説明

組換え細菌フィターゼおよびその使用

【課題】大腸菌K12 appAフィターゼ由来の精製された改変型フィターゼ酵素を提供する。
【解決手段】新たに同定されたポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド、該ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの使用、並びに該ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの生産および単離に関する。さらに詳しくは、該ポリペプチドはフィターゼ活性を有する酵素である。この酵素は、野生型酵素と比較して向上した耐熱性を示す。さらに、この酵素は低いpHにおいて改良されたプロテアーゼ安定性を示す。改変型フィターゼのグリコシル化は、改良された耐熱性とプロテアーゼ安定性を示す。この酵素は天然または組換え宿主細胞から産生させることができ、所望の場合には、フィチン酸の消化を助けるために使用することができる。特に、フィチン酸に富む成分の栄養価を高めるために食品中で使用される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の精製された、単離された、合成のまたは組換えのポリペプチド:
(a) 配列番号10に示すアミノ酸配列に対して99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b) (a)に示したアミノ酸配列において、W68E、Q84W、A95P、K97C、S168E、R181Y、N226C、Y277D、またはこれらの任意の組合せから選択される少なくとも1つのもしくは全てのアミノ酸変化を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(c) (b)に示したアミノ酸配列において、W68E、Q84W、A95P、K97C、S168E、R181Y、N226C、およびY277Dのアミノ酸変化を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(d) (a)〜(c)のいずれか一つのアミノ酸配列を有し、かつアミノ酸をコードする1つ、2つ、または3つのヌクレオチドが発現に最適化されたコドンをコードするように改変されているポリペプチド;
(e) (a)〜(d)のいずれか一つのアミノ酸配列を有し、かつ保存的なアミノ酸置換を有するポリペプチド;
(f) (a)〜(e)のいずれか一つのアミノ酸配列を有し、かつ同種の分泌シグナルペプチドを欠損しているポリペプチド;
(g) (a)〜(f)のいずれか一つのアミノ酸配列を有し、かつ植物種由来の異種の分泌シグナルペプチドまたは異種の分泌シグナル配列、または細菌もしくは真菌由来の異種の分泌シグナル配列を有しているポリペプチド;
(h) (a)〜(g)のいずれか一つのアミノ酸配列を有し、かつターゲティング配列、N-末端認識ペプチド、トランジッドペプチド、または所望の特性を付与する配列を有するポリペプチド;
(i) (a)〜(h)のいずれか一つのアミノ酸配列を有し、かつ異種配列を含むか、融合酵素となった異種配列を含むポリペプチド;
(j) (A) (a)〜(i)のいずれか1つのアミノ酸配列に対して同一である10個以上の連続するアミノ酸の隣接アミノ配列;または(B) (a)〜(i)のいずれか1つの酵素学的に活性な断片を有するアミノ酸配列を有し:かつ(A)の隣接アミノ配列または(B)の酵素学的に活性な断片が、W68E、Q84W、A95P、K97C、S168E、R181Y、N226C、Y277Dから選択される少なくとも1つのアミノ酸変化、またはこれらの等価物、またはこれらの任意の組合せを有するポリペプチド;
(k) 60℃以上または70℃以上または80℃以上の温度に対して耐性である活性を有する、(a)〜(j)のいずれか一つのポリペプチド;または
(l) 対応する野生型ポリペプチドより2倍以上長い胃液中での半減期を有する、(a)〜(k)のいずれか一つのポリペプチド。
【請求項2】
下記の単離された、合成のまたは組換えのポリヌクレオチド:
(a) 請求項1に記載のフィターゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(b) フィターゼポリペプチドをコードし、かつ配列番号9に示した核酸配列に対して99%以上の配列同一性を有する核酸配列を有するポリヌクレオチド;
