説明

給電管理サーバ、IP電話システム、給電管理方法およびプログラム

【課題】 IP電話機の給電制御を容易に行うことが可能な給電管理サーバ、IP電話システム、給電管理方法を提供する。
【解決手段】 制御部3dは、指示格納部3bにて格納されたMACアドレス3b1と関連づけられて接続状態格納部3aに格納されたポート情報3a2を読み出す。制御部3dは、その読み出されたポート情報3a2が示すポート1cからの電力供給を、指示格納部3bにてそのMACアドレス3b1と関連づけられて格納された指示情報b2に基づいて制御する。例えば、制御部3dは、その読み出されたポート情報3a2が示すポート1cからの電力供給をその指示情報3b2に基づいて制御する旨の制御信号を生成し、その制御信号をそのポート1cを有する給電ハブ1に送信する。給電ハブ1は、その制御信号を受信すると、その制御信号に基づいて、そのポート1cからの電力供給を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電管理サーバ、IP電話システム、給電管理方法およびプログラムに関し、特には、ハブのポートを介して接続されるIP電話機への給電を管理する給電管理サーバ、IP電話システム、給電管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、IP(Internet Protcol)電話システムが知られている。例えば、特許文献1(特開2003−46665号公報)には、複数のIP電話機と、パワーハブ(給電ハブ)と、構内交換機(PBX)とを含むIP電話システムが記載されている。
【0003】
このIP電話システムでは、複数のIP電話機のそれぞれは、パワーハブのポートに接続される。パワーハブは、各ポートに接続されたIP電話機に電力を供給する。
【0004】
なお、パワーハブは、給電のオンオフを制御する機能を有する。
【0005】
また、特許文献2(特開2000−287240号公報)には、ボタン電話機の消費電力を少なくできるボタン電話装置が記載されている。具体的には、複数のボタン電話機が主装置と接続され、その主装置がそれら複数のボタン電話機への給電を制御してボタン電話機の消費電力を少なくする。
【0006】
このため、特許文献1に記載のパワーハブが、特許文献2に記載の主装置の給電制御技術を実行すれば、IP電話機の消費電力を少なくすることが可能になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のパワーハブが、特許文献2に記載の給電制御技術を実行する場合、IP電話機への給電制御は、パワーハブ単位で行われる。このため、例えば、複数のパワーハブが存在するIP電話システムでは、パワーハブごとに、IP電話機の給電制御の設定を行わなければならない。したがって、IP電話システムとしては、給電制御の設定が複雑になってしまう。
【0008】
本発明の目的は、IP電話機の給電制御を容易に行うことが可能な給電管理サーバ、IP電話システム、給電管理方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の給電管理サーバは、IP電話機と接続されるポートを介して該IP電話機に電力を供給可能なハブと接続され、前記ポートからの電力供給を管理する給電管理サーバであって、前記IP電話機の識別情報と、そのIP電話機と接続されたポートを示すポート情報と、を関連づけて格納する接続状態格納部と、前記IP電話機の識別情報と、そのIP電話機への電力の供給状態を指示する指示情報と、を関連づいて格納する指示格納部と、前記指示格納部にて格納されたIP電話機の識別情報と関連づけられて前記接続状態格納部に格納されたポート情報を読み出し、その読み出されたポート情報が示すポートからの電力供給状態を、前記指示格納部にて前記IP電話機の識別情報と関連づけられて格納された指示情報が示すように制御する制御部とを含む。
【0010】
また、本発明の給電管理方法は、IP電話機と接続されるポートを介して該IP電話機に電力を供給可能なハブと接続され、前記IP電話機の識別情報とそのIP電話機と接続されたポートを示すポート情報とを関連づけて格納する接続状態格納部と、前記IP電話機の識別情報とそのIP電話機への電力の供給状態を指示する指示情報とを関連づいて格納する指示格納部とを含む給電管理サーバが行う給電管理方法であって、前記指示格納部にて格納されたIP電話機の識別情報と関連づけられて前記接続状態格納部に格納されたポート情報を読み出す読み出しステップと、前記読み出されたポート情報が示すポートからの電力供給状態を、前記指示格納部にて前記IP電話機の識別情報と関連づけられて格納された指示情報が示すように制御する制御ステップとを含む。
【0011】
