説明

繊維強化プラスチック構造体およびその接続方法

【課題】引き抜き荷重に対して高い強度を有する繊維強化プラスチック構造体および繊維強化プラスチック構造体の接続方法を提供する。
【解決手段】繊維強化プラスチックにより形成される外皮部材2と、外皮部材2の内部に配置され、かつ外部の対象物を接続するために外皮部材2の外部から内部へ延設される接続部材5と連結されるインサート部材4と、を有する繊維強化プラスチック構造体1である。インサート部材4は、外皮部材2と離隔して形成されて接続部材5が連結される離隔面8と、接続部材5から離れて形成されて外皮部材2と接する接触部9と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インサート部材を内部に備えた繊維強化プラスチック構造体およびその接続方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば車両用の構造部材等において、軽量化のために樹脂が使用されてきており、特に、繊維材により強化された繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)が使用されている。このようなFRP成形品は、一般的に、接着やボルト接合等によって他部品に取り付けられる。ボルト等により接合する方法としては、FRP成形品の内部に、ボルトやナット等をインサート部材として埋め込む方法が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の方法では、FRP製の外皮部材の内側に、外皮部材と接するようにインサート部材が配置されている。外皮部材には、外部からインサート部材へ達する穴部が形成されており、インサート部材は、この穴部の周囲で外皮部材と接している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−168397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の方法では、インサート部材が外皮部材の穴部の周囲で接しているため、インサート部材に接続されたボルトに引き抜き荷重が作用すると、まず外皮部材の穴部の周囲に荷重がかかり、穴部に応力が集中する。穴部に応力が集中すると、亀裂が発生して進展しやすくなり、強度が低下する場合がある。
【0006】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、引き抜き荷重に対して高い強度を有する繊維強化プラスチック構造体および繊維強化プラスチック構造体の接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明に係る繊維強化プラスチック構造体は、繊維強化プラスチックにより形成される外皮部材と、前記外皮部材の内部に配置され、前記外皮部材の外部から内部へ延設される接続部材と連結されるインサート部材と、を有する繊維強化プラスチック構造体である。インサート部材は、外皮部材と離隔して形成されて接続部材が連結される離隔面と、接続部材から離れて形成されて外皮部材と接する接触部と、を有している。
【0008】
上記目的を達成する本発明に係る繊維強化プラスチック構造体の接続方法は、繊維強化プラスチックにより形成される外皮部材の内部に、インサート部材が設けられた繊維強化プラスチック構造体の接続方法である。当該接続方法では、インサート部材の外皮部材と離隔して形成される離隔面に、外皮部材の外部から内部へ延設される接続部材を連結し、インサート部材の接続部材から離れて形成された接触部を外皮部材と接触させる。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した本発明に係る繊維強化プラスチック構造体は、インサート部材が、接続部材と連結される離隔面で外皮部材と離れ、接続部材から離れて形成される接触部で外皮部材と接するため、接続部材に引き抜き荷重が作用した際に、外皮部材の接続部材と近接する狭い範囲に応力が集中しない。これにより、外皮部材における接続部材と近接する部位での亀裂の発生および進展を抑制でき、高い強度を有する繊維強化プラスチック構造体を実現できる。
【0010】
上記のように構成した本発明に係る繊維強化プラスチック構造体の接続方法は、インサート部材の離隔面に接続部材を連結し、接続部材から離れた接触部を外皮部材と接触させた状態で、接続部材に引き抜き荷重が作用した際に、外皮部材の接続部材と近接する狭い範囲に応力が集中しない。これにより、外皮部材における接続部材と近接する部位での亀裂の発生および進展を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係るFRP構造体を示す断面図である。
【図2】本実施形態に係るFRP構造体の製造工程においてインサート部材を設置する前を示す断面図である。
【図3】本実施形態に係るFRP構造体の製造工程においてインサート部材を設置した後を示す断面図である。
【図4】本実施形態に係るFRP構造体の製造工程においてインサート部材上にコア部材を設置した後を示す断面図である。
【図5】本実施形態に係るFRP構造体に引き抜き荷重が作用した際を示す断面図である。
【図6】本実施形態に係るFRP構造体に引き抜き荷重が作用した際のインサート部材の変形を示す断面図である。
