紙葉類処理装置
【課題】装填された紙葉類を安定して取出し処理することができ、信頼性の向上した紙葉類処理装置を提供する。
【解決手段】紙葉類処理装置は、鉛直方向に対して傾斜した支持面11aと、この支持面にほぼ直交する載置面11bとを有し、複数枚の紙葉類が前記支持面に沿って傾斜して前記載置面に重ねて載置される供給部11と、供給部の載置面側から紙葉類を取出す取出し機構14と、前記取り出された紙幣を搬送する搬送路16と、前記搬送される紙葉類を鑑査する鑑査装置18と、鑑査された紙葉類を集積する集積部と、を備えている。
【解決手段】紙葉類処理装置は、鉛直方向に対して傾斜した支持面11aと、この支持面にほぼ直交する載置面11bとを有し、複数枚の紙葉類が前記支持面に沿って傾斜して前記載置面に重ねて載置される供給部11と、供給部の載置面側から紙葉類を取出す取出し機構14と、前記取り出された紙幣を搬送する搬送路16と、前記搬送される紙葉類を鑑査する鑑査装置18と、鑑査された紙葉類を集積する集積部と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、紙幣、有価証券等の紙葉類を処理する紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、銀行や大規模小売業等では日常的に大量の紙幣が扱われ、これら紙幣を金種や、正損(紙幣の汚損度合い)に応じて分類して整理する業務が存在している。通常、紙幣は量が多くなると、100枚毎に帯封をした状態で管理される。そこで、このような紙幣の整理業務を自動化する装置として紙幣類整理装置が提案されている。この紙幣処理装置は、未分類の紙幣を積層して収容するホッパー部と、ここから一枚ずつ紙幣を繰出し搬送する搬送機構と、搬送されてきた紙幣の種類や正損の度合いを鑑別する鑑査部と、鑑別された紙幣を金種別などに分類して集積する複数のポケット部と、100枚ずつ集積した紙幣を帯封する施封部等と、を備えている。
【0003】
また、例えば、金融機関等において、顧客に対して、紙幣や硬貨等の取引媒体の支払や振込等を自動的に行うことが可能な自動取引装置(以下、ATMという)が広く普及し、その設置台数も増加の一途をたどっている。ATMは、取引媒体として紙幣を収容するATMカセット、装填カセット等の装填庫を有し、この装填庫から顧客に紙幣を払い出し、あるいは、顧客により入金された紙幣を装填庫に集積する。このようなATMは、その使用状況に応じて紙幣の補充及び回収が必要となる。そこで、複数のATMに対して紙幣を自動的に補充及び回収する機能を有する装填庫を備えた現金処理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2686068号公報
【特許文献2】特開平4−137093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような現金処理システムでは、紙幣補充、回収用の専用の装填庫を新たに用意する必要があり、コストが増加する。また、各ATMに、装填庫を装着するためのスペースを設ける必要があり、ATMが大型化する。
【0006】
また、ホッパー部に、一度に最大1000枚程度の紙葉類を縦積みし、取り出し処理する装置が提案されている。しかし、1000枚を越える紙葉類を積層すると、積層紙葉類の重力により、紙葉類間の摩擦力が大きくなる。そのため、ホッパー部から紙葉類を取出す際、摩擦取出しの分離力が負け、紙葉類を安定して取出せず、紙葉類のスリップ、二枚取り、連れ取り等が発生する。更に、取出された紙葉類とともに硬貨や異物が一緒に運ばれる場合あり、これらが鑑査部に搬送されると鑑査部を破損するおそれがある。
【0007】
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その課題は、装填された紙葉類を安定して取出し処理することができ、信頼性の向上した紙葉類処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、紙葉類処理装置は、鉛直方向に対して傾斜した支持面と、この支持面にほぼ直交する載置面とを有し、複数枚の紙葉類が前記支持面に沿って傾斜して前記載置面に重ねて載置される供給部と、前記供給部の載置面側から紙葉類を取出す取出し機構と、前記取り出された紙幣を搬送する搬送路と、前記搬送される紙葉類を鑑査する鑑査装置と、前記鑑査された紙葉類を集積する集積部と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る紙幣処理装置を示す断面図。
【図2】図2は、前記紙幣処理装置のメインモジュール、装填モジュール、施封モジュールを拡大して示す断面図。
【図3】図3は、前記紙幣処理装置を概略的に示すブロック図。
【図4】図4は、前記紙幣処理装置の供給部を示す斜視図。
【図5】図5は、前記供給部の断面図。
【図6】図6は、支持面の傾斜角度が異なる前記供給部を概略的に示す図。
【図7】図7は、前記紙幣処理装置に用いるバッチカードを示す平面図。
【図8】図8は、前記紙幣処理装置における取出し機構および搬送路を拡大して示す断面図。
【図9】図9は、前記搬送路の最下部および吸気ファンを示す断面図。
【図10】図10は、自動取引装置を示す斜視図。
【図11】図11は、前記紙幣処理装置の装填モジュールの整列機構を示す側面図。
【図12】図12は、前記整列機構を示す斜視図。
【図13】図13は、前記整列機構を示す平面図。
【図14】図14は、前記整列機構の紙幣整列動作を示す平面図。
【図15】図15は、前記紙幣処理装置における施封モジュールの調整機構を示す平面図。
【図16】図16は、結束された紙幣束(小束)を示す斜視図。
【図17】図17は、複数の小束を積層し、結束された紙幣大束を示す斜視図。
【図18】図18は、バッチカード処理システムの一例を概略的に示す図。
【図19】図19は、第2の実施形態に係る紙幣処理装置を示す断面図。
【図20】図20は、第2の実施形態に係る紙幣処理装置における反転装置を示す斜視図。
【図21】図21は、前記反転装置のねじりベルトを示す斜視図。
【図22】図22は、前記反転装置を示す斜視図。
【図23】図23は、第3の実施形態に係る紙幣処理装置を示す断面図。
【図24】図24は、第4の実施形態に係る紙幣処理装置を示す断面図。
【図25】図25は、第5の実施形態に係る紙幣処理装置を示す断面図。
【図26】図26は、第6の実施形態に係る紙幣処理装置を概略的に示す平面図。
【図27】図27は、第7の実施形態に係る紙幣処理装置を概略的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら種々の実施形態について、詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る紙幣処理装置の全体構成を概略的に示す断面図、図2は、紙幣処理装置のメインモジュール、装填モジュール、施封モジュールを拡大して示す断面図である。
【0011】
図1に示すように、紙葉類として紙幣を処理する紙幣処理装置は、メインモジュール10、装填モジュール30、3つの施封モジュール60a、60b、60cを備え、これらのモジュールは、この順で一列に並んで配置され、互いに電気的かつ機械的に連結されている。メインモジュール10には、このメインモジュールおよび装置全体の動作を制御する主制御部12が設けられている。
【0012】
図1および図3に示すように、主制御部12は、メインモジュール10内の制御ボードに設けられている。主制御部12は、各モジュールの動作を制御するとともに動作状態の効率等を算出するCPU12a、種々のデータ、制御プログラム、管理情報等を格納するメモリ12bを備えている。種々のデータとして、後述のオペレータID、日時、シリアル番号、アサイン情報、銀行のロゴ、管理者サインイメージ、各国言語のフォント等の結束帯に印字可能な印字情報、紙葉類の複数段の処理速度等がメモリ12bに格納されている。
【0013】
主制御部12には、装置に種々の情報を入力する操作部17、および入力情報および装置の動作状態、処理状態等を表示する表示装置としてのモニタ15が接続されている。装填モジュール30および3つの施封モジュール60a、60b、60cは、それぞれ各モジュールの動作を制御する副制御部31a、61aを有し、これらの副制御部は、図示しないインターフェースおよびケーブルを介してメインモジュール10の主制御部12にLAN接続されている。主制御部12は、図示しないホストコンピュータに接続され、ホストコンピュータとの間で情報の送受信、情報整理が行われる。
【0014】
主制御部12に接続された操作部17から操作員の操作によって、入金業務、整理業務などの取引方法の設定、装填庫への装填処理、装填庫内の紙幣の鑑査処理、処理した紙幣Pを収納する集積庫の設定、施封処理の設定、紙幣の判別レベルである正損レベル設定など処理装置の種々の動作設定が行われる。
【0015】
また、主制御部12は、後述する鑑査装置18からの処理情報に応じて、単位時間の処理効率、複数日のそれぞれの処理効率、オペレータIDごとの処理効率、トータル処理枚数、トータル稼動時間を含む管理情報を算出し、メモリ12bに格納するとともに、モニタ15に表示する。
【0016】
図1および図2に示すように、メインモジュール10は、多数枚の紙幣Pが積層状態で載置される供給部11と、この供給部11から紙幣Pを1枚ずつ取り出す取り出し機構14と、取り出し機構14によって取り出された紙幣Pを搬送する搬送路16とを有している。搬送路16には、複数組の図示しない無端状の搬送ベルトが搬送路を挟むように延設されている。取出された紙幣Pは、搬送ベルトに挟持されて搬送される。
【0017】
図2、図4および図5に示すように、供給部11は、鉛直方向に対して角度θだけ傾斜して延びる支持面11aと、この支持面11aの下端から、支持面11aにほぼ直交方向に延びる載置面11bと、これら支持面11aおよび載置面11bの両側縁に沿って立設された一対のガイド壁11cと、を有している。支持面11aと載置面11bとの境界部には、紙幣Pを装置内に取込むための取出し口11eが形成されている。この供給部11は、メインモジュール10の装置本体の一端側に設けられ、更に、供給部11の下部、つまり、載置面11bは、装置本体の下端近傍に位置している。
【0018】
供給部11には、複数枚、例えば、2000枚以上の紙幣Pを積層状態で載置することができる。積層紙幣Pは、その最下部の紙幣が載置面11b上に載置され、かつ、例えば、紙幣の長辺側の側縁が支持面11a上に載置された状態で、支持面に沿って傾斜して供給部11に搭載される。積層紙幣Pは、取出し機構14により、最下部の紙幣Pから順に、一枚ずつ、取出し口11eを通して装置内に取り込まれる。
【0019】
支持面11aの傾斜角度θは、25ないし75度の範囲に設定され、例えば、30ないし40度に設定されている。なお、支持面11aは、装置本体に対して回動可能に構成し、その傾斜角度θを調整可能としてもよい。
【0020】
図6(a)は、鉛直方向に対して支持面11aが角度θ1=20度、傾斜している場合を示し、図6(b)は、支持面11aが角度θ2=30度、傾斜している場合を示している。支持面11aの傾斜角度を大きくすることで、紙幣Pの取出し角度を寝かせることで、載置面11bに対する集積紙幣Pの加重が減少し(f1>f2)、積層方向に沿った紙幣P間の摩擦が低減する。これにより、供給部11に2000枚程度の紙幣Pを積層配置した場合でも、紙幣Pを安定して取出すことが可能となる。
【0021】
一方、支持面11aの傾斜角度を大きくし、紙幣Pの取出し角度を寝かせると、支持面11aに対する紙幣Pの加重が増大し(F1<F2)、紙幣Pの側縁と支持面11aとの間の摩擦が増大する。この程度の加重の増加では、紙幣Pの取出しに影響することは少ない。しかし、本実施形態では、より摩擦を低減するため、図4および図5に示すように、支持面11a上に一対のリブ11dが突設されている。これらのリブ11dは、支持面11aの長手方向に沿って、すなわち、紙幣Pの積層方向に沿って、互いに平行に延びている。供給部11に載置された積層紙幣Pの側縁は、一対のリブ11d上に載置される。そのため、紙幣Pと支持面11aとの接触面積が小さくなり、これらの間の摩擦を低減することができる。これにより、積層紙幣Pは、その最下部の紙幣Pから順に取出されると、順じ円滑に載置面11b側に下降する。
【0022】
図2に示すように、供給部11は、積層紙幣Pを取出し側、つまり、載置面11bに向かって移動させるバックアッププレート21を備えている。バックアッププレート21は、支持面11aに収納可能にかつ支持面に沿って移動可能に設けられている。バックアッププレート21は、支持面11aに対して回動可能に支持されている。通常、例えば、2000枚程度の紙幣Pが供給部11に載置されている場合、バックアッププレート21は、支持面11aとほぼ面一となる位置に回動され、ねじりばね等によってその位置に保持されている。紙幣Pの取出しが進み、枚数が減少してくると、例えば、800枚程度に減少してくると、バックアッププレート21は、支持面11aから直角に起立する位置に回動され、以後、積層紙幣Pの最上段に当接し、積層紙幣Pとともに取出し側に移動する。これにより、バックアッププレート21は積層紙幣Pを取出し側に移動させることができ、積層紙幣Pの枚数が少なくなった状態でも、紙幣の倒れ等を防止し、安定して取出し位置に移動させることができる。
【0023】
なお、供給部11に載置される紙葉類は、図7に示すような、バッチカード116を含んでいてもよい。このバッチカード116は、例えば、紙幣Pと同一の外径寸法、あるいは、紙幣Pよりも大きな外径寸法に形成され、その表面および、あるいは裏面に、紙幣Pのバッチの情報を示すバーコード117が形成され、また、複数の検出孔118を有している。また、バッチカードは、赤、青、緑等の有色に形成されている。このようなバッチカード116は、積層紙幣Pにおいて、任意のバッチの先頭あるいは最交尾に積層された状態で、供給部11に載置される。
【0024】
図2および図8に示すように、供給部11から紙幣Pを1枚ずつ取り出す取り出し機構14は、載置面11b上の紙幣Pに当接可能に設けられた複数のピックアップローラ(取出しローラ)24と、取出し口11e側のピックアップローラ24に転接して設けられた分離ローラ25と、ピックアップローラ24を所定の速度で回転する駆動モータ26と、を備えている。
【0025】
ピックアップローラ24が回転することにより、最下段の紙幣Pがピックアップローラ24によって取出され、取出し口11eから搬送路16へ送られる。この際、分離ローラ25により、2枚目以降の紙幣Pが取出し紙幣から分離される。これにより、紙幣Pが1枚ずつ、供給部11から取出され、搬送路16へ送られる。
【0026】
主制御部12は、載置された積層紙幣Pの量に応じて、あるいは、オペレータからの入力指示に応じて、取出し機構14に紙幣の取込み量、取込み速度を複数段階に調整する。すなわち、主制御部12は、駆動モータ26によるピックアップローラ24の回転速度を調整し、例えば、毎分1000枚、800枚、600枚の取込み量を設定する。また、主制御部12は、後述する鑑査装置18の鑑査状態に応じて、紙幣Pの取込み量を調整する。例えば、鑑査装置18により、紙幣Pの鑑査を良好に行えない場合、主制御部12は、取込み量を毎分1000枚から毎分800枚に低減する。更に、主制御部12は、鑑査装置18により紙幣Pの2枚取りあるいはショートピッチが検出された際に、ピックアップローラ24を一時的に停止あるいは逆転させ、紙幣Pの二枚取りの防止、および、紙幣Pの送りピッチの正常化を行う。
【0027】
なお、取出し口11eの近傍には、載置面11b上の紙幣Pの有無を検出する図示しないセンサが設けられている。図8に示すように、バッチカード116を用いる場合には、載置面11bに対向して、RGBセンサ23が設けられる。このRGBセンサ23は、紙葉類の色を検知し、バッチカード116を検出する。
【0028】
図1および図2に示すように、搬送路16によって搬送される紙幣Pの搬送ピッチを補正する搬送ピッチ補正部13と、搬送ピッチが補正された紙幣Pを1枚ずつ鑑査する鑑査装置18と、バーコードリーダ19と、が搬送路16に沿って配置されている。鑑査装置18は、鉛直方向に関して、供給部11の取出し口11eよりも上方に配設されている。鑑査装置18は、送られて来た紙幣Pの金種、形状、厚さ、表裏、真偽、正損、2枚取り等を検出する。ここで、正損検出とは、再流通可能な正券と、汚れ、破損等があり再流通不可能な損券とを検出することを示している。バーコードリーダ19は、例えば、バッチカード116を用いる場合に、鑑査装置18を通過したバッチカード116に付されているバーコード117を読取り、その読取り情報を主制御部12へ送る。なお、独立したバーコードリーダを設けることなく、鑑査装置18により、バーコードを読取る構成としてもよい。
【0029】
搬送路16は、取出し機構14および取出し口11eから一端下方に延びた後、鑑査装置18まで、鉛直方向に対して斜め傾斜して、下から上に延びている。本実施形態によれば、搬送路16は、ほぼ供給部11の支持面11aに沿って、すなわち、支持面11aと同様に傾斜して延びている。なお、搬送路16は、取出し口11eから一端下がることなく、取出し口から直ちに斜め上方に延出してもよい。そして、鑑査装置18も、搬送路16に沿って、斜めに傾斜して設けられている。
【0030】
