説明

絞り機能を有する超小型シャッター、その製造方法およびそれを備えたマイクロカメラモジュール

【課題】本発明の課題は、高速で作動し、絞り機能をすることができる超小型シャッターを提供することである。
【解決手段】絞り機能を有する超小型シャッター100は、光が通過でき、イメージセンサに対応するサイズで形成される円形の透明部113を有するベース板110と、光を遮断する材質により複数形成され、正多角形をなすように配置して透明部113を覆い、それぞれ透明部113の周縁に固定される固定部120aと固定部側に巻き込まれる可動部120bとを備える複数個のロールアップブレード120と、印加することで稼動させる複数個のロールアップブレードの広がり程度を制御する制御部150と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学シャッター装置に関し、より詳細には、絞り機能を有する超小型シャッター、その製造方法およびそれを備えたマイクロカメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、デジタル技術が発達することにより、移動通信端末、携帯用ゲーム器、PDA、PMP、デジタルビデオカメラなどのような携帯用デジタル機器はカメラ機能を有する。
【0003】
このような携帯用デジタル機器に設けられるカメラユニットは、一般カメラと同様に、写真撮影が可能とするシャッターを含む。
【0004】
ところが、携帯用デジタル機器は携帯性を向上させるために小型化が要求される。従って、携帯用デジタル機器に使用されるカメラユニットは、電子シャッター(eletronic shutter)を使用することが一般である。
【0005】
しかし、一般カメラと同等の良質の写真を撮影するためには、機械式シャッター(mechanical shutter)を使用することが好ましい。
【0006】
このような携帯用デジタル機器に使用されるカメラユニットのように、小型化が必要なカメラユニットに使用可能な機械式シャッターとして、リーフシャッター(leaf shutter)がある。しかしながら、このような従来技術によるリーフシャッターを小型化するには限界があり、動作速度が遅いという問題点がある。これにより、従来技術による機械式シャッターは、小型化などの技術的な問題と製造コストの問題により、携帯用デジタル機器に適用することが困難であった。
【0007】
更に、絞りを使用する場合にはシャッターとは別に製造した絞りユニットを設けなければならないため、カメラユニットを小型化するのに限界があった。
【特許文献1】韓国公開特許 第2007−030871号
【特許文献2】米国特許 US6226116
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、超小型に製造でき、高速動作が可能であり、絞り機能を有する超小型シャッター、その製造方法およびそれを備えるマイクロカメラモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような本発明の目的は、光が通過でき、イメージセンサに対応するサイズで形成される円形の透明部を有するベース板と、光を遮断する材質により複数形成され、正多角形をなすように配置して前記透明部を覆い、それぞれ前記透明部の周縁に固定される固定部と固定部側に巻き込まれる(rollup)可動部とを備える複数個のロールアップブレード(rollup Blade)と、印加することで稼動される前記複数個のロールアップブレードの広がり(unroll)程度を制御する制御部と、を含む絞り機能を備える超小型シャッターを提供することにより達成できる。
【0010】
前記複数個のロールアップブレードのそれぞれは、三角形の薄膜から形成されることが好ましい。
【0011】
このとき、前記複数個のロールアップブレードのそれぞれは、前記ベース板と接する下部絶縁層と、前記下部絶縁層の上側に形成される上部電極と、を含み、前記下部絶縁層と前記上部電極とは、前記可動部が前記固定部側に巻き込まれるように、互いに異なる残留応力を有するように形成され、前記制御部から電圧を印加することができる。
【0012】
また、前記上部電極は、引張残留応力を有するように形成することが好ましい。
【0013】
また、前記複数個のロールアップブレードのそれぞれは、前記ベース板と接する下部絶縁層と、前記下部絶縁層の上側に形成される圧電駆動層と、を含むように形成することができる。
【0014】
また、前記複数個のロールアップブレードのそれぞれは、前記ベース板と接する圧電駆動層と、前記圧電駆動層の上側に形成される絶縁層と、を含むように形成することができる。
【0015】
また、前記圧電駆動層は、第1電極層、圧電層、第2電極層の層状構造に形成され、前記第1電極層または第2電極層には、前記圧電駆動層を動作させ、前記絶縁層を広げることができる電圧を印加することが好ましい。
【0016】
また、前記複数個のロールアップブレードのそれぞれは、隣接するロールアップブレードが互いに一部分が重畳するように設けることができる。
【0017】
このとき、前記複数個のロールアップブレードのそれぞれは、少なくとも2層に形成することが好ましい。
【0018】
また、前記複数個のロールアップブレードのそれぞれは、巻き込まれる方向に対して直角に形成される複数個のプリーツ(Pleat)を含むことが好ましい。
【0019】
また、前記ベース板は、透明基板と、前記透明基板の上側に設けられる透明電極と、を含むように形成することができる。
【0020】
また、前記透明基板には、光学部品を形成することができる。
【0021】
また、前記制御部は、前記複数個のロールアップブレードの広がり程度を3段階以上に制御することが好ましい。
【0022】
また、前記制御部は磁力を用いて前記複数個のロールアップブレードの広がり程度を制御するように形成することができる。
【0023】
また、本発明に係る超小型シャッターにおいて、前記ベース板は、前記複数個のロールアップブレードの上側に設けられるカバーを更に含むことができる。
【0024】
本発明の他の側面において、上記のような本発明の目的は、光が通過でき、イメージセンサに対応するサイズで形成される透明部を有するベース板と、光を遮断する材質で前記ベース板に薄膜形状で形成され、前記透明部を覆うように、前記透明部の周縁部に固定される固定部と、固定部側に巻き込まれて巻き込む方向が互いに逆になる可動部とを備える一対のロールアップブレードと、前記ベース板と前記一対のロールアップブレードとに電気的に接続され、前記一対のロールアップブレードの広がり程度を制御する制御部と、を含む絞り機能を備える超小型シャッターを提供することにより達成できる。
【0025】
