説明

耐水芳香性化粧用組成物

本発明は化粧用組成物に関し、特に、水および汗による洗い流しに耐え、長時間皮膚に耐水性で固定されたままにする事ができる化粧用組成物に関するものである。化粧用組成物は芳香剤および0.01ないし10重量%の疎水性アルコール溶解性のカルボキシル化アクリレート/オクチルアミド共重合体および0.01ないし10重量%の加水分解したホホバエステルからなる芳香剤固定複合体からなる。さらに複合体は芳香剤の全量をかなり減らして、同じ香りのフィーリングを消費者に与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧用組成物に関し、特に、香料成分を水および汗による洗い流しに耐え、長時間皮膚に固定されたままにする事ができる化粧用組成物に関するものである(芳香性耐水組成物)。
【背景技術】
【0002】
リポソームまたはシクロデキストリン中に香料油をカプセル化しこれら香料油の放出を制御することが知られている。幾つかの系、例えばキチン誘導体、第四級キトサン、珪酸塩物質および熱可塑性ポリアミドは、皮膚への結合を改良しあるいは芳香の持続時間を延ばすためにも用いられた。
特許文献1は、疎水性アクリルポリマーの水性分散物で製薬学的に活性な成分ならびに芳香成分のコーティングを開示しており、アクリルポリマーはアクリル酸/メタクリル酸の(アルキル)エステルである。
特許文献2は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロースおよび疎水性オイルからなる香料−固定物質を開示している。
【特許文献1】米国特許第6143353A号明細書
【特許文献2】米国特許第6172037号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は水による洗い流しに耐えられ同時に香料成分が長時間皮膚に固定されたままに確保される化粧用組成物を提供することである。
本発明のさらなる目的は何の相違もなしで消費者によって香料の含量および香料の感触を減らした化粧用組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、芳香物からなる化粧用組成物はさらに芳香性を固定する複合体からなり、0.01ないし10重量%の疎水性アルコール溶解性のカルボキシル化アクリレート/オクチルアミド共重合体、0.01ないし10重量%の加水分解したホホバエステルを含み、全パーセントが化粧用組成物の全重量に基づく。
【0005】
芳香剤の範囲は0.01ないし35重量%である。好ましい範囲は0.1−16重量%、さらに好ましくは0.5−8重量%、最も好ましくは1ないし5重量%である。共重合体が0.1ないし5重量%の範囲の量で、さらに好ましくは0.1−1.0重量%の量で含まれる。カルボキシル化アクリレート/オクチルアクリルアミド共重合体はアクリル重合体Dermacryl(登録商標)AQF(National Starch & Chemical Co.,ブリッジウォーター ニュージャージー、USA)により置き換える事ができる。
【0006】
さらにホホバエステルは0.1ないし5重量%、さらに好ましくは0.1−1重量%の範囲で存在する。
【0007】
本発明の特定例ではホホバエステルおよび共重合体は1:1−4、好ましくは1:1.2−2.8のホホバエステル:重合体で別々に調製された複合体を構成する。
【0008】
本発明のさらなる例では化粧用組成物はアルコールまたはアルコール/水混合物からなる。
【0009】
前述の香料−固定複合体はエマルジョン、クリーム、ローション、スプレイ、シャワーゲル、シャワーオイル、入浴製品、発泡入浴剤、香料、アフターシェーブ、ひげそり香油、フェースローション、毛髪コンデッショナー、スキンゲル、脱臭剤、洗浄剤等の化粧用製品に用いられる。同時に、さらにこのような製品に普通に用いられるような化粧用補助剤およびキャリヤ物質、ならびにさらに活性剤が用いられる。補助剤には例えば保存料、着色料、ポリオール、エステル、電解液、ゲル形成剤、極性および非極性オイル、重合体、さらに共重合体、安定材、界面活性剤を含む。
【0010】
化粧用活性剤は例えば有機サンスクリーン、殺菌剤、加湿物質、ビタミン、酵素、植物をベースとした活性剤、重合体、酸化防止剤、抗−炎症性天然活性剤を含む。好ましい化粧用芳香剤は当該分野で知られている全ての芳香剤油のような油溶性芳香剤である。
【0011】
