説明

糖を含まない保存に安定な抗ヒスタミンシロップ

新規かつ改善された、保存に安定した無糖抗ヒスタミンシロップ製剤が開示される。1つの実施形態では、その成分として、ロラタジン、デスロラタジン、もしくはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの2つ以上の組み合わせ、プロピレングリコール、ソルビトール、クエン酸ナトリウムニ水和物、無水クエン酸、ポビドン、スクラロース、場合により安息香酸ナトリウム、および場合によりアミノポリカルボン酸またはその塩を含み、保存に安定し、約4.5より高いpHを有する抗ヒスタミンシロップ製剤が開示される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願の本セクションまたはいずれかのセクションにおけるいずれかの特許出願もしくは刊行物の引用または参照は、そのような文書が本発明の先行技術として利用可能であることの承認ではない。
【0002】
本発明は、液体医薬製剤の分野、特に、抗ヒスタミン剤を含有するシロップ製剤に関する。
【0003】
シロップ製剤は一般に、薬剤の送達のため、特に薬剤が小児患者に送達される場合、使用されている。従来のシロップ剤は、公式のモノグラフであるNF19(The National Formulary, United States Pharmacopeial Convention, Inc., Rockville, Md.U.S.A., 2000)の1990頁に記載される製法によると、精製水(例えば、Syrup)中の糖質(一般にショ糖)、850グラムのショ糖で調製されたNF、および1000ml容量にするのに十分な水からなる濃縮溶液である。しかし、本発明の目的では、用語「シロップ剤」は、高カロリーの甘味料によって悪化する可能性のある歯科的および内科的な問題を避けるために人工甘味料によって完全にまたは部分的にもたらされた甘味を有する液剤も包含する。
【0004】
当技術分野で十分に認識されているように、シロップ剤は、溶存するまたは浮遊する薬理活性物質の存在が原因の不快な味を通常マスキングする目的で、(例えば、果実またはミントの風味で)風味を付けられることが多い。子供による摂取を目的とする製剤の場合、口当たりの良さは、特に重要である。甘味のある医薬品、食品、キャンディー、飲料等で広く使用される典型的な香味料も、本発明で有用である。これらの材料は、例えば、ブドウ、サクランボ、柑橘類、モモ、イチゴ、バブルガム、ペパーミント、その他数多くの風味をもたらす。
【0005】
現在市販されているシロップ剤の例は、クエン酸、人工香料、グリセリン、プロピレングリコール、安息香酸ナトリウム、ショ糖、および水と共に1mg/mlの抗ヒスタミン剤ロラタジンを含有する。この製剤は、一般的に約2〜4のpH値を有する。しかし、空気に触れることを含むいくつかの保存条件下で、ロラタジン含有量の減少および不純物の付随生成が発生している。化学的に関連した同様の問題が他の抗ヒスタミン剤(例えば、デスロラタジン)を含有する製剤で発生する可能性がある。
【0006】
同様に、特許文献1は、デスロラタジンおよび約0.05〜約5mg/mlのアミノポリカルボン酸またはその塩を含む抗ヒスタミンシロップ製剤を開示している。しかし、暗条件下で保存される場合、時間が経つと濃いピンク色が発色することが観察されている。従って、市販の製剤では、染料が使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,514,520号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、保存に安定した抗ヒスタミン剤(例えば、ロラタジンまたはデスロラタジン)の送達のための新規のシロップ製剤が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
要旨
従って、ロラタジン、デスロラタジン、もしくはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの2つ以上の組み合わせからなる新規の保存に安定したシロップ製剤を提供することが望ましい。前記シロップ製剤は、ヒトが安全に摂取できると承認された成分だけを含有し、それらの成分は無糖、無色であって、保存に安定している。
【0010】
従って、1つの実施形態では、その成分として、ロラタジン、デスロラタジン、もしくはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの2つ以上の組み合わせ、プロピレングリコール、ソルビトール、クエン酸ナトリウムニ水和物、無水クエン酸、ポビドン、スクラロース、場合により安息香酸ナトリウム、および場合によりアミノポリカルボン酸またはその塩を含み、保存に安定し、約4.5より高いpHを有する抗ヒスタミンシロップ製剤が開示される。
【0011】
