説明

結晶粒の極点図測定方法およびその装置

【課題】 結晶粒の方位分布測定を短時間で実行可能としてインライン又はオンラインで検査可能な方位分布測定方法及びそのための装置を提供する。
【解決手段】 測定試料における結晶粒の方位分布測定を行なう結晶粒の方位分布測定方法であって、単色化したX線をX線ビームに形成し、当該形成したX線ビームを前記測定試料の表面に対し、所定の入射角を中心にした所定の角度幅で入射し、当該所定の角度幅で入射したX線の回折像を、TDI読み出しモードで動作するCCD34により構成した二次元検出器で検出して、その回折方向において積分して極点図を取得し、当該得られた極点図から結晶粒の方位分布測定を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶粒について、その結晶粒の方位分布を測定するための結晶粒の極点図測定方法及びその装置に関し、特に、金属テープ上に成長させた上記の結晶粒を、その線材の製造工程において連続的に測定することが可能な結晶粒の極点図測定方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
材料の結晶粒方位分布(配向)を測定・表示するために、例えば、X線回折法による極点図(Pole figure)法がある。一方、材料の加工特性、磁気特性、電気特性などは、結晶粒の方位分布によって大きな影響を受ける。そこで、X線回折法による極点図測定で評価しながら、望ましい方位分布が得られるように、製造工程が工夫されている。なお、かかるX線回折法による極点図法は、以前から鉄鋼材料・電磁鋼板などの研究・開発に適用されている。最近では、YBCO超電導線材の開発において、迅速な極点図測定法に対する要望があり、例えば、以下のような種々の製造方法が既に提案され、実用化されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−129529号公報
【非特許文献1】山田穣 「異方性を利用した超電導線材の製作プロセス」マテリアルインテグレーション Vol.18No.2(2005)
【非特許文献2】川崎、岩崎:放射光 第5巻 第3号(1992年)239-251
【非特許文献3】岩崎:まてりあ 第35巻 第4号(1996)398-404
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
<従来技術1>
Schulzによって考案された測定装置が一般的に用いられている。図7にその構成を示す。X線検出器(SC)は所定の回折角2θに固定される。破線で示したSchulzのスリットをSCの前に配置する。通常、ω角をθに固定し、χ角のステップ移動とφスキャンを繰り返しながら強度マップ測定を行う。この測定で得られた強度マップが、極点図である。Schulzスリットは赤道面(入射X線、X線検出器を含み、ω軸に垂直な面。図7の紙面)上に配置され上下方向に少し開口している構造であり、赤道面反射だけを通過させSCで検出させ、赤道面の上下方向に回折したX線を遮る役目で配置される。χステップ移動とφスキャンを繰り返す2軸の強度マップ測定により、配向の状態=方位分布を把握することができる。
【0005】
なお、この方法の欠点は、測定時間が長いということである。SCのような点検出器(0次元検出器)を用いてstep-by-stepの2軸マップ測定となり、荒いステップで測定しても1時間を要する。精細な測定となると1日がかりで測定することもある。
【0006】
<従来技術2>
2次元検出器の一種であるMWPC(Multi-Wire Proportional Counter)を用い、極点図の測定を高速化した例も、既に知られている。この測定では、デバイリングの強度を検出面積の範囲で計測できるので、一定範囲のχ角方向の強度分布を同時に取り込むことができるので測定時間を大幅に短縮できる。しかし、φ角(またはω角)に関しては相変わらずステップ−バイ−ステップ(step-by-step)であり、そのため、φ角(ω角)のステップを細かく設定するとそれなりの時間を要する。
【0007】
<従来技術3>
更に、極点図の測定をさらに高速化した例が、以上の非特許文献2や3により既に知られている。
【0008】