本発明に従って用いられる疎水性の、アルコール可溶性、カルボキシル化アクリレート/オクチルアクリルアミド共重合体はエタノール、イソプロパノールおよび脂肪アルコールに溶ける。トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、アミノメチルプロパノール、水酸化カリウムまたは水酸化アンモニウムのような水溶性塩基を用いてカルボキシ基を中和することによって水溶性または水に分散させることができる。従って必要ならば皮膚から石鹸で洗い流す事ができる。共重合体と水性アルコール系およびグリコール、および溶媒に溶解するホホバエステル水解物との相互作用によって、芳香性の分子は複合体に統合され長時間皮膚に結合したままである。同時に、前述の複合体は強く水を弾く効果がある。従って皮膚に芳香分子を雨、汗、水泳等の最中に非常によく持続させる。好ましい共重合体は2,4meq/gの酸量をもつアクリレートオクチルアクリルアミド共重合体である。このような製品は米国ニュージャジー州のNational Starch and Chem.Comp.によってDERMACRYL(登録商標)AQFまたはDERMACRYL(登録商標)79で入手できる。
【0012】
好ましい加水分解したホホバエステルは最大1mg KOH/gのAOCS Cd3−25*のけん化価、14ないし17g/100gのAOCS Cd 1d−92*のヨウ素価および最大0.1重量%のAOCS Cd 14−95*のトランスアイソマー価をもつ植物起源(Simmondsia chinensis)のひとつである(*American Oil Chemists Societyにしたがったテスト方法)。このような製品(INCI:加水分解したホホバエステル(および)水)は米国ニューヨーク州ハーツデイルのInt.Floratech Technol.Ltd.によってFloraesters(登録商標)K−20Wホホバで入手できる。
【0013】
次の物質は特に化粧用複合体をさらに加工するために適当である。
オイル:シリコノイル、鉱油、水素化ポリイソブテン、ポリイソプレン、スクアレン、トリデシルトリメリテート、トリメチルプロパントリイソステアレート、クエン酸イソデシル、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、PPG−15ステアリルエーテルならびに植物油、例えばキンセンカ油、ホホバ油、アボガド油、マカデミアナッツ油、海狸油、ココアバター、ココナツ油、メイズ油、綿実油、オリーブ油、ヤシカーネル油、ナタネ油、サフラワー油、ゴマ種油、大豆油、ヒマワリ種油、小麦麦芽油、ブドウ種油、キクイナッツ油、アザミ油、およびこれらの混合物。合成スクワレンまたは天然製品から作られたスクワレン、ならびに分枝または線状、飽和または不飽和の化粧用エステルまたはエーテルがまた適当である。
【0014】
スカベンジャー:抗酸化剤、ビタミン、例えばビタミンCおよびそれらの誘導体、例えばアスコルビルアセテート、アスコルビルホスフェートおよびアスコルビルパルミテート;ビタミンAおよびその誘導体;葉酸およびその誘導体;ビタミンEおよびその誘導体、例えばトコフェリルアセテート;フラボンおよびフラボノイド;アミノ酸、例えばヒスチジン、グリシン、チロシン、トリプトファンおよびその誘導体;カロチノイドおよびカロチン、例えばα−カロチン、β−カロチン;尿酸およびその誘導体;α−ヒドロキシ酸、例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸。
【0015】
加湿物質:グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、およびその混合物。
有機サンスクリーン:4−アミノ安息香酸の誘導体、例えば4−(ジメチルアミノ)−安息香酸−(2−エチルヘキシル)エステル;クエン酸エステル、例えば4−メトキシクエン酸(2−エチルヘキシル)エステル;ベンゾフェノン誘導体、例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;例えば3−ベンジリデンカンファーのような3−ベンジリデンカンファー誘導体。他の好ましい油溶性UVフィルターはベンゾフェノン−3、ブチルメトキシベンゾイルメタン、オクチルメトキシシンナメート、オクチルサリチレート、4−メチルベンジリデンカンファー、ホモサレート、およびオクチルジメチルPABAである。
【0016】
界面活性剤:陰イオン性、両性、非イオン性または陽イオン性界面活性剤、またはそれらの混合物。陽イオン性重合体または陰イオン性および両性界面活性剤の混合物が特に好ましい。
