説明

総合検針情報システム

【課題】本発明は、高価な専用端末を必要とせず、市販の携帯端末を用い、各種計測器を対象とした信頼性の高い実用性のある総合検針情報システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、固有ID65を備えた計測器6の画像8を撮像する撮像部29、送信部25、及び第1処理部を有する携帯端末2と、ネットワークを介して前記携帯端末からデータを受信可能な受信部55、記憶部及び第2処理部を有する情報処理装置5と、を有し、前記第1処理部は、前記画像から前記固有ID65を示す第1データ及び計測器の前記メータ値64を示す第2データを取得して、前記送信部を用いて前記第1及び第2データを送信し、前記第2処理部は、前記受信部を用いて受信した第1及び第2データを関連付けて前記記憶部に記憶する、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス、電気、水道、圧力計、温度計などの計測器(メータ)により多種多様な計測対象に対する計測値(メータ値)を計測し総合的に処理することができる総合検針情報システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスメータや水道メータ、電気メータなどの各種メータ(計測器)のメータ値の確認のために専用端末を利用して検針することが行われてきた。また、ガスメータや水道メータ、電気メータなどの計測器について、担当者が携帯端末で計測器の画像を撮像し、管理センターへ送信して、管理センターで集中的にデータ処理をするシステムが知られている。このシステムにおいては、カメラ付携帯端末でメータを撮像し、画像の数字を認識して数値化し、送信する技術も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−011665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、画像からメータ(計測器)のメータ値(計測値)を数値化する際の文字認識精度や、数値化したメータ値が個別の計測器を検針したものであるか否かについての信頼性に課題があるため、実用化されていない。
【0005】
本発明は、従来の課題を解決するために、高価な専用端末を必要とせず、市販の携帯端末を用い、各種計測器を対象とした信頼性の高い実用性のある総合検針情報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の総合検針情報システムは、固有IDを備えた計測器の画像を撮像する撮像部、送信部、及び第1処理部を有する携帯端末と、ネットワークを介して前記携帯端末からデータを受信可能な受信部、記憶部及び第2処理部を有する情報処理装置と、を有し、前記第1処理部は、前記画像から前記固有IDを示す第1データ及び計測器の前記メータ値を示す第2データを取得して、前記送信部を用いて前記第1及び第2データを送信し、前記第2処理部は、前記受信部を用いて受信した第1及び第2データを関連付けて前記記憶部に記憶することを特徴とする。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の総合検針情報システムは、固有IDを備えた計測器の画像を撮像する撮像部、送信部、及び第1処理部を有する携帯端末と、ネットワークを介して前記携帯端末からデータを受信可能な受信部、記憶部及び第2処理部を有する情報処理装置と、を有し、前記第1処理部は、前記送信部を用いて前記画像を送信し、前記第2処理部は、前記受信部を用いて受信した前記画像から前記固有IDを示す第1データ及び計測器の前記メータ値を示す第2データを取得し、前記第1及び第2データを関連付けて前記記憶部に記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、高価な専用端末を必要とせず、信頼性の高い実用的な総合検針情報システムを提供することができる。計測器のメータ値とともに、計測器の固有IDも収集するので、検針データの信頼性が向上する。また、携帯端末において、画像から読み取った固有ID及びメータ値の修正ができるので検針時の検針データの信頼性がさらに向上する。さらに、計測器の固有IDとメータ値とを撮像した画像も画像データとして保存することにより、検針データの信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のシステムを説明する概念図を示す。
【図2】本発明における、携帯端末で撮像した計測器の画像の一例を示す。
