説明

結合装置とプロセスカートリッジと画像形成装置と結合装置の分離方法並びに残存物除去用工具

【課題】 容易かつ確実に第1の部材と第2の部材とを回動自在に結合することが可能な結合装置と、その結合装置を備えたプロセスカートリッジ、結合装置の分離方法並びに残存物除去用工具を提供する。
【解決手段】 少なくとも像坦持体26を支持する第1の筐体54と、少なくとも現像装置32を支持する第2の筐体56とを回動自在に結合する結合装置60であって、第2の筐体56に一体に設けられた被結合部76と、前記第1の筐体54に位置固定された結合ブラケット78とを有し、被結合部76と結合ブラケット78とは、回動自在に連結された連結部と、結合ブラケット78の脱落を防止する脱落防止機構80とを有する結合装置60とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機またはファクシミリなど画像形成装置などに用いる結合装置とその結合装置を備えたプロセスカートリッジと画像形成装置と結合装置の分離方法並びに残存物除去用工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真技術を用いた画像形成装置においては、電子写真感光体(像坦持体)及び電子写真感光体に作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化してカートリッジを画像形成装置に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。
このようなプロセスカートリッジにおいては、たとえば少なくとも像坦持体を支持する第1の筐体と、少なくとも現像装置を支持する第2の筐体とを回転可能に結合ピンで結合することが行われていた(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−15354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、結合ピンを用いて第1の筐体及び第2の筐体を結合してプロセスカートリッジを組み立てた場合、第1の筐体及び第2の筐体に結合ピンを圧入したりあるいはねじ状の結合ピンを挿入する必要があり、結合ピン、第1の筐体及び第2の筐体の破損や、プロセスカートリッジの組立てに手間が掛かるという問題を有していた。またプロセスカートリッジの長手方向両端部に2本以上の結合ピンを挿入する必要があり、プロセスカートリッジの組立てに必要な部品数が多くなってしまっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の特徴とするところは、第1の部材と第2の部材とを回動自在に結合する結合装置であって、前記第1の部材又は前記第2の部材に一体に設けられた被結合部と、前記第1の部材又は前記第2の部材に位置固定された結合ブラケットとを有し、前記被結合部と前記結合ブラケットとは、回動自在に連結された連結部と、前記結合ブラケットの脱落を防止する脱落防止機構とを有することを特徴とする結合装置を提供する。これにより、被結合部に結合ブラケットを装着するのみで容易かつ確実に第1の部材と第2の部材とを回動自在に結合することができる。
【0006】
好ましくは、前記脱落防止機構は、前記結合ブラケットに開口が設けられ、前記被結合部に、前記開口に係合する係合爪が設けられた結合装置とする。このように脱落防止機構として係合爪と開口を形成することで、容易に被結合部に結合ブラケットを装着することができ、かつ複雑な脱落防止機構が不要となる。
【0007】
好ましくは、前記脱落防止機構は、前記被結合部に開口が設けられ、前記結合ブラケットに、前記開口に係合する係合爪が設けられた結合装置とする。このように脱落防止機構として係合爪と開口を形成することで、容易に被結合部に結合ブラケットを装着することができ、かつ複雑な脱落防止機構が不要となる。
【0008】
好ましくは、前記係合爪が設けられた前記被結合部又は前記結合ブラケットが、前記開口が設けられた前記結合ブラケット又は前記被結合部の内側に配置され、前記係合爪が設けられた前記被結合部又は前記結合ブラケットの内側に、前記係合爪の内側端部が当接して前記係合爪の係合状態が解除されるのを防止するロック解除防止部材が挿入された結合装置とする。これにより、例えば上記の結合装置をプロセスカートリッジに取り付けることで、輸送による振動や落下衝撃があっても係合爪の内側端部がロック解除防止部材に当接して係合爪の係合状態が解除されることがなく、プロセスカートリッジが解体するのを防止することができる。また、ロック解除防止部材が、係合爪が設けられた前記被結合部又は前記結合ブラケットの内側に挿入されていることにより、前記係合爪と開口が設けられた前記被結合部と前記結合ブラケットを補強することができる。
【0009】
好ましくは、前記ロック解除防止部材は、前記脱落防止機構よりも挿入方向前方に挿入される前方嵌合部と、前記係合爪の内側端部が当接する後方嵌合部と、前記前方嵌合部と前記後方嵌合部を接続し前記前方嵌合部及び前記後方嵌合部よりも細い接続部とを有し、前記前方嵌合部には、前記前方嵌合部の回転を阻止する回転止め部が形成され、前記後方嵌合部には、挿入方向後端部に工具挿入溝が形成された結合装置とする。これにより、ロック解除防止部材の接続部でねじ切り後方嵌合部を取り出して係合爪の係合状態を解除することにより結合ブラケットを被結合部より脱離することができ、第1の部材と第2の部材を容易に分離することができる。
