細胞をイメージングするための多機能ナノスコピー
本明細書において開示されるものは、対象物の特性を感知するための装置である。好ましい実施形態においては、この装置は、アレイを備え、アレイは、摂動に反応して電圧を生成するようにそれぞれが構成され、対象物に近接する複数のナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスを含み、生成される電圧が対象物の特性を示す。様々なナノスケールEXXセンサの任意のものを、アレイにおけるハイブリッド半導体/金属デバイスとして選択することが可能である。このようなアレイを用いることにより、生体細胞などの対象物のナノスコピック分解能の超高分解能画像を生成することが可能であり、画像は、様々な細胞生物学的プロセスを示す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この特許出願は、全開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年8月1日に出願された、「Multifunctional Nanoscopy for Imaging Cells」と題された優先出願米国仮特許出願第60/821,040号に対する優先権を主張する。
【0002】
概して、この発明の分野は、音波、光または電荷などの様々な摂動に反応する組み込まれたナノセンサのアレイにより、ナノスケールで(1つまたは複数の生体細胞の細胞機能および構造などの)対象物の特性を測定するための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
生体サンプルにおける大量のデータの高速取得および分析が、初期のヒトゲノムシーケンシング事業において登場した。マイクロアレイ技術が、様々な生理学的な、薬剤誘起される、または臨床的に関係のある細胞状態における生物学的に関連のあるパターンについての多数のサンプルの疑問(interrogatin)を促進した。ここで、これら大量の情報を、細胞の反応およびプロセスの正確なモデルにいかにして統合することが可能になるかに関する難題が出現した。例えば、癌細胞におけるアポトーシスの程度および期間に薬剤の効果を結びつける情報は、癌薬剤のスクリーニングにおいて非常に貴重な情報である。同様に、侵入力に繋がる細胞骨格変化の情報は、効率的な抗血管形成剤ストラテジの展開を大幅に簡素化する。
【0004】
学術的研究コミュニティおよび産業的研究コミュニティの両方におけるこれらおよび他の需要に応じるために、サイトミクスの分野が出現した。サイトミクスの重要性は、細胞が我々の生理機能内における最少機能単位であるという点に由来する。サイトミクスの出現に付随する技術が、細胞状態の種々の相の同時またはほぼリアルタイムのマルチパラメトリック分析として一般に定義されるハイコンテントスクリーニング(HCS)である。
【0005】
細胞機能の複雑性は、サイトミクスが近い将来に研究の主要分野になるであろう理由のほんの一部にすぎない。全ての細胞はそれぞれ異なり、各細胞の固有の機能の研究により、統計的技術を使用してさらにこの細胞タイプをその後の分析のためにモデル化することが可能である。本発明者らは、短期間の間に、殆どの製薬会社が、サイトミクス−薬剤−デザインの本質的な特徴を包含することなしには、修正された細胞機能のレベルでますます実施されるプロセスを実施しなくなるであろうと本明細書において予測する。将来の癌ストラテジは、細胞組織工学の「細胞形成」と見なし得るサイトムアラインメント(cytome−alignment)またはサイトミックリアラインメント(cytomic−realignment)により大きな重点を置くであろう。そのようなアプローチは、細胞がいかに働くかについて、細胞機能をいかに測定するかについて、および詳細において生体細胞をいかに特徴付けするかについてのこれまで以上の理解を必要とする。この難題に対応するためには、当技術においては、極めて繊細な単一細胞分析のための新しい技術および新しい分析ツールの開発が必要である。
【0006】
サイトミクスの主要な目的は、遺伝子制御メカニズム(すなわちゲノミクス、そのあるものが当技術においてサイトミクスを機能的ゲノミクスに関連付ける)により得られる、細胞(サイトム)と代謝経路(すなわち特定の細胞集団からのタンパク質の高速特定を可能にするプロテオミクス)との間の機能的関係性の発見である。サイトミクスにより、単に形態構造的、表現型または遺伝子型のデータではなく、機能データを取得するために、細胞から収集される情報量が拡大される。
【0007】
現行においては、サイトミクスの2つの主要な部門、すなわち分析細胞学および画像細胞学が存在する。第1の分析細胞学は、フローサイトメトリ、単一細胞分析システムおよび組織分析(細胞分離後の)などの従来的な分析技術からなる。第2の画像細胞学(および分析)は、「量的」蛍光分析、高スループット細胞培養分析、(96−384−1536ウェルプレート)、細胞毒性の薬剤効果分析、毒物学分析、アポトーシス分析、細胞増殖分析、細胞倍数性分析およびDNA配列分析などの技術からなる。典型的には、これらの技術は、単一細胞、組織および部位、ならびに3Dおよび4D細胞培養環境の両方における細胞培養システムに適用される。レーザスキャニングサイトメトリ(LSC)が、このタイプの分析のよく知られている例である。
【0008】
最高レベルでは、サイトミクスは、測定および検出を構造および機能に結びつけることによって、細胞レベルで技術を機能生物学にリンクさせる。この目的を達成するために、サイトミクスは、フローサイトメトリや画像サイトメトリなどのようなツールをプロテオミクスに組み合わせ、これによって、従来的なサイトメトリと非従来的なサイトメトリとが組み合わされる。同問題に対してこれほど多くの様々な測定技術を適用することによって、もはや情報科学は、サイトミクスにおいて二次的な役割ではなくむしろ一次的な役割を担う。例えば、典型的なフローサイトメトリシステムにおいては、出力チャネルごとに秒当たり120,000のイベントがあり、測定値が複数チャネルについて取得される。別の例は、細胞中の蛍光マーカを検出するために適用される高速度細胞培養プレートイメージングシステムによって提供される。
【0009】
HCSという語は、生体細胞を使用する分析を区別するために、および単一ポイント読出し(例えば高スループットスクリーニング(HTS)分析)を示すために使用され、これはしばしば、リガンド結合の生化学にもとづく。HCSは、ロボット工学、情報科学および最新のイメージングに細胞ベースアレイを組み合わせて、細胞形態構造および他の反応に関する豊富な詳細な情報を大量にもたらす。
【0010】
データを生成する多数の観察記録が、定量ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)から、フローサイトメトリまで、抗体染色まで、それらそれぞれの分野において既に十分に展開されている。このデータの取得のための様々なタイプの光学顕微鏡検査などの方法が、既に幅広く展開されている。おそらく、HCSに関する最も重要な画像取得方法は、細胞毒性、アポトーシス、細胞増殖および核−細胞質間輸送に関する薬剤効果分析を含む細胞イメージングに関する。しばしば、これらのアプローチは、蛍光タンパク質および染料にもとづく細胞センサを使用し、それにより、研究者が薬剤をスクリーニングし、ターゲットの特定および確認などのより複雑な生物学的問題に答えを出し、遺伝子およびタンパク質機能を調査することを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0129087号明細書
【特許文献2】米国特許第6,714,374号明細書
【特許文献3】米国特許第6,707,122号明細書
【特許文献4】米国特許第5,965,283号明細書
【特許文献5】米国特許第5,699,215号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Solinらによる「Enhanced room−temperature geometric magnetoresistance in inhomogeneous narrow−gap semiconductors」(Science、2000年、289頁、1530−32)
【非特許文献2】Solinらによる「Self−biasing nonmagnetic giant magnetoresistance sensor」(Applied Physics Letters、1996年、69頁、4105−4107)
【非特許文献3】Solinらによる「Geometry driven interfacial effects in nanoscopic and macroscopic semiconductor metal hybrid structures: Extraordinary magnetoresistance and extraordinary piezoconductance」(Proc.of the International Symposium on Clusters and Nanoassemblies、Richmond、2003年)
【非特許文献4】Roweらによる「Enhanced room−temperature piezoconductance of metal−semiconductor hybrid structures」(Applied Physics Letters、2003年、83頁、1160−62)
【非特許文献5】Solinらによる「Non−magnetic semiconductors as read−head sensors for ultra−high−density magnetic recording」(Applied Physics Letters、2002年、80頁、4012−14)
【非特許文献6】Zhouらによる「Extraordinary magnetoresistance in externally shunted van der Pauw plates」(Applied Physics Letters、2001年、78頁、667−69)
【非特許文献7】Moussaらによる「Finite element modeling of enhanced magnetoresistance in thin film semiconductors with metallic inclusions」(Physical Review B(Condensed Matter and Materials Physics)2001年、64頁、184410/1−184410/8)
【非特許文献8】Solinらによる「Room temperature extraordinary magnetoresistance of non−magnetic narrow−gap semiconductor/metal composites: Application to read−head sensors for ultra high density magnetic recording」(IEEE Transactions on Magnetics、2002年、38頁、89−94)
【非特許文献9】Pashkinらによる「Room−temperature Al single−electron transistor made by electron−beam lithography」(Applied Physics Letter、2000年、76頁、2256−58)
【非特許文献10】Branfordらによる「Geometric manipulation of the high field linear magnetoresistance in InSb epilayers on GaAs (001)」(Applied Physics Letters、2005年、86頁、202116/1−202116/3)
【非特許文献11】Roweらによる「A uni−axial tensile stress apparatus for temperature−dependent magneto−transport and optical studies of epitaxial layers」(Review of Scientific Instruments、2002年、73頁、4270−76)
【非特許文献12】Pashkinらによる「Room−temperature Al single−electron transistor made by electron−beam lithography」(Applied Physics Letters、2000年、76頁、2256)
【非特許文献13】M Sugawaraによる「Plasma Etching」(New York、Oxford、1998年)
【非特許文献14】Gammelmarkらによる「Multielement synthetic transmit aperturn imaging using temporal encoding」(IEEE Transactions on Medical Imaging、2003年、22頁、552−63)
【非特許文献15】Bracewell、RN「The Fourier Transform and its Applications」(New York、McGraw−Hill、1978年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
当技術における細胞イメージング技術の向上に対する要求に応えるための努力において、本発明者らは、本明細書において、分子コローカライゼーション、代謝状態および運動性の評価ならびに、細胞サイクル、テクスチャおよび形態構造の決定を可能にする、個々の細胞からの複数の測定値の同時獲得に適した、新しい、廉価な、使用が容易なイメージング技術を開示する。この技術は、HCSが可能であるだけではなく、HCSの出力にもとづくその後の高分解能イメージングのための単一細胞の選択もまた可能にする。生体内の細胞内状態を評価するための分析分解能を高めることによって、本発明者らは、本明細書において、培養中の細胞内の生物学的イベントの位置、タイミングおよび相互依存をたどるための手段を提供することによる生物学的分解能の向上を期待する。
【0014】
本発明は、本明細書における本発明者らの中の1名による先行研究を基礎とし、その研究では、ハイブリッド半導体/金属デバイスの異常磁気抵抗(EMR)特性および異常ピエゾコンダクタンス(EPC:extraordinary piezoconductance)特性を使用して、多様な用途に対して改良されたセンシング技術を展開した。EMRデバイスについては、例として、超高密度磁気読取りのための読取りヘッド、工作機械、航空機および自動車用の位置センサおよび回転センサ、折り畳み式携帯電話スイッチ、エレベータ制御スイッチ、発射体および宇宙船用の螺旋形発射装置などが含まれるが、それらに限定されない。EPCデバイスについては、例として、無数の圧力センサ、血圧モニタなどが含まれるが、それらに限定されない。「Extraordinary Piezoconductance in Inhomogeneous Semiconductors」と題される米国特許出願公開第2004/0129087号、米国特許第6,714,374号、米国特許第6,707,122号、米国特許第5,965,283号および米国特許第5,699,215号、Solinらによる「Enhanced room−temperature geometric magnetoresistance in inhomogeneous narrow−gap semiconductors」(Science、2000年、289頁、1530−32)、Solinらによる「Self−biasing nonmagnetic giant magnetoresistance sensor」(Applied Physics Letters、1996年、69頁、4105−4107)、Solinらによる「Geometry driven interfacial effects in nanoscopic and macroscopic semiconductor metal hybrid structures: Extraordinary magnetoresistance and extraordinary piezoconductance」(Proc. of the International Symposium on Clusters and Nanoassemblies、Richmond、2003年)、Roweらによる「Enhanced room−temperature piezoconductance of metal−semiconductor hybrid structures」(Applied Physics Letters、2003年、83頁、1160−62)、Solinらによる「Non−magnetic semiconductors as read−head sensors for ultra−high−density magnetic recording」(Applied Physics Letters、2002年、80頁、4012−14)、Zhouらによる「Extraordinary magnetoresistance in externally shunted van der Pauw plates」(Applied Physics Letters、2001年、78頁、667−69)、Moussaらによる「Finite element modeling of enhanced magnetoresistance in thin film semiconductors with metallic inclusions」(Physical Review B(Condensed Matter and Materials Physics)2001年、64頁、184410/1−184410/8)、Solinらによる「Room temperature extraordinary magnetoresistance of non−magnetic narrow−gap semiconductor/metal composites: Application to read−head sensors for ultra high density magnetic recording」(IEEE Transactions on Magnetics、2002年、38頁、89−94)、Pashkinらによる「Room−temperature Al single−electron transistor made by electron−beam lithography」(Applied Physics Letter、2000年、76頁、2256−58)、Branfordらによる「Geometric manipulation of the high field linear magnetoresistance in InSb epilayers on GaAs (001)」(Applied Physics Letters、2005年、86頁、202116/1−202116/3)および、Roweらによる「A uni−axial tensile stress apparatus for temperature−dependent magneto−transport and optical studies of epitaxial layers」(Review of Scientific Instruments、2002年、73頁、4270−76)を参照されたい。これらの各開示の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、本明細書において、上記に参照されるEMRセンサおよびEPCセンサを拡張して、ハイブリッド半導体/金属デバイスの付近にある対象物(体内または体外のいずれかにおける1つまたは複数の細胞などの)の様々な特性を示唆する電圧レスポンスを測定するために使用可能な複数の各ハイブリッド半導体/金属デバイスからなり、対象物特性の画像を生成可能なアレイを開示する。これらハイブリッド半導体/金属デバイスは、マイクロスケールまたはナノスケールによる複数のEXXセンサを備えてよい。好ましくは、これらのEXXセンサは、ナノスケールEXXセンサを含む。本明細書において使用される際に、「ナノスケール」は、少なくとも1つの寸法において約1000ナノメートルを超えない、EXXセンサの半導体部分および金属部分についての長さ、幅(または直径)および厚さの寸法を指す。本明細書において使用される際に、「マイクロスケール」は、少なくとも1つの寸法において約1000マイクロメートルを超えない、EXXセンサの半導体部分および金属部分についての長さ、幅(または直径)および厚さの寸法を指す。「EXXセンサ」という語は、ある特定のタイプの摂動に対する反応が異常界面効果XXまたは異常バルク効果XXを生じさせる半導体/金属界面を有するハイブリッド半導体/金属デバイスの部類を指す。界面効果またはバルク効果XXは、その用語が、当業界においては同一の摂動に対して、マクロスコピックデバイスによって実現されるものに比較して感度が何倍も上昇することを意味するものと理解されるため「異常」と呼ばれる。XX界面効果の例としては、本明細書における本発明者らの中の1名による先行研究により知られているMR(磁気抵抗)効果およびPC(ピエゾコンダクタンス)効果、ならびにEC(電子コンダクタンス)効果が含まれる。AC(音響コンダクタンス)効果は、EACデバイスおよびEPCデバイスの両方が同一の構造を有することが可能であるため、PC効果と事実上同一であるということに留意されたい。EACデバイスは、EPCデバイスの部類のサブセットと見なすことが可能であり、EACデバイスは、音波により生じるひずみ摂動に反応するように設計される。XXバルク効果の一例が、OC(光コンダクタンス)効果を含む。したがって、本発明の実施において使用するための適切なナノスケールEXXセンサの例としては、ナノスケールEMRセンサ、ナノスケールEPCセンサ、ナノスケールEACセンサ、ナノスケールEOCセンサおよびナノスケールEECセンサが含まれる。
【0016】
本発明者らは、本明細書において、イメージングアレイにおいてナノスケールEACセンサおよびナノスケールEPCセンサを使用することにより、従来の超音波または他のモードの検出器よりもイメージング分解能が改善され、信号対雑音比(SNR)が改善され、帯域幅がより高くなると考える。したがって、複数のナノスケールEACセンサおよび/または複数のナノスケールEPCセンサを有するアレイの使用を、生体外細胞イメージング、医療イメージング用の体内侵襲カテーテルベース用途、胃腸、前立腺または尿道/膀胱/尿管用途のための内視鏡イメージング、疾病特定のための経皮的医療イメージング、血清サンプル中の異常細胞の検出、音響イメージング、ナノ流体中の圧力感知、および小腸内部の血圧モニタリングなどを含む(それらに限定されない)、多数の用途のために用いることが可能である。
【0017】
さらに、本発明者らは、本明細書において、イメージングアレイにおいてナノスケールEOCセンサを使用することによって、細胞/組織中の蛍光の存在を示す個々の細胞または組織の超高分解能画像が生成され、癌の調査および癌治療、光学顕微鏡検査、光センサおよび光検出器、光増幅器、位置敏感型検出器ならびに位置および速度制御システムにおいて非常に有効となることが可能な結果がもたらされると考える。さらに、本発明者らは、イメージングアレイにおけるナノスケールEOCセンサについての他の使用例には、静電荷検出、EM放射センサおよびEKGセンサにおけるそれらの使用が含まれると考える。
【0018】
さらに、本発明者らは、本明細書において、イメージングアレイにおけるナノスケールEECセンサの使用により、1つまたは複数の生体細胞の表面上の電荷分布の超高分解能画像が生成され、癌転移および標的である薬剤供給のモニタリングに関して貴重な情報を、また経時的に細胞の電荷の推移を追跡するために経時的に一連のそのような画像を取得する場合には特に貴重な情報を提供することが可能となる結果がもたらされると考える。本発明者らは、本明細書において、電気泳動測定は、複雑な器具により左右され、空間分解能が不足するため、本発明のナノスケールEECセンサは、当技術において知られている従来の電気泳動技術に比べて著しくより正確で効果的な細胞電荷の測定を行う役割を果たすと考える。
【0019】
さらに、本発明者らは、本明細書において、イメージングアレイにおけるナノスケールEMRセンサの使用により、1つまたは複数の生体細胞の表面上の磁気抵抗の超高分解能画像が生成され、癌細胞中に埋め込まれるナノ磁気粒子により生成される磁場の調査のため、細胞内部を移動している磁気標識付けされたナノ粒子のモニタリングのため、または強制される磁気共鳴スピン方位の旋回の感知のために貴重な情報を提供することが可能な結果がもたらされると考える。
【0020】
おそらく本発明の最も有力な実施形態としては、本発明者らは、本明細書において、複数の様々なタイプのEXXセンサを有するマルチモーダルアレイを使用して、アレイによりイメージングされる1つまたは複数の細胞の様々な特徴を示す複数の画像を同時に(またはほぼ同時に)生成することが可能となることを予期する。例えば、複数のEOCセンサおよび複数のEECセンサを有するマルチモーダルアレイを用いることにより、細胞(または複数の細胞)による蛍光発光と細胞(または複数の細胞)の表面電荷との両方を示す複数の画像を同時に生成することが可能になる。このような画像は、ナノスケール分解能を呈する。本明細書において使用される際に、EXXセンサに関連して使用される「タイプ」という語は、センサが依存するXX界面効果またはバルク効果のタイプを指す。例えば、EACセンサは、EECセンサとは異なるタイプのものである。
【0021】
さらに、本発明者らは、本発明の実施において生成される超高分解能画像は、2次元画像であるのみならず、共焦点イメージング技術の使用により任意に3次元画像とすることも可能であることに注目する。
【0022】
以下、本発明のこれらのおよび他の特徴および利点が、当業者に対して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】例示のEMR/EPC/EAC/EOCセンサの斜視図である。
【図2】音響摂動源により摂動される例示のEACセンサの斜視図である。
【図3】光摂動源により摂動される例示のEOCセンサの斜視図である。
【図4】ベアGaAsセンサに対し分路化されたGaAs/InEOCセンサの光コンダクタンスを比較するグラフである。
【図5】GaAs/InEOCセンサにおいて観察されるEOC効果の温度依存性を示すグラフである。
【図6】リード形状をどのように調節することが可能であるかを示す、例示のEOCセンサの上面図である。
【図7a】様々な電圧リード形状について決定された、均一に照明されるEOCセンサに関する電圧応答計算を示す図である。
【図7b】様々な電圧リード形状について決定された、不均一照明を実現するように部分的に被覆されたEOCセンサに関する電圧応答計算を示す図である。
【図7c】Ymax/Xmax比に対する、不均一照明されるEOCセンサおよびベア半導体デバイスに関する電圧応答およびEOC応答の図表である。
【図8a】光によるEOCセンサの一部分の照明を妨げるカバーを有する例示のEOCセンサに関する上面図である。
【図8b】光によるEOCセンサの一部分の照明を妨げるカバーを有する例示のEOCセンサに関する側面図である。
【図9】例示のEECセンサの斜視図である。
【図10】例示のEECセンサについて分路と半導体との間で測定されるI−V曲線を示す図である。
【図11】例示のEECセンサについてのEEC測定値を示す図である。
【図12a】EXXセンサの例示のアレイの断面図である。
【図12b】図12aのアレイの斜視図である。
【図13】様々なピクセル形状を示す例示のマルチEXXセンサアレイについての概略図である。
【図14a】ナノセンサが複数のピクセルとして組織化される例示のアレイの上面図である。
【図14b】複数の様々なタイプのナノセンサに対応するピクセルの上面図である。
【図15a】様々なナノセンサをどのように合成ピクセルにグループ化することが可能であるかを示す例示のアレイの図である。
【図15b】様々なナノセンサをどのように合成ピクセルにグループ化することが可能であるかを示す例示のアレイの図である。
【図16a】組込み型マクロスケールPZTトランスデューサを有するEXXセンサの例示のアレイの断面図である。
【図16b】図16aのアレイの斜視図である。
【図17】ナノスケールEXXセンサのアレイを組み込む細胞培養皿の上面図である。
【図18】多重PZTトランスデューサの例示のピッチ−キャッチリニアアレイの図である。
【図19】ナノスケールEXXセンサを製造するための例示の方法を示す流れ図である。
【図20】複数の伝達アレイ素子に適用される合成開口集束技術を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、EMR、EPC、EACおよびEOCのタイプのナノスケールEXXセンサ100についての好ましい構造を示す。図1に図示されるように、ナノセンサ100は、半導体部分102および金属分路部分104を含むハイブリッド半導体/金属デバイスである。半導体102および金属分路部分104は、基板106上に配設される。半導体部分102と金属分路部分104とが共に、半導体/金属界面108を画定する。好ましくは、半導体部分102および金属分路部分104は、図1に図示されるように実質的に同一平面にある。さらに、半導体部分102および金属分路部分104は、基板106のように実質的に平行面内に位置すると好ましい。また、半導体/金属界面108の平面は、基板106の平面に対して実質的に垂直であると好ましい。図1のナノセンサ100の構造は、外部分路化されたファンデルポー(vdP:van der Pauw)プレートと呼ばれる。
【0025】
半導体部分102は、約1000nmの厚さを有する薄い半導体膜であると好ましい。しかし、例えば約25nmと約2000nmとの間の範囲内の厚さなど、他の厚さの値を使用することもできることを理解されたい。さらに、半導体膜102は、約100nmの長さおよび約50nmの幅を有すると好ましい。しかし、例えば下限がリソグラフィ能力のみによって制約を受ける任意のナノスケール値(現行では約5nmと考えられているが、時の経過および技術の向上によりこの下限はさらに低下し得る)など、半導体膜に関する他の長さおよび幅を使用することが可能であることに留意されたい。本明細書において使用される際に、「厚さ」という語は、図1に図示されるz軸に沿った寸法を指し、「長さ」という語は、図1に図示されるy軸に沿った寸法を指し、「幅」という語は、図1に図示されるx軸に沿った寸法を指す。
【0026】
金属分路104に関する寸法は、厚さが約1000nm、長さが約100nm、幅が約100nmであることが可能である。しかし、(1)例えば約25nmから約2000nmの範囲内の厚さなど、他の厚さの値を使用することが可能である、ならびに(2)例えば上述のように利用可能なリソグラフィ技術によってのみ最小値が制限される任意のナノスケールの長さまたは幅など、他の長さおよび幅を使用することが可能である、ということを理解されたい。また、半導体膜102に対する金属分路104の寸法は、連続的に変化可能であることが予期され、この関係が、デバイスについての充填率を規定することに留意されたい。また、半導体膜102の寸法に対して、分路の幅は、典型的には半導体膜の幅以下であることに留意すべきである。典型的には、分路の厚さは、半導体膜の厚さと同一であるが、分路は、半導体膜よりも薄くてよい(普通は、分路は半導体膜よりも厚くない)。
【0027】
好ましくは、基板106の寸法は、半導体膜および金属分路よりもはるかに大きい。基板106に関する寸法は、厚さが約400μmで、直径が約2インチであると好ましい。しかし、これらの値は、本発明の実施者の設計選択に応じて大幅に変わることが可能であることを理解すべきである。