【図3】本発明に使用する携帯端末の一例の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態での携帯端末での処理フローを説明するものである。
【図5】本発明の第1の実施形態での情報処理センターでの処理フローを説明するものである。
【図6】本発明の第2の実施形態での携帯端末での処理フローを説明するものである。
【図7】本発明の第2の実施形態での情報処理センターでの処理フローを説明するものである。
【図8】本発明の第3の実施形態を示すものである。
【図9】本発明の第4の実施形態を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の明細書に記載される具体例は単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものとして解釈してはならない。また、本発明の説明は例示のためのもので、請求項の範囲を制限するためのものではない。したがって、様々な代案、修正、及び変形が当業者にとっては明らかである。
【0011】
図1は、本発明のシステムを説明する概念図である。
本発明の総合検針情報システム1において、撮像手段を備えた携帯端末2により、メータ(計測器)IDが表示されるメータ(計測器)ID部63とともにメータ値(計測値)が表示されるメータ表示部62を備えたメータ(計測器)6が撮像され、撮像されたメータ6の画像は、移動体通信網3、インターネット4を介して、情報処理センター5に送信される。ここで、情報処理センター5は情報処理装置とも呼ばれる。また、移動体通信網とインターネットを含めてネットワークと呼ばれる。
【0012】
携帯端末2としては、市販の携帯電話を使用できる。ここで、メータ6を撮像した画像は、携帯端末2に内蔵された文字認識ソフトウエアにより数値データに変換させるか、情報センター5において文字認識ソフトウエアにより数値データに変換される。したがって、画像から読み取られ数値データ化された、メータ(計測器)IDとメータ値は関連付けられており、メータ値がどのメータに表示されたものであるか容易に確認できる。メータ(計測器)IDは、メータ(計測器)固有のIDであり、固有IDとも呼ばれる。
【0013】
ここで、計測器ID表示部及びメータ表示部を含む計測器6が撮像され画像から、計測器ID及びメータ値を数値データとして読み取るためには、計測器6で、メータID表示部及びメータ表示部がどのように配置されているかを事前に把握することが必要である。そして、画面上、計測器上のどの位置から、計測器ID及びメータ値を読み取るかを示す雛形(テンプレート)を携帯端末が事前に備えることが必要となる。また、異なる測定器(メータ)に対しては、異なる数値読み取りのための雛型(テンプレート)が必要である。
【0014】
画像から読み取られたメータ値は検針データとも呼ばれる。さらに、携帯端末から情報処理センターへ計測器IDとメータ値を送信することは、情報処理センターが計測器IDとメータ値を収集することも意味する。そして、情報処理センターにデータが蓄積される。
【0015】
また、図1に記載される情報処理センターは、制御部51、表示部52、操作部53、送信部54、受信部55、画像処理部56、画像データメモリ57、数値処理部58、数値データメモリ59及びデータベース50を備えている。受信部55で、携帯端末2からの画像データ、数値データを受信し、画像処理部56、数値処理部58では、画像データから画像に表示された数値データを文字認識ソフトウエアにより、数値データへ変換するとともに、画像データ及び数値データは、画像データメモリ57及び数値データメモリ59へ保存される。
【0016】
画像メモリ57及び数値メモリ59を合わせて記憶部ともいう。記憶部は、ROM,RAM,HD等の記憶素子を含む。また、画像処理部56、数値処理部58及び制御部51を含めて処理部ともいう。さらに、制御部51は、情報処理センター5の全ての構成要素の動作及びデータ処理等の制御を行う。制御部51は、予めROM等に記憶されたプログラムに従って、後述する情報処理センターでの処理フローを、携帯端末と共同しながら実行する。
【0017】
また、携帯端末2で画像データから数値データへの変換した後、携帯端末2から情報処理センターへ送信された数値データを数値データメモリ59に保存することもできる。さらに、送信部54により、情報処理センターから数値データを携帯端末2へ送信することもできる。
【0018】