上記の発明によれば、給電管理サーバが、指示格納部にて格納されたIP電話機の識別情報と関連づけられて接続状態格納部に格納されたポート情報を読み出し、その読み出されたポート情報が示すポートからの電力供給状態を、指示格納部にて格納された指示情報が示すように制御する。
【0012】
このため、給電管理サーバがハブの給電を管理できる。よって、例えば、複数のハブが存在するIP電話システムでも、給電管理サーバが各ハブの給電を管理でき、ハブごとに給電制御の設定を行う必要がなくなる。したがって、IP電話機の給電制御を容易に行うことが可能となる。
【0013】
なお、前記指示情報は、前記IP電話機への電力供給を中止する期間を示し、前記IP電話機への電力供給を中止する期間では、前記読み出されたポート情報が示すポートからの電力供給が中止されるように、ハブが制御されることが望ましい。
【0014】
上記の発明によれば、任意の期間において、IP電話機への電力供給を中止することが可能になる。
【0015】
また、前記指示情報は、前記IP電話機に電力を供給する期間を示し、前記IP電話機に電力を供給する期間では、前記読み出されたポート情報が示すポートから電力が供給されるように、ハブが制御されることが望ましい。
【0016】
上記の発明によれば、任意の期間において、IP電話機へ電力を供給することが可能になる。
【0017】
また、既に前記接続状態格納部に格納されているIP電話機の識別情報が、前記接続状態格納部に新たに格納されると、その既に格納されていたIP電話機の識別情報およびそのIP電話機の識別情報と関連づけられていたポート情報とが、前記接続状態格納部から削除されることが望ましい。
【0018】
上記の発明によれば、IP電話機とポートとの接続関係が変わると、古い接続情報が削除される。このため、接続状態格納部には、最新の接続状態が格納される。
【0019】
前記IP電話機の識別情報は、該IP電話機のMACアドレスであることが望ましい。
【0020】
本発明のIP電話システムは、上記給電管理サーバと、IP電話機と、前記IP電話機と接続されるポートを介して該IP電話機に電力を供給可能なハブと、を含むIP電話システムであって、前記制御部は、前記読み出されたポート情報が示すポートからの電力供給状態を前記指示格納部にて格納された指示情報が示すように制御する旨の制御信号を生成し、その制御信号を前記ハブに送信し、前記ハブは、前記ポートからの電力供給状態を前記制御信号に基づいて制御する。
【0021】
本発明の給電管理方法は、給電管理サーバと、IP電話機と、前記IP電話機と接続されるポートを介して該IP電話機に電力を供給可能なハブと、を含むIP電話システムが行う給電管理方法であって、前記給電管理サーバが、前記指示格納部にて格納されたIP電話機の識別情報と関連づけられて前記接続状態格納部に格納されたポート情報を読み出す読み出しステップと、前記給電管理サーバが、前記読み出されたポート情報が示すポートからの電力供給状態を前記指示格納部にて格納された指示情報が示すように制御する旨の制御信号を生成し、その制御信号を前記ハブに送信する送信ステップと、前記ハブが、前記ポートからの電力供給を前記制御信号に基づいて制御する電力供給制御ステップと、を含む。
【0022】
上記の発明によれば、給電管理サーバがハブの給電を管理できる。よって、例えば、複数のハブが存在するIP電話システムでも、給電管理サーバが各ハブの給電を管理でき、ハブごとに給電制御の設定を行う必要がなくなる。したがって、IP電話機の給電制御を容易に行うことが可能となる。
【0023】
本発明のプログラムは、IP電話機と接続されるポートを介して該IP電話機に電力を供給可能なハブと、前記IP電話機の識別情報とそのIP電話機と接続されたポートを示すポート情報とを関連づけて格納する接続状態格納部と、前記IP電話機の識別情報とそのIP電話機への電力の供給状態を指示する指示情報とを関連づいて格納する指示格納部と、に接続されたコンピュータに給電管理処理を実行させるプログラムであって、前記指示格納部にて格納されたIP電話機の識別情報と関連づけられて前記接続状態格納部に格納されたポート情報を読み出す読み出し処理と、前記読み出されたポート情報が示すポートからの電力供給状態を、前記指示格納部にて前記IP電話機の識別情報と関連づけられて格納された指示情報が示すように制御する制御処理と、を含む給電管理処理を前記コンピュータに実行させる。
【0024】
上記の発明によれば、上記給電管理方法をコンピュータに実行させることが可能になる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、IP電話機の給電制御を容易に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施例のIP電話システムを示したブロック図である。