さらに、別の実施形態では、その成分として、ロラタジン、デスロラタジン、もしくはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの2つ以上の組み合わせ、プロピレングリコール、ソルビトール、クエン酸ナトリウムニ水和物、無水クエン酸、グリチルリチン酸モノアンモニウム、場合により安息香酸ナトリウム、および場合によりアミノポリカルボン酸もしくはその塩を含み、保存に安定し、約4.5より高いpHを有する抗ヒスタミンシロップ製剤が開示される。
【0012】
1つの好ましい実施例では、本発明は、また、ロラタジン、デスロラタジン、もしくはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの2つ以上の組み合わせからなる新規の保存に安定したシロップ製剤を提供する。前記シロップ製剤は、ヒトが安全に摂取できると承認された成分だけを含有し、それらの成分は無糖、無色であって、保存に安定し、かつアルコール成分を含まず、すべての賦形剤はWHO推奨に従った濃度で存在する。1つの好ましい実施形態では、シロップ製剤は、プロピレングリコールの一日摂取許容量に関する世界保健機関の推奨(すなわち、25mg以下/体重kgのプロピレングリコール)に適合する。好ましい実施形態では、シロップ製剤は、35%未満のプロピレングリコールを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、抗ヒスタミン剤は、デスロラタジンまたはその薬学的に許容される塩である。他の実施形態では、少なくとも1つの抗ヒスタミン剤は、ロラタジンまたはその薬学的に許容される塩である。さらに他の実施形態では、本明細書で以下に一覧する1つまたは複数の治療薬が抗ヒスタミンシロップ製剤に含まれる。
【0014】
本発明は、また、それを必要とするヒトにおいて皮膚または気道のアレルギーおよび炎症状態を治療および/または予防する方法を提供し、前記方法は本明細書で開示する抗ヒスタミンシロップ製剤の有効量を投与することを含む。1つの実施形態では、抗ヒスタミンシロップ製剤の有効量は、25mg以下/体重kg/日のプロピレングリコールを送達する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1−1】25℃/60%RHまたは30℃/65%RHでの色度座標(a、b)および強度(L*)を示す。具体的には、図1Aおよび1Bは、それぞれ、25℃/60%RHおよび30℃/65%RHでの色度座標(a)を示す。図1Cおよび1Dは、それぞれ、25℃/60%RHおよび30℃/65%RHでの色度座標(b)を示す。図1Eおよび1Fは、それぞれ、25℃/60%RHおよび30℃/65%RHでの強度(L*)を示す。
【図1−2】25℃/60%RHまたは30℃/65%RHでの色度座標(a、b)および強度(L*)を示す。具体的には、図1Aおよび1Bは、それぞれ、25℃/60%RHおよび30℃/65%RHでの色度座標(a)を示す。図1Cおよび1Dは、それぞれ、25℃/60%RHおよび30℃/65%RHでの色度座標(b)を示す。図1Eおよび1Fは、それぞれ、25℃/60%RHおよび30℃/65%RHでの強度(L*)を示す。
【図1−3】25℃/60%RHまたは30℃/65%RHでの色度座標(a、b)および強度(L*)を示す。具体的には、図1Aおよび1Bは、それぞれ、25℃/60%RHおよび30℃/65%RHでの色度座標(a)を示す。図1Cおよび1Dは、それぞれ、25℃/60%RHおよび30℃/65%RHでの色度座標(b)を示す。図1Eおよび1Fは、それぞれ、25℃/60%RHおよび30℃/65%RHでの強度(L*)を示す。
【図2】25℃/60%RHまたは30℃/65%RHでのデスロラタジンの安定性を示す。具体的には、図2Aおよび2Bは、それぞれ、25℃/60%RHおよび30℃/65%RHでのデスロラタジンの安定性を示す。
【図3】25℃/60%RHまたは30℃/65%RHでの総分解産物の安定性を示す。具体的には、図3Aおよび3Bは、それぞれ、25℃/60%RHおよび30℃/65%RHでの総分解産物の安定性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
本発明は、その成分として、ロラタジン、デスロラタジン、もしくはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの2つ以上の組み合わせ、プロピレングリコール、ソルビトール、クエン酸ナトリウムニ水和物、無水クエン酸、ポビドン、スクラロース、場合により安息香酸ナトリウム、および場合によりアミノポリカルボン酸もしくはその塩を含み、保存に安定し、約4.5より高いpHを有する抗ヒスタミンシロップ製剤を提供する。
【0017】
好ましい実施例では、pHは、約4.5〜約6.5である。より好ましくは、pHは、約5〜約6であり、より好ましくは、pHは約5.5である。
【0018】
好ましい実施例では、製剤は、35%未満のプロピレングリコールを含む。
【0019】
1つの実施形態では、その成分は、以下を含む:
【0020】
【表1】