このとき、前記制御部は、前記一対のロールアップブレードがスリットを形成し、前記スリットが前記透明部の一方から反対方向に移動するように前記一対のロールアップブレードを制御することができる。
【0026】
本発明の他の側面において、上記のような本発明の目的は、イメージセンサと、前記イメージセンサの上側に設けられ、前記イメージセンサに対応するように形成され光が通過する透明部を備えるベース板と、光を遮断する材質で前記ベース板に薄膜形状で形成され、前記透明部の一方に固定される固定部と、前記透明部に対応する形状で形成され前記固定部側に巻き込まれる可動部とを備えるロールアップブレードと、前記ベース板と前記ロールアップブレードとに電気的に接続され、前記ロールアップブレードの広がり程度を少なくとも3段階以上に制御する制御部と、を含むマイクロカメラモジュールを提供することにより達成できる。
【0027】
このとき、前記ロールアップブレードは、前記ベース板と接する下部絶縁層と、前記下部絶縁層の上側に形成され、引張残留応力を有する上部電極と、を含むように形成することが好ましい。
【0028】
本発明の他の側面において、上記のような本発明の目的は、透明基板に透明電極層を形成するステップと、前記透明電極層の上側に透明部に対応される犠牲層を形成するステップと、前記犠牲層と透明電極層の上側にロールアップブレードに対応する形状で絶縁層を形成するステップと、前記絶縁層の上側に薄い電極層を形成するステップと、前記犠牲層を除去するステップと、を含む絞り機能を備える超小型シャッターの製造方法を提供することにより達成できる。
【0029】
このとき、前記絶縁層と電極層とは、互いに異なる残留応力を有するように形成することが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、添付の図面に基づいて本発明の実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッター、その製造方法およびそれを備えるマイクロカメラモジュールについて詳細に説明する。
但し、本発明を説明するにおいて、関連する公知の構成または機能に対する具体的な説明が本発明を不明にすると判断される場合は詳細説明は省略する。
【0031】
[実施形態1]
図1Aは、本発明の第1実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターが開放されている状態を示す斜視図であり、図1Bは図1Aの絞り機能を有する超小型シャッターが光を遮断した状態を示す斜視図であり、図1Cは図1Aの絞り機能を有する超小型シャッターが絞りを形成した状態を示す斜視図である。図2A及び図2Bは、それぞれ図1A及び図1Bの絞り機能を有する超小型シャッターを線II−IIに沿って切断した断面図である。
【0032】
図1Aないし図2Bに示すように、本発明の第1実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッター100は、ベース基板110、複数個のロールアップブレード120、および制御部150を含む。
【0033】
図1A及び図2Aに示すように、ベース板110は光が通過できる透明基板111と、透明基板111の上側に形成された透明電極112を含む。透明電極112の上面には透明部113が形成される。本実施形態の場合には、透明部113が略円形で形成されている。しかし、透明部113は必要に応じて、円、三角形、楕円、台形、多角形、非定形の閉曲線図形など様々な形状に形成することができる。また、透明電極112の上面の透明部113の外側には、光が通過できないように不透明部140が形成されても良い。不透明部140は可視光線が透過することを遮断する光学的不透明材料から形成することができる。他の例として、透明電極112の上面の透明部113の外側に不透明部140を形成しなくても良い。この場合は、超小型シャッター100が組立てられるカメラモジュールの別の部品が、透明部113の外側に光が通過することを遮断するように構成される。
【0034】
透明基板111は、ガラス、石英、プラスチック、シリカなどの物質で形成され、透明電極112は、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnO、SnO、カーボンナノチューブ(CNT)、導電性ポリマー(condective polymer)などの物質で形成される。不透明部140は、クロム(Cr)で形成することができる。また、不透明部140は光学ブラック(Optical black)の特性を有する物質でも形成することができる。
【0035】
複数個のロールアップブレード120は、選択的にベース板110の透明部113を被せて光が透明部113を通過することを遮断できるように形成される。すなわち、複数個のロールアップブレード120に駆動力が印加されなければ、複数個のロールアップブレード120は巻き込まれた状態にあり、駆動力が印加されれば、複数個のロールアップブレード120が広がって透明部113を覆うことにより、光が透明部113を透過することを遮断する。このような複数個のロールアップブレード120は、それぞれ図2A及び図2Bに示されているように、2つのレイヤ121、122で形成され、透明部113の縁部のベース板110に固定された固定部120aと、固定部120a側に巻き込まれる可動部120bとを含む。すなわち、ロールアップブレード120は透明部113に対応するサイズで薄膜形状に形成され、ベース板110と接する下部絶縁層121と、下部絶縁層121の上側に形成される上部電極122とを含む。従って、複数個のロールアップブレード120は透明部113と対応するように、円、三角形、楕円、台形、非定形の閉曲線図形など様々な形状で形成することができ、複数個のロールアップブレード120の下部絶縁層121はベース板110の透明部113と接触するようになる。
【0036】
本実施形態の場合は、複数個のロールアップブレード120が円形の透明部113の外側に設けられる。このとき、複数個のロールアップブレード120は円形の透明部113を完全に覆うように円形の透明部113を囲む正多角形を形成するように設けられる(図1B参照)。従って、それぞれのロールアップブレード120は透明部113の中心113cを頂点とする三角形で形成される。このとき、図1Bに示すように、三角形状のロールアップブレード120の底辺120dは正多角形の各辺に位置するようになる。従って、ロールアップブレード120の底辺部分はベース板110に固定される固定部120aをなし、残りの部分が巻き込まれたり広げられたりして選択的に透明部113を覆う可動部120bを形成する。本実施形態においては、図1B及び図1Cに示すように、複数個のロールアップブレード120が正十二角形をなすように形成される。正多角形の辺の個数が多くなるほど複数個のロールアップブレード120によって形成される絞りホール101は円形に近い形をする。