【0028】
図1において、IP電話システムは、LAN上で構成され、また、給電ハブ1aと、給電ハブ1bと、IP電話機2a〜2nと、給電管理サーバ3とを含む。
【0029】
本実施例では、2つの給電ハブが用いられているが、給電ハブの数は適宜変更可能である。なお、給電ハブ1aと給電ハブ1bは、同一構成とする。
【0030】
給電ハブ1aおよび1bは、複数のポート1cを有する。給電ハブ1aおよび1bは、通常のハブ機能に加えて、各ポート1cに接続された機器(IP電話機2)に電力を供給することが可能である。
【0031】
IP電話機2a〜2iのそれぞれは、給電ハブ1aのポート1cと接続され、その接続 されたポート1cから電力が供給される。IP電話機2a〜2iのそれぞれは、LAN給電機能を有する。
【0032】
また、IP電話機2j〜2nのそれぞれは、給電ハブ1bのポート1cと接続され、その接続されたポート1cから電力が供給される。IP電話機2j〜2nのそれぞれは、LAN給電機能を有する。なお、IP電話機2の数は、適宜変更可能である。
【0033】
給電管理サーバ3は、LANインタフェイス(I/F)を介し、給電ハブ1aおよび1bに接続され、給電ハブ1aおよび1bの各ポート1cからの電力供給を管理する。
【0034】
給電管理サーバ3は、接続状態格納部3aと、指示格納部3bと、メモリ3cと、制御部3dとを含む。
【0035】
接続状態格納部3aは、IP電話機2a〜2nの識別情報と、そのIP電話機が接続されたポート1cを示すポート情報とを、関連づけて格納する。なお、本実施例では、IP電話機2a〜2nの識別情報として、IP電話機2のMACアドレスが用いられる。
【0036】
図2は、接続状態格納部3aの一例を示した説明図である。
【0037】
図2において、接続状態格納部3aには、IP電話機2のMACアドレス3a1と、そのIP電話機2と接続されたポート1cを示すポート情報3a2と、そのIP電話機2の内線番号3a3とが、関連づけて格納されている。
【0038】
図1に戻って、指示格納部3bは、IP電話機2a〜2nの識別情報と、そのIP電話機への電力の供給状態を指示する指示情報とを、関連づけて格納する。
【0039】
図3は、指示格納部3bの一例を示した説明図である。
【0040】
図3において、指示格納部3bには、IP電話機2のMACアドレス3b1と、そのIP電話機2への電力の供給状態を指示する指示情報3b2とが、関連づけて格納されている。
【0041】
なお、指示情報3b2は、その指示情報3b2と関連づけられているIP電話機2への電力供給を中止する期間(例えば、休日または夜間)を示してもよいし、また、その指示情報3b2と関連づけられているIP電話機2に電力を供給する期間を示してもよい。
【0042】
図1に戻って、メモリ3cは、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体である。メモリ3cには、給電管理サーバ3の動作を規定するプログラムが記録されている。
【0043】
制御部3dは、CPU等のコンピュータであり、メモリ3cに記録されたプログラムを読み取り、その読み取られたプログラムを実行して以下に示すような種々の機能を実現する。
【0044】
制御部3dは、時計機能およびカレンダ機能を有する。
【0045】
制御部3dは、指示格納部3bにて格納されたMACアドレス3b1と関連づけられて接続状態格納部3aに格納されたポート情報3a2を読み出す。
【0046】
制御部3dは、その読み出されたポート情報3a2が示すポート1cからの電力供給状態を、指示格納部3bにてそのMACアドレス3b1と関連づけられて格納された指示情報3b2が示すように制御する。
【0047】
例えば、制御部3dは、その読み出されたポート情報3a2が示すポート1cからの電力供給状態をその指示情報3b2が示すように制御する旨の制御信号を生成し、その制御信号をそのポート1cを有する給電ハブ1に送信する。給電ハブ1は、その制御信号を受信すると、その制御信号に基づいて、そのポート1cからの電力供給状態を制御する。
【0048】
指示情報3b2が、IP電話機2への電力供給を中止する期間を示している場合には、制御部3dは、その期間では、その指示情報3b2とMACアドレスを介して関連づけられているポート情報3a2が示すポート1cからの電力供給を中止するように、給電ハブ1を制御する。
【0049】
また、指示情報3b2がIP電話機2に電力を供給する期間を示している場合には、制御部3dは、その期間では、その指示情報3b2とMACアドレスを介して関連づけられているポート情報3a2が示すポート1cから電力を供給するように、給電ハブ1を制御する。
