説明

緩和された目への刺激を有するパーソナル・ケア日焼け止め剤組成物

【課題】目の刺激を最小限にしながら、活性な搬送及び製剤過程の改善された有効性をもたらし得るパーソナル・ケア組成物を提供する。
【解決手段】水、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸の塩、ポリグリセリル脂肪酸エステル及び油類の混合物を含む、安定な、最小のエネルギーを要する自己集合層及び球晶組成物。目に対する温和性に利し、更に日焼け止め剤の物理的フィルターの均一な皮膚での分布及び改良された安定性をも利する組成物。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
(関連出願の相互参照)
関連出願情報:本願は、2009年1月30日に出願された、同時係属の米国特許出願第12/362,929号(代理人整理番号第JBP5046USNP号)の部分継続出願であり、また2009年1月30日に出願された、米国特許出願第61/148,561号、及び2010年1月12日に出願された、米国特許出願第________号(代理人整理番号第JBP5046USNP1号)に関連し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、局所使用パーソナル・ケア日焼け止め剤製品の、目に対する強化された温和さを提供する自己集合層状(self-assembling lamellar)及び球晶(spherulite)構造体に関し、同様に、増大された物理的安定性及び製品の皮膚への均一な分布に関する。
【0003】
〔背景技術〕
顔用モイスチャライザー、ローション、クリーム、シャンプー、日焼け止め剤などを含む、皮膚に局所的に塗布されるパーソナル・ケア製品は、人間の目にしばしば接触する。このことは、使用者が製品をその手に移して、製品を皮膚に塗布し、不注意により目に接触してしまうことによる直接の塗布を通じて起き得る。かかる製品が目の中に入る別の経路は、使用者が製品を顔に塗布して、汗がそれを目に運び入れる場合の発汗である。かかる過程の影響は、目の涙、かゆみ、及び腫れを含む。
【0004】
消費者は、夏の間、日焼け止め剤が目に接触するために、目がヒリヒリしたり、熱くなる場合に日焼け止め剤製品に甚だしく不満を持つようになる。スキンクリーム、クレンザー及び洗浄液を含む、身体に付けたままのもの、及び洗い流すものの両方の製品などの他の種類の製品の消費者は、局所に塗布される多くのパーソナル・ケア製品の刺激的な性質に起因する痛みに悩むことがある。
【0005】
日焼け止め剤調合でのこの問題を解決するために、日焼け止め剤は、製品の水に対する抵抗性を増し、密閉性を強化する油中水賦形剤による搬送システムをしばしば含む。しかしながら、高度に密封性の油中水製品が日常的に使用されるとき、これらの製品は皮膚の自然の脂質バリアの再生を阻止し、それぞれの使用後にドライ・スキンの感触を発生させる。一般的な油中水製品の感覚は、しばしば、日常的な使用に不適切なワックス様又は油状の使用後の感触を残す。
【0006】
更に、油中水賦形剤が日焼け止め剤の有効性を伝達する程度には限界があり得る。二酸化チタン及び酸化亜鉛又は他の任意のコロイド状粒子などの日焼け止めフィルターは、油中水製剤の油相に主に局所化され、そのことにより、日焼け止めフィルターの皮膚への不均一な塗布が生じ得る。
【0007】
金属酸化物による製剤に伴う別の問題は、製剤安定性の確立の困難である。疎水的又は親水的に被覆された金属酸化物は、不均一な懸濁及び/又は分散のために、しばしば日焼け止め剤製品中の溶液から沈殿してしまう。
【0008】
身体に付けたままのもの、及び洗い流すものを含む他の種類の製剤は、特に活性微粒子成分がその製剤に含まれている場合に、同じ種類の問題を生起させ得る。多くのクリーム、エマルジョン、ローション、同様にシャンプー及び他のクレンザーは、使用中に目に染み込むときに、刺すような感覚と不快を引き起こす。
【0009】
米国特許出願第US20050238677A1号は水中油エマルジョンに関し、この出願中では、少なくとも2つのスクロースエステルと少なくとも1つの固体の脂肪アルコールが組み合わせられた混合物を含む乳化剤混合物は、多層状の液晶ネットワークを形成する。これらのエマルジョンの製造は、高いせん断エネルギーの入力を要する。更に、記載された組成は、無機日焼け止め剤製品の不安定性に付随する懸念又は皮膚及び目に対する温和性について取り扱っていない。
【0010】
米国特許出願第US20050265936号は、日焼け止め剤、組織構造、及び組織構造を含むエマルジョン、並びに、少なくともその内の1つが界面活性剤である、ワックス及びアルコール成分の均一化された混合物を含むエマルジョンを含む、日焼け止め剤の製剤に関し、前記製剤は安定な層状、又は球晶相を含む。しかしながら、この出願に記載された組成物は、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム及びコカミドMEAなどの目を刺激する界面活性剤を含む可能性がある。これらの組成物は、球晶構造体の形成のために、更に追加的な高いせん断エネルギーを要する。
【0011】
〔発明の概要〕
〔発明が解決しようとする課題〕
目の刺激を最小限にしながら、活性な搬送及び製剤過程の改善された有効性をもたらし得るパーソナル・ケア組成物を提供することが望まれる。本発明はこの問題を克服する。
