説明

置換ビシクロラクタム化合物

本発明は、R、R、R、R、R5a、R5b、R5c、R5d、Q、A、Z、およびRが、本明細書に記載されている通りである式(1)の化合物、および薬学的に許容できるそれらの塩、それらの組成物、ならびにそれらの使用を提供する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換ビシクロラクタム誘導体、それらの医薬製剤、およびそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
肥満症は、除脂肪量に対する体脂肪量の過剰であり、現代社会において高度に蔓延している慢性疾患である。肥満症は、寿命の減少ならびに有害な心理学的発達、冠状動脈疾患、高血圧症、脳卒中、2型糖尿病、高脂血症、および一部の癌を包含する多くの医学的問題に関係している。肥満症の目印となる特徴は、トリアシルグリセロールの蓄積に大きく起因している白色脂肪組織(WAT)量の増加である。WAT量のこの増加は、肥満症関連合併症の重要な誘因である。
【0003】
ジアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ1(DGAT−1)は、トリアシルグリセロール生合成の最終段階を触媒する膜結合型酵素である。DGAT−1は、腸および脂肪組織において発現される。DGAT−1ヌルマウスは、野生型同腹仔とは対照的に、高脂肪食をチャレンジされた場合に肥満にならないことが見いだされている(Smith、ら、Nature Genetics 25:87 90、2000)。DGAT−1ヌルマウスは、食後血漿グルコースレベルの低下を示し、エネルギー消費の増加を示すが、正常レベルの血清トリグリセリドを有する。
【0004】
DGAT−1ヌルマウスの表現型は、食餌誘発性肥満(DIO)マウスにおけるDGAT−1阻害剤についての我々の研究の結果と同様に、そのようなマウスが、食餌誘発性肥満症に対して抵抗性であり、上昇したインスリンおよびレプチン感受性を有することを示している。これらの効果は、in vivoでのDGATの阻害が、肥満症ばかりでなく糖尿病についても新規な治療標的であることを示唆している(Subauste A、Burant CF、Curr Drug Targets Immune Endocr Metabol Disord.2003 Dec;3(4):263〜70)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、当技術分野において、例えば、肥満症、2型糖尿病およびインスリン抵抗症候群などの代謝性障害治療への有効性を有するDGAT−1阻害剤の必要性が存在する。さらに、当技術分野において、約1000nM未満、好ましくは、100nM未満のIC50値を有するDGAT−1阻害剤の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、式(1)
【0007】
【化1】

の構造を有する化合物もしくはそれらの互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩に関し、式中、
は、H −(C〜C)アルキル、−(C〜C)ペルフルオロアルキル、−(C〜C)ペルフルオロアルコキシ、または−(C〜C)アルコキシであり、
およびRは、別々に、独立して、H、−(C〜C)アルキル、または−(C〜C)ペルフルオロアルキルであるか、
およびRは、それらが接続している炭素と一緒になって、−(C〜C)シクロアルキルであり、
は、Hまたは−(C〜C)アルキルであり、
5a、R5b、R5cおよびR5dは、各々独立して、H、F、Cl、Br、−(C〜C)アルキル、−OHまたは−O−(C〜C)アルキルであり、
Qは、−O−または結合であり、
Aは、−(C〜C)シクロアルキレン基、−(C〜C)シクロアルケニレン基またはフェニレンであり、
Zは、−C(R6a)(R6b)−または結合(R6aおよびR6bは、各々独立して、−Hまたは−(C〜C)アルキルであるか、R6aおよびR6bは、それらが接続している炭素と一緒になって、−(C〜C)シクロアルキルである)であり、
は、C(O)R、シアノ、ヒドロキシル、−(C〜C)アルコキシ、−(C〜C)ペルフルオロアルコキシまたはカルボン酸模倣体であり、
は、−ORまたはNHR10であり、
は、−H、−(C〜C)アルキル、または−(C〜C)ペルフルオロアルキルであり、
10は、−H、−(C〜C)アルキル、テトラゾリルまたはS(O)CFである。
【0008】
本発明は、本発明の化合物、または薬学的に許容できる化合物の塩、および薬学的に許容できる担体、ビヒクル、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物にも関する。
【0009】
本発明は、さらに、2型糖尿病、インスリン抵抗症候群または肥満症を治療する方法であって、そのような治療を必要としている哺乳動物に、治療有効量の本発明の化合物、または薬学的に許容できる化合物の塩を投与することを含む方法に関する。
【0010】
本発明は、さらに、哺乳動物においてDGAT−1を阻害する方法であって、前記哺乳動物に、阻害量の本発明の化合物、または薬学的に許容できる前記化合物の塩を投与することを含む方法に関する。
【0011】
本発明の化合物、塩、および医薬組成物は、肥満症、2型糖尿病およびインスリン抵抗症候群を治療するのに有用である。
【0012】
本発明の化合物、塩、および医薬組成物は、耐糖能異常、高血糖症、糖白内障、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症および糖尿病性心筋症などの糖尿病性合併症、拒食症、過食症、悪液質、高尿酸血症、高インスリン血症、高コレステロール血症、高脂血症、脂質異常症、混合型脂質異常症、高トリグリセリド血症、非アルコール性脂肪肝疾患、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、急性心不全、うっ血性心不全、冠状動脈疾患、心筋症、心筋梗塞、狭心症、高血圧症、低血圧症、脳卒中、虚血、虚血性再灌流傷害、動脈瘤、再狭窄、血管狭窄症、固形腫瘍、皮膚癌、黒色腫、リンパ腫、乳癌、肺癌、結腸直腸癌、胃癌、食道癌、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌、肝臓癌、膀胱癌、子宮頸癌、子宮癌、睾丸癌および卵巣癌を治療するのにも有用である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明について記載するために使用される用語は、本明細書において下記の意味を有する。
【0014】
本発明の化合物および中間体は、IUPAC(International Union for Pure and Applied Chemistry)またはCAS(Chemical Abstracts Service)命名システムに従って名前を付けることができる。
【0015】
本明細書における様々な炭化水素含有部分の炭素原子含有量は、その部分における炭素原子の最小数および最大数を指定する接頭辞により指示することができ、例えば、接頭辞(C〜C)アルキル、およびCa〜bアルキルは、整数「a」〜「b」個の炭素原子のアルキル部分を示す。したがって、例えば、(C〜C)アルキルおよびC1〜6アルキルは、1〜6個の炭素原子のアルキル基を指す。
【0016】
記号「−」は、共有結合を表す。
【0017】
「アルキル」という用語は、炭素原子の脂肪族鎖の直鎖または分岐鎖一価ラジカルを示す。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチルなどを包含する。
【0018】
「アルコキシ」という用語は、コア構造に接続している酸素原子と結合している炭素原子の飽和脂肪族鎖の直鎖または分岐鎖の一価ラジカルを指す。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシおよびiso−プロポキシを包含する。
【0019】
「カルボン酸模倣体」という用語は、「The Practice of Medicinal Chemistry」、Wermuth C.G.編;Academic Press;New York、1996、p203に記載されているようなカルボン酸基の模倣体または生物学的等価体を指す。適当なカルボン酸模倣体の例は、−SOH、−CHS(O)、−C(O)NHS(O)、−C(O)NHOH、−C(O)NHCN、−C(O)NHR、−CH(CF)OH、−C(CFOH、−P(O)(OH)、1,2,5−チアジアゾール−3−オール−4−イル、1H−テトラゾール−5−イル、1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル、1H−ピラゾール−5−オール−3−イル、イソオキサゾール−5−オール−3−イル、イソオキサゾール−3−オール−5−イル、チアゾリジン−2,4−ジオン−5−イル、イミダゾリジン−2,4−ジオン−5−イル、1H−ピロール−2,5−ジオン−3−イル、1H−イミダゾール−2−オール−5−イル、ジヒドロピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン−6−イル、イミダゾリジン−2,4−ジオン−1−イル、1H−イミダゾール−5−オール−2−イル、1H−ピラゾール−3−オール−1−イル、1H−ピラゾール−3−オール−4−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−オール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−オール−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−オール−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−オール−−5−イル、オキサゾール−2−オール−4−イル、チアゾール−2−オール−4−イル、チアゾール−4−オール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−オール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−オール−3−イル、1,1−ジ−オキソ−1,2,5−チアジアゾリジン−3−オン−2−イル、1,1−ジ−オキソ−1,2,5−チアジアゾリジン−3−オン−5−イル、イソチアゾール−3−オール−5−イル、2H−1,2,3−トリアゾール−4−オール−2−イル、1H−1,2,3−トリアゾール−4−オール−1−イル、1H−イミダゾール−2,4−ジオール−5−イル、1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,2,4−チアジアゾール−5−オール−3−イル、チアゾール−2,4−ジオール−5−イル、オキサゾール−2,4−ジオール−5−イル、3,4−ジヒドロキシフラン−2(5H)−オン−5−イル、および5−ヒドロキシ−1,2,4−チアジアゾール−3(2H)−オン−2−イルを包含するが、これらに限定されるものではない。
【0020】
は、本明細書において使用されるように、−H、−(C〜C)アルキルまたは−(C〜C)シクロアルキルである。
【0021】
「シクロアルキル」という用語は、非芳香族の単環式炭素環式ラジカルを示す。シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを包含する。シクロアルキル基は、ベンゼンなどの芳香族炭化水素と縮合してインダニルなどの縮合シクロアルキル基を形成していてもよい。
【0022】
「シクロアルキレン」という用語は、飽和、または部分飽和の単環式、二環式または三環式炭素環式二価ラジカルを示す。シクロアルキレン基の例は、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘキセン−ジ−イル オクタヒドロペンタレン−ジ−イルおよびトリシクロオクチレン−ジ−イルを包含する。シクロアルキレン基は、ベンゼンなどの芳香族炭化水素と縮合してインダニレンなどの縮合シクロアルキレン基を形成していてもよい。
【0023】
「ペルフルオロアルキル」という用語は、本明細書において、各水素がフルオロで置換されている一価アルキルラジカルと定義される。ペルフルオロアルキル基の例は、トリフルオロメチル、ペルフルオロエチルなどを包含するが、これらに限定されるものではない。
【0024】
「ペルフルオロアルコキシ」という用語は、本明細書において、各水素がフルオロで置換されているアルコキシ基と定義される。ペルフルオロアルコキシ基の例は、トリフルオロメトキシ、ペルフルオロエトキシなどを包含するが、これらに限定されるものではない。
【0025】
「ラジカル」という用語は、化学反応において単一の反応剤として挙動する一群の原子を示し、例えば、有機ラジカルは、それを含有する化合物に特徴的な特性を付与するか、一連の反応、または変換の間に不変のままである一群の原子である。
【0026】
「置換された」という用語は、分子上の水素が、異なる原子または分子で置き換えられていることを意味する。水素原子に置き換わる原子または分子は、「置換基」と呼ばれる。
【0027】
「互変異性体」という用語は、互変異性化と呼ばれる化学反応により相互変換可能である有機化合物を指す。通常、反応は、単結合および隣接二重結合の切り換えを伴う、水素原子またはプロトンの移動を含む。
【0028】
本明細書において用いられるような「治療すること」、「治療された」、または「治療」という用語は、肥満症、インスリン抵抗症候群、2型糖尿病などの疾患、または糖尿病性合併症などの疾患関連状態を予防すること(例えば、予防)、緩和すること、進行を遅らせることおよび治癒することを包含する。
【0029】
「治療有効量」という語句は、(i)特定の疾患、状態、または障害を治療もしくは予防する、(ii)特定の疾患、状態、または障害の1つまたは複数の症状を軽減、改善、もしくは除去する、または(iii)本明細書に記載されている特定の疾患、状態、または障害の1つまたは複数の症状の発現を予防もしくは遅らせる、本発明の化合物の量を意味する。「薬学的に許容できる」という語句は、指定された担体、ビヒクル、希釈剤、1つまたは複数の賦形剤、および/または塩が、一般的に、製剤を構成する他の成分と化学的および/または物理学的に適合し、そのレシピエントと生理学的に適合していることを示している。
【0030】
「哺乳動物」という用語は、分類学的な哺乳綱のメンバーである個々の動物に関する。哺乳動物の例は、ヒト、イヌ、ネコ、ウマおよびウシを包含するが、これらに限定されるものではない。本発明において、好ましい哺乳動物は、ヒト、イヌおよびネコである。哺乳動物は、ヒトであることがより好ましい。
【0031】
本明細書において使用されるような「関連塩」という用語は、薬学的に許容できる本発明の化合物の塩を意味する。
【0032】
本発明において、式(1)の化合物にとって、もしくはその互変異性体にとって、または前記化合物もしくは互変異性体の塩にとって、(a)R、R、RおよびRは、各々独立して、Hまたは−CHであり、(b)R5bおよびR5cは、各々Hであり、(c)R5dは、H、FまたはClであり、(d)R5aは、H、F、Clまたはメチルであり、(e)Zは、−CH−または結合であり、(f)Rは、C(O)Rまたはシアノであることが好ましい。
【0033】
Qは、結合であり、Aは、−(C〜C10)シクロアルキレン基または−(C〜C10)シクロアルケニレン基であることがより好ましい。R、R、RおよびRは、各々独立して、Hまたは−CHであり、R5bおよびR5cは、各々Hであり、R5dは、H、FまたはClであり、R5aは、H、F、Clまたはメチルであり、Zは、−CH−または結合であり、Rは、C(O)Rまたはシアノである。
【0034】
5dは、Hであり、Qは、結合であり、Aは、−(C〜C10)シクロアルキレン基または−(C〜C10)シクロアルケニレン基であり、R、R、RおよびRは、各々独立して、Hまたは−CHであり、R5bおよびR5cは、各々Hであり、R5aは、H、F、Clまたはメチルであり、Zは、−CH−または結合であり、Rは、C(O)Rまたはシアノであることがさらにより好ましい。
【0035】
Aは、1,4−シクロヘキシレン、シクロヘキス−3−エン−1,4−ジ−イル、トリシクロ[3.2.1.0〜2,4〜]オクチレン−1,3−ジ−イルまたはオクタヒドロペンタレン−1,4−ジ−イルであり、R5dは、Hであり、Qは、結合であり、R、R、RおよびRは、各々独立して、Hまたは−CHであり、R5bおよびR5cは、各々Hであり、R5aは、H、F、Clまたはメチルであり、Zは、−CH−または結合であり、Rは、C(O)Rまたはシアノであることがさらにより好ましい。
【0036】
式(1)の化合物、それらの互変異性体、および化合物または互変異性体の塩は、式(2)
【0037】
【化2】