このように搬送路16を下から上に傾斜して延ばすことにより、供給部11から紙幣Pと共に、クリップ、コイン、ピン等の異物が搬送路16に取込まれた際、異物を重力により搬送路16に沿って搬送路の最下部に落下する。これにより、異物が鑑査装置18に入る前に排除し、異物による鑑査装置18の損傷を未然に防止することができる。
【0031】
図2および図8に示すように、搬送路16の最下部において、搬送路16を規定しているガイド板26に排出口26aが形成され、更に、この排出口26aの下方に、異物回収部が設けられている。異物回収部は、例えば、装置本体から引き出し可能な回収箱27により構成されている。搬送路26に沿って落下する異物は、排出口26aから排出され、回収箱27に回収される。
【0032】
図8および図9に示すように、搬送路16の最下部に対向して、吸気ファン28が設けられ、更に、吸気ファン28の排気側に集塵フィルタ29が設けられている。吸気ファン28により搬送路16の最下部内を吸気することにより、搬送路16内に生じる紙粉、粉塵等を搬送路から除去し、集塵フィルタ29によって捕獲する。これにより、紙粉等に起因する搬送路16の汚染、および、鑑査装置18での鑑査精度の低下を防止する。
【0033】
図1および図2に示すように、メインモジュール10において、搬送路16に沿って、2つのリジェクト部20a、20bが設けられ、また、それぞれ紙幣を集積する複数の集積庫22a、22b、22c、22dが並んで配置されている。鑑査装置18を通過した紙幣Pは、図示しないゲートにより、リジェクト券と、処理券とに振り分けられる。リジェクト券とは、鑑査装置18により、偽券と判別された券、又は折れ、破れ、スキュー、2枚取りなどにより判別不能な券と判別された券をいう。スキューとは、搬送方向と直交する方向に対して、紙幣Pが斜めに傾斜した状態を言う。リジェクト券は、リジェクト部20aあるいは20bに振り分けられて集積される。リジェクト部20aあるいは20bに集積されたリジェクト券は、偽券を除き、供給部11にセットし直して再取り込みするか、手入力で計数データに算入する。鑑査装置18による処理金額、枚数等の鑑査結果は、主制御部12へ送られ、保存されるとともに、モニタ15に表示される。
【0034】
また、処理券とは、鑑査装置18で判別された紙幣Pが真券で正券、又は真券で損券をいう。処理券は、集積庫22aないし22dに送られて集積される。例えば、処理券は、金種ごとに対応する集積庫22aないし22dのいずれかに振分けて集積され、また、損券はまとめて1つの集積庫に集積される。
【0035】
前述したバッチカード116を用いる場合、バッチカード116は、鑑査装置18およびバーコードリーダ19を通過した後、リジェクト部20aあるいは20bに送られ、集積される。
【0036】
搬送路16は、後述する装填モジュール30に繋がっている。装填モジュール30によって装填庫に紙幣を装填する場合、メインモジュール10の鑑査装置18によって鑑査された処理券の一部あるいは全部は、搬送路16を通して装填モジュール30へ送られる。
なお、メインモジュール10は、取り出し機構14、鑑査装置18、搬送機構等を駆動する図示しない駆動機構および電源、その他、種々のセンサを備えている。
【0037】
図1および図2に示すように、装填モジュール30は、自動取引装置(ATM)から取り出したATMカセット、装填カセット等の装填庫32が脱着自在に装着される装着部34と、装填庫32に紙幣を装填し、あるいは、装填庫32から紙幣を取り出す装填取り出し機構36と、鑑査装置38と、リジェクト庫40と、整列機構42と、これらを通して紙幣を搬送する搬送路44と、を備えている。搬送路44には、複数組の無端状の搬送ベルトが搬送路を挟むように延設されている。紙幣は、搬送ベルトに挟持されて搬送される。搬送路44は、メインモジュール10の搬送路16から施封モジュール60aに続く第1搬送路44aおよび第1搬送路から装着部34、鑑査装置38、リジェクト庫40近傍を通って第1搬送路に戻る第2搬送路44bを有している。
【0038】
装着部34に装着される装填庫32としては、紙幣の装填(入金)のみが可能な装填庫、紙幣の取り出し(出金)のみが可能な装填庫、あるいは、紙幣の装填および取り出し(入出金)が可能な装填庫がある。ここでは、装填庫32は、多数の紙幣を装填可能であるとともに、この装填庫から紙幣を取り出し可能に構成されている。また、装填庫32は、紙幣の装填、取り出しを検出センサ、および、装填されている紙幣の券種、金額(有高)、オペレータ情報、装填庫32のID(支店番号、どの装填庫かを示す指標)、機体番号等の情報を格納するメモリを備えている。
【0039】
図10は、自動取引装置(ATM)の一例を示している。このATM31は、ほぼ矩形箱状の本体200を備え、本体の前面には、利用者に対面するほぼL字形状の接客パネル202が設けられている。接客パネル202の水平部には、タッチパネルを兼ねた表示部204が設けられ、垂直部には、カード挿入口206、通帳挿入口208等が設けられている。また、接客パネル202の角部には、それぞれ扉によって開閉される紙幣入出金口210および硬貨入出金口212が設けられている。
【0040】
本体200内には、紙幣入出金口210を介して利用者に紙幣を入出金するための紙幣取扱装置214、硬貨入出金口212を介して硬貨を入出金する硬貨取扱装置216、制御ユニット218、通帳プリンタ220、カード/伝票処理装置222等が配設されている。
【0041】
本体200の後面には、紙幣取扱装置214および硬貨取扱装置216を本体から取出し可能とするための開閉自在な扉224が設けられている。この扉224には、後述する紙幣取扱装置214の紙幣搬入/搬出部に対向した挿入口226が形成され、この挿入口226は上下に開く扉228によって開閉される。また、紙幣取扱装置214の後面にはコネクタ230が設けられ、挿入口226に対向している。
【0042】
図10に示すように、紙幣取扱装置214は細長い箱状の筐体232を有し、この筐体内には、装填庫32として、例えば、一万円紙幣を収容する2つの装填庫、千円紙幣を収容する装填庫が並んで設けられている。これらの装填庫32は、扉224を開けて筐体232を引き出すことにより、筐体232から取外し、また、筐体232内に装着することができる。この他、筐体232内には、紙幣入出金口210から投入された紙幣を受け取るとともに出金紙幣が出金される紙幣集積部、入金紙幣を一時的に集積する入金一時集積部、入金紙幣および出金紙幣を鑑査する鑑査部、リジャクト紙幣を収容する一対のリジェクト庫、損券等を収容する回収庫等が設けられている。
【0043】
このようなATM31から取り出された装填庫32が、図2に示すように、装填モジュール30の装着部34に脱着可能に装着される。装填庫32を装着部34に装着することにより、装填庫32は、装填取り出し機構36に接続されるとともに、コネクタ46を介して装填モジュール30の制御部に接続される。装填庫32のメモリに格納された情報は、コネクタ46、LANを介して主制御部12へ送られる。装填庫32に、無線ICタグ等の無線固体識別(RFID)を付与し、装填庫32の情報を無線通信で装填モジュール30および主制御部12へ送るようにしてもよい。
【0044】
装填モジュール30の装填取り出し機構36は、装填庫32から紙幣を1枚ずつ取り出す取り出しローラ、装填庫32へ紙幣を装填する装填ローラ、および搬送ベルト等を有している。
【0045】
鑑査装置38は、装填庫32から取り出された紙幣の金種、形状、厚さ、表裏、真偽、正損、2枚取り、紙幣の記番号等を検出する。ここで、正損検出とは、再流通可能な正券と、汚れ、破損等があり再流通不可能な損券とを検出することを示している。損券には、テープが貼り付けられた紙幣も含む。真偽検出は、例えば、磁気検知、画像検知、あるいは、蛍光を当て反射する光を読む蛍光検知を用いることができる。また、鑑査装置38は、取り出された紙幣を計数し、枚数および有高を算出する。鑑査装置18により検出された有高、枚数等の鑑査結果は、主制御部12へ送られ、保存されるとともに、モニタ15に表示される。
【0046】
リジェクト庫40は、紙幣の搬送方向に関し、鑑査装置38の下流側に設けられている。鑑査装置38を通過した紙幣Pは、図示しないゲートにより、リジェクト券と、処理券とに振り分けられる。リジェクト券とは、鑑査装置38により、偽券と判別された券、又は折れ、破れ、スキュー、2枚取りなどにより判別不能と判別された券をいう。リジェクト券は、リジェクト庫40へ送られ、集積される。また、予め、主制御部12の制御の下、メインモジュール10の集積庫22a〜22dのいずれか1つあるいは複数をリジェクト庫に設定しておき、装填モジュール30から排出されたリジェクト券をメインモジュール10のリジェクト庫へ送り集積してもよい。更に、鑑査装置38を通過したリジェクト券の内、偽券と判別されたリジェクト券と、他のリジェクト券とを別々のリジェクト庫に分けて集積してもよい。
【0047】
処理券とは、鑑査装置38で判別された紙幣Pが真券で正券、又は真券で損券をいう。正券は、搬送路44bおよび整列機構42を通して装填庫32へ戻され、取り出し装填機構36により装填庫32内に装填される。主制御部12の制御の下、予め、メインモジュール10の集積庫22a〜22dのいずれか1つあるいは複数を損券庫に設定しておき、装填モジュール30から排出された損券はメインモジュール10の損券庫へ送り集積される。
【0048】
装填庫32から取り出された正券は、金種ごとに予め設定された任意の指定枚数ずつメインモジュール10の集積庫22a〜22dに集積してもよい。また、装填庫32に集積する枚数、例えば、2000枚が設定されている場合、上記のように鑑査装置38で検出した正券の枚数から、不足分を認識でき、不足枚数分の紙幣をメインモジュール10から装填モジュール30へ供給し、整列機構42および搬送路44を通して装填庫32に装填する。装填庫32を装填モジュール30の装着部34へ装着することにより、装填庫32内の紙幣の有高が自動的に主制御部12へ送られるため、主制御部12は、送られた有高が所望の有高に不足していると判断した場合、自動的に、メインモジュール10から装填庫32に不足分紙幣を供給し、装填するようにしてもよい。
【0049】
メインモジュール10から装填庫32に装填した紙幣情報は、装填庫32のメモリに格納され、電子的に封印される。装填庫32を装填モジュール30から取出し、蓋を開けた場合には、扉開情報、日時がメモリに記憶される。電子的に封印として、パスワードやICカードを用いることができ、装填庫32の扉を開ける際、電子キーやICカードが使用された場合には、それを使用したオペレータ情報もメモリに記憶される。これにより、装填庫32のセキュリティ性を上げることができる。
【0050】
また、装填庫32から入手した情報、例えば、ATMの店番号、オペレータ情報、券種、金額、装填方向、装填した紙幣量、装填庫の運搬ルートなどの情報は、主制御部12へ送られ、主制御部12で記録、集計される。オペレータ情報には、ATM店舗側のオペレータ、および装填庫32を紙幣処理装置へセットする受け入れオペレータが含まれる。このような装填庫32の情報を主制御部12で管理することにより、セキュリティ性の向上を図ることが可能となる。
【0051】
一方、紙幣の施封処理が設定されている場合、装填庫32から取り出された正券は、搬送路44および整列機構42を通して施封モジュール60aに送られ、所定枚数ずつ施封される。整列機構42は、搬送路44を通して送られて来る紙幣の中心を搬送路の中心に合わせ、また、スキューしている紙幣をその一辺が搬送方向と直交する向きとなるように補正する。
【0052】
図11ないし図14は、整列機構42を示している。これらの図に示すように、整列機構42は、紙幣Pを搬送する搬走路の上流及び下流に、搬走路と直行する方向に複数の搬送ローラが配置され、相対する搬送ローラ間に搬送ベルトが掛けられて構成される。本実施形態では、搬送ローラ50A、補正ローラ50B、搬送ローラ50C、など複数の搬送ローラと、これら搬送ローラに掛け回された搬送ベルト50D1ないし50D3、タイミングセンサSC501、SC502、及び駆動モータ(図示しない)を備えている。搬送ローラ50Aは、紙幣Pを整列機構42に取り込む取り込みローラで、搬送ベルト50D1〜50D3に対応する3個の搬送ローラ(図示しない50A1〜50A3)で構成される。ここで、搬送ローラ50Aはこれらの総称である。
【0053】
補正ローラ50Bは、搬送ベルト50D1〜50D3のベルト位置を補正するローラで、搬送ベルト50D1〜50D3に対応する3個の補正ローラ50B1〜50B3で、アイドルローラで構成される。ここで、補正ローラ50Bは、その総称である。
【0054】
搬送ローラ50Cは、搬送ベルト50Dを駆動する駆動ローラで、搬送ベルト50D1〜50D3に対応する3個の搬送ローラ(図示しない50C1〜50C3)で構成される。ここで、搬送ローラ50Cは、その総称である。他の搬送ローラについても同様である。
【0055】
これら搬送ローラは、整列機構42のユニットベース50Fに対して片持ちで支持され、ユニットベースから遠い側が撓みやすい。整列機構42は、補正ローラ50B、この補正ローラ50Bを同軸上に配置する回転軸、この回転軸を保持するベース50E2、及びベース50E2をユニットベース50Fに固定するステー50E3を有している。
【0056】
補正ローラ50B1〜50B3は、それぞれローラ表面の内、中央部分が両端部分よりも高いクラウン形状(ローラの両端部の直径よりも中央部に近づくにしたがって直径が大きくなる形状のこと)に形成されている。また、これら3個の補正ローラ50B1〜50B3は、同軸上に配置された軸受けを有する回転軸に固定され、それぞれ搬送ベルト50D1〜50D3に外接して配置される。この回転軸の両端部はホルダ50E1によってベース50E2に固定される。
【0057】
ベース50E2は、ユニットベース50Fから突出した棒状のステー50E3にネジBIS1、BIS3によって固定される。この整列機構42の回動軸であるネジBIS2を回動することによって、このネジBIS2を回動軸としてベース50E2が回動し、補正ローラ50B1〜50B3の位置を図7に示すように移動することができる。実施形態では、ベース50E2のネジBIS2及びネジBIS3を取り付ける部分は、ネジBIS2による回動範囲を考慮した長穴にしてある。
【0058】
整列機構42により搬送紙幣Pを整位する方法を説明する。上述したように搬送ローラ50A〜50Cはユニットベース50Fに対して片持ち支持されているため、ユニットベース50Fから遠い部分が撓みやすい。この撓みの影響で、搬送ベルト50Dは図示矢印A50で示す方向、すなわち手前側から奥側(ユニットベース50F側)に蛇行する。この蛇行により、搬送ベルト50Dに挟持された紙幣Pも同様に手前側から奥側にずれる。この状態で装填庫32に集積されると、紙幣Pの集積状態が悪くなる。
【0059】
そこで、ネジBIS2を図7に示す図示矢印A51の方向(左回り)に回動すると、補正ローラ50B1〜50B3が破線で示す位置に移動する。この移動によって搬送ベルト50Dの搬送ベルト位置が初期状態に補正される。搬送ベルト位置に問題がなければ、この位置でネジBIS1、BIS3を固定する。なお、このネジBIS2の回動量は、紙幣Pの搬送状態を観測しながら動的に設定すると好適である。
【0060】
ネジBIS2を図示矢印A51の方向に回動すると、上述したようにクランク形状により補正ローラのローラ中心部分が高くなっているため、この高くなっているローラ中心が、ユニットベース50Fから手前側に移動する。搬送ベルト50Dは、このローラ中心の高い位置に向かって移動することが知られ、この原理に基づいて搬送ベルト50Dが補正される。この場合、搬送ベルト50D1がユニットベース50F側から手前側に補正され、同様に搬送ベルト50D3が手前側からユニットベース50F側に補正される。
【0061】
整列機構42は、主要な機能は、ベルトが蛇行することによる紙幣のスライドの発生を防止し、紙幣の中心を搬送路の中心に整位するものである。また、複数のモジュールを連結し、搬送路が長くなると、搬送中にベルトの蛇行により、紙幣がだんだんずれてくる。整列機構42は、この紙幣のずれを補正し、搬送路の中心に整列する。整列機構42は、紙幣のスキュー、スライド量を予め鑑査のラインセンサーで検出し、補正量を見定めローラを傾けて紙幣を強制的に補正する。
【0062】
整列機構42は、搬送ベルトの位置ずれが装置に及ぼす影響の最も大きい箇所に配置すると大きな効果が得られる。例えば、本実施形態では、図2に示すように、紙幣Pを装填庫32へ送る前、および、紙幣を施封モジュール60aに送る前の位置に設けられている。これにより、送られて来た紙幣Pは、整列機構42により搬送路44に整位された状態で、装填庫32へ送られ、整位された状態で装填庫32内に集積される。これにより、次の出金のために紙幣を整えて集積でき、有益となる。また、紙幣Pは、整列機構42により搬送路44に整位された状態で、施封モジュール60aに送られ、施封される。整列機構42により施封する紙幣の位置関係を整えることにより、施封モジュールにより紙幣を綺麗に集積し、施封することができる。
【0063】