図2は、本発明における、携帯端末2で撮像した計測器6の画像の一例を示す。図2に示す画像8では、計測器6は、ガスメータである。メータ(計測器)6は、メータ本体61、メータ表示部62、固有IDを表示する固有ID表示部63などを備えている。そして、携帯端末2が備える、カメラ等の撮像手段の撮像部29(図3参照)により、メータ表示部62と固有ID表示部63を同時に撮像する。なお、メータ表示部、固有ID表示部の相互の位置関係または配置は、計測器の種類により異なっている。そのため、異なる測定器(メータ)に対しては、数値読み取りのために異なる雛型(テンプレート)が必要である。
【0019】
また、撮像された画像8には、日時情報7も同時に表示される。図2の画像8では、日時情報7は年月日であるが、時分秒の表示もできる。画像8の画像データとしては、年月日及び時分秒のいずれもが含まれている。また、携帯端末2のGPS受信部24からのGPS情報から、正確な年月日、時分秒の情報が取得できる。さらに、携帯端末2の位置情報は、画像8には、表示されていないが、日時情報7とともに表示することもできる。
【0020】
メータ表示部62と固有ID表示部63を同時に撮像することにより、固有IDから計測器(メータ)が特定できるため、表示されたメータ値がどのメータのメータ表示部62に表示されたものであるか特定できる。また、同時に撮像された画像8から文字認識処理により、表示されたメータ値及び固有IDを数値データに変換できる。図2の画像8から、固有ID65及びメータ値64が、2011年3月31日に撮像された固有ID(91234・999)を備えたメータ6に表示されたものであることがわかる。
【0021】
さらに、画像から読み取った固有ID65及びメータ値64、日時情報の数値データとともに、画像データをも情報処理センターに保存することにより、後日、画像から読み取った固有ID65及びメータ値64、日時情報の数値データが、特定のメータから特定の日時に表示されたものであることを確認するために利用できる。
【0022】
図3は、本発明に使用する携帯端末(携帯電話)の一例の説明図である。携帯端末2は、制御部(CPU)21、電源部22、操作部23、GPS受信部24、送信部25、受信部26、通話機能部27、表示部28、撮像部29、画像処理部30、画像データメモリ31、データ処理部32、数値データメモリ33、印刷処理部34などを備えている。画像データメモリ及び数値データメモリを含む記憶部は、ROM,RAM等の記憶素子を含む。
【0023】
画像データメモリ31には、画像データとして、地図データ、撮像データなどが保存される。数値データメモリ33には、検針データ(メータ値)、日時データ(年月日、時分秒等)、位置情報、計測器IDなどが保存される。ここで、制御部21は、携帯端末2の全ての構成要素の動作及びデータ処理等の制御を行う。さらに、制御部21、画像処理部30、データ処理部32を含めて処理部ともいう。
【0024】
また、撮像部29は、撮像手段として例えばカメラ等を備えている。画像処理部30は、画像データの画像データメモリ31への書き込み及び読み出しなどとともに、計測器6を撮像した画像にGPS情報からの日時データも一緒に表示される画像とするための処理も行う。計測器6の計測器ID(固有ID)65及びメータ値64と日時データの関係付けも行う。
【0025】
携帯端末2は、通常の電話機としての機能、インターネットへの接続及びメール送受信機能も備えている。したがって、移動体通信網3、インターネット4を介して、情報センター5との間で、画像情報、文字情報等のデータの送受信ができる。
【0026】
GPS受信部24は、GPS衛星からの信号を定期に受信することにより、携帯端末2の現在位置情報(経度及び緯度を示す時分秒データ)を取得する。また、日時情報も同時に取得できる。取得した位置情報・日時情報は、数値データメモリ33に保存される。また、画像データメモリ31に保存されている地図データと現在位置情報を関連付けた情報をメモリに保存することもできる。したがって、現在位置情報を取得し、地図データと関連付けることにより、携帯端末2が地図上のどこに位置するかが把握できる。また、現在位置を地図データとともに表示部28に表示することもできる。
【0027】
画像データ、文字データ等を携帯端末2の表示部28に表示できる。文字データを表示部28に表示し、操作部23の文字入力手段等の操作手段を操作することにより、文字データの修正を行うことができる。また、画像データメモリ31、数値データメモリ33へのデータの書き込み、画像データメモリ31、数値データメモリ33からのデータの読み出しも、操作部23を操作することにより行うことができる。
【0028】