【0050】
また、制御部3dは、既に接続状態格納部3aに格納されているMACアドレス3a1が、接続状態格納部3aに新たに格納されると、その既に格納されていたMACアドレス3a1およびそのMACアドレス3a1と関連づけられていたポート情報3a2および内線番号3a3とを、接続状態格納部3aから削除する。
【0051】
なお、接続状態格納部3aが格納するMACアドレス3a1およびポート情報3a2は、以下のように取得されることが望ましい。
【0052】
IP電話機2が給電ハブ1のポート1cに接続されて、給電ハブ1がそのIP電話機2に給電を開始した直後、給電ハブ1は、そのIP電話機2のMACアドレスを取得する。
【0053】
給電ハブ1は、そのMACアドレスを、そのIP電話機2が接続されたポート1cを示すポート情報と関連づけて格納する。
【0054】
給電ハブ1は、そのMACアドレスとポート情報とを給電管理サーバ3に送信する。
【0055】
給電管理サーバ3(具体的には、制御部3d)は、そのMACアドレスとポート情報とを互いに関連づけて接続状態格納部3aに格納する。
【0056】
なお、以上詳細に実施例の構成を述べたが、給電ハブ1の給電方法は、当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないので、その詳細な構成は省略する。
【0057】
また、給電管理サーバ3が、IP電話システムの主装置であってもよい。
【0058】
次に、動作を説明する。
【0059】
図4は、IP電話システムの動作を説明するためのシーケンス図である。以下、図4を参照してIP電話システムの動作を説明する。
【0060】
ステップS401では、IP電話機2が給電ハブ1のポート1cに接続される。IP電話機2が給電ハブ1のポート1cに接続されると、給電ハブ1は、ステップS402を実行する。
【0061】
ステップS402では、給電ハブ1は、ポート1cに接続されたIP電話機2に電力を供給する。IP電話機2に電力が供給されると、IP電話機2は、ステップS403を実行する。
【0062】
ステップS403では、IP電話機2は、給電管理サーバ3宛の内線登録依頼を給電ハブ1に出力する。この際、IP電話機2は、内線登録依頼とともに自己のMACアドレスを給電ハブ1に出力する。
【0063】
給電ハブ1は、内線登録依頼とMACアドレスをIP電話機2から受け付けると、ステップS404を実行する。
【0064】
ステップS404では、給電ハブ1は、そのMACアドレスを、IP電話機2が接続されたポート1cを示すポート情報と関連づけて格納する。その後、給電ハブ1は、給電管理サーバ3宛の内線登録依頼と、そのMACアドレスとそのポート情報とを給電管理サーバ3に送信する。
【0065】
給電管理サーバ3(具体的には、制御部3d)は、給電管理サーバ3宛の内線登録依頼と、そのMACアドレスと、そのポート情報とを受け付けると、ステップS405を実行する。
【0066】
ステップS405では、制御部3dは、そのMACアドレスとそのポート情報とを互いに関連づけて接続状態格納部3aに格納する。
【0067】
その後、制御部3dは、その内線登録依頼を送信したIP電話機2に内線番号を付与する。具体的には、制御部3dは、その内線番号を、その内線番号が付与されるIP電話機2のMACアドレスと関連づけて接続状態格納部3aに格納する。
【0068】
その後、制御部3dは、ステップS406を実行する。
【0069】
ステップS406では、制御部3dは、給電ハブ1を介して、その内線登録依頼を送信したIP電話機2に、その内線番号を通知する。
【0070】
IP電話機2は、内線番号の通知を受けると、その内線番号を設定して通常動作を行う。
【0071】
一方、IP電話システムの管理者は、IP電話機2のMACアドレスとそのIP電話機2への電力の供給状態を指示する指示情報とを、給電管理サーバ3に入力する。給電管理サーバ3の制御部3dは、そのIP電話機2のMACアドレスとその指示情報とを受け付けると、ステップS407を実行する。
【0072】
ステップS407では、制御部3dは、そのIP電話機2のMACアドレスとその指示情報とを関連づけて指示格納部3bに格納する。
【0073】
制御部3dは、指示格納部3bにて格納されたMACアドレスと関連づけられて接続状態格納部3aに格納されたポート情報を読み出す。
【0074】
制御部3dは、その読み出されたポート情報が示すポート1cからの電力供給状態を、指示格納部3bにてそのMACアドレスと関連づけられて格納された指示情報に基づいて制御する。
【0075】
例えば、指示情報として、IP電話機2への電力供給を中止する期間(夜間または休日)が用いられている場合、制御部3dは、以下のように動作する。
