説明

粘着剤組成物及びそれを用いた粘着テープ若しくはフィルム、表面保護フィルム、合わせガラス又は太陽電池モジュール

【課題】長期経時において長波紫外線遮蔽効果を長時間維持し、優れた耐光性を示す粘着剤組成物を提供する。
【解決手段】積層体を構成する粘着剤層に用いられる粘着剤組成物であって、粘着剤と、下記一般式(1)で表される紫外線吸収剤とを含有することを特徴とする粘着剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリアジン化合物及び粘着剤を含有する粘着剤組成物及びそれを用いた粘着テープ若しくはフィルム、表面保護フィルム、合わせガラス又は太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から紫外線吸収剤を種々の樹脂組成物などと共用して紫外線吸収性を付与することが行われている。紫外線吸収剤として無機系紫外線吸収剤と有機系紫外線吸収剤を用いる場合がある。無機系紫外線吸収剤(例えば、特許文献1〜3等を参照。)では、耐光性や耐熱性などの耐久性に優れている反面、吸収波長が化合物のバンドギャップによって決定されるため選択の自由度が少なく、400nm付近の長波紫外線(UV−A)領域まで吸収できるものはなく、長波紫外線を吸収するものは可視域まで吸収を有するために着色を伴ってしまう。
これに対して、有機系紫外線吸収剤は、吸収剤の構造設計の自由度が高いために、吸収剤の構造を工夫することによって様々な吸収波長のものを得ることができる。
【0003】
これまでにも様々な有機系紫外線吸収剤を用いた系が検討されており、特許文献4にはトリアゾール系の紫外線吸収剤が開示されている。特許文献5には特定の位置にアルコキシ基及びヒドロキシ基を有するトリスアリール−s−トリアジンが記載されている。しかし、極大吸収波長が長波紫外線領域にあるものは耐光性が悪く、紫外線遮蔽効果が時間とともに減少していってしまう。
更に近年開発の進む太陽電池等に適用される材料は、屋外で長時間太陽光の下に曝すことが必要であり、長期経時での紫外線の暴露により、その性質が劣化することは避けられなかった。このため、UV−A領域まで遮蔽効果を示し、かつこれまで以上の耐光性に優れた紫外線吸収剤として使用し得る化合物が求められている。
また、太陽や他の紫外線源に曝される製品として、ソーラー調節フィルム、フィルム及び透明板ガラス、紫外線吸収ガラス及びガラスコーティング、ウインドスクリーン、再帰反射シート、ソーラー反射体等が知られているが、これらの製品は、樹脂フィルムやガラスが層を形成する積層品であることが多い。通常これらの積層体は、粘着剤層で各基材層間が接着された構造や、基材層上に粘着層が形成された構造をとるが、これらの製品が経時的に紫外線に曝露されたときに粘着剤層が分解又は破壊されると、当該製品の有効寿命が短くなるため、粘着剤層自体を紫外線から保護することも非常に重要な課題である。
【0004】
一方、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤は比較的耐光性も良く、濃度や膜厚を大きくすれば長波長領域まで比較的クリアにカットできる(例えば特許文献6及び7等を参照。)。しかし、通常これらの紫外線吸収剤を粘着剤等の樹脂組成物に混ぜて塗布する場合、膜厚は数十μm程度が限界である。この膜厚で長波長領域までカットしようとするとかなり高濃度に紫外線吸収剤を添加する必要がある。しかしながら、単に高濃度に添加しただけでは紫外線吸収剤の析出や長期使用によるブリードアウトが生じるという問題があった。高濃度に添加すると、臭気の面で問題が生じる場合もあった。また、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤は、溶解性が低いものが多く、高濃度で粘着剤等の樹脂組成物に混ぜて塗布することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−339033号公報
【特許文献2】特開平5−345639号公報
【特許文献3】特開平6−56466号公報
【特許文献4】特表2002−524452号公報
【特許文献5】特許第3965631号公報
【特許文献6】特開平6−145387号公報
【特許文献7】特開2003−177235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、長期経時において長波紫外線遮蔽効果を長時間維持し、優れた耐光性を示す粘着剤組成物を提供することにある。また本発明の目的は、該粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を有する粘着テープ若しくはフィルム、表面保護フィルム、合わせガラス又は太陽電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題について詳細に検討した結果、UV−A領域まで遮蔽効果を示し、これまでにない耐光性を有する新規トリアジン系化合物を見出し、これを粘着剤組成物に含有させることで本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の課題は、以下の手段によって達成された。
【0008】
〔1〕
粘着剤と、下記一般式(1)で表される紫外線吸収剤とを含有することを特徴とする粘着剤組成物。
【0009】
【化1】

【0010】
[R1a、R1b、R1c、R1d及びR1eは、互いに独立して、水素原子又はOHを除く1価の置換基を表し、置換基のうち少なくとも1つは、ハメット則のσp値が正である置換基を表す。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。R1g、R1i、R1j、R1k、R1m及びR1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。R1h及びR1nは、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、又はS、C若しくはNで連結した1価の置換基を表す。]
〔2〕
前記1価の置換基が、ハロゲン原子、置換又は無置換の炭素数1〜20のアルキル基、シアノ基、カルボキシル基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のアルキルカルボニル基、ニトロ基、置換又は無置換のアミノ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のスルファモイル基、チオシアネート基、又は置換又は無置換のアルキルスルホニル基であり、前記1価の置換基が置換基を有する場合の置換基がハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、アリールオキシ基、スルファモイル基、チオシアネート基又はアルキルスルホニル基であることを特徴とする〔1〕に記載の粘着剤組成物。
〔3〕
前記R1b、R1c及びR1dの少なくとも一つがハメット則のσp値が正である置換基であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の粘着剤組成物。
〔4〕
前記ハメット則のσp値が正である置換基が、COOR、CONR、CN、CF、ハロゲン原子、NO及びSOMより選択される基であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の粘着剤組成物[R、Rは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す。Mは、水素原子又はアルカリ金属を表す。]。
〔5〕
前記ハメット則のσp値が正である置換基がCOOR又はCNであることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の粘着剤組成物[Rは、水素原子又は1価の置換基を表す。]。
〔6〕
前記R1h又はR1nが、水素原子であることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
〔7〕
前記R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n及びR1pが、水素原子であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
〔8〕
一般式(1)で表される化合物を粘着剤組成物中0.01〜30質量%含むことを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の粘着剤組成物。
〔9〕
前記粘着剤が、ポリビニルブチラール又はエチレン‐酢酸ビニルコポリマーを含むことを特徴とする〔8〕に記載の粘着剤組成物。
〔10〕
更に、酸化防止剤、他の紫外線吸収剤、立体障害性アミン、よりなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含有し、前記粘着剤に対して該添加剤を0.01〜10質量%含むことを特徴とする〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
〔11〕
積層体を構成する粘着剤層に用いられることを特徴とする〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
〔12〕
基材及び〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層を含む粘着テープ又はフィルム。
〔13〕
基材及び〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層を含む表面保護フィルム。
〔14〕
基材及び〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層を含む合わせガラス。
〔15〕
基材及び〔1〕から〔10〕のいずれかに記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層を含む太陽電池モジュール。
【発明の効果】
【0011】
本発明の粘着剤組成物は、有機溶媒に高溶解性で長波長領域においても紫外線遮蔽効果を示し、耐光性を有する前記一般式(1)で表される化合物を含有することにより、長波紫外線遮蔽効果を長時間維持し、長期経時における分解や色相の変化等の劣化が抑制される。またこれを用いて形成された粘着剤層を有するテープ及びフィルム等の積層体では劣化が抑制され、粘着力の長期継続や内容物の長期保護が可能となった。更に、用途によっては、紫外線吸収剤組成物が無臭であることが好ましいが、本発明の紫外線吸収剤組成物は、高濃度で使用しても無臭であり、臭気の点でも優れている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の太陽電池モジュールの一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の粘着剤組成物は、粘着剤と下記一般式(1)で表される紫外線吸収剤とを含有する。本発明の粘着剤組成物は、積層体を構成する粘着剤層に用いられることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、有機溶媒に高溶解性で長波長領域においても紫外線遮蔽効果を示し、耐光性を有する。従って、紫外線吸収剤として粘着剤に添加した場合、析出やブリードアウトがなく、長波紫外線吸収能を長期間維持し、粘着剤の分解や色相の変化等の劣化を抑制できる。
まず、下記一般式(1)で表される化合物について説明する。
【0014】
【化2】

