説明

縦形製袋充填機における添付品の貼着方法および装置

【課題】包装体のフィルムの内側に添付品をずらすことなく貼り付ける。
【解決手段】縦形製袋充填機10による包装体の形成に合わせて、一側面が粘着処理された添付品を、その粘着処理面を外側に向けてフィルムガイド筒14の外周部14aに下方に向けて延在する通路34内に導いて落下させる。通路34に供給された添付品を、通路34内を着させることなく、所定位置まで案内して該所定位置に位置決めする。位置決めされた添付品に対し、フィルムを外側から押し付けてフィルムガイド筒14の外周部14aに臨むフィルムfの内側に粘着処理面を貼着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、縦形製袋充填機により得られる包装体内部に添付品を貼着する方法およびその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、食品を収容した袋内には、食品の鮮度を保つために脱酸素剤や乾燥剤、その他の各種鮮度保持剤が収容された小袋からなる鮮度保持体が同封されている。鮮度保持体は、多くの場合、袋を開封した後に食品を使用するに際して食品と共に誤食されたり、調理されたりすること等がないように、袋の内側に貼着されている。縦形製袋充填機において、フィルムの内側に鮮度保持体を貼着した包装体を得るには、フィルムを筒状成形する製袋手段までに至るフィルムの搬送途上に、包装体の内側となるフィルム面に対して鮮度保持体をホットメルトや加熱シールによって所定間隔毎に貼り付け、その後に製袋手段によってフィルムを筒状成形している(例えば、特許文献1または2参照)。
【0003】
前記縦形製袋充填機によるフィルムの筒状成形に際して、フィルムは製袋手段の襟部を経て縦方向に折り返されて、フィルムガイド筒の周りと製袋手段の内周との隙間を下方へ向けて案内される。そして、襟部の折り返し稜線では、フィルムが前記隙間に案内されるに伴って、フィルムに貼着された鮮度保持体が反転して隙間に引き込まれる。
【0004】
また、鮮度保持体をエンドシールの近くまで延長されたガイド内を落下させ、フィルムにエンドシールする際に、鮮度保持体をエンドシール部に挟み込んで貼着する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平10−305818号公報
【特許文献2】特開2000−142644号公報
【特許文献3】特許第2760014号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1または2に開示の縦形製袋充填機では、フィルムに貼着された鮮度保持体が反転して隙間に引き込まれる際に、鮮度保持体がフィルムから剥離または脱落してしまうといった問題があるばかりでなく、フィルムが製袋手段で折り返される際に、貼着された鮮度保持体が引き込まれるときにフィルムへの搬送抵抗が発生して、フィルムが蛇行したり、または所定の送り量を得ることができなくなるなどといったフィルムの搬送不良を招く問題も内在している。また特許文献3に開示の方法では、鮮度保持体の挟み込み位置が安定しないばかりでなく、鮮度保持体が挟み込まれるエンドシール部の不均一な厚みによって、シールが不十分となり、エンドシール部のフィルムの溶着不良によって、密封性が確保できないなどといった問題が指摘される。
【0006】
すなわち本発明は、従来の技術に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、縦形製袋充填機においてフィルムの内側に鮮度保持体などの添付品が貼着された包装体を得るにあたり、貼り付け位置のずれや貼着不良などの不良品を発生させることなく、安定した包装をなし得る方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の縦形製袋充填機における添付品の貼着方法は、
製袋手段によって筒状に成形したフィルムを、フィルムガイド筒の外周部に巻き付けて下方へ案内し、該フィルムに縦シールを施すと共に、物品を充填して横シールを施して包装体を得る縦形製袋充填機において、