【0076】
現在の日時がIP電話機2への電力供給を中止する期間になると、制御部3dは、ステップS408を実行する。
【0077】
ステップS408では、制御部3dは、給電ハブ1に対して、その指示情報と関連づけられたMACアドレスを有するIP電話機2と接続するポート1cからの電力供給を中止するコマンド(制御信号)を送る。給電ハブ1は、そのコマンドを受信すると、ステップS409を実行する。
【0078】
ステップS409では、給電ハブ1は、そのコマンドに基づいて、そのポート1cからの電力供給を中止する。このため、IP電話機2の電源はオフとなる。
【0079】
現在の日時がIP電話機2への電力供給を中止する期間から外れると、制御部3dは、ステップS410を実行する。
【0080】
ステップS410では、制御部3dは、給電ハブ1に対して、その指示情報と関連づけられたMACアドレスを有するIP電話機2と接続するポート1cからの電力供給を開始するコマンド(制御信号)を送る。給電ハブ1は、そのコマンドを受信すると、ステップS411を実行する。
【0081】
ステップS411では、給電ハブ1は、そのコマンドに基づいて、そのポート1cからの電力供給を開始する。このため、IP電話機2の電源はオンとなる。その後、IP電話機2は、ステップS403を実行する。
【0082】
このように、IP電話機2への給電のオン・オフが給電管理サーバ3によって制御されるため、IP電話機2の消費電力を減らすことが可能になり、電気代の節約が図れる。
【0083】
次に、一旦、給電ハブ1のポート1cに接続されたIP電話機2が、他のポート1cに移動された場合の動作を説明する。
【0084】
IP電話機2が給電ハブ1のポート1cから取り外されると、給電ハブ1は、ステップS412を実行する。
【0085】
ステップS412では、給電ハブ1は、IP電話機2が取り外されたポート1cからの電力供給を中止する。その後のステップS413では、IP電話機2が給電ハブ1の他のポート1cに再接続される。IP電話機2が給電ハブ1の他のポート1cに接続されると、給電ハブ1は、ステップS402を実行する。これ以降、ステップS403、S404が実行される。
【0086】
ステップS404が実行されると、制御部3dは、ステップS414を実行する。
【0087】
ステップS414では、制御部3dは、そのMACアドレスとそのポート情報とを互いに関連づけて接続状態格納部3aに格納する。
【0088】
その後、制御部3dは、内線登録依頼を送信したIP電話機2に内線番号を付与する。具体的には、制御部3dは、その内線番号を、その内線番号が付与されるIP電話機2のMACアドレスと関連づけて接続状態格納部3aに格納する。
【0089】
その後、制御部3dは、既に接続状態格納部3aに格納されているMACアドレスが、接続状態格納部3aに新たに格納されると、その既に格納されていたMACアドレスおよびそのMACアドレスと関連づけられていたポート情報および内線番号とを、接続状態格納部3aから削除する。
【0090】
本実施例によれば、以下に記載するような効果を奏する。
【0091】
第1の効果は、IP電話機2の電源管理をすることにより、消費電力の低減を図ることが可能になることである。
【0092】
第2の効果は、給電管理サーバ3がIP電話機2への給電を管理しているので、IP電話機一台一台の電源管理、または、IP電話機のグループ毎の電源管理ができることである。
【0093】
IP電話機は、既存の電話機より消費電力が大きい可能性が高い。よって、VoIPにすることにより、IP電話機の通信費は低減できるが、IP電話機の電気代は低減できない。
【0094】
本実施例によれば、IP電話機の省電力化を図ることが可能となるため、電気代の低減も図ることが可能となる。
【0095】
また、本実施例では、給電管理サーバ3が、指示格納部3bにて格納されたIP電話機のMACアドレス(識別情報)と関連づけられて接続状態格納部3aに格納されたポート情報を読み出し、その読み出されたポート情報が示すポートからの電力供給状態を、指示格納部3bにて格納された指示情報が示すように制御する。
【0096】
このため、給電管理サーバ3が給電ハブ1の給電を管理できる。よって、例えば、複数の給電ハブ1が存在するIP電話システムでも、給電管理サーバ3が各給電ハブ1の給電を管理でき、給電ハブ1ごとに給電制御の設定を行う必要がなくなる。したがって、IP電話機2の給電制御を容易に行うことが可能となる。
【0097】
また、本実施例では、指示情報が、IP電話機2への電力供給を中止する期間を示し、制御部3dは、IP電話機2への電力供給を中止する期間では、その指示情報とMACアドレスを介して関連づけられたポート情報が示すポートからの電力供給を中止するように、給電ハブ1を制御する。この場合、任意の期間において、IP電話機への電力供給を中止することが可能になる。