【0015】
[R1a、R1b、R1c、R1d及びR1eは、互いに独立して、水素原子又はOHを除く1価の置換基を表し、置換基のうち少なくとも1つは、ハメット則のσp値が正である置換基を表す。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。R1g、R1i、R1j、R1k、R1m及びR1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。R1h及びR1nは、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子又はS、C若しくはNで連結した1価の置換基を表す。]
【0016】
1a、R1b、R1c、R1d、R1eは、互いに独立して、水素原子又はOHを除く1価の置換基を表し、置換基のうち少なくとも1つは、ハメット則のσp値が正である置換基を表す。
1a、R1b、R1c、R1d、R1eが表す置換基のうち1〜3個がハメット則のσp値が正である置換基を表すことが好ましく、1〜2個がハメット則のσp値が正である置換基を表すことがより好ましい。
【0017】
前記一般式(1)における1価の置換基(以下Aとする)としては、例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル、エチル)、炭素数6〜20のアリール基(例えばフェニル、ナフチル)、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル)、置換又は無置換のカルバモイル基(例えばカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル)、アルキルカルボニル基(例えばアセチル)、アリールカルボニル基(例えばベンゾイル)、ニトロ基、置換又は無置換のアミノ基(例えばアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、置換スルホアミノ基)、アシルアミノ基(例えばアセトアミド、エトキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド)、イミド基(例えばスクシンイミド、フタルイミド)、イミノ基(例えばベンジリデンアミノ)、ヒドロキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ)、アルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ)、アリールスルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホニルオキシ)、スルホ基、置換又は無置換のスルファモイル基(例えばスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ)、チオシアネート基、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル)、炭素数6〜20のヘテロ環基(例えばピリジル、モルホリノ)などを挙げることができる。
また、置換基は更に置換されていても良く、置換基が複数ある場合は、同じでも異なっても良い。その際、置換基の例としては、上述の1価の置換基Aを挙げることができる。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。
【0018】
置換基同士で結合して形成される環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ピリダジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、シロール環、ゲルモール環、ホスホール環等が挙げられる。
【0019】
前記一般式(1)における1価の置換基としては、ハロゲン原子、置換又は無置換の炭素数1〜20のアルキル基、シアノ基、カルボキシル基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のアルキルカルボニル基、ニトロ基、置換又は無置換のアミノ基、ヒドロキシ基、置換又は無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のスルファモイル基、チオシアネート基、又は置換又は無置換のアルキルスルホニル基が好ましく、OR(Rは、水素原子又は1価の置換基を表す。)、アルキル基、アミド基がより好ましく、OR、アルキル基が更に好ましい。
は、水素原子又は1価の置換基を表し、1価の置換基としては前記置換基Aを挙げることができる。中でも炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基を表すことが好ましい。炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖アルキル基が更に好ましく、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、t−ヘキシル、n−オクチル、t−オクチル、i−オクチルを挙げることができ、メチル又はエチルが好ましく、メチルが特に好ましい。
【0020】
本発明における好ましい第一の態様として、R1a、R1c、R1eのうち少なくとも1つが、ハメット則のσp値が正である置換基を表す態様を挙げることができる。R1cがハメット則のσp値が正である置換基を表すことがより好ましい。
1cがハメット則のσp値が正である置換基であり、R1a、R1b、R1d、R1eは水素原子を表すことが更に好ましい。
1cがハメット則のσp値が正である置換基を表す場合、電子求引性基によりLUMOが安定化されるため、励起寿命が短くなり、耐光性が向上するため好ましい。
【0021】
また、好ましい第ニの態様として、R1b、R1c及びR1dの少なくとも一つがハメット則のσp値が正である置換基を表す態様を挙げることができ、好ましくは、R1a、R1c及びR1eが、水素原子を表し、R1b及びR1dが、互いに独立して、水素原子又はハメット則のσp値が正である置換基を表し、少なくとも1つは、ハメット則のσp値が正である置換基である態様を挙げることができる。これにより、一般式(1)で表される化合物は、特に溶剤溶解性が優れるため樹脂との相溶性に優れ、該化合物を含む樹脂組成物は、該化合物が析出又はブリードアウトし難くいものとする効果を有する。
溶剤溶解性とは、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエンなどの有機溶剤への溶解性を意味し、樹脂との相溶性の点で、使用する溶剤に対し、10質量%以上溶解することが好ましく、30質量%以上溶解することがより好ましい。
【0022】
<好ましい第一の態様>
第一の態様においては、前記一般式(1)におけるハメット則のσp値が正である置換基として、好ましくは、σ値が0.1〜1.2の電子求引性基である。σ値が0.1以上の電子求引性基の具体例としては、COOR(Rは、水素原子又は1価の置換基を表し、水素原子、アルキル基が挙げられ、好ましくは水素原子である。)、CONR(Rは、水素原子又は1価の置換基を表す。)、CN、ハロゲン原子、NO、SOM(Mは、水素原子又はアルカリ金属を表す。)、アシル基、ホルミル基、アシルオキシ基、アシルチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアルキルホスフィニル基、ジアリールホスフィニル基、ホスホリル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、カルボキシ基(又はその塩)、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基(例えばCF)、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルコキシ基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアリールオキシ基、アシルアミノ基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキルアミノ基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキルチオ基、σ値が0.2以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、セレノシアネート基などが挙げられる。ハメットのσp値については、Hansch,C.;Leo,A.;Taft,R.W.Chem.Rev.1991,91,165−195に詳しく記載されている。
【0023】
前記一般式(1)におけるハメット則のσp値が正である置換基として、より好ましくは、COOR、CONR、CN、CF、ハロゲン原子、NO、SOMである[R、Rは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す。Mは、水素原子又はアルカリ金属を表す]。この中でもCOOR又はCNがより好ましく、COOR、であることが更に好ましい。優れた耐光性と溶解性を有するためである。
【0024】
、Rとしては水素原子又は1価の置換基を表し、1価の置換基としては前記置換基Aを挙げることができる。中でも炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基が好ましく、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖アルキル基がより好ましい。炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、t−ヘキシル、n−オクチル、t−オクチル、i−オクチルを挙げることができ、メチル又はエチルが好ましく、メチルが特に好ましい。
【0025】
前記一般式(1)で表される化合物において、R1cがCOOR、CONR、CN、CF、ハロゲン原子、NO、SOMのいずれかであることが好ましく、COOR又はCNよりが好ましく、CNが更に好ましい。
【0026】
また、本発明において、R1g、R1i、R1j、R1k、R1m及びR1pが1価の置換基を表す場合は、R1g、R1i、R1j、R1k、R1m及びR1pのうち少なくとも1つが、前記ハメット則のσp値が正である置換基を表すことがより好ましく、R1g、R1i及びR1jのうち少なくとも1つが、前記ハメット則のσp値が正(好ましくは0.1〜1.2)である置換基を表すことがより好ましい。R1cが前記ハメット則のσp値が正(好ましくは0.1〜1.2)である置換基を表すことが特に好ましい。優れた耐光性を有するためである。
本発明において、R1h又はR1nがそれぞれ独立に水素原子、COOR、CONR、CN、CF、ハロゲン原子、NO、SOMのいずれかであることが好ましく[R、Rは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す。Mは、水素原子又はアルカリ金属を表す]、R1h又はR1nが水素原子であることがより好ましく、R1h及びR1nが水素原子であることが更に好ましく、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n及びR1pが水素原子を表すことが特に好ましい。優れた耐光性を示すためである。なお、S,C若しくはNで連結した1価の置換基には、当然に、OH基及びOR基(Rは一価の置換基)は含まれない。
【0027】
前記一般式(1)で表される化合物において、R1cがハメット則のσp値が正(好ましくは0.1〜1.2)である置換基であって、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n及びR1pは水素原子を表すことが好ましく、R1cがCOOR、CONR、CN、CF、ハロゲン原子、NO、SOMのいずれかであって、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n及びR1pは水素原子であることがより好ましい。優れた耐光性を示すためである。
【0028】
前記一般式(1)で表される化合物はpKaが−5.0〜−7.0の範囲であることが好ましい。更に−5.2〜−6.5の範囲であることがより好ましく、−5.4〜−6.0の範囲であることが特に好ましい。
【0029】
<好ましい第二の態様>
好ましい第二の態様として、R1a、R1c及びR1eが、水素原子を表し、R1b及びR1dが、互いに独立して、水素原子又はハメット則のσp値が正である置換基を表し、少なくとも1つは、ハメット則のσp値が正である置換基である態様を挙げることができる。
1a、R1c及びR1eが、水素原子を表し、R1b及びR1dが、互いに独立して、水素原子又はハメット則のσp値が正である置換基を表し、少なくとも1つは、ハメット則のσp値が正である置換基である第二の態様においては、前記一般式(1)におけるハメット則のσp値が正である置換基として、より好ましくは、COOR、CONR、CN、CF、ハロゲン原子、NO、又はSOMである[R、Rは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す。Mは、水素原子又はアルカリ金属を表す]。R、Rの1価の置換基としては、前述のように前記置換基Aを挙げることができる。
前記一般式(1)におけるハメット則のσp値が正である置換基として、より好ましくは、COOR又はシアノ基であり、COORであることが更に好ましい。ハメット則のσp値が正である置換基がシアノ基である場合、優れた耐光性を示すためである。また、ハメット則のσp値が正である置換基がCOORである場合、優れた溶解性を示すためである。
は水素原子又はアルキル基を表すことが好ましく、炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基がより好ましく、炭素数1〜15の直鎖又は分岐鎖アルキル基が更に好ましい。
【0030】
は、溶媒に対する溶解性の観点からは、炭素数5〜15の分岐鎖アルキル基がより好ましい。
分岐鎖アルキル基は2級炭素原子又は3級炭素原子を有し、2級炭素原子又は3級炭素原子を1〜5個含むことが好ましく、1〜3個含むことが好ましく、1又は2個含むことが好ましく、2級炭素原子及び3級炭素原子を1又は2個含むことがより好ましい。また、不斉炭素を1〜3個含むことが好ましい。
は、溶媒に対する溶解性の観点からは、2級炭素原子及び3級炭素原子を1又は2個含み、不斉炭素を1又は2個含む炭素数5〜15の分岐鎖アルキル基であることが特に好ましい。これは、化合物構造の対称性がくずれ、溶解性が向上するためである。
【0031】
一方、紫外線吸収能の観点からは、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖アルキル基がより好ましい。
炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル、t−ヘキシル、n−オクチル、t−オクチル、i−オクチルを挙げることができ、メチル又はエチルが好ましく、メチルが特に好ましい。
【0032】
また、本発明において、R1g、R1i、R1j、R1k、R1m及びR1pが1価の置換基を表す場合は、R1g、R1i、R1j、R1k、R1m及びR1pのうち少なくとも1つが、前記ハメット則のσp値が正である置換基を表すことがより好ましく、R1g、R1i及びR1jのうち少なくとも1つが、前記ハメット則のσp値が正(好ましくは0.1〜1.2)である置換基を表すことがより好ましい。R1b又はR1dが前記ハメット則のσp値が正(好ましくは0.1〜1.2)である置換基を表すことが特に好ましい。優れた耐光性を有するためである。
本発明において、R1h又はR1nがそれぞれ独立に水素原子、COOR、CONR、シアノ基、CF、ハロゲン原子、ニトロ基、SOMのいずれかであることが好ましく、R1h又はR1nが水素原子であることがより好ましく、R1h及びR1nが水素原子であることが更に好ましく、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n及びR1pが水素原子を表すことが特に好ましい。優れた耐光性を示すためである。なお、C若しくはNで連結した1価の置換基には、当然に、OH基及びOR基(Rは一価の置換基)は含まれない。
【0033】
前記一般式(1)で表される化合物において、R1b又はR1d、がハメット則のσp値が正(好ましくは0.1〜1.2)である置換基であって、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n及びR1pは水素原子を表すことが好ましく、R1b又はR1d、がCOOR、CONR、シアノ基、CF、ハロゲン原子、ニトロ基、SOMのいずれかであって、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n及びR1pは水素原子であることがより好ましい。優れた耐光性を示すためである。
【0034】
前記一般式(1)で表される化合物はpKaが−5.0〜−7.0の範囲であることが好ましい。更に−5.2〜−6.5の範囲であることがより好ましく、−5.4〜−6.0の範囲であることが特に好ましい。
【0035】
前記一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されない。
なお、下記の具体例中Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表し、−C13はn−ヘキシルを表す。
【0036】
【化3】