の構造を有する化合物もしくはそれらの互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩(式中、Rは、Hまたは−CHであり、Rは、Hまたは−CHであり、Rは、Hまたは−CHであり、Rは、Hまたは−CHであり、R5aは、H、F、Clまたはメチルであり、Zは、−C(R6a)(R6b)−または結合(R6aおよびR6bは、各々独立して、−Hまたは−(C〜C)アルキルであるか、R6aおよびR6bは、それらが接続している炭素と一緒になって、−(C〜C)シクロアルキルである)であり、Rは、C(O)R、シアノ、ヒドロキシル、−(C〜C)アルコキシ、−(C〜C)−ペルフルオロアルコキシまたはカルボン酸模倣体であり、Rは、−ORまたはNHR10であり、Rは、−H、−(C〜C)アルキル、または−(C〜C)ペルフルオロアルキルであり、R10は、−H、−(C〜C)アルキル、テトラゾリルまたはS(O)CFである)を包含することが最も好ましい。Zは、−CH−であることが好ましい。
【0038】
本発明において、式(2)の化合物にとって、もしくはそれらの互変異性体にとって、または前記化合物もしくは互変異性体の塩にとって、Zは、−CH−であることが好ましい。
【0039】
式(2)の化合物、もしくはそれらの互変異性体、または前記化合物もしくは互変異性体の塩の1つの好ましい実施形態において、Zは、−CH−であり、Rは、−C(O)NHR10である。
【0040】
式(2)の化合物、もしくはそれらの互変異性体、または前記化合物もしくは互変異性体の塩の第二の好ましい実施形態において、Zは、−CH−であり、Rは、−CNである。この実施形態の好ましい化合物は、{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}アセトニトリル、もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは互変異性体の塩である。
【0041】
式(2)の化合物、もしくはそれらの互変異性体、または前記化合物もしくは互変異性体の塩の第三の好ましい実施形態において、Zは、−CH−であり、Rは、−C(O)OHである。この実施形態の1つの好ましい化合物は、2−(4−(4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−2−フルオロフェニル)シクロヘキシル)酢酸、もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは互変異性体の塩である。この実施形態の別の好ましい化合物は、{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸、もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは互変異性体の塩である。
【0042】
式(2)の化合物、もしくはそれらの互変異性体、または前記化合物もしくは互変異性体の塩の第四の好ましい実施形態において、Zは、−CH−であり、Rは、(R)−メチルである。この実施形態について、Rは、−C(O)NHR10、−CN、または−C(O)OHであることがより好ましい。この実施形態の好ましい化合物は、(トランス−4−{4−[(8R)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)アセトニトリル、もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは互変異性体の塩である。この実施形態の別の好ましい化合物は、(トランス−4−{4−[(8R)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド−[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)酢酸、もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは互変異性体の塩である。この実施形態のさらに別の好ましい化合物は、(R)−2−(4−(4−(4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロ−ピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−2−フルオロフェニル)シクロヘキシル)酢酸、もしくはその互変異性体、または前記化合物もしくは互変異性体の塩である。
【0043】
式(I)の化合物が、アルケニルまたはアルケニレン基を含有する場合、幾何的なシス/トランス(すなわちZ/E)異性体が可能である。シス/トランス異性体は、当業者によく知られている従来の技法、例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶により分離することができる。
【0044】
本発明の化合物が、1つまたは複数の立体中心を含有している場合、前記化合物は、当業者に知られている方法により、例えば、例えば結晶化により分離することができるステレオ異性の塩の形成;例えば、結晶化、ガス−液体もしくは液体クロマトグラフィーにより分離することができるステレオ異性の誘導体もしくは複合体の形成;1つの鏡像異性体と鏡像異性体特異的試薬との選択的反応、例えば酵素的エステル化;または、例えば、結合しているキラルなリガンドを持つ例えばシリカなどのキラルな支持体上のもしくはキラルな溶媒の存在下での、キラルな環境におけるガス−液体もしくは液体クロマトグラフィーにより、純粋な鏡像異性体に分割することができる。望ましい立体異性体が、上記に記載されている分離手順のうちの1つにより別の化学物質に変換される場合に、望ましい鏡像異性形態を遊離するにはさらにステップが必要とされることが理解されるはずである。代替方法として、具体的な立体異性体は、光学活性な出発材料を使用することにより、光学活性な試薬、基質、触媒もしくは溶媒を使用する不斉合成により、または不斉変換により1つの立体異性体を他の立体異性体に変換することにより合成することができる。
【0045】
式(1)の特定の化合物は、分離可能なことがある異なる安定な立体配座形態で存在することがある。不斉単結合の周りの束縛回転に起因するねじれ不斉は、例えば、立体障害または環ひずみのために、異なるコンフォーマーの分離を可能にすることがある。本発明の化合物は、式(1)の化合物の各立体配座異性体およびそれらの混合物をさらに包含する。
【0046】
その結果、単一の化合物が、2種以上のタイプの異性を示すことがある。2種以上のタイプの異性を示す化合物を包含する、式(I)の化合物のすべての立体異性体、幾何異性体および互変異性形態、ならびにそれらの1つまたは複数の混合物は、本発明の特許請求の範囲に記載されている化合物の範囲内に包含される。対イオンが、光学活性の、例えば、D−ラクテートまたはL−リシン、またはラセミの、例えば、DL−タルトレートまたはDL−アルギニンである酸付加または塩基塩も包含される。
【0047】
本発明の化合物、およびそれらの塩は、非溶媒和形態ならびに水、エタノールなどの薬学的に許容できる溶媒との溶媒和形態で存在することがある。「溶媒和物」という用語は、本明細書において、本発明の化合物および1種または複数の薬学的に許容できる溶媒分子、例えば、エタノールを含む分子複合体について記載するために使用される。「水和物」という用語は、前記溶媒が水である場合に用いられる。
【0048】
薬学的に許容できる溶媒和物は、水和物および結晶化の溶媒が、同位体置換された、例えば、DO、d−アセトン、d−DMSOであってもよい他の溶媒和物を包含する。本発明の化合物は、クラスレートまたは他の錯体として存在することがある。
【0049】
式(1)の特定の化合物およびそれらの塩および溶媒和物は、2種以上の結晶形態で存在することがある。式(1)により表される化合物の多形体は、本発明の一部を形成し、例えば、再結晶のための異なる溶媒または異なる溶媒混合物;異なる温度における結晶化;結晶化の間の極めて速い冷却から極めて遅い冷却に及ぶ様々な冷却様式を使用し、異なる条件下で式(1)の化合物を結晶化することにより調製することができる。多形体は、式(1)の化合物を加熱または融解し、続いて、徐々にまたは急速に冷却することにより得ることもできる。多形体の存在は、固体プローブNMR分光法、IR分光法、示差走査熱量測定法、粉末X線回折またはそのような他の技法により決定することができる。
【0050】
本発明は、1個または複数の原子が、天然において通常見いだされる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子により置き換えられているという事実を除いて、式(2)により記載されているものと同一である同位体標識化合物も包含する。本発明の化合物に組み入れることができる同位体の例は、それぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、36Cl、125I、129I、および18Fなどの水素、炭素、窒素、酸素、硫黄およびフッ素の同位体を包含する。上述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物、および薬学的に許容できる化合物の塩は、本発明の範囲内にある。本発明の特定の同位体標識化合物、例えば、Hおよび14Cなどの放射性同位元素が組み入れられたものは、薬物および/または基質の組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化した(すなわち、H)、および炭素−14(すなわち、14C)、同位体は、それらを調製する容易さおよび検出能のために特に好ましい。さらに、重水素(すなわち、H)などのより重い同位体による置換は、より大きい代謝安定性に由来する特定の治療上の利点、例えば、in vivo半減期の増加または用量要件の軽減を提供することがあるため、一部の環境において好ましいことがある。本発明の式(2)の同位体標識化合物、およびそれらの塩は、一般的に、非同位体標識試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識試薬を用いることにより、下のスキームおよび/または実施例で開示されている手順を行うことにより調製することができる。
【0051】
薬学的に許容できる塩は、本発明の化合物に関連して本明細書において使用されるように、薬学的に許容できる前記化合物の無機および有機塩を包含する。これらの塩は、化合物の最終単離および精製中にin situで、または化合物またはそのプロドラッグを、適当な有機または無機酸と別々に反応させ、そのようにして形成される塩を単離することにより調製することができる。代表的な塩は、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩、ジメシル酸塩、ジリン酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、臭化物、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプテート、ヘミフマル酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、およびトリフルオロ酢酸塩を包含するが、これらに限定されるものではない。
【0052】
これらは、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリまたはアルカリ土類金属に基づく陽イオン、ならびにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミンなどを包含するがこれらに限定されない非毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、およびアミン陽イオンも包含することがある。追加例については、例えば、Berge、ら、J.Pharm.Sci.、66、1〜19(1977)ならびにStahlおよびWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」(Wiley−VCH、Weinheim、Germany、2002)を参照されたい。
【0053】
本発明の化合物は、そのままでまたはそれらの薬学的に許容できる塩の形態で単離および使用することができる。本発明によれば、複数の塩基性窒素原子を持つ化合物は、様々な当量(「eq.」)数の酸と塩を形成することができる。すべてのそのような塩は、本発明の範囲内にあることが当業者により理解されるであろう。
【0054】
本発明は、さらに、式(1)の化合物のプロドラッグを包含する。式(1)の化合物のプロドラッグは、アミノ、ヒドロキシまたはカルボキシ基などの化合物の官能基について従来の方法で形成されるものであってもよい。「プロドラッグ」という用語は、in vivoで変換されて式(1)の化合物または薬学的に許容できる化合物の塩を与える化合物を意味する。変換は、血液中の加水分解を介するなどの様々な機構により起きることがある。プロドラッグの使用についての議論は、T.HiguchiおよびW.Stella、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、A.C.S.Symposium Seriesの第14巻により、およびBioreversible Carriers in Drug Design、編Edward B.Roche、American Pharmaceutical AssociationおよびPergamon Press、1987中に提供される。
【0055】
例えば、本発明の化合物はすべて、アミン官能基を組み入れることから、プロドラッグは、アミン基中の水素原子を、R−カルボニル、RO−カルボニル、NRR’−カルボニル(RおよびR’は、各々独立して、(C〜C10)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、ベンジルであるか、R−カルボニルは、天然α−アミノアシルまたは天然α−アミノアシル−天然α−アミノアシルである)、−C(OH)C(O)OY’(Y’は、H、(C〜C)アルキルまたはベンジルである)、−C(OY)Y(Yは、(C〜C)アルキルであり、Yは、(C〜C)アルキルである)、カルボキシ(C〜C)アルキル、アミノ(C〜C)アルキルまたはモノ−N−もしくはジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノアルキル、−C(Y)Y(Yは、Hまたはメチルであり、Yは、モノ−N−もしくはジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノ、モルホリノ、ピペリジン−1−イルまたはピロリジン−1−イルである)などの基で置き換えることにより形成することができる。
【0056】
同様に、本発明の化合物が、アルコール官能基を含有する場合、プロドラッグは、アルコール基の水素原子を、(C〜C)アルカノイルオキシ−メチル、1−((C〜C)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C〜C)アルカノイルオキシ)エチル、(C〜C)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C〜C)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C〜C)アルカノイル、α−アミノ(C〜C)アルカノイル、アリールアシルおよびα−アミノアシル、またはα−アミノアシル−α−アミノアシル(各α−アミノアシル基は、独立して、天然に存在するL−アミノ酸から選択される)、P(O)(OH)、−P(O)(O)(C〜C)アルキル)またはグリコシル(炭水化物のヘミアセタール形態のヒドロキシル基の除去により生じるラジカル)などの基で置き換えることにより形成することができる。
【0057】
本発明の化合物が、カルボン酸官能基を含有する場合、プロドラッグは、酸性基中の水素原子を、(C〜C)アルキル、(C〜C12)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニル−オキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)−エチル、3〜9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、γ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル(β−ジメチルアミノエチルなど)、カルバモイル−(C〜C)アルキル、N,N−ジ(C〜C)アルキルカルバモイル−(C〜C)アルキルおよびピペリジノ−、ピロリジノ−またはモルホリノ(C〜C)アルキルなどの基で置き換えることにより形成されるエステルを含むことができる。
【0058】
合成
一般に、本発明の式(1)の化合物は、特に本明細書に含有される説明を踏まえて、化学技術において知られているプロセスを包含する方法により調製することができる。本発明の式(1)の化合物を製造するための特定のプロセスは、下記の反応スキームにより例示される。他のプロセスは、実験の項に記載される。スキームおよび実施例に記載されている反応のための出発化合物の一部は、本明細書に例示されているように調製される。
【0059】
以下のスキーム1、3および4において、式(1)の化合物を調製するための一般化された方法が描かれている。
【0060】
【化3】

【0061】
スキーム1において、アリールハライド/スルホネート1−1は、市販の出発材料から始め、当業者に知られている一般的合成技法を使用して調製することができる。Xが、ハライドまたはOSORである1−1などの中間体を調製するための付加的サポートは、その教示がそれらの全体として参照により本明細書に組み込まれている2007年7月17日に発行された米国特許第7,244,727号で提供される。化合物1−2は、C.Palomoら、Synthesis of β−Lactam Scaffolds for Ditopic Peptidomimetics、Organic Letters(2007)、9(1)、101〜104頁の方法により調製した。化合物1−1および1−2を、パラジウムまたは銅などの金属触媒を使用してカップリングさせ、化合物1−3を形成させることができる。より具体的に、1−1および1−2を、約15〜20時間にわたって窒素下で、炭酸セシウム、酢酸パラジウムおよび2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(X−PHOS)と一緒に、トルエンなどの溶媒中で80℃〜130℃の温度まで加熱し、化合物1−3を形成させる。
【0062】
化合物1−3を、当業者に知られている条件および試薬を使用して(トリエチルアミンまたはピリジンなどの穏和な塩基を利用して)1−4でアシル化すると、化合物1−5が得られる。化合物1−4は、Tarasov,Evgeniy V.;Henckens,Anja;Ceulemans,Erik;Dehaen,Wim.A short total synthesis of cerpegin by intramolecular hetero Diels−Alder cycloaddition reaction of an acetylene tethered pyrimidine.Synlett(2000)、(5)、625〜626の方法により調製する。化合物1−5中に存在する保護基(Pg)は、Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis、第4版、編、P.G.M WutsおよびT.W.Greene、Wiley−Interscienceで参照されている条件を利用して当業者により除去され、化合物1−6を得ることができる。Pg=t−ブチルジメチル−シリルの場合、脱保護は、酸性およびフッ化物ベースの条件を包含する一連の条件により行うことができる。Pgが、t−ブチルジメチルシリルである場合の好ましい条件は、2〜10時間にわたる周囲温度におけるメタノール中の希釈水性塩酸である。化合物1−7を得るための化合物1−6の環化は、20℃〜120℃にて非プロトン性溶媒中、塩基としての有機(例えば、トリエチルアミン)および無機(例えば、炭酸カリウム)を包含する広範囲な塩基性条件を利用して行い、環状ラクタム構造1−7を得ることができる。この環化のための好ましい条件は、4〜16時間にわたる40℃〜120℃におけるアセトニトリル中のトリエチルアミンである。化合物1−7のアミノ化は、4〜20時間にわたる0℃〜100℃における一連の非プロトン性またはプロトン性溶媒中のアンモニアで行うことができる。好ましい条件は、4〜24時間にわたる周囲温度におけるp−ジオキサン中のアンモニアである。
【0063】
カルボン酸エステル官能基を含有する式(1)の化合物は、当技術分野において知られているような塩基または酸触媒加水分解条件を利用して対応するカルボン酸に加水分解することができる。加水分解の好ましい方法は、1〜10時間にわたって20℃〜100℃にて有機溶媒中の水性水酸化リチウムで化合物(1)を処理することである。
【0064】
【化4】

【0065】
化合物1Bは、化合物1Aとアンモニアの間のペプチドカップリング反応を介して形成させることができる。化合物1Bを使用して、アミド脱水により化合物1Cを形成させることができる。脱水は、アミドを、SOCl、POCl、PCl、p−TosCl/ピリジン、TfO/ピリジンで、または有機もしくは無機塩基との組合せのフィルスマイヤー試薬で処理することにより行うことができる。フィルスマイヤー試薬は、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、またはジエチルエーテル中でジメチルホルムアミド(DMF)を塩化オキサリルと反応させることにより調製することができる。一般手順において、フィルスマイヤー試薬は、例えば、0℃〜室温の温度にて、望ましい溶媒中で形成される。形成は、通常、5〜15分の間に終了するであろう。好ましい実施形態において、望ましい溶媒中のアミドの溶液を、0℃〜室温の温度にてフィルスマイヤー試薬に滴加する。添加は、通常、10〜20分の間に終了するであろう。ニトリルの形成については、2当量の塩基を添加する。有機塩基、例えば、ピリジンまたはトリエチルアミン(TEA)が使用されることが好ましい。無機塩基が有効であることもある。
【0066】
【化5】

【0067】
スキーム2において、スキーム1の化合物1−1の等価体であるケトン(2−5)(mおよびnは、各々独立して、1、2または3である)は、Zang,Y.;Schuster,G.、J.Org.Chem.1994、59、1855〜62の手順を利用して調製することができる。モノ保護ジオン(2−2)は、Alonso,F.;ら、Tetrahedron、1995、51(37)、10259〜80、Crich,D.;Fortt,S. Tetrahedron、1989、45(20)、6581〜98、またはLee,S.;Fuchs,P.;J.Amer.Chem.Soc.、2002、124、13978〜9の手順を使用して調製することができる。
【0068】
【化6】

【0069】
スキーム3において、化合物1−5、およびその類似体は、下記の調製4に記載されているように当技術分野において知られている方法を介して化合物3−1および3−2から調製することができる。
【0070】
【化7】

【0071】
スキーム3Aにおいて、化合物3−1、およびその類似体は、下記の調製4Aに記載されているように当技術分野において知られている方法を介して化合物3A−1および3A−6から調製することができる。
【0072】
代替方法として、スキーム4において、式(1)の化合物は、当技術分野において知られている方法を介して、上のスキーム3の方法により調製される化合物4−7から調製することもできる。
【0073】
【化8】