携帯端末2の撮像手段である撮像部29により撮像したメータ(計測器)6の計測器ID(固有ID)表示部63に記載された計測器ID(固有ID)65とメータ表示部62に表示されたメータ値64を含む画像は、画像データメモリ31に書き込まれる。また、データ処理部32において、画像データから文字認識処理により認識された計測器ID65とメータ値(検針データ)64は、数値データメモリ33に保存される。ここで、計測器ID65と検針データ(メータ値)64は、日時データ及び位置情報と関係付けて数値データメモリ33に書き込まれる。
【0029】
画像データから文字認識処理により変換された数値データは、印刷処理部34に接続ケーブルを介して接続されるプリンタ35により、印刷することができる。プリンタ35は、印刷が必要でない場合には、接続ケーブルを取り外すことにより、携帯端末2から取り外すことができる。
【0030】
また、数値データメモリ33に、特定の計測器に関連する既存の数値データを保存しておくことにより、画像から変換された数値データと既存の数値データとを併せて、プリンタ35で印刷することができる。したがって、プリンタ35を利用して、検針時に検針伝票や領収書を印刷して、個別に配布することもできる。
【0031】
さらに、異なる種別の計測器、例えば、ガスメータ、電気メータ、水道メータ等の異なる種類のメータに対して異なる種別のデータを保存することもできる。そして、携帯機器2を異なる種別の計測器の検針に利用する場合には、異なる型式の検針伝票や領収書を印刷することもできる。
【0032】
〔第1の実施形態〕
図4は、本発明の第1の実施形態の携帯端末2での処理フローを示すものであり、図5は、本発明の第1の実施形態の情報処理センター5での処理フローを示すものである。図4及び図5に示すフローは、携帯端末及び情報処理センターが、予めそれぞれが備える記憶部に記憶されているプログラムにしたがって、共同して実行する。
そして、携帯端末2による、計測器の計測器ID(固有ID)表示部63とメータ表示部62の画像の撮像から、情報処理センター5へのデータの送信及び登録までの処理フローを説明する。第1の実施形態においては、計測器ID表示部63に表示された計測器ID65とメータ表示部62に表示されたメータ値64の数値データへの変換処理は、携帯端末2で行われる。
【0033】
携帯端末2での検針開始(S401)から検針終了(S414)までのステップ及び、情報処理センター5での処理ステップのステップ(S501)から(S503)のステップを、順次、図4及び図5を参照して説明する。
【0034】
ステップS402では、携帯端末2のGPS受信部24から取得されるGPS情報とともに取得できる現在位置情報(又は位置情報)と日時情報7により、現在位置及び日時を確認し、現在位置情報、日時情報を携帯端末2の数値データメモリ33に保存する。
【0035】
ステップS403では、計測器6の計測器ID表示部63に表示される計測器ID65と、メータ表示部62に表示されるメータ値64を一緒に撮像する。撮像された画像8には、日時情報、例えば、年月日も表示される。画像8に、年月日のみが表示された場合でも、画像データには、時分秒の情報も含まれている。
【0036】
次に、ステップS404では、計測器ID65とメータ値64が写った画像8に関係付けられた現在位置情報及び日時情報7が、計測器ID65、メータ値64とともに、画像データメモリ31に書き込まれる。このように、メータ値64と、計測器ID65、現在位置及び日時との関係付けが明確となり、どの計測器のメータ値64をいつ検針したものであるか、画像8を用いて後日確認することができる。
【0037】
ステップS405では、携帯端末2のデータ処理部32に搭載されている文字認識処理用のアプリケーションソフト及び、特定の計測器に対応した、計測器IDとメータ表示部の位置を把握し計測器IDとメータ値の読み取り位置を表示する雛型(テンプレート)を利用する。画像8の計測器ID部とメータ表示部の位置と、テンプレートの計測器ID部とメータ表示部の位置とを、テンプレート又は画像のいずれかを拡大・縮小又は角度を変更して位置合わせする。画像8とテンプレートの計測器ID部及びメータ表示部の位置が一致したことを確認して、画像8から、計測器ID及びメータ値が数値データとして読み取る。
【0038】
このような処理を組み込んだ数値データ読み取りソフトを利用して、計測器ID表示部63に表示される計測器ID65とメータ表示部62に表示されるメータ値64を、画像メモリ31から読み出した画像8から、数値データとして読み取る。必要な場合は、操作部を操作して、位置合わせのための操作を手動で行うこともできる。画像8から読み取った、計測器ID、メータ値のそれぞれに、65−2、64−2の符合をつける。これらは、それぞれ、第1データ、第2データとも呼ぶ。
