説明

置き台

【課題】付勢力が発現するように置き台に設けられる被押圧部材及び係止部を、簡易な構成で且つ少ない部品点数で実現できる置き台を提供する。
【解決手段】携帯電子機器の載置部113と、第1開口113Bと、第2開口113Aと、第3開口113Cと、携帯電子機器の被係止部を係止する係止部132を有し、第1開口113Bを介して係止部132が筐体の外部に突出するように付勢される係止部材130と、携帯電子機器により筐体の内部に向けて押圧される被押圧部123を有し、第2開口113Aを介して被押圧部123が筐体の外部に突出するように付勢される被押圧部材120と、携帯電子機器の被接触端子に接触する接触端子152Aを有し、第3開口113Cを介して接触端子152Aが筐体の外部に突出可能な端子部材150と、を備え、係止部材130及び被押圧部材120は、同一の付勢力発生手段140からの付勢力を受ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機のバッテリなどに充電を行う充電台などの置き台に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機の内部には、一般的にバッテリ(充電池)が搭載されており、バッテリへの充電は、例えば、携帯電話機を充電台の所定の載置部に載置することにより行われる。携帯電話機には、バッテリの端子に接続された機器側充電端子が露出して設けられていることが多い。また、充電台には、載置部に携帯電話機を載置した状態において機器側充電端子に接触する台側充電端子が設けられていることが多い。このような携帯電話機と充電台との組み合わせによれば、充電台の載置部に携帯電話機を載置した状態において台側充電端子と機器側充電端子とが接触して、充電台から携帯電話機のバッテリへの充電を行うことができる。
【0003】
ここで、台側充電端子は、充電時(つまり、充電台の載置部に携帯電話機が載置された状態のとき)に必要となる。そのため、充電時以外には、台側充電端子の破損などを防止するために充電台の内部に収納されており、一方、充電時には、充電台の外部に突出するようになっていることが望まれている。このような構成としては、例えば、充電台の載置部に出没自在な被押圧部材を設け、被押圧部材の出没に連動して台側充電端子を充電台から出没自在に構成したものがある。このような構成の充電台においては、充電台の載置部に携帯電話機を載置すると、携帯電話機により被押圧部材が押圧され、これに連動して、台側充電端子が充電台の外部に突出する。
【0004】
また、充電台には、前述の台側充電端子の構成に加えて、携帯電話機の載置状態を保持(ロック)する構成が望まれている。これを実現する構成としては、例えば、携帯電話機の外面に凹状の被係止部を設け、充電台に、この被係止部に係止する係止部を付勢した状態で設けた構成がある(例えば、下記特許文献1参照)。このような構成によれば、携帯電話機を充電台の載置部に載置すると、携帯電話機により充電台の被押圧部材が押圧されて充電台の外部に台側充電端子が突出して、携帯電話機の機器側充電端子と充電台の台側充電端子とが接触し、これにより、充電台から携帯電話機のバッテリへの充電が行われる。これと同時に、携帯電話機の被係止部に充電台の係止部が係止されて、充電台への携帯電話機の載置状態が保持される。なお、ここでいう載置状態の保持は、充電状態が確保できる程度の保持力があれば十分である。
【0005】
このような構成の充電台においては、被押圧部材を充電台の外部に向けて突出させる方向の付勢力と、係止部を携帯電話機の被係止部に係合させる方向の付勢力との2つの付勢力を発現させる必要がある。このような構成を実現する場合、被押圧部材及び係止部それぞれにコイルばね等の弾性部材を取り付け、この弾性部材の弾性力を利用して、被押圧部材及び係止部それぞれに付勢力を発現させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−142818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、前述の従来の技術によれば、被押圧部材及び係止部それぞれに付勢力を発現させる部材(弾性部材など)を設ける必要があり、構造が複雑化すると共に部品点数が増加するという問題点がある。この問題点は、携帯電話機用の充電台以外にも発生し、例えば、携帯電話機以外の携帯電子機器用の充電台、充電台以外の置き台などの場合にも同様に発生しうる。
【0008】
従って、本発明は、付勢力が発現するように置き台に設けられる被押圧部材及び係止部を、簡易な構成で且つ少ない部品点数で実現することができる置き台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、被係止部及び被接触端子を有する携帯電子機器が載置される置き台であって、前記携帯電子機器が載置される載置部と、第1開口と、第2開口と、第3開口と、を備える筐体、及び、前記載置部に載置された状態における前記携帯電子機器の前記被係止部を係止する係止部を有し、前記第1開口を介して前記係止部が前記携帯電子機器に向かって突出する方向に付勢されて構成される係止部材と、前記載置部に載置された状態における前記携帯電子機器により前記筐体の内部に向けて押圧される被押圧部を有し、前記第2開口を介して前記被押圧部が前記携帯電子機器に向かって突出する方向に付勢されて構成される被押圧部材と、前記載置部に載置された状態における前記携帯電子機器の被接触端子に接触する接触端子を有し、前記第3開口を介して前記接触端子が前記被接触端子に向って突出可能に構成される端子部材と、を備え、前記係止部材及び前記被押圧部材は、同一の付勢力発生手段からの付勢力を受ける置き台に関する。
【0010】
また、前記端子部材は、第3回転軸を中心に回動自在に構成され、前記被押圧部材は、前記接触端子が前記第3開口から離間するように前記端子部材を押圧する端子部材押圧部を有することが好ましい。
【0011】
また、前記係止部材は、前記係止部から離間した第1回転軸を中心に回動自在に構成され、前記被押圧部材は、前記被押圧部から離間した第2回転軸を中心に回動自在に構成されることが好ましい。
【0012】
また、前記付勢力発生手段は、コイルばねからなり、該コイルばねは、前記係止部材を前記第1回転軸を中心に回動させるように付勢すると共に、前記被押圧部材を前記第2回転軸を中心に前記係止部材の回動方向とは反対方向に回動させるように付勢することが好ましい。
【0013】
また、前記第1回転軸は、第1回転軸形成部材から形成され、前記第2回転軸は、前記第1回転軸形成部材とは別体の第2回転軸形成部材から形成されることが好ましい。