【0074】
本発明の医薬組成物は、治療有効量の式(1)の化合物または薬学的に許容できるその塩、および薬学的に許容できる担体、ビヒクル、希釈剤または賦形剤を含む。本発明の好ましい医薬組成物は、治療有効量の式(2)の化合物、または薬学的に許容できるその塩、および薬学的に許容できる担体、ビヒクル、希釈剤または賦形剤を含む。医薬組成物は、{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}−アセトニトリルもしくは薬学的に許容できるその塩、2−(4−(4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−2−フルオロフェニル)−シクロヘキシル)酢酸もしくは薬学的に許容できるその塩、{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]−シクロヘキシル}酢酸もしくは薬学的に許容できるその塩、(トランス−4−{4−[(8R)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)アセトニトリルもしくは薬学的に許容できるその塩、(トランス−4−{4−[(8R)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f]−[1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)酢酸もしくは薬学的に許容できるその塩、または(R)−2−(4−(4−(4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロ−ピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−2−フルオロフェニル)−シクロヘキシル)酢酸もしくは薬学的に許容できるその塩、および薬学的に許容できる担体、ビヒクル、希釈剤または賦形剤を含有することがよりさらに好ましい。
【0075】
次いで、本発明の化合物と薬学的に許容できる担体、ビヒクルまたは希釈剤を混ぜ合わせることにより形成される医薬組成物は、錠剤、散剤、ロゼンジ剤、シロップ剤、注射用液剤などの様々な剤形で容易に投与される。これらの医薬組成物は、望ましい場合、矯味剤、結合剤、賦形剤などの追加の成分を含有することができる。
【0076】
したがって、経口投与の目的で、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウムおよび/またはリン酸カルシウムなどの様々な賦形剤を含有する錠剤を、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチンおよび/またはアカシアなどの結合剤と一緒に、デンプン、アルギン酸および/または特定の複合ケイ酸塩などの様々な崩壊剤と一緒に用いることができる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクなどの滑沢剤は、錠剤化の目的に有用であることが多い。類似のタイプの固体組成物も、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として用いることができる。このための好ましい材料は、ラクトースすなわち乳糖および高分子量ポリエチレングリコールを包含する。水性懸濁剤および/またはエリキシル剤が経口投与にとって望ましい場合、その中の活性な薬剤を、様々な甘味剤もしくは矯味剤、有色物質もしくは染料、および、望ましい場合に、乳化剤もしくは懸濁化剤と、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよび/またはそれらの組合せなどの希釈剤と一緒に混ぜ合わせることができる。
【0077】
非経口投与については、ゴマもしくはピーナッツ油、水性プロピレングリコール中の、または滅菌水溶液中の本発明の化合物または組成物の液剤を用いることができる。そのような水溶液は、必要な場合、適切に緩衝されるべきであり、液体希釈剤は、まず初めに十分な食塩水またはグルコースで等張にされる。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内投与に特に適している。これに関して、用いられる滅菌水性媒体はすべて、当業者に知られている標準的技法により容易に入手可能である。
【0078】
鼻腔内投与または吸入による投与については、本発明の化合物または組成物は、患者により圧搾または排出されるポンプスプレー容器からの溶液もしくは懸濁液の形態で、または適当な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適当なガスを使用する加圧容器またはネブライザーからのエアゾールスプレー提供物として好都合に送達される。加圧エアゾールの場合、用量単位は、一定量を送達するためのバルブを提供することにより決定することができる。加圧容器またはネブライザーは、本発明の化合物の溶液または懸濁液を含有することができる。
【0079】
本発明の1種または複数の化合物およびラクトースまたはデンプンなどの適当な粉末基剤の粉末ミックスを含有する、インヘイラーまたはインサフレーターにおいて使用するためのカプセル剤およびカートリッジ剤(例えば、ゼラチン製)を製剤化することができる。
【0080】
特定量の活性成分を含む様々な医薬組成物を調製する方法は、当業者に知られているか、当業者には本開示に照らして明らかであろう。医薬組成物を調製する方法の例については、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、第19版(1995)を参照されたい。
【0081】
別の態様において、本発明は、治療有効量の式(1)の第一の化合物、または薬学的に許容できる化合物の塩;インスリンおよびインスリン類似体;インスリノトロピン(insulinotropin);ビグアナイド;α−拮抗薬およびイミダゾリン;グリタゾン;アルドースレダクターゼ阻害剤;グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤;ソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤;脂肪酸酸化阻害剤;α−グルコシダーゼ阻害剤;β−作動薬;ホスホジエステラーゼ阻害剤;脂質低下剤;抗肥満剤;バナデートおよびバナジウム錯体ならびにペルオキソバナジウム錯体;アミリン拮抗薬;グルカゴン拮抗薬;成長ホルモン分泌促進物質;グルコース新生阻害剤;ソマトスタチン類似体;抗脂肪分解剤から選択される抗糖尿病剤;抗糖尿病剤のプロドラッグ、または薬学的に許容できる抗糖尿病剤およびプロドラッグの塩である第二の化合物を含む医薬組成物を対象とする。
【0082】
別の態様において、本発明は、式(1)の化合物、または薬学的に許容できる化合物の塩を含む第一の剤形;ならびにインスリンおよびインスリン類似体;インスリノトロピン;ビグアナイド;α−拮抗薬およびイミダゾリン;グリタゾン;アルドースレダクターゼ阻害剤;グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤;ソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤;脂肪酸酸化阻害剤;α−グルコシダーゼ阻害剤;β−作動薬;ホスホジエステラーゼ阻害剤;脂質低下剤;抗肥満剤;バナデートおよびバナジウム錯体ならびにペルオキソバナジウム錯体;アミリン拮抗薬;グルカゴン拮抗薬;成長ホルモン分泌促進物質;グルコース新生阻害剤;ソマトスタチン類似体;抗脂肪分解剤から選択される抗糖尿病剤;抗糖尿病剤のプロドラッグ、または薬学的に許容できる抗糖尿病剤およびプロドラッグの塩を含む第二の剤形;ならびに前記第一の用量(a)および前記第二の用量(b)を含有するための容器を含むキットを対象とする。キットの好ましい実施形態において、第一の剤形と第二の剤形は共に、独立して、薬学的に許容できる担体または希釈剤を含む。
【0083】
別の態様において、本発明は、DGAT−1を阻害する方法であって、哺乳動物に、単独または上記に記載されているような抗糖尿病剤との組合せで、阻害量の式(1)の化合物、または薬学的に許容できる化合物の塩を投与することを含む方法を対象とする。
【0084】
別の態様において、本発明は、DGAT−1阻害により仲介される状態を治療する方法であって、そのような治療を必要としている哺乳動物に、単独または上記に記載されているような抗糖尿病剤との組合せで、治療有効量の式(1)の化合物、または薬学的に許容できる化合物の塩を投与することを含む方法を対象とする。
【0085】
本発明において、典型的には、治療される状態は、2型糖尿病、インスリン抵抗症候群または肥満症である。状態は、式(2)の化合物、または薬学的に許容できるその塩を投与することにより治療されることが好ましい。状態は、下記の化合物、すなわち、{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}−アセトニトリル、2−(4−(4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロ−ピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−2−フルオロフェニル)−シクロヘキシル)酢酸、{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]−オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]−シクロヘキシル}酢酸、(トランス−4−{4−[(8R)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)アセトニトリル、(トランス−4−{4−[(8R)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f]−[1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)酢酸、もしくは(R)−2−(4−(4−(4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロ−ピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−2−フルオロフェニル)−シクロヘキシル)酢酸、または薬学的に許容できるそれらの塩のうちの1つを投与することにより治療されることがより好ましい。
【0086】
治療される哺乳動物は、ヒトであることが好ましい。
【0087】
代替実施形態において、治療される状態は、耐糖能異常、高血糖症、糖白内障、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症および糖尿病性心筋症などの糖尿病性合併症、拒食症、過食症、悪液質、高尿酸血症、高インスリン血症、高コレステロール血症、高脂血症、脂質異常症、混合型脂質異常症、高トリグリセリド血症、非アルコール性脂肪肝疾患、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、急性心不全、うっ血性心不全、冠状動脈疾患、心筋症、心筋梗塞、狭心症、高血圧症、低血圧症、脳卒中、虚血、虚血性再灌流傷害、動脈瘤、再狭窄、血管狭窄症、固形腫瘍、皮膚癌、黒色腫、リンパ腫、乳癌、肺癌、結腸直腸癌、胃癌、食道癌、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌、肝臓癌、膀胱癌、子宮頸癌、子宮癌、睾丸癌および卵巣癌である。
【0088】
本発明は、本発明の式(1)の化合物が、療法の利益を得るために設計される適切な用量レジメンの一部として投与される、ヒトを包含する哺乳動物において上記に記載された状態を治療するための治療法にも関する。適切な用量レジメン、投与される各投与量の量および化合物の投与間隔は、使用されている本発明の式(1)の化合物、使用されている医薬組成物のタイプ、治療されている対象の特徴および状態の重症度によって異なるであろう。
【0089】
一般に、本発明の化合物についての有効な用量は、単一投与量または分割投与量で、活性化合物0.01mg/kg/日〜30mg/kg/日、好ましくは、0.01mg/kg/日〜5mg/kg/日の範囲である。しかしながら、用量におけるある程度の変動は、治療されている対象の状態に応じて、必ず起きるであろう。投与に責任を負う個人は、いずれにしても、個々の対象にとって適切な投与量を決定するであろう。開業医は、「kg」が、キログラムの単位で測定される患者の体重を指すことを理解するであろう。
【0090】
本発明の化合物または組成物は、単回(例えば、1日1回)もしくは複数回投与で、または持続注入を介して投与することができる。本発明の化合物は、単回投与か複数回投与のどちらかで、単独または薬学的に許容できる担体、ビヒクルもしくは希釈剤との組合せで投与することができる。適当な医薬担体、ビヒクルおよび希釈剤は、不活性な固体の希釈剤または充填剤、滅菌水溶液および様々な有機溶媒を包含する。
【0091】
本発明の化合物または組成物は、経口的または非経口的(例えば、静脈内、皮下または髄内)を包含する様々な従来の投与経路により、治療を必要としている対象に投与することができる。さらに、本発明の医薬組成物は、坐剤として、または「フラッシュ」製剤を使用して、すなわち、水を使用する必要なく口内で医薬品を溶かして、鼻腔内に投与することができる。
【0092】
例示
以下で本明細書に記載される実施例は、例示目的のみのためである。本明細書において反映される組成物、方法、および様々なパラメーターは、本発明の様々な態様および実施形態を例示することのみが意図されており、決して特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲を制限することは意図されていない。
【0093】
例示において使用される略語は、下記の通り定義される。
DCMは、ジクロロメタンであり、
DMFは、ジメチルホルムアミドであり、
DPPFは、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンであり、
EDCIは、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドであり、
EtOAcは、酢酸エチルであり、
HClは、塩酸であり、
HOBtは、N−ヒドロキシベンゾトリアゾールであり、
MTHFは、2−メチルテトラヒドロフランであり、
RTは、分を単位とする保持時間であり、
TEAは、トリエチルアミンであり、
TFAは、トリフルオロ酢酸であり、
TfOは、トリフルオロメタンスルホン酸(トリフリック酸)無水物であり、
THFは、テトラヒドロフランであり、
X−PHOSは、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルである。
【0094】
特に断りのない限り、すべての反応剤は、商業的に得た。
【0095】
特に断りのない限り、精製は、Biotage(登録商標)SNAP FLASH精製カートリッジ(シリカゲル)を使用して行った。
【0096】
本明細書で議論されているすべてのCombiflash(登録商標)精製は、パック済みRediSep(登録商標)シリカカラムを利用するCombiFlash(登録商標)Companionシステム(Teledyne Isco;Lincoln、Nebraska)を使用して行った。
【0097】
質量スペクトルは、Waters(登録商標)(Waters Corp.;Milford、MA)Micromass(登録商標)Platform II分光計で記録した。特別の定めがない限り、質量スペクトルは、Waters(登録商標)(Milford、MA)Micromass(登録商標)Platform II分光計で記録した。
【0098】
プロトンNMR化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場に百万分率で示し、Varian Unity 400MHz(メガヘルツ)分光計(Varian Inc.;Palo Alto、CA)で記録した。
【0099】
実施例1〜48に記載されている本発明の化合物は、調製1、2、3または4の化合物を使用してスキームIの方法により、調製するか、調製された化合物から引き続き誘導した。
【0100】
調製1
メチル{トランス−4−[4−(4−クロロ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6−(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}アセテート
【0101】
【化9】

メチル{トランス−4−[4−(4−クロロ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]−オキサゼピン−6−(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}アセテートを下記の通り調製した。
【0102】
【化10】

【0103】
ステップ1。上に示すメチル(トランス−4−{4−[(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ]−フェニル}シクロヘキシル)アセテートを下記の通り調製した。
【0104】
【化11】

2007年7月17日に発行された米国特許第7,244,727号で化合物55として同定されている上に示すメチル[トランス−4−[4−[[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ]フェニル]シクロヘキシル]アセテートを、その中に記載されている方法に従って調製した。トルエン(53mL)中のメチル[トランス−4−[4−[[(トリフルオロメチル)−スルホニル]オキシ]フェニル]シクロヘキシル]アセテート(10.1g、26.6mmol)、Journal of the American Chemical Society、129(37)、11408〜11420;2007、Organic Letters、9(1)、101〜104;2007またはBioorganic & Medicinal Chemistry、13(11)、3821〜3839;2005に開示されているものを包含する様々な方法により調製することができる2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エタンアミン(5.59g、31.9mmol)、炭酸セシウム(8.65g、26.6mmol)、酢酸パラジウム(0.60g、2.66mmol)およびX−PHOS(1.27g、2.66mmol)の混合物を、窒素下で、16時間にわたって120℃にて封管中で加熱した。反応物を冷却し、EtOAc中に希釈し、水(2×)、飽和水性食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮すると、暗黒色の油が得られた。クロマトグラフィー(330g Biotage Snap Cartridge(登録商標)シリカゲルカラム、0〜15%EtOAc:ヘプタン)により、淡黄色の油としてメチル(トランス−4−{4−[(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−アミノ]フェニル}シクロヘキシル)アセテート6.70gが得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.02, (d, 2H), 6.61 (d, 2H), 3.80 (m, 2H), 3.64 (s, 3H), 3.20 (m, 2H),
2.37 (m, 1H), 2.24 (m, 2H), 1.85 (m, 5H), 1.44 (m, 2H), 1.13 (m, 2H), 0.87 (s,
9H), 0.04 (s, 6H). m/z = 406.4 (M+1).
【0105】
ステップ2。下に示すメチル[トランス−4−(4−{(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)[(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)カルボニル]アミノ}フェニル)シクロヘキシル]アセテートを下記の通り調製した。
【0106】
【化12】

THF(60mL)中のステップ1からのメチル(トランス−4−{4−[(2−{[tert−ブチル−(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ]フェニル}シクロヘキシル)アセテート(9.7g、24.0mmol)、およびTEA(3.53mL、25.3mmol)の撹拌し、冷却した(0℃)溶液に、THF(20mL)中の4,6−ジクロロピリミジン−5−カルボニルクロライド(5.31g、25.1mmol)の溶液を滴加した。2時間後、反応物を真空中で濃縮し、EtOAc中に希釈し、水(3×)、飽和水性食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮すると、油が得られ、さらに精製することなく次のステップに続けた。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.57 (s, 1H), 7.35 (d, 2H), 7.03 (d, 2H), 4.00 (m, 2H), 3.87 (m,
2H), 3.63 (s, 3H), 2.37 (m, 1H), 2.22 (m, 2H), 1.82 (m, 5H), 1.36 (m, 2H), 1.11
(m, 2H), 0.83 (s, 9H), 0.02 (s, 6H). m/z = 580.3 (M+1).
【0107】
ステップ3。下に示すメチル(トランス−4−{4−[[4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)カルボニル](2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェニル}シクロヘキシル)アセテートを下記の通り調製した。
【0108】
【化13】

HClのメタノール溶液(メタノール97mL中濃塩酸水溶液3mL)中のステップ2からのメチル[トランス−4−(4−{(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)[(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)カルボニル]アミノ}フェニル)シクロヘキシル]アセテート(14.0g、24.0mmol)の溶液を、30分にわたって室温にて撹拌した。メタノールを真空中で除去し、残渣をEtOAcに溶かし、飽和水性重炭酸ナトリウム、飽和水性食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮すると、油が得られ、さらに精製することなく次のステップに続けた。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.59 (s, 1H), 7.32 (d, 2H), 7.04 (d, 2H), 4.08 (m, 2H), 3.92 (m,
2H), 3.63 (s, 3H), 2.38 (m, 1H), 2.23 (m, 2H), 1.82 (m, 5H), 1.39 (m, 2H), 1.11
(m, 2H). m/z = 466.2 (M+1).
【0109】
ステップ4。調製1の表題化合物を下記の通り調製した。
アセトニトリル中のメチル(トランス−4−{4−[[4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)カルボニル](2−ヒドロキシ−エチル)アミノ]フェニル}シクロヘキシル)アセテート(4.78g、10.2mmol、ステップ3からの未精製材料)およびTEA(4.15g、41mmol)のスラリーを、6時間にわたって80℃にて撹拌した。反応物を冷却し、真空中で濃縮し、EtOAc中に希釈し、水(3×)、飽和水性食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮すると、黄色の固体が得られた。この材料を、メタノール(10mL)中でスラリー化し、濾過し、固体をメタノール(2×3mL)で洗浄し、真空中で乾燥すると、黄色の固体として表題化合物4.03gが得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.75 (s, 1H), 7.22 (s, 4H), 4.75 (m, 2H), 4.03 (m, 2H), 3.63 (s,
3H), 2.50 (m, 1H), 2.23 (m, 2H), 1.87 (m, 5H), 1.44 (m, 2H), 1.19 (m,
2H). m/z = 430.3 (M+1).
【0110】
調製2
メチル2−((1S,4s)−4−(4−((R)−4−クロロ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド−[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル)シクロヘキシル)アセテート
【0111】
【化14】

メチル(トランス)−4−(4−((R)−4−クロロ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロ−ピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}アセテートを下記の通り調製した。
【0112】
ステップ1。下に示すメチル[トランス−4−(4−{[(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロピル]−アミノ}フェニル)シクロヘキシル]アセテートを下記の通り調製した。
【0113】
【化15】

トルエン(100mL)中の下に示すメチル[トランス−4−[4−[[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ]フェニル]−シクロヘキシル]アセテート(5.00g、13.1mmol)、
【0114】
【化16】

Journal of Organic Chemistry、72(20)、7726〜7735;2007に開示されているものを包含する様々な方法により調製することができる下に示す(R)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)プロパン−1−アミン(2.99g、15.8mmol)、
【0115】
【化17】

炭酸セシウム(5.14g、15.8mmol)、酢酸パラジウム(310mg、1.32mmol)およびX−PHOS(627mg、1.32mmol)の混合物を、窒素下で、16時間にわたって120℃にて封管中で加熱した。反応物を冷却し、EtOAc(500mL)中に希釈し、水(2×200mL)、飽和水性食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮すると、暗黒色の油が得られた。クロマトグラフィー(120gシリカゲルカラム、3〜15%EtOAc:ヘプタン)により、淡黄色の油としてメチル[トランス−4−(4−{[(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシ}プロピル]アミノ}フェニル)シクロヘキシル]アセテート4.55g(86%)が得られた。m/z=420.1(M+1)。
【0116】
ステップ2。下に示すメチル[トランス−4−(4−{[(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロピル]−[(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)カルボニル]アミノ}フェニル)シクロヘキシル]アセテートを下記の通り調製した。
【0117】
【化18】

THF(150mL)中の4,6−ジクロロピリミジン−5−カルボニルクロライド(2.27g、10.7mmol)、ステップ1からのメチル[トランス−4−(4−{[(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロピル]−アミノ}フェニル)シクロヘキシル]アセテート(4.50g、10.7mmol)、およびTEA(2.24mL、16.1mmol)の混合物を、14時間にわたって窒素下で室温にて撹拌した。反応混合物を濃縮し、THFを除去した。残渣を、EtOAc(300mL)で希釈し、水(2×200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。粗材料を、ヘプタン中3〜15%EtOAcで溶出される120gシリカゲルカラムにより精製すると、無色の油としてメチル[トランス−4−(4−{[(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロピル][(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)カルボニル]アミノ}フェニル)シクロヘキシル]アセテート4.01g(63%)が得られた。m/z= 594.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ -0.06 (s, 6 H) 0.71 (s, 9 H) 0.99 -
1.14 (m, 2 H) 1.25 - 1.30 (m, 3 H) 1.30 - 1.42 (m, 2 H) 1.78 (dd, J=28.30,
11.90 Hz, 5 H) 2.20 (d, J=7.03 Hz, 2 H) 2.28 - 2.39 (m, 1 H) 3.64 (s, 3 H) 3.83
- 3.97 (m, 2 H) 4.04 - 4.14 (m, 1 H) 7.00 (d, J=8.20 Hz, 2 H) 7.19 (d, J=8.59
Hz, 2 H) 8.53 (s, 1 H).
【0118】
ステップ3。調製2の表題化合物を下記の通り調製した。
ジオキサン中4M HCl(25mL)を、メタノール(50mL)中のステップ2からのメチル[トランス−4−(4−{[(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロピル][(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)カルボニル]アミノ}フェニル)シクロヘキシル]アセテート(3.95g、6.72mmol)の溶液に加えた。混合物を30分にわたって23℃にて撹拌した。反応混合物を濃縮し、溶媒を除去した。残渣をアセトニトリル(200mL)に溶かし、次いで、KCO(1.86g、13.5mmol)および5オングストロームモレキュラーシーブ(1.0g)をそれに加えた。反応混合物を30時間にわたって80℃にて撹拌した。EtOAc(250mL)および水(250mL)を反応混合物に加えた。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濃縮した。粗材料を、ヘプタン中30〜50%EtOAcで溶出される120gシリカゲルカラムにより精製すると、表題化合物として無色の油1.85g(61%)が得られた。m/z=444.1(M+1). 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 1.09-1.23 (m, 2 H) 1.43 (d, J=6.64 Hz,
3 H) 1.44-1.57 (m, 2 H) 1.80-1.96 (m, 5 H) 2.26 (d, J=7.05 Hz, 2 H) 2.44-2.55
(m, 1 H) 3.68 (s, 3 H) 3.80-3.95 (m, 2 H) 5.00-5.12 (m, 1 H) 7.29 (s, 4 H) 8.76
(s, 1 H).
【0119】
調製3
メチル(トランス−4−{4−[(7S)−4−クロロ−7−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)アセテート
【0120】
【化19】