【0012】
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、目に対して予期されない温和さを有する、少なくとも2つの相を有するパーソナル・ケア組成物及び前記組成物の製造法に関する。本発明の組成物は、より具体的には、組成物にエネルギーを加えることなく、お互いを組み合わせた場合に、薄層及び球晶G相に自己集合する成分を含む組成物に関する。
【0013】
用語「G相」は、「ニート相」又は「層状相」として文献で周知の種類の液晶の層状相を称し、その特徴的な外見は交差偏光顕微鏡下に特定され得る。用語「薄層(lamellae)」又は「層状構造(lamellar structure)」は本明細書では、秩序のある液晶相であり、その中で複数の二重層が平行配列に配置され水層により分離されているものを称する。
【0014】
用語「球晶G相(spherulitic G phase)」は、本明細書では、水性相及びG相又は拡張された間隔のG相が交互になった同心の二重層であり、例えば、組成中の放射状の繊維状構造を有し得る小さい丸みを帯びた物体を称する。この用語は、更に上記の構造に一致する丸みを帯びた球状の又は回転楕円体の物体の層をも称する。
【0015】
好適には、本発明の組成物は、水及び少なくとも1つのポリグリセリル脂肪酸エステル、及び該脂肪酸、及び該脂肪酸の塩、及び日焼け止め剤成分を含む。本発明の組成物は、好適には、更に加湿剤、飽和単鎖脂肪アルコール、ポリエステル、疎水性油類及びその他のパーソナル・ケア又は化粧用成分を含む。好適には、前記脂肪酸は飽和単鎖脂肪酸である。本発明の組成物の自己形成する構造体を達成するために、飽和単鎖脂肪酸及びその塩の適切な比率は、好適には約1:2〜約1:4である。好適には、本発明の組成物の自己形成する構造体を達成するために、ポリグリセリル脂肪酸エステル、脂肪酸及びその脂肪酸の塩の適切な比率は約1:1:2以上でなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例8に記載された組成物のX線回折パターンを示すグラフ。
【図2】実施例9に記載された比較用組成物の環境制御型走査電子顕微鏡(ESEM)写真。
【図3】実施例9に記載された比較用組成物のESEM写真。
【図4】実施例9に記載されたブランク組成物のESEM写真。
【図5】実施例9に記載された本発明の組成物のESEM写真。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の組成物は、好適には少なくとも2相組成物の形態であり、より好適には、油中水の構造化の混合物である。それらは、好適には、少なくとも1つのポリグリセリル脂肪酸エステル、脂肪酸、及び脂肪酸の塩、及び日焼け止め剤成分を含む。これらの構成要素は、混合されたときに自己集合する多層状及び球晶の構造体を形成する。予想外に、脂肪酸の塩が、独特の感覚プロファイル及びレオロジー的特長を有する広範囲にわたる粘度の安定エマルジョンを生成することが見出された。
【0018】
より好適には、発明の組成物は、少なくとも1つの飽和単鎖脂肪アルコール、少なくとも1つの疎水性の油及び水を更に含む。
【0019】
本発明の組成物の層状ネットワークは、組成物中の日焼け止め剤及びワセリンなどの油性でありかつ重い成分をマスクし、又は「隠し」、塗布後の軽い「皮膚の感触」を生み出す。したがって、皮膚に塗布されたときに、組成物は油性又は重くなく、それ自身皮膚上に油性の実質的な層を呈さない。二重層の層状及び球晶構造体の配列は、製品の皮膚全域での展開性を促進し、油の皮膚への親和性を増加させ、それによって、脂っぽいなく及び/又は粘つかない皮膚感触を生み出す。
【0020】
本発明の組成物の油相は、少なくとも1つの脂肪アルコール、少なくとも1つのポリグリセリル脂肪酸エステル、少なくとも1つの脂肪酸、脂肪酸の少なくとも1つの金属塩、及び少なくとも1つの疎水性の油又は油の混合物を含むべきである。
【0021】
本発明の自己集合パーソナル・ケア組成物はまた、好適には少なくとも1つのポリグリセリル脂肪酸エステルを含む。かかるポリグリセリル脂肪酸エステルは、飽和又は不飽和であることができ、及び分枝してよい。より好適には、本発明の組成物に利用されるポリグリセリル脂肪酸エステルは、16〜22の炭素原子を有するポリグリセリルエステルであるべきである。より好適には、本発明の組成物に用いられるポリグリセリル脂肪酸エステルは、脂肪酸のモノ−、ジ−又はトリ−ポリグリセリルエステルであるべきである。最も好適には、イソステアリン酸ポリグリセリル−2、イソステアリン酸ポリグリセリル−4、トリステアリン酸ポリグリセリル−4、オレイン酸ポリグリセリル−3、モノオレイン酸ジグリセロール及びモノステアリン酸ジグリセロールなどの飽和又は不飽和であり及び分枝鎖であってよい脂肪酸であるべきである。
【0022】
好適には、本発明の組成物に用いられる、脂肪酸のモノ−、ジ−又はトリ−ポリグリセリルエステルの、親水性/疎水性バランス(HLB)値は約2〜約8であるべきである。
【0023】
ポリグリセリル脂肪酸エステルは、本発明の組成物中に、脂肪酸成分に対して、約6:1〜約1:1の割合で存在するべきである。
【0024】
