経皮的ポレータおよびパッチシステムならびにその使用法
被験体の組織膜の中への少なくとも1つの透過組成物の送達のための経皮的透過物送達システムは、使い捨て基材であって、第1の解放ライナーの底面の少なくとも一部分が基材の上面に接続される、使い捨て基材と、パッチであって、第1の解放ライナーの頂面から選択的取り外し可能な裏地層および貯蔵部を有する、パッチとを含む。接続された位置において、パッチの裏地層の第1の部分は、基材の穿孔域から離れた位置で、第1の解放ライナーの頂面に解放可能に取り付けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、米国仮特許出願第60/886,039号(2007年1月22日出願)に対する優先権を主張し、かつ、米国特許出願第10/384,763号(2003年3月11日出願)の一部継続出願であり、該米国特許出願はまた、米国仮特許出願第60/363,022号(2002年3月11日出願)に対する優先権を主張する。これらの出願は、全体として本明細書において参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、被験体の皮膚を経由する薬剤または他の透過物の経皮的送達のためのシステムおよび方法に関する。より具体的には、本発明は、被験体の生体膜の小径穴または穿孔または微小孔の生成、および引き続いての、形成された微小孔を介した薬剤または他の透過物の経皮的送達のための、システムならびに方法に関する。
【背景技術】
【0003】
角質層は、主に皮膚の障壁特性に関与する。したがって、薬剤または他の分子の体内への、および検体の体外への経皮的流動に対する最大の障壁を提示するのは、この層である。皮膚の外側の硬い層である角質層は、脂質領域によって分離される小型角化細胞残余物の複雑構造である。口腔または胃粘膜と比較して、角質層は、体外または体内のいずれの分子に対しても、透過性がはるかに低い。角質層は、ケラチン生成細胞から形成され、ケラチン生成細胞は、核を失って角質細胞になる表皮細胞の大部分を備える。これらの死細胞は、角質層を備え、それはわずか約10〜30ミクロンの厚さを有し、外因性物質による侵入、および内因性流体および溶質分子の体外流出から身体を保護する。角質層は、落屑中の角質層細胞の脱落、および角質化過程による新しい角質層細胞の形成によって、継続的に更新される。歴史的には、薬剤の大部分は、経口で、または注射によって送達されてきた。しかしながら、経口経路または注射経路のいずれもが、長期間にわたる薬剤の継続的送達には十分に適していない。さらに投与の注射方法は、不便かつ不快であり、加えて針は、使用後に危険をもたらし続ける。したがって、身体への経皮的薬剤送達が、生体に限定数の透過物を送達するための好評かつ有効な方法となっている。
【0004】
経皮的薬剤送達を増進するために、薬剤に対する皮膚の透過性を増加させるための公知の方法がある。例えば、特許文献1は、生体膜に1つ以上の微小孔を形成する熱マイクロポレーション技術およびデバイス、ならびに身体からの検体の体外への流動および薬剤の体内への送達を選択的に増進するための方法を対象としている。2000年1月27に公開された特許文献2は、誘起されると制御された様式で爆発し、その結果として、微小な爆発が生体膜に所望の深度および直径の人工開口部を生成する火工品要素を使用して、生体膜の選択域に人工開口部を生成するための方法および装置を対象としている。1998年7月9日に公開された特許文献3は、マイクロポレーション、および音響的エネルギー、電磁的エネルギー、機械的エネルギー、熱エネルギー、または化学的増進剤のような増進剤を使用して、動物の皮膚のような生体膜の透過性を増進する方法を開示している。マイクロポレーションを使用する送達または監視のための方法および装置はまた、1999年9月10日に公開された特許文献4、特許文献5、1999年9月10日に公開された特許文献6、1999年9月10日に公開された特許文献7、1999年9月10日に公開された特許文献8、2000年2月3日に公開された特許文献9、2000年2月3日に公開された特許文献10、および2000年3月23日に公開された特許文献11にも記載されている。出願人は、上記のような、本明細書で参照される全ての出版物、特許、および特許出願が、全体として本明細書において参考として援用されることを指摘する。
【0005】
例えば、薬剤、生物活性組成物、および同等物のような透過物の経皮的送達のための、改良された方法およびデバイスに対するニーズが依然として存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,885,211号明細書
【特許文献2】国際公開第00/03758号パンフレット
【特許文献3】国際公開第98/29134号パンフレット
【特許文献4】国際公開第99/44637号パンフレット
【特許文献5】米国特許第6,022,316号明細書
【特許文献6】国際公開第99/44508号パンフレット
【特許文献7】国際公開第99/44507号パンフレット
【特許文献8】国際公開第99/44638号パンフレット
【特許文献9】国際公開第00/04832号パンフレット
【特許文献10】国際公開第00/04821号パンフレット
【特許文献11】国際公開第00/15102号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に従って、被験体の組織膜の中への少なくとも1つの透過物の、経皮的透過物送達のためのシステムおよび方法が提供される。一局面では、経皮的透過物送達システムは、使い捨て基材と、第1の解放ライナーと、第1の解放ライナーの頂面から選択的に取り外し可能なパッチとを備える。基材は、被験体の組織膜に微小孔を生成するために構成される、穿孔域を画定する。別の局面では、第1の解放ライナーの底面の少なくとも一部分が、基材の上部基材表面に接続される。さらなる例示的局面では、パッチは、裏地層と、裏地層の下面の一部分の上に取り付けられる貯蔵部(reservoir)とを備え、貯蔵部は、少なくとも1つの透過物を解放可能に含有するように構成される。パッチが第1の解放ライナーに取り付けられる、接続された位置において、裏地層の第1の部分が、基材の穿孔域から離れた位置で、第1の解放ライナーの頂面に解放可能に取り付けられる。別の局面では、裏地層の第2の部分が、パッチが接続された位置にあるときに、折り畳み位置に折り目に関して折り畳まれ、その結果として、裏地層の第2の部分の下面が、基材の上部基材表面から離れて外側を向く。
【0008】
図面および好適な実施形態の詳細な説明を参照して、他の装置、方法、および局面、ならびに本発明の利点が議論される。
【0009】
本明細書に組み込まれ、かつその一部を構成する添付図面は、以下に記載されるいくつかの局面を図示し、解説とともに、本発明の原理を説明するために役立つ。同じ番号は、図面全体を通して同じ要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、経皮的透過物送達システムの斜視図であり、使い捨て基材の一実施形態の上に取り付けられた、本発明の経皮的パッチの第1の実施形態を示す。
【図2】図2は、本発明のアプリケータの例示的実施形態の斜視図である。
【図3】図3は、図2のアプリケータに解放可能に接続された、図1の送達システムの斜視図である。
【図4】図4は、図1の経皮的パッチの第1の実施形態の分解図である。
【図5】図5は、本発明の経皮的パッチの第2の実施形態の分解図である。
【図6】図6は、本発明の経皮的パッチの第3の実施形態の分解図である。
【図7】図7は、経皮的送達システムの基材の実施形態の分解図であり、上部基材表面から外側に延在する隆起部を示す。
【図8】図8は、図7の基材の上面図である。
【図9】図9は、図8の基材の底面図である。
【図10】図10は、フィラメント配列の一実施形態の上面図である。
【図11】図11は、図10の線11に従って得られた、フィラメント配列の拡大断面図である。
【図12】図12は、図10のフィラメント配列の斜視図である。
【図13】図13は、図12の線13に従って得られたフィラメントの断面図である。
【図14A】図14A〜図14Cは、例示的な平衡フィラメント配列の概略図である。
【図14B】図14A〜図14Cは、例示的な平衡フィラメント配列の概略図である。
【図14C】図14A〜図14Cは、例示的な平衡フィラメント配列の概略図である。
【図15】図15は、組織膜に微小孔を形成するための例示的手段の、概略部分断面図である。
【図16】図16は、図15の組織膜に微小孔を形成するための手段の、電極アセンブリの概略図である。
【図17】図17は、被験体の皮膚の穿孔に先立って被験体の皮膚に接続された状態で示された、図1の経皮的透過物送達システムの概略斜視図である。
【図18】図18は、被験体の皮膚の穿孔後に経皮的透過物送達システムの一部分から経皮的パッチが分離された状態を示す、経皮的透過物送達システムの概略斜視図である。
【図19】図19は、被験体の皮膚の穿孔域の位置に配置された、経皮的パッチの概略斜視図である。
【図20】図20は、本発明の経皮的パッチの第4の実施形態の分解図である。
【図21】図21は、本発明の経皮的パッチの第5の実施形態の分解図である。
【図22】図22は、被験体の皮膚の穿孔後に経皮的透過物送達システムの一部分から経皮的パッチが分離された状態を示す、図21の経皮的透過物送達システムの概略斜視図である。
【図23】図23は、パッチの貯蔵部が形成された微小孔の位置に折り畳まれた後の経皮的パッチを示す、経皮的透過物送達システムの概略斜視図である。
【図24】図24は、経皮的透過物送達システムの取り外し可能な部分が、経皮的パッチから分離される状態を示す、経皮的透過物送達システムの概略斜視図である。
【図25】図25は、アプリケータ回路の例示的概略図を示す。
【図26】図26は、アプリケータのための例示的電力回路の例示的概略図を示す。
【図27】図27は、バイアス電力のブロック図の例示的概略図を示す。
【図28】図28は、マイクロプロセッサのブロック図の例示的概略図を示す。
【図29】図29は、真空回路のブロック図の例示的概略図を示す。
【図30】図30は、アプリケータの例示的なトップレベル挙動の流れ図を概略的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、以下の詳細な説明、実施例、図面、および請求項、ならびにそれらの以前および以下の説明を参照することによって、容易に理解され得る。しかしながら、本デバイス、システム、および/または方法を開示および説明する前に、本発明は、特に指定されない限り、特定のデバイス、システム、および/または方法に限定されないことが理解されるべきである。また、本明細書で使用される用語は、特定の局面を説明する目的のみのためであり、限定的であることを意図しないことが理解されるべきである。
【0012】
以下の本発明の説明は、その最善で現在知られている実施形態の形で、本発明の有効な教示として提供される。この目的のために、当業者であれば、本発明の有益な結果を依然として得ながら、本明細書に記載される本発明の種々の局面に対して多くの変更がなされ得ることを認識および理解する。また、他の特徴を利用することなく、本発明の一部の特徴を選択することによって、本発明の一部の所望の効果が得られることは明白である。故に、当業者であれば、本発明に対する多くの修正および適合が可能であり、それが、ある状況においては望ましくさえあり得て、かつ本発明の一部であることを認識する。したがって、以下の説明は、本発明の原理を例示するものとして提供され、それを限定するものとしてではない。
【0013】
全体を通して使用される、「1つの(a,an)」および「その(the)」の単数形は、文脈が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「1つのフィラメント(a filament)」の言及は、文脈が特に指示しない限り、2つ以上のそのようなフィラメントを含み得る。
【0014】
本明細書では、「約」1つの特定値から、および/または「約」別の特定値までとして、範囲が表現され得る。そのような範囲が表現されるときには、別の局面は、1つの特定値から、および/または他の特定値までを含む。同様に、「約」という先行詞の使用によって、値が近似値として表現されるときには、特定値が別の局面を形成することが理解される。さらに、範囲のそれぞれの終点が、他の終点と関連して、および他の終点とは無関係の両方で、重要であることが理解される。
【0015】
本明細書で使用される、「随意的な」または「随意で」の用語は、引き続いて記載されるイベントまたは状況が、発生し得るか、または発生し得ないことを意味し、その記述は、該イベントまたは状況が発生する事例、および発生しない事例を含む。
【0016】
本明細書で使用される「組織膜」は、被験体の任意の1つ以上の表皮層であり得る。例えば、一局面では、組織膜は、皮膚の最外層、すなわち、角質層を含む皮膚層である。代替的局面では、皮膚層は、一般的に顆粒層、マルピーギ層、および基底層として識別される、表皮の1つ以上の裏地層を含み得る。表皮の裏地層を経由する透過物の輸送または吸収に対して、本質的に抵抗がほとんどないか、または全くないことが、当業者によって理解される。したがって、本発明の一局面では、被験体の皮膚層の中の少なくとも1つの形成された経路は、被験体の角質層の中の経路である。さらに、本明細書で使用される「角質層」は、種々の乾燥段階における細胞の約15から約20までの層から成る、皮膚の最外層を指す。角質層は、体内から外部環境への水分の損失に対する、かつ外部環境から身体の内部への攻撃からの障壁を提供する。なおもさらに、本明細書で使用される「組織膜」は、細胞間物質とともに、構造材料を形成する特定の種類の細胞の凝集体を参照し得る。組織膜の少なくとも1つの表面は、デバイスに対してアクセス可能でなければならない。前述のように、好ましい組織膜は皮膚である。本発明の使用に好適な他の組織は、粘膜組織および軟器官を含む。
【0017】
本明細書で使用される、「皮下流体」の用語は、これに限定するものではないが、水分、血漿、血液、1つ以上のタンパク質、間質液、およびそれらの任意の組み合わせを含み得る。一局面では、本発明の皮下流体は、水を備える水分である。
本明細書で使用されるような、「穿孔(poration)」、「マイクロポレーション(microporation)」、または任意のそのような類似用語は、選択された目的のために、生体膜の一方の側面から他方の側面への少なくとも1つの透過物の通過のために生体膜の障壁特性を減少させるための、組織、皮膚あるいは粘膜のような生体膜、または生体の外層の中の、またはそれを通る、小径穴または割れ目(以降、「微小孔」とも呼ばれる)の形成を意味する。好ましくは、そのように形成される穴または「微小孔」は、直径で約1〜1000ミクロンであり、下層組織に悪影響を及ぼすことなく、角質層の障壁特性を破壊するのに十分に生体膜の中へ延在する。「微小孔」の用語は、単純化のために単数形で使用されるが、本発明のデバイスは、複数の人工開口部を形成し得ることが理解されるべきである。穿孔は、選択された目的のために、または、ある医療または外科的目的のために、体内への生体膜の障壁特性を低減し得る。この用途の目的のために、「穿孔」および「マイクロポレーション」は、互換可能に使用され、同じものを意味する。
【0018】
「マイクロポレータ(microporator)」または「ポレータ(porator)」は、マイクロポレーションが可能なマイクロポレーションデバイスの構成要素である。マイクロポレータまたはポレータの実施例は、これに限定されるものではないが、生体膜との直接接触を介して熱エネルギーを伝導的に送達し、微小孔を形成するのに十分に深く膜の一部のアブレーションを引き起こすことが可能なフィラメント、光学的に加熱される局所染料/吸収剤層、電気機械的アクチュエータ、マイクロランセット、微小針またはランセットの配列、音響エネルギーアブレータ、レーザアブレーションシステム、高圧流体ジェット穿刺器、および同等物を含む。本明細書で使用される「マイクロポレータ」および「ポレータ」は、互換可能に使用される。
【0019】
本明細書で使用される、「貫通増進」または「透過増進」は、薬剤、生物活性組成物、または他の化学分子、化合物、粒子、または物質(「透過物」とも呼ばれる)に対する生体膜の透過性の増加を意味し、すなわち、薬剤、生物活性組成物、または他の化学分子、化合物、または粒子が生体膜を透過する速度を増加させることを意味する。
【0020】
本明細書で使用される、「増進剤」、「化学的増進剤」、「貫通増進剤」、「透過増進剤」、および同等物は、生体膜を通過する透過物、検体、または他の分子の流動を増加させる、全ての増進剤を含み、機能性のみによって限定される。言い換えると、全ての細胞外皮障害化合物および溶媒、ならびに任意の他の化学増進剤が含まれることが意図される。加えて、音響エネルギー、機械的吸引、圧力、または組織の局所的変形、イオン導入、またはエレクトロポレーションの適用などの、全ての活性力増進技術が含まれる。1つ以上の増進技術が、順次にまたは同時に組み合わされ得る。例えば、最初に、毛細血管壁を透過性にするために化学的増進剤が塗布され得、次いで、毛細血管壁を包囲し、それを備える組織の中に透過物を活発に駆動するために、イオン導入または音響エネルギー場が印加され得る。
【0021】
本明細書で使用される「経皮的」は、生体膜の中へ、かつそれを通過する透過物の通過を意味する。
【0022】
本明細書で使用される、「透過物」、「薬剤」、「透過組成物」、または「薬理活性剤」の用語、または任意の他の類似用語は、所望の生物学的または薬理効果を誘発する、当技術分野において以前から公知の方法による、および/または本発明で教示される方法による経皮投与に好適な、任意の化学または生物材料あるいは化合物を参照するために互換可能に使用され、所望の生物学的または薬理効果は、(1)生体に対する予防効果を有し、感染などの望ましくない生物学的効果を予防すること、(2)疾患によって引き起こされる症状を軽減すること、例えば、疼痛または炎症を軽減すること、および/または(3)生体から疾患の軽減、低減、または完全な排除のいずれかを行うことを含み得るが、これに限定されない。効果は、局所麻酔効果を提供するように、局所的であり得、または、全身性であり得る。そのような物質は、皮膚を含む体表面および膜の通過を含んで、体内に通常送達される広い分類の化合物を含む。一般に、例えば、しかし限定的な意味ではなく、そのような物質は、所望の生物学的または薬理効果を誘発する、任意の薬剤、化学材料、または生物材料を含み得る。この目的のために、一局面では、透過物は小分子物質であり得る。別の局面では、透過物は高分子物質であり得る。一般に、限定ではなく、例示的透過物は、抗生物質および抗ウイルス薬のような抗感染薬、鎮痛剤および鎮痛剤の組み合わせ、食欲抑制薬、抗寄生虫薬、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗凝血剤、抗痙攣剤、抗うつ剤、抗糖尿病薬、抗下痢薬、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、抗片頭痛製剤、制嘔吐剤、抗腫瘍薬、抗パーキンソン薬、かゆみ止め薬、抗精神病薬、解熱剤、鎮痙剤、抗コリン剤、交感神経様作用薬、キサンチン誘導体、カリウムおよびカルシウムチャネル遮断薬、ベータ遮断薬、アルファ遮断薬、および抗不整脈剤を含む心血管製剤、降圧剤、利尿薬および抗利尿薬、一般的冠状動脈、末梢血管、および脳血管を含む血管拡張剤、中枢神経系刺激薬、血管収縮剤、充血除去剤を含む咳および感冒薬、エストラジオールおよびコルチコステロイドを含む他のステロイドなどのホルモン、睡眠薬、免疫抑制薬、筋弛緩剤、副交感神経遮断薬、神経刺激薬、鎮静剤、および精神安定剤を含むが、これらに限定されない。
【0023】
本発明のデバイスおよび方法はまた、それらのサイズのために、既存の従来技術では皮膚を通過して運搬することが困難であることが知られている、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、または他の高分子を、経皮的に送達するために使用され得る。これらの高分子物質は、典型的には、少なくとも約300ダルトンの、より典型的には、約300〜40,000ダルトンの範囲の分子量を有する。本発明にしたがって送達され得る、ポリペプチドおよびタンパク質の実施例は、これに限定されるものではないが、抗体、LHRH、LHRH類似体(ゴセレリン、ロイプロリド、ブセレリン、トリプトレリン、ゴナドレリン、ナファレリン、およびロイプロリドなど)、GHRH、GHRF、インスリン、インスリノトロピン、カルシトニン、オクトレオチド、エンドルフィン、TRH、NT−36(化学名:N−[[(s)−4−オキソ−2−ゼチジニル]−カルボニル]−L−ヒスチジル−L−プロリンアミド)、リプレシン、下垂体ホルモン(例えば、HGH、HMG、HCG、酢酸デスモプレシン、など)、卵胞ルテオイド、アルファANF、解放因子などの成長因子(GFRF)、ベータMSH、GH、ソマトスタチン、ブラジキニン、ソマトトロピン、血小板由来成長因子、アスパラギナーゼ、硫酸ブレオマイシン、キモパパイン、コレシストキニン、絨毛性ゴナドトロピン、コルチコトロピン(ACTH)、エリスロポエチン、エポプロステノール(血小板凝集阻害剤)、グルカゴン、ヒルジンおよびヒルログなどのヒルジン類似体、ヒアルロニダーゼ、インターロイキン−2、メノトロピン(ウロフォリトロピン(FHS)およびLH)、オキシトシン、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノゲン活性化剤、ウロキナーゼ、バソプレシン、デスモプレシン、ACTH類似体、ANP、ANP間隙阻害剤、アンギオテンシンII拮抗薬、抗利尿ホルモン作動薬、抗利尿ホルモン拮抗薬、ブラジキニン拮抗薬、CD4、セレダーセ、CSI、エンケファリン、FAB断片、IgEペプチド抑制剤、IGF−1、神経栄養因子、コロニー刺激因子、副甲状腺ホルモンおよび作動薬、副甲状腺ホルモン拮抗薬、プロスタグランジン拮抗薬、サイトカイン、リンフォカイン、ペンチゲチド、タンパク質C、タンパク質S、レニン阻害剤、サイモシンアルファ−1、血栓溶解剤、TNF、GCSF、EPO、PTH、3000〜12,000ダルトンの分子量を有するヘパリン、ワクチン、バソプレシン拮抗薬類似体、インターフェロン−アルファ、ベータ、およびガンマ、アルファ−1アンチトリプシン(組換型)、およびTGF−ベータ遺伝子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、核酸、および多糖類を含む。
【0024】
さらに、本明細書で使用される「ペプチド」は、任意の長さのペプチドを意味し、タンパク質を含む。「ポリペプチド」および「オリゴペプチド」の用語は、特定のサイズが特に記述されない限り、特定の意図されたサイズ制限なしで、本明細書で使用される。利用され得る例示的なペプチドは、これに限定するものではないが、オキシトシン、バソプレシン、副腎皮質刺激ホルモン、上皮成長因子、プロラクチン、ルリベリンまたは黄体形成ホルモン解放ホルモン、成長ホルモン、成長ホルモン解放因子、インスリン、ソマトスタチン、グルカゴン、インターフェロン、ガストリン、テトラガストリン、ペンタガストリン、ウロガストリン、セクレチン、カルシトニン、エンケファリン、エンドルフィン、アンギオテンシン、レニン、ブラジキニン、バシトラシン、ポリミキシン、コリスチン、チロシジン、グラミシジン、および合成類似体、それらの修飾体および薬理活性断片、モノクローナル抗体および可溶性ワクチンを含む。利用され得るペプチドまたはタンパク質薬剤に対する唯一の制限は、機能性の制限であることが意図される。
【0025】
1つ以上のアミノ基を含有するペプチドまたはタンパク質薬剤の実施例は、これに限定するものではないが、抗癌剤、抗生物質、制嘔吐剤、抗ウイルス薬、抗炎症および鎮痛剤、麻酔薬、抗潰瘍薬、高血圧を治療するための薬剤、高カルシウム血症を治療するための薬剤、高脂血症を治療するための薬剤、などを含み、そのそれぞれは、分子中に少なくとも1つの第1級、第2級、または第3級アミン基を有し、好ましくは、インスリン、カルシトニン、成長ホルモン、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、エリスロポエチン(EPO)、骨形態形成タンパク質(BMP)、インターフェロン、インターロイキン、血小板由来成長因子(PDGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、神経成長因子(NGF)、ウロキナーゼ、などのようなペプチド、タンパク質、または酵素が挙げられ得る。タンパク質薬剤のさらなる実施例は、これに限定するものではないが、インスリン、アルファ、ベータ、およびガンマ−インターフェロン、ヒト成長ホルモン、アルファおよびベータ−1形質転換成長因子、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(G−MCSF)、副甲状腺ホルモン(PTH)、ヒトまたはサケカルシトニン、グルカゴン、ソマトスタチン、血管活性腸管ペプチド(VIP)、およびLHRH類似体を含む。
【0026】
本明細書で使用される、薬理活性剤の「有効」量は、任意の医療的治療に伴うリーズナブルな有益性/危険性の比率のもとで、所望の局所的または全身性効果および性能を提供するのに十分な量を意味する。本明細書で使用される、透過または化学増進剤の「有効」量は、生体膜透過性の所望の増加、所望の貫通深度、投与速度、および送達される薬剤の量を提供するために選択される量を意味する。
【0027】
本発明の実施形態が、本発明の一実施形態による方法、装置(すなわち、システム)、およびコンピュータプログラム製品のブロック図および流れ図を参照して、以下に記述される。ブロック図および流れ図の各ブロック、ならびにブロック図および流れ図のブロックの組み合わせは、それぞれ、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または機械を製造するための他のプログラム可能なデータ処理装置上に搭載され得、その結果として、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上で実行する命令は、流れ図の1つまたは複数のブロックの特定の機能を実装するための手段を生成する。
【0028】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読メモリに記憶され得、それは、特定の方式で機能するようにコンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に命令し得、その結果として、コンピュータ可読メモリに記憶された命令は、流れ図の1つまたは複数のブロックの特定の機能を実装するためのコンピュータ可読命令を含む製品を生産する。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上に搭載され得、一連の動作ステップをコンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行させて、コンピュータ実装プロセスを生成させ、その結果として、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行する命令は、流れ図の1つまたは複数のブロックの特定の機能を実装するためのステップを提供する。
【0029】
故に、ブロック図および流れ図のブロックは、特定の機能を実施するための手段の組み合わせ、特定の機能を実施するためのステップの組み合わせ、および特定の機能を実施するためのプログラム命令手段を支援する。また、ブロック図および流れ図の各ブロック、ならびにブロック図および流れ図のブロックの組み合わせは、特定の機能またはステップを実施する専用ハードウェアを用いたコンピュータシステムによって、または専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせによって、実装され得ることが理解される。
【0030】
図面を参照すると、経皮的透過物送達システムに対する本発明は、例えば、限定的な意味でなく、ヒト皮膚の角質層のような被験体の生体膜に、直径で約1ミクロン〜約1000ミクロンの微視的な穴、すなわち、微小孔を無痛で生成するためのシステムおよび方法を備える。システムは、角質層の障壁機能を排除するための急速かつ無痛の方法を可能にし、治療的物質が穿孔部位に局所的に塗布されたときに、治療的物質の形成された微小孔を介した体内への経皮的輸送を促進する。
【0031】
一実施形態では、経皮的過物送達システム10は、アプリケータ20と、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段の一部分を備える基材40と、少なくとも1つの透過物を含有するように構成される位置合わせ可能なパッチ100とを備える。一局面では、アプリケータ20は、内部空洞24および少なくとも1つの微小孔を形成するための手段の一部分を画定する、本体22を備える。この例示的局面では、アプリケータ20の少なくとも1つの微小孔を形成するための手段の一部分は、例えば、電気回路などの駆動電子機器と、例えば、バッテリなどの電源とを備える、コントローラ26を備え得る。この局面では、コントローラ26は、本体の内部空洞内に配置される。例示的局面では、コントローラは、ユーザコマンドに応じて少なくとも1つの微小孔の形成を開始するように、基材40の中に配置される少なくとも1つの微小孔を形成するための手段に、刺激を提供するように構成される。代替的局面では、アクチュエータボタン28がシステムのユーザによって作動されると、刺激は、例えば、限定的は意味でなく、パルス電流、RFパルス、および同等物のような駆動電流を備え得る。随意で、コントローラ26は、アクチュエータボタンが押圧されると、熱パルスを提供するように構成される。