(c) フィターゼポリペプチドをコードし、かつ(a)または(b)に示した核酸配列において、ヌクレオチド389がG; 390がA; 437がT; 438がG; 439がG; 470がC; 472がT; 476がT; 477がG; 478がT; 689がG; 690がA; 691がG; 728がT; 729がA; 730がT; 863がT; 864がG; 1016がG、またはこれらの任意の組合せから選択される少なくとも1つのもしくは全てのヌクレオチド変化を有する核酸配列を有するポリヌクレオチド;
(d) (c)に示した核酸配列において、ヌクレオチド389がG; 390がA; 437がT; 438がG; 439がG; 470がC; 472がT; 476がT; 477がG; 478がT; 689がG; 690がA; 691がG; 728がT; 729がA; 730がT; 863がT; 864がG; および1016がGであるヌクレオチド変化を有する核酸配列を有するポリヌクレオチド;
(e) (b)〜(d)のいずれか一つの核酸配列を有し、かつ1つ、2つ、または3つのヌクレオチドが発現に最適化されたコドンをコードするように改変されているポリヌクレオチド;
(f) (b)〜(e)のいずれか一つの核酸配列を有し、当該核酸が保存的アミノ酸置換をコードし、かつ1つ、2つ、または3つのヌクレオチドが発現に最適化されたコドンをコードするように改変されているポリヌクレオチド;
(g) (b)〜(f)のいずれか一つの核酸配列を有し、かつ同種の分泌シグナルペプチド配列を欠損しているポリペプチドをコードしている、ポリヌクレオチド;
(h) (b)〜(g) のいずれか一つの核酸配列を有し、かつ当該核酸が異種の分泌シグナル配列を有するポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド;
(i) (a)〜(h)のいずれか一つの核酸配列を有し、かつ当該核酸がターゲティング配列、N-末端認識ペプチド、トランジッドペプチド、または所望の特性を付与する配列を有するポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド;
(j) (a)〜(i)のいずれか一つの核酸配列を有し、かつ当該核酸が異種配列を有するポリペプチドをコードしているか、融合酵素となっている異種配列を有するポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド;
(k) (b)〜(j)のいずれか1つのヌクレオチド配列に対して同一である10個以上の連続するヌクレオチドの隣接ヌクレオチド配列を有し、当該隣接ヌクレオチドが、389がG; 390がA; 437がT; 438がG; 439がG; 470がC; 472がT; 476がT; 477がG; 478がT; 689がG; 690がA; 691がG; 728がT; 729がA; 730がT; 863がT; 864がG; または1016がG;またはこれらの任意の組合せから選択されるヌクレオチド変化を有するポリヌクレオチド;または
(l) (a)〜(k)のいずれか一つの核酸配列に完全に相補的な核酸配列を有するポリヌクレオチド。
【請求項3】
請求項2に示す核酸配列を含むベクター、ウイルス粒子、ウイルス、ファージ、コスミド、フォスミド、または人工染色体。
【請求項4】
以下の発現系:
(a) 請求項2に示す核酸配列を含む発現系;
(b) 請求項3に記載のベクター、ウイルス粒子、ウイルス、ファージ、コスミド、フォスミド、または人工染色体を含む発現系;または
(c) 発現系内で作動しうる転写制御配列、構成的プロモーター、組織特異的プロモーター、分泌シグナルペプチドをコードする核酸またはこれらの任意の組合せを含む、(a)または(b)の発現系。
【請求項5】
請求項2に示す核酸配列を含み、請求項4に記載の発現系を構成するベクター、ウイルス粒子、ウイルス、ファージ、コスミド、フォスミド、または人工染色体。
【請求項6】
以下の宿主細胞:
(a) 請求項2に示す核酸配列を含む宿主細胞;
(b) 請求項3に記載のベクター、ウイルス粒子、ウイルス、ファージ、コスミド、フォスミド、または人工染色体を含む宿主細胞;または
(c) (a)または(b)の宿主細胞であって、当該細胞が、(i) 原核細胞、真核細胞、もしくは植物細胞、または改変された原核、真核もしくは植物細胞;または(ii) (A)サッカロミセス属もしくはピキア属に由来する酵母細胞;(B)バチルス属に由来する細菌細胞;または(C)大腸菌(E. coli)、P. パストリス(P. pastoris)、もしくはS. ポンベ(S. pombe)の細胞である、前記宿主細胞。
【請求項7】
変異フィターゼの生成方法であって、
(a) 請求項2に記載の核酸を取得すること;および