【0010】
本発明の第2の特徴とするところは、像坦持体と、現像装置と、少なくとも前記像坦持体を支持する第1の筐体と、少なくとも前記現像装置を支持する第2の筐体とを有し、前記第1の筐体と前記第2の筐体は結合装置により回転自在に結合され、前記結合装置は、前記第1の筐体又は前記第2の筐体に一体に設けられた被結合部と、前記第1の筐体又は前記第2の筐体に位置固定された結合ブラケットとを有し、前記被結合部と前記結合ブラケットとが、回動自在に連結された連結部と、前記結合ブラケットの脱落を防止する脱落防止機構とを有することを特徴とするプロセスカートリッジにある。これにより、被結合部に結合ブラケットを装着するのみで容易かつ確実に第1の筐体と第2の筐体とを回動自在に結合することができ、プロセスカートリッジの組立てを容易かつ確実に行うことができ、リサイクルの効率を高めることができる。
【0011】
好ましくは、前記結合装置の前記脱落防止機構は、前記結合ブラケットに開口が設けられ、前記被結合部に、前記開口に係合する係合爪が設けられているプロセスカートリッジとする。また、好ましくは、前記結合装置の前記脱落防止機構は、前記被結合部に開口が設けられ、前記結合ブラケットに、前記開口に係合する係合爪が設けられているプロセスカートリッジとする。このように脱落防止機構として係合爪と開口を形成することで、容易に被結合部に結合ブラケットを装着することができ、かつ複雑な脱落防止機構が不要となる。
【0012】
好ましくは、前記結合装置は、前記係合爪が設けられた前記被結合部又は前記結合ブラケットが、前記開口が設けられた前記結合ブラケット又は前記被結合部の内側に配置され、前記係合爪が設けられた前記被結合部又は前記結合ブラケットの内側に、前記係合爪の内側端部が当接することにより前記係合爪の係合状態が解除されるのを防止するロック解除防止部材が挿入されているプロセスカートリッジとする。これにより、プロセスカートリッジの輸送時などに振動や落下衝撃があっても係合爪の内側端部がロック解除防止部材に当接して係合爪の係合状態が解除されることがなく、プロセスカートリッジが解体されるのを防止することができる。また、ロック解除防止部材が、係合爪が設けられた前記被結合部又は前記結合ブラケットの内側に挿入されていることにより、前記係合爪と開口が設けられた前記被結合部と前記結合ブラケットを補強することができる。
【0013】
好ましくは、前記結合装置は、前記ロック解除防止部材が、前記脱落防止機構よりも挿入方向前方に挿入される前方嵌合部と、前記係合爪の内側端部が当接する後方嵌合部と、前記前方嵌合部と前記後方嵌合部を接続し前記前方嵌合部及び前記後方嵌合部よりも細い接続部とを有し、前記前方嵌合部には、前記前方嵌合部の回転を阻止する回転止め部が形成され、前記後方嵌合部には、挿入方向後端部に工具挿入溝が形成されているプロセスカートリッジとする。これにより、ロック解除防止部材の接続部でねじ切り後方嵌合部を取り出して係合爪の係合状態を解除することにより結合ブラケットを被結合部より脱離することができ、プロセスカートリッジの第1の筐体と第2の筐体を容易に分離することができる。
【0014】
本発明は、上記プロセスカートリッジを有する画像形成装置を含むものとする。
【0015】
また、本発明の第3の特徴とするところは、第1の部材又は第2の部材に一体に設けられた被結合部と、前記第1の部材又は前記第2の部材に位置固定された結合ブラケットとを有し、前記被結合部と前記結合ブラケットとは、回動自在に連結された連結部と、前記結合ブラケットに開口又は係合爪が設けられ、前記被結合部に、前記開口に係合する係合爪又は前記係合爪が係合する開口が設けられた脱落防止機構とを有し、前記係合爪が設けられた前記被結合部又は前記結合ブラケットが、前記開口が設けられた前記結合ブラケット又は前記被結合部の内側に配置され、前記係合爪が設けられた前記被結合部又は前記結合ブラケットの内側に、前記係合爪の内側端部が当接することにより前記係合爪の係合状態が解除されるのを防止し、前記脱落防止機構よりも挿入方向前方に挿入される前方嵌合部と、前記係合爪の内側端部が当接する後方嵌合部と、前記前方嵌合部と前記後方嵌合部を接続し前記前方嵌合部及び前記後方嵌合部よりも細い接続部とを有し、前記前方嵌合部には、前記前方嵌合部の回転を阻止する回転止め部が形成され、前記後方嵌合部には、挿入方向後端部に工具挿入溝が形成されているロック解除防止部材が挿入されている結合装置の分離方法であって、前記工具挿入溝に工具を挿入して回転トルクを加えて前記ロック解除防止部材を前記接続部でねじ切り、少なくとも前記後方嵌合部を外部に取り出した後、前記係合爪を係合状態から解除し、前記結合ブラケットを前記被結合部より脱離させることを特徴とする結合装置の分離方法である。これにより、例えば本発明の結合装置を用いたプロセスカートリッジのリサイクル時などの解体の際に第1の部材である第1の筐体と第2の部材である第2の筐体を容易に分離することができ、また低コストで小部品であるロック解除防止部材のみを新品に交換するだけでよく、その他の部品を交換する必要がないため、リサイクルのコストを低く抑えることができる。
