説明

耐疲労性および耐食性を有する延性の耐環境コーティングおよび被覆物

主にガンマプライムニッケルアルミナイド金属間物製である延性の耐食性耐酸化性コーティングは、15〜30原子%のアルミニウム、20原子%までのクロム、適宜、30原子%までの白金族金属、適宜、4原子%までの反応性元素、および適宜、15原子%までの少なくとも1つの強化元素を含み、残部が本質的にニッケル、またはニッケルと、コバルト、鉄、もしくはコバルトおよび鉄のうちの少なくとも1つとである。被覆物は、アンダープラットフォームまたは気体経路でない領域を有する、タービンディスク、タービンシール、タービンブレード、タービンノズル、タービンシュラウド、またはタービンフレームもしくはケースなどの超合金基材上の延性の耐食性耐酸化性コーティングを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、ガスタービンエンジンの構成部品用の耐環境コーティングに関し、より詳細には、延性のコーティングおよび被覆物に関し、コーティングは、良好な粘着性、耐歪性、および耐食性を示す。
【背景技術】
【0002】
ブレードのアンダープラットフォーム領域、および他の高温で動作する部品の気体経路でない側は、気体経路内のエーロフォイルなどの構成部品の温度よりもかなり低い温度で腐食性の環境の影響を受ける(1700°F,927℃未満)。この動作環境は、超合金基材によってもたらされる腐食保護を超える腐食保護を必要とする。腐食保護は、アルミナイドなどの耐環境コーティングによって一般に行われる。
【0003】
タービンディスク腐食は、1)還元剤と、金属硫酸塩またはその他の金属硫黄酸化物を含有する固体粒子とがディスク上に堆積すること、および2)堆積した粒子が、高温でディスクの合金と反応して、空気不透過性の溶融した固体粒子によって被覆された還元金属硫化物を形成することに起因することが、公知である。
【0004】
耐環境コーティングは、耐食性を改善することができるが、部品の機械的な特性性能の問題を引き起こす可能性がある。たとえば、アルミナイドコーティングは、それらの延性脆性遷移温度(約1600°F,871℃)を下回る温度では、延性が低くなる。この延性の不足により、基材金属と比較して、早い疲労亀裂が始まる。したがって、より高い動作温度を受ける構成部品または構成部品の領域上で使用することができるコーティングは、一般に気体経路に直接露出されないタービンブレードシャンクまたはディスク上で使用するのに適さない可能性がある。
【0005】
腐食保護のための他の手法は、積層塗料を使用することを含む。公知の積層塗料は、グリットブラスト表面への機械的な粘着に依拠すると考えられる。しかし、このような積層塗料は、エンジンの熱遷移状態中の高い界面ひずみにより、エンジン動作中に破砕しやすいことを示している。
【0006】
耐食性の改善に対する別の提案されている解決法は、米国特許第6,565,931号に教示されているような白金ベースのコーティングである。開示されているコーティングは、基材の超合金に似たガンマ/ガンマ’構造を形成している。しかし、コーティングの評価によって、腐食保護が不十分であることが明らかになった。
【0007】
米国特許第6,283,715号で教示されているような気相クロマイドコーティングの適用は、効果のないマスキング手順や、内部またはエーロフォイルのコーティングとの不適合性のため、ダブテイル対合表面の問題を引き起こすことがある。
【0008】
米国特許第7,364,801号は、主として、好ましくはガンマ−Niマトリクス、ガンマ−Coマトリクス、またはニッケルとコバルトとの混合物の固溶体相である耐環境コーティングを開示している。教示によると、このコーティングには、耐食性および耐酸化性を強化するために、約4〜8重量パーセントの範囲のアルミニウムが添加されていてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第1767666号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、腐食保護を与え、十分な延性を与え、構成部品上の他のコーティングに適合可能であり、かつ/または局所的に適用することが可能であるコーティングおよびコーティングプロセスを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の1つまたは複数の必要性は、超合金基材を備える被覆構成部品、および基材の少なくとも一部分の上に配置された延性の耐食性耐酸化性コーティングを提供する例示的な実施形態によって満たされ得る。