一側面が粘着処理された添付品を、その粘着処理面を外側に向けて前記フィルムガイド筒の外周部に下方に向けて延在する通路内に導いて落下させ、
前記通路に供給された添付品を、前記フィルムが前記製袋手段を経て下方へ搬送される所定位置まで前記通路内をフィルムの内側に付着させることなく案内した後所定位置に位置決めし、
位置決めされた添付品に対し、フィルムを外側から押し付けて前記フィルムガイド筒の外周部に臨むフィルムの内側に前記粘着処理面を貼着するようにしたことを特徴とする。
【0008】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項2に係る発明の縦形製袋充填機における添付品の貼着装置は、
製袋手段で筒状に成形したフィルムを、外周部に巻き付けて下方へ案内するフィルムガイド筒を備え、筒状成形されたフィルムに縦シールを施すと共に、物品を充填して横シールを施す縦形製袋充填機において、
前記フィルムガイド筒の上方から一側面が粘着処理された添付品を供給する供給手段と、
前記フィルムガイド筒に巻き付けられたフィルムの内側に臨み、前記供給手段から供給された添付品を、その粘着処理面を外側に向けフィルムの内側に非接触状態で落下案内する通路を画成する案内手段と、
前記製袋手段より下方の前記フィルムガイド筒の外側に設けられ、前記フィルムガイド筒に巻き付けられた前記フィルムを、前記通路内に押し込むストッパと、該ストッパの上部に設けられ、通路内で粘着処理面を露出して位置決めされた添付品にフィルムを押し付ける押圧部材との夫々を有する貼着手段とから構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明では、前記貼着手段を、前記製袋手段より下方の製袋手段近傍に設けたことを要旨とする。
【0010】
請求項4に係る発明では、前記案内手段における通路は、フィルムガイド筒の外周部に上下に延在して外側に開口する案内溝と、該案内溝の幅方向両側において案内溝を落下する際の添付品の粘着処理面とフィルムの内側との間に所定の隙間を形成する隔壁部とから構成したことを要旨とする。
【0011】
請求項5に係る発明では、前記供給手段は、前記通路に繋がる傾斜下部を備えた傾斜路と、該傾斜路の傾斜上部に添付品を所定間隔毎に供給するコンベヤと、該傾斜路に設けられ、コンベヤから供給された添付品を停止または解放するシャッターとを備えることを要旨とする。
【0012】
請求項6に係る発明では、前記添付品を、得られる袋の内側における縦シール部を除く袋の裏面側となる範囲の所定部位に貼着し得るよう前記案内手段を配置するようにしたことを要旨とする。
【0013】
請求項7に係る発明では、前記貼着手段は、前記通路に沿う上下方向へ位置調節可能に構成したことを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
本願の請求項1および2に係る発明によれば、筒状成形された後のフィルムの内側に、粘着処理面を有する添付品を供給して位置決めした後に、フィルムを外側から押さえ付けて貼り付けるようにしたので、添付品を包装体内の所定位置に位置ずれなく正確かつ確実に貼着することができる。特に、フィルムに貼着した添付品が製袋手段で反転案内されることがないので、そのときの抵抗で貼着した添付品が剥離したり落下したりすることによる貼着不良の発生を防止できる。また、製袋手段を経て筒状成形されたフィルムの下方への搬送経路上で添付品を貼り付けるようにしたので、フィルムの筒状成形時に、添付品の引き込み抵抗によってフィルムの搬送が阻害されない。請求項3に係る発明によれば、添付品の貼り付け位置までの落下距離を短縮して、通路を落下する添付品の落下時間のばらつきを抑制することができる。請求項4に係る発明によれば、両隔壁部によって案内溝を落下する添付品が案内溝外へ飛び出すことなく添付品の粘着処理面とフィルムガイド筒に巻き付けられたフィルムの内側とが接触することなく、添付品を貼り付け位置まで確実に落下供給することができる。