【0014】
また、前記付勢力発生手段は、前記係止部材と一体的に形成された一体ばね部から構成されることが好ましい。
【0015】
また、前記第1回転軸及び前記第2回転軸は、一体的な回転軸形成部材から形成されることが好ましい。
【0016】
また、前記接触端子は、充電用の端子であることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、付勢力が発現するように置き台に設けられる被押圧部材及び係止部を、簡易な構成で且つ少ない部品点数で実現することができる置き台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る第1実施形態の充電台100を示す斜視図であり、(A)は、台側充電端子152Aが突出していない状態を示す図、(B)は、仮想的に台側充電端子152Aが突出している状態を示す図である。
【図2】図1に示す充電台100に携帯電話機1が載置された状態を示す斜視図である。
【図3】図2に示す携帯電話機1を閉じた状態で示す斜視図である。
【図4】図2に示す携帯電話機1を開いた状態で示す斜視図である。
【図5】図3に示す携帯電話機1を操作部側筐体2の背面2b側から見た斜視図である。
【図6】図1に示す充電台100を示す部分断面斜視図である。
【図7】図1に示す充電台100の縦断面図である。
【図8】図1に示す充電台100を底面側から見た分解斜視図である。
【図9】本発明に係る第2実施形態の充電台101を示す部分断面斜視図である。
【図10】本発明に係る第3実施形態の充電台102を示す部分断面斜視図である。
【図11】図10に示す充電台102におけるノブアッセンブリ190を示す斜視図であり、(A)は斜視図、(B)は分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための一例となる形態について、図面を参照しながら説明する。まず、第1実施形態の充電台100の概要について説明し、次に、第1実施形態の充電台100と組み合わせて用いられる携帯電話機1について説明する。
図1は、第1実施形態の充電台100を示す斜視図であり、(A)は、台側充電端子152Aが突出していない状態を示す図、(B)は、仮想的に台側充電端子152Aが突出している状態を示す図である。図2は、図1に示す充電台100に携帯電話機1が載置された状態を示す斜視図である。図3は、図2に示す携帯電話機1を閉じた状態で示す斜視図である。図4は、図2に示す携帯電話機1を開いた状態で示す斜視図である。図5は、図3に示す携帯電話機1を操作部側筐体2の背面2b側から見た斜視図である。
【0020】
図1に示すように、充電台100は、その全体形状が略直方体状を呈している。充電台100は、その外部に、携帯電話機1が載置される載置部113を備えている。載置部113は、携帯電話機1の下端部と対応する凹形状に形成されている。また、充電台100は、図示しない充電用ケーブルを介して外部電源に接続されるようになっている。
充電台100には、被押圧突起123と、係止部132と、接触端子としての台側充電端子152Aとが、載置部113から出没自在に設けられている。
【0021】
図2に示すように、充電台100の載置部113には、閉じた状態の携帯電話機1がほぼ垂直方向に延びる状態で載置される。このように携帯電話機1が載置部113に載置された状態において、被押圧突起123は、携帯電話機1の下端部に押圧されて、充電台100の内部に押し込まれる。係止部132は、携帯電話機1の被係止部52(後述。図5参照)に係合して、携帯電話機1を充電台100に安定的に保持する。また、台側充電端子152Aは、携帯電話機1における被接触端子としての機器側充電端子51,51(後述。図5参照)に電気的に接続可能に接触する。
つまり、充電台100は、その載置部113に載置された携帯電話機1に、前記充電用ケーブルを介して外部電源から供給される電力によって充電する充電台として機能する。
【0022】
次に、第1実施形態の充電台100と組み合わせて用いられる携帯電話機1について、図3から図5を参照しながら説明する。
図3から図5に示すように、携帯電話機1は、折り畳み型の携帯電話機であって、略直方体形状の操作部側筐体2と、略直方体形状の表示部側筐体3と、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを連結する連結部4と、を備える。
【0023】
操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、連結部4を介して開閉可能に連結されている。つまり、連結部4は、表示部側筐体3と操作部側筐体2とを開閉軸Xを中心に開閉可能に連結している。
携帯電話機1は、連結部4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転(回動)することにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを互いに開いた状態(開状態。図4参照)にしたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを折り畳んだ状態(折畳み状態/閉状態。図3及び図5参照)にすることができる。
【0024】
操作部側筐体2は、その外面が、フロントケース21及びリアケース22を主体として構成されている。フロントケース21は、操作部側筐体2の前面2a側を構成する。操作部側筐体2の前面2aは、携帯電話機1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3と向かい合う面である。リアケース22は、前面2aと反対側の面である背面2b側を構成する。
【0025】
フロントケース21は、操作キー群11が前面2aに露出するように構成されている。操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するためのテンキー等の入力操作キー14と、各種操作における決定や上下左右方向のスクロール等を行う決定操作キー15と、から構成されている。
【0026】
操作キー群11を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や、起動されているアプリケーションの種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。携帯電話機1において、操作キー群11を構成する各キーが使用者により押圧されることで、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