【0032】
さらなる局面では、アプリケータ20は、基材40をしっかりと、かつ解放可能に取り付けるように構成される、インターフェース30を備える。アプリケータのインターフェースは、基材がインターフェースに取り付けられるときに、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段のそれぞれの部分と電気的に接続する、陽極31および陰極32を備え得る。一局面では、陽極および陰極は、アプリケータのインターフェース30から外側に延在する。随意で、陽極および陰極は、アプリケータのインターフェースから延在して2つの露出電極を形成する、ピンであり得る。
【0033】
別の局面では、アプリケータ20は、例えば、真空ポンプのような真空源33をさらに備え得る。この局面では、インターフェース30は、真空源と接続する第1のポート34を画定することが意図される。さらに、アプリケータ20のインターフェース30は、インターフェースの第1のポートの周囲に取り付けられるガスケット36を備え得る。随意で、インターフェースは、真空センサ37と接続する第2のポート35を画定し得る。この局面では、それぞれ第1および第2のポートは、ガスケットによって包囲されることが意図される。
【0034】
システムの基材40は、上部基材表面42と、下部基材表面44と、画定された穿孔域46とを備え得る。一局面では、穿孔域は、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段の少なくとも一部分がその上に配置される、上部基材表面42上の領域を画定する。したがって、動作中、本発明のシステムによって形成される微小孔は、基材の穿孔域の下にある組織膜の部分に限定される。
【0035】
一局面では、基材40は、基材の周辺縁部分50から外側に延在する、少なくとも1つの雄型タブ46を有し得る。さらに、基材の周辺縁の一部分は、少なくとも1つのバイアス要素52を備え得る。一例示的局面では、少なくとも1つのバイアス要素52は、概ね基材の平面内で連接するように配置される、少なくとも1つの部分的板バネ部材52’、52”を備える。随意で、少なくとも1つの雄型タブは、概ね一対のバイアス要素の間に位置するように、基材の周辺縁上に配置され得る。さらなる局面では、基材は、概ね少なくとも1つのバイアス要素とは反対に、および随意で、概ね少なくとも1つの雄型タブ46とは反対に配置される、開口部54を画定する。この局面では、アプリケータ20のインターフェース30は、基材の少なくとも1つのバイアス要素および少なくとも1つの雄型タブそれぞれを、動作可能に係合するように構成される、縁部38および少なくとも1つのスロット39を備える。さらなる局面では、インターフェース30は、インターフェースの面から外側に延在する雄型指部41を備える。この局面では、雄型指部は、概ね少なくとも1つのスロット39とは反対に配置され得る。当業者であれば、基材40の少なくとも1つのバイアス要素52、少なくとも1つの雄型タブ46、および開口部54と、インターフェースの縁部38、少なくとも1つのスロット39、および雄型指部41との間の協同関係が、アプリケータのインターフェースに基材を容易に取り付けかつ除去するユーザの能力を助長することを理解する。
【0036】
さらなる局面では、基材40は、下部および上部基材表面の間に延在する導管56を画定する。この局面では、導管の開放端58は、基材の上部基材表面42上に形成される穿孔域46上に画定される。別の局面では、基材40は、上部基材表面42上に少なくとも1つのチャネル60を画定する。少なくとも1つのチャネルは、基材の穿孔域の中に形成されることが意図される。この局面では、少なくとも1つのチャネル60は、導管と流体接続する。基材40がインターフェース30に取り付けられると、下部基材表面44上に画定される導管の開放端59は、インターフェースのポート34と流体的に接続して配置されるように構成される。1つの動作局面において、および当業者であれば理解するように、ガスケット36は、真空源33が作動されたときに、アプリケータ20の第1および第2のポートそれぞれと、基材の導管56との間の流体シールを形成するのに役立つ。
【0037】
随意で、基材40は、一実施形態では、概ね上部基材表面から外側に延在する、上部基材表面42上に画定される隆起部41を備え得る。一局面では、隆起部は、基材の穿孔域の少なくとも一部分の周囲に延在する。さらなる例示的局面では、隆起部は連続的であり、穿孔域を実質的に包囲する。使用中、真空源が作動され導管およびチャネルを介して穿孔域に接続されると、例示的隆起部は、生体膜と基材との間に形成されるシール部材の役割を果たし得る。したがって、隆起部は、生体膜を、穿孔域の中に配置される少なくとも1つの微小孔を形成するための手段と、実質的に整合するように接触させるために必要とされる真空の量を最小化するのに役立ち得る。
【0038】
さらなる局面では、基材40は、随意で、上部基材表面の一部分の上に、基材の周辺縁の一部分から基材の穿孔域に向かって内側に延在する、雌型陥凹部48を画定し得る。この局面では、上部基材表面における雌型陥凹部の縁は、隆起部41を形成し得る。随意で、雌型陥凹部48の隆起部41の少なくとも一部分は、基材の穿孔域46から所定の距離だけ離れて位置し得る。別の局面では、雌型陥凹部は、実質的に平面であり得る。
【0039】
代替的局面では、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段は、例えば、限定的な意味でなく、ワイヤ導体、堆積導電材料、機械加工導電材料、レーザ導電材料、接着フォイル、電気めっき材料、スクリーン印刷材料、およびエッチング加工導電材料、および同等物を備え得る、少なくとも1つのフィラメントを備える。さらなる局面では、少なくとも1つのフィラメントは、複数のフィラメントを有するフィラメント配列を備え得る。本発明のシステムでの使用に好適なフィラメント配列を形成するための種々の方法論が、Eppsteinらに対する米国特許第6,692,456号および第7,141,034号に記載されており、これらの特許の全ては、全体として本明細書において参考として援用される。
【0040】
随意で、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段は、例えば、限定的な意味でなく、Eppsteinらに対する米国特許第5,885,211号、Eppsteinらに対する米国特許第6,527,716号、および係属中の米国特許出願公開第11/081,448号(これらの全てが、全体として本明細書において参考として援用される)に記載されているような、組織生体膜への直接接触を介して熱エネルギーを伝導的に送達し、微小孔を形成するのに十分に深い、その膜のある部分のアブレーションを引き起こすことが可能なフィラメント、組織膜への直接接触を介して電気エネルギーを送達し、その膜のある部分のアブレーションを引き起こして微小孔を形成することが可能なプローブ要素、電気機械的アプリケータ、マイクロランセット、微小針またはランセットの配列、音響エネルギーアブレータ、レーザアブレーションシステム、および高圧流体ジェット穿刺器を備え得る。
【0041】
さらなる例示的局面において、および図10〜図14Cに示されるように、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段は、その中に形成された複数のフィラメント72を有する、フィラメント配列70を備える。この局面では、各フィラメント72は、組織生体膜への直接接触を介して熱エネルギーを伝導的に送達し、微小孔を形成するのに十分に深い、その膜のある部分のアブレーションを引き起こすように構成される。
【0042】
一例示的局面では、フィラメント配列70は、上部基材表面42の一部分に取り付けられる。随意で、接着剤層73は、上部基材表面の一部分に取り付けられ得、フィラメント配列の電気的に絶縁された部分の取り付けを可能にするように構成され、すなわち、接着剤層73は上部基材表面と、フィラメント配列の電気的に絶縁された部分の複数部分との間に挟入される。この局面では、接着剤層73は、基材がアプリケータに接続されるときに、陽極31および陰極32の通過を可能にするように構成される、一対の開口部を画定することが意図される。動作中、接着剤層73は、フィラメント配列のそれぞれの電気的に絶縁された部分の底面の一部分、および上部基材表面の一部分に接続される。この接続は、真空が基材に供給されるときに、下部基材表面から延在する基材のポート45(下記でさらに詳細に説明される)を通して生じる可能性のある、真空損失を最小化するように構成される。
【0043】
別の局面では、基材40は、穿孔域46の中のフィラメント配列の一部分が露出されるように、フィラメント配列の頂面71の少なくとも一部分に取り付き、かつその上に重なるように構成される、裏地74をさらに備え得る。この局面では、フィラメント72は、身体組織と密接に接触し得るように露出される。別の局面では、裏地74は、フィラメント配列の複数部分を電気的に絶縁するように作用し得る。さらなる局面では、基材は、裏地とフィラメント配列との間に配置される接着剤層76を備え得る。
【0044】
別の例示的局面では、フィラメント配列は、基材に実質的に封入される。しかしながら、この局面では、穿孔域の中のフィラメント配列の一部分が露出されることを理解する。前述のように、フィラメントは、身体組織と密接に接触し得るように露出される。
【0045】
さらなる局面では、フィラメント配列70は、例えば、限定的な意味でなく、導電層82および抵抗層84を備える二重クラッドフォイル80であり得る。一局面では、二重クラッドフォイルが形成される材料は、例えば、これに限定されるものではないが、アルミニウム、銅、銀、金、炭素、青銅、疑似青銅、または同等物のような導電材料、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、クロム、炭素化合物、タングステン、マンガン、ニクロム、ニッケル、白金、エバノーム、ポリシリコン、ステンレス鋼、または同等物のような抵抗材料を備え得る。一例示的局面では、二重クラッドフォイル80は、銅の導電層と、ステンレス鋼の下位抵抗層とを備える。
【0046】
一例示的局面では、フィラメント配列70は、光化学ウェットエッチングプロセスによって形成され得、このプロセスでは、エッチレジスト、例えば、限定的な意味でなく、正または負の作用液体、ドライフィルム、または粉末レジストが、例えば、液体被覆、ラミネート加工、電着、および同等物のような従来の方法を介して、二重クラッドフォイルに選択的に塗布される。次いで、レジストで被覆されたフォイルが、負または正の光ツールを通してUV光に暴露され、所望のパターンを形成する。露出域は架橋され、腐食抵抗性を有するが、非露出域は、エッチングのためにフォイルを露出するために除去され得る。
【0047】
一実施例では、エッチングは、2ステップのプロセスである。第1のステップでは、例示的なステンレス鋼/銅の二重クラッドフォイルについて、二重クラッドフォイルの両方の金属が同時にエッチングされる。この局面では、二重クラッドフォイルのステンレス鋼側の全ての特徴が、仕様通りにエッチングされ、銅側の特徴は部分的にエッチングされる。第2のエッチングステップは、導電銅のトレースを仕様通りにエッチングし、フィラメントの背面から銅残留物の全てを実質的に除去する。第2のエッチングステップの完了時に、フィラメントは、ステンレス鋼材料で実質的に形成され、それは高い抵抗を有する。一局面では、エッチングプロセスは、フィラメントの間からの材料の全ての除去をもたらし、随意で、比較的幅の広いフィーダトレースの一部のアンダーカットを生じる。
【0048】
随意で、光学的機械加工ステーション、あるいは、ダイアモンド研磨、電子ビームエッチング、または同等物のような他の好適なマイクロマシニング技術が、二重クラッドフォイルの導電層および抵抗層の複数部分を選択的に除去して、フィーダトレースおよびフィラメントのパターンを生成する。レーザの使用は、1つのステップしか必要とせず、抵抗層にプログラムされたパターンを急速に形成するように設計され得、この層は、一般的には導電層よりも薄く、および/またはより光吸収性であるるために、一部の用途で有利であり得る。随意で、接着フィルムが任意の層に塗布され得、材料を除去してエッチングのためのマスクを形成するために、レーザ機械加工ステーションが使用される。別の局面では、接着フィルムが二重クラッドフォイルに塗布され得、材料を除去して、マスクの露出部分の下で二重クラッドフォイルに所望のパターンをエッチングするためのマスクを形成するために、レーザ機械加工ステーションが使用される。
【0049】
さらなる局面において、これに限定するものではないが、二重クラッドフォイル80は、冷間圧延、低圧プロセス、減厚冷間圧延、減厚熱間圧延、爆着、めっき、および同等物によって生産され得る。二重クラッドフォイルは、約10μm〜約300μmの間の厚さ(t)寸法であり得、さらに20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、および290μmの公称厚さを含み、105μmが1つの好ましい厚さである。一局面では、フィラメントは、実質的に均一であることが意図される。随意で、フィラメントは、非均一であり得る。さらに、フィラメントは、実質的に同じ熱質量を有することが意図される。一例示的局面では、フィラメントの縦軸に対する横方向の、各フィラメント72の幅(w)は、約30〜150μmの間の範囲にあり得、さらに35、40、35、50、55、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、および145μmの公称幅を含み、約45〜55μmの間、または115〜125μmの間の範囲が好ましい。同様に、別の例示的局面では、各フィラメント74は、約200〜700μmの間のフィラメントの縦軸に沿って延在する長さ(l)を有し、さらに250、300、350、400、450、500、550、600、および650μmの長さを含み、500μmの長さが好ましい。
【0050】
随意で、ステンレス鋼の層は、二重クラッドフォイルの厚さの約5〜約25パーセントの間を備え得、さらに6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、および24%の量を含み、かつこれらの値から派生する厚さの割合の任意の範囲を含む。
【0051】
さらなる局面において、および図14A〜図14Cを参照して、フィラメント配列70は、フィラメント配列のフィラメントにエネルギーを分配するための手段を備える。一例示的局面では、フィラメントにエネルギーを分配するための手段は、少なくとも1つの電気バンク86を備える。随意で、少なくとも1つの電気バンクは、複数の電気バンク86'、86"を備える。この局面では、各電気バンクは、関連するフィラメント72を有する。エネルギーを分配するための手段の一局面では、穿孔域46は、第1の部分と、反対および/または鏡映関係にある第2の部分とを有し、それぞれの電気バンクの複数部分は、穿孔域の第1の部分および第2の部分の両方に配置される。この実施例では、1つのバンクの複数のフィラメントが、活性穿孔域の両方の「半分」または複数部分に存在するように、バンクの形状が決定される。それぞれのバンクが活性穿孔域のそれぞれの部分の間に分配されるように、代替的形状のバンク86が使用され得ることが理解される。当業者であれば、そのような電気バンクの使用が、個々のフィラメント組成および寸法のわずかな差異に対するフィラメント配列70の感受性を低下させることに気付く。
【0052】
別の局面では、基材40は、フィラメント配列のそれぞれの電気的に絶縁された部分を露出する、下部基材表面44における一対のポート45を画定する。一局面では、基材がアプリケータのインターフェース30に取り付けられるときに、ポート45はアプリケータ20の陽極31および陰極32を受け入れるように構成され、その結果として、陽極および陰極がフィラメント配列のそれぞれの電気的に絶縁された部分と接触する。したがって、基材40がインターフェース30上に受容されるときに、フィラメント配列70はアプリケータ20と電気的に接続するように配置され得、その結果として、陽極および陰極ならびに各バンク86を介して、アプリケータからフィラメント配列70のフィラメント72の各々に電気エネルギーを通すことができる。
【0053】
さらなる例示的局面において、かつ図15および図16に示されるように、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段は、複数の対を成す電極を備える。この局面では、各対の電極は、組織生体膜への直接接触を介して電気エネルギーを送達し、微小孔を形成するのに十分に深い、その膜のある部分の電気アブレーションを引き起こすように構成される。例えば、米国特許第5,885,211号、第6,148,232号、第6,615,079号、および第6,711,435号(これら特許の開示は、全体として本明細書において参考として援用される)は、それぞれの電極の間の領域の組織のアブレーションを引き起こすために被験体の皮膚に加えられる電気エネルギーを、複数の電極のうちの2つ以上の間に印加するための方法およびデバイスを記載している。
【0054】
一例示的局面では、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段は、好ましくは被験体の皮膚の好適な領域に固定される、複数の電極に取り付け可能な制御ユニット90をさらに備える。少なくとも1つの微小孔を形成するための手段は、角質層をアブレーションして物質が通過できるマイクロチャネルを生成する制御された電流を、複数の電極の間に通すことによって、通常は実質的に不透過性の皮膚の角質層を経由して、活性物質を投与し得る。
【0055】
一局面では、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段が、角質層を通して電流を流すときには、影響された組織が抵抗加熱され、その結果として、十分な量のエネルギーが短期間で通過すると、組織は、その中で消散された全エネルギーによってアブレーションされる。アブレーションは、組織にマイクロチャネルの形態の所望の微小孔を生成する。付加的な局面では、皮膚の小領域への電流の印加は、分子をイオン化または分極化する必要なく、かつ角質層の下にある真皮および表皮組織に疼痛または大きな外傷を与えることなく、大型分子でさえも比較的自由に通過できるようなサイズを有し得る、マイクロチャネルの形成を導く。
【0056】
一局面では、制御ユニット90は、切替ユニット91と、バッテリ92(リチウムコイン電池バッテリのような)と、ボタン93および感知信号発生器94とを備えるオプションのユーザインターフェースとを備え、ユーザインターフェースはディスプレイおよび/またはブザーを備え得る。例示された一局面では、ボタン93は、活性物質の送達を開始し、終結する。
【0057】
図16は、16個の電極を備える、電極96の配列95を示す。当然ながら、配列は、より小さくなり得、その一方で、より大きくなり得、より多量の活性物質が送達されることを可能にするために、例えば、50×50またはそれ以上となることが意図される。図示された局面では、本実施形態の電極96は、好ましくは、8個の電極対97として編成され、その結果として、対になった電極の1つを出る電荷のほとんどが、そのそれぞれの対の他方の電極へと進み、概して、隣接する電極対の電極には進まない。一局面では、電極対97は、経皮的移送速度を最大化するために、密集化され得る。例えば、限定的な意味でなく、密度は、4〜100電極セット/cm2の範囲に及び得る。さらなる局面では、電流または全電荷移動の閾値が超過され、それに応答して切替ユニット91が電極対への電流を終結または低減させる以前に、各電極対は、一般的には、少なくとも1つのマイクロチャネルを生成する。
【0058】
好ましくは、各電極対における電極の間の間隔は、約0.1mmよりも小さいが、例えば、限定的な意味でなく、約0.1mm〜約0.3mmの間の範囲に及び得る。一般に、電極対のそれぞれの電極の間の距離は、所望の電界侵入深度が達成されるように設定される。一実施例では、所望の電界侵入深度は、角質層の厚さと実質的に同じ程度であり、その結果として、電流は角質層の下にある表皮組織にほとんど進入しない。この例示的局面では、電極間隔を約0.01mmと約0.1mmとの間に、さらに0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、および0.09mmを含む間隔に維持することは、角質層の中にマイクロチャネルを生成し、その一方で、神経支配のある真皮、および角質層の下の表皮組織の損傷、感覚、および/または疼痛を実質的に低減する。
【0059】
皮膚の上に置かれた2つの電極の近くの皮膚における任意の点で、電極の間に生成される電界は、基本的に2つの成分、すなわち、概して皮膚に対して垂直な電流を引き起こす、皮膚に対して垂直な成分と、概して皮膚表面に平行な電流を引き起こす、横方向成分とを有するものと見なされ得る。比較的大きな横方向成分を有する角質層の底部の電界は、主に角質層の中で電流を発生し、下層の表皮組織の中では比較的少しの電流しか流れない。したがって、一局面では、組織アブレーションは、角質層において大部分が発生するように制限され得る。しかしながら、角質層の下の所望の侵入深度まで延在する微小孔、すなわち、この実施例ではマイクロチャネルを形成するために、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段が使用され得ることが意図される。
【0060】
さらなる局面では、電極配列は、角質層のアブレーションが完了するのと略同時に、切替ユニットまたは電源から断絶される。一局面では、切替ユニット91は、電極96への電流を監視し得、下層組織のアブレーションが発生したという判定時に、1つ以上の電極への電流を選択的に終結する。この例示的局面では、配列のすべての電極への電流は、電極配列の下の下層組織がアブレーションされたという切替ユニット91による判定時に、実質的に終結される。
【0061】
さらに別の局面では、基材40は、下部基材表面44上で画定される、少なくとも1つの雌型陥凹部140を画定し得る。この局面では、雌型陥凹部のうちの少なくとも1つは、アプリケータ20のインターフェース30上に取り付けられた一連の陥凹可能要素142と協同するように構成される。陥凹可能要素は、アプリケータのコントローラ基板と接続する。一例示的局面では、3つの陥凹可能要素があり、例示的動作中に、2つの雌型陥凹部を有する基材がインターフェースに取り付けられた場合には、アプリケータの陥凹可能要素のうちの1つだけが陥凹される。この実施例では、3つの陥凹可能要素のうちの1つだけの陥凹は、インターフェース上に取り付けられる基材の穿孔域のそれぞれのサイズを、コントローラ基板に電気的に伝達する。この実施例では、陥凹可能要素の選択的陥凹が、それぞれの基材の穿孔域の様々なサイズを伝達し得ることが理解される。
【0062】
本発明のさらなる局面では、送達システム10は、頂面112および反対側の底面114を有する、第1の解放ライナー110をさらに備える。一局面では、第1の解放ライナーの底面の少なくとも一部分は、上部基材表面42の一部分に接続される。別の局面では、システムは、基材40を第1の解放ライナー110と接続するために、基材40の上面と第1の解放ライナーの底面114との間に置かれる、接着剤層116を備え得る。一局面では、第1の解放ライナーの縁部分は、基材の穿孔域から所定の距離だけ離れている。随意で、第1の解放ライナーの縁部分は、上部基材表面上に形成された隆起部の一部分に実質的に隣接して置かれる。この局面では、基材が上部基材表面の雌型陥凹部を画定する場合には、接着剤層は、雌型陥凹部の隆起部の一部分に隣接して配置され得、第1の解放ライナーの縁部分もまた、隆起部の一部分に隣接して配置され得る。さらなる局面では、パッチ100は、第1の解放ライナーの頂面112から選択的に取り外し可能である。
【0063】
さらなる局面では、パッチ100は、裏地層102と、裏地層の一部分に取り付けられる貯蔵部104とを備え得る。貯蔵部104は、形成された微小孔を介した被験体の組織膜の中への送達のために、少なくとも1つの透過物を解放可能に含有するように構成される。一局面では、貯蔵部104は、裏地層102の下面106の一部分上に取り付けられる。図に示されるように、接続された位置において、裏地層102の第1の部分107は、基材40の穿孔域76とは離れた位置で、第1の解放ライナーの頂面112に解放可能に取り付けられる。さらに、接続された位置において、裏地層102の第2の部分108は、折り畳み位置に折り畳まれる。当業者であれば理解するように、裏地層の第2の部分108の下面106は、折り畳み位置で、基材の上部基材表面42から離れて外側を向く。
【0064】
さらなる局面では、パッチ100は、パッチの裏地層の下面106の少なくとも一部分の上に配置される、皮膚接着剤層103を備え得、その結果として、パッチが被験体の組織膜に選択的かつ解放可能に取り付けられ得る。別の局面では、送達システム10は、裏地層の第2の部分の上に配置される皮膚接着剤層103の一部分に解放可能に取り付け可能である、第2の解放ライナー120をさらに備え得る。随意で、例えば、両面接着剤および同等物のような接着固着層105が、フィラメント配列裏地層74の一部分上に取り付けられ得る。この局面では、第2の解放ライナーが、皮膚接着剤層103および接着固着層の一部分に解放可能に取り付けられ得る。
【0065】
第2の解放ライナー120は、保管中に皮膚接着剤層の露出部分を保護する、解放可能カバーを提供する。この局面では、皮膚接着剤層103から第2の解放ライナー120を除去するために必要とされる力は、第1の解放ライナーの頂面から裏地層120の第1の部分107を除去するために必要とされる力よりも小さくなることが意図される。したがって、第1の解放ライナー110の頂面112からパッチ100を分離することなく、パッチ100から第2の解放ライナー120が除去され得、皮膚接着剤層103の折り重ねられた部分を露出する。一局面では、第2の解放ライナー120の一部分の中に細隙122が画定され得、その結果として、下位構造に解除力を付与することなく、すなわち、第1の解放ライナー110の頂面112からパッチ100を分離することなく、第2の解放ライナーが容易に把持され、かつ除去され得る。
【0066】
さらなる局面では、第1の解放ライナーの頂面112は、その上に配置された解放被覆を有し得る。解放被覆は、例えば、限定的な意味でなく、シリコーン、白金触媒シリコーン、フルオロシリコーン、ペルフルオロカーボンベースのポリマー、および同等物を備える、任意の従来の解放被覆であり得る。
【0067】
接続された位置において、別の局面では、裏地層102の第1の部分107は、折り畳まれて基材40の穿孔域76の位置に置かれる。図で例示されるように、折り目は、穿孔域から所定の距離だけ離れて位置し得る。一局面では、貯蔵部104の縁は、折り目に対して実質的に隣接するような距離に位置し得る。随意で、貯蔵部は、折り目から所定の距離だけ離れて位置し得る。例示された局面では、貯蔵部は、折り目の位置に置かれる。
【0068】
ここで、図4〜図6を参照すると、接続された位置において、裏地層102の第1の部分107の一部分は、裏地層の第2の部分108の下にある。さらなる局面では、システム10は、裏地層102の上面105の複数部分上に配置される、支持部材130を備え得る。一局面では、支持部材130は、縁表面132を有する。さらに、さらなる別の局面では、支持部材130は、裏地層の上面105の複数部分の上に解放可能に取り付けられ得、その結果として、接続された位置において、支持部材130は、裏地層102の第2の部分108の上面105と、裏地層102の第1の部分107の上面105の一部分との間に位置する。
【0069】
1つの例示された局面では、支持部材130の縁表面132は、折り目に隣接して置かれる。別の局面では、支持部材は、実質的に平面の部材を備え得る。この局面では、支持部材はまた、それ自身の上に折り畳まれて縁表面を形成する一部分を備え得る。随意で、それ自身の上に折り畳まれる部分は、接着剤で定位置に固定され得る。
【0070】
さらに別の例示的局面では、支持部材130は、支持部材を通って延在する少なくとも1つの穴136を画定し得る。この局面では、少なくとも1つの穴の位置にある裏地層の重複部分を加熱溶接することによって、支持部材は裏地層に対して選択的に固定され得る。動作中、パッチが微小孔を開けられた組織膜上で折り畳まれると、加熱溶接された「タック」が外れて、パッチの貯蔵部と組織膜の微小孔を開けられた部分との位置合わせを可能にする。
【0071】
さらなる例示的局面では、支持部材は、裏地層の外縁を越えて延在するように構成される、一対の対向タブを画定し得る。一局面では、それぞれのタブの上にあり、かつ上部基材表面の複数部分に固定される、テープまたは同等物の使用によって、タブは上部基材表面に固定される。一局面では、それぞれのタブの上にあるテープの部分は、非接着性であり得、その結果として、それぞれのタブは、上を覆うテープに接着で接続されない。
【0072】
別の例示的局面では、支持部材130は、裏地層102の重なり合う第1の部分および第2の部分の一部分の間に取り付けられる、接着テープ134をさらに備え得る。この実施例では、テープは、接続された位置において、裏地層の第2の部分108の上面105と、裏地層の第1の部分107の上面105の一部分との間に配置され得る。動作中、パッチ100が組織膜の微小孔を開けられた部分上に折り畳まれるときには、接着テープ134は、裏地層102から解放するように構成される。
【0073】
