説明

耐環境コーティングの表面粗度を向上させる方法及び表面粗度が向上した耐環境コーティングを有する部品

【課題】プラズマ溶射EBCの表面粗度を向上させる方法を提供する。
【解決手段】プラズマ溶射耐環境コーティングを有する部品10を用意するステップと、外層18修復スラリーを部品の耐環境コーティングに塗布するステップと、塗布された外層修復スラリーを有する耐環境コーティングを乾燥させるステップと、部品を焼結させて、向上した表面粗度を有する部品を製造するステップとからなり、外層修復スラリーは、水と、BSASからなる主要外部材料と、希土類硝酸塩、希土類酢酸塩、希土類塩化物、希土類酸化物、リン酸アンモニウム、リン酸、ポリビニルホスホン酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるスラリー焼結助剤とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明する実施形態は、概して、耐環境コーティングの表面粗度を向上させる方法及び表面粗度が向上した耐環境コーティングを有する部品に関する。より詳細には、本明細書で説明する実施形態は、概して、少なくとも1つの焼結助剤からなるスラリーを用いた耐環境コーティングの表面粗度の向上に関する。
【背景技術】
【0002】
耐環境コーティング(EBC)は、しばしば、高温エンジン環境に存在する厳しい状況のエンジン部品を保護するために利用される。EBCは、高温燃焼環境の腐食性ガスに対して密度の高い気密シールを提供することができ、酸化及び揮発プロセスによる部品の寸法変化を防止するのを助けることができる。残念なことに、EBCを塗布するのに現在使用されているプラズマ溶射及び蒸着(即ち、化学蒸着法(CVD)及び電子ビーム物理蒸着法(EBPVD))等の標準の工業被覆プロセスに関連して幾つかの望ましくない問題が存在し得る。より詳細には、プラズマ溶射プロセスは、一般的に200マイクロインチRa以上の表面粗度を有するEBCを生じさせる可能性があり、これは高度なタービンエンジンにおいて空力設計を考慮する際に望ましくない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、プラズマ溶射EBCの表面粗度を向上させる方法の必要性が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書の実施形態は、概して、耐環境コーティングの表面粗度を向上させる方法であって、プラズマ溶射耐環境コーティングを有する部品を用意するステップと、外層修復スラリーを該部品の該耐環境コーティングに塗布するステップと、該塗布された外層修復スラリーを有する該耐環境コーティングを乾燥させるステップと、該部品を焼結させて、向上した表面粗度を有する部品を製造するステップとからなり、該外層修復スラリーは、水と、BSASからなる主要外部材料と、希土類硝酸塩、希土類酢酸塩、希土類塩化物、希土類酸化物、リン酸アンモニウム、リン酸、ポリビニルホスホン酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるスラリー焼結助剤とからなる方法に関する。
【0005】
本明細書の実施形態はまた、概して、耐環境コーティングの表面粗度を向上させる方法であって、200マイクロインチRa以上の表面粗度を有するプラズマ溶射耐環境コーティングを有する部品を用意するステップと、外層修復スラリーを該部品の該耐環境コーティングに塗布するステップと、該塗布された外層修復スラリーを有する該耐環境コーティングを乾燥させるステップと、該部品を焼結させて、40マイクロインチRa〜200マイクロインチRaの向上した表面粗度を有する部品を製造するステップとからなり、該外層修復スラリーは、水と、BSASからなる主要外部材料と、希土類硝酸塩、希土類酢酸塩、希土類塩化物、希土類酸化物、リン酸アンモニウム、リン酸、ポリビニルホスホン酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるスラリー焼結助剤とからなる方法に関する。
【0006】
本明細書の実施形態はまた、概して、プラズマ溶射耐環境コーティングと、該耐環境コーティングに40マイクロインチRa〜200マイクロインチRaの向上した表面粗度を与える外層修復スラリーとからなる部品に関する。
【0007】
これら及びその他の特徴、態様及び利点は、当業者であれば以下の開示から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書は、本発明を詳細に指摘し、且つ明確に主張する特許請求の範囲で結ばれているが、本明細書に記載の実施形態は、同様の参照番号が同様の要素を特定する添付図面と関連した以下の説明から、より良く理解されるであろうと考えられている。
【図1】本明細書の説明に従った耐環境コーティングの一実施形態の概略横断面図である。
【図2】実施例1に従ったSiC−SiC CMC上のEBCコーティングのSEM(走査型電子顕微鏡)断面である。
【図3】実施例2に従ったSiC−SiC CMC上のEBCコーティングのSEM断面である。
【図4】実施例3に従ったSiC−SiC CMC上のEBCコーティングのSEM断面である。
【図5】実施例4に従ったSiC−SiC CMC上のEBCコーティングのSEM断面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書の実施形態は、概して、耐環境コーティングの表面粗度を向上させる方法及び向上した表面粗度を有する耐環境コーティングを有する部品に関する。より詳細には、本明細書で説明する実施形態は、概して、少なくとも1つの焼結助剤からなるスラリーを用いた耐環境コーティングの表面粗度の向上に関する。
【0010】
より詳細には、本明細書で以下に説明するEBCは焼結温度を低下させることができる焼結助剤を含むことによって、本明細書で以下に説明するように、高い焼結温度にさらされることによって部品に損傷を与えることなく、下層の部品を高温燃焼中に発生するガスによる腐食から保護するための気密シールとして作用し得る高密度のEBC層の形成を促進することができる。
【0011】
本明細書で説明するEBCは、CMC又はモノリシックセラミックスとの併用に適している。本明細書で用いられている「CMC」は、シリコン含有マトリックス/補強材を意味する。本明細書で利用できるCMCの一部の例としては、これに限定すべきではないが、炭化ケイ素、窒化ケイ素、及びそれらの混合物からなるマトリックス/補強繊維を有する材料を挙げることができる。本明細書で用いられている「モノリシックセラミックス」は、炭化ケイ素、窒化ケイ素、及びそれらの混合物からなる材料を意味する。本明細書において、CMC及びモノリシックセラミックスは「セラミックス」と総称される。
【0012】
本明細書で使用する用語「バリアコーティング」とは、耐環境コーティングを指すことができる。本明細書のバリアコーティングは、ガスタービンエンジンに存在するような高温環境(例えば、約2500℃の運転温度)で見られる「セラミック部品」又は単に「部品」での使用に適している。そのような部品の例としては、例えば、燃焼器部品、タービンブレード、シュラウド、ノズル、ヒートシールド、及びベーンを挙げることができる。