これら非特許文献2や3の構成を、添付の図8に示す。試料の回転(=極点球の回転)と2次元検出器(この場合イメージングプレート)の移動を同期させて行い回折強度を記録する。エバルト球と極点球の交線より回折線が生じ、円錐の母線に沿って放射され、デバイリングが形成される。測定しようとする回折線以外の回折線がイメージングプレートに入射しないように円弧状のスリットを持ったスクリーンが配置される。このようにすると、一定範囲の極点図が一挙に得られる。また、画像として得られるので精細な極点図が測定できる。
【0009】
しかしながら、この従来技術では、スクリーンが必用であること、イメージングプレートの移動機構が必要であることであり、上記の従来技術1や2の形態からは逸脱した専用機となること(汎用機ではない)である。換言すれば、イメージングプレートの現像処理に手作業が入ることである。
【0010】
以上に説明したように、上記の従来技術では、測定においては、角度を変えながらX線回折強度を一点一点測定することが必要であり、そのため、測定時間が長くかかるという問題があり、これでは、インライン又はオンラインでの検査方法としての実用化することは難しかった。
【0011】
そこで、本発明では、上述した従来技術における問題点に鑑み、その測定時間を大幅に短縮することが可能であり、インライン又はオンラインでの検査方法としても実用可能な結晶粒の極点図測定方法およびその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の目的を達成するため、本発明によれば、まず、測定試料における結晶粒の方位分布測定を行なう結晶粒の方位分布測定方法であって、単色化したX線をX線ビームに形成し、当該形成したX線ビームを前記測定試料の表面に対し、所定の入射角を中心にした所定の角度幅で入射し、当該所定の角度幅で入射したX線の回折像を、TDI読み出しモードで動作するCCDにより構成した二次元検出器で検出して、その回折方向において積分して極点図を取得し、当該得られた極点図から結晶粒の方位分布測定を行なう結晶粒の方位分布測定方法が提供される。
【0013】
また、本発明によれば、やはり上述の目的を達成するため、X線を発生するX線発生装置と、当該X線発生装置からのX線を単色化して所定のX線ビームに形成し、測定試料の表面に対して入射する光学系と、当該光学系から入射したX線ビームの回折X線を検出する2次元X線検出器とを備えた結晶粒の方位分布測定装置において、前記光学系は前記形成したX線ビームを前記測定試料の表面に対し、所定の入射角を中心にした所定の角度幅で入射し、更に、前記2次元X線検出器はTDI読み出しモードで動作するCCDにより構成した二次元検出器からなり、もって、当該所定の角度幅で入射したX線の回折像を積分して極点図を取得して結晶粒の方位測定を行なう結晶粒の方位分布測定装置。
【発明の効果】
【0014】
以上に述べたように、本発明になる結晶粒の方位分布測定方法、又は、その方位分布測定装置によれば、従来の方法では時間のかかる結晶粒の方位分布測定を、短時間で実行可能とすることにより、例えば、上述した金属テープの表面上に成長された超電導材などを含め、製造工程において連続的に供給される結晶粒について、インライン又はオンラインで、その方位分布測定を実現することが可能となるという優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態になる結晶粒の方位分布測定方法及びそのための装置ついて、添付の図面を参照しながらその詳細を説明する。
【0016】
まず、添付の図1により、本発明の実施の形態になる結晶粒の方位分布測定装置である、TDI-CCDを用いた極点図測定装置の構成を示す。図において、X線源を構成するX線管球10の点状のX線源より発生したX線を、φ0.2〜0.5mm程度のピンホールコリメータ20で細く絞って、例えば、金属テープ上に成長させた上記の結晶粒を含む試料片Sに照射する。なお、X線源としては、Cuターゲットなどが用いられる。また、図示はしていないが、Kβカットフィルタを配置して擬似的にKα線に単色しておく。測定配置には、反射配置と透過配置の設定がある。また、図では、試料Sは板状形状を示しているが、これに限ったものではない。その他、例えば、線状、粒状の試料形状もある。試料Sは、ω回転(X線の照射点を中心に紙面に垂直な回転軸の周りの回転)のほか、χ角(あおり回転)及びφ回転(面内回転)で試料の姿勢を調整できる。回折角(2θ)の方向にはX線検出器30が固定され、回折X線を待ち受ける。なお、ここまでは、従来法と同じであるが、上記の構成において、X線検出器として、TDI-CCDをベースにした2次元検出器を採用したことが新しい。即ち、上記のX線検出器として、TDI読み出しモードで動作するCCDをベースにした2次元検出器を採用したことである。このTDI- CCD検出器によれば、後にも説明するが、TDI- CCD検出器を動作させながら試料の回転を行うことにより、帯状の画像が得られる。その中に記録された回折強度分布が、即極点図となる。