図20を参照して、送達システムの代替的実施形態が概略的に図示される。この局面では、送達システム10は、頂面112および反対側の底面114を有する、第1の解放ライナー110をさらに備える。一局面では、第1の解放ライナーの底面の少なくとも一部分は、裏地74の一部分に接続される。別の局面では、システムは、裏地の上面と第1の解放ライナーの底面114との間に配置され、裏地74を第1の解放ライナー110に接続する、接着剤層116を備え得る。一局面では、第1の解放ライナーの縁部分は、基材の穿孔域から所定の距離だけ離れて位置する。さらなる局面では、パッチ100は、第1の解放ライナーの頂面112から選択的に取り外し可能である。
【0074】
さらなる局面では、パッチ100は、裏地層102と、裏地層の一部分に取り付けられる貯蔵部104とを備え得る。貯蔵部104は、形成された微小孔を介した被験体の組織膜の中への送達のために、少なくとも1つの透過物を解放可能に含有するように構成される。一局面では、貯蔵部104は、裏地層102の下面106の一部分上に取り付けられる。図に示されるように、接続された位置において、裏地層102の第1の部分107は、基材40の穿孔域から離れた位置で、第1の解放ライナーの頂面112に解放可能に取り付けられる。さらに、接続された位置において、裏地層102の第2の部分108は、折り畳み位置に折り畳まれる。当業者であれば理解するように、裏地層の第2の部分108の下面106は、折り畳み位置で、基材の上部基材表面42から離れて外側を向く。
【0075】
さらなる局面では、パッチ100は、パッチの裏地層の下面106の少なくとも一部分の上に配置される、皮膚接着剤層103を備え得、その結果として、パッチは、被験体の組織膜に選択的かつ解放可能に取り付けられ得る。さらなる局面では、送達システムは、裏地74の一部分に接続される、パッチ裏地フィルム140をさらに備え得る。この局面では、接着剤層142が、パッチ裏地フィルムの裏側の第1の部分および裏地の一部分に取り付けられ得る。さらに、パッチの裏地102層の上面の少なくとも一部分が、パッチ裏地フィルム140の裏側の第2の部分に選択的に取り付けられ得ることが意図される。さらに別の局面では、送達システム10は、パッチ裏地フィルムの表側の一部分に解放可能に取り付け可能な、第2の解放ライナー120をさらに備え得る。随意で、例えば、両面接着剤および同等物のような皮膚接着剤層144が、パッチ裏地フィルムの裏側の第1の部分の反対側の、パッチ裏地フィルムの表側の一部分と、第2の解放ライナーとの間に取り付けられ得る。別の局面では、第2の解放ライナーの一部分がまた、接続された位置において、パッチ100の裏地層の第2の部分108に解放可能に接続され得る。この局面では、パッチ裏地フィルムの折り畳まれた部分の間に、接着剤層145が挿入され得る。
【0076】
この局面では、皮膚接着剤層144から第2の解放ライナー120を除去するために必要とされる力は、第1の解放ライナーの頂面からパッチ裏地フィルムを除去するために必要とされる力よりも小さくなることが意図される。したがって、この局面では、第1の解放ライナー110の頂面112からパッチ100を分離することなく、パッチ100から第2の解放ライナー120が除去され得、皮膚接着剤層103の折り重ねられた部分を露出する。
【0077】
さらなる局面では、第1の解放ライナーの頂面112は、その上に配置された解放被覆を有し得る。解放被覆は、例えば、限定的な意味でなく、シリコーン、白金触媒シリコーン、フルオロシリコーン、ペルフルオロカーボンベースのポリマー、および同等物を備える、任意の従来の解放被覆であり得る。
【0078】
接続された位置において、別の局面では、裏地層102の第1の部分107は、折り畳まれて基材40の穿孔域76の位置に置かれる。図で例示されるように、折り目は、穿孔域から所定の距離だけ離れて位置し得る。一局面では、貯蔵部104の縁は、折り目に実質的に隣接するような距離をとり得る。随意で、貯蔵部は、折り目から所定の距離だけ離れて位置し得る。例示された局面では、貯蔵部は、折り目の位置に置かれる。
【0079】
図21を参照して、送達システムの代替的実施形態が部分的かつ概略的に図示される。この局面では、送達システム10は、頂面112および反対側の底面114を有する、第1の解放ライナー110をさらに備える。一局面では、第1の解放ライナーの底面の少なくとも一部分は、裏地74の一部分に接続される。別の局面では、システムは、裏地の上面と第1の解放ライナーの底面114との間に配置され、裏地74を第1の解放ライナー110に接続する、接着剤層116を備え得る。一局面では、第1の解放ライナーの縁部分は、基材の穿孔域から所定の距離だけ離れて位置する。さらなる局面では、パッチ100は、第1の解放ライナーの頂面112から選択的に取り外し可能である。
【0080】
さらなる局面では、パッチ100は、裏地層102と、裏地層の一部分に取り付けられる貯蔵部104とを備え得る。貯蔵部104は、形成された微小孔を介した被験体の組織膜の中への送達のために、少なくとも1つの透過物を解放可能に含有するように構成される。一局面では、貯蔵部104は、パッチ100の裏地層102の下面106の一部分上に取り付けられる。図に示されるように、接続された位置において、裏地層102の一部分は、基材40の穿孔域から離れた位置で、第1の解放ライナーの頂面112に解放可能に取り付けられる。
【0081】
さらなる局面では、パッチ100は、パッチの裏地層102の下面106の少なくとも一部分の上に配置される、皮膚接着剤層103を備え得、その結果として、パッチは、被験体の組織膜に選択的かつ解放可能に取り付けられ得る。さらなる局面では、送達システムは、第1の解放ライナーの頂面の一部分に接続される、パッチ裏地フィルム140をさらに備え得る。この局面では、接着剤層142は、パッチ裏地フィルムの裏側の第1の部分、および第1の解放ライナーの頂面の一部分に取り付けられ得る。さらに、接着剤層の裏側の一部分と第1の解放ライナー110の頂面との間に非ブロック化部材146が取り付けられ得、その結果として、第1の解放ライナー110から接着剤層142を選択的に分離することが容易になることが意図される。さらに、パッチの裏地102層の上面の少なくとも一部分が、パッチ裏地フィルム140の裏側の第2の部分に選択的に取り付けられ得ることが意図される。さらに別の局面では、送達システム10は、パッチ裏地フィルムの表側の一部分に解放可能に取り付け可能な、第2の解放ライナー120をさらに備え得る。随意で、例えば、両面接着剤および同等物のような皮膚接着剤層144が、パッチ裏地フィルムの裏側の第1の部分の反対側の、パッチ裏地フィルムの表側の一部分と、第2の解放ライナーとの間に取り付けられ得る。
【0082】
この例示的実施形態では、皮膚接着剤層144から第2の解放ライナー120を除去するために必要とされる力は、第1の解放ライナーの頂面からパッチ裏地フィルムを除去するために必要とされる力よりも小さくなることが意図される。したがって、第1の解放ライナー110の頂面112からパッチ100を分離することなく、第2の解放ライナー120がパッチ100から除去され得、皮膚接着剤層を露出する。
【0083】
さらなる局面では、第1の解放ライナーの頂面112は、その上に配置される解放被覆を有し得る。解放被覆は、例えば、限定的な意味でなく、シリコーン、白金触媒シリコーン、フルオロシリコーン、ペルフルオロカーボンベースのポリマー、および同等物を備える、任意の従来の解放被覆であり得る。
【0084】
接続された位置において、別の局面では、裏地層102は、折り畳まれて基材40の穿孔域76の位置に置かれる。図で例示されるように、折り目は、穿孔域から所定の距離だけ離れて位置し得る。一局面では、貯蔵部104の縁は、折り目に対して実質的に隣接するような距離をとり得る。随意で、貯蔵部は、折り目から所定の距離だけ離れて位置し得る。例示された局面では、貯蔵部は、折り目の位置に置かれる。
【0085】
経皮的送達システムの例示された一局面では、貯蔵部104は、組織または生体膜の形成された人工開口部または微小孔を経由する被験体の中への送達のために、透過物を含有するように構成される、パッチ100内の指定域またはチャンバを備える。一局面では、貯蔵部はまた、生物活性透過物の効果を増進する賦形剤化合物を備え得ることが意図される。加えて、種々の例示された局面において、かつ限定的な意味でなく、貯蔵部は、開放容量空間、ゲル、後続の解放または反応のために選択された化合物で被覆または処理されている平面空間、または多孔性ポリマーのような透過性固体から成り得る。
【0086】
代替的実施形態では、貯蔵部104は、その中に配置された少なくとも1つの非溶解親水性透過物を備え得る。本発明の経皮的送達システムの動作を通して、貯蔵部が微小孔の位置に置かれるときには、親水性透過物は、貯蔵部の底面が被験体の皮膚層を通る少なくとも1つの形成された微小孔または経路と流体接続するときに、皮下流体と接触し得る。いったん有効量の皮下流体が送達貯蔵部と接触すると、流体は、続いて、貯蔵部に含有される透過物の少なくとも一部分を、皮膚を通って被験体の中へ経皮的に送達するための拡散経路を提供する。
【0087】
この局面の貯蔵部104は、非生分解性マトリクスを備え得、それは、上記のように、その中に配置された少なくとも1つの親水性透過物をさらに備える。透過物送達貯蔵部のマトリクス構成成分は、非生分解性材料から成り、または、長期の透過物塗布期間にわたる被験体の外側皮膚層への局所塗布に対して生体適合性を有する、非生分解性材料の組み合わせから成る。非生分解性材料は、一局面では、貯蔵部の約20重量%〜約80重量%を占有し得、さらに貯蔵部の25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、および75重量%の量を含み、かつこれらの値から派生する重量パーセントの任意の範囲を含む。
【0088】
一局面では、非生分解性マトリクスは、非生分解性ポリマー材料、またはポリマー材料の組み合わせを備え得る。一局面では、非生分解性ポリマー材料は、不水溶性または疎水性である。例えば、これに限定するものではないが、一局面では、非生分解性マトリクスは、エチレン酢酸ビニル(EVA)共重合体、ポリエチレン、ポリアクリル酸エチル、エチレンおよびアクリル酸エチルの共重合体、ならびにそれらの任意の組み合わせを備え得る。一局面では、マトリクスは、0%から約60%までの範囲の酢酸ビニルの相対的割合を有する、エチレン酢酸ビニル共重合体から成り、さらに酢酸ビニルの約0%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、および60%の割合、およびこれらの値から派生する割合の任意の範囲を含む。さらに別の局面では、エチレン酢酸ビニル共重合体は、約28%の酢酸ビニルを備える。
【0089】
親水性透過物は、当該分野において以前から公知の従来の方法にる投与、および/または本発明で教示される方法による投与に好適な、任意の化学または生物材料、化合物、あるいは組成物を備え得る。この目的のために、透過物は、経皮的に投与されることが所望される、任意の1つ以上の構成要素を備え得る。例えば、親水性透過物は、生物活性剤、充填材、抗治癒剤、浸透剤、および透過物の所望の経皮的送達を提供または増進するために好適な、任意の他の従来から公知の添加剤から選択され得る。一局面では、親水性透過物は、貯蔵部の約20重量%〜約80重量%を占有し得、さらに貯蔵部の25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、および75重量%の量を含み、かつこれらの値から派生する重量パーセントの任意の範囲を含む。
【0090】
さらに別の局面では、生物活性剤は、非溶解無水親水性塩として、貯蔵部104内に存在し得る。そのためには、本明細書で使用される「親水性塩」および同様の用語は、これに限定するものではないが、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、トロメタミン、またはそれらの他のカチオン塩、それらの硫酸塩または他のアニオン塩、塩基性薬剤の酸添加塩、および酸性薬剤の塩基添加塩のような、生物活性剤、薬剤、または医薬品のイオン型を含む。そのような塩の例証的な実施例は、ジクロフェナクナトリウム、クロモリンナトリウム、アシクロビルナトリウム、アンピシリンナトリウム、ワルファリンナトリウム、ケトロラクトロメタミン、塩酸アミロリド、塩酸エフェドリン、塩酸ロキサピン、塩酸チオチキセン、塩酸トリフロペラジン、塩酸ナルトレキソン、塩酸ナロキソン、塩酸ナルブフィン、塩酸ブスピロン、塩酸ブプロピオン、塩酸フェニレフリン、塩酸トラゾリン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸クロニジン、臭化水素酸デキストロメトルファン、コハク酸メトプロロール、酒石酸メトプロロール、酒石酸水素エピネフリン、フマル酸ケトチフェン、硫酸アトロピン、クエン酸フェンタニル、硫酸アポモルフィン、塩酸プロプラノロール、塩酸ピンドロール、塩酸リドカイン、塩酸テトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸テトラカイン、塩酸ジブカイン、硫酸テルブタリン、臭化水素酸スコポラミン、マレイン酸ブロムフェニラミン、および塩酸ヒドロモルホンを含む。
【0091】
1つ以上の生物活性剤に加えて、少なくとも1つの透過物がまた、生体適合性充填材を備え得、それは、賦形剤、含水剤、浸透剤、透過増進剤、抗治癒剤、抗凝固剤、抗炎症剤、抗菌剤、再上皮化阻害剤、亜酸化窒素産生阻害剤、メラニン形成阻害剤、投与剤、および同等物のうちの任意の1つ以上を備え得る。一局面では、生体適合性充填材は、貯蔵部の約20重量%〜約80重量%を占有し得、さらに貯蔵部の25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、および75重量%の量を含み、かつこれらの値から派生する重量パーセントの任意の範囲を含む。
【0092】
さらに、本明細書で使用される、抗治癒剤は、例えば、抗凝血剤、抗炎症剤、細胞遊走を阻害する薬剤、再上皮化阻害剤、および浸透剤を含み得る。好適な抗凝血剤は、例えば、3,000〜12,000ダルトンの分子量を有するヘパリン、多流酸ペントサン、クエン酸、クエン酸塩、EDTA、および2,000〜10,000ダルトンの分子量を有するデキストランを備え得る。好適な抗炎症剤は、例えば、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、リン酸ベタメタゾンナトリウム、およびリン酸トリアムシノロンナトリウムを備え得る。細胞遊走を阻害する好適な薬剤は、例えば、ラミニンおよび/またはその関連ペプチドを備え得る。
【0093】
貯蔵部104の一実施例では、少なくとも1つの親水性透過物が、一般的には、非生分解性マトリクス内に配置あるいは装填される。この目的のために、一例示的局面では、送達貯蔵部は、その中で複数の導管を画定する底面を有するように構成され得る。この局面によれば、非溶解親水性透過物は、マトリクスの複数の導管の少なくとも一部分の中に配置され得る。かくして、例示された送達貯蔵部104は、皮膚から滲み出た皮下流体を使用して、マトリクス内に配置された透過物の少なくとも一部分を溶解または懸濁し、皮膚のより深い層の中への透過物の拡散または移送を可能にするように適合される。
【0094】
様々な移送の機構が、貯蔵部から皮膚組織の中への非溶解透過物の分散および移動を達成し得る。一般に、しかし排他的にではなく、マトリクス内に配置された透過物は、微粒子形態を残し、かつ一般的には溶液または懸濁液の中に入ることによって、解放時に生体に対して利用可能となる。いったん溶液または懸濁液の形になると、拡散が、処置された外層を介して、皮膚の生存層の中へまたはそれを通過して被験体の中への、微粒子透過物の移送機構を提供し得る。プロセスが経時的に継続するにつれて、貯蔵部から出て皮膚の中へ移動する透過物によって形成される空隙は、貯蔵部の本体の中へ貫通するチャネルを形成し、それによって、最初に貯蔵部の表面に存在していたよりも多くの透過物への付加的なアクセスを提供する。故に、貯蔵部104を、被験体の皮膚層を通過する少なくとも1つの形成された経路と接続することによって、皮下流体は、透過物を溶解または懸濁するための有効量またはレベルの水和を貯蔵部に提供し得る。このようにして、溶液または懸濁液の形の比較的高濃度の透過物が提供され得、それはまた、皮膚の生存組織層と接続する。
【0095】
ここで、図17〜図19を参照して、穿孔イベントの前に被験体の皮膚に接続された、経皮的透過物送達システムの例示された局面が示される。ここで、第2の解放ライナーは除去されており、パッチの皮膚接着剤層の一部分を露出し、それは、被験体の組織膜と接着接触して示されている。続いて、アプリケータが作動され、その結果として、基の穿孔域の下にある組織膜の領域の穿孔が発生する。1つの例示された局面では、アプリケータの作動は、電気刺激を、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段に送達させて、下層組織膜のアブレーションを引き起こす。例えば、電気刺激は、フィラメントの抵抗加熱および下層組織膜のアブレーションを引き起こすように、フィラメント配列のフィラメントに送達され得る。さらなる局面では、使用される場合、アプリケータの作動は、真空が導管および関連チャネルを介して穿孔域に送達されるように、真空源を始動し得る。提供される真空は、組織膜を、例えば、フィラメント配列の露出部分のような穿孔域の中に取り付けられる、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段と密接に接触させるように作用し、加えて、マイクロポレーションイベントの経過中に、アプリケータを組織膜に固定するのに役立つ働きをすることが理解される。
【0096】
微小孔が形成された後に、および図18に示されるように、経皮的パッチは、経皮的ポレータシステムの一部分から分離される。動作中、アプリケータが除去される際に、基材は、アプリケータのインターフェースに取り付けられたままで残留し、パッチは、第1の解放ライナーから分離する。この構成では、パッチは、第2の解放ライナーが除去された後に組織膜に以前に固定されていた裏地層の部分によって、組織膜に固定される。裏地層の現在露出されている部分および貯蔵部は、下層組織膜から外方に向き、貯蔵部が折り目の周囲で組織膜の微小孔を開けられた領域に位置するように、配置される。ここで、図19を参照して、経皮的パッチが被験体の皮膚の微小孔を開けられた領域に位置するように、パッチは折り目に対して折り畳まれる。パッチが定位置に押圧された後に、残り得るシステムの全ての他の構成要素は除去され、貯蔵部とともにパッチだけが残される。理解されるように、次いで、透過物が、組織の穿孔域の微小孔を経由して貯蔵部から体内へ、ある期間にわたって拡散する。この期間は、特定の透過物および透過物の使用指示に応じて適切な、数分または数日であり得る。
【0097】
ここで、図22〜図24を参照して、被験体の皮膚に接続された、経皮的透過物送達システムの例示された局面が示される。ここで、微小孔が形成された後、および図22に示されるように、経皮的パッチは、経皮的ポレータシステムの一部分から分離される。動作中、アプリケータが除去される際に、基材は、アプリケータのインターフェースに取り付けられたままで残留し、パッチは、第1の解放ライナーから分離する。この構成では、皮膚接着剤層は、組織膜に固定され、パッチは、パッチ裏地フィルムを介して、形成された微小孔の位置に置かれる。したがって、裏地層の現在露出されている部分およびパッチの貯蔵部は、下層組織膜から外方に向き、貯蔵部が折り目の周囲で組織膜の微小孔を開けられた領域に位置するように、配置される。ここで、図23を参照して、経皮的パッチが被験体の皮膚の微小孔を開けられた領域に位置するようにパッチが折り目に関して折り畳まれるように、パッチ裏地フィルムが折り畳まれる。パッチが定位置に押圧された後、および図24に示されるように、パッチ裏地フィルム、および残り得るシステムの全ての他の構成要素は除去され、組織膜と接触している貯蔵部と共にパッチだけが残される。理解されるように、次いで、透過物が、組織の穿孔域の微小孔を経由して貯蔵部から体内へ、ある期間にわたって拡散する。前述のように、この期間は、特定の透過物および透過物の使用指示に応じて適切な、数分または数日であり得る。
【0098】
当然ながら、図に例示されているパッチの形状は、単なる代表的な形状にすぎず、限定的な意味でないことが意図される。システムの包括的概念は、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段の適用を助長する、整合または位置合わせ機構と、次いで微小孔が形成される領域上に透過物貯蔵部パッチを塗布する後続ステップとを提供することである。前述のように、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段は、これに限定するものではないが、熱的、機械的、光学的、化学的、電気的、または音響的アブレーション手段を備え得る。
【0099】
さらなる局面では、本発明の主題はまた、透過物を必要としている患者に透過物を投与するための、そのようなデバイスを使用するための方法を含む。本経皮的送達システムの設計は、フィラメント配列の適用および作動の後の穿孔された組織膜上で、パッチの貯蔵部の適切な位置合わせを確実にする。ユーザの視点から、基材がアプリケータに取り付けられ、第2の解放ライナーが除去された後に、実際には複数のステップが、アプリケータを適用し、下層組織に微小孔を形成するようにアプリケータを作動し、アプリケータを除去し(パッチの裏地層を露出するように基材および第1の解放ライナーを除去することを含む)、次いで、パッチの貯蔵部を組織膜の穿孔域の位置に置くように定位置でパッチを折り畳む、単一のステップとなり、一式の動作は密接に関連しているために、それは直ちに、心の眼の中では単一のプロセスとなる。
【0100】
それに取り付けられる第2の解放ライナーに接続する位置に配置される、基材およびパッチは、単一フォイルパックに個別に包装され得ることが意図される。さらに、このアセンブリは、形成され、必要であれば滅菌され、次いで、密封フォイルパックの中にシールされる前に、選択された透過物で充填され(必要であれば無菌で)得ることが意図される。
【0101】
一局面において、および前述のように、アプリケータへのインターフェースは、アプリケータ20が十分な電気エネルギーを選択的に送達できるようにして、患者の皮膚の外層に微小孔を生成するように構成される。本明細書で記載されるように、例えば、これに限定するものではないが、形成された微小孔は、微小孔の上に選択的に配置され得るパッチからの薬剤またはワクチンの経皮的送達を可能にする目的で、生成され得る。
【0102】
一局面では、アプリケータ20およびインターフェース30は、複数のフィラメント配列サイズを支援するように構成される。例えば、これに限定するものではないが、アプリケータは、例えば、1、2、4、および8cm2の配列サイズのような、1、2、3、4、またはそれ以上のフィラメント配列サイズを支援し得る。さらなる局面では、アプリケータ20は、取り付けられた基材のフィラメント配列のサイズを検出するように構成され得、フィラメント配列の検出されたサイズに対して、自らを自動的に構成し得る。以下の実施例は、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段の、フィラメント配列の実施形態に関して説明されるが、当業者であれば、説明された様式は、選択された様式に使用され得ることが意図されることを理解する。
【0103】
さらなる局面では、アプリケータ20は、アプリケータのインターフェース上への基材の挿入時にオンとなるか、または電源が入るように構成され得る。別の局面では、アプリケータ20は、基材がアプリケータのインターフェース上に取り付けられると、減圧の印加を開始するように構成され得る。この局面では、減圧の印加は、アプリケータが適切に構成されていることをアプリケータが判定すると、自動的に開始され得る。別の局面では、アプリケータは、アプリケータの電源投入を開始するための電源ボタンを有し得ることが意図される。しかしながら、随意で、アプリケータの電源投入は、アプリケータを「起動する」基材40の挿入によって開始され得、それは次いで、例えば、これに限定するものではないが、バッテリ電圧試験のような、一連の自己試験を行い得ることが意図される。一局面では、アプリケータ20が自己試験に合格した場合には、電源ライトが点灯され、アプリケータは、起動シーケンスのために内部で準備を行う。一局面では、起動シーケンスは、例えば、最大約230ボルト以下で、高電圧コンデンサを充電する。この電圧はハードウェアによって設定され、例えば、これに限定するものではないが、最大で330ボルトまで上昇し得る。
【0104】
動作中、ユーザは、塗布に際して基材を定位置に取り付け、基材は、例えば、基材がその最終取り付け位置に留められると、電気接点に係合する。一局面では、アプリケータ20は、この間に、高電圧コンデンサを充電し続け得る。さらなる局面では、コンデンサが完全に充電されると、準備完了ライトが点灯し得る。別の局面では、準備完了ライトの点灯と共に、アプリケータは、真空パルスシーケンスを開始し得る。さらなる局面では、アプリケータは、低バッテリ表示およびエラー表示をさらに備え得る。
【0105】
一局面では、ユーザは、フィラメント配列を包囲する接着剤を保護する解放ライナーを除去し、適切な皮膚部位にアプリケータを置き、真空ポンプは、例えば、限定的な意味でなく、約10インチHgの真空のような公称真空が達成されるまで、拍動を続ける。真空回路の例示的概略図が図29に示される。いったん適度な真空シールが確立されると、アプリケータは、少なくとも1つの電流パルスをフィラメント配列に送るように構成され得る。本明細書で記述されるように、フィラメントは、皮膚にエネルギーの熱パルスを提供し、それは皮膚に微小孔を生成する。本明細書で例示的に図示されるように、次いで、ユーザが、アプリケータおよび基材を除去し、皮膚の微小孔を開けられた部分上に位置合わせされたパッチを折り重ねる。
【0106】
一例示的実施形態において、および図25に示されるように、アプリケータの電子機器は、コントローラすなわちマイクロプロセッサ制御回路と、アプリケータ電力送達回路との、2つの機能ブロックに例示的に分割され得る。一局面では、フィラメント配列は、例えば、これに限定するものではないが、数ミリ秒間に約120アンペアを必要とし得る。しかしながら、他の電流レベルが随意に選択され得ることが意図される。例えば、当業者であれば理解するように、フィラメント配列サイズおよび使用特性に応じて、電流送達動作点は、フィラメント配列に送達される有効なエネルギーを調節するために、パルス幅変調を利用し得る。一局面では、ピーク電流送達は、皮膚に印加されたときのフィラメント配列のウォームアップ時間に影響を及ぼし得る。その結果として、制御された電流送達と合わせたパルス時間の全体的効果が使用され得る。さらなる局面では、アプリケータが指定されたフィラメント配列サイズを認識し、開放電気接点に起因する接点の組み合わせを拒絶することを確実にするために、付加的な「モード」接点が追加され得る。
【0107】
一実施形態において、および図25に図示される回路図を参照して、定電流モードのバックコンバータが利用され得る。バッファコンデンサが、電流源エネルギーを貯蔵し、ハーフブリッジ変圧機能に供給する。この局面では、変圧器の2次コイルは、フィラメント配列回路にエネルギーを提供するように構成される。当業者であれば、例示された制御ブロックは市販の集積回路であり、回路全体はマイクロプロセッサの制御下で有効となることを理解する。例示された回路は、例えば、切替バンクを含む、いくつかの可能なフィラメント配列回路を支援する。
【0108】
ここで、図26を参照して、例示的な電力回路の概略図が図示される。前述のように、エネルギーは、まず、少なくとも1つのフラッシュコンデンサに、高電圧として格納され得る。いったんコンデンサ(単数または複数)が所望の電圧に到達すると、高電流穿孔シーケンスが開始し得る。一局面では、定電流源が、高電圧コンデンサから定常電流を引き出し、このエネルギーを、少なくとも1つの順次のバッファコンデンサに一時的に貯蔵する。別の局面では、次いで、ハーフブリッジ切替モードコンバータが、インピーダンス整合機能を実行し、高電圧で中間電流のエネルギーを、フィラメント配列を駆動するために適した、非常に高電流で低電圧のエネルギーに変換する。一実施例において、限定的な意味でなく、2次電流は、約5〜10ボルトの間で約120アンペアであり得る。
【0109】
さらなる局面において、および当業者であれば理解するように、電源、調節および分配方法が必要とされる。アプリケータ20では、必要な内部エネルギーの全ては、ユーザによって容易に交換される、2個の3ボルトリチウムバッテリによって供給され得ることが意図される。
【0110】
前述のように、アプリケータ20は、アプリケータのインターフェースへの基材の「挿入」が、アプリケータのマイクロプロセッサを「起動する」ように構成され得る。続いて、アプリケータは、3.3ボルト調節器をラッチアップし得る。この局面では、アプリケータがその意図された目的を果たしたときに、または代替案として、アプリケータがアイドル状態であることをソフトウェア生成タイムアウトが指示する場合には、マイクロプロセッサは、この制御回路をアンラッチする。随意で、例えば、これに限定的するものではないが、バッテリ切れおよび/またはソフトウェアチェックサム障害のような、特定のエラー状態がまた、ユニットを停止させるエラーをもたらし得る。
【0111】
マイクロプロセッサのブロック図の例示的概略図が図28に示される。マイクロプロセッサは、これに限定するものではないが、内部電力制御、ユーザインターフェース(ボタン、ライト、および警報器)、アプリケータ電力制御、真空、開発インターフェース、製造インターフェース、および診断のような、いくつかの機能を例示的に支援する。アプリケータ駆動ソフトウェアは、多くのシステムインターフェースを支援するように構成され、アプリケータ(ハードウェアおよびソフトウェアを含む)と外部機能との間の相互作用を定義する。さらなる局面では、アプリケータは、(フィードバック回路を介して)印加電力を監視するように構成され得、印加エネルギー、すなわち、印加されたパルスの変調をリアルタイムで調整する。この局面は、フィラメント配列の電気インピーダンスの変動を調整する。