【0013】
より詳細には、部品10は、図1に概略的に示されるように、ボンドコート層14と、該ボンドコート層に隣接する任意のシリカ層15と、ボンドコート層14(又は存在する場合はシリカ層15)に隣接する少なくとも1つの遷移層16と、遷移層16に隣接する外層18とを含むことができるEBC12を備えている。ボンドコート層14はシリコンからなっており、一般的に約0.1ミル〜約6ミルの厚さを有する。本明細書で以下に説明するような塗布方法が原因で、シリコンボンドコート層がない一部の局所領域が存在するが、これは許容できる。例えば、ボンドコート層は、一実施形態では、部品10の表面11の約100%を、別の実施形態では、部品の表面の約90%以上を覆うことができる。
【0014】
シリカ層15は約0.0ミル〜約0.2ミルの所期厚さを有し、シリカ層15の厚さは時間と共に増加し得る。具体的には、一実施形態では、ボンドコート層14のシリコンはEBCの耐用年数の間にゆっくり酸化してシリカ層15を徐々に形成する。ボンドコート層14の酸化によって下層のセラミック部品を酸化から保護することができるが、これはボンドコートがセラミック部品よりも酸化するからである。或いは、後述するように、シリカ層15は、上記したように従来方法を用いて所期厚さに塗布してもよく、この場合もやはり時間と共に厚さが増加し得る。
【0015】
遷移層16は、遷移層の約85〜約100容量%の主要遷移材料及び遷移層の約15容量%以下の二次材料を、一実施形態では、遷移層の約85〜約99容量%の主要遷移材料及び遷移層の約1〜約15容量%の二次材料を含んでいる。
【0016】
本明細書で用いられている「主要遷移材料」は、ムライト、BSAS、又は両者の混合物(以下、「ムライト/BSAS混合物」)を意味する。「ムライト/BSAS混合物」は「ムライトとBSASの混合物」とも呼ばれ、約1〜約99容量%のムライト及び約1〜約99容量%のBSAS、別の実施形態では、約70〜約90容量%のムライト及び約10〜約30容量%のBSASからなっている。本明細書全体で用いられている「二次材料」は、希土類酸化物(Ln)、希土類二ケイ酸塩(LnSi)、希土類一ケイ酸塩(LnSiO)、希土類(Ln)元素、希土類(Ln)含有アルミノケイ酸ガラス、希土類(Ln)−アルカリ土類含有アルミノケイ酸ガラス、希土類アルミン酸塩(例えば、希土類アルミニウムガーネット(LnAl12)及び単斜晶系希土類アルミン酸塩(LnAl))、五酸化リン(P)、リン含有アルミノケイ酸ガラス、リン−アルカリ土類含有アルミノケイ酸ガラス、リン酸アルミニウム(AlPO)、酸化アルミニウム、及びそれらの各種混合物を意味する。一部の実施形態では、二次材料はコーティングを下層のセラミック部品により柔軟により固着しやすくするのを助けることができる。その他の実施形態では、二次材料は、カルシウム−マグネシウム−アルミニウムケイ酸塩(CMAS)、又は水蒸気に対する耐性の向上に寄与する。その他の実施形態では、二次材料は、主要材料よりも水蒸気劣化耐性があるはずである。
【0017】
各々の遷移層16は約0.1ミル〜約6.0ミルの厚さを有し、以下に記載するようにボンドコート層14に対して製造及び塗布される。一実施形態では、2つ以上の遷移層が存在する。そのような場合、各々の遷移層は主要遷移材料及び二次材料の同じ又は異なる組み合わせからなっている。遷移層16は、その0〜約30容量%、別の実施形態では、その約0.01〜約30容量%の気孔度を有する。
【0018】
本明細書全体で用いられている「希土類」又は「Ln」は、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)を意味するのに対して、「希土類酸化物」は、Sc、Y、La、CeO、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuを意味する。「アルカリ土類」は、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、及びバリウム(Ba)を含むことができる。
【0019】
同様に、外層18は、外層の約85〜約100容量%の主要外部材料及び外層の約15容量%以下の既定の二次材料を、一実施形態では、外層の約85〜約99容量%の主要外部材料及び外層の約1〜約15容量%の二次材料を含んでおり、どんなEBCであっても、外層に含まれる任意の二次材料は遷移層に含まれるのと同じ二次材料である必要はない。本明細書で用いられている「主要外部材料」は、BSASを意味する。外層18は、約0.1ミル〜約40ミルの厚さを有し、約2500°F(1371℃)以下の温度での使用に適している。外層18は、その0〜約15容量%、別の実施形態では、その約0.01〜約15容量%の気孔度を有する。このようにして、外層は、下層のボンドコート層とセラミック部品を急速に酸化させる可能性がある高温水蒸気を遮断するのを助けることができる。また、外層は高温水蒸気を遮断することができるので、下層のセラミック部品、即ちEBC層を気化から保護することができるが、これはかかる材料が高温水蒸気環境においてガス種に転換する傾向があるからである。
【0020】
本明細書の以下の説明に従って、層状のEBCを製造及び塗布することができる。
【0021】
ボンドコート層14は、プラズマ溶射法、化学蒸着法、電子ビーム物理蒸着法、溶融シリコン浸漬、スパッタリング法、及び当業者には公知のその他の従来の塗布方法によって塗布される。
【0022】
上述したように、一部の実施形態では、シリカ層15はEBCの耐用年数の間に形成される。より詳細には、周囲大気中の酸素がEBCの外層及び遷移層を介して拡散し、ボンドコート層14のシリコンと反応してシリカ層15を形成する。或いは、シリカ層15は、化学蒸着法、プラズマ溶射法、スラリー析出法、又はその他の従来方法によって意図的に堆積させてもよい。
【0023】
本実施形態では、遷移層16及び外層18の製造及び塗布プロセスは、層を高密度化するために必要な温度を低下させるための焼結助剤を含むスラリー析出サイクルからなっている。スラリー析出サイクルは、後述のように、任意のマスキング、レベリング、焼結助剤浸透、マスク除去、及び有機加工助剤燃焼ステップによるスラリー形成、スラリー塗布、乾燥、及び焼結を一般的に含むことができる。当業者は、様々な組成のスラリーを用いて様々な組成のEBC層を製造することができること、更に複数のスラリー析出サイクルを用いて特定の層(即ち、遷移層又は外層)の全体厚さを増加させることができることを理解するであろう。スラリー析出サイクルごとの平均厚さは、主にスラリー固形物負荷、焼結助剤濃度、及び浸漬、溶射又は塗装パス数によって決まる。
【0024】
EBCの遷移及び外層の各々のスラリー組成は、本明細書で以下に記載するように、一般的に、約9wt%〜約81wt%の水;約3wt%〜約72wt%の主要材料;約0wt%〜約6wt%の分散剤;約0wt%〜約7wt%の可塑剤;約0wt%〜約1wt%の界面活性剤;約0wt%〜約18wt%のスラリー焼結助剤、一実施形態では約0.1wt%〜約18wt%のスラリー焼結助剤;約0wt%〜約11wt%の制御分散用二次添加剤;約0wt%〜約0.5wt%の増粘剤;及び約0wt%〜約15wt%のラテックス結合剤を含む混合物からなっている。