(b) (i) 前記核酸中のヌクレオチドを別のヌクレオチドに変更させ、前記核酸中のヌクレオチドを欠失させ、または前記核酸にヌクレオチドを付加させることによって、当該変化が変異体をもたらすこと;(ii) (i)における変化を、提供された前記核酸のコドン用法から変更されたコドン用法を有するフィターゼコード配列が製造されるまで反復して繰り返すこと;または、(iii) (i)または(ii)における変化が、誤りがちのPCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド指定突然変異誘発、アセンブリPCR、有性PCR突然変異誘発、in vivo突然変異誘発、カセット突然変異誘発、回帰的集合突然変異誘発、指数的集合突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発、連結リアセンブリ、遺伝子部位飽和突然変異誘発、またはこれらの任意の組合せにより導入されること;
含む、前記方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法によって生成された機能的変異フィターゼであって、当該機能的変異フィターゼが請求項1のフィターゼの生物学的活性を保持している、前記機能的変異フィターゼ。
【請求項9】
フィチン酸含有食品の栄養価を改善する方法であって、当該フィチン酸含有食品を、(i) 請求項1に示すアミノ酸配列を有する精製された、単離された、合成のまたは組換えのフィターゼ酵素;(ii) 請求項2に示す核酸配列によってコードされる精製された、単離された、合成のまたは組換えのフィターゼ酵素;(iii) 請求項8に記載の機能的変異フィターゼ;または(iv) フィターゼ活性を有するポリペプチドを発現する請求項6に記載の宿主細胞;と接触させることを含んでなり、当該フィターゼが、当該フィチン酸含有食品中のフィチン酸からの無機リン酸の遊離を触媒する、前記方法。
【請求項10】
フィターゼ酵素をコードする、請求項2に記載の核酸を含むヌクレオチオド配列を発現する発現系を含むように改変された形質転換植物、形質転換植物の部分、または形質転換植物の細胞もしくは種子の下記の(a)または(b)への使用方法。
(a) フィターゼ活性の有効量を含む形質転換植物材料をヒトまたは動物の消化管に投与する工程を含む、異種フィターゼ酵素の活性によって消化促進に役立ち得るヒトまたは動物の治療;または
(b) 前記植物材料を食餌補助剤として組成する工程を含む、異種フィターゼ酵素の活性によって消化促進に役立ち得るヒトまたは動物の治療のための食餌補助剤の調製。
【請求項11】
改変された植物または植物細胞もしくは種子、または改変された植物の部分であって、
(a) 前記植物、植物部分、または植物細胞もしくは種子がフィターゼ酵素をコードする請求項2に記載の核酸を含むヌクレオチド(核酸)配列を発現する発現系を含むように改変されているか;または
(b) (a)の植物、植物部分、または植物細胞もしくは種子が完全な改変植物である、前記改変された植物または植物細胞もしくは種子、または改変された植物の部分。
【請求項12】
請求項11に記載の改変された植物または植物細胞もしくは種子、または改変された植物の部分の下記の(a)または(b)への使用方法。
(a) フィターゼ活性の有効量を含む前記植物、植物部分、または植物細胞をヒトまたは動物の消化管に投与する工程を含む、異種フィターゼ酵素の活性によって消化促進に役立ち得るヒトまたは動物の治療;または
(b) 前記植物、植物部分、または植物細胞を食餌補助剤として組成する工程を含む、異種フィターゼ酵素の活性によって消化促進に役立ち得るヒトまたは動物の治療のための食餌補助剤の調製。
【請求項13】
請求項11に記載の改変された植物または植物細胞もしくは種子、または改変された植物の部分を植物材料の製造に使用する方法であって、植物細胞を植物種子、植物部分、または完全植物が製造される条件下で生育させる工程を含む、前記方法。
【請求項14】
請求項1に記載の組換えのまたは合成のフィターゼ;
請求項8に記載の機能的変異フィターゼ;
請求項2に示す配列を有するフィターゼをコードする核酸を含む組換え発現系;
請求項3に記載のベクター、ウイルス粒子、ウイルス、ファージ、コスミド、フォスミド、または人工染色体;または
請求項4に記載の発現系;
を含むように改変された植物細胞、植物部分、植物器官、植物種子、または植物。
【請求項15】
請求項14に記載の植物細胞、植物部分、植物器官、植物種子、または植物を動物飼料または食品組成物に適する組成物に変換する工程を含む、フィターゼを含む動物飼料または食品組成物を製造する方法。
【請求項16】
フィターゼを含有する動物飼料または食品組成物を製造する方法であって、
請求項11に記載の改変された植物または植物細胞もしくは種子、または改変された植物の部分を、当該フィターゼをコードする核酸が発現される条件下で培養すること;