1つの実施形態では、その成分は、約0.1〜約0.5%の安息香酸ナトリウムであるアミノポリカルボン酸またはその塩をさらに含む。
【0021】
1つの実施形態では、その成分は、約0.01〜約5%のエデト酸ニナトリウムであるアミノポリカルボン酸またはその塩をさらに含む。
【0022】
1つの実施形態では、抗ヒスタミンシロップ製剤は、少なくとも18カ月間、0.2%未満のデスロラタジン分解産物を有する。1つの実施形態では、抗ヒスタミンシロップ製剤は、少なくとも24カ月間、0.2%未満のデスロラタジン分解産物を有する。
【0023】
本発明は、また、その成分として、ロラタジン、デスロラタジン、もしくはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの2つ以上の組み合わせ、プロピレングリコール、ソルビトール、クエン酸ナトリウムニ水和物、無水クエン酸、グリチルリチン酸モノアンモニウム、安息香酸ナトリウム、およびアミノポリカルボン酸もしくはその塩を含み、保存に安定し、約4.5より高いpHを有する抗ヒスタミンシロップ製剤を提供する。
【0024】
好ましい実施例では、pHは、約4.5〜約6.5である。より好ましくは、pHは、約5〜約6であり、より好ましくは、pHは約5.5である。
【0025】
好ましい実施例では、製剤は、35%未満のプロピレングリコールを含む。
【0026】
1つの実施形態では、その成分は、以下を含む:
【0027】
【表2】

1つの実施形態では、その成分は、約0.1〜約0.5%の安息香酸ナトリウムであるアミノポリカルボン酸またはその塩をさらに含む。1つの実施形態では、その成分は、約0.01〜約5%のエデト酸ニナトリウムであるアミノポリカルボン酸またはその塩をさらに含む。
【0028】
本発明は、また、それを必要とするヒトにおいて皮膚または気道のアレルギーおよび炎症状態を治療および/または予防する方法を提供し、前記方法は本明細書で開示する抗ヒスタミンシロップ製剤の有効量を投与することを含む。1つの実施形態では、抗ヒスタミンシロップ製剤の有効量は、25mg以下/体重kg/日のプロピレングリコールを送達する。
【0029】
用語「パーセント」が本明細書で使用される場合、文脈で明示しない限り、重量パーセントを表すと意図される。
【0030】
ロラタジンは、例えば、季節性アレルギー性鼻炎症状(例えば、くしゃみおよびかゆみ)に有用な鎮静作用の少ない抗ヒスタミン剤として、米国特許第4,282,233号に開示されている。
【0031】
化合物デスロラタジンは、ロラタジンの抗ヒスタミン活性代謝物である。デスロラタジンは、ホワイトからオフホワイト色の粉末であり、水には溶けにくいがエタノールおよびプロピレングリコールには極めて溶けやすい。化合物デスロラタジンは、実験式C1919ClNを有し、分子量は310.8である。その化学名は、8−クロロ−6,11−ジヒドロ−11−(4−ピペリジンイリデン)−5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジンである。Clarinex(登録商標)およびAerius(登録商標)の商品名で、Schering Corp.,(米国ニュージャージー州ケニルワース)から入手可能である。米国特許第5,595,997号は、デスロラタジンを用いた季節性アレルギー性鼻炎症状治療の方法および組成物を開示している。
【0032】
本発明の抗ヒスタミンシロップ製剤は、単回投与から2つ以上の治療結果を得るために1つまたは複数の治療薬を含有することも可能である。抗ヒスタミン剤と共に含まれる代表的な治療薬は、鼻炎および上気道感染症等の疾患を伴うことが多い上気道うっ血を軽減するための交感神経性アミンうっ血除去薬(例えば、プソイドエフェドリン、フェニルプロパノールアミン、またはフェニレフリン)である。咳を緩和するための鎮咳薬(例えば、コデイン、ヒドロコドン、またはデキストロメトルファン)および咳の生産性(cough productivity)を高めるための去痰薬(例えば、グアイフェネシン)も、併用製品として含まれる。H受容体拮抗薬も、本発明のシロップ製剤との併用が可能である。ヒスタミンH受容体拮抗薬は、以下からなる群から選択される1種または複数種の拮抗薬であり得る:チオペラミド、インプロミジン、ブリマミド、クロベンプロピット、イムペンタミン、ミフェチジン、クロザピン、S−ソプロミジン、R−ソプロミジン、シプロキシファン、SKF−91486(3−(イミダゾール−4−イル)−プロピルグアニジンスルファート)、GR−175737(Clitherowら、(1996) Bioorg.Med.6:833−838)、GT−2016(Tedfordら、(1995) J.Pharm.Exp.Ther 275(2):596−604)、GT−2331(Tedfordら、(1998) Eur.J.Pharmacol.351(3):307−11)、GT−2394(Yatesら、(2000) Soc.Neurosci.Abstr.26:279)、JB98064(Linneyら、(2000) J.Med.Chem.43:2362−2370)、UCL−1199(Ganellinら、(1995) J.Med.Chem.38(17):3342−50)、およびABT331440(PCT出願国際公開第WO02/06223号)。