【0025】
より詳細には、本明細書で用いられている「主要材料」は、形成されている層によって既定の主要遷移材料又は主要外部材料のいずれかを意味する。主要材料は、0.2〜2ミクロンのD50及び10〜30ミクロンのD95の粒度分布を有する粉末からなっている。そのような細かい粒度分布は、適当な時間内(即ち、約24時間未満)で高密度層に焼結する。代替的実施形態では、分布は二峰性であってよく、約0.1vol%〜約40vol%の主要材料粉末粒子は以下の分布:10〜30ミクロンのD50及び100ミクロン以下のD95によって表される大きなサイズを有する。二峰性分布において大きなサイズの粒子を最大約40%有することによって、焼結挙動を「緩慢」(即ち、約24時間以上)にすることなく各々の被覆パスによるより厚い層の形成が可能になる。
【0026】
本明細書で用いられている「分散剤」は、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸−ポリエチレンオキシド共重合体、ポリメタクリル酸、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリメタクリル酸アンモニウム、スルホン化ナフタレンホルムアルデヒド縮合物、ポリビニルスルホン酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される組成物を意味する。
【0027】
本明細書で用いられている「可塑剤」は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセロール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される組成物を意味する。
【0028】
本明細書で用いられている「界面活性剤」は、フルオロカーボン、ジメチルシリコン、及びアセチレングリコール構造からなる群から選択される組成物(例えば、Surfynol(サーフィノール)(登録商標)シリーズ(エアプロダクツ・アンド・ケミカルズ・インコーポレイテッド)の市販界面活性剤)を意味する。
【0029】
本明細書で用いられている「スラリー焼結助剤」は、希土類硝酸塩、希土類酢酸塩、希土類塩化物、希土類酸化物、リン酸アンモニウム、リン酸、ポリビニルホスホン酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択することができる、スラリーへの含有に適した焼結助剤組成物を意味する。
【0030】
本明細書で用いられている「制御分散用二次添加剤」は、クエン酸、グリシン、デキストロース、スクロース、マンノース、酒石酸、シュウ酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される組成物を意味する。
【0031】
本明細書で用いられている「増粘剤」は、キサンタンガム、ポリエチレンオキシド、グアーガム、メチルセルロースとその他の水溶性繊維、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される組成物を意味する。
【0032】
本明細書で用いられている「ラテックス結合剤」は、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチロール、スチレンブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、アクリル重合体、ポリメタクリル酸メチル/ポリアクリル酸ブチル、ポリビニルアセテート、ポリビニルマレート、及び天然ラテックスゴムからなる群から選択される組成物を意味する。ラテックス結合剤の幾つかの例としては、Rhoplex(ロープレックス)(登録商標)HA−8、Rhoplex(登録商標)HA−12、Pavecryl(登録商標)2500(ローム・アンド・ハース社)を挙げることができる。
【0033】
また、本明細書で用いられている「有機加工助剤」は、スラリーに含まれる任意の分散剤、可塑剤、制御分散用二次添加剤、増粘剤、及びラテックス結合剤を意味する。これらの有機加工助剤は、主に加工中に蒸発して焼結後のコーティングに存在しなくなる炭素及びその他の元素からなっている。
【0034】
一実施形態では、任意の水、望ましい分散剤、主要材料、界面活性剤、及び可塑剤を容器内の混合体と約3時間〜約15時間混ぜ合わせることによって、スラリーを形成する。混合物は、当業者には公知の従来技術、例えば、約0.039インチ(1mm)〜0.25インチ(6.35mm)直径のアルミナ又はジルコニア混合体による振とう、約0.25インチ〜約1インチ(約6.35mm〜約25.4mm)直径のアルミナ又はジルコニア混合体を用いたボールミル粉砕、約1mm〜約5mm直径のジルコニア系混合体を用いたアトライターミル粉砕、約1mm〜約5mm直径のジルコニア系混合体を用いた遊星ボールミル粉砕、又は超音波エネルギーの同時適用による機械的混合又は攪拌を用いて混合される。混合体又は超音波エネルギーは、スラリー内のどんな凝集したセラミック粒子をも分解することができる。存在する全ての混合体は、その後、例えば機械的引っ張りによって除去される。
【0035】
増粘剤は必要に応じてスラリーに添加され、得られた混合物は機械的攪拌、圧延、混合、振とうなどの方法、及びその他の同様の方法によって攪拌される。増粘剤が一般的に約5分〜約60分後に完全に溶解した時点で、任意の制御分散用二次添加剤を必要に応じて添加することができ、得られたスラリーは、やはり約5分〜約60分後であろうが二次添加剤が溶解するまで、上記に挙げた方法のいずれかを用いてここでも混合される。必要に応じて焼結助剤の添加を続けて行ってもよく、それに加えて約5分〜約60分間かかるであろうが焼結助剤が溶解するまで前述の方法を用いて混合が行われる。その後、必要に応じてラテックス結合剤が添加され、スラリーは、スラリー内の気泡の捕捉を避けるためにゆっくりした圧延、ゆっくりした機械的混合、又はその他の同様の方法によって混合される。この軽度の混合は無期限に継続してもよく、或いは、混合した時点で、適用の必要があるまでスラリーを取っておいてもよい。一実施形態では、スラリーは加工中に蒸発した量に相当する追加の水を添加することによって再生される。
【0036】
当業者には理解されるように、先の実施形態は本明細書で説明するスラリー組成物を製造する1つの方法であり、下記の実施例で記載したようにその他の方法も許容できる。
【0037】
必要に応じて、スラリーを塗布する前にセラミック部品にマスキングを適用して、部品の特定領域の被覆を防ぐことができる。マスキングは、テープ、工具、及び塗装接着剤を含むがこれに限定されるものではない当業者に公知の従来技術を用いて行われる。
【0038】
