説明

給紙装置及び画像形成装置

【課題】記録媒体が搬送方向に対してずれているか否かの検出を行う給紙装置及び画像形成装置を得る。
【解決手段】挿入されるシート材Pの両端部に作動片106、108を設けると共に、この作動片106、108と一体に移動する回転部材110、112を設けている。回転部材110にスリット114を設け、回転部材112にスリットを設けて、側面視にて、回転部材110と回転部材112がきれいに重なった状態では、スリット同士は重なることはなく、回転部材110と回転部材112がずれることで、スリット114は回転部材112のスリットと重なるようにしている。そして、回転部材110、112の両側に配置された発光器と受光器132の間で受光の有無によって、シート材Pが搬送される搬送方向に対してずれているか否かが検出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
手差し用の給紙装置が設けられた画像形成装置では、例えば、特許文献1に示すように、手差し用の用紙を載せるベースプレートの幅方向の両端部にガイドを設け、このガイドによって用紙のスキュー(用紙の搬送方向に対してずれて搬送される等)補正を行っている。また、用紙の幅方向の中央部には用紙先端検出センサを設け、用紙先端検出センサによって用紙の先端部が検出されると、用紙搬送方向下流側に設けられ給紙ローラによって用紙が搬送されるようになっている。
【0003】
また、特許文献2では、用紙の先端部が当たると回転するアクチュエータを用紙の幅方向に沿って複数の設けており、全てのアクチュエータが略同時に回転したか否かによって用紙のスキューを検出可能としている。
【0004】
さらに、特許文献3では、手差しトレイの幅方向の両端側に貫通穴を設け、該貫通穴上を用紙が通過したタイミングを見て、手差しトレイ下部に配置されたスキュー量検出センサによって用紙のスキュー量を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−69618号公報
【特許文献2】特開平7−315629号公報
【特許文献3】特開平11−322131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、記録媒体が搬送方向に対してずれているか否かの検出を行う給紙装置及び画像形成装置を得ることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、給紙装置において、記録媒体が挿入される挿入部の両側に設けられ、記録媒体に押されて移動する一対の作動部と、互いに対面させて前記作動部に設けられ、該作動部と一体に移動する移動部材と、記録媒体の挿入前に対面する前記移動部材の位置関係が記録媒体の挿入後も維持されているか否かを検出する検出手段と、を有している。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の給紙装置において、前記検出手段が、前記移動部材の一方側に設けられた発光部と、前記移動部材の他方側に設けられ前記発光部から発光された光を受光する受光部と、を有し、前記移動部材に光が透過する貫通穴が形成され、二つの移動部材の位置関係によって、光が通過、又は遮断される。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の給紙装置において、前記検出手段が、前記移動部材の位置関係が維持されていないと判断すると、画像形成部へ搬送する記録媒体の先端部の位置を合わせる位置合わせロールが停止する。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の給紙装置において、前記検出手段が、前記移動部材の位置関係が維持されていないと判断すると、画像形成部へ搬送する記録媒体の先端部の位置を合わせる位置合わせロールが逆転する。
【0011】
請求項5に記載の発明は、画像形成装置において、請求項1〜4の何れか1項に記載の給紙装置から給紙された記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部へ搬送する記録媒体の先端部の位置を合わせる位置合わせロールと、を有している。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、挿入部へ挿入された記録媒体が記録媒体が搬送される搬送方向に対してずれているか否かの検出を行うことができる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、二つの移動部材の位置関係によって、発光部からの光が通過、又は遮断される。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、使用者が記録媒体の挿入し直しを行う。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、使用者は記録媒体の挿入し直しを行わざるを得なくなる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、記録媒体が搬送方向に対してずれて搬送されないため、用紙詰まりなどが低減される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置の概略全体構成図である。