【0016】
また、本発明の第4の特徴とするところは、第1の部材又は第2の部材に一体に設けられた被結合部と、前記第1の部材又は前記第2の部材に位置固定された結合ブラケットとを有し、前記被結合部と前記結合ブラケットとは、回動自在に連結された連結部と、前記結合ブラケットに開口又は係合爪が設けられ、前記被結合部に、前記開口に係合する係合爪又は前記係合爪が係合する開口が設けられた脱落防止機構とを有し、前記係合爪が設けられた前記被結合部又は前記結合ブラケットが、前記開口が設けられた前記結合ブラケット又は前記被結合部の内側に配置され、前記係合爪が設けられた前記被結合部又は前記結合ブラケットの内側に、前記係合爪の内側端部が当接することにより前記係合爪の係合状態が解除されるのを防止し、前記脱落防止機構よりも挿入方向前方に挿入される前方嵌合部と、前記係合爪の内側端部が当接する後方嵌合部と、前記前方嵌合部と前記後方嵌合部を接続し前記前方嵌合部及び前記後方嵌合部よりも細い接続部とを有し、前記前方嵌合部には、前記前方嵌合部の回転を阻止する回転止め部が形成され、前記後方嵌合部には、挿入方向後端部に工具挿入溝が形成されているロック解除防止部材が挿入されている結合装置を分離する際に、前記工具挿入溝に工具を挿入して回転トルクを加えて前記ロック解除防止部材を前記接続部でねじ切り、少なくとも前記後方嵌合部を外部に取り出した後、前記係合爪を係合状態から解除し、前記結合ブラケットを前記被結合部より脱離させることで残存する前記前方嵌合部を除去するための残存物除去用工具であって、前記脱落防止機構の係合爪を押し上げる係合爪押上げ部と前記前方嵌合部の少なくとも一部を挟持して引き出す挟持部とを有する中空の残存物除去用工具本体と、この残存物除去用工具本体の中空部分に挿入されて前記係合爪押上げ部を押し上げる挿入部材と、を有することを特徴とする残存物除去用工具である。これにより、プロセスカートリッジのリサイクル時などに、ロック解除防止部材をねじ切った後に、前方嵌合部を容易に除去することができ、新品のロック解除防止部材と容易に交換することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本発明の一実施形態に係る画像形成装置10の概要が示されている。画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、この画像形成装置本体12内に像形成手段14が搭載され、この画像形成装置本体12の上部に排出部16が設けられているとともに、この画像形成装置本体12の下部に給紙装置18が設けられている。
【0018】
排出部16は、画像形成装置本体12に対して回動自在の傾斜部22を有する。この傾斜部22は排出口部分が低く、前面方向(図1の右方向)に向けて徐々に高くなるよう傾斜しており、排出口部分を下端とし、高くなった先端を上端としている。この傾斜部22は下端を中心に回動自在であるよう画像形成装置本体12に支持されている。図1で2点鎖線で示すように、傾斜部22を上方に回転して開いたときには、開放部24が形成され、この開放部24を介して後述するプロセスカートリッジ40が脱着できるようにしてある。
【0019】
像形成手段14は、例えば電子写真方式のもので、感光体からなる像坦持体26とこの像坦持体26を一様帯電する例えば帯電ロールからなる帯電装置28と、この帯電装置28により帯電された像坦持体26に、光により潜像を書き込む光書込み装置30と、この光書込み装置30により形成された像坦持体26の潜像を現像剤により可視化する現像装置32と、この現像装置32による現像剤像をシートに転写する例えば転写ロールからなる転写装置34と、像坦持体26に残存する現像剤をクリーニングする例えばブレードからなるクリーニング装置36と、転写装置34により転写された用紙上の現像剤像を用紙に定着させる例えば加圧ロールと加熱ロールからなる定着装置38とから構成されている。光書込み装置30は例えば走査型のレーザ露光装置からなり、給紙装置18の給紙カセット20と平行で画像形成装置本体12の前面(図1の右側面)近傍に配置され、現像装置32内を横切って像坦持体26を露光する。また、現像装置32は、像坦持体26と対向する現像ロール42を有する。
【0020】
プロセスカートリッジ40は、像坦持体26、帯電装置28、現像装置32及びクリーニング装置36を一体化したものである。このプロセスカートリッジ40は、排出部16の傾斜部22の直近下方に配置されており、前述したように、傾斜部22を開いたときに形成される開放部24を介して脱着される。
【0021】
また画像形成装置本体12には、例えばレジストロール44が転写装置34の上流側に配置されている。給紙装置18の給紙カセット20からピックアップロール47によりピックアップされフィードロール49とリタードロール51を介して搬送路45に搬送された用紙はこのレジストロール44により一時停止され、所定のタイミングで像形成手段14に送られて像が形成され、排出ロール46により排出部16へ排出される。
【0022】