図1および図2に示すように、集積施封装置としての施封モジュール60aは、装填モジュール30の搬送路44aに連通する搬送路62と、この搬送路62を通して送られて来た紙幣を所定枚数ずつ集積する第1集積装置64aおよび第2集積装置64bと、これらの集積装置により所定枚数、例えば100枚、集積された紙幣束を帯により施封する施封装置68と、を備えている。第2集積装置64bは、第1集積装置64aに対して斜め下方向にずれて配置され、また、施封装置68は、第2集積装置64の下方に配置されている。更に、施封装置68により施封された紙幣束を受取り集積する排出部75が施封装置68の下方に設けられている。
【0064】
第1および第2集積装置64a、64bの各々は、一時集積部65と、送られて来た紙幣Pを1枚ずつ所定枚数だけ一時集積部65に集積する羽根車集積装置66と、を備えている。羽根車集積装置66の羽根車66aは、複数の羽根が回転軸の周辺に組み込まれ、搬送されてきた紙幣Pを羽根と羽根の間で受け取れるように、紙幣の搬送に同期して回転される。この羽根車66aを使用することによって、高速に搬送される紙幣Pの運動エネルギーを吸収しながら、かつ、紙幣Pを整位しながら一時集積部65に集積する。
【0065】
施封モジュール60aは、第1および第2集積装置64a、64bの各々から、集積紙幣を受け取り、施封装置68に搬送する昇降および横方向に移動可能な搬送トレイ70を備えている。
【0066】
施封装置68は、搬送トレイ70により運ばれた100枚の紙幣束を施封するための結束帯(第1帯)Bを供給する帯供給部71と、供給された結束帯に所望の情報を印字する印字装置72と、印刷済み結束帯B1を紙幣束に巻き付ける帯巻き機構73と、紙幣束に対する結束帯B1の巻き付け位置を調整する調整機構76と、を備えている。
【0067】
印字装置72としては、インクジェットプリンタ、ドットプリンタ、レーザプリンタ等を用いることができる。印字装置72は、主制御部12および副制御部61aの制御の下、オペレータにより入力された任意の情報、あるいは、メモリ12bに格納されているオペレータID、日時、シリアル番号、アサイン情報、銀行のロゴ、管理者サインイメージ等を任意の言語フォントにて結束帯B1に印刷する。
【0068】
図15に示すように、調整機構76は、紙幣束の端部を把持するチャック77と、チャック77を紙幣束の長手方向に沿って往復移動させるプランジャ78と、紙幣束の引き込み位置を検出する複数の位置センサ79a、79bとを有している。調整機構76は、チャック77により紙幣束を把持し、結束前のループ状に巻かれた結束帯B1の中を通して紙幣束を任意の位置まで引き込み、紙幣束に対する結束帯B1の巻付け位置を調整する。例えば、位置センサ79a、79bにより紙幣束の引き込み位置を検出し、これらの2つの位置に調整することができる。本実施形態では、結束帯B1の巻付け位置は、複数の紙幣束を結束する大帯(第2帯)からずれる位置に調整されている。
【0069】
図16は、施封モジュール60aにより施封された100枚の紙幣束(小束)130を示している。結束帯B1は、任意の位置に巻付けられ、また、結束帯B1に所望の情報124が印字されている。更に、結束帯B1の側面部、すなわち、紙幣束130の厚さ方向に延びる部分に、オペレータの確認印126を押してもよい。
【0070】
図2に示すように、上記のように集積および施封された紙幣束130は、排出部75に排出され、順次、積層して収納される。以上のように、施封モジュール60aは、メインモジュール10から送られた正券、あるいは、装填庫32から取り出され、装填モジュール30から送られた正券を、金種毎に所定枚数ずつ施封し、施封された紙幣束を供給する。
【0071】
図2に示すように、施封モジュール60aは、排出部75に収納された紙幣束130を複数束積層し、大帯で結束して紙幣大束を形成する大束施封装置115を備えていてもよい。図17に示すように、大束施封装置115により、複数、例えば、10束の紙幣束130が積層され、複数の結束帯(第2帯)B2で結束され、大束140が形成される。
【0072】
図17(a)に示す大束140は、長手方向に1本の結束帯B2で、横方向に2本の結束帯B2で結束されている。図17(b)に示す大束140は、長手方向に1本の結束帯B2で、横方向に1本の結束帯B2で結束されている。いずれの大束140においても、各小束130の結束帯B1は、大束140の結束帯B2からずれた位置、すなわち、結束帯B2と重ならない位置に巻付けられている。そのため、大束140において、各小束130の結束帯B1の側面部は、結束帯B2に隠れることなく大束の外面に露出している。これにより、大束140を形成した後に、各小束130の結束帯B1の側面部に、確認印126を押印することができる。あるいは、予め結束帯B1の側面部に確認印126を押印してある場合でも、大束140を形成後、確認印126を外側から視認することができる。
【0073】
紙幣処理装置によれば、施封モジュールにより作成した小束を10把(10個の小束)集めて、大束施封装置により大帯おかけ大束に施封し、紙幣処理装置からの情報を記憶した無線タグ(RFID)を大束に付け、紙幣処理装置と大束との間で情報をリンクするようにしてもよい。
【0074】
図1に示すように、他の施封モジュール60b、60cは、施封モジュール60aと同様に構成され、各施封モジュール60a、60b、60cの搬送路62は、互いに連通して延びている。そして、メインモジュール10あるいは装填モジュール30から紙幣Pが任意の施封モジュール60a、60b、60cに送られ、集積、施封される。
【0075】
全てのモジュールの最下流には、セーフティポケット74が設けられている。各モジュールを搬送中に処理できなかった紙幣がある場合、この紙幣はセーフティポケット74に排出され、装置から退避される。
なお、上記のように紙幣処理装置により紙幣の回収あるいは補充がされた装填庫32は、処理後、装填モジュール30から取外され、対応するATMに装着される。
【0076】
バッチカード116を用いた紙幣群のバッチ処理は、以下の通り行う。
例えば、第1積層紙幣群(第1バッチ)と第2積層紙幣群(第2バッチ)とを処理する場合、図2に示すように、予め各入金バッチの最後尾にバッチカード(バーコード付)116を挿入した上で、複数バッチを積み重ね、積み重ねた紙幣群とバッチカードとを一括して処理装置の供給部11にセットし、連続取込みを行う。
【0077】
バッチカード116は、図7に示したように、バーコード117により紙幣群(バッチ)の特徴的な番号等が印刷され、搬送路に設けたバーコードリーダによりバーコードを読み取り可能とする。載置面11bに対向して、RGBセンサ23が設けられ、このRGBセンサ23は、紙葉類の色を検知し、バッチカード116を検出する。バーコードリーダ19は、鑑査装置18を通過したバッチカード116に付されているバーコード117を読取り、その読取り情報を主制御部12へ送る。なお、独立したバーコードリーダを設けることなく、鑑査装置18により、バーコードを読取る構成としてもよい。
【0078】
鑑査装置18は、バッチカード116の通過を検知し、入金バッチ間の境界を認識して該当入金の金額を計数する。バッチカード116は、鑑査装置18およびバーコードリーダ19を通過した後、リジェクト部20aあるいは20bに送られ、集積される。結果として、処理中にリジェクトされたリジェクト紙幣は、所属する入金バッチのバッチカード116と直前バッチのバッチカード116との間に集積されることになるため、各リジェクト紙幣の所属バッチが識別可能となる。バッチ処理において、リジェクト紙幣は、1回目の係数が完了した後に、供給部11に再供給(再機械計数)することができる。
【0079】
バッチ処理には、セキュアーモードと、連続モードとの2種類を選択可能に構成されている。
セキュアー連続モードは、バッチカードを紙幣群の最後尾に挿入することにより、複数バッチ間での処理動作を極力停止せずに連続処理を行う。バッチカードを検出後、計数確定まで次のバッチの取り込みを停止する。
【0080】
連続モードは、バッチカードを紙幣郡の最後尾に挿入することにより、複数バッチ間での処理を極力停止せず連続処理を行う。バッチカードを検出しても、次の取り込みを停止しない。
【0081】
図18は、上述したバッチカードのデータを用いて紙幣処理を管理するバッチカードシステムの一例を示している。このシステムは、データベースサーバ120と、データベースサーバに接続されたプレパレーション・ステーション122およびリジェクト・手入力ステーション124と、を備えている。また、データベースサーバ120は、ユーザー・アプリケーション・コンピュータ126に接続され、このコンピュータは、ホストコンピュータ128にネットワーク接続されている。紙葉類処理装置の主制御部12からバッチカード番号および機械係数データがデータベースサーバに送られる。
【0082】
プレパレーション・ステーションは、アカウント番号、バッチカード番号、伝票金額の登録を行い、これらのアカウント番号、バッチカード番号、伝票金額をデータベースサーバへ送るとともに、紙幣群の供給部11への装填を指示する。リジェクト・手入力ステーションでは、リジェクト券の情報手入力、違算処理、偽券情報の入力、バッチカード番号の手入力等を行い、入力されたバッチカード番号、手入力係数をデータベースサーバへ送る。
【0083】
データベースサーバは、紙葉類処理装置の主制御部12から送られたバッチカード番号および機械係数データと、プレパレーション・ステーションから送られたアカウント番号、バッチカード番号、伝票金額と、リジェクト・手入力ステーションから入力されたバッチカード番号、手入力係数と、を係数照合し、その照合結果をプレパレーション・ステーションおよびリジェクト・手入力ステーションに送る。これにより、バッチ処理された紙幣群の機械係数が正確に行われているか、バッチカード番号に応じて監視する。
【0084】
一方、上述した紙幣処理おいて、いずれかで紙幣のジャムが発生した場合、以下の通りジャム処理を行う。ジャム発生時のオペレータの負担を形成するために、以下の要求を盛り込む。
ジャム発生時にメインモジュール10の集積庫22a〜22d、および施封モジュール60a、60b、60cのうち、搬送継続可能な部分は、紙幣の搬送を停止せず、集積庫および施封集積までの搬送を完了する。施封モジュールについては、紙幣100枚集積完了すれば施封動作を実施する。シフトミスは、発生部位の搬送ジャムとみなす。
【0085】
施封モジュールは、モジュール内に進入済の紙幣については施封集積に搬送完了可能かつ施封集積が集積可能である場合、さらに加えて下流側の施封モジュールに搬送する紙幣については、下流側施封モジュールの搬送路が動作可能な場合、全ての紙幣の搬送を完了し、施封集積部の集積枚数が100枚に到達した場合は施封動作を実施し、その後に停止する。1枚でも搬送完了が不可能な紙幣が有る場合は、即座に搬送を停止し、紙幣は持ち帰りとする。
【0086】
施封モジュール内で集積した紙幣については、確実に係数に反映させる。施封搬送内でジャムが発生した場合、施封搬送を即時停止する。施封機構部は、所定枚数または100枚集積した時に施封動作を完了させて把を排出後に停止する。施封完、・排出分は、件数に反映させる。
【0087】
オペレータが施封搬送内のジャムによる残留紙幣を除去した後で、施封搬送内の紙幣は、オペレータのテラー操作によりセーフティポケットに自動搬送され、セーフティポケットおよび両方の施封集積に集積されている紙幣は回収される。施封搬送外でジャムが発生した場合、施封集積に搬送完了可能かつ施封集積が可能である場合、更に、下流側の施封モジュールに搬送する紙幣については、下流側の施封モジュールの搬送路が動作可能な場合、全ての紙幣の搬送を完了し、施封集積部の集積枚数が100枚に到達した場合は施封動作を実施後に亭止する。この際、ジャム発生後の紙幣の搬送タイミングをチェックし、想定より時間が長いタイミングで紙幣が搬送された場台はジャムとする。この場合は施封集積に集積された紙幣は持ち帰りとする。
【0088】
1枚でも搬送完了が不可能な紙幣が有る場合は即座に搬送路を停止し、施封モジュール内の紙幣は持ち帰りとする。ただし、集積が不可能となった場合は、施封搬送を即時停止する。ジャム原因を除去した後、施封搬送内で残留紙幣は、オペレータのテラー操作により施封集積に自動搬送され、両方の施封集積に集積されている紙幣は回収される。
【0089】
オペレータのジャム処理後の作業を減らすために、残留紙幣自動排出を行ってもよい。この場合、搬送ジャム発生部位のジャム処理をオペレータが実施した後、残留紙幣を搬送路に残したまま、通常遠度で紙幣を搬送し、リジェクト庫、集積庫、セーフティポケットのいずれかに集積する。この際とき集積される一時庫内の紙幣はすべて持ち帰る。操作はジャム解除後にオペレータのテラー操作によって行う。搬送ベルト外れ等の故障を起こさないように、搬送ジャム発生部位のドア開動作と搬送中の搬送監視をに行う。
【0090】
以上のように構成された紙幣処理装置によれば、ATMから取外した装填庫32を装填モジュール30の装着部34に装着することにより、装填庫内の紙幣を自動で紙幣処理装置へ取込み整理することができる。また、装填庫32から取出した紙幣を鑑査装置38に通すことにより、券種、真偽、正損等の判別を行うことができ、装填庫へ紙幣を戻すことにより、装填庫内の有高を検出することができる。すなわち、装填庫32内の紙幣を精査し、再度、装填庫に戻す精査処理を行うことができる。装填庫32から取り出した紙幣を施封モジュール60a〜60cへ送ることで、100枚小束に施封処理ができる。更に、自動取引装置の装填庫32に装填機能がある場合、紙幣処理装置に装填庫32をセットすることにより、メインモジュールに10に投入された紙幣を所望枚数、所望券種、装填庫に自動装填できる。そして、これらの各種処理は、装填庫32の蓋を開けずに処理ができるため、セキュリティ性を高めることが可能となる。装填庫32と紙幣処理装置との間で情報を受け渡すことができ、双方向で有高管理を行うことが可能となる。更に、必要に応じて取引ジャーナルを印字出力するジャーナルプリンタを装填モジュール30に設け、この取引ジャーナルを装填庫32に添付するようにしてもよい。
【0091】
装填モジュール30に装着する装填庫32が、出金専用の装填庫である場合、取出し装填機構によって、紙幣を直接的に装填庫に装填することができない。そこで、この場合には、装填モジュール30に、装填庫から取出した紙幣、あるいは、メインモジュール10から送られた紙幣を集積する一時集積部と、この一時集積部に集積された例えば、500枚の紙幣を把持して装填庫32に詰めるロボットハンドと、を設けることにより、装填処理を行うことができる。
【0092】
メインモジュール10の供給部11は、鉛直方向に対して傾斜して設けられているため、載置された積層紙幣間の摩擦を低減し、紙幣取出し時のスリップ、連れ取り、2枚取り等を防止することができる。これにより、多量の紙幣を積層配置した場合でも、紙幣を1枚ずつ安定して取出し、処理することができ、信頼性の向上を図ることができる。また、供給部11は、装置本体において、比較的低い位置に設けられていることから、供給部11への紙葉類の装填作業を行い易くすることができる。
【0093】
更に、異物が取込まれた場合でも、鑑査装置に運ばれる前にこの異物を排出、除去することができ、異物に起因する検査装置の損傷を防止し、紙幣処理装置の信頼性向上を図ることができる。
【0094】
次に、他の実施形態に係る紙幣処理装置について説明する。
図19は、第2の実施形態に係る紙幣処理装置を示している。この図に示すように、紙幣処理装置は、メインモジュール10、整列モジュール80、装填モジュール30、1つの施封モジュール60a、および大容量集積モジュール90を備え、これらのモジュールは、この順で一列に並んで配置され、互いに電気的かつ機械的に連結されている。メインモジュール10には、このメインモジュールおよび装置全体の動作を制御する主制御部12が設けられている。
【0095】
メインモジュール10、装填モジュール30、施封モジュール60aは、第1の実施形態と同様に構成されている。メインモジュール10と装填モジュール30との間に設けられた整列モジュール80は、メインモジュール10から送られた紙幣Pを搬送する搬送路81と、搬送路81の上流側に設けられた整列機構82と、搬送路81に沿って整列機構82の下流側に設けられた反転装置84と、搬送路81に沿って、並んで配置された複数の集積庫86a、86b、86c、86dと、を備えている。
【0096】
整列機構82は、装填モジュール30の整列機構42と同様に構成され、搬送路81を通して送られて来る紙幣Pの中心を搬送路の中心に合わせ、また、スキューしている紙幣をその一辺が搬送方向と直交する向きとなるように補正する。反転装置84は、搬送路81を通して送られて来る紙幣Pの向きを反転することにより、紙幣の表、裏、あるいは、前向き、後向きの方向を任意の指定の方向に揃えて送り出す。
【0097】
反転装置84は、図20に示すように、180度ひねったひねり搬送路320を備え、このひねり搬送路320は、図21に示すように、720度ひねって形成した伸縮性のある2本の無端ベルト(以下、ひねりベルと呼ぶ)321を8の字状に複数のローラ322a〜322fを介して張設し、ひねり部分を重ね合わせることにより形成される。さらに、図22に示すように、ひねり搬送路320の両側に沿った状態で、平板状のひねりガイド体323a、323b、323c、323dが配設されている。これら平板状のひねりガイド体は、図示しない支柱によって支持され、ガイド体323a、323b、ガイド体323c、323dがそれぞれ対となり、ひねりベルト321のひねりに合わせて図示の隙間を保ちひねられている。これらのひねりガイド323a〜323dは、ひねりベルト321の両側に位置し、ひねり搬送路320の入り口から出口まで連続的に設けられている。