【図2】本実施の形態に係る画像形成装置の要部を示す斜視図であり、シート材が搬送方向に対してずれていない状態を示している。
【図3】本実施の形態に係る画像形成装置の要部を示す斜視図であり、シート材が搬送方向に対してずれていない状態を示している。
【図4】本実施の形態に係る画像形成装置の要部を示す斜視図であり、シート材が搬送方向に対してずれている状態を示している。
【図5】図2の5−5線矢視図である。
【図6】図3の6−6線矢視図である。
【図7】図4の7−7線矢視図である。
【図8】図7の変形例である。
【図9】(A)〜(C)は、シート材が搬送方向に対してずれていない場合の作用を説明する説明図である。
【図10】(A)〜(D)は、シート材が搬送方向に対してずれている場合の作用を説明する説明図である。
【図11】本実施の形態に係る画像形成装置の要部の変形例を示す、図5に対応する矢視図である。
【図12】本実施の形態に係る画像形成装置の要部の変形例を示す、図6に対応する矢視図である。
【図13】本実施の形態に係る画像形成装置の要部の変形例を示す、図7に対応する矢視図である。
【図14】本実施の形態に係る画像形成装置の要部の変形例を示す、図8に対応する矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態に係る画像形成装置10について説明する。
<画像形成装置の概要>
図1には、本実施形態に係る画像形成装置10が一例として示されている。まず、この画像形成装置10の構成およびその作用について説明する。
(画像形成装置の構成)
この画像形成装置10には、4つの色(本実施形態では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K))の画像形成ユニット14Y、14M、14C、14Kが下から順番に縦列配置されている。以下、YMCKを区別する必要が無い場合は、Y、M、C、Kを省略する。
【0019】
画像形成ユニット14は、各色毎に、像保持体としての感光体16を有する感光体ユニット62と、感光体16に形成された静電潜像に対して、各色のトナーの現像を行う現像装置64と、で構成されており、感光体ユニット62は、感光体16と、感光体16の周囲に配設された帯電ロール18と、除電装置20と、クリーニング装置22と、を備えている。
【0020】
また、画像形成装置10の下部には、シート材Pが収納された給紙カセット24が設けられており、給紙カセット24の近傍には、シート材Pを予め定められたタイミングで送り出す送出しロール26が設けられている。送出しロール26の下流側(以下、単に「下流側」という)には、分離ロール28が設けられており、分離ロール28との協働により記録紙が捌かれる。
【0021】
また、分離ロール28の下流側には、位置合わせロール30が配設されており、送出しロール26及び分離ロール28によって送り出されたシート材Pは、用紙搬送経路32を通過し位置合わせロール30により一旦停止して、予め定めたタイミングで、後述する搬送装置44へ搬送可能とされる。
【0022】
一方、画像形成装置10の前面側には、手差し用の用紙受け部材(挿入部)100と、用紙受け部材100に置かれたシート材Pを案内する用紙案内経路90と、が設けられている(後述する)。用紙受け部材100には、シート材Pの幅方向の位置を合わせるガイド部材(図示省略)が設けられており、該ガイド部材によってシート材Pの幅方向の位置合わせが行われる。
【0023】
幅方向を位置合わせした状態でシート材Pを画像形成装置10内へ挿入すると、用紙案内経路90に沿ってシート材Pは位置合わせロール30まで案内される。そして、位置合わせロール30によって、予め定めたタイミングで、搬送装置44へ搬送可能とされる。
【0024】
また、画像形成装置10内の画像形成ユニット14の奥には、画像形成ユニット14に走査光を照射する露光装置34が配設されている。この露光装置34は、筐体36内に半導体レーザ(図示省略)、ポリゴンミラー38、結像レンズ40、及びミラー42が配設されており、半導体レーザからの光はポリゴンミラー38で偏向走査され、結像レンズ40とミラー42を介して感光体16に照射される。これにより、感光体16に、画像情報に応じた静電潜像が形成されるようになっている。
【0025】
一方、画像形成ユニット14と対向する位置には、搬送装置44が配設されている。搬送装置44は、一対の張架ロール46、48と、この張架ロール46、48に巻き掛けられた搬送ベルト50とで構成されている。張架ロール46は、図示しないモータによって回転され、搬送ベルト50が移動するようになっている。
【0026】
この搬送ベルト50の裏面の、各色の感光体16に対向する位置には、それぞれ転写ロール52が配設されている。この転写ロール52によって、感光体16上の後述するトナー画像が、搬送ベルト50によって搬送されるシート材Pに転写される。
【0027】
また、搬送ベルト50の下流側には、定着装置56が配設されており、シート材P上の未定着のトナー画像を加熱・加圧してシート材Pに定着させる。また、定着装置56の下流側には、排出ロール58が配設されており、トナー画像が定着されたシート材Pを排出部60へ排出可能としている。