【0037】
【化4】

【0038】
【化5】

【0039】
【化6】

【0040】
【化7】

【0041】
【化8】

【0042】
【化9】

【0043】
【化10】

【0044】
前記一般式(1)で表される化合物は、構造とその置かれた環境によって互変異性体を取り得る。本発明においては代表的な形の一つで記述しているが、本発明の記述と異なる互変異性体も本発明の化合物に含まれる。
【0045】
前記一般式(1)で表される化合物は、同位元素(例えば、H、H、13C、15N、17O、18Oなど)を含有していてもよい。
【0046】
前記一般式(1)で表される化合物は、任意の方法で合成することができる。
例えば、公知の特許文献や非特許文献、例えば、特開平7−188190号公報、特開平11−315072、特開2001−220385号公報、「染料と薬品」第40巻12号(1995)の325〜339ページなどを参考にして合成できる。具体的には、例示化合物(16)はサリチルアミドと3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル クロリドと2−ヒドロキシベンズアミジン塩酸塩とを反応させることにより合成できる。また、サリチルアミドとサリチル酸と3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミジン塩酸塩とを反応させることによっても合成できる。
【0047】
本発明にかかる一般式(1)で表される化合物は、有機溶媒に対する溶解性に優れるという特徴を有する。また、特定の位置にハメット則のσp値が正である置換基を有するため、電子求引性基によりLUMOが安定化されるため、励起寿命が短くなり、優れた耐光性を有するという特徴を有する。紫外線吸収剤として用いた際にも、既知のトリアジン系化合物では、高い濃度で使用した場合、析出や長期使用によるブリードアウトが生じたり、分解して黄変したりするなど悪影響を及ぼすが、それに対して、本発明にかかる一般式(1)で表される化合物は優れた溶解性と耐光性を有するため高い濃度で使用した場合でも析出やブリードアウトが生じず、長時間使用した場合でも分解せず黄変することがないという効果が得られる。
本発明の粘着剤組成物において、前記一般式(1)で表される化合物は、一種のみ用いてもよく、異なる構造を有する二種以上を併用することもできる。
【0048】
本発明の粘着剤組成物において、前記一般式(1)で表される化合物は、一種のみ用いてもよく、二種以上を併用することもできる。
本発明における前記化合物は、有機材料を光・酸素又は熱による損傷に対して安定化させるのに特に適している。中でも前記一般式(1)で表される化合物は、光安定剤、とりわけ紫外線吸収剤として好適に用いることができる。
【0049】
前記一般式(1)で表される化合物は特定の位置にハメット則のσp値が正である置換基を有するため、電子求引性基によりLUMOが安定化されるため、励起寿命が短くなり、優れた耐光性を有するという特徴を有する。紫外線吸収剤として用いた際にも、既知のトリアジン系化合物を用いた場合は、長時間使用した場合は分解して黄変するなど悪影響を及ぼす。
それに対して、前記一般式(1)で表される化合物は優れた耐光性を有するため長時間使用した場合でも分解せず黄変することがないという効果が得られる。
【0050】
前記一般式(1)で表される化合物の極大吸収波長は、特に限定されないが、好ましくは250〜400nmであり、より好ましくは280〜380nmである。半値幅は好ましくは20〜100nmであり、より好ましくは40〜80nmである。
前記一般式(1)で表される化合物の分子量は1,000以下であることが好ましい。
【0051】
本発明において規定される極大吸収波長及び半値幅は、当業者が容易に測定することができる。測定方法に関しては、例えば日本化学会編「第4版実験化学講座7分光II」(丸善,1992年)180〜186ページなどに記載されている。具体的には、適当な溶媒に試料を溶解し、石英製又はガラス製のセルを用いて、試料用と対照用の2つのセルを使用して分光光度計によって測定される。用いる溶媒は、試料の溶解性と合わせて、測定波長領域に吸収を持たないこと、溶質分子との相互作用が小さいこと、揮発性があまり著しくないこと等が要求される。上記条件を満たす溶媒であれば、任意のものを選択することができる。本発明においては、酢酸エチル(EtOAc)を溶媒に用いて測定を行うこととする。
【0052】
本発明において、化合物の極大吸収波長及び半値幅は、酢酸エチルを溶媒として、濃度約5×10−5mol・dm−3の溶液を調製し、光路長10mmの石英セルを使用して測定した値を使用する。
【0053】
スペクトルの半値幅に関しては、例えば日本化学会編「第4版実験化学講座3 基本操作III」(丸善、1991年)154ページなどに記載がある。なお、上記成書では波数目盛りで横軸を取った例で半値幅の説明がなされているが、本発明における半値幅は波長目盛りで軸を取った場合の値を用いることとし、半値幅の単位はnmである。具体的には、極大吸収波長における吸光度の1/2の吸収帯の幅を表し、吸収スペクトルの形を表す値として用いられる。半値幅が小さいスペクトルはシャープなスペクトルであり、半値幅が大きいスペクトルはブロードなスペクトルである。ブロードなスペクトルを与える紫外線吸収化合物は、極大吸収波長から長波側の幅広い領域にも吸収を有するので、黄色味着色がなく長波紫外線領域を効果的に遮蔽するためには、半値幅が小さいスペクトルを有する紫外線吸収化合物の方が好ましい。
【0054】
時田澄男著「化学セミナー9 カラーケミストリー」(丸善、1982年)154〜155ページに記載されているように、光の吸収の強さすなわち振動子強度はモル吸光係数の積分に比例し、吸収スペクトルの対称性がよいときは、振動子強度は極大吸収波長における吸光度と半値幅の積に比例する(但しこの場合の半値幅は波長目盛りで軸を取った値である)。このことは遷移モーメントの値が同じとした場合、半値幅が小さいスペクトルを有する化合物は極大吸収波長における吸光度が大きくなることを意味している。このような紫外線吸収化合物は少量使用するだけで極大吸収波長周辺の領域を効果的に遮蔽できるメリットがあるが、波長が極大吸収波長から少し離れると急激に吸光度が減少するために、幅広い領域を遮蔽することができない。
【0055】
前記一般式(1)で表される化合物は、極大吸収波長におけるモル吸光係数が20000以上であることが好ましく、30000以上であることがより好ましく、50000以上であることが特に好ましい。20000以上であれば、前記一般式(1)で表される化合物の質量当たりの吸収効率が十分得られるため、紫外線領域を完全に吸収するための前記一般式(1)で表される化合物の使用量を低減できる。これは皮膚刺激性や生体内への蓄積を防ぐ観点、及びブリードアウトが生じにくい点から好ましい。なお、モル吸光係数については、例えば日本化学会編「新版実験化学講座9 分析化学[II]」(丸善、1977年)244ページなどに記載されている定義を用いたものであり、上述した極大吸収波長及び半値幅を求める際に合わせて求めることができる。
【0056】
本発明の粘着剤組成物は、前記一般式(1)で表される化合物を、所望の性能を付与するために必要な任意の量で含有させることができる。これらは用いる化合物や粘着剤によって異なるが、適宜含有量を決定することができる。含有量としては粘着剤組成物中0.01〜30質量%であることが好ましく、0.1〜15.0質量%であることがより好ましく、1.0〜4.0質量%であることが更に好ましい。含有量が上記の範囲であればより紫外線遮蔽効果が得られ、析出やブリードアウトをより効果的に抑制できるため好ましい。
【0057】
次に、本発明の粘着剤組成物について説明する。
本発明の粘着剤組成物は、有機溶剤系、水系(エマルション系)、ホットメルト系の粘着剤等いずれの種類のものも使用できるが、紫外線吸収剤の溶解性の観点から、有機溶剤系又はホットメルト系の粘着剤であることが好ましい。
本発明の粘着剤組成物に含有される粘着剤の樹脂成分としては、粘着剤の樹脂成分として使用されるいずれの樹脂も使用することができるが、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン‐酢酸ビニルコポリマー、スチレン−ジエンコポリマー、ウレタン系樹脂及びアクリル系樹脂よりなる群から選択される1種以上の樹脂を使用することが好ましい。また、ポリビニルブチラール及び/又はエチレン‐酢酸ビニルコポリマーを使用することがより好ましい。
本発明の粘着剤組成物に含有される粘着剤の含有量としては粘着剤組成物70〜99.99質量%であることが好ましく、85〜99.9質量%であることがより好ましく、96〜99質量%であることが更に好ましい。含有量が上記の範囲であれば十分な粘着効果が得られるため好ましい。
以下に各樹脂について説明する。
【0058】
(ポリビニルアルコール樹脂)
ポリビニルアルコール樹脂としては、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコール等を使用することができ、これらの鹸化度は、70〜100%が好ましく、80〜100%が更に好ましく、95〜100%が特に好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は、100〜5,000が好ましい。
変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールに対して、共重合変性、連鎖移動変性あるいはブロック重合変性により変性基を導入して得られる。共重合変性では、変性基として、COONa、Si(OH)、N(CH・Cl、C19COO、SONa、C1225を導入することができる。連鎖移動変性では、変性基として、COONa、SH、SC1225を導入することができる。
変性ポリビニルアルコールの重合度は、100〜3,000が好ましい。変性ポリビニルアルコールについては、特開平8−338913号公報、特開平9−152509号公報、及び特開平9−316127号公報に記載がある。
また、鹸化度が85〜95%の未変性ポリビニルアルコール、及びアルキルチオ変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。更に、ポリビニルアルコール、及び変性ポリビニルアルコールは、二種以上を併用してもよい。
【0059】
(エチレン‐酢酸ビニルコポリマー)
エチレン‐酢酸ビニルコポリマー系の粘着剤としては、ホットメルト型、エマルション型等を挙げることができる。エマルション型は、ポリビニルアルコール、界面活性剤などの乳化剤の存在下で少なくとも酢酸ビニル及びエチレンを共重合することによって得られる。市販品を用いることもでき、例えば、S450HQ(住化ケムテックス株式会社製、Tg0℃、不揮発分55%、商品名)、S205HQ(住化ケムテックス株式会社製、Tg−20℃、不揮発分55%、商品名)、#59(電気化学工業株式会社製、Tg−18℃、不揮発分56%)、#90(電気化学工業株式会社製、Tg1℃、不揮発分55%、トルエン不溶分70%、商品名)等を挙げることができる。ホットメルト型としては、例えば、酢酸ビニル含量が20〜30%、メルトインデックスが2〜5g/10分、軟化点が150〜190℃のエチレン酢酸ビニル共重合樹脂であり、例えばエバフレックス360〔三井・デュポンポリケミカル(株)〕をベースとするものを挙げることができる。
【0060】
(スチレン−ジエンコポリマー)
スチレン−ジエンコポリマーのジエンは、炭素間2重結合を有するジオレフィンや脂環式化合物のシクロペンタン等、特に制限はなく、具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が好ましいものとして例示される。例えば、ポリマー分子鎖中にスチレンとブタジエンを含むポリマーであるスチレン−ブタジエンコポリマーの場合、ポリマー中のスチレンとブタジエンの含有率は特に制限はないが、スチレンは20〜70質量%,ブタジエンは20〜75質量%程度、またモル比で表した場合、スチレン:ブタジエンは、99:1〜40:60の範囲が好ましい。また分子量は数平均分子量が2,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜500,000の範囲が好ましい。スチレン−ブタジエンコポリマーは、通常はランダム共重合体であるがブロック共重合体でも良い。また、直鎖ポリマーでもよいし、枝分かれしたものでも架橋したものでもよい。市販品を用いることもでき、例えば、LACSTAR 5215A,DS−6137310KDN−703(大日本インキ化学工業(株)社製)、Nipol Lx426,432A,435(日本ゼオン(株)社製)、L1151,1260,1876(旭化成工業(株)社製)等を挙げることができる。
【0061】
(ポリビニルブチラール)
ポリビニルブチラールは、ポリビニルアルコールの一種である。ポリビニルブチラールとしては、分子内にビニルブチラール基を有する重合体であれば特に制限されないが、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル及びポリビニルアルコールが分子内にランダム重合した重量平均分子量が10000〜500000の重合体であることが好ましい。ポリビニルブチラール樹脂の具体例としては、電気化学工業(株)製、商品名:電化ブチラール3000−1、3000−K、4000−2、5000−A、6000−C、6000−EP、積水化学工業(株)製、エスレックBHシリーズ、BXシリーズ、KSシリーズ、BLシリーズ、BMシリーズ、クラレ(株)製、商品名:モビタール(Mowital)シリーズの他、ソルーシア(Solutia)社製、ビュートバー(Butvar)シリーズなどが挙げられる。
【0062】
(ウレタン系樹脂又はアクリル系樹脂)
本発明の粘着剤組成物には上記に挙げる以外にも、汎用のウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等も使用することができる。
例えば、三井化学ポリウレタン社製 タケラック/タケネート、大日精化工業社製 セイカボンド/セイカダイン、東洋モートン社製 アドコート/トモフレックス、ロックペイント社製 アドロック、大日本インキ化学社製 ディックドライなどが挙げられる。また、アクリル系共重合体を使用することもできる。具体例としては、2−エチルヘキシルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートとの共重合体などが挙げられる。
【0063】
本発明の粘着剤組成物は、上述のように紫外線吸収剤として、異なる構造を有する二種類以上の前記一般式(1)で表される化合物を含有していてもよい。また、前記一般式(1)で表される化合物とそれ以外の構造を有する一種類以上の紫外線吸収剤とを併用してもよい。基本骨格構造の異なる二種類(好ましくは三種類)の紫外線吸収剤を併用すると、広い波長領域の紫外線を吸収することができる。また、二種類以上の紫外線吸収剤を併用すると、紫外線吸収剤の分散状態が安定化する作用もある。前記一般式(1)以外の構造を有する紫外線吸収剤としては、いずれのものでも使用でき、トリアジン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、メロシアニン系、シアニン系、ジベンゾイルメタン系、桂皮酸系、シアノアクリレート系、安息香酸エステル系などの化合物が挙げられる。例えば、ファインケミカル、2004年5月号、28〜38ページ、東レリサーチセンター調査研究部門発行「高分子用機能性添加剤の新展開」(東レリサーチセンター、1999年)96〜140ページ、大勝靖一監修「高分子添加剤の開発と環境対策」(シーエムシー出版、2003年)54〜64ページなどに記載されている紫外線吸収剤が挙げられる。
【0064】
前記一般式(1)以外の構造を有する紫外線吸収剤として好ましくは、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリチル酸系化合物、ベンゾオキサジノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物、メロシアニン系化合物、トリアジン系化合物である。より好ましくはベンゾオキサジノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物である。特に好ましくはベンゾオキサジノン系化合物である。上記一般式(1)以外の構造を有する紫外線吸収剤は、特願2008−273950号公報の段落番号〔0117〕〜〔0121〕に詳述されており、該公報に記載の材料は、本発明においても適用することができる。
【0065】
前述したように、本発明の粘着剤組成物は、一般式(1)で表される化合物とベンゾオキサジノン系化合物を組み合わせて含有することが好ましい。一般式(1)で表される化合物は長波長領域においても優れた耐光性を有するため、より長波長領域まで遮蔽可能なベンゾオキサジノンの劣化を防ぐという効果を奏し、ベンゾオキサジノン系化合物と共に用いることで、より長波長領域まで長時間において遮蔽効果が持続できるため好ましい。
【0066】
本発明の粘着剤組成物は、更に添加剤を含むことが好ましく、上述のように、他の紫外線吸収剤(一般式(1)で表される化合物以外の構造を有する紫外線吸収剤)や、酸化防止剤、立体障害性アミン、ホスファイト若しくはホスホナイト、ヒドロキシルアミン、ニトロン、ベンゾフラン−2−オン、チオ相乗剤、ポリアミド安定剤、金属ステアレート、核剤、充填剤、補強剤、潤滑剤、乳化剤、染料、顔料、蛍光増白剤、難燃剤、帯電防止剤、可塑剤及び発泡剤等の任意の添加剤を適宜含有してもよい。これらの添加剤は、前記粘着剤に対して該添加剤を0.01〜10質量%含むことが好ましい。
【0067】
本発明の粘着剤組成物は、前記一般式(1)で表される化合物を紫外線吸収剤として使用することのみで実用的には十分な紫外線遮蔽効果が得られるものの、更に厳密を要求する場合には隠蔽力の強い白色顔料、例えば酸化チタンなどを併用してもよい。また、外観、色調が問題となる時、あるいは好みによって微量(0.05質量%以下)の着色剤を併用することができる。また、透明あるいは白色であることが重要である用途に対しては蛍光増白剤を併用してもよい。蛍光増白剤としては市販のものや特開2002−53824号公報記載の一般式[1]や具体的化合物例1〜35などが挙げられる。
【0068】
酸化防止剤として、本発明の粘着剤組成物には、更にリン系安定剤を含有させることが、熱安定性を改良できるという点で好ましい。リン系安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜リン酸エステル、リン酸エステル等が挙げられ、中でも3価のリンを含み変色抑制効果を発現しやすい点で、ホスファイト、ホスホナイト等の亜リン酸エステルが好ましい。
【0069】