請求項5に係る発明によれば、添付品の供給源からの供給のばらつきがあった場合でも、添付品を供給遅れなく貼り付けタイミングに合わせて供給することができる。請求項6に係る発明によれば、添付品を包装体の裏面となるフィルムの内側に貼り付けるので、包装の見栄えに影響がない。また、添付品を縦シール部を除く位置に貼着するように設定することで、縦シール前のフィルムに添付品を貼着するようにした場合においても、フィルムが筒状に形成されてその重合部が縦シールされる際にフィルムの案内が添付品で阻害されることがない。請求項7に係る発明によれば、長さの異なる袋への対応等添付品の貼り付け位置を設定変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明に係る縦形製袋充填機における添付品の貼着方法および装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
【実施例】
【0016】
本実施例において、添付品28としては、図8に示すように、該添付品28における一側面の略中央部に長手方向全体に沿って所定幅の両面粘着テープ29が貼り付けられることで、両面粘着テープ29の表面側が粘着処理面29aとして添付品28の一側面に設けられたものが採用される。図3に示すように、縦形製袋充填機10は、機枠12に直立配置したフィルムガイド筒14の上部外周に、製袋手段16が配設されている。図示しない供給源から繰出されて製袋手段16に搬送された帯状のフィルムfは、製袋手段16における襟部16aの折り返し稜線16bを経て縦方向に折り返されて、フィルムガイド筒14の外周部14aに巻き付けられるようにして製袋手段16の内周との隙間を下方へ向けて案内されて筒状に成形される。フィルムガイド筒14の外周部14aに巻き付けられて下方に案内されるフィルムfは、該フィルムガイド筒14を挟んで対向配置される一対のフィルム送り手段18,18(一方のみ図示)によって、1包装長分毎に下方へ間欠的に搬送されるようになっている。そして、そのフィルムfの長手方向に重なり合う重合端縁部には、縦シール手段20によって、該フィルムfが下方へ搬送された後のフィルム搬送休止期間中に縦シールが施される。
【0017】
本実施例におけるフィルムガイド筒14は、被包装物である食品等の物品Bを案内する物品充填筒として機能し、製袋手段16の配設位置(フィルムfの製袋位置)より上方に延在する上端部に物品投入口14bが開設されている(図2参照)。そして、計量供給装置から物品投入口14bに落下供給された物品Bが、フィルムガイド筒14によって下方へ案内されるようになっている。
【0018】
フィルムガイド筒14の下端より下方には、一対のシール体24,24を備える横シール手段22が配置され、両シール体24,24によって筒状成形されたフィルムf内に充填された物品Bの上端を挟圧して横シールを施すと共に、該シール体24の一方に配設されたカッタ26によって該フィルムfを切断して1つの袋内に物品Bが収容された包装体を得ることができる。
【0019】
前記縦形製袋充填機10は、物品Bを充填した包装体を形成する際に、食品の鮮度を保つために脱酸素剤や乾燥剤、その他の各種鮮度保持剤が収容された平面視矩形状の平らな小袋からなる鮮度保持体等の添付品28を、筒状成形されたフィルムfの内側に貼り付ける貼着装置を備えている。
【0020】
図1に示すように、前記フィルムガイド筒14の外周部14aには、所定幅で上下に延在する案内溝32が配設される。該案内溝32は、フィルムガイド筒14の外側に向けて開口し、フィルムガイド筒14の外周部14aに巻き付け案内されるフィルムfの内側に臨み、添付品28が落下する通路34となる。また案内溝32は、縦シール部を除く包装体の裏面側となる部位に添付品28を供給し得るように、フィルムガイド筒14に設けられる。すなわち、案内溝32は、縦シール部が裏面中央部に施される場合、縦シール手段20に対向する位置からフィルムガイド筒14の周方向左右に夫々90度の範囲内で外れた部位に配置されることが好ましい。なお、添付品28は、片面の中央部に延在する粘着処理面29aが外側へ向くと共に、該粘着処理面29aの長手が上下方向に沿う姿勢で通路34を落下するようになっている。