陰イオン性起泡性界面活性剤の例はアルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、硫酸化モノグリセリド、スルホン化オレフィン、アルキルアリールスルホネート、一級または二級アルカンスルホネート、アルキルスルホスクシネート、アシルタウレート、アシルイソチオネート、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、スルホネートメチルエステル、スルホン化脂肪酸、アルキルホスフェート、アシルグルタメート、アシルサルコシネート、アルキルスルホアセテート、アシル化ペプチド、アルキルエーテルカルボキシレート、フッ素を含む陰イオン性界面活性剤のアシルラクチレート、およびそれらの混合物からなる群から選択されたものを含む。陰イオン性界面活性剤は本発明で効果的に用いられる。
【0017】
本発明で用いられる両性界面活性剤の例は酸基をもつものを少なくとも含む。前述の酸基はカルボキシル基またはスルホン酸基である事ができる。4級窒素およびしたがって4級アミノ酸が含まれる。一般に、それらは7ないし18個の炭素原子をもつアルキル基またはアルケニル基を含む。適当な両性界面活性剤は簡単なベタインおよびアミドベタインを含み、ココナツから誘導されたC12−およびC14−アルキル基の混合物であり、その結果、R1−炭化水素鎖の少なくとも半分、好ましくは4分の3は10ないし14個の炭素原子をもつ。他の2個のR2−およびR3−炭化水素鎖はメチルであることが好ましい。さらに、両性界面活性剤はスルホベタインである事ができる。両性アセテートおよびジ両性アセテートもまた用いられる可能な双性イオン性および/または両性化合物として生じ使用する事ができる。一般に、両性界面活性剤は組成物に対して0.1ないし20重量%、好ましくは5ないし18重量%の範囲の量で含まれる。
【0018】
適当な非イオン界面活性剤は、制限されないが、ココナツアシルモノエタノールアミドまたはココナツアシルジエタノールアミド、アルキルポリサッカライド、ラクトビオンアミド、エチレングリコールエステル、グリセリンモノエーテル、ポリヒドロキシアミド(グルカミド)、一級および二級アルコールエトキシレート、特にアルコール1モルにつき1ないし20モルのエチレンオキサイドの平均値でエトキシル化したC8−20脂肪族アルコールを含む。前述の界面活性剤の混合物も用いられる。
顔料、顔料混合物または顔料様効果をもつ粉末は、真珠光沢効果をもつものも含み本発明の組成物に添加する事ができる。例えば、酸化鉄、オーカーのような珪酸アルミニウム、(ジ)酸化チタン、マイカ、カオリン、アンバーおよび赤色ボールのようなクレイを含むマンガン、炭酸カルシウム、フレンチチョーク、マイカ−チタン酸化物、マイカ−チタン酸化物−酸化鉄、ビスマスオキシクロライド、ナイロンビーズ、セラミックビーズ、膨張したおよび非膨張の合成重合体粉末、粉末状天然有機化合物、例えば製粉固体藻類、製粉植物部分、カプセルに入れたおよびカプセルに入れない穀類澱粉およびマイカーチタン酸化物−有機染料を含む事ができる。
【0019】
また本発明の組成物には制汗剤および脱臭剤、例えばトリクロサン、トリメチルクエン酸塩、ファルネソール、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロルハイデックス
GLY等が含まれる。
【0020】
比較テストでは、本発明による複合体の添加は、テスト者による感覚テストにおいて、またガスクロマトグラフイ/質量分析による分析テストにおいて共に、4−6時間の間に耐水性がかなりの増加をもたらした。8時間続くテストではアフターシェブローションの耐水性もまた未処理の元の製品のものよりもかなり高かった。
【0021】
さらに化粧用組成物の他の成分に対し、化粧用組成物の全量に対して0.5−8重量%、好ましくは1−3重量%の範囲で複合体、例えば香料を添加すると、芳香強度をロスすることなく通常組成物に添加される芳香剤の量を減らすことができる事を見出した。これは標準製品と、芳香剤が20%以下で本発明の複合体を1−2%添加した製品との間に、芳香特性に差があるかどうかを決定するために行った消費者テストでは、有意な差異がなかったことを意味する。
【0022】
耐水性化粧用組成物を製造するための好ましい方法は、加水分解したホホバエステルを若干のアルコールまたはアルコール/水混合物と混合し、18−40℃の温度範囲で、粉末形態のアクリレート/オクチルアクリルアミド共重合体を混合工程の間に混合物に噴霧する。得られた複合体は化粧用製剤で使用する前に乾燥するかまたは直接組成物の他の成分に添加することができる。若干のアルコール、エステル、および共重合体、任意に10%NaCO溶液をこの順番に混合することもできる。
