説明

経口活性クルクミノイド化合物

本発明において式(I)(式中、R、R、RおよびRのうち少なくとも1つは−C(=O)Rであり、R、R、RおよびRはHまたはCHであり、Rはアルキルまたはアルケニル基である。該アルケニル基は、シス形もしくはトランス形のいずれかまたは両方の1つ以上の数の二重結合を有する。Rにおいて、式中、nは炭素が12〜30個であることである)の化合物およびその薬学的に許容され得る塩を開示する。前記アルケニル基は、好ましくは、エイコサペンタエン酸(EPA)またはDHA(ドコサヘキサエン酸)からなる群より選択される。さらに、本発明において式Iの化合物の調製方法、およびこの化合物を含む医薬組成物を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クルクミンおよびその脱メチル化誘導体(一般式Iの化合物)の新規化合物、関連化合物および誘導体化合物、その調製方法、ならびにこの化合物を含む医薬組成物に関する。さらに、本発明は、クルクミノイドのプロドラッグ化合物を開示する。
【背景技術】
【0002】
プロドラッグは、多くの場合、活性な親薬物分子の薬理学的に不活性な化合物であり、該活性薬物が放出されるために体内で酵素的変換が必要とされ、親薬物よりも改善された送達特性を有する。多くの薬物分子で輸送および特性のインサイチュ効果が異なるというこの事実が、薬物の生体内可逆的(bio-reversible)誘導体化、すなわちプロドラッグの開発の理由であり、これは、通常、親薬物の全体的有効性の相当な改善が得られる手段である。
【0003】
近年、いくつかの型の生体内可逆的誘導体が、薬物の適正な使用に利用されている。このアプローチは、主に、可溶性が不充分な薬物の可溶性が向上するように、または肝臓による初回通過代謝を回避することによって対象薬物の送達が改善されるように、または安定性が向上するように設計される。
【0004】
クルクミンおよびその脱メチル化誘導体はクルクミノイド類に属し、ウコン種に見られるポリフェノール色素であり、ウコンの黄色い色味の原因である。クルクミノイドは、ショウガ科に属するCurcuma longaから抽出され、一般的にはターメリックとして知られている。クルクミンは、インドカレーのスパイスであるウコンの活性成分であり、ウコンの3種類のクルクミノイドのうちの1つであり、他の2種類のクルクミノイドは、デメトキシクルクミンおよびビスデメトキシクルクミンである。クルクミンはフェノール系ジアリールヘプタノイドであり、ウコン(Curcuma longa)の特徴的な黄色い色味の構成成分を有する。
【0005】
クルクミンは、フリーラジカルスカベンジャーおよび抗酸化物質としての機能を果たし、脂質の過酸化および酸化的DNA損傷を抑止する。クルクミンは、シクロオキシゲナーゼ、5−リポキシゲナーゼおよびグルタチオンS−トランスフェラーゼに対するインヒビターとしての機能も果たす。クルクミノイドはグルタチオンS−トランスフェラーゼを誘導し、シトクロムP450の強力なインヒビターである。上記のクルクミンの性質/活性はすべて、文献に非常によく解説されている。
【0006】
近年、天然物のクルクミンおよびその類縁化合物は、種々の神経変性疾患、特にアルツハイマー病の処置の代替医療の対象になってきている。アルツハイマー病は、既知の治療法がない変性性で致命的な疾患である。アルツハイマー疾患は、AD患者の脳内に異常にフォールディングされたAβおよびtauタンパク質が蓄積されていることから、タンパク質ミスフォールディング病あるいはプロテオパチーと識別される。
【0007】
クルクミンの有益な効果にもかかわらず、本発明者らは、クルクミンの経口送達には多くのバイオアベイラビリティの課題を伴うことに注目した。クルクミンはヒト消化管に容易に浸透せず、腸による代謝および拒絶に供され(subject to)、したがって、血漿中に入る経口クルクミンは1%未満である。さらに、血流内に入った少量のクルクミンは、肝臓および腎臓によって速やかに代謝される。したがって、クルクミンは高度に脂肪親和性である(また、そのため容易に血液脳関門を通過する)が、血清中および脳組織内に残る経口投与されたクルクミンはごく少量のみである。バイオアベイラビリティ試験により、1日に3.6gまでのクルクミンの摂取で得られる血漿クルクミンレベルは、わずかに約10nMの範囲であることが示されている(Sharma,Clin.Cancer Res.,2004,Oct.15,10(20)6847−54)。別の試験では、1日に6〜8gのクルクミンの摂取で得られるピーク血清レベルは、約0.51〜1.77μMの範囲であることがわかった。さらに、4,000〜8,000mg/日の範囲の高い経口クルクミン用量では、おそらくクルクミンの代謝産物によってもたらされる頭痛、発疹および下痢などの問題が引き起こされることが報告されている。したがって、上記の血漿クルクミン濃度(10nM〜1.77μM)は、クルクミンの経口投与に実用上利用可能な上限であると思われる。Yang(上掲)では、脳内において、おそらく経口投与では(5μM)より高いクルクミン濃度はもたらされないと結論付けられている。実際、Wangにより、30mg/kgのクルクミン注射によりもたらされる脳組織内でのピーククルクミン濃度は、わずか約0.15ng/mgであることが報告されており、これは約0.40uMである。
【0008】
約1uMの脳組織内濃度範囲では、クルクミン量の全部ではないが一部において有益な治療が実現されると思われる。
【0009】
クルクミンおよびその脱メチル化誘導体は、経口投薬形態で投与されると肝臓による初回通過代謝のため、そのバイオアベイラビリティは限定的である。上記のバイオアベイラビリティの課題に鑑みると、バイオアベイラブルなクルクミンの必要性が存在している。式Iの化合物は、経口治療用薬剤として低用量で有効に使用され得る活性なプロドラッグの要件を満たすことが示された。
【0010】
語句「バイオアベイラブルなクルクミン」は、本発明の式Iの化合物をいうために用い、したがって、語句「バイオアベイラブルなクルクミン」が本明細書に示されている場合はいつでも、式Iの化合物に対する言及であると解釈されたい。したがって、本発明は、クルクミン、すなわちビス−O−デメチルクルクミンの活性な構成成分を有効量で含むバイオアベイラブルなクルクミンを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、一態様において、本発明は、一般式I
【化1】