【図7】比較例のFRP構造体を示す断面図である。
【図8】比較例のFRP構造体に引き抜き荷重が作用した際を示す部分拡大断面図である。
【図9】FRP構造体に引き抜き荷重が作用した際の変位と荷重の関係を示すグラフである。
【図10】本実施形態に係るFRP構造体の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係るFRP構造体を示す断面図、図2は、本実施形態に係るFRP構造体の製造工程においてインサート部材を設置する前を示す断面図、図3は、本実施形態に係るFRP構造体の製造工程においてインサート部材を設置した後を示す断面図、図4は、本実施形態に係るFRP構造体の製造工程においてインサート部材上にコア部材を設置した後を示す断面図である。
【0014】
本実施形態に係るFRP構造体(繊維強化プラスチック構造体)1は、図1に示すように、繊維強化プラスチックからなる外皮部材2と、外皮部材2の内部に設けられるコア部材3およびインサート部材4とを有している。
【0015】
外皮部材2には、外部の対象物を取り付けるためにFRP構造体1の外部から内部へ延設される棒状の接続部材5を導出する穴部6が形成されている。
【0016】
インサート部材4は、FRP構造体1を外部の対象物と接続するために埋設される部材であり、本実施形態では、内部に雌ネジが形成されたナットである。インサート部材4には、雄ネジを備えた接続部材5がねじ込まれて連結される。なお、接続部材5は、必ずしもインサート部材4と別部材である必要はなく、一体で形成(一体的に連結)されてもよい。接続部材5の外部側(図1中の上部側)の形状は、例えば雌ネジや雄ネジとすることができるが、特に限定されず、外部の対象物を接続できる構造であればよい。
【0017】
インサート部材4は、接続部材5が挿入されて連結される連結孔7(連結部)が、外皮部材2と離隔して形成される離隔面8に形成され、連結孔7から離れた位置に形成される接触部9で、外皮部材2と接する。すなわち、インサート部材4の離隔面8は、外側の接触部9から内側の連結孔7へ向うにしたがって、テーパ状に窪んだ形状となっている。接触部9は、接続部材5を取り囲むように接続部材5から離れて形成され、外皮部材2と所定の範囲で接する環状の面で形成される。
【0018】
インサート部材4の離隔面8に対して接続部材5の延設方向の反対面11には、接続部材5の中心軸を中心とする外周端部に、接続部材5の延設方向と反対向きに(反対面11に向って)突出して形成される突出部10が形成されている。突出部10は、接続部材5の中心軸から離れるほど高く形成されている。
【0019】
前述のように、インサート部材4の離隔面8および反対面11が中央部で窪んで形成されることで、インサート部材4の、接続部材5が延設される方向への厚さWは、接触部9から接続部材5に向かって減少することとなる。
【0020】
コア部材3は、発泡樹脂からなり、外皮部材2とインサート部材4の間に充填されることで、FRP構造体1の重量増加を極力抑えつつ強度を向上させる役割を果たしている。コア部材3は、インサート部材4の反対面11側と外皮部材2の間に充填される第1コア部材3Aと、インサート部材4の離隔面8側と外皮部材2の間に充填される第2コア部材3Bとを有している。
【0021】
外皮部材2のFRPに適用される樹脂は、FRPのマトリックス樹脂となるものであればあらゆる樹脂が使用可能であり、例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、更にはこれらの混合樹脂も使用できる。
【0022】
外皮部材2のFRPに適用される繊維は、本実施形態では炭素繊維であるが、強化材となるものであれば特に制限はなく、炭素繊維の他に、例えば黒鉛繊維、またはガラス繊維や、アラミド、パラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリビニルアルコール、ポリアリレート等の有機繊維等が挙げあられ、またはこれらの2種類以上を併用したものも使用できる。
【0023】
コア部材3の材料には、例えばポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、塩化ビニルフォーム、ポリイミドフォーム等の硬質フォームを適用できるが、これらに限られず、木材等を用いることもできる。
【0024】
インサート部材4は、本実施形態ではアルミニウム製であるが、例えばアルミニウム以外にも、鋼、チタン等の金属材料が適用される。
【0025】
FRP構造体1を製造するには、まず、図2に示すように、外皮部材2を部分的に成形し、この内部に、インサート部材4を挿入可能に第1コア部材3Aを成形する。次に、図3に示すように、インサート部材4および接続部材5を第1コア部材3A上に設置する。この後、図4に示すように、インサート部材4の上に、第2コア部材3Bを設置もしくは成形する。この後、第2コア部材3Bの上部を強化繊維基材で覆い、マトリックス樹脂を強化繊維基材に含浸させて硬化させた繊維強化プラスチックからなる外皮部材2で被覆させることにより、図1に示すFRP構造体1が完成する。
【0026】
FRP構造体1を製造する方法には、例えばRTM(Resin Transfer Molding:樹脂注入成形法)工法を用いることができるが、オートクレーブを用いた成形でもよく、工法は制限されない。