セラミック部品の所望のマスキングの全てが完了した時点で、スラリーを塗布して被覆部品を製造することができる。スラリー浴への部品の浸漬、或いは部品へのスラリーの塗装、圧延、スタンピング、溶射、又は注入を含むがこれに限定されるものではない、当業者に公知の任意の従来のスラリー析出法を用いて、スラリーはセラミック部品に直接塗布される。一実施形態では、スラリーの塗布を湿潤環境において行って、例えば、大量の部品への被覆蒸着中にスラリーレオロジーを変化させる可能性がある水分蒸発を防ぐのを助けることができる。環境は、全て室温又はその付近(約20℃〜約30℃)で、一実施形態では50%以上の相対湿度、別の実施形態では70%以上の相対湿度、更に別の実施形態では95%以上の相対湿度を有してもよい。スラリーの塗布は、手動で行ってもよく、自動化してもよい。
【0039】
スラリーがセラミック部品に塗布された時点で、スラリーがまだ濡れている間、スラリーは余分なスラリー材料を除去するために水平にされる。水平化は、余分なスラリー材料を除去するために、例えば、部品のスピニング、回転、つり下げ、場合によって応用振動を用いた滴下だがこれに限らない従来技術を用いて、又はドクターブレードを用いて行われる。スラリー塗布と同様に、水平化は手動で行っても自動化してもよく、スラリーがあまりに速く乾燥すると、水平化中のコーティングの欠陥を招く可能性があるので、湿潤環境において行ってもよい。
【0040】
次に、被覆部品を乾燥させる。乾燥は、周囲の又は制御された温湿度状況において行われる。一実施形態では、制御された温湿度を利用して、塗布されたスラリーコーティングの完全性を維持するのを助けることができる。より詳細には、乾燥は、一実施形態では約5℃〜約100℃、別の実施形態では約20℃〜約30℃の温度、且つ約10%の相対湿度〜約95%の相対湿度、一実施形態では約50%の相対湿度〜約90%の相対湿度、更に別の実施形態では約70%の相対湿度〜約80%の相対湿度からなる環境において実行される。
【0041】
乾燥後、存在する全てのマスキングは、テープ及び接着剤の剥離、テープ及び接着剤の熱分解によって、又は汎用工具を取り除くことによって除去される。マスキング除去後に残るでこぼこの縁は、従来手段を用いて削り又は切り取られる。
【0042】
次に、有機加工助剤の燃焼は、結合水が蒸発して、有機加工助剤を熱分解することができるように、高温環境に乾燥した部品を配置することによって行われる。一実施形態では、有機加工助剤の燃焼は、乾燥した部品を約1℃/分〜約15℃/分の速度で約400℃〜約1000℃の温度に加熱し、部品をこの温度で約0〜約2時間保持することによって行われる。別の実施形態では、被覆部品が約2℃/分〜約6℃/分の速度で約600℃〜約800℃の温度に加熱され、この温度で部品を約0〜約2時間保持する。別の実施形態では、保持時間は、保持せずに目標温度までゆっくり上昇させた後に、異なる速度で別の温度に上昇又は低下させることによって省くことができる。別の実施形態では、結合剤の燃焼が、被覆部品を約400℃〜約1400℃の温度に加熱された炉に配置することによって急速に起こり得る。
【0043】
その後、乾燥した部品を焼結させて、耐環境コーティングを有する部品を製造する。焼結により、コーティングの密度を高めると同時に強度が与えられる。更に、EBCの外層の場合、焼結により、エンジン環境に存在する高温水蒸気に対して気密シールが得られる。焼結は、従来の炉を用いて、又は、例えばマイクロ波焼結、レーザ焼結、赤外線焼結等の方法を用いて行うことができる。
【0044】
焼結は、乾燥した部品を約1℃/分〜約15℃/分の速度で約1100℃〜約1700℃の温度に加熱し、部品をその温度で約0〜約24時間保持することによって行うことができる。別の実施形態では、焼結は、被覆部品を約5℃/分〜約15℃/分の速度で約1300℃〜約1375℃の温度に加熱し、部品をその温度で約0〜約24時間保持することによって行うことができる。
【0045】
或いは、別の実施形態では、約1℃/分〜約15℃/分の速度で約400℃〜約1000℃の温度に加熱し、その温度で約0〜約2時間保持することによって、結合剤の燃焼及び焼結を単一のプロセスで行うことができる。その後、下記の実施例において記載したように、部品を約1℃/分〜約15℃/分の速度で結合剤燃焼温度から約1100℃〜約1700℃まで加熱し、この温度で約0〜約24時間保持することができる。
【0046】
代替的実施形態では、マスキングの除去、有機加工助剤の燃焼、及び焼結が行われる前に、EBCの全ての層を順に重ねて塗布する。当業者には理解されるように、各々の層の塗布後、次の層の塗布前に層を少なくとも部分的に乾燥しなければならない。
【0047】
別の実施形態では、所望の結果を得るためにスラリーの各層に対して焼結助剤を直接添加する必要はない。例えば、一実施形態では、焼結助剤なしで少なくともムライト又はムライト/BSAS混合物の主要遷移材料からなるスラリーが、遷移層としてセラミック部品に塗布され、乾燥され、真空、不活性雰囲気、又は還元雰囲気(アルゴン、アルゴン4%水素、窒素等)のいずれかにおいて焼結される。次に、焼結助剤を含有するBSAS(主要外部材料)スラリーを、外層として塗布する。外層が乾燥及び焼結すると、BSAS外層からの焼結助剤が遷移層に拡散して二次材料を形成する。或いは、外層は含んでいないが、遷移層スラリーは焼結助剤を含んでもよい。この場合、焼結中、焼結助剤は遷移層から外層へと拡散する。別の実施形態では、焼結助剤のない主要材料スラリーを、層を塗布し、それを乾燥させてから、後述するように熱処理前にまた水溶性又は溶剤可溶性焼結助剤からなるゾルゲル溶液を浸透させることによって高密度化することができる。
【0048】
一部の希土類含有及びリン酸含有焼結助剤は前述の水性スラリーに混合するのが困難なことがあるので、ゾルゲル溶液の浸透は有効である。浸透は、EBC材料の厚い層の高密度化も同時に可能にする。更に、浸透は、コーティングが望み通りに高密度でない場合、焼結後により多くの焼結助剤を添加するための方法でもある。浸透に使用されるゾルゲル溶液は、希土類硝酸塩、希土類酢酸塩、希土類塩化物、リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸一アンモニウム、又はポリビニルリン酸からなる群から選択される「水溶性焼結助剤」の水溶液であってもよい。別の実施形態では、ゾルゲル溶液は有機溶剤と「溶剤可溶性焼結助剤」の溶液であってもよい。本明細書で用いられている「溶剤可溶性焼結助剤」は、本明細書で以下に定義されるように、「溶剤可溶性希土類源」又は「溶剤可溶性リン源」を意味する。
【0049】
本明細書で用いられている「有機溶剤」は、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロパノール、ブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、グリセロール、グリセリン、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、アセトン、トルエン、キシレン、ヘプタン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、及びそれらの混合物を含むがこれに限定されるものではない溶媒を意味する。