【0028】
また、ナノセンサ100は、2つの電流リード110および2つの電圧リード112を含むと好ましい。これらのリードは、半導体膜102に接触するが、金属分路104には接触しない。また、これらのリードは、図1に図示されるように半導体/金属界面108の反対側の面上で半導体膜102に接触することが好ましい。リードの形状に関しては、2つの電圧リード112は、図1に図示されるように2つの電流リード110の間に配設されると好ましい。さらに、リード間の間隔は、ナノセンサ100の異常磁気抵抗/ピエゾコンダクタンス/音響コンダクタンス/光コンダクタンス効果を最大化するように選択されることが好ましい。
【0029】
EMRセンサおよびEPCセンサとして図1の構造を使用することは、上記で引用され参照により本明細書に組み込まれる特許および刊行物において説明されるように、当技術において知られている。しかし、それらの動作原理を簡単に繰り返して述べる。図1のハイブリッド半導体/金属デバイス100の4−リード有効抵抗は、Reff=V23/I14であり、ここでIおよびVは、それぞれ電流リード110および電圧リード112を表す。Reffの値は、金属104および半導体102の相対導電率(典型的にはσmetal/σsemiconductor>1000)、界面108の抵抗、ならびに電流リードおよび電圧リードの特定の配置(リード形状)に左右される。ハイブリッド半導体/金属デバイス100が非被摂動状態にある場合に、高導電性金属は、界面108の抵抗が十分に低く、Reffが金属のそれに近いことが可能である条件においては、有効な電流分路として作動する。しかし、磁場、圧力/ひずみまたは温度における変化などの比較的に小さい摂動がハイブリッド半導体/金属デバイス100に加えられる場合には、半導体102のバルク抵抗および/または界面108の著しい抵抗変化が誘発される可能性があり、随伴的に、界面108の間の電流が著しく変化する。これらの誘発される変化は、電流が電流リード110を介してハイブリッド半導体/金属デバイス100に供給される際に電圧リード112からの出力電圧信号により容易に測定することが可能なReffにおける比較的大きな変化として現れる。
【0030】
図2は、図1のセンサ100のEACセンサとして使用を示す。EACナノセンサについては、測定可能な電圧応答をもたらす摂動は、音波202である。音響摂動源200からの音波202は、異常ピエゾコンダクタンス効果により測定可能な電圧をもたらす界面108でのひずみを生じさせる。このように、EACセンサは、EPCセンサに非常に類似している。好ましくは、音波202の方向は、概してz軸に沿う(または、半導体膜102および金属分路104の平面に対して垂直である、または界面108の平面と実質的に同一面内にある)と好ましい。
【0031】
EAC/EPCセンサについては、半導体/金属界面108は、電流に対するショットキー障壁を生成する。界面108の方向に沿った引張(圧縮)ひずみが原子間隔を広げ(狭め)、それにより障壁の高さを高める(低くする)。障壁を通過するトンネル電流は障壁の高さに指数関数的に左右され、このトンネル電流における任意の変化はEAC構造により増幅されるため、小さなひずみが大きな電圧変化/信号をもたらす。本発明者らによる実験により、9/16の充填率により構造が特徴付けられるEPCセンサに対してピエゾコンダクタンスが最大になることが明らかになった。米国特許出願公開第2002/0129087号を参照されたい。
【0032】
本発明の実施において使用することが可能な音響摂動源の例には、走査型超音波顕微鏡(SAM)、合成開口集束技術(SAFT)を使用する超音波エミッタ、フェーズドアレイトランスデューサまたは単一素子集束もしくは非集束超音波トランスデューサを用いる医用画像機器、衝撃波デバイス、中高強度集束超音波アレイ、あるいは細胞および組織中に機械的波動を誘起することが可能な代替源が含まれる。例としては、音響摂動の特徴は、極超短波(UHF)帯の間の周波数(300MHzから3GHz、5μmと500nmとの間の波長に相当)、超高周波(SHF)帯の下方部分の周波数(3GHzから30GHzまで、500nmから50nmまでの波長に相当)が可能である。
【0033】
図3は、図1のセンサ100のEOCセンサとしての使用を示す。EOCナノセンサについては、測定可能な電圧応答をもたらす摂動は、光302である。半導体膜102および金属分路104の露光面に衝突する光摂動源300からの光302は、異常光コンダクタンス効果により測定可能な電圧をもたらす。好ましくは、光302についての伝播方向は、概してz軸に沿う(または半導体膜102および金属分路104の平面に対して垂直である、または界面108の平面と実質的に同一面内にある)。しかし、以下に述べるように、EOCナノセンサのサイズが低下すると、光は、EOCナノセンサが小サイズであることにより、EOCナノセンサをさらに均一に照明する。
【0034】
光摂動源300は、レーザ発光デバイスやさらには蛍光発光を伴う細胞(フッ素ベース造影剤の添加により発光されるものなど)などの、任意の発光源であることが可能である。さらに、摂動光は、赤外から紫外範囲におよぶ数百ナノメートルの測定波長を有する電磁放射であることが可能である。
【0035】
図4は、(1)波長476nm、直径10μm、15Kで電力5mWの集束Arイオンレーザビームに露光された場合のマクロスコピックGaAs−In半導体/金属ハイブリッドEOCセンサ100(半導体膜102がGaAsを含み、金属分路104がInを含む)の光応答(上方パネル)、ならびに(2)同一のレーザ放射に対するマクロスコピックベアGaAs(In分路を有さない)の光応答(下方パネル)を示す。図4は、複数の離散走査z位置について、EOCセンサ100のx軸に沿ったレーザビームの走査位置に対する光コンダクタンスを図表化し、ここでx方向およびy方向は、図4の差込み図により特徴付けされる。図4のパネルは、EOCセンサの3つの注目に値する特徴、すなわち(1)出力電圧信号増幅が電圧プローブ112付近でピークに達する(電圧プローブ112の位置に対応するx軸上の位置での電圧応答におけるピークを参照)、(2)電圧応答がベアGaAsに対してよりも分路化されたEOCセンサに対しての方がはるかに大きい(〜500%)(それによりEOC効果を示す)、ならびに(3)レーザの焦点がIn分路の方にz方向(図3のセンサ100においてはy軸方向になる)に移動すると出力電圧信号増幅が低減する、を示す。
【0036】
これらのEOC効果は、以下のように理解することが可能である。レーザ摂動は、半導体膜102によって吸収され、周囲「暗」密度よりもはるかに大きな非常に高密度の電子正孔対を生成する。電子が、はるかに高い移動度を、したがって正孔よりもはるかに大きな平均自由行程を有するため、電子は、金属分路104によって効率的にグラウンドに短絡され、センサ100の表面上に衝突するレーザビームの中心から径方向に外方に広がる余剰正孔の正電荷領域を残す。この余剰正孔電荷は、レーザビームがX方向に沿ってプローブ112を通過する際に、強調された信号をもたらす、電圧リード112での追加的な電場を生成する。しかし、余剰正電荷の領域が、Z方向(または図3のy軸)に沿って分路104のさらに近くに移動すると、ますます多くの正孔もグラウンドに短絡され、余剰が低減する。これにより、Z方向レーザ衝突の上昇に伴う信号の低下がもたらされる。この低下にさらに寄与するものが、これらの電圧接点からレーザスポットのZ方向距離を有する電圧接点での余剰正孔誘起される電場の低減からもたらされる。分路104がない場合には、電子は、グラウンドに効率的に短絡されることが不可能となり、レーザスポットの領域内の余剰正(正孔)電荷の量が、著しく低下する。
【0037】
図5は、図4のセンサについてのEOC効果の温度依存性を図表化する。GaAsデバイスについては、余剰電子が金属分路104に達し、金属分路104によって短絡されるのに十分な余剰電子の平均自由行程の長さとなるのは低温時であるため、EOC効果は低温で最も際立つ。キャリア平均自由行程は、非温度依存である、正孔については温度に対して反比例的に変動するキャリア移動度に比例する。また、図5の図表は、l/T(Tはサンプル温度°Kである)として変動する関数を有するデータに対する最小二乗適合を示し、それによりEOC効果の温度依存性を示唆する。この分析にもとづき、我々は、EOCセンサについて、直接ギャップであるがナローギャップの半導体(室温での移動度がGaAsの70倍であるInSbなど)および/またはナノスコピック構造体を使用することにより、EOC効果が室温で実現されるはずである、と結論付ける。
【0038】
また、出力電圧の任意の熱ドリフトを緩和するために、InSb半導体をSiまたはTeドナーでドープして、飽和(例えば非温度依存)領域における外来キャリア高密化を実現することが可能である。
【0039】
また、本発明者らは、EOCセンサのサイズが小さくなると、光摂動源により行われる照明がEOCセンサ上で事実上均一になることが達成されることに注目する。この均一性は、X位置に関する図4の図表と事実上結びつくように作用し、これは、EOCセンサからの電圧応答の強度において著しい低下をもたらす。
【0040】
この問題に対する1つの解決策は、x軸に沿ってリード110および/または112を非対称に配置することである。一実施形態においては、このような非対称配置を、x軸に沿って電圧リード112のみを非対称に配置することによって実現することが可能である。図6は、半導体部分102、金属分路部分104ならびに電圧リード1121および1122(それぞれ図3のリードV2およびV3に相当する)を示す例示のEOCセンサ100の上面図を示す。x軸に沿った電圧リード112の位置が、図6に示され、半導体102についてのx軸に沿った全距離が、Xmaxで示される。図6のx軸に沿った一番左の位置を起点として用い、x軸に沿った一番右の位置を値Xmaxとして用いると、電圧リード1121のx軸位置はx1で表され、電圧リード1122のx軸位置はx2で表されることが分かる。電圧リードは、x1およびx2がx2=Xmax−x1となるような値を示す場合には、対称であると呼ばれる。EOCセンサ100の電圧応答を向上させるためには、電圧リード112をx軸に沿って非対称位置に配置することが好ましい。
【0041】
図3および図6に図示される電圧リード1121と1122との間の電位V23は、電荷への距離にわたる表面電荷密度の積分として計算することが可能である。
【数1】
ここで、Ymaxは半導体部分102についてのy軸に沿った長さであり、σ(y)は表面電荷密度を示し、ε0は自由空間の誘電率を示す。表面電荷密度σ(y)は、任意の数の方法でモデル化することが可能である。例えば、あるモデルにおいては、均一照明が一様電荷密度を生成し、これは、以下のように表すことが可能であるものとして仮定する。
【数2】
ここでCtotalは全電荷を表し、θは階段(ヘビサイド)関数を表し、因数1/2は、分路104への近接により、より多くの移動電子がより効率的に地絡されるため、正味の正電荷が増加されることから導き出され、パラメータys(図6を参照)は関心対象材料の固有の微分移動度を示す。大きいysの値は、全移動キャリアが分路104を介してグラウンドへのアクセスを有することを示唆し、小さいysの値は、限定数の移動キャリアが分路を介してグラウンドへのアクセスを有することを示唆する。このモデルにおいては、ysは、電子がグラウンドに事実上分路されていると見なされる、図6に図示されるy軸に沿った距離であることが可能である。
【0042】
実験的に測定されたV23(y)データにσ(y)を適合させることによって、表面電荷密度についての別のモデルを作成することが可能である。Xmax=10mm、x1=3.4mm、x2=6.6mm、Ymax=1mmの値に対して集束されるレーザスポットに露光される縮退ドープGaAsを使用するEOCセンサ100に関してV23を測定した実験においては、様々な値のx1およびx2に対するV23の値は、40μm平方(これはレーザスポットの直径に対応する長さの近似値である)にわたる積分のx限度およびy限度を有するV23について、上述の公式を使用して計算することが可能である。このような実験により得られるV23データは、V23(y)がガウス近似であることを示唆するため、V23についての上述の公式における被積分関数は、y×exp(−y2)の形でなければならない。l/y位置依存性であることを念頭に置くと、実験的適合σ(y)の値は以下のように求めることが可能である。
【数3】
ガウス適合の有効半径rhは1.5mm、オフセットyhは−0.88mmであることが可能である。
【0043】
図7aの図表は、一様電荷密度、固定ysが0.5mm、Ymax/Xmax比が1/10と仮定したEOCセンサ100の計算された電圧出力V23を示す。様々なリード位置x1およびx2が、xy面上に示され、電圧は、縦座標上に示される。この図表においては、電圧応答の対称性が明らかである。この図表においては、最適なリード位置は、(x1、x2)が、(0mm、5mm)および(10mm、5mm)の位置であると確定することが可能であり、これらの位置で電圧応答は最大になる。一方のリードがXmax距離の中間に位置し、他方のリードがXmax距離の両端に位置するこれらの位置は、中間リードが、最小電荷へのアクセスを有する端部上のリードと比較して、最大電荷の最も近くに位置するものとして定性的に理解することが可能である。
【0044】
また、別の実施形態においては、非対称リード配置は、x軸に沿って電流リード112のみを非対称に配置することにより実現することが可能であることに留意されたい。さらに、非対称リード配置は、x軸に沿って電流リード110および電圧リード112の両方を非対称に配置することにより実現することも可能であることに留意されたい。
【0045】
均一照明の問題に対する別の解決策は、図8a(上面図)および図8b(側面図)に図示されるように、カバー800を使用して光摂動にさらされるEOCナノセンサの一部分を遮蔽することである。このように、非均一照明は、半導体102および金属分路104の露出面の光の一部による摂動を妨げることによって実現することが可能である。例えば、カバー800を使用して、他の場合には露出される半導体102および金属分路104の面の半分をブロックすることが可能である。カバー800は、カバー800の底面について、絶縁体(例えばSiO2など)の薄膜(例えば20nmなど)層などの材料から形成することが可能であり、カバー800の露出面としての任意の金属からなるさらに厚い層(例えば50nmまたはそれ以上)が後に続く。別の例としては、カバー800は、任意の不透過性絶縁体の単一層(例えば50nm層など)から形成することが可能である。
【0046】
図7bの図表は、一様電荷密度、固定ysが0.5mm、Ymax/Xmax比が1/10と仮定したEOCセンサ100の計算された電圧出力V23を示し、カバー800が、EOCセンサ100の露出面の半分をブロックするために使用される。様々なリード位置x1およびx2が、xy面上に示され、電圧は、縦座標上に示される。分かるように、図7aの図表に見られる減損を伴うことなく、対称リードを使用することが可能である。
【0047】
均一な照明下におけるEOCセンサの電圧応答を上昇させるのに結果有効(result−effective)である別の構造パラメータは、Ymax/Xmax比である。これは、図7cにおける例により理解することが可能である。図7cは、Ymax/Xmax比に対する均一照明されるEOCセンサからの計算された出力電圧の図表を示す。また、図7cは、EOC応答の図表を示し、EOC応答は、ベア半導体センサの出力電圧と比較した、EOCセンサの測定された出力電圧におけるパーセント差として規定される。また、図7cは、Ymax/Xmax比に対するベアデバイスについての電圧応答を示す。
【0048】
図9は、ナノスケールEECセンサ900についての好ましい構造を示す。図9に図示されるように、ナノセンサ900は、半導体部分902および金属分路部分904を含むハイブリッド半導体/金属デバイスである。金属分路部分904は、半導体部分902の表面上に配設され、半導体部分902は、金属分路部分902と基板906との間に挟まれるように、基板906の表面上に配設される。図9に図示されるように、金属分路部分904、半導体部分902および基板部分906は、実質的に平行面内に位置すると好ましい。金属分路部分904と半導体部分906との接触部分が共に、半導体/金属界面908を画定する。したがって、図1のナノセンサ100とは異なり、ナノセンサ900の半導体/金属界面908の平面は、金属分路/半導体/基板の平面と実質的に平行である。
【0049】
半導体部分902は、約1000nmの厚さを有する薄い半導体膜であると好ましい。しかし、例えば約25nmと約2000nmとの間の範囲内の厚さなど、他の厚さの値を使用することが可能であり、厚さの値は、熱雑音低下および信号対雑音比における改善のために入力抵抗を低減させるように選択されることを理解されたい。さらに、半導体膜902は、長さが約100nmであり、幅が約50nmであると好ましい。しかし、例えば下限がリソグラフィ能力のみによって制約を受けるナノスケールの長さおよび幅など、半導体膜902の他のナノスケールの長さおよび幅の値を使用することが可能であることに留意されたい。
【0050】
金属分路904についての寸法は、厚さが約1000nm、長さが約100nm、幅が約50nmであると好ましい。EECナノセンサについては、金属分路904の幅および長さは、半導体膜902の幅および長さ以下であり、それを超過しないことが好ましい。しかし、やはり、他の厚さ(例えば、約25nmから約2000nmの範囲内の任意の値などで、厚さの値は、熱雑音低下および信号対雑音比における改善のために入力抵抗を低減させるように選択される)を使用することが可能であることを理解されたい。また、分路のナノスケールの長さおよび幅も、半導体膜の長さおよび幅を超過しないように選択される他の値であることが可能であり、下限はリソグラフィ能力のみによって制約を受ける。
【0051】
好ましくは、基板906の寸法は、半導体膜902の寸法を支持するように適切にサイズ設定され、そのため典型的には、基板906は、半導体膜および金属分路よりもはるかに大きい。基板906についての例示の寸法は、好ましくは厚さが約400μmであり、直径が約2インチである。しかし、他の寸法を使用することが可能であることを理解されたい。
【0052】
また、ナノセンサ900は、2つの電流リード910および2つの電圧リード912を含むと好ましい。これらのリードは、半導体膜902に接触するが、金属分路904には接触しない。また、これらのリードは、図9に図示されるように、半導体膜902のxz厚さに沿った表面上で半導体膜902に接触することが好ましい。リードの形状については、2つの電圧リード912は、図9に図示されるように、2つの電流リード910の間に配設されると好ましい。さらに、リード間の間隔は、ナノセンサ900の異常電子コンダクタンス効果を最大化させるように選択されることが好ましい。
【0053】
図9のEECナノセンサについては、外部摂動電場がない場合には、電流リードI1で入り電流リードI4から出るバイアス電流は、半導体膜902よりもはるかに高い導電性のため、金属分路904を主に通り流れる。しかし、金属分路904にアクセスするためには、この電流は、材料の適切な選択により、界面908でショットキー障壁をトンネル通過しなければならない。このトンネル電流は、障壁に印加される外部バイアスに対して指数関数的に変動する。したがって、摂動電場が界面908(EECセンサの表面上に配設される癌細胞の表面電荷など)に衝突すると、次いで摂動電荷は、界面908に対して垂直になる。この摂動場は、金属分路904上の表面電荷の再分布を生じさせ、ショットキー障壁に印加されるバイアス場をもたらす。結果的に得られるトンネル電流の指数関数的変化は、半導体902と金属分路904との間の電流の再配分を生じさせ、これは、電圧リード912間で測定される電圧における大きな検出可能な変化をもたらす。
【0054】
本発明者らは、以下のように癌細胞から期待することが可能な電場の大きさを推定した。体内の正常な細胞は負の電荷を有することが、一般的には主張され、−100から−10mVの間の値(これは電荷に対する正確な単位を有さない)が、その文献中で挙げられる。これらの電圧値は、電気泳動測定を使用して求められ、電気泳動測定は、実際の細胞電荷に間接的に関連付けられるにすぎない。しばしば、これらの「電荷」測定は、Zeta−Sizerなどのターンキーデバイスを使用して行われ、Zeta−Sizerは、(緩衝溶液中に懸濁している)電場中の帯電粒子のドリフト速度を測定するために散乱するレーザ光を使用することにより作動する。直接測定される量は、
v=μE
により与えられる速度vであり、ここでEは印加される場(典型値はΕ〜10−1V/m)であり、μは電気泳動度であり、導き出される量は、帯電粒子の特性に左右される。細胞のサイズに近いサイズを有する粒子については、
μ=εrε0ζ/η
(Smoluchowskiの公式)となり、ここでεrは比誘電率であり、ηは粘度であり、ε0は真空内の誘電率であり、ζはZeta電位である。典型的な測定値については、ζ〜10−2から10−1Vであり、η〜10−3Pasであり、εr〜80であり、これはμ〜0.7−7.0×10−8m2s−1V−1を示唆し、これは、典型的な場であるE〜10−1V/mにおいては、
v=μE=(0.7×10−8m2s−1V−1から7.0×10−8m2s−1V−1)×(10−1v/m)=0.7×10−9ms−1から7.0×10−9ms−1
を示唆する。粒子が小さいものと仮定すると、粒子が受ける電気的な力Fは、
F=E×q
であり、ここでqは粒子上の全電荷である。これは、半径がRで、速度vで移動する小球状粒子については、
F=6πηRv
により与えられる懸濁化剤の粘性抵抗により平衡され、これは乱流を防ぐのに十分な低さである。典型的な細胞径であるR〜10−5mを条件とし、vおよびηについては上記で挙げた典型的な値を使用すると、
F〜6πηRv=6π×10−3Pas×10−5m×0.7−7.0×10−9m/s=1.3−13×10−16N
となる。この値を上述のF=Eqに挿入し、典型的な値であるE〜10−1V/mを使用することにより、
F:(1.3×10−16Nから1.3×10−15N)≒10−1(V/m)xq
が与えられ、これは、q=1.3×10−15から13×10−15クーロンとしてとして解かれる。この電荷が細胞の表面上にあると仮定した場合には、これは、100V/cmから1000V/cmのオーダの標準電場を生成する。本発明者らは、この範囲内の場は、金属分路と出力電流リードとの間に0.5Vの順方向バイアス電圧が印加されるナノスケールEECセンサ900において、27から−270μVの出力電圧を生成すると推定する。したがって、半導体/金属界面908で表面電荷誘起されるバイアス場は、EECセンサの電圧応答において容易に検出可能であるはずである。
【0055】
さらに、EECナノセンサのショットキー障壁が、半導体/金属界面908の化学不純物により有害的に摂動される場合には、本発明者らは、この障壁に順方向バイアス電圧を印加することがこの問題を緩和するはずであると考える。
【0056】
図10は、図10の差込み図中に示されるように、GaAsとInとの間にショットキー障壁界面を有するEECセンサ900について水平構造体の、測定された電流−電圧図表を示す。このEECセンサの寸法は、それぞれx、yおよびz軸について、60μm×30μm×50nmであった。この図表より、0−0.5Vの範囲内の順方向バイアス(正)電圧では電流の指数関数的上昇があり、この電流は約−1.5Vまでの逆方向バイアス範囲においてはゼロであると指摘することが可能である。より高い逆方向バイアスでは、電流リークが図10に示されるように生じる。
【0057】
図11は、図11の差込み図中に図示される円形EECセンサの測定されたEEC特性を示す。これらのEEC測定は、図11に示されるように、構造充填率であるα=r/R(図11の差込み図を参照)と、−1050V/cmから+450V/cmの範囲内の場に対するショットキー障壁への直接順方向および逆方向バイアスとに関して行われる。既知の全電荷である〜1×10−15クーロンによる癌細胞の表面での場の推定値は、102−105V/cmの範囲内となることを指摘することが可能である。この関連で、EEC効果の定量測度として、EEC効果を
【数4】
として定義することが可能である。ここで、GはEECセンサのコンダクタンスであり、「場を伴って(with field)」はEECセンサを摂動する外部場(例えば癌細胞の表面により生成される場など)が存在する状態で、という意味である。
【0058】
図11において分かるように、EECは、順方向および逆方向の両バイアス方向において充填率により大きく左右され、増加し、順方向における飽和に関して50%を超過する値に達する。ショットキー障壁の特性を調整するためにSiで半導体902を選択的にドープすることにより、EECセンサの性能のさらなる改善を見込むことが可能である。
【0059】
これらのナノスケールEXXセンサに関して、半導体材料、金属分路材料および基板材料の様々な組合せを選択することが可能である。
【0060】
EMRナノセンサについては、適切な半導体材料の例としては、InSb、InAsおよびHg1−xCdxTeが含まれ、または任意のナローギャップ半導体が含まれ、適切な金属の例は、Auまたは任意の良質の非磁性金属である。EMRナノセンサについての適切な基板材料の例としては、高絶縁性ワイドギャップ半導体または絶縁体が含まれ、好ましい材料は、特性およびコストの両方において有利であるためGaAsである。
【0061】
EPCナノセンサおよびEACナノセンサについては、適切な半導体材料の例としては、GaAs、InAsまたは他のIII−V族半導体が含まれ、適切な金属の例としては、Auまたは任意の高導電性金属が含まれる。EPC/EACナノセンサ用の基板材料に関しては、基板材料の選択肢は、センサに対する摂動のタイプにもとづいて様々であってよい。例えば、高周波で大振幅の音響信号を検出するためにはGaAsなどの「剛性」基板を選択することが可能であり、他方では小振幅の低周波信号に対してはGaSbがより望ましい選択肢となる。また、信号選択性は、基板の寸法または構造特性の賢明な設計により調整することが可能であり、例えば、長く薄く狭い基板は、弱い音響摂動に対して線形的に応答するが、他方で厚い基板は、より強い音響摂動に対してより線形的に応答する。基板および半導体膜が共にGaAs材料から構成される場合には、半導体膜において使用されるGaAsは、基板において使用されるGaAsとは異なる不純物濃度を有するべきである。
【0062】
EOCナノセンサについては、適切な半導体材料の例としては、GaAs、InSbおよび他の直接ギャップ半導体が含まれ、適切な金属の例としては、Inまたは任意の高導電性金属が含まれる。適切な基板材料の例としては、GaAsおよび他の高抵抗材料が含まれる。基板および半導体膜が共にGaAs材料から構成される場合には、やはり、半導体膜において使用されるGaAsは、基板において使用されるGaAsとは異なる不純物濃度を有するべきである。
【0063】
EECナノセンサについては、適切な半導体材料の例としては、GaAsおよび他のドープ半導体が含まれ、適切な金属の例としては、Auまたは任意の他の高導電性金属が含まれる。適切な基板材料の例としては、GaAsまたは任意の適切な絶縁性の基板材料が含まれる。基板および半導体膜が共にGaAs材料から構成される場合には、やはり、半導体膜において使用されるGaAsは、基板において使用されるGaAsとは異なる不純物濃度を有するべきである。
【0064】
EXXナノセンサへの電流の供給に関して、適切なバイアス電流は、用途および実際のEXXセンサのタイプに応じて、マイクロアンペアまたはミリアンペアの範囲内であることが好ましい。
【0065】
図1〜図9に関連して上述されたナノセンサは、図12aおよび図12bに図示される複数のナノスケールEXXセンサ1202のN×Mアレイ1200を生成するように組み合わせることが可能である。NおよびMの値は、本発明の実施者により、ナノスケールEXXセンサの使用意図にもとづく設計選択のとおりに選択することが可能である(例えば、4×4、16×16、2×20、64×64などで、上の値は製造能力のみによって制約を受ける)。例えば、本発明者らは、現行のデジタルディスプレイ技術から判断されるナノセンサマトリクス寸法は、640×480、800×600、1024×768、1600×1200、2048×1536および3200×2400も可能であると予期する。これらのナノスケールEXXセンサ1202は、SiO2基板などのアレイ基板1204上に配設することが可能である。基板1204の好ましい厚さは、約400μmであるが、他の厚さを使用することが可能である。個々のナノスケールEXXセンサの電圧リードおよび電流リードは、説明の容易化のために図12aおよび図12bにおいては図示されないことに留意されたい。また、特に多数のナノセンサを有するアレイ(図13を参照)について、アレイ1200中のナノセンサ1202のマトリクスからアドレス指定する行/列ピンアウト配列についてのビア設計を使用することが可能であることに留意されたい。図13に図示されるアレイ構造については、EXXセンサ1202についての4−リードのそれぞれが、個別にアドレス指定可能なものであることが可能であり、それによりn×nアレイに対して4n2のピンアウトがもたらされる。さらに、これらのリードは、選択的に組み合わせて、n×nアレイに対して3n+1のピンアウトへの削減をもたらすことが可能である。
【0066】
また、個々のEXXセンサが基板1204と同一の材料からなる基板106を有するように設計される場合には、アレイ1200上に配置されるEXXセンサ1202は、この場合には基板1204の材料が適切な基板として機能することが可能であるため、基板106を含む必要がないことに留意されたい。しかし、基板材料が異種のものである場合には、個々のEXXセンサ1202は、それら自体の基板106を含むことが好ましい(例えば、EXXセンサ1202がGaAs基板106を有し、他方でアレイ1200がSiO2基板1204を有する場合)。好ましくは、アレイ1200は、EXXセンサ1202間に狭い間隔を呈する。例えば、約50nmから約1000nmの範囲内となる間隔値を使用することが可能である。
【0067】
EXXセンサのタイプ(または複数のタイプ)の選択および、EXXセンサのタイプ(または複数のタイプ)のアレイ1200上での配置は、大きく変更可能であることが可能である。例えばアレイ1200は、単一タイプのナノスケールEXXセンサ1202のみを含むことが可能である(例えば、EACセンサのみのアレイ、EOCセンサのみのアレイ、EECセンサのみのアレイなど)。また、アレイ1200は、ナノスケールEMR/EPC/EAC/EOC/EECセンサ1202の任意の組合せなど、複数の様々なタイプのナノスケールEXXセンサを含むことが可能である。複数の様々なタイプのEXXナノセンサ(EAC/EOC/EECナノセンサなど)を1つのアレイに組み込むことにより、LSCのように、電荷および蛍光イメージングの出力にもとづいて細胞の予期される疑問についてのHCSを実施することが可能なスクリーニングシステムが提供される。しかし、音響サブシステムの分解能は、光学顕微鏡検査から得られるもの以上であり、デジタル化された超音波波形の時間軸が、現行で入手可能な臨床用超音波システムを用いての器官構造のイメージングに非常に類似する、分散関係によりイメージングされる細胞への距離にマッピングすることが可能な情報を含むため、容積データをさらに提示する(すなわち一度に単一の焦点面に限定されない)。このタイプの計装は、ナノスケール音響顕微鏡検査にもとづく容積データの同時取得、高価な高強度光源を必ずしも必要としない現行の光学顕微鏡検査よりも高い分解能、電気泳動技術に固有の複雑さおよび曖昧さを伴わない高精度および高分解能表面電荷測定、ならびに高分解能で低ノイズの蛍光イメージングなどの、現行のサイトメトリ/顕微鏡検査器具では得ることのできない複数の利点を提供する。