【0039】
ここで、ステップS404で、計測器ID65とメータ値64は、位置情報及び日時情報7と関係付けられて、画像データメモリ31に保存される。同様にして、ステップS405で、数値データ化された計測器ID65−2とメータ値64−2も位置情報及び日時情報7と関係付けられて、数値データメモリ33に保存される。
【0040】
その後、画像8から文字認識処理により得られた計測器ID65−2とメータ値64−2が正しい値であるか否かについて、それぞれ確認処理を行う。まず、ステップS406において、画像8から読み取ったメータ値64−2と、メータ表示部62に実際に表示されたメータ値64とが同じか否か確認する。読み取ったメータ値64−2と実際に表示されたメータ値64とが同じ場合(Y)には、ステップS409の処理へ進む。
【0041】
読み取ったメータ値64−2と実際に表示されたメータ値64とが異なる場合(N)には、ステップS407へ進み、実際に表示されたメータ値64と同じとなるように、読み取ったメータ値64−2を、携帯端末2の操作部23を操作して、修正する。その後、ステップS408へ進み、修正したメータ値64−2を数値データメモリ33へ保存する。
【0042】
次に、ステップS406へ進み、数値データメモリ33から読み出した修正した読み取りメータ値と実際に表示されたメータ値64とが同じであるか確認する(S406)。同じであれば(Y)、ステップS409へ進む。同じでなければ(N)、再度、ステップS407へ進む。
【0043】
次に、画像8から読み取った計測器ID65−2が正しい値であるか否かについて、確認処理を行う。まず、ステップS409において、読み取った計測器ID65−2と、計測器ID表示部63に実際に表示された計測器ID65とが同じか否か確認する。読み取った計測器ID65−2と実際に表示された計測器ID65とが同じ場合(Y)には、ステップS412の処理へ進む。
【0044】
読み取った計測器ID65−2と実際に表示された計測器ID65とが異なる場合(N)には、ステップS410へ進み、実際に表示された計測器ID65と同じとなるように、読み取った計測器ID65−2を、携帯端末2の操作部23を操作して、修正する。
【0045】
その後、ステップS411へ進み、数値データメモリ33から読み出した修正した計測器ID65−2と実際に表示された計測器ID65とが同じであるか確認する(S409)。同じであれば(Y)、ステップS412へ進む。同じでなければ(N)、再度、ステップS410へ進む。
【0046】
ステップS406で「Y」と判断された場合の読み取りメータ値64−2と、ステップS409で「Y」と判断された場合の読み取り計測器ID65−2とは、ステップS405で数値データメモリ33に書き込まれるときに、相互に関係付けられるとともに、位置情報及び日時情報7とも関係付けられて、保存されている。
【0047】
次に、ステップS412において、数値データメモリ33に書き込まれた、位置情報、日時情報7、読み取り計測器ID65−2、読み取りメータ値64−2及び、画像データメモリ31に書き込まれた、計測器ID65とメータ値64を撮像した画像8を情報処理センター5へ、送信部26を介して送信する。
【0048】
図5を参照して、情報処理センター5での処理ステップについて説明する。ステップS412で携帯機器2から送信された、位置情報、日時情報7、読み取り計測器ID65−2、読み取りメータ値64−2及び、計測器ID65とメータ値64を撮像した画像8は、情報処理センターで受信される(S501)。
【0049】
次に、ステップS502で、受信した画像・位置情報、日時情報7、読み取り計測器ID65−2、読み取りメータ値64−2を、画像メモリ57・数値メモリ59に記憶する。ここで、画像メモリ・数値メモリを記憶部ともいう。
【0050】
ステップS503において、情報処理センター5で、位置情報、日時情報7、読み取り計測器ID65−2、読み取りメータ値64−2及び、計測器ID65とメータ値64を撮像した画像8をデータ処理部52内のメモリに登録する。情報処理センター5は、数値データ及び画像の登録後、携帯端末2に登録確認の連絡をメール等で送信する。
【0051】
図4のステップS413に進み、情報処理センター5からの登録確認の連絡を、携帯端末2の受信部26にて受信した後、ステップS414で、携帯端末2での検針が終了する。
【0052】
〔第2の実施形態〕