ただし、両面印刷の場合は、反転路に戻される。即ち、排出ロール46の手前は2股に分かれ、その分かれた部分に切換爪48が設けられていると共に、分かれた部分からレジストロール44まで戻る反転路50が形成されている。この反転路50には搬送ロール52a〜52cが設けられており、両面印刷の場合には、切換爪48が反転路50を開く側に切り換えられ、排出ロール46に用紙の後端手前からかかる時点で排出ロール46が反転し、用紙が反転路50に導かれ、レジストロール44、転写装置34と像坦持体26との間及び定着装置38を通って排出部16へ排出されるものである。
【0023】
次に、本発明の第1の実施形態のプロセスカートリッジ40を図面に基づいて説明する。
プロセスカートリッジ40は、上述したように像坦持体26、帯電装置28、現像装置32及びクリーニング装置36を一体化したものであり、例えば、図2(a)及び(b)の側面図に示すように、像坦持体26と図2では図示省略されている帯電装置28及びクリーニング装置36とを支持する第1の筐体(第1の部材)54と、現像ロール42を含む現像装置32を支持する第2の筐体56(第2の部材)とを有している。第1の筐体54と第2の筐体56は、図2(c)の断面図に示すように、第1の結合部58と本発明の第1の実施形態に係る結合装置60(第2の結合部)で回動自在に連結されている。第1の結合部58は、第1の筐体54の長手方向一端の第1側面62に一体に設けられた軸受け部64と第2の筐体56の長手方向一端の第1側面66に一体に設けられた軸部68とで構成されている。なおこの実施形態においては、図2(a)に示すように軸受け部64が斜め方向に長い長孔として形成されており、軸部68に斜め方向に若干の自由度が与えられている。
【0024】
一方、結合装置60は、図2(b)に示すように、第2の筐体56の長手方向他端の第2側面74に一体に設けられた被結合部76と、第1の筐体54の長手方向他端の第2側面70の2箇所に設けられた被嵌合部72に嵌合しかつ被結合部76に嵌合して位置固定された結合ブラケット78とを有している。なお、結合ブラケット78には被嵌合部72に嵌合するための第1の貫通孔83及び被結合部76に嵌合するための第2の貫通孔85が形成されている。
【0025】
被結合部76と結合ブラケット78とは、図3(a)の側面図及び(b)の断面図に示すように、回動自在に連結された連結部79、即ち結合ブラケット78の貫通孔85に被結合部76が挿入された部分である連結部79と、前記結合ブラケット78の被結合部76からの脱落を防止する脱落防止機構80とを有している。脱落防止機構80は、具体的には、例えば被結合部76に係合爪84が設けられ、結合ブラケット78に開口82が設けられている。なお、被結合部76の内部には後述するロック解除防止部材86を挿入することも可能な挿入孔87が形成されている。
【0026】
なおこの実施形態においては、第1の筐体54の被嵌合部72に対しては、結合ブラケット78は単に嵌合しているのみであり脱落防止機構は設けられていない。しかしながら、結合ブラケット78は図2(b)に示すように第1の筐体54及び第2の筐体56を連結した状態でそれらに装着されているため、結合ブラケット78の被結合部76からの脱落を防止する脱落防止機構80により結合ブラケット78は被嵌合部72からも脱落する虞はない。またこの実施形態においては、第2の筐体56の被結合部76と結合ブラケット78に脱落防止機構80を設けているが、第1の筐体54の被嵌合部72と結合ブラケット78に脱落防止機構80を設けることももちろん可能である。
【0027】
このようにすることで、被結合部76に結合ブラケット78を装着するのみで容易かつ確実に第1の筐体54と第2の筐体56とを回動自在に結合することができる。またこの実施形態においては、第1の結合部58は第1の筐体54及び第2の筐体56に一体に形成された軸部68と軸受け部64とで構成されており、プロセスカートリッジ40の組立てに必要な部品数は少なくてよい。また、脱落防止機構80として係合爪84と開口82を形成することで、容易に被結合部76に結合ブラケット78を装着することができ、また複雑な脱落防止機構が不要となる。
【0028】
次に脱落防止機構80における係合爪84の開口82への係合手順の一例を以下に示す。まず図4(a)に示すように、結合ブラケット78を被結合部76に嵌合させて、被結合部76を結合ブラケット78の第2の貫通孔85に挿入させる。なお、図4には被嵌合部72は図示されていないが、結合ブラケット78は、第1の筐体54に設けられた被嵌合部72にも同時に嵌合する。そして図4(b)に示すように被結合部76に設けられた係合爪84を被結合部76の内側方向に弾性変形させて結合ブラケット78の第2の貫通孔85内を通過させる。その後図4(c)に示すように、係合爪84が結合ブラケット78に設けられた開口82に到達した時点で元の形状に復帰し開口82にスナップフィットで係合する。なお、係合爪84が開口82に係合した状態では、係合爪84は、開口82の外側よりドライバーなどにより押し込むことで係合状態を解除することが可能とされている。なお開口82は、図3(a)に示すように、第2の筐体56の回動方向に長い長方形状に形成されており、開口82内で係合爪84が回動可能とされている。
このようにすることによって、結合ブラケット78を被結合部76に容易に装着することができる。また、脱落防止機構80が設けられていることから、結合ブラケット78が被結合部76より脱落するのを防止することができる。