ホスファイトとしては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジラウリルハイドロジェンホスファイト、トリエチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、モノフェニルジデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、水添ビスフェノールAフェノールホスファイトポリマー、ジフェニルハイドロジェンホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニルジ(トリデシル)ホスファイト)、テトラ(トリデシル)4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジラウリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(4−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、水添ビスフェノールAペンタエリスリトールホスファイトポリマー、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
【0070】
また、ホスホナイトとしては、テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、及びテトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト等が挙げられる。
【0071】
また、アシッドホスフェートとしては、例えば、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、プロピルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、デシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、ベヘニルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ノニルフェニルアシッドホスフェート、シクロヘキシルアシッドホスフェート、フェノキシエチルアシッドホスフェート、アルコキシポリエチレングリコールアシッドホスフェート、ビスフェノールAアシッドホスフェート、ジメチルアシッドホスフェート、ジエチルアシッドホスフェート、ジプロピルアシッドホスフェート、ジイソプロピルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジラウリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、ジフェニルアシッドホスフェート、ビスノニルフェニルアシッドホスフェート等が挙げられる。
【0072】
本発明に用いるリン系安定剤は、2種類以上を混合して含有させることができるが、リン系安定剤の合計の含有割合は、樹脂組成物100質量部に対して0.0005〜0.3質量部であることが好ましく、0.001〜0.1質量部であることがより好ましい。上記の範囲であれば、安定剤としての効果が十分であり、成形時の分子量の低下や色相悪化が起こりにくい。
特に、本発明において、樹脂組成物100質量部に対し、一般式(1)で表される化合物0.05〜3質量部、リン系安定剤0.0005〜0.3質量部であることが好ましい。
【0073】
酸化防止剤として、本発明の粘着剤組成物には、更にヒンダードフェノール系安定剤を含有することが、一般式(1)で表される化合物を安定化し、樹脂組成物の光安定性を高められるという点で好ましい。
前記ヒンダードフェノール系安定剤としては、例えば、フェノール性水酸基のオルト位に少なくともひとつの水素原子以外の置換基(例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環式基、アルコキシ基、アリールオキシ基、置換アミノ基など)を有する化合物が挙げられる。
前記ヒンダードフェノール系安定剤としては、酸化防止剤として公知の化合物で、市販されているものであってもよく、例えば、2,6−ジーt−ブチルー4−メチルフェノールや2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の酸化防止剤などが挙げられる。
本発明に用いるヒンダードフェノール系安定剤は、2種類以上を混合して含有させることができるが、ヒンダードフェノール系安定剤の合計の含有割合は、樹脂組成物100質量部に対して0.0001〜1質量部であることが好ましく、0.001〜0.1質量部であることがより好ましい。
【0074】
立体障害性アミン(ヒンダードアミン)として、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)セバケート、n−ブチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステル、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン及びコハク酸の縮合生成物、N,N’−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)ヘキサメチレンジアミン及び4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−s−トリアジンの縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケートなどが挙げられる。
【0075】
ヒドロキシルアミンとして、例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化獣脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンなどが挙げられる。
【0076】
ニトロンとして、例えば、N−ベンジル−α−フェニル−ニトロン、N−エチル−α−メチル−ニトロン、N−オクチル−α−ヘプチル−ニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシル−ニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシル−ニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシル−ニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシル−ニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシル−ニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシル−ニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシル−ニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシル−ニトロン、水素化獣脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロンなどが挙げられる。
【0077】
ベンゾフラン−2−オンとして、例えば、3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラン−2−オンなどが挙げられる。
【0078】
チオ相乗剤として、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート又はジステアリルチオジプロピオネートなどが挙げられる。ポリアミド安定剤として、例えば、ヨウ素化物及び/又はリン化合物と組合せる銅塩並びに2価のマンガン塩などが挙げられる。金属ステアレートとして、例えば、カルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムステアレートなどが挙げられる。核剤として、例えば、4−第三ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸などが挙げられる。充填剤及び補強剤として、例えば、炭酸カルシウム、シリケート、ガラス繊維、アスベスト、タルク、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び金属水酸化物、カーボンブラック、グラファイトなどが挙げられる。
【0079】
前記一般式(1)で表される化合物と粘着剤とを混合させ、本発明の粘着剤組成物を調製する方法については特に制限はない。
前記一般式(1)で表される化合物が粘着剤と相溶性を有する場合は、前記一般式(1)で表される化合物を粘着剤に直接添加することができる。
粘着剤と相溶性を有する補助溶媒に、前記一般式(1)で表される化合物を溶解し、その溶液を粘着剤に添加してもよい。例えば、前記一般式(1)で表される化合物を可塑剤に溶解し、可塑剤溶液と粘着剤を混練してもよい。また、前記一般式(1)で表される化合物を高沸点有機溶媒やポリマー中に分散し、その分散物を粘着剤に添加してもよい。
【0080】
可塑剤の例には、グリコール系エステルが含まれる。例えば、トリエチレングリコール−ジエチレンブチレートトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキソエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクトエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプトエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプトエート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ2−エチルブチレート、1,2−ブチレングリコールジ−2−エチレンブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキソエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペントエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエートなどが挙げられる。
【0081】
高沸点有機溶媒の例には、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、安息香酸エステル、フタル酸エステル、脂肪酸エステル、炭酸エステル、アミド、エーテル、ハロゲン化炭化水素、アルコール及びパラフィンが含まれる。リン酸エステル、ホスホン酸エステル、フタル酸エステル、安息香酸エステル及び脂肪酸エステルが好ましい。
【0082】
本発明の粘着剤組成物は、粘着剤が使用される全ての用途に使用可能であるが、特に日光又は紫外線を含む光に晒される可能性のある用途に特に好適に使用できる。具体例としては、例えばフィルム、合わせガラス、ガラス代替品とその表面コーティング材、住居、施設、輸送機器等の窓ガラス、採光ガラス及び光源保護ガラス用のコーティング材、住居、施設、輸送機器等のウインドウフィルム、蛍光灯、水銀灯等の紫外線を発する光源用部材、精密機械、電子電気機器用部材、各種ディスプレイから発生する電磁波等の遮断用材、食品、化学品、薬品等の容器又は包装材、ボトル、ボックス、ブリスター、カップ、特殊包装用、コンパクトディスクコート、農工業用シート又はフィルム材、ポリマー支持体用(例えば、機械及び自動車部品のようなプラスチック製部品用)の保護膜、印刷物オーバーコート、積層艶消し、オプティカルライトフィルム、安全ガラス/フロントガラス中間層、エレクトロクロミック/フォトクロミック用途、オーバーラミネートフィルム、表面保護用フィルム、太陽熱制御膜、スポーツウェア、帽子等の衣料用繊維製品及び繊維、カーテン、絨毯、壁紙等の家庭用内装品、医療用器具、光学フィルタ、バックライトディスプレーフィルム、プリズム、鏡、写真材料等の光学用品、金型膜、転写式ステッカー、落書き防止膜、テープ、粘着テープ、標示板、標示器等とその表面コーティング材等を挙げることができる。
【0083】
(積層体)
本発明の粘着剤組成物は、積層体を構成する粘着剤層に用いられることが好ましい。
積層体は少なくとも基材と粘着剤層とを有し、基材としてはガラス及び樹脂等が挙げられる。樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロン6、ナイロン6,6、部分芳香族ポリアミドなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリカーボネートフィルム、フッ素樹脂フィルムを挙げることができる。なかでも、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。これらの樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
積層体としては、上述した用途のうち積層構造を有するものが挙げられ、中でも粘着テープ、フィルム、表面保護用フィルム、合わせガラス等を挙げることができる。
【0084】
(粘着テープ若しくはフィルム、表面保護用フィルム)
本発明の粘着テープ若しくはフィルム、表面保護用フィルムは、フィルム基材の片面に、本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有することを特徴とする。該フィルム基材は、単層であっても複数積層されていてもよい。フィルム基材の厚みは、単層の場合は、通常30〜200μm、好ましくは50〜150μm程度である。また、複数積層されている場合には、基材層の一層の厚みは、通常0.5〜80μm、好ましくは1〜40μm程度である。また、フィルム基材全体の厚みは、通常20〜300μm程度、好ましくは20〜250μm程度、より好ましくは40〜200μm程度である。基材層が20μm未満では剥離時に基材が破れたり、裂けたりする場合があり、300μmを超える場合には基材のコシが大きくなり、貼付後に浮き等が発生しやすい。フィルム基材と粘着剤層は、例えば、共押出成形により一体に形成されたもとすることができる。また、フィルム基材の表面にはコロナ処理、プラズマ処理などの易着処理をおこなってもよい。
【0085】
上記フィルム基材の構成成分(重合体)としては、シート状やフィルム状に形成できる樹脂であれば特に限定されるものでなく、耐熱性及び耐溶剤性を有すると共に可とう性を有することが好ましい。基材層が可とう性を有することにより、ロール状に巻き取ることができ、各種の加工を適宜おこなうことができる。
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロン6、ナイロン6,6、部分芳香族ポリアミドなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリカーボネートフィルムを挙げることができる。なかでも、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。これらの重合体は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0086】
(合わせガラス)
本発明の合わせガラスは、ガラス基材の片面に、本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有することを特徴とする。好ましい実施形態では、この粘着剤層は事前に中間膜として本発明の粘着剤組成物より作製される。合わせガラスは、2枚のガラス基材の間に該中間膜を挟んだものを、予備圧着、加圧処理することにより得られる。
ガラス基材としては、無機系のものが好ましく、生板ガラスのほか、周辺強化加工、全面強化加工等の強化加工をしたもの、全面又は部分的に熱線反射、導電性、着色等用の被膜を施したもの、等種々のものを使用することができる。合わせガラスの板厚は、特に制限はされないが、例えば自動車用窓ガラスの場合は通常1.0〜5.0mm程度であり、建築用窓ガラスの場合は10.0を超えることもあるが、適宜選定することができる。
【0087】
本発明の粘着テープ若しくはフィルム、表面保護用フィルムは、その長波紫外線遮蔽効果を有効に利用するために、特に、太陽電池用バックシート、窓貼りフィルム、食品・医療用包装フィルム、農業用フィルム、光学用フィルム、繊維の用途に好適に用いられる。
【0088】
本発明の粘着テープ若しくはフィルム、表面保護用フィルム、合わせガラスは、各種建材の用途に用いることができる。例えば、外装用建材、建材用木質構造体、建材用屋根材、抗菌性建築資材、建材用基材、防汚建材、難燃性材料、窯業系建材、装飾用建材、建材用塗装物品、化粧材、建築資材用ネット、建材用透湿防水シート、建築工事用メッシュシート、建材用フィルム表装用フィルム、建材用被覆材料、建材用接着剤組成物、土木建築構造物、歩行路用塗装材、シート状光硬化性樹脂、木材用保護塗装、押釦スイッチ用カバー、接合シート剤、建材用基材、壁紙、表装用ポリエステルフィルム、成形部材表装用ポリエステルフィルム、床材などが挙げられる。
【0089】
本発明の粘着テープ若しくはフィルム、表面保護用フィルム、合わせガラスは、各種画像表示装置の用途に用いることができる。例えば、記載のエレクトロクロミック素子を用いた画像表示装置、いわゆる電子ペーパーと呼ばれる画像表示装置、プラズマディスプレー、有機EL素子を用いた画像表示装置などが挙げられる。
【0090】
本発明の粘着テープ若しくはフィルム、表面保護用フィルム、合わせガラスを含むガラス及びガラス被膜について説明する。その用途は、例えば、熱線遮断性ガラスウインドガラス、着色ガラス、水銀ランプやメタルハライドランプなどの高輝度光源用紫外線シャープカットガラス、フリットガラス、車両用紫外線遮断ガラス、色つき熱線吸収ガラス、含蛍光増白剤紫外線吸収断熱ガラス、自動車用紫外線熱線遮断ガラス、外装用ステンドグラス、撥水性紫外線赤外線吸収ガラス、車両用ヘッドアップディスプレイ装置向けガラス、調光遮熱複層窓、紫外線赤外線カットガラス、紫外線カットガラス、窓用紫外線赤外線吸収ガラス、窓用紫外線遮断防汚膜、栽培室用透光パネル、紫外線赤外線吸収低透過ガラス、低反射率低透過率ガラス、エッジライト装置、粗面形成板ガラス、ディスプレイ用積層ガラス、導電性膜つきガラス、防眩性ガラス、紫外線赤外線吸収中透過ガラス、プライバシー保護用車両用窓ガラス、防曇性車両用ガラス、舗装材料用ガラス、水滴付着防止性及び熱線遮断性を有するガラス板、紫外線赤外線吸収ブロンズガラス、合わせガラス、ID識別機能つきガラス、PDP用光学フィルタ、天窓などが挙げられる。
【0091】
また、その他使用例としては照明装置用光源カバー、スポーツゴーグル、偏向レンズ、窓張りフィルム、高精細防眩性ハードコートフィルム、帯電防止性ハードコートフィルム、透過性ハードコートフィルム、樹脂フィルムシート接合用シール剤、導光体、農業用被覆材、プリズムシート、特保護層転写シート、床用シート、遮光性印刷ラベル、給油カップ、ラベル用低温熱収縮性フィルム、釣り用品、薄肉フィルム、熱収縮性フィルム、インモールド成形用ラベル、投影スクリーン、化粧シート、木材表面保護、調光材料、調光フィルム、調光ガラス、防蛾灯、タッチパネル、樹脂フィルムシート接合用シール剤、ポリカーボネートフィルム被覆、光ファイバテープなどが挙げられる。
【0092】
(太陽電池用保護シート)
本発明の粘着剤組成物は太陽電池用保護シートに用いることができる。