【0050】
本明細書で用いられている「溶媒可溶性希土類源」は、希土類酢酸塩、希土類シュウ酸塩、希土類イソプロポキシド、希土類メトキシエトキシド、希土類2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート、希土類2,4−ペンタジオナート、希土類アセチルアセトネート、及びそれらの混合物を意味するがこれに限定されるものではない。
【0051】
本明細書で用いられている「溶剤可溶性リン源」は、ポリビニルリン酸;リン酸トリブチル;リン酸トリメチル;リン酸トリエチル;リン酸トリプロピル;尿素リン酸塩;モノメチルリン酸ビス(シクロヘキシルアンモニウム)塩;リン酸ジメチル;リン酸二水素2−アミノエチル;ホスホ(エノール)ピルビン酸シクロヘキシルアンモニウム塩;リン酸トリメチル;リン酸ジエチル;次亜リン酸アニリウム;4−エチル−2,6,7−トリオキサ−1−ホスファビシクロ[2.2.2]オクタン;フィチン酸;リン酸アリルジエチル;スペルミジンリン酸塩六水和物;リン酸ジブチル;ピロリン酸テトラエチル;リン酸トリイソプロピル;1−ナフチルリン酸;ビス(4−ニトロフェニル)リン酸;スペルミン二リン酸塩;リン酸ジフェニル;2,4−ジアミノ−6,7−ジイソプロピルプテリジンリン酸塩;リン酸二シクロヘキシルアンモニウム;リン酸トリブチル;リン酸トリデシル;リン酸ジベンジル;リン酸ビス(2−エチルヘキシル);リン酸トリフェニル;リン酸トリス(2−ブトキシエチル);リン酸トリクレジル;ヒドロキシピルビン酸ジメチルケタールリン酸トリ(シクロヘキシルアンモニウム)塩;リン酸トリス(2−エチルヘキシル);ピロリン酸テトラベンジル;{3,9−ビス(2,4−ジクミルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン};又はそれらの混合物を意味するがこれに限定されるものではない。
【0052】
本明細書で用いられている「焼結助剤」は、予め定義したように、「スラリー焼結助剤」、「水溶性焼結助剤」、又は「溶剤可溶性焼結助剤」のいずれかを意味する。理論によって制限するつもりはないが、本明細書のEBC実施形態に焼結助剤を含有させることによって主要材料の拡散速度を増加させることができ、表面積の縮小(即ち、高表面積粒子が固化して高密度のコーティングを形成する)は焼結助剤がない場合よりも低温で生じ得るようになる。前述したように、低温(即ち、約1375℃以下)での焼結は、エンジン環境からの熱蒸気の透過に左右されない非常に高密度の(即ち、遷移層では約70%以上、外層では約85%以上の)コーティングをもたらすだけでなく、高温への長時間の暴露による下層の部品の機械的特性の劣化を防ぐのを助けることもできる。
【0053】
焼結助剤は、EBCに含まれる焼結助剤の量及びコーティングが焼結温度にさらされる時間に応じて様々に作用し得る。例えば、一実施形態では、焼結助剤は、主要材料(即ち、主要遷移材料又は主要外部材料)に完全に溶解する。別の実施形態では、主要材料に溶解する焼結助剤の量が限度を超える場合、焼結助剤の残りの不溶性部分が主要材料と反応して二次材料(即ち、二次遷移材料又は二次外部材料)を形成する。別の実施形態では、主要材料及び二次材料を、上述したように残留焼結助剤と共存させる。これらの後者の2つの実施形態では、二次材料が高温水蒸気において高揮発性(例えば、リン酸アルミニウム)である場合、EBCの外層において二次材料の総容積が、多孔率を(更に存在する場合は残留焼結助剤を)加えて約15%以下にとどまる限り、気密シールを維持することができる。或いは、これらの後者の2つの実施形態では、二次材料が高温水蒸気において揮発に強い耐性を示す場合、例えば二次材料が希土類二ケイ酸塩、希土類一ケイ酸塩、又は希土類アルミン酸塩からなる場合、気密シールを維持するためにはEBCの外層における多孔率のみが約15%以下にとどまっている必要がある。
【0054】
低級の焼結助剤では、高密度化コーティング層は検出可能な二次材料を最初は何も含んでいない可能性があることに留意する必要がある。一部の実施形態では、二次材料を決して検出することができない。しかしながら、エンジン環境において高温水蒸気に何時間も暴露した後、X線回析、電子顕微鏡法、電子分散分光法等の技術を用いて、二次材料を検出することができる実施形態もある。
【0055】
本明細書で説明したEBC実施形態により、現在のEBC及びその製造方法を上回る様々な利益が得られる。具体的には、上述したように、本明細書のEBC実施形態に焼結助剤を含有させることによって低温(即ち、約1357℃以下)での焼結が可能になる。これは、エンジン環境からの熱蒸気の透過に左右されない非常に高密度の(即ち、遷移層では約70%以上、外層では約85%以上の)コーティングをもたらすだけでなく、高温への長時間の暴露による下層の部品の機械的特性の劣化を防ぐのを助けることもできる。また、本明細書に記載の実施形態は、各種層への焼結助剤の取り込みによって可能となるスラリー析出プロセスの使用によって、現在のEBCよりも少ない費用で可能である。更に、本実施形態により、薄層(<2ミル)を塗布する場合でも、プラズマ溶射等の従来技術よりもより均一な厚さを有するEBCが得られる。スラリー析出プロセスにより、内部部品通路にEBCを塗布できるようになるのみならず、追加の研磨ステップなしで滑らかな表面仕上げを行えるようになる。
【0056】
EBCは、修復すべき小さい且つ/又は狭い欠陥(例えば、約10ミクロン〜約5mmの直径、又は約10ミクロン〜約1mmの幅)を生じる場合がある。以下の修復プロセスは本明細書で説明したEBCに適用でき、本明細書で以下に説明するように、個々のEBC層の焼結後、又は塗布されたEBC全体の焼結後に行われる。
【0057】
一実施形態では、EBCは本明細書で説明した方法を用いて塗布されているので、修復は1つ以上の個別層の欠陥を改善することを含む。この実施形態では、修復は、所定層の焼結後に欠陥を有する層を製造するのに使用されたのと同じスラリー材料からなる修復スラリーを塗布することによって行うことができる。例えば、遷移層が焼結後に欠陥を生じた場合、最初の遷移層の塗布で使用されたのと同じ遷移層スラリー材料からなる「遷移層修復スラリー」を用いて欠陥を修復することができる。一実施形態では、修復スラリーは、コーティングの修復部分の乾燥及び焼結時の縮みを減少させることができるように、元のスラリー層よりも高い固形物負荷の主要材料セラミック粒子を含んでもよい。特に、修復スラリーにおける主要材料セラミック粒子の固形物負荷は、約30〜約55容量%(それとは対照的に層を製造するのに使用された一実施形態の元のスラリーでは約10容量%以上、別の実施形態の元のスラリーでは約10〜約55容量%)であってよい。修復スラリーは前述のものを含む任意の従来方法を用いて塗布され、得られた「修復コーティング」はEBCのその後の層の塗布前に本明細書で前述明したように加工される。
【0058】