前記植物細胞から植物材料を生成すること;および
前記植物細胞または植物材料を動物飼料または食品組成物に適した組成物に変換すること;
を含む、前記方法。
【請求項17】
請求項6に記載の植物細胞またはそれから生成した植物材料と、フィチン酸含有食品とを混合して含む動物用飼料組成物または食品組成物であって、当該植物材料が植物種子、植物細胞、植物部分、または完全植物を含む、前記組成物。
【請求項18】
フィターゼを含む飼料または食品を製造する方法であって、
(a) 請求項6に記載の植物細胞を、当該フィターゼをコードする核酸が発現される条件下で培養すること;
(b) 前記植物細胞から植物材料を生成すること;および
(c) 前記植物細胞または植物材料を飼料または食品に適した組成物に変換すること;
を含む、前記方法。
【請求項19】
(a) 請求項6に記載の植物細胞;
(b) (a)から生成した植物材料;または
(c) 植物種子、植物細胞、植物部分、または完全植物を含む(b)の植物材料;
をフィチン酸含有食物、食品、飼料、食物サプリメント、飼料サプリメント、または食餌補助剤と混合して含む、食物、食品、飼料、食物サプリメント、飼料サプリメント、または食餌補助剤。
【請求項20】
フィターゼの作製方法であって、
(a) (i) 請求項2に記載のフィターゼをコードする核酸、またはフィターゼをコードする核酸を含む請求項3に記載のベクター、ウイルス粒子、ウイルス、ファージ、コスミド、フォスミド、または人工染色体を準備すること;および(ii) 当該フィターゼをコードする核酸をフィターゼが発現する条件で発現させること;または
(b) 工程(a)で、発現されたフィターゼを単離すること;または
(c) 請求項6に記載の宿主細胞を、フィターゼをコードする核酸を発現させる条件下で生育させ、そして当該核酸によってコードされるフィターゼを単離すること;
を含む前記方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法によって作製した組換えにより生成されたフィターゼ。
【請求項22】
フィターゼをグリコシル化する方法であって、
(i) 請求項2に記載のフィターゼをコードする核酸、(ii)フィターゼをコードする核酸を含む請求項3に記載のベクター、ウイルス粒子、ウイルス、ファージ、コスミド、フォスミド、または人工染色体を、フィターゼをグリコシル化できる細胞内で発現させることを含む、前記方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法によって得られたグリコシル化フィターゼ。
【請求項24】
(a) 請求項1に記載のフィターゼポリペプチド、
(b) 請求項2に記載の核酸によってコードされるフィターゼ、
(c) 請求項8に記載の機能的変異フィターゼ、
(d) 請求項14に記載の植物細胞、植物部分、植物器官、植物種子または植物
(e) 請求項21に記載の組換えにより生成されたフィターゼ、
(f) 請求項23に記載のグリコシル化フィターゼ、
(g) 請求項20または22に記載の方法によって作製されたフィターゼ、または
(h)(a)〜(g)の任意の組合せ、
を含む、食物、食品、飼料、食物サプリメント、飼料サプリメント、または食餌補助剤。
【請求項25】
フィチン酸を分解(加水分解)する方法であって、
(a) フィチン酸を含有する組成物を準備すること;
(b) (i) 請求項1に記載のフィターゼポリペプチド、
(ii) 請求項2に記載の核酸によってコードされるフィターゼ、
(iii) 請求項8に記載の機能的変異フィターゼ、
(iv) 請求項14に記載の植物細胞、植物部分、植物器官、植物種子または植物に含まれるフィターゼ、
(v) 請求項21に記載の組換えにより生成されたフィターゼ、
(vi) 請求項23に記載のグリコシル化フィターゼ、
(vii) 請求項20または22に記載の方法によって作製されたフィターゼ、
(viii) 請求項19に記載の食物、食品、飼料、食物サプリメント、飼料サプリメント、または食餌補助剤に含まれるフィターゼ、または
(ix) (i)〜(viii)の任意の組合せを準備すること;および
(c) 前記フィチン酸含有組成物を前記フィターゼがフィチン酸を分解する(フィチン酸の加水分解を触媒する)条件下でフィターゼと接触させること;
を含む、前記方法。
【請求項26】
フィチン酸中のリン酸モノエステル結合を分解(加水分解)する方法であって、
(a) フィチン酸を含有する組成物を準備すること;
(b) (i) 請求項1に記載のフィターゼポリペプチド、
(ii) 請求項2に記載の核酸によってコードされるフィターゼ、
(iii) 請求項8に記載の機能的変異フィターゼ、
(iv) 請求項14に記載の植物細胞、植物部分、植物器官、植物種子または植物に含まれるフィターゼ、