超合金基材は、アンダープラットフォームまたは気体経路でない領域を有する、タービンディスク、タービンシールまたはタービンブレード、タービンノズル、タービンシュラウド、またはタービンケースおよびフレームを備える。延性コーティングは主に、ガンマプライムニッケルアルミナイド金属間物製である。堆積するとき、コーティングは、約15から約30原子%のアルミニウム、約20原子%までのクロム、適宜、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、およびイリジウムから選択される約30原子%までの白金族金属、適宜、ジルコニウム、ハフニウム、イットリウム、シリコン、ランタン、およびそれらの混合物から選択される約4原子%までの少なくとも1つの反応性元素、ならびに適宜、タンタル、タングステン、モリブデン、レニウム、およびそれらの混合物から選択される約15原子%までの少なくとも1つの強化元素を含み、残部が本質的に、ニッケル、またはニッケルと、コバルト、鉄、もしくはコバルトおよび鉄のうちの少なくとも1つとである。
【0012】
本発明としてみなされる主題が、本明細書の結論部分で特に指摘され、明瞭に請求される。しかし、本発明は、添付の図面をとともに以下の説明を参照して、最も良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ガスタービンエンジンのタービンセクションの一部分の一実施形態の概略図である。
【図2】ロータ構成部品上に堆積された保護コーティングの一実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
様々な図面の全体を通じて、同一の参照符号は同一の要素を表す図面を参照すると、図1は、ガスタービンエンジンのタービンセクション10の一部分を表す。図示されている部分は、タービンブレード14がその上で軸の周りを回転し、したがってタービンセクション10の回転構成部品である、2枚のディスク12を含む。タービンセクション10の回転しない(静止)構成部品は図1には示されていないが、ブレード14の先端に近接してディスク12を取り囲むシュラウドと、ブレード14を通して燃焼気体の流れを配向するベーンを備えるディスク12の間に配置されたノズルアセンブリとを備えることが理解される。シール要素20が、ディスク12に組み付けられて図示されており、静止構成部品の表面と協働して、タービンセクション10の回転構成部品と静止構成部品の間の二次流損失を低減させるシールを形成する。ガスタービンエンジンおよびその他のターボ機械で一般にみられるように、ブレード14(およびベーン)は、等軸晶、一方向凝固(DS)、または単結晶(SX)超合金で形成される一方、ディスク12およびシール要素20は、望ましい粒状組織および機械的な特性を達成するために、注意深く制御された鍛造、熱処理、および表面処理を受けた多結晶超合金で一般に形成される。
【0015】
ブレード14は、作動中に高温の燃焼気体の流れが当たるエーロフォイル22と、下向きに延びるシャンク24と、ガスタービンブレード14をガスタービンディスク12に取り付けるダブテイル26の形態のアタッチメントとを備える。プラットフォーム28が、エーロフォイル22とシャンク24およびダブテイル26との間の位置に、横方向外向きに延びている。プラットフォーム28の下方に配置されたブレード14の部分を、本明細書でまとめて「アンダープラットフォーム領域」34と称する。
【0016】
図2は、基材46の表面領域44上に堆積された、耐酸化性および耐食性の耐環境コーティング42を有する被覆物40の一部分を概略的に表している。これは、図1のディスク12、シール要素20のいずれかの部分であっても、および/またはアンダープラットフォーム領域34のいずれかの部分であってもよい。他の例示的な被覆物は、一般に気体経路でない領域を有する、タービンブレード、ノズル、タービンシュラウド、タービンフレームまたはケースを含む。
【0017】
一例として、使用することができる1つのニッケルベースの超合金は、Rene‘88DTとして当技術分野において公知であるがそれに限定されない。これは、重量で、約13%のコバルト、約16%のクロム、約4%のモリブデン、約3.7%のチタン、約2.1%のアルミニウム、約4%のタングステン、約0.70%のニオブ、約0.015%のホウ素、約0.03%のジルコニウム、および約0.03%の炭素、残部のニッケルおよび少量の不純物という、公称組成を有する。
【0018】
タービンを通って流れる高温の気体から下にある領域を保護するコーティング42を、エーロフォイル12およびプラットフォーム14に提供することが、当技術分野では公知である。また、気体流の経路内でない区域は、特にアンダープラットフォーム領域およびタービンディスク内で、耐食性のために耐環境保護コーティングが必要であることが判明している。