(式中、R、R、RおよびRのうち少なくとも1つは−C(=O)Rであり、R、RおよびRはHまたはCHであり、Rはアルキルまたはアルケニル基である。該アルケニル基は、シス形もしくはトランス形のいずれかまたは両方の1つ以上の数の二重結合を有する。Rにおいて、式中、nは炭素が12〜30個であることであり;
【化2】

の線は、単結合を表す場合、または二重結合を表す場合があり得;アルケニル基(−C(=O)R)は、好ましくは以下のもの;
【化3】

から選択される)
の化合物およびその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0013】
この化合物は、式IIの化合物のプロドラッグとして使用され得ることがわかった。
【化4】

式中、R、R、R、Rは同じであるか、または異なっており、各々、個々に、HまたはMeから選択され、
【化5】

の線は、単結合を表す場合か、または二重結合を表す場合であり得る。
【0014】
好ましい式IIの化合物を以下に示す。これらの化合物は、ケトもしくはエノールの形態または両方の形態であり得る。
【化6】

また、プロドラッグ調製のための他の好ましい前駆体化合物としては、
【化7】

が挙げられる。
【0015】
別の態様において、本発明は、式Iの化合物であるバイオアベイラブルなクルクミノイド(curcumininoid)化合物を、式IIの化合物から、特にエイコサペンタエン酸(EPA)もしくはDHA(ドコサヘキサエン酸)などの不飽和脂肪酸または同様の短鎖もしくは長鎖の飽和もしくは不飽和脂肪酸とのエステル結合によって調製する方法を提供する。
【0016】
本発明によれば、バイオアベイラブルで経口活性な式Iの化合物が提供され、本発明の解釈上、主として記載する式IIの化合物は、ビス−O−デメチルクルクミンである。しかしながら、本発明は、本発明の解釈上、上記の式IIの化合物のあらゆる類似化合物を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明を、一部の特定の好ましい任意選択の実施形態に関して、より詳細に説明する。したがって、その種々の態様が、より充分に理解および認識され得よう。
【0018】
本発明の解釈上、表現「バイオアベイラブルなクルクミン(cucumin)」、「経口活性な式Iの化合物」、「経口活性なプロドラッグ」、「式Iの新規な化合物」は、本明細書全体を通して互換的に用い、同表現は、当業者がそういうものとして認識しているものであり得る。
【0019】
脳の生化学的組成に関して重要な側面は、脂質および脂肪酸の量が非常に多いことである。脳の輸送系を調節するために血液脳関門が存在していることは、よく知られた事実である。この関門は、500ダルトンより大きい分子が脳内に進入することを許容しないが、小分子はたいてい進入することができる。栄養分の輸送は、一般的には、脂質の可溶性または特定の輸送体タンパク質によって起こり、同様に、脂肪酸に対して特定の輸送系が存在する。親水性/電荷を有する化合物は、CNS内への良好な浸透能力を有しない。したがって、脳に標的化されるためには、親油性によって輸送が向上するため、より脂肪親和性の性質であることが必要である。したがって、本発明者らは、CNS障害の処置に特に有用な式IIの化合物またはその類縁化合物の親油性を、種々の性質の脂肪酸との誘導体化によって改善するという発明思想を生み出した。この誘導体化によって式IIの化合物の親油性が増大し、また、それにより、CNS内への分子の輸送が増大する。したがって、式IIの化合物の誘導体化により、経口活性な式Iのプロドラッグがもたらされ、これは、特に加水分解を受けたらCNS関連疾患に特に有用である。
【0020】
ビス−O−デメチルクルクミンまたは関連構造を共有結合によってEPAまたはDHAのカルボン酸官能基に結合させると、このプロドラッグの輸送が改善され得、それにより、脳内でのそのバイオアベイラビリティおよび吸収がかなり改善され得、その治療効果が構築され得る。プロドラッグが通過して脳内に入ると、種々の非特異的エステラーゼによって脂肪酸と活性薬物間の結合が切断され得、したがって、該薬物が、特に、脂肪酸の輸送が多く、またエステラーゼ活性も高い炎症組織において、その治療効果を発揮することが可能になると考えられる。
【0021】
したがって、ビス−O−デメチルクルクミンまたは関連構造をEPAまたはDHAなどの長鎖脂肪酸のカルボン酸官能基に共有結合させると脳内に容易に輸送され得、ここで、該脂肪酸とビス−O−デメチルクルクミン/関連構造間の共有結合の酵素的切断を受け、それにより、ビス−O−デメチルクルクミン/関連構造のその抗アミロイド効果または抗酸化物質効果または抗炎症効果または任意の他の治療効果の発揮が増強される。これは、バイオアベイラビリティが増大し、薬物動態学的特性が有意に改善されたためであり得る。
【0022】
先に記載のように、ビス−O−デメチルクルクミンはヒト消化管に容易に浸透せず、腸による代謝および拒絶に供され、血漿中に入る経口ビス−O−デメチルクルクミンは1%未満である。次に、血流内に入った少量のクルクミンは、肝臓および腎臓によって速やかに代謝される。したがって、ビス−O−デメチルクルクミンは高度に脂肪親和性である(また、そのため容易に血液脳関門を通過する)が、上記の理由のため、血清中および脳組織内に残る経口投与されたビス−O−デメチルクルクミンはごく少量のみである。
【0023】
したがって、上記のバイオアベイラブルの課題を解決するため、一般式Iの新規な活性化合物、すなわち、経口活性な式IIのプロドラッグ化合物または他のかかる化合物を本発明によって提供する。このような化合物により、脳に対する薬物のバイオアベイラビリティが改善され、それにより、式IIの化合物、すなわちビス−O−デメチルクルクミンを経口投与した場合、血漿濃度および脳内濃度を有意に低下させる肝臓による高い初回通過代謝が回避される。したがって、新規で経口活性なプロドラッグであるビス−O−デメチルクルクミンまたはその類縁化合物を小用量で投与することができ、それにより、生じる副作用が少なくなり、該薬物は、より耐容性で、より有効となる。脂肪親和性であるビス−O−デメチルクルクミンなどの薬物は、該薬物をそのまま経口または静脈内投与するよりもプロドラッグ形態での投与後の方が、一般的に高い脳内レベルが達成される。
【0024】
したがって、本発明において、長鎖不飽和脂肪酸とビス−O−デメチルクルクミンまたは関連構造から調製される新規で治療上活性な式Iの化合物、調製方法、組成物およびその治療剤としての使用を説明する。
【0025】
一実施形態において、本発明は、一般式I
【化8】