【0017】
そして、本発明によれば、上記のX線検出器30として、TDI読み出しモードで動作するCCD(以後、「TDI-CCD」)をベースにした2次元検出器を採用している。即ち、本発明では、X線検出器30として、TDI- CCD検出器を動作させながら試料Sの回転を行うことにより、帯状の画像が得られる。その中に記録された回折強度分布が、即、極点図として得られるものである。
【0018】
なお、上記図1の構成において、上記X線検出器30におけるTDI読み出しの方向は、赤道面内矢印の方向(または、その逆)に設定する。ここで、赤道面とは、入射X線を含みω回転軸に垂直な平面であり、図の紙面である。試料Sの回転軸として、ω軸を例にとって極点図取得の原理を説明する。ω回転を一定の範囲で一定の速度で回転すると、回折条件を満足したX線がデバイ環に沿って生じ、TDI-CCDに入射する。この極点図の取得は、次の手順で行う。
【0019】
1. TDI動作開始。
2. ωスキャン開始と同時にX線シャッタを開く。
3. 一定幅スキャン後、ωスキャンを停止すると同時にX線シャッタを閉じる。
4. TDI動作終了。
【0020】
このように、ω回転の開始と終了に同期させてTDI読み出しを実行すると、図2のような帯状の画像が記録される。この画像の強度分布が、そのまま、直ちに、求める方位の分布を示す極点図となる。
【0021】
次に、図2に示したように、画像の上下方向が円弧状に歪んだ形状は、図3に示す回折条件で明らかなように、検出面でデバイ環の一部を検出しているためである。しかし、この歪みは、測定結果の解釈に困難を与えるものではない。後にも述べるように、本画像よりステレオ投影等の極点図に変換することができる。
【0022】
ここで、上記の回折線像が円弧状になる理由を詳しく述べる。図3は、回折条件を示すEwaldの作図である。図3(A)において、AはEwald球の中心、Oは逆格子の原点で、k0は入射X線、kは回折X線そしてVは長さが1/dの逆格子ベクトルを示す。ここでdは注目した格子面の面間隔である。また、A点は実空間で試料位置であり、ω軸の周りに回転調整できる。ω軸を回転すると、逆格子空間では、極点球は(1/d球で示した)その原点Oを中心にω軸と平行な軸の周りに回転することになる。
【0023】
なお、試料Sが単結晶のとき、結晶の方位を調整し、図に破線Bで示した逆格子点がEwald球と接触し、k−k0=Vの条件を満足するとき、回折が起きる。回折角2θ方向にX線フィルムを置き、写真撮影をすれば、逆格子点に対応する回折スポットが撮影される。
【0024】
試料が無配向の多結晶のとき、結晶粒の方位はat randomに分布する。従って、各結晶粒の逆格子点は半径1/dの極点球上に一様に、万遍なく分布することになる。このような状態では、Ewald球と極点球の交わった部分(図3(A)の破線Bで示す部分)で回折条件を満足し、実空間の試料位置Aより半頂角が2θの円錐(2θ cone)の母線に沿って回折線を生じる。同様に写真撮影をすれば、いわゆるデバイリング(Debye ring,デバイ環)が撮影される。このデバイリングに沿ったX線強度は、試料が無配向の場合は一様な強度分布を示す。結晶粒の方位分布に偏りがある状態を、配向をもつと言ったり、選択配向(preferred orientation)をもつと言ったり、組織(texture)をもつと言ったりする。この場合、デバイリングに沿ったX線強度は一様ではなく、強度分布をもつことになる。一例として、図3(B)に結晶粒の高配向状態を示す模式図を示した。この事情は、単結晶の場合の方位分布による逆格子点の広がりと解釈することができる。
【0025】
以上の説明からも明らかなように、回折線像が円弧状になる理由は、検出器面が赤道面で円錐の母線に垂直に2θconeを切るからである。切り口の形状は、円錐曲線(conic section)である。
【0026】