【0019】
本明細書で開示されている例示的な実施形態は、超合金基材のための耐環境保護コーティングを提供する。例示的なコーティングは、周期的な熱環境に耐えるために特に適している。例示的な実施形態は、亀裂形成を最小にし、したがって構成部品の不具合を最小にするように、十分な強度および延性を呈している。本明細書で開示されている例示的な実施形態は、直接的には気体流の経路内にない基材上、または基材の部分上のコーティングとして特に適している。このように、コーティングは、たとえば、タービンブレードのエーロフォイル部分が受ける温度よりも一般に低い温度で使用されるのに適している。
【0020】
本明細書で開示されている例示的なコーティングは、そうでない場合、脆性のコーティング亀裂の伝播によって疲労破壊が結果として生じるコーティングの亀裂形成を最小にするように、十分な耐歪性能力(すなわち、引張延性)を呈する。本明細書で開示されている例示的な実施形態は、耐食性のための保護酸化物をさらに形成する。
【0021】
本明細書で開示されている例示的な実施形態は、約75原子%のNiおよび25原子%のAl(Ni3Al)を含むベースとなる組成から派生した、修正された組成として考えられてもよい。ここで、アルミニウムは、コーティングが、主としてガンマプライム(ガンマ’)相として提供されることができるような量で存在する。「主としてガンマプライムの」とは、コーティングの75体積%超が、ガンマプライム相であることを意味する。ある実施形態では、ガンマ相が、約25体積%までの量で存在することができる。本明細書で開示されている例示的な実施形態は、コーティングがベータ相内で主としてガンマ’である、および/または不連続であるようなレベルでアルミニウムを含むことができる。
【0022】
本明細書で開示されている例示的な実施形態は、腐食を改善するために、約20原子%までの量のクロムをさらに含むことができる。コーティングとして使用するための例示的な組成は、約75原子%(ニッケルおよびクロム)を含む。ここで、クロムは、約18原子%まで存在し、約25原子%までのアルミニウムまたは(アルミニウムにハフニウムを加えたもの)が存在する。
【0023】
本明細書で開示されている例示的な実施形態は、耐環境性および/または強度の強化のためのさらなる元素を含むことができる。たとえば、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、イットリウム(Y)、シリコン(Si)、ランタン(La)などのさらなる元素が、単独で、または組み合わせて、ベースとなる組成のアルミニウムの全部または一部を置き換えてもよい。また、例示的な実施形態は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)およびレニウム(Re)などの強化元素を、単独で、または組み合わせて含んでもよい。コーティングとして使用するための例示的な組成は、約75原子%のニッケル、約25原子%(アルミニウムにハフニウムを加えたもの)を含む。他の例示的なコーティングは、少なくとも6原子%であり、約25原子%以下のアルミニウムを含む。
【0024】
本明細書で開示されている例示的な実施形態は、適宜、ベースとなる組成内のニッケルに置き換わるものとして、Ptまたはその他の白金族金属を含んでもよい。本明細書で使用するとき、「白金族金属」とは、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウムまたはイリジウムを称する。例示的な実施形態は、Ni−Al−Pt−Hf−Crガンマプライムコーティングを含む。
【0025】
さらに、例示的な実施形態では、本明細書で提供されるコーティングのいずれかの中のニッケルの全部または一部が、単独で、または組み合わせてCoおよびFeで置き換えられてもよい。
【0026】
開示されているコーティング組成物は、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、(たとえば、イオンプラズマ/陰極アーク)、めっき、熱溶射、拡散プロセス、またはいずれかの適切な技術によって、基材の適切な領域に付着されてもよい。例示的な実施形態は、前駆物質組成物によってコーティングする前または後に白金(または1つもしくは複数の白金族金属)が耐環境コーティングに導入されるように、適宜の白金または白金族金属めっきを含むことができる。「前駆物質組成物」とは、使用される場合に(1つまたは複数の)白金族金属とともに基材上で所望のコーティングを形成する、事前に選択された組成物を称する。
【0027】