【0027】
操作部側筐体2の前面2aには、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力される音声入力部12が形成されている。音声入力部12は、操作部側筐体2の長手方向における連結部4とは反対側の端部近傍に配置される。つまり、音声入力部12は、携帯電話機1の開状態において、携帯電話機1の長手方向の一方の端部側に配置される。
【0028】
操作部側筐体2の側面には、例えば、外部機器(例えば、ホスト装置)とデータの送受信を行うためのインターフェース、ヘッドホン/マイク端子、着脱可能な外部メモリのインターフェースが設けられている。
【0029】
図5に示すように、操作部側筐体2の背面2bにおける下端部(連結部4とは反対側の端部)の近傍には、1個の被係止部52と、2個一対の被接触端子としての機器側充電端子51,51と、が設けられている。一対の機器側充電端子51,51は、携帯電話機1におけるバッテリを充電するための充電端子であり、一方が入力端子であり、他方が出力端子である。
【0030】
次に、表示部側筐体3について説明する。図3から図5に示すように、表示部側筐体3は、その外面が、表示部側筐体3の前面3a側を覆うフロントケース30aと、表示部側筐体3の背面3b側を覆うリアケース30bとが結合されて構成される。
【0031】
図3から図5に示すように、表示部側筐体3の前面3aは、フロントケース30a及びカバー部材33を主体として構成されている。前面3aは、携帯電話機1を折り畳んだ状態で操作部側筐体2と向かい合う面である。表示部側筐体3における背面3bは、リアケース30bを主体として構成されている。背面3bは、前面3aとは反対側の面である。
【0032】
表示部側筐体3内には、ディスプレイモジュールとして、各種情報を表示させるメイン液晶モジュール34が配置されている。メイン液晶モジュール34の一方の面には、メイン表示部34aが設けられている。メイン表示部34aは、透明部分を主体とするカバー部材33を介して表示部側筐体3の前面3aに露出する。
【0033】
また、フロントケース30aには、通話の相手側における音声を出力する音声出力部31が形成されている。音声出力部31は、表示部側筐体3の長手方向における連結部4とは反対の端部側に配置される。つまり、音声出力部31は、携帯電話機1の開状態において、携帯電話機1の長手方向の一方の端部側に配置される。
【0034】
表示部側筐体3のリアケース30b側には、各種情報を表示させるサブ液晶モジュール36が配置されている。サブ液晶モジュール36の一方の面には、サブ表示部36aが設けられている。サブ表示部36aは、リアケース30bの透明部分を介して表示部側筐体3の背面3bに露出する。
【0035】
メイン液晶モジュール34及びサブ液晶モジュール36は、それぞれ、メイン表示部34a及びサブ表示部36aを構成する液晶パネル、この液晶パネルを駆動する駆動回路、この液晶パネルの背側から光を照射するバックライト等の光源部などから構成される。
【0036】
次に、第1実施形態の充電台100について、図1から図5に加え、図6から図8を参照して説明する。
図6は、図1に示す充電台100を示す部分断面斜視図である。図7は、図1に示す充電台100の縦断面図である。図8は、図1に示す充電台100を底面側から見た分解斜視図である。
【0037】
なお、図7に示すように、充電台100の説明においては、載置部113が形成されている側を「前側」と呼称し、前側の反対側を「背側」と呼称し、前側に向かって左右方向を「幅方向」と呼称する。また、充電台100の各構成部材の回動方向に関しては、図7に示す縦断面図において、反時計回りを「正(+)方向」と呼称し、時計回りを「負(−)方向」と呼称する。
【0038】
図1及び図6から図8に示すように、充電台100は、その外面が、ケース111及び底板112を主体として構成される。底板112は、充電台100の底面を形成する。ケース111は、充電台100における底板112以外の外面の大部分を形成する。ケース111と底板112とが所定の結合手段(図示せず)によって一体に結合されることにより、本発明における「筐体」が構成される。
【0039】
充電台100の筐体の内部には、充電台100の構成部材が収容される空間が形成される。充電台100の内部には、被押圧部材としての端子ノブ120と、係止部材としてのロックノブ130と、付勢力発生手段としてのロックバネ140と、端子部材としての左右一対の端子バネ150,150と、電子基板160とが配設されている。
【0040】
電子基板160は、底板112と平行な状態で、ケース111に固定されている。電子基板160の上面の背側には、コネクタ161が配設されている。コネクタ161は、ケース111の背側に露出しており、このコネクタ161に外部電源からの充電用ケーブル(図示せず)が接続されるようになっている。
【0041】
ケース111の外部の前側には、載置部113が形成されている。この載置部113には、図2に示すように、携帯電話機1が載置される。
図1及び図6から図8に示すように、載置部113は、左右の側面113S,113Sと、背面113Rと、底面113Fとを備える。載置部113の上側及び前側は開放している。載置部113の幅方向は、充電台100の全幅よりも狭くなっている。載置部113の深さは、充電台100の全体の高さよりも浅くなっている。
【0042】
載置部113の背面113Rは、上側に向かうに連れて背側に傾くように、所定角度で傾斜している。載置部113の底面113Fは、背面113Rと略直角に交わるように、前側に向かうに連れて上側に傾くように傾斜している。これにより、携帯電話機1は、載置部113に、携帯電話機1の上端部が背側に所定角度傾斜した状態で載置される。
また、載置部113の前側には、ガイドリブ113Gが設けられている。ガイドリブ113Gは、左右の側面113S,113S及び底面113Fに沿って「コ」の字状に延びている。このガイドリブ113Gは、載置部113に載置された携帯電話機1が前側にずれたり、脱落したりすることの防止などを目的として設けられる。
【0043】
載置部113の底面113Fの幅方向中央には、第2開口としての操作孔113Aが設けられている。この操作孔113Aには、端子ノブ120の被押圧突起123(詳細は後述)に対応する位置に設けられた孔部である。操作孔113Aは、載置部113に載置された状態における携帯電話機1の下端部に対向する位置に形成される。
【0044】
載置部113の背面113Rには、第1開口としてのロック孔113Bと、第3開口としての一対の端子孔113C,113Cとが設けられている。