以上の説明では、試料の姿勢をω軸で変えた例として説明したが、しかしながら、試料はω,χ及びφの直交する3軸の周りで自由に方位を調整できるので、極点図の測定は、ω軸の回転に限ったものではない。添付の図4には、測定モードと極点球上のマッピング領域を示した。ω軸によるスキャンは、図4(A)に示すように、極点球の大円(great circle)を中心とした帯状の領域がマッピングされる。大円とは球をその中心で切断した時にできる切り口の円のことである。球の中心を通らない切断は、小円(small circle)と呼ばれる。極点球に破線で示したEwald球との交わりは常に小円となる。すでに述べたように、検出面では、デバイ環の一部を検出しており、その形状は円錐曲線となる。この円錐曲線に沿った強度分布は、極点球の小円に沿った強度分布である。したがって、最終的な極点図表示であるステレオ投影図上でも小円に沿った強度分布であり、変換は容易である。
【0027】
図4(B)は、ω角をθ(=2θ/2)に固定し、χ角を適宜な角度に設定したあと、φ角を360°にわたってスキャンして得られるマッピング領域である。この場合、極点球の小円に沿った強度分布がマッピングされる。χ角のステップ移動とφスキャンを繋いで繰り返すことにより、広域の極点図がマッピング可能である。その他、測定の目的によりマップ測定モードが選択される。
【0028】
ここで、上述したX線検出器30を構成するTDI読み出しモードで動作するCCD(TDI-CCD)のTDI読み出しについての説明を行う。CCDの読み取りの仕方に、TDI(Time Delay Integration)と呼ばれる読み出しモードがある。この方式は、被写体とカメラの相対速度が比較的速いマシーンビジョンの分野で採用されている方式である。例えば、半導体ウエーハの検査やベルトコンベイヤー上の自動組立てラインの品質検査などに応用されている。
【0029】
なお、このTDI読み出しに使われるCCDの種類は、主にFFT(Full Frame Transfer)型のCCDであり、FFT-CCDと呼ばれている。通常のFFT読み出しでは、先ず、一定時間露出し、被写体像をCCD上の画素に電荷像として蓄積する。次に、露光を遮断し、その間に読み出しを行う。読み取りは、全画素を一画面分一気に読み出す方式である。得られる画像の大きさも画素サイズである。例えば、512×512pixelsである。通常のFFT読み出しでは、被写体の移動速度に比べて露出時間が長い場合、被写体像は、移動方向に複数の画素に分散するので、画像のボケを生じる。これに対し、TDI読み出しはこの不都合はない。
【0030】
TDI読み出しは、CCD上で画像の蓄積(露光=電荷蓄積)と、一番底の一行分の画素の読み取りとを、連続的に行う方式である。各一行の読み取りデータをメモリに収納するとともに、残ったCCDの画素中の信号は、すべて一行分だけシフトダウンさせる。この動作を続けて繰り返すと、蓄積された画像(電荷)は読み出しの度に移動(電荷転送)を繰り返すことになる。電荷転送速度とベルトコンベイヤーに乗せられ移動する被写体の速度を一致させて行えば、画像のボケは生じないし、同じ画像が加算されるので信号強度が増強される。得られる画像は、画素サイズを越えて、一定幅で、例えば512pixels幅で、TDI動作を行っている時間分だけ帯状に長く取れる。所謂、“流し撮り”が可能となる。
【0031】
添付の図5は、浜松ホトニクスの技術資料に出ているTDIの簡単な動作原理図である。この図からも分かるように、画素のシフトダウンとステージの移動とをあわせることにより、像のボケもなく画質が向上する。
【0032】
なお、本発明における上記TDI読み出しCCDの使い方は、上述したTDI-CCDの本来の使い方とは異なる。即ち、ωスキャンと同期させてTDI読み出し動作をする。既に、上記図2で説明したように、帯状に伸びる画像の長手方向に角度情報(スキャン軸、例えばω角)を持たせたのが特徴である。
【0033】
更に、上述したX線検出器30の具体的な構造の一例を図6に示す。なお、本発明の目的は、測定時間の短縮であることから、X線検出器として高感度であることが期待される。即ち、図にも示すように、X線は蛍光板31で可視光像に変換され、イメージインテンシファイヤ(I.I)32で数万倍に増倍され、更に、リレーレンズ33でカップリングされたTDI-CCD34で撮像する。なお、このレンズ33を用いず、その他、例えば、テーパーファイバーでカップリングする方法もある。イメージング可能な高さ方向の幅は25〜100mm程度のものが製作できる。また、パソコン(CPU)40との接続は、画像取り込みボード50を介して行なう。また、図中の60は、上記イメージインテンシファイヤ(I.I)の電源を示す。