本発明の自己集合パーソナル・ケア組成物は、好適には、約14〜約22の炭素原子を含む脂肪族炭化水素を有し、融点の範囲が約38℃〜約71℃である、少なくとも1つの単鎖の固体脂肪アルコールを更に含む。より好適には、かかる単鎖の固体脂肪アルコールは16〜約20の炭素原子を有する。最も好適には、かかる単鎖の固体脂肪アルコールは、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びアラキジルアルコールより成る群から選ばれる。本発明の組成物中の脂肪アルコールの量は、好適には組成物の約0.5重量%〜約10重量%の範囲であってよく、より好適には約1.5重量%〜約5重量%であってよい。脂肪アルコールの正確な量は、所望の本発明の組成物の成分の感覚(美学)、レオロジー、分散及び親和性並びに選択される活性成分の搬送及び活性成分の搬送量に応じて変化する。もし存在する場合には、脂肪アルコール、及び脂肪酸は、好適には本発明の組成物に、約1:2〜約1:4(脂肪アルコール:脂肪酸)の比率で組み合わされる。
【0025】
好適には、本発明の組成物は、融点が約31℃〜約80℃の範囲である飽和脂肪酸を含むべきである。より好適には、本発明の組成物に用いられる脂肪酸は、約10〜約22の炭素原子を有するべきである。それらは直鎖の脂肪酸であるべきである。最も好適には、本発明の組成物で有用である脂肪酸は、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びアラキジン酸などを含むべきである。最も好適な脂肪酸は、ステアリン酸である。
【0026】
本発明の組成物の油相は、更に少なくとも1つの油を含むべきである。本明細書に使用される用語「油」とは、ミセル凝集体を形成するか又はそのサイズを制限するために、分子間力のバランスの調整を支援することができる疎水性物質を称する。油類は、更に製品の展開性、皮膚感触及び、限定はされないが、ビタミンD、E、K及びA並びに日焼け止めフィルターなどの疎水性活性成分の搬送に利するエモリエント成分として機能する。本発明の組成物において有用である油類は、組成物の全重量に基づいて、約20%〜50%の範囲の、さまざまな炭化水素を主成分とする油、シリコーン類、脂肪酸誘導体、グリセリド類、植物油類、植物油誘導体、アルキルエステル類、ろうエステル類、蜜ろう誘導体、ステロール類、及びリン脂質並びにそれらの組み合わせを含む。
【0027】
本発明の組成物及び方法での好適な使用に適切な炭化水素油類は、ワセリン、鉱油、マイクロ−クリスタリン・ワックス、スクワレン及びそれらの組み合わせを含む。本発明の疎水性物質としての使用に適切なシリコーン油類の例は、ジメチコーン、ジメチコノール、フェニルジメチコーン及び環状ポリシロキサン類及びそれらの組み合わせを含む。25℃において約0.5〜約100,000センチストークの粘度を有するシリコーン油類も、組成物において有用であり得る。
【0028】
本発明の組成物において有用なグリセリド類は、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ココナツオイル及び誘導体、植物油類及び誘導体、ヤシ油、ホホバ油、シアバター、ラノリン及びそれらの組み合わせを含む。
【0029】
限定はされないが、脂肪酸のイソプロピルエステル及び長鎖脂肪酸のエステル類を含むアルキルエステル油類も、本発明の組成物における使用に適切である。より好適には、以下のアルキルエステル類は、本発明の組成物において有用であり得る:パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソヘキシル、オレイン酸デシル、イソノナン酸イソノニル及びそれらの組み合わせである。
【0030】
本発明の組成物において用い得る毛髪又は皮膚の調整剤は、限定はされないが、保湿剤、小麦タンパク、米タンパク及び牛乳タンパクなどのタンパク及びタンパク誘導体、シリコーン調整剤及び脂質並びにそれらの組み合わせを含む。さまざまなこれらの物質が、それらの疎水性に応じて、組成物の油相又は水相のいずれかにおいて使用されることができる。好適には、かかる調整剤は、本発明の組成物中に、組成物の、約0.01重量%〜約30重量%、より好適には約0.1重量%〜約20重量%、及び最も好適には約0.5重量%〜約10重量%の量で存在すべきである。
【0031】
本発明の組成物の水性相は、好適には組成物の合計重量に比較して約30重量%〜約50重量%の量で存在すべきである。水性相は、好適には水、又は水及び少なくとも1つの多価アルコールの組み合わせを含む。好適には、かかる多価アルコールは、グリコール類、グリセロール類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、他の水溶性成分などより成る群から選ばれることができる。本発明の組成物は、好適には更に、約0.01%〜約0.5%重量/重量の当技術分野で周知のセルロース及び/又はカルボマーのファミリーを含むポリマーを含む、小さい百分率の増粘剤を水性相に含むことができる。好適には、本発明の組成物の水相は、少なくとも5のpHを有するべきである。
【0032】
増粘剤は、好適には無機水増粘剤、荷電ポリマー性物質、水溶性ポリマー類及びそれらの混合物より成る群から選ばれる。無機水増粘剤は、好適にはシリカ類、ラポナイトなどの粘土類、加工デンプン類及びそれらの混合物より成る群から選ばれる成分を含む。荷電ポリマー性水増粘剤は、好適にはアクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー、カルボマー類、アクリロイルジメチルタウレート・アンモニウム/vp共重合体、アクリロイルジメチルタウレート・アンモニウム、ポリアクリルアミド及びそれらの混合物を含む。水溶性ポリマー類は、好適にはセルロースゲル類、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート及びそれらの混合物を含む。