ロック孔113Bは、ロックノブ130の係止部132(詳細は後述)に対応する位置に設けられた孔部である。ロック孔113Bは、載置部113に載置された状態における携帯電子機器の被係止部52に対向する位置に形成される。
また、一対の端子孔113C,113Cは、それぞれ端子バネ150,150の台側充電端子152A,152A(詳細は後述)に対応する位置に設けられた孔部である。端子孔113Cは、載置部113に載置された状態における携帯電話機1の機器側充電端子51に対向する位置に形成される。
【0045】
図8に示すように、ケース111の内側の上部には、端子ノブ軸受板111Aが、下向きに延びるように設けられる。端子ノブ軸受板111Aの下端部には、端子ノブ120の端子ノブ軸124(後述)を回転自在に支持する第1軸受け部111Cが設けられる。
ケース111の内側の上部には、ロックノブ軸受板111Bが、下向きに延びるように設けられる。ロックノブ軸受板111Bの下端部には、ロックノブ130のロックノブ軸134(詳細は後述)を回転自在に支持する第2軸受け部111Dが設けられる。
【0046】
次に、端子ノブ120について説明する。
図1及び図6から図8に示すように、端子ノブ120は、下アーム部121と、下アーム部121に略直角に立設された一対の縦アーム部122,122と、被押圧部としての被押圧突起123と、第2回転軸形成部材としての端子ノブ軸124と、を備える。端子ノブ120は、側面視においてL字状に形成されている。
【0047】
下アーム部121は、背側に位置する基部枠121Bと、前側に位置する前枠121Fと、左右の側枠121S,121Sとを備えている。下アーム部121は、基部枠121Bと前枠121Fとが左右の側枠121S,121Sによって連結されることにより、中央に開口部121Hを有する角枠状に形成されている。
【0048】
左右の縦アーム部122,122は、下アーム部121における基部枠121Bの左右両端部に、それぞれ所定高さに立設されている。
左右の縦アーム部122,122の間には、基部枠121Bから所定高さに立設された板状のリブ122Bが、左右の縦アーム部122,122を繋ぐように設けられている。
また、左右の縦アーム部122,122それぞれ側面には、背側に開放するバネ係合部(端子部材押圧部)122Aを備えている。バネ係合部122Aには、後述する端子バネ150の端子アーム152が係合する。バネ係合部122Aは、台側充電端子152Aが端子孔113Cから離間するように、端子バネ150を押圧する。
【0049】
被押圧突起123は、前枠121Fの上面の幅方向中央部に、所定高さに突設されている。被押圧突起123の先端部(上端部)は、丸みを帯びている。被押圧突起123は、充電台100の載置部113に載置された状態の携帯電話機1の下端部により押圧される。
【0050】
端子ノブ軸124,124は、左右の側枠121S,121Sにおける基部枠121Bの近傍に、それぞれ一対設けられている。端子ノブ軸124は、被押圧突起123から離間している。端子ノブ軸124は、開口部121Hの内外両側に向けて、各側枠121S,121Sからそれぞれ所定長さに延びている。端子ノブ軸124の軸心方向は、基部枠121B及び前枠121Fと平行となっており、充電台100の幅方向に平行となっている。
【0051】
端子ノブ120は、端子ノブ軸124がケース111の端子ノブ軸受板111Aの第1軸受け部111Cに回転自在に支持されて、ケース111の内部に配置される。そのため、端子ノブ120は、ケース111の内側において、端子ノブ軸(第2回転軸)124を中心として、回動自在になっている。つまり、第2回転軸は、ロックノブ軸134(詳細は後述)とは別体の端子ノブ軸124から形成される。
【0052】
そして、端子ノブ120は、被押圧突起123がケース111(載置部113)の操作孔113Aを介して上側に突出する位置と、被押圧突起123がケース111の内側に退避する位置との間で、回動可能となっている。被押圧突起123が操作孔113Aから所定量突出すると、下アーム部121がケース111の内側に当接するため、端子ノブ120は、それ以上、被押圧突起123が突出する方向へ回動しない。
【0053】
次に、ロックノブ130について説明する。
図1及び図6から図8に示すように、ロックノブ130は、ケース111及び底板112を主体とする筐体の内部に配設される。ロックノブ130は、略角柱状の本体部131と、係止部132と、ストッパ部133と、第1回転軸形成部材としてのロックノブ軸134と、を備える。
【0054】
本体部131は、ロックノブ130の本体を構成する。
係止部132は、載置部113に載置された状態における携帯電話機1の被係止部52を係止する部位である。係止部132は、本体部131の先端側から基端側に向けて漸次厚くなるように先端が尖った直角三角形状の側面形状を有しており、本体部131の前側に突出している。
【0055】
ストッパ部133は、平板状であり、ロックノブ130における係止部132よりも先端部(上端部)側に設けられる。
ロックノブ軸134は、所定径及び所定長さを有する軸であり、本体部131の基端(下端)部の左右両側面からそれぞれ突設されている。ロックノブ軸134は、係止部132から離間している。
【0056】
ロックノブ130は、端子ノブ120における下アーム部121の開口部121Hの内側に配置される。ロックノブ130は、ケース111のロック孔113Bを介して、係止部132がケース111の外部に突出するように付勢されて構成される。
ロックノブ軸(第1回転軸)134がロックノブ軸受板111Bの第2軸受け部111Dに回転自在に支持されて、ロックノブ130は、ケース111の内部に配置される。ロックノブ軸134の軸心は、端子ノブ120の端子ノブ軸124の軸心と略一致している。つまり、ロックノブ軸(第1回転軸)134と端子ノブ軸(第2回転軸)124とは、略同一の軸線状に配列している。「略同一」とは、軸線のズレが5mm以内であることをいう。
【0057】
ロックノブ130は、係止部132がケース111(背面113R)のロック孔113Bから前側に所定量突出する位置と、係止部132がケース111の内部に退避する位置との間で、回動可能となっている。係止部132がケース111のロック孔113Bからの所定量突出すると、ストッパ部133がケース111の内側に当接し、ロックノブ130は、それ以上、係止部132が突出する方向へ回動しない。
【0058】
次に、ロックバネ140について説明する。