例示的な実施形態は、単一の均質な層として付着または堆積されるコーティングを含んでもよい。別法として、例示的なコーティングが、個別の層で付着または堆積されてもよい。個別の層で付着または堆積されたコーティングは、当業者なら理解できるように、層を拡散させるために熱処理をも必要とすることがある。適宜、例示的なコーティングは、組成勾配を有する層を含んでもよい。他の例示的な実施形態では、コーティングしようとする部品または構成部品が、腐食を受けやすい部分のみに制限してコーティングするように、十分にマスキングされてもよい。他の例示的な実施形態では、部品または構成部品が、所望の結果に応じて、コーティングする前または後に、ショットピーニングなどの機械的な処理をされてもよい。
【0028】
例示的な実施形態は、約15から約30原子%のアルミニウム、約20原子%までのクロム、適宜、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、またはイリジウムから選択される約30原子%までの白金族金属、適宜、ジルコニウム、ハフニウム、イットリウム、シリコン、またはランタン、およびそれらの混合物から選択される約4原子%までの少なくとも1つの反応性元素、ならびに適宜、タンタル、タングステン、モリブデン、またはレニウム、およびそれらの混合物から選択される約15原子%までの少なくとも1つの強化元素を含み、残部が本質的に、ニッケル、またはニッケルと、コバルト、鉄、もしくはコバルトおよび鉄のうちの少なくとも1つとである、主にガンマプライムのニッケルアルミナイド金属間物コーティングを対象とする。
【0029】
例示的な実施形態では、金属間物コーティングは、約16〜25原子%のアルミニウム、約3〜11原子%のクロム、約6原子%までの少なくとも1つの白金族金属、約3原子%までのハフニウムから本質的になり、残部が本質的にニッケルである。
【0030】
例示的な実施形態では、金属間物コーティングは、約17〜21原子%のアルミニウム、約4〜12原子%のクロム、約3〜10原子%の選択された(1つまたは複数の)白金族金属、約4原子%までの選択された(1つまたは複数の)反応性元素、約15原子%までの選択された(1つまたは複数の)強化元素を含み、残部が本質的にニッケルである。
【0031】
例示的な実施形態では、金属間物コーティングは、約17〜21原子%のアルミニウム、約4〜12原子%のクロム、約4原子%までの選択された(1つまたは複数の)反応性元素、約15原子%までの選択された(1つまたは複数の)強化元素、実質上0原子%の(1つまたは複数の)白金族金属を含み、残部が本質的にニッケルである。
【0032】
例示的な実施形態では、金属間物コーティングは、約15〜30原子%のアルミニウム、約3〜11原子%のクロム、約6原子%までの量の白金、約3原子%までの量のハフニウムを含み、残部が本質的にニッケルである。
【0033】
例示的な実施形態は、被覆物を含む。特に、熱サイクル用に適合された被覆物が、本明細書で開示されているコーティングの恩恵を受けることができる。気体経路に直接露出されないコーティングされる基材または基材の部分は、本明細書で開示されている延性コーティングによって十分に保護され得る。また、本明細書で開示されている実施形態は、構成部品の他の区域で使用されるコーティングにも適合可能でもあり、局所的な適用が可能でもある。
【実施例】
【0034】
公称Ni−20Al−3Cr−7Pt−0.6Hfである主としてガンマプライムのコーティングが、600℃未満の温度でのイオンプラズマ堆積(陰極アーク)によって、約1.0〜1.5ミル(約25.4〜38.1ミクロン)の厚さでRene’88DT基材のフラットパネルサンプル上に製造された。例示的なサンプルは、7回の腐食試験サイクルを受けた。サンプルは解析用に裁断された。サンプルの解析により、腐食はコーティングのみに限定されることが実証された。
【0035】
Ni−Al−Cr−Pt−Hfコーティングが、Ni−Al−Cr−Hfのイオンプラズマ堆積(陰極アーク)の後に白金めっきし、適宜2000°F(約1093℃)で、熱処理して相互拡散させることによって、製造された。
【0036】
Ni(16〜25原子%)−Al(3〜11原子%)−Cr(6原子%)−Pt−Hfコーティングが、実証された。
【0037】
ある例示的な実施形態では、基材の選択された部分をめっきし、その後、めっき上に前駆物質コーティング組成物を付着させることにより、白金、および/または白金族金属を提供することによって形成されたコーティングを含む。適切な熱処理が、拡散のために使用されてコーティングを形成してもよい。ある例示的な実施形態では、物理気相堆積などの適切な堆積技術が、前駆物質コーティング組成物を付着させるために使用される。
【0038】