【0033】
存在する場合には、親水性増粘剤は、懸濁及び/又は親水性成分を皮膚又は頭皮上に効果的に搬送することを支援する。水性相は、好適には約5〜約8、より好適には約6〜約7のpHを有する。適切なpHは、適正なpH範囲を促進するpH調整剤を利用して達成され得る。
【0034】
本発明の組成物の油相も、好適には少なくとも1つの電解質化合物を含むべきである。かかる電解質化合物は、好適にはアルカリ金属又はマグネシウム、カルシウム、などの2価の金属イオンを含むアルカリ土類金属イオン、アンモニウム及びそれらの混合物などを含む少なくとも1つの脂肪酸塩を含む。より好適には、かかる電解質はステアリン酸マグネシウムであるべきである。好適には、本発明の組成物において有用である電解質化合物が、組成物の油相に加えられるべきである。本発明の組成物中の電解質の量は、好適には組成物の合計重量に基づいて約0.1%〜約20%の範囲に及ぶ。より好適には、電解質は組成物の約1重量%〜約10重量%の量で存在すべきである。それぞれの脂肪酸及び金属イオンは、一般的に約1:4〜約1:2の比率で組み合わされる。好適な飽和脂肪酸は上述のように10〜22の炭素を有する。
【0035】
特定の理論に束縛されることなく、本発明の組成物の自己集合の性質は、以下の構造的及び化学的関係に依存すると考察される:長鎖脂肪酸の金属塩は、荷電イオン及び疎水性の後尾部とのイオン結合により構成される分子であり、イオン結合は金属イオン及び長鎖炭化水素の後尾部との間の分離を妨げる。構成単位として、長鎖脂肪酸の金属塩は、より緊密な全体構造の充填及びより高度の組成物の結晶秩序に強く影響し、その点で、炭化水素鎖のより少ない角度変更をもたらし、それにより各分子の占有する領域を減少させる。
【0036】
脂肪酸の金属塩と、その相挙動間の相互関係は、周知の幾何学的モデルである、臨界充填パラメータにより理解され得る。本発明の組成物中で、脂肪酸の金属塩は、自己集合構造体の形成において、組織構造(脂肪酸、脂肪アルコール、疎水性油及び脂肪酸エステルの成分を含む)のための1に近い「臨界充填因子」に寄与することにより重要な役割を提供する。「臨界充填因子」は以下のように定義される:v/aolc;式中、ao=頭部の面積、v=疎水性後尾部の容積、及びlc=疎水性後尾部の長さ、である。
【0037】
このモデルに従うと、層状構造体を形成するためには、全体構造の疎水性後尾部の長さは、ミセル半径の約4/3であることが必要である。金属脂肪酸塩は、自発的な二次元構造の形成に必要な、この追加の長さを提供する。更に、疎水性又は親水性環境に応じて分離され得る両親媒性分子とは異なり、金属性頭部と炭化水素後尾部との間の強固なイオン結合は、層状二重層の安定性を増しながら、分離を防止する。
【0038】
本発明の組成物での使用において適切な日焼け止め剤の活性成分は、好適には二酸化チタン及び酸化亜鉛などの物理的日焼け止め剤を含む。これらの金属酸化物は、約10nm〜約100nmの範囲に分布する粒子サイズを有すべきである。本発明の組成物において有用な金属酸化物は、ジメチコーン、アルコキシチタネート類、メチルポリシロキサン類、シリカ及び/又はアルミナ又はそれらの混合物により被覆されることができる。主流の化学的UVフィルター類である、PABA及びp−アミノ安息香酸エステル、サリチル酸エステル、ケイ皮酸エステル、ベンゾフェノン類、アントラニル酸エステル、ジベンゾイルメタン類(Dibenzoyl methanens)、カンファー誘導体及びそれらの混合物などの広範囲の化学的日焼け止め活性物が、本発明での使用において適切である。本発明の組成物中に存在する日焼け止め剤の適切な量は、選ばれた日焼け止めフィルターの種類、所望のUVB及び/又はUVA値に応じて変化する。
【0039】
本発明の組成物に組み込まれ得る追加的な成分は、防腐剤、細菌を破壊、細菌の成長を阻害、又は細菌の病原性作用を阻害する能力のある抗菌及び抗真菌活性物、を含む。これらは本発明の組成物中に、長時間にわたり異なる環境条件の下で組成物の微生物に対する安定性を保つために、細菌の成長を阻害するのに有効な量で存在できる。
【0040】
好適には、抗菌及び抗真菌活性物は、本発明の組成物中に、組成物の約0.001重量%〜約5.0重量%の量で存在できる。最も好適には、かかる活性物は、本発明の組成物中に、組成物の約0.1重量%〜約2重量%の量で存在できる。かかる抗菌及び抗真菌活性成分は、好適には、フェノキシエタノール、パラベン類、メチルイソチアゾリン、クロロフェネシンなどを含む。更に、ヒドロコルチゾン、テトラサイクリン、イブプロフェン、ナプロキセン、アセトアミノフェン、過酸化ベンゾイル、サリチル酸、リポ酸、ピリチオン亜鉛、塩酸リドカイン、クロトリマゾール、アラキドン酸及びそれらの混合物が本発明の組成物に含まれることができる。
【0041】
本発明の組成物は、更に洗浄液及びシャンプーなどの界面活性剤を含む組成物に対して目に対する温和さを提供するために使用されることができると信じられる。かかる組成物は、脂肪酸、該脂肪酸の塩及びポリグリセリル脂肪酸エステルに加えて、限定はされないが以下のものを含む界面活性剤成分を含むことができる。