図1及び図6から図8に示すように、ロックバネ140は、ロックノブ130に装着され、ロックノブ130を正(+)方向(図7における反時計回り)に揺動するように付勢すると共に、端子ノブ120を負(−)方向(図7における時計回り)に揺動するように付勢する。
【0059】
ロックバネ140は、弾性変形可能なバネ鋼等の線材を屈曲させて形成されている。ロックバネ140は、左右一対のコイル部141,141と、左右のコイル部141,141を連結する連結部142と、両コイル部141,141からそれぞれ延設された操作端部143,143とを備えている。連結部142と操作端部143,143とは、それぞれコイル部141,141からその接線方向に延びており、所定の角度をなしている。これにより、ロックバネ140は、側面視において略字V状を呈した「コイルばね」を構成している。
【0060】
コイル部141は、ロックノブ130のロックノブ軸134に外挿可能な内径を有するように、所定数巻回されて形成されている。コイル部141は、ロックノブ130の本体部131とロックノブ軸受板111Bとの間に位置している。
連結部142は、コイル部141,141を形成する線材が、一方のコイル部141からロックノブ130の本体部131の背側を経由して他方のコイル部141に亘って延びて形成される。
【0061】
操作端部143は、コイル部141,141を形成する線材が、左右のコイル部141,141のそれぞれ外側の端部から所定長さに延設されて形成される。ロックバネ140の操作端部143は、端子ノブ120におけるリブ121Rの前側に位置している。
そして、ロックバネ140は、左右のコイル部141,141がそれぞれロックノブ130の左右のロックノブ軸134に外挿されて、ロックノブ130に装着されている。
【0062】
ここで、ロックバネ140は、連結部142と操作端部143との狭角が小さくなる方向に弾性変形した状態で、端子ノブ120及びロックノブ130に装着される。これにより、ロックバネ140は、その弾性復帰力により、ロックノブ軸134を中心にロックノブ130を回動させるように正(+)方向に押圧して付勢すると共に、端子ノブ軸124を中心に端子ノブ120を、ロックノブ130の回動方向とは反対方向の負(−)方向に押圧して回動させるように付勢する。
【0063】
このロックバネ140の付勢力によって、ロックノブ130は、ストッパ部133がケース111(載置部113における背面113R)の内側に当接する位置まで回動する。また、端子ノブ120は、下アーム部121がケース111(載置部113における底面113F)の内側に当接する位置まで回動する。その結果、ロックノブ130の係止部132は、ロック孔113Bから載置部113側に突出した状態となる。また、端子ノブ120の被押圧突起123は、操作孔113Aから載置部113側に突出した状態となる。
【0064】
このように、ロックノブ130の係止部132がロック孔113Bから突出すると共に、端子ノブ120の被押圧突起123が操作孔113Aから突出した状態が、充電台100の非載置状態(載置部113に携帯電話機1が載置されていない状態)である。
この非載置状態の充電台100において、操作孔113Aから載置部113側に突出する被押圧突起123がロックバネ140による付勢力以上の力で押圧されると、端子ノブ120は正方向に揺動する。このとき、ロックバネ140の変形量が大きくなって、ロックバネ140の弾性復帰力が強まる。その結果、ロックノブ130には、より大きな正方向の回動付勢力が作用する。しかし、ロックノブ130は、ストッパ部133がケース111の内側に当接しているため、それ以上回動することはない。
【0065】
一方、非載置状態の充電台100において、ロック孔113Bから載置部113側に突出するロックノブ130の係止部132がロックバネ140による付勢力以上の力で押圧されると、ロックノブ130は負方向に揺動する。この際、ロックバネ140の変形量が大きくなって、ロックバネ140の弾性復帰力が強まる。その結果、端子ノブ120には、より大きな負方向の回動付勢力が作用する。しかし、端子ノブ120は、下アーム部121がケース111の内側に当接しているため、それ以上回動することはない。
【0066】
つまり、前述のようにロックバネ140が配置されることにより、端子ノブ120及びロックノブ130は、同一(1個)のロックバネ140から付勢力を受け、負方向又は正方向にそれぞれ回動して付勢される。また、端子ノブ120とロックノブ130とは、それぞれ独立して揺動可能となっている。
【0067】
次に、端子バネ150について説明する。
図6から図8に示すように、端子バネ150,150は、ケース111の内部に、端子ノブ120の左右両側にそれぞれ左右対称に配設されている。端子バネ150は、導電性及びバネ性を有するリン青銅等の線材によって形成されている。端子バネ150は、コイル部151と、コイル部151からそれぞれ延設された端子アーム152及び固定端子部153と、を備えている。端子アーム152と固定端子部153とは、それぞれコイル部151の接線方向に所定の角度をなして延びている。端子バネ150は、側面視において略字V状を呈している。
【0068】
コイル部151は、線材が所定の径で所定数巻回されて形成されている。
端子アーム152は、コイル部151の一方の端部がコイル部151の接線方向に延設されて形成されている。そして、端子アーム152は、コイル部151の巻回中心(第3回転軸)を中心に回動自在に構成される。
端子アーム152の先端部には、前側に向けて突出するように屈曲された台側充電端子152Aが形成されている。そして、端子バネ150は、端子孔113Cを介して台側充電端子152Aがケース111の外部に突出可能に構成される。そのため、台側充電端子152Aは、載置部113に載置された状態における携帯電話機1の被接触端子51に接触する。
【0069】
固定端子部153は、コイル部151の他方の端部がコイル部151の接線方向に延設されて形成されている。固定端子部153は、半田付け等により電子基板160に固定されている。固定端子部153は、電子基板160を介してコネクタ161に電気的に接続されている。
【0070】
端子バネ150のコイル部151は、端子ノブ120における縦アーム部122の基部の近傍に位置している。端子バネ150の端子アーム152は、端子ノブ120における縦アーム部122のバネ係合部122Aに係合している。端子アーム152の台側充電端子152Aは、ケース111における載置部113の背面113Rに形成されたロック孔113Bと対応する位置に位置している。
【0071】