【0068】
また、アレイ1200は、図14aに図示されるように、複数のピクセル1400にさらに細分化されるものとして見なすことが可能であることに留意されたい。各ピクセル1400は、1つまたは複数のナノセンサ1202を含むことが可能である。例えば、図14(b)に図示されるように、ピクセル1400は、4つのナノセンサのタイプ「A」「B」「C」「D」(ここで、タイプ「A」はEOCナノセンサに対応し、タイプ「B」はEPCナノセンサに対応し、タイプ「C」はEECナノセンサに対応し、タイプ「D」はEMRナノセンサに対応することが可能である)などの複数の様々なタイプのナノセンサ1202を含むことが可能である。ピクセル1400内の様々なタイプのナノセンサのこのようなグループは、ナノセンサの電圧応答に対して信号加算平均技術を使用することにより、アレイ1200の感度を向上させるのに有効となることが可能である。
【0069】
同様に、合成ピクセルを形成するために、ピクセル1400またはその一部分を他のピクセル1400またはその一部分と共にグループ化することが可能であることに留意されたい。例えば、図15aは、図14bに図示される配置の4つのピクセル1400のグループ化により形成される合成ピクセル1500を示す。さらに、合成ピクセル1500は、1つのタイプのナノセンサのみから形成することが可能である(例えば、図15(a)において太字表記により示されるような、4つのピクセル1400内の「A」タイプナノセンサのみなど)。やはり、合成ピクセルのこのような配置は、信号加算平均技術の使用により感度を向上させるのに有効となることが可能である。
【0070】
図15bは、直線状に配置される同一タイプの複数のナノセンサから形成され、複数のピクセル1400の長さ(例えば合成ピクセル1502内に太字で示される「A」タイプのナノセンサなど)を有する合成ピクセル1502の一例を示す。また、図15(b)は、合成ピクセル1502に対して直角に直線状に配置される同一タイプの複数のナノセンサから形成され、複数のピクセル1400の長さを有する合成ピクセル1504の一例を示す。合成ピクセル1502および1504などの配置された合成ピクセルは、光信号の位相型イメージング、偏向された光の偏光、または使用されるナノセンサのタイプに応じた様々な音響モード(例えばシアープレートモード、横プレートモード、種々のプレートモードなど)の検出に有効であることが可能である。
【0071】
1つまたは複数の細胞などの対象物が、EXXセンサ1202の露出面上のアレイ1200に接触するように置かれ、アレイのEXXセンサ1202が、摂動されると、種々のEXXセンサ1202の電圧応答は、信号処理装置(図示せず)を含む受信器電子機器により、測定し、デジタル化し、保存し、および処理することが可能である。次いで、電圧応答の収集されたものが、EXXセンサ間の空間関係にもとづいて選択的にピクセル化されて、対象物の1つまたは複数の特性を示す対象物の画像を生成することが可能となる。単一モード画像およびマルチモーダルパラメータ化画像は共に、種々のタイプのナノセンサからの出力を重ね合わせ組み合わせることによって生成することが可能である。アレイのEXXセンサがナノスケールであるため、結果的に得られる画像もまたナノスケールの分解能を呈する。さらに、各ナノスケールEXXセンサ1202は、データ取得速度(単位時間当たりの対象物の所与の区域のフレームのイメージング)を高めることを可能にするように、受信器電子機器による個別にアドレス指定可能であることが可能である。また、細胞の成長能力およびアレイ表面への付着能力を強化するために、1つまたは複数の細胞がアレイに接触するアレイの露出面を、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コラーゲンなどのタンパク質、あるいはポリ−L−リジンまたはシランなどのタンパク質類似物質で被覆することが可能であることに留意されたい。
【0072】
例えば、アレイ1200が複数のEACセンサおよびEECセンサ1202から構成される場合には、細胞がこのアレイの上に配置された後に、アレイは、ナノスケール分解能を有する細胞の超音波画像を生成することが可能なEACセンサから電圧応答を取得するために、音波により摂動させることが可能である。同時に、アレイ1202上のEECセンサは、細胞自体からの表面電荷によって摂動して、ナノスケール分解能を有し細胞上の電荷の空間分布を示す画像を生成することが可能なEECセンサからの電圧応答を生成することが可能である。さらに、細胞からの表面電荷はEACセンサを摂動させる傾向がないため、ならびに音波はEECセンサを摂動させる傾向がないため、EECセンサとEACセンサとの間のクロストークを最小化させることが可能であり、細胞の複数の特性の画像を同時に生成することが可能である。
【0073】
しかし、アレイ1200がEAC/EPCセンサおよびEOCセンサを共に含む場合には、クロストークが生じ、光摂動によってEACセンサにおいて望ましくない電圧応答が生じ、音響摂動によってEOCセンサにおいて望ましくない電圧応答が生じる可能性があることに留意されたい。このようなクロストークの効果を低減させるために、連続的に加えられる摂動とそれにもとづき摂動が加えられるナノセンサの選択的疑問とを有するEOCセンサとは異なる時に、EACセンサを選択的に摂動させることが可能である。細胞自体が光摂動源である場合には(おそらく細胞による自発的な発光ではなく、むしろ外部光場への露光後の発光)、細胞内に存在する燐光成分がある場合には、クロストークは低減される可能性がある。そのような場合には、信号処理技術(ロックイン増幅、デジタルロックイン、パルスゲーティング、時間相関など)を使用して、EAC信号とEOC信号とを区別することが可能である。EOCに関しては、吸光度および反射率の場合に、細胞の応答は基本的に瞬時であり、例えば、吸収信号および反射信号が、これに関連する時間スケールにおける位相遅延が基本的にない、入射光信号と同一のプロファイルを基本的に有する。そのため、EPCからEOCの吸光または反射のいずれかの一時的な分離は、問題とはならないはずである。蛍光の場合には、EOC信号は、細胞の蛍光寿命に左右される。これがマイクロ秒以下の範囲内またはそれより短い場合には、蛍光信号は、吸光および伝達EOCと同一の方法により処理することが可能である。ミリ秒以上の長さのオーダである場合には、(実質的にDCの)EOCベースライン変更をEPC信号に加えることが可能であるが、ベースラインを上回る信号は依然として容易に認識可能であるはずである。この結果は、長寿命蛍光が存在する場合のEPC信号の検出のために適用可能であるが、より短時間の音響信号と同期させるように検出システムをゲーティングすることにより、ベースライン変更を拒否させることが可能である。また、信号選択を実現するためには、ハードウェア方法がある。厚い領域および薄い領域を有する基板を製造し、厚い領域上にEOCセンサを、薄い領域上にEPCセンサを配設することにより、EOC領域が、音響信号を、それらの一時的特性にかかわらず受信しないようにすることが可能である。同様に、EPCセンサ上にのみ、薄いが光不透過性の表面膜を配設することにより、EPCセンサは、いかなる光信号も、それらの一時的特性に関わらず受信しないようにすることが可能である。
【0074】
EXXセンサ1202に対する摂動(または複数の摂動)の源は、上に説明したような1つまたは複数の外部摂動源、対象物自体(特にEOCナノセンサおよびEECナノセンサについて)または、アレイに組み込まれる摂動源が可能である。例えば、近接場走査型光学顕微鏡(NSOM)などのレーザ源は、SAFT技術を使用して、光子場を、NSOMが装着/構成されている走査トンネル顕微鏡(STM)の圧電式X移動制御およびY移動制御装置によるアレイ間のX方向およびY方向への走査/駆動が可能な小サイズ(1ミクロン以下およびアレイ上のEXXセンサ間の間隔未満のオーダ)に空間的に局在化することが可能である。STMは、任意のEACナノセンサを摂動するために使用することが可能であり、NSOMは、任意のEOCナノセンサを摂動するために使用することが可能である。NSOMは、適切なレーザから、テーパ形状の金属被覆された光ファイバの端部のミクロン未満のサイズの開口を介して光を誘導する。近接場方法は、光子場に、可視領域内の500nmの小ささの側方局在化を与えることが可能である。さらに、EECナノセンサを摂動するために空間局在化される場は、STMスキャナにテーパ状金属チップを取り付け、チップと基板1204上の金属被覆された裏面との間に既知の電圧を印加することによって得ることが可能である。レーザ摂動および電場摂動の両方については、印加される場の空間分解能は、センサアレイの表面へのぴったりとした近接を維持することに左右される。このような近接は、STM(誘導)チップからの信号によるSTMのZ移動のフィードバック制御により維持することが可能である。
【0075】
また、アレイのEXXセンサはそれぞれ、アレイのEXXセンサの全てが同一の電流を受けないような態様で、固有のバイアス電流を受けることが可能である、ということは注目に値する。例えば、アレイのEXXセンサ1−10が電流Aを受け、アレイのEXXセンサ11−20が電流Bを受けてよい。他の例としては、20のそれぞれ異なる電流を、アレイの20個のEXXセンサに供給することも可能である。
【0076】
図16aおよび図16bは、本発明のための別のアレイの実施形態を示し、摂動源が、アレイ1600に組み込まれる。アレイ1600は、アレイのEAC/EPCナノセンサ1202を摂動するための音波を生成する役割を果たす組込み型PZTトランスデューサ1604を含む。アレイ1200と同様に、個々のナノスケールEXXセンサ1202の電圧リードおよび電流リードは、説明の容易化のために図16aおよび図16bには図示されない。しかし、ナノセンサリードへの基板1204上に配設される電気トレースのためにグラウンド−信号−グラウンド(GSG)配線構造を使用して、信号周波数のUHFおよびSHF範囲内の特性を向上させることが可能であることに留意されたい。アレイ1600に関しては、EXXセンサ1202および基板1204は、図12aおよび図12bに関連して上で説明したように配置することが可能である。しかし、PZTトランスデューサ1604が存在するため、ナノスケールEXXセンサ1202の少なくともいくつかがEPC/EACセンサであることが好ましい。また、アレイ1600は、基板1204の平面に対して実質的に平行な平面内に位置するトランスデューサ基材1608を含むと好ましい。基材1608についての材料および厚さは、圧電式薄膜トランスデューサ1604の音響インピーダンスに類似的に合致し、(基材に当てられる音波を減衰させ)、望ましくない複数の残響共鳴効果を最小限に抑え、(さらに短い時間のパルスおよびさらに高い軸方向分解能に対応する)デバイスの有効周波数帯域幅を効果的に広げるように薄膜1604の「Qを損なう」のに十分な損失の多さの音響インピーダンスを有するように選択されると好ましい。基材1608の一例は、粉砕されたタングステン粒子を含むエポキシ樹脂であることが可能である。しかし、上述のような他の基材を使用してよいことに留意されたい。さらに、広帯域幅トランスデューサは(MHz範囲ではなく)GHz範囲になるため、本発明者らは、本明細書において、基材1608の選択が性能にあまり影響を与えないことがあると考える。
【0077】
基板1204と基材1608との間に配設されるのは、グラウンド導体1602および高電圧(hot)導体1606に接触するマクロスケール圧電式トランスデューサ1604である。また、マクロスケール圧電式トランスデューサ1604は、基板1204の平面と実質的に平行な平面内に位置すると好ましい。導体1602および1606を通る電流により圧電式トランスデューサ1604を駆動することによって、圧電式トランスデューサは、平面が基板1204の平面に対して実質的に平行であり、伝播方向が基板1204の平面に対して実質的に垂直な広帯域幅音響平面波を発する(アレイのEPC/EACナノセンサの半導体/金属界面108の平面と同一平面における誘導による)。この広帯域幅音響平面波は、EPC/EACナノセンサに対する摂動の役割を果たす。圧電式トランスデューサ1604は、薄膜多結晶または単結晶の灰チタン石セラミック材料(例えば、PZT(チタン酸ジルコニウム酸鉛)および、PNZT(ニオブドープPZT)、PLZT(ランタンドープPZT)、PMN−ZT(マグネシウムニオブ酸塩ドープPZT)などのドープ誘導体など)、あるいはポリマー材料(例えばPVDF(ポリビニリデンジフルオライド)など)などの薄膜圧電式トランスデューサ材料から形成することが可能であり、所望の範囲に周波数応答を調整するように約20nmと約2000nmとの間の厚さを呈することが可能である。しかし、他の材料および厚さを使用することが可能であることに留意されたい。広帯域幅音響平面波の周波数は、GHz範囲内(例えば約1−5GHzなど)であることが可能であるが、他の周波数値を使用することが可能である。
【0078】
マクロスケールPZTトランスデューサ1604により生成される広帯域幅平面波は、後方散乱される超音波から再構築される画像の品質を改善する役割を果たし、アレイ1600は、ナノスケール音響トランスミッタを使用して得ることが困難な圧力レベルでイメージングされる対象物の照射(insonification)を可能にする。さらに、伝送素子および受信素子(トランスデューサ1604およびナノセンサ1202のそれぞれ)を分離させることにより、受信電子機器(図示せず)は、大幅に簡素化されて、伝送に関してより高い駆動レベルが可能となり、信号受信のSNRおよび帯域幅の両面を改善することが可能となる。さらに、伝送素子および受信素子を共に単一のアレイに組み込むことにより、高価なSAMなどの外部音響摂動源の必要性を回避することが可能となる。
【0079】
集積アレイ1600またはアレイ1200は、大量生産することが可能であって、細胞培養皿1700の底部中に組み込むことが可能な廉価な(さらに使い捨て自在な)イメージングデバイスをもたらし(図17を参照)、それにより多数のまたは単一の細胞を音響的にイメージングし、癌、心臓病、炎症性疾患などの疾病の治療を目的とする治療薬の安全性および効能のモニタリングを容易にするデータを継続的に供給することを可能にする。
【0080】
図18は、本発明によるイメージングアレイの別の実施形態を示す。図18は、多重素子ピッチ−キャッチアレイ1800を示す。アレイ1800は、20μm離間する対向対1802の線形構成となるように均等に離間される64対の矩形圧電式(例えばPZTまたは、上述されるものなどの他の圧電式材料)素子1810を含む。ベース1806およびサポート1804が、互いに対向するPZT素子1810の対1802を保持する。また、PZT素子に電力を供給するための駆動電子機器(図示せず)が、アレイ1800内に含まれる。圧電式素子についての例示の寸法は、高さ6.0μm、厚さ300nm、幅250nm、および素子間隔50nm(素子ピッチ300nmに対して、全64素子では全アジマス19.2μm)である。しかし、他の寸法を使用することが可能であり、ゾルゲル蒸着を、ナノスケールPZT素子を製造するための技術として使用することが可能である。
【0081】
64個のPZT素子1810(図18の下部の正面図中に示される)は、対向側のパートナーとの20μmのギャップの間を伝播する超音波パルスを生成するように構成され、対向側のパートナーは、受信器として機能する。パルス/エコーモードにおいては、対向側のアレイ上の64個のPZT素子は、反射体として作用する。アレイ1800によりイメージングされる対象物は、対向対1802の間に配置することが可能であり、超音波パルスは、対象物の超音波画像を再構築することが可能な超音波データを生成するために使用することが可能である。
【0082】
さらに、図12aおよび図12bに図示されるもののようなN×M(例えば16×16など)アレイは、超音波画像の生成において使用するためにナノスケールで製造されるこれらのPZT素子1810から構成することが可能である。アレイ1200および1600と同様に、このようなアレイは、アレイ表面上で成長する癌細胞の超高分解能画像を生成するために使用することが可能である。このような癌細胞の音響画像は、SAFT技術を使用して、2.7GHzまたは5.2GHzなどの周波数の超音波を用いて生成することが可能である。このようなアレイのSNRを改善するために、超音波パルスのパルス繰返し周波数を上昇させてよく、および/または、信号加算平均技術を使用することが可能である。好ましい超音波パルスについての伝送周波数が高いため(好ましくはGHz範囲内であり、したがって短パルス長を示唆する)、およびラウンドトリップ距離が短いため、本発明者らは、本明細書において、そのようなアレイについての信号加算平均が、信号加算平均の有効性を従来の超音波に制限する通常の問題点に直面しないことを予期する。また、上述のアレイ1200および1600は、上述の個々のEXXセンサ1202と共にナノスケールPZT素子1810を組み合わせることが可能であることに留意されたい。
【0083】
図19は、マルチステップ電子ビーム(eビーム)リソグラフィプロセスを使用するナノスケールEXXセンサを製造するための手順を示す。ステップ1900で、半導体材料の薄膜ウェーハ102/902が提供される。次にステップ1902で、30nm厚のSi3N4の絶縁体フィルム(リードと分路との間の短絡を防止するために加えられる)が、キャップ層として薄膜ウェーハの上に蒸着される。ステップ1904で、ワイヤボンディング用のマクロスコピックAuストリップが、基板106/906の上に画定される80μm四方区域の縁部から外方に放射状に広がるパターンで、キャップ層の上に蒸着される。次に、ステップ1906で、30nm厚のカリックスアレーン膜が薄膜ウェーハの表面上にスピンコートされる。ステップ1908で、4つの30nm×3μmのAuストリップが、eビームリソグラフィにより80μm四方区域の隅部のカリックスアレーンに輪郭描画される。このカリックスアレーンパターンおよびマクロスコピックAuストリップは、従来の方法を使用するSi3N4層の反応イオンエッチング(RIE)(ステップ1910)のためのマークとしての役割を果たす。このRIEプロセス(ステップ1910)は、支持基板上に薄膜の浮出しメサを生成する。InSb膜については、適切なエッチング液は、CH4+H2の混合物である。残されるSi3N4およびAuストリップは、RIEマスクの役割を果たす。次いで、ステップ1912で、AuリードおよびAu分路が、Geステンシルマスクおよびシャドウ蒸着技術を使用して蒸着される。本発明者らは、このような製造法により、35nm(懸架マスクeビームリソグラフィの限度により設定される電圧プローブ間隔)×30nm(RIEエッチング特性およびカリックスアレーンレジストパターンの分解能により設定されるメサの幅)×25−250nm(x軸、y軸およびz軸のそれぞれに沿った薄膜材料の厚さ)の容積分解能を有するEXXナノセンサがもたらされると考える。Solinらによる「Room temperature extraordinary magnetoresistance of non−magnetic narrow−gap semiconductor/metal composites: Application to read−head sensors for ultra high density magnetic recording」(IEEE Trans Mag、2002年、38頁、89−94)、Pashkinらによる「Room−temperature Al single−electron transistor made by electron−beam lithography」(Applied Physics Letters、2000年、76頁、2256)、M Sugawaraによる「Plasma Etching」(New York、Oxford、1998年)を参照されたい。これらそれぞれの全開示が、参照により本明細書に組み込まれる。当業者には理解されるであろうが、この技術は、EPC、EAC、EOC、EMRおよびEOCナノセンサのみではなく、EECナノセンサの製造に適用することが可能である(EECナノセンサの製造は、それらとの間の構造的差異により必要となることは少ない)。
【0084】
メサのフロアを通るリーク電流を最小限に抑えるために、50nm以内のメサ側壁にAl層を蒸着し、その後酸化することによって、初めに絶縁性Al2O3バリアを作製することが可能である。メサ側壁に垂直な約+/−10nmのアラインメント精度が望ましい。
【0085】
さらに、アレイ1200または1000を製造する際には、各EXXナノセンサ1202を個別に製造し、次いでその個々のEXXナノセンサ1202をアレイに一体化するのではなく、EXXナノセンサ1202が1つのアレイとして共に設計され製造されることが好ましい。
【0086】
また、ナノスケールEXXセンサのアレイを製造する際には、基板1204の薄層化プロセスを使用して、アレイの性能を最適化することが可能であるが、この薄層化は、EXXセンサが基板を突き抜けるのを回避するために、漸進的に遅くなる制御可能な速度で基板を薄層化するフィードバック制御プロセスを使用して達成することが好ましい。さらに、組み合わされたナノセンサのこのようなアレイを製造する際には、懸架マスクeビームリソグラフィプロセスにおいて、複数の追加的なマスクステップを使用することが可能である。
【0087】
上記に参照されるSAFTは、従来のSAFTまたはその複数の変形形態を用いて実施することが可能であり、従来のSAFTアルゴリズムの変形形態が、必要なアレイ素子の数を低減させ、SNRにおける改善を提供する。これらの変形形態は、複数素子サブ開口SAFT(Gammelmarkらによる「Multielement synthetic transmit aperturn imaging using temporal encoding」(IEEE Transactions on Medical Imaging、2003年、22頁、552−63)を参照、この全開示が参照により本明細書に組み込まれる)を含み、これは、従来の合成開口集束技術よりも高い電子信号対雑音比と、より優れたコントラスト分解能とを実現することが明らかになっている。別のSAFTアプローチは、(より低い送受信信号の代償として得られる)アレイ素子の数を低減させる利点を提供する希薄(sparse)アレイSAFTにもとづく。これらの欠点は、各伝送素子に供給される電力を増加させることによって、および各伝送パルスについて複数の伝送素子を使用することによって、最小限に抑えることが可能である。別のSAFTオプションは、Bモードと、トランスデューサの焦点を越える横方向分解能を向上させることが判明しているSAFTとの組合せを使用すること、ならびに、従来の合成開口イメージングと同様に、横方向分解能を犠牲にすることのみによってではあるが、サイドローブを低減させるためのアポディゼーションの使用によるものである。この技術により得られる結果は、15MHz集束トランスデューサについては、焦点を3mm、5mmおよび7mm越える6−dBビーム幅はそれぞれ、189μm、184μm、および215μmである。0.12mmのワイヤを走査することによって生成される画像については、SNRは、ワイヤが焦点にある場合には38.6dBであり、これは、ワイヤが焦点をそれぞれ3mm、5mmおよび7mm越える場合には、合成開口加工後には、32.8dB、35.3dB、および38.1dBとなる。1−2GHzでは、これらのビーム幅およびSNRは、分解能がナノメートル範囲にまでスケールダウンすることを示唆する。
【0088】
図20は、Frazierの記述に従った合成開口イメージングへのアプローチを示す。図20は、添え字iにより示される素子のアレイを示す。説明を簡易化するために、各素子が同時に作動される場合の受信側のイメージング問題のみを考察する。各アレイ素子で測定される後方散乱される信号Si(t)を、それらの信号がポイントPで効果的に集束されるように処理することが望ましい。これは、アレイ素子からの様々な信号を適切に遅延させ、それらを加算すること(「delay−and−sum」ビーム形成)によって実現することができる。アレイからの場は、アレイ素子からの全パルスが同時にポイントPに到達する場合には、ポイントPで集束される。これは、
【数5】
だけ各後方散乱されるパルスをシフトする場合の後処理において、およびそれに次いで
A(t)=Σwi(P)Si(t−Δti)
に従って受信した各波形を加算することにおいて、実行することが可能である。ここで、wi(P)項は、各素子に割り当てられる重量であり、選択される焦点Pの関数であり、またアレイ素子が伝送する場に影響を及ぼすアレイ素子伝送特性である。これらの重量を用いて開口アポディゼーションを実現し、これは、高い分解能の取得を必要とする。本発明者らは、未加工データの取得のために使用されるトランスデューサにより幅が決定される単位矩形関数を使用して、満足な結果を得た。Bracewell、RN「The Fourier Transform and its Applications」(New York、McGraw−Hill、1978年)を参照されたい。この全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書において説明されるナノセンサに関してなど、比較的高い分解能が望まれる用途については、Frazierにより説明されるものなどの他のアポディゼーションを使用することが可能である。
【0089】
本発明が、その好ましい実施形態に関連して上述で説明されたが、本発明の特許請求の範囲内に依然として含まれる様々な修正をこれに対して行い得る。本発明に対するこのような修正は、本明細書における教示を精査することにより認識可能である。例えば、本明細書において説明されるナノセンサの実施形態は、概して矩形のプレート形状を有するものとして説明された。ナノセンサに関して他の形状を使用することが可能であることに留意されたい。例えば、組み込まれる同心金属分路を有する円形半導体材料などである。また、本発明者らは、ナノスケールEXXセンサおよび/またはそのようなナノスケールEXXセンサのアレイを、患者の体内状態をイメージングするために患者の体内(患者の血管系内など)に埋め込むことが可能であると予期することに留意されたい。これらのセンサまたはアレイは、皮下ポンプ、または心臓ペースメーカおよび細動除去器、または任意の人工装具デバイス用の経路を埋め込むのとほぼ同一の方法で埋め込むことが可能である。本発明者らは、血管内カテーテルによる供給および配置が利用されることを予期する。このようなナノセンサおよびアレイは、体内状態および体内プロセスの体内超高分解能イメージングを実現するために、ペースメーカが埋め込まれる場合のように、適切な受信器で遠隔的にモニタすることが可能な信号(例えば無線信号など)を生成する送信器をアレイ中に組み込むことによってなど、遠隔計器出力装置と共に構成することが可能であり、あるいはこのようなナノセンサおよびアレイは、アレイの検索と同時にその後の分析のために電圧応答を記憶することが可能なオンボードローカルメモリを含むことが可能である。バイアス電流については、ナノセンサまたはアレイは、それら自体のオンボードエネルギー源と共に構成することが可能である。
【0090】
さらに、本発明のナノセンサおよびアレイは、センサにより検出可能な任意のナノスケールイベントのリアルタイムプロセス間モニタリングおよび、環境モニタリング用のフィールドセンサへの組込みなどを含む(それらに限定されない)、他の非医療用途のために使用してもよい。例えば、本発明者らは、ナノスケールEOCセンサが位置敏感型検出器としておよび光センサとして有効であることが可能であり、ならびにナノスケールEECセンサがフラットパネルディスプレイにおけるピクセルモニタリングに対して有効であることが可能であると予期する。
【0091】
したがって、本発明の全範囲は、添付の特許請求の範囲およびその法的均等物によってのみ規定されるべきである。
【技術分野】
【0001】
この特許出願は、全開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年8月1日に出願された、「Multifunctional Nanoscopy for Imaging Cells」と題された優先出願米国仮特許出願第60/821,040号に対する優先権を主張する。
【0002】
概して、この発明の分野は、音波、光または電荷などの様々な摂動に反応する組み込まれたナノセンサのアレイにより、ナノスケールで(1つまたは複数の生体細胞の細胞機能および構造などの)対象物の特性を測定するための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
生体サンプルにおける大量のデータの高速取得および分析が、初期のヒトゲノムシーケンシング事業において登場した。マイクロアレイ技術が、様々な生理学的な、薬剤誘起される、または臨床的に関係のある細胞状態における生物学的に関連のあるパターンについての多数のサンプルの疑問(interrogatin)を促進した。ここで、これら大量の情報を、細胞の反応およびプロセスの正確なモデルにいかにして統合することが可能になるかに関する難題が出現した。例えば、癌細胞におけるアポトーシスの程度および期間に薬剤の効果を結びつける情報は、癌薬剤のスクリーニングにおいて非常に貴重な情報である。同様に、侵入力に繋がる細胞骨格変化の情報は、効率的な抗血管形成剤ストラテジの展開を大幅に簡素化する。
【0004】
学術的研究コミュニティおよび産業的研究コミュニティの両方におけるこれらおよび他の需要に応じるために、サイトミクスの分野が出現した。サイトミクスの重要性は、細胞が我々の生理機能内における最少機能単位であるという点に由来する。サイトミクスの出現に付随する技術が、細胞状態の種々の相の同時またはほぼリアルタイムのマルチパラメトリック分析として一般に定義されるハイコンテントスクリーニング(HCS)である。
【0005】
細胞機能の複雑性は、サイトミクスが近い将来に研究の主要分野になるであろう理由のほんの一部にすぎない。全ての細胞はそれぞれ異なり、各細胞の固有の機能の研究により、統計的技術を使用してさらにこの細胞タイプをその後の分析のためにモデル化することが可能である。本発明者らは、短期間の間に、殆どの製薬会社が、サイトミクス−薬剤−デザインの本質的な特徴を包含することなしには、修正された細胞機能のレベルでますます実施されるプロセスを実施しなくなるであろうと本明細書において予測する。将来の癌ストラテジは、細胞組織工学の「細胞形成」と見なし得るサイトムアラインメント(cytome−alignment)またはサイトミックリアラインメント(cytomic−realignment)により大きな重点を置くであろう。そのようなアプローチは、細胞がいかに働くかについて、細胞機能をいかに測定するかについて、および詳細において生体細胞をいかに特徴付けするかについてのこれまで以上の理解を必要とする。この難題に対応するためには、当技術においては、極めて繊細な単一細胞分析のための新しい技術および新しい分析ツールの開発が必要である。
【0006】
サイトミクスの主要な目的は、遺伝子制御メカニズム(すなわちゲノミクス、そのあるものが当技術においてサイトミクスを機能的ゲノミクスに関連付ける)により得られる、細胞(サイトム)と代謝経路(すなわち特定の細胞集団からのタンパク質の高速特定を可能にするプロテオミクス)との間の機能的関係性の発見である。サイトミクスにより、単に形態構造的、表現型または遺伝子型のデータではなく、機能データを取得するために、細胞から収集される情報量が拡大される。
【0007】