【0112】
識別されたシステムインターフェースは、これに限定するものではないが、機能試験、プログラミングインターフェース、およびユーザインターフェースを備え得る。一局面では、機能試験は、シリアルインターフェースが取り付けられ、有効化され、開始される場合に実行される。試験は起動診断後に、試験ユーザが開始を要求したときに開始する。一実施例では、機能試験は、機能試験の結果を示すために警報器を利用し得、音の周波数は、1(高周波数音)または0(低周波数音)を示し、バイナリフォーマットの位置依存性は、特定のモジュール試験の合格/不合格結果を識別する。結果コードがまた、シリアルインターフェースを通じて表示される。特定の試験モジュールの詳細および場所値依存性は、後に説明される。不合格を示す任意の機能試験モジュール結果に対して、ユニットは、試験コードを点滅しながら、FT不合格音を生成する。全ての機能試験モジュールが合格した場合には、プロセッサ制御LEDが何度も点滅し、その一方で、ユニットはFT合格音シーケンス(4つの高周波数音)を生成する。機能試験モジュールは、以下の試験を含み得る。
【0113】
1.タイマ試験−タイマが進行していることを検証することによって、タイマ機能をチェックする。
【0114】
2.メモリ試験−メモリの中の選択された場所で書き込みおよび読み取りを行うことによって、メモリ機能を検証する。
【0115】
3.充電試験−1秒以内にシステムを100Vまで充電することによって、充電機能を検証する。
【0116】
4.真空システム試験−起動を開始するための真空閾値に到達できることを検証する。
【0117】
5.ADC試験−AVREFを読み取ることによって、ADC回路の機能および3.3V供給を検証する。結果は、2.5ボルトの5%以内であるべきである。
【0118】
6.PWM試験−プログラムされた音の完了をチェックすることによって、PWMの機能を検証する。
【0119】
7.バッテリ試験−AVREF電圧が2.25〜3.35ボルトの間にあり、バッテリ電圧が5.8〜7.0ボルトの範囲内にあることを確認することによって、バッテリチェック回路を検証する。
【0120】
8.監視試験−エラーコードを機能試験モードに設定し、タイムアウトを可能にすることによって、監視タイマを検証する。
【0121】
9.パラメータ試験−パラメータ値が2次の場所に適合することを検証する。
【0122】
10.チェックサム試験−生成された16ビットチェックサムを保存値と比較することによって、プログラムの完全性を検証する。
【0123】
11.CLK試験は、CLK1において1ミリ秒パルスを生成し、続いて、CLK2において1ミリ秒パルスを生成する。試験の検証は、最終組み立ての前に行われる。
【0124】
12.制御および状態信号ループバック試験−ループバック試験モードである場合に、主要から2次までの制御および状態信号の機能を検証する。
【0125】
マイクロプロセッサは、内部フラッシュメモリをプログラムするために、2ワイヤインターフェースを例示的に使用し得る。一局面では、インターフェースは、マイクロプロセッサがプログラミングインターフェースを感知すると、アクティブになる。当業者であれば、プログラミングインターフェースがアクティブであるときに、プロセッサは、プログラミングインターフェースの制御下にあることを理解する。
【0126】
一実施例では、アプリケータユーザインターフェースは、複数のプロセッサ制御LED、ハードウェア制御LED、多重音スピーカ、および電源/起動ボタンを備え得る。プロセッサ制御LEDは、バッテリ状態、エラー状態、および/または起動準備状態を示すように構成され得る。一局面では、1つのスペアのプロセッサ制御LEDがあり得る。この局面では、ハードウェア制御LEDは、システム電力状態を示すように構成され得る。警報器は、エラー、良好イベント、不良イベント、および/または情報イベントを表すために使用され得る。
【0127】
さらなる局面では、アプリケータ機能は、モジュールアプローチを助長するようにタスクに分割され得る、制御ソフトウェアを通じて例示的に実施され得る。例えば、タスクは以下のように分割され得る。
【0128】
メイン−ソフトウェアエントリポイントおよびトップレベルタスクシーケンス
初期化−デバイス初期化および起動診断
監視−起動に備えてデバイスを準備する
起動−有効な起動状態をチェックし、ポレータへのエネルギーの送達を制御する
停止−エラー状態を更新し、デバイスの電源を切る
アプリケータソフトウェアは、例えば、これに限定するものではないが、ユーザインターフェース(UI)、機能試験、エラーハンドラ、アナログデジタル変換(ADC)、タイマ、ポートI/O、および/またはプログラマブルカウンタ(PCA)のような、ハードウェアおよび内部機能にインターフェース接続する付加的なモジュラーユニットを含有し得る。
【0129】
図30は、アプリケータのソフトウェアの例示的なトップレベルの挙動の流れ図を図式的に図示する。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、米国仮特許出願第60/886,039号(2007年1月22日出願)に対する優先権を主張し、かつ、米国特許出願第10/384,763号(2003年3月11日出願)の一部継続出願であり、該米国特許出願はまた、米国仮特許出願第60/363,022号(2002年3月11日出願)に対する優先権を主張する。これらの出願は、全体として本明細書において参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、被験体の皮膚を経由する薬剤または他の透過物の経皮的送達のためのシステムおよび方法に関する。より具体的には、本発明は、被験体の生体膜の小径穴または穿孔または微小孔の生成、および引き続いての、形成された微小孔を介した薬剤または他の透過物の経皮的送達のための、システムならびに方法に関する。
【背景技術】
【0003】
角質層は、主に皮膚の障壁特性に関与する。したがって、薬剤または他の分子の体内への、および検体の体外への経皮的流動に対する最大の障壁を提示するのは、この層である。皮膚の外側の硬い層である角質層は、脂質領域によって分離される小型角化細胞残余物の複雑構造である。口腔または胃粘膜と比較して、角質層は、体外または体内のいずれの分子に対しても、透過性がはるかに低い。角質層は、ケラチン生成細胞から形成され、ケラチン生成細胞は、核を失って角質細胞になる表皮細胞の大部分を備える。これらの死細胞は、角質層を備え、それはわずか約10〜30ミクロンの厚さを有し、外因性物質による侵入、および内因性流体および溶質分子の体外流出から身体を保護する。角質層は、落屑中の角質層細胞の脱落、および角質化過程による新しい角質層細胞の形成によって、継続的に更新される。歴史的には、薬剤の大部分は、経口で、または注射によって送達されてきた。しかしながら、経口経路または注射経路のいずれもが、長期間にわたる薬剤の継続的送達には十分に適していない。さらに投与の注射方法は、不便かつ不快であり、加えて針は、使用後に危険をもたらし続ける。したがって、身体への経皮的薬剤送達が、生体に限定数の透過物を送達するための好評かつ有効な方法となっている。
【0004】
経皮的薬剤送達を増進するために、薬剤に対する皮膚の透過性を増加させるための公知の方法がある。例えば、特許文献1は、生体膜に1つ以上の微小孔を形成する熱マイクロポレーション技術およびデバイス、ならびに身体からの検体の体外への流動および薬剤の体内への送達を選択的に増進するための方法を対象としている。2000年1月27に公開された特許文献2は、誘起されると制御された様式で爆発し、その結果として、微小な爆発が生体膜に所望の深度および直径の人工開口部を生成する火工品要素を使用して、生体膜の選択域に人工開口部を生成するための方法および装置を対象としている。1998年7月9日に公開された特許文献3は、マイクロポレーション、および音響的エネルギー、電磁的エネルギー、機械的エネルギー、熱エネルギー、または化学的増進剤のような増進剤を使用して、動物の皮膚のような生体膜の透過性を増進する方法を開示している。マイクロポレーションを使用する送達または監視のための方法および装置はまた、1999年9月10日に公開された特許文献4、特許文献5、1999年9月10日に公開された特許文献6、1999年9月10日に公開された特許文献7、1999年9月10日に公開された特許文献8、2000年2月3日に公開された特許文献9、2000年2月3日に公開された特許文献10、および2000年3月23日に公開された特許文献11にも記載されている。出願人は、上記のような、本明細書で参照される全ての出版物、特許、および特許出願が、全体として本明細書において参考として援用されることを指摘する。
【0005】
例えば、薬剤、生物活性組成物、および同等物のような透過物の経皮的送達のための、改良された方法およびデバイスに対するニーズが依然として存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,885,211号明細書
【特許文献2】国際公開第00/03758号パンフレット
【特許文献3】国際公開第98/29134号パンフレット
【特許文献4】国際公開第99/44637号パンフレット
【特許文献5】米国特許第6,022,316号明細書
【特許文献6】国際公開第99/44508号パンフレット
【特許文献7】国際公開第99/44507号パンフレット
【特許文献8】国際公開第99/44638号パンフレット
【特許文献9】国際公開第00/04832号パンフレット
【特許文献10】国際公開第00/04821号パンフレット
【特許文献11】国際公開第00/15102号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に従って、被験体の組織膜の中への少なくとも1つの透過物の、経皮的透過物送達のためのシステムおよび方法が提供される。一局面では、経皮的透過物送達システムは、使い捨て基材と、第1の解放ライナーと、第1の解放ライナーの頂面から選択的に取り外し可能なパッチとを備える。基材は、被験体の組織膜に微小孔を生成するために構成される、穿孔域を画定する。別の局面では、第1の解放ライナーの底面の少なくとも一部分が、基材の上部基材表面に接続される。さらなる例示的局面では、パッチは、裏地層と、裏地層の下面の一部分の上に取り付けられる貯蔵部(reservoir)とを備え、貯蔵部は、少なくとも1つの透過物を解放可能に含有するように構成される。パッチが第1の解放ライナーに取り付けられる、接続された位置において、裏地層の第1の部分が、基材の穿孔域から離れた位置で、第1の解放ライナーの頂面に解放可能に取り付けられる。別の局面では、裏地層の第2の部分が、パッチが接続された位置にあるときに、折り畳み位置に折り目に関して折り畳まれ、その結果として、裏地層の第2の部分の下面が、基材の上部基材表面から離れて外側を向く。
【0008】
図面および好適な実施形態の詳細な説明を参照して、他の装置、方法、および局面、ならびに本発明の利点が議論される。
【0009】
本明細書に組み込まれ、かつその一部を構成する添付図面は、以下に記載されるいくつかの局面を図示し、解説とともに、本発明の原理を説明するために役立つ。同じ番号は、図面全体を通して同じ要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、経皮的透過物送達システムの斜視図であり、使い捨て基材の一実施形態の上に取り付けられた、本発明の経皮的パッチの第1の実施形態を示す。
【図2】図2は、本発明のアプリケータの例示的実施形態の斜視図である。
【図3】図3は、図2のアプリケータに解放可能に接続された、図1の送達システムの斜視図である。
【図4】図4は、図1の経皮的パッチの第1の実施形態の分解図である。
【図5】図5は、本発明の経皮的パッチの第2の実施形態の分解図である。
【図6】図6は、本発明の経皮的パッチの第3の実施形態の分解図である。
【図7】図7は、経皮的送達システムの基材の実施形態の分解図であり、上部基材表面から外側に延在する隆起部を示す。
【図8】図8は、図7の基材の上面図である。
【図9】図9は、図8の基材の底面図である。
【図10】図10は、フィラメント配列の一実施形態の上面図である。
【図11】図11は、図10の線11に従って得られた、フィラメント配列の拡大断面図である。
【図12】図12は、図10のフィラメント配列の斜視図である。
【図13】図13は、図12の線13に従って得られたフィラメントの断面図である。
【図14A】図14A〜図14Cは、例示的な平衡フィラメント配列の概略図である。
【図14B】図14A〜図14Cは、例示的な平衡フィラメント配列の概略図である。
【図14C】図14A〜図14Cは、例示的な平衡フィラメント配列の概略図である。
【図15】図15は、組織膜に微小孔を形成するための例示的手段の、概略部分断面図である。
【図16】図16は、図15の組織膜に微小孔を形成するための手段の、電極アセンブリの概略図である。
【図17】図17は、被験体の皮膚の穿孔に先立って被験体の皮膚に接続された状態で示された、図1の経皮的透過物送達システムの概略斜視図である。
【図18】図18は、被験体の皮膚の穿孔後に経皮的透過物送達システムの一部分から経皮的パッチが分離された状態を示す、経皮的透過物送達システムの概略斜視図である。
【図19】図19は、被験体の皮膚の穿孔域の位置に配置された、経皮的パッチの概略斜視図である。
【図20】図20は、本発明の経皮的パッチの第4の実施形態の分解図である。
【図21】図21は、本発明の経皮的パッチの第5の実施形態の分解図である。
【図22】図22は、被験体の皮膚の穿孔後に経皮的透過物送達システムの一部分から経皮的パッチが分離された状態を示す、図21の経皮的透過物送達システムの概略斜視図である。
【図23】図23は、パッチの貯蔵部が形成された微小孔の位置に折り畳まれた後の経皮的パッチを示す、経皮的透過物送達システムの概略斜視図である。
【図24】図24は、経皮的透過物送達システムの取り外し可能な部分が、経皮的パッチから分離される状態を示す、経皮的透過物送達システムの概略斜視図である。
【図25】図25は、アプリケータ回路の例示的概略図を示す。
【図26】図26は、アプリケータのための例示的電力回路の例示的概略図を示す。
【図27】図27は、バイアス電力のブロック図の例示的概略図を示す。
【図28】図28は、マイクロプロセッサのブロック図の例示的概略図を示す。
【図29】図29は、真空回路のブロック図の例示的概略図を示す。
【図30】図30は、アプリケータの例示的なトップレベル挙動の流れ図を概略的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、以下の詳細な説明、実施例、図面、および請求項、ならびにそれらの以前および以下の説明を参照することによって、容易に理解され得る。しかしながら、本デバイス、システム、および/または方法を開示および説明する前に、本発明は、特に指定されない限り、特定のデバイス、システム、および/または方法に限定されないことが理解されるべきである。また、本明細書で使用される用語は、特定の局面を説明する目的のみのためであり、限定的であることを意図しないことが理解されるべきである。
【0012】
以下の本発明の説明は、その最善で現在知られている実施形態の形で、本発明の有効な教示として提供される。この目的のために、当業者であれば、本発明の有益な結果を依然として得ながら、本明細書に記載される本発明の種々の局面に対して多くの変更がなされ得ることを認識および理解する。また、他の特徴を利用することなく、本発明の一部の特徴を選択することによって、本発明の一部の所望の効果が得られることは明白である。故に、当業者であれば、本発明に対する多くの修正および適合が可能であり、それが、ある状況においては望ましくさえあり得て、かつ本発明の一部であることを認識する。したがって、以下の説明は、本発明の原理を例示するものとして提供され、それを限定するものとしてではない。
【0013】
全体を通して使用される、「1つの(a,an)」および「その(the)」の単数形は、文脈が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「1つのフィラメント(a filament)」の言及は、文脈が特に指示しない限り、2つ以上のそのようなフィラメントを含み得る。
【0014】
本明細書では、「約」1つの特定値から、および/または「約」別の特定値までとして、範囲が表現され得る。そのような範囲が表現されるときには、別の局面は、1つの特定値から、および/または他の特定値までを含む。同様に、「約」という先行詞の使用によって、値が近似値として表現されるときには、特定値が別の局面を形成することが理解される。さらに、範囲のそれぞれの終点が、他の終点と関連して、および他の終点とは無関係の両方で、重要であることが理解される。
【0015】
本明細書で使用される、「随意的な」または「随意で」の用語は、引き続いて記載されるイベントまたは状況が、発生し得るか、または発生し得ないことを意味し、その記述は、該イベントまたは状況が発生する事例、および発生しない事例を含む。
【0016】
本明細書で使用される「組織膜」は、被験体の任意の1つ以上の表皮層であり得る。例えば、一局面では、組織膜は、皮膚の最外層、すなわち、角質層を含む皮膚層である。代替的局面では、皮膚層は、一般的に顆粒層、マルピーギ層、および基底層として識別される、表皮の1つ以上の裏地層を含み得る。表皮の裏地層を経由する透過物の輸送または吸収に対して、本質的に抵抗がほとんどないか、または全くないことが、当業者によって理解される。したがって、本発明の一局面では、被験体の皮膚層の中の少なくとも1つの形成された経路は、被験体の角質層の中の経路である。さらに、本明細書で使用される「角質層」は、種々の乾燥段階における細胞の約15から約20までの層から成る、皮膚の最外層を指す。角質層は、体内から外部環境への水分の損失に対する、かつ外部環境から身体の内部への攻撃からの障壁を提供する。なおもさらに、本明細書で使用される「組織膜」は、細胞間物質とともに、構造材料を形成する特定の種類の細胞の凝集体を参照し得る。組織膜の少なくとも1つの表面は、デバイスに対してアクセス可能でなければならない。前述のように、好ましい組織膜は皮膚である。本発明の使用に好適な他の組織は、粘膜組織および軟器官を含む。
【0017】
本明細書で使用される、「皮下流体」の用語は、これに限定するものではないが、水分、血漿、血液、1つ以上のタンパク質、間質液、およびそれらの任意の組み合わせを含み得る。一局面では、本発明の皮下流体は、水を備える水分である。
本明細書で使用されるような、「穿孔(poration)」、「マイクロポレーション(microporation)」、または任意のそのような類似用語は、選択された目的のために、生体膜の一方の側面から他方の側面への少なくとも1つの透過物の通過のために生体膜の障壁特性を減少させるための、組織、皮膚あるいは粘膜のような生体膜、または生体の外層の中の、またはそれを通る、小径穴または割れ目(以降、「微小孔」とも呼ばれる)の形成を意味する。好ましくは、そのように形成される穴または「微小孔」は、直径で約1〜1000ミクロンであり、下層組織に悪影響を及ぼすことなく、角質層の障壁特性を破壊するのに十分に生体膜の中へ延在する。「微小孔」の用語は、単純化のために単数形で使用されるが、本発明のデバイスは、複数の人工開口部を形成し得ることが理解されるべきである。穿孔は、選択された目的のために、または、ある医療または外科的目的のために、体内への生体膜の障壁特性を低減し得る。この用途の目的のために、「穿孔」および「マイクロポレーション」は、互換可能に使用され、同じものを意味する。
【0018】
「マイクロポレータ(microporator)」または「ポレータ(porator)」は、マイクロポレーションが可能なマイクロポレーションデバイスの構成要素である。マイクロポレータまたはポレータの実施例は、これに限定されるものではないが、生体膜との直接接触を介して熱エネルギーを伝導的に送達し、微小孔を形成するのに十分に深く膜の一部のアブレーションを引き起こすことが可能なフィラメント、光学的に加熱される局所染料/吸収剤層、電気機械的アクチュエータ、マイクロランセット、微小針またはランセットの配列、音響エネルギーアブレータ、レーザアブレーションシステム、高圧流体ジェット穿刺器、および同等物を含む。本明細書で使用される「マイクロポレータ」および「ポレータ」は、互換可能に使用される。
【0019】
本明細書で使用される、「貫通増進」または「透過増進」は、薬剤、生物活性組成物、または他の化学分子、化合物、粒子、または物質(「透過物」とも呼ばれる)に対する生体膜の透過性の増加を意味し、すなわち、薬剤、生物活性組成物、または他の化学分子、化合物、または粒子が生体膜を透過する速度を増加させることを意味する。
【0020】
本明細書で使用される、「増進剤」、「化学的増進剤」、「貫通増進剤」、「透過増進剤」、および同等物は、生体膜を通過する透過物、検体、または他の分子の流動を増加させる、全ての増進剤を含み、機能性のみによって限定される。言い換えると、全ての細胞外皮障害化合物および溶媒、ならびに任意の他の化学増進剤が含まれることが意図される。加えて、音響エネルギー、機械的吸引、圧力、または組織の局所的変形、イオン導入、またはエレクトロポレーションの適用などの、全ての活性力増進技術が含まれる。1つ以上の増進技術が、順次にまたは同時に組み合わされ得る。例えば、最初に、毛細血管壁を透過性にするために化学的増進剤が塗布され得、次いで、毛細血管壁を包囲し、それを備える組織の中に透過物を活発に駆動するために、イオン導入または音響エネルギー場が印加され得る。
【0021】
本明細書で使用される「経皮的」は、生体膜の中へ、かつそれを通過する透過物の通過を意味する。
【0022】
本明細書で使用される、「透過物」、「薬剤」、「透過組成物」、または「薬理活性剤」の用語、または任意の他の類似用語は、所望の生物学的または薬理効果を誘発する、当技術分野において以前から公知の方法による、および/または本発明で教示される方法による経皮投与に好適な、任意の化学または生物材料あるいは化合物を参照するために互換可能に使用され、所望の生物学的または薬理効果は、(1)生体に対する予防効果を有し、感染などの望ましくない生物学的効果を予防すること、(2)疾患によって引き起こされる症状を軽減すること、例えば、疼痛または炎症を軽減すること、および/または(3)生体から疾患の軽減、低減、または完全な排除のいずれかを行うことを含み得るが、これに限定されない。効果は、局所麻酔効果を提供するように、局所的であり得、または、全身性であり得る。そのような物質は、皮膚を含む体表面および膜の通過を含んで、体内に通常送達される広い分類の化合物を含む。一般に、例えば、しかし限定的な意味ではなく、そのような物質は、所望の生物学的または薬理効果を誘発する、任意の薬剤、化学材料、または生物材料を含み得る。この目的のために、一局面では、透過物は小分子物質であり得る。別の局面では、透過物は高分子物質であり得る。一般に、限定ではなく、例示的透過物は、抗生物質および抗ウイルス薬のような抗感染薬、鎮痛剤および鎮痛剤の組み合わせ、食欲抑制薬、抗寄生虫薬、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗凝血剤、抗痙攣剤、抗うつ剤、抗糖尿病薬、抗下痢薬、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、抗片頭痛製剤、制嘔吐剤、抗腫瘍薬、抗パーキンソン薬、かゆみ止め薬、抗精神病薬、解熱剤、鎮痙剤、抗コリン剤、交感神経様作用薬、キサンチン誘導体、カリウムおよびカルシウムチャネル遮断薬、ベータ遮断薬、アルファ遮断薬、および抗不整脈剤を含む心血管製剤、降圧剤、利尿薬および抗利尿薬、一般的冠状動脈、末梢血管、および脳血管を含む血管拡張剤、中枢神経系刺激薬、血管収縮剤、充血除去剤を含む咳および感冒薬、エストラジオールおよびコルチコステロイドを含む他のステロイドなどのホルモン、睡眠薬、免疫抑制薬、筋弛緩剤、副交感神経遮断薬、神経刺激薬、鎮静剤、および精神安定剤を含むが、これらに限定されない。
【0023】
本発明のデバイスおよび方法はまた、それらのサイズのために、既存の従来技術では皮膚を通過して運搬することが困難であることが知られている、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、または他の高分子を、経皮的に送達するために使用され得る。これらの高分子物質は、典型的には、少なくとも約300ダルトンの、より典型的には、約300〜40,000ダルトンの範囲の分子量を有する。本発明にしたがって送達され得る、ポリペプチドおよびタンパク質の実施例は、これに限定されるものではないが、抗体、LHRH、LHRH類似体(ゴセレリン、ロイプロリド、ブセレリン、トリプトレリン、ゴナドレリン、ナファレリン、およびロイプロリドなど)、GHRH、GHRF、インスリン、インスリノトロピン、カルシトニン、オクトレオチド、エンドルフィン、TRH、NT−36(化学名:N−[[(s)−4−オキソ−2−ゼチジニル]−カルボニル]−L−ヒスチジル−L−プロリンアミド)、リプレシン、下垂体ホルモン(例えば、HGH、HMG、HCG、酢酸デスモプレシン、など)、卵胞ルテオイド、アルファANF、解放因子などの成長因子(GFRF)、ベータMSH、GH、ソマトスタチン、ブラジキニン、ソマトトロピン、血小板由来成長因子、アスパラギナーゼ、硫酸ブレオマイシン、キモパパイン、コレシストキニン、絨毛性ゴナドトロピン、コルチコトロピン(ACTH)、エリスロポエチン、エポプロステノール(血小板凝集阻害剤)、グルカゴン、ヒルジンおよびヒルログなどのヒルジン類似体、ヒアルロニダーゼ、インターロイキン−2、メノトロピン(ウロフォリトロピン(FHS)およびLH)、オキシトシン、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノゲン活性化剤、ウロキナーゼ、バソプレシン、デスモプレシン、ACTH類似体、ANP、ANP間隙阻害剤、アンギオテンシンII拮抗薬、抗利尿ホルモン作動薬、抗利尿ホルモン拮抗薬、ブラジキニン拮抗薬、CD4、セレダーセ、CSI、エンケファリン、FAB断片、IgEペプチド抑制剤、IGF−1、神経栄養因子、コロニー刺激因子、副甲状腺ホルモンおよび作動薬、副甲状腺ホルモン拮抗薬、プロスタグランジン拮抗薬、サイトカイン、リンフォカイン、ペンチゲチド、タンパク質C、タンパク質S、レニン阻害剤、サイモシンアルファ−1、血栓溶解剤、TNF、GCSF、EPO、PTH、3000〜12,000ダルトンの分子量を有するヘパリン、ワクチン、バソプレシン拮抗薬類似体、インターフェロン−アルファ、ベータ、およびガンマ、アルファ−1アンチトリプシン(組換型)、およびTGF−ベータ遺伝子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、核酸、および多糖類を含む。
【0024】
さらに、本明細書で使用される「ペプチド」は、任意の長さのペプチドを意味し、タンパク質を含む。「ポリペプチド」および「オリゴペプチド」の用語は、特定のサイズが特に記述されない限り、特定の意図されたサイズ制限なしで、本明細書で使用される。利用され得る例示的なペプチドは、これに限定するものではないが、オキシトシン、バソプレシン、副腎皮質刺激ホルモン、上皮成長因子、プロラクチン、ルリベリンまたは黄体形成ホルモン解放ホルモン、成長ホルモン、成長ホルモン解放因子、インスリン、ソマトスタチン、グルカゴン、インターフェロン、ガストリン、テトラガストリン、ペンタガストリン、ウロガストリン、セクレチン、カルシトニン、エンケファリン、エンドルフィン、アンギオテンシン、レニン、ブラジキニン、バシトラシン、ポリミキシン、コリスチン、チロシジン、グラミシジン、および合成類似体、それらの修飾体および薬理活性断片、モノクローナル抗体および可溶性ワクチンを含む。利用され得るペプチドまたはタンパク質薬剤に対する唯一の制限は、機能性の制限であることが意図される。
【0025】
1つ以上のアミノ基を含有するペプチドまたはタンパク質薬剤の実施例は、これに限定するものではないが、抗癌剤、抗生物質、制嘔吐剤、抗ウイルス薬、抗炎症および鎮痛剤、麻酔薬、抗潰瘍薬、高血圧を治療するための薬剤、高カルシウム血症を治療するための薬剤、高脂血症を治療するための薬剤、などを含み、そのそれぞれは、分子中に少なくとも1つの第1級、第2級、または第3級アミン基を有し、好ましくは、インスリン、カルシトニン、成長ホルモン、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、エリスロポエチン(EPO)、骨形態形成タンパク質(BMP)、インターフェロン、インターロイキン、血小板由来成長因子(PDGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、神経成長因子(NGF)、ウロキナーゼ、などのようなペプチド、タンパク質、または酵素が挙げられ得る。タンパク質薬剤のさらなる実施例は、これに限定するものではないが、インスリン、アルファ、ベータ、およびガンマ−インターフェロン、ヒト成長ホルモン、アルファおよびベータ−1形質転換成長因子、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(G−MCSF)、副甲状腺ホルモン(PTH)、ヒトまたはサケカルシトニン、グルカゴン、ソマトスタチン、血管活性腸管ペプチド(VIP)、およびLHRH類似体を含む。