【0021】
前記案内溝32の幅方向両側には、図4または図7に示すように、該案内溝32を落下案内される添付品28とフィルムガイド筒14に巻き付けられたフィルムfの内側との間に所定の隙間を形成する隔壁部36,36が夫々設けられている。各隔壁部36は、案内溝32の全長に亘り該案内溝32の幅方向の側縁部から案内溝32の外側に向けた開口を所定幅覆うようにフィルムガイド筒14に配設される薄板部材から構成されている。また、両隔壁部36,36は、添付品28の粘着処理面29aを外側に露出させて案内溝32を落下し得るように案内溝32の外側への開口部32aを形成するように配設される。すなわち、案内溝32では、添付品28の落下に際して、添付品28の粘着処理面29aが開口部32aに臨むと共に、両隔壁部36,36によりフィルムガイド筒14に巻き付けられたフィルムfの内側から隙間をあけて落下させて、粘着処理面29aがフィルムfの内側に接触しないようになっている(図7参照)。
【0022】
フィルムガイド筒14の上方には、前記添付品28を案内溝32に向けて供給する供給手段38が配設される。供給手段38は、通路34に繋がる傾斜下部を備えた傾斜路40と、該傾斜路40の傾斜上部の供給口に添付品28を所定間隔毎に供給するコンベヤ42と、該傾斜路40の途中に設けられ、コンベヤ42から供給された添付品28を停止または解放するシャッター44とから構成される。コンベヤ42では、添付品28の粘着処理面29aが搬送面42a側に向くと共に、該添付品28の長手方向が搬送方向に沿う姿勢で搬送される。コンベヤ42は、例えば添付品28の粘着処理面29aを除く部分を載置して搬送可能な複数の幅狭ベルトで構成され、粘着処理面29aがコンベヤ42の搬送方向に形成した逃げ部に臨んで搬送されることで、搬送時に添付品28がコンベヤ42に付着することなく定間隔毎に傾斜路40へ送り込むことができる。前記傾斜路40では、粘着処理面29aが傾斜面40a側に向くと共に、添付品28の長手方向に向けて形成された粘着処理面29aが下方への案内方向に沿う姿勢で案内される。この際、傾斜面40aにおける添付品28の案内方向に沿う中央部に形成された逃げ部40bに粘着処理面29aが臨んで案内されることで、粘着処理面29aが傾斜面40aに接触しないようになっている(図1参照)。前記シャッター44は、図示しないモータ等の作動手段により所定のタイミングで傾斜路40を開閉し、傾斜路40を塞いで傾斜路40の傾斜面40aに案内されて落下する添付品28を堰き止めると共に、傾斜路40から退避して傾斜路40の傾斜面40aに沿った添付品28の落下を許容するよう構成される。
【0023】
製袋手段16より下方のフィルムガイド筒14の外側に設けられ、フィルムガイド筒14に巻き付けられたフィルムfを外側から通路34内に押し込むストッパ48と、このストッパ48の上部に設けられ、通路34で開口部32aを介して粘着処理面29aを露出して位置決めされた添付品28にフィルムfを押し付ける押圧部材52とを備えた貼着手段46が配設される。ここで、貼着手段46は、フィルムfが製袋手段16における襟部16aの折り返し稜線16bを越えた製袋手段16の下端より下方のフィルムガイド筒14の外周部14aに沿ってフィルムfが下方へ案内される領域に対応する部位に配置され、好ましくは製袋手段16の下方近傍に配設する。それにより、添付品28の貼り付け位置までの落下距離を短縮して、通路34を落下する添付品28の落下時間のばらつきを抑制することができる。実施例では、フィルムガイド筒14の下端部付近に設けられている。ストッパ48および押圧部材52は、図示しないフレームに一体あるいは夫々独立して上下移動可能に配設され、物品Bの種類に伴う長さの異なる袋への対応時や貼り付け位置の変更等に際して、適宜調節手段によってフィルムガイド筒14に形成された案内溝32の通路34に沿う上下方向へ位置調節可能となっている(図1の実線および二点鎖線参照)。なお、添付品28の貼り付け位置は、少なくともフィルムfが筒状成形される際に製袋手段16で折り返された後、下方へ向けて搬送されるフィルムfの内側に対して貼り付け可能な適宜位置であればよい。