(式中、R、R、RおよびRのうち少なくとも1つは−C(=O)Rであり、R、RおよびRはHまたはCHであり、Rはアルキルまたはアルケニル基である。該アルケニル基は、シス形もしくはトランス形のいずれかまたは両方の1つ以上の数の二重結合を有する。Rにおいて、式中、nは炭素が12〜30個であることであり;
【化9】

の線は、単結合を表す場合、または二重結合を表す場合があり得;アルケニル基は、好ましくは以下のもの;
【化10】

から選択される)
の化合物およびその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0026】
この化合物は、式IIの化合物のプロドラッグとして使用され得ることがわかった。
【化11】

式中、R、R、R、Rは同じであっても異なっていてもよく、各々、個々に、HまたはMeから選択され、
【化12】

の線は、単結合を表す場合か、または二重結合を表す場合であり得る。
【0027】
本発明の式Iの新規な化合物は、好ましくは式IIの化合物から作製されるが、以下に示す他の化合物を使用してもよい。これらの化合物は、ケトもしくはエノールの形態または両方の形態であり得る。
【化13】

また、式Iの新規な化合物の調製のための他の好ましい前駆体化合物としては、
【化14】

が挙げられる。
【0028】
別の実施形態において、本発明は、式IIの化合物から、特に不飽和脂肪酸とのエステル結合によって式Iの化合物を調製する方法を提供する。
【0029】
好ましい実施形態において、本発明は、式IIの化合物から、好ましくはビス−O−デメチルクルクミンまたは関連構造から長鎖不飽和脂肪酸を用いて調製される、新規で治療上活性な化合物を提供する。本発明では、主に、エイコサペンタエン酸(EPA)またはDHA(ドコサヘキサエン酸)または同様の短鎖もしくは長鎖の飽和もしくは不飽和脂肪酸を、抗酸化物質特性および/または抗炎症特性を示す/遺伝子の転写および翻訳を調節するビス−O−デメチルクルクミンまたは関連構造に共有結合させた薬理学的に活性な組合せを取り扱う。
【0030】
本発明によれば、好ましいバイオアベイラブルで経口活性な式Iの化合物は、式IIの化合物から、好ましくはビス−O−デメチルクルクミンから、EPAまたはDHAまたは本発明の解釈上、同様の短鎖もしくは長鎖の飽和もしくは不飽和脂肪酸を用いて調製される。ビス−O−デメチルクルクミンの経口活性なプロドラッグの好ましい化合物を以下に示す。
【0031】
【化15】

式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、各々、EPAまたはDHAまたは類似の短鎖もしくは長鎖の飽和もしくは不飽和脂肪酸部分からなる群より選択される。しかしながら、本発明は、上記のあらゆる式IIの類似化合物を包含する。
【0032】
したがって、ビス−O−デメチルクルクミンを本発明の経口活性なプロドラッグ化合物によって投与することにより、該薬物が標的部位に送達され得、したがって、脳内(作用部位)でのビス−O−デメチルクルクミンの有効性の向上が補助される。さらに、ビス−O−デメチルクルクミンは肝臓によって高度に代謝されるため、プロドラッグとしての投与により、同様に肝臓によって高度に代謝される他の薬物との薬物相互作用の低減が補助され得る。
【0033】
したがって、本発明は、主に、エイコサペンタエン酸(EPA)またはDHA(ドコサヘキサエン酸)または同様の短鎖もしくは長鎖の飽和もしくは不飽和脂肪酸を、抗酸化物質特性および/または抗炎症特性を示す/遺伝子の転写および翻訳を調節するビス−O−デメチルクルクミンまたはその関連構造/類似構造に共有結合させた薬理学的に活性な組合せに関する。
【0034】
さらに、本発明において、式Iの化合物を充填剤、希釈剤、崩壊剤などから選択される1種類以上の適当な医薬用賦形剤とともに含む医薬組成物を開示する。
【0035】
本発明によれば、一般式Iの化合物の調製方法が提供され、前記方法は以下の工程を含む。
【0036】
a) 第1の工程として、共有結合形成が起こるように、該脂肪酸のカルボン酸官能基を活性化させる必要がある。この活性化は、下記の方法:1)極性非プロトン性またはプロトン性溶媒(最も好ましくは極性非プロトン性溶媒)の存在下での、ある種のカルボジイミドなどの活性化剤の使用;2)カルボジイミドの使用および医薬活性物質との反応によるNヒドロキシコハク酸エステルなどの活性エステルの形成、3)クロロホルメートまたは他の酸塩化物を用いてEPAまたはDHAの無水物を得る無水物の形成;4)極性非プロトン性または無極性非プロトン性と極性非プロトン性溶媒(DMSOもしくはDMFなど)の組合せの存在下で、好ましくは無極性非プロトン性溶媒(例えば、トルエンもしくはジイソプロピルエーテル)中で、塩化チオニルまたは塩化オキサリルまたはハロゲン化リンを使用するEPAまたはDHAの酸塩化物の形成のいずれか1つによって行なわれ得る。
【0037】
該活性化方法は、長鎖PUFA内の二重結合が厳しい反応条件に影響され易いため、穏やかな条件下で行なう必要がある。
【0038】
b) 活性化された長鎖PUFAとビス−O−デメチルクルクミン/関連構造との縮合反応は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、DMSOなどの適切な溶媒中で行なう必要がある。
【0039】
したがって、一般式Iの化合物の調製方法は、以下のスキーム1およびスキーム2に概略的に示すものである。
【0040】
あるいはまた、ビス−O−デメチルクルクミン/関連構造の干渉性官能基(例えばOHなど)は、適当な誘導体に変換させ、したがって、対象の官能基のみが該脂肪酸との共有結合形成に関与し、工程(a)および(b)で処理され、式Iの化合物を得ることが可能になるように保護することができる。
【0041】
さらに、択一的には、制御された反応条件下、活性化剤(DCCなど)の存在下で、式IIの構造の化合物を、予め計算した数のモル当量の長鎖PUFAで直接処理し、式Iの化合物を直接得る。
【0042】
スキーム1
【化16】

