説明

緊急遮断弁装置

【課題】緊急遮断弁装置について、停電時の通水再開が容易であるとともに導入コストが低廉でリセット作業及びメンテナンスの手間の少ないものとする。
【解決手段】遮断弁30Aとこれを閉弁方向に動作させる駆動部35と遮断弁30Aの開弁状態を維持するブレーキ部36とそのブレーキを解除して遮断弁30Aを閉弁させるブレーキ解除部363aとを備え、感震器が作動してブレーキ解除部363aに作用することで遮断弁30Aを閉弁させ給水配管の通水を自動的に遮断する緊急遮断弁装置3Aとし、その駆動部35が駆動軸351とこれを駆動させるゼンマイ350を有してゼンマイ350が捲かれた状態で遮断弁30Aを閉弁方向に付勢するものとし、遮断弁30Aの閉弁状態でクランクハンドル38を手動で回すことで、ゼンマイ350を捲き戻しながら遮断弁30Aを開弁させ、ブレーキ部36においてその状態で固定されてリセットが完了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊急遮断弁装置に関し、殊に、地震発生時に給水通路の破損部分から漏水することを防止するために給水配管の途中に配設される緊急遮断弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マンション等の集合住宅に設けた貯水槽から各戸まで水を分配・供給する給水配管には、地震発生の際に給水通路を自動的に遮断して下流側の破損箇所から漏水することを防止するための緊急遮断弁装置が配設されているのが一般的である。
【0003】
このような緊急遮断弁装置は、図3に示すように貯水槽1から延設された給水配管2の途中に配設されるものとして、遮断弁30Bの弁体31を所定の駆動手段で開閉可能に設けてなる緊急遮断弁装置3Bが周知であり、例えば特開2000−356277号公報に記載されている図3や特開2008−57561号公報に記載されているように、別途配置した感震器4が所定レベル以上の地震を感知して作動することにより、機械式伝導具50等のリンク手段を介し緊急遮断弁装置3Bの駆動手段を作動させて遮断弁30Bを緊急的に遮断するようになっている。
【0004】
ところで、給水通路の破損箇所が修復された場合には、遮断弁による遮断を解除して早々に給水を再開させる必要があるところ、緊急遮断弁装置の駆動手段はモータやソレノイド等の電動式であるのが一般的であり、地震の影響で停電した場合には通水の再開時にその開弁動作を行えないという問題がある。
【0005】
一方、閉弁用の駆動手段として、弾性部材による弾性反発力を利用したり錘の重さを利用したりして電力の供給を不要としたものも知られているが、復旧時の開弁動作においてはモータ等の電動式駆動手段を使用する点で停電時の問題は同様である。
【0006】
そこで、前述した従来の先行技術文献においては、停電時に使用するためのバックアップ用バッテリーを設けたり、通常時から外部電源を使用せずに内蔵したバッテリーを使用したりする方式が提案されており、停電状態であっても給水の再開を可能なものとしている。一方、遮断弁の開弁動作は行われても感震器のリセットは自動で行われないため、その作業に手間と時間を要することになる。
【0007】
また、集合住宅では各戸への配管が損傷する場合も考えられるので経路毎に緊急遮断弁装置を配設することも想定することができ、このような場合には安価でメンテナンスの手間が少ないものが好適であるところ、前述したバッテリー内蔵式の装置は、バッテリー内蔵の分コスト高であり、且つ、メンテナンスの手間もかかりやすいという難点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−356277号公報