そして、端子バネ150の端子アーム152は、固定端子部153と端子アーム152との間が狭くなる方向に、端子ノブ120における縦アーム部122のバネ係合部122Aに押圧されて、弾性変形している。そのため、端子バネ150の端子アーム152は、その弾性復帰力によって端子ノブ120の縦アーム部122を押圧して付勢している。これにより、端子アーム152は、端子ノブ120の回動に追従して揺動するようになっている。
【0072】
そして、端子ノブ120が自由状態(被押圧突起23が操作孔13Aから突出した状態)では、台側充電端子152Aは、ケース111の内側に位置する。一方、被押圧突起123が押圧されて、端子ノブ120が正方向に揺動すると、台側充電端子152Aは、ケース111の端子孔113Cから外部に所定量突出する。つまり、端子バネ150の台側充電端子152Aは、充電台100が非載置状態では、ケース111の内側の退避位置にあり、自由状態から被押圧突起23が押圧されると、端子孔113Cから外部(載置部113側)に突出するようになっている。
【0073】
前述のように構成された充電台100は、載置部113に載置された携帯電話機1を安定して保持すると共に、充電作用に必要な電気的な接続が可能である。
すなわち、携帯電話機1を載置部113に載置する過程において、携帯電話機1は、ロック孔113Bを介して載置部113側に突出する係止部132を押圧する。これにより、ロックノブ130がロックバネ140の付勢力に抗して負方向に回動し、係止部132がロック孔113Bの内部に収納される。そのため、載置部113への携帯電話機1の載置が可能となる。
【0074】
携帯電話機1が載置部113の所定位置に載置されると、ロックバネ140の付勢力によるロックノブ130の回動によって、係止部132は、ロック孔113Bから突出し、携帯電話機1の被係止部52を係止する。これにより、携帯電話機1は、充電台100の載置部113に安定的に載置されることとなる。
【0075】
また、携帯電話機1が充電台100の載置部113に載置されると、携帯電話機1の下端部が被押圧突起123を押し下げる。その結果、端子ノブ120は、ロックバネ140の付勢力に抗して正方向に回動して操作される。この端子ノブ120の正方向の回動に伴って、端子バネ150の台側充電端子152Aは、端子孔113Cから突出して、携帯電話機1の機器側充電端子51に導通可能に接触する。これにより、充電台100と携帯電話機1との間で、携帯電話機1への充電が可能な電気的接続が形成される。
【0076】
ここで、ロックバネ140と端子バネ150とによって、端子ノブ120及びロックノブ130に作用する力のバランスについて説明する。
端子バネ150の弾性付勢力により台側充電端子152Aに前側に向けて加わる荷重を「F1」、端子ノブ120のバネ係合部122Aにより端子バネ150に背側に向けて加わる荷重(台側充電端子152Aをロック孔113Bから突出させないように抑える荷重)を「F2」、端子ノブ120の被押圧突起123により携帯電話機1を押し上げる荷重を「F3」、携帯電話機1の自重を「F4」、ロックノブ130の係止部132により携帯電話機1の被係止部52に下側に向けて加わる荷重を「F5」とする場合に、以下の関係が成り立つ。
F1<F2
F2≒F3≒F5(同一のロックバネ140による荷重であるため)
F3<F4+F5
従って、携帯電話機1は、そのほぼ全質量を載置部113の底面113Fに作用させた状態で、載置部113に安定的に載置される。つまり、携帯電話機1が被押圧突起123によって載置部113から押し出されるようなことはない(F3<F4+F5)。
【0077】
第1実施形態の充電台100によれば、例えば下記の効果が奏される。
第1実施形態の充電台100においては、ロックノブ130及び端子ノブ120は、同一のロックバネ140からの付勢力を受ける。そのため、ロックノブ130及び端子ノブ120を付勢する付勢部材をそれぞれ設ける構成に比較して、構成部品の点数が削減され、構成が簡略化される。その結果、充電台100の組み立ても容易であり、部品点数及び組立工数の削減によってコストダウンが可能となる。
【0078】
また、ロックノブ130及び端子ノブ120が同一のロックバネ140からの付勢力を受けるため、ロックノブ130及び端子ノブ120を付勢する付勢部材をそれぞれ設ける構成に比較して、付勢力の設定(調整)を不要とすることができ、設計が容易となる。
【0079】
また、ロックノブ130は、ロックノブ軸134を中心に回動自在に構成され、端子ノブ120は、ロックノブ軸134と略同一の軸線状に配列する端子ノブ軸124を中心に回動自在に構成されている。そのため、ロックノブ130のストッパ部133の動きが安定的となる。
【0080】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。他の実施形態については、主として、第1実施形態とは異なる点を説明し、第1実施形態と同様の構成について同じ符号を付し、説明を省略する。他の実施形態について特に説明しない点については、第1実施形態についての説明が適宜適用される。他の実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0081】
図9は、本発明に係る第2実施形態の充電台101を示す部分断面斜視図である。
第2実施形態の充電台101は、前述した第1実施形態の充電台100に比して、主として、ロックノブに付勢力を発生させる構成(付勢力発生手段)が異なる。第2実施形態においては、付勢力発生手段は、ロックノブ170と一体的に形成された一体ばね部から構成される。
【0082】
第2実施形態におけるロックノブ170は、略角柱状の本体部171に、係止部172と、ストッパ部173と、ロックノブ軸174と、一体ばね部としての操作アーム部175と、を備え、これらが一体的に形成されて構成されている。
【0083】
本体部171は、ロックノブ170の本体を構成する。
係止部172は、本体部171の先端側から基端側に向けて漸次厚くなるように先端が尖った直角三角形状の側面形状を有しており、本体部171の前側に突出している。
ストッパ部173は、平板状であり、ロックノブ170における係止部172よりも先端部(上端部)側に設けられる。
ロックノブ軸174は、所定径及び所定長さを有する軸であり、本体部171の基端(下端)部の左右両側面からそれぞれ突設されている。
【0084】
操作アーム部175は、本体部171の基端から所定長さ延設されている。操作アーム部175と本体部171とは所定の狭角をなしている。これにより、ロックノブ170は、側面視における全体形状が略V字状を呈している。