【0029】
次に第2の実施形態のプロセスカートリッジ40を、図面を用いて説明する。
第1の実施形態のプロセスカートリッジ40においては、被結合部76の係合爪84が結合ブラケット78の開口82に係合した状態のままとなっており、係合爪84の係合状態が簡単に解除されるため、例えばプロセスカートリッジ40の輸送による振動や落下衝撃により係合状態が解除され、結合ブラケット78が被結合部76より脱落してしまい、第1の筐体54と第2の筐体56が分離してしまう虞がある。また、被結合部76は中空であるため破損する虞も有する。
【0030】
そこで第2の実施形態のプロセスカートリッジ40においては、例えば図5(a)及び(b)に示すように、第2の筐体56の被結合部76の内側に設けられた挿入孔87に、係合爪84の内側端部88が当接することで係合爪84が係合状態から解除されることを防止するロック解除防止部材86を挿入している。
【0031】
このロック解除防止部材86は、脱落防止機構80よりも挿入方向前方に挿入される前方嵌合部90と、この前方嵌合部90の後方に挿入され、係合爪84の内側端部88が当接する後方嵌合部92と、前方嵌合部90と後方嵌合部92を接続し前方嵌合部90及び後方嵌合部92よりも細い接続部94とを有している。そして前方嵌合部90には、係合爪84の前端部96に当接してロック解除防止部材86の抜止めを行う凸形状の係合部98と、挿入方向前端部には前方嵌合部90の回転を阻止する回転止め部100が形成されており、後方嵌合部92の挿入方向後端部に工具挿入溝102が形成されている。また、前方嵌合部90の下端部には、後述する残存物除去用工具110により挟持される挟持部122が設けられている。なお、第2の筐体56には、回転止め部100が嵌合する凹部104が形成されており、この凹部104に回転止め部100が嵌合することで前方嵌合部90の回転止めが行われる。
【0032】
したがって工具挿入溝102に例えばマイナスドライバーなどの工具を挿入し回転トルクを加えることにより、前方嵌合部90は回転止めされているためロック解除防止部材86は接続部94でねじ切れ、ロック解除防止部材86の接続部94よりも後方に挿入された後方嵌合部92を挿入孔87の外部に取り出すことができる。このようにすることで係合爪84が被結合部76の内側方向に入り込めるようになり、係合爪84を係合状態から解除することが可能な状態となる。
【0033】
このロック解除防止部材86の被結合部76の挿入孔87への挿入手順の一例を以下に示す。図6(a)に示すようにこのロック解除防止部材86の係合部98により係合爪84を外側に弾性変形させながらロック解除防止部材86を、挿入孔87内を通過させる。そして図6(b)に示すように係合部98を係合爪84よりも挿入方向前方の位置に到達させる。この時点すなわちロック解除防止部材86の挿入が完了した時点で係合爪84が元の形状に復帰し係合部98が係合爪84の前端部96に当接し、ロック解除防止部材86の抜止めが行われる。
【0034】
このようにすることで、プロセスカートリッジ40が組み立てられた状態ではロック解除防止部材86が被結合部76の挿入孔87に挿入されていることから、輸送による振動や落下衝撃などにより係合爪84の係合状態が解除されるのを防止することができる。また、ロック解除防止部材86が挿入孔87に挿入されていることにより、被結合部76と結合ブラケット78を補強することができ、それらの破損を防止することができる。
【0035】
一方、係合爪84の係合状態を解除するには、ロック解除防止部材86を被結合部76の挿入孔87より取り出す必要がある。このときロック解除防止部材86の接続部94よりも挿入後方側に挿入された後方嵌合部92は、上述したように工具挿入溝94に工具を挿入して回転トルクを加えることにより簡単に取り出すことができ、後方嵌合部92が取り出されることで係合爪84が被結合部76の内側方向に入り込めるようになり、係合爪84が係合状態から解除可能な状態となる。
【0036】
しかしながら、上記のように接続部94でねじ切ることにより接続部94よりも挿入方向前方に挿入された前方嵌合部90は被結合部76内部に残ってしまう。そこで、例えば図7(a)の正面図、(b)の側面図及び(c)の正面斜視図に示すような残存物除去用工具本体106及び挿入部材108を有する残存物除去用工具110を用いて残存物である前方嵌合部90の除去を行う。残存物除去用工具本体106はほぼ全体が中空の略円筒状を有しており、前端の下端部に物を挟み込むことが可能な鍬形形状の弾性変形する挟持部112を有している。また上端部に係合爪84を押し上げるための内側にくの字に曲がった係合爪押上げ部114が設けられている。また挿入部材108には、残存物除去用工具本体106の中空部分に挿入される略円柱状の挿入部116が設けられている。なお、残存物除去用工具本体106及び挿入部材108には、それらの操作を行い易いようにそれぞれ第1取っ手部118及び第2取っ手部120が設けられている。
【0037】
一方、ロック解除防止部材86の前方嵌合部90の下端部には、図8(c)に示すように、略T字状の被挟持部122が設けられている。なお、図8(c)は、図8(b)の下側から前方嵌合部90を見た要部拡大図である。この被挟持部122が残存物除去用工具110の挟持部112により挟み込まれて、前方嵌合部90が被結合部76の外部に引き抜かれる。
