説明

給湯効果付き太陽熱発電器

【課題】太陽熱により熱媒を加温し蒸気を得てタービンを駆動して発電機で電気を得るシステムと、給湯効果付き太陽熱発電機を提供する。
【解決手段】太陽光発電パネルの発電効率を阻害する熱を冷却して、太陽光発電パネルの発電効率を一定に保つ熱交換システムの下流に位置する、蒸気加熱ユニットで太陽熱により蒸気を得るシステムの下流に位置する、タービンユニットにて蒸気の力を駆動力に変えその力で発電器を駆動させ再度発電し太陽光発電パネルで発電した電力にプラスすることにより総発電量を増加させるタービンシステムの下流に位置する、凝縮ユニットで蒸気を冷却する際に出る廃熱を水温上昇ユニットで温水を得る給湯システムで、現状では太陽光発電と太陽光給湯装置はそれぞれ個別の商品であるが本発明では一体化させることにより、家庭内の総エネルギー量を削減できる機能を有する給湯効果付き太陽熱発電器システムを構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在市販されているほとんどの太陽光発電パネルは、温度の上昇により発電効率が低下するので、太陽光発電パネルを冷却しその廃熱を利用して発電と温水を得ることができる給湯効果付き太陽熱発電器を提供する。
【背景技術】
【0002】
現在太陽光を利用した発電および給湯の技術は個々の分野で広く提案されており、個々の設備として広く一般に利用されている。
【0003】
しかし現在市販されているほとんどの太陽光発電パネルは、温度の上昇により発電効率が低下する欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−283640
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は太陽光発電パネルの熱による発電効率低下を、太陽光発電パネルを冷却することにより夏場などの高温並びに直射日光による輻射熱などを取り除き、太陽光発電パネルの効率を向上させ本来の性能を発揮させるため給湯効果付き太陽熱発電機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
太陽光発電パネルの発電効率を阻害する熱を冷却するシステムにより、太陽光発電パネルの発電効率を一定に保ち、冷却の際に出る廃熱から再度発電し太陽光発電パネルで発電した電力にプラスすることにより総発電量を増加させる、現状では太陽光発電と太陽光給湯装置はそれぞれ個別の商品であるが本発明では一体化させることにより給湯も出来、家庭内の総エネルギー量を削減できる。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明にあたっては次に列挙する効果が得られる。
(1)太陽熱を利用して熱媒を蒸気化しタービンを駆動して発電機にて電力を得る。
(2)太陽光発電パネルを冷却することにより夏場などの高温並びに直射日光による輻射熱などを取り除き、太陽光発電パネルの効率を向上させ本来の性能を発揮させる。
(3)太陽熱を利用して熱媒を蒸気化しタービンを駆動して発電に使用した蒸気を凝縮するときに出る廃熱を再加熱により給湯に利用する温水を得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】回路全体の構成図
【図2】熱交換ユニット構成図
【図3】蒸気加熱ユニット構成図
【図4】凝縮ユニット構成図
【図5】水温上昇ユニット構成図
【図6】熱媒液タンクユニット構成図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0010】
熱交換ユニット1の構造について
太陽光パネルAの熱を冷却し発電効率の向上を図り、その廃熱で発電給湯を担う蒸気を得るユニットである。
ユニットの主たる素材としては、温度変化と蒸気による圧力変化があることから金属であることが望ましいが、扁平状のチューブでも熱交換は可能と考える。
太陽光パネルAと熱交換ユニット1の接着は両面テープ等で固定するものとして、素材や冷却面積や液体などの重量を支えきれる接着力と耐久力が求められる。
冷却ユニット1は金属が望ましが、太陽光パネルAの冷却効果を説明するためここでは、あえてチューブを例に挙げて説明する、チューブの走行経路は太陽光パネルAの傾斜下部から平行に始まりつづら折りで太陽光パネルAの背面を蛇行し上部に至る経路をとり、チューブ同士の走行間隔は高熱環境での実験を繰り返し実施して、最適な間隔を割り出すことにより冷却温度の割り出しの資料となる。
熱交換ユニットの入り口と出口には一方弁を便い熱媒液の逆流を防止しタービンの回転抵抗にならないようにする。
熱媒は夏場では高温、冬場は低温となりそれぞれの気候に耐用出来る物が求められ、またある程度の温度で蒸気と化す物として、アルコールもしくは油やアンモニアなどを主体とした物とする、その求められる条件として高温下では沸点が約40度で、低温下では零下20度で液体であることが求められる、この熱交換ユニット1では高温では蒸気圧が上昇すると熱媒の循環速度も上がるので、自然に冷却効果が変化する、低温では配管内での凍結による破損を防止するため低温になると強制的に熱媒を循環させることにより凍結を防止する、強制的に熱媒を循環させるためには循環ポンプ7を蓄電池で駆動させる制御回路8が必要である。
熱交換ユニット1の入り口には異物除去のフィルターにより配管の目詰まりを防止する。
熱交換ユニット1内の熱媒は太陽光パネルAの発電が始まるのと同じような時期から循環するものとし、その動力源として制御回路8用に別に小規模の太陽光パネルが必要となる。
【0011】
蒸気過熱ユニット2の構造について
蒸気加熱ユニット2では熱交換ユニットにて暖められた熱媒を再加熱し蒸気温度と蒸気圧力をあげることを目的とする。
熱交換ユニット1で暖められた熱媒は、熱交換ユニット1内で蒸気になる温度まで加熱すると太陽光パネルAの温度を有効に下げることが出来ないので、熱交換ユニット1とは別に熱媒液を加熱し沸騰させる場所が必要となる、その場所が蒸気加熱ユニット2であり、本発明の動力源である。