代替的実施形態では、修復は、EBC全体の塗布及び焼結後に欠陥を修正することを含む。この実施形態では、修復は、欠陥を有するEBCに対して既定の外層スラリーに含まれるのと同じ材料(即ち、主要外部材料、焼結助剤、及び任意で二次材料)からなる外層修復スラリーを用いて行われる。この特定の修復スラリーは、EBCに存在するあらゆる欠陥に浸透し、焼結後の修復EBCコーティングに対して気密シールを提供する。また、外層修復スラリーの固形物負荷は少なくとも約30〜55容量%であってもよい。
【0059】
更に、修復プロセスは任意の組成を有するプラズマ溶射EBCの表面粗度を低下させるために使用される。具体的には、プラズマ溶射EBCの表面粗度が許容できない場合、その上に前述の外層修復スラリーを塗布することによって、コーティングを滑らかにすることができる。プラズマ溶射EBCの上に塗布すると、外層修復スラリーは、プラズマ溶射コーティングのあらゆる割れ目、溝、又はでこぼこの部分を埋めて、許容程度まで表面粗度を低下させることができる。より詳細には、外層修復スラリーの厚さに応じて、プラズマ溶射EBCの表面粗度は、200マイクロインチRa以上、一実施形態では40マイクロインチRa〜200マイクロインチRa、別の実施形態では40マイクロインチRa〜150マイクロインチRaに低下させることができる。外層修復スラリーは、一実施形態では少なくとも約0.5ミル、別の実施形態では約0.5ミル〜約3ミルの厚さを有する。表面粗度が向上した主要外部材料の固形物負荷は、一実施形態では約10〜約55容量%、別の実施形態では約30〜約55容量%にすることがでる。その後、塗布された外層修復スラリーを前述のように加工して、許容可能な表面粗度を有する修復EBCを製造することができる。
【0060】
そのような修復プロセスにより、コーティング全体を剥がして再塗布するのとは対照的に、コーティングの塗布又は寿命の間様々な場所で局在欠陥を修復することができるようになる。これは、更に、時間、労力、及び材料の節約をもたらし得る。
【実施例1】
【0061】
従来の空気プラズマ溶射法を用いて、SiC−SiC CMCコーティングにシリコンボンドコートを塗布した。次に、主要遷移材料スラリーを、まずプラスチック容器内で、十分な0.25インチ(6.35mm)直径の円筒状アルミナ媒体を容器の底に並べて、ムライト、BSAS、水、ポリアクリル酸、Surfynol 502(登録商標)、及びグリセリンを混合することによって製造した。この混合物を15時間ローラーミルに配置した。ローラーミルから容器を取り除いた後、アルミナ媒体を除去した。キサンタンガムを添加してから、ペイントシェーカーを用いて混合物を15分間振とうした。最後に、Rhoplex(登録商標)HA8乳化剤を添加して、容器を(媒体なしで)1時間ローラーミルに戻した。
【0062】
得られた主要遷移材料スラリー(スラリーA)は、40.68%のムライト、10.17%のBSAS、2.54%のポリアクリル酸、0.14%のSurfynol 502(登録商標)、0.23%のキサンタンガム、6.71%のRhoplex(登録商標)HA8乳化剤、4.92%のグリセリン、及び残部水(全て重量パーセント)からなっていた。このスラリーには焼結助剤は添加しなかった。シリコン被覆セラミック部品をスラリーAに浸漬し、周囲条件で乾燥し、3℃/分で1000℃まで熱処理して結合剤を燃焼させた。次に、部品を5℃/分で1000℃〜1344℃に加熱し、5時間保持することによって焼結させて、ムライト/BSAS混合物(80vol%のムライトと20vol%のBSAS)からなる遷移層を形成した。全ての熱処理は真空で行った。加熱環境によって、10容量%未満の多孔率を有するムライト/BSAS遷移層が得られた。
【0063】
次に、主要外部材料スラリーを、まずプラスチック容器内で、十分な0.25インチ(6.35mm)直径の円筒状アルミナ媒体を容器の底に並べて、BSAS、水、ポリアクリル酸、Surfynol 502(登録商標)、及びグリセリンを混合することによって製造した。この混合物を15時間ローラーミルに配置した。ローラーミルから容器を取り除いた後、アルミナ媒体を除去した。次に、グリシン、キサンタンガム、及び硝酸イットリウム六水和物を添加し、ペイントシェーカーを用いて混合物を15分間振とうした。最後に、Rhoplex(登録商標)HA8乳化剤を添加して、容器を(媒体なしで)1時間ローラーミルに戻した。
【0064】
得られた主要外部材料スラリー(スラリーB)は、49.49%のBSAS、1.84%の硝酸イットリウム六水和物(スラリー焼結助剤)、2.47%のポリアクリル酸、4.91%のグリシン、0.13%のSurfynol(登録商標)502、6.36%のRhoplex(登録商標)HA8乳化剤、4.34%のグリセリン、及び残部水(全て重量パーセント)からなっていた。ボンドコート及び遷移層を有するSiC−SiC CMCをスラリーBに浸漬し、周囲条件で乾燥し、3℃/分で1000℃まで熱処理して結合剤を燃焼させた。次に、部品を5℃/分で1000℃〜1344℃に加熱し、5時間保持することによって焼結させて、高密度外層を形成した。全ての熱処理は周囲条件で行った。スラリーB被覆プロセス及び熱処理をもう一度繰り返して、外層の厚さを増加させた。外層は、スラリーB内の硝酸イットリウムスラリー焼結助剤のおかげで10容量%未満の多孔率を有していた。
【0065】
図2は、空気プラズマ溶射シリコンボンドコート(100)、遷移層(102)、及び外層(104)を有する本コーティング微細構造のSEM顕微鏡写真を示す。外層及び遷移層は主に主要材料(それぞれ、BSAS及びムライト/BSAS混合物)からなっているように見えたが、X線回析はEBCに二次材料、即ち二ケイ酸イットリウムが存在することを示した。X線回析及びEDS(電子分散分光)分析の組み合わせは、少量の希土類アルミノケイ酸ガラス及びアルカリ土類アルミノケイ酸ガラス二次材料が同様に外層に存在することを示した。
【実施例2】
【0066】
従来の空気プラズマ溶射法を用いて、SiC−SiC CMCにシリコンボンドコートを塗布した。次に、主要遷移材料スラリーを、まずプラスチック容器内で、十分な0.25インチ(6.35mm)直径の円筒状アルミナ媒体を容器の底に並べて、ムライト、BSAS、水、ポリアクリル酸、Surfynol 502(登録商標)、及びグリセリンを混合することによって製造した。この混合物を15時間ローラーミルに配置した。ローラーミルから容器を取り除いた後、アルミナ媒体を除去した。キサンタンガム及びリン酸一アンモニウムを添加してから、ペイントシェーカーを用いて混合物を15分間振とうした。最後に、Rhoplex(登録商標)HA8乳化剤を添加して、容器を(媒体なしで)1時間ローラーミルに戻した。
【0067】
得られた主要遷移材料スラリー(スラリーC)は、34.07%のムライト、8.52%のBSAS、4.51%のリン酸一アンモニウム(スラリー焼結助剤)、2.13%のポリアクリル酸、0.16%のSurfynol(登録商標)502、0.29%のキサンタンガム、5.62%のRhoplex(登録商標)HA8乳化剤、2.56%のグリセリン、及び残部水(全て重量パーセント)からなっていた。シリコン被覆セラミック部品をスラリーCに浸漬し、周囲条件で乾燥し、3℃/分で1000℃まで熱処理して結合剤を燃焼させた。次に、部品を5℃/分で1000℃〜1344℃に加熱し、5時間保持することによって焼結させて、ムライト/BSAS混合物(80vol%のムライトと20vol%のBSAS)からなる高密度遷移層を形成した。全ての熱処理は周囲条件で行った。高密度遷移層は、スラリーC内のリン酸一アンモニウムスラリー焼結助剤のおかげで10容量%未満の多孔率を有していた。