【0027】
次に、本実施形態に係るFRP構造体1の作用について説明する。
【0028】
図5は、本実施形態に係るFRP構造体に引き抜き荷重が作用した際を示す断面図、図6は、本実施形態に係るFRP構造体に引き抜き荷重が作用した際のインサート部材の変形を示す断面図である。図7は、比較例のFRP構造体を示す断面図、図8は、比較例のFRP構造体に引き抜き荷重が作用した際を示す部分拡大断面図である。図9は、FRP構造体に引き抜き荷重が作用した際の変位と荷重の関係を示すグラフである。
【0029】
FRP構造体1に接続された接続部材5に引き抜き荷重Fが作用すると、図5に示すように、外皮部材2と接するインサート部材4の接触部9に荷重が伝わり、外皮部材2には、主として接触部9と接する部位に力が作用することになる。
【0030】
ここで、図7に示すような比較例のFRP構造体20では、繊維強化プラスチックからなる外皮部材22の内部に、接続部材25と連結されるインサート部材24が設けられており、インサート部材24の外皮部材22と接する面27が、接続部材25の周囲全体で接している。このような比較例のFRP構造体20では、図8に示すように、接続部材25に引き抜き荷重Fが作用すると、外皮部材22では、接続部材25が貫通する穴部26の近傍に応力が集中する。更に、外皮部材22は、穴部26の近傍側ほど強い力を受けるため、穴部26の近傍においてせん断力Fが生じる。このような比較例のFRP構造体20では、穴部26の近傍から亀裂が発生して進展しやすく、FRP構造体20の強度が低下する。
【0031】
これに対し、本実施形態に係るFRP構造体1では、図5に示すように、穴部6から離れた接触部9から外皮部材2に力が作用する。接触部9は、穴部6から離れた環状の面で形成されているため、比較例の場合よりも広い面積で外皮部材2に力が作用する。したがって、亀裂が生じ難く、比較例よりも高い引き抜き荷重Fに耐えることができる。
【0032】
図9は、本実施形態のFRP構造体1と比較例のFRP構造体20の各々に、引き抜き荷重Fを作用させた際の実験結果である。図9に示すように、比較例では、引き抜き荷重Fが作用すると、まず穴部26の端部において亀裂が発生して進展し、インサート部材24と外皮部材22の間の接着層が破壊される(破壊モード1)。更に引き抜き荷重Fが作用すると、インサート部材4の外皮部材2と接する全面27で外皮部材2を変形させて、外皮部材2の広い範囲で破壊が発生する(破壊モード2)。更に引き抜き荷重Fが作用すると、破壊が進んで急激な引き抜き荷重Fの落ち込みが発生することが確認できる。
【0033】
これに対し、本実施形態のFRP構造体1では、引き抜き荷重Fが作用すると、穴部6から離れた環状の接触部9から外皮部材2に力が作用し、まずインサート部材4と第2コア部材3Bの間で剥離が生じるが、外皮部材2の面では剥離は生じない(破壊モードA)。この本実施形態の破壊モードAが発生する領域では、比較例の破壊モード1および破壊モード2の領域よりも、変位が小さい上に、強い引き抜き荷重Fに耐えることができることが、図9より確認できる。
【0034】
ここで、アルミニウム製のインサート部材4が変形する強度は、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)製の外皮部材2の曲げ強度よりも小さい。したがって、インサート部材4に引っ張り荷重が作用すると、外皮部材2が曲げられるよりも、インサート部材4が変形することとなる。
【0035】
さらに、FRP構造体1は、接続部材5から離れた接触部9でインサート部材4が外皮部材2と接するため、インサート部材4から外皮部材2に作用する荷重は、面内せん断方向ではなく曲げ方向(接触部で外皮部材を撓ませる方向)となる。このとき、外皮部材2に発生する応力が、外皮部材2を構成するCFRPの曲げ強度よりも小さい。このような範囲内であれば、外皮部材2(CFRP)に応力が作用しても、曲げ強度が高く外皮部材2は変形し難い。したがって、FRP構造体1の全体としての引き抜き強度としては、外皮部材2よりもインサート部材4が変形する強度が支配的となり、インサート部材4と同程度の強度を得ることができる。
【0036】
FRP構造体1に引き抜き荷重Fが作用すると、インサート部材4の離隔面8が、接続部材5の周囲で外皮部材2と離れているため、図6に示すように、離隔面8が外側へ拡大するように変形する。これにより、インサート部材4と外皮部材2との接触面積が増大し、より強い荷重に耐えられることになる。なお、引き抜き荷重Fが作用して接触面積が増大すると、インサート部材4と外皮部材2の位置関係は、比較例の場合の位置関係に近付く。したがって、さらに荷重が増加すると、本実施形態においても比較例と同様の破壊モード1,破壊モード2が発生しえるが、インサート部材4を変形させる荷重が既に付与されているため、比較例の場合よりも強い引き抜き荷重Fに耐えることができる。
【0037】