(v) 請求項21に記載の組換えにより生成されたフィターゼ、
(vi) 請求項23に記載のグリコシル化フィターゼ、
(vii) 請求項20または22に記載の方法によって作製されたフィターゼ、
(viii) 請求項19に記載の食物、食品、飼料、食物サプリメント、飼料サプリメント、または食餌補助剤に含まれるフィターゼ、または
(ix) (i)〜(viii)の任意の組合せを準備すること;および
(c) 前記フィチン酸含有組成物を前記フィターゼがリン酸モノエステル結合を分解する(リン酸モノエステル結合の加水分解を触媒する)条件下でフィターゼと接触させること;
を含む、前記方法。
【請求項27】
摂取した飼料または飼料サプリメント中の無機リン酸量を増加させることによって動物の食餌を補助する方法であって、
(i) 請求項1に記載のフィターゼポリペプチド、
(ii) 請求項2に記載の核酸によってコードされるフィターゼ、
(iii) 請求項8に記載の機能的変異フィターゼ、
(iv) 請求項14に記載の植物細胞、植物部分、植物器官、植物種子または植物に含まれるフィターゼ、
(v) 請求項21に記載の組換えにより生成されたフィターゼ、
(vi) 請求項23に記載のグリコシル化フィターゼ、
(vii) 請求項20または22に記載の方法によって作製されたフィターゼ、
(viii) 請求項19に記載の食物、食品、飼料、食物サプリメント、飼料サプリメント、または食餌補助剤に含まれるフィターゼ、または
(ix) (i)〜(viii)の任意の組合せを含む組成物を動物に与えることを含む、前記方法。
【請求項28】
フィチン酸含有飼料組成物の栄養価を改善する方法であって、
(a) フィチン酸含有飼料組成物を準備すること;
(b) (i) 請求項1に記載のフィターゼポリペプチド、
(ii) 請求項2に記載の核酸によってコードされるフィターゼ、
(iii) 請求項8に記載の機能的変異フィターゼ、
(iv) 請求項14に記載の植物細胞、植物部分、植物器官、植物種子または植物に含まれるフィターゼ、
(v) 請求項21に記載の組換えにより生成されたフィターゼ、
(vi) 請求項23に記載のグリコシル化フィターゼ、
(vii) 請求項20または22に記載の方法によって作製されたフィターゼ、
(viii) 請求項19に記載の食物、食品、飼料、食物サプリメント、飼料サプリメント、または食餌補助剤に含まれるフィターゼ、または
(ix) (i)〜(viii)の任意の組合せを準備すること;および
(c) 前記フィチン酸含有飼料組成物を前記フィターゼがフィチン酸含有飼料組成物中のフィチン酸から無機リン酸を遊離させるようにフィチン酸を触媒する(フィチン酸の加水分解を触媒する)条件下でフィターゼと接触させること;
を含む、前記方法。
【請求項29】
フィターゼをコードする核酸中のコドンを改変する方法であって、
(i) (a) 請求項2に記載の核酸によってコードされるフィターゼ;または、(A) 請求項1に記載のフィターゼ;または(B) 請求項8に記載の機能的変異フィターゼをコードするポリヌクレオチド(核酸)を準備すること;および
(b) 工程(a)の核酸中のコドンを同定し、そのコドンを置換コドンと同じアミノ酸をコードする異なるコドンに置換し、それによって、前記フィターゼのアミノ酸配列を改変しないが前記核酸を改変すること;
(ii) 前記の準備された核酸のコドン用法から変更されたコドン用法を有するフィターゼをコードする配列が製造されるまで、前記(i)の工程を反復して繰り返すこと;
(iii) 変更されたコドン用法を有するフィターゼを発現させることを、前記(i)または(ii)の工程にさらに含むこと;または
(iv) (iii)の工程においてフィターゼを宿主細胞において発現させること;
含む、前記方法。
【請求項30】
固定されたフィターゼポリペプチドであって、前記フィターゼが、
(i) 請求項1に記載のフィターゼポリペプチド、
(ii) 請求項2に記載の核酸によってコードされるフィターゼ、
(iii) 請求項8に記載の機能的変異フィターゼ、
(iv) 請求項14に記載の植物細胞、植物部分、植物器官、植物種子または植物に含まれるフィターゼ、
(v) 請求項21に記載の組換えにより生成されたフィターゼ、
(vi) 請求項23に記載のグリコシル化フィターゼ、
(vii) 請求項20または22に記載の方法によって作製されたフィターゼ、
(viii) 請求項19に記載の食物、食品、飼料、食物サプリメント、飼料サプリメント、または食餌補助剤に含まれるフィターゼ、または
(ix) (i)〜(viii)の任意の組合せ、
である、前記固定されたフィターゼポリペプチド。
【請求項31】