化合物メチル(トランス−4−{4−[(7S)−4−クロロ−7−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)アセテートを下記の通り調製した。
【0121】
ステップ1。下に示す(S)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)プロパン−2−アミンを下記の通り調製した。
【0122】
【化20】

tert−ブチルジメチルシリルクロライド(22.1g、146mmol)を、ジクロロメタン325ml中の(S)−2−アミノプロパン−1−オール(10g、130mmol)およびTEA(23.9ml、172mmol)の撹拌した溶液に加えた。不均一な混合物を、18時間にわたって室温にて撹拌した。反応物をEtOAc中に希釈し、有機層を、食塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、生成物20.37gを回収した。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 0.05 (s, 6 H) 0.89 (s, 9 H) 1.01 (d, J=6.64 Hz, 3 H) 2.87 - 3.07
(m, 1 H) 3.18 - 3.35 (m, 1 H) 3.51 (dd, J=9.75, 4.35 Hz, 1 H) m/z= 190.2 (M+1).
【0123】
ステップ2。下に示す2−((1S、4r)−4−(4−((S)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)プロパン−2−イルアミノ)フェニル)シクロヘキシル)酢酸を下記の通り調製した。
【0124】
【化21】

メチル[トランス−4−(4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−フェニル)シクロヘキシル]アセテート(1g、3mmol)、(S)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−プロパン−2−アミン(0.597g、3.16mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.061g、0.271mmol)、X−PHOS(0.125g、0.263mmol)、炭酸セシウム(1.03g、3.16mmol)の混合物を、トルエン26.3ml中で希釈した。混合物を、数分にわたって窒素流でパージし、次いで、堅く蓋をした。次いで、反応物を、16時間にわたって撹拌しながら120℃まで加熱した。続いて、反応物を冷却し、EtOAcで希釈した。反応混合物を水および食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。生成物を、ヘプタン中5〜20%EtOAcでシリカ上のカラムを行い、メチルトランス2S−(4−(4−(1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)プロパン−2−イルアミノ)フェニル)シクロヘキシル)アセテート0.82gを回収した。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 0.03 (d, J=4.98 Hz, 6 H) 0.89 (s, 9 H) 1.05 - 1.19 (m, 2 H) 1.18
(d, J=6.22 Hz, 3 H) 1.44 (q, J=12.44 Hz, 2 H) 1.76 - 1.93 (m, 5 H) 2.23 (d,
J=7.05 Hz, 2 H) 2.34 (t, J=12.03 Hz, 1 H) 3.42 - 3.65 (m, 3 H) 3.67 (s, 3 H)
6.55 (d, J=8.29 Hz, 2 H) 6.99 (d, J=8.29 Hz, 2 H). m/z= 420.3 (M+1)
【0125】
ステップ3。下に示すメチル[トランス−4−(4−{[(3S)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロピル]−[(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)カルボニル]アミノ}フェニル)シクロヘキシル]アセテートを下記の通り調製した。
【0126】
【化22】

4,6−ジクロロピリミジン−5−カルボニルクロライド(0.454g、2.15mmol)を、0℃にてMTHF4.16ml中のステップ2からのメチルトランス2S−(4−(4−(1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)プロパン−2−イルアミノ)フェニル)シクロヘキシル)アセテート(0.82g、2.0mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.418ml、2.4mmol)の溶液に加え、1.5時間にわたって冷却しながら撹拌した。水およびEtOAcを加え、層を分離した。有機層を、飽和重炭酸ナトリウム、食塩水で洗浄し、次いで、乾燥し、濃縮した。ヘプタン中10〜30%EtOAcで生成物のシリカ上のカラムを行い、生成物0.95gを回収した。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 0.06 (d, J=4.98 Hz, 6 H) 0.90 (s, 9 H) 0.99 - 1.18 (m, 2 H) 1.17
(d, J=6.64 Hz, 3 H) 1.28 - 1.45 (m, 2 H) 1.73 - 1.94 (m, 5 H) 2.23 (d, J=6.64
Hz, 2 H) 2.38 (t, J=11.61 Hz, 1 H) 3.51 - 3.66 (m, 2 H) 3.67 (s, 3 H) 4.84 -
5.03 (m, 1 H) 7.03 (d, J=8.71 Hz, 2 H) 7.34 (br. s., 2 H) 8.50 (s, 1 H).
m/z= 597.2 (M+4)
【0127】
ステップ4。下に示すメチル[トランス−4−(4−{[(3S)−2−{オキシ}プロピル][(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)カルボニル]アミノ}フェニル)シクロヘキシル]アセテートを下記の通り調製した。
【0128】
【化23】

ステップ3からのメチル[トランス−4−(4−{[(3S)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロピル][(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)カルボニル]アミノ}フェニル)シクロヘキシル]アセテート(0.95g、1.6mmol)、および1% HCl−メタノール(36%水性HCl 3mLおよびメタノール97mL)7.4mlを、室温にて撹拌し、LC−MSによりモニターした。反応混合物を濃縮し、メタノールを除去した。粗材料をEtOAc(200ml)中に溶かした。EtOAc溶液を、NaHCO水溶液(2×100ml)、水(100ml)および食塩水(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮し、生成物0.77gを回収した。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 1.03 - 1.17 (m, 2 H) 1.19 (d, J=7.05 Hz, 3 H) 1.29 - 1.46 (m, 2 H)
1.69 - 1.91 (m, 5 H) 2.23 (d, J=7.05 Hz, 2 H) 2.38 (t, J=12.23 Hz, 1 H) 3.60
(dd, J=11.61, 9.12 Hz, 1 H) 3.67 (s, 3 H) 3.78 (dd, J=11.82, 4.35 Hz, 1 H) 4.85
- 5.04 (m, 1 H) 7.07 (d, J=8.71 Hz, 2 H) 7.33 (br. s., 2 H) 8.52 (s, 1 H) m/z=
483.1 (M+4).
【0129】
ステップ5。調製3の表題化合物を下記の通り調製した。
メチル[トランス−4−(4−{[(3S)−2−{オキシ}プロピル][(4,6−ジクロロピリミジン−5−イル)カルボニル]−アミノ}フェニル)シクロヘキシル]アセテート(0.8g、1.66mmol)、炭酸カリウム(0.46g、3.33mmol)およびモレキュラーシーブ200mgを、アセトニトリル41.6ml中に混ぜた。混合物を封管に加え、一夜にわたって80℃にて加熱した。反応混合物を濃縮し、次いで、EtOAcおよび水で希釈した。層を分離し、有機層を食塩水で洗浄し、次いで、乾燥し、濃縮した。ヘプタン中40%酢酸エチルのシリカ上で生成物のカラムを行い、0.22gを回収した。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 1.06 (d, J=7.05 Hz, 3 H) 1.10 - 1.25 (m, 2 H) 1.42 - 1.55 (m, 2 H)
1.73 - 1.98 (m, 5 H) 2.26 (d, J=6.64 Hz, 2 H) 2.41 - 2.59 (m, 1 H) 3.69 (s, 3
H) 4.27 - 4.42 (m, 1 H) 4.45 - 4.70 (m, 2 H) 7.17 (d, J=8.29 Hz, 2 H) 7.30 (d,
J=8.71 Hz, 2 H) 8.76 (s, 1 H) m/z= 444.0 (M+1).
【0130】
調製4
メチル2−(4−(4−(4−クロロ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)アセテート
【0131】
【化24】

上に示すメチル2−(4−(4−(4−クロロ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)アセテートを下記の通り調製した。
【0132】
ステップ1。1−(ブロモメチル)ベンゼン(4.92g、28.8mmol)およびKCO(3.98g、28.8mmol)を、アセトン中の4−ブロモ−2−フルオロフェノール(5.0g、26mmol)の溶液に加えた。反応混合物を18時間にわたって室温にて撹拌した。水(100mL)およびEtOAc(100mL)を加え、有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濃縮すると、黄色の固体として1−(ベンジルオキシ)−4−ブロモ−2−フルオロベンゼン7.06gが得られた。
1H NMR
(400MHz, CDCl3): δ 7.24-7.41(m, 5H), 7.20(m,
1H), 7.16(m, 1H), 6.82(m, 1H), 5.10(m, 2H).
【0133】
ステップ2。下に示すメチル2−(4−(4−(ベンジルオキシ)−3−フルオロフェニル)シクロヘキス−3−エニル)アセテートを下記の通り調製した。
【0134】
【化25】

Pd(PPh(16.2mg、0.014mmol)およびCsCO(142mg、0.428mmol)を、窒素下でTHF(2mL)中の1−(ベンジルオキシ)−4−ブロモ−2−フルオロベンゼン(130mg、0.464mmol)および下に示す、調製4Aに記載されているように調製されたメチル2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エニル)アセテート(100mg、0.357mmol)の溶液に加えた。
【0135】
【化26】

【0136】
反応混合物を、24時間にわたって撹拌しながら還流させた。LC−MSは、望ましい生成物を示した。反応混合物を冷却し、EtOAc(30mL)で希釈し、水および食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。粗材料を、クロマトグラフィー(5〜10%EtOAc:ヘプタンで溶出される12gシリカゲルカラム)により精製すると、白色の固体としてメチル2−(4−(4−(ベンジルオキシ)−3−フルオロフェニル)シクロヘキス−3−エニル)アセテート(110mg)が得られた。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.28-7.42(m, 5H), 7.10(dd, 1H), 7.0(d, 1H), 6.88(t, 1H), 6.0(m,
1H), 5.1(s, 2H), 3.66(s, 3H), 2.38(m, 2H), 2.3(d, 2H), 2.2(m, 1H), 2.1(m,1H),
1.9(m,2H), 1.4(m, 1H). m/z= 355.4(M+1).
【0137】
ステップ3。下に示すメチル2−(4−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル)アセテートを下記の通り調製した。
【0138】
【化27】

メチル2−(4−(4−(ベンジルオキシ)−3−フルオロフェニル)シクロヘキス−3−エニル)アセテート(520mg、1.47mmol)を、エタノール(15mL)およびEtOAc(15mL)に溶かした。20%Pd(OH)/C(150mg)をそれに加えた。反応混合物を20時間にわたって50psi水素下でかき混ぜた。混合物を珪藻土(Celite(登録商標))に通して濾過し、触媒を除去し、次いで、濃縮した。精製を、クロマトグラフィー(5〜10% EtOAc:ヘプタンによる12g RediSep(登録商標)シリカゲルカラム(Teledyne ISCO、Lincoln、NE)により行うと、無色の油としてメチル2−(4−(4−(ベンジルオキシ)−3−フルオロフェニル)シクロヘキス−3−エニル)アセテート(320mg)が得られた。1H NMR (400MHz,CDCl3): δ 6.80-7.0(m, 3H), 5.58(d, 1H), 3.63(s, 3H), 2.24-2.5(m, 1H), 2.4,
2.2(d, 2H), 1.8(m,3H), 1.6(m,4H), 1.4(m,1H), 1,12(m,1H). m/z= 265.3
(M-1).
【0139】
ステップ4。下に示すメチル2−(4−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フェニル)シクロヘキシル)アセテートを下記の通り調製した。
【0140】
【化28】

CHCl(5mL)中のフェノール(310mg、1.16mmol)およびTEA(0.24mL、1.75mmol)の撹拌した溶液に、トリフリック酸無水物溶液(413mg、1.46mmol)を滴加した。混合物を2時間にわたって0℃にて撹拌した。反応混合物を、水(×2)および食塩水(×1)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過した。有機溶液を濃縮し、クロマトグラフィー(3〜15% EtOAc:ヘプタンによる12gシリカゲルカラム)により精製すると、無色の油としてメチル2−(4−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フェニル)シクロヘキシル)アセテート(380mg)が得られた。m/z=397.4(M−1)。
【0141】
ステップ5。下に示すメチル2−(4−(4−(2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチルアミノ)−3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)アセテートを下記の通り調製した。
【0142】
【化29】

トルエン(5mL)中のメチル2−(4−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フェニル)シクロヘキシル)アセテート(190mg、0.477mmol)、2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エタンアミン(100mg、0.572mmol)、炭酸セシウム(171mg、0.525mmol)、酢酸パラジウム(11mg、0.048mmol)および(X−PHOS)(23mg、0.048mmol)の混合物を、窒素下で、16時間にわたって120℃にて封管中で加熱した。反応物を冷却し、EtOAc中に希釈し、水(2×)、飽和水性食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮すると、暗黒色の油が得られた。クロマトグラフィー(12gシリカゲルカラム、3〜15%EtOAc:ヘプタン)により、淡黄色の油としてメチル2−(4−(4−(2−(tert−ブチルジメチル−シリルオキシ)エチルアミノ)−3−フルオロフェニル)−シクロヘキシル)アセテート110mgが得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.2(m,1H),
6.95(m,1H), 6.8(m, 1H), 3.8(m, 2H), 3.64(s, 3H), 3.2(m, 2H), 2.5, 2.3(m, 1H),
2.4, 2.2(d, 2H), 1.85(m, 2H), 1.64(m, 5H), 1.4(m,1H), 1.1(m, 1H), 0.88(s, 9H),
0.06(s, 6H). m/z=424.2(M+1).
【0143】
ステップ6。下に示すメチル2−(4−(4−(N−(2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4,6−ジクロロピリミジン−5−カルボキサミド)−3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)アセテートを下記の通り調製した。
【0144】
【化30】

THF(2mL)中の4,6−ジクロロピリミジン−5−カルボニルクロライド(82.5mg、0.390)、メチル2−(4−(4−(2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチルアミノ)−3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)アセテート(110mg、0.26mmol)およびTEA(0.054mL、0.39mmol)の混合物を、14時間にわたって窒素下で室温にて撹拌した。反応混合物を濃縮し、THFを除去した。残渣を、EtOAcで希釈し、水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。粗材料を、ヘプタン中3〜15%EtOAcで溶出される12gシリカゲルカラムにより精製すると、無色の油としてメチル2−(4−(4−(N−(2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4,6−ジクロロピリミジン−5−カルボキサミド)−3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)アセテート(60mg)が得られた。m/z=598.2(M+1)。
【0145】
ステップ7。調製4の表題化合物を下記の通り調製した。
ジオキサン中4M HCl(0.5mL)を、メタノール(1mL)中のメチル2−(4−(4−(N−(2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4,6−ジクロロピリミジン−5−カルボキサミド)−3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)アセテート(30mg、0.05mmol)の溶液に加えた。混合物を30分にわたって23℃にて撹拌した。反応混合物を濃縮し、溶媒を除去した。残渣をアセトニトリル(1mL)に溶かし、NEt(0.05mL)をそれに加えた。反応混合物を18時間にわたって80℃にて撹拌した。EtOAc(15mL)および水(15mL)を反応混合物に加えた。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濃縮した。粗材料を、ヘプタン中30〜50%EtOAcで溶出される4gシリカゲルカラムにより精製すると、無色の油としてメチル2−(4−(4−(4−クロロ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)アセテート(20mg)が得られた。m/z=448.4(M+1)。
【0146】
調製4A
メチル2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エニル)アセテート
【0147】
【化31】