【0023】
本発明の芳香剤固定複合体の使用は次の物質群で好ましい。
−香料
−毛髪ケアおよびボデイケア製品、例えば洗髪剤、ボデイ洗剤、シャワーゲル、シャンプー、コンデショナー、等
−サンケア製品、例えばサンクリーム、サンローション、アフターサン製品、ボデイブロンザー、サンスプレイ、サンミルク等
−発汗抑制剤および脱臭剤
カラー化粧用製品、例えばマスカラー、ファンデーション、メーキャップ、口紅、リップバルサム等
以下、さらに詳細に本発明を実施例によって説明する。全数量は特記しないかぎり重量%である。
【実施例1】
【0024】
アフターシェーブ
相A
エタノール q.s. ad 100
メトキシ珪皮酸オクチル 0.2
ベンゾフェノン−3 0.1
PEG−60 水素化カスターオイル 1.5
L−メントール 0.15
相B
芳香剤 7.0
エタノール 15.0
相C
水 12
アラントイン 0.1
相D
エタノール 6.0
加水分解ホホバエステル&水 0.5
アクリレート/オクチルアクリルアミド共重合体 1.0
相E
着色料 0.015
相Aの成分を互いに混合し、約60℃でPEG−60水素化カスターオイルを混入しながら、相Aの成分を互いに混合した。別々に、相Bと相Cを同じ方法で調製した。相Dを約25℃でホホバエステルとエタノールを混合しながら、混合工程の間に粉末形態で共重合体にスプレイした。次いで混合物を澄んだ均質な溶液が得られるまで混合物を攪拌した。先ず、相Dを相Bと混合した。次いで相AとCを互いに混合し混合物をフィルター緩衝物(60S)を用いて濾過した。相DとBの混合物を次に攪拌しながら相AとCの混合物に添加し、最後に相Eを添加し全混合物を一定速度で攪拌した。
【実施例2】
【0025】
発汗剤ソフト固体
シクロメチコンおよびジメチコンクロスポリマー 32
ステアリルジメチコン 1
水素添加ひまし油 1
シクロメチコン ad 100
耐水複合体* 0.5
ジメチコン 15
アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックス GLY 24
*2/3アクリレート/オクチルアクリルアミド共重合体
1/3 加水分解ホホバエステル(および)水
成分1−5を容器に計量し、80−85℃に加熱し、ワックスが溶融し混合物が均一になるまで混合する。熱を除きジメチコンを添加する。混合物を約75℃にセットする。混合物が75℃以下に冷えた後、Al−Zr−テトラクロロハイドレックスを添加する。温度が45℃以下になるまで混合と冷却を続ける。
【実施例3】
【0026】
ボデイミスト
相A
アルコール ad100
芳香剤 4.5
相B
水 16
白色ジンジャー抽出物 0.1
相C
アルコール 1.5
耐水複合体* 0.5
相D
着色剤 0.2
*実施例2参照
攪拌しながらアルコールと芳香剤を混合する。攪拌しながら相Bを添加し、澄んで均一になるまで混合する。主バッチを濾過し混合した相Cを攪拌しながら主バッチに分ける。相Dを添加し均質になるまで混合する。
【実施例4】
【0027】
澄んだ発汗抑制剤ゲル(女性)
相A
シクロメチコン 2.5
ジメチコン 0.5
シクロペンタシロキサン(および)PEG/PPG−18/18ジメチコン 7.5
クエン酸トリエチル 0.1
ファルネソール 0.05
相B
アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスGLY 54
水 ad100
アラントイン 0.1
ポリソルベート80 0.5
ジプロピレングリコール 21
相C
芳香剤 0.5
相D
耐水複合体* 0.5
*実施例2参照
相AとBの成分を別々に混合する。相Aの屈折率が相Bよりも高い場合、相Bに若干の水を添加する。迅速に相Aを混合する間に相Bを相Aに非常にゆっくり添加し均質にする。相Cを添加し均一になるまで混合する。攪拌しながら相Dを添加する。
実施例4a
【0028】
実施例と同様にゲルを調製し、これによって耐水複合体は0.5%Dermacryl(登録商標)AQFおよび0.25%加水分解したホホバエステルからなる。
【実施例5】
【0029】
コンデッショナー
相A
水 ad100
二ナトリウムEDTA 0.02
相B
Steareth−20 1
ジチコンビスアミノヒドロキシプロピル共重合体 0.7
耐水共重合体* 0.5
クエン酸 q.s.