本実施形態によれば、インサート部材4が、接続部材5と連結される離隔面8で外皮部材2と離れ、接続部材5から離れて形成される接触部9で外皮部材2と接するため、接続部材5に引き抜き荷重Fが作用した際に、外皮部材2の接続部材5と近接する狭い範囲に応力が集中し難い。これにより、外皮部材2における接続部材5と近接する部位での亀裂の発生および進展を抑制でき、高い強度を有するFRP構造体1を実現できる。また、応力を緩和できることで、外皮部材2とインサート部材4の間に、補強材を設ける必要がない。ただし、補強材を設ける構成とすることも可能である。また、外皮部材2とインサート部材4が直接接触している部位が接触部9のみであるため、振動が入力される際の、外皮部材2とインサート部材4の間のこすれにより発生する層間剥離の発生を低減できる。また、外皮部材2とインサート部材4が直接接触している部位が接触部9のみであるため、外皮部材2とインサート部材4が互いに通電する素材である場合に、電食処理を施す面積が少なくなり、製造コストおよび製造工数を低減できる。
【0038】
また、インサート部材4の、接続部材5が延設される延設方向への厚さWが、接触部9から連結孔7に向かって減少しているため、インサート部材4が変形しやすくなる。これにより、引き抜き荷重Fが作用すると、インサート部材4の離隔面8が拡大し、インサート部材4が外皮部材2から抜け出すことを抑制できる。なお、離隔面8が拡大することで離隔面8側のネジ孔である連結孔7が拡大してしまうが、反対面11側では、逆に連結孔7が縮小する方向に変形するため、接続部材5の連結孔7からのすり抜けを抑制できる。また、このようなFRP構造体1は、単一のインサート部材4でインサート部材4および接続部材5の抜け落ちを抑制できるため、インサート部材の部品数および成形工数を増加させる必要がなく、複数のインサート部材を高い位置決め精度で連結させる必要もない。
【0039】
また、インサート部材4の反対面11が、連結孔7の中心軸から離れた位置で突出して形成されているため、引き抜き荷重Fが作用する際に、反対面11側で連結孔7が効果的に縮小し、接続部材5の連結孔7からのすり抜けをより確実に抑制できる。
【0040】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。例えば、FRP構造体1にコア部材3が設けられなくてもよい。
【0041】
また、図10は本実施形態に係るFRP構造体の他の例を示す断面図であるが、このように、インサート部材31の接触部32を、スペーサ形状の別部材で設けてもよい。このような構造は、外皮部材33の応力緩和を主に狙う際に、簡易に実施することができる。なお、このインサート部材31と接触部32を、一体で形成してもよい。
【0042】
また、接触部9は、環状で形成されなくてもよく、例えば複数の部位で形成されてもよい。また、接触部9は必ずしも面で外皮部材2と接する必要はなく、接触部9と接する外皮部材2の剛性が十分に高い場合や、他の補強材を外皮部材2との間に設ける場合等には、点接触とすることもできる。
【符号の説明】
【0043】
1 繊維強化プラスチック構造体(FRP構造体)、
2,33 外皮部材、
3 コア部材、
3A 第1コア部材、
3B 第2コア部材、
4,31 インサート部材、
5 接続部材、
6 穴部、
7 連結孔(連結部)、
8 離隔面、
9,32 接触部、
10 突出部、
11 反対面、
F 引き抜き荷重、
W インサート部材の厚さ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維強化プラスチックにより形成される外皮部材と、
前記外皮部材の内部に配置され、前記外皮部材の外部から内部へ延設される接続部材と連結されるインサート部材と、を有する繊維強化プラスチック構造体であって、
前記インサート部材は、前記外皮部材と離隔して形成されて前記接続部材が連結される離隔面と、前記接続部材から離れて形成されて前記外皮部材と接する接触部と、を有する繊維強化プラスチック構造体。
【請求項2】
前記インサート部材の、前記接続部材が延設される延設方向への厚さが、前記接触部から前記接続部材が連結される連結部に向かって減少する請求項1に記載の繊維強化プラスチック構造体。
【請求項3】
前記連結部は、前記接続部材が挿入されて連結される連結孔であり、前記インサート部材の前記延設方向の反対面が、前記連結孔の中心軸から離れた位置で前記延設方向と反対向きに突出して形成された請求項1または2に記載の繊維強化プラスチック構造体。
【請求項4】
繊維強化プラスチックにより形成される外皮部材の内部に、インサート部材が設けられた繊維強化プラスチック構造体の接続方法であって、
前記インサート部材の前記外皮部材と離隔して形成される離隔面に、前記外皮部材の外部から内部へ向かって延設される接続部材を連結し、前記インサート部材の前記接続部材から離れて形成された接触部を前記外皮部材と接触させる繊維強化プラスチック構造体の接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−228337(P2010−228337A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−79513(P2009−79513)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「地球温暖化防止新技術プログラム/自動車軽量化炭素繊維強化複合材料の研究開発」に係る委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】