ユニットの主たる素材としては、温度変化と蒸気による圧力変化があることから金属であること、表面は黒色とし太陽熱の吸収を良くする、さらに外ケースを取り付けガラスを上面に使用することにより温室状態で温度を高く長時間維持する。
ユニットの構造は金属の長方形とし、表面積を大きくすることにより太陽熱を集める
熱交換ユニット1と蒸気加熱ユニット2を分けることにより太陽光パネルAの冷却効果を上げることが出来る、このことにより太陽光パネルAの温度を低い状態で維持する(夏場の太陽光パネル温度は約45℃あるとして、冷却液温度20℃と仮定して約20℃冷却できる、その温度差から太陽光パネルAの発電効果を約10パーセント向上できる。
【0012】
タービンユニット3の構造について
蒸気過熱ユニット2で加熱され蒸気となった熱媒の力をタービンで回転力に変え、発電機9と循環ポンプ7の動力とする
タービンはターボシャフトで発電機9と循環ポンプ7を回すものとし温度変化に強い素材が求められる。
【0013】
凝縮ユニット4の構造について
凝縮ユニット4の蒸気タービン3から排出された蒸気を再び熱媒を液体に戻し低温の熱媒を作る役割を担う。
凝縮ユニット4は二重配管で外周には水、内周には蒸気を通すことにより再び熱媒を得る
外周の水温調整は水を給水することによる温度を維持するものとし、温度管理は蒸気タービン側(蒸気の入り口側)に温度センサーにより約40℃設定を取り付けることにより凝縮ユニット4内の温度上昇を制御することにより外周配管内の水の循環流速も制御することとなる、温度センサーを取り付けることにより冬季の凍結防止にも制御回路8で管理が出来る、制御回路8の電源は循環ポンプ7を初期駆動させる制御回路8用の小規模の太陽光パネルで発電される電源をバッテリーで維持する。
凝縮ユニット4の最終端の冷媒温度は水の温度と同等にするため配管長は実験を繰り返し決めることが望まれる、凝縮ユニット4の素材は温度変化に耐えうる金属とし表面には外気温変化の影響を受けにくいように、ウレタン巻きのような遮熱物が必要である。
【0014】
水温上昇ユニット5の構造について
水温上昇ユニット5は凝縮ユニット4から得た温水を給湯用に加熱することを目的とする
水温上昇ユニット5の配管は金属製とし表面を黒色とし太陽熱の吸収を良くし長方形にすることにより表面積を大きくし太陽熱を集める、さらに外ケースを取り付けガラスを上面に使用することにより温室状態で温度を高く長時間維持する。
配管は長方形配管に中間しきりを付け、中間しきりはさらに集熱フィンを構成することにより、配管の断面は円盤状となる、それにより水温の加熱面積が増加することになる。
【0015】
熱媒液タンク6の構造について
熱媒液タンク6は凝縮ユニット4で液体となった熱媒を貯留するタンクである。
構造は熱媒液タンク6の下一面に水が流れる配管を有し、水で液体の熱媒を常に冷却出来る構造とする。
熱媒は各ユニットを循環するが密閉回路となるので液量変化を確認出来る用に確認窓を備え付け、熱媒注水口はねじ式等の栓とする。
【0016】
循環ポンプ7の構造について
循環ポンプ7は熱交換ユニット1の温度を一定に保つ役割を担い、太陽光発電パネルAが作動する時期から駆動するために、制御回路8用に別に小規模の太陽光パネルが必要となる。
循環ポンプ7はターボシャフトで発電機9とタービン3を回すものとし、太陽光発電パネルAが作動する時期と低温では配管内での凍結による破損を防止するため低温になると強制的に冷却液を循環させることにより凍結を防止する、そのため循環ポンプ7を蓄電池で駆動させる制御回路8が必要である。
【0017】
制御回路8の構造について
温度センサーにより水温調整と凍結防止を目的として蓄電池で作動するものとする。
制御回路の作動部は循環ポンプと凝縮ユニットを制御する。
【0018】
発電機9の構造について
タービンユニット3で得られた回転力を電力に換える働きをになう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽熱を利用して熱媒を蒸発させるための蒸気発生ユニットと、熱媒の蒸気によって回転させるタービンユニットに駆動連結された発電機と、熱媒蒸気を液体に戻すための凝縮ユニットと、前記蒸気発生ユニット及び前記凝縮ユニットを通して熱媒を循環させる循環ラインと、前記循環ラインに配設された循環ポンプとを備え、前記循環ポンプによって液体の熱媒が前記蒸気発生ユニットに送られ、前記蒸気発生ユニットにて発生した熱媒蒸気によって前記タービンが回転されて前記発電機により発電され、前記タービンを流れた蒸気は前記凝縮ユニットにて液化されることを特徴とする太陽熱利用発電システム。
【請求項2】
前記蒸気発生ユニットに関与して太陽光発電パネルが設けられ、前記太陽光発電パネルに関与してさらに熱交換器が配置され、前記循環ラインは前記熱交換器を通して前記蒸気発生ユニットに導かる、液体の熱媒は前記熱交換器にて太陽光発電パネルとの熱交換によって温められ、温められた液体の熱媒が前記蒸気発生ユニットに送られることを特徴とする請求項1に記載の太陽熱利用発電システム。
【請求項3】
前記凝縮ユニットには水が供給され、前記凝縮ユニットにて熱媒蒸気との間で熱交換が行われ、熱交換により温められた水が水温上昇ユニットに送られることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽熱利用発電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−83235(P2013−83235A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234366(P2011−234366)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(511258938)
【Fターム(参考)】