【0034】
また、本発明の結晶粒の極点図測定方法およびその装置によれば、従来技術に比べて測定時間が大幅に短縮される。即ち、TDI-CCDを利用して、極点図系を、帯状に一挙に測定できるからである。なお、その結果は、画像として得られるので、精細な極点図が得られる。精細なのでYBCOのような高配向膜に適用するとわずかな極点図の変化分も見逃すことなく評価できる。また、装置構成についても、従来のSCをTDI-CCDに交換する以外は、従来と同様であり、即ち、汎用性がある。また、検出器を移動する必要がないことから、従来のようにスクリーンを用いる必要もない。
【0035】
以上に詳細に述べたように、発明の結晶粒の方位分布測定方法及びその装置によれば、従来の方法では時間のかかる結晶粒の方位測定を、短時間で実行可能とすることにより、例えば、テープの表面上に成長された材料をも含め、製造工程において連続的に供給される微結晶粒について、インライン又はオンラインで、その方位分布測定を実現することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の方位分布測定方法を実施する方位分布測定装置の全体構造を示すブロック図である。
【図2】上記図1の方位分布測定装置のTDI-CCDにより得られる出力を示す図である。
【図3】本発明の結晶粒の方位分布測定を実現する回折条件を説明するためのEwaldの作図とその一部拡大図である。
【図4】本発明の結晶粒の方位分布測定における測定モードと極天球上のマッピング領域について説明する図である。
【図5】上記TDI-CCDのTDI読み出し動作の原理を説明する図である。
【図6】上記TDI-CCDを備えたX線検出器の構成の一例を示す図である。
【図7】従来技術の装置による極点図の測定配置の一例を示す図である。
【図8】従来技術におけるイメージングプレートを用いた高速極点図測定方法を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
10…X線管、20…ピンホールコリメータ、S…試料、30…X線検出器、31…蛍光板、32…イメージインテンシファイヤ(I.I)、33…リレーレンズ、34…TDI-CCD、40…CPU、50…画像取り込みボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定試料における結晶粒の方位分布測定を行なう結晶粒の方位分布測定方法であって、単色化したX線をX線ビームに形成し、当該形成したX線ビームを前記測定試料の表面に対し、所定の入射角を中心にした所定の角度幅で入射し、当該所定の角度幅で入射したX線の回折像を、TDI読み出しモードで動作するCCDにより構成した二次元検出器で検出して、その回折方向において積分して極点図を取得し、当該得られた極点図から結晶粒の方位分布測定を行なうことを特徴とする結晶粒の方位分布測定方法。
【請求項2】
X線を発生するX線発生装置と、当該X線発生装置からのX線を単色化して所定のX線ビームに形成し、測定試料の表面に対して入射する光学系と、当該光学系から入射したX線ビームの回折X線を検出する2次元X線検出器とを備えた結晶粒の方位分布測定装置において、前記光学系は前記形成したX線ビームを前記測定試料の表面に対し、所定の入射角を中心にした所定の角度幅で入射し、更に、前記2次元X線検出器はTDI読み出しモードで動作するCCDにより構成した二次元検出器からなり、もって、当該所定の角度幅で入射したX線の回折像を積分して極点図を取得して結晶粒の方位測定を行なうことを特徴とする結晶粒の方位分布測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−249605(P2008−249605A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−93567(P2007−93567)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000250339)株式会社リガク (206)
【Fターム(参考)】