【0098】
反転装置84は、ひねりベルト321の中央部に設けられたアイドラーローラ324を備え、このアイドラーローラは紙幣Pに挟持力を与える。ひねり搬送路320の下流側に、水平搬送路326を形成するためのローラ325が設けられている。
【0099】
整位機構82から反転装置84に送られた紙幣Pは、ねじり搬送路320を通ることにより表裏が反転され、更に、水平搬送路326を通ることにより、ねじりによる癖が直されて、下流側に排出される。この際、紙幣Pは、その長手方向両端部がガイド体323a、323b間、およびガイド体323c、323d間にガイドされるため、4つ折れ、半折れ、また、腰の弱い紙幣Pを高速で反転した場合でも、ひねりガイドにより紙幣Pの両端をバックアップし、風圧による折れやスキューの発生を防止すことができる。
【0100】
図19に示すように、反転装置84から向きを揃えて送り出された紙幣Pは、搬送路81を通して装填モジュール30へ送られ、あるいは、集積庫86a〜86dのいずれかに送られて集積される。また、装填モジュール30により向きを揃えて送り出された紙幣Pをメインモジュール10に戻し、メインモジュールの集積庫22aないし22dに集積してもよい。
【0101】
装填庫32への紙幣装填処理では、反転装置84から向きを揃えて送り出された紙幣Pは、搬送路81を通して装填モジュール30へ送られ、装填庫32に装填される。この際、反転装置84により、紙幣の向きを積極的に表、裏、交互に反転して紙幣を送り出し、表裏が交互となるように紙幣を装填庫32内に集積してもよい。この場合、集積された紙幣間の摩擦、凹版の影響を受けにくくして、装填庫32から紙幣を取り出易くすることができる。
【0102】
また、整列モジュール80の集積庫86aないし86dは、装填庫32から取り出された紙幣を金種ごとに集積する集積庫として使用でき、あるいは、装填庫32から取り出されたリジェクト券あるいは損券を集積するリジェクト庫あるいは損券庫としても使用することができる。
【0103】
大容量集積モジュール90は、施封モジュール60aの下流側に接続されている。この大容量集積モジュール90は、施封モジュール60aから送られた紙幣Pを搬送する搬送路91と、それぞれ搬送路91を通して送られた紙幣を一定量集積可能な大容量の集積庫92a、92bとを備えている。装填庫32に一定量の紙幣を手装填する場合、メインモジュール10あるいは装填庫32から送られた紙幣は、予め設定された一定量、各集積庫92a、92bに集積される。そして、集積された紙幣を大容量集積庫92a、92bから一括して取り出し、装填庫32に手装填する。これにより、予め決められた一定量の紙幣を容易に、装填庫32に装填することができる。
【0104】
上記構成の紙幣処理装置によれば、第1の実施形態と同様に、装填庫32に対して、紙幣回収、装填等の種々の処理を行うことができる。また、整列モジュール80を設けることにより、紙幣の向きを任意設定した状態で、集積、装填、あるいは、施封することができる。
【0105】
図23は、第3の実施形態に係る紙幣処理装置を示している。第3の実施形態によれば、紙幣処理装置は、メインモジュール10、整列モジュール80、1つの施封モジュール60a、および装填モジュール110を備え、これらのモジュールは、この順で一列に並んで配置され、互いに電気的かつ機械的に連結されている。メインモジュール10には、このメインモジュールおよび装置全体の動作を制御する主制御部12が設けられている。
【0106】
メインモジュール10、整列モジュール80、施封モジュール60aは、第1の実施形態および第2の実施形態と同様に構成されている。施封モジュール60aの下流側に接続された装填モジュール110は、ATMの入金専用の装填庫、あるいは、入出金可能な装填庫が脱着可能に装着される装着部34と、施封モジュール60a側から送られて来た紙幣を搬送する搬送路112と、送られて来た紙幣を搬送路112から装填庫32に装填する取り込み機構114と、を備えている。メインモジュール10に供給された紙幣Pは、メインモジュール10、整列モジュール80、施封モジュール60aを通して装填モジュール110へ送られ、装填庫32へ装填される。
【0107】
上記構成の紙幣処理装置によれば、メインモジュール10の鑑査装置18により紙幣Pを鑑査した後、集積、施封、あるいは、入金専用の装填庫32に装填することができる。また、入金専用の装填庫32に対して、紙幣を補充、装填することができる。その他、第3の実施形態においても、第1および第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0108】
図24は、第4の実施形態に係る紙幣処理装置を示している。第4の実施形態によれば、紙幣処理装置は、取出しモジュール100、メインモジュール10、整列モジュール80、1つの施封モジュール60a、および装填モジュール110を備え、これらのモジュールは、この順で一列に並んで配置され、互いに電気的かつ機械的に連結されている。メインモジュール10には、このメインモジュールおよび装置全体の動作を制御する主制御部12が設けられている。
【0109】
メインモジュール10、整列モジュール80、施封モジュール60a、装填モジュール110は、第1ないし第3の実施形態と同様に構成されている。メインモジュール10の上流側に設けられた取出しモジュール100は、ATMの出金専用の装填庫、あるいは、入出金可能な装填庫が脱着可能に装着される装着部34と、装填庫32から紙幣を取出す取出し機構102と、取出された紙幣を搬送する搬送路と、を備えている。取出しモジュール100の搬送路は、メインモジュール10の取り出し機構14側に設けられた搬送路104に連通している。装填庫32から取出された紙幣は、メインモジュール10の搬送路104を通して鑑査装置18に送られ、鑑査の後、正券および損券は、集積庫22a〜22dに集積されるか、整列モジュールを通して施封モジュール60aあるいは、装填モジュール110へ送られる。
【0110】
施封モジュール60aの下流側に接続された装填モジュール110は、ATMの入金専用の装填庫、あるいは、入出金可能な装填庫が脱着可能に装着される装着部34と、施封モジュール60a側から送られて来た紙幣を搬送する搬送路112と、送られて来た紙幣を搬送路112から装填庫32に装填する取り込み機構114と、を備えている。メインモジュール10に供給された紙幣、あるいは、取出しモジュール100により装填庫32から取出された紙幣は、メインモジュール10、整列モジュール80、施封モジュール60aを通して装填モジュール110へ送られ、装填庫32へ装填される。
【0111】
上記構成の紙幣処理装置によれば、出金専用の装填庫32から紙幣を取出し、メインモジュール10の鑑査装置18により鑑査した後、集積、施封、あるいは、入金専用の装填庫に装填することができる。また、入金専用の装填庫に対して、紙幣を補充、装填することができる。
【0112】
図25は、第5の実施形態に係る紙幣処理装置を示している。第5の実施形態によれば、紙幣処理装置は、取出しモジュール100、メインモジュール10、整列モジュール80、1つの施封モジュール60a、および大容量集積モジュール90を備え、これらのモジュールは、この順で一列に並んで配置され、互いに電気的かつ機械的に連結されている。メインモジュール10には、このメインモジュールおよび装置全体の動作を制御する主制御部12が設けられている。
【0113】
取出しモジュール100、メインモジュール10、整列モジュール80、施封モジュール60aは、第4の実施形態と同様に構成されている。大容量集積モジュール90は、第2の実施形態と同様に構成されている。
【0114】
上記構成の紙幣処理装置によれば、取出しモジュール100により装填庫32から取出された紙幣は、メインモジュール10の搬送路104を通して鑑査装置18に送られ、鑑査の後、正券および損券は、集積庫22a〜22dに集積されるか、整列モジュール80を通して施封モジュール60aあるいは、大容量集積モジュール90へ送られる。
【0115】
装填庫32に一定量の紙幣を手装填する場合、メインモジュール10から送られた紙幣、あるいは装填庫32から取出された紙幣は、予め設定された一定量、各集積庫92a、92bに集積される。そして、集積された紙幣を大容量集積庫92a、92bから一括して取り出し、装填庫32に手装填する。これにより、予め決められた一定量の紙幣を容易に、装填庫32に装填することができる。
【0116】
上述した実施形態では、紙幣処理装置の複数のモジュールを一列に並べて配置する構成としたが、これに限らず、複数のモジュールをL字形あるいはU字形に並べて配置してもよい。
【0117】
図26に示すように、第6の実施形態によれば、メインモジュール10、装填モジュール30、施封モジュール60aが並んで配置され、更に、コーナユニット120を挟んで、4つの施封モジュール60b、60c、60d、60eが一列に並んで、かつ、メインモジュール10、装填モジュール30、施封モジュール60aの列とほぼ直交する方向に並んで配置されている。これにより、複数のモジュールはL字形に並べて配置されている。各モジュールの構成は、前述した第1ないし第4の実施形態と同一である。コーナユニット120は、紙幣を搬送する搬送路と、紙幣をほぼ水平な状態から垂直な状態に回転させて角部の移動を可能とする回転機構と、を備えている。モジュール配列の角部の内角θは、例えば、45〜135度に設定される。
【0118】
図27に示すように、第7の実施形態によれば、メインモジュール10、装填モジュール30、施封モジュール60aが一列に並んで配置され、更に、コーナユニット120を挟んで、2つの施封モジュール60b、60cが一列に並んで、かつ、メインモジュール10、装填モジュール30、施封モジュール60aの列とほぼ直交する方向に並んで配置されている。更に、コーナユニット122を挟んで、2つの施封モジュール60d、60e、および大容量集積モジュール90が一列に並んで、かつ、施封モジュール60b、60cの列とほぼ直交する方向に並んで配置されている。これにより、複数のモジュールはU字形に並べて配置されている。各モジュールの構成は、前述した第1ないし第4の実施形態と同一である。コーナユニット120、122は、紙幣を搬送する搬送路と、紙幣をほぼ水平な状態から垂直な状態に回転させて角部の移動を可能とする回転機構と、を備えている。モジュール配列の2つの角部の内角θは、それぞれ、例えば、45〜135度に設定される。
【0119】
第6および第7の実施形態によれば、紙幣処理装置が多数のモジュールを備えている場合でも、複数のモジュールをL字形状あるいはU字形状に並べて配置することにより、複数のモジュールを比較的近くに配置することができ、操作性の向上を図ることができる。
【0120】
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0121】
例えば、第1ないし第7の実施形態において、接続するモジュールの数は、実施形態に限定されることなく、必要に応じて、増減可能であり、モジュールの種類も種々選択可能である。
上述した複数の実施形態によれば、装填された紙葉類を安定して取出し処理することができ、信頼性の向上した紙葉類処理装置を提供することができる。
【0122】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、処理する紙葉類は、紙幣、バッチカードに限定されることなく、カジノカード、有価証券等の他の紙葉類にも適用してもよい。
【符号の説明】
【0123】
10…メインモジュール、11…供給部、11a…支持面、11b…載置面、
11d…リブ、12…主制御部、14…取り出し機構、16…搬送路、
18…鑑査装置、20a、20b…リジェクト部、22a〜22d…集積庫、
24…ピックアップローラ、30…装填モジュール、32…装填庫、34…装着部、
38…鑑査装置、40…リジェクト庫、42…整列機構、44…搬送路、
60a、60b、60c、60d、60e…施封モジュール、76…調整機構、
80…整列モジュール、84…反転装置、90…大容量集積モジュール、
100…取り出しモジュール、110…装填モジュール
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、紙幣、有価証券等の紙葉類を処理する紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、銀行や大規模小売業等では日常的に大量の紙幣が扱われ、これら紙幣を金種や、正損(紙幣の汚損度合い)に応じて分類して整理する業務が存在している。通常、紙幣は量が多くなると、100枚毎に帯封をした状態で管理される。そこで、このような紙幣の整理業務を自動化する装置として紙幣類整理装置が提案されている。この紙幣処理装置は、未分類の紙幣を積層して収容するホッパー部と、ここから一枚ずつ紙幣を繰出し搬送する搬送機構と、搬送されてきた紙幣の種類や正損の度合いを鑑別する鑑査部と、鑑別された紙幣を金種別などに分類して集積する複数のポケット部と、100枚ずつ集積した紙幣を帯封する施封部等と、を備えている。
【0003】
また、例えば、金融機関等において、顧客に対して、紙幣や硬貨等の取引媒体の支払や振込等を自動的に行うことが可能な自動取引装置(以下、ATMという)が広く普及し、その設置台数も増加の一途をたどっている。ATMは、取引媒体として紙幣を収容するATMカセット、装填カセット等の装填庫を有し、この装填庫から顧客に紙幣を払い出し、あるいは、顧客により入金された紙幣を装填庫に集積する。このようなATMは、その使用状況に応じて紙幣の補充及び回収が必要となる。そこで、複数のATMに対して紙幣を自動的に補充及び回収する機能を有する装填庫を備えた現金処理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2686068号公報
【特許文献2】特開平4−137093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような現金処理システムでは、紙幣補充、回収用の専用の装填庫を新たに用意する必要があり、コストが増加する。また、各ATMに、装填庫を装着するためのスペースを設ける必要があり、ATMが大型化する。
【0006】
また、ホッパー部に、一度に最大1000枚程度の紙葉類を縦積みし、取り出し処理する装置が提案されている。しかし、1000枚を越える紙葉類を積層すると、積層紙葉類の重力により、紙葉類間の摩擦力が大きくなる。そのため、ホッパー部から紙葉類を取出す際、摩擦取出しの分離力が負け、紙葉類を安定して取出せず、紙葉類のスリップ、二枚取り、連れ取り等が発生する。更に、取出された紙葉類とともに硬貨や異物が一緒に運ばれる場合あり、これらが鑑査部に搬送されると鑑査部を破損するおそれがある。
【0007】
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その課題は、装填された紙葉類を安定して取出し処理することができ、信頼性の向上した紙葉類処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、紙葉類処理装置は、鉛直方向に対して傾斜した支持面と、この支持面にほぼ直交する載置面とを有し、複数枚の紙葉類が前記支持面に沿って傾斜して前記載置面に重ねて載置される供給部と、前記供給部の載置面側から紙葉類を取出す取出し機構と、前記取り出された紙幣を搬送する搬送路と、前記搬送される紙葉類を鑑査する鑑査装置と、前記鑑査された紙葉類を集積する集積部と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る紙幣処理装置を示す断面図。
【図2】図2は、前記紙幣処理装置のメインモジュール、装填モジュール、施封モジュールを拡大して示す断面図。
【図3】図3は、前記紙幣処理装置を概略的に示すブロック図。
【図4】図4は、前記紙幣処理装置の供給部を示す斜視図。
【図5】図5は、前記供給部の断面図。
【図6】図6は、支持面の傾斜角度が異なる前記供給部を概略的に示す図。
【図7】図7は、前記紙幣処理装置に用いるバッチカードを示す平面図。
【図8】図8は、前記紙幣処理装置における取出し機構および搬送路を拡大して示す断面図。
【図9】図9は、前記搬送路の最下部および吸気ファンを示す断面図。
【図10】図10は、自動取引装置を示す斜視図。
【図11】図11は、前記紙幣処理装置の装填モジュールの整列機構を示す側面図。
【図12】図12は、前記整列機構を示す斜視図。
【図13】図13は、前記整列機構を示す平面図。
【図14】図14は、前記整列機構の紙幣整列動作を示す平面図。
【図15】図15は、前記紙幣処理装置における施封モジュールの調整機構を示す平面図。
【図16】図16は、結束された紙幣束(小束)を示す斜視図。
【図17】図17は、複数の小束を積層し、結束された紙幣大束を示す斜視図。
【図18】図18は、バッチカード処理システムの一例を概略的に示す図。
【図19】図19は、第2の実施形態に係る紙幣処理装置を示す断面図。
【図20】図20は、第2の実施形態に係る紙幣処理装置における反転装置を示す斜視図。