図6及び図7は、本発明の第2の実施形態を説明するものである。図6及び図7に示すフローは、携帯端末及び情報処理センターが、予めそれぞれが備える記憶部に記憶されているプログラムにしたがって、共同して実行する。そして、携帯端末2による、計測器の計測器ID(固有ID)65と表示されたメータ値64を含む画像の撮像から、情報処理センター5へのデータの送信及び、情報処理センターでの画像データ・数値データの登録までの処理フローを説明する。第2の実施形態においては、計測器ID表示部63に表示された計測器ID65とメータ表示部62に表示されたメータ値64を含む画像8の数値データへの変換処理は、情報処理センター5で行われる。
【0053】
第1の実施形態と同様なステップについては説明を省略し、主に異なるステップについて以下に説明する。第2の実施形態を説明する図6のステップS601からステップS604までは、図4のステップS401からステップS404までと同様なステップである。
【0054】
第1の実施形態においては、画像8からの文字認識処理を、携帯端末2で行っているが、第2の実施形態においては、画像8からの文字認識処理を、情報処理センター5で行う。そのため、ステップS604で画像データメモリ31に書き込まれた、現在位置情報及び日時情報7を含む、計測器ID65とメータ値64が写った画像8を、携帯端末2から情報処理センター5に送信する(S605)。
【0055】
図7のステップS701では、図6のステップS605から送信された画像データ等を、情報処理センター5で受信する。次に、ステップS702では、情報処理センター5の記憶部に予め記憶された文字認識処理用のアプリケーションソフトを利用して、携帯端末2から送信された画像8から、計測器ID表示部63に表示される計測器ID65とメータ表示部62に表示されるメータ値64を数値データとして読み取る。さらに、読み取った数値データを記憶部(数値データメモリ)に記憶する。
【0056】
ここで、図6のステップS604で画像メモリ31に保存された計測器ID65とメータ値64は、位置情報と日時情報7と関係付けられているので、図7のステップS703で画像から読み取られた計測器ID65−2とメータ値64−2も位置情報及び日時情報7と関係付けられて、記憶部に記憶される。
【0057】
次のステップS703においては、情報処理センター5で、画像から読み取られた計測器ID65−2とメータ値64−2を、携帯端末2に送信する。
【0058】
図6のステップS606で、携帯端末2は、情報処理センター5から送信された、計測器ID65−2とメータ値64−2を受信する。次に、読み取られた計測器ID65−2とメータ値64−2が、実際の計測器ID65と実際に表示されたメータ値64と同じか否か確認する。そのための図6のステップS607からステップS612までの処理は、図4のステップS406からステップS411までの処理と同様な処理である。
【0059】
また、図6のステップS613は、図4のステップS405にほぼ対応する処理であるが、図4のS405では、読み取られた計測器ID65−2とメータ値64−2を保存するのに対して、図6のS613では、S607からS612のステップで、実際に表示された計測器IDと実際に表示されたメータ値との一致が確認された、又は一致するように修正された、読み取り計測器ID65−2とメータ値64−2とを数値データメモリ33へ保存する。
【0060】
その後、図6のステップS614では、数値データメモリ33に書き込まれた位置情報、日時情報7、読み取り計測器ID65−2、メータ値64−2を情報処理センター5へ、送信部26を介して送信する。なお、このステップS614においては、ステップS605において情報処理センター5へ送信済みの画像8は、送信しない。
【0061】
図7のステップS704からS706は、図5のステップS501からS503にほぼ対応する処理であって、情報処理センター5で、位置情報、日時情報7、読み取り計測器ID65−2、読み取りメータ値64−2を記憶部に登録する。情報処理センター5は、数値データ及び画像の登録後、携帯端末2に登録確認の連絡をメール等で送信する。
【0062】
図6のステップS615において、携帯端末2で、情報処理センター5での登録確認を受信する。そして、検針を終了する(S616)。
【0063】
〔第3の実施形態〕
図8は、本発明の第3の実施形態を示すものである。第1及び第2の実施形態においては、計測器がガスメータである例について説明したが、計測器は、他の種類のもの、例えば、電気メータ、水道メータ、圧力計、温度計、湿度計などでもよい。どの計測器に表示されたメータ値であるか確認できる、計測器ID(固有ID)を備えている計測器であれば、計測器IDとメータ表示部に表示されたメータ値とを一緒に撮像した画像から、文字認識処理することにより、計測器IDとメータ値を数値データに変換することができる。そして、読み取り計測器IDとメータ値とは、相互に関係付けられている。