現行においては、サイトミクスの2つの主要な部門、すなわち分析細胞学および画像細胞学が存在する。第1の分析細胞学は、フローサイトメトリ、単一細胞分析システムおよび組織分析(細胞分離後の)などの従来的な分析技術からなる。第2の画像細胞学(および分析)は、「量的」蛍光分析、高スループット細胞培養分析、(96−384−1536ウェルプレート)、細胞毒性の薬剤効果分析、毒物学分析、アポトーシス分析、細胞増殖分析、細胞倍数性分析およびDNA配列分析などの技術からなる。典型的には、これらの技術は、単一細胞、組織および部位、ならびに3Dおよび4D細胞培養環境の両方における細胞培養システムに適用される。レーザスキャニングサイトメトリ(LSC)が、このタイプの分析のよく知られている例である。
【0008】
最高レベルでは、サイトミクスは、測定および検出を構造および機能に結びつけることによって、細胞レベルで技術を機能生物学にリンクさせる。この目的を達成するために、サイトミクスは、フローサイトメトリや画像サイトメトリなどのようなツールをプロテオミクスに組み合わせ、これによって、従来的なサイトメトリと非従来的なサイトメトリとが組み合わされる。同問題に対してこれほど多くの様々な測定技術を適用することによって、もはや情報科学は、サイトミクスにおいて二次的な役割ではなくむしろ一次的な役割を担う。例えば、典型的なフローサイトメトリシステムにおいては、出力チャネルごとに秒当たり120,000のイベントがあり、測定値が複数チャネルについて取得される。別の例は、細胞中の蛍光マーカを検出するために適用される高速度細胞培養プレートイメージングシステムによって提供される。
【0009】
HCSという語は、生体細胞を使用する分析を区別するために、および単一ポイント読出し(例えば高スループットスクリーニング(HTS)分析)を示すために使用され、これはしばしば、リガンド結合の生化学にもとづく。HCSは、ロボット工学、情報科学および最新のイメージングに細胞ベースアレイを組み合わせて、細胞形態構造および他の反応に関する豊富な詳細な情報を大量にもたらす。
【0010】
データを生成する多数の観察記録が、定量ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)から、フローサイトメトリまで、抗体染色まで、それらそれぞれの分野において既に十分に展開されている。このデータの取得のための様々なタイプの光学顕微鏡検査などの方法が、既に幅広く展開されている。おそらく、HCSに関する最も重要な画像取得方法は、細胞毒性、アポトーシス、細胞増殖および核−細胞質間輸送に関する薬剤効果分析を含む細胞イメージングに関する。しばしば、これらのアプローチは、蛍光タンパク質および染料にもとづく細胞センサを使用し、それにより、研究者が薬剤をスクリーニングし、ターゲットの特定および確認などのより複雑な生物学的問題に答えを出し、遺伝子およびタンパク質機能を調査することを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0129087号明細書
【特許文献2】米国特許第6,714,374号明細書
【特許文献3】米国特許第6,707,122号明細書
【特許文献4】米国特許第5,965,283号明細書
【特許文献5】米国特許第5,699,215号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Solinらによる「Enhanced room−temperature geometric magnetoresistance in inhomogeneous narrow−gap semiconductors」(Science、2000年、289頁、1530−32)
【非特許文献2】Solinらによる「Self−biasing nonmagnetic giant magnetoresistance sensor」(Applied Physics Letters、1996年、69頁、4105−4107)
【非特許文献3】Solinらによる「Geometry driven interfacial effects in nanoscopic and macroscopic semiconductor metal hybrid structures: Extraordinary magnetoresistance and extraordinary piezoconductance」(Proc.of the International Symposium on Clusters and Nanoassemblies、Richmond、2003年)
【非特許文献4】Roweらによる「Enhanced room−temperature piezoconductance of metal−semiconductor hybrid structures」(Applied Physics Letters、2003年、83頁、1160−62)
【非特許文献5】Solinらによる「Non−magnetic semiconductors as read−head sensors for ultra−high−density magnetic recording」(Applied Physics Letters、2002年、80頁、4012−14)
【非特許文献6】Zhouらによる「Extraordinary magnetoresistance in externally shunted van der Pauw plates」(Applied Physics Letters、2001年、78頁、667−69)
【非特許文献7】Moussaらによる「Finite element modeling of enhanced magnetoresistance in thin film semiconductors with metallic inclusions」(Physical Review B(Condensed Matter and Materials Physics)2001年、64頁、184410/1−184410/8)
【非特許文献8】Solinらによる「Room temperature extraordinary magnetoresistance of non−magnetic narrow−gap semiconductor/metal composites: Application to read−head sensors for ultra high density magnetic recording」(IEEE Transactions on Magnetics、2002年、38頁、89−94)
【非特許文献9】Pashkinらによる「Room−temperature Al single−electron transistor made by electron−beam lithography」(Applied Physics Letter、2000年、76頁、2256−58)
【非特許文献10】Branfordらによる「Geometric manipulation of the high field linear magnetoresistance in InSb epilayers on GaAs (001)」(Applied Physics Letters、2005年、86頁、202116/1−202116/3)
【非特許文献11】Roweらによる「A uni−axial tensile stress apparatus for temperature−dependent magneto−transport and optical studies of epitaxial layers」(Review of Scientific Instruments、2002年、73頁、4270−76)
【非特許文献12】Pashkinらによる「Room−temperature Al single−electron transistor made by electron−beam lithography」(Applied Physics Letters、2000年、76頁、2256)
【非特許文献13】M Sugawaraによる「Plasma Etching」(New York、Oxford、1998年)
【非特許文献14】Gammelmarkらによる「Multielement synthetic transmit aperturn imaging using temporal encoding」(IEEE Transactions on Medical Imaging、2003年、22頁、552−63)
【非特許文献15】Bracewell、RN「The Fourier Transform and its Applications」(New York、McGraw−Hill、1978年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
当技術における細胞イメージング技術の向上に対する要求に応えるための努力において、本発明者らは、本明細書において、分子コローカライゼーション、代謝状態および運動性の評価ならびに、細胞サイクル、テクスチャおよび形態構造の決定を可能にする、個々の細胞からの複数の測定値の同時獲得に適した、新しい、廉価な、使用が容易なイメージング技術を開示する。この技術は、HCSが可能であるだけではなく、HCSの出力にもとづくその後の高分解能イメージングのための単一細胞の選択もまた可能にする。生体内の細胞内状態を評価するための分析分解能を高めることによって、本発明者らは、本明細書において、培養中の細胞内の生物学的イベントの位置、タイミングおよび相互依存をたどるための手段を提供することによる生物学的分解能の向上を期待する。
【0014】
本発明は、本明細書における本発明者らの中の1名による先行研究を基礎とし、その研究では、ハイブリッド半導体/金属デバイスの異常磁気抵抗(EMR)特性および異常ピエゾコンダクタンス(EPC:extraordinary piezoconductance)特性を使用して、多様な用途に対して改良されたセンシング技術を展開した。EMRデバイスについては、例として、超高密度磁気読取りのための読取りヘッド、工作機械、航空機および自動車用の位置センサおよび回転センサ、折り畳み式携帯電話スイッチ、エレベータ制御スイッチ、発射体および宇宙船用の螺旋形発射装置などが含まれるが、それらに限定されない。EPCデバイスについては、例として、無数の圧力センサ、血圧モニタなどが含まれるが、それらに限定されない。「Extraordinary Piezoconductance in Inhomogeneous Semiconductors」と題される米国特許出願公開第2004/0129087号、米国特許第6,714,374号、米国特許第6,707,122号、米国特許第5,965,283号および米国特許第5,699,215号、Solinらによる「Enhanced room−temperature geometric magnetoresistance in inhomogeneous narrow−gap semiconductors」(Science、2000年、289頁、1530−32)、Solinらによる「Self−biasing nonmagnetic giant magnetoresistance sensor」(Applied Physics Letters、1996年、69頁、4105−4107)、Solinらによる「Geometry driven interfacial effects in nanoscopic and macroscopic semiconductor metal hybrid structures: Extraordinary magnetoresistance and extraordinary piezoconductance」(Proc. of the International Symposium on Clusters and Nanoassemblies、Richmond、2003年)、Roweらによる「Enhanced room−temperature piezoconductance of metal−semiconductor hybrid structures」(Applied Physics Letters、2003年、83頁、1160−62)、Solinらによる「Non−magnetic semiconductors as read−head sensors for ultra−high−density magnetic recording」(Applied Physics Letters、2002年、80頁、4012−14)、Zhouらによる「Extraordinary magnetoresistance in externally shunted van der Pauw plates」(Applied Physics Letters、2001年、78頁、667−69)、Moussaらによる「Finite element modeling of enhanced magnetoresistance in thin film semiconductors with metallic inclusions」(Physical Review B(Condensed Matter and Materials Physics)2001年、64頁、184410/1−184410/8)、Solinらによる「Room temperature extraordinary magnetoresistance of non−magnetic narrow−gap semiconductor/metal composites: Application to read−head sensors for ultra high density magnetic recording」(IEEE Transactions on Magnetics、2002年、38頁、89−94)、Pashkinらによる「Room−temperature Al single−electron transistor made by electron−beam lithography」(Applied Physics Letter、2000年、76頁、2256−58)、Branfordらによる「Geometric manipulation of the high field linear magnetoresistance in InSb epilayers on GaAs (001)」(Applied Physics Letters、2005年、86頁、202116/1−202116/3)および、Roweらによる「A uni−axial tensile stress apparatus for temperature−dependent magneto−transport and optical studies of epitaxial layers」(Review of Scientific Instruments、2002年、73頁、4270−76)を参照されたい。これらの各開示の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、本明細書において、上記に参照されるEMRセンサおよびEPCセンサを拡張して、ハイブリッド半導体/金属デバイスの付近にある対象物(体内または体外のいずれかにおける1つまたは複数の細胞などの)の様々な特性を示唆する電圧レスポンスを測定するために使用可能な複数の各ハイブリッド半導体/金属デバイスからなり、対象物特性の画像を生成可能なアレイを開示する。これらハイブリッド半導体/金属デバイスは、マイクロスケールまたはナノスケールによる複数のEXXセンサを備えてよい。好ましくは、これらのEXXセンサは、ナノスケールEXXセンサを含む。本明細書において使用される際に、「ナノスケール」は、少なくとも1つの寸法において約1000ナノメートルを超えない、EXXセンサの半導体部分および金属部分についての長さ、幅(または直径)および厚さの寸法を指す。本明細書において使用される際に、「マイクロスケール」は、少なくとも1つの寸法において約1000マイクロメートルを超えない、EXXセンサの半導体部分および金属部分についての長さ、幅(または直径)および厚さの寸法を指す。「EXXセンサ」という語は、ある特定のタイプの摂動に対する反応が異常界面効果XXまたは異常バルク効果XXを生じさせる半導体/金属界面を有するハイブリッド半導体/金属デバイスの部類を指す。界面効果またはバルク効果XXは、その用語が、当業界においては同一の摂動に対して、マクロスコピックデバイスによって実現されるものに比較して感度が何倍も上昇することを意味するものと理解されるため「異常」と呼ばれる。XX界面効果の例としては、本明細書における本発明者らの中の1名による先行研究により知られているMR(磁気抵抗)効果およびPC(ピエゾコンダクタンス)効果、ならびにEC(電子コンダクタンス)効果が含まれる。AC(音響コンダクタンス)効果は、EACデバイスおよびEPCデバイスの両方が同一の構造を有することが可能であるため、PC効果と事実上同一であるということに留意されたい。EACデバイスは、EPCデバイスの部類のサブセットと見なすことが可能であり、EACデバイスは、音波により生じるひずみ摂動に反応するように設計される。XXバルク効果の一例が、OC(光コンダクタンス)効果を含む。したがって、本発明の実施において使用するための適切なナノスケールEXXセンサの例としては、ナノスケールEMRセンサ、ナノスケールEPCセンサ、ナノスケールEACセンサ、ナノスケールEOCセンサおよびナノスケールEECセンサが含まれる。
【0016】
本発明者らは、本明細書において、イメージングアレイにおいてナノスケールEACセンサおよびナノスケールEPCセンサを使用することにより、従来の超音波または他のモードの検出器よりもイメージング分解能が改善され、信号対雑音比(SNR)が改善され、帯域幅がより高くなると考える。したがって、複数のナノスケールEACセンサおよび/または複数のナノスケールEPCセンサを有するアレイの使用を、生体外細胞イメージング、医療イメージング用の体内侵襲カテーテルベース用途、胃腸、前立腺または尿道/膀胱/尿管用途のための内視鏡イメージング、疾病特定のための経皮的医療イメージング、血清サンプル中の異常細胞の検出、音響イメージング、ナノ流体中の圧力感知、および小腸内部の血圧モニタリングなどを含む(それらに限定されない)、多数の用途のために用いることが可能である。
【0017】
さらに、本発明者らは、本明細書において、イメージングアレイにおいてナノスケールEOCセンサを使用することによって、細胞/組織中の蛍光の存在を示す個々の細胞または組織の超高分解能画像が生成され、癌の調査および癌治療、光学顕微鏡検査、光センサおよび光検出器、光増幅器、位置敏感型検出器ならびに位置および速度制御システムにおいて非常に有効となることが可能な結果がもたらされると考える。さらに、本発明者らは、イメージングアレイにおけるナノスケールEOCセンサについての他の使用例には、静電荷検出、EM放射センサおよびEKGセンサにおけるそれらの使用が含まれると考える。
【0018】
さらに、本発明者らは、本明細書において、イメージングアレイにおけるナノスケールEECセンサの使用により、1つまたは複数の生体細胞の表面上の電荷分布の超高分解能画像が生成され、癌転移および標的である薬剤供給のモニタリングに関して貴重な情報を、また経時的に細胞の電荷の推移を追跡するために経時的に一連のそのような画像を取得する場合には特に貴重な情報を提供することが可能となる結果がもたらされると考える。本発明者らは、本明細書において、電気泳動測定は、複雑な器具により左右され、空間分解能が不足するため、本発明のナノスケールEECセンサは、当技術において知られている従来の電気泳動技術に比べて著しくより正確で効果的な細胞電荷の測定を行う役割を果たすと考える。
【0019】
さらに、本発明者らは、本明細書において、イメージングアレイにおけるナノスケールEMRセンサの使用により、1つまたは複数の生体細胞の表面上の磁気抵抗の超高分解能画像が生成され、癌細胞中に埋め込まれるナノ磁気粒子により生成される磁場の調査のため、細胞内部を移動している磁気標識付けされたナノ粒子のモニタリングのため、または強制される磁気共鳴スピン方位の旋回の感知のために貴重な情報を提供することが可能な結果がもたらされると考える。
【0020】
おそらく本発明の最も有力な実施形態としては、本発明者らは、本明細書において、複数の様々なタイプのEXXセンサを有するマルチモーダルアレイを使用して、アレイによりイメージングされる1つまたは複数の細胞の様々な特徴を示す複数の画像を同時に(またはほぼ同時に)生成することが可能となることを予期する。例えば、複数のEOCセンサおよび複数のEECセンサを有するマルチモーダルアレイを用いることにより、細胞(または複数の細胞)による蛍光発光と細胞(または複数の細胞)の表面電荷との両方を示す複数の画像を同時に生成することが可能になる。このような画像は、ナノスケール分解能を呈する。本明細書において使用される際に、EXXセンサに関連して使用される「タイプ」という語は、センサが依存するXX界面効果またはバルク効果のタイプを指す。例えば、EACセンサは、EECセンサとは異なるタイプのものである。
【0021】
さらに、本発明者らは、本発明の実施において生成される超高分解能画像は、2次元画像であるのみならず、共焦点イメージング技術の使用により任意に3次元画像とすることも可能であることに注目する。
【0022】
以下、本発明のこれらのおよび他の特徴および利点が、当業者に対して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】例示のEMR/EPC/EAC/EOCセンサの斜視図である。
【図2】音響摂動源により摂動される例示のEACセンサの斜視図である。
【図3】光摂動源により摂動される例示のEOCセンサの斜視図である。
【図4】ベアGaAsセンサに対し分路化されたGaAs/InEOCセンサの光コンダクタンスを比較するグラフである。
【図5】GaAs/InEOCセンサにおいて観察されるEOC効果の温度依存性を示すグラフである。
【図6】リード形状をどのように調節することが可能であるかを示す、例示のEOCセンサの上面図である。
【図7a】様々な電圧リード形状について決定された、均一に照明されるEOCセンサに関する電圧応答計算を示す図である。
【図7b】様々な電圧リード形状について決定された、不均一照明を実現するように部分的に被覆されたEOCセンサに関する電圧応答計算を示す図である。
【図7c】Ymax/Xmax比に対する、不均一照明されるEOCセンサおよびベア半導体デバイスに関する電圧応答およびEOC応答の図表である。
【図8a】光によるEOCセンサの一部分の照明を妨げるカバーを有する例示のEOCセンサに関する上面図である。
【図8b】光によるEOCセンサの一部分の照明を妨げるカバーを有する例示のEOCセンサに関する側面図である。
【図9】例示のEECセンサの斜視図である。
【図10】例示のEECセンサについて分路と半導体との間で測定されるI−V曲線を示す図である。
【図11】例示のEECセンサについてのEEC測定値を示す図である。
【図12a】EXXセンサの例示のアレイの断面図である。
【図12b】図12aのアレイの斜視図である。
【図13】様々なピクセル形状を示す例示のマルチEXXセンサアレイについての概略図である。
【図14a】ナノセンサが複数のピクセルとして組織化される例示のアレイの上面図である。
【図14b】複数の様々なタイプのナノセンサに対応するピクセルの上面図である。
【図15a】様々なナノセンサをどのように合成ピクセルにグループ化することが可能であるかを示す例示のアレイの図である。
【図15b】様々なナノセンサをどのように合成ピクセルにグループ化することが可能であるかを示す例示のアレイの図である。
【図16a】組込み型マクロスケールPZTトランスデューサを有するEXXセンサの例示のアレイの断面図である。
【図16b】図16aのアレイの斜視図である。
【図17】ナノスケールEXXセンサのアレイを組み込む細胞培養皿の上面図である。
【図18】多重PZTトランスデューサの例示のピッチ−キャッチリニアアレイの図である。
【図19】ナノスケールEXXセンサを製造するための例示の方法を示す流れ図である。
【図20】複数の伝達アレイ素子に適用される合成開口集束技術を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、EMR、EPC、EACおよびEOCのタイプのナノスケールEXXセンサ100についての好ましい構造を示す。図1に図示されるように、ナノセンサ100は、半導体部分102および金属分路部分104を含むハイブリッド半導体/金属デバイスである。半導体102および金属分路部分104は、基板106上に配設される。半導体部分102と金属分路部分104とが共に、半導体/金属界面108を画定する。好ましくは、半導体部分102および金属分路部分104は、図1に図示されるように実質的に同一平面にある。さらに、半導体部分102および金属分路部分104は、基板106のように実質的に平行面内に位置すると好ましい。また、半導体/金属界面108の平面は、基板106の平面に対して実質的に垂直であると好ましい。図1のナノセンサ100の構造は、外部分路化されたファンデルポー(vdP:van der Pauw)プレートと呼ばれる。
【0025】
半導体部分102は、約1000nmの厚さを有する薄い半導体膜であると好ましい。しかし、例えば約25nmと約2000nmとの間の範囲内の厚さなど、他の厚さの値を使用することもできることを理解されたい。さらに、半導体膜102は、約100nmの長さおよび約50nmの幅を有すると好ましい。しかし、例えば下限がリソグラフィ能力のみによって制約を受ける任意のナノスケール値(現行では約5nmと考えられているが、時の経過および技術の向上によりこの下限はさらに低下し得る)など、半導体膜に関する他の長さおよび幅を使用することが可能であることに留意されたい。本明細書において使用される際に、「厚さ」という語は、図1に図示されるz軸に沿った寸法を指し、「長さ」という語は、図1に図示されるy軸に沿った寸法を指し、「幅」という語は、図1に図示されるx軸に沿った寸法を指す。
【0026】
金属分路104に関する寸法は、厚さが約1000nm、長さが約100nm、幅が約100nmであることが可能である。しかし、(1)例えば約25nmから約2000nmの範囲内の厚さなど、他の厚さの値を使用することが可能である、ならびに(2)例えば上述のように利用可能なリソグラフィ技術によってのみ最小値が制限される任意のナノスケールの長さまたは幅など、他の長さおよび幅を使用することが可能である、ということを理解されたい。また、半導体膜102に対する金属分路104の寸法は、連続的に変化可能であることが予期され、この関係が、デバイスについての充填率を規定することに留意されたい。また、半導体膜102の寸法に対して、分路の幅は、典型的には半導体膜の幅以下であることに留意すべきである。典型的には、分路の厚さは、半導体膜の厚さと同一であるが、分路は、半導体膜よりも薄くてよい(普通は、分路は半導体膜よりも厚くない)。
【0027】
好ましくは、基板106の寸法は、半導体膜および金属分路よりもはるかに大きい。基板106に関する寸法は、厚さが約400μmで、直径が約2インチであると好ましい。しかし、これらの値は、本発明の実施者の設計選択に応じて大幅に変わることが可能であることを理解すべきである。
【0028】
また、ナノセンサ100は、2つの電流リード110および2つの電圧リード112を含むと好ましい。これらのリードは、半導体膜102に接触するが、金属分路104には接触しない。また、これらのリードは、図1に図示されるように半導体/金属界面108の反対側の面上で半導体膜102に接触することが好ましい。リードの形状に関しては、2つの電圧リード112は、図1に図示されるように2つの電流リード110の間に配設されると好ましい。さらに、リード間の間隔は、ナノセンサ100の異常磁気抵抗/ピエゾコンダクタンス/音響コンダクタンス/光コンダクタンス効果を最大化するように選択されることが好ましい。
【0029】
EMRセンサおよびEPCセンサとして図1の構造を使用することは、上記で引用され参照により本明細書に組み込まれる特許および刊行物において説明されるように、当技術において知られている。しかし、それらの動作原理を簡単に繰り返して述べる。図1のハイブリッド半導体/金属デバイス100の4−リード有効抵抗は、Reff=V23/I14であり、ここでIおよびVは、それぞれ電流リード110および電圧リード112を表す。Reffの値は、金属104および半導体102の相対導電率(典型的にはσmetal/σsemiconductor>1000)、界面108の抵抗、ならびに電流リードおよび電圧リードの特定の配置(リード形状)に左右される。ハイブリッド半導体/金属デバイス100が非被摂動状態にある場合に、高導電性金属は、界面108の抵抗が十分に低く、Reffが金属のそれに近いことが可能である条件においては、有効な電流分路として作動する。しかし、磁場、圧力/ひずみまたは温度における変化などの比較的に小さい摂動がハイブリッド半導体/金属デバイス100に加えられる場合には、半導体102のバルク抵抗および/または界面108の著しい抵抗変化が誘発される可能性があり、随伴的に、界面108の間の電流が著しく変化する。これらの誘発される変化は、電流が電流リード110を介してハイブリッド半導体/金属デバイス100に供給される際に電圧リード112からの出力電圧信号により容易に測定することが可能なReffにおける比較的大きな変化として現れる。
【0030】
図2は、図1のセンサ100のEACセンサとして使用を示す。EACナノセンサについては、測定可能な電圧応答をもたらす摂動は、音波202である。音響摂動源200からの音波202は、異常ピエゾコンダクタンス効果により測定可能な電圧をもたらす界面108でのひずみを生じさせる。このように、EACセンサは、EPCセンサに非常に類似している。好ましくは、音波202の方向は、概してz軸に沿う(または、半導体膜102および金属分路104の平面に対して垂直である、または界面108の平面と実質的に同一面内にある)と好ましい。
【0031】
EAC/EPCセンサについては、半導体/金属界面108は、電流に対するショットキー障壁を生成する。界面108の方向に沿った引張(圧縮)ひずみが原子間隔を広げ(狭め)、それにより障壁の高さを高める(低くする)。障壁を通過するトンネル電流は障壁の高さに指数関数的に左右され、このトンネル電流における任意の変化はEAC構造により増幅されるため、小さなひずみが大きな電圧変化/信号をもたらす。本発明者らによる実験により、9/16の充填率により構造が特徴付けられるEPCセンサに対してピエゾコンダクタンスが最大になることが明らかになった。米国特許出願公開第2002/0129087号を参照されたい。
【0032】
本発明の実施において使用することが可能な音響摂動源の例には、走査型超音波顕微鏡(SAM)、合成開口集束技術(SAFT)を使用する超音波エミッタ、フェーズドアレイトランスデューサまたは単一素子集束もしくは非集束超音波トランスデューサを用いる医用画像機器、衝撃波デバイス、中高強度集束超音波アレイ、あるいは細胞および組織中に機械的波動を誘起することが可能な代替源が含まれる。例としては、音響摂動の特徴は、極超短波(UHF)帯の間の周波数(300MHzから3GHz、5μmと500nmとの間の波長に相当)、超高周波(SHF)帯の下方部分の周波数(3GHzから30GHzまで、500nmから50nmまでの波長に相当)が可能である。
【0033】
図3は、図1のセンサ100のEOCセンサとしての使用を示す。EOCナノセンサについては、測定可能な電圧応答をもたらす摂動は、光302である。半導体膜102および金属分路104の露光面に衝突する光摂動源300からの光302は、異常光コンダクタンス効果により測定可能な電圧をもたらす。好ましくは、光302についての伝播方向は、概してz軸に沿う(または半導体膜102および金属分路104の平面に対して垂直である、または界面108の平面と実質的に同一面内にある)。しかし、以下に述べるように、EOCナノセンサのサイズが低下すると、光は、EOCナノセンサが小サイズであることにより、EOCナノセンサをさらに均一に照明する。