【0068】
次に、主要外部材料スラリーを、まずプラスチック容器内で、十分な0.25インチ(6.35mm)直径の円筒状アルミナ媒体を容器の底に並べて、BSAS、水、ポリアクリル酸、Surfynol 502(登録商標)、及びグリセリンを混合することによって製造した。この混合物を15時間ローラーミルに配置した。ローラーミルから容器を取り除いた後、アルミナ媒体を除去した。キサンタンガム及びリン酸一アンモニウムを添加してから、ペイントシェーカーを用いて混合物を15分間振とうした。最後に、Rhoplex(登録商標)HA8乳化剤を添加して、容器を(媒体なしで)1時間ローラーミルに戻した。
【0069】
得られた主要外部材料スラリー(スラリーD)は、50.55%のBSAS、1.60%のリン酸一アンモニウム(スラリー焼結助剤)、2.53%のポリアクリル酸、0.13%のSurfynol(登録商標)502、0.25%のキサンタンガム、6.50%のRhoplex(登録商標)HA8乳化剤、5.91%のグリセリン、及び残部水からなっていた。ボンドコート及び遷移層を有するSiC−SiC CMCをスラリーDに浸漬し、周囲条件で乾燥し、3℃/分で1000℃まで熱処理して結合剤を燃焼させた。次に、部品を5℃/分で1000℃〜1344℃に加熱し、5時間保持することによって焼結させて、高密度外層を形成した。全ての熱処理は周囲条件で行った。スラリーD被覆プロセス及び熱処理を繰り返して、外層の厚さを増加させた。高密度外層は、スラリーD内のリン酸一アンモニウムスラリー焼結助剤のおかげで10容量%未満の多孔率を有していた。
【0070】
図3は、空気プラズマ溶射シリコンボンドコート(106)、遷移層(108)、及び外層(110)を有する本コーティング微細構造を有するCMC(105)のSEM顕微鏡写真を示す。外層及び遷移層は主要材料(それぞれ、BSAS及びムライト/BSAS混合物)からなっているように見えたが、X線回析は酸化アンモニウム及びアルミン酸イットリウム(YAl12)等の二次材料が存在することを示した。
【実施例3】
【0071】
従来の空気プラズマ溶射法を用いて、SiC−SiC CMCにシリコンボンドコートを塗布した。次に、主要遷移材料スラリーを、まずプラスチック容器内で、十分な0.25インチ(6.35mm)直径の円筒状アルミナ媒体を容器の底に並べて、ムライト、BSAS、水、ポリアクリル酸、Surfynol 502(登録商標)、及びグリセリンを混合することによって製造した。この混合物を15時間ローラーミルに配置した。ローラーミルから容器を取り除いた後、アルミナ媒体を除去した。グリセリン、キサンタンガム、及び硝酸イットリウム六水和物を添加してから、ペイントシェーカーを用いて混合物を15分間振とうした。最後に、Rhoplex(登録商標)HA8乳化剤を添加して、容器を(媒体なしで)1時間ローラーミルに戻した。
【0072】
得られた主要遷移材料スラリー(スラリーE)は、32.23%のムライト、8.06%のBSAS、8.04%の硝酸イットリウム六水和物(スラリー焼結助剤)、2.01%のポリアクリル酸、5.55%のグリシン、0.15%のSurfynol(登録商標)502、0.10%のキサンタンガム、5.31%のRhoplex(登録商標)HA8乳化剤、3.63%のグリセリン、及び残部水(全て重量パーセント)からなっていた。シリコン被覆セラミック部品をスラリーEに浸漬し、周囲条件で乾燥し、3℃/分で1000℃まで熱処理して結合剤を燃焼させた。次に、部品を5℃/分で1000℃〜1344℃に加熱し、5時間保持することによって焼結させて、ムライト/BSAS混合物(80vol%のムライトと20vol%のBSAS)からなる高密度遷移層を形成した。全ての熱処理は周囲条件で行った。硝酸イットリウム六水和物スラリー焼結助剤は、10容量%未満の多孔率まで遷移層の高密度化を促進させた。
【0073】
次に、主要外部材料スラリーを、まずプラスチック容器内で、十分な0.25インチ(6.35mm)直径の円筒状アルミナ媒体を容器の底に並べて、BSAS、水、ポリアクリル酸、Surfynol 502(登録商標)、及びグリセリンを混合することによって製造した。この混合物を15時間ローラーミルに配置した。ローラーミルから容器を取り除いた後、アルミナ媒体を除去した。キサンタンガムを添加してから、ペイントシェーカーを用いて混合物を15分間振とうした。最後に、Rhoplex(登録商標)HA8乳化剤を添加して、容器を(媒体なしで)1時間ローラーミルに戻した。
【0074】
得られた主要外部材料スラリー(スラリーF)は、57.07%のBSAS、2.85%のポリアクリル酸、0.12%のSurfynol(登録商標)502、0.19%のキサンタンガム、7.34%のRhoplex(登録商標)HA8乳化剤、5.30%のグリセリン、及び残部水(全て重量パーセント)からなっていた。スラリーFには焼結助剤は添加しなかった。ボンドコート及び遷移層を有するSiC−SiC CMCをスラリーFに浸漬し、周囲条件で乾燥し、3℃/分で1000℃まで熱処理して結合剤を燃焼させた。次に、部品を5℃/分で1000℃〜1344℃に加熱し、5時間保持することによって焼結させて、高密度外層を形成した。全ての熱処理は周囲条件で行った。この場合、遷移層からの残留焼結助剤が外層に拡散して、10容量%未満の多孔率まで外層の高密度化を促進させた。
【0075】
図4は、空気プラズマ溶射シリコンボンドコート(112)、遷移層(114)、及び外層(116)を有する本コーティング微細構造を有するCMC(111)のSEM顕微鏡写真を示す。外層及び遷移層は主に主要材料(それぞれ、BSAS及びムライト/BSAS混合物)からなっているように見えるが、X線回析は二次材料、即ちイットリウム二ケイ酸塩が存在することを示した。更に、ムライトとBSASの間の反応によって何らかのガラス状物質も遷移層内に形成された。
【実施例4】
【0076】
従来の空気プラズマ溶射法を用いて、SiC−SiC CMCにシリコンボンドコートを塗布した。次に、主要遷移材料スラリーを、プラスチック容器内で、十分な0.25インチ(6.35mm)直径の円筒状アルミナ媒体を容器の底に並べて、ムライト、BSAS、水、ポリアクリル酸、Surfynol 502(登録商標)、及びグリセリンを混合することによって製造した。この混合物を15時間ローラーミルに配置した。ローラーミルから容器を取り除いた後、アルミナ媒体を除去した。キサンタンガムを添加してから、ペイントシェーカーを用いて混合物を15分間振とうした。最後に、Rhoplex(登録商標)HA8乳化剤を添加して、容器を(媒体なしで)1時間ローラーミルに戻した。
【0077】
