説明

耐荷材とその製造方法

【課題】外部からの力により長さ方向に圧縮力を受ける鋼管の強度を向上することができる耐荷材を提供する
【解決手段】鋼管2と、この鋼管2に配置され該鋼管2の長さ方向に引張力を加える鋼棒3とを備える。長さ方向に間隔を置いて鋼管2に対をなす支圧板4,4を設け、前記鋼棒3は、それら支圧板4,4の間隔を広げる方向の弾性復元力を有するから、支圧板4,4間を広げる弾性復元力により鋼管2の長さ方向に引張力を加えることができる。したがって、曲げモーメントによって鋼管2に長さ方向の圧縮力が加わると、この圧縮力に対して鋼棒3の引張力が対抗することにより、荷重に強い耐荷材1が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮力や引張力を受ける構造物の支柱や梁材等に用いる耐荷材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の防護構造物として、落石、雪崩防護構造物などでは、所定の間隔で支柱を設け、各支柱の間に水平ロープ材を設け、各支柱間を水平ロープ材に掛止させたワイヤ製のネットで遮蔽した防護柵(例えば特許文献1)や、各支柱間にコンクリート製や金属製などからなる横杆を多段に設けた防護柵や、斜面に所定の間隔を隔てて立設され、防護ネットを張り巡らす防護柵用支柱において、支柱の下端が斜面に載置され、斜面に設けたアンカーと前記支柱の下部の間が据付用ロープで接続されて位置決めされている支柱を用いる防護柵(例えば特許文献2)や、前記アンカーと支柱の上部及び下部との間を据付用ロープで接続した吊柵式の防護柵(例えば特許文献3)などが知られており、前記支柱には鋼管が用いられている。
【0003】
また、斜面に形成した擁壁と、前記擁壁を貫通して地山に挿入し、擁壁から突出する部位を片持式に支持する主構部材と、前記擁壁から張り出た主構部材間に設けた床版とにより構成した防護構造物(例えば特許文献4)があり、前記主構造材には鋼管が用いられている。
【0004】
上記のように防護構造物の部材には、鋼管が用いられており、さらに、その鋼管の強度を増すため、内部にPC鋼材を配置し、コンクリートを充填した充填鋼管(例えば特許文献5)が用いられている。
【特許文献1】特開平6−173221号公報
【特許文献2】特開2000−248515号公報(段落0013段)
【特許文献3】特開平8−184014号公報
【特許文献4】特開2001−323416号公報
【特許文献5】実用新案登録第2547494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記充填鋼管では、鋼管内の前側にPC鋼材を配置することにより、鋼管の前側に加わる引張力に対抗することができる。
【0006】
しかし、構造材として用いる鋼管には、引張力以外にも圧縮力が加わる場合があり、従来のものでは、圧縮力に対抗する効果的な補強方法は開発されていなかった。
【0007】
そこで、本発明は、外部からの力により長さ方向に圧縮力や引張力を受ける鋼管の強度を向上することができる耐荷材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、鋼管と、この鋼管に配置され該鋼管の長さ方向に引張力を加える圧縮部材とを備えるものである。
【0009】
また、請求項2の発明は、鋼管と、この鋼管に配置され該鋼管の長さ方向に圧縮力を加える引張部材とを備えるものである。
【0010】
また、請求項3の発明は、長さ方向に間隔を置いて前記鋼管に対をなす支圧部を設け、前記圧縮部材は、それら支圧部の間隔を広げる方向の弾性復元力を有するものである。
【0011】
また、請求項4の発明は、長さ方向に間隔を置いて前記鋼管に対をなす支圧部を設け、前記引張部材は、それら支圧部の間隔を狭める方向の弾性復元力を有するものである。
【0012】