【0024】
前記ストッパ48は、案内溝32に指向する先端部が両隔壁部36,36間の開口部32aから通路34に挿入し得る幅で形成され、添付品28が案内溝32に落下供給されるタイミングに応じてエアシリンダ等の駆動手段50によって、案内溝32に対して進退移動するよう構成される。そして、ストッパ48が通路34内へ挿入されて、フィルムfを案内溝32に押し付けて案内溝32に沿って落下してくる添付品28の通路34を塞ぎ、位置規制した添付品28を押圧部材52での押圧位置に対向させるように位置決めするようになっている。押圧部材52は、ストッパ48の上部に設けられ、案内溝32に指向する先端部が両隔壁部36,36間の開口部32aから通路34に挿入し得る幅で形成されている。また押圧部材52は、添付品28がストッパ48により位置決めされたもとでエアシリンダ等の駆動手段54によって、案内溝32に対して進退移動するよう構成される。そして、押圧部材52が案内溝32へ向けて移動して、通路34内に位置する添付品28にフィルムfを押し付けることで、フィルムfを案内溝32の開口部32aに露出している粘着処理面29aに押し付けて、添付品28がフィルムfの内側に貼り付けられるようになっている。
【0025】
次に、実施例に係る貼着装置による添付品28の貼着方法について説明する。初期状態において、添付品28はフィルムfの内側に貼り付けられ、またシャッター44で塞がれた傾斜路40にコンベヤ42より添付品28を供給し、ストッパ48および押圧部材52が通路34から退避している。なお、包装する物品Bの種類に応じて、貼着手段46の上下位置を調節しておく。
【0026】
物品Bがフィルムガイド筒14の物品投入口14bから投入されることで、フィルム送り手段18,18によって1包装長分のフィルムfを間欠搬送して停止する。次に、縦シール手段20によって製袋手段16で筒状成形されたフィルムfに縦シールを施すと共に、横シール手段22によって横シールを施す。また、シャッター44を傾斜路40から退避するように移動して、シャッター44で堰き止めていた添付品28を傾斜路40から通路34を介して落下投入する。このとき、ストッパ48が、駆動手段50により案内溝32の通路34に挿入されており、通路34を落下してきた添付品28は、ストッパ48で案内溝32に押し付けられたフィルムfの上部で位置規制される。ここで、ストッパ48により通路34を塞ぐタイミングは、押圧部材52での押圧位置に添付品28が到来する前であれば、シャッター44の開放と同時であっても、シャッター44を開放した後、傾斜路40または通路34を添付品28が落下しているときであってもよい。なお、シャッター44は、傾斜路40から退避して添付品28を解放した後に、傾斜路40を塞ぐ位置に再び戻る。このように、コンベヤ42で適宜のタイミングで傾斜路40に供給されてシャッター44で堰き止めた添付品28を、シャッター44の解放により通路34に供給するので、添付品28の供給源からの供給のばらつきがあった場合でも、添付品28を供給遅れなく貼り付けタイミングに合わせて供給することができる。
【0027】
縦シールおよび横シールを施している最中に、ストッパ48で案内溝32に押し付けられたフィルムfの上部で添付品28が位置決めされたもとで、押圧部材52が駆動手段54により案内溝32の通路34へ向けて移動され、通路34の押圧位置に位置する添付品28にフィルムfを押し付ける。これにより、開口部32aを介して案内溝32から外側に臨む粘着処理面29aとフィルムfの内側とが押し付けられ、添付品28がフィルムfの内側に貼り付けられる。そして、添付品28が内側に貼着されて縦シールおよび横シールが施されたフィルムfは、カッタ26により切断され、フィルムfの内側に添付品28が貼着された包装体が得られる。このとき、シャッター44で塞がれた傾斜路40にコンベヤ42より添付品28が供給されると共に、ストッパ48および押圧部材52が通路34から退避する。そして、計量供給装置から物品Bの供給およびフィルムfの間欠搬送から前述した一連の動作が繰り返されることで、フィルムfの内側に添付品28が貼着された包装体が順次得られる。