本発明に適用する太陽電池は、結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、色素増感太陽電池などいずれの形式の素子からなる太陽電池であってもよい。結晶シリコン太陽電池やアモルファスシリコン太陽電池において、特開2000−174296号公報に記載のように防汚や耐衝撃性、耐久性を付与する保護部材としてカバー材が用いられている。また色素増感太陽電池においては、特開2006−282970号公報に記載のように光(特に紫外線)に励起されて活性となる金属酸化物系半導体を電極材料として用いるため、光増感剤として吸着させた色素が劣化し、光発電効率が徐々に低下する問題があり、紫外線吸収層を設けることが提案されている。この場合、本発明の粘着剤組成物を含む太陽電池用保護シートは長波紫外線遮蔽効果を長時間維持できるため、優れた耐光性を示すという効果を奏する。
【0093】
本発明の粘着剤組成物を用いた太陽電池用保護シートは、必要に応じてその他の成分を更に含んでいてもよい。前記その他の成分としては、架橋剤、架橋助剤、酸化防止剤、難燃剤、光安定剤、熱安定剤、蛍光増白剤等などが挙げられる。
【0094】
(太陽電池用保護シートの製造方法)
本発明の粘着剤組成物を用いた太陽電池用保護シートはいずれの形状であってもよい。特開2000−91610号公報、特開平11−261085号公報に記載のフィルム、シート、例えば特開平11−40833号公報に記載の積層フィルム、特開平11−214736号公報に記載のカバーガラス構造などが挙げられる。なお、汎用性の観点から、シート状であることが好ましい。太陽電池用保護シートがシート状又はフィルム状のとき、その厚みは使用する規格に応じて任意に決めることができる。特に制限しないが好ましくは、30〜300μmの範囲であり、より好ましくは50〜200μmである。厚みが上記の範囲であればより剛性や機械的強度が得られるため好ましい。シート状の太陽電池用保護シートは、太陽電池用フロントシート、太陽電池用バックシートのいずれにも用いることができる。
【0095】
本発明の粘着剤組成物を用いた太陽電池用保護シートの製造について説明する。フィルム基材の片面に本発明の粘着剤組成物からなる接着層を有するように粘着剤を塗布する。このとき、フィルム基材の粘着剤が塗布されていない面に、防眩処理層が積層されていてもよく、防眩処理層の更に外側に反射防止層が積層されていてもよい。次に、もう一枚のフィルム基材を用いて接着層を挟み込む。このフィルム基材の接着層と接していない面には太陽電池モジュールに接着するための樹脂層を設けてもよい。なお、バリア性の観点から、接着層の途中に金属層を設けてもよい。
上記フィルム基材としては、シート状やフィルム状に形成できる樹脂であれば特に限定されるものでなく、積層体、粘着テープ若しくはフィルム、表面保護用フィルムの項にて既述の具体例のいずれを用いてもよい。
上記防眩処理層の形成には、アクリル系バインダーとシリカフィラーを用いた防眩処理による積層処理が挙げられる。防眩処理層の厚みは好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは0.5〜10μmである。また、上記反射防止層を形成するには、例えば反射防止処理HEAコートを行うことなどが挙げられる。反射防止層の厚みは好ましくは1〜1000nmであり、より好ましくは10〜500nmである。太陽電池モジュールに接着するための樹脂層としては、シリコーン樹脂からなる剥離コート層やアクリル樹脂層などが挙げられる。樹脂層の厚みは好ましくは5〜500μmであり、より好ましくは10〜200μmである。アクリル樹脂には、隠蔽力の強い酸化チタンなどを混合させることも可能である。接着層の途中に含む金属層としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、あるいは合金、酸化錫、インジウム酸化錫、酸化アンチモン等の金属酸化物の透明な薄膜を設けることができる。これらのコート層を設ける方法としては、真空蒸着法やスパッタリング法等を用いることができる。このようなコート層の厚さは通常1〜1000nm程度である。
【0096】
(太陽電池モジュール)
本発明の太陽電池モジュールは、基材及び本発明の粘着剤組成物を含む粘着層を含む。本発明の太陽電池モジュールは、本発明の粘着剤組成物を用いた太陽電池用保護シートを含むことが好ましい。太陽電池モジュールは、一般的には金属、セラミック等の支持基板の上にセルが構成され、その上を太陽電池用保護シートや保護ガラス等で覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとるが、支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上にセルを構成してその透明の支持基板側から光を取り込む構造とすることも可能である。具体的には、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構造等が知られており、適宜これらのモジュール構造を選択できる。具体的には、特願平11−8457号に記載の構造や態様とすることが好ましい。
【0097】
(太陽電池モジュールの製造方法)
本発明の太陽電池モジュールにおいて、本発明の粘着剤組成物を用いた太陽電池用保護シートは太陽電池を封止する限り、特にその形態に制限はなく使用可能である。
本発明の粘着剤組成物を用いた太陽電池用保護シートは、公知の太陽電池モジュールに組み込むことができる。例えば、特開2007−128943、特開2006−100527、特開2002−134767、特開2010−27714に記載の方法でモジュールを組みこれに本発明の粘着剤組成物を用いた太陽電池用保護シートを用いることができる。
例えば、太陽電池用保護シートをセル上に固定するときは、太陽電池用保護シートは、ロール加圧後加熱密着、真空加圧後加熱密着等の方法により太陽電池を封止することが可能である。
また太陽電池の周縁をフレームで囲み、該フレームと太陽電池外縁の間を封止樹脂で封止するときは、太陽電池用保護シートは前記フレームとして使用可能である。
【0098】
図1は、本発明の太陽電池モジュールの一例を示す概略図である。図1中31は強化ガラス、32は樹脂層、33は本発明の太陽電池封止材、34は太陽電池(セル)、35はフレーム、36は封止樹脂、37は配線、38は接着層をそれぞれ表す。図1の太陽電池モジュールでは、表面から光が入射する。
【0099】
次に、本上記太陽電池モジュールの製造方法について、図1を参照して説明する。
(1)清浄な強化ガラス31の上にEVA(エチレンビニールアセテートコポリマー)シート32を載せ、その上に太陽電池(セル)34を配置する。
(2)その上に本発明の太陽電池封止材33を重ねて置き、この状態で1時間ほど加熱してEVA層を架橋させる。
(3)強化ガラスに沿って余分なEVA及び裏面封止材(バックシート)をカットする。
(4)作製した部材を強化ガラス31側(太陽光が入射するおもて面になる)からフレーム35に押し込む。
(5)EVA層32及び本発明の太陽電池封止材33を一部カットして太陽電池セルの端子部分へ配線37を半田付けする。
(6)カット部をシリコーン樹脂やシリコーンゴムを塗布して端子部分を封止樹脂36により封止する。
(7)必要により、端子ボックスを設け、配線を行う。
【0100】
本発明の太陽電池モジュールは、本発明の粘着剤組成物を用いているので、高い耐光性を有すると共に、耐湿熱性が向上することにより接着性に優れ、かつ、太陽電池封止材に含まれる樹脂の劣化を抑制することができ、製造が容易である。
【0101】
次に、高分子材料の耐光性を評価する方法について説明する。高分子材料の耐光性を評価する方法として、「高分子の光安定化技術」(株式会社シーエムシー,2000年)85ページ〜107ページ、「高機能塗料の基礎と物性」(株式会社シーエムシー,2003年)314ページ〜359ページ、「高分子材料と複合材製品の耐久性」(株式会社シーエムシー,2005年)、「高分子材料の長寿命化と環境対策」(株式会社シーエムシー,2000年)、H.Zweifel編「Plastics Additives Handbook 5th Edition」(Hanser Publishers)238ページ〜244ページ、葛良忠彦著「基礎講座2 プラスチック包装容器の科学」(日本包装学会,2003年)第8章などの記載を参考にできる。
また各々の用途に対する評価としては下記の既知評価法により達成できる。高分子材料の光による劣化は、JIS−K7105:1981、JIS−K7101:1981、JIS−K7102:1981、JIS−K7219:1998、JIS−K7350−1:1995、JIS−K7350−2:1995、JIS−K7350−3:1996、JIS−K7350−4:1996の方法及びこれを参考にした方法によって評価することができる。
【0102】
包装・容器用途として用いられる場合の耐光性は、JIS−K7105の方法及びこれを参考にした方法によって評価することができる。その具体例としては、ボトル胴体の光線透過率、透明性評価、キセノン光源を用いた紫外線暴露後のボトル中身の官能試験評価、キセノンランプ照射後のヘーズ値評価、ハロゲンランプ光源としたヘイズ値評価、水銀灯暴露後のブルーウールスケールを用いた黄変度評価、サンシャインウェザーメーターを用いたヘーズ値評価、着色性目視評価、紫外線透過率評価、紫外線遮断率評価、光線透過率評価、インク容器内インキの粘度評価、光線透過率評価、日光暴露後の容器内サンプル目視、色差ΔE評価、白色蛍光灯照射後の紫外線透過率評価、光透過率評価、色差評価、光線透過率評価、ヘーズ値評価、色調評価、黄色度評価、遮光性評価、L表色系色差式を用いた白色度評価、キセノン光を分光した後の波長ごとの暴露後サンプルにおける色差ΔEaを用いた黄ばみ評価、紫外線暴露後、紫外線吸収率評価、サンシャインウェザーメーターを用いた暴露後のフィルム引っ張り伸び評価、キセノンウェザーメーター暴露後の抗菌性評価、蛍光灯照射後の包装内容物褪色性評価、サラダ油充填ボトルに対する蛍光灯暴露後の油の過酸化物価評価、色調評価、ケミカルランプ照射後の吸光度差評価、サンシャインウェザーメーターを用いた暴露後の表面光沢度保持率、外観評価、サンシャインウェザロメーターを用いた暴露後の色差、曲げ強度評価、遮光比評価、灯油中の過酸化物生成量評価などがあげられる。
【0103】
塗料・塗膜用途として用いられる場合の長期耐久性は、JIS−K5400、JIS−K5600−7−5:1999、JIS−K5600−7−6:2002、JIS−K5600−7−7:1999、JIS−K5600−7−8:1999、JIS−K8741の方法及びこれを参考にした方法によって評価することができる。その具体例としてはキセノン耐光試験機及びUVCON装置による暴露後の色濃度及びCIE L色座標における色差ΔEa、残留光沢を用いた評価、石英スライド上フィルムに対するキセノンアーク耐光試験機を用いた暴露後の吸光度評価、ロウにおける蛍光灯、UVランプ暴露後の色濃度及びCIE L色座標における色差ΔEaを用いた評価、メタルウェザー耐光性試験機を用いた暴露後の色相評価、メタルハイドランプを用いた暴露試験後の光沢保持率評価及び色差ΔEaを用いた評価、サンシャインカーボンアーク光源を用いた暴露後光沢感の評価、メタルウェザー耐光性試験機を用いた暴露後の色差ΔEaを用いた評価、光沢保持率、外観評価、サンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の光沢保持率評価、QUV耐光性試験機を用いた暴露後の色差ΔEaを用いた評価、光沢保持率評価、サンシャインウェザオメーターを用いた暴露後光沢保持率評価、塗装板に対するサンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の外観評価サンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の光沢保持率、明度値変化評価、塗膜に対するデューサイクルWOM暴露後の塗膜劣化状態の外観評価、塗膜の紫外線透過率評価、塗膜の紫外線遮断率評価、サンシャインウェザーオーメーターを用いた塗膜の光沢保持率80%となる時間比較評価、デューパネル光コントロールウェザーメーターを用いた暴露後の錆発生評価、屋外暴露後の塗装済み型枠に対するコンクリートの強度評価、屋外暴露後の色差ΔEaを用いた評価、碁盤目密着評価、表面外観評価、屋外暴露後の光沢保持率評価、カーボンアーク光源を用いた暴露後の黄変度(ΔYI)評価等があげられる。
【0104】
インク用途として用いられる場合の耐光性は、JIS−K5701−1:2000、JIS−K7360−2、ISO105−B02の方法及びこれを参考にした方法によって評価することができる。具体的には事務所用蛍光灯、褪色試験機を用いた暴露後の色濃度及びCIE L色座標の測定による評価、キセノンアーク光源を用いた紫外線暴露後の電気泳動評価、キセノンフェードメーターによる印刷物の濃度評価、100Wケミカルランプを用いたインク抜け性評価、ウェザーメーターによる画像形成部位の色素残存率評価、アイスーパーUVテスターを用いた印刷物のチョーキング評価、及び変色評価、キセノンフェードメーター暴露後の印刷物についてCIE L色座標における色差ΔEaを用いた評価、カーボンアーク光源を用いた暴露後の反射率評価などが挙げられる。
【0105】
太陽電池モジュールの耐光性は、JIS−C8917:1998、JIS−C8938:1995の方法及びこれを参考にした方法によって評価することができる。具体的には、キセノンランプに太陽光シミュレーション用補正フィルタを装着した光源による暴露後のI−V測定光発電効率評価、サンシャインウェザーメーター、フェードメータを用いた暴露後の変褪色グレースケール等級評価、色、外観密着性評価などがあげられる。
【0106】
繊維及び繊維製品の耐光性は、JIS−L1096:1999、JIS−A5905:2003、JIS−L0842、JIS−K6730、JIS−K7107、DIN75.202、SAEJ1885、SN−ISO−105−B02、AS/NZS4399の方法及びこれを参考にした方法によって評価することができる。紫外線透過率評価、キセノン光源、カーボンアーク光源を用いた暴露後のブルースケール変褪色評価、記載のUVカット率評価、紫外線遮断性評価、ドライクリーニング後のカーボンアーク光源を用いた暴露後ブルースケール変褪色評価、フェードオメーターを用いた暴露後の明度指数、クロマティクネス指数に基づく色差ΔE評価、UVテスター、サンシャインウェザーメーターを用いた暴露後の引っ張り強度評価、全透過率評価、強力保持率評価、紫外線保護係数(UPF)評価、高温フェードメーターを用いた暴露後の変褪色グレースケール評価、屋外暴露後の外観評価、紫外線暴露後の黄色度(YI)、黄変度(ΔYI)評価、規約反射率評価等があげられる。
【0107】
建材の耐光性は、JIS−A1415:1999の方法及びこれを参考にした方法によって評価することができる。具体的には、サンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の表面色調評価、カーボンアーク光源を用いた暴露後の外観評価、アイスーパーUVテスターを用いた暴露後の外観評価、暴露後の吸光度評価、暴露後の色度、色差評価、メタルハイドランプ光源を用いた暴露後のCIE L色座標における色差ΔEaを用いた評価、光沢保持率評価、特開平10−44352号公報、特開2003−211538号公報、サンシャインウェザーメーターを用いた暴露後のヘーズ値変化評価、暴露後の引張試験機を用いた伸度保持率評価、溶媒浸漬後の紫外線透過率評価、アイスーパーUVテスターを用いた暴露後の外観目視評価、QUV試験後の光沢率変化評価、サンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の光沢保持率評価、ブラックライトブルー蛍光灯を用いた紫外線暴露後の色差ΔEaを用いた評価、コーブコン促進試験機を用いた暴露後の密着保持率評価、紫外線遮断性評価、特屋外暴露(JIS−A1410)後の外観評価、全光透過率評価、ヘイズ変化評価、引張せん断接着強さ評価、キセノンウェザーメーターを用いた暴露後の全光線透過率評価、ヘイズ評価、黄変度評価、サンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の黄変度(ΔYI)、紫外線吸収剤残存率評価等が挙げられる。
【0108】
記録媒体用途として用いられる場合の耐光性はJIS−K7350の方法及びこれを参考にした方法によって評価することができる。具体的には、蛍光灯照射後の印字部位における地肌色差変化評価、キセノンウェザーメーターを用いた暴露による画像濃度残存率評価、キセノンウェザーメーターを用いた暴露による光学反射濃度変化評価、サンテストCPS光褪色試験機を用いた暴露後のL評価形による黄変度評価、フェードメーターを用いた暴露後の褪色評価、キセノンフェードメーターを用いた暴露後の褪色目視評価、室内太陽光暴露後の色濃度保持率評価、キセノンウェザーメーターを用いた暴露後の色濃度保持率評価、フェードメーターを用いた暴露後のC/N評価、蛍光灯暴露後のかぶり濃度評価、蛍光灯を用いた暴露後の光学反射濃度評価、消去性評価、アトラスフェードメーターを用いた暴露後の色差ΔE評価、カーボンアークフェードメーターを用いた暴露後の褪色目視評価、有機EL素子色変換特性保持率評価、キセノン褪色試験機による暴露後の有機ELディスプレイ輝度測定評価などが挙げられる。
【0109】
その他の評価法としてはJIS−K7103、ISO/DIS9050の方法及びこれを参考とした方法によって評価できる。具体的には、ポリカーボネート被覆フィルムのUVテスターによる暴露後の外観評価、人工毛髪における紫外線暴露後のブルースケール評価、促進耐光性試験機を用いた暴露後の評価用処理布水接触角評価、特開2005−55615号公報に記載の耐候試験機を用いた暴露後の投影スクリーンに映し出された映像目視評価、サンシャインウェザーメーター、メタルウェザーメーターを用いた暴露後の試験体表面劣化、意匠性変化目視評価、金属ランプリフレクターを用いた点灯暴露後の外観目視評価ボトル用ラベルの光線透過率評価、キセノンウェザーメーターを用いた湿度条件下、暴露後のポリプロピレン劣化評価、サンシャインウェザオメーターを用いたハードコートフィルムの劣化評価、基材の劣化評価、親水性評価、耐擦傷性評価、キセノンランプ光源を用いた暴露後の人工皮革のグレースケール色差評価、水銀灯を用いた暴露後の液晶デバイス特性評価、サンシャインウェザオメーターを用いた暴露後の密着性評価、芝の紫斑度合い評価、キセノンアーク光源を用いた暴露後紫外線透過率評価、引張強度評価、コンクリート密着速度評価、サンシャインウェザオメーターを用いた暴露後外観評価、及び塗膜密着性評価、カーボンアーク光源を用いた暴露後の黄変度、密着性評価、紫外線フェードメーターを用いた接着性能評価、照明点灯時における昆虫類飛来抑制評価、アイスーパーUVテスターを用いた合わせガラスの黄変度(ΔYI)評価、QUV照射、耐湿テストを行った後の表面外観評価、光沢保持率評価、デューパネル光コントロールウェザーメーターを用いた経時色差評価、キセノンウェザロメーターを用いた暴露後の木材基材塗布状態における光沢度(DI)、黄色度指数(YI)評価、紫外線照射、暗闇を繰り返した後の紫外線吸収率評価、紫外線暴露後の染料褪色色差ΔE評価等が挙げられる。
【実施例】
【0110】
本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0111】
〔合成例〕
合成例1
(例示化合物(2)の調製)
【0112】
【化11】