また、請求項5の発明は、前記鋼管の断面一側に前記圧縮部材を配置し、前記鋼管の断面他側に引張部材により圧縮力を付与したものである。
【0013】
また、請求項6の発明は、前記圧縮部材の鋼管内位置を位置決めする位置決め部材を備えるものである。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項3記載の耐荷材の製造方法において、前記圧縮部材を長さ方向に圧縮し、この圧縮した圧縮部材の両端側を前記支圧部に定着する製造方法である。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項4記載の耐荷材の製造方法において、前記引張部材を長さ方向に引張って緊張し、この緊張した引張部材の両端側を前記支圧部に定着するものである。
【0016】
また、請求項9の発明は、前記鋼管の断面一側に前記圧縮部材を配置し、前記鋼管の断面他側に引張部材により圧縮力を付与し、前記引張力と前記圧縮力を略同一に設定する製造方法である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の構成によれば、曲げモーメントによって鋼管に長さ方向の圧縮力が加わると、この圧縮力に対して圧縮部材の引張力が対抗することにより、荷重に強い耐荷材が得られる。
【0018】
また、請求項2の構成によれば、曲げモーメントによって鋼管に長さ方向の引張力が加わると、この引張力に対して引張部材の圧縮力が対抗することにより、荷重に強い耐荷材が得られる。
【0019】
また、請求項3の構成によれば、支圧部間を広げる弾性復元力により鋼管の長さ方向に引張力を加えることができる。
【0020】
また、請求項4の構成によれば、支圧部間を狭める弾性復元力により鋼管の長さ方向に圧縮力を加えることができる。
【0021】
また、請求項5の構成によれば、曲げモーメントにより発生する断面一側の圧縮力と断面他側の引張力とに対して、圧縮部材の引張力と引張部材の圧縮力とが対抗する。
【0022】
また、請求項6の構成によれば、圧縮部材に圧縮力を加えても、位置決め部材により位置決めされているため、圧縮部材に座屈が発生することがなく、圧縮された圧縮部材の弾性復元力により鋼管に引張力を導入することができる。
【0023】
また、請求項7の構成によれば、圧縮した圧縮部材の両端側を支圧部に定着することにより、圧縮部材の弾性復元力が、支圧部間を広げる方向の力とした働き、鋼管の長さ方向に引張力が導入される。
【0024】
また、請求項8の構成によれば、緊張した引張部材の両端側を支圧部に定着することにより、引張部材の弾性復元力が、支圧部間を狭める方向の力とした働き、鋼管の長さ方向に圧縮力が導入される。
【0025】
また、請求項9の構成によれば、引張力と圧縮力とを略同一に設定することにより、長さ方向の軸力が釣り合い、鋼管の長さ方向に軸力が発生することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規な耐荷材を採用することにより、従来にない耐荷材が得られ、その耐荷材について記述する。
【実施例1】
【0027】
以下、本発明の実施例1について、図1〜図8を参照して説明する。同図に示すように、耐荷材1は、鋼管2と、この鋼管2の長さ方向に引張力を加える圧縮部材たる鋼棒3とを備える。また、前記鋼管2の両端部に、それぞれ支圧部たる支圧板4,4を設け、これら支圧板4,4は溶接などにより鋼管2の内周面の一側に固着されている。その支圧板4は、鋼管2の内周面に対応する円弧部8を有し、この円弧部8を鋼管の内周面に溶着などにより固着している。そして、前記鋼棒3を長さ方向に圧縮した状態で、該鋼棒3の両端側を前記支圧板4,4に定着し、鋼管1に長さ方向の引張力を導入する。その支圧板4,4には前記鋼棒3を挿通する挿通孔5,5が穿設されている。
【0028】
また、前記鋼棒3の両端側には雌螺子部6が形成され、この雌螺子部6にナット体7が螺合する。