【0037】
また、ロールアップブレード120が一定の方向に巻き込まれるように可動部120bに複数のプリーツ120cを形成することができる。図1Aに示されているようにロールアップブレード120が巻き込まれるようにするためには、ロールアップブレード120の動作方向(矢印A)に対して直角になるように、ロールアップブレード120の可動部120bに複数個のプリーツ120cを形成することが好ましい。
【0038】
ロールアップブレード120は駆動力が印加されなければ、可動部120bが巻き込まれた状態を維持できるように、下部絶縁層121と上部電極122とは互いに異なる残留応力を有する。ロールアップブレード120の残留応力の分布の一例が図3Aに示されている。図3Aによると、上部電極122は引張残留応力(σ1)を有し、下部絶縁層121は圧縮残留応力(σ2)を有している。従って、上部電極122に駆動力が印加されなければ、上部電極122は引張残留応力(σ1)によって圧縮される方向に力を受け、下部絶縁層121は圧縮残留応力(σ2)によって引張する方向に力を受ける。従って、ロールアップブレード120は、図3Bに示すように、上部電極122の上側に巻き込まれて上部電極122が丸く曲げられる。図3Bにおいて、R1は、丸く曲げられたロールアップブレード120の上部電極122の曲率半径を示す。
【0039】
また、図4Aに示すように、ロールアップブレード120の上部電極122が引張残留応力(σ1)を有し、下部絶縁層121は残留応力を有しない場合には、上部電極122にのみ引張残留応力(σ1)によって圧縮する方向に力が印加されるため、ロールアップブレード120が上部電極122の上側の方に丸く曲げられるようになる。この場合、上部電極122の曲率半径R2はR1より大きい。
【0040】
また、図4Bに示すように、ロールアップブレード120の上部電極122が引張残留応力(σ1)を有し、下部絶縁層121は上部電極122の引張残留応力(σ1)より小さい引張残留応力(σ3)を有している場合にも、上部電極122に作用する圧縮力が下部絶縁層121に作用する圧縮力より大きいため、ロールアップブレード120は上部電極122の上側の方に丸く曲げられる。この場合、上部電極122の曲率半径R3はR2より大きい。
【0041】
従って、本発明に使用されるロールアップブレード120は、上部電極122の残留応力(σ1)と下部絶縁層121の残留応力(σ2、σ3)とを適切に調節することにより、ロールアップブレード120の可動部120bが巻き込まれる曲率を調節することができる。ロールアップブレード120の可動部120bの曲率半径を小さくし、ロールアップブレード120が図1A及び図2Aに示されているように1回転以上巻き込まれるようにすると、シャッター100の高さを低くすることができる。
【0042】
ロールアップブレード120の下部絶縁層121は、PECVD、Si、SiO、Paryleneなどの物質を利用して製造することができ、上部電極122としてはCr、Al、Au、Mo、Cuなどの物質を利用して製造することができる。また、ロールアップブレード120の下部絶縁層121と上部電極122との少なくとも一つは可視光を遮断できる光学ブラック(Optical Black)の特性を有する物質で製造することが好ましい。
【0043】
図5A及び図5Bは、ロールアップブレード120’、120’’の別の例を示す。
【0044】
図5A及び図5Bに示されたロールアップブレード120’、120’’は、2つのレイヤのうち1レイヤが圧電駆動層125、127として形成される。
【0045】
図5Aに示されたロールアップブレード120’は、下部に絶縁層124が形成され、絶縁層124の上側に圧電駆動層125が形成される。このとき、ロールアップブレード120’が上側に巻き込まれるようにするためには、下部の絶縁層124は圧縮残留応力を有し、上部の圧電駆動層125は引張残留応力を有するように形成される。
【0046】
図5Bに示されたロールアップブレード120’’は、下部に圧電駆動層127が形成され、圧電駆動層127の上部に絶縁層126が形成される。ロールアップブレード120’’が上側に巻き込まれるようにするため、下部の圧電駆動層127は圧縮残留応力を有し、上部の絶縁層126は引張残留応力を有するように形成される。ここで、圧電駆動層125、127は層状構造を有し、第1電極層125a、127a、圧電層125b、127b、第2電極層125c、127cから形成される。従って、図5Bにおいて、ロールアップブレード120’’が接触するベース板110の透明電極112の上側には、圧電駆動層127の第2電極層127cが透明電極112と接触することを防止できるように透明なベース絶縁層117を形成する。
【0047】
このとき、ベース板110の透明電極112に最も近いロールアップブレード120’、120’’の圧電駆動層125、127の電極層125c、127cには、ロールアップブレード120’、120’’が広げられる静電力を発生させる電圧が印加される。すなわち、圧電駆動層125、127の2つの電極層125a、125c、127a、127cのうち透明電極112に近い電極層125c、127cは電極層125c、127cと透明電極112との間で静電力を発生させ、圧電駆動層125、127の他の電極層125a、127aとの間には圧電駆動力を発生させる電極として使用される。
【0048】
例えば、図5Aのように圧電駆動層125が絶縁層124の上側にある場合には、圧電駆動層125の第2電極層125cとベース板110の透明電極112との間に静電力が発生し、圧電駆動層125の第1電極層125aと第2電極層125cとの間には圧電駆動力が発生するように、透明電極112、第1電極層125a、及び第2電極層125cに電圧が印加される。例えば、圧電駆動層125の第2電極層125cに+5Vの電圧を印加し、透明電極112と第1電極層125aに0Vを印加する。このように圧電駆動層125と透明電極112に電圧を印加すると、透明電極112と第2電極層125cとの間には静電力が発生し、第1電極層125aと第2電極層125cとの間には圧電駆動力が発生し、ロールアップブレード120’を圧電駆動力と静電力とで同時に駆動させることができる。前記の説明において、透明電極112と第1電極層125aと第2電極層125cとに印加される電圧は一例に過ぎず、様々な方法で電圧を印加することができる。
【0049】
また、図5Bに示すように、圧電駆動層127が絶縁層126の下側にある場合には、圧電駆動層127の第2電極層127cと透明電極122との間に静電力が発生し、圧電駆動層127の第1電極層127aと第2電極層127cとの間には圧電駆動力が発生するように、透明電極112、第1電極層127a、及び第2電極層127cに電圧を印加する。このように圧電駆動層125、127の一つの電極層125c、127cを静電力駆動のための電極として使用すると、圧電駆動力と静電力とを同時に使用し、ロールアップブレード120’、120’’の広がり程度を制御することができる。