【0034】
光摂動源300は、レーザ発光デバイスやさらには蛍光発光を伴う細胞(フッ素ベース造影剤の添加により発光されるものなど)などの、任意の発光源であることが可能である。さらに、摂動光は、赤外から紫外範囲におよぶ数百ナノメートルの測定波長を有する電磁放射であることが可能である。
【0035】
図4は、(1)波長476nm、直径10μm、15Kで電力5mWの集束Arイオンレーザビームに露光された場合のマクロスコピックGaAs−In半導体/金属ハイブリッドEOCセンサ100(半導体膜102がGaAsを含み、金属分路104がInを含む)の光応答(上方パネル)、ならびに(2)同一のレーザ放射に対するマクロスコピックベアGaAs(In分路を有さない)の光応答(下方パネル)を示す。図4は、複数の離散走査z位置について、EOCセンサ100のx軸に沿ったレーザビームの走査位置に対する光コンダクタンスを図表化し、ここでx方向およびy方向は、図4の差込み図により特徴付けされる。図4のパネルは、EOCセンサの3つの注目に値する特徴、すなわち(1)出力電圧信号増幅が電圧プローブ112付近でピークに達する(電圧プローブ112の位置に対応するx軸上の位置での電圧応答におけるピークを参照)、(2)電圧応答がベアGaAsに対してよりも分路化されたEOCセンサに対しての方がはるかに大きい(〜500%)(それによりEOC効果を示す)、ならびに(3)レーザの焦点がIn分路の方にz方向(図3のセンサ100においてはy軸方向になる)に移動すると出力電圧信号増幅が低減する、を示す。
【0036】
これらのEOC効果は、以下のように理解することが可能である。レーザ摂動は、半導体膜102によって吸収され、周囲「暗」密度よりもはるかに大きな非常に高密度の電子正孔対を生成する。電子が、はるかに高い移動度を、したがって正孔よりもはるかに大きな平均自由行程を有するため、電子は、金属分路104によって効率的にグラウンドに短絡され、センサ100の表面上に衝突するレーザビームの中心から径方向に外方に広がる余剰正孔の正電荷領域を残す。この余剰正孔電荷は、レーザビームがX方向に沿ってプローブ112を通過する際に、強調された信号をもたらす、電圧リード112での追加的な電場を生成する。しかし、余剰正電荷の領域が、Z方向(または図3のy軸)に沿って分路104のさらに近くに移動すると、ますます多くの正孔もグラウンドに短絡され、余剰が低減する。これにより、Z方向レーザ衝突の上昇に伴う信号の低下がもたらされる。この低下にさらに寄与するものが、これらの電圧接点からレーザスポットのZ方向距離を有する電圧接点での余剰正孔誘起される電場の低減からもたらされる。分路104がない場合には、電子は、グラウンドに効率的に短絡されることが不可能となり、レーザスポットの領域内の余剰正(正孔)電荷の量が、著しく低下する。
【0037】
図5は、図4のセンサについてのEOC効果の温度依存性を図表化する。GaAsデバイスについては、余剰電子が金属分路104に達し、金属分路104によって短絡されるのに十分な余剰電子の平均自由行程の長さとなるのは低温時であるため、EOC効果は低温で最も際立つ。キャリア平均自由行程は、非温度依存である、正孔については温度に対して反比例的に変動するキャリア移動度に比例する。また、図5の図表は、l/T(Tはサンプル温度°Kである)として変動する関数を有するデータに対する最小二乗適合を示し、それによりEOC効果の温度依存性を示唆する。この分析にもとづき、我々は、EOCセンサについて、直接ギャップであるがナローギャップの半導体(室温での移動度がGaAsの70倍であるInSbなど)および/またはナノスコピック構造体を使用することにより、EOC効果が室温で実現されるはずである、と結論付ける。
【0038】
また、出力電圧の任意の熱ドリフトを緩和するために、InSb半導体をSiまたはTeドナーでドープして、飽和(例えば非温度依存)領域における外来キャリア高密化を実現することが可能である。
【0039】
また、本発明者らは、EOCセンサのサイズが小さくなると、光摂動源により行われる照明がEOCセンサ上で事実上均一になることが達成されることに注目する。この均一性は、X位置に関する図4の図表と事実上結びつくように作用し、これは、EOCセンサからの電圧応答の強度において著しい低下をもたらす。
【0040】
この問題に対する1つの解決策は、x軸に沿ってリード110および/または112を非対称に配置することである。一実施形態においては、このような非対称配置を、x軸に沿って電圧リード112のみを非対称に配置することによって実現することが可能である。図6は、半導体部分102、金属分路部分104ならびに電圧リード1121および1122(それぞれ図3のリードV2およびV3に相当する)を示す例示のEOCセンサ100の上面図を示す。x軸に沿った電圧リード112の位置が、図6に示され、半導体102についてのx軸に沿った全距離が、Xmaxで示される。図6のx軸に沿った一番左の位置を起点として用い、x軸に沿った一番右の位置を値Xmaxとして用いると、電圧リード1121のx軸位置はx1で表され、電圧リード1122のx軸位置はx2で表されることが分かる。電圧リードは、x1およびx2がx2=Xmax−x1となるような値を示す場合には、対称であると呼ばれる。EOCセンサ100の電圧応答を向上させるためには、電圧リード112をx軸に沿って非対称位置に配置することが好ましい。
【0041】
図3および図6に図示される電圧リード1121と1122との間の電位V23は、電荷への距離にわたる表面電荷密度の積分として計算することが可能である。
【数1】
ここで、Ymaxは半導体部分102についてのy軸に沿った長さであり、σ(y)は表面電荷密度を示し、ε0は自由空間の誘電率を示す。表面電荷密度σ(y)は、任意の数の方法でモデル化することが可能である。例えば、あるモデルにおいては、均一照明が一様電荷密度を生成し、これは、以下のように表すことが可能であるものとして仮定する。
【数2】
ここでCtotalは全電荷を表し、θは階段(ヘビサイド)関数を表し、因数1/2は、分路104への近接により、より多くの移動電子がより効率的に地絡されるため、正味の正電荷が増加されることから導き出され、パラメータys(図6を参照)は関心対象材料の固有の微分移動度を示す。大きいysの値は、全移動キャリアが分路104を介してグラウンドへのアクセスを有することを示唆し、小さいysの値は、限定数の移動キャリアが分路を介してグラウンドへのアクセスを有することを示唆する。このモデルにおいては、ysは、電子がグラウンドに事実上分路されていると見なされる、図6に図示されるy軸に沿った距離であることが可能である。
【0042】
実験的に測定されたV23(y)データにσ(y)を適合させることによって、表面電荷密度についての別のモデルを作成することが可能である。Xmax=10mm、x1=3.4mm、x2=6.6mm、Ymax=1mmの値に対して集束されるレーザスポットに露光される縮退ドープGaAsを使用するEOCセンサ100に関してV23を測定した実験においては、様々な値のx1およびx2に対するV23の値は、40μm平方(これはレーザスポットの直径に対応する長さの近似値である)にわたる積分のx限度およびy限度を有するV23について、上述の公式を使用して計算することが可能である。このような実験により得られるV23データは、V23(y)がガウス近似であることを示唆するため、V23についての上述の公式における被積分関数は、y×exp(−y2)の形でなければならない。l/y位置依存性であることを念頭に置くと、実験的適合σ(y)の値は以下のように求めることが可能である。
【数3】
ガウス適合の有効半径rhは1.5mm、オフセットyhは−0.88mmであることが可能である。
【0043】
図7aの図表は、一様電荷密度、固定ysが0.5mm、Ymax/Xmax比が1/10と仮定したEOCセンサ100の計算された電圧出力V23を示す。様々なリード位置x1およびx2が、xy面上に示され、電圧は、縦座標上に示される。この図表においては、電圧応答の対称性が明らかである。この図表においては、最適なリード位置は、(x1、x2)が、(0mm、5mm)および(10mm、5mm)の位置であると確定することが可能であり、これらの位置で電圧応答は最大になる。一方のリードがXmax距離の中間に位置し、他方のリードがXmax距離の両端に位置するこれらの位置は、中間リードが、最小電荷へのアクセスを有する端部上のリードと比較して、最大電荷の最も近くに位置するものとして定性的に理解することが可能である。
【0044】
また、別の実施形態においては、非対称リード配置は、x軸に沿って電流リード112のみを非対称に配置することにより実現することが可能であることに留意されたい。さらに、非対称リード配置は、x軸に沿って電流リード110および電圧リード112の両方を非対称に配置することにより実現することも可能であることに留意されたい。
【0045】
均一照明の問題に対する別の解決策は、図8a(上面図)および図8b(側面図)に図示されるように、カバー800を使用して光摂動にさらされるEOCナノセンサの一部分を遮蔽することである。このように、非均一照明は、半導体102および金属分路104の露出面の光の一部による摂動を妨げることによって実現することが可能である。例えば、カバー800を使用して、他の場合には露出される半導体102および金属分路104の面の半分をブロックすることが可能である。カバー800は、カバー800の底面について、絶縁体(例えばSiO2など)の薄膜(例えば20nmなど)層などの材料から形成することが可能であり、カバー800の露出面としての任意の金属からなるさらに厚い層(例えば50nmまたはそれ以上)が後に続く。別の例としては、カバー800は、任意の不透過性絶縁体の単一層(例えば50nm層など)から形成することが可能である。
【0046】
図7bの図表は、一様電荷密度、固定ysが0.5mm、Ymax/Xmax比が1/10と仮定したEOCセンサ100の計算された電圧出力V23を示し、カバー800が、EOCセンサ100の露出面の半分をブロックするために使用される。様々なリード位置x1およびx2が、xy面上に示され、電圧は、縦座標上に示される。分かるように、図7aの図表に見られる減損を伴うことなく、対称リードを使用することが可能である。
【0047】
均一な照明下におけるEOCセンサの電圧応答を上昇させるのに結果有効(result−effective)である別の構造パラメータは、Ymax/Xmax比である。これは、図7cにおける例により理解することが可能である。図7cは、Ymax/Xmax比に対する均一照明されるEOCセンサからの計算された出力電圧の図表を示す。また、図7cは、EOC応答の図表を示し、EOC応答は、ベア半導体センサの出力電圧と比較した、EOCセンサの測定された出力電圧におけるパーセント差として規定される。また、図7cは、Ymax/Xmax比に対するベアデバイスについての電圧応答を示す。
【0048】
図9は、ナノスケールEECセンサ900についての好ましい構造を示す。図9に図示されるように、ナノセンサ900は、半導体部分902および金属分路部分904を含むハイブリッド半導体/金属デバイスである。金属分路部分904は、半導体部分902の表面上に配設され、半導体部分902は、金属分路部分902と基板906との間に挟まれるように、基板906の表面上に配設される。図9に図示されるように、金属分路部分904、半導体部分902および基板部分906は、実質的に平行面内に位置すると好ましい。金属分路部分904と半導体部分906との接触部分が共に、半導体/金属界面908を画定する。したがって、図1のナノセンサ100とは異なり、ナノセンサ900の半導体/金属界面908の平面は、金属分路/半導体/基板の平面と実質的に平行である。
【0049】
半導体部分902は、約1000nmの厚さを有する薄い半導体膜であると好ましい。しかし、例えば約25nmと約2000nmとの間の範囲内の厚さなど、他の厚さの値を使用することが可能であり、厚さの値は、熱雑音低下および信号対雑音比における改善のために入力抵抗を低減させるように選択されることを理解されたい。さらに、半導体膜902は、長さが約100nmであり、幅が約50nmであると好ましい。しかし、例えば下限がリソグラフィ能力のみによって制約を受けるナノスケールの長さおよび幅など、半導体膜902の他のナノスケールの長さおよび幅の値を使用することが可能であることに留意されたい。
【0050】
金属分路904についての寸法は、厚さが約1000nm、長さが約100nm、幅が約50nmであると好ましい。EECナノセンサについては、金属分路904の幅および長さは、半導体膜902の幅および長さ以下であり、それを超過しないことが好ましい。しかし、やはり、他の厚さ(例えば、約25nmから約2000nmの範囲内の任意の値などで、厚さの値は、熱雑音低下および信号対雑音比における改善のために入力抵抗を低減させるように選択される)を使用することが可能であることを理解されたい。また、分路のナノスケールの長さおよび幅も、半導体膜の長さおよび幅を超過しないように選択される他の値であることが可能であり、下限はリソグラフィ能力のみによって制約を受ける。
【0051】
好ましくは、基板906の寸法は、半導体膜902の寸法を支持するように適切にサイズ設定され、そのため典型的には、基板906は、半導体膜および金属分路よりもはるかに大きい。基板906についての例示の寸法は、好ましくは厚さが約400μmであり、直径が約2インチである。しかし、他の寸法を使用することが可能であることを理解されたい。
【0052】
また、ナノセンサ900は、2つの電流リード910および2つの電圧リード912を含むと好ましい。これらのリードは、半導体膜902に接触するが、金属分路904には接触しない。また、これらのリードは、図9に図示されるように、半導体膜902のxz厚さに沿った表面上で半導体膜902に接触することが好ましい。リードの形状については、2つの電圧リード912は、図9に図示されるように、2つの電流リード910の間に配設されると好ましい。さらに、リード間の間隔は、ナノセンサ900の異常電子コンダクタンス効果を最大化させるように選択されることが好ましい。
【0053】
図9のEECナノセンサについては、外部摂動電場がない場合には、電流リードI1で入り電流リードI4から出るバイアス電流は、半導体膜902よりもはるかに高い導電性のため、金属分路904を主に通り流れる。しかし、金属分路904にアクセスするためには、この電流は、材料の適切な選択により、界面908でショットキー障壁をトンネル通過しなければならない。このトンネル電流は、障壁に印加される外部バイアスに対して指数関数的に変動する。したがって、摂動電場が界面908(EECセンサの表面上に配設される癌細胞の表面電荷など)に衝突すると、次いで摂動電荷は、界面908に対して垂直になる。この摂動場は、金属分路904上の表面電荷の再分布を生じさせ、ショットキー障壁に印加されるバイアス場をもたらす。結果的に得られるトンネル電流の指数関数的変化は、半導体902と金属分路904との間の電流の再配分を生じさせ、これは、電圧リード912間で測定される電圧における大きな検出可能な変化をもたらす。
【0054】
本発明者らは、以下のように癌細胞から期待することが可能な電場の大きさを推定した。体内の正常な細胞は負の電荷を有することが、一般的には主張され、−100から−10mVの間の値(これは電荷に対する正確な単位を有さない)が、その文献中で挙げられる。これらの電圧値は、電気泳動測定を使用して求められ、電気泳動測定は、実際の細胞電荷に間接的に関連付けられるにすぎない。しばしば、これらの「電荷」測定は、Zeta−Sizerなどのターンキーデバイスを使用して行われ、Zeta−Sizerは、(緩衝溶液中に懸濁している)電場中の帯電粒子のドリフト速度を測定するために散乱するレーザ光を使用することにより作動する。直接測定される量は、
v=μE
により与えられる速度vであり、ここでEは印加される場(典型値はΕ〜10−1V/m)であり、μは電気泳動度であり、導き出される量は、帯電粒子の特性に左右される。細胞のサイズに近いサイズを有する粒子については、
μ=εrε0ζ/η
(Smoluchowskiの公式)となり、ここでεrは比誘電率であり、ηは粘度であり、ε0は真空内の誘電率であり、ζはZeta電位である。典型的な測定値については、ζ〜10−2から10−1Vであり、η〜10−3Pasであり、εr〜80であり、これはμ〜0.7−7.0×10−8m2s−1V−1を示唆し、これは、典型的な場であるE〜10−1V/mにおいては、
v=μE=(0.7×10−8m2s−1V−1から7.0×10−8m2s−1V−1)×(10−1v/m)=0.7×10−9ms−1から7.0×10−9ms−1
を示唆する。粒子が小さいものと仮定すると、粒子が受ける電気的な力Fは、
F=E×q
であり、ここでqは粒子上の全電荷である。これは、半径がRで、速度vで移動する小球状粒子については、
F=6πηRv
により与えられる懸濁化剤の粘性抵抗により平衡され、これは乱流を防ぐのに十分な低さである。典型的な細胞径であるR〜10−5mを条件とし、vおよびηについては上記で挙げた典型的な値を使用すると、
F〜6πηRv=6π×10−3Pas×10−5m×0.7−7.0×10−9m/s=1.3−13×10−16N
となる。この値を上述のF=Eqに挿入し、典型的な値であるE〜10−1V/mを使用することにより、
F:(1.3×10−16Nから1.3×10−15N)≒10−1(V/m)xq
が与えられ、これは、q=1.3×10−15から13×10−15クーロンとしてとして解かれる。この電荷が細胞の表面上にあると仮定した場合には、これは、100V/cmから1000V/cmのオーダの標準電場を生成する。本発明者らは、この範囲内の場は、金属分路と出力電流リードとの間に0.5Vの順方向バイアス電圧が印加されるナノスケールEECセンサ900において、27から−270μVの出力電圧を生成すると推定する。したがって、半導体/金属界面908で表面電荷誘起されるバイアス場は、EECセンサの電圧応答において容易に検出可能であるはずである。
【0055】
さらに、EECナノセンサのショットキー障壁が、半導体/金属界面908の化学不純物により有害的に摂動される場合には、本発明者らは、この障壁に順方向バイアス電圧を印加することがこの問題を緩和するはずであると考える。
【0056】
図10は、図10の差込み図中に示されるように、GaAsとInとの間にショットキー障壁界面を有するEECセンサ900について水平構造体の、測定された電流−電圧図表を示す。このEECセンサの寸法は、それぞれx、yおよびz軸について、60μm×30μm×50nmであった。この図表より、0−0.5Vの範囲内の順方向バイアス(正)電圧では電流の指数関数的上昇があり、この電流は約−1.5Vまでの逆方向バイアス範囲においてはゼロであると指摘することが可能である。より高い逆方向バイアスでは、電流リークが図10に示されるように生じる。
【0057】
図11は、図11の差込み図中に図示される円形EECセンサの測定されたEEC特性を示す。これらのEEC測定は、図11に示されるように、構造充填率であるα=r/R(図11の差込み図を参照)と、−1050V/cmから+450V/cmの範囲内の場に対するショットキー障壁への直接順方向および逆方向バイアスとに関して行われる。既知の全電荷である〜1×10−15クーロンによる癌細胞の表面での場の推定値は、102−105V/cmの範囲内となることを指摘することが可能である。この関連で、EEC効果の定量測度として、EEC効果を
【数4】
として定義することが可能である。ここで、GはEECセンサのコンダクタンスであり、「場を伴って(with field)」はEECセンサを摂動する外部場(例えば癌細胞の表面により生成される場など)が存在する状態で、という意味である。
【0058】
図11において分かるように、EECは、順方向および逆方向の両バイアス方向において充填率により大きく左右され、増加し、順方向における飽和に関して50%を超過する値に達する。ショットキー障壁の特性を調整するためにSiで半導体902を選択的にドープすることにより、EECセンサの性能のさらなる改善を見込むことが可能である。
【0059】
これらのナノスケールEXXセンサに関して、半導体材料、金属分路材料および基板材料の様々な組合せを選択することが可能である。
【0060】
EMRナノセンサについては、適切な半導体材料の例としては、InSb、InAsおよびHg1−xCdxTeが含まれ、または任意のナローギャップ半導体が含まれ、適切な金属の例は、Auまたは任意の良質の非磁性金属である。EMRナノセンサについての適切な基板材料の例としては、高絶縁性ワイドギャップ半導体または絶縁体が含まれ、好ましい材料は、特性およびコストの両方において有利であるためGaAsである。
【0061】
EPCナノセンサおよびEACナノセンサについては、適切な半導体材料の例としては、GaAs、InAsまたは他のIII−V族半導体が含まれ、適切な金属の例としては、Auまたは任意の高導電性金属が含まれる。EPC/EACナノセンサ用の基板材料に関しては、基板材料の選択肢は、センサに対する摂動のタイプにもとづいて様々であってよい。例えば、高周波で大振幅の音響信号を検出するためにはGaAsなどの「剛性」基板を選択することが可能であり、他方では小振幅の低周波信号に対してはGaSbがより望ましい選択肢となる。また、信号選択性は、基板の寸法または構造特性の賢明な設計により調整することが可能であり、例えば、長く薄く狭い基板は、弱い音響摂動に対して線形的に応答するが、他方で厚い基板は、より強い音響摂動に対してより線形的に応答する。基板および半導体膜が共にGaAs材料から構成される場合には、半導体膜において使用されるGaAsは、基板において使用されるGaAsとは異なる不純物濃度を有するべきである。
【0062】
EOCナノセンサについては、適切な半導体材料の例としては、GaAs、InSbおよび他の直接ギャップ半導体が含まれ、適切な金属の例としては、Inまたは任意の高導電性金属が含まれる。適切な基板材料の例としては、GaAsおよび他の高抵抗材料が含まれる。基板および半導体膜が共にGaAs材料から構成される場合には、やはり、半導体膜において使用されるGaAsは、基板において使用されるGaAsとは異なる不純物濃度を有するべきである。
【0063】
EECナノセンサについては、適切な半導体材料の例としては、GaAsおよび他のドープ半導体が含まれ、適切な金属の例としては、Auまたは任意の他の高導電性金属が含まれる。適切な基板材料の例としては、GaAsまたは任意の適切な絶縁性の基板材料が含まれる。基板および半導体膜が共にGaAs材料から構成される場合には、やはり、半導体膜において使用されるGaAsは、基板において使用されるGaAsとは異なる不純物濃度を有するべきである。
【0064】
EXXナノセンサへの電流の供給に関して、適切なバイアス電流は、用途および実際のEXXセンサのタイプに応じて、マイクロアンペアまたはミリアンペアの範囲内であることが好ましい。
【0065】
図1〜図9に関連して上述されたナノセンサは、図12aおよび図12bに図示される複数のナノスケールEXXセンサ1202のN×Mアレイ1200を生成するように組み合わせることが可能である。NおよびMの値は、本発明の実施者により、ナノスケールEXXセンサの使用意図にもとづく設計選択のとおりに選択することが可能である(例えば、4×4、16×16、2×20、64×64などで、上の値は製造能力のみによって制約を受ける)。例えば、本発明者らは、現行のデジタルディスプレイ技術から判断されるナノセンサマトリクス寸法は、640×480、800×600、1024×768、1600×1200、2048×1536および3200×2400も可能であると予期する。これらのナノスケールEXXセンサ1202は、SiO2基板などのアレイ基板1204上に配設することが可能である。基板1204の好ましい厚さは、約400μmであるが、他の厚さを使用することが可能である。個々のナノスケールEXXセンサの電圧リードおよび電流リードは、説明の容易化のために図12aおよび図12bにおいては図示されないことに留意されたい。また、特に多数のナノセンサを有するアレイ(図13を参照)について、アレイ1200中のナノセンサ1202のマトリクスからアドレス指定する行/列ピンアウト配列についてのビア設計を使用することが可能であることに留意されたい。図13に図示されるアレイ構造については、EXXセンサ1202についての4−リードのそれぞれが、個別にアドレス指定可能なものであることが可能であり、それによりn×nアレイに対して4n2のピンアウトがもたらされる。さらに、これらのリードは、選択的に組み合わせて、n×nアレイに対して3n+1のピンアウトへの削減をもたらすことが可能である。
【0066】
また、個々のEXXセンサが基板1204と同一の材料からなる基板106を有するように設計される場合には、アレイ1200上に配置されるEXXセンサ1202は、この場合には基板1204の材料が適切な基板として機能することが可能であるため、基板106を含む必要がないことに留意されたい。しかし、基板材料が異種のものである場合には、個々のEXXセンサ1202は、それら自体の基板106を含むことが好ましい(例えば、EXXセンサ1202がGaAs基板106を有し、他方でアレイ1200がSiO2基板1204を有する場合)。好ましくは、アレイ1200は、EXXセンサ1202間に狭い間隔を呈する。例えば、約50nmから約1000nmの範囲内となる間隔値を使用することが可能である。
【0067】
EXXセンサのタイプ(または複数のタイプ)の選択および、EXXセンサのタイプ(または複数のタイプ)のアレイ1200上での配置は、大きく変更可能であることが可能である。例えばアレイ1200は、単一タイプのナノスケールEXXセンサ1202のみを含むことが可能である(例えば、EACセンサのみのアレイ、EOCセンサのみのアレイ、EECセンサのみのアレイなど)。また、アレイ1200は、ナノスケールEMR/EPC/EAC/EOC/EECセンサ1202の任意の組合せなど、複数の様々なタイプのナノスケールEXXセンサを含むことが可能である。複数の様々なタイプのEXXナノセンサ(EAC/EOC/EECナノセンサなど)を1つのアレイに組み込むことにより、LSCのように、電荷および蛍光イメージングの出力にもとづいて細胞の予期される疑問についてのHCSを実施することが可能なスクリーニングシステムが提供される。しかし、音響サブシステムの分解能は、光学顕微鏡検査から得られるもの以上であり、デジタル化された超音波波形の時間軸が、現行で入手可能な臨床用超音波システムを用いての器官構造のイメージングに非常に類似する、分散関係によりイメージングされる細胞への距離にマッピングすることが可能な情報を含むため、容積データをさらに提示する(すなわち一度に単一の焦点面に限定されない)。このタイプの計装は、ナノスケール音響顕微鏡検査にもとづく容積データの同時取得、高価な高強度光源を必ずしも必要としない現行の光学顕微鏡検査よりも高い分解能、電気泳動技術に固有の複雑さおよび曖昧さを伴わない高精度および高分解能表面電荷測定、ならびに高分解能で低ノイズの蛍光イメージングなどの、現行のサイトメトリ/顕微鏡検査器具では得ることのできない複数の利点を提供する。
【0068】
また、アレイ1200は、図14aに図示されるように、複数のピクセル1400にさらに細分化されるものとして見なすことが可能であることに留意されたい。各ピクセル1400は、1つまたは複数のナノセンサ1202を含むことが可能である。例えば、図14(b)に図示されるように、ピクセル1400は、4つのナノセンサのタイプ「A」「B」「C」「D」(ここで、タイプ「A」はEOCナノセンサに対応し、タイプ「B」はEPCナノセンサに対応し、タイプ「C」はEECナノセンサに対応し、タイプ「D」はEMRナノセンサに対応することが可能である)などの複数の様々なタイプのナノセンサ1202を含むことが可能である。ピクセル1400内の様々なタイプのナノセンサのこのようなグループは、ナノセンサの電圧応答に対して信号加算平均技術を使用することにより、アレイ1200の感度を向上させるのに有効となることが可能である。
【0069】
同様に、合成ピクセルを形成するために、ピクセル1400またはその一部分を他のピクセル1400またはその一部分と共にグループ化することが可能であることに留意されたい。例えば、図15aは、図14bに図示される配置の4つのピクセル1400のグループ化により形成される合成ピクセル1500を示す。さらに、合成ピクセル1500は、1つのタイプのナノセンサのみから形成することが可能である(例えば、図15(a)において太字表記により示されるような、4つのピクセル1400内の「A」タイプナノセンサのみなど)。やはり、合成ピクセルのこのような配置は、信号加算平均技術の使用により感度を向上させるのに有効となることが可能である。
【0070】
図15bは、直線状に配置される同一タイプの複数のナノセンサから形成され、複数のピクセル1400の長さ(例えば合成ピクセル1502内に太字で示される「A」タイプのナノセンサなど)を有する合成ピクセル1502の一例を示す。また、図15(b)は、合成ピクセル1502に対して直角に直線状に配置される同一タイプの複数のナノセンサから形成され、複数のピクセル1400の長さを有する合成ピクセル1504の一例を示す。合成ピクセル1502および1504などの配置された合成ピクセルは、光信号の位相型イメージング、偏向された光の偏光、または使用されるナノセンサのタイプに応じた様々な音響モード(例えばシアープレートモード、横プレートモード、種々のプレートモードなど)の検出に有効であることが可能である。
【0071】
1つまたは複数の細胞などの対象物が、EXXセンサ1202の露出面上のアレイ1200に接触するように置かれ、アレイのEXXセンサ1202が、摂動されると、種々のEXXセンサ1202の電圧応答は、信号処理装置(図示せず)を含む受信器電子機器により、測定し、デジタル化し、保存し、および処理することが可能である。次いで、電圧応答の収集されたものが、EXXセンサ間の空間関係にもとづいて選択的にピクセル化されて、対象物の1つまたは複数の特性を示す対象物の画像を生成することが可能となる。単一モード画像およびマルチモーダルパラメータ化画像は共に、種々のタイプのナノセンサからの出力を重ね合わせ組み合わせることによって生成することが可能である。アレイのEXXセンサがナノスケールであるため、結果的に得られる画像もまたナノスケールの分解能を呈する。さらに、各ナノスケールEXXセンサ1202は、データ取得速度(単位時間当たりの対象物の所与の区域のフレームのイメージング)を高めることを可能にするように、受信器電子機器による個別にアドレス指定可能であることが可能である。また、細胞の成長能力およびアレイ表面への付着能力を強化するために、1つまたは複数の細胞がアレイに接触するアレイの露出面を、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コラーゲンなどのタンパク質、あるいはポリ−L−リジンまたはシランなどのタンパク質類似物質で被覆することが可能であることに留意されたい。
【0072】
例えば、アレイ1200が複数のEACセンサおよびEECセンサ1202から構成される場合には、細胞がこのアレイの上に配置された後に、アレイは、ナノスケール分解能を有する細胞の超音波画像を生成することが可能なEACセンサから電圧応答を取得するために、音波により摂動させることが可能である。同時に、アレイ1202上のEECセンサは、細胞自体からの表面電荷によって摂動して、ナノスケール分解能を有し細胞上の電荷の空間分布を示す画像を生成することが可能なEECセンサからの電圧応答を生成することが可能である。さらに、細胞からの表面電荷はEACセンサを摂動させる傾向がないため、ならびに音波はEECセンサを摂動させる傾向がないため、EECセンサとEACセンサとの間のクロストークを最小化させることが可能であり、細胞の複数の特性の画像を同時に生成することが可能である。