【0033】
抗ヒスタミン剤と共に含まれうる他の代表的な治療薬としては、以下が挙げられる:非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、ステロイド薬、および抗生物質(例えば、抗菌性および抗真菌性)。NSAIDとしては、アスピリン、アセトアミノフェン、フェニルプロピオン酸誘導体(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン)、オキシカム(例えば、ピロキシカム)、ケトロラク、セレコキシブ、およびロフェコキシブが挙げられる。本発明での使用のために含まれるステロイド薬としては、モメタゾン、デキサメタゾン、ブトキシカルト(butoxicart)、ロフレポニド、ブデソニド、デフラザコート、シクレソニド、フルチカゾン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、フルオシノロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、ロテプレドノール、またはトリアムシノロンが挙げられる。抗菌薬としては、以下が挙げられる:β−ラクタム抗生物質(例えば、ペニシリン、アモキシシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、およびピペラシリン)、アミノグリコシド(例えば、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシン、およびトブラマイシン)、マクロライド、リンコマイシン、およびクリンダマイシン、テトラサイクリン(例えば、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン)、キノロン(例えば、シノキサシン、ナリジクス酸)、フルオロキノロン(例えば、イプロフロキサシン、エノキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、スパルフロキサシン、トロバフロキサシン)、ポリペプチド(例えば、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB)、スルホンアミド、リメトプリム・スルファメトキサゾール(TMP−SMX)、クロラムフェニコール、バンコマイシン、キヌプリスチン・ダルホプリスチン、メトロニダゾール、リファンピン、スペクチノマイシン、およびニトロフラントイン。本発明で使用される抗真菌薬としては、以下が挙げられる:ポサコナゾール、ボリコナゾール、ケトコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、サペルコナゾール、ネチコナゾール、オキシコナゾール、イソコナゾール、スルコナゾール、テルコナゾール、ラブコナゾール、カスポファンギン、チオコナゾール、および/またはそれらの薬学的に許容される塩。
【0034】
それらの塩および同じ薬効分類の他の治療薬を含むこれらの付加的成分のいずれも、本発明のシロップ製剤への含有に適している。
【0035】
本発明で使用される、糖に基づかない(non−sugar based)人工甘味剤としては、以下が挙げられる:スクラロース、フッ素化ショ糖誘導体、サッカリン、栄養ブドウ糖、アセスルファムカリウム、サッカリン、アスパルテーム、およびグリチルリチン酸モノアンモニウム(Magnasweet(登録商標))。特に好ましいのは、スクラロースおよびグリチルリチン酸モノアンモニウムである。甘味剤は、例えば、約0.01%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約1%の量で存在することが可能である。
【0036】
Magnasweet(登録商標)(International Flavors & Fragrancesから市販されている)は、甘草に由来するトリテルペノイドサポニンのモノアンモニウム塩である。
【0037】
一般的に、薬学的に許容される適切な溶媒および/担体系としては、以下が挙げられる:水、アルコール、およびグリコール、特に、プロピレングリコール、ソルビトール、エタノール、ポリエチレングリコール、および/またはグリセリン。小児への投与に用いられる液体医薬組成物は、実質的にエタノールを含まないべきであり、最も好ましくは、エタノールを含んではならない。水、プロピレングリコール、ソルビトール、およびグリセリンの少なくとも1つの組み合わせでの使用が好ましい。プロピレングリコールは、約50〜200mg/mlの濃度で存在することが可能である。ソルビトールは、約100〜250mg/mlの濃度で存在することが可能である。通常、薬学的に許容される液体担体は、精製水である。
【0038】