【0050】
上記の説明のように、ロールアップブレード120’、120’’が圧電駆動層125、127を含むように構成すると、ロールアップブレード120’,120’’と透明電極112との間に作用する静電力と圧電駆動層125、127の圧電駆動力とを利用してロールアップブレード120’、120’’を広げることができる。従って、ロールアップブレード120’、120’’を動作させるために必要な電圧を低くできる効果を有する。
【0051】
また図1Aないし図2Bを参照すると、制御部150は複数個のロールアップブレード120の上部電極122とベース板110の透明電極112とに所定の電圧を印加してロールアップブレード120の可動部120bを広げることにより透明部113に密着するようにする。制御部150は、複数個のロールアップブレード120とベース板110に印加する電圧の大きさを調節することにより、ロールアップブレード120の可動部120bが広がる程度を色んな段階で制御することができる。ロールアップブレード120の可動部120bが広がる程度によって光が通過できる透明部113の面積が変化するため、ロールアップブレード120の可動部120bが広がる程度によって透明部113を通過する光量が変化するようになる。従って、複数個のロールアップブレード120が絞り機能を行なうことができる。
【0052】
以下、上記のような本発明の第1実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッター100の作用について、図1Aないし図2Bを参照して詳細に説明する。
【0053】
制御部150が複数個のロールアップブレード120に電圧を印加しなければ、複数個のロールアップブレード120は、図1A及び図2Aに示すように、可動部120bが巻き込まれた状態で固定部120aの上に位置する。この場合は、ベース板110の透明部113が完全に開放されているため、最大量の光が透明部113を通過するようになる。
【0054】
この状態で、制御部150がシャッターの作動信号を受けると、制御部150は複数個のロールアップブレード120の上部電極122とベース板110の透明電極112とにシャッター電圧を印加する。複数個のロールアップブレード120と透明電極112との間にシャッター電圧が印加されると、複数個のロールアップブレード120の可動部120bと透明電極112との間の静電力により、ロールアップブレード120の可動部120bが漸次広がって図1B及び図2Bのように透明部113を覆うようになる。複数個のロールアップブレード120の可動部120bがベース板110の透明部113を完全に覆うと、光が遮断される。ここで、シャッター電圧とは、複数個のロールアップブレード120の可動部120bを完全に広げてベース板110の透明部113に密着させられる大きさの電圧のことを言う。
【0055】
この状態で、制御部150が複数個のロールアップブレード120に印加するシャッター電圧を遮断すると、複数個のロールアップブレード120の可動部120bは残留応力によって自ら反時計方向に巻き込まれ、図1A及び図2Aに示すように、固定部120a上に位置するようになる。すると、ベース板110の透明部113が開放されるため、光が開放された透明部113を通過することができる。
【0056】
また、本発明に係る超小型シャッター100を絞りとして使用する場合には、制御部150が複数個のロールアップブレード120の上部電極122と透明電極112との間にシャッター電圧より小さい電圧を印加する。複数個のロールアップブレード120と透明電極112との間に電圧が印加されると、印加された電圧の大きさに応じて複数個のロールアップブレード120の可動部120bが、図1Cに示すように、透明部113の一部を被せて中央に略円形の絞りホール101を形成するようになる。従って、光はこの絞りホール101を介して透明部113を通過するようになる。制御部150は複数個のロールアップブレード120に印加される電圧の大きさを制御することにより、絞りホール101の大きさを任意で制御することができる。従って、制御部150が透明部113を通過する光量を調節することができる。制御部150は複数個のロールアップブレード120に印加される電圧の大きさを制御することにより、複数個のロールアップブレード120の広がり程度を、ロールアップブレード120が完全に巻き込まれた状態、完全に広げられた状態、一部のみ広げられた状態の少なくとも3段階以上に制御することができる。
【0057】
このように、本発明の第1実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッター100は、複数個のロールアップブレード120が薄膜形状で形成されているため、低電力で駆動可能である。従って、電力の消耗が少なく、制御が容易である。また、ロールアップブレード120が薄膜で形成され慣性質量が少ないため、高速の動作が可能である。また、複数個のロールアップブレード120を正多角形で配置すると、絞りホール101を円形に近似するようにできる利点がある。
【0058】
以上では、ロールアップブレード120の広がり程度を制御する駆動力として静電力を使用する場合について説明したが、他の例として、ロールアップブレード120とベース板110との間に選択的に磁力を発生することができるように構成し、この磁力を利用してロールアップブレード120の広がり程度を制御することもできる。
【0059】
図6には、光の遮断効果を上げるために、隣接するロールアップブレード220が部分的に互いに重畳するように形成された複数個のロールアップブレード220を備えた超小型シャッター200が示されている。このとき、複数個のロールアップブレード220は複数層に形成することができる。例えば、複数個のロールアップブレード220のうち、奇数番目のロールアップブレード(図6のn1、n3)は1レイヤに形成し、偶数番目のロールアップブレード(図6のn2、n4)は2レイヤに形成する。このとき、図6に示されているように、1レイヤと2レイヤのロールアップブレード220の両辺の一部分221が互いに重畳するようにすれば、隣接するロールアップブレード220の間に光が通過することを完全に遮断することができる。
【0060】
また、図6には示されていないが、複数個のロールアップブレード220は、上述した奇数番目のロールアップブレードからなる1レイヤと、偶数番目のロールアップブレードからなる2レイヤのほか、複数個のロールアップブレード220の頂点が集まる中心をカバーする中心カバー用レイヤ(不図示)を更に形成して3つの層に形成することもできる。また、複数個のロールアップブレード220はそれぞれのロールアップブレード220をそれぞれ異なるレイヤに形成することもできる。