【0042】
1実施形態では、組成物1つ以上の界面活性剤を含む。1実施形態では、組成物は起泡性界面活性剤を含むことができる。「起泡性界面活性剤」により意味されるものは、水に混合され機械的に撹拌されたときに、泡を発生する界面活性剤である。1実施形態では、起泡性界面活性剤は、最初の泡で少なくとも20mmと読み取れる高さを有し、ASTM Annual Book of ASTM Standards 15.04巻第15項1001に規定された界面活性剤の泡立て性の標準試験法D1173−53(Standard Test Method for Foaming Properties of Surface-Active Agents D1173-53)に従って、少なくとも50mm(5g/Lの濃度、49℃の温度、及び8grain/ガロンの水の硬度を用いる)の高さの泡を有する。限定はされないが起泡性界面活性剤の例は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、及び両性起泡性界面活性剤を含む。
【0043】
アニオン性起泡性界面活性剤の限定しない例は、サルコシネート類、硫酸塩類、イセチオン酸塩類、タウリン類、リン酸塩類、乳酸塩類、及びグルタミン酸塩類より成る群から選ばれるものを含む。限定はされないが、特定の例は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、セチル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム、ラウロイル乳酸トリエタノールアミン、カプロイル乳酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルタウレートナトリウム、ココイルメチルタウレートナトリウム、ラウロイルグルタメートナトリウム、ミリストイルグルタメートナトリウム、及びナトリウムココイルグルタメート並びにそれらの混合物より成る群から選ばれるものを含む。
【0044】
非イオン性起泡性界面活性剤の限定しない例は、アルキルグルコシド類、アルキルポリグルコシド類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類、アルコキシ化脂肪酸エステル類、起泡性スクロースエステル類、アミンオキシド類、及びそれらの混合物より成る群から選ばれるものを含む。限定はされないが、特定の例は、非イオン性界面活性剤C8〜C14のグルコースアミド類、C8〜C14のアルキルポリグルコシド類、スクロースココエート、スクロースラウレート、ラウリルアミンオキシド、ココアミンオキシド、及びそれらの混合物より成る群から選ばれるものを含む。
【0045】
両性起泡性界面活性剤(両性イオン起泡性界面活性剤をも含む)の限定しない例は、ベタイン類、スルフォベタイン(sultaine)類、ヒドロキシスルフォベタイン類、アルキルイミノアセテート類、イミノジアルカノエート類、アミノアルカノエート類、及びそれらの混合物より成る群から選ばれるものを含む。
【0046】
本発明の両性界面活性剤の限定しない例は、ラウロアンホニ酢酸2ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、セチルジメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココアミドプロピルヒドロキシスルフォベタイン、及びそれらの混合物を含む。
【0047】
本発明の組成物の日焼け止め剤の製剤において、無機日焼け止めフィルターを含む発明の日焼け止め剤組成物が、長期にわたる大幅な相安定性又は離漿の欠如を示すことが見出された。例えば、サンプルを40℃、50℃及び60℃のオーブンに6ヶ月間置いても一定のレオロジー的性質を保ちながら、なんらの離漿又は相分離も起こさなかった。本発明に従う組成物の製造法は、以下の工程を含む:少なくとも1つの脂肪酸、少なくとも1つの金属脂肪酸塩及び少なくとも1つのポリグリセリル脂肪酸エステルを混合することにより油相を調製する。随意に、より好適には油相は、少なくとも1つの脂肪アルコール、及び炭化水素油類及び/又はグリセリドを含んでよい。次いで混合物は、その融解温度である約60°〜約75℃に加熱される。温度を、本発明の組成物の脂肪酸及び脂肪アルコール成分の融点よりも低く保つことが重要である。別個に、増粘剤、防腐剤及び保湿剤の組み合わせにより水相を調製する。増粘剤は、好適には無機水増粘剤、荷電ポリマー性物質、水溶性ポリマー類及びそれらの混合物より成る群から選ばれる。本発明の組成物における使用に適切な無機水増粘剤は、シリカ類、ラポナイトのような粘土類、加工デンプン又はそれらの混合物を含む。ポリマー性水増粘剤は、アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー、カルボマー類、アクリロイルジメチルタウレートアンモニウム/vp共重合体、アクリロイルジメチルタウレートアンモニウム、ポリアクリルアミド、カルボポール類又はそれらの混合物を含む。水溶性ポリマー類は、セルロース系ゲル、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェートなどのポリマー類及びそれらの混合物を含むことができる。
【0048】