【0028】
ここで、画像形成装置10には、外部から入力された画像信号に基づいて画像形成装置10全体を制御する制御コントロール66及び画像形成装置10内の各装置へ電力を供給する電源部68が配設されている。
(画像形成装置の作用)
次に、以上のような構成の画像形成装置10の作用について説明する。
【0029】
まず、図1に示す給紙カセット24の最上位にある記録紙が、送出しロール26によって取り出され、送出しロール26と分離ロール28との協働により記録紙が捌かれて位置合わせロール30によって、予め定めたタイミングで搬送装置44側へ搬送される。
【0030】
一方、感光体ユニット62では、まず、帯電ロール18によって感光体16の表面が帯電される。そして、光書込み装置16からレーザが照射して感光体16の表面が走査され、画像データに基づいた潜像が感光体16の表面に形成される。
【0031】
また、現像ロール86には各色毎に予め定めた現像バイアス電圧が印加されており、感光体16上の静電潜像が現像ロール86を通過する時に、現像電界によって静電潜像に現像剤のトナーが付着し、該静電潜像がトナー画像として可視化される。
【0032】
このトナー画像は、搬送ベルト50で搬送される記録紙に、転写ロール35によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順にフルカラーのトナー画像(未定着像)が転写されると、搬送ベルト50によって定着装置56へ搬送される。
【0033】
そして、定着装置56に搬送された記録紙は、未定着のトナー画像が加熱・加圧されて該記録紙に定着された後、排出ロール58によって排出部60上へ排出される。なお、記録紙へのトナー画像の転写終了後、感光体16の表面は、クリーニング装置48によってクリーニング処理され、次の画像形成処理に備える。
(本実施形態の要部)
ところで、前述したように、画像形成装置10には手差し用の用紙受け部材100が設けられている。本実施形態では、位置合わせロール30と用紙受け部材100の間に、図2及び図5に示すように(なお、図5は図2の5−5線矢視図である)、搬送されるシート材Pの幅方向に沿って回転軸102、104が同一直線上に配列され、回転軸102、104の一端部が、それぞれ片持ち状態で画像形成装置本体10Aの側壁に回転可能に支持されている。そして、回転軸102、104の一端部側には、先端部が角丸めされた長板状の作動片(作動部)106、108がそれぞれ固定されている。
【0034】
この作動片106、108は、搬送されるシート材Pの両端部に配置されるように位置決めされており、作動片106、108の自由端部は、用紙案内経路90よりも下方に位置するようにしており、用紙案内経路90に案内されるシート材Pが作動片106、108に確実に当たるようにしている。
【0035】
シート材Pが挿入されると、作動片106、108にはシート材Pの先端部が当たり、シート材Pを介して伝達される押圧力によって、作動片106、108は回転する(図3及び図6参照、なお、図5は図2の5−5線矢視図である)。つまり、回転軸102、104が回転することとなる。
【0036】
ここで、作動片106、108は、シート材Pを押圧する押圧力によって回転するようになっているが、回転軸102、104の支持部の摩擦係数をできるだけ低くしており、シート材Pが挿入されない状態では、作動片106、108は元の位置に戻るようになっている。
【0037】
なお、作動片106、108にバネなどの付勢部材を設け、また、作動片106、108を移動規制させるストッパを設けて、シート材Pが挿入された状態で、付勢部材の付勢力の抗する方向へ付勢部材を付勢させ、シート材Pが通過した後、付勢部材の付勢力によって作動片106、108を回転させ、ストッパによって移動規制された状態で作動片106、108を元の位置に戻すようにしても良い。
【0038】
一方、回転軸102、104の他端部には(ここでは、挿入されたシート材Pの幅方向の中央部に位置する)、略扇状を成す板状の回転部材110、112(移動部材)が固定されており、同じ外形を有し、互いに対面して配置され、回転軸102、104の回転に伴って回転する。
【0039】
なお、ここでは、挿入されたシート材Pの幅方向の中央部に位置するように回転部材110、112を設けたが、回転部材110と回転部材112が互いに対面する位置に設けられていれば良いため、必ずしも挿入されたシート材Pの幅方向の中央部である必要はない。
(回転部材)
ここで、回転部材110、112について説明する。
【0040】
回転部材110の自由端側には、図5に示すように、矩形状のスリット(貫通穴)114が形成されている。また、側面視にて、回転部材110と回転部材112がきれいに重なった状態で、回転部材110のスリット114の両側に、回転部材112に設けられた矩形状のスリット(貫通穴)116、118がそれぞれ配置されている。
【0041】
スリット114、116、118は互いに同じ大きさとされており、側面視にて、回転部材110と回転部材112の重なり状態がずれると、予め定められた位置において、スリット114とスリット116、或いは、スリット114とスリット118が重なる(一致する)ようにしている。