【0061】
複数個のロールアップブレードを保護するために、その上にカバーを設けても良い(図10参照)。
【0062】
[実施形態2]
図7Aないし図7Cは、本発明の第2実施形態であって24個のロールアップブレード320を有する超小型シャッター300を示す。すなわち、複数個のロールアップブレード320が正二十四角形をなすように配置されている。図7Aは、ベース板110の透明部113が開放された状態を示し、図7Cは複数個のロールアップブレード320が透明部113を完全に覆い光を遮断した状態を示す。図7Bは、複数個のロールアップブレード320にシャッター電圧より小さい所定の電圧が印加され、複数個のロールアップブレード320が、完全に開放された場合の透明部113より直径の小さい絞りホール301を形成した場合を示す。図7Bの絞りホール301が図1Cの絞りホール101より更に円形に近接していることが分る。複数のロールアップブレード320それぞれの構造は、上述した第1実施形態に係る超小型シャッター100のロールアップブレード120と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0063】
制御部150は、複数個のロールアップブレード320に電圧を印加してロールアップブレード320の広がり程度を多段階で制御する。制御部150が複数個のロールアップブレード320にシャッター電圧を印加すると、すべてのロールアップブレード320が広がり、円形の透明部113を覆い光を遮断するようになる。制御部150がシャッター電圧を遮断すると、複数個のロールアップブレード320は可動部320bが上側に巻き込まれ、固定部320aの上に位置するようになる。これにより、ベース板110の透明部113が完全に開放される。
【0064】
もし、制御部150がシャッター電圧より小さい電圧を複数個のロールアップブレード320に印加すると、複数個のロールアップブレード320は、図7Bに示すように、中央に絞りホール301を形成するようになる。これにより、光はこの絞りホール301を介して透明部113を通過するようになる。制御部150は複数個のロールアップブレード320に印加される電圧の大きさを制御することで、絞りホール301のサイズがほぼ直線的に変化するように制御することができる。従って、本発明に係る超小型シャッター300を絞りとして利用することが可能である。
【0065】
[実施形態3]
図8A及び図8Bは、本発明の第3実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッター400を示す斜視図である。
【0066】
図8A及び図8Bに示すように、本発明の第3実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッター400は、ベース板410、ロールアップブレード420、及び制御部430を含む。
【0067】
ベース板410は、透明基板411と、透明基板411の上側に形成される透明電極412とを含む。透明電極412の上面には透明部413が形成される。本実施形態の場合は、透明部413が長方形に形成されている。しかし、透明部413は必要に応じて円、三角形、楕円、台形、多角形、非定形の閉曲線図形など様々な形状に形成することができる。また、透明部413の外側の、透明電極412の上面には光が通過できないように不透明部414が形成されても良い。
【0068】
ロールアップブレード420は選択的にベース板410の透明部413をカバーして光が透明部413を通過することを遮断できるように形成される。すなわち、ロールアップブレード420に駆動力が印加されなければ、ロールアップブレード420は巻き込まれた状態にあり、駆動力が印加されれば、ロールアップブレード420が広がって透明部413をカバーし、光が透明部413を透過することを遮断する。ロールアップブレード420は2つの層に形成され、図8Aに示すように、透明部413の一方にベース板410に固定された固定部420aと、固定部420a側に巻き込まれる可動部420bとを含む。また、ロールアップブレード420が動作する方向に対して直角方向に、ロールアップブレード420の可動部420bには複数のプリーツ420cが形成されても良い。
【0069】
制御部430は、ロールアップブレード420に電圧を印加し、ロールアップブレード420の広がり程度を多段階で制御する。
【0070】
本実施形態に係る超小型シャッター400は、1つのロールアップブレード420が透明部413を開閉する点の以外はその構成および作用が上述した第1実施形態に係る超小型シャッター100と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0071】
[実施形態4]
図9Aないし図9Cは、本発明の第4実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッター500を示す斜視図である。
【0072】
図9Aないし図9Cに示すように、本発明の第4実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッター500は、ベース板510、一対のロールアップブレード520、530、及び制御部550を含む。
【0073】
ベース板510は、透明基板511と、透明基板511の上側に形成された透明電極512とを含む。透明電極512には、略長方形の透明部513が形成される。透明部513の外側には光を遮断する不透明部540が設けられ得る。このようなベース板510の構成は上述した第1実施形態に係る超小型シャッター100と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0074】
一対のロールアップブレード520、530は、透明部513を覆うことができるように、透明部513の片面に設けられている。一対のロールアップブレードは巻き込む方向が逆で、それぞれ両側に互いに対向する周縁部に固定されている。一対のロールアップブレード520、530は、それぞれが透明部513を完全に覆うことができる大きさで形成される。一対のロールアップブレード520、530の構造及び動作は、上述した第1実施形態に係る超小型シャッター100のロールアップブレード120と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0075】