【0028】
このように、筒状成形された後のフィルムfの内側に、粘着処理面29aを有する添付品28を通路34で落下供給してストッパ48で位置決めした後に、フィルムfを外側から押圧部材52で押さえ付けて、添付品28をフィルムfの内側に貼り付けるようにしたので、添付品28を包装体内の所定位置に位置ずれなく正確かつ確実に貼着することができる。すなわち、添付品28が包装体の横シール部または縦シール部に挟み込まれることを回避でき、各シール部を確実にシールして、密封性の高い包装体が得られる。また、添付品28の貼り付け位置は、フィルムfが製袋手段16における襟部16aの折り返し稜線16bを越えた製袋手段16の下端より下方のフィルムガイド筒14の外周部14aに沿ってフィルムfが下方へ案内される領域に対応する部位に設定されて、フィルムfに貼着した添付品28が製袋手段16で反転案内されることがないので、貼着した添付品28が剥離したり落下したりすることによる貼着不良の発生を防止できる。そして、製袋手段16を経て筒状成形されたフィルムfの下方への搬送経路上で添付品28を貼り付けるようにしたので、フィルムfの筒状成形時に、添付品28の引き込み抵抗によってフィルムfの搬送が阻害されない。
【0029】
前記案内溝32における通路34で落下供給される添付品28は、両隔壁部36,36により案内溝32外へ飛び出すことが規制される。また、通路34で落下供給される添付品28は、両隔壁部36,36によって形成される所定の隙間によって粘着処理面29aとフィルムfの内側とが離間されているので、粘着処理面29aが開口部32aを介して外側に臨んでいても、粘着処理面29aとフィルムfの内側とが接触することなく、添付品28は貼り付け位置まで確実に供給される。そして、添付品28を包装体の裏面となるフィルムfの内側に貼り付けるので、包装の見栄えに影響がない。また、添付品28を縦シール部を除く位置に貼着するように設定することで、縦シール前のフィルムfに添付品28を貼着するようにした場合においてもフィルムfが筒状に形成されてその重合部が縦シールされる際に、フィルムfの案内が添付品28で阻害されることがない。
【0030】
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1)必要に応じて包装体の表面となるフィルムfの内側に添付品28を貼着してもよい。
(2)案内手段は、上下の全長に亘って開口部32aが形成されるものに限られず、貼着手段46と対応する部位のみに開口部32aを形成してもよい。この場合、案内手段において、添付品28の粘着処理面29aに対向する面は、粘着処理面29aの付着防止処理あるいは逃がし部を形成するなどの処置すればよい。
(3)案内手段は、フィルムガイド筒14と別体に設けてもよい。
(4)フィルムガイド筒14とは別に、物品Bの供給路となる物品供給筒をフィルムガイド筒14の内側に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の好適な実施例に係る貼着方法を実施し得る貼着装置を備えた縦形製袋充填機を示す側面図である。
【図2】実施例の貼着装置を備えた縦形製袋充填機を一部破断して示す側面図である。
【図3】実施例の縦形製袋充填機を示す側面図である。
【図4】図1のA−A線断面図である。
【図5】図1のB−B線断面図である。
【図6】図1のC−C線断面図である。
【図7】図4のD部拡大図である。
【図8】添付品の一例を示し、(a)は添付品の平面図であり、(b)は添付品の側面図である。
【符号の説明】
【0032】
14 フィルムガイド筒,14a 外周部,16 製袋手段,28 添付品,
29a 粘着処理面,32 案内溝(案内手段),34 通路,36 隔壁部,
38 供給手段,40 傾斜路,42 コンベヤ,44 シャッター,46 貼着手段,