ここで、ロックノブ170は、プラスチック、金属等の弾性素材によって、操作アーム部175が本体部171に接近する方向に弾性変形が可能に形成されている。
【0085】
このように構成されたロックノブ170は、ロックノブ軸174を介してケース111に揺動可能に設けられている。この状態において、ロックノブ170は、操作アーム部175が本体部171に対して狭角が狭くなる側に弾性変形している。そして、その弾性復帰力によって、ストッパ部173は、ケース111の内面(載置部113の背面113Rの内面)に当接する。操作アーム部175は、端子ノブ120におけるリブ121Rの上縁を押圧して付勢している。この操作アーム部175の押圧付勢力によって、端子ノブ120は、負方向に揺動する方向に付勢されている。
【0086】
つまり、第2実施形態の充電台101は、ロックノブ170自体が弾性変形することによる弾性復帰力により、ロックノブ170の係止部172をロック孔113Bから突出させると共に、被押圧突起123を操作孔113Aから突出させるように構成されている。
【0087】
第2実施形態の充電台101によれば、例えば下記の効果が奏される。
第2実施形態の充電台101においては、付勢力発生手段は、ロックノブ170と一体的に形成された操作アーム部175から構成されている。そのため、操作アーム部175の弾性復帰力によって、ロックノブ170及び端子ノブ120が回動される方向に付勢される。従って、ロックノブ170及び端子ノブ120を揺動して付勢するための弾性部材などを別途備える必要がない。その結果、部品点数及び組立工数を削減でき、コストダウンが可能となる。
【0088】
なお、前述の第2実施形態においては、ロックノブ170は、同一素材によって一体的に形成されているが、これに制限されず、二つの部品を一体化して構成されていてもよい。例えば、ロックノブ170は、操作アーム部175を金属製の板ばねによって形成すると共に、この板ばねを本体部171にインサート成形等によって一体化して構成することができる。
【0089】
次に、本発明の第3実施形態について、図10及び図11を参照しながら説明する。
図10は、本発明に係る第3実施形態の充電台102を示す部分断面斜視図である。図11は、図10に示す充電台102におけるノブアッセンブリ190を示す斜視図であり、(A)は斜視図、(B)は分解斜視図である。
第3実施形態の充電台102は、第1実施形態の充電台100に比して、端子ノブ120と、ロックノブ130と、ロックバネ140とが連結され、ノブアッセンブリ190を構成している点が主として異なる。
【0090】
図10及び図11に示すように、端子ノブ120は、下アーム部121と、下アーム部121に略直角に立設された一対の縦アーム部122,122と、被押圧部としての被押圧突起123と、支持軸孔125と、を備える。端子ノブ120は、側面視においてL字状に形成されている。
【0091】
下アーム部121は、背側に位置する基部枠121Bと、前側に位置する前枠121Fと、左右の側枠121S,121Sとを備えている。下アーム部121は、基部枠121Bと前枠121Fとが左右の側枠121S,121Sによって連結されることにより、中央に開口部121Hを有する角枠状に形成されている。
支持軸孔125,125は、左右の側枠121S,121Sにおける基部枠121Bの近傍に、それぞれ形成されている。支持軸孔125の中心軸方向は、基部枠121B及び前枠121Fと平行となっている。
【0092】
左右の縦アーム部122,122は、下アーム部121における基部枠121Bの左右両端部に、それぞれ所定高さに立設されている。
左右の縦アーム部122,122の間には、基部枠121Bから所定高さに立設された板状のリブ122Bが、左右の縦アーム部122,122を繋ぐように設けられている。
また、左右の縦アーム部122,122それぞれ側面には、背側に開放するバネ係合部(端子部材押圧部)122Aを備えている。バネ係合部122Aには、端子バネ150の端子アーム152が係合する。
被押圧突起123は、前枠121Fの上面の幅方向中央部に、所定高さに突設されている。
【0093】
図10及び図11に示すように、ロックノブ130は、略角柱状の本体部131と、係止部132と、ストッパ部133と、支持軸孔135と、を備える。
【0094】
本体部131は、ロックノブ130の本体を構成する。
支持軸孔135は、本体部131の基端(下端)に左右方向に貫通されて形成されている。
係止部132は、載置部113に載置された状態における携帯電話機1の被係止部52を係止する部位である。係止部132は、本体部131の前側に突出している。
ストッパ部133は、平板状であり、ロックノブ130における係止部132よりも先端部(上端部)側に設けられる。
【0095】
ロックバネ140は、弾性変形可能なバネ鋼等の線材を屈曲させて形成されている。ロックバネ140は、左右一対のコイル部141,141と、左右のコイル部141,141を連結する連結部142と、両コイル部141,141からそれぞれ延設された操作端部143,143とを備えている。連結部142と操作端部143,143とは、それぞれコイル部141,141からその接線方向に延びており、所定の角度をなしている。これにより、ロックバネ140は、側面視において略字V状を呈し、いわゆる「コイルばね」を構成している。
【0096】
コイル部141は、後述する支持軸191に外挿可能な内径を有するように、所定数巻回されて形成されている。
連結部142は、コイル部141,141を形成する線材が、一方のコイル部141からロックノブ130の本体部131の背側を経由して他方のコイル部141に亘って延びて形成される。
【0097】
操作端部143は、コイル部141,141を形成する線材が、左右のコイル部141,141のそれぞれ外側の端部から所定長さに延設されて形成される。ロックバネ140の操作端部143は、端子ノブ120におけるリブ121Rの前側に位置している。
【0098】
ノブアッセンブリ190は、端子ノブ120の開口部121Hの内側における所定位置に、ロックノブ130と、ロックバネ140とが、回転軸形成部材としての支持軸191によって一体的に装着されて構成されている。すなわち、端子ノブ120の開口部121Hの内側における所定位置に、ロックノブ130とロックバネ140とを位置させて、端子ノブ120の支持軸孔125、ロックバネ140のコイル部141、及びロックノブ130の支持軸孔135に支持軸191を連通させることで、ノブアッセンブリ190は、一体的に組み立てられる。
【0099】