【0026】
本明細書で使用される、薬理活性剤の「有効」量は、任意の医療的治療に伴うリーズナブルな有益性/危険性の比率のもとで、所望の局所的または全身性効果および性能を提供するのに十分な量を意味する。本明細書で使用される、透過または化学増進剤の「有効」量は、生体膜透過性の所望の増加、所望の貫通深度、投与速度、および送達される薬剤の量を提供するために選択される量を意味する。
【0027】
本発明の実施形態が、本発明の一実施形態による方法、装置(すなわち、システム)、およびコンピュータプログラム製品のブロック図および流れ図を参照して、以下に記述される。ブロック図および流れ図の各ブロック、ならびにブロック図および流れ図のブロックの組み合わせは、それぞれ、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または機械を製造するための他のプログラム可能なデータ処理装置上に搭載され得、その結果として、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上で実行する命令は、流れ図の1つまたは複数のブロックの特定の機能を実装するための手段を生成する。
【0028】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読メモリに記憶され得、それは、特定の方式で機能するようにコンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に命令し得、その結果として、コンピュータ可読メモリに記憶された命令は、流れ図の1つまたは複数のブロックの特定の機能を実装するためのコンピュータ可読命令を含む製品を生産する。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上に搭載され得、一連の動作ステップをコンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行させて、コンピュータ実装プロセスを生成させ、その結果として、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行する命令は、流れ図の1つまたは複数のブロックの特定の機能を実装するためのステップを提供する。
【0029】
故に、ブロック図および流れ図のブロックは、特定の機能を実施するための手段の組み合わせ、特定の機能を実施するためのステップの組み合わせ、および特定の機能を実施するためのプログラム命令手段を支援する。また、ブロック図および流れ図の各ブロック、ならびにブロック図および流れ図のブロックの組み合わせは、特定の機能またはステップを実施する専用ハードウェアを用いたコンピュータシステムによって、または専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせによって、実装され得ることが理解される。
【0030】
図面を参照すると、経皮的透過物送達システムに対する本発明は、例えば、限定的な意味でなく、ヒト皮膚の角質層のような被験体の生体膜に、直径で約1ミクロン〜約1000ミクロンの微視的な穴、すなわち、微小孔を無痛で生成するためのシステムおよび方法を備える。システムは、角質層の障壁機能を排除するための急速かつ無痛の方法を可能にし、治療的物質が穿孔部位に局所的に塗布されたときに、治療的物質の形成された微小孔を介した体内への経皮的輸送を促進する。
【0031】
一実施形態では、経皮的過物送達システム10は、アプリケータ20と、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段の一部分を備える基材40と、少なくとも1つの透過物を含有するように構成される位置合わせ可能なパッチ100とを備える。一局面では、アプリケータ20は、内部空洞24および少なくとも1つの微小孔を形成するための手段の一部分を画定する、本体22を備える。この例示的局面では、アプリケータ20の少なくとも1つの微小孔を形成するための手段の一部分は、例えば、電気回路などの駆動電子機器と、例えば、バッテリなどの電源とを備える、コントローラ26を備え得る。この局面では、コントローラ26は、本体の内部空洞内に配置される。例示的局面では、コントローラは、ユーザコマンドに応じて少なくとも1つの微小孔の形成を開始するように、基材40の中に配置される少なくとも1つの微小孔を形成するための手段に、刺激を提供するように構成される。代替的局面では、アクチュエータボタン28がシステムのユーザによって作動されると、刺激は、例えば、限定的は意味でなく、パルス電流、RFパルス、および同等物のような駆動電流を備え得る。随意で、コントローラ26は、アクチュエータボタンが押圧されると、熱パルスを提供するように構成される。
【0032】
さらなる局面では、アプリケータ20は、基材40をしっかりと、かつ解放可能に取り付けるように構成される、インターフェース30を備える。アプリケータのインターフェースは、基材がインターフェースに取り付けられるときに、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段のそれぞれの部分と電気的に接続する、陽極31および陰極32を備え得る。一局面では、陽極および陰極は、アプリケータのインターフェース30から外側に延在する。随意で、陽極および陰極は、アプリケータのインターフェースから延在して2つの露出電極を形成する、ピンであり得る。
【0033】
別の局面では、アプリケータ20は、例えば、真空ポンプのような真空源33をさらに備え得る。この局面では、インターフェース30は、真空源と接続する第1のポート34を画定することが意図される。さらに、アプリケータ20のインターフェース30は、インターフェースの第1のポートの周囲に取り付けられるガスケット36を備え得る。随意で、インターフェースは、真空センサ37と接続する第2のポート35を画定し得る。この局面では、それぞれ第1および第2のポートは、ガスケットによって包囲されることが意図される。
【0034】
システムの基材40は、上部基材表面42と、下部基材表面44と、画定された穿孔域46とを備え得る。一局面では、穿孔域は、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段の少なくとも一部分がその上に配置される、上部基材表面42上の領域を画定する。したがって、動作中、本発明のシステムによって形成される微小孔は、基材の穿孔域の下にある組織膜の部分に限定される。
【0035】
一局面では、基材40は、基材の周辺縁部分50から外側に延在する、少なくとも1つの雄型タブ46を有し得る。さらに、基材の周辺縁の一部分は、少なくとも1つのバイアス要素52を備え得る。一例示的局面では、少なくとも1つのバイアス要素52は、概ね基材の平面内で連接するように配置される、少なくとも1つの部分的板バネ部材52’、52”を備える。随意で、少なくとも1つの雄型タブは、概ね一対のバイアス要素の間に位置するように、基材の周辺縁上に配置され得る。さらなる局面では、基材は、概ね少なくとも1つのバイアス要素とは反対に、および随意で、概ね少なくとも1つの雄型タブ46とは反対に配置される、開口部54を画定する。この局面では、アプリケータ20のインターフェース30は、基材の少なくとも1つのバイアス要素および少なくとも1つの雄型タブそれぞれを、動作可能に係合するように構成される、縁部38および少なくとも1つのスロット39を備える。さらなる局面では、インターフェース30は、インターフェースの面から外側に延在する雄型指部41を備える。この局面では、雄型指部は、概ね少なくとも1つのスロット39とは反対に配置され得る。当業者であれば、基材40の少なくとも1つのバイアス要素52、少なくとも1つの雄型タブ46、および開口部54と、インターフェースの縁部38、少なくとも1つのスロット39、および雄型指部41との間の協同関係が、アプリケータのインターフェースに基材を容易に取り付けかつ除去するユーザの能力を助長することを理解する。
【0036】
さらなる局面では、基材40は、下部および上部基材表面の間に延在する導管56を画定する。この局面では、導管の開放端58は、基材の上部基材表面42上に形成される穿孔域46上に画定される。別の局面では、基材40は、上部基材表面42上に少なくとも1つのチャネル60を画定する。少なくとも1つのチャネルは、基材の穿孔域の中に形成されることが意図される。この局面では、少なくとも1つのチャネル60は、導管と流体接続する。基材40がインターフェース30に取り付けられると、下部基材表面44上に画定される導管の開放端59は、インターフェースのポート34と流体的に接続して配置されるように構成される。1つの動作局面において、および当業者であれば理解するように、ガスケット36は、真空源33が作動されたときに、アプリケータ20の第1および第2のポートそれぞれと、基材の導管56との間の流体シールを形成するのに役立つ。
【0037】
随意で、基材40は、一実施形態では、概ね上部基材表面から外側に延在する、上部基材表面42上に画定される隆起部41を備え得る。一局面では、隆起部は、基材の穿孔域の少なくとも一部分の周囲に延在する。さらなる例示的局面では、隆起部は連続的であり、穿孔域を実質的に包囲する。使用中、真空源が作動され導管およびチャネルを介して穿孔域に接続されると、例示的隆起部は、生体膜と基材との間に形成されるシール部材の役割を果たし得る。したがって、隆起部は、生体膜を、穿孔域の中に配置される少なくとも1つの微小孔を形成するための手段と、実質的に整合するように接触させるために必要とされる真空の量を最小化するのに役立ち得る。
【0038】
さらなる局面では、基材40は、随意で、上部基材表面の一部分の上に、基材の周辺縁の一部分から基材の穿孔域に向かって内側に延在する、雌型陥凹部48を画定し得る。この局面では、上部基材表面における雌型陥凹部の縁は、隆起部41を形成し得る。随意で、雌型陥凹部48の隆起部41の少なくとも一部分は、基材の穿孔域46から所定の距離だけ離れて位置し得る。別の局面では、雌型陥凹部は、実質的に平面であり得る。
【0039】
代替的局面では、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段は、例えば、限定的な意味でなく、ワイヤ導体、堆積導電材料、機械加工導電材料、レーザ導電材料、接着フォイル、電気めっき材料、スクリーン印刷材料、およびエッチング加工導電材料、および同等物を備え得る、少なくとも1つのフィラメントを備える。さらなる局面では、少なくとも1つのフィラメントは、複数のフィラメントを有するフィラメント配列を備え得る。本発明のシステムでの使用に好適なフィラメント配列を形成するための種々の方法論が、Eppsteinらに対する米国特許第6,692,456号および第7,141,034号に記載されており、これらの特許の全ては、全体として本明細書において参考として援用される。
【0040】
随意で、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段は、例えば、限定的な意味でなく、Eppsteinらに対する米国特許第5,885,211号、Eppsteinらに対する米国特許第6,527,716号、および係属中の米国特許出願公開第11/081,448号(これらの全てが、全体として本明細書において参考として援用される)に記載されているような、組織生体膜への直接接触を介して熱エネルギーを伝導的に送達し、微小孔を形成するのに十分に深い、その膜のある部分のアブレーションを引き起こすことが可能なフィラメント、組織膜への直接接触を介して電気エネルギーを送達し、その膜のある部分のアブレーションを引き起こして微小孔を形成することが可能なプローブ要素、電気機械的アプリケータ、マイクロランセット、微小針またはランセットの配列、音響エネルギーアブレータ、レーザアブレーションシステム、および高圧流体ジェット穿刺器を備え得る。
【0041】
さらなる例示的局面において、および図10〜図14Cに示されるように、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段は、その中に形成された複数のフィラメント72を有する、フィラメント配列70を備える。この局面では、各フィラメント72は、組織生体膜への直接接触を介して熱エネルギーを伝導的に送達し、微小孔を形成するのに十分に深い、その膜のある部分のアブレーションを引き起こすように構成される。
【0042】
一例示的局面では、フィラメント配列70は、上部基材表面42の一部分に取り付けられる。随意で、接着剤層73は、上部基材表面の一部分に取り付けられ得、フィラメント配列の電気的に絶縁された部分の取り付けを可能にするように構成され、すなわち、接着剤層73は上部基材表面と、フィラメント配列の電気的に絶縁された部分の複数部分との間に挟入される。この局面では、接着剤層73は、基材がアプリケータに接続されるときに、陽極31および陰極32の通過を可能にするように構成される、一対の開口部を画定することが意図される。動作中、接着剤層73は、フィラメント配列のそれぞれの電気的に絶縁された部分の底面の一部分、および上部基材表面の一部分に接続される。この接続は、真空が基材に供給されるときに、下部基材表面から延在する基材のポート45(下記でさらに詳細に説明される)を通して生じる可能性のある、真空損失を最小化するように構成される。
【0043】
別の局面では、基材40は、穿孔域46の中のフィラメント配列の一部分が露出されるように、フィラメント配列の頂面71の少なくとも一部分に取り付き、かつその上に重なるように構成される、裏地74をさらに備え得る。この局面では、フィラメント72は、身体組織と密接に接触し得るように露出される。別の局面では、裏地74は、フィラメント配列の複数部分を電気的に絶縁するように作用し得る。さらなる局面では、基材は、裏地とフィラメント配列との間に配置される接着剤層76を備え得る。
【0044】
別の例示的局面では、フィラメント配列は、基材に実質的に封入される。しかしながら、この局面では、穿孔域の中のフィラメント配列の一部分が露出されることを理解する。前述のように、フィラメントは、身体組織と密接に接触し得るように露出される。
【0045】
さらなる局面では、フィラメント配列70は、例えば、限定的な意味でなく、導電層82および抵抗層84を備える二重クラッドフォイル80であり得る。一局面では、二重クラッドフォイルが形成される材料は、例えば、これに限定されるものではないが、アルミニウム、銅、銀、金、炭素、青銅、疑似青銅、または同等物のような導電材料、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、クロム、炭素化合物、タングステン、マンガン、ニクロム、ニッケル、白金、エバノーム、ポリシリコン、ステンレス鋼、または同等物のような抵抗材料を備え得る。一例示的局面では、二重クラッドフォイル80は、銅の導電層と、ステンレス鋼の下位抵抗層とを備える。
【0046】
一例示的局面では、フィラメント配列70は、光化学ウェットエッチングプロセスによって形成され得、このプロセスでは、エッチレジスト、例えば、限定的な意味でなく、正または負の作用液体、ドライフィルム、または粉末レジストが、例えば、液体被覆、ラミネート加工、電着、および同等物のような従来の方法を介して、二重クラッドフォイルに選択的に塗布される。次いで、レジストで被覆されたフォイルが、負または正の光ツールを通してUV光に暴露され、所望のパターンを形成する。露出域は架橋され、腐食抵抗性を有するが、非露出域は、エッチングのためにフォイルを露出するために除去され得る。
【0047】
一実施例では、エッチングは、2ステップのプロセスである。第1のステップでは、例示的なステンレス鋼/銅の二重クラッドフォイルについて、二重クラッドフォイルの両方の金属が同時にエッチングされる。この局面では、二重クラッドフォイルのステンレス鋼側の全ての特徴が、仕様通りにエッチングされ、銅側の特徴は部分的にエッチングされる。第2のエッチングステップは、導電銅のトレースを仕様通りにエッチングし、フィラメントの背面から銅残留物の全てを実質的に除去する。第2のエッチングステップの完了時に、フィラメントは、ステンレス鋼材料で実質的に形成され、それは高い抵抗を有する。一局面では、エッチングプロセスは、フィラメントの間からの材料の全ての除去をもたらし、随意で、比較的幅の広いフィーダトレースの一部のアンダーカットを生じる。
【0048】
随意で、光学的機械加工ステーション、あるいは、ダイアモンド研磨、電子ビームエッチング、または同等物のような他の好適なマイクロマシニング技術が、二重クラッドフォイルの導電層および抵抗層の複数部分を選択的に除去して、フィーダトレースおよびフィラメントのパターンを生成する。レーザの使用は、1つのステップしか必要とせず、抵抗層にプログラムされたパターンを急速に形成するように設計され得、この層は、一般的には導電層よりも薄く、および/またはより光吸収性であるるために、一部の用途で有利であり得る。随意で、接着フィルムが任意の層に塗布され得、材料を除去してエッチングのためのマスクを形成するために、レーザ機械加工ステーションが使用される。別の局面では、接着フィルムが二重クラッドフォイルに塗布され得、材料を除去して、マスクの露出部分の下で二重クラッドフォイルに所望のパターンをエッチングするためのマスクを形成するために、レーザ機械加工ステーションが使用される。
【0049】
さらなる局面において、これに限定するものではないが、二重クラッドフォイル80は、冷間圧延、低圧プロセス、減厚冷間圧延、減厚熱間圧延、爆着、めっき、および同等物によって生産され得る。二重クラッドフォイルは、約10μm〜約300μmの間の厚さ(t)寸法であり得、さらに20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、および290μmの公称厚さを含み、105μmが1つの好ましい厚さである。一局面では、フィラメントは、実質的に均一であることが意図される。随意で、フィラメントは、非均一であり得る。さらに、フィラメントは、実質的に同じ熱質量を有することが意図される。一例示的局面では、フィラメントの縦軸に対する横方向の、各フィラメント72の幅(w)は、約30〜150μmの間の範囲にあり得、さらに35、40、35、50、55、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、および145μmの公称幅を含み、約45〜55μmの間、または115〜125μmの間の範囲が好ましい。同様に、別の例示的局面では、各フィラメント74は、約200〜700μmの間のフィラメントの縦軸に沿って延在する長さ(l)を有し、さらに250、300、350、400、450、500、550、600、および650μmの長さを含み、500μmの長さが好ましい。
【0050】
随意で、ステンレス鋼の層は、二重クラッドフォイルの厚さの約5〜約25パーセントの間を備え得、さらに6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、および24%の量を含み、かつこれらの値から派生する厚さの割合の任意の範囲を含む。
【0051】
さらなる局面において、および図14A〜図14Cを参照して、フィラメント配列70は、フィラメント配列のフィラメントにエネルギーを分配するための手段を備える。一例示的局面では、フィラメントにエネルギーを分配するための手段は、少なくとも1つの電気バンク86を備える。随意で、少なくとも1つの電気バンクは、複数の電気バンク86'、86"を備える。この局面では、各電気バンクは、関連するフィラメント72を有する。エネルギーを分配するための手段の一局面では、穿孔域46は、第1の部分と、反対および/または鏡映関係にある第2の部分とを有し、それぞれの電気バンクの複数部分は、穿孔域の第1の部分および第2の部分の両方に配置される。この実施例では、1つのバンクの複数のフィラメントが、活性穿孔域の両方の「半分」または複数部分に存在するように、バンクの形状が決定される。それぞれのバンクが活性穿孔域のそれぞれの部分の間に分配されるように、代替的形状のバンク86が使用され得ることが理解される。当業者であれば、そのような電気バンクの使用が、個々のフィラメント組成および寸法のわずかな差異に対するフィラメント配列70の感受性を低下させることに気付く。
【0052】
別の局面では、基材40は、フィラメント配列のそれぞれの電気的に絶縁された部分を露出する、下部基材表面44における一対のポート45を画定する。一局面では、基材がアプリケータのインターフェース30に取り付けられるときに、ポート45はアプリケータ20の陽極31および陰極32を受け入れるように構成され、その結果として、陽極および陰極がフィラメント配列のそれぞれの電気的に絶縁された部分と接触する。したがって、基材40がインターフェース30上に受容されるときに、フィラメント配列70はアプリケータ20と電気的に接続するように配置され得、その結果として、陽極および陰極ならびに各バンク86を介して、アプリケータからフィラメント配列70のフィラメント72の各々に電気エネルギーを通すことができる。
【0053】
さらなる例示的局面において、かつ図15および図16に示されるように、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段は、複数の対を成す電極を備える。この局面では、各対の電極は、組織生体膜への直接接触を介して電気エネルギーを送達し、微小孔を形成するのに十分に深い、その膜のある部分の電気アブレーションを引き起こすように構成される。例えば、米国特許第5,885,211号、第6,148,232号、第6,615,079号、および第6,711,435号(これら特許の開示は、全体として本明細書において参考として援用される)は、それぞれの電極の間の領域の組織のアブレーションを引き起こすために被験体の皮膚に加えられる電気エネルギーを、複数の電極のうちの2つ以上の間に印加するための方法およびデバイスを記載している。
【0054】
一例示的局面では、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段は、好ましくは被験体の皮膚の好適な領域に固定される、複数の電極に取り付け可能な制御ユニット90をさらに備える。少なくとも1つの微小孔を形成するための手段は、角質層をアブレーションして物質が通過できるマイクロチャネルを生成する制御された電流を、複数の電極の間に通すことによって、通常は実質的に不透過性の皮膚の角質層を経由して、活性物質を投与し得る。
【0055】
一局面では、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段が、角質層を通して電流を流すときには、影響された組織が抵抗加熱され、その結果として、十分な量のエネルギーが短期間で通過すると、組織は、その中で消散された全エネルギーによってアブレーションされる。アブレーションは、組織にマイクロチャネルの形態の所望の微小孔を生成する。付加的な局面では、皮膚の小領域への電流の印加は、分子をイオン化または分極化する必要なく、かつ角質層の下にある真皮および表皮組織に疼痛または大きな外傷を与えることなく、大型分子でさえも比較的自由に通過できるようなサイズを有し得る、マイクロチャネルの形成を導く。
【0056】
一局面では、制御ユニット90は、切替ユニット91と、バッテリ92(リチウムコイン電池バッテリのような)と、ボタン93および感知信号発生器94とを備えるオプションのユーザインターフェースとを備え、ユーザインターフェースはディスプレイおよび/またはブザーを備え得る。例示された一局面では、ボタン93は、活性物質の送達を開始し、終結する。
【0057】
図16は、16個の電極を備える、電極96の配列95を示す。当然ながら、配列は、より小さくなり得、その一方で、より大きくなり得、より多量の活性物質が送達されることを可能にするために、例えば、50×50またはそれ以上となることが意図される。図示された局面では、本実施形態の電極96は、好ましくは、8個の電極対97として編成され、その結果として、対になった電極の1つを出る電荷のほとんどが、そのそれぞれの対の他方の電極へと進み、概して、隣接する電極対の電極には進まない。一局面では、電極対97は、経皮的移送速度を最大化するために、密集化され得る。例えば、限定的な意味でなく、密度は、4〜100電極セット/cm2の範囲に及び得る。さらなる局面では、電流または全電荷移動の閾値が超過され、それに応答して切替ユニット91が電極対への電流を終結または低減させる以前に、各電極対は、一般的には、少なくとも1つのマイクロチャネルを生成する。
【0058】
好ましくは、各電極対における電極の間の間隔は、約0.1mmよりも小さいが、例えば、限定的な意味でなく、約0.1mm〜約0.3mmの間の範囲に及び得る。一般に、電極対のそれぞれの電極の間の距離は、所望の電界侵入深度が達成されるように設定される。一実施例では、所望の電界侵入深度は、角質層の厚さと実質的に同じ程度であり、その結果として、電流は角質層の下にある表皮組織にほとんど進入しない。この例示的局面では、電極間隔を約0.01mmと約0.1mmとの間に、さらに0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、および0.09mmを含む間隔に維持することは、角質層の中にマイクロチャネルを生成し、その一方で、神経支配のある真皮、および角質層の下の表皮組織の損傷、感覚、および/または疼痛を実質的に低減する。
【0059】
皮膚の上に置かれた2つの電極の近くの皮膚における任意の点で、電極の間に生成される電界は、基本的に2つの成分、すなわち、概して皮膚に対して垂直な電流を引き起こす、皮膚に対して垂直な成分と、概して皮膚表面に平行な電流を引き起こす、横方向成分とを有するものと見なされ得る。比較的大きな横方向成分を有する角質層の底部の電界は、主に角質層の中で電流を発生し、下層の表皮組織の中では比較的少しの電流しか流れない。したがって、一局面では、組織アブレーションは、角質層において大部分が発生するように制限され得る。しかしながら、角質層の下の所望の侵入深度まで延在する微小孔、すなわち、この実施例ではマイクロチャネルを形成するために、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段が使用され得ることが意図される。
【0060】
さらなる局面では、電極配列は、角質層のアブレーションが完了するのと略同時に、切替ユニットまたは電源から断絶される。一局面では、切替ユニット91は、電極96への電流を監視し得、下層組織のアブレーションが発生したという判定時に、1つ以上の電極への電流を選択的に終結する。この例示的局面では、配列のすべての電極への電流は、電極配列の下の下層組織がアブレーションされたという切替ユニット91による判定時に、実質的に終結される。
【0061】
さらに別の局面では、基材40は、下部基材表面44上で画定される、少なくとも1つの雌型陥凹部140を画定し得る。この局面では、雌型陥凹部のうちの少なくとも1つは、アプリケータ20のインターフェース30上に取り付けられた一連の陥凹可能要素142と協同するように構成される。陥凹可能要素は、アプリケータのコントローラ基板と接続する。一例示的局面では、3つの陥凹可能要素があり、例示的動作中に、2つの雌型陥凹部を有する基材がインターフェースに取り付けられた場合には、アプリケータの陥凹可能要素のうちの1つだけが陥凹される。この実施例では、3つの陥凹可能要素のうちの1つだけの陥凹は、インターフェース上に取り付けられる基材の穿孔域のそれぞれのサイズを、コントローラ基板に電気的に伝達する。この実施例では、陥凹可能要素の選択的陥凹が、それぞれの基材の穿孔域の様々なサイズを伝達し得ることが理解される。
【0062】
本発明のさらなる局面では、送達システム10は、頂面112および反対側の底面114を有する、第1の解放ライナー110をさらに備える。一局面では、第1の解放ライナーの底面の少なくとも一部分は、上部基材表面42の一部分に接続される。別の局面では、システムは、基材40を第1の解放ライナー110と接続するために、基材40の上面と第1の解放ライナーの底面114との間に置かれる、接着剤層116を備え得る。一局面では、第1の解放ライナーの縁部分は、基材の穿孔域から所定の距離だけ離れている。随意で、第1の解放ライナーの縁部分は、上部基材表面上に形成された隆起部の一部分に実質的に隣接して置かれる。この局面では、基材が上部基材表面の雌型陥凹部を画定する場合には、接着剤層は、雌型陥凹部の隆起部の一部分に隣接して配置され得、第1の解放ライナーの縁部分もまた、隆起部の一部分に隣接して配置され得る。さらなる局面では、パッチ100は、第1の解放ライナーの頂面112から選択的に取り外し可能である。
【0063】
さらなる局面では、パッチ100は、裏地層102と、裏地層の一部分に取り付けられる貯蔵部104とを備え得る。貯蔵部104は、形成された微小孔を介した被験体の組織膜の中への送達のために、少なくとも1つの透過物を解放可能に含有するように構成される。一局面では、貯蔵部104は、裏地層102の下面106の一部分上に取り付けられる。図に示されるように、接続された位置において、裏地層102の第1の部分107は、基材40の穿孔域76とは離れた位置で、第1の解放ライナーの頂面112に解放可能に取り付けられる。さらに、接続された位置において、裏地層102の第2の部分108は、折り畳み位置に折り畳まれる。当業者であれば理解するように、裏地層の第2の部分108の下面106は、折り畳み位置で、基材の上部基材表面42から離れて外側を向く。
【0064】