式中、R、R、RおよびRのうち少なくとも1つは−C(=O)Rであり、R、RおよびRはHまたはCHであり、Rはアルキルまたはアルケニル基である。該アルケニル基は、シス形もしくはトランス形のいずれかまたは両方の1つ以上の数の二重結合を有する。Rにおいて、式中、nは炭素が12〜30個であることである。
【化17】

の線は、単結合を表す場合か、または二重結合を表す場合であり得る。
【0043】
あるいはまた、一般式Iの化合物は、以下のスキーム2に示す方法を用いて調製され得る。
【0044】
スキーム2
【化18】

式中、R、R、RおよびRのうち少なくとも1つは−C(=O)Rであり、R、RおよびRはHまたはCHであり、Rはアルキルまたはアルケニル基である。該アルケニル基は、シス形もしくはトランス形のいずれかまたは両方の1つ以上の数の二重結合を有する。Rにおいて、式中、nは炭素が12〜30個であることである(好ましくはEPAまたはDHA)。
【0045】
式Iのプロドラッグ化合物の調製方法は、
a)式IV
【化19】

(式中、RとRの少なくとも一方はHであり得(my be)、他方はHまたはCHであり得る)
の化合物を、式IIIaまたはIIIbの化合物と、有機溶媒中、4−(ジメチルアミノ)ピリジンおよびジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下で反応させ、式V
【化20】

(式中、RとRの少なくとも一方HまたはCHであり得、他方は、式IIIaまたはIIIbから選択され得る)の化合物
を形成すること
b)工程5(a)で得られた式Vの化合物をアセチルアセトンと、有機溶媒中、酸化ホウ素、ホウ酸トリアルキル、第1級有機アミンまたは第2級有機アミンの存在下で反応させ、式Iの化合物を形成すること
を含む。
【0046】
上記の方法において、有機溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチルおよびジクロロメタンからなる群より選択される。
【0047】
上記の方法において、ホウ酸トリアルキルはC〜C10ホウ酸トリアルキルから選択され、好ましくはホウ酸トリブチルであり、第1級有機アミンが好ましくはn−ブチルアミンであり、該第2級アミンが好ましくは1,2,3,4−テトラヒドロキノリンから選択される。
【0048】
式IIの化合物を、まず、触媒性還元剤を用いて適当な溶媒中で、好ましくは、Pd/炭素を用いてアルコール中で還元に供すると、二重結合が還元され得、次いで、この還元生成物をEPAまたはDHAとカップリングさせ、式Iの化合物を形成する。
【0049】
あるいはまた、EPAまたはDHAがカップリングされた式Iの化合物を、スキーム2のようにして調製し、該カップリング生成物を、触媒性還元剤を用いて適当な溶媒中で、好ましくは、Pd/炭素を用いてアルコール中で還元に供する。
【0050】
長鎖PUFA(多価不飽和脂肪酸)と薬物を共有結合させる方法は、広く報告されている。例えば、カルボン酸官能基の活性化方法、干渉性官能基の保護方法などは、文献に報告されている。しかしながら、長鎖PUFAとビス−Oデメチルクルクミン/関連構造の縮合は、新規な思想であり、脳または腸もしくは炎症組織または癌細胞またはヒト身体の任意の他の部分への薬物送達の目的としては、これまで報告されていない。
【0051】
したがって、本発明の化合物は、2種類の活性成分をその構造内に有する。受容体、イオンチャネル、形質導入および翻訳タンパク質などと相互作用する基本の活性成分に、EPA、DHAまたは脂肪酸などの分子を共有結合させることで、分子全体の親油性を変化させ、それにより、腸経由ならびに組織、炎症組織、癌性組織または脳への輸送が増大する。結合後の輸送の向上の他に、脂肪酸への加水分解後は、EPAおよびDHAなどの分子が炎症カスケード、MAPK経路などを調節することがわかっているため、活性薬物と該脂肪酸との間に良好な相乗作用がみられ、したがって、いくつかの治療セグメントになる。
【0052】
したがって、本発明により、2種類の薬理学的に活性な化合物から調製され、治療上の有益性が向上したクルクミンの新規な関連化合物が得られる。
【0053】
本発明を、以下に示す実施例によって例示する。実施例は、例示のためだけに示したものであり、本発明の範囲を制限するものとみなされるべきでない。当業者に自明の変形例および変更例は、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲および本質に含まれるものとする。
【実施例1】
【0054】
1−(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン[クルクミン−1のEPAエステル]の合成
【化21】