メチル2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エニル)アセテートを下記の通り調製した。
【0148】
NaH(9.2g、384mmol、1.5当量)を、THF(850ml)に懸濁した。これを℃まで冷却し、トリメチルホスホノアセテート(40ml、277mmol、1.1当量)を、T<10℃を保ちながら滴加した。次いで、混合物を0℃まで再冷却し、15分にわたって撹拌した。次いで、THF(300ml)中の化合物1(40g、256mmol、1.0当量)を滴加した。反応混合物を一夜にわたって撹拌し、室温まで温めた。混合物を水(500ml)中に注ぎ、EtOAc(300ml)を加え、層を分離した。水層をEtOAc(400ml)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(NaSO)、蒸発させた。収量:メチル2−(4−(1,3−ジオキソラン)シクロヘキシリデン)アセテート51.6g;1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 1.78 (q, 4H), 2.37 (t, 2H), 2.99 (t, 2H), 3.68 (s, 3H), 3.99 (s,
4H), 5.65 (s, 1H)
【0149】
メチル2−(4−(1,3−ジオキソラン)シクロヘキシリデン)アセテート(51.6g)および10%Pd/C(50%湿気、(テーブルスプーン5杯))を、EtOAc(1L)に加えた。反応混合物を脱気し、Hバルーンを取り付けた。これを、室温にて一夜にわたって撹拌した。反応混合物をセライトで濾過し、EtOAcですすいだ。濾液を蒸発させた。収量:メチル2−(4−(1,3−ジオキソラン)シクロヘキシル)アセテート51.1g。1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 1.35 (m, 2H), 1.57 (m, 2H), 1.76 (m, 4H), 1.82 (m, 1H), 2.22 (d,
2H), 3.65 (s, 3H), 3.95 (s, 4H)
【0150】
メチル2−(4−(1,3−ジオキソラン)シクロヘキシル)アセテート(51.1g、238mmol、1.0当量)をTHF(2L)に溶かした。これを0℃まで冷却し、2N HCl(1.4L、2.8mol、12.0当量)を、T=0℃を保ちながら2.5時間の間に滴加した。反応混合物を一夜にわたって撹拌し、室温まで温めた。次いで、水(1L)およびEtOAc(1L)を加え、層を分離した。水層をEtOAc(1L)で抽出した。合わせた有機層を、食塩水(1L)で洗浄し、乾燥した(NaSO)。混合物を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(シリカ:EtOAc/ヘプタン=1/4)により精製した。収量:21.9g、メチル2−(4−オキソシクロヘキシル)アセテート54%(透明な油)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 1.50 (m, 2H), 2.16 (m, 2H), 2.36 (d, 2H), 2.38 (m, 1H), 2.39 (m,
4H), 3.71 (s, 3H)
【0151】
メチル2−(4−オキソシクロヘキシル)アセテート(8.13g、47.9mmol、1.0当量)および2,−ジ−tert.ブチル−4−メチルピリジン(11.3g、55mmol、1.15当量)を、乾燥DCM(300ml)に溶かした。反応混合物に、TfO(8.35ml、50mmol、1.05当量)を滴加し、2時間にわたって撹拌した。反応混合物は、TfOを加える間にオレンジ色から緑色に変わり、30分後に懸濁液が形成された。懸濁液を濾過し、濾液を蒸発させた。粗混合物をDCM(200ml)に溶かし、濾過した。濾液を蒸発させた。収量:14.3g、メチル2−(4−(トリフルオロメチル−スルホニルオキシ)シクロヘキス−3−エニル)アセテート99%(緑色の半固体)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 1.92 (m, 2H), 2.18 (m, 2H), 2.31 (d, 2H), 2.36 (m, 2H), 2.42 (m,
1H), 3.65 (s, 3H), 5.74 (t, 1H)
【0152】
メチル2−(4−(トリフルオロメチル−スルホニルオキシ)シクロヘキス−3−エニル)アセテート(21.9g、72.4mmol、1.0当量)、ビス(ピナコラト)ジボロン(16.7g、65.8mmol、0.9当量)、KOAc(21.5g、219mmol、3.0当量)およびPdCl(dppf)(1.6g、2.19mmol、0.03当量)をDMSO(550ml)に溶かした。反応混合物に、15分にわたってNガスを泡立て、次いで、50℃まで加熱し、2.5時間にわたって撹拌した。反応混合物に水(400ml)およびEtOAc(600ml)を加え、層を分離した。水層をEtOAc(600ml)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(500ml)で洗浄し、乾燥した(NaSO)。混合物を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(シリカ:EtOAc/ヘプタン=5/95)により精製した。収量:9.15g、メチル2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エニル)アセテート45%(褐色〜黄色の油)。1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 1.25 (s, 12H), 1.77 (m, 2H), 1.83 (m, 1H), 2.07 (m, 1H), 2.14 (m,
1H), 2.20 (m, 2H), 2.56 (d, 2H), 3.67 (s, 3H), 6.50 (t, 1H).
【実施例】
【0153】
(実施例1)
メチル{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6−(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}アセテート
【0154】
【化32】

上に示す化合物メチル{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6−(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}アセテートを下記の通り調製した。
【0155】
p−ジオキサン中0.5Mアンモニア(120mL)中の調製1からのメチル{トランス−4−[4−(4−クロロ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6−(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}アセテート(5.29g、12.3mmol)の溶液を、24時間にわたって室温にて撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、EtOAc(1L)中に希釈し、水、飽和水性食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮すると、灰色がかった白色の固体として表題化合物5.04gが得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.22 (s, 1H), 8.16 (br s, 1H), 7.23 (d, 2H), 7.16 (d, 2H), 5.75 (br
s, 1H), 4.63 (m, 2H), 3.98 (m, 2H), 3.64 (s, 3H), 2.44 (m, 1H), 2.21 (m, 2H),
1.81 (m, 5H), 1.42 (m, 2H), 1.10 (m, 2H). m/z = 411.3 (M+1). IC50
34.5nM (範囲30-40 nM).
【0156】
(実施例2)
{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸
【0157】
【化33】

上に示す化合物{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6−(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}アセテートを下記の通り調製した。
【0158】
p−ジオキサン(96mL)および水(27mL)中の実施例1からのメチル{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6−(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}アセテート(5.05g、12.3mmol)、および1N水性水酸化リチウム(36.9mL)の撹拌した溶液を、1時間にわたって50℃にて撹拌した。冷却した後、反応溶液を、6N水性塩酸でpH約3.5に調整し、混合物をほぼ乾燥状態まで濃縮した。この残渣を、1時間にわたって水(40mL)中でスラリー化し、濾過し、固体を、水(2×20mL)、エーテル(3×30mL)で洗浄し、真空中で乾燥すると、灰色がかった白色の固体として表題化合物4.58gが得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.12 (s, 1H), 7.58 (br s, 2H) 7.21 (s, 4H), 4.56 (m, 2H), 3.92 (m,
2H), 2.42 (m, 1H), 2.08 (m, 2H), 1.75 (m, 5H), 1.42 (q, 2H), 1.05 (q, 2H)
. m/z = 397.3 (M+1). IC50 19.1nM (範囲5.2-63.6 nM).
【0159】
(実施例3)
(トランス−4−{4−[(8R)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)酢酸
【0160】
【化34】

化合物(トランス−4−{4−[(8R)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)酢酸を下記の通り調製した。
【0161】
ジオキサン中0.5Mアンモニア(20mL)中の調製2からのメチル(トランス−4−{4−[(8R)−4−クロロ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)アセテート(1.50g、3.38mmol)の混合物を、6時間にわたって、堅く蓋をしたフラスコ中で、50℃にて撹拌した。反応混合物を濃縮すると、白色の固体が得られ、さらに精製することなく次のステップに続けた。LiOH(247mg、9.89mmol)を、THF/MeOH/水(30mL、3:2:1)中の白色の固体の溶液に加え、次いで、得られた溶液を、18時間にわたって23℃にて撹拌した。1M HCl溶液を反応溶液に加え、pHを約3に調整した。DCM(130mL)中20%i−プロパノールを加え、反応混合物を抽出した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濃縮すると、固体が得られた。精製を、2〜6%のメタノール/DCMによるクロマトグラフィー(80g、シリカゲルカラム)により行うと、表題化合物として白色の固体1210mg(89%)が得られた。m/z=411.1(M+1). 1H NMR (400 MHz, メタノール-d4)
δ ppm 1.11 - 1.25 (m, 2 H) 1.36 (d, J=6.64 Hz, 3 H)
1.53 (q, J=12.88 Hz, 2 H) 1.75 - 1.96 (m, 5 H) 2.21 (d, J=7.03 Hz, 2 H) 2.46 -
2.58 (m, 1 H) 3.80 - 3.96 (m, 2 H) 4.92 - 5.03 (m, 1 H) 7.25 (d, 2 H) 7.31 (d,
2 H) 8.17 (s, 1 H). IC50 19.3nM (範囲7.0-30.4
nM).
【0162】
(実施例4)
メチル(トランス−4−{4−[(7S)−4−アミノ−7−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)アセテート
【0163】
【化35】

化合物メチル(トランス−4−{4−[(7S)−4−アミノ−7−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)アセテートを下記の通り調製した。
【0164】
調製2からのメチル(トランス−4−{4−[(7S)−4−クロロ−7−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)アセテート(0.22g、0.496mmol)を、ジオキサン中0.5Mアンモニア24.8ml中で希釈し、4時間にわたって堅く蓋をしたバイアル中で、50℃まで加熱した。終了後、反応物を濃縮し、メチル(トランス−4−{4−[(7S)−4−アミノ−7−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニルシクロヘキシル)アセテート0.26gを回収した。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.04 - 1.26 (m, 2 H) 1.33 (d, J=7.05 Hz, 3 H) 1.40 - 1.60 (m, 2
H) 1.74 - 2.04 (m, 5 H) 2.26 (d, J=6.64 Hz, 2 H) 2.43 - 2.64 (m, 1 H) 3.68 (s,
3 H) 3.95 - 4.16 (m, 1 H) 4.46 - 4.73 (m, 2 H) 7.10 (d, J=8.29 Hz, 2 H) 7.29
(d, J=8.29 Hz, 2 H) 8.22 (s, 1 H) m/z= 425.1 (M+1).
【0165】
(実施例5)
(トランス−4−{4−[(7S)−4−アミノ−7−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニルシクロヘキシル)酢酸
【0166】
【化36】

化合物(トランス−4−{4−[(7S)−4−アミノ−7−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニルシクロヘキシル)酢酸を下記の通り調製した。
【0167】
水酸化リチウム(11.3mg、0.472mmol)を、THF/メタノール/水(3:2:1)2.76ml中の実施例4からのメチル(トランス−4−{4−[(7S)−4−アミノ−7−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニルシクロヘキシル)アセテート(50mg、0.12mmol)の溶液に加え、得られた溶液を、室温にて撹拌した。終了後、反応物を、酸性pHまで1N NaOHで酸性化し、反応混合物を濃縮した。EtOAcおよび水を加え、2時間にわたって生成物を再パルプ化させた。濾過して乾燥し、生成物2.1mgを回収した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm
0.99 - 1.19 (m, 2 H) 1.08 (d, 3 H) 1.33 - 1.53 (m, 2 H) 1.57 - 1.88 (m, 5 H)
2.06 (d, J=6.65 Hz, 2 H) 2.30 - 2.61 (m, 1 H) 3.93 - 4.19 (m, 1 H) 4.38 - 4.69
(m, 2 H) 7.13 (d, J=8.31 Hz, 2 H) 7.26 (d, J=8.31 Hz, 2 H) 8.07 (s, 1 H) m/z=
411.2 (M+1). IC50 33.9nM.
【0168】
(実施例6)
2−(4−(4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)酢酸
【0169】
【化37】

表題化合物を下記の通り調製した。ジオキサン中0.5Mアンモニア中の調製4からのメチル2−(4−(4−(4−クロロ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)アセテート(20mg、0.045mmol)の混合物を、3時間にわたって、堅く蓋をしたフラスコ中で、50℃にて撹拌した。反応混合物を濃縮すると、白色の固体が得られ、さらに精製することなく次のステップに続けた。LiOH(4.5mg、0.18mmol)を、THF/メタノール/水(2.4mL、3:2:1)中の白色の固体の溶液に加え、得られた溶液を、16時間にわたって23℃にて撹拌した。1M HCl溶液を反応溶液に加え、pHを約3に調整した。DCM中20%i−プロパノール(30mL)を加え、反応混合物を抽出した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濃縮すると、固体が得られた。精製を、2〜6%のメタノール/DCMによるクロマトグラフィー(4g、シリカゲルカラム)により行うと、表題化合物として白色の固体12mgが得られた。1H NMR (400MHz, CD3OD): δ 8.18(s, 1H), 7.28(m, 1H), 7.16(m,2H), 4.66(m, 2H), 3.98(m, 2H),
2.64-2.5(m, 1H), 2.4, 2.2(d, 2H), 2.22(m, 1H), 1.90(m, 2H), 1.7(m, 4H), 1.54(m,
2H), 1.2(m, 2H). m/z=415.4(M+1). IC50 55.5nM (範囲29.1-89.6 nM).
【0170】
下記の構造を有する実施例7〜16の化合物を、実施例1〜4に記載されている手順を使用して調製した。
【0171】
【化38】

【0172】
(実施例7)
(R=H,R=CH,R=CH,R=H,R=CHCH)−エチル{トランス−4−[4−(4−アミノ−8,8−ジメチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}アセテートm/z = 453.3 (M+1) m/z = 453.3 (M+1); IC50 183nM
【0173】
(実施例8)
(R=H,R=CH,R=CH,R=H,R=H)−{トランス−4−[4−(4−アミノ−8,8−ジメチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.18 (s, 1H), 7.59 (br s, 1H) 7.20 (m, 4H), 3.79 (m, 2H), 2.42 (m,
1H), 2.08 (m, 2H), 1.78 (m, 4H), 1.67 (m, 1H), 1.43 (m, 2H), 1.24 (s, 6H), 1.05
(m, 2H). m/z = 425.3 (M+1). IC50 146nM (範囲125.0-170.0 nM)
【0174】
(実施例9)
(R=CH,R=H、R=H、R=H、R=CH)−メチル{トランス−4−[4−(4−アミノ−2−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}アセテート。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) ppm δ 1.04 - 1.32 (m, 2 H) 1.39 - 1.56 (m, 2 H) 1.77 - 1.98 (m, 5 H) 2.15
- 2.32 (m, 2 H) 2.38 (s, 0 H) 2.41 - 2.60 (m, 4 H) 3.68 (s, 3 H) 3.91 - 4.03
(m, 2 H) 4.56 - 4.73 (m, 2 H) 5.60 (br. s., 1 H) 7.12 - 7.22 (m, 2 H) 7.22 -
7.36 (m, 2 H) 8.23 (br. s., 1 H); m/z = 425.3 (M+1). IC50
239nM
【0175】
(実施例10)
(R=CH,R=H,R=H,R=H,R=H)−{トランス−4−[4−(4−アミノ−2−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−l)フェニル]シクロヘキシル}酢酸1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ6.98 (m, 2H) 6.85 (m, 2H), 4.43 (m, 2H), 3.78 (m, 2H), 2.20 (m, 1H),
2.08 (s, 3H), 1.90 (m, 2H), 1.59 (m, 5H), 1.20 (m, 2H), 0.83 (m, 2H). m/z
= 411.4 (M+1). IC50 59.4nM (範囲49.9-78.2 nM)
【0176】
(実施例11)
(R=H,R=CH,R=H,R=H,R=H)−{4−[4−(4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロ−5H−9−オキサ−1,3,6−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−6−イル)−フェニル]−シクロヘキシル}−酢酸1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δppm 1.11 - 1.27 (m, 2 H) 1.37 (d, J=4.98 Hz, 3 H) 1.46 - 1.62 (m, 2
H) 1.76 - 2.00 (m, 5 H) 2.21 (d, J=5.39 Hz, 2 H) 2.45 - 2.61 (m, 1 H) 3.80 -
3.98 (m, 2 H) 4.93 - 5.05 (m, 1 H) 7.20 - 7.28 (m, 2 H) 7.29 - 7.36 (m, 2 H)
8.17 (s, 1 H) m/z = 411.4, 409.5 (M+1). IC50 125nM (範囲52.8-492.0 nM)
【0177】
(実施例12)
(R=H,
【0178】
【化39】

,R=H,R=H,R=H)−{4−[4−((S)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロ−5H−9−オキサ−1,3,6−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−6−イル)−フェニル]−シクロヘキシル}−酢酸1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δppm 1.15 - 1.25 (m, 2 H)
1.37 (d, J=6.64 Hz, 3 H) 1.53 (q, J=12.75 Hz, 2 H) 1.77 - 1.96 (m, 5 H) 2.21
(d, J=7.03 Hz, 2 H) 2.45 - 2.59 (m, 1 H) 3.85 - 3.92 (m, 2 H) 4.94 - 5.04 (m, 1
H) 7.22 - 7.28 (m, 2 H) 7.28 - 7.35 (m, 2 H) 8.17 (s, 1 H); m/z = 411.4, 409.5
(M+1). IC50 625nM
【0179】
(実施例13)
(R=H,R=CHCH,R=H,R=H,R=H)−{4−[4−(4−アミノ−8−エチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロ−5H−9−オキサ−1,3,6−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−6−イル)−フェニル]−シクロヘキシル}−酢酸m/z = 425.2(M+1) IC50 1330nM (範囲1070-1660 nM)
【0180】
(実施例14)
(R=H,R=H,R=H,
【0181】
【化40】

,R=H)−(トランス−4−{4−[(7R)−4−アミノ−7−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]−オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニルシクロヘキシル)酢酸1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.00 - 1.16 (m, 2 H) 1.08 (d, 3 H) 1.34 - 1.52 (m, 2 H) 1.67 -
1.86 (m,5 H) 2.11 (d, J=7.06 Hz, 2 H) 2.36 - 2.45 (m, 1 H) 4.00 - 4.11 (m, 1 H)
4.44 - 4.54 (m, 1 H) 4.61 (d, J=11.22 Hz, 1 H) 7.14 (d, J=8.31 Hz, 2 H) 7.26
(d, J=8.31 Hz, 2 H) 8.07 (s, 1 H), m/z = 411.2 (M+1). IC50
24.7nM (範囲20.2-36.7 nM)
【0182】
(実施例15)
(R=H,R=H,R=H,R=CH,R=H)−4−[4−(4−アミノ−7−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロ−5H−9−オキサ−1,3,6−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−6−イル)−フェニル]−シクロヘキシル}−酢酸1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 1.08 - 1.34 (m, 2 H) 1.26 (d, 3 H) 1.45 - 1.63 (m, 2 H) 1.76
-2.01 (m, 5 H) 2.22 (d, J=7.06 Hz, 2 H) 2.54 (t, J=7.69 Hz, 1 H) 4.16 - 4.37
(m, 1 H) 4.65 - 4.87 (m, 2 H) 7.17(d, J=8.31 Hz, 2 H) 7.33 (d, J=8.31 Hz, 2 H)
8.24 (s, 1 H) m/z = 411.2 (M+1). IC50 27.3nM (範囲13.6-77.9 nM)
【0183】
(実施例16)
下に示す、{シス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6−(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸
【0184】
【化41】

IC50 18.1nM(範囲16.0〜20.5nM)
【0185】
下記の構造のうちの1つを有する実施例17〜25の化合物を、調製4の化合物を調製するための方法と同じように調製される出発材料を使用し、実施例3および6の方法によるスキーム1の方法により調製した。
【0186】
【表1】