【0098】
また、指示情報が、IP電話機2に電力を供給する期間を示し、制御部3dが、そのIP電話機2に電力を供給する期間では、その指示情報とMACアドレスを介して関連づけられたポート情報が示すポートから電力を供給するように、給電ハブ1を制御することが望ましい。この場合、任意の期間において、IP電話機へ電力を供給することが可能になる。
【0099】
また、本実施例では、制御部3dは、既に接続状態格納部3aに格納されているIP電話機のMACアドレスが、接続状態格納部3aに新たに格納されると、その既に格納されていたIP電話機のMACアドレスおよびそのMACアドレスと関連づけられていたポート情報とが、接続状態格納部3aから削除される。
【0100】
この場合、IP電話機2とポート1cとの接続関係が変わると、古い接続情報が削除される。このため、接続状態格納部3aには、最新の接続状態が格納される。
【0101】
以上説明した実施例において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【0102】
例えば、IP電話機の識別情報は、IP電話機のMACアドレスに限らず適宜変更可能である。
【0103】
また、図1では、接続状態格納部3aと指示格納部3bとを別構成として示したが、接続状態格納部3aと指示格納部3bとを1つの格納部にまとめてもよい。この場合、その格納部(接続状態格納部3aと指示格納部3bとを含む。)は、IP電話機の識別情報と、そのIP電話機と接続されたポートを示すポート情報と、そのIP電話機への電力の供給状態を指示する指示情報とを、関連づいて格納することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の一実施例のIP電話システムを示したブロック図である。
【図2】接続状態格納部3aの一例を示した説明図である。
【図3】指示格納部3bの一例を示した説明図である。
【図4】IP電話システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【符号の説明】
【0105】
1a、1b 給電ハブ
1c ポート
2 IP電話機
3 給電管理サーバ
3a 接続状態格納部
3b 指示格納部
3c メモリ
3d 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IP電話機と接続されるポートを介して該IP電話機に電力を供給可能なハブと接続され、前記ハブのポートからの電力供給を管理する給電管理サーバであって、
前記IP電話機の識別情報と、そのIP電話機と接続されたポートを示すポート情報と、を関連づけて格納する接続状態格納部と、
前記IP電話機の識別情報と、そのIP電話機への電力の供給状態を指示する指示情報と、を関連づいて格納する指示格納部と、
前記指示格納部にて格納されたIP電話機の識別情報と関連づけられて前記接続状態格納部に格納されたポート情報を読み出し、その読み出されたポート情報が示すポートからの電力供給状態を前記指示格納部にて前記IP電話機の識別情報と関連づけられて格納された指示情報が示すように制御する制御部と、を含む給電管理サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の給電管理サーバにおいて、
前記指示情報は、前記IP電話機への電力供給を中止する期間を示し、
前記制御部は、前記IP電話機への電力供給を中止する期間では、前記読み出されたポート情報が示すポートからの電力供給を中止するように、前記ハブを制御する、給電管理サーバ。
【請求項3】
請求項1に記載の給電管理サーバにおいて、
前記指示情報は、前記IP電話機に電力を供給する期間を示し、
前記制御部は、前記IP電話機に電力を供給する期間では、前記読み出されたポート情報が示すポートから電力を供給するように、前記ハブを制御する、給電管理サーバ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の給電管理サーバにおいて、
前記制御部は、既に前記接続状態格納部に格納されているIP電話機の識別情報が、前記接続状態格納部に新たに格納されると、その既に格納されていたIP電話機の識別情報およびそのIP電話機の識別情報と関連づけられていたポート情報とを、前記接続状態格納部から削除する、給電管理サーバ。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の給電管理サーバにおいて、