【0073】
しかし、アレイ1200がEAC/EPCセンサおよびEOCセンサを共に含む場合には、クロストークが生じ、光摂動によってEACセンサにおいて望ましくない電圧応答が生じ、音響摂動によってEOCセンサにおいて望ましくない電圧応答が生じる可能性があることに留意されたい。このようなクロストークの効果を低減させるために、連続的に加えられる摂動とそれにもとづき摂動が加えられるナノセンサの選択的疑問とを有するEOCセンサとは異なる時に、EACセンサを選択的に摂動させることが可能である。細胞自体が光摂動源である場合には(おそらく細胞による自発的な発光ではなく、むしろ外部光場への露光後の発光)、細胞内に存在する燐光成分がある場合には、クロストークは低減される可能性がある。そのような場合には、信号処理技術(ロックイン増幅、デジタルロックイン、パルスゲーティング、時間相関など)を使用して、EAC信号とEOC信号とを区別することが可能である。EOCに関しては、吸光度および反射率の場合に、細胞の応答は基本的に瞬時であり、例えば、吸収信号および反射信号が、これに関連する時間スケールにおける位相遅延が基本的にない、入射光信号と同一のプロファイルを基本的に有する。そのため、EPCからEOCの吸光または反射のいずれかの一時的な分離は、問題とはならないはずである。蛍光の場合には、EOC信号は、細胞の蛍光寿命に左右される。これがマイクロ秒以下の範囲内またはそれより短い場合には、蛍光信号は、吸光および伝達EOCと同一の方法により処理することが可能である。ミリ秒以上の長さのオーダである場合には、(実質的にDCの)EOCベースライン変更をEPC信号に加えることが可能であるが、ベースラインを上回る信号は依然として容易に認識可能であるはずである。この結果は、長寿命蛍光が存在する場合のEPC信号の検出のために適用可能であるが、より短時間の音響信号と同期させるように検出システムをゲーティングすることにより、ベースライン変更を拒否させることが可能である。また、信号選択を実現するためには、ハードウェア方法がある。厚い領域および薄い領域を有する基板を製造し、厚い領域上にEOCセンサを、薄い領域上にEPCセンサを配設することにより、EOC領域が、音響信号を、それらの一時的特性にかかわらず受信しないようにすることが可能である。同様に、EPCセンサ上にのみ、薄いが光不透過性の表面膜を配設することにより、EPCセンサは、いかなる光信号も、それらの一時的特性に関わらず受信しないようにすることが可能である。
【0074】
EXXセンサ1202に対する摂動(または複数の摂動)の源は、上に説明したような1つまたは複数の外部摂動源、対象物自体(特にEOCナノセンサおよびEECナノセンサについて)または、アレイに組み込まれる摂動源が可能である。例えば、近接場走査型光学顕微鏡(NSOM)などのレーザ源は、SAFT技術を使用して、光子場を、NSOMが装着/構成されている走査トンネル顕微鏡(STM)の圧電式X移動制御およびY移動制御装置によるアレイ間のX方向およびY方向への走査/駆動が可能な小サイズ(1ミクロン以下およびアレイ上のEXXセンサ間の間隔未満のオーダ)に空間的に局在化することが可能である。STMは、任意のEACナノセンサを摂動するために使用することが可能であり、NSOMは、任意のEOCナノセンサを摂動するために使用することが可能である。NSOMは、適切なレーザから、テーパ形状の金属被覆された光ファイバの端部のミクロン未満のサイズの開口を介して光を誘導する。近接場方法は、光子場に、可視領域内の500nmの小ささの側方局在化を与えることが可能である。さらに、EECナノセンサを摂動するために空間局在化される場は、STMスキャナにテーパ状金属チップを取り付け、チップと基板1204上の金属被覆された裏面との間に既知の電圧を印加することによって得ることが可能である。レーザ摂動および電場摂動の両方については、印加される場の空間分解能は、センサアレイの表面へのぴったりとした近接を維持することに左右される。このような近接は、STM(誘導)チップからの信号によるSTMのZ移動のフィードバック制御により維持することが可能である。
【0075】
また、アレイのEXXセンサはそれぞれ、アレイのEXXセンサの全てが同一の電流を受けないような態様で、固有のバイアス電流を受けることが可能である、ということは注目に値する。例えば、アレイのEXXセンサ1−10が電流Aを受け、アレイのEXXセンサ11−20が電流Bを受けてよい。他の例としては、20のそれぞれ異なる電流を、アレイの20個のEXXセンサに供給することも可能である。
【0076】
図16aおよび図16bは、本発明のための別のアレイの実施形態を示し、摂動源が、アレイ1600に組み込まれる。アレイ1600は、アレイのEAC/EPCナノセンサ1202を摂動するための音波を生成する役割を果たす組込み型PZTトランスデューサ1604を含む。アレイ1200と同様に、個々のナノスケールEXXセンサ1202の電圧リードおよび電流リードは、説明の容易化のために図16aおよび図16bには図示されない。しかし、ナノセンサリードへの基板1204上に配設される電気トレースのためにグラウンド−信号−グラウンド(GSG)配線構造を使用して、信号周波数のUHFおよびSHF範囲内の特性を向上させることが可能であることに留意されたい。アレイ1600に関しては、EXXセンサ1202および基板1204は、図12aおよび図12bに関連して上で説明したように配置することが可能である。しかし、PZTトランスデューサ1604が存在するため、ナノスケールEXXセンサ1202の少なくともいくつかがEPC/EACセンサであることが好ましい。また、アレイ1600は、基板1204の平面に対して実質的に平行な平面内に位置するトランスデューサ基材1608を含むと好ましい。基材1608についての材料および厚さは、圧電式薄膜トランスデューサ1604の音響インピーダンスに類似的に合致し、(基材に当てられる音波を減衰させ)、望ましくない複数の残響共鳴効果を最小限に抑え、(さらに短い時間のパルスおよびさらに高い軸方向分解能に対応する)デバイスの有効周波数帯域幅を効果的に広げるように薄膜1604の「Qを損なう」のに十分な損失の多さの音響インピーダンスを有するように選択されると好ましい。基材1608の一例は、粉砕されたタングステン粒子を含むエポキシ樹脂であることが可能である。しかし、上述のような他の基材を使用してよいことに留意されたい。さらに、広帯域幅トランスデューサは(MHz範囲ではなく)GHz範囲になるため、本発明者らは、本明細書において、基材1608の選択が性能にあまり影響を与えないことがあると考える。
【0077】
基板1204と基材1608との間に配設されるのは、グラウンド導体1602および高電圧(hot)導体1606に接触するマクロスケール圧電式トランスデューサ1604である。また、マクロスケール圧電式トランスデューサ1604は、基板1204の平面と実質的に平行な平面内に位置すると好ましい。導体1602および1606を通る電流により圧電式トランスデューサ1604を駆動することによって、圧電式トランスデューサは、平面が基板1204の平面に対して実質的に平行であり、伝播方向が基板1204の平面に対して実質的に垂直な広帯域幅音響平面波を発する(アレイのEPC/EACナノセンサの半導体/金属界面108の平面と同一平面における誘導による)。この広帯域幅音響平面波は、EPC/EACナノセンサに対する摂動の役割を果たす。圧電式トランスデューサ1604は、薄膜多結晶または単結晶の灰チタン石セラミック材料(例えば、PZT(チタン酸ジルコニウム酸鉛)および、PNZT(ニオブドープPZT)、PLZT(ランタンドープPZT)、PMN−ZT(マグネシウムニオブ酸塩ドープPZT)などのドープ誘導体など)、あるいはポリマー材料(例えばPVDF(ポリビニリデンジフルオライド)など)などの薄膜圧電式トランスデューサ材料から形成することが可能であり、所望の範囲に周波数応答を調整するように約20nmと約2000nmとの間の厚さを呈することが可能である。しかし、他の材料および厚さを使用することが可能であることに留意されたい。広帯域幅音響平面波の周波数は、GHz範囲内(例えば約1−5GHzなど)であることが可能であるが、他の周波数値を使用することが可能である。
【0078】
マクロスケールPZTトランスデューサ1604により生成される広帯域幅平面波は、後方散乱される超音波から再構築される画像の品質を改善する役割を果たし、アレイ1600は、ナノスケール音響トランスミッタを使用して得ることが困難な圧力レベルでイメージングされる対象物の照射(insonification)を可能にする。さらに、伝送素子および受信素子(トランスデューサ1604およびナノセンサ1202のそれぞれ)を分離させることにより、受信電子機器(図示せず)は、大幅に簡素化されて、伝送に関してより高い駆動レベルが可能となり、信号受信のSNRおよび帯域幅の両面を改善することが可能となる。さらに、伝送素子および受信素子を共に単一のアレイに組み込むことにより、高価なSAMなどの外部音響摂動源の必要性を回避することが可能となる。
【0079】
集積アレイ1600またはアレイ1200は、大量生産することが可能であって、細胞培養皿1700の底部中に組み込むことが可能な廉価な(さらに使い捨て自在な)イメージングデバイスをもたらし(図17を参照)、それにより多数のまたは単一の細胞を音響的にイメージングし、癌、心臓病、炎症性疾患などの疾病の治療を目的とする治療薬の安全性および効能のモニタリングを容易にするデータを継続的に供給することを可能にする。
【0080】
図18は、本発明によるイメージングアレイの別の実施形態を示す。図18は、多重素子ピッチ−キャッチアレイ1800を示す。アレイ1800は、20μm離間する対向対1802の線形構成となるように均等に離間される64対の矩形圧電式(例えばPZTまたは、上述されるものなどの他の圧電式材料)素子1810を含む。ベース1806およびサポート1804が、互いに対向するPZT素子1810の対1802を保持する。また、PZT素子に電力を供給するための駆動電子機器(図示せず)が、アレイ1800内に含まれる。圧電式素子についての例示の寸法は、高さ6.0μm、厚さ300nm、幅250nm、および素子間隔50nm(素子ピッチ300nmに対して、全64素子では全アジマス19.2μm)である。しかし、他の寸法を使用することが可能であり、ゾルゲル蒸着を、ナノスケールPZT素子を製造するための技術として使用することが可能である。
【0081】
64個のPZT素子1810(図18の下部の正面図中に示される)は、対向側のパートナーとの20μmのギャップの間を伝播する超音波パルスを生成するように構成され、対向側のパートナーは、受信器として機能する。パルス/エコーモードにおいては、対向側のアレイ上の64個のPZT素子は、反射体として作用する。アレイ1800によりイメージングされる対象物は、対向対1802の間に配置することが可能であり、超音波パルスは、対象物の超音波画像を再構築することが可能な超音波データを生成するために使用することが可能である。
【0082】
さらに、図12aおよび図12bに図示されるもののようなN×M(例えば16×16など)アレイは、超音波画像の生成において使用するためにナノスケールで製造されるこれらのPZT素子1810から構成することが可能である。アレイ1200および1600と同様に、このようなアレイは、アレイ表面上で成長する癌細胞の超高分解能画像を生成するために使用することが可能である。このような癌細胞の音響画像は、SAFT技術を使用して、2.7GHzまたは5.2GHzなどの周波数の超音波を用いて生成することが可能である。このようなアレイのSNRを改善するために、超音波パルスのパルス繰返し周波数を上昇させてよく、および/または、信号加算平均技術を使用することが可能である。好ましい超音波パルスについての伝送周波数が高いため(好ましくはGHz範囲内であり、したがって短パルス長を示唆する)、およびラウンドトリップ距離が短いため、本発明者らは、本明細書において、そのようなアレイについての信号加算平均が、信号加算平均の有効性を従来の超音波に制限する通常の問題点に直面しないことを予期する。また、上述のアレイ1200および1600は、上述の個々のEXXセンサ1202と共にナノスケールPZT素子1810を組み合わせることが可能であることに留意されたい。
【0083】
図19は、マルチステップ電子ビーム(eビーム)リソグラフィプロセスを使用するナノスケールEXXセンサを製造するための手順を示す。ステップ1900で、半導体材料の薄膜ウェーハ102/902が提供される。次にステップ1902で、30nm厚のSi3N4の絶縁体フィルム(リードと分路との間の短絡を防止するために加えられる)が、キャップ層として薄膜ウェーハの上に蒸着される。ステップ1904で、ワイヤボンディング用のマクロスコピックAuストリップが、基板106/906の上に画定される80μm四方区域の縁部から外方に放射状に広がるパターンで、キャップ層の上に蒸着される。次に、ステップ1906で、30nm厚のカリックスアレーン膜が薄膜ウェーハの表面上にスピンコートされる。ステップ1908で、4つの30nm×3μmのAuストリップが、eビームリソグラフィにより80μm四方区域の隅部のカリックスアレーンに輪郭描画される。このカリックスアレーンパターンおよびマクロスコピックAuストリップは、従来の方法を使用するSi3N4層の反応イオンエッチング(RIE)(ステップ1910)のためのマークとしての役割を果たす。このRIEプロセス(ステップ1910)は、支持基板上に薄膜の浮出しメサを生成する。InSb膜については、適切なエッチング液は、CH4+H2の混合物である。残されるSi3N4およびAuストリップは、RIEマスクの役割を果たす。次いで、ステップ1912で、AuリードおよびAu分路が、Geステンシルマスクおよびシャドウ蒸着技術を使用して蒸着される。本発明者らは、このような製造法により、35nm(懸架マスクeビームリソグラフィの限度により設定される電圧プローブ間隔)×30nm(RIEエッチング特性およびカリックスアレーンレジストパターンの分解能により設定されるメサの幅)×25−250nm(x軸、y軸およびz軸のそれぞれに沿った薄膜材料の厚さ)の容積分解能を有するEXXナノセンサがもたらされると考える。Solinらによる「Room temperature extraordinary magnetoresistance of non−magnetic narrow−gap semiconductor/metal composites: Application to read−head sensors for ultra high density magnetic recording」(IEEE Trans Mag、2002年、38頁、89−94)、Pashkinらによる「Room−temperature Al single−electron transistor made by electron−beam lithography」(Applied Physics Letters、2000年、76頁、2256)、M Sugawaraによる「Plasma Etching」(New York、Oxford、1998年)を参照されたい。これらそれぞれの全開示が、参照により本明細書に組み込まれる。当業者には理解されるであろうが、この技術は、EPC、EAC、EOC、EMRおよびEOCナノセンサのみではなく、EECナノセンサの製造に適用することが可能である(EECナノセンサの製造は、それらとの間の構造的差異により必要となることは少ない)。
【0084】
メサのフロアを通るリーク電流を最小限に抑えるために、50nm以内のメサ側壁にAl層を蒸着し、その後酸化することによって、初めに絶縁性Al2O3バリアを作製することが可能である。メサ側壁に垂直な約+/−10nmのアラインメント精度が望ましい。
【0085】
さらに、アレイ1200または1000を製造する際には、各EXXナノセンサ1202を個別に製造し、次いでその個々のEXXナノセンサ1202をアレイに一体化するのではなく、EXXナノセンサ1202が1つのアレイとして共に設計され製造されることが好ましい。
【0086】
また、ナノスケールEXXセンサのアレイを製造する際には、基板1204の薄層化プロセスを使用して、アレイの性能を最適化することが可能であるが、この薄層化は、EXXセンサが基板を突き抜けるのを回避するために、漸進的に遅くなる制御可能な速度で基板を薄層化するフィードバック制御プロセスを使用して達成することが好ましい。さらに、組み合わされたナノセンサのこのようなアレイを製造する際には、懸架マスクeビームリソグラフィプロセスにおいて、複数の追加的なマスクステップを使用することが可能である。
【0087】
上記に参照されるSAFTは、従来のSAFTまたはその複数の変形形態を用いて実施することが可能であり、従来のSAFTアルゴリズムの変形形態が、必要なアレイ素子の数を低減させ、SNRにおける改善を提供する。これらの変形形態は、複数素子サブ開口SAFT(Gammelmarkらによる「Multielement synthetic transmit aperturn imaging using temporal encoding」(IEEE Transactions on Medical Imaging、2003年、22頁、552−63)を参照、この全開示が参照により本明細書に組み込まれる)を含み、これは、従来の合成開口集束技術よりも高い電子信号対雑音比と、より優れたコントラスト分解能とを実現することが明らかになっている。別のSAFTアプローチは、(より低い送受信信号の代償として得られる)アレイ素子の数を低減させる利点を提供する希薄(sparse)アレイSAFTにもとづく。これらの欠点は、各伝送素子に供給される電力を増加させることによって、および各伝送パルスについて複数の伝送素子を使用することによって、最小限に抑えることが可能である。別のSAFTオプションは、Bモードと、トランスデューサの焦点を越える横方向分解能を向上させることが判明しているSAFTとの組合せを使用すること、ならびに、従来の合成開口イメージングと同様に、横方向分解能を犠牲にすることのみによってではあるが、サイドローブを低減させるためのアポディゼーションの使用によるものである。この技術により得られる結果は、15MHz集束トランスデューサについては、焦点を3mm、5mmおよび7mm越える6−dBビーム幅はそれぞれ、189μm、184μm、および215μmである。0.12mmのワイヤを走査することによって生成される画像については、SNRは、ワイヤが焦点にある場合には38.6dBであり、これは、ワイヤが焦点をそれぞれ3mm、5mmおよび7mm越える場合には、合成開口加工後には、32.8dB、35.3dB、および38.1dBとなる。1−2GHzでは、これらのビーム幅およびSNRは、分解能がナノメートル範囲にまでスケールダウンすることを示唆する。
【0088】
図20は、Frazierの記述に従った合成開口イメージングへのアプローチを示す。図20は、添え字iにより示される素子のアレイを示す。説明を簡易化するために、各素子が同時に作動される場合の受信側のイメージング問題のみを考察する。各アレイ素子で測定される後方散乱される信号Si(t)を、それらの信号がポイントPで効果的に集束されるように処理することが望ましい。これは、アレイ素子からの様々な信号を適切に遅延させ、それらを加算すること(「delay−and−sum」ビーム形成)によって実現することができる。アレイからの場は、アレイ素子からの全パルスが同時にポイントPに到達する場合には、ポイントPで集束される。これは、
【数5】
だけ各後方散乱されるパルスをシフトする場合の後処理において、およびそれに次いで
A(t)=Σwi(P)Si(t−Δti)
に従って受信した各波形を加算することにおいて、実行することが可能である。ここで、wi(P)項は、各素子に割り当てられる重量であり、選択される焦点Pの関数であり、またアレイ素子が伝送する場に影響を及ぼすアレイ素子伝送特性である。これらの重量を用いて開口アポディゼーションを実現し、これは、高い分解能の取得を必要とする。本発明者らは、未加工データの取得のために使用されるトランスデューサにより幅が決定される単位矩形関数を使用して、満足な結果を得た。Bracewell、RN「The Fourier Transform and its Applications」(New York、McGraw−Hill、1978年)を参照されたい。この全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書において説明されるナノセンサに関してなど、比較的高い分解能が望まれる用途については、Frazierにより説明されるものなどの他のアポディゼーションを使用することが可能である。
【0089】
本発明が、その好ましい実施形態に関連して上述で説明されたが、本発明の特許請求の範囲内に依然として含まれる様々な修正をこれに対して行い得る。本発明に対するこのような修正は、本明細書における教示を精査することにより認識可能である。例えば、本明細書において説明されるナノセンサの実施形態は、概して矩形のプレート形状を有するものとして説明された。ナノセンサに関して他の形状を使用することが可能であることに留意されたい。例えば、組み込まれる同心金属分路を有する円形半導体材料などである。また、本発明者らは、ナノスケールEXXセンサおよび/またはそのようなナノスケールEXXセンサのアレイを、患者の体内状態をイメージングするために患者の体内(患者の血管系内など)に埋め込むことが可能であると予期することに留意されたい。これらのセンサまたはアレイは、皮下ポンプ、または心臓ペースメーカおよび細動除去器、または任意の人工装具デバイス用の経路を埋め込むのとほぼ同一の方法で埋め込むことが可能である。本発明者らは、血管内カテーテルによる供給および配置が利用されることを予期する。このようなナノセンサおよびアレイは、体内状態および体内プロセスの体内超高分解能イメージングを実現するために、ペースメーカが埋め込まれる場合のように、適切な受信器で遠隔的にモニタすることが可能な信号(例えば無線信号など)を生成する送信器をアレイ中に組み込むことによってなど、遠隔計器出力装置と共に構成することが可能であり、あるいはこのようなナノセンサおよびアレイは、アレイの検索と同時にその後の分析のために電圧応答を記憶することが可能なオンボードローカルメモリを含むことが可能である。バイアス電流については、ナノセンサまたはアレイは、それら自体のオンボードエネルギー源と共に構成することが可能である。
【0090】
さらに、本発明のナノセンサおよびアレイは、センサにより検出可能な任意のナノスケールイベントのリアルタイムプロセス間モニタリングおよび、環境モニタリング用のフィールドセンサへの組込みなどを含む(それらに限定されない)、他の非医療用途のために使用してもよい。例えば、本発明者らは、ナノスケールEOCセンサが位置敏感型検出器としておよび光センサとして有効であることが可能であり、ならびにナノスケールEECセンサがフラットパネルディスプレイにおけるピクセルモニタリングに対して有効であることが可能であると予期する。
【0091】
したがって、本発明の全範囲は、添付の特許請求の範囲およびその法的均等物によってのみ規定されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の少なくとも1つの特性を感知するための装置であって、
摂動に反応して電圧を生成するようにそれぞれが構成される複数のナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスを含むアレイを備え、生成された電圧はナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスの近傍の対象物の少なくとも1つの特性を示す、装置。
【請求項2】
各ナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスがナノスケールEXXセンサを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
複数のナノスケールEXXセンサがナノスケール長を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
複数のナノスケールEXXセンサがナノスケール長およびナノスケール幅を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
アレイが複数の様々なタイプのナノスケールEXXセンサを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
アレイが、対象物に接触するための少なくとも複数のナノスケールEXXセンサの上にタンパク質コーティングをさらに含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
タンパク質コーティングが、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コラーゲンおよびタンパク質類似物質からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
ナノスケールEXXセンサの少なくとも1つがナノスケールEACセンサを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
ナノスケールEACセンサが、
半導体膜と、
半導体膜に隣接して配置され、それにより半導体/金属界面を画定する金属分路と、
半導体膜に接触している少なくとも2つの電流リードと、
半導体膜に接触している少なくとも2つの電圧リードと
を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
半導体/金属界面が摂動の方向に対して実質的に平坦である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
ナノスケールEACセンサが基板をさらに含み、半導体膜が基板の表面上に配置され、金属分路が、基板の同表面上に、および半導体膜と実質的に同一平面内に配置される、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
半導体が、GaAsおよびInAsからなる群より選択される少なくとも1つを含み、金属分路が、Auを含み、基板が、GaAsおよびGaSbからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
音響エネルギーを用いてアレイを摂動するための音響摂動源をさらに含む、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
音響摂動源が、走査型超音波顕微鏡、合成開口集束技術(SAFT)を用いる超音波エミッタ、フェーズドアレイトランスデューサを有する医用画像機器、単一素子集束または非集束超音波トランスデューサ、衝撃波デバイス、および中高強度集束超音波アレイからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
ナノスケールEXXセンサの少なくとも1つがナノスケールEOCセンサを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項16】
ナノスケールEOCセンサが、
半導体膜と、
半導体膜に隣接して配置され、それにより半導体/金属界面を画定する金属分路と、
半導体膜に接触している少なくとも2つの電流リードと、
半導体膜に接触している少なくとも2つの電圧リードと
を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも2つの電圧リードが、半導体膜の幅に沿って非対称的に離間される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
少なくとも2つの電流リードが、半導体膜の幅に沿って非対称的に離間される、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
半導体膜および金属分路からなる群より選択される少なくとも1つの一部分を光が摂動するのを防ぐために配設されるカバーをさらに含む、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
半導体/金属界面が摂動の方向に対して実質的に平坦である、請求項16に記載の装置。
【請求項21】
ナノスケールEOCセンサが基板をさらに含み、半導体膜が基板の表面上に配置され、金属分路が、基板の同表面上に、および半導体膜と実質的に同一平面内に配置される、請求項16に記載の装置。
【請求項22】
金属分路がInを含み、半導体が、GaAs、InSbおよびInSbからなる群より選択される少なくとも1つを含み、基板がGaAsを含む、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
光を用いてアレイを摂動するための光摂動源をさらに含む、請求項16に記載の装置。
【請求項24】
光摂動源がレーザ発光デバイスを含む、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
少なくとも1つのナノスケールEOCセンサを含むナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスに接触している物質をさらに含み、物質が、少なくとも1つの生体細胞を含み、少なくとも1つの生体細胞により生成される蛍光または燐光発光が、少なくとも1つのナノスケールEOCセンサにおいて電圧を生成するための摂動としての役割を果たす、請求項16に記載の装置。
【請求項26】
少なくとも1つのナノスケールEXXセンサがナノスケールEECセンサを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項27】
ナノスケールEECセンサが、
半導体膜と、
半導体膜の表面上に配置され、それにより半導体/金属界面を画定する金属分路であって、この半導体膜表面の一部分が、金属分路によって被覆されず、半導体膜および金属分路が、実質的に平行面内にあるが、同一平面ではない、金属分路と、
半導体膜に接触している少なくとも2つの電流リードと、
半導体膜に接触している少なくとも2つの電圧リードと
を含む、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
ナノスケールEECセンサが基板をさらに含み、半導体膜が基板と金属分路との間に配設される、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
半導体/金属界面が摂動の方向に対して実質的に垂直である、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
半導体がGaAsを含み、金属分路がAuを含み、基板がGaAsを含む、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
少なくとも1つのナノスケールEECセンサを含むナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスに接触している物質をさらに含み、対象物が、少なくとも1つの生体細胞を含み、少なくとも1つの生体細胞により生成される電荷が、少なくとも1つのナノスケールEECセンサにおいて電圧を生成するための摂動としての役割を果たす、請求項27に記載の装置。
【請求項32】
ナノスケールEXXセンサがそれぞれ、個別にアドレス指定可能である、請求項5に記載の装置。
【請求項33】
アレイのナノスケールEXXセンサの少なくとも1つがナノスケールEMRセンサを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項34】
アレイのナノスケールEXXセンサの全てが同一タイプのものである、請求項2に記載の装置。
【請求項35】