【0187】
(実施例17)
(R)−2−(4−(4−(4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−2−フルオロフェニル)シクロヘキシル)酢酸
(400MHz, CD3OD): δ
8.18(s, 1H), 7.38(m, 1H), 7.10(m,2H), 4.96(m, 1H), 3.90(m, 2H), 2.9(m,1H),
2.8,2.3(m, 1H), 2.4, 2.2(d, 2H), 1.90(m, 2H), 1.7(m, 2H), 1.54(m, 2H),1.4(d,
3H), 1.2(m, 2H)
【0188】
(実施例18)
2−(4−(4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−2−クロロフェニル)シクロヘキシル)酢酸(400MHz, CD3OD): δ 8.18(s, 1H), 7.42(m, 2H),
7.14(m,1H), 4.66(m, 2H), 3.98(m, 2H), 3.0(m,1H), 2.3(m, 1H), 2.44, 2.2(d, 2H),
1.95-1.42(m, 6H), 1.2(m, 1H)
【0189】
(実施例19)
2−(4−(4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−2−フルオロフェニル)シクロヘキシル)酢酸(400MHz, CD3OD): δ 8.18(s, 1H), 7.38(m, 1H),
7.1(m,2H), 4.68(m, 2H), 4.02(m, 2H), 2.9(m, 1H), 2.24(m, 1H), 2.4, 2.2(d, 2H),
1.90(m, 2H), 1.7(m, 2H), 1.54(m, 2H), 1.2(m, 2H)
【0190】
(実施例20)
2−(4−(4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−2−メチルフェニル)シクロヘキシル)酢酸(400MHz, CD3OD): δ 8.18(s, 1H), 7.32(m, 1H),
7.08(m,2H), 4.68(m, 2H), 3.98(m, 2H), 2.78(m, 1H), 2.38(s, 3H), 2.32(m, 1H),
2.4, 2.2(d, 2H), 1.90-1.5(m, 7H), 1.2(m, 7H)
【0191】
(実施例21)
(R)−2−(4−(4−(4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−2−メチルフェニル)シクロヘキシル)酢酸
(400MHz, CD3OD): δ
8.18(s, 1H), 7.36(m, 1H), 7.10(m,2H), 4.96(m, 1H), 3.92(m, 2H), 2.78(m,1H),
2.34(s, 3H), 2.3(m, 1H), 2.5, 2.2(d, 2H), 1.90(m, 1H), 1.7(m, 3H), 1.54(m,
3H),1.38(d, 3H), 1.2(m, 1H)
【0192】
(実施例22)
(R)−2−(4−(4−(4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−3−フルオロフェニル)シクロヘキシル)酢酸
(400MHz, CD3OD): δ
8.18(s, 1H), 7.28(m, 1H), 7.08(m, 2H), 4.96(m, 1H), 3.92(m, 2H), 2.6(m,1H),
2.4,2.2(d, 2H), 2.3(m, 1H), 1.90(m, 2H), 1.7(m, 4H),1.5(m, 1H), 1.4(d, 3H),
1.2(m, 1H)
【0193】
(実施例23)
2−(4−(4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]−オキサゼピン−6(5H)−イル)−3−メチルフェニル)シクロヘキシル)酢酸−1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 1.12 - 1.25 (m, 1 H) 1.45 - 1.59 (m, 1 H) 1.62 - 1.76 (m, 3 H)
1.88 (t, J=15.61 Hz, 3 H) 2.22 (d, J=3.51 Hz, 3 H) 2.26 (d, J=3.90 Hz, 1 H)
2.43 (d, J=7.81 Hz, 2 H) 2.46 - 2.55 (m, 1 H) 3.78 - 4.05 (m, 2 H) 4.60 - 4.78
(m, 2 H) 7.07 - 7.26 (m, 3 H) 8.16 (s, 1 H); LCMSは411.4だった( t=2.0分).
【0194】
(実施例24〜25)
【0195】
【表2】

【0196】
(実施例24)
(シス−4−{4−[(8R)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]−2−フルオロフェニル}シクロヘキシル)酢酸(400MHz, CD3OD): δ 8.18(s, 1H), 7.38(m, 1H),
7.10(m,2H), 4.96(m, 1H), 3.90(m, 2H), 2.9(m,1H), , 2.4(d, 2H), 2.3(m, 1H),
1.90(m, 1H), 1.7-1.5(m, 6H), 1.4(d, 3H), 1.2(m, 1H)
【0197】
(実施例25)
(トランス−4−{4−[(8R)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]−2−フルオロフェニル}シクロヘキシル)酢酸(400MHz, CD3OD): δ 8.18(s, 1H), 7.38(m, 1H),
7.10(m,2H), 4.96(m, 1H), 3.88(m, 2H), 2.8(m,1H), 2.2(d, 2H), 1.90(m, 5H),
1.58(q, 2H), 1.4(d, 3H), 1.2(m, 2H).
【0198】
(実施例26)
2−{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}−N−(メチルスルホニル)アセトアミド
【0199】
【化42】

化合物2−{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}−N−(メチルスルホニル)アセトアミドを下記の通り調製した。
【0200】
実施例2からの{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸(50mg、0.13mmol)、N−メチルスルホンアミド(30mg、0.32mmol)の撹拌した溶液に、HOBT(29mg、0.19mmol)、EDCI(30mg、0.32mmol)およびTEA(19.1mg、0.19mmol)を加えた。18時間後、反応混合物をEtOAc中に希釈し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。逆相クロマトグラフィーにより、白色の固体として望ましい生成物5.3mgが得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.17 (s, 1H), 7.64 (br s, 2H) 7.20 (s, 4H), 4.58 (m, 2H), 3.92 (m,
2H), 3.20 (s, 3H), 2.42 (m, 1H), 2.17 (m, 2H), 1.73 (m, 5H), 1.40 (m, 2H), 1.05
m, 2H). m/z = 474.4 (M+1). IC50 44.5nM (範囲34.2-75.0 nM).
【0201】
(実施例27)
(トランス−4−{4−[(8R)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)アセトアミド
【0202】
【化43】

化合物2−((1S,4s)−4−(4−((R)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル)シクロヘキシル)アセトアミドを下記の通り調製した。
【0203】
実施例3からの(トランス−4−{4−[(8R)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f]−[1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)酢酸(1100mg、2.68mmol)を、DCM(20mL)およびDMF(0.02mL)中に加えた。次いで、塩化オキサリル(0.47mL、5.36mmol)を0℃にて滴加し、得られた混合物を室温まで温め、2時間にわたって撹拌した。混合物を濃縮すると、淡黄色の固体(塩化アシル)が得られ、1時間にわたって真空ポンプで乾燥した。次いで、塩化アシルを、ジオキサン中0.5N NH30mLに溶かし、反応物を90分にわたって撹拌した。DCM中20%i−プロパノール(130mL)および水(100mL)を反応混合物に加えた。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濃縮すると、固体が得られた。精製を、2〜10%のメタノール/DCMによるクロマトグラフィー(80g、シリカゲルカラム)により行うと、表題化合物として白色の固体950mg(87%)が得られた。m/z= 410.1(M+1). 1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ ppm 1.10 - 1.24 (m, 2 H)
1.36 (d, J=6.24 Hz, 3 H) 1.45 - 1.60 (m, 2 H) 1.73 - 1.95 (m, 5 H) 2.12 (d,
J=7.03 Hz, 2 H) 2.52 (t, J=12.29 Hz, 1 H) 3.80 - 3.96 (m, 2 H) 4.92 - 5.03 (m,
1 H) 7.22 - 7.27 (m, 2 H) 7.27 - 7.34 (m, 2 H) 8.17 (s, 1 H). IC50
52.2nM (範囲11.4-68.1 nM).
【0204】
下記の実施例28〜46の化合物を、アミドが、カルボン酸をアミンと反応させることにより形成される実施例26〜27の方法を利用して調製した。実施例33〜44の化合物を、疎水性の高炭素負荷表面と相対的に親水性の表面の両方を持つ逆相パッキング材料であるYMC ODS−AQ(2.0×50mm 5μm)(YMC Co.,Ltd.、Tokyo、Japan)および溶出液としての水中0.05%TFAを利用する逆相カラムクロマトグラフィーを使用して分離した。
【0205】
(実施例28)
(R)−2−(4−(4−(4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−2−フルオロフェニル)シクロヘキシル)アセトアミド
【0206】
【化44】

表題化合物を実施例6および27の方法により調製した。1H NMR (400MHz,
DMSO): δ 8.18(s, 1H), 7.6(br s, 1H), 7.34(m, 3H),
7.20(m,2H), 6.72(br s, 1H), 4.9(m, 1H), 3.82(m, 2H), 2.87(m,1H), 2.2(m, 3H),
1.7-1.44(m, 8H), 1.2(d, 3H). IC50 11.3nM (範囲7.3-19.9 nM).
【0207】
【表3】

【0208】
(実施例29)
2−{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]アセトアミド1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ8.23 (s, 1H), 8.10 (br s, 2H) 7.22 (m, 4H), 4.62 (m, 2H), 3.99 (m,
2H), 2.40 (m, 1H), 2.01 (m, 2H), 1.71 (m, 5H), 1.39 (m, 2H), 1.00 (m,
2H). m/z = 528.4 (M+1)
【0209】
(実施例30)
2−{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}アセトアミド1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ8.17 (s, 1H), 7.59 (br s, 2H) 7.24 (s, 4H), 4.58 (m, 2H), 3.96 (m,
2H), 2.44 (m, 1H), 1.97 (m, 2H), 1.78 (m, 4H), 1.68 (m, 1H), 1.42 (m, 2H), 1.03
(m, 2H). m/z = 396.2 (M+1)
【0210】
(実施例31)
2−{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}−N−1H−テトラゾール−5−イルアセトアミド
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d6): δ8.17 (s, 1H), 7.63 (br
s, 2H) 7.22 (m, 4H), 4.57 (m, 2H), 3.90 (m, 2H), 2.40 (m, 1H), 2.33 (m, 2H),
1.78 (m, 5H), 1.40 (m, 2H), 1.10 (m, 2H). m/z = 464.4 (M+1)
【0211】
(実施例32)
2−{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}−N−エチルアセトアミド
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d6) δppm 8.11 (s, 1 H) 7.74 (t, J=5.39
Hz, 1 H) 7.55 (br. s., 2 H) 7.18 - 7.27 (m, 4 H) 4.49 - 4.57 (m, 2 H) 3.86 -
3.95 (m, 2 H) 2.94 - 3.06 (m, 2 H) 2.36 - 2.48 (m, 1 H) 1.92 (d, J=6.64 Hz, 1
H) 1.73 (t, J=9.75 Hz, 6 H) 1.32 - 1.48 (m, 2 H) 0.88 - 1.09 (m, 5 H)
【0212】
(実施例33)
2−{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f]−[1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}−N−シクロヘキシルアセトアミド
質量スペクトルM/Z (M +1) 478; RT = 2.843
【0213】
(実施例34)
2−{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f]−[1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}−N−シクロペンチルアセトアミド
質量スペクトルM/Z (M +1) 464; RT = 2.6
【0214】
(実施例35)
2−{トランス−4−(4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f]−[1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル)シクロヘキシル}−N−2−インダニル−アセトアミド
質量スペクトルM/Z (M +1) 512; RT = 2.586
【0215】
(実施例36)
2−{トランス−4−(4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f]−[1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル)シクロヘキシル}−N−tert−ブチルアセトアミド
質量スペクトルM/Z (M +1) 452; RT = 2.633
【0216】
(実施例37)
2−{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f]−[1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}−N−[(1S)−1,2,2−トリメチルプロピル]アセトアミド質量スペクトルM/Z (M +1) 480; RT = 2.597
【0217】
(実施例38)
2−{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f]−[1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}−N−(1,1−ジメチルプロピル)アセトアミド
質量スペクトルM/Z (M +1) 466; RT = 2.763
【0218】
(実施例39)
2−{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f]−[1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}−N−(2,2−ジメチルプロピル)アセトアミド
質量スペクトルM/Z (M +1) 466; RT = 2.498
【0219】
(実施例40)
2−{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f]−[1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}−N−[(2S)−2−メチルブチル]アセトアミド
質量スペクトルM/Z (M +1) 466; RT = 2.508
【0220】
(実施例41)
2−{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f]−[1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}−N−(1−エチルプロピル)アセトアミド
質量スペクトルM/Z (M +1) 466; RT = 2.463
【0221】
(実施例42)
2−{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f]−[1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}−N−(1,2−ジメチルプロピル)アセトアミド
質量スペクトルM/Z (M +1) 466; RT = 2.991
【0222】
(実施例43)
2−{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f]−[1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}−N−[(1S)−1−メチルブチル]アセトアミド
質量スペクトルM/Z (M +1) 466; RT = 2.808
【0223】
(実施例44)
2−{4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロ−5H−9−オキサ−1,3,6−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−6−イル)−フェニル]−シクロヘキシル}−N−メチル−アセトアミド1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δppm
0.89 - 1.15 (m, 2 H) 1.30 - 1.50 (m, 2 H) 1.59 - 1.83 (m, 5 H) 1.85 - 1.98 (m,
2 H) 2.39 - 2.59 (m, 2 H) 3.02 - 3.38 (m, 3 H) 3.83 - 3.96 (m, 2 H) 4.46 - 4.59
(m, 2 H) 7.15 - 7.29 (m, 2 H) 7.47 - 7.59 (m, 2 H) 7.66 (br. s., 2 H) 8.11 (s,
1 H).
【0224】
(実施例45)
2−{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f]−[1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}−N−(2−メチルブチル)アセトアミド
質量スペクトルM/Z (M +1) 466; RT = 2.822
【0225】
(実施例46)
{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}アセトニトリル
【0226】
【化45】

化合物{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}アセトニトリルを下記の通り調製した。
【0227】
THF(1mL)中の実施例30からの2−{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}アセトアミド(45mg、0.11mmol)の撹拌したスラリーに、DMF(0.002mL)および塩化オキサリル(0.05mL、0.6mmol)を加えた。室温における2時間の撹拌後、反応物を水性重炭酸ナトリウムでクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮すると、淡黄色の固体として表題化合物34mgが得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.17 (s, 1H), 7.63 (br s, 2H) 7.22 (m, 4H), 4.57 (m, 2H), 3.90 (m,
2H), 2.43 (m, 3H), 1.78 (m, 4H), 1.63 (m, 1H), 1.43 (m, 2H), 1.08 (m,
2H). m/z = 378.3 (M+1). IC50 64.3nM (範囲51.2-91.1 nM).
【0228】
(実施例47)
(トランス−4−{4−[(8R)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)アセトニトリル
【0229】
【化46】

化合物(トランス−4−{4−[(8R)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)アセトニトリルを下記の通り調製した。
【0230】
実施例27からの(トランス−4−{4−[(8R)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)酢酸(500mg、1.22mmol)を、THF(12mL)およびDMF(0.01mL、0.12mmol)に溶かし、塩化オキサリル(0.5mL、6mmol)を、室温にてそれに滴加し、得られた混合物を2時間にわたって室温にて撹拌した。反応混合物を、注意深く加えるNaHCO溶液および水でクエンチし、次いで、EtOAc(2×100mL)で抽出した。有機層を合わせ、水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮すると、一部の粗生成物が得られた。材料を、1〜5%メタノール/DCMによる40gシリカゲルカラムのクロマトグラフにかけると、表題化合物として白色の固体250mg(53%)が得られた。m/z= 392.2 (M+1). 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 1.19 - 1.37 (m, 2 H) 1.42 - 1.58 (m, 5
H) 1.69 - 1.84 (m, 1 H) 1.90 - 2.05 (m, 4 H) 2.31 (d, J=6.65 Hz, 2 H) 2.46 -
2.60 (m, 1 H) 3.76 - 3.96 (m, 2 H) 4.86 - 5.00 (m, 1 H) 5.58 (br. s., 1 H) 7.20
(d, 2 H) 7.27 (d, 2 H) 7.99 (br. s., 1 H) 8.29 (s, 1 H). IC50
38.4nM (範囲30.1-48.1 nM).
【0231】
(実施例48)
(R)−2−(4−(4−(4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−2−フルオロフェニル)シクロヘキシル)アセトニトリル
【0232】
【化47】

表題化合物を実施例6および47の方法により調製した。1H NMR (400MHz,
CD3OD): δ 8.18(s, 1H), 7.38(m, 1H), 7.10(m,2H), 4.96(m,
1H), 3.90(m, 2H), 2.84(m,1H) , 2.6,2.4(d, 2H), 1.96-1.56(m, 4H), 1.4(d, 3H),
1.28(m, 1H), 0.88(m, 4H). IC50 12.9nM (範囲4.5-22.2 nM).
【0233】
(実施例49)
4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロ−5H−9−オキサ−1,3,6−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−6−イル)−フェニル]−シクロヘキサンカルボン酸
【0234】
【化48】

実施例1に記載されている方法に従って調製した。1H NMR (400 MHz,
DMSO-d6) δ ppm 1.37 - 1.55 (m, 4 H) 1.81 (br. s., 2 H)
1.99 (br. s., 2 H) 2.25 (br. s., 2 H) 3.85 - 4.03 (m, 2 H) 4.45 - 4.61 (m, 2 H)
7.20 - 7.32 (m, 4 H) 7.58 (s, 2 H) 8.15 (s, 1 H). m/z = 381 (M-1).
IC50 7.8 nM (範囲5.8-10.5 nM)
【0235】
(実施例50)
4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロ−5H−9−オキサ−1,3,6−トリアザ−ベンゾシクロヘプタン−6−イル)−フェニル]−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル
【0236】
【化49】

実施例1に記載されている方法に従って調製した。1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.32 - 1.68 (m, 5 H) 1.87 - 1.98
(m, 2 H) 2.03 - 2.14 (m, 2 H) 2.22 - 2.38 (m, 1 H) 2.46 - 2.58 (m, 1 H) 3.59 -
3.70 (m, 2 H) 3.91 - 4.03 (m, 2 H) 4.55 - 4.72 (m, 2 H) 5.64 (br. s., 1 H) 7.10
- 7.30 (m, 4 H) 8.14 (br. s., 1 H) 8.25 (s, 1 H). m/z = 397.4 (M+1).
IC50 47.3nM (範囲45.2-49.5 nM)
【0237】
(実施例51)
4−アミノ−6−{4−[4−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−シクロヘキシル]−フェニル}−7,8−ジヒドロ−6H−9−オキサ−1,3,6−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−5−オン
【0238】
【化50】