方法A:
シス−エイコサペンタエン酸(EPA): シス−エイコサペンタエン酸エチル(5g,15.15mmol)のメタノール(100mL)溶液に、水酸化ナトリウム(6g,150mmol、20mLの水中)の水溶液を室温で添加し、1.5時間攪拌した。反応混合物を氷冷水に注入し、希HClで酸性化した。この溶液をジクロロメタン(3×50mL)で抽出し、合わせた層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶液を濾過し、溶媒をエバポレートし、該酸(4.4g,96%)を油状物として得た;LCMS(ESI,陰イオンモード):m/z 301(M−H)
【0055】
1−(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン: クルクミン(300mg,0.81mmol)、シス−エイコサペンタエン酸(250mg,0.83mmol)および触媒量の4−(ジメチルアミノ)ピリジンのジクロロメタン(10mL)溶液に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(252mg,1.2mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液を、氷冷温度で5分間添加した。混合物を室温で16時間攪拌し、水で希釈した。ジクロロメタン層を分離し、水層をジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。合わせたジクロロメタン層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶液を濾過し、残渣をシリカゲルカラムにてクロマトグラフィー処理し(ヘキサン−酢酸エチル(90:10)混合物を溶離剤として使用)、生成物を油状物として得た(235mg,44%)。IR(非希釈)vmax3013,2961,2929,1762,1630,1593,1268,1123,1032,970cm−1H NMR(CDCl)δ7.61(1H,d,J=16.0Hz,H−1),7.60(1H,d,J=15.6Hz,H−7),7.03−7.16(5H,m,H−2’,2”,5’,6’,6”),6.93(1H,d,J=8.4Hz,H−5”),6.55(1H,d,J=16Hz,H−2),6.49(1H,d,J=16Hz,H−6),5.89(1H,br s,Ar−OH),5.83(1H,s,H−4),5.38−5.39(10H,m,H−5’’’,6’’’,8’’’,9’’’,11’’’,12’’’,14’’’,15’’’,17’’’,18’’’),3.95(3H,s,Ar−OCH),3.87(3H,s,Ar−OCH),2.84−2.86(8H,m,H−7’’’,10’’’,13’’’,16’’’),2.58−2.66(2H,m,H−2’’’),2.22−2.23(2H,m,H−19’’’),2.05−2.09(2H,m,H−4’’’),1.82−187(2H,m,H−3’’’),0.97(3H,t,J=7.4Hz,H−20’’’);
LCMS(ESI,陰イオンモード):m/z 651(M−H)
【0056】
方法B:
3−メトキシ−4−エイコサペンタエノイルオキシベンズアルデヒド: バニリン(330mg,2.2mmol)、シス−エイコサペンタエン酸(800mg,2.65mmol)および触媒量の4−(ジメチルアミノ)ピリジンのジクロロメタン(DCM、15mL)溶液に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(720mg,3.53mmol)のDCM(5mL)溶液を、氷冷温度で5分間添加した。混合物を室温で16時間攪拌し、水で希釈した。DCM層を分離し、水層をDCM(3×100mL)で抽出した。合わせたDCM層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶液を濾過し、残渣をシリカゲルカラムにてクロマトグラフィー処理し(ヘキサン−酢酸エチル(95:5)を溶離剤として使用)、生成物を油状物として得た(710mg,75%)。IR(非希釈)vmax3012,2961,2931,2855,1767,1701,1600,1271,1149,1119,1032cm−1H NMR(400MHz,CDCl)δ9.94(1H,s,−CHO),7.49(1H,d,J=1.6Hz,H−2),7.47(1H,dd,J=8.0,1.6Hz,H−6),7.20(1H,d,J=8.0Hz,H−5),5.30−5.48(10H,m,H−5’,6’,8’,9’,11’,12’,14’,15’,17’,18’),3.89(3H,s,−OCH),2.80−2.88(8H,m,H−7’,10’,13’,16’),2.58−2.67(2H,m,H−2’),2.22−2.25(2H,m,H−19’),2.05−2.11(2H,m,H−4’),1.81−189(2H,m,H−3’),0.97(3H,t,J=7.4Hz,H−20’)。
【0057】
1−(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン: 酸化ホウ素(183mg,2.65mmol)のDMF(1mL)溶液に、アセチルアセトン(0.236mL,2.29mmol)を、続いてホウ酸トリブチル(1.25mL,4.62mmol)を室温で添加し、65℃で15分間攪拌した。上記のホウ酸錯体に、3−メトキシ−4−エイコサペンタエノイルオキシベンズアルデヒド(1g,2.29mmol)とバニリン(350mg,2.29mmol)の混合物を添加し、同じ温度で5分間攪拌した。n−ブチルアミン(0.045mL)および酢酸(0.13mL)とDMF(1mL)の混合物を反応混合物に添加し、90〜95℃で4時間攪拌した。15℃まで冷却後、酢酸(20%,20mL)を攪拌下で添加し、再度、反応混合物を70℃でさらに1時間攪拌した。次いで、この混合物を室温まで冷却し、クロロホルム(3×100mL)で抽出し、合わせたクロロホルム層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶液を真空下でエバポレートし、残渣をシリカゲルカラムにてクロマトグラフィー処理し(ヘキサン−酢酸エチル(85:15)を溶離剤として使用)、1,7−ビス(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン(100mg,10%)を得た。同じ溶媒系を用いたカラムでのさらなる溶出により、1−(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオンを得た(350mg,24%)。LCMS(ESI,陰イオンモード):m/z 651(M−H)
【実施例2】
【0058】
1−(4−ドコサヘキサエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン[クルクミン−1のDHAエステル]の合成
【化22】