【0029】
前記鋼棒3は内装体11により前記鋼管2内に配置され、その内装体11は、対をなす鞘管12,12Aと、長さ方向に間隔をおいて設けた複数のスペーサ13,13…とからなる。前記対をなす鞘管12,12は、鋼管2内の対向する位置で、鋼管2の内面に近い位置にあり、前記スペーサ13は、前記鋼管2に内嵌するリング板状をなし、前記鞘管12を挿通する挿通孔13を備え、この挿通孔13において鞘管12を固定している。
【0030】
次に、前記耐荷材1における引張力の導入方法につき説明すると、まず、鋼管2内に内装体11を挿入した後、鋼管2の両側に支圧板4,4を固定する。この場合、内装体11を鋼管2内面に固定してもよいし、あるいは固定しなくてもよいが、支圧板4の挿通孔5と内装体11の一方の鞘管12との位置を合せておく。
【0031】
まず、鋼管2の長さ方向一側の挿通孔5から、鋼棒3を鞘管12内に挿入し、この鞘管12の長さ方向他側から出た鋼棒3の他端に、鞘管12と支圧板4との間で、ナット体7を螺合し、このナット体7を回しながら鋼棒3の他端を長さ方向他側の挿通孔5から外側に所定長さだけ突出させて、鋼棒3の一端3Tが挿通孔5を挿通したら、その一端3Tに支圧板4と鞘管12との間でナット体7を螺合し、図6に示すように、一端3Tが支圧板4の外側に突出するように配置する。尚、鋼棒3の他端も他側の支圧板4の外側に突出する。
【0032】
この後、鋼棒3の両端側から長さ方向の圧縮力を加える。そして、図6の白抜き矢印に示す圧縮力により一端3Tを寸法Kだけ押し込み、これにより支圧板4とナット体7との間に隙間Kが発生したら、ナット体7を支圧板4に近づける方向に回し、これを他端側も同様に行い、図7に示すように、鋼棒3を圧縮した状態で、ナット体7,7により両端を支圧板4,4に固定する。
【0033】
したがって、長さ方向に圧縮された鋼棒3の弾性復元力により、鋼管2を長さ方向に引き伸ばす引張力を加えることができる。
【0034】
このように本実施例では、請求項1に対応して、鋼管2と、この鋼管2に配置され該鋼管2の長さ方向に引張力を加える圧縮部材たる鋼棒3とを備えるから、曲げモーメントによって鋼管2に長さ方向の圧縮力が加わると、この圧縮力に対して鋼棒3の引張力が対抗することにより、荷重に強い耐荷材1が得られる。
【0035】
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、長さ方向に間隔を置いて鋼管2に対をなす支圧部たる支圧板4,4を設け、圧縮部材は、それら支圧板4,4の間隔を広げる方向の弾性復元力を有するから、支圧板4,4間を広げる弾性復元力により鋼管2の長さ方向に引張力を加えることができる。
【0036】
また、このように本実施例では、請求項5に対応して、前記圧縮部材たる鋼棒3の鋼管2内位置を位置決めする位置決め部材たる内装体11を備えるから、鋼棒3に圧縮力を加えても、内装体11により位置決めされているため、鋼棒3に座屈が発生することがなく、圧縮された鋼棒3の弾性復元力により鋼管2に引張力を導入することができる。
【0037】
また、このように本実施例では、請求項7に対応して、請求項3記載の耐荷材の製造方法において、圧縮部材たる鋼棒3を長さ方向に圧縮し、この圧縮した鋼棒3の両端側を支圧板4,4に定着するから、鋼棒3の弾性復元力が、支圧板4,4間を広げる方向の力とした働き、鋼管2の長さ方向に引張力が導入される。
【実施例2】
【0038】
図9〜図10は、本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例の耐荷材1Aでは、他方の鞘管12Aに対応して、鋼管2の長さ方向両側に支圧板4,4をそれぞれ設け、支圧板4の挿通孔13から他方の鞘管12に引張部材たるPC鋼材15を挿入し、このPC鋼材15の両端側を外側に引張る引張力を加えて緊張した状態で、それら両端側を定着具16,16により定着し、定着後、前記引張力を解放することにより、支圧板4,4間に圧縮力を付与する。この場合、前記鋼棒3による引張力と前記PC鋼材15による圧縮力とが釣り合うように設定することにより、鋼管2に加わる軸方向の力を±0にすることができる。