次いで、水相は混合により油相に加えられる。次いで、無機紫外線フィルターを、組成物に日焼け止め剤の活性成分として加えることができる。好適には、粒子の均一な分散を確実にするために、かかる無機紫外線フィルターは、残りの油相成分に加える前に、個別に油類、グリセリド及び/又は脂肪酸誘導体中に前もって分散される。
【0049】
好適には、実施例9に規定された分配方法を用い、本発明の組成物に含まれる日焼け止め剤の微粒子を、その分配指数が少なくとも70%、より好適には少なくとも約80%であるように分配する。
【0050】
以下の実施例は、本発明の組成物及び方法を例示するが、いかなる方式においても、本発明の範囲又は幅広さを限定するものと考慮されるべきでない。
【実施例】
【0051】
実施例1:
本発明に従う組成物は以下のように製造された:以下の成分を1回に1成分ごとに容器に加えた;イソステアリン酸ポリグリセリル−4、セチルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、油類。上記成分を撹拌しながら60℃〜75℃に加熱した。別個のビーカーに水、増粘剤を加え、水和された時点でpH調整剤を約6〜約7のpHを達成するために加えた。別の増粘剤である、加工ヒドロキシエチルセルロースを、撹拌しながら混合物に加えた。均一になったときに、60〜75℃に加熱しながら保湿剤及び防腐剤を加えた。次いで、水相を混合しながら油相に加えた。組成物は室温まで冷却された。
【0052】
以下の基礎製剤が、上記に規定されたものと同一のプロセスを用いて、以下の成分から生成され得る。
【表1】

【0053】
実施例2:日焼け止め剤の製剤 日焼け止め剤の製剤は上記に規定されたものと同一のプロセスを用いて、以下の成分から生成され得る。
【表2】

【0054】
実施例3:香料油を含む日焼け止め剤
以下のローションの製剤は、実施例1に規定されたものと同一のプロセスを用いて、以下の成分から生成され得る。
【表3】

【0055】
実施例4:活性油を含む日焼け止め剤
以下のローションの製剤は、実施例1に規定されたものと同一のプロセスを用いて、以下の成分から生成され得る。
【表4】

【0056】
実施例5:
以下の皮膚クリーム製剤は、実施例1に規定されたものと同一のプロセスを用いて、以下の成分から生成され得る。
実施例2.皮膚クリーム
【表5】

【0057】
実施例6:ベビーローション
以下のローション製剤は、実施例1に規定されたものと同一のプロセスを用いて、以下の成分から生成され得る。
【表6】

【0058】
実施例7:組成物の物理的構造の評価
層状及び球晶構造体の存在を見極めるために、製剤をX線小角散乱(SAXS)及びクライオ走査電子顕微鏡(cryo−SEM)を用いて分析した。サンプルのSAXS散乱パターンは、そのピークと強度の性質において、51.5A°、及び45.8A°の格子間隔をそれぞれ持つ球晶G相の2つの層状相の存在を示した。1次ピークと低強度のピークである、2次、3次及び4次ピーク、との間の関係は層状構造を確定した。このパターンは図1に示されている。
【0059】
実施例8:目への温和性の評価
Epi−Ocular角膜モデルを用いるインビトロの方法を本発明の組成物の目に対する温和性の評価に用いた。Epi−Ocularモデルは、ヒトのケラチン生成細胞から誘導された角膜のモデルであり、これを次いで製剤3の試験対象で、30分間及び60分間処置した。次いで組織からの抽出後、細胞生死判別試験が定量的に測定される。試験物体の分類を可能とする、50%の細胞死亡(ET50)の時点が計算される。Epi−ocular試験結果の合格基準は、ET50の時点が24時間以上であることである。
【表7】

【表8】

【0060】
実施例9:フィルター微粒子の分配の評価
この実施例の目的は、組成物が基材又は皮膚表面に薄く塗られた際のフィルターの微粒子の分配を示すことである。Teichmannらの論文に述べられたような以前の研究(J.Biomed Opt.,Vol.11,064005(2006))は、分配が皮膚表面に対して垂直であることを示し、横方向の分配を示す方法が開発されている。
【0061】
本発明と対照の日焼け止め剤の製剤の展開性及び微粒子の分配を評価するために、無機日焼け止め剤微粒子の分配を可視化するために、環境制御型走査電子顕微鏡(ESEM)が用いられた。使用されたESEM装置は、卓上顕微鏡TM−1000(TM-1000 Tabletop Microscope)(日立ハイ・テクノロジーズ・アメリカInc,シャウンバーグ、イリノイ州)を使用した。採取パラメータは以下のとおりであった:加速電圧15,000V、倍率10,000x、放出電流40.8mA、走査速度slow3、画像サイズ1280×1040ピクセル。日焼け止め剤製剤の薄膜は以下のように生成された:製剤の350μLの滴を、列のパターンで水和されたVITRO−SKIN(IMS Inc,ポートランド、メイン州)の上に分注した;ギャップ・サイズが500μmのドローダウン・バー・セットを用いて、滴を連続的な薄膜に拡げ;薄膜の小さなストリップを切り出してESEM解析装置に取り付けた。一晩乾燥後、サンプルのESEM顕微鏡写真図を、日焼け止め剤の薄膜サンプル及びブランクのVITRO−SKIN対照の10,000倍の倍率で採取した。