得られた主要遷移材料スラリー(スラリーG)は、40.68%のムライト、10.17%のBSAS、2.54%のポリアクリル酸、0.14%のSurfynol(登録商標)502、0.23%のキサンタンガム、6.71%のRhoplex(登録商標)HA8乳化剤、4.92%のグリセリン、及び残部水(全て重量パーセント)からなっていた。スラリーGには焼結助剤は添加しなかった。シリコン被覆セラミック部品をスラリーGに浸漬し、周囲条件で乾燥した。続いて、焼結助剤溶液が未焼成コーティング内の孔隙に流入できるように、被覆部品を8wt%イットリウムメトキシエキトキシド(溶剤可溶焼結助剤)及び92wt%エチルアルコール(有機溶剤)の焼結助剤溶液に浸漬した。エチルアルコールは周囲条件下で蒸発し、被覆部品を3℃/分で1000℃まで熱処理して結合剤を燃焼させた。次に、部品を5℃/分で1000℃〜1344℃に加熱し、5時間保持することによって焼結させて、ムライト/BSAS混合物(80vol%のムライトと20vol%のBSAS)からなり、10容量%未満の多孔率を有する高密度遷移層を形成した。
【0078】
次に、主要外部材料スラリーを、プラスチック容器内で、十分な0.25インチ(6.35mm)直径の円筒状アルミナ媒体を容器の底に並べて、BSAS、水、ポリアクリル酸、Surfynol 502(登録商標)、及びグリセリンを混合することによって製造した。この混合物を15時間ローラーミルに配置した。ローラーミルから容器を取り除いた後、アルミナ媒体を除去した。キサンタンガムを添加してから、ペイントシェーカーを用いて混合物を15分間振とうした。最後に、Rhoplex(登録商標)HA8乳化剤を添加して、容器を(媒体なしで)1時間ローラーミルに戻した。
【0079】
得られた主要外部材料スラリー(スラリーH)は、51.48%のBSAS、2.57%のポリアクリル酸、0.14%のSurfynol(登録商標)502、0.23%のキサンタンガム、6.62%のRhoplex(登録商標)HA8乳化剤、4.86%のグリセリン、及び残部水(全て重量パーセント)からなっていた。スラリーHには焼結助剤は添加しなかった。ボンドコート及び遷移層を有するSiC−SiC CMCをスラリーHに浸漬し、周囲条件で乾燥した。続いて、焼結助剤溶液が未焼成コーティング内の孔隙に流入できるように、被覆部品を8wt%イットリウムメトキシエキトキシド及び92wt%エチルアルコールの焼結助剤溶液に浸漬した。上記したようにエチルアルコールを乾燥させた後、サンプルを3℃/分で1000℃まで熱処理して結合剤を燃焼させた。次に、部品を5℃/分で1000℃〜1344℃に加熱し、5時間保持することによって焼結させて、10容量%未満の多孔率を有する高密度外層を形成した。全ての熱処理は周囲条件で行った。
【0080】
図5は、空気プラズマ溶射シリコンボンドコート(118)、ムライト/BSAS遷移層(120)、及びBSAS外層(122)を有する本コーティング微細構造を有するCMC(117)のSEM顕微鏡写真を示す。BSAS外層及びムライト/BSAS遷移層は主に主要材料からなっているように見えるが、X線回析は二次材料、即ちイットリウム二ケイ酸塩が存在することを示した。X線回析及びEDS分析の組み合わせは、少量の希土類アルミノケイ酸ガラス及びアルカリ土類アルミノケイ酸ガラス二次材料が同様に外層に存在することを示した。
【0081】
本明細書は、本発明を開示すると共に、当業者であれば誰でも本発明を製造し使用することができるように、最良の形態を含む例を用いている。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求項によって定義され、当業者が想到し得る他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求項の文言と相違しない構成要素を有する場合、或いは特許請求項の文言と実質的な差異のない同等の構成要素を含む場合、特許請求の範囲に属するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐環境コーティングの表面粗度を向上させる方法であって、
プラズマ溶射耐環境コーティングを有する部品(10)を用意するステップと、
外層修復スラリーを前記部品の前記耐環境コーティングに塗布するステップと、
前記塗布された外層修復スラリーを有する前記耐環境コーティングを乾燥させるステップと、
前記部品を焼結させて、向上した表面粗度を有する部品を製造するステップとからなり、
前記外層修復スラリーは、
水と、
BSASからなる主要外部材料と、
希土類硝酸塩、希土類酢酸塩、希土類塩化物、希土類酸化物、リン酸アンモニウム、リン酸、ポリビニルホスホン酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるスラリー焼結助剤とからなる、方法。
【請求項2】
前記外層修復スラリーは、
約9wt%〜約81wt%の水、約3wt%〜約72wt%の主要材料、約0.1wt%〜約18wt%のスラリー焼結助剤、及び選択的に任意の有機加工助剤からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記有機加工助剤は、
約0wt%〜約6wt%の分散剤、
約0wt%〜約7wt%の可塑剤、
約0wt%〜約1wt%の界面活性剤、
約0wt%〜約11wt%の制御分散用二次添加剤、
約0wt%〜約0.5wt%の増粘剤、及び
約0wt%〜約15wt%のラテックス結合剤からなる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
乾燥ステップは、約50%〜約90%の相対湿度を有する湿潤環境において前記部品を約5℃〜約100℃の温度に暴露することを含む、請求項1、2、又は3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記部品を約1℃/分〜約15℃/分の速度で約1100℃〜約1700℃の温度に加熱し、前記部品をその温度で最大約24時間保持することによって、前記部品を焼結させるステップを有する、請求項1、2、3、又は4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記外層修復スラリーは、約10容量%以上の固形物負荷の主要外部材料からなる、請求項1、2、3、4、又は5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記表面粗度が40マイクロインチRa〜200マイクロインチRaに向上する、請求項1、2、3、4、5、又は6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記外層修復スラリーを少なくとも約0.5ミルの厚さに塗布するステップを有する、請求項1、2、3、4、5、又は6のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−32163(P2011−32163A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169924(P2010−169924)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】