さらなる局面では、パッチ100は、パッチの裏地層の下面106の少なくとも一部分の上に配置される、皮膚接着剤層103を備え得、その結果として、パッチが被験体の組織膜に選択的かつ解放可能に取り付けられ得る。別の局面では、送達システム10は、裏地層の第2の部分の上に配置される皮膚接着剤層103の一部分に解放可能に取り付け可能である、第2の解放ライナー120をさらに備え得る。随意で、例えば、両面接着剤および同等物のような接着固着層105が、フィラメント配列裏地層74の一部分上に取り付けられ得る。この局面では、第2の解放ライナーが、皮膚接着剤層103および接着固着層の一部分に解放可能に取り付けられ得る。
【0065】
第2の解放ライナー120は、保管中に皮膚接着剤層の露出部分を保護する、解放可能カバーを提供する。この局面では、皮膚接着剤層103から第2の解放ライナー120を除去するために必要とされる力は、第1の解放ライナーの頂面から裏地層120の第1の部分107を除去するために必要とされる力よりも小さくなることが意図される。したがって、第1の解放ライナー110の頂面112からパッチ100を分離することなく、パッチ100から第2の解放ライナー120が除去され得、皮膚接着剤層103の折り重ねられた部分を露出する。一局面では、第2の解放ライナー120の一部分の中に細隙122が画定され得、その結果として、下位構造に解除力を付与することなく、すなわち、第1の解放ライナー110の頂面112からパッチ100を分離することなく、第2の解放ライナーが容易に把持され、かつ除去され得る。
【0066】
さらなる局面では、第1の解放ライナーの頂面112は、その上に配置された解放被覆を有し得る。解放被覆は、例えば、限定的な意味でなく、シリコーン、白金触媒シリコーン、フルオロシリコーン、ペルフルオロカーボンベースのポリマー、および同等物を備える、任意の従来の解放被覆であり得る。
【0067】
接続された位置において、別の局面では、裏地層102の第1の部分107は、折り畳まれて基材40の穿孔域76の位置に置かれる。図で例示されるように、折り目は、穿孔域から所定の距離だけ離れて位置し得る。一局面では、貯蔵部104の縁は、折り目に対して実質的に隣接するような距離に位置し得る。随意で、貯蔵部は、折り目から所定の距離だけ離れて位置し得る。例示された局面では、貯蔵部は、折り目の位置に置かれる。
【0068】
ここで、図4〜図6を参照すると、接続された位置において、裏地層102の第1の部分107の一部分は、裏地層の第2の部分108の下にある。さらなる局面では、システム10は、裏地層102の上面105の複数部分上に配置される、支持部材130を備え得る。一局面では、支持部材130は、縁表面132を有する。さらに、さらなる別の局面では、支持部材130は、裏地層の上面105の複数部分の上に解放可能に取り付けられ得、その結果として、接続された位置において、支持部材130は、裏地層102の第2の部分108の上面105と、裏地層102の第1の部分107の上面105の一部分との間に位置する。
【0069】
1つの例示された局面では、支持部材130の縁表面132は、折り目に隣接して置かれる。別の局面では、支持部材は、実質的に平面の部材を備え得る。この局面では、支持部材はまた、それ自身の上に折り畳まれて縁表面を形成する一部分を備え得る。随意で、それ自身の上に折り畳まれる部分は、接着剤で定位置に固定され得る。
【0070】
さらに別の例示的局面では、支持部材130は、支持部材を通って延在する少なくとも1つの穴136を画定し得る。この局面では、少なくとも1つの穴の位置にある裏地層の重複部分を加熱溶接することによって、支持部材は裏地層に対して選択的に固定され得る。動作中、パッチが微小孔を開けられた組織膜上で折り畳まれると、加熱溶接された「タック」が外れて、パッチの貯蔵部と組織膜の微小孔を開けられた部分との位置合わせを可能にする。
【0071】
さらなる例示的局面では、支持部材は、裏地層の外縁を越えて延在するように構成される、一対の対向タブを画定し得る。一局面では、それぞれのタブの上にあり、かつ上部基材表面の複数部分に固定される、テープまたは同等物の使用によって、タブは上部基材表面に固定される。一局面では、それぞれのタブの上にあるテープの部分は、非接着性であり得、その結果として、それぞれのタブは、上を覆うテープに接着で接続されない。
【0072】
別の例示的局面では、支持部材130は、裏地層102の重なり合う第1の部分および第2の部分の一部分の間に取り付けられる、接着テープ134をさらに備え得る。この実施例では、テープは、接続された位置において、裏地層の第2の部分108の上面105と、裏地層の第1の部分107の上面105の一部分との間に配置され得る。動作中、パッチ100が組織膜の微小孔を開けられた部分上に折り畳まれるときには、接着テープ134は、裏地層102から解放するように構成される。
【0073】
図20を参照して、送達システムの代替的実施形態が概略的に図示される。この局面では、送達システム10は、頂面112および反対側の底面114を有する、第1の解放ライナー110をさらに備える。一局面では、第1の解放ライナーの底面の少なくとも一部分は、裏地74の一部分に接続される。別の局面では、システムは、裏地の上面と第1の解放ライナーの底面114との間に配置され、裏地74を第1の解放ライナー110に接続する、接着剤層116を備え得る。一局面では、第1の解放ライナーの縁部分は、基材の穿孔域から所定の距離だけ離れて位置する。さらなる局面では、パッチ100は、第1の解放ライナーの頂面112から選択的に取り外し可能である。
【0074】
さらなる局面では、パッチ100は、裏地層102と、裏地層の一部分に取り付けられる貯蔵部104とを備え得る。貯蔵部104は、形成された微小孔を介した被験体の組織膜の中への送達のために、少なくとも1つの透過物を解放可能に含有するように構成される。一局面では、貯蔵部104は、裏地層102の下面106の一部分上に取り付けられる。図に示されるように、接続された位置において、裏地層102の第1の部分107は、基材40の穿孔域から離れた位置で、第1の解放ライナーの頂面112に解放可能に取り付けられる。さらに、接続された位置において、裏地層102の第2の部分108は、折り畳み位置に折り畳まれる。当業者であれば理解するように、裏地層の第2の部分108の下面106は、折り畳み位置で、基材の上部基材表面42から離れて外側を向く。
【0075】
さらなる局面では、パッチ100は、パッチの裏地層の下面106の少なくとも一部分の上に配置される、皮膚接着剤層103を備え得、その結果として、パッチは、被験体の組織膜に選択的かつ解放可能に取り付けられ得る。さらなる局面では、送達システムは、裏地74の一部分に接続される、パッチ裏地フィルム140をさらに備え得る。この局面では、接着剤層142が、パッチ裏地フィルムの裏側の第1の部分および裏地の一部分に取り付けられ得る。さらに、パッチの裏地102層の上面の少なくとも一部分が、パッチ裏地フィルム140の裏側の第2の部分に選択的に取り付けられ得ることが意図される。さらに別の局面では、送達システム10は、パッチ裏地フィルムの表側の一部分に解放可能に取り付け可能な、第2の解放ライナー120をさらに備え得る。随意で、例えば、両面接着剤および同等物のような皮膚接着剤層144が、パッチ裏地フィルムの裏側の第1の部分の反対側の、パッチ裏地フィルムの表側の一部分と、第2の解放ライナーとの間に取り付けられ得る。別の局面では、第2の解放ライナーの一部分がまた、接続された位置において、パッチ100の裏地層の第2の部分108に解放可能に接続され得る。この局面では、パッチ裏地フィルムの折り畳まれた部分の間に、接着剤層145が挿入され得る。
【0076】
この局面では、皮膚接着剤層144から第2の解放ライナー120を除去するために必要とされる力は、第1の解放ライナーの頂面からパッチ裏地フィルムを除去するために必要とされる力よりも小さくなることが意図される。したがって、この局面では、第1の解放ライナー110の頂面112からパッチ100を分離することなく、パッチ100から第2の解放ライナー120が除去され得、皮膚接着剤層103の折り重ねられた部分を露出する。
【0077】
さらなる局面では、第1の解放ライナーの頂面112は、その上に配置された解放被覆を有し得る。解放被覆は、例えば、限定的な意味でなく、シリコーン、白金触媒シリコーン、フルオロシリコーン、ペルフルオロカーボンベースのポリマー、および同等物を備える、任意の従来の解放被覆であり得る。
【0078】
接続された位置において、別の局面では、裏地層102の第1の部分107は、折り畳まれて基材40の穿孔域76の位置に置かれる。図で例示されるように、折り目は、穿孔域から所定の距離だけ離れて位置し得る。一局面では、貯蔵部104の縁は、折り目に実質的に隣接するような距離をとり得る。随意で、貯蔵部は、折り目から所定の距離だけ離れて位置し得る。例示された局面では、貯蔵部は、折り目の位置に置かれる。
【0079】
図21を参照して、送達システムの代替的実施形態が部分的かつ概略的に図示される。この局面では、送達システム10は、頂面112および反対側の底面114を有する、第1の解放ライナー110をさらに備える。一局面では、第1の解放ライナーの底面の少なくとも一部分は、裏地74の一部分に接続される。別の局面では、システムは、裏地の上面と第1の解放ライナーの底面114との間に配置され、裏地74を第1の解放ライナー110に接続する、接着剤層116を備え得る。一局面では、第1の解放ライナーの縁部分は、基材の穿孔域から所定の距離だけ離れて位置する。さらなる局面では、パッチ100は、第1の解放ライナーの頂面112から選択的に取り外し可能である。
【0080】
さらなる局面では、パッチ100は、裏地層102と、裏地層の一部分に取り付けられる貯蔵部104とを備え得る。貯蔵部104は、形成された微小孔を介した被験体の組織膜の中への送達のために、少なくとも1つの透過物を解放可能に含有するように構成される。一局面では、貯蔵部104は、パッチ100の裏地層102の下面106の一部分上に取り付けられる。図に示されるように、接続された位置において、裏地層102の一部分は、基材40の穿孔域から離れた位置で、第1の解放ライナーの頂面112に解放可能に取り付けられる。
【0081】
さらなる局面では、パッチ100は、パッチの裏地層102の下面106の少なくとも一部分の上に配置される、皮膚接着剤層103を備え得、その結果として、パッチは、被験体の組織膜に選択的かつ解放可能に取り付けられ得る。さらなる局面では、送達システムは、第1の解放ライナーの頂面の一部分に接続される、パッチ裏地フィルム140をさらに備え得る。この局面では、接着剤層142は、パッチ裏地フィルムの裏側の第1の部分、および第1の解放ライナーの頂面の一部分に取り付けられ得る。さらに、接着剤層の裏側の一部分と第1の解放ライナー110の頂面との間に非ブロック化部材146が取り付けられ得、その結果として、第1の解放ライナー110から接着剤層142を選択的に分離することが容易になることが意図される。さらに、パッチの裏地102層の上面の少なくとも一部分が、パッチ裏地フィルム140の裏側の第2の部分に選択的に取り付けられ得ることが意図される。さらに別の局面では、送達システム10は、パッチ裏地フィルムの表側の一部分に解放可能に取り付け可能な、第2の解放ライナー120をさらに備え得る。随意で、例えば、両面接着剤および同等物のような皮膚接着剤層144が、パッチ裏地フィルムの裏側の第1の部分の反対側の、パッチ裏地フィルムの表側の一部分と、第2の解放ライナーとの間に取り付けられ得る。
【0082】
この例示的実施形態では、皮膚接着剤層144から第2の解放ライナー120を除去するために必要とされる力は、第1の解放ライナーの頂面からパッチ裏地フィルムを除去するために必要とされる力よりも小さくなることが意図される。したがって、第1の解放ライナー110の頂面112からパッチ100を分離することなく、第2の解放ライナー120がパッチ100から除去され得、皮膚接着剤層を露出する。
【0083】
さらなる局面では、第1の解放ライナーの頂面112は、その上に配置される解放被覆を有し得る。解放被覆は、例えば、限定的な意味でなく、シリコーン、白金触媒シリコーン、フルオロシリコーン、ペルフルオロカーボンベースのポリマー、および同等物を備える、任意の従来の解放被覆であり得る。
【0084】
接続された位置において、別の局面では、裏地層102は、折り畳まれて基材40の穿孔域76の位置に置かれる。図で例示されるように、折り目は、穿孔域から所定の距離だけ離れて位置し得る。一局面では、貯蔵部104の縁は、折り目に対して実質的に隣接するような距離をとり得る。随意で、貯蔵部は、折り目から所定の距離だけ離れて位置し得る。例示された局面では、貯蔵部は、折り目の位置に置かれる。
【0085】
経皮的送達システムの例示された一局面では、貯蔵部104は、組織または生体膜の形成された人工開口部または微小孔を経由する被験体の中への送達のために、透過物を含有するように構成される、パッチ100内の指定域またはチャンバを備える。一局面では、貯蔵部はまた、生物活性透過物の効果を増進する賦形剤化合物を備え得ることが意図される。加えて、種々の例示された局面において、かつ限定的な意味でなく、貯蔵部は、開放容量空間、ゲル、後続の解放または反応のために選択された化合物で被覆または処理されている平面空間、または多孔性ポリマーのような透過性固体から成り得る。
【0086】
代替的実施形態では、貯蔵部104は、その中に配置された少なくとも1つの非溶解親水性透過物を備え得る。本発明の経皮的送達システムの動作を通して、貯蔵部が微小孔の位置に置かれるときには、親水性透過物は、貯蔵部の底面が被験体の皮膚層を通る少なくとも1つの形成された微小孔または経路と流体接続するときに、皮下流体と接触し得る。いったん有効量の皮下流体が送達貯蔵部と接触すると、流体は、続いて、貯蔵部に含有される透過物の少なくとも一部分を、皮膚を通って被験体の中へ経皮的に送達するための拡散経路を提供する。
【0087】
この局面の貯蔵部104は、非生分解性マトリクスを備え得、それは、上記のように、その中に配置された少なくとも1つの親水性透過物をさらに備える。透過物送達貯蔵部のマトリクス構成成分は、非生分解性材料から成り、または、長期の透過物塗布期間にわたる被験体の外側皮膚層への局所塗布に対して生体適合性を有する、非生分解性材料の組み合わせから成る。非生分解性材料は、一局面では、貯蔵部の約20重量%〜約80重量%を占有し得、さらに貯蔵部の25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、および75重量%の量を含み、かつこれらの値から派生する重量パーセントの任意の範囲を含む。
【0088】
一局面では、非生分解性マトリクスは、非生分解性ポリマー材料、またはポリマー材料の組み合わせを備え得る。一局面では、非生分解性ポリマー材料は、不水溶性または疎水性である。例えば、これに限定するものではないが、一局面では、非生分解性マトリクスは、エチレン酢酸ビニル(EVA)共重合体、ポリエチレン、ポリアクリル酸エチル、エチレンおよびアクリル酸エチルの共重合体、ならびにそれらの任意の組み合わせを備え得る。一局面では、マトリクスは、0%から約60%までの範囲の酢酸ビニルの相対的割合を有する、エチレン酢酸ビニル共重合体から成り、さらに酢酸ビニルの約0%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、および60%の割合、およびこれらの値から派生する割合の任意の範囲を含む。さらに別の局面では、エチレン酢酸ビニル共重合体は、約28%の酢酸ビニルを備える。
【0089】
親水性透過物は、当該分野において以前から公知の従来の方法にる投与、および/または本発明で教示される方法による投与に好適な、任意の化学または生物材料、化合物、あるいは組成物を備え得る。この目的のために、透過物は、経皮的に投与されることが所望される、任意の1つ以上の構成要素を備え得る。例えば、親水性透過物は、生物活性剤、充填材、抗治癒剤、浸透剤、および透過物の所望の経皮的送達を提供または増進するために好適な、任意の他の従来から公知の添加剤から選択され得る。一局面では、親水性透過物は、貯蔵部の約20重量%〜約80重量%を占有し得、さらに貯蔵部の25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、および75重量%の量を含み、かつこれらの値から派生する重量パーセントの任意の範囲を含む。
【0090】
さらに別の局面では、生物活性剤は、非溶解無水親水性塩として、貯蔵部104内に存在し得る。そのためには、本明細書で使用される「親水性塩」および同様の用語は、これに限定するものではないが、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、トロメタミン、またはそれらの他のカチオン塩、それらの硫酸塩または他のアニオン塩、塩基性薬剤の酸添加塩、および酸性薬剤の塩基添加塩のような、生物活性剤、薬剤、または医薬品のイオン型を含む。そのような塩の例証的な実施例は、ジクロフェナクナトリウム、クロモリンナトリウム、アシクロビルナトリウム、アンピシリンナトリウム、ワルファリンナトリウム、ケトロラクトロメタミン、塩酸アミロリド、塩酸エフェドリン、塩酸ロキサピン、塩酸チオチキセン、塩酸トリフロペラジン、塩酸ナルトレキソン、塩酸ナロキソン、塩酸ナルブフィン、塩酸ブスピロン、塩酸ブプロピオン、塩酸フェニレフリン、塩酸トラゾリン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸クロニジン、臭化水素酸デキストロメトルファン、コハク酸メトプロロール、酒石酸メトプロロール、酒石酸水素エピネフリン、フマル酸ケトチフェン、硫酸アトロピン、クエン酸フェンタニル、硫酸アポモルフィン、塩酸プロプラノロール、塩酸ピンドロール、塩酸リドカイン、塩酸テトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸テトラカイン、塩酸ジブカイン、硫酸テルブタリン、臭化水素酸スコポラミン、マレイン酸ブロムフェニラミン、および塩酸ヒドロモルホンを含む。
【0091】
1つ以上の生物活性剤に加えて、少なくとも1つの透過物がまた、生体適合性充填材を備え得、それは、賦形剤、含水剤、浸透剤、透過増進剤、抗治癒剤、抗凝固剤、抗炎症剤、抗菌剤、再上皮化阻害剤、亜酸化窒素産生阻害剤、メラニン形成阻害剤、投与剤、および同等物のうちの任意の1つ以上を備え得る。一局面では、生体適合性充填材は、貯蔵部の約20重量%〜約80重量%を占有し得、さらに貯蔵部の25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、および75重量%の量を含み、かつこれらの値から派生する重量パーセントの任意の範囲を含む。
【0092】
さらに、本明細書で使用される、抗治癒剤は、例えば、抗凝血剤、抗炎症剤、細胞遊走を阻害する薬剤、再上皮化阻害剤、および浸透剤を含み得る。好適な抗凝血剤は、例えば、3,000〜12,000ダルトンの分子量を有するヘパリン、多流酸ペントサン、クエン酸、クエン酸塩、EDTA、および2,000〜10,000ダルトンの分子量を有するデキストランを備え得る。好適な抗炎症剤は、例えば、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、リン酸ベタメタゾンナトリウム、およびリン酸トリアムシノロンナトリウムを備え得る。細胞遊走を阻害する好適な薬剤は、例えば、ラミニンおよび/またはその関連ペプチドを備え得る。
【0093】
貯蔵部104の一実施例では、少なくとも1つの親水性透過物が、一般的には、非生分解性マトリクス内に配置あるいは装填される。この目的のために、一例示的局面では、送達貯蔵部は、その中で複数の導管を画定する底面を有するように構成され得る。この局面によれば、非溶解親水性透過物は、マトリクスの複数の導管の少なくとも一部分の中に配置され得る。かくして、例示された送達貯蔵部104は、皮膚から滲み出た皮下流体を使用して、マトリクス内に配置された透過物の少なくとも一部分を溶解または懸濁し、皮膚のより深い層の中への透過物の拡散または移送を可能にするように適合される。
【0094】
様々な移送の機構が、貯蔵部から皮膚組織の中への非溶解透過物の分散および移動を達成し得る。一般に、しかし排他的にではなく、マトリクス内に配置された透過物は、微粒子形態を残し、かつ一般的には溶液または懸濁液の中に入ることによって、解放時に生体に対して利用可能となる。いったん溶液または懸濁液の形になると、拡散が、処置された外層を介して、皮膚の生存層の中へまたはそれを通過して被験体の中への、微粒子透過物の移送機構を提供し得る。プロセスが経時的に継続するにつれて、貯蔵部から出て皮膚の中へ移動する透過物によって形成される空隙は、貯蔵部の本体の中へ貫通するチャネルを形成し、それによって、最初に貯蔵部の表面に存在していたよりも多くの透過物への付加的なアクセスを提供する。故に、貯蔵部104を、被験体の皮膚層を通過する少なくとも1つの形成された経路と接続することによって、皮下流体は、透過物を溶解または懸濁するための有効量またはレベルの水和を貯蔵部に提供し得る。このようにして、溶液または懸濁液の形の比較的高濃度の透過物が提供され得、それはまた、皮膚の生存組織層と接続する。
【0095】
ここで、図17〜図19を参照して、穿孔イベントの前に被験体の皮膚に接続された、経皮的透過物送達システムの例示された局面が示される。ここで、第2の解放ライナーは除去されており、パッチの皮膚接着剤層の一部分を露出し、それは、被験体の組織膜と接着接触して示されている。続いて、アプリケータが作動され、その結果として、基の穿孔域の下にある組織膜の領域の穿孔が発生する。1つの例示された局面では、アプリケータの作動は、電気刺激を、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段に送達させて、下層組織膜のアブレーションを引き起こす。例えば、電気刺激は、フィラメントの抵抗加熱および下層組織膜のアブレーションを引き起こすように、フィラメント配列のフィラメントに送達され得る。さらなる局面では、使用される場合、アプリケータの作動は、真空が導管および関連チャネルを介して穿孔域に送達されるように、真空源を始動し得る。提供される真空は、組織膜を、例えば、フィラメント配列の露出部分のような穿孔域の中に取り付けられる、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段と密接に接触させるように作用し、加えて、マイクロポレーションイベントの経過中に、アプリケータを組織膜に固定するのに役立つ働きをすることが理解される。
【0096】
微小孔が形成された後に、および図18に示されるように、経皮的パッチは、経皮的ポレータシステムの一部分から分離される。動作中、アプリケータが除去される際に、基材は、アプリケータのインターフェースに取り付けられたままで残留し、パッチは、第1の解放ライナーから分離する。この構成では、パッチは、第2の解放ライナーが除去された後に組織膜に以前に固定されていた裏地層の部分によって、組織膜に固定される。裏地層の現在露出されている部分および貯蔵部は、下層組織膜から外方に向き、貯蔵部が折り目の周囲で組織膜の微小孔を開けられた領域に位置するように、配置される。ここで、図19を参照して、経皮的パッチが被験体の皮膚の微小孔を開けられた領域に位置するように、パッチは折り目に対して折り畳まれる。パッチが定位置に押圧された後に、残り得るシステムの全ての他の構成要素は除去され、貯蔵部とともにパッチだけが残される。理解されるように、次いで、透過物が、組織の穿孔域の微小孔を経由して貯蔵部から体内へ、ある期間にわたって拡散する。この期間は、特定の透過物および透過物の使用指示に応じて適切な、数分または数日であり得る。
【0097】
ここで、図22〜図24を参照して、被験体の皮膚に接続された、経皮的透過物送達システムの例示された局面が示される。ここで、微小孔が形成された後、および図22に示されるように、経皮的パッチは、経皮的ポレータシステムの一部分から分離される。動作中、アプリケータが除去される際に、基材は、アプリケータのインターフェースに取り付けられたままで残留し、パッチは、第1の解放ライナーから分離する。この構成では、皮膚接着剤層は、組織膜に固定され、パッチは、パッチ裏地フィルムを介して、形成された微小孔の位置に置かれる。したがって、裏地層の現在露出されている部分およびパッチの貯蔵部は、下層組織膜から外方に向き、貯蔵部が折り目の周囲で組織膜の微小孔を開けられた領域に位置するように、配置される。ここで、図23を参照して、経皮的パッチが被験体の皮膚の微小孔を開けられた領域に位置するようにパッチが折り目に関して折り畳まれるように、パッチ裏地フィルムが折り畳まれる。パッチが定位置に押圧された後、および図24に示されるように、パッチ裏地フィルム、および残り得るシステムの全ての他の構成要素は除去され、組織膜と接触している貯蔵部と共にパッチだけが残される。理解されるように、次いで、透過物が、組織の穿孔域の微小孔を経由して貯蔵部から体内へ、ある期間にわたって拡散する。前述のように、この期間は、特定の透過物および透過物の使用指示に応じて適切な、数分または数日であり得る。
【0098】
当然ながら、図に例示されているパッチの形状は、単なる代表的な形状にすぎず、限定的な意味でないことが意図される。システムの包括的概念は、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段の適用を助長する、整合または位置合わせ機構と、次いで微小孔が形成される領域上に透過物貯蔵部パッチを塗布する後続ステップとを提供することである。前述のように、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段は、これに限定するものではないが、熱的、機械的、光学的、化学的、電気的、または音響的アブレーション手段を備え得る。
【0099】
さらなる局面では、本発明の主題はまた、透過物を必要としている患者に透過物を投与するための、そのようなデバイスを使用するための方法を含む。本経皮的送達システムの設計は、フィラメント配列の適用および作動の後の穿孔された組織膜上で、パッチの貯蔵部の適切な位置合わせを確実にする。ユーザの視点から、基材がアプリケータに取り付けられ、第2の解放ライナーが除去された後に、実際には複数のステップが、アプリケータを適用し、下層組織に微小孔を形成するようにアプリケータを作動し、アプリケータを除去し(パッチの裏地層を露出するように基材および第1の解放ライナーを除去することを含む)、次いで、パッチの貯蔵部を組織膜の穿孔域の位置に置くように定位置でパッチを折り畳む、単一のステップとなり、一式の動作は密接に関連しているために、それは直ちに、心の眼の中では単一のプロセスとなる。
【0100】
それに取り付けられる第2の解放ライナーに接続する位置に配置される、基材およびパッチは、単一フォイルパックに個別に包装され得ることが意図される。さらに、このアセンブリは、形成され、必要であれば滅菌され、次いで、密封フォイルパックの中にシールされる前に、選択された透過物で充填され(必要であれば無菌で)得ることが意図される。
【0101】
一局面において、および前述のように、アプリケータへのインターフェースは、アプリケータ20が十分な電気エネルギーを選択的に送達できるようにして、患者の皮膚の外層に微小孔を生成するように構成される。本明細書で記載されるように、例えば、これに限定するものではないが、形成された微小孔は、微小孔の上に選択的に配置され得るパッチからの薬剤またはワクチンの経皮的送達を可能にする目的で、生成され得る。
【0102】
一局面では、アプリケータ20およびインターフェース30は、複数のフィラメント配列サイズを支援するように構成される。例えば、これに限定するものではないが、アプリケータは、例えば、1、2、4、および8cm2の配列サイズのような、1、2、3、4、またはそれ以上のフィラメント配列サイズを支援し得る。さらなる局面では、アプリケータ20は、取り付けられた基材のフィラメント配列のサイズを検出するように構成され得、フィラメント配列の検出されたサイズに対して、自らを自動的に構成し得る。以下の実施例は、少なくとも1つの微小孔を形成するための手段の、フィラメント配列の実施形態に関して説明されるが、当業者であれば、説明された様式は、選択された様式に使用され得ることが意図されることを理解する。
【0103】
さらなる局面では、アプリケータ20は、アプリケータのインターフェース上への基材の挿入時にオンとなるか、または電源が入るように構成され得る。別の局面では、アプリケータ20は、基材がアプリケータのインターフェース上に取り付けられると、減圧の印加を開始するように構成され得る。この局面では、減圧の印加は、アプリケータが適切に構成されていることをアプリケータが判定すると、自動的に開始され得る。別の局面では、アプリケータは、アプリケータの電源投入を開始するための電源ボタンを有し得ることが意図される。しかしながら、随意で、アプリケータの電源投入は、アプリケータを「起動する」基材40の挿入によって開始され得、それは次いで、例えば、これに限定するものではないが、バッテリ電圧試験のような、一連の自己試験を行い得ることが意図される。一局面では、アプリケータ20が自己試験に合格した場合には、電源ライトが点灯され、アプリケータは、起動シーケンスのために内部で準備を行う。一局面では、起動シーケンスは、例えば、最大約230ボルト以下で、高電圧コンデンサを充電する。この電圧はハードウェアによって設定され、例えば、これに限定するものではないが、最大で330ボルトまで上昇し得る。
【0104】
動作中、ユーザは、塗布に際して基材を定位置に取り付け、基材は、例えば、基材がその最終取り付け位置に留められると、電気接点に係合する。一局面では、アプリケータ20は、この間に、高電圧コンデンサを充電し続け得る。さらなる局面では、コンデンサが完全に充電されると、準備完了ライトが点灯し得る。別の局面では、準備完了ライトの点灯と共に、アプリケータは、真空パルスシーケンスを開始し得る。さらなる局面では、アプリケータは、低バッテリ表示およびエラー表示をさらに備え得る。
【0105】