複数のナノスケールEXXセンサがナノスケール長を有する、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
複数のナノスケールEXXセンサがナノスケール長およびナノスケール幅を有する、請求項34に記載の装置。
【請求項37】
各ナノスケールEXXセンサがナノスケールEACセンサを含む、請求項34に記載の装置。
【請求項38】
各ナノスケールEXXセンサがナノスケールEOCセンサを含む、請求項34に記載の装置。
【請求項39】
各ナノスケールEXXセンサがナノスケールEECセンサを含む、請求項34に記載の装置。
【請求項40】
少なくとも1つのナノスケール圧電式センサをさらに含む、請求項2に記載の装置。
【請求項41】
ナノスケールEXXセンサが、少なくとも1つのナノスケールEXXセンサをそれぞれが含む複数のピクセルに対応するアレイ上に配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項42】
複数のピクセルが複数のナノスケールEXXセンサを含む、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
複数のナノスケールEXXセンサを含む少なくとも複数のピクセルが、複数の様々なタイプのナノスケールセンサを含む、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
複数のナノスケールEXXセンサを含む少なくとも複数のピクセルが、複数の同一タイプのナノスケールセンサを含む、請求項42に記載の装置。
【請求項45】
複数のピクセルが複数の合成ピクセルとして配置される、請求項41に記載の装置。
【請求項46】
合成ピクセルの少なくとも1つが、アレイ上に実質的に直線状に配置される同一タイプの複数のナノスケールEXXセンサを含む、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
少なくとも1つの合成ピクセルが、少なくとも1つの第1の合成ピクセルを含み、少なくとも1つの第2の合成ピクセルが、少なくとも1つの第1の合成ピクセルの直線に対して直角に、アレイ上で実質的に直線状に配置される複数の同一タイプのナノスケールEXXセンサを含む、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
マクロスケール圧電式トランスデューサと、
アレイと圧電式トランスデューサとの間に配設される基板と
をさらに備え、圧電式トランスデューサが、音波を用いてアレイのナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスを摂動するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項49】
各ナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスがナノスケールEXXセンサを含む、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
少なくとも1つのナノスケールEXXセンサがEACセンサを含む、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
圧電式トランスデューサ、基板およびアレイが、実質的に平行面内にある、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
圧電式トランスデューサおよび基板が概して矩形の形状を有する、請求項51に記載の装置。
【請求項53】
基板と圧電式トランスデューサとの間に配設されるグラウンド導体と、
基材と、
圧電式トランスデューサと基材との間に配設される高電圧導体と
をさらに含み、高電圧導体およびグラウンド導体が、アレイを摂動するための音波を生成するために、圧電式トランスデューサに電流を供給する、請求項51に記載の装置。
【請求項54】
圧電式トランスデューサ、基板、アレイ、グラウンド導体、高電圧導体および基材が、実質的に平行面内にある、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
ナノスケールEXXセンサの少なくとも1つがEOCセンサを含む、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
ナノスケールEXXセンサの少なくとも1つがEECセンサを含む、請求項54に記載の装置。
【請求項57】
アレイのナノスケールEXXセンサと電気通信状態にある信号処理装置をさらに含み、信号処理装置は、ナノスケールEXXセンサが摂動されると、ナノスケールEXXセンサにより出力される電圧波形を受信し、デジタル化し、記憶するように構成される、請求項54に記載の装置。
【請求項58】
圧電式トランスデューサが、少なくとも1つのEACセンサの半導体/金属界面に対して実質的に垂直な伝播方向を有する広帯域幅平面波を生成するように構成される、請求項50に記載の装置。
【請求項59】
広帯域幅平面波が、約1GHzから約5GHzの範囲内の周波数を有する、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
複数のナノスケールEXXセンサがナノスケール長を有する、請求項49に記載の装置。
【請求項61】
複数のナノスケールEXXセンサがナノスケール長およびナノスケール幅を有する、請求項49に記載の装置。
【請求項62】
ナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスに接触している対象物をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項63】
対象物の少なくとも1つの特性を感知するための装置であって、
摂動に反応して電圧を生成するようにそれぞれが構成されるEACセンサ、EPCセンサ、EMRセンサおよびEECセンサからなる群より選択される複数のハイブリッド半導体/金属デバイスを含むアレイを備え、生成された電圧がハイブリッド半導体/金属デバイスの近傍の対象物の少なくとも1つの特性を示す、装置。
【請求項64】
ハイブリッド半導体/金属デバイスが、EACセンサ、EPCセンサ、EMRセンサおよびEECセンサからなる群より選択される1つのタイプのみを含む、請求項63に記載の装置。
【請求項65】
ハイブリッド半導体/金属デバイスがEACセンサを含む、請求項64に記載の装置。
【請求項66】
ハイブリッド半導体/金属デバイスがEPCセンサを含む、請求項64に記載の装置。
【請求項67】
ハイブリッド半導体/金属デバイスがEMRセンサを含む、請求項64に記載の装置。
【請求項68】
ハイブリッド半導体/金属デバイスがEECセンサを含む、請求項64に記載の装置。
【請求項69】
ハイブリッド半導体/金属デバイスが、EACセンサ、EPCセンサ、EMRセンサおよびEECセンサからなる群より選択される少なくとも2つを含む、請求項63に記載の装置。
【請求項70】
半導体材料と、
半導体材料の表面上に配置され、それにより半導体/金属界面を画定する金属分路であって、半導体材料の一部分は金属分路によって被覆されず、半導体材料および金属分路は、実質的に平行面内にあるが、同一平面ではない、金属分路と
を含み、半導体/金属界面は、半導体/金属界面が電荷摂動により摂動されるのに反応して抵抗変化を示すように構成され、抵抗変化は、装置の近傍に位置する対象物の特性を示す、対象物の特性を感知するための装置。
【請求項71】
半導体材料に予め定められた電流を供給するための、半導体材料に接触している少なくとも2つの電流リードと、
摂動に反応して測定可能な電圧を生成するための、半導体材料に接触している少なくとも2つの電圧リードであって、電圧が対象物の特性を示す、電圧リードと
をさらに含む、請求項70に記載の装置。
【請求項72】
半導体材料が、約25nmから約2000nmの範囲内の厚さを有する半導体膜を含む、請求項71に記載の装置。
【請求項73】
金属分路が、約25nmから約2000nmの範囲内の厚さを有する、請求項72に記載の装置。
【請求項74】
半導体膜が、約25nmから約500nmの範囲内の長さと、約25nmから約500nmの範囲内の幅とを有する、請求項73に記載の装置。
【請求項75】
基板をさらに含み、半導体膜が、基板と金属分路との間に配設される、請求項74に記載の装置。
【請求項76】
半導体/金属界面が、摂動の方向に対して実質的に垂直である、請求項74に記載の装置。
【請求項77】
半導体膜がGaAsを含み、金属分路がAuを含む、請求項74に記載の装置。
【請求項78】
装置に接触している対象物をさらに含み、対象物が、少なくとも1つの生体細胞を含み、少なくとも1つの生体細胞により生成される電荷が、電圧を生成するための摂動としての役割を果たす、請求項74に記載の装置。
【請求項79】
装置に接触している対象物をさらに含み、対象物が、少なくとも1つの生体細胞を含み、少なくとも1つの生体細胞により生成される電荷が、電圧を生成するための摂動としての役割を果たす、請求項71に記載の装置。
【請求項80】
送信器/受信器構成体において対抗対として配置される複数のナノスケール圧電式素子を含むアレイであって、各送信器圧電式素子は、受信器圧電式素子に衝突する音波を生成するように構成され、各受信器圧電式素子が、音波の衝突に反応して電圧を生成するように構成され、電圧応答が、対向対の間に配置される対象物の少なくとも1つの特性を示す、アレイ
を備える、対象物の少なくとも1つの特性を感知するための装置。
【請求項81】
対象物の少なくとも1つの特性を感知するための装置であって、
摂動に反応して電圧を生成するようにそれぞれが構成される複数のナノスケール圧電式素子を含むアレイを備え、生成された電圧が少なくとも複数のナノスケール圧電式素子と接触している対象物の少なくとも1つの特性を示す、装置。
【請求項82】
半導体および金属分路をそれぞれが含み、また半導体/金属界面をそれぞれが有する、アレイ中に配置される複数のナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスに、電流を供給するステップであって、各ナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスが、摂動による露出に反応して界面の抵抗変化をもたらすように構成される、ステップと、
少なくとも1つの摂動を用いてナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスを摂動するステップと、
少なくとも1つの摂動に反応して、ナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスの複数の電圧応答を測定するステップであって、電圧応答が、ナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスの近傍の対象物の少なくとも1つの特性を示す、ステップと
を含む、対象物の少なくとも1つの特性を感知する方法。
【請求項83】
複数のナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスが複数のナノスケールEXXセンサを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
対象物が少なくとも1つの体外細胞を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
対象物が少なくとも1つの生体細胞を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
測定された電圧応答から少なくとも1つの画像を生成するステップをさらに含み、画像が、対象物の少なくとも1つの特性を示す、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
EXXセンサの少なくとも1つがナノスケールEACセンサを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
摂動するステップが、音波を用いて少なくとも1つのナノスケールEACセンサの界面を摂動するステップを含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
摂動するステップが、圧電式トランスデューサからの音波を用いて、少なくとも1つのナノスケールEACセンサの界面を摂動するステップをさらに含み、音波は、方向が少なくとも1つのEACセンサの界面に対して実質的に垂直である広帯域幅平面波を含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
音波が約1GHzから約5GHzの範囲内の周波数を有する、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
対象物の少なくとも1つの特性を示すリアルタイムの一連の画像を生成するように、摂動するステップ、測定するステップおよび生成するステップをある期間にわたって反復するステップをさらに含む、請求項88に記載の方法。
【請求項92】
EXXセンサの少なくとも1つがナノスケールEOCセンサを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項93】
摂動するステップが、外部光源からの光摂動を用いて、少なくとも1つのナノスケールEOCセンサの半導体膜の露出面を摂動するステップを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
摂動するステップが、少なくとも1つの生体細胞自体により発せられる信号を用いて、少なくとも1つのナノスケールEOCセンサの半導体膜の露出面を摂動するステップを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項95】
摂動が、少なくとも1つの生体細胞からの蛍光または燐光発光を含む、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
ナノスケールEOCセンサが、ナノスケールEOCセンサの幅に沿って非対称的に配置される複数の電圧リードを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項97】
ナノスケールEOCセンサが、ナノスケールEOCセンサの幅に沿って非対称的に配置される複数の電流リードを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項98】
少なくとも1つのEXXセンサがナノスケールEECセンサを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項99】
摂動するステップが、少なくとも1つの生体細胞自体により発せられる信号を用いて、少なくとも1つのナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップを含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
摂動が少なくとも1つの生体細胞によりもたらされる電荷を含む、請求項94に記載の方法。
【請求項101】
EXXセンサの少なくとも1つがナノスケールEMRセンサを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項102】
アレイが、少なくとも1つの生体細胞の様々な特性を示す、摂動に対する測定可能な電圧応答をそれぞれが有する複数の様々なタイプのナノスケールEXXセンサを含み、摂動するステップが、複数の様々なタイプの摂動を用いて様々なEXXセンサを摂動するステップをさらに含む、請求項86に記載の方法。
【請求項103】
アレイが、複数のナノスケールEACセンサおよび複数のナノスケールEOCセンサを含み、摂動するステップが、(1)音波を用いてナノスケールEACセンサの界面を摂動するステップと、(2)光を用いてナノスケールEOCセンサの半導体膜の露出面を摂動するステップとを含む、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
光を用いてナノスケールEOCセンサを摂動するステップが、少なくとも1つの生体細胞自体からの蛍光または燐光発光を用いてナノスケールEOCセンサを摂動するステップを含む、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
摂動するステップが、それぞれ異なる時に、ナノスケールEACセンサの界面を摂動し、ナノスケールEOCセンサの界面を摂動するステップを含む、請求項103に記載の方法。
【請求項106】
電圧応答を測定するステップが、それぞれ異なる時に、ナノスケールEACセンサの電圧応答と、ナノスケールEOCセンサの電圧応答とを測定するステップを含む、請求項103に記載の方法。
【請求項107】
アレイが、複数のナノスケールEECセンサをさらに含み、摂動するステップが、電荷を用いてナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップをさらに含む、請求項103に記載の方法。
【請求項108】
電荷を用いてナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップが、少なくとも1つの生体細胞自体によって生成される電荷を用いて、ナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップを含む、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
アレイが、複数のナノスケールEACセンサおよび複数のナノスケールEECセンサを含み、摂動するステップが、(1)音波を用いてナノスケールEACセンサの界面を摂動するステップと、(2)電荷を用いてナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップとを含む、請求項102に記載の方法。
【請求項110】
電荷を用いてナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップが、少なくとも1つの生体細胞自体により生成される電荷を用いて、ナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップを含む、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
摂動するステップが、ナノスケールEACセンサおよびナノスケールEECセンサの両方を同時に摂動するステップと、ナノスケールEACセンサおよびナノスケールEECセンサの両方の電圧応答を同時に測定するステップとを含む、請求項109に記載の方法。
【請求項112】
アレイが、複数のナノスケールECOセンサおよび複数のナノスケールEECセンサを含み、摂動するステップが、(1)光を用いてナノスケールEOCセンサの半導体膜の露出面を摂動するステップと、(2)電荷を用いてナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップとを含む、請求項102に記載の方法。
【請求項113】
光を用いてナノスケールEOCセンサを摂動するステップが、少なくとも1つの生体細胞自体からの蛍光または燐光発光を用いてナノスケールEOCセンサを摂動するステップを含む、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
電荷を用いてナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップが、少なくとも1つの生体自体により生成される電荷を用いてナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップを含む、請求項112に記載の方法。
【請求項115】
摂動するステップが、ナノスケールEOCセンサおよびナノスケールEECセンサの両方を同時に摂動するステップと、ナノスケールEOCセンサおよびナノスケールEECセンサの両方の電圧応答を同時に測定するステップとを含む、請求項112に記載の方法。
【請求項116】
少なくとも1つの生体細胞が付着することとなるタンパク質でアレイを被覆するステップをさらに含み、タンパク質が、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コラーゲンおよびタンパク質類似物質を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項117】
アレイが複数のナノスケール圧電式素子をさらに含む、請求項82に記載の方法。
【請求項118】
アレイに接触している物質を配置するステップ
をさらに含む、請求項82に記載の方法。
【請求項119】
少なくとも1つの細胞に近接する複数のEACセンサに予め定められた電流を供給するステップと、
音波を用いてEACセンサを摂動するステップと、
摂動されるEACセンサのそれぞれについて電圧応答を測定するステップと、
電圧応答から画像を生成するステップであって、生成される画像が、少なくとも1つの細胞の少なくとも1つの特性を示す、ステップと
を含む、少なくとも1つの細胞の画像を生成する方法。
【請求項120】
EACセンサがナノスケールEACセンサを含み、生成される画像がナノスケール空間分解能を有する、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
供給するステップが、複数のナノスケールEACセンサが異なる電流を受けるように、複数のナノスケールEACセンサに予め定められた電流を供給するステップを含む、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
少なくとも1つの細胞に近接する複数のナノスケールEOCセンサに予め定められた電流を供給するステップと、
光を用いてナノスケールEOCセンサを摂動するステップと、
摂動されるナノスケールEOCセンサのそれぞれについて電圧応答を測定するステップと、
電圧応答から画像を生成するステップであって、生成される画像が、ナノスケール空間分解能を有し、少なくとも1つの細胞の少なくとも1つの特性を示す、ステップと
を含む、少なくとも1つの細胞の画像を生成する方法。
【請求項123】
少なくとも1つの細胞が、少なくとも1つの生体細胞を含み、摂動するステップが、少なくとも1つの生体細胞自体により発せられる光を用いてナノスケールEOCセンサを摂動するステップを含む、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
摂動するステップが、少なくとも1つの生体細胞による蛍光または燐光発光を用いてナノスケールEOCセンサを摂動するステップをさらに含む、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
少なくとも1つの細胞に近接する複数のEECセンサに予め定められた電流を供給するステップと、
電荷を用いてEECセンサを摂動するステップと、
摂動されるEECセンサのそれぞれについて電圧応答を測定するステップと、
電圧応答から画像を生成するステップであって、生成される画像が、少なくとも1つの細胞の少なくとも1つの特性を示す、ステップと
を含む、少なくとも1つの細胞の画像を生成する方法。
【請求項126】
EECセンサがナノスケールEECセンサを含み、生成される画像がナノスケール空間分解能を有する、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
少なくとも1つの細胞が、少なくとも1つの生体細胞を含み、摂動するステップが、少なくとも1つの生体細胞により生成される電荷を用いてナノスケールEECセンサを摂動するステップをさらに含む、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
少なくとも1つの細胞に近接する複数のナノスケールEXXセンサに予め定められた電流を供給するステップであって、ナノスケールEXXセンサが、少なくとも2つの異なるタイプのEXXセンサを含む、ステップと、
少なくとも2つのタイプの摂動を用いてナノスケールEXXセンサを摂動するステップと、
摂動されるナノスケールEXXセンサのそれぞれについて電圧応答を測定するステップと、
第1のタイプのナノスケールEXXセンサの電圧応答から第1の画像を生成するステップであって、生成される第1の画像が、少なくとも1つの細胞の第1の特性を示し、ナノスケール空間分解能を有する、ステップと、
第2のタイプのナノスケールEXXセンサの電圧応答から第2の画像を生成するステップであって、生成される第2の画像が、少なくとも1つの細胞の第2の特性を示し、ナノスケール空間分解能を有する、ステップと
を含む、少なくとも1つの細胞の様々な特性を示す画像を生成するための複数のナノスケールEXXセンサを含む単一のアレイを使用する方法。
【請求項129】
EXXセンサが、少なくとも3つのそれぞれ異なるタイプのEXXセンサを含み、摂動するステップが、第3のタイプの摂動を用いて第3のタイプのナノスケールEXXセンサを摂動するステップをさらに含む方法であって、この方法がさらに、第3のタイプのナノスケールEXXセンサの電圧応答から第3の画像を生成するステップを含み、生成される第3の画像が、少なくとも1つの細胞の第3の特性を示し、ナノスケール空間分解能を有する、請求項128に記載の方法。
【請求項130】
半導体および金属分路をそれぞれが含み、また半導体/金属界面をそれぞれが有する複数のナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスを含むアレイを身体内に埋め込むステップであって、各ハイブリッド半導体/金属デバイスが、摂動による露光に反応して界面の抵抗変化をもたらすように構成される、ステップと、
ハイブリッド半導体/金属デバイスに予め定められた電流を供給するステップと、
少なくとも1つの摂動を用いてハイブリッド半導体/金属デバイスを摂動するステップと、
少なくとも1つの摂動に反応してハイブリッド半導体/金属デバイスの複数の電圧応答を測定するステップであって、電圧応答が、身体の内部部分の少なくとも1つの特性を示唆する、ステップと
を含む、身体の内部部分の少なくとも1つの特性を感知する方法。
【請求項131】
遠隔信号処理デバイスに電圧応答を無線通信するステップとさらに含む、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
後の検索のために、アレイにとってローカルなメモリに電圧応答を記憶するステップをさらに含む、請求項130に記載の方法。
【請求項133】
埋め込むステップが、患者の血管系内にアレイを埋め込むステップをさらに含む、請求項130に記載の方法。
【請求項1】
対象物の少なくとも1つの特性を感知するための装置であって、
摂動に反応して電圧を生成するようにそれぞれが構成される複数のナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスを含むアレイを備え、生成された電圧はナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスの近傍の対象物の少なくとも1つの特性を示す、装置。
【請求項2】
各ナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスがナノスケールEXXセンサを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
複数のナノスケールEXXセンサがナノスケール長を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
複数のナノスケールEXXセンサがナノスケール長およびナノスケール幅を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
アレイが複数の様々なタイプのナノスケールEXXセンサを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
アレイが、対象物に接触するための少なくとも複数のナノスケールEXXセンサの上にタンパク質コーティングをさらに含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
タンパク質コーティングが、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コラーゲンおよびタンパク質類似物質からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
ナノスケールEXXセンサの少なくとも1つがナノスケールEACセンサを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
ナノスケールEACセンサが、
半導体膜と、
半導体膜に隣接して配置され、それにより半導体/金属界面を画定する金属分路と、
半導体膜に接触している少なくとも2つの電流リードと、
半導体膜に接触している少なくとも2つの電圧リードと
を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
半導体/金属界面が摂動の方向に対して実質的に平坦である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
ナノスケールEACセンサが基板をさらに含み、半導体膜が基板の表面上に配置され、金属分路が、基板の同表面上に、および半導体膜と実質的に同一平面内に配置される、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
半導体が、GaAsおよびInAsからなる群より選択される少なくとも1つを含み、金属分路が、Auを含み、基板が、GaAsおよびGaSbからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
音響エネルギーを用いてアレイを摂動するための音響摂動源をさらに含む、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
音響摂動源が、走査型超音波顕微鏡、合成開口集束技術(SAFT)を用いる超音波エミッタ、フェーズドアレイトランスデューサを有する医用画像機器、単一素子集束または非集束超音波トランスデューサ、衝撃波デバイス、および中高強度集束超音波アレイからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
ナノスケールEXXセンサの少なくとも1つがナノスケールEOCセンサを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項16】
ナノスケールEOCセンサが、
半導体膜と、
半導体膜に隣接して配置され、それにより半導体/金属界面を画定する金属分路と、
半導体膜に接触している少なくとも2つの電流リードと、
半導体膜に接触している少なくとも2つの電圧リードと
を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも2つの電圧リードが、半導体膜の幅に沿って非対称的に離間される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
少なくとも2つの電流リードが、半導体膜の幅に沿って非対称的に離間される、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
半導体膜および金属分路からなる群より選択される少なくとも1つの一部分を光が摂動するのを防ぐために配設されるカバーをさらに含む、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