【特許文献2】特開2008−57561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決しようとするものであり、緊急遮断弁装置について、停電時でも通水の再開が容易に行えることに加え、導入コストが低廉でメンテナンスの手間の少ないものとすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明は、弁体に突設された駆動軸の回転作動により弁の開閉動作を行う遮断弁の前記駆動軸に閉弁方向の付勢力を付与する機械式の駆動手段と、前記駆動手段の付勢力に抗して前記遮断弁の開弁状態を維持するブレーキ手段と、前記ブレーキ手段に備えられたブレーキを解除して前記遮断弁を閉弁させるブレーキ解除手段とを備えた給水配管又は貯水槽に配置する機械式駆動の遮断弁に、地震の揺れを検出して前記遮断弁のブレーキ解除手段を作動させる機械式感震器を一体に設け、または、別の箇所に配置した機械式感震器を機械式伝導具により連結した緊急遮断弁を有する装置であって、地震の発生により、機械式感震器が作動して、前記ブレーキ解除手段を作動させることで前記ブレーキが解除されて前記駆動手段により前記遮断弁を閉弁させ、通水を自動的に遮断することにより前記課題を解決した。
【0011】
また、前記遮断弁の駆動手段が、前記駆動軸とこの駆動軸を回転駆動させるゼンマイと前記駆動軸の回動を前記遮断弁の開閉動作に変換する変換機構を有して、前記ゼンマイが圧縮方向に捲かれた状態で前記遮断弁を閉弁方向に付勢するとともに、前記遮断弁が閉弁した状態で前記駆動軸の軸端または前記変換機構の一部に連結されたハンドル部材を手動で回すことにより、前記ゼンマイを捲き戻しながら前記遮断弁を開弁方向に動作させ、初期状態の開弁位置で前記ブレーキ手段により固定されることによりリセットが完了することが好ましい。
【0012】
そして、前記遮断弁は、機械式バタフライ弁または、機械式ボール弁のような弁体の回転動作により開閉動作を行うタイプとすることが好ましい。
【0013】
更に、前記ハンドル部材は、装置本体に対し着脱可能なハンドルである機械式緊急遮断弁装置を提供する。
【0014】
また、前記ハンドルは、装置外部まで延設された前記駆動軸の一方の端部側に基端側を連結することにより装着される。
【0015】
ブレーキ解除手段は、機械式の前記感震器から延設された機械式伝導具の先端側における突出部の突出動作に連動して前記ブレーキ手段によるブレーキを解除し、且つ、手動によるリセット動作で前記突出部を押し戻すことができる。
【0016】
更にまた、前記駆動軸にはウオームギヤが設けられており、前記遮断弁の弁体から前記駆動軸に対し直角方向に延設された弁軸の端部側に設けたウオームホイールギヤと噛合して前記遮断弁を動作させることにより、大きなゼンマイではなくとも比較的大きな閉弁方向の駆動力を確保することができる。
【0017】
加えて、二又に分岐した、または、複数の機械式伝導具を用いることにより機械式感震装置1台に対して、複数台の緊急遮断弁装置を接続することも可能である。
【0018】
このように、緊急遮断弁装置で閉弁動作を行うための駆動手段にゼンマイを使用したことで、電動式の駆動手段と比べてコストを低廉に抑えられることに加え、通水再開時に手動で遮断弁を開弁させながらゼンマイを最初の状態に捲き戻す方式としたことにより、バッテリーを内蔵する場合と比べて導入コストが大幅に削減されるとともに、リセットの手間及びメンテナンスの手間を少なく抑えることができる。
【0019】
また、この緊急遮断弁装置において、そのハンドル部材は装置本体に対し着脱可能なハンドルとすれば、これを通水再開時のみ装着して使用することで、通常時は遮断弁の無用
な開閉動作を回避しやすいものとなる。この場合、そのハンドルは、装置の外部まで延設された駆動軸の一方の端部側に基端側を連結することにより装着されることを特徴としたものとすれば、手動にてゼンマイをダイレクトに捲き戻すことができる。
【0020】
さらに、上述した緊急遮断弁装置において、そのブレーキ解除手段として、別の箇所に設置された、または一体に設けた機械式の感震器から延設された機械式伝導具先端側の突出部の突出動作に連動してブレーキ手段によるブレーキを解除し、且つ、手動によるリセット動作で機械式伝導具の突出部を押し戻すものとされていることを特徴としたものとすれば、全体としても電源手段を要さずに停電時における確実な作動を実現しやすいことに加え、手動でゼンマイを巻き戻す動作で機械式伝導具を介して感震器のリセットも行われるものとすればより操作が簡単である。
【発明の効果】
【0021】
閉弁動作を行うための駆動手段にゼンマイを使用するとともに通水再開時に手動で遮断弁を開弁させながらゼンマイを捲き戻して初期状態にする方式とした本発明によると、停電時でも通水の再開が容易に行えることに加え、導入コストが低廉でリセット作業及びメンテナンスの手間の少ないものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明における緊急遮断弁装置についての実施の形態の斜視図であ る。