【0042】
つまり、側面視にて、回転部材110と回転部材112がきれいに重なった状態では、スリット114、116、118は重なることはなく、回転部材110と回転部材112がずれることで、スリット114はスリット116又はスリット118と重なる(完全に重なる以外に一部重なっている状態も含む)。
【0043】
一方、図2に示すように、回転部材110、112の外側には、検出手段としての光センサ120が配設されている。この光センサ120は直方体状を成す筐体122から一対の立壁124、126が張り出しており、立壁124と立壁126の間に回転部材110、112が配置されている。
【0044】
立壁124にはスリット114、116、118と同じ大きさのスリット128が形成されており、側面視にて、スリット114の位置と、スリット116(又はスリット118)の位置と、スリット128の位置は、互いに重なり合うことができるようになっている(図7(又は図8)参照)。また、立壁126には光を発光する発光器130が配設されており、スリット128を通じて光が透過するようになっている。
【0045】
一方、立壁124には、発光器130からの光を受光する受光器132が配設されており、側面視にて、立壁126のスリット128と、回転部材112のスリット116と、回転部材110のスリット114とでその位置が互いに重なった状態、或いは、立壁126のスリット128と、回転部材112のスリット118と、回転部材110のスリット114とでその位置が互いに重なった状態で、発光器130の光が受光器132に到達する(いわゆるON)。
【0046】
ここで、図9(A)に示すように、初期状態(シート材Pの挿入前の状態)では、側面視にて、光センサ120のスリット128は、回転部材112によって塞がれており、発光器130の光は受光器132に到達しない(いわゆるOFF)。
【0047】
そして、図9(B)に示すように、回転部材110、112が一緒に回転し(シート材Pの挿入前の回転部材110と回転部材112との位置関係が維持され)、作動片106、108が予め定められた位置へ移動すると、図9(C)に示すように、回転部材110、112がスリット128の前から退避し、スリット128が露出する。これにより、発光器130の光が受光器132に到達することとなる(ON)。
【0048】
一方、図10(A)、(B)に示すように、回転部材110が回転し、側面視にて、回転部材110と回転部材112の重なり状態がずれた状態で(シート材Pの挿入前の回転部材110と回転部材112との位置関係が維持されていない状態で)、回転部材110のスリット114が光センサ120のスリット128と重なる位置に移動し、かつ回転部材110のスリット114と、回転部材112のスリット118(スリット116でも良い)と重なった状態になる。
【0049】
これにより、発光器130の光が、光センサ120のスリット128、回転部材112のスリット118(スリット116でも良い)及び回転部材110のスリット114を通過して、受光器132に到達する(ON)。
【0050】
光センサ120は制御コントロール66に接続されており、シート材Pが作動片106又は作動片108に当たってから、受光器132が受光した回数によって挿入されたシート材Pのずれが検出可能となる。
(回転部材の作用)
図2及び図3に示すように、挿入されたシート材Pが、シート材Pが搬送される搬送方向に対してずれていない状態では、シート材Pの幅方向の両端側に設けられた作動片106、108には、シート材Pの幅方向の両端側が略同時に当たることとなり、二つの作動片106、108は略同時に移動する。
【0051】
このため、該作動片106、108を介して回転軸102、104は回転し、回転軸102、104に固定された回転部材110、112が回転する。このとき、この二つの回転部材110、112は、図9(A)、(B)に示すように、側面視にて、きれいに重なった状態で回転する。
【0052】
このため、回転部材110のスリット114は回転部材112によって塞がれ、回転部材112のスリット116、118は回転部材110によって塞がれた状態となっており、発光器130の光は受光器132に到達しない(OFF)。そして、図9(C)に示すように、回転部材110、112がスリット128の前から退避すると、スリット128が露出して、発光器130の光が受光器132に到達する(ON)。
【0053】
つまり、挿入されたシート材Pが搬送方向に対してずれていない状態では、シート材Pが作動片106、108に当たってから、作動片106、108が予め定められた位置へ移動する迄の間に、受光器132には1回しか受光器132の光が到達しない。
【0054】
一方、図4に示すように、挿入されたシート材Pがシート材Pが搬送される搬送方向に対してずれている場合、ここでは、シート材Pの先端部が、先に作動片106に当たり、その後作動片108に当たっている。この場合、まず作動片106が回転し、回転軸102を介して回転部材110が回転する、その後、作動片108が回転し、回転軸104を介して回転部材112が回転する。
【0055】