【図21】図21は、前記反転装置のねじりベルトを示す斜視図。
【図22】図22は、前記反転装置を示す斜視図。
【図23】図23は、第3の実施形態に係る紙幣処理装置を示す断面図。
【図24】図24は、第4の実施形態に係る紙幣処理装置を示す断面図。
【図25】図25は、第5の実施形態に係る紙幣処理装置を示す断面図。
【図26】図26は、第6の実施形態に係る紙幣処理装置を概略的に示す平面図。
【図27】図27は、第7の実施形態に係る紙幣処理装置を概略的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら種々の実施形態について、詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る紙幣処理装置の全体構成を概略的に示す断面図、図2は、紙幣処理装置のメインモジュール、装填モジュール、施封モジュールを拡大して示す断面図である。
【0011】
図1に示すように、紙葉類として紙幣を処理する紙幣処理装置は、メインモジュール10、装填モジュール30、3つの施封モジュール60a、60b、60cを備え、これらのモジュールは、この順で一列に並んで配置され、互いに電気的かつ機械的に連結されている。メインモジュール10には、このメインモジュールおよび装置全体の動作を制御する主制御部12が設けられている。
【0012】
図1および図3に示すように、主制御部12は、メインモジュール10内の制御ボードに設けられている。主制御部12は、各モジュールの動作を制御するとともに動作状態の効率等を算出するCPU12a、種々のデータ、制御プログラム、管理情報等を格納するメモリ12bを備えている。種々のデータとして、後述のオペレータID、日時、シリアル番号、アサイン情報、銀行のロゴ、管理者サインイメージ、各国言語のフォント等の結束帯に印字可能な印字情報、紙葉類の複数段の処理速度等がメモリ12bに格納されている。
【0013】
主制御部12には、装置に種々の情報を入力する操作部17、および入力情報および装置の動作状態、処理状態等を表示する表示装置としてのモニタ15が接続されている。装填モジュール30および3つの施封モジュール60a、60b、60cは、それぞれ各モジュールの動作を制御する副制御部31a、61aを有し、これらの副制御部は、図示しないインターフェースおよびケーブルを介してメインモジュール10の主制御部12にLAN接続されている。主制御部12は、図示しないホストコンピュータに接続され、ホストコンピュータとの間で情報の送受信、情報整理が行われる。
【0014】
主制御部12に接続された操作部17から操作員の操作によって、入金業務、整理業務などの取引方法の設定、装填庫への装填処理、装填庫内の紙幣の鑑査処理、処理した紙幣Pを収納する集積庫の設定、施封処理の設定、紙幣の判別レベルである正損レベル設定など処理装置の種々の動作設定が行われる。
【0015】
また、主制御部12は、後述する鑑査装置18からの処理情報に応じて、単位時間の処理効率、複数日のそれぞれの処理効率、オペレータIDごとの処理効率、トータル処理枚数、トータル稼動時間を含む管理情報を算出し、メモリ12bに格納するとともに、モニタ15に表示する。
【0016】
図1および図2に示すように、メインモジュール10は、多数枚の紙幣Pが積層状態で載置される供給部11と、この供給部11から紙幣Pを1枚ずつ取り出す取り出し機構14と、取り出し機構14によって取り出された紙幣Pを搬送する搬送路16とを有している。搬送路16には、複数組の図示しない無端状の搬送ベルトが搬送路を挟むように延設されている。取出された紙幣Pは、搬送ベルトに挟持されて搬送される。
【0017】
図2、図4および図5に示すように、供給部11は、鉛直方向に対して角度θだけ傾斜して延びる支持面11aと、この支持面11aの下端から、支持面11aにほぼ直交方向に延びる載置面11bと、これら支持面11aおよび載置面11bの両側縁に沿って立設された一対のガイド壁11cと、を有している。支持面11aと載置面11bとの境界部には、紙幣Pを装置内に取込むための取出し口11eが形成されている。この供給部11は、メインモジュール10の装置本体の一端側に設けられ、更に、供給部11の下部、つまり、載置面11bは、装置本体の下端近傍に位置している。
【0018】
供給部11には、複数枚、例えば、2000枚以上の紙幣Pを積層状態で載置することができる。積層紙幣Pは、その最下部の紙幣が載置面11b上に載置され、かつ、例えば、紙幣の長辺側の側縁が支持面11a上に載置された状態で、支持面に沿って傾斜して供給部11に搭載される。積層紙幣Pは、取出し機構14により、最下部の紙幣Pから順に、一枚ずつ、取出し口11eを通して装置内に取り込まれる。
【0019】
支持面11aの傾斜角度θは、25ないし75度の範囲に設定され、例えば、30ないし40度に設定されている。なお、支持面11aは、装置本体に対して回動可能に構成し、その傾斜角度θを調整可能としてもよい。
【0020】
図6(a)は、鉛直方向に対して支持面11aが角度θ1=20度、傾斜している場合を示し、図6(b)は、支持面11aが角度θ2=30度、傾斜している場合を示している。支持面11aの傾斜角度を大きくすることで、紙幣Pの取出し角度を寝かせることで、載置面11bに対する集積紙幣Pの加重が減少し(f1>f2)、積層方向に沿った紙幣P間の摩擦が低減する。これにより、供給部11に2000枚程度の紙幣Pを積層配置した場合でも、紙幣Pを安定して取出すことが可能となる。
【0021】
一方、支持面11aの傾斜角度を大きくし、紙幣Pの取出し角度を寝かせると、支持面11aに対する紙幣Pの加重が増大し(F1<F2)、紙幣Pの側縁と支持面11aとの間の摩擦が増大する。この程度の加重の増加では、紙幣Pの取出しに影響することは少ない。しかし、本実施形態では、より摩擦を低減するため、図4および図5に示すように、支持面11a上に一対のリブ11dが突設されている。これらのリブ11dは、支持面11aの長手方向に沿って、すなわち、紙幣Pの積層方向に沿って、互いに平行に延びている。供給部11に載置された積層紙幣Pの側縁は、一対のリブ11d上に載置される。そのため、紙幣Pと支持面11aとの接触面積が小さくなり、これらの間の摩擦を低減することができる。これにより、積層紙幣Pは、その最下部の紙幣Pから順に取出されると、順じ円滑に載置面11b側に下降する。
【0022】
図2に示すように、供給部11は、積層紙幣Pを取出し側、つまり、載置面11bに向かって移動させるバックアッププレート21を備えている。バックアッププレート21は、支持面11aに収納可能にかつ支持面に沿って移動可能に設けられている。バックアッププレート21は、支持面11aに対して回動可能に支持されている。通常、例えば、2000枚程度の紙幣Pが供給部11に載置されている場合、バックアッププレート21は、支持面11aとほぼ面一となる位置に回動され、ねじりばね等によってその位置に保持されている。紙幣Pの取出しが進み、枚数が減少してくると、例えば、800枚程度に減少してくると、バックアッププレート21は、支持面11aから直角に起立する位置に回動され、以後、積層紙幣Pの最上段に当接し、積層紙幣Pとともに取出し側に移動する。これにより、バックアッププレート21は積層紙幣Pを取出し側に移動させることができ、積層紙幣Pの枚数が少なくなった状態でも、紙幣の倒れ等を防止し、安定して取出し位置に移動させることができる。
【0023】
なお、供給部11に載置される紙葉類は、図7に示すような、バッチカード116を含んでいてもよい。このバッチカード116は、例えば、紙幣Pと同一の外径寸法、あるいは、紙幣Pよりも大きな外径寸法に形成され、その表面および、あるいは裏面に、紙幣Pのバッチの情報を示すバーコード117が形成され、また、複数の検出孔118を有している。また、バッチカードは、赤、青、緑等の有色に形成されている。このようなバッチカード116は、積層紙幣Pにおいて、任意のバッチの先頭あるいは最交尾に積層された状態で、供給部11に載置される。
【0024】
図2および図8に示すように、供給部11から紙幣Pを1枚ずつ取り出す取り出し機構14は、載置面11b上の紙幣Pに当接可能に設けられた複数のピックアップローラ(取出しローラ)24と、取出し口11e側のピックアップローラ24に転接して設けられた分離ローラ25と、ピックアップローラ24を所定の速度で回転する駆動モータ26と、を備えている。
【0025】
ピックアップローラ24が回転することにより、最下段の紙幣Pがピックアップローラ24によって取出され、取出し口11eから搬送路16へ送られる。この際、分離ローラ25により、2枚目以降の紙幣Pが取出し紙幣から分離される。これにより、紙幣Pが1枚ずつ、供給部11から取出され、搬送路16へ送られる。
【0026】
主制御部12は、載置された積層紙幣Pの量に応じて、あるいは、オペレータからの入力指示に応じて、取出し機構14に紙幣の取込み量、取込み速度を複数段階に調整する。すなわち、主制御部12は、駆動モータ26によるピックアップローラ24の回転速度を調整し、例えば、毎分1000枚、800枚、600枚の取込み量を設定する。また、主制御部12は、後述する鑑査装置18の鑑査状態に応じて、紙幣Pの取込み量を調整する。例えば、鑑査装置18により、紙幣Pの鑑査を良好に行えない場合、主制御部12は、取込み量を毎分1000枚から毎分800枚に低減する。更に、主制御部12は、鑑査装置18により紙幣Pの2枚取りあるいはショートピッチが検出された際に、ピックアップローラ24を一時的に停止あるいは逆転させ、紙幣Pの二枚取りの防止、および、紙幣Pの送りピッチの正常化を行う。
【0027】
なお、取出し口11eの近傍には、載置面11b上の紙幣Pの有無を検出する図示しないセンサが設けられている。図8に示すように、バッチカード116を用いる場合には、載置面11bに対向して、RGBセンサ23が設けられる。このRGBセンサ23は、紙葉類の色を検知し、バッチカード116を検出する。
【0028】
図1および図2に示すように、搬送路16によって搬送される紙幣Pの搬送ピッチを補正する搬送ピッチ補正部13と、搬送ピッチが補正された紙幣Pを1枚ずつ鑑査する鑑査装置18と、バーコードリーダ19と、が搬送路16に沿って配置されている。鑑査装置18は、鉛直方向に関して、供給部11の取出し口11eよりも上方に配設されている。鑑査装置18は、送られて来た紙幣Pの金種、形状、厚さ、表裏、真偽、正損、2枚取り等を検出する。ここで、正損検出とは、再流通可能な正券と、汚れ、破損等があり再流通不可能な損券とを検出することを示している。バーコードリーダ19は、例えば、バッチカード116を用いる場合に、鑑査装置18を通過したバッチカード116に付されているバーコード117を読取り、その読取り情報を主制御部12へ送る。なお、独立したバーコードリーダを設けることなく、鑑査装置18により、バーコードを読取る構成としてもよい。
【0029】
搬送路16は、取出し機構14および取出し口11eから一端下方に延びた後、鑑査装置18まで、鉛直方向に対して斜め傾斜して、下から上に延びている。本実施形態によれば、搬送路16は、ほぼ供給部11の支持面11aに沿って、すなわち、支持面11aと同様に傾斜して延びている。なお、搬送路16は、取出し口11eから一端下がることなく、取出し口から直ちに斜め上方に延出してもよい。そして、鑑査装置18も、搬送路16に沿って、斜めに傾斜して設けられている。
【0030】
このように搬送路16を下から上に傾斜して延ばすことにより、供給部11から紙幣Pと共に、クリップ、コイン、ピン等の異物が搬送路16に取込まれた際、異物を重力により搬送路16に沿って搬送路の最下部に落下する。これにより、異物が鑑査装置18に入る前に排除し、異物による鑑査装置18の損傷を未然に防止することができる。
【0031】
図2および図8に示すように、搬送路16の最下部において、搬送路16を規定しているガイド板26に排出口26aが形成され、更に、この排出口26aの下方に、異物回収部が設けられている。異物回収部は、例えば、装置本体から引き出し可能な回収箱27により構成されている。搬送路26に沿って落下する異物は、排出口26aから排出され、回収箱27に回収される。
【0032】
図8および図9に示すように、搬送路16の最下部に対向して、吸気ファン28が設けられ、更に、吸気ファン28の排気側に集塵フィルタ29が設けられている。吸気ファン28により搬送路16の最下部内を吸気することにより、搬送路16内に生じる紙粉、粉塵等を搬送路から除去し、集塵フィルタ29によって捕獲する。これにより、紙粉等に起因する搬送路16の汚染、および、鑑査装置18での鑑査精度の低下を防止する。
【0033】
図1および図2に示すように、メインモジュール10において、搬送路16に沿って、2つのリジェクト部20a、20bが設けられ、また、それぞれ紙幣を集積する複数の集積庫22a、22b、22c、22dが並んで配置されている。鑑査装置18を通過した紙幣Pは、図示しないゲートにより、リジェクト券と、処理券とに振り分けられる。リジェクト券とは、鑑査装置18により、偽券と判別された券、又は折れ、破れ、スキュー、2枚取りなどにより判別不能な券と判別された券をいう。スキューとは、搬送方向と直交する方向に対して、紙幣Pが斜めに傾斜した状態を言う。リジェクト券は、リジェクト部20aあるいは20bに振り分けられて集積される。リジェクト部20aあるいは20bに集積されたリジェクト券は、偽券を除き、供給部11にセットし直して再取り込みするか、手入力で計数データに算入する。鑑査装置18による処理金額、枚数等の鑑査結果は、主制御部12へ送られ、保存されるとともに、モニタ15に表示される。
【0034】
また、処理券とは、鑑査装置18で判別された紙幣Pが真券で正券、又は真券で損券をいう。処理券は、集積庫22aないし22dに送られて集積される。例えば、処理券は、金種ごとに対応する集積庫22aないし22dのいずれかに振分けて集積され、また、損券はまとめて1つの集積庫に集積される。
【0035】
前述したバッチカード116を用いる場合、バッチカード116は、鑑査装置18およびバーコードリーダ19を通過した後、リジェクト部20aあるいは20bに送られ、集積される。
【0036】
搬送路16は、後述する装填モジュール30に繋がっている。装填モジュール30によって装填庫に紙幣を装填する場合、メインモジュール10の鑑査装置18によって鑑査された処理券の一部あるいは全部は、搬送路16を通して装填モジュール30へ送られる。
なお、メインモジュール10は、取り出し機構14、鑑査装置18、搬送機構等を駆動する図示しない駆動機構および電源、その他、種々のセンサを備えている。
【0037】
図1および図2に示すように、装填モジュール30は、自動取引装置(ATM)から取り出したATMカセット、装填カセット等の装填庫32が脱着自在に装着される装着部34と、装填庫32に紙幣を装填し、あるいは、装填庫32から紙幣を取り出す装填取り出し機構36と、鑑査装置38と、リジェクト庫40と、整列機構42と、これらを通して紙幣を搬送する搬送路44と、を備えている。搬送路44には、複数組の無端状の搬送ベルトが搬送路を挟むように延設されている。紙幣は、搬送ベルトに挟持されて搬送される。搬送路44は、メインモジュール10の搬送路16から施封モジュール60aに続く第1搬送路44aおよび第1搬送路から装着部34、鑑査装置38、リジェクト庫40近傍を通って第1搬送路に戻る第2搬送路44bを有している。
【0038】
装着部34に装着される装填庫32としては、紙幣の装填(入金)のみが可能な装填庫、紙幣の取り出し(出金)のみが可能な装填庫、あるいは、紙幣の装填および取り出し(入出金)が可能な装填庫がある。ここでは、装填庫32は、多数の紙幣を装填可能であるとともに、この装填庫から紙幣を取り出し可能に構成されている。また、装填庫32は、紙幣の装填、取り出しを検出センサ、および、装填されている紙幣の券種、金額(有高)、オペレータ情報、装填庫32のID(支店番号、どの装填庫かを示す指標)、機体番号等の情報を格納するメモリを備えている。
【0039】
図10は、自動取引装置(ATM)の一例を示している。このATM31は、ほぼ矩形箱状の本体200を備え、本体の前面には、利用者に対面するほぼL字形状の接客パネル202が設けられている。接客パネル202の水平部には、タッチパネルを兼ねた表示部204が設けられ、垂直部には、カード挿入口206、通帳挿入口208等が設けられている。また、接客パネル202の角部には、それぞれ扉によって開閉される紙幣入出金口210および硬貨入出金口212が設けられている。
【0040】
本体200内には、紙幣入出金口210を介して利用者に紙幣を入出金するための紙幣取扱装置214、硬貨入出金口212を介して硬貨を入出金する硬貨取扱装置216、制御ユニット218、通帳プリンタ220、カード/伝票処理装置222等が配設されている。
【0041】
本体200の後面には、紙幣取扱装置214および硬貨取扱装置216を本体から取出し可能とするための開閉自在な扉224が設けられている。この扉224には、後述する紙幣取扱装置214の紙幣搬入/搬出部に対向した挿入口226が形成され、この挿入口226は上下に開く扉228によって開閉される。また、紙幣取扱装置214の後面にはコネクタ230が設けられ、挿入口226に対向している。
【0042】