本発明で使用される適切な緩衝系としては、ほんの一例として、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、および酢酸、ならびにそれらの塩が挙げられる。好ましい緩衝系は、クエン酸緩衝系およびリン酸緩衝系が挙げられる。クエン酸緩衝系は、好ましくは、クエン酸と組み合わせてクエン酸ナトリウムを含む。好ましくは、約0.1〜約10グラム/リットルのクエン酸ナトリウムおよび、約0.05〜約5グラム/リットルのクエン酸が含まれる。通常、適切な緩衝系は、約4.5より高い、好ましくは約4.5〜約6.5、より好ましくは約5〜約6、より好ましくは約5.5のpHを維持可能な緩衝系を含む。
【0039】
本発明で使用される増粘剤としては、とりわけ以下が挙げられる:グアーガム、ゼラチン、ローカストビーンガム、タラガム、キサンタンガム、タマリンドガム、トラガカントガム、カラヤガム、コンニャクマンナン、水溶性カルボキシビニルポリマー(例えば、ポビドン)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、アゾトバクタービネランジーガム、カラゲナン、ポリエチレングリコール、加工デンプン、カシアガム、サイリウムシードガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、および微小結晶性セルロース。
【0040】
糖類ベースのシロップ製剤では、大抵、抗菌性保存剤を使用することが望ましい。微生物増殖からシロップ剤を保護するために必要な薬学的に許容される保存剤の量は、増殖に利用可能な水の割合、一部の製剤材料の性質および固有の防腐活性(多くの芳香油および共溶媒(例えば、プロピレングリコール)は、本質的に無菌であり、かつ抗菌活性を有する)、および保存剤自体の能力によって変化する。通常の有効濃度を有するシロップ製剤の保存で一般に使用される保存剤には、安息香酸(0.1〜0.5%)、安息香酸ナトリウム(0.1〜0.5%)、およびメチルパラベン、プロピルパラベン、およびブチルパラベンの種々の組み合わせ(総量約0.1%)がある。本発明の別の態様は、本発明のいくつかの実施形態では、安息香酸ナトリウムは必要でないことが明らかになっている。
【0041】
安定剤も、シロップ製剤に組み入れることができる。有用なアミノポリカルボン酸およびその塩は、摂取しても安全であり、かつシロップ製剤への十分な溶解性を有し、安定な単相組成物を作る。使用可能な市販の化合物としては、以下が挙げられる:イミノ二酢酸、メチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)、ジアチレントリアミン五酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサン−四酢酸、N−ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、および関連する化合物。前述の化合物の2つ以上の混合物は、使用に適している。容易に入手可能であり、安全性、有効性、および費用の面から、EDTAのアルカリ金属塩が現時点では好ましい。安定剤を含有する実施形態では、安定剤は、約0.01〜約5%、好ましくは約0.25%の量で存在することが可能である。本発明の別の実施形態では、EDTAは、必須成分ではない。
【0042】
好ましくは、本発明のシロップ製剤は、加速安定性試験期間、0.2%未満、より好ましくは0.1%未満のデスロラタジン分解産物を有する。好ましくは、本発明の製剤は、加速安定性試験条件下で6カ月間、より好ましくは1年間を超えて、より好ましくは15カ月間を超えて、最も好ましくは2年間を超えて安定である。安定であることに加えて、当業者に周知のように、シロップ製剤は変色してはならない。
【0043】
シロップ製剤の口当たりを良くするために、大部分のシロップ製剤は、合成香味料または天然の材料(例えば、揮発油(例えば、オレンジ油)、バニリン)等で風味付けされる。シロップ製剤は水性製剤であるため、これらの香味料は、十分な水溶性を有する必要がある。甘味のある医薬品、食品、キャンディー、飲料で一般的に使用される典型的な香味料も、本発明で有用である。これらの材料は、例えば、赤い果実(flavor red fruit)、青リンゴ、ブドウ、サクランボ、柑橘類、モモ、イチゴ、バブルガム、ペパーミント、その他数多くの風味をもたらすことが可能であり、本発明の範囲内である。好ましい香味料は、Flavor Red Fruits 700−14−01およびGreen Apple Flavorである。
【0044】