【0064】
また、計測器が異なると計測器ID表示部とメータ表示部の配置が異なるので、計測器毎の数値読み取りのためのテンプレートを予め記憶部に記憶する必要がある。
【0065】
図8においては、異なる種類の計測器A、計測器B及び計測器Cに対して、それぞれ、携帯端末により、計測器IDとメータ表示部に表示されたメータ値とを一緒に画像として撮像される。その後、携帯端末2により、各計測器を撮像した画像から、計測器IDとメータ値を読み取り、情報処理センター5に送信して、登録する。
【0066】
ここで、情報処理センター5は、制御部51、表示部52、操作部53、送信部54、受信部55、画像処理部56、画像データメモリ57、数値処理部58、数値データメモリ59を備えている。また、計測器収集データ50をデータベースとして備えている。
制御部51は、データの収集処理、データの管理、データ送受信のための処理等を行う。また、情報処理センター5に収集された各種データは、異なる種類の計測器から登録されたものであり、日時情報、位置情報、計測器画像及び、計測器の固有IDとメータ値のデータ値などを含んでおり、様々な用途に利用可能である。
【0067】
本実施形態においても、計測器IDとメータ値の数値データへの変換は、携帯端末においても、情報処理センターのいずれにおいても可能であり、また、計測器IDとメータ値の数値データへの変換の際には、計測器に表示される計測器ID及びメータ値に一致するように、画像から読み取った計測器IDとメータ値を携帯端末2で修正することもできる。そのため、メータ値の読取信頼性が格段に向上する。さらに、計測器IDとメータ値は関連付けられており、さらに、GPS情報とともに取得できる日時情報とも関連付けられているため、メータ値に対する信頼性はさらに向上する。
【0068】
また、計測器として上記したような多様な種類の計測器の表示データ(メータ値)を、撮像手段を備えた携帯端末から情報処理センターへ収集することができる。これまで、種類の異なる計測器毎に異なる専門の担当者が実施していた検針を、1人の担当者が複数の異なる種類の計測器について検針することが可能となり、汎用性の高い本願発明の総合検針情報システムを利用することにより、検針業務の効率が改善できる。
【0069】
〔第4の実施形態〕
図9は、本発明の第4の実施形態を示すものである。この実施形態においては、異なる種類の計測器A、計測器B及び計測器Cに対して、それぞれ、携帯端末2により、計測器ID(固有ID)とメータ表示部に表示されたメータ値とが一緒に画像として撮像される。その後、携帯端末2により、各計測器を撮像した画像から、計測器IDとメータ値を読み取り、クラウド環境で動作する、仮想的な情報処理センター90に送信して、登録する。ここで、仮想的な情報処理センターも情報処理装置と呼ばれる。
【0070】
仮想的な情報処理センターは、ネットワーク上に分散して配置された、多数のサービスサーバ、コンピュータ、メモリなどから構成される。図1の本発明のシステムの概念図で説明した、情報処理センター5が備える、制御部51、表示部52、操作部53、送信部54、受信部55、画像処理部56、画像データメモリ57、数値処理部58、数値データメモリ59及びデータベース50は、ネットワーク上に分散して配置された、サービスサーバ、コンピュータ、メモリなどの構成要素として備わっているか、又はそれらが共同することによりなされる処理による機能で代替される。
【0071】
クラウド環境9におけるデータの処理及び蓄積についての1例を説明する。携帯端末2から送信する画像データ・数値データは、クラウド環境内に存在する例えば、サービスサーバR91−1、サービスサーバS91−2、サービスサーバT91−3のいずれかで受信される。サービスサーバ91−1、91−2、91−3で受信された画像データ・数値データは、クラウド環境内でサービスサーバ91−1、91−2、91−3に必要に応じて接続される、クラウド環境内の、例えば、コンピュータX(クラウドコンピュータ)92−1、コンピュータY(クラウドコンピュータ)92−2、コンピュータZ(クラウドコンピュータ)92−3のいずれかに転送され、処理される。
【0072】