トルエン(0.66mL)中のトリメチルアルミニウム(トルエン中2M、0.33mL)の0℃に冷却し撹拌した溶液に、トリメチルシリルアジド(0.86mL)および{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}アセトニトリル(25mg)を加えた。この混合物を40時間にわたって80℃まで加熱し、冷却し、真空中で濃縮し、クロマトグラフにかけると(4gシリカゲルカラム、0〜10%メタノール:クロロホルム)、白色の固体として表題化合物2.8mgが得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm
0.96 - 1.28 (m, 2 H) 1.25 - 1.45 (m, 2 H) 1.62 - 1.80 (m, 5 H) 2.31 - 2.50 (m,
1 H) 2.62 - 2.76 (m, 2 H) 3.85 - 3.95 (m, 2 H) 4.45 - 4.57 (m, 2 H) 7.13 - 7.29
(m, 4 H) 7.55 (br. s., 2 H) 8.10 (s, 1 H) m/z = 421.3 (M+1). IC50
76.2nM (範囲47.5-163 nM).
【0239】
本発明の下記の化合物を、実施例52〜57に記載されているように、調製5の化合物を使用してスキーム2の方法により、調製するか、調製される化合物から誘導した。
【0240】
調製5
4−アミノ−6−(4−ヨードフェニル)−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−5(6H)−オン
【0241】
【化51】

4−アミノ−6−(4−ヨードフェニル)−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−5(6H)−オンを下記の通り調製した。
【0242】
ステップ1。下に示すN−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−ヨードアニリンを下記の通り調製した。
【0243】
【化52】

THF(5mL)中の水素化ナトリウム(464mg 油中60%、11.6mmol)の撹拌したスラリーに、THF(1mL)中の4−ヨードアニリン(1.27グラム、5.80mmol)の溶液を滴加した。15分後、(2−ブロモエトキシ)(tert−ブチル)ジメチルシラン(1.39g、5.83mmol)を加え、得られたスラリーを、40時間にわたって撹拌した。反応を水でクエンチし、EtOAcと飽和水性塩化アンモニウムの間で分配した。水層をEtOAc(2×)で洗浄し、合わせた有機層を、飽和水性食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で濃縮すると、油が得られた。クロマトグラフィー(40グラムシリカゲルカラム、0〜20%EtOAc:ヘプタン)により、ゴム状の固体として表題化合物1.41グラムが得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.41, (d, 2H), 6.40 (d, 2H), 4.08 (br s, 1H), 3.81 (m, 2H), 3.18
0.92 (s, 9H), 0.04 (d, 6H). m/z = 378.2 (M+1).
【0244】
ステップ2。下に示す4,6−ジクロロ−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−5−カルボキサミドを下記の通り調製した。
【0245】
【化53】

MTHF(5mL)中のN−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−ヨードアニリン(1.34g、2.78mmol)およびジエチルイソプロピルアミン(0.7mL、4.0mmol)の冷却し(氷/水)撹拌した溶液に、4,6−ジクロロピリミジン−5−カルボニルクロライド(560mg、2.65mmol)を加えた。5分後、冷却浴を取り除き、スラリーを5時間にわたって撹拌した。水性塩酸(1N、5mL)を加え、混合物を72時間にわたって放置した。層を分離し、水層をMTHF(2×)で洗浄した。合わせた有機層を飽和水性重炭酸ナトリウム、飽和水性食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮すると、油が得られた。クロマトグラフィー(40グラムシリカゲルカラム、20〜100%EtOAc:ヘプタン)により、表題化合物542mgが得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.64
(s, 1H), 7.62 (d, 2H), 7.17 (d, 2H), 4.07 (t, 2H), 3.91 (q, 2H). m/z =
438.0 (M+1).
【0246】
ステップ3。下に示す4−クロロ−6−(4−ヨードフェニル)−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−5(6H)−オンを下記の通り調製した。
【0247】
【化54】

DMF中の4,6−ジクロロ−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(4−ヨードフェニル)ピリミジン−5−カルボキサミド(543mg、1.24mmol)および炭酸カリウム(350mg、2.53mmol)の撹拌したスラリーを、2時間にわたって80℃にて加熱した。反応物を冷却し、濾過し、固体を少量のDMFで洗浄し、合わせた濾液を真空中で濃縮した。残渣をクロマトグラフにかけると(シリカゲル40g、0〜70%EtOAc:ヘプタン)、白色の固体として4−クロロ−6−(4−ヨードフェニル)−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−5(6H)−オン427mgが得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.78 (s, 1H), 7.80 (d, 2H), 7.17 (d, 2H), 4.77 (m, 2H), 4.03 (m,
2H). m/z = 402.0 (M+1).
【0248】
ステップ4。p−ジオキサン中0.5Nアンモニア中の4−クロロ−6−(4−ヨードフェニル)−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−5(6H)−オン(279mg、0.70mmol)の溶液を、18時間にわたって封管中で撹拌した。反応混合物の濃縮と、続く、クロマトグラフィー(10gシリカゲル、0〜5%メタノール:クロロホルム)により、白色の固体として調製5の表題化合物122mgが得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.18 (s, 1H), 7.80 (d, 2H), 7.60 (br s, 2H), 7.19 (d, 2H), 4.60 (m,
2H), 3.96 (m, 2H).
m/z = 383.1 (M+1).
【0249】
(実施例52)
メチル(+)−{4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6−(5H)−イル)フェニル]シクロヘキス−3−エン−1−イル}アセテート
【0250】
【化55】

上に示すメチル(+)−{4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6−(5H)−イル)フェニル]シクロヘキス−3−エン−1−イル}アセテートを下記の通り調製した。
【0251】
1,2−ジメトキシエタン(1.0mL)中の4−アミノ−6−(4−ヨードフェニル)−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−5(6H)−オン(40mg、0.10mmol)、メチル[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキス−3−エン−1−イル]アセテート(38mg、0.14mmol)、炭酸セシウム(42mg、0.28mmol)およびパラジウムテトラキス(トリフェニル−ホスフィン)(6mg、0.005mmol)の撹拌した溶液を、18時間にわたって100℃にて加熱した。反応混合物を冷却し、濃縮し、クロマトグラフにかけると、白色の固体19mgが得られた。IC50 84.3nM。
【0252】
(実施例53)
(+)−{4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6−(5H)−イル)フェニル]シクロヘキス−3−エン−1−イル}酢酸
【0253】
【化56】

上に示す名前を付けられた化合物を形成するため、実施例52の化合物を、実施例2に記載されている条件を利用して加水分解すると、淡褐色の固体として表題化合物11mgが得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.07 (br. s., 1H), 8.16 (s, 1H), 7.61 (br. s., 2H), 7.44 (d, J=8.30
Hz, 2 H), 7.31 (d, 2H), 6.13 (br. s., 1H), 4.58 (t, 2H), 3.97 (br. s., 2H),
2.42 (br. s., 2H), 2.32 (d, 2H), 2.23 (d, 2H), 1.92 - 2.03 (m, 1H), 1.83 - 1.93
(m, 1H), 1.31 - 1.45 (m, 1H). m/z = 395.3 (M+1). IC50
36.4nM (範囲33.8-39.3 nM).
【0254】
(実施例54)
メチル{4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6−(5H)−イル)フェノキシ]フェニル}アセテート
【0255】
【化57】

p−ジオキサン(0.4mL)中の4−アミノ−6−(4−ヨードフェニル)−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−5(6H)−オン(38mg、0.10mmol)、メチル4−ヒドロキシフェニル酢酸(25mg、0.15mmol)、炭酸セシウム(78mg、0.24mmol)、N,N−ジメチルグリシン(10.3mg、0.10mmol)およびヨウ化銅(I)(6mg、0.03mmol)の撹拌したスラリーを、18時間にわたって90℃にて加熱した。反応混合物を冷却し、真空中で濃縮し、クロマトグラフにかけると(0〜5%メタノール:クロロホルム)、固体として表題化合物2.4mgが得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.31 (s, 1H), 7.25 (d, 2H), 7.20 (d, 2H), 7.07 (d, 2H), 7.02 (d,
2H), 4.69 (m, 2H), 4.00 (m, 2H), 3.68 (s, 3H). m/z = 421.2 (M+1).
IC50 254nM.
【0256】
(実施例55)
±{(1R,3aS,4R,6aR)−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]オクタヒドロペンタレン−1−イル}酢酸
【0257】
【化58】

上に示す名前を付けられた化合物を下記の通り調製した。
【0258】
ステップ1。ジメチル(±)−{(1R,3aS,4R,6aS)−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]オクタヒドロペンタレン−1−イル}マロネートを下記の通り調製した。ジメチルスルホキシド(6mL)中の4−アミノ−6−(4−ヨードフェニル)−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−5(6H)−オン(207mg、0.54mmol)、1,5−シクロオクタジエン(119mg、1.1mmol)、マロン酸ジメチル(347mg、2.6mmol)、テトラ−N−ブチルアンモニウムクロライド(165mg、0.59mmol)、重炭酸ナトリウム(284mg、3.4mmol)およびジパラジウム(0)トリス(ジベンジリデンアセトン)−クロロホルム(26mg、0.02mmol)のスラリーを、65時間にわたって80℃にて撹拌した。反応混合物を冷却し、濃縮し、クロマトグラフにかけると、表題化合物197mgが得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.25 (s, 1H), 7.29 (d, 2H), 7.18 (d, 2H), 4.65 (m, 2H), 3.75 (s,
3H), ), 3.72 (s, 3H), 3.38 (d, 1H), 2.80 (m, 1H), 2.43 (m, 2H), 1.97 (m, 1H),
1.75-1.32 (m, 7H). m/z = 495.3 (M+1).
【0259】
ステップ2。(±)−{(1R,3aS,4R,6aS)−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]オクタヒドロペンタレン−1−イル}マロン酸を下記の通り調製した。p−ジオキサン/水(8:3−11mL)中のジメチル(±)−{(1R,3aS,4R,6aS)−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]オクタヒドロペンタレン−1−イル}マロネート(190mg、0.38mmol)および水酸化リチウム一水和物(166mg、3.9mmol)の溶液を、3時間にわたって50℃にて撹拌した。反応物を濃縮し、p−ジオキサンを除去し、水(2mL)を加え、混合物をEtOAc(5mL)で抽出した。水層を、2N水性塩酸でpH約3に調整し、固体を濾過し、真空中で乾燥すると、白色の固体として表題化合物179mgが得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.17 (s, 1H), 7.58 (br s, 2H), 7.13 (d, 2H), 7.10 (d, 2H), 4.57 (m,
2H), 3.95 (m, 2H), 3.08 (d, 1H), 2.64 (m, 1H), 2.39 (m, 2H), 2.24 (m, 1H),
1.87-1.10 (m, 7H). m/z = 467.3 (M+1).
【0260】
ステップ3。表題化合物を下記の通り調製した。キシレン(3mL)およびジメチルスルホキシド(0.5mL)中の(±)−{(1R,3aS,4R,6aS)−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]オクタヒドロペンタレン−1−イル}マロン酸(87mg、0.19mmol)の溶液を、2時間にわたって150℃にて撹拌した。冷却した後、反応混合物をEtOAc中で希釈し、水で洗浄すると、沈殿が有機層中に形成した。この固体を濾過し、真空下で乾燥すると、白色の固体として表題化合物24mgが得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.17 (s, 1H), 7.60 (br s, 2H), 7.15 (d, 2H), 7.12 (d, 2H), 4.58 (m,
2H), 3.96 (m, 2H), 3.13 (s, 1H), 2.62-1.12 (m, 13H). m/z = 423.3
(M+1). IC50 <10nM (範囲<3-27.2
nM).
【0261】
(実施例56)
(1R,5R,6S)−6−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロ−5H−9−オキサ−1,3,6−トリアザ−ベンゾシクロヘプテン−6−イル)−フェニル]−トリシクロ[3.2.1.02,4]オクタン−3−カルボン酸メチルエステル
【0262】
【化59】

名前を付けられた化合物を下記の通り調製した。DMF(0.36mL)中の4−アミノ−6−(4−ヨードフェニル)−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−5(6H)−オン(340mg、0.89mmol)、トリシクロ[3.2.1.02,4]オクト−6−エン−3−カルボン酸エチルエステル(240mg、1.35mmol)、テトラブチルアンモニウムヨージド(67mg、0.18mmol)、ピペリジン(230mg、2.7mmol)、ギ酸(170mg、0.14mmol)およびジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)(23mg、0.09mmol)のスラリーを、16時間にわたって125℃にて撹拌した。反応混合物を冷却し、EtOAc中に希釈し、水、飽和水性食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で濃縮すると、油が得られた。クロマトグラフィー(シリカゲル20g、1〜5%メタノール:クロロホルム)により、固体127mgが得られた。IC50 78.3nM。
【0263】
(実施例57)
(±)−(1R,5R,6S)−6−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]トリシクロ[3.2.1.0〜2,4〜]オクタン−3−カルボン酸
【0264】
【化60】

表題化合物を、実施例2に記載されているようにエステルを加水分解することにより実施例56の化合物から調製すると、灰色がかった白色の固体27mgが得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.19 (s, 1H), 7.75 (br s, 2H), 7.24 (m, 4H), 4.60 (m, 2H), 3.97 (m,
2H), 2.89 (s, 1H), 2.42 (m, 1H), 1.83 (m, 2H), 1.60 (m, 2H), 1.38 (ABパターン, 2H), 0.90 (s, 2H). m/z = 407.4 (M+1). IC50
34.7nM (範囲26.7-58.6 nM).
【0265】
生物学的プロトコル
動物、特に、哺乳動物(例えば、ヒト)における式(1)の化合物、薬学的に許容できる化合物の塩(本明細書に記載されているような)の有用性は、以下で議論されるin vitroおよびin vivoアッセイを包含する当業者に知られている従来のアッセイにおけるそれらの活性により証明することができる。そのようなアッセイは、式(1)の化合物の活性を、他の知られている化合物の活性と比較することができる手段も提供する。
【0266】
DGAT−1阻害についてのin vitroアッセイ
ヒト完全長ジアシルグリセロール:アシルCoAアシルトランスフェラーゼ1(DGAT−1)をSf9昆虫細胞で発現させ、次いで、細胞を溶解し、粗膜画分(105,000×gペレット)を調製した。DGAT−1遺伝子は、J.Biol.Chem.273:26765、1998およびUS6,100,077に記載されているヒトDGAT−1遺伝子である。
【0267】
DGAT−1のin vitroでの阻害を、米国特許第6,994,956B2号に記載されているアッセイ方法の、以下にさらに記載されている変更形態を使用して測定した。
【0268】
細胞を下記の通り培養した。Sf9細胞(20L)に、Wave Bioreactor System 20/50P(Wave Biotec/GE Healthcare)中で72時間にわたってDGAT1 Baculovirus Infected Insect Cells(BIIC)4mLを感染させた。
【0269】
粗DGAT−1ミクロソームを下記の通り調製した。細胞ペレットを、氷冷ダルベッコリン酸緩衝溶液で一度洗浄した。細胞を、卓上用遠心機(Beckman GS−6KR)、15分、2000×g、4℃で収集した。氷冷ミクロソーム緩衝液(MB)20mLを、細胞ペレット5g当たりに添加した。懸濁液を、ミクロフルイダイザーに3回通した(18Kpsi)。ライセートを遠心分離管に移し、4℃にて5000×g(Beckman−Coulter,Inc.Allegra(登録商標)64R High−Speed Refrigerated Benchtop Centrifuge、F0650ローター)で20分にわたって遠心分離した。上清を、超遠心分離管に移し、Beckman Ti−45ローター、4℃中で1時間にわたって125,000×gで遠心分離した。上清液を捨てた。ペレットを、超音波処理によりMB70mL中に再懸濁した。ミクロソーム濃度を、Bio−Rad Protein DC Protein Assayを使用して決定した。ミクロソームを、0.22μmフィルターで濾過滅菌した。サンプルを分割し、急速冷凍し、−80℃にて保存した。
【0270】
ミクロソーム調製に使用されるミクロソーム緩衝液は、従来の手段により調製され、125mMスクロース、3mMイミダゾール、0.2μg/mLアプロチニン、0.2μg/mLロイペプチンおよび5mMジチオスレイトール(クリーランド試薬)を含有していた。DGAT−1活性を、Hepes緩衝液(50mM、pH7.5)、MgCl(10mM)、ウシ血清アルブミン(0.6mg/ml)、[14C]デカノイルCoA(20μM、58Ci/mol)およびアセトン中の1,2ジオレオイル−sn−グリセロール(75μM)がすでに組み入れられている膜(25μg/ml)を含有する25μlの総アッセイ体積の384ウェルフォーマットで測定した。DMSO中の阻害剤を膜と一緒にプレインキュベートした後に、デカノイルCoAの添加によりDGAT−1反応を開始させた。2つの対照DGAT−1反応、1)阻害のゼロパーセント効果を測定するための阻害剤のないDMSOおよび2)1μM{トランス−4−[4−(4−アミノ−2,7,7−トリメチル−7H−ピリミド[4,5−b][1,4]オキサジン−6−イル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸(WO2004/047755)と一緒にインキュベートされる最大に阻害されるDGAT−1反応(「ブランク」)も並行してインキュベートした。DMSO濃度は、2.5%とした。阻害剤は、各化合物について見掛けIC50を生じる一連の8濃度で存在した。用いられる8種の阻害剤濃度は、10μM〜3nM(高濃度〜低濃度)の範囲とした。具体的に、使用される8濃度は、10μM、3μM、1μM、300nM、100nM、30nM、10nMおよび3nMとした。
【0271】
反応を、室温にて1.5時間にわたって進行させ、次いで、HCl(0.5M)10μlの添加により終了させた。反応混合物を、トリス(ヒドロキシ−メチル)アミノメタン(1M、pH8.0)15μlの添加により中和し、次いで、Microscint(商標)−E(Perkin Elmer)37.5μlとトリチュレーションにより混ぜた。プレート内容物を15〜30分にわたって分配させた後に、14Cを、シンチレーション分光計(トップ−カウントDPMモードのWallac Microbeta Trilux 1450−030液体シンチレーションカウンター12検出器)中で測定した。試験化合物のパーセント阻害を、100−((DPM DMSO非阻害−DPM試験化合物)/(DPM DMSO非阻害))としてコンピューターで計算した。
【0272】
実施例1〜3および5〜57に記載されている本発明の化合物が、in vitroDGAT−1阻害についてテストされ、1000nM以下のIC50値で一般的にDGAT−1阻害を示すことが分かった。このDGAT−1阻害アッセイが、ある化合物に対して2回以上行われた場合、阻害範囲もその化合物について提供される。本発明の化合物は、100nM以下のIC50値でDGAT−1阻害を示すことが好ましい。
【0273】
グルコース低下についてのin vivoアッセイ
経口グルコース負荷試験(「OGTT」)は、少なくとも1930年代から(Pincusら、Am.J.Med.Sci、188:782(1934))ヒトで使用されており、患者における治療剤の有効性を評価するためではないが、ヒト糖尿病の診断で日常的に使用されている。
【0274】
KKマウスは、グリタゾン(Fujitaら Diabetes 32:804〜810(1983);Fujiwaraら、Diabetes 37:1549〜48(1988);Izumiら Biopharm Durg.Dispos.18:247〜257(1997))、メトホルミン(Reddiら Diabet.Metabl.19:44〜51(1993))、グルコシダーゼ阻害剤(Hamadaら Jap.Pharmacol.Ther.17:17〜28(1988);Matsuoら Am.J.Clin.Nutr.55:314S〜317S(1992))、およびスルホニル尿素の膵外効果(Kamedaら Arzenim.Forsch./Drug Res.32:39044(1982);Mullerら Horm.Metabl.Res.28:469〜487(199))を評価するために使用されてきた。
【0275】
KKマウスは、Kondoら(Kondoら Bull.Exp.Anim.6:107〜112(1957))により初めて確立された近交系から誘導される。マウスは、ヒト糖尿病患者において見られるものに類似した腎臓、網膜および神経系の合併症を引き起こすまで進行する遺伝的形態の多遺伝子性糖尿病を自然に発症するが、それらは、生存のためにインスリンも他の医薬品も必要としない。本発明の別の態様は、経口グルコース負荷試験との関連でインスリン分泌促進剤の効果を評価するためのKKマウスの使用を対象とする。
【0276】
飼料摂取についてのin vivoアッセイ
下記のスクリーニングを使用し、一晩絶食後のSprague−Dawleyラットにおける飼料摂取阻害への試験化合物の有効性を評価した。
【0277】
雄性Sprague−Dawleyラットを個別に収容し、粉末固形飼料を与える。動物を、12時間の明/暗サイクルに維持し、飼料および水を自由に与える。動物を、1週間にわたってビバリウムに馴化させた後に、試験を行う。試験は、サイクルの明部分の間に終了させる。
【0278】
飼料摂取有効性スクリーニングを行うため、ラットを、試験に先立つ午後に飼料のない個別試験ケージに移し、ラットを一晩絶食させる。一晩絶食後、翌朝ラットにビヒクルまたは試験化合物を投与する。知られている拮抗薬を陽性対照として投与し(3mg/kg)、対照群にはビヒクル単独(化合物なし)を与える。試験化合物を、その化合物に応じて0.1〜100mg/kgの範囲で投与する。標準ビヒクルは、水中0.5%(w/v)メチルセルロースであり、標準的投与経路は、経口である。しかしながら、異なるビヒクルおよび投与経路を使用し、必要な場合に様々な化合物に対応することができる。飼料を、投与の30分後にラットに与え、Oxymax自動飼料摂取システム(Columbus Instruments、Columbus、Ohio)をスタートさせる。個別ラットの飼料摂取を、2時間にわたって10分間隔で連続的に記録する。必要な場合に、飼料摂取を、電子秤を使用して手動で記録し、飼料を与えてから最長で4時間後まで、飼料を与えた後に30分毎に飼料を秤量する。化合物有効性は、化合物処置ラットの飼料摂取パターンを、ビヒクルおよび標準陽性対照と比較することにより決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