相C
セテアリルアルコール 2
ジパルミトイルエチルジモニウムクロライド 3
ステアリン酸グリセリル 0.75
相D
保存剤 0.5
芳香剤 1.5
水酸化ナトリウム q.s.
*実施例2参照
攪拌しながら相A成分を一緒にして70℃まで加熱し温度を保持する。個々に相Aに相Bを混合しながら添加し、均一になるまで混合し、クエン酸によってpHを調整する。相C成分を一緒にして70℃まで加熱し均一になるまで主バッチを混合する。個々に相D成分を添加しpHを水酸化ナトリウムで調整する。
【実施例6】
【0030】
ローション
相A
水 ad100
二ナトリウムEDTA 0.05
グリセリン 2
Carbomer 0.3
Pemulan 0.1
相B
トリベヘニン 1.3
DC200/500 1
ステアロキシトリメチルシラン(および)
ステアリルアルコール 0.7
ジイソステアリル二量体ジリノレエート 6
BHT 0.05
VP/エイコセン共重合体 1
セチルリン酸カリウム 0.5
相C
ビタミンAアセテート 0.5
相D
水 2
トリエタノールアミン 0.4
耐水複合体* 1.5
シクロメチコン 1
DパンテノールL 1
相E
水 2
Phenonip 0.5
相F
芳香剤 0.8
*実施例2参照
水と相A成分を別々に混合し混合しながら75−85℃に加熱し温度を保持する。相B成分をセチルリン酸カリウムなしで混合し75−80℃に加熱し塊がなくなるまでPCPを添加する。溶融相C成分(45−50℃)を相Bに添加し相B(75℃)を相Aに添加する。7−10分間均質にする。相Dから水とTEAを65℃で添加しその後に複合体を添加する。50℃でシクロメチコンを添加しパンテノールを添加する。相EとFを35℃で添加し30℃まで冷却する。
【実施例7】
【0031】
シャンプー
相A
フィラントリオール&二ナトリウムEDTA&ヒドロキシプロピル
グアー&ヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド&
酢酸トコフェリル(Miraspec KTS) 55
相B
芳香剤 1
相C
植物抽出物 0.3
水 ad100
耐水複合体* 1.8
相D
着色剤 0.15
相E
クエン酸(20%溶液) q.s.
相F
塩化アンモニウム(20%溶液) 2.4
*両成分とも1:1
単独に調製した相AとBを混合する。攪拌しながら相C成分を添加する。澄んで均一になるまで主バッチに別々に1相C成分を加える。相Dを添加しながら混合を続ける。必要ならば相EでpHを調整する。混合しながら相Fを添加する。
【実施例8】
【0032】
シャワーゲル
相A
水 ad100
二ナトリウムEDTA 0.1
ヒドロキシプロピル 1
DMDMヒダントイン 0.3
相B
Laureth硫酸ナトリウム 10
Laureth硫酸二ナトリウム20
コカミドプロピルベタイン 9
相C
保存剤 0.2
芳香剤 2
色素 0.3
相D
塩化ナトリウム(20%溶液) 0.8
相E
水酸化ナトリウム(25%溶液) q.s.