【図2】図1に示した実施の形態の本体部分の横断面図である。
【図3】従来例における緊急遮断弁装置の配設状態を示す配置図である。
【図4】図1に示した実施形態の感震器と緊急遮断弁装置の配置例である。
【図5】感震器1台について2台の緊急遮断弁装置が接続されている配置例 である。
【図6】緊急遮断弁装置と感震器が一体構造となっている実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。
【0024】
図1および図2は、本実施の形態の緊急遮断弁装置3Aの全体斜視図および本体部分の横断面図を示している。この緊急遮断弁装置3Aは、図2に示した従来の緊急遮断弁装置3Bと同様に、貯水槽1から続く給水配管2の途中に配置した遮断弁30Aを地震発生時に緊急的に閉弁してその下流側で漏水を生じないようにするための装置であり、これとは別位置に配置した機械式の感震器4が所定レベル以上の地震を感知することで、これから延設されたレリーズからなる機械式伝導具50先端側の突出部50aがブレーキ解除部363を作動させてブレーキ部36のブレーキを解除し、後述する駆動部35が作動して遮断弁30Aを緊急的に閉弁させるようになっている。
【0025】
加えて、図4は、感震器4と緊急遮断弁装置3Aと機械式伝導具50との配置の例を示したものであり、特に感震器4を緊急遮断弁3Aと別体として、例えば、貯水槽1の近くの設置床面に配置したものである。本実施の形態によると、感震器4と貯水槽1の設置床に独立して配置したことにより、地震の揺れをポンプの振動等の他の影響を受けることなしに感知することができる利点を有している。また、図5には、別の実施形態として、貯水槽が複数設置されている状況、または、貯水槽に複数の取水管が配接されている場合に、1台の感震器で複数台の緊急遮断弁を操作可能とする、複数に分岐した機械式伝導具を設けた緊急遮断弁装置の配置の関係図を示した。本実施例においては、2台の緊急遮断弁装置に対して1台の感震器が二又の機械式伝導具で接続されているが、緊急遮断弁装置の台数及び、機械式伝導具の構成は、これに限られるものではない。これらの場合には、1
台の感震器4で複数の緊急遮断弁装置を作動可能であり、経済的に有利であるばかりか、複数の感震器を使用する場合(図示せず)のように作動する揺れによるバラつきがないので、地震時の対応や保守管理が容易であり、特に1つの貯水槽に複数の配管がある場合には有効である。
【0026】
さらに、図6に示した実施の形態は、感震器4と緊急遮断弁3Aとを一体としたものであり、屋上等の限られたスペースの中で感震器を別途設置するスペースが取れない場合に有効である。更に本実施例では、感震器4と緊急遮断弁3Aとを一体としたことにより、設置スペースや繁雑な取付作業などの面で有利である反面、図4に示したように感震器4が床面に単独で設置されている場合比べ、正確な地震による揺れ感知が検出できない場合もあるが、例えば弾性体のような緩衝部材を挟持させたり、作動する揺れを補正したりすることで対応することができる(図示せず)。本実施例においては、感震器4と緊急遮断弁3Aとは、機械式伝導具50により緊急遮断弁3Aの内部で連結されている構造となっているが、前記感震器と前記緊急遮断弁との連結構造はこれに限られるものではなく、地震の発生で前記感震器が作動した場合に、ブレーキ解除部363を作動させてブレーキ部36のブレーキを解除し、駆動部35が作動して遮断弁30Aを緊急的に閉弁可能とする機械構造を有するものであればよい。
【0027】
その遮断弁30Aの弁体31を閉弁方向に動作させる駆動部35は、横方向に渡した駆動軸351と、その一端側で周方向渦巻き状に捲回して設けたゼンマイ350と、駆動軸351のほぼ中央位置に配置されたウオームギヤ352と、弁体31から駆動軸351に対し直角方向に延設した弁軸32の端部側に傘状に設けられてウオームギヤ352に噛合しているウオームホイールギヤ353とからなり、ゼンマイ350が圧縮方向に捲かれた状態で遮断弁30Aを閉弁方向に付勢しており、その遮断弁30Aの閉弁動作に電力の供給を要しないものとなっている。
【0028】