を有する化合物もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩
(式中、
(a)Rは、H −(C〜C)アルキル、−(C〜C)ペルフルオロアルキル、−(C〜C)ペルフルオロアルコキシ、または−(C〜C)アルコキシであり、
(b)RおよびRは、別々に、独立して、H、−(C〜C)アルキル、または−(C〜C)ペルフルオロアルキルであるか、
およびRは、それらが接続している炭素と一緒になって、−(C〜C)シクロアルキルであり、
(c)Rは、Hまたは−(C〜C)アルキルであり、
(d)R5a、R5b、R5cおよびR5dは、各々独立して、H、F、Cl、Br、−(C〜C)アルキル、−OHまたは−O−(C〜C)アルキルであり、
(e)Qは、−O−または結合であり、
(f)Aは、−(C〜C)シクロアルキレン基、−(C〜C)シクロアルケニレン基またはフェニレンであり、
(g)Zは、−C(R6a)(R6b)−または結合(R6aおよびR6bは、各々独立して、−Hまたは−(C〜C)アルキルであるか、R6aおよびR6bは、それらが接続している炭素と一緒になって、−(C〜C)シクロアルキルである)であり、
(h)Rは、C(O)R、シアノ、ヒドロキシル、−(C〜C)アルコキシ、−(C〜C)ペルフルオロアルコキシまたはカルボン酸模倣体であり、
(i)Rは、−ORまたはNHR10であり、
(j)Rは、−H、−(C〜C)アルキル、または−(C〜C)ペルフルオロアルキルであり、
(k)R10は、−H、−(C〜C)アルキル、テトラゾリルまたはS(O)CFである)。
【請求項2】
(a)R、R、RおよびRが、各々独立して、Hまたは−CHであり、
(b)R5bおよびR5cが、各々Hであり、
(c)R5dが、H、FまたはClであり、
(d)R5aが、H、F、Clまたはメチルであり、
(e)Zが、−CH−または結合であり、
(f)Rが、C(O)Rまたはシアノである
請求項1に記載の化合物、もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩。
【請求項3】
Qが、結合であり、
Aが、−(C〜C10)シクロアルキレン基または−(C〜C10)シクロアルケニレン基である
請求項2に記載の化合物、もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩。
【請求項4】
5dが、Hである
請求項3に記載の化合物、もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩。
【請求項5】
Aが、1,4−シクロヘキシレン、シクロヘキス−3−エン−1,4−ジ−イル、トリシクロ[3.2.1.0〜2,4〜]オクチレン−1,3−ジ−イルまたはオクタヒドロペンタレン−1,4−ジ−イルである
請求項4に記載の化合物、もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩。
【請求項6】

【化2】

を有する請求項5に記載の化合物もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩
(式中、
は、Hまたは−CHであり、
は、Hまたは−CHであり、
は、Hまたは−CHであり、
は、Hまたは−CHであり、
5aは、H、F、Clまたはメチルであり、
Zは、−C(R6a)(R6b)−または結合(R6aおよびR6bは、各々独立して、−Hまたは−(C〜C)アルキルであるか、R6aおよびR6bは、それらが接続している炭素と一緒になって、−(C〜C)シクロアルキルである)であり、
は、C(O)R、シアノ、ヒドロキシル、−(C〜C)アルコキシ、−(C〜C)ペルフルオロアルコキシまたはカルボン酸模倣体であり、
は、−ORまたはNHR10であり、
は、−H、−(C〜C)アルキル、または−(C〜C)ペルフルオロアルキルであり、
10は、−H、−(C〜C)アルキル、テトラゾリルまたはS(O)CFである)。
【請求項7】
Zが、−CH−である
請求項6に記載の化合物、もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩。
【請求項8】
が、−C(O)NHR10である
請求項7に記載の化合物、もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩。
【請求項9】
が、−CNである
請求項7に記載の化合物、もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩。
【請求項10】
{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}アセトニトリルである請求項9に記載の化合物もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩。
【請求項11】
が、−C(O)OHである
請求項7に記載の化合物、もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩。
【請求項12】
2−(4−(4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−2−フルオロフェニル)シクロヘキシル)酢酸である請求項11に記載の化合物もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩。
【請求項13】
{トランス−4−[4−(4−アミノ−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)フェニル]シクロヘキシル}酢酸である請求項11に記載の化合物もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩。
【請求項14】
が、(R)−メチルである
請求項7に記載の化合物、もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩。
【請求項15】
が、−CNである
請求項14に記載の化合物、もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩。
【請求項16】
(トランス−4−{4−[(8R)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)アセトニトリルである請求項14に記載の化合物もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩。
【請求項17】
が、−C(O)OHである
請求項14に記載の化合物、もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩。
【請求項18】
(トランス−4−{4−[(8R)−4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル]フェニル}シクロヘキシル)酢酸である請求項17に記載の化合物もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩。
【請求項19】
(R)−2−(4−(4−(4−アミノ−8−メチル−5−オキソ−7,8−ジヒドロピリミド[5,4−f][1,4]オキサゼピン−6(5H)−イル)−2−フルオロフェニル)−シクロヘキシル)酢酸である請求項17に記載の化合物もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩。
【請求項20】
(a)式
【化3】

を有する化合物もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩
(式中、
は、H −(C〜C)アルキル、−(C〜C)ペルフルオロアルキル、−(C〜C)ペルフルオロアルコキシ、または−(C〜C)アルコキシであり、
およびRは、別々に、独立して、H、−(C〜C)アルキル、または−(C〜C)ペルフルオロアルキルであるか、
およびRは、それらが接続している炭素と一緒になって、−(C〜C)シクロアルキルであり、
は、Hまたは−(C〜C)アルキルであり、
5a、R5b、R5cおよびR5dは、各々独立して、H、F、Cl、Br、−(C〜C)アルキル、−OHまたは−O−(C〜C)アルキルであり、
Qは、−O−または結合であり、
Aは、−(C〜C)シクロアルキレン基、−(C〜C)シクロアルケニレン基またはフェニレンであり、
Zは、−C(R6a)(R6b)−または結合(R6aおよびR6bは、各々独立して、−Hまたは−(C〜C)アルキルであるか、R6aおよびR6bは、それらが接続している炭素と一緒になって、−(C〜C)シクロアルキルである)であり、
は、C(O)R、シアノ、ヒドロキシル、−(C〜C)アルコキシ、−(C〜C)ペルフルオロアルコキシまたはカルボン酸模倣体であり、
は、−ORまたはNHR10であり、
は、−H、−(C〜C)アルキル、または−(C〜C)ペルフルオロアルキルであり、
10は、−H、−(C〜C)アルキル、テトラゾリルまたはS(O)CFである)、および
(b)薬学的に許容できる担体、ビヒクル、希釈剤または賦形剤
を含む医薬組成物。
【請求項21】
(a)式
【化4】

を有する化合物もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩
(式中、
は、Hまたは−CHであり、
は、Hまたは−CHであり、
は、Hまたは−CHであり、
は、Hまたは−CHであり、
5aは、H、F、Clまたはメチルであり、
Aは、1,4−シクロヘキシレンであり、
Zは、−C(R6a)(R6b)−または結合(R6aおよびR6bは、各々独立して、−Hまたは−(C〜C)アルキルであるか、R6aおよびR6bは、それらが接続している炭素と一緒になって、−(C〜C)シクロアルキルである)であり、
は、C(O)R、シアノ、ヒドロキシル、−(C〜C)アルコキシ、−(C〜C)ペルフルオロアルコキシまたはカルボン酸模倣体であり、
は、−ORまたはNHR10であり、
は、−H、−(C〜C)アルキル、または−(C〜C)ペルフルオロアルキルであり、
10は、−H、−(C〜C)アルキル、テトラゾリルまたはS(O)CFである)、および
(b)薬学的に許容できる担体、ビヒクル、希釈剤または賦形剤
を含む請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
そのような治療を必要としている哺乳動物において2型糖尿病を治療するための方法であって、前記哺乳動物に、治療有効量の式
【化5】

を有する化合物もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩
(式中、
は、H −(C〜C)アルキル、−(C〜C)ペルフルオロアルキル、−(C〜C)ペルフルオロアルコキシ、または−(C〜C)アルコキシであり、
およびRは、別々に、独立して、H、−(C〜C)アルキル、または−(C〜C)ペルフルオロアルキルであるか、
およびRは、それらが接続している炭素と一緒になって、−(C〜C)シクロアルキルであり、
は、Hまたは−(C〜C)アルキルであり、
5a、R5b、R5cおよびR5dは、各々独立して、H、F、Cl、Br、−(C〜C)アルキル、−OHまたは−O−(C〜C)アルキルであり、
Qは、−O−または結合であり、
Aは、−(C〜C)シクロアルキレン基、−(C〜C)シクロアルケニレン基またはフェニレンであり、
Zは、−C(R6a)(R6b)−または結合(R6aおよびR6bは、各々独立して、−Hまたは−(C〜C)アルキルであるか、R6aおよびR6bは、それらが接続している炭素と一緒になって、−(C〜C)シクロアルキルである)であり、
は、C(O)R、シアノ、ヒドロキシル、−(C〜C)アルコキシ、−(C〜C)ペルフルオロアルコキシまたはカルボン酸模倣体であり、
は、−ORまたはNHR10であり、
は、−H、−(C〜C)アルキル、または−(C〜C)ペルフルオロアルキルであり、
10は、−H、−(C〜C)アルキル、テトラゾリルまたはS(O)CFである)を投与することを含む方法。
【請求項23】
そのような治療を必要としている哺乳動物において2型糖尿病を治療するための請求項22に記載の方法であって、前記哺乳動物に、治療有効量の式
【化6】

を有する化合物もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩
(式中、
は、Hまたは−CHであり、
は、Hまたは−CHであり、
は、Hまたは−CHであり、
は、Hまたは−CHであり、
5aは、H、F、Clまたはメチルであり、
Aは、1,4−シクロヘキシレンであり、
Zは、−C(R6a)(R6b)−または結合(R6aおよびR6bは、各々独立して、−Hまたは−(C〜C)アルキルであるか、R6aおよびR6bは、それらが接続している炭素と一緒になって、−(C〜C)シクロアルキルである)であり、
は、C(O)R、シアノ、ヒドロキシル、−(C〜C)アルコキシ、−(C〜C)ペルフルオロアルコキシまたはカルボン酸模倣体であり、
は、−ORまたはNHR10であり、
は、−H、−(C〜C)アルキル、または−(C〜C)ペルフルオロアルキルであり、
10は、−H、−(C〜C)アルキル、テトラゾリルまたはS(O)CFである)を投与することを含む方法。
【請求項24】
前記哺乳動物が、ヒトである請求項23に記載の方法。
【請求項25】
そのような治療を必要としている哺乳動物において肥満症を治療するための方法であって、前記哺乳動物に、治療有効量の式
【化7】

を有する化合物もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩
(式中、
は、H −(C〜C)アルキル、−(C〜C)ペルフルオロアルキル、−(C〜C)ペルフルオロアルコキシ、または−(C〜C)アルコキシであり、
およびRは、別々に、独立して、H、−(C〜C)アルキル、または−(C〜C)ペルフルオロアルキルであるか、
およびRは、それらが接続している炭素と一緒になって、−(C〜C)シクロアルキルであり、
は、Hまたは−(C〜C)アルキルであり、
5a、R5b、R5cおよびR5dは、各々独立して、H、F、Cl、Br、−(C〜C)アルキル、−OHまたは−O−(C〜C)アルキルであり、
Qは、−O−または結合であり、
Aは、−(C〜C)シクロアルキレン基、−(C〜C)シクロアルケニレン基またはフェニレンであり、
Zは、−C(R6a)(R6b)−または結合(R6aおよびR6bは、各々独立して、−Hまたは−(C〜C)アルキルであるか、R6aおよびR6bは、それらが接続している炭素と一緒になって、−(C〜C)シクロアルキルである)であり、
は、C(O)R、シアノ、ヒドロキシル、−(C〜C)アルコキシ、−(C〜C)ペルフルオロアルコキシまたはカルボン酸模倣体であり、
は、−ORまたはNHR10であり、
は、−H、−(C〜C)アルキル、または−(C〜C)ペルフルオロアルキルであり、
10は、−H、−(C〜C)アルキル、テトラゾリルまたはS(O)CFである)を投与することを含む方法。
【請求項26】
そのような治療を必要としている哺乳動物において肥満症を治療するための請求項25に記載の方法であって、前記哺乳動物に、治療有効量の式
【化8】

を有する化合物もしくはその互変異性体、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは互変異性体の塩
(式中、
は、Hまたは−CHであり、
は、Hまたは−CHであり、
は、Hまたは−CHであり、
は、Hまたは−CHであり、
5aは、H、F、Clまたはメチルであり、
Aは、1,4−シクロヘキシレンであり、
Zは、−C(R6a)(R6b)−または結合(R6aおよびR6bは、各々独立して、−Hまたは−(C〜C)アルキルであるか、R6aおよびR6bは、それらが接続している炭素と一緒になって、−(C〜C)シクロアルキルである)であり、
は、C(O)R、シアノ、ヒドロキシル、−(C〜C)アルコキシ、−(C〜C)ペルフルオロアルコキシまたはカルボン酸模倣体であり、
は、−ORまたはNHR10であり、
は、−H、−(C〜C)アルキル、または−(C〜C)ペルフルオロアルキルであり、
10は、−H、−(C〜C)アルキル、テトラゾリルまたはS(O)CFである)を投与することを含む方法。
【請求項27】
前記哺乳動物が、ヒトである請求項26に記載の方法。

【公表番号】特表2010−535190(P2010−535190A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518764(P2010−518764)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【国際出願番号】PCT/IB2008/001963
【国際公開番号】WO2009/016462
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】