制御部550は一対のロールアップブレード520、530に電圧を印加し、一対のロールアップブレード520、530の広がり程度を多段階で制御する。図9Aは、制御部550が右側のロールアップブレード530にシャッター電圧を印加し、左側のロールアップブレード520には電圧を印加していない状態である。すると、右側のロールアップブレード530が広がって透明部513を覆うようになるため、光が透明部513を通過することができなくなる。図9Cは、制御部550が左側のロールアップブレード520にシャッター電圧を印加し、右側のロールアップブレード530には電圧を印加していない状態である。すると、左側のロールアップブレード520が広がって透明部513をカバーするようになるため、光が透明部513を通過することができなくなる。
【0076】
図9Bは、本実施形態に係る超小型シャッター500の動作を示す斜視図である。制御部550は、一対のロールアップブレード520、530に所定の電圧を印加し、一対のロールアップブレード520、530が接触せずに互いに一定間隔(W)の隙間を有するようにする。すると、一対のロールアップブレード520、530の間にスリット(Slit)501が形成され、このスリット501は光が通過する領域となる。次に、制御部550は、スリット501が透明部513の一方から反対側に移動するように、一対のロールアップブレード520、530を制御する。すなわち、制御部550が一方のロールアップブレード520、530に印加される電圧は増加し、他方のロールアップブレード530、520に印加される電圧を減少すると、スリット501が透明部513に沿って移動するようになる。従って、本発明に係る超小型シャッター500は速度の速いスリットフォーカルプレーンシャッター(Slit focal plane shutter)として使用することができる。
【0077】
[実施形態5]
図10は、本発明の一実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッター100を備えたマイクロカメラモジュール600の一例を概略的に示す断面図である。
【0078】
図10に示すように、マイクロカメラモジュール600は、超小型シャッター100、レンズユニット700、イメージセンサ800を含む。
【0079】
超小型シャッター100は複数個のロールアップブレード120を動作させてイメージセンサ800に引込まれる光量を制御するもので、上述したように絞りとしても機能することができる。超小型シャッター100のベース板110には、複数個のロールアップブレード120を保護するためのカバー102を設けることができる。また、超小型シャッター100のベース板110の透明基板111には、透明部113を通過した光を調節するのに使用されるフィルタ、レンズなどのような光学部品701を一体で形成することができる。
【0080】
レンズユニット700は、超小型シャッター100を通過した光がイメージセンサ800に焦点を当てるようにする。図示していないが、レンズユニット700は超小型シャッター100の上側に設けることもできる。
【0081】
イメージセンサ800は、所望する解像度の写真が撮影できるように多くの画素(ピクセル)を有する。例えば、200万〜800万画素のイメージセンサ800を使用することができる。従って、本発明の一実施形態に係る超小型シャッター100が作動すると、イメージセンサ800は使用者が所望する画像を形成するようになる。
【0082】
[実施形態6]
以下、図11Aないし図11Eを参照して本発明の一実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッター100の製造方法について詳細に説明する。
【0083】
本発明に係る絞り機能を有する超小型シャッター100を製造する際は、ウェハレベルの半導体工程を利用する。図面においては、説明の便宜上、1つのロールアップブレード120を形成する過程のみ示している。
【0084】
まず、透明基板111を用意し、その上に透明電極層112を形成する。透明基板111としては、ガラス(glass)、石英(quartz)、プラスチック、シリカなどの物質を使用することができ、透明電極層112を形成するためには、ITO(Indium Tin Oxide)、Electro active polymerなどの物質を使用することができる。
【0085】
透明電極層112の上に犠牲層118をパタニングして形成する。犠牲層118はロールアップブレード120の可動部120bの形状に対応するよう形成することができる。犠牲層118は、フォトレジスト、パリレン(Parylene)、PECVD a−Si(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition amorphous Silicon)、poly−Si(Poly−Silicon)などの物質を使用して形成する。
【0086】
犠牲層118の上側にロールアップブレード120の下部絶縁層に該当する絶縁層121をパタニングして形成する。このとき、ロールアップブレード120の固定部120aに該当する絶縁層部分121aは、透明電極層112の上に形成される。絶縁層121は光学ブラックの特性を有する物質で形成することが好ましい。このような絶縁層121は、PECVD、Si、SiO、Paryleneなどの物質を使用して形成することができる。
【0087】
次に、絶縁層121の上面にロールアップブレード120の上部電極に該当する電極層122をパタニングして形成する。電極層122は金属またはその他の電極物質を使用して形成する。例えば、Cr、Al、Au、Mo、Cuなどの物質を使用して電極層122を形成することができる。また、電極層122は光学ブラックの特性を有する物質で形成することが好ましい。また、絶縁層121と電極層122から形成されるロールアップブレード120が自ら上側に巻き込まれるように、電極層122と絶縁層121との残留応力を適切に調整して形成する。
【0088】
最後に、プラズマエッチング(plasma etching)、気相エッチング(vapor phase etching)工程などを利用して犠牲層118を除去する。すると、ロールアップブレード120を形成する絶縁層121と電極層122とが残留応力の作用により、図11Eに示すように、自ら上側、即ち反時計方向に巻き込まれるようになる。
【0089】
このように、ウェハレベルの半導体工程を利用して超小型シャッター100を製造する場合には、製造工程上のフォトマスクのデザインを変更してロールアップブレード120の個数を容易に調節することができる。従って、使用するロールアップブレード120の個数を容易に増やすことができる。また、半導体生産工程を利用するため、超小型シャッター100を製造することが容易であり生産性が高い。必要な場合にはウェハレベルのレンズアレイ(lens array)やイメージセンサモジュールと結合生産することも可能である。