このため、図10(B)に示すように、側面視にて、回転部材110と回転部材112の重なり状態がずれた状態で、回転部材110のスリット114と回転部材112のスリット118と光センサ120のスリット128の位置が互いに重なり、発光器130の光が受光器132に到達する(ON)。
【0056】
そして、作動片106、108のさらなる回転によって、回転部材110、112は回転し、これによりスリット114は塞がれ、発光器130の光は受光器132に到達しなくなる(OFF)。さらに、作動片106、108が回転して回転部材110、112がスリット128の前から退避すると、スリット128が露出して、発光器130の光が受光器132に到達する(ON)。
【0057】
つまり、挿入されたシート材Pが搬送方向に対してずれていた場合、シート材Pが作動片106、108に当たってから、作動片106、108が予め定められた位置へ移動する迄の間に、受光器132には2回受光器132の光が到達する。
【0058】
このように、受光器132による受光の有無によって、シート材Pが搬送方向に対してずれているか否かが検出される。そして、受光器132による検出結果が制御コントロール66へ入力される。
【0059】
制御コントロール66では、制御コントロール66は位置合わせロール30の駆動制御を行っており、シート材Pのずれが検出されると、位置合わせロール30の駆動を停止させる。このため、シート材Pは下流側へ搬送されなくなり、使用者は用紙案内経路90へ挿入したシート材Pを用紙案内経路90から引き出し、再度挿入し直さなければならなくなる。さらに、これ以外にも、シート材Pのずれが検出されると、位置合わせロール30を逆転させるようにしても良い。この場合、挿入されたシート材Pが上流側へ戻される。
【0060】
本実施形態では、シート材Pが当たる作動片106、108とは別に、回転部材110、112を設け、この回転部材110、112の位置関係によってシート材Pのずれを検出するため、光センサ120を設ける位置が作動片106、108の位置に拘束されるものではなく、設計の自由度が高くなる。
【0061】
また、シート材Pの幅方向の両端側に設けられた作動片106、108と一体に移動する回転部材110、112の位置関係によって、シート材Pのずれを検出することができるため、光センサ120は一つで良い。
【0062】
なお、シート材Pのずれ量の許容量に応じて、回転部材110のスリット114及び回転部材112の116、118は、その形状、配置などが変更可能である。
【0063】
また、本実施形態では、側面視にて、回転部材110と回転部材112が重なっている状態で、受光器132の光を遮光し、回転部材110と回転部材112の位置関係がずれた状態で、受光器132の光を透過させるようにしたが、これとは逆に、側面視にて、回転部材110と回転部材112が重なっている状態で、受光器132の光を透過させ、回転部材110と回転部材112の位置関係がずれた状態で、受光器132の光を遮光させるようにしても良い。
【0064】
さらに、本実施形態では、回転部材110、112の位置関係を検出することで、シート材Pのずれ量が検出されるようにしている。このため、回転部材110と回転部材112とは、必ずしも同じ外形である必要はない。
(その他の実施形態)
本実施形態では、位置合わせロール30の上流側に作動片106を設け、挿入されたシート材Pが、シート材Pが搬送される搬送方向に対してずれているか否かを検出できるようにしたが、位置合わせロール30の下流側に作動片を設けても良い。
【0065】
例えば、図13に示すように、中央部に挿通穴134が形成された作動部材(作動部)136、138を用い、位置合わせロール30の回転軸31へ挿通穴134を挿通する。作動部材136、138は、回転軸31に対して回転可能とされ、シート材Pの幅方向の両端側に配置する。
【0066】
これにより、位置合わせロール30の回転動作と作動部材136、138の回転動作を独立させ、位置合わせロール30の駆動とは別に作動部材136、138を回転可能にする。一方、回転部材110、112は回転軸31の斜め下方に回転軸31と平行に設けられた固定軸140に回転可能に設けられている。
【0067】
作動部材136、138の回転動作を回転部材110、112に伝達するため、作動部材136、138は、シート材Pの搬送軌跡上に設けられた作動部146、148と、シート材Pの搬送軌跡上から退避した位置に設けられた押圧部150、152と、を含んで構成されている。一方、回転部材110、112には動作片154、156が一体に設けられており、押圧部150、152の移動軌跡上に配置されている。
【0068】
以上のような構成により、シート材Pが挿入されると、作動部材136、138の作動部146、148にはシート材Pの先端部が当たり、シート材Pを介して伝達される押圧力によって、作動部146、148を介して作動部材136、138が回転し、押圧部150、152が回転する。この押圧部150、152の回転によって回転部材110、112の動作片154、156が移動し、回転部材110、112が回転する。
【0069】
図11及び図12に示すように、シート材Pが搬送方向に対してずれていない状態では、シート材Pの幅方向の両端側に設けられた作動部146、148には、シート材Pの幅方向の両端側が略同時に当たることとなり、二つの作動部146、148は略同時に移動する。このため、該作動部146、148を介して作動部材136、138が回転し、押圧部150、152が一緒に回転する。