【0113】
(X−2の合成)
3つ口フラスコに、アセトキシム39.5g(1.1モル当量)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)600mL、カリウム−t−ブトキシド60.6g(1.1モル当量)を入れて室温で30分攪拌した。その後、内温を0℃とし、そこへ化合物(X−1)60g(1.0モル当量)をゆっくり滴下した。滴下後、内温を25℃まで昇温し、その温度で1時間攪拌した。
反応混合物を塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルで抽出・分液操作を行い、得られた有機相に飽和食塩水を加えて洗浄し分液した。こうして得られた有機相を、ロータリーエバポレータで濃縮して得られた残留物を化合物(X−2)の粗生成物として得た。
【0114】
(X−3の合成)
3つ口フラスコに、上記で得られた化合物(X−2)の組成生物を全量を入れ、エタノール700mLと1Mの塩酸水500mLを加えて、反応混合物を内温80℃まで昇温しその温度で3時間攪拌した。
反応混合物を内温25℃まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルで抽出・分液操作を行い、得られた有機相に飽和食塩水を加えて洗浄し分液した。こうして得られた有機相を、ロータリーエバポレータで濃縮して得られた残留物を化合物(X−3)の粗生成物として得た。
【0115】
(X−4の合成)
3つ口フラスコに、フラスコ内を窒素ガスで満たした後に10%Pd−C(和光純薬工業社製)を6.5g添加し、エタノールを2,000mL、上記で得られた化合物(X−3)の組成生物を全量加えて加熱・還流した。そこへギ酸55mL(3モル当量)をゆっくり滴下し、この温度で5時間攪拌した。その後反応混合物を内温25℃まで冷却し、セライトろ過を行い炉別した母液に1,5−ナフタレンジスルホン酸を105g加えて、内温を70℃まで昇温し、30分攪拌した。その後、徐々に室温まで冷却して結晶を濾別し化合物(X−4)を100g得た。収率は化合物(X−1)を出発物質として72%であった。得られた結晶は、淡茶色であった。H NMR(重DMSO):δ6.95−6.98(1H)、δ7.02−7.04(1H)、δ7.40−7.51(3H)、δ7.90−7.95(1H)、δ8.75(1H)、δ8.85−8.88(2H)、δ9.03(2H)、δ10.89(1H)
【0116】
サリチルアミド160.0gにアセトニトリル600mLとDBU355.2gを添加し溶解させた。この溶液に4−シアノベンゾイル クロリド193.2gを添加し、室温で24時間攪拌した。この反応液に水1200mLと塩酸150mLを添加し、得られた固体を濾過、水洗浄して合成中間体Cを292.8g得た(収率94%)。
【0117】
【化12】