図10に示すように、紙幣取扱装置214は細長い箱状の筐体232を有し、この筐体内には、装填庫32として、例えば、一万円紙幣を収容する2つの装填庫、千円紙幣を収容する装填庫が並んで設けられている。これらの装填庫32は、扉224を開けて筐体232を引き出すことにより、筐体232から取外し、また、筐体232内に装着することができる。この他、筐体232内には、紙幣入出金口210から投入された紙幣を受け取るとともに出金紙幣が出金される紙幣集積部、入金紙幣を一時的に集積する入金一時集積部、入金紙幣および出金紙幣を鑑査する鑑査部、リジャクト紙幣を収容する一対のリジェクト庫、損券等を収容する回収庫等が設けられている。
【0043】
このようなATM31から取り出された装填庫32が、図2に示すように、装填モジュール30の装着部34に脱着可能に装着される。装填庫32を装着部34に装着することにより、装填庫32は、装填取り出し機構36に接続されるとともに、コネクタ46を介して装填モジュール30の制御部に接続される。装填庫32のメモリに格納された情報は、コネクタ46、LANを介して主制御部12へ送られる。装填庫32に、無線ICタグ等の無線固体識別(RFID)を付与し、装填庫32の情報を無線通信で装填モジュール30および主制御部12へ送るようにしてもよい。
【0044】
装填モジュール30の装填取り出し機構36は、装填庫32から紙幣を1枚ずつ取り出す取り出しローラ、装填庫32へ紙幣を装填する装填ローラ、および搬送ベルト等を有している。
【0045】
鑑査装置38は、装填庫32から取り出された紙幣の金種、形状、厚さ、表裏、真偽、正損、2枚取り、紙幣の記番号等を検出する。ここで、正損検出とは、再流通可能な正券と、汚れ、破損等があり再流通不可能な損券とを検出することを示している。損券には、テープが貼り付けられた紙幣も含む。真偽検出は、例えば、磁気検知、画像検知、あるいは、蛍光を当て反射する光を読む蛍光検知を用いることができる。また、鑑査装置38は、取り出された紙幣を計数し、枚数および有高を算出する。鑑査装置18により検出された有高、枚数等の鑑査結果は、主制御部12へ送られ、保存されるとともに、モニタ15に表示される。
【0046】
リジェクト庫40は、紙幣の搬送方向に関し、鑑査装置38の下流側に設けられている。鑑査装置38を通過した紙幣Pは、図示しないゲートにより、リジェクト券と、処理券とに振り分けられる。リジェクト券とは、鑑査装置38により、偽券と判別された券、又は折れ、破れ、スキュー、2枚取りなどにより判別不能と判別された券をいう。リジェクト券は、リジェクト庫40へ送られ、集積される。また、予め、主制御部12の制御の下、メインモジュール10の集積庫22a〜22dのいずれか1つあるいは複数をリジェクト庫に設定しておき、装填モジュール30から排出されたリジェクト券をメインモジュール10のリジェクト庫へ送り集積してもよい。更に、鑑査装置38を通過したリジェクト券の内、偽券と判別されたリジェクト券と、他のリジェクト券とを別々のリジェクト庫に分けて集積してもよい。
【0047】
処理券とは、鑑査装置38で判別された紙幣Pが真券で正券、又は真券で損券をいう。正券は、搬送路44bおよび整列機構42を通して装填庫32へ戻され、取り出し装填機構36により装填庫32内に装填される。主制御部12の制御の下、予め、メインモジュール10の集積庫22a〜22dのいずれか1つあるいは複数を損券庫に設定しておき、装填モジュール30から排出された損券はメインモジュール10の損券庫へ送り集積される。
【0048】
装填庫32から取り出された正券は、金種ごとに予め設定された任意の指定枚数ずつメインモジュール10の集積庫22a〜22dに集積してもよい。また、装填庫32に集積する枚数、例えば、2000枚が設定されている場合、上記のように鑑査装置38で検出した正券の枚数から、不足分を認識でき、不足枚数分の紙幣をメインモジュール10から装填モジュール30へ供給し、整列機構42および搬送路44を通して装填庫32に装填する。装填庫32を装填モジュール30の装着部34へ装着することにより、装填庫32内の紙幣の有高が自動的に主制御部12へ送られるため、主制御部12は、送られた有高が所望の有高に不足していると判断した場合、自動的に、メインモジュール10から装填庫32に不足分紙幣を供給し、装填するようにしてもよい。
【0049】
メインモジュール10から装填庫32に装填した紙幣情報は、装填庫32のメモリに格納され、電子的に封印される。装填庫32を装填モジュール30から取出し、蓋を開けた場合には、扉開情報、日時がメモリに記憶される。電子的に封印として、パスワードやICカードを用いることができ、装填庫32の扉を開ける際、電子キーやICカードが使用された場合には、それを使用したオペレータ情報もメモリに記憶される。これにより、装填庫32のセキュリティ性を上げることができる。
【0050】
また、装填庫32から入手した情報、例えば、ATMの店番号、オペレータ情報、券種、金額、装填方向、装填した紙幣量、装填庫の運搬ルートなどの情報は、主制御部12へ送られ、主制御部12で記録、集計される。オペレータ情報には、ATM店舗側のオペレータ、および装填庫32を紙幣処理装置へセットする受け入れオペレータが含まれる。このような装填庫32の情報を主制御部12で管理することにより、セキュリティ性の向上を図ることが可能となる。
【0051】
一方、紙幣の施封処理が設定されている場合、装填庫32から取り出された正券は、搬送路44および整列機構42を通して施封モジュール60aに送られ、所定枚数ずつ施封される。整列機構42は、搬送路44を通して送られて来る紙幣の中心を搬送路の中心に合わせ、また、スキューしている紙幣をその一辺が搬送方向と直交する向きとなるように補正する。
【0052】
図11ないし図14は、整列機構42を示している。これらの図に示すように、整列機構42は、紙幣Pを搬送する搬走路の上流及び下流に、搬走路と直行する方向に複数の搬送ローラが配置され、相対する搬送ローラ間に搬送ベルトが掛けられて構成される。本実施形態では、搬送ローラ50A、補正ローラ50B、搬送ローラ50C、など複数の搬送ローラと、これら搬送ローラに掛け回された搬送ベルト50D1ないし50D3、タイミングセンサSC501、SC502、及び駆動モータ(図示しない)を備えている。搬送ローラ50Aは、紙幣Pを整列機構42に取り込む取り込みローラで、搬送ベルト50D1〜50D3に対応する3個の搬送ローラ(図示しない50A1〜50A3)で構成される。ここで、搬送ローラ50Aはこれらの総称である。
【0053】
補正ローラ50Bは、搬送ベルト50D1〜50D3のベルト位置を補正するローラで、搬送ベルト50D1〜50D3に対応する3個の補正ローラ50B1〜50B3で、アイドルローラで構成される。ここで、補正ローラ50Bは、その総称である。
【0054】
搬送ローラ50Cは、搬送ベルト50Dを駆動する駆動ローラで、搬送ベルト50D1〜50D3に対応する3個の搬送ローラ(図示しない50C1〜50C3)で構成される。ここで、搬送ローラ50Cは、その総称である。他の搬送ローラについても同様である。
【0055】
これら搬送ローラは、整列機構42のユニットベース50Fに対して片持ちで支持され、ユニットベースから遠い側が撓みやすい。整列機構42は、補正ローラ50B、この補正ローラ50Bを同軸上に配置する回転軸、この回転軸を保持するベース50E2、及びベース50E2をユニットベース50Fに固定するステー50E3を有している。
【0056】
補正ローラ50B1〜50B3は、それぞれローラ表面の内、中央部分が両端部分よりも高いクラウン形状(ローラの両端部の直径よりも中央部に近づくにしたがって直径が大きくなる形状のこと)に形成されている。また、これら3個の補正ローラ50B1〜50B3は、同軸上に配置された軸受けを有する回転軸に固定され、それぞれ搬送ベルト50D1〜50D3に外接して配置される。この回転軸の両端部はホルダ50E1によってベース50E2に固定される。
【0057】
ベース50E2は、ユニットベース50Fから突出した棒状のステー50E3にネジBIS1、BIS3によって固定される。この整列機構42の回動軸であるネジBIS2を回動することによって、このネジBIS2を回動軸としてベース50E2が回動し、補正ローラ50B1〜50B3の位置を図7に示すように移動することができる。実施形態では、ベース50E2のネジBIS2及びネジBIS3を取り付ける部分は、ネジBIS2による回動範囲を考慮した長穴にしてある。
【0058】
整列機構42により搬送紙幣Pを整位する方法を説明する。上述したように搬送ローラ50A〜50Cはユニットベース50Fに対して片持ち支持されているため、ユニットベース50Fから遠い部分が撓みやすい。この撓みの影響で、搬送ベルト50Dは図示矢印A50で示す方向、すなわち手前側から奥側(ユニットベース50F側)に蛇行する。この蛇行により、搬送ベルト50Dに挟持された紙幣Pも同様に手前側から奥側にずれる。この状態で装填庫32に集積されると、紙幣Pの集積状態が悪くなる。
【0059】
そこで、ネジBIS2を図7に示す図示矢印A51の方向(左回り)に回動すると、補正ローラ50B1〜50B3が破線で示す位置に移動する。この移動によって搬送ベルト50Dの搬送ベルト位置が初期状態に補正される。搬送ベルト位置に問題がなければ、この位置でネジBIS1、BIS3を固定する。なお、このネジBIS2の回動量は、紙幣Pの搬送状態を観測しながら動的に設定すると好適である。
【0060】
ネジBIS2を図示矢印A51の方向に回動すると、上述したようにクランク形状により補正ローラのローラ中心部分が高くなっているため、この高くなっているローラ中心が、ユニットベース50Fから手前側に移動する。搬送ベルト50Dは、このローラ中心の高い位置に向かって移動することが知られ、この原理に基づいて搬送ベルト50Dが補正される。この場合、搬送ベルト50D1がユニットベース50F側から手前側に補正され、同様に搬送ベルト50D3が手前側からユニットベース50F側に補正される。
【0061】
整列機構42は、主要な機能は、ベルトが蛇行することによる紙幣のスライドの発生を防止し、紙幣の中心を搬送路の中心に整位するものである。また、複数のモジュールを連結し、搬送路が長くなると、搬送中にベルトの蛇行により、紙幣がだんだんずれてくる。整列機構42は、この紙幣のずれを補正し、搬送路の中心に整列する。整列機構42は、紙幣のスキュー、スライド量を予め鑑査のラインセンサーで検出し、補正量を見定めローラを傾けて紙幣を強制的に補正する。
【0062】
整列機構42は、搬送ベルトの位置ずれが装置に及ぼす影響の最も大きい箇所に配置すると大きな効果が得られる。例えば、本実施形態では、図2に示すように、紙幣Pを装填庫32へ送る前、および、紙幣を施封モジュール60aに送る前の位置に設けられている。これにより、送られて来た紙幣Pは、整列機構42により搬送路44に整位された状態で、装填庫32へ送られ、整位された状態で装填庫32内に集積される。これにより、次の出金のために紙幣を整えて集積でき、有益となる。また、紙幣Pは、整列機構42により搬送路44に整位された状態で、施封モジュール60aに送られ、施封される。整列機構42により施封する紙幣の位置関係を整えることにより、施封モジュールにより紙幣を綺麗に集積し、施封することができる。
【0063】
図1および図2に示すように、集積施封装置としての施封モジュール60aは、装填モジュール30の搬送路44aに連通する搬送路62と、この搬送路62を通して送られて来た紙幣を所定枚数ずつ集積する第1集積装置64aおよび第2集積装置64bと、これらの集積装置により所定枚数、例えば100枚、集積された紙幣束を帯により施封する施封装置68と、を備えている。第2集積装置64bは、第1集積装置64aに対して斜め下方向にずれて配置され、また、施封装置68は、第2集積装置64の下方に配置されている。更に、施封装置68により施封された紙幣束を受取り集積する排出部75が施封装置68の下方に設けられている。
【0064】
第1および第2集積装置64a、64bの各々は、一時集積部65と、送られて来た紙幣Pを1枚ずつ所定枚数だけ一時集積部65に集積する羽根車集積装置66と、を備えている。羽根車集積装置66の羽根車66aは、複数の羽根が回転軸の周辺に組み込まれ、搬送されてきた紙幣Pを羽根と羽根の間で受け取れるように、紙幣の搬送に同期して回転される。この羽根車66aを使用することによって、高速に搬送される紙幣Pの運動エネルギーを吸収しながら、かつ、紙幣Pを整位しながら一時集積部65に集積する。
【0065】
施封モジュール60aは、第1および第2集積装置64a、64bの各々から、集積紙幣を受け取り、施封装置68に搬送する昇降および横方向に移動可能な搬送トレイ70を備えている。
【0066】
施封装置68は、搬送トレイ70により運ばれた100枚の紙幣束を施封するための結束帯(第1帯)Bを供給する帯供給部71と、供給された結束帯に所望の情報を印字する印字装置72と、印刷済み結束帯B1を紙幣束に巻き付ける帯巻き機構73と、紙幣束に対する結束帯B1の巻き付け位置を調整する調整機構76と、を備えている。
【0067】
印字装置72としては、インクジェットプリンタ、ドットプリンタ、レーザプリンタ等を用いることができる。印字装置72は、主制御部12および副制御部61aの制御の下、オペレータにより入力された任意の情報、あるいは、メモリ12bに格納されているオペレータID、日時、シリアル番号、アサイン情報、銀行のロゴ、管理者サインイメージ等を任意の言語フォントにて結束帯B1に印刷する。
【0068】
図15に示すように、調整機構76は、紙幣束の端部を把持するチャック77と、チャック77を紙幣束の長手方向に沿って往復移動させるプランジャ78と、紙幣束の引き込み位置を検出する複数の位置センサ79a、79bとを有している。調整機構76は、チャック77により紙幣束を把持し、結束前のループ状に巻かれた結束帯B1の中を通して紙幣束を任意の位置まで引き込み、紙幣束に対する結束帯B1の巻付け位置を調整する。例えば、位置センサ79a、79bにより紙幣束の引き込み位置を検出し、これらの2つの位置に調整することができる。本実施形態では、結束帯B1の巻付け位置は、複数の紙幣束を結束する大帯(第2帯)からずれる位置に調整されている。
【0069】
図16は、施封モジュール60aにより施封された100枚の紙幣束(小束)130を示している。結束帯B1は、任意の位置に巻付けられ、また、結束帯B1に所望の情報124が印字されている。更に、結束帯B1の側面部、すなわち、紙幣束130の厚さ方向に延びる部分に、オペレータの確認印126を押してもよい。
【0070】
図2に示すように、上記のように集積および施封された紙幣束130は、排出部75に排出され、順次、積層して収納される。以上のように、施封モジュール60aは、メインモジュール10から送られた正券、あるいは、装填庫32から取り出され、装填モジュール30から送られた正券を、金種毎に所定枚数ずつ施封し、施封された紙幣束を供給する。
【0071】
図2に示すように、施封モジュール60aは、排出部75に収納された紙幣束130を複数束積層し、大帯で結束して紙幣大束を形成する大束施封装置115を備えていてもよい。図17に示すように、大束施封装置115により、複数、例えば、10束の紙幣束130が積層され、複数の結束帯(第2帯)B2で結束され、大束140が形成される。
【0072】
図17(a)に示す大束140は、長手方向に1本の結束帯B2で、横方向に2本の結束帯B2で結束されている。図17(b)に示す大束140は、長手方向に1本の結束帯B2で、横方向に1本の結束帯B2で結束されている。いずれの大束140においても、各小束130の結束帯B1は、大束140の結束帯B2からずれた位置、すなわち、結束帯B2と重ならない位置に巻付けられている。そのため、大束140において、各小束130の結束帯B1の側面部は、結束帯B2に隠れることなく大束の外面に露出している。これにより、大束140を形成した後に、各小束130の結束帯B1の側面部に、確認印126を押印することができる。あるいは、予め結束帯B1の側面部に確認印126を押印してある場合でも、大束140を形成後、確認印126を外側から視認することができる。
【0073】
紙幣処理装置によれば、施封モジュールにより作成した小束を10把(10個の小束)集めて、大束施封装置により大帯おかけ大束に施封し、紙幣処理装置からの情報を記憶した無線タグ(RFID)を大束に付け、紙幣処理装置と大束との間で情報をリンクするようにしてもよい。
【0074】
図1に示すように、他の施封モジュール60b、60cは、施封モジュール60aと同様に構成され、各施封モジュール60a、60b、60cの搬送路62は、互いに連通して延びている。そして、メインモジュール10あるいは装填モジュール30から紙幣Pが任意の施封モジュール60a、60b、60cに送られ、集積、施封される。
【0075】
全てのモジュールの最下流には、セーフティポケット74が設けられている。各モジュールを搬送中に処理できなかった紙幣がある場合、この紙幣はセーフティポケット74に排出され、装置から退避される。
なお、上記のように紙幣処理装置により紙幣の回収あるいは補充がされた装填庫32は、処理後、装填モジュール30から取外され、対応するATMに装着される。
【0076】
バッチカード116を用いた紙幣群のバッチ処理は、以下の通り行う。