以上、本発明の好適な実施形態を図示及び説明してきたが、本発明の技術的範囲は前述の実施形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に基づいて定められ、特許請求の範囲において請求する本発明の要旨から外れることなく当該発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば誰もが多様な変形実施が可能であることは勿論のことであり、該変更した技術は特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1A】本発明の第1実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターが開放された状態を示す斜視図である。
【図1B】図1Aの絞り機能を有する超小型シャッターが光を遮断した状態を示す斜視図である。
【図1C】図1Aの絞り機能を有する超小型シャッターが絞りを形成した状態を示す斜視図である。
【図2A】図1Aの絞り機能を有する超小型シャッターを線II−IIに沿って切断した断面図である。
【図2B】図1Bの絞り機能を有する超小型シャッターを線II−IIに沿って切断した断面図である。
【図3A】本発明の一実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターのロールアップブレードにおける残留応力の分布を示す部分断面図である。
【図3B】図3Aの残留応力の分布を有するロールアップブレードのローリングを示す部分断面図である。
【図4A】それぞれ異なる残留応力の分布を有する本発明の一実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターのロールアップブレードを示す部分断面図である。
【図4B】それぞれ異なる残留応力の分布を有する本発明の一実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターのロールアップブレードを示す部分断面図である。
【図5A】それぞれ本発明の一実施形態に係る絞り機能を有する超小型のシャッターに使用可能なロールアップブレードの一例を示す部分断面図である。
【図5B】それぞれ本発明の一実施形態に係る絞り機能を有する超小型のシャッターに使用可能なロールアップブレードの一例を示す部分断面図である。
【図6】複数個のロールアップブレードを重畳して形成した本発明の一実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターを示す斜視図である。
【図7A】本発明の第2実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターの動作を示す斜視図である。
【図7B】本発明の第2実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターの動作を示す斜視図である。
【図7C】本発明の第2実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターの動作を示す斜視図である。
【図8A】本発明の第3実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターの動作を示す斜視図である。
【図8B】本発明の第3実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターの動作を示す斜視図である。
【図9A】本発明の第4実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターの動作を示す斜視図である。
【図9B】本発明の第4実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターの動作を示す斜視図である。
【図9C】本発明の第4実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターの動作を示す斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターを備えたマイクロカメラモジュールを概略的に示す断面図である。
【図11A】本発明の一実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターを製造する工程を示す工程図である。
【図11B】本発明の一実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターを製造する工程を示す工程図である。
【図11C】本発明の一実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターを製造する工程を示す工程図である。
【図11D】本発明の一実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターを製造する工程を示す工程図である。
【図11E】本発明の一実施形態に係る絞り機能を有する超小型シャッターを製造する工程を示す工程図である。
【符号の説明】
【0091】
100、200、300、400、500 超小型シャッター、
110、310、410、510 ベース板、
111、311、411、511 透明基板、
112、312、412、512 透明電極、
113、313、413、513 透明部、
140、340、440、540 不透明部、
120、320、420、520 ロールアップブレード、
121 下部絶縁層、
122 上部電極、
150、350、430、550 制御部、
101、301 絞りホール、
102 カバー、
501 スリット、
600 マイクロカメラモジュール、
700 レンズユニット、
800 イメージセンサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が通過でき、イメージセンサに対応するサイズで形成される円形の透明部を有するベース板と、
光を遮断する材質により複数形成され、正多角形をなすように配置して前記透明部を覆い、それぞれ前記透明部の周縁に固定される固定部と固定部側に巻き込まれる可動部とを備える複数個のロールアップブレードと、
印加することで稼動させる前記複数個のロールアップブレードの広がり程度を制御する制御部と、
を含むことを特徴とする絞り機能を備える超小型シャッター。
【請求項2】
前記複数個のロールアップブレードのそれぞれは、三角形の薄膜から形成されることを特徴とする請求項1に記載の絞り機能を備える超小型シャッター。
【請求項3】
前記複数個のロールアップブレードのそれぞれは、
前記ベース板と接する下部絶縁層と、
前記下部絶縁層の上側に形成される上部電極と、を含み、