【0070】
したがって、図9(A)〜(C)に示すように、回転部材110のスリット114は回転部材112によって塞がれ、回転部材112のスリット116、118は回転部材110によって塞がれた状態となっており、発光器130の光は受光器132に到達しない(OFF)。そして、図9(C)に示すように、回転部材110、112がスリット128の前から退避すると、スリット128が露出して、発光器130の光が受光器132に到達する(ON)。
【0071】
一方、図13及び図14に示すように、挿入されたシート材Pが搬送方向に対してずれている場合、例えば図13の場合、シート材Pの先端部が、先に作動部146に当たり、その後作動部148に当たる。この場合、まず押圧部150が回転し、動作片154を介して回転部材110が回転する、その後、押圧部152が回転し、動作片156を介して回転部材112が回転する。
【0072】
このため、図10(B)に示すように、側面視にて、回転部材110と回転部材112の重なり状態がずれ、回転部材110のスリット114と回転部材112のスリット118と光センサ120のスリット128とが重なり、発光器130の光が受光器132に到達する(ON)。
【0073】
そして、図10(C)に示すように、作動部146、148のさらなる回転によって、回転部材110、112は回転し、これによりスリット114は塞がれ、発光器130の光は受光器132に到達しなくなる(OFF)。
【0074】
そしてさらに、図10(D)に示すように、作動部146、148が回転して回転部材110、112がスリット128の前から退避すると、スリット128が露出して、発光器130の光が受光器132に到達する(ON)。
【0075】
本実施形態では、位置合わせロール30の下流側に押圧部150、152が設けられているため、給紙カセット24から給紙され用紙搬送経路32を通過するシート材Pと、手差し用の用紙受け部材100から給紙され用紙案内経路90を通過するシート材Pについて、シート材Pのずれを検出するようにしても良い。
【0076】
また、これらの実施形態では、押圧部150、152等を回転可能とし、シート材Pが当たることで回転移動させるようにしたが、必ずしも回転移動である必要はない。例えば、作動部をシート材の移動軌跡上に配置し、シート材の移動方向に沿って直線移動させるようにしても良い。但し、この場合、該作動部を元の位置に戻すため、付勢部材などが必要となる。
【符号の説明】
【0077】
10 画像形成装置
14 画像形成ユニット(画像形成部)
30 位置合わせロール
106 作動片(作動部)
108 作動片(作動部)
110 回転部材(移動部材)
112 回転部材(移動部材)
114 スリット(貫通穴)
116 スリット(貫通穴)
118 スリット(貫通穴)
120 光センサ(検出手段)
130 発光器(検出手段、発光部)
132 受光器(検出手段、受光部)
136 作動部材(作動部)
138 作動部材(作動部)
146 作動部
148 作動部
P シート材(記録媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体が挿入される挿入部の両側に設けられ、記録媒体に押されて移動する一対の作動部と、
互いに対面させて前記作動部に設けられ、該作動部と一体に移動する移動部材と、
記録媒体の挿入前に対面する前記移動部材の位置関係が記録媒体の挿入後も維持されているか否かを検出する検出手段と、
を有する給紙装置。
【請求項2】
前記検出手段が、前記移動部材の一方側に設けられた発光部と、前記移動部材の他方側に設けられ前記発光部から発光された光を受光する受光部と、を有し、
前記移動部材に光が透過する貫通穴が形成され、二つの移動部材の位置関係によって、光が通過、又は遮断される請求項1に記載の給紙装置。
【請求項3】
前記検出手段が、前記移動部材の位置関係が維持されていないと判断すると、画像形成部へ搬送する記録媒体の先端部の位置を合わせる位置合わせロールが停止する請求項1又は2に記載の給紙装置。
【請求項4】
前記検出手段が、前記移動部材の位置関係が維持されていないと判断すると、画像形成部へ搬送する記録媒体の先端部の位置を合わせる位置合わせロールが逆転する請求項1又は2に記載の給紙装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の給紙装置から給紙された記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部へ搬送する記録媒体の先端部の位置を合わせる位置合わせロールと、
を有する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−159139(P2010−159139A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3197(P2009−3197)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】