本明細書で開示されている他のある実施形態は、適切な基材上に前駆物質コーティング組成物を付着させ、その後、前駆物質コーティング組成物を覆って白金および/または別の白金族金属を提供することによって形成されたコーティングを含む。適切な熱処理が、コーティングを形成するために使用されてもよい。
【0039】
他のある実施形態は、少なくとも基材の事前に選択された部分上に配置された、本明細書で開示されているコーティングのいずれかを有する被覆物を含む。
【0040】
例示的なコーティングは、約5から約100ミクロンの厚さを備えてもよい。他の例示的なコーティングは、約10から約50ミクロンの厚さを備えてもよい。さらに他の例示的なコーティングは、約25から約40ミクロンの厚さを備えてもよい。
【0041】
本明細書で開示されている例示的なコーティングは、使用中の部品および構成部品のための補修プロセスで使用され得ることが考えられている。例示的な補修方法は、前に使用がされていて、その上に補修の必要がある耐環境コーティングを有する構成部品を提供すること、コーティングの少なくとも一部分を剥離すること、および本明細書で説明したような例示的なコーティングを提供することを含む。
【0042】
白金またはその他の1つまたは複数の白金族金属で修正された、主としてガンマ’のコーティング組成物が、ベータニッケルアルミナイド相を連続的に形成することを回避し、耐環境性を改善することによって、白金のみのコーティングと同様の延性を提供すると予想される。クロムレベルの増加によって腐食に対する利点が追加される。また、開示されているコーティングによって、腐食が起こらない領域のクロマイドや白金のみのコーティングと比較して、酸化保護が増加する。
【0043】
本明細書で開示されている例示的なコーティングは、それらの間での金属結合のため基材への良好な粘着性を有する。例示的なコーティングは、良好な耐歪性を呈する。本明細書で開示されている例示的な実施形態は、耐食性を提供する。このようにして、本明細書で開示されている主にガンマプライム(ガンマ’)のコーティングは、特に気体経路の極端な温度を受けないタービン構成部品または領域に対して、良好な粘着性、耐歪性および腐食能力を提供する。
【0044】
本書は、本発明を開示するために、および当業者が本発明を作製し使用することを可能にするために、最良の形態を含む例を使用している。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に思い付く他の例を含んでもよい。他のこのような例は、特許請求の範囲の文面とは異ならない構造的な要素を有する場合、または特許請求の範囲の文面とは実質的に異ならない均等な構造的な要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0045】
10 タービンセクション
12 ディスク
14 タービンブレード
20 シール要素
22 エーロフォイル
24 シャンク
26 ダブテイル
28 プラットフォーム
34 アンダープラットフォーム領域
40 被覆物
42 コーティング
44 表面領域
46 基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンダープラットフォームまたは気体経路でない領域を有する、タービンディスク、タービンシール、タービンブレード、タービンノズル、タービンシュラウド、またはタービンフレームもしくはケースからなる群から選択される、少なくとも1つの部材を備える、超合金を含む基材と、
約15から約30原子%のアルミニウム、約20原子%までのクロム、適宜、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、またはイリジウムから選択される約30原子%までの少なくとも1つの白金族金属、適宜、ジルコニウム、ハフニウム、イットリウム、シリコン、またはランタン、およびそれらの混合物から選択される約4原子%までの少なくとも1つの反応性元素、ならびに適宜、タンタル、タングステン、モリブデン、またはレニウム、およびそれらの混合物から選択される約15原子%までの少なくとも1つの強化元素を含み、残部が本質的にニッケル、またはニッケルと、コバルト、鉄、もしくはコバルトおよび鉄のうちの少なくとも1つとである、前記基材の少なくとも一部分の上に配置された延性の耐食性耐酸化性コーティングと
を備える被覆構成部品。
【請求項2】
前記コーティングが、約16〜25原子%のアルミニウム、約3〜11原子%のクロム、約6原子%までの少なくとも1つの白金族金属、約3原子%までのハフニウムから本質的になり、残部が本質的にニッケルである、請求項1記載の被覆構成部品。
【請求項3】