フィターゼをコードするポリヌクレオチド(核酸)を含む固定化された核酸であって、前記フィターゼが、
(i) 請求項2に記載のポリヌクレオチド(核酸)によってコードされるフィターゼ;または、
(ii) (a) 請求項1に記載のフィターゼ、もしくは(b) 請求項8に記載の機能的変異フィターゼである、前記固定化された核酸。
【請求項32】
以下の担体:
(a) 請求項2に記載のポリヌクレオチド(核酸)によってコードされるフィターゼを含む担体;
(b) (i) 請求項1に記載のフィターゼポリペプチド、
(ii) 請求項2に記載の核酸によってコードされるフィターゼ、
(iii) 請求項8に記載の機能的変異フィターゼ、
(iv) 請求項14に記載の植物細胞、植物部分、植物器官、植物種子または植物に含まれるフィターゼ、
(v) 請求項21に記載の組換えにより生成されたフィターゼ、
(vi) 請求項23に記載のグリコシル化フィターゼ、
(vii) 請求項20または22に記載の方法によって作製されたフィターゼ、
(viii) 請求項19に記載の食物、食品、飼料、食物サプリメント、飼料サプリメント、または食餌補助剤に含まれるフィターゼ、または
(ix) (i)〜(viii)の任意の組合せ、
を含む担体;
(c) ペレット、ピル、タブレット、液剤、ゲル、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、トローチ剤、包帯、またはリポソームの形態である、(a)または(b)の担体;
(d) 前記フィターゼが耐熱性または熱安定性である、(a)〜(c)の担体;
(e) 前記担体が可食性担体である、(a)〜(d)の担体;
(f) 前記担体または可食性担体がコーンスターチ、ラクトース、スクロース、ダイズフレーク、落花生油、オリーブ油、ゴマ油またはプロピレングリコールを含む、(a)〜(e)の担体または可食性担体。
【請求項33】
(a) 請求項2に記載のポリヌクレオチド(核酸)によってコードされるフィターゼ;
(b) (i) 請求項1に記載のフィターゼポリペプチド、
(ii) 請求項2に記載の核酸によってコードされるフィターゼ、
(iii) 請求項8に記載の機能的変異フィターゼ、
(iv) 請求項14に記載の植物細胞、植物部分、植物器官、植物種子または植物に含まれるフィターゼ、
(v) 請求項21に記載の組換えにより生成されたフィターゼ、
(vi) 請求項23に記載のグリコシル化フィターゼ、
(vii) 請求項20または22に記載の方法によって作製されたフィターゼ、
(viii) 請求項19に記載の食物、食品、飼料、食物サプリメント、飼料サプリメント、または食餌補助剤に含まれるフィターゼ、または
(ix) (i)〜(viii)の任意の組合せ;または
(c) 請求項32に記載の担体、を含む可食性タブレット。
【請求項34】
以下の有機物ミール:
(A) (a) 請求項2に記載のポリヌクレオチド(核酸)によってコードされるフィターゼ;
(b) (i) 請求項1に記載のフィターゼポリペプチド、
(ii) 請求項2に記載の核酸によってコードされるフィターゼ、
(iii) 請求項8に記載の機能的変異フィターゼ、
(iv) 請求項14に記載の植物細胞、植物部分、植物器官、植物種子または植物に含まれるフィターゼ、
(v) 請求項21に記載の組換えにより生成されたフィターゼ、
(vi) 請求項23に記載のグリコシル化フィターゼ、
(vii) 請求項20または22に記載の方法によって作製されたフィターゼ、
(viii) 請求項19に記載の方法によって作製された食物、食品、飼料、食物サプリメント、飼料サプリメント、または食餌補助剤に含まれるフィターゼ、または
(ix) (i)〜(viii)の任意の組合せ;
(c) 請求項32に記載の担体;または
(d) 請求項33に記載の可食性タブレット;
を含む有機物ミール;または
(B) トウモロコシ、ダイズ、またはトウモロコシとダイズのミール混合物を含む、(A)の有機物ミール。
【請求項35】
以下の食餌剤または食餌補助剤:
(A-1) (a) 請求項2に記載のポリヌクレオチド(核酸)によってコードされるフィターゼ;
(b) (i) 請求項1に記載のフィターゼポリペプチド、
(ii) 請求項2に記載の核酸によってコードされるフィターゼ、
(iii) 請求項8に記載の機能的変異フィターゼ、
(iv) 請求項14に記載の植物細胞、植物部分、植物器官、植物種子または植物に含まれるフィターゼ、
(v) 請求項21に記載の組換えにより生成されたフィターゼ、
(vi) 請求項23に記載のグリコシル化フィターゼ、
(vii) 請求項20または22に記載の方法によって作製されたフィターゼ、
(viii) 請求項19に記載の食物、食品、飼料、食物サプリメント、飼料サプリメント、または食餌補助剤に含まれるフィターゼ、または