顕微鏡写真図は、Adobe Photoshop 7.0又はAdobe Photoshop 11(Adobe Systems Incorporated,サン・ホセ、カリフォルニア州)を用いて以下の操作手順で解析を行った:各サンプルについて、閾値強度を、3つのVITRO−SKIN対照の300×300ピクセル領域の97thパーセンタイル強度(ヒストグラムから)を平均化することにより生成した。計算された閾値を用い、白い領域が対照よりも明るく、黒い領域が対照よりも黒い、白黒のイメージを閾値関数を用いて生成した。「分配指数」は、二値画像中の白いピクセルの百分率である。試験された製剤はお以下のとおりである:17.17%無機UVフィルターの微粒子を含む調合A(発明実施例1)、バーツ・ビーの化学物質を含まない日焼け止め剤(Burt’s Bees Chemical Free Sunscreen)SPF 15(Burt’s Bees,ダーラム、ノース・カロライナ州)(対照実施例1)、及びカリフォルニア・ベビーのSPF 18保湿日焼け止め剤香料なし(California Baby SPF 18 Moisturizing Sunscreen No Fragrance)(California Baby,ロス・アンジェルス、カリフォルニア州)(比較実施例2)。対照実施例は、日焼け止め剤による防護を提供するフィルターの微粒子が無機微粒子であるため選ばれた。無処置のVitro Skinも分析され、「ブランク」と称される。全てのサンプルは3回ずつ試験された。
【表9】

【0062】
上記の図及びデータに示されるように、発明実施例1は、分配が少なくとも70%であるフィルター微粒子を提供する。比較実施例は、かかる分配を示せなかった。均一な微粒子の分布は、均一かつ完全な皮膚の被覆をもたらし、それにより、曝露される皮膚の、より大きな割合に対して、紫外線照射からのより良い防護を提供するであろう。
【0063】
〔実施態様〕
(1) 自己形成する層状及び球晶の構造体である、少なくとも2つの相を有する局所用の日焼け止め剤組成物であって、少なくとも1つのポリグリセリル脂肪酸エステル、少なくとも1つの脂肪酸、少なくとも1つの金属脂肪酸塩、少なくとも1つの日焼け止め剤及び水相を含む、局所用の日焼け止め剤組成物。
(2) 前記組成物中に、前記脂肪酸及び前記金属脂肪酸塩が約1:2〜約1:4の比率で存在する、実施態様1に記載の組成物。
(3) 前記組成物中に、前記脂肪酸、前記ポリグリセリル脂肪酸エステル及び前記金属脂肪酸塩が約1:1:2の比率で存在する、実施態様1に記載の組成物。
(4) 前記組成物中に、前記ポリグリセリル脂肪酸エステル及び前記脂肪酸が約6:1〜約1:1の比率で存在する、実施態様1に記載の組成物。
(5) 前記組成物が更に脂肪アルコールを含む、実施態様1に記載の組成物。
(6) 前記脂肪アルコールが、14〜22の炭素原子を有する直鎖の脂肪アルコールである、実施態様5に記載の組成物。
(7) 前記脂肪酸が、10〜22の炭素原子を有する直鎖の脂肪酸である、実施態様1に記載の組成物。
(8) 前記脂肪酸が、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びアラキジン酸より成る群から選択される、実施態様7に記載の組成物。
(9) 前記脂肪酸が、ステアリン酸である、実施態様8に記載の組成物。
(10) 前記脂肪酸の前記塩が、アルカリ及びアルカリ金属塩より成る群から選択される、実施態様1に記載の組成物。
【0064】
(11) 前記脂肪酸の前記塩が、アルカリ金属塩である、実施態様10に記載の組成物。
(12) 前記アルカリ金属塩が、マグネシウム、カルシウム、アンモニウム及びそれらの混合物から選択される、実施態様11に記載の組成物。
(13) 前記水相が、少なくとも5のpHを有する、実施態様1に記載の組成物。
(14) 前記組成物が更に少なくとも1つの油を含む、実施態様1に記載の組成物。
(15) 前記少なくとも1つの油が、ビタミンD、E、K及びA、日焼け止めフィルター、炭化水素を主成分とする油、シリコーン類、脂肪酸誘導体、グリセリド類、植物油類、植物油誘導体、アルキルエステル類、ろうエステル類、蜜ろう誘導体、ステロール類、及びリン脂質並びにそれらの混合物より成る群から選択される、実施態様14に記載の組成物。
(16) 前記組成物が、更に少なくとも1つの多価アルコールを含む、実施態様1に記載の組成物。
(17) 前記組成物が、60℃において、少なくとも60日間物理的に安定している、実施態様1に記載の組成物。
(18) 前記日焼け止め剤成分が有機日焼け止め剤である、実施態様1に記載の組成物。
(19) 前記有機日焼け止め剤成分が、PABA及びp−アミノ安息香酸エステル、サリチル酸エステル、ケイ皮酸エステル、ベンゾフェノン類、アントラニル酸エステル、ジベンゾイルメタン類、カンファー誘導体及びそれらの混合物より成る群から選択される、実施態様18に記載の日焼け止め剤組成物。
(20) 前記日焼け止め剤成分が無機日焼け止め剤である、実施態様1に記載の日焼け止め剤組成物。
【0065】
(21) 前記無機日焼け止め剤が、酸化亜鉛、二酸化チタン、及びそれらの混合物より成る群から選択される、実施態様20に記載の日焼け止め剤組成物。
(22) 前記無機日焼け止め剤が少なくとも70%のフィルター分配を与える、実施態様21に記載の日焼け止め剤組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己形成する層状及び球晶の構造体である、少なくとも2つの相を有する局所用の日焼け止め剤組成物であって、少なくとも1つのポリグリセリル脂肪酸エステル、少なくとも1つの脂肪酸、少なくとも1つの金属脂肪酸塩、少なくとも1つの日焼け止め剤及び水相を含む、局所用の日焼け止め剤組成物。