方法A:
シス−ドコサヘキサエン酸(DHA): シス−ドコサヘキサエン酸エチル(5g,14.0mmol)のメタノール(100mL)溶液に、NaOH水溶液(6g,150mmol、20mLの水中)を室温で添加し、1.5時間攪拌した。反応混合物を氷冷水に注入し、希HClで酸性化した。この溶液をDCM(3×50mL)で抽出し、合わせた層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶液を濾過し、溶媒をエバポレートし、該酸を得た(4.2g,91%)を油状物として得た;LCMS(ESI,陰イオンモード):m/z 327(M−H)
【0059】
1−(4−ドコサヘキサエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン: クルクミン(300mg,0.81mmol)、シス−ドコサヘキサエン酸(275mg,0.83mmol)および触媒量の4−(ジメチルアミノ)ピリジンのDCM(10mL)溶液に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(252mg,1.2mmol)のDCM(5mL)溶液を、氷冷温度で5分間添加した。混合物を室温で16時間攪拌し、水で希釈した。DCM層を分離し、水層をDCM(3×100mL)で抽出した。合わせたDCM層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶液を濾過し、残渣をシリカゲルカラムにてクロマトグラフィー処理し(ヘキサン−酢酸エチル混合物(90:10)を溶離剤として使用)、生成物を油状物として得た(250mg,45%)。IR(非希釈)vmax3015,2960,2930,1761,1631,1593,1269,1120,1031,972cm−1H NMR(CDCl)δ7.61(1H,d,J=16.0Hz,H−I),7.60(1H,d,J=15.6Hz,H−7),7.03−7.16(5H,m,H−2’,2”,5’,6’,6”),6.93(1H,d,J=8.4Hz,H−5”),6.55(1H,d,J=16Hz,H−2),6.49(1H,d,J=16Hz,H−6),5.89(1H,br s,Ar−OH),5.83(1H,s,H−4),5.38−5.39(12H,m,H−4’’’,5’’’,7’’’,8’’’,10’’’,11’’’,13’’’,14’’’,16’’’,17’’’,19’’’,20’’’),3.95(3H,s,Ar−OCH),3.87(3H,s,Ar−OCH),2.84−2.86(10H,m,H−6’’’,9’’’,12’’’,15’’’,18’’’),2.58−2.66(2H,m,H−2’’’),2.22−2.23(2H,m,H−21’’’),2.05−2.09(2H,m,H−3’’’),0.97(3H,t,J=7.4Hz,H−22’’’);
LCMS(ESI,陰イオンモード):m/z 677(M−H)
【0060】
方法B:
3−メトキシ−4−ドコサヘキサエノイルオキシベンズアルデヒド: バニリン(330mg,2.17mmol)、シス−ドコサヘキサエン酸(870mg,2.65mmol)および触媒量の4−(ジメチルアミノ)ピリジンのジクロロメタン(15mL)溶液に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(720mg,3.50mmol)のDCM(5mL)溶液を、氷冷温度で5分間添加した。混合物を室温で16時間攪拌し、水で希釈した。DCM層を分離し、水層をDCM(3×100mL)で抽出した。合わせたDCM層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶液を濾過し、残渣をシリカゲルカラムにてクロマトグラフィー処理し(ヘキサン−酢酸エチル(95:5)混合物を溶離剤として使用)、生成物を油状物として得た(800mg,80%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ9.94(1H,s,−CHO),7.49(1H,d,J=1.6Hz,H−2),7.47(1H,dd,J=8.0,1.6Hz,H−6),7.20(1H,d,J=8.0Hz,H−5),5.30−5.48(12H,m,H−4’,5’,7’,8’,10’,11’,13’,14’,16’,17’,19’,20’),3.89(3H,s,−OCH),2.80−2.88(10H,m,H−6’,9’,12’,15’,18’),2.58−2.67(2H,m,H−2’),2.22−2.25(2H,m,H−21’),2.05−2.11(2H,m,H−3’),0.97(3H,t,J=7.4Hz,H−22’)。
【0061】
1−(4−ドコサヘキサエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン: 酸化ホウ素(183mg,2.65mmol)のDMF(1mL)溶液に、アセチルアセトン(0.236mL,2.30mmol)を、続いてホウ酸トリブチル(1.25mL,4.62mmol)を室温で添加し、65℃で15分間攪拌した。上記のホウ酸錯体に、3−メトキシ−4−ドコサヘキサエノイルオキシベンズアルデヒド(1g,2.30mmol)とバニリン(350mg,2.30mmol)の混合物を添加し、同じ温度で5分間攪拌した。n−ブチルアミン(0.045mL)および酢酸(0.13mL)とDMF(1mL)の混合物を反応混合物に添加し、90〜95℃で4時間攪拌した。15℃まで冷却後、酢酸(20%,20mL)を攪拌下で添加し、再度、反応混合物を70℃でさらに1時間攪拌した。次いで、これを室温まで冷却し、クロロホルム(3×100mL)で抽出し、合わせたクロロホルム層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶液を濾過し、残渣をシリカゲルカラムにてクロマトグラフィー処理し(ヘキサン−酢酸エチル(85:15)を溶離剤として使用)、1−(4−ドコサヘキサエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオンを得た(400mg,25%)。LCMS(ESI,陰イオンモード):m/z 677(M−H)
【実施例3】
【0062】
1−(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオンと1−(4−ドコサヘキサエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオンの混合物[クルクミン−1のEPA/DHAエステル]の合成
【化23】

方法A:
シス−エイコサペンタエン酸とシス−ドコサヘキサエン酸の混合物: シス−エイコサペンタエン酸エチルとシス−ドコサヘキサエン酸エチルの混合物(5g)のメタノール(100mL)溶液に、NaOH水溶液(6g,20mLの水中)を室温で添加し、1.5時間攪拌した。反応混合物を氷冷水に注入し、希HClで酸性化した。この溶液を、DCM(3×50mL)で抽出し、合わせた層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶液を濾過し、溶媒をエバポレートし、該酸の混合物(4.3g)を油状物として得た;LCMS(ESI,陰イオンモード):m/z 301,327(M−H)
【0063】
1−(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオンと1−(4−ドコサヘキサエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオンの混合物: クルクミン(300mg)、シス−エイコサペンタエン酸とシス−ドコサヘキサエン酸の混合物(250mg)および触媒量の4−(ジメチルアミノ)ピリジンのDCM(10mL)溶液に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(250mg)のDCM(5mL)溶液を一緒に氷冷温度で5分間添加した。混合物を室温で16時間攪拌し、水で希釈した。DCM層を分離し、水層をDCM(3×100mL)で抽出した。合わせたDCM層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶液を濾過し、残渣をシリカゲルカラムにてクロマトグラフィー処理し(ヘキサン−酢酸エチル混合物(90:10)を溶離剤として使用)、生成物を油状物として得た(250mg)。LCMS(ESI,陰イオンモード):m/z 651および677(M−H)
【0064】
方法B:
3−メトキシ−4−エイコサペンタエノイルオキシベンズアルデヒドと3−メトキシ−4−ドコサヘキサエノイルオキシベンズアルデヒドの混合物: バニリン(330mg)、シス−エイコサペンタエン酸とシス−ドコサヘキサエン酸の混合物(850mg)および触媒量の4−(ジメチルアミノ)ピリジンのジクロロメタン(15mL)溶液に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(720mg)のDCM(5mL)溶液を一緒に氷冷温度で5分間添加した。混合物を室温で16時間攪拌し、水で希釈した。DCM層を分離し、水層をDCM(3×100mL)で抽出した。合わせたDCM層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶液を濾過し、残渣をシリカゲルカラムにてクロマトグラフィー処理し(ヘキサン−酢酸エチル(95:5)混合物を溶離剤として使用)、生成物を油状物として得た(800mg)。
【0065】
1−(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオンと1−(4−ドコサヘキサエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオンの混合物: 酸化ホウ素(183mg)のDMF(1mL)溶液に、アセチルアセトン(0.236mL)を、続いてホウ酸トリブチル(1.25mL)を室温で添加し、65℃で15分間攪拌した。上記のホウ酸錯体に、3−メトキシ−4−エイコサペンタエノイルオキシベンズアルデヒド、3−メトキシ−4−ドコサヘキサエノイルオキシベンズアルデヒド(1g)とバニリン(350mg)の混合物を添加し、同じ温度で5分間攪拌した。n−ブチルアミン(0.045mL)および酢酸(0.13mL)とDMF(1mL)の混合物を反応混合物に添加し、90〜95℃で4時間攪拌した。15℃まで冷却後、酢酸(20%,20mL)を攪拌下で添加し、再度、反応混合物を70℃でさらに1時間攪拌した。次いで、これを室温まで冷却し、クロロホルム(3×100mL)で抽出し、合わせたクロロホルム層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶液を濾過し、残渣をシリカゲルカラムにてクロマトグラフィー処理し(ヘキサン−酢酸エチル混合物(85:15)を溶離剤として使用)、1−(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオンと1−(4−ドコサヘキサエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオンの混合物を得た(400mg)。LCMS(ESI,陰イオンモード):m/z 651および677(M−H)
【実施例4】
【0066】
1,7−ビス(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオンの合成
【化24】