支持軸191は、端子ノブ120の幅よりも所定量長く設定されている、支持軸191の両端は、端子ノブ120の左右の側面からそれぞれ所定量突出している。そして、ノブアッセンブリ190は、端子ノブ120から突出した支持軸191の端部により、ケース111に回転自在に支持される。
【0100】
ここで、ロックバネ140は、連結部142と操作端部143との狭角が小さくなる方向に弾性変形した状態で、端子ノブ120、ロックノブ130及び支持軸191に装着される。これにより、ロックバネ140は、その弾性復帰力により、支持軸191を中心にロックノブ130を回動させるように正(+)方向に押圧して付勢すると共に、支持軸191を中心に端子ノブ120を、ロックノブ130の回動方向とは反対方向の負(−)方向に押圧して回動させるように付勢する。
【0101】
第3実施形態の充電台102によれば、例えば下記の効果が奏される。
第3実施形態の充電台102においては、端子ノブ120と、ロックノブ130と、ロックバネ140とは、ノブアッセンブリ190を構成し、一体的にケース111に装着される。このため、組み立て作業が容易となって作業性が向上し、組み立て工数を削減できる。また、端子ノブ120とロックノブ130とが一つの支持軸191によってそれぞれ回動可能に支持されるため、端子ノブ120及びロックノブ130を支持する構成を簡略化することができる。その結果、製造コストを低減できる。
また、ロックバネ140による弾性復元力がロックノブ130及び端子ノブ120に対して効率的に作用する。
【0102】
なお、前述の第3実施形態において、端子ノブ120とロックノブ130とがそれぞれ独立して回動する構成は、例えば、端子ノブ120及びロックノブ130がそれぞれ支持軸191に回動可能に支持された構成でもよく、あるいは、端子ノブ120とロックノブ130のいずれか一方が支持軸191に固定され、いずれか他方が支持軸191に回動可能に支持された構成でもよい。
【0103】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は、上述した各実施形態に制限されるものではない。
例えば、付勢力発生手段としてのロックバネ140は、コイルばねから構成されるものに制限されず、例えば、板ばねから構成することができる。
係止部材の係止部及び被係止部の構成は、互いに係止することができれば、特に制限されない。
【0104】
本発明の置き台としての充電器は、携帯電話機以外の携帯電子機器用の充電器に適用することができる。携帯電話機以外の携帯電子機器としては、例えば、PHS(登録商標:Personal Handy phone System)、ポータブルゲーム機、ポータブルナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートパソコン、操作部を備えるELディスプレイ又は液晶ディスプレイが挙げられる。
本発明は、充電器以外の置き台に適用することができる。
【符号の説明】
【0105】
1 携帯電話機(携帯電子機器)
51 機器側充電端子(被接触端子)
52 被係止部
100,101,102 充電台(置き台)
111 ケース(筐体)
112 底板(筐体)
113 載置部
113A 操作孔(第2開口)
113B ロック孔(第1開口)
113C 端子孔(第3開口)
120 端子ノブ(被押圧部材)
122A バネ係合部(端子部材押圧部)
123 被押圧突起(被押圧部)
124 端子ノブ軸(第2回転軸、第2回転軸形成部材)
130、170 ロックノブ(係止部材)
132、172 係止部
134 ロックノブ軸(第1回転軸、第1回転軸形成部材)
140 ロックバネ(付勢力発生手段)
150 端子バネ(端子部材)
152A 台側充電端子(接触端子)
175 操作アーム部(一体ばね部)
191 支持軸(回転軸形成部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被係止部及び被接触端子を有する携帯電子機器が載置される置き台であって、
前記携帯電子機器が載置される載置部と、
第1開口と、第2開口と、第3開口と、を備える筐体、及び、
前記載置部に載置された状態における前記携帯電子機器の前記被係止部を係止する係止部を有し、前記第1開口を介して前記係止部が前記携帯電子機器に向かって突出する方向に付勢されて構成される係止部材と、
前記載置部に載置された状態における前記携帯電子機器により前記筐体の内部に向けて押圧される被押圧部を有し、前記第2開口を介して前記被押圧部が前記携帯電子機器に向かって突出する方向に付勢されて構成される被押圧部材と、
前記載置部に載置された状態における前記携帯電子機器の被接触端子に接触する接触端子を有し、前記第3開口を介して前記接触端子が前記被接触端子に向って突出可能に構成される端子部材と、
を備え、
前記係止部材及び前記被押圧部材は、同一の付勢力発生手段からの付勢力を受ける置き台。
【請求項2】
前記端子部材は、第3回転軸を中心に回動自在に構成され、
前記被押圧部材は、前記接触端子が前記第3開口から離間するように前記端子部材を押圧する端子部材押圧部を有する請求項1に記載の置き台。
【請求項3】
前記係止部材は、前記係止部から離間した第1回転軸を中心に回動自在に構成され、
前記被押圧部材は、前記被押圧部から離間した第2回転軸を中心に回動自在に構成される請求項1又は2に記載の置き台。
【請求項4】
前記付勢力発生手段は、コイルばねからなり、該コイルばねは、前記係止部材を前記第1回転軸を中心に回動させるように付勢すると共に、前記被押圧部材を前記第2回転軸を中心に前記係止部材の回動方向とは反対方向に回動させるように付勢する請求項3に記載の置き台。
【請求項5】
前記第1回転軸は、第1回転軸形成部材から形成され、
前記第2回転軸は、前記第1回転軸形成部材とは別体の第2回転軸形成部材から形成される請求項3又は4に記載の置き台。
【請求項6】
前記付勢力発生手段は、前記係止部材と一体的に形成された一体ばね部から構成される請求項1から3のいずれかに記載の置き台。
【請求項7】
前記第1回転軸及び前記第2回転軸は、一体的な回転軸形成部材から形成される請求項3又は4に記載の置き台。
【請求項8】
前記接触端子は、充電用の端子である請求項1から7のいずれかに記載の置き台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−166436(P2010−166436A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8166(P2009−8166)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】