例えば、第1積層紙幣群(第1バッチ)と第2積層紙幣群(第2バッチ)とを処理する場合、図2に示すように、予め各入金バッチの最後尾にバッチカード(バーコード付)116を挿入した上で、複数バッチを積み重ね、積み重ねた紙幣群とバッチカードとを一括して処理装置の供給部11にセットし、連続取込みを行う。
【0077】
バッチカード116は、図7に示したように、バーコード117により紙幣群(バッチ)の特徴的な番号等が印刷され、搬送路に設けたバーコードリーダによりバーコードを読み取り可能とする。載置面11bに対向して、RGBセンサ23が設けられ、このRGBセンサ23は、紙葉類の色を検知し、バッチカード116を検出する。バーコードリーダ19は、鑑査装置18を通過したバッチカード116に付されているバーコード117を読取り、その読取り情報を主制御部12へ送る。なお、独立したバーコードリーダを設けることなく、鑑査装置18により、バーコードを読取る構成としてもよい。
【0078】
鑑査装置18は、バッチカード116の通過を検知し、入金バッチ間の境界を認識して該当入金の金額を計数する。バッチカード116は、鑑査装置18およびバーコードリーダ19を通過した後、リジェクト部20aあるいは20bに送られ、集積される。結果として、処理中にリジェクトされたリジェクト紙幣は、所属する入金バッチのバッチカード116と直前バッチのバッチカード116との間に集積されることになるため、各リジェクト紙幣の所属バッチが識別可能となる。バッチ処理において、リジェクト紙幣は、1回目の係数が完了した後に、供給部11に再供給(再機械計数)することができる。
【0079】
バッチ処理には、セキュアーモードと、連続モードとの2種類を選択可能に構成されている。
セキュアー連続モードは、バッチカードを紙幣群の最後尾に挿入することにより、複数バッチ間での処理動作を極力停止せずに連続処理を行う。バッチカードを検出後、計数確定まで次のバッチの取り込みを停止する。
【0080】
連続モードは、バッチカードを紙幣郡の最後尾に挿入することにより、複数バッチ間での処理を極力停止せず連続処理を行う。バッチカードを検出しても、次の取り込みを停止しない。
【0081】
図18は、上述したバッチカードのデータを用いて紙幣処理を管理するバッチカードシステムの一例を示している。このシステムは、データベースサーバ120と、データベースサーバに接続されたプレパレーション・ステーション122およびリジェクト・手入力ステーション124と、を備えている。また、データベースサーバ120は、ユーザー・アプリケーション・コンピュータ126に接続され、このコンピュータは、ホストコンピュータ128にネットワーク接続されている。紙葉類処理装置の主制御部12からバッチカード番号および機械係数データがデータベースサーバに送られる。
【0082】
プレパレーション・ステーションは、アカウント番号、バッチカード番号、伝票金額の登録を行い、これらのアカウント番号、バッチカード番号、伝票金額をデータベースサーバへ送るとともに、紙幣群の供給部11への装填を指示する。リジェクト・手入力ステーションでは、リジェクト券の情報手入力、違算処理、偽券情報の入力、バッチカード番号の手入力等を行い、入力されたバッチカード番号、手入力係数をデータベースサーバへ送る。
【0083】
データベースサーバは、紙葉類処理装置の主制御部12から送られたバッチカード番号および機械係数データと、プレパレーション・ステーションから送られたアカウント番号、バッチカード番号、伝票金額と、リジェクト・手入力ステーションから入力されたバッチカード番号、手入力係数と、を係数照合し、その照合結果をプレパレーション・ステーションおよびリジェクト・手入力ステーションに送る。これにより、バッチ処理された紙幣群の機械係数が正確に行われているか、バッチカード番号に応じて監視する。
【0084】
一方、上述した紙幣処理おいて、いずれかで紙幣のジャムが発生した場合、以下の通りジャム処理を行う。ジャム発生時のオペレータの負担を形成するために、以下の要求を盛り込む。
ジャム発生時にメインモジュール10の集積庫22a〜22d、および施封モジュール60a、60b、60cのうち、搬送継続可能な部分は、紙幣の搬送を停止せず、集積庫および施封集積までの搬送を完了する。施封モジュールについては、紙幣100枚集積完了すれば施封動作を実施する。シフトミスは、発生部位の搬送ジャムとみなす。
【0085】
施封モジュールは、モジュール内に進入済の紙幣については施封集積に搬送完了可能かつ施封集積が集積可能である場合、さらに加えて下流側の施封モジュールに搬送する紙幣については、下流側施封モジュールの搬送路が動作可能な場合、全ての紙幣の搬送を完了し、施封集積部の集積枚数が100枚に到達した場合は施封動作を実施し、その後に停止する。1枚でも搬送完了が不可能な紙幣が有る場合は、即座に搬送を停止し、紙幣は持ち帰りとする。
【0086】
施封モジュール内で集積した紙幣については、確実に係数に反映させる。施封搬送内でジャムが発生した場合、施封搬送を即時停止する。施封機構部は、所定枚数または100枚集積した時に施封動作を完了させて把を排出後に停止する。施封完、・排出分は、件数に反映させる。
【0087】
オペレータが施封搬送内のジャムによる残留紙幣を除去した後で、施封搬送内の紙幣は、オペレータのテラー操作によりセーフティポケットに自動搬送され、セーフティポケットおよび両方の施封集積に集積されている紙幣は回収される。施封搬送外でジャムが発生した場合、施封集積に搬送完了可能かつ施封集積が可能である場合、更に、下流側の施封モジュールに搬送する紙幣については、下流側の施封モジュールの搬送路が動作可能な場合、全ての紙幣の搬送を完了し、施封集積部の集積枚数が100枚に到達した場合は施封動作を実施後に亭止する。この際、ジャム発生後の紙幣の搬送タイミングをチェックし、想定より時間が長いタイミングで紙幣が搬送された場台はジャムとする。この場合は施封集積に集積された紙幣は持ち帰りとする。
【0088】
1枚でも搬送完了が不可能な紙幣が有る場合は即座に搬送路を停止し、施封モジュール内の紙幣は持ち帰りとする。ただし、集積が不可能となった場合は、施封搬送を即時停止する。ジャム原因を除去した後、施封搬送内で残留紙幣は、オペレータのテラー操作により施封集積に自動搬送され、両方の施封集積に集積されている紙幣は回収される。
【0089】
オペレータのジャム処理後の作業を減らすために、残留紙幣自動排出を行ってもよい。この場合、搬送ジャム発生部位のジャム処理をオペレータが実施した後、残留紙幣を搬送路に残したまま、通常遠度で紙幣を搬送し、リジェクト庫、集積庫、セーフティポケットのいずれかに集積する。この際とき集積される一時庫内の紙幣はすべて持ち帰る。操作はジャム解除後にオペレータのテラー操作によって行う。搬送ベルト外れ等の故障を起こさないように、搬送ジャム発生部位のドア開動作と搬送中の搬送監視をに行う。
【0090】
以上のように構成された紙幣処理装置によれば、ATMから取外した装填庫32を装填モジュール30の装着部34に装着することにより、装填庫内の紙幣を自動で紙幣処理装置へ取込み整理することができる。また、装填庫32から取出した紙幣を鑑査装置38に通すことにより、券種、真偽、正損等の判別を行うことができ、装填庫へ紙幣を戻すことにより、装填庫内の有高を検出することができる。すなわち、装填庫32内の紙幣を精査し、再度、装填庫に戻す精査処理を行うことができる。装填庫32から取り出した紙幣を施封モジュール60a〜60cへ送ることで、100枚小束に施封処理ができる。更に、自動取引装置の装填庫32に装填機能がある場合、紙幣処理装置に装填庫32をセットすることにより、メインモジュールに10に投入された紙幣を所望枚数、所望券種、装填庫に自動装填できる。そして、これらの各種処理は、装填庫32の蓋を開けずに処理ができるため、セキュリティ性を高めることが可能となる。装填庫32と紙幣処理装置との間で情報を受け渡すことができ、双方向で有高管理を行うことが可能となる。更に、必要に応じて取引ジャーナルを印字出力するジャーナルプリンタを装填モジュール30に設け、この取引ジャーナルを装填庫32に添付するようにしてもよい。
【0091】
装填モジュール30に装着する装填庫32が、出金専用の装填庫である場合、取出し装填機構によって、紙幣を直接的に装填庫に装填することができない。そこで、この場合には、装填モジュール30に、装填庫から取出した紙幣、あるいは、メインモジュール10から送られた紙幣を集積する一時集積部と、この一時集積部に集積された例えば、500枚の紙幣を把持して装填庫32に詰めるロボットハンドと、を設けることにより、装填処理を行うことができる。
【0092】
メインモジュール10の供給部11は、鉛直方向に対して傾斜して設けられているため、載置された積層紙幣間の摩擦を低減し、紙幣取出し時のスリップ、連れ取り、2枚取り等を防止することができる。これにより、多量の紙幣を積層配置した場合でも、紙幣を1枚ずつ安定して取出し、処理することができ、信頼性の向上を図ることができる。また、供給部11は、装置本体において、比較的低い位置に設けられていることから、供給部11への紙葉類の装填作業を行い易くすることができる。
【0093】
更に、異物が取込まれた場合でも、鑑査装置に運ばれる前にこの異物を排出、除去することができ、異物に起因する検査装置の損傷を防止し、紙幣処理装置の信頼性向上を図ることができる。
【0094】
次に、他の実施形態に係る紙幣処理装置について説明する。
図19は、第2の実施形態に係る紙幣処理装置を示している。この図に示すように、紙幣処理装置は、メインモジュール10、整列モジュール80、装填モジュール30、1つの施封モジュール60a、および大容量集積モジュール90を備え、これらのモジュールは、この順で一列に並んで配置され、互いに電気的かつ機械的に連結されている。メインモジュール10には、このメインモジュールおよび装置全体の動作を制御する主制御部12が設けられている。
【0095】
メインモジュール10、装填モジュール30、施封モジュール60aは、第1の実施形態と同様に構成されている。メインモジュール10と装填モジュール30との間に設けられた整列モジュール80は、メインモジュール10から送られた紙幣Pを搬送する搬送路81と、搬送路81の上流側に設けられた整列機構82と、搬送路81に沿って整列機構82の下流側に設けられた反転装置84と、搬送路81に沿って、並んで配置された複数の集積庫86a、86b、86c、86dと、を備えている。
【0096】
整列機構82は、装填モジュール30の整列機構42と同様に構成され、搬送路81を通して送られて来る紙幣Pの中心を搬送路の中心に合わせ、また、スキューしている紙幣をその一辺が搬送方向と直交する向きとなるように補正する。反転装置84は、搬送路81を通して送られて来る紙幣Pの向きを反転することにより、紙幣の表、裏、あるいは、前向き、後向きの方向を任意の指定の方向に揃えて送り出す。
【0097】
反転装置84は、図20に示すように、180度ひねったひねり搬送路320を備え、このひねり搬送路320は、図21に示すように、720度ひねって形成した伸縮性のある2本の無端ベルト(以下、ひねりベルと呼ぶ)321を8の字状に複数のローラ322a〜322fを介して張設し、ひねり部分を重ね合わせることにより形成される。さらに、図22に示すように、ひねり搬送路320の両側に沿った状態で、平板状のひねりガイド体323a、323b、323c、323dが配設されている。これら平板状のひねりガイド体は、図示しない支柱によって支持され、ガイド体323a、323b、ガイド体323c、323dがそれぞれ対となり、ひねりベルト321のひねりに合わせて図示の隙間を保ちひねられている。これらのひねりガイド323a〜323dは、ひねりベルト321の両側に位置し、ひねり搬送路320の入り口から出口まで連続的に設けられている。
【0098】
反転装置84は、ひねりベルト321の中央部に設けられたアイドラーローラ324を備え、このアイドラーローラは紙幣Pに挟持力を与える。ひねり搬送路320の下流側に、水平搬送路326を形成するためのローラ325が設けられている。
【0099】
整位機構82から反転装置84に送られた紙幣Pは、ねじり搬送路320を通ることにより表裏が反転され、更に、水平搬送路326を通ることにより、ねじりによる癖が直されて、下流側に排出される。この際、紙幣Pは、その長手方向両端部がガイド体323a、323b間、およびガイド体323c、323d間にガイドされるため、4つ折れ、半折れ、また、腰の弱い紙幣Pを高速で反転した場合でも、ひねりガイドにより紙幣Pの両端をバックアップし、風圧による折れやスキューの発生を防止すことができる。
【0100】
図19に示すように、反転装置84から向きを揃えて送り出された紙幣Pは、搬送路81を通して装填モジュール30へ送られ、あるいは、集積庫86a〜86dのいずれかに送られて集積される。また、装填モジュール30により向きを揃えて送り出された紙幣Pをメインモジュール10に戻し、メインモジュールの集積庫22aないし22dに集積してもよい。
【0101】
装填庫32への紙幣装填処理では、反転装置84から向きを揃えて送り出された紙幣Pは、搬送路81を通して装填モジュール30へ送られ、装填庫32に装填される。この際、反転装置84により、紙幣の向きを積極的に表、裏、交互に反転して紙幣を送り出し、表裏が交互となるように紙幣を装填庫32内に集積してもよい。この場合、集積された紙幣間の摩擦、凹版の影響を受けにくくして、装填庫32から紙幣を取り出易くすることができる。
【0102】
また、整列モジュール80の集積庫86aないし86dは、装填庫32から取り出された紙幣を金種ごとに集積する集積庫として使用でき、あるいは、装填庫32から取り出されたリジェクト券あるいは損券を集積するリジェクト庫あるいは損券庫としても使用することができる。
【0103】
大容量集積モジュール90は、施封モジュール60aの下流側に接続されている。この大容量集積モジュール90は、施封モジュール60aから送られた紙幣Pを搬送する搬送路91と、それぞれ搬送路91を通して送られた紙幣を一定量集積可能な大容量の集積庫92a、92bとを備えている。装填庫32に一定量の紙幣を手装填する場合、メインモジュール10あるいは装填庫32から送られた紙幣は、予め設定された一定量、各集積庫92a、92bに集積される。そして、集積された紙幣を大容量集積庫92a、92bから一括して取り出し、装填庫32に手装填する。これにより、予め決められた一定量の紙幣を容易に、装填庫32に装填することができる。
【0104】
上記構成の紙幣処理装置によれば、第1の実施形態と同様に、装填庫32に対して、紙幣回収、装填等の種々の処理を行うことができる。また、整列モジュール80を設けることにより、紙幣の向きを任意設定した状態で、集積、装填、あるいは、施封することができる。
【0105】
図23は、第3の実施形態に係る紙幣処理装置を示している。第3の実施形態によれば、紙幣処理装置は、メインモジュール10、整列モジュール80、1つの施封モジュール60a、および装填モジュール110を備え、これらのモジュールは、この順で一列に並んで配置され、互いに電気的かつ機械的に連結されている。メインモジュール10には、このメインモジュールおよび装置全体の動作を制御する主制御部12が設けられている。
【0106】
メインモジュール10、整列モジュール80、施封モジュール60aは、第1の実施形態および第2の実施形態と同様に構成されている。施封モジュール60aの下流側に接続された装填モジュール110は、ATMの入金専用の装填庫、あるいは、入出金可能な装填庫が脱着可能に装着される装着部34と、施封モジュール60a側から送られて来た紙幣を搬送する搬送路112と、送られて来た紙幣を搬送路112から装填庫32に装填する取り込み機構114と、を備えている。メインモジュール10に供給された紙幣Pは、メインモジュール10、整列モジュール80、施封モジュール60aを通して装填モジュール110へ送られ、装填庫32へ装填される。
【0107】
上記構成の紙幣処理装置によれば、メインモジュール10の鑑査装置18により紙幣Pを鑑査した後、集積、施封、あるいは、入金専用の装填庫32に装填することができる。また、入金専用の装填庫32に対して、紙幣を補充、装填することができる。その他、第3の実施形態においても、第1および第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0108】
図24は、第4の実施形態に係る紙幣処理装置を示している。第4の実施形態によれば、紙幣処理装置は、取出しモジュール100、メインモジュール10、整列モジュール80、1つの施封モジュール60a、および装填モジュール110を備え、これらのモジュールは、この順で一列に並んで配置され、互いに電気的かつ機械的に連結されている。メインモジュール10には、このメインモジュールおよび装置全体の動作を制御する主制御部12が設けられている。
【0109】
メインモジュール10、整列モジュール80、施封モジュール60a、装填モジュール110は、第1ないし第3の実施形態と同様に構成されている。メインモジュール10の上流側に設けられた取出しモジュール100は、ATMの出金専用の装填庫、あるいは、入出金可能な装填庫が脱着可能に装着される装着部34と、装填庫32から紙幣を取出す取出し機構102と、取出された紙幣を搬送する搬送路と、を備えている。取出しモジュール100の搬送路は、メインモジュール10の取り出し機構14側に設けられた搬送路104に連通している。装填庫32から取出された紙幣は、メインモジュール10の搬送路104を通して鑑査装置18に送られ、鑑査の後、正券および損券は、集積庫22a〜22dに集積されるか、整列モジュールを通して施封モジュール60aあるいは、装填モジュール110へ送られる。