前記IP電話機の識別情報は、該IP電話機のMACアドレスである、給電管理サーバ。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の給電管理サーバと、IP電話機と、前記IP電話機と接続されるポートを介して該IP電話機に電力を供給可能なハブと、を含むIP電話システムであって、
前記制御部は、前記読み出されたポート情報が示すポートからの電力供給状態を前記指示格納部にて格納された指示情報が示すように制御する旨の制御信号を生成し、その制御信号を前記ハブに送信し、
前記ハブは、前記ポートからの電力供給状態を前記制御信号に基づいて制御する、IP電話システム。
【請求項7】
IP電話機と接続されるポートを介して該IP電話機に電力を供給可能なハブと接続され、前記IP電話機の識別情報とそのIP電話機と接続されたポートを示すポート情報とを関連づけて格納する接続状態格納部と、前記IP電話機の識別情報とそのIP電話機への電力の供給状態を指示する指示情報とを関連づいて格納する指示格納部とを含む給電管理サーバが行う給電管理方法であって、
前記指示格納部にて格納されたIP電話機の識別情報と関連づけられて前記接続状態格納部に格納されたポート情報を読み出す読み出しステップと、
前記読み出されたポート情報が示すポートからの電力供給状態を前記指示格納部にて前記IP電話機の識別情報と関連づけられて格納された指示情報が示すように制御する制御ステップと、を含む給電管理方法。
【請求項8】
請求項7に記載の給電管理方法において、
前記指示情報は、前記IP電話機への電力供給を中止する期間を示し、
前記制御ステップでは、前記IP電話機への電力供給を中止する期間は、前記読み出されたポート情報が示すポートからの電力供給を中止するように、前記ハブを制御する、給電管理方法。
【請求項9】
請求項7に記載の給電管理方法において、
前記指示情報は、前記IP電話機に電力を供給する期間を示し、
前記制御ステップでは、前記IP電話機に電力を供給する期間は、前記読み出されたポート情報が示すポートから電力を供給するように、前記ハブを制御する、給電管理方法。
【請求項10】
請求項7ないし9のいずれか1項に記載の給電管理方法において、
既に前記接続状態格納部に格納されているIP電話機の識別情報が、前記接続状態格納部に新たに格納されると、その既に格納されていたIP電話機の識別情報およびそのIP電話機の識別情報と関連づけられていたポート情報とを、前記接続状態格納部から削除する削除ステップをさらに含む、給電管理方法。
【請求項11】
請求項7ないし10のいずれか1項に記載の給電管理方法において、
前記IP電話機の識別情報は、該IP電話機のMACアドレスである、給電管理方法。
【請求項12】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の給電管理サーバと、IP電話機と、前記IP電話機と接続されるポートを介して該IP電話機に電力を供給可能なハブと、を含むIP電話システムが行う給電管理方法であって、
前記給電管理サーバが、前記指示格納部にて格納されたIP電話機の識別情報と関連づけられて前記接続状態格納部に格納されたポート情報を読み出す読み出しステップと、
前記給電管理サーバが、前記読み出されたポート情報が示すポートからの電力供給状態を前記指示格納部にて格納された指示情報が示すように制御する旨の制御信号を生成し、その制御信号を前記ハブに送信する送信ステップと、
前記ハブが、前記ポートからの電力供給状態を前記制御信号に基づいて制御する電力供給制御ステップと、を含む給電管理方法。
【請求項13】
IP電話機と接続されるポートを介して該IP電話機に電力を供給可能なハブと、前記IP電話機の識別情報とそのIP電話機と接続されたポートを示すポート情報とを関連づけて格納する接続状態格納部と、前記IP電話機の識別情報とそのIP電話機への電力の供給状態を指示する指示情報とを関連づいて格納する指示格納部と、に接続されたコンピュータに給電管理処理を実行させるプログラムであって、
前記指示格納部にて格納されたIP電話機の識別情報と関連づけられて前記接続状態格納部に格納されたポート情報を読み出す読み出し処理と、
前記読み出されたポート情報が示すポートからの電力供給状態を、前記指示格納部にて前記IP電話機の識別情報と関連づけられて格納された指示情報が示すように制御する制御処理と、を含む給電管理処理を前記コンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−197104(P2006−197104A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−5277(P2005−5277)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】