【0118】
合成中間体C200.0gにアセトニトリル1200mLと硫酸110.5gを添加し、90℃で4時間攪拌した。この反応液にトリエチルアミン600mLを添加し、室温まで冷却した。得られた固体を濾過、水洗浄して合成中間体Dを177.2g得た(収率95%)。
【0119】
【化13】

【0120】
化合物(X−4)6.2gにメタノール50mLと28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液4.3gを添加した。この溶液に合成中間体D5.0gを添加し、60℃で3時間攪拌した。この反応液を室温まで冷却した後、塩酸を0.2mL添加した。得られた固体を濾過、水とメタノールで洗浄して例示化合物(2)を7.1g得た(収率96%)。MS:m/z 367(M+)H NMR(CDCl):δ7.01−7.13(4H),δ7.56−7.59(2H),δ7.91−7.93(2H),δ8.52−8.54(2H),δ8.58−8.60(2H),δ12.77(2H)λmax=355nm(EtOAc)
【0121】
合成例2
(例示化合物(m−2)の調製)
サリチルアミド160.0gにアセトニトリル600mLとDBU355.2gを添加し溶解させた。この溶液に3−シアノベンゾイル クロリド193.2gを添加し、室温で24時間攪拌した。この反応液に水1200mLと塩酸150mLを添加し、得られた固体を濾過、水洗浄して合成中間体Mを296.0g得た(収率95%)。
【0122】
【化14】

【0123】
合成中間体M200.0gにアセトニトリル1200mLと硫酸110.5gを添加し、90℃で4時間攪拌した。この反応液にトリエチルアミン600mLを添加し、室温まで冷却した。得られた固体を濾過、水洗浄して合成中間体Nを177.3g得た(収率95%)。
【0124】
【化15】

【0125】
化合物(X−4)6.2gにメタノール50mLと28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液4.3gを添加した。この溶液に合成中間体N5.0gを添加し、60℃で3時間攪拌した。この反応液を室温まで冷却した後、塩酸を0.2mL添加した。得られた固体を濾過、水とメタノールで洗浄して例示化合物(m−2)を6.9g得た(収率93%)。MS:m/z 367(M+)
【0126】
上記と同様の方法を用いて、実施例で使用した化合物を作製した。
【0127】
<pKaの測定法>
例示化合物(1)を吸光度が1となるようにアセトニトリルに溶解させ、この溶液に70%過塩素酸(酢酸溶媒)を滴下し、pHを変化させていった。その際の溶液吸収スペクトルを測定し、λmaxにおける吸光度から各pHにおけるトリアジンフリー体とプロトン付加体の比率を計算した。その値が等しくなる点よりpKaの値を求めた。ここで、トリアジンフリー体とは、例示化合物(1)そのものを表し、プロトン付加体とは、例示化合物(1)のトリアジン環の窒素原子にプロトンが付加したものを表す。同様にして例示化合物(2)、(20)、(23)、(84)、(m−2)、(m−3)、(m−4)、(m−21)、(m−31)、(m−20)、(m−1)、並びに比較化合物である(例A1)、及び(例A2)についてpKaの値を求めた。吸収スペクトルは、島津製作所製分光光度計UV−3600(商品名)を用いて測定した。pHは、東亜電波工業製pHメーター計HM60G(商品名)を用いて測定した。なお、吸光度はそれぞれの化合物の極大吸収波長で測定した値である。結果を表1に示す。
【0128】
【表1】

【0129】
粘着剤組成物の例として中間膜を作製し合わせガラスとして評価を行った。
〔実施例1〜7〕合わせガラスへの使用
〔実施例1〕
≪中間膜の作製≫
表2に示す材料をロールミルに供給し、95℃で溶融混練し、粘着剤組成物を調製した。紫外線吸収剤の添加量は樹脂に対する質量%である。
得られた組成物を2枚のポリエチレンテレフタレートフィルムの間に挟んで120℃5分の条件でプレス成形し、放冷後、得られた中間膜をフィルムより剥離して、厚み0.8mmの中間膜を得た。
≪合わせガラスの作製≫
予め洗浄乾燥しておいた2枚の3mm厚のフロートガラス板の間に、上記中間膜を挟み、これをゴム袋に入れ真空脱気し、約80℃の温度で予備圧着する。ついでこの予備圧着ガラスをオートクレーブの中に入れ、圧力5kg/cm、150℃の条件で30分間加圧処理を行った。
上記のようにして、得られた実施例1の合わせガラスは着色が少なく、光学的ゆがみの少ないものであった。
【0130】
〔実施例2〕
≪中間膜の作製≫
トリエチレングリコール−ジ−エチレンブチレート40質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−P−クレゾール(BHT)(住友化学社製 スミライダーBHT)0.2質量部、及び、紫外線吸収剤として化合物(23)4.0質量部を均一な透明溶液になるまで攪拌混合し、可塑剤溶液を作製した。
樹脂2 100質量部に対して、上記可塑剤溶液44.2質量部を添加し、これをミキシングロールで充分に混練した後、プレス成形機を用いて150℃で30分間プレス成形し、平均膜厚0.76mmの中間膜を得た。
≪合わせガラスの製造≫
得られた中間膜を、その両端から30cm×30cm×厚さ2.5mmの透明なフロートガラスで挟み込み、これをゴムバック内に入れ、2660Paの真空度で20分間脱気した後、脱気したままオーブンに移し、更に90℃で30分間保持しつつ真空プレスした。このようにして予備圧着された合わせガラスをオートクレーブ中で135℃、圧力118N/cmの条件で20分間圧着を行い、合わせガラスを得た。
上記のようにして、得られた実施例2の合わせガラスは着色が少なく、光学的ゆがみの少ないものであった。
【0131】
〔実施例3〕〜〔実施例7〕
実施例3から7については表2に記載の成分を用いて、樹脂1を使用している場合には、実施例1と同様に、樹脂2を使用している場合には実施例2と同様に、合わせガラスの製造を行った。
【0132】
〔比較例1〕
実施例1同様に、表2に示す材料を用いて合わせガラスを作成した。
【0133】
〔比較例2〕
実施例2同様に、表2に示す材料を用いて合わせガラスを作成した。
【0134】
≪評価≫
〔耐光性〕
作成した各合わせガラスを、メタルハライドランプ(約350nm以下カットフィルター存在下)(商品名:アイスーパーUVテスター、岩崎電気製)で照度90mW/cm、温度63℃、湿度50%の条件で光照射した。
評価は以下のように判断し表に示した。各合わせガラスにおいて光照射前の遮蔽率が1%である波長で、光照射後に遮蔽率が5%になるまでにかかった時間を評価した。比較例1を試験した際にかかった時間を1(基準)としたとき、耐光性を下記の基準を用いて評価した。
◎:比較例1に対して4以上の場合
○:比較例1に対して2以上4未満の場合
△:比較例1に対して1以上2未満の場合
×:比較例1に対して0.1以上1未満の場合
【0135】
〔像のゆがみ〕
合わせガラスを作る前の、各樹脂組成物(中間膜)をメタルハライドランプ(約350nm以下カットフィルター存在下)(商品名:アイスーパーUVテスター、岩崎電気製)で照度90mW/cm、温度63℃、湿度50%の条件で光照射した。
評価は以下のように判断し表2に示した。
各樹脂組成物において光照射前のフィルムを通して見た像を基準として、光照射後に像のゆがみが生じたか否かを評価した。比較例1を試験した際に生じた像のゆがみと比較し、下記の基準に従って評価した。
○:比較例1よりも像のゆがみが小さかった場合
△:比較例1と同等の像のゆがみを生じた場合
×:比較例1よりも像のゆがみが大きかった場合
【0136】
【表2】

【0137】
表2に記載の材料について説明する。
樹脂1:エチレン・酢酸ビニルコポリマー(東ソー(株)製 「UE750R」)、溶融温度(Tm)66℃、酢酸ビニル含有量32%、メルトフローレイト(MFR):30g/10分
【0138】
樹脂2:以下のように合成したポリビニルブチラール樹脂
純水2890gに、平均重合度1700、鹸化度99.2モル%のポリビニルアルコール275gを加えて加熱溶解した。この溶解液を15℃に温度調節し、濃度35質量%の塩酸201gとn−ブチルアルデヒド157gとを加え、15℃を保持して反応物を析出させた。次いで、反応系を60℃で3時間保持して反応を完了させた後、過剰の水で洗浄して未反応のn−ブチルアルデヒドを洗い流し、塩酸触媒を汎用な中和剤である水酸化ナトリウム水溶液で中和し、更に、過剰の水で2時間水洗後、乾燥して、白色粉末状のポリビニルブチラール樹脂を得た。このポリビニルブチラール樹脂の平均ブチラール化度は68.5モル%であった。
【0139】
添加剤1:酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−P−クレゾール(BHT)(住友化学社製、スミライダーBHT)
添加剤2:ヒンダードアミン系光安定剤としてADEKA社製、LA−94
【0140】
比較例使用の紫外線吸収剤:
【0141】
【化16】