48 ストッパ,52 押圧部材,f フィルム,B 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製袋手段(16)によって筒状に成形したフィルム(f)を、フィルムガイド筒(14)の外周部(14a)に巻き付けて下方へ案内し、該フィルム(f)に縦シールを施すと共に、物品(B)を充填して横シールを施して包装体を得る縦形製袋充填機において、
一側面が粘着処理された添付品(28)を、その粘着処理面(29a)を外側に向けて前記フィルムガイド筒(14)の外周部(14a)に下方に向けて延在する通路(34)内に導いて落下させ、
前記通路(34)に供給された添付品(28)を、前記フィルム(f)が前記製袋手段(16)を経て下方へ搬送される所定位置まで前記通路(34)内をフィルム(f)の内側に付着させることなく案内した後所定位置に位置決めし、
位置決めされた添付品(28)に対し、フィルム(f)を外側から押し付けて前記フィルムガイド筒(14)の外周部(14a)に臨むフィルム(f)の内側に前記粘着処理面(29a)を貼着するようにした
ことを特徴とする縦形製袋充填機における添付品の貼着方法。
【請求項2】
製袋手段(16)で筒状に成形したフィルム(f)を、外周部(14a)に巻き付けて下方へ案内するフィルムガイド筒(14)を備え、筒状成形されたフィルム(f)に縦シールを施すと共に、物品(B)を充填して横シールを施す縦形製袋充填機において、
前記フィルムガイド筒(14)の上方から一側面が粘着処理された添付品(28)を供給する供給手段(38)と、
前記フィルムガイド筒(14)に巻き付けられたフィルム(f)の内側に臨み、前記供給手段(38)から供給された添付品(28)を、その粘着処理面(29a)を外側に向けフィルム(f)の内側に非接触状態で落下案内する通路(34)を画成する案内手段(32)と、
前記製袋手段(16)より下方の前記フィルムガイド筒(14)の外側に設けられ、前記フィルムガイド筒(14)に巻き付けられた前記フィルム(f)を、前記通路(34)内に押し込むストッパ(48)と、該ストッパ(48)の上部に設けられ、通路(34)内で粘着処理面(29a)を露出して位置決めされた添付品(28)にフィルム(f)を押し付ける押圧部材(52)との夫々を有する貼着手段(46)とから構成した
ことを特徴とする縦形製袋充填機における添付品の貼着装置。
【請求項3】
前記貼着手段(46)を、前記製袋手段(16)より下方の製袋手段(16)近傍に設けた請求項2記載の縦形製袋充填機における添付品の貼着装置。
【請求項4】
前記案内手段における通路(34)は、フィルムガイド筒(14)の外周部(14a)に上下に延在して外側に開口する案内溝(32)と、該案内溝(32)の幅方向両側において案内溝(32)を落下する際の添付品(28)の粘着処理面(29a)とフィルム(f)の内側との間に所定の隙間を形成する隔壁部(36,36)とから構成した請求項2または3記載の縦形製袋充填機における添付品の貼着装置。
【請求項5】
前記供給手段(38)は、前記通路(34)に繋がる傾斜下部を備えた傾斜路(40)と、該傾斜路(40)の傾斜上部に添付品(28)を所定間隔毎に供給するコンベヤ(42)と、該傾斜路(40)に設けられ、コンベヤ(42)から供給された添付品(28)を停止または解放するシャッター(44)とを備える請求項2〜4の何れか一項に記載の縦形製袋充填機における添付品の貼着装置。
【請求項6】
前記添付品(28)を、得られる袋の内側における縦シール部を除く袋の裏面側となる範囲の所定部位に貼着し得るよう前記案内手段(32)を配置するようにした請求項2〜5の何れか一項に記載の縦形製袋充填機における添付品の貼着装置。
【請求項7】
前記貼着手段(46)は、前記通路(34)に沿う上下方向へ位置調節可能に構成した請求項2〜6の何れか一項に記載の縦形製袋充填機における添付品の貼着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−202884(P2009−202884A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44548(P2008−44548)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】