方法A:
1,7−ビス(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン: クルクミン(200mg,0.54mmol)、シス−エイコサペンタエン酸(380mg,1.3mmol)および触媒量の4−(ジメチルアミノ)ピリジンのDCM(15mL)溶液に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(358mg,1.73mmol)のDCM(5mL)溶液を、氷冷温度で5分間添加した。混合物を室温で16時間攪拌し、水で希釈した。DCM層を分離し、水層をDCM(3×100mL)で抽出した。合わせたDCM層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶液を濾過し、残渣をシリカゲルカラムにてクロマトグラフィー処理し(ヘキサン−酢酸エチル混合物(90:10)を溶離剤として使用)、生成物を油状物として得た(250mg,49%)。IR(非希釈)vmax3011,2969,2930,1763,1630,1597,1299,1256,1200,1123,1033,971cm−1H NMR(CDCl)δ7.62(2H,d,J=15.6Hz,H−1,7),7.16(2H,dd,J=8.0,1.6Hz,H−6’,6”),7.12(2H,d,J=1.6Hz,H−2’,2”),7.05(2H,d,J=8.4Hz,H−5’,5”),5.86(1H,s,H−4),5.30−5.49(20H,m,2×H−5’’’,6’’’,8’’’,9’’’,11’’’,12’’’,14’’’,15’’’,17’’’,18’’’),3.87(6H,s,2xAr−OCH),2.79−2.88(16H,m,2×H−7’’’,10’’’,13’’’,16’’’),2.52−2.67(4H,m,2×H−2’’’),2.20−2.25(4H,m,2×H−19’’’),2.04−2.11(4H,m,2×H−4’’’),1.82−189(4H,m,2×H−3’’’),0.97(6H,t,J=7.6Hz,2×H−20’’’)。
【0067】
方法B:
1,7−ビス(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン: 酸化ホウ素(46mg,0.66mmol)のDMF(0.5mL)溶液に、アセチルアセトン(0.06mL,0.57mmol)を、続いてホウ酸トリブチル(0.32mL,1.15mmol)を室温で添加し、65℃で15分間攪拌した。上記のホウ酸錯体に、3−メトキシ−4−エイコサペンタエノイルオキシベンズアルデヒド(500mg,1.15mmol)を添加し、同じ温度で5分間攪拌した。n−ブチルアミン(0.01mL)および酢酸(0.01mL)とDMF(0.5mL)の混合物を反応混合物に添加し、80〜90℃で4時間攪拌した。15℃まで冷却後、酢酸(20%,10mL)を攪拌下で添加し、再度、反応混合物を70℃でさらに1時間攪拌した。次いで、これを室温まで冷却し、クロロホルム(3×100mL)で抽出し、合わせたクロロホルム層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶液を濾過し、残渣をシリカゲルカラムにてクロマトグラフィー処理し(ヘキサン−酢酸エチル(90:10)を溶離剤として使用)、生成物を油状物として得た(130mg,24%)。IR(非希釈)vmax3011,2969,2930,1763,1630,1597,1299,1256,1200,1123,1033,971cm−1
【実施例5】
【0068】
1,7−ビス(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン(A)、1,7−ビス(4−ドコサヘキサエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン(B)および1−(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ドコサヘキサエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン(C)の混合物の合成
【化25】

【0069】
1,7−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン(300mg)、シス−エイコサペンタエン酸とシス−ドコサヘキサエン酸の混合物(495mg)および触媒量の4−(ジメチルアミノ)ピリジンの二塩化メチレン(5mL)溶液に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(503mg)を含む二塩化メチレン(3mL)を一緒に氷冷温度で5分間添加した。混合物を0〜5℃で2時間攪拌した。混合物を濾過し、固形物を二塩化メチレンで洗浄した。濾液を水とブラインで洗浄し、この溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒をエバポレートし、残渣をシリカゲルカラムにてクロマトグラフィー処理した(ヘキサン−酢酸エチル混合物を使用)。10%酢酸エチル/ヘキサンで溶出した画分から、1,7−ビス(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン、1,7−ビス(4−ドコサヘキサエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオンおよび1−(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−7−(4−ドコサヘキサエノイルオキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオンがそれぞれ55.3:11.0:33.7の比率の混合物(550mg)を、油状物として得た。この生成物を、該混合物と認証された化合物との比較によって確認した(HPLC方法を使用)。
【実施例6】
【0070】
1−(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−ヒドロキシフェニル)−7−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオンの合成
【化26】