(ix) (i)〜(viii)の任意の組合せ;
(c) 請求項32に記載の担体;または
(d) 請求項33に記載の可食性タブレット;および
(A-2)生体適合性担体;
を含む食餌剤または食餌補助剤;
(B) 生体適合性担体が、生分解性または非生分解性担体である、(A)の食餌剤または食餌補助剤;
(C) さらに添加剤を含む、(A)または(B)の食餌剤または食餌補助剤;
(D) 添加剤が、塩類、糖類、保存剤、pH調整剤、タンパク質またはフィチン酸塩である、(C)の食餌剤または食餌補助剤;または
(E) 生体適合性担体が可食性担体である、(A)〜(D)のいずれかの食餌剤または食餌補助剤。
【請求項36】
以下の遅延放出もしくは徐放性組成物、または即時もしくは迅速放出組成物:
(A) (a) 請求項2に記載のポリヌクレオチド(核酸)によってコードされるフィターゼ;
(b) (i) 請求項1に記載のフィターゼポリペプチド、

(ii) 請求項2に記載の核酸によってコードされるフィターゼ、
(iii) 請求項8に記載の機能的変異フィターゼ、
(iv) 請求項14に記載の植物細胞、植物部分、植物器官、植物種子または植物に含まれるフィターゼ、
(v) 請求項21に記載の組換えにより生成されたフィターゼ、
(vi) 請求項23に記載のグリコシル化フィターゼ、
(vii) 請求項20または22に記載の方法によって作製されたフィターゼ、
(viii) 請求項19に記載の食物、食品、飼料、食物サプリメント、飼料サプリメント、または食餌補助剤に含まれるフィターゼ、または
(ix) (i)〜(viii)の任意の組合せ;
(c) 請求項32に記載の担体;または
(d) 請求項33に記載の可食性タブレット;
を含む、遅延放出もしくは徐放性組成物、または即時もしくは迅速放出組成物;または、
(B) 生体適合性担体を含む、(A)の遅延放出もしくは徐放性組成物、または即時もしくは迅速放出組成物。
【請求項37】
以下の液体または乾燥組成物:
(A) (a) 請求項2に記載のポリヌクレオチド(核酸)によってコードされるフィターゼ;
(b) (i) 請求項1に記載のフィターゼポリペプチド、
(ii) 請求項2に記載の核酸によってコードされるフィターゼ、
(iii) 請求項8に記載の機能的変異フィターゼ、
(iv) 請求項14に記載の植物細胞、植物部分、植物器官、植物種子または植物に含まれるフィターゼ、
(v) 請求項21に記載の組換えにより生成されたフィターゼ、
(vi) 請求項23に記載のグリコシル化フィターゼ、
(vii) 請求項20または22に記載の方法によって作製されたフィターゼ、
(viii) 請求項19に記載の食物、食品、飼料、食物サプリメント、飼料サプリメント、または食餌補助剤に含まれるフィターゼ、または
(ix) (i)〜(viii)の任意の組合せ;
(c) 請求項32に記載の担体;または
(d) 請求項33に記載の可食性タブレット;
を含む液状または乾燥組成物;または
(B) 生体適合性担体を含む、(A)の液体または乾燥組成物。
【請求項38】
(a) 請求項2に記載のポリヌクレオチド(核酸)によってコードされるフィターゼ;
(b) (i) 請求項1に記載のフィターゼポリペプチド、
(ii) 請求項2に記載の核酸によってコードされるフィターゼ、
(iii) 請求項8に記載の機能的変異フィターゼ、
(iv) 請求項14に記載の植物細胞、植物部分、植物器官、植物種子または植物に含まれるフィターゼ、
(v) 請求項21に記載の組換えにより生成されたフィターゼ、
(vi) 請求項23に記載のグリコシル化フィターゼ、
(vii) 請求項20または22に記載の方法によって作製されたフィターゼ、
(viii) 請求項19に記載の食物、食品、飼料、食物サプリメント、飼料サプリメント、または食餌補助剤に含まれるフィターゼ、または
(ix) (i)〜(viii)の任意の組合せ;
(c) 請求項32に記載の担体;または
(d) 請求項33に記載の可食性タブレット;
を含む、アルコール性または非アルコール性飲料食品または飲料。
【請求項39】
以下の多孔質マイクロビーズ、または酵素顆粒もしくは凝集顆粒:
(A) (a) 請求項2に記載のポリヌクレオチド(核酸)によってコードされるフィターゼ;
(b) (i) 請求項1に記載のフィターゼポリペプチド、
(ii) 請求項2に記載の核酸によってコードされるフィターゼ、
(iii) 請求項8に記載の機能的変異フィターゼ、
(iv) 請求項14に記載の植物細胞、植物部分、植物器官、植物種子または植物に含まれるフィターゼ、
(v) 請求項21に記載の組換えにより生成されたフィターゼ、
(vi) 請求項23に記載のグリコシル化フィターゼ、