【0038】
次に残存物除去用工具110によるロック解除防止部材86の前方嵌合部90の除去の手順の一例を、図を用いて説明する。
まず図8(a)に示すように、残存物除去用工具本体106を被結合部76の挿入孔87に挿入し挟持部112で前方嵌合部90に設けられたT字状の被挟持部122を挟み込む(図8(c)参照)。その際に挟持部112は被挟持部122に当接した後弾性変形して拡開し、その後元の形状に復帰し被挟持部122を挟み込んだ状態となる。そして図8(b)に示すように、挿入部材108の挿入部116を残存物除去用工具本体106の中空部分に挿入することで、残存物除去用工具本体106の係合爪押上げ部114が上に押し上げられ、それに伴って、被結合部76に設けられた係合爪84が押し上げられる。このようにすることで、係合爪84による係合部98の抜止めが解除され、係合部98が挿入孔87内を通過可能となり前方嵌合部90を引き抜くことが可能となる。
【0039】
その後、挿入部材94ごと残存物除去用工具本体106を引き抜くことにより、挟持部112で前方嵌合部90の被挟持部122を挟み込んでいるため、前方嵌合部90も一緒に引き抜かれる。このようにすることで、残存物である前方嵌合部90を被結合部76の内部より取り除くことができる。
なお、この前方嵌合部90はリサイクル時などにプロセスカートリッジ40を解体する際に取り除くが、前方嵌合部90が残存していても係合爪84は開口82に係合され係合状態を解除することも可能であり脱落防止機構80の機能は失われないため、前方嵌合部90が残存した状態でプロセスカートリッジ40をリサイクルすることも可能である。しかしながらその場合、再び新しいロック解除防止部材86を挿入することはできず、輸送による振動や落下衝撃により係合状態が解除される虞があり、またリサイクル後の被結合部76及び結合ブラケット78の補強もなされない。したがって、プロセスカートリッジ40の解体時に前方嵌合部90を取り除き、再びプロセスカートリッジ40を組み立てる際に新たなロック解除防止部材86を被結合部76の中空部分に挿入するのが好ましい。
【0040】
次に本発明の第3の実施形態のプロセスカートリッジ40を図面に基づいて説明する。
上記第1及び第2の実施形態においては、第2の筐体56の被結合部76に係合爪84を設け結合ブラケット78に開口82を設けているが、第3の実施形態のプロセスカートリッジ40においては、たとえば図9に示すように、脱落防止機構80として結合ブラケット78に係合爪84を設け、第2の筐体56の被結合部76に開口82を設けている。また、結合ブラケット78に、ロック解除防止部材86を挿入し係合部98を係合するための係合孔124を設けている。
【0041】
このようにすることで、第1及び第2の実施形態のプロセスカートリッジ40と同様に、被結合部76に結合ブラケット78を装着するのみで容易かつ確実に第1の筐体54と第2の筐体56とを回動自在に結合することができる。また、脱落防止機構80として係合爪84と開口82を形成することで、容易に被結合部76に結合ブラケット78を装着することができ、また複雑な脱落防止機構が不要となる。
【0042】
また、この実施形態においてのロック解除防止部材86の結合ブラケット78への挿入は、図6の場合と同様に、係合爪84を外側に弾性変形させることにより実現される。あるいは、ロック解除防止部材の係合部98を内側方向に弾性変形させて挿入させてもよい。また結合ブラケット78を被結合部76より取り外す際には、ロック解除防止部材86の接続部94でねじ切ることで後方嵌合部92を取り出して結合ブラケット78の係合爪84の係合状態を解除可能とする。その後係合爪84の係合状態を解除し、結合ブラケット78を取り出す。このとき、残存する前方嵌合部90も結合ブラケット78と一緒に取り出し、その後前方嵌合部90を前述の残存物除去用工具110を用いて結合ブラケット78より取り出す。なお前方嵌合部90を、残存物除去用工具110を用いて結合ブラケット78より取り出した後に結合ブラケット78を被結合部76より取り外してもよいが、前方嵌合部90も結合ブラケット78と一緒に取り出し、その後前方嵌合部90を前述の残存物除去用工具110を用いて結合ブラケット78より取り出した方が容易であり、被結合部76を破損させる虞がないのでより好ましい。あるいは結合ブラケット78は小部品であり、部品コストが低いことから、前方嵌合部90が挿入された結合ブラケット78を新しいものと交換してもよい。
【0043】