半導体/金属界面が摂動の方向に対して実質的に平坦である、請求項16に記載の装置。
【請求項21】
ナノスケールEOCセンサが基板をさらに含み、半導体膜が基板の表面上に配置され、金属分路が、基板の同表面上に、および半導体膜と実質的に同一平面内に配置される、請求項16に記載の装置。
【請求項22】
金属分路がInを含み、半導体が、GaAs、InSbおよびInSbからなる群より選択される少なくとも1つを含み、基板がGaAsを含む、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
光を用いてアレイを摂動するための光摂動源をさらに含む、請求項16に記載の装置。
【請求項24】
光摂動源がレーザ発光デバイスを含む、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
少なくとも1つのナノスケールEOCセンサを含むナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスに接触している物質をさらに含み、物質が、少なくとも1つの生体細胞を含み、少なくとも1つの生体細胞により生成される蛍光または燐光発光が、少なくとも1つのナノスケールEOCセンサにおいて電圧を生成するための摂動としての役割を果たす、請求項16に記載の装置。
【請求項26】
少なくとも1つのナノスケールEXXセンサがナノスケールEECセンサを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項27】
ナノスケールEECセンサが、
半導体膜と、
半導体膜の表面上に配置され、それにより半導体/金属界面を画定する金属分路であって、この半導体膜表面の一部分が、金属分路によって被覆されず、半導体膜および金属分路が、実質的に平行面内にあるが、同一平面ではない、金属分路と、
半導体膜に接触している少なくとも2つの電流リードと、
半導体膜に接触している少なくとも2つの電圧リードと
を含む、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
ナノスケールEECセンサが基板をさらに含み、半導体膜が基板と金属分路との間に配設される、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
半導体/金属界面が摂動の方向に対して実質的に垂直である、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
半導体がGaAsを含み、金属分路がAuを含み、基板がGaAsを含む、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
少なくとも1つのナノスケールEECセンサを含むナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスに接触している物質をさらに含み、対象物が、少なくとも1つの生体細胞を含み、少なくとも1つの生体細胞により生成される電荷が、少なくとも1つのナノスケールEECセンサにおいて電圧を生成するための摂動としての役割を果たす、請求項27に記載の装置。
【請求項32】
ナノスケールEXXセンサがそれぞれ、個別にアドレス指定可能である、請求項5に記載の装置。
【請求項33】
アレイのナノスケールEXXセンサの少なくとも1つがナノスケールEMRセンサを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項34】
アレイのナノスケールEXXセンサの全てが同一タイプのものである、請求項2に記載の装置。
【請求項35】
複数のナノスケールEXXセンサがナノスケール長を有する、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
複数のナノスケールEXXセンサがナノスケール長およびナノスケール幅を有する、請求項34に記載の装置。
【請求項37】
各ナノスケールEXXセンサがナノスケールEACセンサを含む、請求項34に記載の装置。
【請求項38】
各ナノスケールEXXセンサがナノスケールEOCセンサを含む、請求項34に記載の装置。
【請求項39】
各ナノスケールEXXセンサがナノスケールEECセンサを含む、請求項34に記載の装置。
【請求項40】
少なくとも1つのナノスケール圧電式センサをさらに含む、請求項2に記載の装置。
【請求項41】
ナノスケールEXXセンサが、少なくとも1つのナノスケールEXXセンサをそれぞれが含む複数のピクセルに対応するアレイ上に配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項42】
複数のピクセルが複数のナノスケールEXXセンサを含む、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
複数のナノスケールEXXセンサを含む少なくとも複数のピクセルが、複数の様々なタイプのナノスケールセンサを含む、請求項42に記載の装置。
【請求項44】
複数のナノスケールEXXセンサを含む少なくとも複数のピクセルが、複数の同一タイプのナノスケールセンサを含む、請求項42に記載の装置。
【請求項45】
複数のピクセルが複数の合成ピクセルとして配置される、請求項41に記載の装置。
【請求項46】
合成ピクセルの少なくとも1つが、アレイ上に実質的に直線状に配置される同一タイプの複数のナノスケールEXXセンサを含む、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
少なくとも1つの合成ピクセルが、少なくとも1つの第1の合成ピクセルを含み、少なくとも1つの第2の合成ピクセルが、少なくとも1つの第1の合成ピクセルの直線に対して直角に、アレイ上で実質的に直線状に配置される複数の同一タイプのナノスケールEXXセンサを含む、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
マクロスケール圧電式トランスデューサと、
アレイと圧電式トランスデューサとの間に配設される基板と
をさらに備え、圧電式トランスデューサが、音波を用いてアレイのナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスを摂動するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項49】
各ナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスがナノスケールEXXセンサを含む、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
少なくとも1つのナノスケールEXXセンサがEACセンサを含む、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
圧電式トランスデューサ、基板およびアレイが、実質的に平行面内にある、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
圧電式トランスデューサおよび基板が概して矩形の形状を有する、請求項51に記載の装置。
【請求項53】
基板と圧電式トランスデューサとの間に配設されるグラウンド導体と、
基材と、
圧電式トランスデューサと基材との間に配設される高電圧導体と
をさらに含み、高電圧導体およびグラウンド導体が、アレイを摂動するための音波を生成するために、圧電式トランスデューサに電流を供給する、請求項51に記載の装置。
【請求項54】
圧電式トランスデューサ、基板、アレイ、グラウンド導体、高電圧導体および基材が、実質的に平行面内にある、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
ナノスケールEXXセンサの少なくとも1つがEOCセンサを含む、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
ナノスケールEXXセンサの少なくとも1つがEECセンサを含む、請求項54に記載の装置。
【請求項57】
アレイのナノスケールEXXセンサと電気通信状態にある信号処理装置をさらに含み、信号処理装置は、ナノスケールEXXセンサが摂動されると、ナノスケールEXXセンサにより出力される電圧波形を受信し、デジタル化し、記憶するように構成される、請求項54に記載の装置。
【請求項58】
圧電式トランスデューサが、少なくとも1つのEACセンサの半導体/金属界面に対して実質的に垂直な伝播方向を有する広帯域幅平面波を生成するように構成される、請求項50に記載の装置。
【請求項59】
広帯域幅平面波が、約1GHzから約5GHzの範囲内の周波数を有する、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
複数のナノスケールEXXセンサがナノスケール長を有する、請求項49に記載の装置。
【請求項61】
複数のナノスケールEXXセンサがナノスケール長およびナノスケール幅を有する、請求項49に記載の装置。
【請求項62】
ナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスに接触している対象物をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項63】
対象物の少なくとも1つの特性を感知するための装置であって、
摂動に反応して電圧を生成するようにそれぞれが構成されるEACセンサ、EPCセンサ、EMRセンサおよびEECセンサからなる群より選択される複数のハイブリッド半導体/金属デバイスを含むアレイを備え、生成された電圧がハイブリッド半導体/金属デバイスの近傍の対象物の少なくとも1つの特性を示す、装置。
【請求項64】
ハイブリッド半導体/金属デバイスが、EACセンサ、EPCセンサ、EMRセンサおよびEECセンサからなる群より選択される1つのタイプのみを含む、請求項63に記載の装置。
【請求項65】
ハイブリッド半導体/金属デバイスがEACセンサを含む、請求項64に記載の装置。
【請求項66】
ハイブリッド半導体/金属デバイスがEPCセンサを含む、請求項64に記載の装置。
【請求項67】
ハイブリッド半導体/金属デバイスがEMRセンサを含む、請求項64に記載の装置。
【請求項68】
ハイブリッド半導体/金属デバイスがEECセンサを含む、請求項64に記載の装置。
【請求項69】
ハイブリッド半導体/金属デバイスが、EACセンサ、EPCセンサ、EMRセンサおよびEECセンサからなる群より選択される少なくとも2つを含む、請求項63に記載の装置。
【請求項70】
半導体材料と、
半導体材料の表面上に配置され、それにより半導体/金属界面を画定する金属分路であって、半導体材料の一部分は金属分路によって被覆されず、半導体材料および金属分路は、実質的に平行面内にあるが、同一平面ではない、金属分路と
を含み、半導体/金属界面は、半導体/金属界面が電荷摂動により摂動されるのに反応して抵抗変化を示すように構成され、抵抗変化は、装置の近傍に位置する対象物の特性を示す、対象物の特性を感知するための装置。
【請求項71】
半導体材料に予め定められた電流を供給するための、半導体材料に接触している少なくとも2つの電流リードと、
摂動に反応して測定可能な電圧を生成するための、半導体材料に接触している少なくとも2つの電圧リードであって、電圧が対象物の特性を示す、電圧リードと
をさらに含む、請求項70に記載の装置。
【請求項72】
半導体材料が、約25nmから約2000nmの範囲内の厚さを有する半導体膜を含む、請求項71に記載の装置。
【請求項73】
金属分路が、約25nmから約2000nmの範囲内の厚さを有する、請求項72に記載の装置。
【請求項74】
半導体膜が、約25nmから約500nmの範囲内の長さと、約25nmから約500nmの範囲内の幅とを有する、請求項73に記載の装置。
【請求項75】
基板をさらに含み、半導体膜が、基板と金属分路との間に配設される、請求項74に記載の装置。
【請求項76】
半導体/金属界面が、摂動の方向に対して実質的に垂直である、請求項74に記載の装置。
【請求項77】
半導体膜がGaAsを含み、金属分路がAuを含む、請求項74に記載の装置。
【請求項78】
装置に接触している対象物をさらに含み、対象物が、少なくとも1つの生体細胞を含み、少なくとも1つの生体細胞により生成される電荷が、電圧を生成するための摂動としての役割を果たす、請求項74に記載の装置。
【請求項79】
装置に接触している対象物をさらに含み、対象物が、少なくとも1つの生体細胞を含み、少なくとも1つの生体細胞により生成される電荷が、電圧を生成するための摂動としての役割を果たす、請求項71に記載の装置。
【請求項80】
送信器/受信器構成体において対抗対として配置される複数のナノスケール圧電式素子を含むアレイであって、各送信器圧電式素子は、受信器圧電式素子に衝突する音波を生成するように構成され、各受信器圧電式素子が、音波の衝突に反応して電圧を生成するように構成され、電圧応答が、対向対の間に配置される対象物の少なくとも1つの特性を示す、アレイ
を備える、対象物の少なくとも1つの特性を感知するための装置。
【請求項81】
対象物の少なくとも1つの特性を感知するための装置であって、
摂動に反応して電圧を生成するようにそれぞれが構成される複数のナノスケール圧電式素子を含むアレイを備え、生成された電圧が少なくとも複数のナノスケール圧電式素子と接触している対象物の少なくとも1つの特性を示す、装置。
【請求項82】
半導体および金属分路をそれぞれが含み、また半導体/金属界面をそれぞれが有する、アレイ中に配置される複数のナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスに、電流を供給するステップであって、各ナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスが、摂動による露出に反応して界面の抵抗変化をもたらすように構成される、ステップと、
少なくとも1つの摂動を用いてナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスを摂動するステップと、
少なくとも1つの摂動に反応して、ナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスの複数の電圧応答を測定するステップであって、電圧応答が、ナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスの近傍の対象物の少なくとも1つの特性を示す、ステップと
を含む、対象物の少なくとも1つの特性を感知する方法。
【請求項83】
複数のナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスが複数のナノスケールEXXセンサを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
対象物が少なくとも1つの体外細胞を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
対象物が少なくとも1つの生体細胞を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
測定された電圧応答から少なくとも1つの画像を生成するステップをさらに含み、画像が、対象物の少なくとも1つの特性を示す、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
EXXセンサの少なくとも1つがナノスケールEACセンサを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
摂動するステップが、音波を用いて少なくとも1つのナノスケールEACセンサの界面を摂動するステップを含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
摂動するステップが、圧電式トランスデューサからの音波を用いて、少なくとも1つのナノスケールEACセンサの界面を摂動するステップをさらに含み、音波は、方向が少なくとも1つのEACセンサの界面に対して実質的に垂直である広帯域幅平面波を含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
音波が約1GHzから約5GHzの範囲内の周波数を有する、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
対象物の少なくとも1つの特性を示すリアルタイムの一連の画像を生成するように、摂動するステップ、測定するステップおよび生成するステップをある期間にわたって反復するステップをさらに含む、請求項88に記載の方法。
【請求項92】
EXXセンサの少なくとも1つがナノスケールEOCセンサを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項93】
摂動するステップが、外部光源からの光摂動を用いて、少なくとも1つのナノスケールEOCセンサの半導体膜の露出面を摂動するステップを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
摂動するステップが、少なくとも1つの生体細胞自体により発せられる信号を用いて、少なくとも1つのナノスケールEOCセンサの半導体膜の露出面を摂動するステップを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項95】
摂動が、少なくとも1つの生体細胞からの蛍光または燐光発光を含む、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
ナノスケールEOCセンサが、ナノスケールEOCセンサの幅に沿って非対称的に配置される複数の電圧リードを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項97】
ナノスケールEOCセンサが、ナノスケールEOCセンサの幅に沿って非対称的に配置される複数の電流リードを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項98】
少なくとも1つのEXXセンサがナノスケールEECセンサを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項99】
摂動するステップが、少なくとも1つの生体細胞自体により発せられる信号を用いて、少なくとも1つのナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップを含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
摂動が少なくとも1つの生体細胞によりもたらされる電荷を含む、請求項94に記載の方法。
【請求項101】
EXXセンサの少なくとも1つがナノスケールEMRセンサを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項102】
アレイが、少なくとも1つの生体細胞の様々な特性を示す、摂動に対する測定可能な電圧応答をそれぞれが有する複数の様々なタイプのナノスケールEXXセンサを含み、摂動するステップが、複数の様々なタイプの摂動を用いて様々なEXXセンサを摂動するステップをさらに含む、請求項86に記載の方法。
【請求項103】
アレイが、複数のナノスケールEACセンサおよび複数のナノスケールEOCセンサを含み、摂動するステップが、(1)音波を用いてナノスケールEACセンサの界面を摂動するステップと、(2)光を用いてナノスケールEOCセンサの半導体膜の露出面を摂動するステップとを含む、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
光を用いてナノスケールEOCセンサを摂動するステップが、少なくとも1つの生体細胞自体からの蛍光または燐光発光を用いてナノスケールEOCセンサを摂動するステップを含む、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
摂動するステップが、それぞれ異なる時に、ナノスケールEACセンサの界面を摂動し、ナノスケールEOCセンサの界面を摂動するステップを含む、請求項103に記載の方法。
【請求項106】
電圧応答を測定するステップが、それぞれ異なる時に、ナノスケールEACセンサの電圧応答と、ナノスケールEOCセンサの電圧応答とを測定するステップを含む、請求項103に記載の方法。
【請求項107】
アレイが、複数のナノスケールEECセンサをさらに含み、摂動するステップが、電荷を用いてナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップをさらに含む、請求項103に記載の方法。
【請求項108】
電荷を用いてナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップが、少なくとも1つの生体細胞自体によって生成される電荷を用いて、ナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップを含む、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
アレイが、複数のナノスケールEACセンサおよび複数のナノスケールEECセンサを含み、摂動するステップが、(1)音波を用いてナノスケールEACセンサの界面を摂動するステップと、(2)電荷を用いてナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップとを含む、請求項102に記載の方法。
【請求項110】
電荷を用いてナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップが、少なくとも1つの生体細胞自体により生成される電荷を用いて、ナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップを含む、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
摂動するステップが、ナノスケールEACセンサおよびナノスケールEECセンサの両方を同時に摂動するステップと、ナノスケールEACセンサおよびナノスケールEECセンサの両方の電圧応答を同時に測定するステップとを含む、請求項109に記載の方法。
【請求項112】
アレイが、複数のナノスケールECOセンサおよび複数のナノスケールEECセンサを含み、摂動するステップが、(1)光を用いてナノスケールEOCセンサの半導体膜の露出面を摂動するステップと、(2)電荷を用いてナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップとを含む、請求項102に記載の方法。
【請求項113】
光を用いてナノスケールEOCセンサを摂動するステップが、少なくとも1つの生体細胞自体からの蛍光または燐光発光を用いてナノスケールEOCセンサを摂動するステップを含む、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
電荷を用いてナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップが、少なくとも1つの生体自体により生成される電荷を用いてナノスケールEECセンサの界面を摂動するステップを含む、請求項112に記載の方法。
【請求項115】
摂動するステップが、ナノスケールEOCセンサおよびナノスケールEECセンサの両方を同時に摂動するステップと、ナノスケールEOCセンサおよびナノスケールEECセンサの両方の電圧応答を同時に測定するステップとを含む、請求項112に記載の方法。
【請求項116】
少なくとも1つの生体細胞が付着することとなるタンパク質でアレイを被覆するステップをさらに含み、タンパク質が、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コラーゲンおよびタンパク質類似物質を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項117】
アレイが複数のナノスケール圧電式素子をさらに含む、請求項82に記載の方法。
【請求項118】
アレイに接触している物質を配置するステップ
をさらに含む、請求項82に記載の方法。
【請求項119】
少なくとも1つの細胞に近接する複数のEACセンサに予め定められた電流を供給するステップと、
音波を用いてEACセンサを摂動するステップと、
摂動されるEACセンサのそれぞれについて電圧応答を測定するステップと、
電圧応答から画像を生成するステップであって、生成される画像が、少なくとも1つの細胞の少なくとも1つの特性を示す、ステップと
を含む、少なくとも1つの細胞の画像を生成する方法。
【請求項120】
EACセンサがナノスケールEACセンサを含み、生成される画像がナノスケール空間分解能を有する、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
供給するステップが、複数のナノスケールEACセンサが異なる電流を受けるように、複数のナノスケールEACセンサに予め定められた電流を供給するステップを含む、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
少なくとも1つの細胞に近接する複数のナノスケールEOCセンサに予め定められた電流を供給するステップと、
光を用いてナノスケールEOCセンサを摂動するステップと、
摂動されるナノスケールEOCセンサのそれぞれについて電圧応答を測定するステップと、
電圧応答から画像を生成するステップであって、生成される画像が、ナノスケール空間分解能を有し、少なくとも1つの細胞の少なくとも1つの特性を示す、ステップと
を含む、少なくとも1つの細胞の画像を生成する方法。
【請求項123】
少なくとも1つの細胞が、少なくとも1つの生体細胞を含み、摂動するステップが、少なくとも1つの生体細胞自体により発せられる光を用いてナノスケールEOCセンサを摂動するステップを含む、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
摂動するステップが、少なくとも1つの生体細胞による蛍光または燐光発光を用いてナノスケールEOCセンサを摂動するステップをさらに含む、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
少なくとも1つの細胞に近接する複数のEECセンサに予め定められた電流を供給するステップと、
電荷を用いてEECセンサを摂動するステップと、
摂動されるEECセンサのそれぞれについて電圧応答を測定するステップと、
電圧応答から画像を生成するステップであって、生成される画像が、少なくとも1つの細胞の少なくとも1つの特性を示す、ステップと
を含む、少なくとも1つの細胞の画像を生成する方法。
【請求項126】
EECセンサがナノスケールEECセンサを含み、生成される画像がナノスケール空間分解能を有する、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
少なくとも1つの細胞が、少なくとも1つの生体細胞を含み、摂動するステップが、少なくとも1つの生体細胞により生成される電荷を用いてナノスケールEECセンサを摂動するステップをさらに含む、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
少なくとも1つの細胞に近接する複数のナノスケールEXXセンサに予め定められた電流を供給するステップであって、ナノスケールEXXセンサが、少なくとも2つの異なるタイプのEXXセンサを含む、ステップと、
少なくとも2つのタイプの摂動を用いてナノスケールEXXセンサを摂動するステップと、
摂動されるナノスケールEXXセンサのそれぞれについて電圧応答を測定するステップと、
第1のタイプのナノスケールEXXセンサの電圧応答から第1の画像を生成するステップであって、生成される第1の画像が、少なくとも1つの細胞の第1の特性を示し、ナノスケール空間分解能を有する、ステップと、
第2のタイプのナノスケールEXXセンサの電圧応答から第2の画像を生成するステップであって、生成される第2の画像が、少なくとも1つの細胞の第2の特性を示し、ナノスケール空間分解能を有する、ステップと
を含む、少なくとも1つの細胞の様々な特性を示す画像を生成するための複数のナノスケールEXXセンサを含む単一のアレイを使用する方法。
【請求項129】
EXXセンサが、少なくとも3つのそれぞれ異なるタイプのEXXセンサを含み、摂動するステップが、第3のタイプの摂動を用いて第3のタイプのナノスケールEXXセンサを摂動するステップをさらに含む方法であって、この方法がさらに、第3のタイプのナノスケールEXXセンサの電圧応答から第3の画像を生成するステップを含み、生成される第3の画像が、少なくとも1つの細胞の第3の特性を示し、ナノスケール空間分解能を有する、請求項128に記載の方法。
【請求項130】
半導体および金属分路をそれぞれが含み、また半導体/金属界面をそれぞれが有する複数のナノスケールハイブリッド半導体/金属デバイスを含むアレイを身体内に埋め込むステップであって、各ハイブリッド半導体/金属デバイスが、摂動による露光に反応して界面の抵抗変化をもたらすように構成される、ステップと、
ハイブリッド半導体/金属デバイスに予め定められた電流を供給するステップと、
少なくとも1つの摂動を用いてハイブリッド半導体/金属デバイスを摂動するステップと、
少なくとも1つの摂動に反応してハイブリッド半導体/金属デバイスの複数の電圧応答を測定するステップであって、電圧応答が、身体の内部部分の少なくとも1つの特性を示唆する、ステップと
を含む、身体の内部部分の少なくとも1つの特性を感知する方法。
【請求項131】
遠隔信号処理デバイスに電圧応答を無線通信するステップとさらに含む、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
後の検索のために、アレイにとってローカルなメモリに電圧応答を記憶するステップをさらに含む、請求項130に記載の方法。
【請求項133】
埋め込むステップが、患者の血管系内にアレイを埋め込むステップをさらに含む、請求項130に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図13】
【図14a】
【図14b】
【図15a】
【図15b】
【図16a】
【図16b】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図13】
【図14a】
【図14b】
【図15a】
【図15b】
【図16a】
【図16b】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公表番号】特表2010−505088(P2010−505088A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523015(P2009−523015)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/074864
【国際公開番号】WO2008/115258
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(500204278)ワシントン ユニヴァーシティー (14)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/074864
【国際公開番号】WO2008/115258
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(500204278)ワシントン ユニヴァーシティー (14)
【Fターム(参考)】
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