【0071】
1,7−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン(1.0g,2.94mmol)、シス−エイコサペンタエン酸(890mg,2.94mmol)および触媒量の4−(ジメチルアミノ)ピリジンのテトラヒドロフラン(15mL)溶液に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(910mg,4.42mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を氷冷温度で5分間添加した。混合物を室温で16時間攪拌し、水で希釈した。この溶液をジクロロメタン(3×200mL)で抽出し、合わせた抽出物を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶液を濾過し、残渣をシリカゲルカラムにてクロマトグラフィー処理し(ヘキサン−アセトン混合物(80:20)を溶離剤として使用)、ビス−O−デメチルクルクミンのEPAエステルを油状物として得た(440mg,23%)。IR(非希釈)vmax3399,3013,2963,2926,1736,1631,1598,1298,1284,1139,1124,965cm−1H NMR(DMSO−d)δ7.57(1H,d,J=15.6Hz,H−1),7.53(1H,d,J=15.6Hz,H−7),7.45−7.50(2H,m,H−2”,6”),7.15(1H,d,J=2.0Hz,H−2’),7.08(1H,dd,J=8.0,2.0Hz,H−6’),7.01(1H,d,J=8.0Hz,H−5”),6.84(1H,d,J=8.4Hz,H−5’),6.76(1H,d,J=15.6Hz,H−2),6.64(1H,d,J=15.6Hz,H−6),6.10(1H,s,H−4),5.37−5.41(10H,m,H−5’’’,6’’’,8’’’,9’’’,11’’’,12’’’,14’’’,15’’’,17’’’,18’’’,2.80−2.88(8H,m,H−7’’’,10’’’,13’’’,16’’’),2.60−2.65(2H,m,H−2’’’),2.21−2.26(2H,m,H−19’’’),2.04−2.11(2H,m,H−4’’’),1.75−181(2H,m,H−3’’’),0.96(3H,t,J=7.6Hz,H−20’’’);
LCMS(ESI,陰イオンモード):m/z 623(M−H)
【実施例7】
【0072】
1,7−ビス(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオンの合成
【化27】

【0073】
1,7−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン(1.5g,4.41mmol)、シス−エイコサペンタエン酸(2.7g,8.9mmol)および触媒量の4−(ジメチルアミノ)ピリジンのテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.72g,13.23mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を氷冷温度で5分間添加した。混合物を室温で16時間攪拌し、水で希釈した。この溶液をジクロロメタン(3×200mL)で抽出し、合わせた抽出物を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶液を濾過し、残渣をシリカゲルカラムにてクロマトグラフィー処理し(ヘキサン−アセトン(85:15)を溶離剤として使用)、ビス−O−デメチルクルクミンのジ−EPAエステルを油状物として得た(1.6g,40%)。IR(非希釈)Vmax3400,3012,2959,2925,1746,1640,1610,1241,1141,1107,1021,971cm−1;LCMS(ESI,陰イオンモード):m/z 907(M−H)
【実施例8】
【0074】
1,7−ビス(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン、1,7−ビス(4−ドコサヘキサエノイルオキシ−3−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオンおよび1−(4−エイコサペンタエノイルオキシ−3−ヒドロキシフェニル)−7−(4−ドコサヘキサエノイルオキシ−3−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオンの混合物の合成
【化28】

【0075】
1,7−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン(1.0g)、シス−エイコサペンタエン酸とシス−ドコサヘキサエン酸の混合物(2.6g)および触媒量の4−(ジメチルアミノ)ピリジンのテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.7g)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を一緒に氷冷温度で5分間添加した。混合物を室温で16時間攪拌し、水で希釈した。この溶液をジクロロメタン(3×200mL)で抽出し、合わせた抽出物を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。この溶液を濾過し、残渣をシリカゲルカラムにてクロマトグラフィー処理し(ヘキサン−アセトン(80:10)を溶離剤として使用)、生成物を油状物として得た(1.5g)。HPLCにより、これは、主に3種類の化合物の混合物であることが示され、該生成物をその質量データによって確認した。LCMS(ESI,陰イオンモード):m/z 907,933,959(M−H)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化1】

(式中、R、R、RおよびRのうち少なくとも1つは−C(=O)Rであり、R、RおよびRはHまたはCHであり、Rはアルキルまたはアルケニル基であり、該アルケニル基は、シス形もしくはトランス形のいずれかまたは両方の1つ以上の数の二重結合を有し、ここで、Rのnは炭素が12〜30個であることである)
の化合物およびその薬学的に許容され得る塩。
【請求項2】
アルケニル基が、
【化2】

を含む群から選択される、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項3】
ケト、エノールまたは両方の形態である、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項4】
a)式IIIaまたはIIIbの化合物のカルボン酸官能基を活性化すること
b)工程(a)で得られた化合物を、式
【化3】

の化合物と、有機溶媒中、4−(ジメチルアミノ)ピリジンおよびジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下で反応させ、式Iの化合物を形成すること(式中、式IIのR、R、R、Rは同じであるか、または異なっており、HまたはMeからなる群より選択される)
を含む、請求項1に記載の式Iの化合物の調製方法。
【請求項5】
c)式IV
【化4】

(式中、RとRの少なくとも一方はHであり得、他方はHまたはCHであり得る)
の化合物を、式IIIaまたはIIIbの化合物と、有機溶媒中、4−(ジメチルアミノ)ピリジンおよびジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下で反応させ、式V
【化5】

(式中、RとRの少なくとも一方HまたはCHであり得、他方は、式IIIaまたはIIIbから選択され得る)
を形成すること
d)工程(a)で得られた式Vの化合物をアセチルアセトンと、有機溶媒中、酸化ホウ素、ホウ酸トリアルキル、第1級有機アミンまたは第2級有機アミンの存在下で反応させ、式Iの化合物を形成すること
を含む、式Iの化合物の調製方法。
【請求項6】
有機溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチルおよびジクロロメタンからなる群より選択される、請求項4および5に記載の方法。
【請求項7】
ホウ酸トリアルキルがC〜C10ホウ酸トリアルキルから選択され、好ましくはホウ酸トリブチルであり、第1級有機アミンが好ましくはn−ブチルアミンであり、該第2級アミンが好ましくは1,2,3,4−テトラヒドロキノリンから選択される、請求項4および5に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物および薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物。

【公表番号】特表2011−527340(P2011−527340A)
【公表日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517314(P2011−517314)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【国際出願番号】PCT/IN2009/000382
【国際公開番号】WO2010/004579
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(510282192)ライラ ファーマシューティカルズ ピーブイティ.エルティディ. (4)
【Fターム(参考)】