前記下部絶縁層と前記上部電極とは、前記可動部が前記固定部側に巻き込まれるように、互いに異なる残留応力を有するように形成され、前記制御部から電圧を印加することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の絞り機能を備える超小型シャッター。
【請求項4】
前記上部電極は、引張残留応力を有するように形成されることを特徴とする請求項3に記載の絞り機能を備える超小型シャッター。
【請求項5】
前記複数個のロールアップブレードのそれぞれは、
前記ベース板と接する絶縁層と、
前記絶縁層の上側に形成される圧電駆動層と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の絞り機能を備える超小型シャッター。
【請求項6】
前記複数個のロールアップブレードのそれぞれは、
前記ベース板と接する圧電駆動層と、
前記圧電駆動層の上側に形成される絶縁層と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の絞り機能を備える超小型シャッター。
【請求項7】
前記圧電駆動層は、第1電極層、圧電層、第2電極層の層状構造に形成され、前記第1電極層または第2電極層には、前記圧電駆動層に圧電駆動力を発生させ、前記圧電駆動層と前記ベース板との間に静電力を発生させる電圧が印加されることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の絞り機能を備える超小型シャッター。
【請求項8】
前記複数個のロールアップブレードのそれぞれは、隣接するロールアップブレードが互いに一部分が重畳するように設けられたことを特徴とする請求項1に記載の絞り機能を備える超小型シャッター。
【請求項9】
前記複数個のロールアップブレードのそれぞれは、少なくとも2層に形成されることを特徴とする請求項8に記載の絞り機能を備える超小型シャッター。
【請求項10】
前記複数個のロールアップブレードのそれぞれは、巻き込まれる方向に対して直角に形成される複数個のプリーツを含むことを特徴とする請求項1に記載の絞り機能を備える超小型シャッター。
【請求項11】
前記ベース板は、
透明基板と、
前記透明基板の上側に設けられる透明電極と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の絞り機能を備える超小型シャッター。
【請求項12】
前記透明基板には、光学部品が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の絞り機能を備える超小型シャッター。
【請求項13】
前記制御部は、前記複数個のロールアップブレードの広がり程度を3段階以上に制御することを特徴とする請求項1に記載の絞り機能を備える超小型シャッター。
【請求項14】
前記制御部は、磁力を用いて前記複数個のロールアップブレードの広がり程度を制御することを特徴とする請求項1に記載の絞り機能を備える超小型シャッター。
【請求項15】
前記ベース板は、前記複数個のロールアップブレードの上側に設けられるカバーを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の絞り機能を備える超小型シャッター。
【請求項16】
光が通過でき、イメージセンサに対応するサイズで形成される透明部を備えるベース板と、
光を遮断する材質で前記ベース板に薄膜形状で形成され、前記透明部を覆うように、前記透明部の周縁部に固定される固定部と、固定部側に巻き込まれて巻き込む方向が互いに逆になる可動部とを備える一対のロールアップブレードと、
前記ベース板と前記一対のロールアップブレードとに電気的に接続され、前記一対のロールアップブレードの広がり程度を制御する制御部と、
を含むことを特徴とする絞り機能を備える超小型シャッター。
【請求項17】
前記制御部は、前記一対のロールアップブレードが間にスリットを形成し、前記スリットが前記透明部の一方から反対方向に移動するように前記一対のロールアップブレードを制御することを特徴とする請求項16に記載の絞り機能を備える超小型シャッター。
【請求項18】
イメージセンサと、
前記イメージセンサの上側に設けられ、前記イメージセンサに対応するように形成され光が通過する透明部を備えるベース板と、
光を遮断する材質で前記ベース板に薄膜形状で形成され、前記透明部の一方に固定される固定部と、前記透明部に対応する形状で形成され前記固定部側に巻き込まれる可動部とを備えるロールアップブレードと、
前記ベース板と前記ロールアップブレードとに電気的に接続され、前記ロールアップブレードの広がり程度を少なくとも3段階以上に制御する制御部と、
を含むことを特徴とするマイクロカメラモジュール。
【請求項19】
前記透明部は円形で形成され、
前記ロールアップブレードは、前記透明部の周縁に正多角形をなすように配置して前記透明部を覆い、複数個が形成されていることを特徴とする請求項18に記載のマイクロカメラモジュール。
【請求項20】
前記ロールアップブレードのそれぞれは、三角形状に形成されたことを特徴とする請求項19に記載のマイクロカメラモジュール。
【請求項21】
前記ロールアップブレードは、
前記ベース板と接する下部絶縁層と、
前記下部絶縁層の上側に形成され、引張残留応力を有する上部電極と、
を含むことを特徴とする請求項18ないし請求項20のうちいずれか1項に記載のマイクロカメラモジュール。
【請求項22】
透明基板に透明電極層を形成するステップと、
前記透明電極層の上側に透明部に対応する犠牲層を形成するステップと、
前記犠牲層と前記透明電極層の上側にロールアップブレードに対応する形状で絶縁層を形成するステップと、
前記絶縁層の上側に薄い電極層を形成するステップと、
前記犠牲層を除去するステップと、
を含むことを特徴とする絞り機能を備える超小型シャッターの製造方法。
【請求項23】
前記絶縁層と前記電極層とは、互いに異なる残留応力を有するように形成されることを特徴とする請求項22に記載の絞り機能を備える超小型シャッターの製造方法。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図9C】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図11C】
image rotate

【図11D】
image rotate

【図11E】
image rotate


【公開番号】特開2009−134248(P2009−134248A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−174606(P2008−174606)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】