【請求項2】
前記組成物中に、前記脂肪酸及び前記金属脂肪酸塩が約1:2〜約1:4の比率で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物中に、前記脂肪酸、前記ポリグリセリル脂肪酸エステル及び前記金属脂肪酸塩が約1:1:2の比率で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物中に、前記ポリグリセリル脂肪酸エステル及び前記脂肪酸が約6:1〜約1:1の比率で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が更に脂肪アルコールを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記脂肪アルコールが、14〜22の炭素原子を有する直鎖の脂肪アルコールである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記脂肪酸が、10〜22の炭素原子を有する直鎖の脂肪酸である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記脂肪酸が、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びアラキジン酸より成る群から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記脂肪酸が、ステアリン酸である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記脂肪酸の前記塩が、アルカリ及びアルカリ金属塩より成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記脂肪酸の前記塩が、アルカリ金属塩である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記アルカリ金属塩が、マグネシウム、カルシウム、アンモニウム及びそれらの混合物から選択される、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記水相が、少なくとも5のpHを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が更に少なくとも1つの油を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記少なくとも1つの油が、ビタミンD、E、K及びA、日焼け止めフィルター、炭化水素を主成分とする油、シリコーン類、脂肪酸誘導体、グリセリド類、植物油類、植物油誘導体、アルキルエステル類、ろうエステル類、蜜ろう誘導体、ステロール類、及びリン脂質並びにそれらの混合物より成る群から選択される、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、更に少なくとも1つの多価アルコールを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、60℃において、少なくとも60日間物理的に安定している、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記日焼け止め剤成分が有機日焼け止め剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記有機日焼け止め剤成分が、PABA及びp−アミノ安息香酸エステル、サリチル酸エステル、ケイ皮酸エステル、ベンゾフェノン類、アントラニル酸エステル、ジベンゾイルメタン類、カンファー誘導体及びそれらの混合物より成る群から選択される、請求項18に記載の日焼け止め剤組成物。
【請求項20】
前記日焼け止め剤成分が無機日焼け止め剤である、請求項1に記載の日焼け止め剤組成物。
【請求項21】
前記無機日焼け止め剤が、酸化亜鉛、二酸化チタン、及びそれらの混合物より成る群から選択される、請求項20に記載の日焼け止め剤組成物。
【請求項22】
前記無機日焼け止め剤が少なくとも70%のフィルター分配を与える、請求項21に記載の日焼け止め剤組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−174012(P2010−174012A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−20152(P2010−20152)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(502112382)ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・カンパニーズ・インコーポレイテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON & JOHNSON,CONSUMER,COMPANIES,INC.
【住所又は居所原語表記】199 Grandview Road,Skillman,NJ 08558,US
【Fターム(参考)】