第2の筐体56は大きな重要部品であり、第2の筐体56の被結合部76に係合爪84を形成した場合、作業ミスなどで係合爪84あるいは被結合部76を破損してしまう虞があるが、この実施形態のプロセスカートリッジ40のように、第2の筐体56の被結合部76に開口82を形成し、結合ブラケット78に開口82を設けることによって、被結合部76が破損する虞が少なくなる。また、結合ブラケット78は小部品であることから、破損した場合にも容易に交換することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上述べたように、本発明は、部品コストの低減を図ることができ、組み立てが容易なプロセスカートリッジ、プロセスカートリッジ解体方法並びに残存物除去用工具に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るプロセスカートリッジの概要を示す側面図及び断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るプロセスカートリッジの脱落防止機構を示す側面図および断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るプロセスカートリッジの第2の筐体への結合ブラケットの装着手順を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るプロセスカートリッジの脱落防止機構に挿入されたロック解除防止部材の様子を示す概念図及び斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るプロセスカートリッジのロック解除防止部材の装着手順を示す工程図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るロック解除防止部材の残存物を取り出すための残存物除去用工具を示す(a)正面図、(b)側面図および(c)正面斜視図である。
【図8】(a)、(b)本発明の第2の実施形態に係るロック解除部材の残存物の取出し手順を示す工程図および(c)その要部拡大図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るプロセスカートリッジの脱落防止機構を示す側面図および断面図である。
【符号の説明】
【0046】
10 画像形成装置
18 給紙装置
54 第1の筐体
56 第2の筐体
58 第1の結合部
60 結合装置
62 (第1の筐体の)第1の側面
64 軸受け部
66 (第2の筐体の)第1の側面
68 軸部
70 (第1の筐体)の第2の側面
72 被嵌合部
74 (第2の筐体)の第2の側面
76 被結合部
78 結合ブラケット
79 連結部
80 脱落防止機構
82 開口
83 第1の貫通孔
84 係合爪
85 第2の貫通孔
86 ロック解除防止部材
87 挿入孔
88 内側端部
90 前方嵌合部
92 後方嵌合部
94 接続部
96 前端部
98 係合部
100 回転止め部
102 工具挿入溝
104 凹部
106 残存物除去用工具本体
108 挿入部材
110 残存物除去用工具
112 挟持部
114 係合爪押上げ部
116 挿入部
118 第1の取っ手部
120 第2の取っ手部
122 被挟持部
124 係合孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部材と第2の部材とを回動自在に結合する結合装置であって、前記第1の部材又は前記第2の部材に一体に設けられた被結合部と、前記第1の部材又は前記第2の部材に位置固定された結合ブラケットとを有し、前記被結合部と前記結合ブラケットとは、回動自在に連結された連結部と、前記結合ブラケットの脱落を防止する脱落防止機構とを有することを特徴とする結合装置。
【請求項2】
前記脱落防止機構は、前記結合ブラケットに開口が設けられ、前記被結合部に、前記開口に係合する係合爪が設けられていることを特徴とする請求項1記載の結合装置。
【請求項3】
前記脱落防止機構は、前記被結合部に開口が設けられ、前記結合ブラケットに、前記開口に係合する係合爪が設けられていることを特徴とする請求項1記載の結合装置。
【請求項4】
前記係合爪が設けられた前記被結合部又は前記結合ブラケットが、前記開口が設けられた前記結合ブラケット又は前記被結合部の内側に配置され、前記係合爪が設けられた前記被結合部又は前記結合ブラケットの内側に、前記係合爪の内側端部が当接することにより前記係合爪の係合状態が解除されるのを防止するロック解除防止部材が挿入されていることを特徴とする請求項2または3記載の結合装置。
【請求項5】
前記ロック解除防止部材は、前記脱落防止機構よりも挿入方向前方に挿入される前方嵌合部と、前記係合爪の内側端部が当接する後方嵌合部と、前記前方嵌合部と前記後方嵌合部を接続し前記前方嵌合部及び前記後方嵌合部よりも細い接続部とを有し、前記前方嵌合部には、前記前方嵌合部の回転を阻止する回転止め部が形成され、前記後方嵌合部には、挿入方向後端部に工具挿入溝が形成されていることを特徴とする請求項4記載の結合装置。
【請求項6】
像坦持体と、現像装置と、少なくとも前記像坦持体を支持する第1の筐体と、少なくとも前記現像装置を支持する第2の筐体とを有し、前記第1の筐体と前記第2の筐体は結合装置により回転自在に結合され、前記結合装置は、前記第1の筐体又は前記第2の筐体に一体に設けられた被結合部と、前記第1の筐体又は前記第2の筐体に位置固定された結合ブラケットとを有し、前記被結合部と前記結合ブラケットとが、回動自在に連結された連結部と、前記結合ブラケットの脱落を防止する脱落防止機構とを有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項7】
前記結合装置の前記脱落防止機構は、前記結合ブラケットに開口が設けられ、前記被結合部に、前記開口に係合する係合爪が設けられていることを特徴とする請求項6記載のプロセスカートリッジ。