また、本発明によって、それを必要とするヒトにおいて皮膚または気道のアレルギーおよび炎症状態を治療および/または予防する方法が提供され、前記方法はデスロラタジンまたはロラタジンの有効量を投与することを含む。本明細書で使用するように語句「皮膚または気道のアレルギーおよび炎症状態」は、皮膚でおよび鼻から肺への上下気道で見られるアレルギーおよび炎症の状態および症状を意味する。皮膚または上下気道の典型的なアレルギーおよび炎症状態としては、以下が挙げられる:季節性および通年性アレルギー性鼻炎、咳と関連するアレルギー性鼻炎、非アレルギー性鼻炎、喘息(アレルギー性および非アレルギー性喘息を含む)、副鼻腔炎、感冒、咳と関連するアレルギーに起因する気管支肺の状態、粘性および粘膜粘着性が増加する場合、気道透過性の低下、急性気管支炎、慢性気管支炎、痙攣性気管支炎、および喘息性気管支炎、気管支喘息、気管支拡張症、副鼻腔炎、中耳炎、肺炎、気管支肺炎、粘膜の閉塞による無気肺、および皮膚炎(特に、アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、症候性皮膚描画症)、ならびに糖尿病に付随する網膜症および小血管病。
【0045】
米国特許第6,514,520号に開示されるようなデスロラタジン経口液剤の先行技術のシロップ製剤は、以下のように製造されている:デスロラタジンおよび香味料(Natural & artificial flavor for bubblegum, #15864)を、プロピレングリコールに溶解させる。残りの製剤の賦形剤を水に溶解させる。プロピレングリコール濃縮物を、混合しながら水性媒体に加える。水を最終量まで適量加える。結果として生じる製剤は、暗条件下で保存される場合、時間が経つと濃いピンク色が発色することが観察されている。この色形成は、デスロタラジンと香味料との、もしくはデスロラタジンとプロピレングリコールとの、またはデスロラタジンとステンレス鋼との相互作用に由来する可能性がある。先行技術によるシロップ製剤の変色をマスキングするために黄色染料の添加が必要であった。無糖かつ無色素である透明なシロップ製剤を生成するための新規のプロセスが必要である。以下の実施例で例示するように、本発明は、無糖かつ無色素であり、時間が経っても実質的に変色しないシロップ製剤を提供する。
【0046】
従って、本発明は、以下の実施例の方法によってさらに説明する。これらの実施例は、添付の特許請求の範囲によって明示するように本発明の範囲を限定することを目的としていない。
【実施例】
【0047】
【表3】

上記のシロップ製剤を調製するため、当業者に周知のように、デスロラタジン以外の成分を溶解または混合させて、容器に入れる。上記表中の成分の残り全てを組み入れる完成製剤に直接デスロラタジンを溶解させる製造プロセスを追加することで、デスロラタジンとプロピレングリコールとバブルガム香味料溶液との接触を回避する。黄色染料を用いたカラーマスキングを要する先行技術による製剤では、これらの接触がピンク色を発色させる可能性があった。
【0048】
安定性プロトコル
実施例1に詳述した代表的な製剤を3通りのバッチで製造し(本明細書ではバッチA、B、およびCと呼ぶ)、2種類の大きさ(120mlおよび15ml)の琥珀色の硝子瓶に詰めた。2種類の大きさの瓶に詰めた3通りのバッチそれぞれからの試料を、以下の長期保存条件下、中期保存条件下、加速安定保存条件下、および試験頻度で、pH安定性、外観、デスロラタジン安定性、総分解産物の安定性、安息香酸ナトリウム安定性、EDTAアッセイ安定性、光安定性、および凍結融解安定性について評価した。
【0049】
【表4】

pH安定性
すべての試料からのpHデータは、18カ月の安定性試験間隔(表1を参照)にわたって良好な安定性傾向を示す。pH値は、冷蔵(0℃〜5℃)で保存した試料では5.55〜5.63、25℃/60%RHで保存した試料では5.54〜5.66、30℃/65%RHで保存した試料では5.57〜5.68の範囲であった。
【0050】
【表5】

外観
カラーデータは、色度座標(a、b)に変化を示した。25℃/60%RHおよび30℃/65%RHでは、「a」の値は、正から負のデータに変化した(図1Aおよび1Bを参照)。「b」の値は、2.53に増加した(図1Cおよび1Dを参照)。色度座標の変化は、緑色溶液から赤黄溶液へのわずかな肉眼では気づかない変化を示した。強度(L)は、一定のままであった(図1Eおよび1Fを参照)。これは、試料が透明な溶液のままであることを表している。従って、25℃/60%RHまたは30℃/65%RHで、最長18カ月にわたる保存の後、外観には(肉眼では)変化が全く観察されなかった。試料は、透明(無色から黄色みがかった溶液)であり、18カ月間の安定性試験間隔にわたり異物のないことが観察された。
【0051】
安定性試験の開始時と12カ月後に、試料の微生物試験も、30℃/65%RHで実施した。微生物的品質は、満足の行くものであることが分った。すなわち、好気性細菌を細菌100個/ml以下、カビおよび酵母菌を真菌10個/ml以下で有し、大腸菌(E.coli)、緑膿菌(P.aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)、サルモネラ菌(Salmonella sp)を有さない。
【0052】
デスロラタジン安定性
すべての試料は、たとえ冷蔵(0℃〜5℃)、25℃/60%RH、30℃/65%RH、または40℃で保存しても、良好なデスロラタジン安定性傾向を示す。25℃/60%RHおよび30℃/65%RHで18カ月にわたり得たデータを、適切な保存期限を決定するために回帰分析によって評価した(図2Aおよび2Bを参照)。この回帰分析に基づいた、24カ月間の保存期限の予測されるデスロラタジンアッセイ値は、以下の通りである:
デスロラタジン(25℃/60%RHで保存): 100.9%
デスロラタジン(30℃/65%RHで保存): 98.9%
従って、30℃を超えない温度でシロップ製剤を琥珀色のガラス瓶に保存するならば、24カ月間の保存期限は適切である。
【0053】
総分解産物の安定性
報告する数値データは、定量限界(LOQ)を超えるデータの結果だけである。デスロラタジンのLOQは0.03%であり、検出限界(LOD)は0.007%である。特に、安定性試験中、定量化した分解産物は、ロラタジンRS、ロラタジンRS LRD−C、DS2(デスロラタジン lmp DS2 HCl)、および不特定の分解産物であった。デスロラタジン分解産物は、15mlまたは120mlの琥珀色ガラス瓶に詰められても、同様の挙動を示した。
【0054】
試料をあらゆる安定性条件下で保存した場合、ロラタジンRS、ロラタジンRS LRD−C、DS2(デスロラタジン lmp DS2 HCL)、および不特定の分解産物は、許容限界範囲内のままであった。18カ月間の保存後、データ分析は、95%Clで、それぞれ25℃/60%RHおよび30℃/65%RHで保存した試料に関する総分解産物について0.113%および0.115%の最大レベルを予測した。
【0055】
DS2(デスロラタジン lmp DS2 HCl)は、原料に対する不純物関連物質であり、かつあらゆる安定性条件下においてすべての試料で定量化される。光安定性および凍結融解サイクルで保存した試料は、それぞれ、0.108%および0.102%の最大値を示した。一方、冷蔵(0〜5℃)、25℃/60%RH、30℃/65%RH、40℃/75%RHで保存した試料は、6カ月でそれぞれ、0.138%、0.131%、0.128%、および0.114%の最大値を示した。
【0056】
25℃/60%RHおよび30℃/65%RHで18カ月間にわたり得たデータを、規定した保存期間にわたる製品安定性を決定するため回帰分析によって評価した(図3Aおよび3Bを参照)。回帰分析に基づく、24カ月の保存期間の予測されるデスロラタジン総分解産物値は、以下の通りである:
デスロラタジン総分解産物(25℃/60%RHで保存): 0.113%
デスロラタジン総分解産物(30℃/65%RHで保存): 0.150%
従って、30℃を超えない温度でシロップ製剤を琥珀色のガラス瓶に保存するならば、24カ月の保存期間は適切である。
【0057】
安息香酸ナトリウムアッセイおよびエデト酸二ナトリウム(EDTA)アッセイ
試料からの安息香酸ナトリウムアッセイおよびEDTAアッセイのデータは、18カ月の安定性試験間隔にわたり、分解傾向を全く示さなかった。具体的に、25℃での18カ月間にわたる安息香酸ナトリウムのデータは、100.0〜101.8%のラベル強度であり、30℃/65%RHでのデータは、99.4%〜102.3%のラベル強度の範囲であった。25℃での18カ月間にわたるEDTAのデータは、97.7〜101.3%のラベル強度であり、30℃/65%RHでのデータは、97.0%〜102.7%のラベル強度であった。さらに、30℃/65%RHで、安定性試験の開始時と12カ月後に得たAPE試験の結果は、安息香酸ナトリウムの保存剤としての能力が十分に残っていることを実証した。
【0058】
光安定性試験および凍結融解
石英セルでICH光安定性条件に曝露した試料、および−20℃/25℃のサイクルでストレスを加えた試料から得たデータは、以下に詳述する規格の範囲内であることが分った。
【0059】
【表6】

本明細書で提示するデータに基づき、本発明の代表的なシロップ製剤は、pH安定性、外観安定性、デスロラタジン安定性、総分解産物の安定性、安息香酸ナトリウム安定性、EDTAアッセイ安定性、光安定性、および凍結融解安定性を示した。
【0060】
添付する図面を参照することにより本発明の特に好ましい実施形態を記述することで、当然のことながら本発明がそれらの正確な実施形態に限定されることはなく、また、添付する特許請求の範囲で定義されるように本発明の範囲または精神から逸脱することなく、種々の変更および修飾が当業者によって達成されることは可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保存に安定した抗ヒスタミンシロップ製剤であって、その成分は、ロラタジン、デスロラタジン、もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの2つ以上の組み合わせ、プロピレングリコール、ソルビトール、クエン酸ナトリウムニ水和物、無水クエン酸、ポビドン、スクラロース、場合により安息香酸ナトリウム、および場合によりアミノポリカルボン酸またはその塩を含み、該抗ヒスタミンシロップ製剤が約4.5より高いpHを有する抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項2】
