口と、
吸引された前記粒子を輸送する配管部と、
前記配管部を経由した前記粒子が通過するサンプルセルと、
前記サンプルセル内を通過する前記粒子へ光を照射する光源と、
前記光のうち前記粒子により散乱された散乱光を検出する第1の光センサと、
前記光により前記粒子が発する蛍光を検出する第2の光センサと、
前記第2の光センサの出力信号に基づいて前記粒子の種類を特定する分析部と、
前記第1の光センサの出力信号に基づいて前記粒子を検出した時点で前記光源の発光強度を増加させて、前記第2の光センサによって前記蛍光を検出させる制御部と、
を備えた粒子計測装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記粒子が前記サンプルセル内における前記第2の光センサの受光領域を通過した後、前記光源の発光強度を増加する前の強度に戻す請求項1記載の粒子計測装置。
【請求項3】
前記光源は、前記サンプルセル内の上流側を通過する前記粒子へ光を照射する第1の光源と、前記サンプルセル内の下流側を通過する前記粒子へ光を照射する第2の光源と、を含み、
前記第1のセンサは、前記第1の光源からの光のうち前記粒子により散乱された散乱光を検出し、
前記第2のセンサは、前記第2の光源からの光により前記粒子が発する蛍光を検出し、
前記制御部は、前記第1の光センサの出力信号に基づいて前記粒子を検出した時点で前記第2の光源の発光強度を増加させて、前記第2の光センサによって前記蛍光を検出させる請求項1記載の粒子計測装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記粒子が前記サンプルセル内における前記第2の光センサの受光領域を通過した後、前記第2の光源の発光強度を増加する前の強度に戻す請求項3記載の粒子計測装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の光センサの出力信号に基づいて前記第2の光源を発光させる請求項3記載の粒子計測装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2の光源が発光している間は、前記第1の光源の発光強度を低下させる請求項4または5記載の粒子計測装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第2の光源の発光時間を、前記粒子が前記第2の光センサの受光領域を通過する時間と一致させる請求項3〜6のいずれかに記載の粒子計測装置。
【請求項8】
前記分析部は、前記第2の光センサの出力信号に基づいて花粉種を特定する請求項1〜7のいずれかに記載の粒子計測装置。
【請求項9】
前記第2の光センサは、検出する蛍光波長が異なる2個以上の検出部を備え、
前記分析部は、前記2個以上の検出部の出力信号に基づいて花粉種を特定する請求項1〜7のいずれかに記載の粒子計測装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−39735(P2008−39735A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−218190(P2006−218190)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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