一局面では、ユーザは、フィラメント配列を包囲する接着剤を保護する解放ライナーを除去し、適切な皮膚部位にアプリケータを置き、真空ポンプは、例えば、限定的な意味でなく、約10インチHgの真空のような公称真空が達成されるまで、拍動を続ける。真空回路の例示的概略図が図29に示される。いったん適度な真空シールが確立されると、アプリケータは、少なくとも1つの電流パルスをフィラメント配列に送るように構成され得る。本明細書で記述されるように、フィラメントは、皮膚にエネルギーの熱パルスを提供し、それは皮膚に微小孔を生成する。本明細書で例示的に図示されるように、次いで、ユーザが、アプリケータおよび基材を除去し、皮膚の微小孔を開けられた部分上に位置合わせされたパッチを折り重ねる。
【0106】
一例示的実施形態において、および図25に示されるように、アプリケータの電子機器は、コントローラすなわちマイクロプロセッサ制御回路と、アプリケータ電力送達回路との、2つの機能ブロックに例示的に分割され得る。一局面では、フィラメント配列は、例えば、これに限定するものではないが、数ミリ秒間に約120アンペアを必要とし得る。しかしながら、他の電流レベルが随意に選択され得ることが意図される。例えば、当業者であれば理解するように、フィラメント配列サイズおよび使用特性に応じて、電流送達動作点は、フィラメント配列に送達される有効なエネルギーを調節するために、パルス幅変調を利用し得る。一局面では、ピーク電流送達は、皮膚に印加されたときのフィラメント配列のウォームアップ時間に影響を及ぼし得る。その結果として、制御された電流送達と合わせたパルス時間の全体的効果が使用され得る。さらなる局面では、アプリケータが指定されたフィラメント配列サイズを認識し、開放電気接点に起因する接点の組み合わせを拒絶することを確実にするために、付加的な「モード」接点が追加され得る。
【0107】
一実施形態において、および図25に図示される回路図を参照して、定電流モードのバックコンバータが利用され得る。バッファコンデンサが、電流源エネルギーを貯蔵し、ハーフブリッジ変圧機能に供給する。この局面では、変圧器の2次コイルは、フィラメント配列回路にエネルギーを提供するように構成される。当業者であれば、例示された制御ブロックは市販の集積回路であり、回路全体はマイクロプロセッサの制御下で有効となることを理解する。例示された回路は、例えば、切替バンクを含む、いくつかの可能なフィラメント配列回路を支援する。
【0108】
ここで、図26を参照して、例示的な電力回路の概略図が図示される。前述のように、エネルギーは、まず、少なくとも1つのフラッシュコンデンサに、高電圧として格納され得る。いったんコンデンサ(単数または複数)が所望の電圧に到達すると、高電流穿孔シーケンスが開始し得る。一局面では、定電流源が、高電圧コンデンサから定常電流を引き出し、このエネルギーを、少なくとも1つの順次のバッファコンデンサに一時的に貯蔵する。別の局面では、次いで、ハーフブリッジ切替モードコンバータが、インピーダンス整合機能を実行し、高電圧で中間電流のエネルギーを、フィラメント配列を駆動するために適した、非常に高電流で低電圧のエネルギーに変換する。一実施例において、限定的な意味でなく、2次電流は、約5〜10ボルトの間で約120アンペアであり得る。
【0109】
さらなる局面において、および当業者であれば理解するように、電源、調節および分配方法が必要とされる。アプリケータ20では、必要な内部エネルギーの全ては、ユーザによって容易に交換される、2個の3ボルトリチウムバッテリによって供給され得ることが意図される。
【0110】
前述のように、アプリケータ20は、アプリケータのインターフェースへの基材の「挿入」が、アプリケータのマイクロプロセッサを「起動する」ように構成され得る。続いて、アプリケータは、3.3ボルト調節器をラッチアップし得る。この局面では、アプリケータがその意図された目的を果たしたときに、または代替案として、アプリケータがアイドル状態であることをソフトウェア生成タイムアウトが指示する場合には、マイクロプロセッサは、この制御回路をアンラッチする。随意で、例えば、これに限定的するものではないが、バッテリ切れおよび/またはソフトウェアチェックサム障害のような、特定のエラー状態がまた、ユニットを停止させるエラーをもたらし得る。
【0111】
マイクロプロセッサのブロック図の例示的概略図が図28に示される。マイクロプロセッサは、これに限定するものではないが、内部電力制御、ユーザインターフェース(ボタン、ライト、および警報器)、アプリケータ電力制御、真空、開発インターフェース、製造インターフェース、および診断のような、いくつかの機能を例示的に支援する。アプリケータ駆動ソフトウェアは、多くのシステムインターフェースを支援するように構成され、アプリケータ(ハードウェアおよびソフトウェアを含む)と外部機能との間の相互作用を定義する。さらなる局面では、アプリケータは、(フィードバック回路を介して)印加電力を監視するように構成され得、印加エネルギー、すなわち、印加されたパルスの変調をリアルタイムで調整する。この局面は、フィラメント配列の電気インピーダンスの変動を調整する。
【0112】
識別されたシステムインターフェースは、これに限定するものではないが、機能試験、プログラミングインターフェース、およびユーザインターフェースを備え得る。一局面では、機能試験は、シリアルインターフェースが取り付けられ、有効化され、開始される場合に実行される。試験は起動診断後に、試験ユーザが開始を要求したときに開始する。一実施例では、機能試験は、機能試験の結果を示すために警報器を利用し得、音の周波数は、1(高周波数音)または0(低周波数音)を示し、バイナリフォーマットの位置依存性は、特定のモジュール試験の合格/不合格結果を識別する。結果コードがまた、シリアルインターフェースを通じて表示される。特定の試験モジュールの詳細および場所値依存性は、後に説明される。不合格を示す任意の機能試験モジュール結果に対して、ユニットは、試験コードを点滅しながら、FT不合格音を生成する。全ての機能試験モジュールが合格した場合には、プロセッサ制御LEDが何度も点滅し、その一方で、ユニットはFT合格音シーケンス(4つの高周波数音)を生成する。機能試験モジュールは、以下の試験を含み得る。
【0113】
1.タイマ試験−タイマが進行していることを検証することによって、タイマ機能をチェックする。
【0114】
2.メモリ試験−メモリの中の選択された場所で書き込みおよび読み取りを行うことによって、メモリ機能を検証する。
【0115】
3.充電試験−1秒以内にシステムを100Vまで充電することによって、充電機能を検証する。
【0116】
4.真空システム試験−起動を開始するための真空閾値に到達できることを検証する。
【0117】
5.ADC試験−AVREFを読み取ることによって、ADC回路の機能および3.3V供給を検証する。結果は、2.5ボルトの5%以内であるべきである。
【0118】
6.PWM試験−プログラムされた音の完了をチェックすることによって、PWMの機能を検証する。
【0119】
7.バッテリ試験−AVREF電圧が2.25〜3.35ボルトの間にあり、バッテリ電圧が5.8〜7.0ボルトの範囲内にあることを確認することによって、バッテリチェック回路を検証する。
【0120】
8.監視試験−エラーコードを機能試験モードに設定し、タイムアウトを可能にすることによって、監視タイマを検証する。
【0121】
9.パラメータ試験−パラメータ値が2次の場所に適合することを検証する。
【0122】
10.チェックサム試験−生成された16ビットチェックサムを保存値と比較することによって、プログラムの完全性を検証する。
【0123】
11.CLK試験は、CLK1において1ミリ秒パルスを生成し、続いて、CLK2において1ミリ秒パルスを生成する。試験の検証は、最終組み立ての前に行われる。
【0124】
12.制御および状態信号ループバック試験−ループバック試験モードである場合に、主要から2次までの制御および状態信号の機能を検証する。
【0125】
マイクロプロセッサは、内部フラッシュメモリをプログラムするために、2ワイヤインターフェースを例示的に使用し得る。一局面では、インターフェースは、マイクロプロセッサがプログラミングインターフェースを感知すると、アクティブになる。当業者であれば、プログラミングインターフェースがアクティブであるときに、プロセッサは、プログラミングインターフェースの制御下にあることを理解する。
【0126】
一実施例では、アプリケータユーザインターフェースは、複数のプロセッサ制御LED、ハードウェア制御LED、多重音スピーカ、および電源/起動ボタンを備え得る。プロセッサ制御LEDは、バッテリ状態、エラー状態、および/または起動準備状態を示すように構成され得る。一局面では、1つのスペアのプロセッサ制御LEDがあり得る。この局面では、ハードウェア制御LEDは、システム電力状態を示すように構成され得る。警報器は、エラー、良好イベント、不良イベント、および/または情報イベントを表すために使用され得る。
【0127】
さらなる局面では、アプリケータ機能は、モジュールアプローチを助長するようにタスクに分割され得る、制御ソフトウェアを通じて例示的に実施され得る。例えば、タスクは以下のように分割され得る。
【0128】
メイン−ソフトウェアエントリポイントおよびトップレベルタスクシーケンス
初期化−デバイス初期化および起動診断
監視−起動に備えてデバイスを準備する
起動−有効な起動状態をチェックし、ポレータへのエネルギーの送達を制御する
停止−エラー状態を更新し、デバイスの電源を切る
アプリケータソフトウェアは、例えば、これに限定するものではないが、ユーザインターフェース(UI)、機能試験、エラーハンドラ、アナログデジタル変換(ADC)、タイマ、ポートI/O、および/またはプログラマブルカウンタ(PCA)のような、ハードウェアおよび内部機能にインターフェース接続する付加的なモジュラーユニットを含有し得る。
【0129】
図30は、アプリケータのソフトウェアの例示的なトップレベルの挙動の流れ図を図式的に図示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体の組織膜の中への少なくとも1つの透過物の送達のための経皮的透過物送達システムであって、該システムは、
上部基材表面を有し、かつ穿孔域を画定する、使い捨て基材と、
頂面および反対側の底面を有する第1の解放ライナーであって、該第1の解放ライナーの該底面の少なくとも一部分は、該上部基材表面に接続される、第1の解放ライナーと、
該第1の解放ライナーの該頂面から選択的に取り外し可能なパッチであって、
上面および反対側の下面を有する裏地層と、
該裏地層の該下面の少なくとも一部分の上に取り付けられ、かつ該少なくとも1つの透過物を解放可能に含有するように構成される、貯蔵部と、
を備える、パッチと、
を備え、
接続された位置において、該裏地層の第1の部分は、該基材の該穿孔域から離れた位置で、該第1の解放ライナーの該頂面に解放可能に取り付けられ、該接続された位置において、該裏地層の第2の部分は、折り畳み位置に折り畳まれ、その位置において該裏地層の該第2の部分の該下面は、該基材の該上部基材表面から離れて外側を向く、
システム。
【請求項2】
前記パッチは、該パッチの前記裏地層の前記下面の少なくとも一部分の上に配置される、皮膚接着剤層をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記裏地層の前記第2の部分の上に配置される前記皮膚接着剤の一部分に解放可能に取り付け可能である、第2の解放ライナーをさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記皮膚接着剤層から前記第2の解放ライナーを除去するために必要とされる力は、前記第1の解放ライナーの前記頂面から前記裏地層の前記第1の部分を除去するために必要とされる力よりも小さい、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の解放ライナーの前記頂面は、その上に配置される解放被覆を有する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記解放被覆は、シリコーン、白金触媒シリコーン、フルオロシリコーン、およびペルフルオロカーボンベースのポリマーから成る群のうちから選択される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記基材の前記上面と前記第1の解放ライナーの前記底面との間に配置される接着剤層をさらに備える、請求項4または請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
接続された位置において、前記裏地層の前記第1の部分は、前記基材の前記穿孔域に折り畳まれて置かれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
折り目が、前記穿孔域から所定の距離だけ離れている、請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
前記貯蔵部の縁は、前記折り目に実質的に隣接するような距離にある、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記貯蔵部は、前記折り目から所定の距離だけ離れている、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記接続された位置において、前記裏地層の前記第1の部分の一部分は、前記裏地層の前記第2の部分の下にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
縁表面を有する支持部材をさらに備える、請求項1に記載のシステムであって、前記接続された位置において、該支持部材が、前記裏地層の前記第2の部分の前記上面と該裏地層の前記第1の部分の該上面の一部分との間に配置されるように、該支持部材は、該裏地層の該上面の複数部分の上に解放可能に取り付けられる、システム。
【請求項14】
前記支持部材の前記縁表面は、前記折り目に隣接して配置される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記支持部材は、前記縁表面を形成するようにそれ自身の上に折り畳まれる一部分を有する、実質的に平面の部材を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
それ自身の上に折り畳まれる前記一部分は、接着剤で定位置に固定される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記支持部材は、該支持部材を通って延在する少なくとも1つの穴を画定し、該支持部材は、該少なくとも1つの穴の位置にある前記裏地層の重複部分を加熱溶接することによって、該裏地層に対して選択的に固定される、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記裏地層の前記第2の部分の前記上面と該裏地層の前記第1の部分の前記上面の一部分との間に配置される、接着テープをさらに備え、それによって、前記パッチが皮膚上で折り畳まれるときには、該接着テープが該裏地層から剥がれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記基材は、下部基材表面と前記上部基材表面との間に延在する導管を画定し、該導管の開放端は、前記穿孔域上に画定される、請求項3に記載のシステム。
【請求項20】
前記基材は、前記上部基材表面上に少なくとも1つのチャネルを画定し、該少なくとも1つのチャネルは、前記穿孔域の中に画定される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つのチャネルは、前記導管と接続する、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記基材は、該基材の前記上部基材表面上に隆起部を画定する、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記基材は、該基材の前記下部基材表面上に複数の雌型陥凹部を画定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記組織膜に少なくとも1つの微小孔を形成するための、前記基材上に取り付けられる手段をさらに備える、請求項1に記載のシステムであって、少なくとも1つの微小孔を形成するための該手段の少なくとも一部分は、前記穿孔域の中に配置される、システム。
【請求項25】
少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段は、ワイヤ導体、堆積された導電材料、機械加工導電材料、レーザ切断導電材料、接着フォイル、電気めっき材料、スクリーン印刷材料、およびエッチング加工導電材料から成る群のうちから選択される、少なくとも1つのフィラメントを備える、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段は、前記少なくとも1つのフィラメントに刺激を印加し、該刺激は、該少なくとも1つのフィラメントによって該少なくとも1つの微小孔の形成を開始する、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記刺激は、熱パルスである、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記刺激は、電気パルスである、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記刺激は、RFパルスである、請求項26に記載のシステム。
【請求項30】
前記基材は、前記下部基材表面から延在し、かつ少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段のそれぞれの部分の上にある、一対のポートを画定する、請求項25に記載のシステム。
【請求項31】
前記基材は、前記下部基材表面から延在し、かつ少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段のそれぞれの部分の上にある、一対のポートを画定する、請求項26に記載のシステム。
【請求項32】
少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段は、熱エネルギーを前記組織生体膜へ直接接触を介して伝導的に送達し、前記微小孔を形成するために十分に深い、その膜のある部分のアブレーションを引き起こすことが可能なフィラメント、電気エネルギーを組織膜へ直接接触を介して送達し、該微小孔を形成するために十分に深い、該膜のある部分のアブレーションを引き起こすことが可能なプローブ要素、電気機械的アプリケータ、マイクロランセット、微小針またはランセットの配列、音響エネルギーアブレータ、レーザアブレーションシステム、および高圧力流体ジェット穿刺器から成る群のうちから選択される、請求項24に記載のシステム。
【請求項33】
少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段は、
それぞれの点において前記被験体の前記皮膚に適用されるように適合される、前記基材の前記穿孔域の中に取り付け可能な複数の電極と、
該複数の電極のうちの2つ以上の間に電気エネルギーを印加して、第1の期間中に角質層の領域のアブレーションを引き起こし、該第1の期間に続く第2の期間中に、アブレーションされた領域を経由する物質の通過を助長するように適合される、電源と、
を備える、
請求項24に記載のシステム。
【請求項34】
少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段は、
それぞれの点において前記被験体の前記皮膚に適用されるように適合される、前記基材の前記穿孔域中に取り付け可能な複数の電極と、
該複数の電極のうちの2つ以上の間に交流電流を印加して、前記組織膜のアブレーションを引き起こすように適合される、電源と、
を備える、
請求項24に記載のシステム。
【請求項35】
前記少なくとも1つの透過物は、薬剤または生物学的活性成分である、請求項1に記載のシステム。
【請求項36】
内部空洞を画定する本体と、
駆動電子機器および電源を備えるコントローラ基板であって、該コントローラ基板は、該内部空洞内に配置される、コントローラ基板と、
前記基材を解放可能に受容するインターフェースと、
を備える、アプリケータをさらに備える、
請求項24に記載のシステム。
【請求項37】
前記アプリケータは、真空源をさらに備え、前記インターフェースは、該真空源と接続するポートを画定し、前記基材が該インターフェースに取り付けられる接続された位置において、該インターフェースの該ポートは、該基材の前記導管と流体接続する、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記コントローラ基板は、前記少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段の選択的制御のために構成される、請求項36に記載のシステム。
【請求項39】
前記アプリケータは、前記少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段のそれぞれの部分と選択的に接続する陽極および陰極をさらに備える、請求項36に記載のシステム。
【請求項40】
前記陽極は、前記アプリケータの前記インターフェースから延在する陽極ピンを備え、前記陰極は、該アプリケータの該インターフェースから延在する陰極ピンを備える、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記接続された位置において、前記陽極ピンおよび前記陰極ピンは、前記少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段のそれぞれの部分と電気的に接続する、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
被験体の組織膜の中への少なくとも1つの透過物の送達のための経皮的透過物送達システムであって、該システムは、
上部基材表面を有し、かつ穿孔域を画定する、使い捨て基材であって、該使い捨て基材は、該穿孔域の中に配置される複数のフィラメントを有するフィラメント配列を備え、各フィラメントは、該組織膜に微小孔を形成するように構成される、使い捨て基材と、
頂面および反対側の底面を有する第1の解放ライナーであって、該第1の解放ライナーの該底面の少なくとも一部分は、該上部基材表面に接続される、第1の解放ライナーと、
該第1の解放ライナーの該頂面から選択的に取り外し可能なパッチであって、
上面および反対側の下面を有する裏地層と、
該裏地層の該下面の少なくとも一部分の上に取り付けられ、かつ該少なくとも1つの透過物を解放可能に含有するように構成される、貯蔵部と、
を備える、パッチと、
を備え、
接続された位置において、該裏地層の第1の部分は、該基材の該穿孔域から離れた位置で、該第1の解放ライナーの該頂面に解放可能に取り付けられ、該接続された位置において、該裏地層の第2の部分は、折り畳み位置に折り畳まれ、その位置において該裏地層の該第2の部分の該下面は、該基材の該上部基材表面から離れて外側を向く、
システム。
【請求項43】
前記フィラメント配列は、前記上部基材表面の一部分に取り付けられ、前記基材は、前記穿孔域の中の該フィラメント配列の一部分が露出されるように、該フィラメント配列の頂面に取り付け、かつその上に横たわるように構成される裏地をさらに備える、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記基材は、前記裏地と前記フィラメント配列との間に配置される接着剤層をさらに備える、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記フィラメント配列は前記基材に封入され、前記穿孔域の中の該フィラメント配列の一部分が露出される、請求項42に記載のシステム。
【請求項46】
前記フィラメント配列は、二重クラッドフォイル材料である、請求項43に記載のシステム。
【請求項47】
前記二重クラッドフォイル材料は、銅の層と、ステンレス鋼の下位層とを備える、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記二重クラッドフォイル材料は、厚さ寸法で約10μm〜300μmの間にある、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記ステンレス鋼の層は、前記二重クラッドフォイル材料の前記厚さの約5〜約25パーセントの間を備える、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記フィラメント配列は、化学フォトエッチングプロセスによって形成される、請求項46に記載のシステム。
【請求項51】
前記フィラメントは、実質的に均一である、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記フィラメント配列は、該フィラメント配列の前記フィラメントにエネルギーを分配するための手段を備える、請求項43に記載のシステム。
【請求項53】
前記フィラメントにエネルギーを分配するための前記手段は、少なくとも1つの電気バンクを備え、各電気バンクは関連するフィラメントを有する、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記少なくとも1つの電気バンクは、複数の電気バンクを備える、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記穿孔域は、第1の部分および鏡映関係にある第2の部分を有し、各電気バンクの複数部分は、該穿孔域の該第1および第2の両方の部分に配置される、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記パッチは、該パッチの前記裏地層の前記下面の少なくとも一部分の上に配置される皮膚接着剤層をさらに備える、請求項42に記載のシステム。
【請求項57】
前記裏地層の前記第2の部分の上に配置される前記皮膚接着剤の一部分に解放可能に取り付け可能である、第2の解放ライナーをさらに備える、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記皮膚接着剤層から前記第2の解放ライナーを除去するために必要とされる力は、前記第1の解放ライナーの前記頂面から前記裏地層の前記第1の部分を除去するために必要とされる力よりも小さい、請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
前記第1の解放ライナーの頂面は、その上に配置される解放被覆を有する、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記基材の前記上部基材表面と前記第1の解放ライナーの前記底面との間に配置される接着剤層をさらに備える、請求項58または請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
前記接続された位置において、前記裏地層の前記第1の部分は、前記基材の前記穿孔域に折り畳まれて置かれる、請求項42に記載のシステム。
【請求項62】
折り目が、前記穿孔域から所定の距離だけ離れている、請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記貯蔵部の縁は、前記折り目に隣接して位置する、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記接続された位置において、前記裏地層の前記第1の部分の一部分は、該裏地層の前記第2の部分の下にある、請求項42に記載のシステム。
【請求項65】
縁表面を有する支持部材をさらに備える、請求項42に記載のシステムであって、前記接続された位置において、該支持部材が、前記裏地層の前記第2の部分の前記上面と該裏地層の前記第1の部分の該上面の一部分との間に配置されるように、該支持部材は、該裏地層の該上面の複数部分の上に解放可能に取り付けられる、システム。
【請求項66】
前記支持部材の前記縁表面は、折り目に隣接して位置する、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記支持部材は、前記縁表面を形成するようにそれ自身の上に折り畳まれる一部分を有する、実質的に平面の部材を備える、請求項65に記載のシステム。
【請求項68】
それ自身の上に折り畳まれる前記一部分は、接着剤で定位置に固定される、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
前記基材は、下部基材表面と前記上部基材表面との間に延在する導管を画定し、該導管の開放端は、前記穿孔域の上に画定される、請求項57に記載のシステム。
【請求項70】
前記基材は、前記基材の前記上面上に少なくとも1つのチャネルを画定し、該少なくとも1つのチャネルは、前記穿孔域の上に画定され、該少なくとも1つのチャネルは、前記導管と接続する、請求項69に記載のシステム。
【請求項71】
前記複数のフィラメントに刺激を印加するための手段をさらに備える、請求項42に記載のシステムであって、該刺激は、該それぞれのフィラメントの各々によって微小孔の形成を開始する、請求項42に記載のシステム。
【請求項72】
前記刺激は、熱パルス、電気パルス、およびRFパルスから成る群のうちから選択される、請求項71に記載のシステム。
【請求項73】
前記基材は、下面から延在し、かつ前記フィラメント配列のそれぞれの部分と接続する、一対のポートを画定する、請求項71に記載のシステム。
【請求項74】