駆動部35に付設したブレーキ部36は、駆動軸351に設けた歯車354に一部を噛合している複数の歯車からなるギヤ360、ギヤ360にホイール軸361aを介し接続して慣性力を発揮するフライホイール361、ホイール軸361aの回動をブレーキライニング、ブレーキアーマチェア等の摩擦力で停止させるブレーキ機構362を有してなり、通常の通水時にそのブレーキ作用でゼンマイ350の付勢力に抗して駆動軸351の回動を停止させて遮断弁30Aの開弁状態を維持している。
【0029】
そして、感震器4が所定レベル以上の地震を検知すると、例えば内部に配置した硬球が動くことを契機に掛止爪が外れてバネが作動すること等により機械式伝導具50の管体を挿通したワイヤを突出させる等して、機械式伝導具50先端側の突出部50aがブレーキ機構362に付設したブレーキ解除部363の解除レバー363aを押すことにより、ブレーキ機構362によるブレーキを解除させてゼンマイ350による付勢力が開放され、駆動部35が遮断弁30Aを閉弁方向に作動させる。
【0030】
尚、このようにウオームギヤ352が弁軸32端部側のウオームホイールギヤ353に噛合して駆動軸351の回動を弁体31の開閉動作に変換する構成としたことにより、駆動軸351の一端に設けたゼンマイ350が比較的小さく低出力のものであっても、弁軸32において比較的大きなトルクを発生させることができるため、遮断弁30Aの閉弁動作をスムースに行いやすいものとなっている。
【0031】
一方、駆動軸351の他端側は先端部351aが本体外部に露出しており、この先端部351aは外周面の一部が軸線方向に切り欠かれた形状とされ、駆動軸351の軸線方向に対しアームの向きを直角にしたクランク形のハンドル38を、その基端側の係合孔38aに先端部351aを嵌挿して装着することにより、駆動軸351に連結される。
【0032】
したがって、地震で遮断弁30Aを閉弁した後の通水再開時に、最初に感震器4のリセット釦を操作してリセット機構(図示せず)を作動させて機械式伝導具50の管体を挿通したワイヤを引き戻すことにより機械式伝導具50先端側の突出部50aをブレーキ解除部363の解除レバー363aから退避させた状態として、ブレーキ機構362によるブレーキを復帰させた状態で、ハンドル38を駆動軸351に装着して手動で回すことで、これを開弁方向に回しながらゼンマイ350を巻き戻すことができ、電源手段を要さずにしかもコストの低廉な簡易な構成で初期状態にリセットが可能である。
【0033】
また、このハンドル38は、駆動軸351に対し着脱自在とされていることから、不使用時にこれを外しておくことで遮断弁30が無用に動作してしまう事態を回避することができる。
【0034】
さらに、前記リセット操作では始めに感震器4をリセット操作して機械式伝導具50の先端側の突出部50aをブレーキ解除部363の解除レバー363aから退避させた状態として、ブレーキ機構362によるブレーキを復帰させた状態で、ハンドル38を駆動軸351に装着して手動で回す場合を示したが、例えば感震器4のリセット機構を機械式伝導具に押し戻すことにより自動的にリセット可能な機構とすることにすれば(図示せず)、前述した通水再開時のハンドル操作により、ブレーキ解除部363の解除レバー363aが機械式伝導具50先端側で突出している突出部50aを押し戻すことにより機械式の感震器4を通常時の状態にリセットすることもできる。
【0035】
このように、地震により緊急的に通水を遮断した後で通水を再開させる場合において、極めて簡易な手順で遮断弁30Aを開弁位置に戻しながらゼンマイ350を巻き戻してリセットすることができ、斯かる緊急遮断弁装置3Aが集合住宅の各戸毎に複数配設されていても、比較的短時間で復旧作業を完了することができる。
【0036】
さらに、通水を再開させる動力源にバッテリーを用いない手動式であることから、装置単体として比較的安価であり、設置数が多くても導入コストを比較的低廉に抑えることができ、且つ、バッテリーを内蔵した装置におけるような定期的な電圧チェック等の作業を要さないことから、メンテナンスの手間も比較的少ないものとなる。
【0037】
以上、述べたように、緊急遮断弁装置について、本発明により停電時でも通水の再開が容易に行えることに加え、導入コストが低廉でリセット作業及びメンテナンスの手間が少なくすることができる。
【0038】