【請求項8】
前記結合装置の前記脱落防止機構は、前記被結合部に開口が設けられ、前記結合ブラケットに、前記開口に係合する係合爪が設けられていることを特徴とする請求項6記載のプロセスカートリッジ。
【請求項9】
前記結合装置は、前記係合爪が設けられた前記被結合部又は前記結合ブラケットが、前記開口が設けられた前記結合ブラケット又は前記被結合部の内側に配置され、前記係合爪が設けられた前記被結合部又は前記結合ブラケットの内側に、前記係合爪の内側端部が当接することにより前記係合爪の係合状態が解除されるのを防止するロック解除防止部材が挿入されていることを特徴とする請求項6乃至8いずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項10】
前記結合装置は、前記ロック解除防止部材が、前記脱落防止機構よりも挿入方向前方に挿入される前方嵌合部と、前記係合爪の内側端部が当接する後方嵌合部と、前記前方嵌合部と前記後方嵌合部を接続し前記前方嵌合部及び前記後方嵌合部よりも細い接続部とを有し、前記前方嵌合部には、前記前方嵌合部の回転を阻止する回転止め部が形成され、前記後方嵌合部には、挿入方向後端部に工具挿入溝が形成されていることを特徴とする請求項9記載のプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項6乃至10いずれかに記載のプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
第1の部材又は第2の部材に一体に設けられた被結合部と、前記第1の部材又は前記第2の部材に位置固定された結合ブラケットとを有し、前記被結合部と前記結合ブラケットとは、回動自在に連結された連結部と、前記結合ブラケットに開口又は係合爪が設けられ、前記被結合部に、前記開口に係合する係合爪又は前記係合爪が係合する開口が設けられた脱落防止機構とを有し、前記係合爪が設けられた前記被結合部又は前記結合ブラケットが、前記開口が設けられた前記結合ブラケット又は前記被結合部の内側に配置され、前記係合爪が設けられた前記被結合部又は前記結合ブラケットの内側に、前記係合爪の内側端部が当接することにより前記係合爪の係合状態が解除されるのを防止し、前記脱落防止機構よりも挿入方向前方に挿入される前方嵌合部と、前記係合爪の内側端部が当接する後方嵌合部と、前記前方嵌合部と前記後方嵌合部を接続し前記前方嵌合部及び前記後方嵌合部よりも細い接続部とを有し、前記前方嵌合部には、前記前方嵌合部の回転を阻止する回転止め部が形成され、前記後方嵌合部には、挿入方向後端部に工具挿入溝が形成されているロック解除防止部材が挿入されている結合装置の分離方法であって、前記工具挿入溝に工具を挿入して回転トルクを加えて前記ロック解除防止部材を前記接続部でねじ切り、少なくとも前記後方嵌合部を外部に取り出した後、前記係合爪を係合状態から解除し、前記結合ブラケットを前記被結合部より脱離させることを特徴とする結合装置の分離方法。
【請求項13】
第1の部材又は第2の部材に一体に設けられた被結合部と、前記第1の部材又は前記第2の部材に位置固定された結合ブラケットとを有し、前記被結合部と前記結合ブラケットとは、回動自在に連結された連結部と、前記結合ブラケットに開口又は係合爪が設けられ、前記被結合部に、前記開口に係合する係合爪又は前記係合爪が係合する開口が設けられた脱落防止機構とを有し、前記係合爪が設けられた前記被結合部又は前記結合ブラケットが、前記開口が設けられた前記結合ブラケット又は前記被結合部の内側に配置され、前記係合爪が設けられた前記被結合部又は前記結合ブラケットの内側に、前記係合爪の内側端部が当接することにより前記係合爪の係合状態が解除されるのを防止し、前記脱落防止機構よりも挿入方向前方に挿入される前方嵌合部と、前記係合爪の内側端部が当接する後方嵌合部と、前記前方嵌合部と前記後方嵌合部を接続し前記前方嵌合部及び前記後方嵌合部よりも細い接続部とを有し、前記前方嵌合部には、前記前方嵌合部の回転を阻止する回転止め部が形成され、前記後方嵌合部には、挿入方向後端部に工具挿入溝が形成されているロック解除防止部材が挿入されている結合装置を分離する際に、前記工具挿入溝に工具を挿入して回転トルクを加えて前記ロック解除防止部材を前記接続部でねじ切り、少なくとも前記後方嵌合部を外部に取り出した後、前記係合爪を係合状態から解除し、前記結合ブラケットを前記被結合部より脱離させることで残存する前記前方嵌合部を除去するための残存物除去用工具であって、前記脱落防止機構の係合爪を押し上げる係合爪押上げ部と前記前方嵌合部の少なくとも一部を挟持して引き出す挟持部とを有する中空の残存物除去用工具本体と、この残存物除去用工具本体の中空部分に挿入されて前記係合爪押上げ部を押し上げる挿入部材と、を有することを特徴とする残存物除去用工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−162944(P2006−162944A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−353965(P2004−353965)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】