【0142】
上記化合物は市販で入手可能なものであり、例A1はCiba社製 Tinuvin1577FF、例A2はCYTEC社製 CYASORB UV−1164である。
【0143】
〔実施例8〜12〕太陽電池モジュールへの使用
本発明を実施例8〜12によって更に詳細に説明するが、本発明に用いることができる層構成、層の厚みなどはこれに限定されない。
【0144】
〔製造例1〕
≪太陽電池用フロントシートの作製≫
透明樹脂シートとして厚さ50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、ルミラーS56)を用いた。透明樹脂シートの片面に、アクリル系バインダー(NIPOL Lx811、日本ゼオン(株)製)100質量部及びシリカフィラー(日産化学株式会社製 商品名スノーテックスZL)5質量部からなる防眩処理層を設けた(コート厚:約2μm)。
前記シートの前記の処理がされていない面側に、透明接着剤として乾燥膜厚が20μmとなるように感圧接着剤(2−エチルヘキシルアクリレート−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体(2−エチルヘキシルアクリレート80重量部とヒドロキシエチルアクリレート20重量部とを共重合して調製したアクリル共重合体(重量平均分子量=40万)を92質量%と紫外線吸収剤として化合物(m−21)を8質量%含む)を塗布し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製 SPPET3811、厚さ38μmを積層太陽電池用フロントシートを作製した。このように作製された太陽電池用のフロントシートは、太陽電池モジュールに接着し用いることができる。
外側から防眩処理層/PET/接着層(2−エチルヘキシルアクリレート−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体+紫外線吸収剤(m−21))/PET の太陽電池用フロントシートを作成した。
【0145】
〔製造例2〕
≪太陽電池用フロントシートの作製≫
トリエチレングリコール−ジ−エチレンブチレート40質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−P−クレゾール(BHT)(住友化学社製 スミライダーBHT)0.2質量部、及び、紫外線吸収剤として(m−21)2.9質量部を均一な透明溶液になるまで攪拌混合し、可塑剤溶液を作製した。
樹脂2 100質量部に対して、上記可塑剤溶液40質量部を添加し、これをミキシングロールで充分に混練した組成物を、2枚のポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製SPPET3811、厚さ38μm)の間に挟んでプレス成形機を用いて150℃で30分間プレス成形し、平均膜厚0.76mmの膜を得た。
上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、アクリル系バインダー(NIPOL Lx811、日本ゼオン(株)製)100質量部及びシリカフィラー(日産化学株式会社製 商品名スノーテックスZL)5質量部からなる防眩処理層を設けた(コート厚:約2μm)太陽電池用フロントシートを作成した。
外側から防眩処理層/PET/接着層(樹脂2+紫外線吸収剤(m−21))/PET の太陽電池用フロントシートを作成した。
【0146】
〔製造例3〕
≪太陽電池用バックシートの作製≫
フッ素樹脂フィルム(デュポン社製 PVF テドラー)25μmに、2液硬化型ウレタン系接着剤(東洋モートン社製 AD76P1/CAT10)と紫外線吸収剤として化合物(84)を樹脂に対して5質量%混合した塗布液を固形分塗布量4g/mになるように塗布し、PETフィルム(東レ株式会社製 ルミラーS10)250μmをドライラミネート法により積層した。次に、ポリエステル骨格を導入したアクリル樹脂(総研化学工業社製 サーモラック)とアクリル系樹脂(総研化学工業社製 アクトフロー)とを70対30の割合で配合した塗布液に、更に、ルチル型酸化チタン(石原産業社製 CR−90)を樹脂固形分に対して10質量%添加・混合して白色の塗布液を得た。この塗布液を上記積層品のPETフィルム面の片側にグラビアコート法で塗布し、固形分塗布量として4g/mの接着性塗布層(厚さ2μm)を設け、白色の接着性塗布層が内面側の太陽電池用バックシートを作製した。このように作製された太陽電池用のバックシートは、太陽電池モジュールに接着し用いることができる。
外側からフッ素樹脂フィルム層/接着層(ウレタン樹脂+紫外線吸収剤(84))/PET/アクリル樹脂+酸化チタン層 の太陽電池用バックシートを作成した。
【0147】
〔製造例4〕
≪太陽電池用フロントシートの作製≫
樹脂1 100質量部と紫外線吸収剤(84) 2.3質量部をロールミルに供給し、95℃で溶融混練し、粘着剤組成物を調製した。
得られた組成物を2枚のポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製 SPPET3811、厚さ38μm)の間に挟んで150℃30分の条件でプレス成形し、厚み142μmの膜を得た。ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、アクリル系バインダー(NIPOL Lx811、日本ゼオン(株)製)100質量部及びシリカフィラー(日産化学株式会社製 商品名スノーテックスZL)5質量部からなる防眩処理層を設けた(コート厚:約2μm)。
太陽電池用フロントシートを作製した。このように作製された太陽電池用のフロントシートは、太陽電池モジュールに接着し用いることができる。
外側から防眩処理層/PET/接着層(樹脂1+紫外線吸収剤(84))/PET/ の太陽電池用フロントシートを作製した。
【0148】
〔製造例5〕
≪太陽電池用バックシートの作製≫
基材とするプラスチックフィルムとして、押出法により製造された、厚さ150μmのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム(原料のPET:ダイアホイルヘキスト社製、ダイアホイルT−600(登録商標))の片面にドライラミネート機により、固形分30質量%の三井化学ポリウレタン(株)製ポリウレタン系接着剤(主剤タケラックA515/硬化剤タケネートA50=10/1溶液)に紫外線吸収剤として化合物(20)を4.0質量%になるように添加した塗布液を乾燥状態での塗布量が4.0g/mとなるように塗布した。その上に金属箔として厚さ25μmのアルミニウム箔を貼り合わせ金属層を設けた。更に、前記積層体のアルミニウム箔側の片面にドライラミネート機により、固形分30質量%の三井化学ポリウレタン(株)製ポリウレタン系接着剤(主剤タケラックA515/硬化剤タケネートA50=10/1溶液)に紫外線吸収剤として化合物(20)を2.0質量%になるように添加した塗布液を乾燥状態での塗布量が4.0g/mとなるように塗布して、プラスチックフィルムとして、押出法により製造された、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム(原料のPET:ダイアホイルヘキスト社製、ダイアホイルT−600(登録商標))を貼り合わせて太陽電池バックシートを作成した。
外側からPET/接着層(ウレタン樹脂+紫外線吸収剤(20))/金属層/接着層(ウレタン樹脂+紫外線吸収剤(20))/PET の太陽電池用バックシートを作製した。
【0149】
〔実施例8〜12〕
≪太陽電池モジュールの作製≫
製造例1〜5にて作製した太陽電池用フロントシート及びバックシートを用いて、実施例8〜12の太陽電池モジュールを作製した。
【0150】
<太陽電池モジュールの作成>
厚さ3mmの強化ガラスと、EVAシート〔三井化学ファブロ(株)製のSC50B〕と、結晶系太陽電池セルと、EVAシート〔三井化学ファブロ(株)製のSC50B〕と、実施例作成のシートと、をこの順に重ね合わせ、真空ラミネータ〔日清紡(株)製、真空ラミネート機〕を用いてホットプレスすることにより、EVAと接着させた。EVAの接着条件は、以下の通りである。
真空ラミネータを用いて、128℃で3分間の真空引き後、2分間加圧して仮接着した。その後、ドライオーブンにて150℃で30分間、本接着処理を施した。
このようにして、結晶系の太陽電池モジュールを作製した。作製した太陽電池モジュールを用いて発電運転をしたところ、太陽電池として良好な発電性能を示した。
【0151】
〔比較例3〜7〕の作製
比較例3〜7については、紫外線吸収剤として例A1を代替する以外、実施例8〜12に示す方法と同じ方法で、それぞれ太陽電池モジュール作製した。
【0152】
≪膜粘着持続力の評価≫
実施例8〜12において、外側になる方向から、メタルハライドランプ(約350nm以下カットフィルター存在下)(商品名:アイスーパーUVテスター、岩崎電気製)で照度90mW/cm、温度63℃、湿度50%、の条件で光照射した。膜の剥がれ(接着層と基材との間の気泡を確認)を目視で確認し、評価及び比較を行った。評価及び比較は、実施例8〜12に対して、各紫外線吸収剤に代えて同量の(例A1)を含む比較例3〜7をそれぞれの基準として行った。評価は以下のように判断し、表3に示した。
◎:膜の剥がれが確認できるまでかかった時間が、各々の比較例よりの5倍以上
○:膜の剥がれが確認できるまでかかった時間が、各々の比較例より1倍より大きく5倍未満
△:膜の剥がれが確認できるまでかかった時間が、各々の比較例と1倍
×:膜の剥がれが確認できるまでかかった時間が、各々の比較例より1倍未満
【0153】
≪太陽電池モジュールの発電効率評価≫
評価は、実施例8〜12に対して、各紫外線吸収剤に代えて同量の(例A1)を含む比較例3〜7をそれぞれの基準として発電効率の比較をすることにより行った。評価は以下のように判断し、表3に示した。
◎:各比較例の保護シートを使用した時よりも発電効率が1.5倍以上
○:各比較例の保護シートを使用した時より発電効率が1倍より大きく1.5倍未満
△:各比較例の保護シートを使用した時と発電効率が1倍
×:各比較例の保護シートを使用した時より発電効率が1倍未満
【0154】
【表3】

【0155】
実施例8〜12の太陽電池モジュールを用いて発電効率を測定した。本発明の太陽電池モジュールの発電効率は、従来の紫外線吸収剤を利用した太陽電池モジュールと比較し、高い発電効率が得られることが分かった。
【符号の説明】
【0156】
10・・・太陽電池モジュール
31・・・強化ガラス
32・・・樹脂層
33・・・太陽電池封止材
34・・・太陽電池(セル)
35・・・フレーム
36・・・封止樹脂
37・・・配線
38・・・接着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着剤と、下記一般式(1)で表される紫外線吸収剤とを含有することを特徴とする粘着剤組成物。
【化1】

[R1a、R1b、R1c、R1d及びR1eは、互いに独立して、水素原子又はOHを除く1価の置換基を表し、置換基のうち少なくとも1つは、ハメット則のσp値が正である置換基を表す。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。R1g、R1i、R1j、R1k、R1m及びR1pは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す。また置換基同士で結合して環を形成しても良い。R1h及びR1nは、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、又はS、CもしくはNで連結した1価の置換基を表す。]
【請求項2】
前記1価の置換基が、ハロゲン原子、置換又は無置換の炭素数1〜20のアルキル基、シアノ基、カルボキシル基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のアルキルカルボニル基、ニトロ基、置換又は無置換のアミノ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、置換又は無置換のアリールオキシ基、置換又は無置換のスルファモイル基、チオシアネート基、又は置換又は無置換のアルキルスルホニル基であり、前記1価の置換基が置換基を有する場合の置換基がハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、アリールオキシ基、スルファモイル基、チオシアネート基又はアルキルスルホニル基であることを特徴とする請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項3】
前記R1b、R1c及びR1dの少なくとも一つがハメット則のσp値が正である置換基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
【請求項4】
前記ハメット則のσp値が正である置換基が、COOR、CONR、CN、CF、ハロゲン原子、NO及びSOMより選択される基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粘着剤組成物[R、Rは、互いに独立して、水素原子又は1価の置換基を表す。Mは、水素原子又はアルカリ金属を表す。]。
【請求項5】
前記ハメット則のσp値が正である置換基がCOOR又はCNであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤組成物[Rは、水素原子又は1価の置換基を表す。]。
【請求項6】
前記R1h又はR1nが、水素原子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の粘着剤組成物。
【請求項7】
前記R1g、R1h、R1i、R1j、R1k、R1m、R1n及びR1pが、水素原子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の粘着剤組成物。
【請求項8】
一般式(1)で表される化合物を粘着剤組成物中0.01〜30質量%含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の粘着剤組成物。
【請求項9】
前記粘着剤が、ポリビニルブチラール又はエチレン‐酢酸ビニルコポリマーを含むことを特徴とする請求項8に記載の粘着剤組成物。
【請求項10】
更に、酸化防止剤、他の紫外線吸収剤、立体障害性アミン、よりなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含有し、前記粘着剤に対して該添加剤を0.01〜10質量%含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の粘着剤組成物。
【請求項11】
積層体を構成する粘着剤層に用いられることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
【請求項12】
基材及び請求項1〜10のいずれか一項に記載の粘着剤組成物を含む粘着剤層を含む粘着テープ又はフィルム。
【請求項13】
基材及び請求項1〜10のいずれか一項に記載の粘着剤組成物を含む粘着剤層を含む表面保護フィルム。
【請求項14】
基材及び請求項1〜10のいずれか一項に記載の粘着剤組成物を含む粘着剤層を含む合わせガラス。
【請求項15】
基材及び請求項1〜10のいずれか一項に記載の粘着剤組成物を含む粘着剤層を含む太陽電池モジュール。

【図1】
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【公開番号】特開2011−202144(P2011−202144A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261824(P2010−261824)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】