【0110】
施封モジュール60aの下流側に接続された装填モジュール110は、ATMの入金専用の装填庫、あるいは、入出金可能な装填庫が脱着可能に装着される装着部34と、施封モジュール60a側から送られて来た紙幣を搬送する搬送路112と、送られて来た紙幣を搬送路112から装填庫32に装填する取り込み機構114と、を備えている。メインモジュール10に供給された紙幣、あるいは、取出しモジュール100により装填庫32から取出された紙幣は、メインモジュール10、整列モジュール80、施封モジュール60aを通して装填モジュール110へ送られ、装填庫32へ装填される。
【0111】
上記構成の紙幣処理装置によれば、出金専用の装填庫32から紙幣を取出し、メインモジュール10の鑑査装置18により鑑査した後、集積、施封、あるいは、入金専用の装填庫に装填することができる。また、入金専用の装填庫に対して、紙幣を補充、装填することができる。
【0112】
図25は、第5の実施形態に係る紙幣処理装置を示している。第5の実施形態によれば、紙幣処理装置は、取出しモジュール100、メインモジュール10、整列モジュール80、1つの施封モジュール60a、および大容量集積モジュール90を備え、これらのモジュールは、この順で一列に並んで配置され、互いに電気的かつ機械的に連結されている。メインモジュール10には、このメインモジュールおよび装置全体の動作を制御する主制御部12が設けられている。
【0113】
取出しモジュール100、メインモジュール10、整列モジュール80、施封モジュール60aは、第4の実施形態と同様に構成されている。大容量集積モジュール90は、第2の実施形態と同様に構成されている。
【0114】
上記構成の紙幣処理装置によれば、取出しモジュール100により装填庫32から取出された紙幣は、メインモジュール10の搬送路104を通して鑑査装置18に送られ、鑑査の後、正券および損券は、集積庫22a〜22dに集積されるか、整列モジュール80を通して施封モジュール60aあるいは、大容量集積モジュール90へ送られる。
【0115】
装填庫32に一定量の紙幣を手装填する場合、メインモジュール10から送られた紙幣、あるいは装填庫32から取出された紙幣は、予め設定された一定量、各集積庫92a、92bに集積される。そして、集積された紙幣を大容量集積庫92a、92bから一括して取り出し、装填庫32に手装填する。これにより、予め決められた一定量の紙幣を容易に、装填庫32に装填することができる。
【0116】
上述した実施形態では、紙幣処理装置の複数のモジュールを一列に並べて配置する構成としたが、これに限らず、複数のモジュールをL字形あるいはU字形に並べて配置してもよい。
【0117】
図26に示すように、第6の実施形態によれば、メインモジュール10、装填モジュール30、施封モジュール60aが並んで配置され、更に、コーナユニット120を挟んで、4つの施封モジュール60b、60c、60d、60eが一列に並んで、かつ、メインモジュール10、装填モジュール30、施封モジュール60aの列とほぼ直交する方向に並んで配置されている。これにより、複数のモジュールはL字形に並べて配置されている。各モジュールの構成は、前述した第1ないし第4の実施形態と同一である。コーナユニット120は、紙幣を搬送する搬送路と、紙幣をほぼ水平な状態から垂直な状態に回転させて角部の移動を可能とする回転機構と、を備えている。モジュール配列の角部の内角θは、例えば、45〜135度に設定される。
【0118】
図27に示すように、第7の実施形態によれば、メインモジュール10、装填モジュール30、施封モジュール60aが一列に並んで配置され、更に、コーナユニット120を挟んで、2つの施封モジュール60b、60cが一列に並んで、かつ、メインモジュール10、装填モジュール30、施封モジュール60aの列とほぼ直交する方向に並んで配置されている。更に、コーナユニット122を挟んで、2つの施封モジュール60d、60e、および大容量集積モジュール90が一列に並んで、かつ、施封モジュール60b、60cの列とほぼ直交する方向に並んで配置されている。これにより、複数のモジュールはU字形に並べて配置されている。各モジュールの構成は、前述した第1ないし第4の実施形態と同一である。コーナユニット120、122は、紙幣を搬送する搬送路と、紙幣をほぼ水平な状態から垂直な状態に回転させて角部の移動を可能とする回転機構と、を備えている。モジュール配列の2つの角部の内角θは、それぞれ、例えば、45〜135度に設定される。
【0119】
第6および第7の実施形態によれば、紙幣処理装置が多数のモジュールを備えている場合でも、複数のモジュールをL字形状あるいはU字形状に並べて配置することにより、複数のモジュールを比較的近くに配置することができ、操作性の向上を図ることができる。
【0120】
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0121】
例えば、第1ないし第7の実施形態において、接続するモジュールの数は、実施形態に限定されることなく、必要に応じて、増減可能であり、モジュールの種類も種々選択可能である。
上述した複数の実施形態によれば、装填された紙葉類を安定して取出し処理することができ、信頼性の向上した紙葉類処理装置を提供することができる。
【0122】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、処理する紙葉類は、紙幣、バッチカードに限定されることなく、カジノカード、有価証券等の他の紙葉類にも適用してもよい。
【符号の説明】
【0123】
10…メインモジュール、11…供給部、11a…支持面、11b…載置面、
11d…リブ、12…主制御部、14…取り出し機構、16…搬送路、
18…鑑査装置、20a、20b…リジェクト部、22a〜22d…集積庫、
24…ピックアップローラ、30…装填モジュール、32…装填庫、34…装着部、
38…鑑査装置、40…リジェクト庫、42…整列機構、44…搬送路、
60a、60b、60c、60d、60e…施封モジュール、76…調整機構、
80…整列モジュール、84…反転装置、90…大容量集積モジュール、
100…取り出しモジュール、110…装填モジュール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に対して傾斜した支持面と、この支持面にほぼ直交する載置面とを有し、複数枚の紙葉類が前記支持面に沿って傾斜して前記載置面に重ねて載置される供給部と、
前記供給部の載置面側から紙葉類を取出す取出し機構と、
前記取り出された紙幣を搬送する搬送路と、
前記搬送される紙葉類を鑑査する鑑査装置と、
前記鑑査された紙葉類を集積する集積部と、
を備える紙葉類処理装置。
【請求項2】
前記供給部の支持面は、鉛直方向に対して25ないし75度の範囲で傾斜している請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
前記鑑査装置は、鉛直方向に関して、前記取出し機構の上方に配設され、
前記搬送路は、前記取出し機構から前記鑑査装置まで、鉛直方向に対して斜め傾斜して、下から上に延びている請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項4】
前記鑑査装置は、前記搬送路に沿って斜めに設けられている請求項3に記載の紙葉類処理装置。
【請求項5】
前記搬送路の最下部の下方に設けられた異物回収部を備え、
前記搬送路は、この搬送路に取出された異物を前記異物回収部に排出する排出口を有している請求項3に記載の紙葉類処理装置。
【請求項6】
前記取出し機構は、前記供給部に載置された紙葉類の最下部の紙葉類を取出す取出しローラを備え、
前記取出し機構の取出し速度を複数段階に調整し、前記鑑査装置による紙葉類の鑑査状態に応じて前記取出し機構の取り出し速度を変更する制御部を備えている請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記鑑査装置により紙葉類の2枚取りあるいはショートピッチが検出された際に、前記取出しローラを一時的に停止あるいは逆転する請求項8に記載の紙葉類処理装置。
【請求項8】
前記鑑査部から送られた紙葉類を複数枚ずつ集積し施封する集積施封装置を更に備え、
前記集積施封装置は、
紙葉類を所定枚数ずつ集積し第1帯により施封して小束を形成する第1施封装置と、
前記小束を複数ずつ集積し第2帯で施封して大束を形成する第2施封装置と、を備え、
前記第1施封装置は、前記束の引き込み位置を可変し、前記第1帯の巻付け位置を前記第2帯から外れる位置に調整する調整機構と、を備えている請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項9】
前記施封された小束の第1帯に、情報を印字する印字装置と、オペレータID、日時、シリアル番号、アサイン情報、銀行のロゴ、管理者サインイメージ、各国言語のフォントを含む情報を格納し、前記印字装置に前記第1帯への印字情報を供給する制御部と、を備えている請求項8に記載の紙葉類処理装置。
【請求項10】
処理状態を含む情報を表示する表示装置と、
前記鑑査装置からの鑑査情報に応じて、単位時間の処理効率、複数日のそれぞれの処理効率、オペレータIDごとの処理効率、トータル処理枚数、トータル稼動時間を含む管理情報を算出および格納し、前記管理情報を前記表示装置に表示する制御装置と、
を備えている請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項11】
前記供給部に載置される紙葉類は、バッチの情報を示すバーコードが付されているとともに有色のバッチカードであって、紙葉類の所定バッチの最終段に積層されるバッチカードを含み、
前記バッチカードの色を検知する色センサと、前記バッチカードのバーコードを読取るバーコードリーダと、前記鑑査部を通過した前記バッチカードを回収する集積部と、を備えている請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項12】
鉛直方向に対して傾斜した支持面と、この支持面にほぼ直交する載置面とを有し、複数枚の紙葉類が前記支持面に沿って傾斜して前記載置面に重ねて載置される供給部と、前記供給部から紙葉類を取り出す取り出し機構と、前記取り出された紙幣を搬送する搬送路と、前記搬送される紙葉類を鑑査する鑑査装置と、前記鑑査された紙葉類を集積する集積部と、を有するメインモジュールと、
前記メインモジュールに接続され、前記メインモジュールから送られた紙葉類を、所定枚数ずつ集積し施封する集積施封装置を有する施封モジュールと、
を備える紙葉類処理装置。
【請求項13】
前記メインモジュールと施封モジュールとの間に接続され、前記メインモジュールの搬送路に連通し紙葉類を搬送する搬送路と、前記搬送路を通る紙葉類の向きを反転する反転装置と、を有する整列モジュールを備えている請求項12に記載の紙葉類処理装置。
【請求項14】
前記メインモジュールに接続された装填モジュールであって、自動取引装置の装填庫を装着可能な装着部と、前記メインモジュールに連通し、紙葉類を搬送する搬送路と、前記装填庫に対して紙葉類を装填および取り出しする装填取出し機構と、前記装填庫から取り出された紙葉類を鑑査する鑑査装置と、前記鑑査されたリジェクト券を集積するリジェクト庫と、を有し、前記メインモジュールから送られた紙葉類を前記装填庫に装填する装填モジュールを備える請求項12又は13に記載の紙葉類処理装置。
【請求項1】
鉛直方向に対して傾斜した支持面と、この支持面にほぼ直交する載置面とを有し、複数枚の紙葉類が前記支持面に沿って傾斜して前記載置面に重ねて載置される供給部と、
前記供給部の載置面側から紙葉類を取出す取出し機構と、
前記取り出された紙幣を搬送する搬送路と、
前記搬送される紙葉類を鑑査する鑑査装置と、
前記鑑査された紙葉類を集積する集積部と、
を備える紙葉類処理装置。
【請求項2】
前記供給部の支持面は、鉛直方向に対して25ないし75度の範囲で傾斜している請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
前記鑑査装置は、鉛直方向に関して、前記取出し機構の上方に配設され、
前記搬送路は、前記取出し機構から前記鑑査装置まで、鉛直方向に対して斜め傾斜して、下から上に延びている請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項4】
前記鑑査装置は、前記搬送路に沿って斜めに設けられている請求項3に記載の紙葉類処理装置。
【請求項5】
前記搬送路の最下部の下方に設けられた異物回収部を備え、
前記搬送路は、この搬送路に取出された異物を前記異物回収部に排出する排出口を有している請求項3に記載の紙葉類処理装置。
【請求項6】
前記取出し機構は、前記供給部に載置された紙葉類の最下部の紙葉類を取出す取出しローラを備え、
前記取出し機構の取出し速度を複数段階に調整し、前記鑑査装置による紙葉類の鑑査状態に応じて前記取出し機構の取り出し速度を変更する制御部を備えている請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記鑑査装置により紙葉類の2枚取りあるいはショートピッチが検出された際に、前記取出しローラを一時的に停止あるいは逆転する請求項8に記載の紙葉類処理装置。
【請求項8】
前記鑑査部から送られた紙葉類を複数枚ずつ集積し施封する集積施封装置を更に備え、
前記集積施封装置は、
紙葉類を所定枚数ずつ集積し第1帯により施封して小束を形成する第1施封装置と、
前記小束を複数ずつ集積し第2帯で施封して大束を形成する第2施封装置と、を備え、
前記第1施封装置は、前記束の引き込み位置を可変し、前記第1帯の巻付け位置を前記第2帯から外れる位置に調整する調整機構と、を備えている請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項9】
前記施封された小束の第1帯に、情報を印字する印字装置と、オペレータID、日時、シリアル番号、アサイン情報、銀行のロゴ、管理者サインイメージ、各国言語のフォントを含む情報を格納し、前記印字装置に前記第1帯への印字情報を供給する制御部と、を備えている請求項8に記載の紙葉類処理装置。
【請求項10】
処理状態を含む情報を表示する表示装置と、
前記鑑査装置からの鑑査情報に応じて、単位時間の処理効率、複数日のそれぞれの処理効率、オペレータIDごとの処理効率、トータル処理枚数、トータル稼動時間を含む管理情報を算出および格納し、前記管理情報を前記表示装置に表示する制御装置と、
を備えている請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項11】
前記供給部に載置される紙葉類は、バッチの情報を示すバーコードが付されているとともに有色のバッチカードであって、紙葉類の所定バッチの最終段に積層されるバッチカードを含み、
前記バッチカードの色を検知する色センサと、前記バッチカードのバーコードを読取るバーコードリーダと、前記鑑査部を通過した前記バッチカードを回収する集積部と、を備えている請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項12】
鉛直方向に対して傾斜した支持面と、この支持面にほぼ直交する載置面とを有し、複数枚の紙葉類が前記支持面に沿って傾斜して前記載置面に重ねて載置される供給部と、前記供給部から紙葉類を取り出す取り出し機構と、前記取り出された紙幣を搬送する搬送路と、前記搬送される紙葉類を鑑査する鑑査装置と、前記鑑査された紙葉類を集積する集積部と、を有するメインモジュールと、
前記メインモジュールに接続され、前記メインモジュールから送られた紙葉類を、所定枚数ずつ集積し施封する集積施封装置を有する施封モジュールと、
を備える紙葉類処理装置。
【請求項13】
前記メインモジュールと施封モジュールとの間に接続され、前記メインモジュールの搬送路に連通し紙葉類を搬送する搬送路と、前記搬送路を通る紙葉類の向きを反転する反転装置と、を有する整列モジュールを備えている請求項12に記載の紙葉類処理装置。
【請求項14】
前記メインモジュールに接続された装填モジュールであって、自動取引装置の装填庫を装着可能な装着部と、前記メインモジュールに連通し、紙葉類を搬送する搬送路と、前記装填庫に対して紙葉類を装填および取り出しする装填取出し機構と、前記装填庫から取り出された紙葉類を鑑査する鑑査装置と、前記鑑査されたリジェクト券を集積するリジェクト庫と、を有し、前記メインモジュールから送られた紙葉類を前記装填庫に装填する装填モジュールを備える請求項12又は13に記載の紙葉類処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2012−198678(P2012−198678A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61556(P2011−61556)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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