前記コーティングが、17〜21原子%のアルミニウム、4〜12原子%のCr、3〜10原子%の白金族金属、ジルコニウム、ハフニウム、イットリウム、シリコン、またはランタン、およびそれらの混合物から選択される約4原子%までの少なくとも1つの反応性元素、ならびにTa、W、Mo、またはRe、およびそれらの混合物から選択される約15原子%までの少なくとも1つの強化元素から本質的になり、残部が本質的にニッケルである、請求項1記載の被覆構成部品。
【請求項4】
前記コーティングが、17〜21原子%のアルミニウム、4〜12原子%のCr、実質上0原子%の白金族金属、ジルコニウム、ハフニウム、イットリウム、シリコン、またはランタン、およびそれらの混合物から選択される約4原子%までの少なくとも1つの反応性元素、ならびにTa、W、Mo、またはRe、およびそれらの混合物から選択される約15原子%までの少なくとも1つの強化元素から本質的になり、残部が本質的にニッケルである、請求項1記載の被覆構成部品。
【請求項5】
前記基材が、タービンブレードを備え、かつ前記基材の前記被覆された部分が、前記アンダープラットフォーム領域を含む、請求項1記載の被覆構成部品。
【請求項6】
前記基材が、タービンディスクを備える、請求項1記載の被覆構成部品。
【請求項7】
前記コーティングが、約18原子%までの量のクロムを含む、請求項1記載の被覆構成部品。
【請求項8】
前記コーティングが、ハフニウム、シリコン、イットリウム、ジルコニウム、またはランタンからなる群から選択される少なくとも1つの反応性元素を含む、請求項1記載の被覆構成部品。
【請求項9】
前記コーティングが、タンタル、タングステン、モリブデン、またはレニウムから選択される少なくとも1つの強化元素を含む、請求項8記載の被覆構成部品。
【請求項10】
前記コーティングの中で、前記残部が、本質的にニッケルおよびコバルトである、請求項1記載の被覆構成部品。
【請求項11】
前記コーティングの中で、前記残部が本質的にニッケル、コバルト、および鉄である、請求項1記載の被覆構成部品。
【請求項12】
前記コーティングが、約18重量%までの量のクロム、約17から約25重量%のアルミニウムとハフニウムとの組合せから本質的になり、残部が本質的にニッケルである、請求項1記載の被覆構成部品。
【請求項13】
前記コーティングが、アルミニウム、白金、ハフニウム、クロムからなり、残部がニッケルおよび付随的な不純物である、請求項1記載の被覆構成部品。
【請求項14】
前記コーティングが、約5から約100ミクロンまで、約10から約50ミクロンまで、または約25から40ミクロンまでから選択される厚さ範囲内の厚さを有する、請求項1記載の被覆構成部品。
【請求項15】
前記コーティングが、約16〜25原子%のアルミニウム、約3〜11原子%のクロム、約6原子%までの量の白金、約3原子%までのハフニウムからなり、残部がニッケルおよび付随的な不純物である、請求項1記載の被覆構成部品。
【請求項16】
前記コーティングが、複数の組成勾配層を備える、請求項1記載の被覆構成部品。
【請求項17】
約15から約30原子%のアルミニウム、
約20原子%までのクロム、
適宜、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、またはイリジウムから選択される約30原子%までの少なくとも1つの白金族金属、
適宜、ジルコニウム、ハフニウム、イットリウム、シリコン、またはランタン、およびそれらの混合物から選択される約4原子%までの少なくとも1つの反応性元素、ならびに
適宜、タンタル、タングステン、モリブデン、またはレニウム、およびそれらの混合物から選択される約15原子%までの少なくとも1つの強化元素を含み、残部が本質的にニッケル、またはニッケルと、コバルト、鉄、もしくはコバルトおよび鉄のうちの少なくとも1つとである、
主にガンマプライムニッケルアルミナイド金属間物製である、延性の耐食性耐酸化性コーティング。
【請求項18】
複数の組成勾配層を備える請求項17記載の延性の耐食性耐酸化性コーティング。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2012−532248(P2012−532248A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517543(P2012−517543)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/036999
【国際公開番号】WO2011/002571
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】