前記少なくとも1つの透過物は、薬剤または生物学的活性成分である、請求項42に記載のシステム。
【請求項75】
内部空洞を画定する本体と、
駆動電子機器および電源を備えるコントローラ基板であって、該コントローラ基板は、該内部空洞内に配置される、コントローラ基板と、
前記基材を解放可能に受容するインターフェースと、
を備える、アプリケータをさらに備える、
請求項74に記載のシステム。
【請求項76】
前記基材は、該基材の前記上部基材表面上に少なくとも1つのチャネルを画定し、該少なくとも1つのチャネルは前記穿孔域の下にあり、前記アプリケータは、真空源をさらに備え、前記インターフェースは、該真空源と接続するポートを画定し、該基材が該インターフェースに取り付けられる接続された位置において、該インターフェースの該ポートは、該基材の導管と流体的に接続する、請求項75に記載のシステム。
【請求項77】
前記コントローラ基板は、刺激を印加するための手段の選択的制御のために構成される、請求項75に記載のシステム。
【請求項78】
前記アプリケータは、陽極および陰極をさらに備える、請求項77に記載のシステム。
【請求項79】
前記接続された位置において、前記陽極および前記陰極は、前記フィラメント配列のそれぞれの部分と電気的に接続する、請求項78に記載のシステム。
【請求項80】
被験体の組織膜の中への少なくとも1つの透過物の送達のための経皮的透過物送達システムであって、該システムは、
上部基材表面を有し、かつ穿孔域を画定する、使い捨て基材であって、該使い捨て基材は、該穿孔域の中に配置される複数のフィラメントを有するフィラメント配列を備え、各フィラメントは、該組織膜に微小孔を形成するように構成される、使い捨て基材と、
頂面および反対側の底面を有する第1の解放ライナーであって、該第1の解放ライナーの該底面の少なくとも一部分は、該上部基材表面に接続される、第1の解放ライナーと、
該第1の解放ライナーの該頂面から選択的に取り外し可能なパッチであって、
上面および反対側の下面を有する裏地層と、
該裏地層の該下面の少なくとも一部分の上に取り付けられ、かつ該少なくとも1つの透過物を解放可能に含有するように構成される、貯蔵部と、
を備える、パッチと、
を備え、
接続された位置において、該パッチの該裏地層の少なくとも一部分は、該基材の該穿孔域から離れた位置で、該第1の解放ライナーの該頂面に解放可能に取り付けられる、
システム。
【請求項81】
前記フィラメント配列は、前記上部基材表面の一部分に取り付けられ、前記基材は、前記穿孔域の中の該フィラメント配列の一部分が露出されるように、該フィラメント配列の頂面に取り付け、かつその上に横たわるように構成される裏地をさらに備え、該裏地は、前記第1の解放ライナーの少なくとも一部分の下にある、請求項80に記載のシステム。
【請求項82】
前記フィラメント配列は前記基材に封入され、前記穿孔域の中の該フィラメント配列の前記一部分が露出される、請求項80に記載のシステム。
【請求項83】
前記フィラメント配列は、二重クラッドフォイル材料である、請求項81に記載のシステム。
【請求項84】
前記二重クラッドフォイル材料は、銅の層と、ステンレス鋼の下位層とを備える、請求項83に記載のシステム。
【請求項85】
前記二重クラッドフォイル材料は、厚さ寸法で約10μm〜300μmの間にある、請求項84に記載のシステム。
【請求項86】
前記ステンレス鋼の層は、前記二重クラッドフォイル材料の前記厚さの約5〜約25パーセントの間を備える、請求項85に記載のシステム。
【請求項87】
前記フィラメントは、実質的に均一である、請求項81に記載のシステム。
【請求項88】
前記フィラメント配列は、該フィラメント配列の前記フィラメントにエネルギーを分配するための手段を備える、請求項81に記載のシステム。
【請求項89】
前記フィラメントにエネルギーを分配するための前記手段は、少なくとも1つの電気バンクを備え、各電気バンクは関連するフィラメントを有する、請求項88に記載のシステム。
【請求項90】
前記少なくとも1つの電気バンクは、複数の電気バンクを備える、請求項89に記載のシステム。
【請求項91】
前記穿孔域は、第1の部分および鏡映関係にある第2の部分を有し、各電気バンクの複数部分は、該穿孔域の該第1および第2の両方の部分に配置される、請求項90に記載のシステム。
【請求項92】
前記パッチは、該パッチの前記裏地層の前記下面の少なくとも一部分の上に配置される皮膚接着剤層をさらに備える、請求項80に記載のシステム。
【請求項1】
被験体の組織膜の中への少なくとも1つの透過物の送達のための経皮的透過物送達システムであって、該システムは、
上部基材表面を有し、かつ穿孔域を画定する、使い捨て基材と、
頂面および反対側の底面を有する第1の解放ライナーであって、該第1の解放ライナーの該底面の少なくとも一部分は、該上部基材表面に接続される、第1の解放ライナーと、
該第1の解放ライナーの該頂面から選択的に取り外し可能なパッチであって、
上面および反対側の下面を有する裏地層と、
該裏地層の該下面の少なくとも一部分の上に取り付けられ、かつ該少なくとも1つの透過物を解放可能に含有するように構成される、貯蔵部と、
を備える、パッチと、
を備え、
接続された位置において、該裏地層の第1の部分は、該基材の該穿孔域から離れた位置で、該第1の解放ライナーの該頂面に解放可能に取り付けられ、該接続された位置において、該裏地層の第2の部分は、折り畳み位置に折り畳まれ、その位置において該裏地層の該第2の部分の該下面は、該基材の該上部基材表面から離れて外側を向く、
システム。
【請求項2】
前記パッチは、該パッチの前記裏地層の前記下面の少なくとも一部分の上に配置される、皮膚接着剤層をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記裏地層の前記第2の部分の上に配置される前記皮膚接着剤の一部分に解放可能に取り付け可能である、第2の解放ライナーをさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記皮膚接着剤層から前記第2の解放ライナーを除去するために必要とされる力は、前記第1の解放ライナーの前記頂面から前記裏地層の前記第1の部分を除去するために必要とされる力よりも小さい、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の解放ライナーの前記頂面は、その上に配置される解放被覆を有する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記解放被覆は、シリコーン、白金触媒シリコーン、フルオロシリコーン、およびペルフルオロカーボンベースのポリマーから成る群のうちから選択される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記基材の前記上面と前記第1の解放ライナーの前記底面との間に配置される接着剤層をさらに備える、請求項4または請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
接続された位置において、前記裏地層の前記第1の部分は、前記基材の前記穿孔域に折り畳まれて置かれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
折り目が、前記穿孔域から所定の距離だけ離れている、請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
前記貯蔵部の縁は、前記折り目に実質的に隣接するような距離にある、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記貯蔵部は、前記折り目から所定の距離だけ離れている、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記接続された位置において、前記裏地層の前記第1の部分の一部分は、前記裏地層の前記第2の部分の下にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
縁表面を有する支持部材をさらに備える、請求項1に記載のシステムであって、前記接続された位置において、該支持部材が、前記裏地層の前記第2の部分の前記上面と該裏地層の前記第1の部分の該上面の一部分との間に配置されるように、該支持部材は、該裏地層の該上面の複数部分の上に解放可能に取り付けられる、システム。
【請求項14】
前記支持部材の前記縁表面は、前記折り目に隣接して配置される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記支持部材は、前記縁表面を形成するようにそれ自身の上に折り畳まれる一部分を有する、実質的に平面の部材を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
それ自身の上に折り畳まれる前記一部分は、接着剤で定位置に固定される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記支持部材は、該支持部材を通って延在する少なくとも1つの穴を画定し、該支持部材は、該少なくとも1つの穴の位置にある前記裏地層の重複部分を加熱溶接することによって、該裏地層に対して選択的に固定される、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記裏地層の前記第2の部分の前記上面と該裏地層の前記第1の部分の前記上面の一部分との間に配置される、接着テープをさらに備え、それによって、前記パッチが皮膚上で折り畳まれるときには、該接着テープが該裏地層から剥がれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記基材は、下部基材表面と前記上部基材表面との間に延在する導管を画定し、該導管の開放端は、前記穿孔域上に画定される、請求項3に記載のシステム。
【請求項20】
前記基材は、前記上部基材表面上に少なくとも1つのチャネルを画定し、該少なくとも1つのチャネルは、前記穿孔域の中に画定される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つのチャネルは、前記導管と接続する、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記基材は、該基材の前記上部基材表面上に隆起部を画定する、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記基材は、該基材の前記下部基材表面上に複数の雌型陥凹部を画定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記組織膜に少なくとも1つの微小孔を形成するための、前記基材上に取り付けられる手段をさらに備える、請求項1に記載のシステムであって、少なくとも1つの微小孔を形成するための該手段の少なくとも一部分は、前記穿孔域の中に配置される、システム。
【請求項25】
少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段は、ワイヤ導体、堆積された導電材料、機械加工導電材料、レーザ切断導電材料、接着フォイル、電気めっき材料、スクリーン印刷材料、およびエッチング加工導電材料から成る群のうちから選択される、少なくとも1つのフィラメントを備える、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段は、前記少なくとも1つのフィラメントに刺激を印加し、該刺激は、該少なくとも1つのフィラメントによって該少なくとも1つの微小孔の形成を開始する、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記刺激は、熱パルスである、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記刺激は、電気パルスである、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記刺激は、RFパルスである、請求項26に記載のシステム。
【請求項30】
前記基材は、前記下部基材表面から延在し、かつ少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段のそれぞれの部分の上にある、一対のポートを画定する、請求項25に記載のシステム。
【請求項31】
前記基材は、前記下部基材表面から延在し、かつ少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段のそれぞれの部分の上にある、一対のポートを画定する、請求項26に記載のシステム。
【請求項32】
少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段は、熱エネルギーを前記組織生体膜へ直接接触を介して伝導的に送達し、前記微小孔を形成するために十分に深い、その膜のある部分のアブレーションを引き起こすことが可能なフィラメント、電気エネルギーを組織膜へ直接接触を介して送達し、該微小孔を形成するために十分に深い、該膜のある部分のアブレーションを引き起こすことが可能なプローブ要素、電気機械的アプリケータ、マイクロランセット、微小針またはランセットの配列、音響エネルギーアブレータ、レーザアブレーションシステム、および高圧力流体ジェット穿刺器から成る群のうちから選択される、請求項24に記載のシステム。
【請求項33】
少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段は、
それぞれの点において前記被験体の前記皮膚に適用されるように適合される、前記基材の前記穿孔域の中に取り付け可能な複数の電極と、
該複数の電極のうちの2つ以上の間に電気エネルギーを印加して、第1の期間中に角質層の領域のアブレーションを引き起こし、該第1の期間に続く第2の期間中に、アブレーションされた領域を経由する物質の通過を助長するように適合される、電源と、
を備える、
請求項24に記載のシステム。
【請求項34】
少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段は、
それぞれの点において前記被験体の前記皮膚に適用されるように適合される、前記基材の前記穿孔域中に取り付け可能な複数の電極と、
該複数の電極のうちの2つ以上の間に交流電流を印加して、前記組織膜のアブレーションを引き起こすように適合される、電源と、
を備える、
請求項24に記載のシステム。
【請求項35】
前記少なくとも1つの透過物は、薬剤または生物学的活性成分である、請求項1に記載のシステム。
【請求項36】
内部空洞を画定する本体と、
駆動電子機器および電源を備えるコントローラ基板であって、該コントローラ基板は、該内部空洞内に配置される、コントローラ基板と、
前記基材を解放可能に受容するインターフェースと、
を備える、アプリケータをさらに備える、
請求項24に記載のシステム。
【請求項37】
前記アプリケータは、真空源をさらに備え、前記インターフェースは、該真空源と接続するポートを画定し、前記基材が該インターフェースに取り付けられる接続された位置において、該インターフェースの該ポートは、該基材の前記導管と流体接続する、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記コントローラ基板は、前記少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段の選択的制御のために構成される、請求項36に記載のシステム。
【請求項39】
前記アプリケータは、前記少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段のそれぞれの部分と選択的に接続する陽極および陰極をさらに備える、請求項36に記載のシステム。
【請求項40】
前記陽極は、前記アプリケータの前記インターフェースから延在する陽極ピンを備え、前記陰極は、該アプリケータの該インターフェースから延在する陰極ピンを備える、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記接続された位置において、前記陽極ピンおよび前記陰極ピンは、前記少なくとも1つの微小孔を形成するための前記手段のそれぞれの部分と電気的に接続する、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
被験体の組織膜の中への少なくとも1つの透過物の送達のための経皮的透過物送達システムであって、該システムは、
上部基材表面を有し、かつ穿孔域を画定する、使い捨て基材であって、該使い捨て基材は、該穿孔域の中に配置される複数のフィラメントを有するフィラメント配列を備え、各フィラメントは、該組織膜に微小孔を形成するように構成される、使い捨て基材と、
頂面および反対側の底面を有する第1の解放ライナーであって、該第1の解放ライナーの該底面の少なくとも一部分は、該上部基材表面に接続される、第1の解放ライナーと、
該第1の解放ライナーの該頂面から選択的に取り外し可能なパッチであって、
上面および反対側の下面を有する裏地層と、
該裏地層の該下面の少なくとも一部分の上に取り付けられ、かつ該少なくとも1つの透過物を解放可能に含有するように構成される、貯蔵部と、
を備える、パッチと、
を備え、
接続された位置において、該裏地層の第1の部分は、該基材の該穿孔域から離れた位置で、該第1の解放ライナーの該頂面に解放可能に取り付けられ、該接続された位置において、該裏地層の第2の部分は、折り畳み位置に折り畳まれ、その位置において該裏地層の該第2の部分の該下面は、該基材の該上部基材表面から離れて外側を向く、
システム。
【請求項43】
前記フィラメント配列は、前記上部基材表面の一部分に取り付けられ、前記基材は、前記穿孔域の中の該フィラメント配列の一部分が露出されるように、該フィラメント配列の頂面に取り付け、かつその上に横たわるように構成される裏地をさらに備える、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記基材は、前記裏地と前記フィラメント配列との間に配置される接着剤層をさらに備える、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記フィラメント配列は前記基材に封入され、前記穿孔域の中の該フィラメント配列の一部分が露出される、請求項42に記載のシステム。
【請求項46】
前記フィラメント配列は、二重クラッドフォイル材料である、請求項43に記載のシステム。
【請求項47】
前記二重クラッドフォイル材料は、銅の層と、ステンレス鋼の下位層とを備える、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記二重クラッドフォイル材料は、厚さ寸法で約10μm〜300μmの間にある、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記ステンレス鋼の層は、前記二重クラッドフォイル材料の前記厚さの約5〜約25パーセントの間を備える、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記フィラメント配列は、化学フォトエッチングプロセスによって形成される、請求項46に記載のシステム。
【請求項51】
前記フィラメントは、実質的に均一である、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記フィラメント配列は、該フィラメント配列の前記フィラメントにエネルギーを分配するための手段を備える、請求項43に記載のシステム。
【請求項53】
前記フィラメントにエネルギーを分配するための前記手段は、少なくとも1つの電気バンクを備え、各電気バンクは関連するフィラメントを有する、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記少なくとも1つの電気バンクは、複数の電気バンクを備える、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記穿孔域は、第1の部分および鏡映関係にある第2の部分を有し、各電気バンクの複数部分は、該穿孔域の該第1および第2の両方の部分に配置される、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記パッチは、該パッチの前記裏地層の前記下面の少なくとも一部分の上に配置される皮膚接着剤層をさらに備える、請求項42に記載のシステム。
【請求項57】
前記裏地層の前記第2の部分の上に配置される前記皮膚接着剤の一部分に解放可能に取り付け可能である、第2の解放ライナーをさらに備える、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記皮膚接着剤層から前記第2の解放ライナーを除去するために必要とされる力は、前記第1の解放ライナーの前記頂面から前記裏地層の前記第1の部分を除去するために必要とされる力よりも小さい、請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
前記第1の解放ライナーの頂面は、その上に配置される解放被覆を有する、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記基材の前記上部基材表面と前記第1の解放ライナーの前記底面との間に配置される接着剤層をさらに備える、請求項58または請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
前記接続された位置において、前記裏地層の前記第1の部分は、前記基材の前記穿孔域に折り畳まれて置かれる、請求項42に記載のシステム。
【請求項62】
折り目が、前記穿孔域から所定の距離だけ離れている、請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記貯蔵部の縁は、前記折り目に隣接して位置する、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記接続された位置において、前記裏地層の前記第1の部分の一部分は、該裏地層の前記第2の部分の下にある、請求項42に記載のシステム。
【請求項65】
縁表面を有する支持部材をさらに備える、請求項42に記載のシステムであって、前記接続された位置において、該支持部材が、前記裏地層の前記第2の部分の前記上面と該裏地層の前記第1の部分の該上面の一部分との間に配置されるように、該支持部材は、該裏地層の該上面の複数部分の上に解放可能に取り付けられる、システム。
【請求項66】
前記支持部材の前記縁表面は、折り目に隣接して位置する、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記支持部材は、前記縁表面を形成するようにそれ自身の上に折り畳まれる一部分を有する、実質的に平面の部材を備える、請求項65に記載のシステム。
【請求項68】
それ自身の上に折り畳まれる前記一部分は、接着剤で定位置に固定される、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
前記基材は、下部基材表面と前記上部基材表面との間に延在する導管を画定し、該導管の開放端は、前記穿孔域の上に画定される、請求項57に記載のシステム。
【請求項70】
前記基材は、前記基材の前記上面上に少なくとも1つのチャネルを画定し、該少なくとも1つのチャネルは、前記穿孔域の上に画定され、該少なくとも1つのチャネルは、前記導管と接続する、請求項69に記載のシステム。
【請求項71】
前記複数のフィラメントに刺激を印加するための手段をさらに備える、請求項42に記載のシステムであって、該刺激は、該それぞれのフィラメントの各々によって微小孔の形成を開始する、請求項42に記載のシステム。
【請求項72】
前記刺激は、熱パルス、電気パルス、およびRFパルスから成る群のうちから選択される、請求項71に記載のシステム。
【請求項73】
前記基材は、下面から延在し、かつ前記フィラメント配列のそれぞれの部分と接続する、一対のポートを画定する、請求項71に記載のシステム。
【請求項74】
前記少なくとも1つの透過物は、薬剤または生物学的活性成分である、請求項42に記載のシステム。
【請求項75】
内部空洞を画定する本体と、
駆動電子機器および電源を備えるコントローラ基板であって、該コントローラ基板は、該内部空洞内に配置される、コントローラ基板と、
前記基材を解放可能に受容するインターフェースと、
を備える、アプリケータをさらに備える、
請求項74に記載のシステム。
【請求項76】
前記基材は、該基材の前記上部基材表面上に少なくとも1つのチャネルを画定し、該少なくとも1つのチャネルは前記穿孔域の下にあり、前記アプリケータは、真空源をさらに備え、前記インターフェースは、該真空源と接続するポートを画定し、該基材が該インターフェースに取り付けられる接続された位置において、該インターフェースの該ポートは、該基材の導管と流体的に接続する、請求項75に記載のシステム。
【請求項77】
前記コントローラ基板は、刺激を印加するための手段の選択的制御のために構成される、請求項75に記載のシステム。
【請求項78】
前記アプリケータは、陽極および陰極をさらに備える、請求項77に記載のシステム。
【請求項79】
前記接続された位置において、前記陽極および前記陰極は、前記フィラメント配列のそれぞれの部分と電気的に接続する、請求項78に記載のシステム。
【請求項80】
被験体の組織膜の中への少なくとも1つの透過物の送達のための経皮的透過物送達システムであって、該システムは、
上部基材表面を有し、かつ穿孔域を画定する、使い捨て基材であって、該使い捨て基材は、該穿孔域の中に配置される複数のフィラメントを有するフィラメント配列を備え、各フィラメントは、該組織膜に微小孔を形成するように構成される、使い捨て基材と、
頂面および反対側の底面を有する第1の解放ライナーであって、該第1の解放ライナーの該底面の少なくとも一部分は、該上部基材表面に接続される、第1の解放ライナーと、
該第1の解放ライナーの該頂面から選択的に取り外し可能なパッチであって、
上面および反対側の下面を有する裏地層と、
該裏地層の該下面の少なくとも一部分の上に取り付けられ、かつ該少なくとも1つの透過物を解放可能に含有するように構成される、貯蔵部と、
を備える、パッチと、
を備え、
接続された位置において、該パッチの該裏地層の少なくとも一部分は、該基材の該穿孔域から離れた位置で、該第1の解放ライナーの該頂面に解放可能に取り付けられる、
システム。
【請求項81】
前記フィラメント配列は、前記上部基材表面の一部分に取り付けられ、前記基材は、前記穿孔域の中の該フィラメント配列の一部分が露出されるように、該フィラメント配列の頂面に取り付け、かつその上に横たわるように構成される裏地をさらに備え、該裏地は、前記第1の解放ライナーの少なくとも一部分の下にある、請求項80に記載のシステム。
【請求項82】
前記フィラメント配列は前記基材に封入され、前記穿孔域の中の該フィラメント配列の前記一部分が露出される、請求項80に記載のシステム。
【請求項83】
前記フィラメント配列は、二重クラッドフォイル材料である、請求項81に記載のシステム。
【請求項84】
前記二重クラッドフォイル材料は、銅の層と、ステンレス鋼の下位層とを備える、請求項83に記載のシステム。
【請求項85】
前記二重クラッドフォイル材料は、厚さ寸法で約10μm〜300μmの間にある、請求項84に記載のシステム。
【請求項86】
前記ステンレス鋼の層は、前記二重クラッドフォイル材料の前記厚さの約5〜約25パーセントの間を備える、請求項85に記載のシステム。
【請求項87】
前記フィラメントは、実質的に均一である、請求項81に記載のシステム。
【請求項88】
前記フィラメント配列は、該フィラメント配列の前記フィラメントにエネルギーを分配するための手段を備える、請求項81に記載のシステム。
【請求項89】
前記フィラメントにエネルギーを分配するための前記手段は、少なくとも1つの電気バンクを備え、各電気バンクは関連するフィラメントを有する、請求項88に記載のシステム。
【請求項90】
前記少なくとも1つの電気バンクは、複数の電気バンクを備える、請求項89に記載のシステム。
【請求項91】
前記穿孔域は、第1の部分および鏡映関係にある第2の部分を有し、各電気バンクの複数部分は、該穿孔域の該第1および第2の両方の部分に配置される、請求項90に記載のシステム。
【請求項92】
前記パッチは、該パッチの前記裏地層の前記下面の少なくとも一部分の上に配置される皮膚接着剤層をさらに備える、請求項80に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公表番号】特表2010−516350(P2010−516350A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546576(P2009−546576)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/051679
【国際公開番号】WO2008/091878
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(500415759)アルテア セラピューティクス コーポレイション (11)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/051679
【国際公開番号】WO2008/091878
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(500415759)アルテア セラピューティクス コーポレイション (11)
【Fターム(参考)】
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