前記pHが約4.5〜約6.5の範囲である、請求項1に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項3】
前記pHが約5〜約6の範囲である、請求項1に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項4】
前記pHが約5.5である、請求項1に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項5】
35%未満のプロピレングリコールが存在する、請求項1に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項6】
前記成分が、
【表7】

を含む、請求項1に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項7】
前記成分が、約0.1〜約0.5%の安息香酸ナトリウムであるアミノポリカルボン酸またはその塩をさらに含む、請求項6に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項8】
前記成分が、約0.01〜約5%のエデト酸ニナトリウムであるアミノポリカルボン酸またはその塩をさらに含む、請求項6に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項9】
少なくとも18カ月間0.2%未満のデスロラタジン分解産物を有する、請求項1に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項10】
少なくとも24カ月間0.2%未満のデスロラタジン分解産物を有する、請求項1に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項11】
保存に安定した抗ヒスタミンシロップ製剤であって、その成分は、ロラタジン、デスロラタジン、もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの2つ以上の組み合わせ、プロピレングリコール、ソルビトール、クエン酸ナトリウムニ水和物、無水クエン酸、グリチルリチン酸モノアンモニウム、場合により安息香酸ナトリウム、および場合によりアミノポリカルボン酸またはその塩を含み、該抗ヒスタミンシロップ製剤が約4.5より高いpHを有する抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項12】
前記pHが約4.5〜約6.5の範囲である、請求項11に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項13】
前記pHが約5〜約6の範囲である、請求項11に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項14】
前記pHが約5.5である、請求項11に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項15】
35%未満のプロピレングリコールが存在する、請求項11に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項16】
前記成分が、
【表8】

を含む、請求項11に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項17】
前記成分が、約0.1〜約0.5%の安息香酸ナトリウムであるアミノポリカルボン酸もしくはその塩をさらに含む、請求項16に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項18】
前記成分が、約0.01〜約0.5%のエデト酸ニナトリウムであるアミノポリカルボン酸またはその塩をさらに含む、請求項16に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤。
【請求項19】
治療および/または予防を必要とするヒトにおいて皮膚または気道のアレルギーおよび炎症状態を治療および/または予防する医薬を製造するための、請求項1または11に記載の抗ヒスタミンシロップ製剤の使用。
【請求項20】
前記抗ヒスタミンシロップ製剤の有効量が25mg以下/体重kg/日のプロピレングリコールを送達する、請求項19に記載の使用。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−542665(P2009−542665A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518256(P2009−518256)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/014957
【国際公開番号】WO2008/005267
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】