(vii) 請求項20または22に記載の方法によって作製されたフィターゼ、
(viii) 請求項19に記載の食物、食品、飼料、食物サプリメント、飼料サプリメント、または食餌補助剤に含まれるフィターゼ、または
(ix) (i)〜(viii)の任意の組合せ;
(c) 請求項32に記載の担体;または
(d) 請求項33に記載の可食性タブレット;
を含む多孔質マイクロビーズ、または酵素顆粒もしくは凝集顆粒、または
(B) 生体適合性担体を含む、(A)の多孔質マイクロビーズ、または酵素顆粒もしくは凝集顆粒。
【請求項40】
植物タンパクの製造方法であって、
(a) 植物タンパク源材料を酸性pH下で水に分散すること;
(b) フィターゼを(a)の植物タンパク源材料に混合すること;および
(c) 分散酸性液から植物タンパクを分離すること;
を含み、
前記フィターゼが、
(i) 配列番号8に示すアミノ酸配列において、W68E、Q84W、A95P、K97C、S168E、R181Y、N226C、Y277D、またはこれらの任意の組合せから選択される1以上のアミノ酸変化を有するアミノ酸配列を有し、かつフィターゼ活性を有するポリペプチド,
(ii) (i)のアミノ酸配列を有し、かつ少なくとも60℃の温度に対して耐性である活性を有するポリペプチド、
(iii) (i)または(ii)のアミノ酸配列を有し、かつ胃液中での半減期が対応する野生型ポリペプチドより少なくとも約2倍長いポリペプチド、
(iv) 配列番号10に示すアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(v) 配列番号7に示す核酸配列において、ヌクレオチド389がG; 390がA; 437がT; 438がG; 439がG; 470がC; 472がT; 476がT; 477がG; 478がT; 689がG; 690がA; 691がG; 728がT; 729がA; 730がT; 863がT; 864がG; 1016がGである少なくとも1つのヌクレオチド変化またはこれらの任意の組合せを含む核酸配列を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド、
(vi) 配列番号7の核酸配列を有し、かつヌクレオチド389がG、および390がA; ヌクレオチド437がT、438がG、および439がG; ヌクレオチド470がC、および472がT; ヌクレオチド476がT、477がG、および478がT; ヌクレオチド689がG、690がA、および691がG; ヌクレオチド728がT、729がA、および730がT; ヌクレオチド863がT、および864がG; ヌクレオチド1016がG; またはこれらの任意の組合せから選択される改変された核酸配列を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド;
(vii) 配列番号9に示す核酸配列を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド、または
(viii) (v)、(vi)、または(vii)のいずれかの核酸配列に完全に相補的な核酸配列を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドである、前記方法。
【請求項41】
さらに、前記の単離した植物タンパクを乾燥させる工程(d)を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記工程(a)がpH2〜6の範囲の酸性pHで植物タンパク源材料を分散することを含む、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
前記の乾燥させ、単離した植物タンパクから食品または食餌補助剤を調製することを含む、請求項40〜42に記載の方法。
【請求項44】
前記食品または食餌補助剤が、飼料、食物、飼料サプリメント、または食物サプメントを含む、請求項40〜43に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−99688(P2008−99688A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264531(P2007−264531)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【分割の表示】特願2001−587129(P2001−587129)の分割
【原出願日】平成13年5月24日(2001.5.24)
【出願人】(501289717)ヴェレニウム コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】