尚、本実施の形態ではハンドル38としてクランク形としたので操作しやすいが、特に限定されるものでなく平形のものであってもよく(図示せず)、この場合には少ないスペースで保管することができるという利点がある。
【0039】
また、本実施の形態では機械式バタフライ弁を用いて実施しているが、バタフライ弁以外でも弁体の回転作動により開閉動作を行う機械式の遮断弁構造を有しているボール弁を用いても実施することが出来る。
【符号の説明】
【0040】
2 給水配管、3A 緊急遮断弁装置、4 感震器、30A 遮断弁、31 弁体、35 駆動部、36 ブレーキ部、38 ハンドル、50 機械式伝導具、50a 突出部、350 ゼンマイ、351 駆動軸、352 ウオームギヤ、353 ウオームホイールギヤ、363 ブレーキ解除部、363a 解除レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁体に突設された駆動軸の回転作動により弁の開閉動作を行う遮断弁の前記駆動軸に閉弁方向の付勢力を付与する機械式の駆動手段と、前記駆動手段の付勢力に抗して前記遮断弁の開弁状態を維持するブレーキ手段と、前記ブレーキ手段に備えられたブレーキを解除して前記遮断弁を閉弁させるブレーキ解除手段とを備えた給水配管又は貯水槽に配置する機械式遮断弁に、地震の揺れを検出して前記遮断弁のブレーキ解除手段を作動させる機械式感震器を一体に設け、または、別の箇所に配置した機械式感震器を機械式伝導具により連結した緊急遮断弁を有する装置であって、地震の発生により、機械式感震器が作動して、前記ブレーキ解除手段を作動させることで前記ブレーキが解除されて前記駆動手段により前記遮断弁を閉弁させ、通水を自動的に遮断することを特徴とする緊急遮断弁装置。
【請求項2】
前記遮断弁の駆動手段が、前記駆動軸とこの駆動軸を回転駆動させるゼンマイと前記駆動軸の回動を前記遮断弁の開閉動作に変換する変換機構を有して、前記ゼンマイが圧縮方向に捲かれた状態で前記遮断弁を閉弁方向に付勢するとともに、前記遮断弁が閉弁した状態で前記駆動軸の軸端または前記変換機構の一部に連結されたハンドル部材を手動で回すことにより、前記ゼンマイを捲き戻しながら前記遮断弁を開弁方向に動作させ、初期状態の開弁位置で前記ブレーキ手段により固定されることによりリセットが完了することを特徴とする請求項1に記載の緊急遮断弁装置。
【請求項3】
前記遮断弁が、機械式バタフライ弁または、機械式ボール弁であることを特徴とする請求項1または2に記載の緊急遮断弁装置。
【請求項4】
前記ハンドル部材は、装置本体に対し着脱可能なハンドルであることを特徴とする請求項1,2または3に記載した緊急遮断弁装置。
【請求項5】
前記ハンドルは、装置外部まで延設された前記駆動軸の一方の端部側に基端側を連結することにより装着されることを特徴とする請求項1,2,3または4に記載した緊急遮断弁装置。
【請求項6】
ブレーキ解除手段は、機械式の前記感震器から延設された機械式伝導具の先端側における突出部の突出動作に連動して前記ブレーキ手段によるブレーキを解除し、且つ、手動によるリセット動作で前記突出部を押し戻すものであることを特徴とする請求項1,2,3,4または5に記載した緊急遮断弁装置。
【請求項7】
前記駆動軸にはウオームギヤが設けられており、前記遮断弁の弁体から前記駆動軸に対し直角方向に延設された弁軸の端部側に設けたウオームホイールギヤと噛合して前記遮断弁を動作させることを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6に記載した緊急遮断弁装置。
【請求項8】
機械式感震装置1台に対して、複数台の緊急遮断弁装置を接続可能とすることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7に記載した緊急遮断弁装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−251656(P2012−251656A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260498(P2011−260498)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000137018)株式会社ベン (21)
【Fターム(参考)】