クラウドコンピュータ92−1、92−2、92−3のいずれかで処理されたデータは、それぞれ対応するメモリ、例えば、メモリX、メモリY、メモリZに記憶される。携帯端末2でメモリに記憶されたデータが必要な場合には、サービスサーバ91−1、91−2、91−3のいずれかを介して、対応するメモリを備えるクラウドコンピュータ92−1、92−2、92−3のメモリから読み出すことができる。さらに、携帯端末2から送信されたデータを複数のメモリに分散して記憶することも可能である。
【0073】
ここで、クラウド環境(クラウドコンピューティングを利用したサービスシステム)においては、携帯端末2は、サービス利用クライアントと位置づけられる。また、クラウド環境9での携帯端末2とサービスサーバ91とは、図1の本発明の概念図に示したと同様に、移動体通信網及びインターネットを介して接続される。また、サービスサーバとコンコンピュータはインターネットを介して接続される。
【0074】
本実施形態においても、計測器IDとメータ値の数値データへの変換は、携帯端末においても、仮想情報処理センターのいずれにおいても可能であり、また、計測器IDとメータ値の数値データへの変換の際には、計測器に表示される計測器ID及びメータ値に一致するように、画像から読み取った計測器IDとメータ値を携帯端末2で修正することもできる。
【符号の説明】
【0075】
1 総合検針情報システム
2 携帯電話
3 移動体通信網
4 インターネット
5 情報処理センター
6 メータ(計測器)
7 日時情報
8 画像
9 クラウド環境
21 制御部
22 電源部
23 操作部
24 GPS受信部
25 送信部
26 受信部
27 通信機能部
28 表示部
29 撮像部
30 画像処理部
31 画像データメモリ
32 データ処理部
33 数値データメモリ
34 印刷処理部
35 プリンタ
61 メータ本体
62 メータ表示部
63 計測器(固有)ID表示部
64 メータ値
65 計測器(固有)ID
91 サービスサーバ
92 コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有IDを備えた計測器の画像を撮像する撮像部、送信部、及び第1処理部を有する携帯端末と、
ネットワークを介して前記携帯端末からデータを受信可能な受信部、記憶部及び第2処理部を有する情報処理装置と、を有し、
前記第1処理部は、前記画像から前記固有IDを示す第1データ及び計測器の前記メータ値を示す第2データを取得して、前記送信部を用いて前記第1及び第2データを送信し、
前記第2処理部は、前記受信部を用いて受信した第1及び第2データを関連付けて前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする総合検針情報システム。
【請求項2】
固有IDを備えた計測器の画像を撮像する撮像部、送信部、及び第1処理部を有する携帯端末と、
ネットワークを介して前記携帯端末からデータを受信可能な受信部、記憶部及び第2処理部を有する情報処理装置と、を有し、
前記第1処理部は、前記送信部を用いて前記画像を送信し、
前記第2処理部は、前記受信部を用いて受信した前記画像から前記固有IDを示す第1データ及び計測器の前記メータ値を示す第2データを取得し、前記第1及び第2データを関連付けて前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする総合検針情報システム。
【請求項3】
前記携帯端末は、GPS受信部を更に有し、
前記第1処理部は、前記第1及び第2データと、前記GPS受信部から受信したGPS情報とを関係づけて前記記憶部に記憶する、請求項1又は2に記載の総合検針情報システム。
【請求項4】
前記携帯端末は、操作部を更に有し、
前記第1処理部は、前記操作部を用いて前記第1及び第2データを修正する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の総合検針情報システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、前記ネットワーク上に分散して配置されている、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の総合検針情報システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−208763(P2012−208763A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74351(P2011−74351)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(500170180)富士テレコム株式会社 (3)
【Fターム(参考)】