相F
Dermacryl(登録商標)AQF 0.5
加水分解ホホバエステル 0.25
別々に調製した相AとBを混合する。混合しながら相C成分を添加する。別々に相Cの各成分を添加し澄んで均一になるまで主バッチを添加する。相Dで粘度を調整し、混合を続ける。混合しながらpHを相Eで調整する。混合しながら相Fを添加する。
実施例8a
【0033】
実施例8のようにシャワーゲルを調製し、耐水複合体は0.5%Dermacryl(登録商標)AQFおよび0.25%加水分解ホホバエステルからなる。
【実施例9】
【0034】
化粧水
相A
アルコール ad100
芳香剤 17
ベンゾフェノン−2 0.1
相B
水 1.6
相C
着色料 0.3
相D
Dermacryl(登録商標)AQF 5
加水分解ホホバエステル 2
実施例11に従って処理する。
【実施例10】
【0035】
香水
アルコール ad100
芳香剤 20
ベンゾフェノン 2 0.1
水 9
耐水複合体* 5
着色料 1
*実施例2を参照
【実施例11】
【0036】
化粧水(EDT)
相A
アルコール ad100
芳香剤 15
ベンゾフェノン 2 0.1
相B
水 3.6
相C
アルコール 10
耐水複合体* 3
相D
着色料 0.3
*実施例2を参照
別々に調製した相AとBを混合する。アルコールと加水分解ホホバエステルを混合する。混合しながらアクリレート/オクチルアクリルアミド共重合体で散布し澄んで均一になるまで混合する。相Cを主バッチに添加しその後に相Dを添加する。均一になるまで混合する。
【実施例12】
【0037】
澄んだ脱臭剤スティック
相A
プロピレングリコール ad100
ステアリン酸ナトリウム 6.5
Isosteareth−20 5
Steareth−2 1
相B
10%NaOHゾル 0.1
水 14.5
耐水複合体* 0.5
相C
芳香剤 1.5
着色料 0.4
実施例2参照
【実施例13】
【0038】
香料
相A
アルコール 65
ベンゾフェノン−2 0.1
芳香剤 13.5
相B
水 ad100
相C
着色料 1.0
相D
Dermacryl(登録商標)AQF 10
加水分解ホホバエステル 5
相AとBを混合し濾過した。相Cを混合しながら添加する。別々に調製した相Dを主バッチに添加し澄んで均質になるまで混合する。
【実施例14】
【0039】
香料
相A
アルコール 55
ベンゾフェノン−2 0.1
芳香剤 20
相B
水 ad100
相C
アルコール 10
Dermacryl(登録商標)AQF 3.3
加水分解ホホバエステル 1.7
相C
着色料 1.0
相AとBを混合し濾過した。別々に調製した相Cを主バッチに添加し澄んで均質になるまで混合する。相Cを混合しながら添加する。
【実施例15】
【0040】
比較テストI
実施例1にしたがう組成物(サンプルA)をそして相Dの成分のない組成物(サンプルB)を用いて比較テストを行った。
各サンプルの2滴(約0.3g)をテスト者の右または左の前腕の内側に垂らした。乾燥時間は15分であった。2時間後、前腕を26℃の温度で4分間水に浸した。次いで前腕を空気中で乾燥した。浸し乾燥する工程を4、6時間後に繰り返し、水容器をすすぎ、それぞれ浸す前に容器の水を取り換えた。
4回の実験テスト者で行った感受性テストでは、図1による結果を得た。同じサンプルはガスクロマトグラフィ/質量分析計によって分析し図2による図を得た。その結果はSPMEによって得た(実施例16、パートB参照)。両方の結果は耐水性がかなり増加していることを示す。
実施例11(サンプルCであるが0.5%複合体のみ)によるEDTおよび共重合体とホホバエステルの複合体なしの同じEDT(サンプルD)を用いる比較テストでは、長期感受性テストによって決定された耐水性は6時間後の本発明による複合体のない同じEDTの値が2回以上であることが見出された。アフターシェーブローションを用いる同類のテストは8時間後にも感受性テストにおいて卓越性を示した。
【実施例16】
【0041】
比較テストII
パートA
香料中の芳香剤含量を減らすための本発明の複合体の能力の比較テストを行った。
2つの香料を生成した。香料Cは次の成分(重量%で)を持っていた:72.7%アルコール、0.5%のアジピン酸ジイソプロピル、0.5%の乳酸C12−C15−アルキル、12%の芳香剤、14.3%の水。香料C1:最初の3成分は香料Cと同じであるが9.6%の芳香剤、15.3%の水、1%の実施例2の複合体、0.4%のNa溶液(10%)を含む。
20人のパネリストのグループには香料Cと香料C1での異なる芳香剤部分を同定させた。3人のパネリストは異なる芳香剤を同定し、17人は同定しなかった。
同じ結果は芳香剤を16%から12.8%までおよび15%から12%までそれぞれ減らして得られた(各々は減らした芳香剤のシェアをもつ式では1%の複合体を持つ)
パートB SPMEテスト
固相ミクロ抽出(SPME)は分析物がサンプルから、100μm直径によって代表的に1cmの長さの溶融シリカロッドに被覆した、重合体に分割する方法である。ファイバーはシリンジ様の装置に含まれた微細なステンレス鋼管の端部に固定され外側のステンレス鋼針によって保護される。デバイスのプランジャーはサンプルマトリックスにファイバーを暴露するように抑えられ、サンプリング時間の末端で退縮し、この場合にはガスクロマトグラフィによって、次いで分析のために脱着界面にファイバーを暴露するように再度抑えられる。US2002/0192174A1の実施例2を参照。
【0042】
GC測定の結果は、実施例2による耐水性のスキンタイトな複合体1%を含む12%の香料Cおよび9.6%の香料C1を有することが図4に示される。両方の香料は殆ど同じ領域数値を示す。これはパートAの消費者テストの結果を確認する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施例1のアフタシェーブの官能検査を示す図である。
【図2】実施例1のアフタシェーブの分析結果を示す図である。
【図3】実施例11のEDTの官能検査を示す図である。
【図4】芳香剤C(実施例16)スキンタイト頭隙のためのSPME結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも芳香剤および0.1ないし15重量%の芳香剤固定複合体からなり、芳香剤固定複合体は0.01ないし10重量%の疎水性アルコール溶解性のカルボキシル化アクリレート/オクチルアミド共重合体、0.01ないし10重量%の加水分解したホホバエステルからなり、全パーセントが化粧用組成物の全重量である、耐水芳香剤の化粧用組成物。
【請求項2】
さらにアルコールまたはアルコール/水混合物が存在する請求項1記載の組成物。
【請求項3】
共重合体の量が0.1ないし5重量%の範囲にある請求項1記載の組成物。
【請求項4】
共重合体の量が0.1ないし1重量%の範囲にある請求項3記載の組成物。
【請求項5】
ホホバエステルの量が0.1ないし5重量%の範囲にある請求項1記載の組成物。
【請求項6】
ホホバエステルの量が0.1ないし1重量%の範囲にある請求項5記載の組成物。
【請求項7】
芳香剤が0.01ないし35重量%の範囲の量である請求項1記載の組成物。
【請求項8】
芳香剤が0.1ないし16重量%の範囲の量である請求項7記載の組成物。
【請求項9】
芳香剤が0.1ないし8重量%の範囲の量である請求項8記載の組成物。
【請求項10】
加水分解したホホバエステルはAOCS Cd3−25*の最大1mg KOH/gのけん化価、14ないし17g/100gのAOCS Cd 1d−92*のヨウ素価および最大0.1重量%のAOCS Cd 14−95*のトランスアイソマー価をもつ植物起源(Simmondsia chinensis)のひとつである(*はAmerican Oil Chemists Societyにしたがったテスト方法を意味する)請求項1記載の組成物。
【請求項11】
複合体は香料、化粧水、毛髪製品、ボデイケア製品、サンケア製品、発汗抑制剤、脱臭剤、洗浄剤およびカラー化粧品の群から選択された化粧用製品に提供される請求項1記載の組成物。
【請求項12】
化粧用製品の複合体の割合が0.5ないし10重量%の範囲である請求項1記載の組成物。
【請求項13】
化粧用製品の複合体の割合が0.5ないし4重量%の範囲である請求項1記載の組成物。
【請求項14】
化粧用製品の複合体の割合が0.5ないし1.5重量%の範囲である請求項1記載の組成物。
【請求項15】
さらにこのような調製品に通常用いられるような化粧用補助剤、化粧用活性剤およびキャリヤ物質が組成物の成分である請求項1記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−519683(P2007−519683A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550131(P2006−550131)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【国際出願番号】PCT/EP2005/000931
【国際公開番号】WO2005/070371
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(500080007)
【Fターム(参考)】