【0039】
前記PC鋼材15は、PC鋼棒やPC鋼線からなり、前記PC鋼材15がPC鋼棒であれば、定着具たるナット体をPC鋼棒の両端側に螺合し、前記PC鋼材15がPC鋼線であれば、楔式の定着具を用いることができる。
【0040】
このように本実施例においても、上記実施例1と同様な作用・効果を奏する。
【0041】
加えて、このように本実施例では、請求項2に対応して、鋼管2と、この鋼管2に配置され該鋼管2の長さ方向に圧縮力を加える引張部材たるPC鋼棒15とを備えるから、曲げモーメントによって鋼管2に長さ方向の引張力が加わると、この引張力に対してPC鋼棒15の圧縮力が対抗することにより、荷重に強い耐荷材が得られる。
【0042】
このように本実施例では、請求項4に対応して、長さ方向に間隔を置いて鋼管2に対をなす支圧部たる支圧板4,4を設け、引張部材たるPC鋼棒15は、それら支圧板4,4の間隔を狭める方向の弾性復元力を有するから、支圧板4,4間を狭める弾性復元力により鋼管2の長さ方向に圧縮力を加えることができる。
【0043】
また、このように本実施例では、請求項5に対応して、鋼管2の断面一側に圧縮部材たる鋼棒3を配置し、鋼管2の断面他側に引張部材たるPC鋼材15により圧縮力たる緊張力を付与したから、曲げモーメントにより発生する断面一側の圧縮力と断面他側の引張力とに対して、鋼棒3の引張力とPC鋼材15の緊張力とが対抗する。
【0044】
また、このように本実施例では、請求項8に対応して、請求項4記載の耐荷材の製造方法において、引張部材たるPC鋼材15を長さ方向に引張って緊張し、この緊張したPC鋼材15の両端側を支圧部たる支圧板4,4に定着するから、PC鋼材15の弾性復元力が、支圧板4,4間を狭める方向の力とした働き、鋼管2の長さ方向に圧縮力が導入される。
【0045】
また、このように本実施例では、請求項9に対応して、鋼管2の断面一側に圧縮部材たる鋼棒3を配置し、鋼管2の断面他側に引張部材たるPC鋼材15により圧縮力たる緊張力を付与し、前記引張力と前記緊張力を略同一に設定するから、長さ方向の軸力が釣り合い、鋼管2の長さ方向に軸力が発生することがない。
【実施例3】
【0046】
図11〜図13は、本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、耐荷材1Bの内装体11は、鞘管12,12Aの間で鋼管2の内周面に等間隔で、図11において右側に鞘管12B,12C,12Dを配置し、図11において左側に鞘管12B´,12C´,12D´を配置し、すなわち鞘管12から時計回り方向に、鞘管12B,12C,12D,12A,12D´,12C´,12B´を配置している。
【0047】
また、それら鞘管12,12B,12C,12D,12A,12D´,12C´,12B´にそれぞれ対応して、前記鋼管2の長さ方向両側に、前記挿通孔8を有する支圧部たる支圧板4A,4Aを設け、この支圧板4Aは板片状をなし、その支圧板4Aの外側の円弧部8を鋼管2の内周面に溶着などにより固着し、円周方向に隣り合う支圧板4A,4Aの間には隙間からなる縁切り部17が設けられている。
【0048】
そして、鋼管2の内周面に略沿って等間隔に配置した複数の鞘管12,12B,12C,12D,12A,12D´,12C´,12B´に、前記鋼棒3とPC鋼材15を選択的に挿入し、その鋼棒3により支圧板4A,4Aの間を広げる引張力を付与し、そのPC鋼材15により支圧板4A,4Aの間を狭める緊張力を付与し、鋼管2の円周位置の任意に位置に引張力と緊張力を付与することができる。
【0049】
例えば、図13に示すように、鞘管12B´,12,12Bには、PC鋼材15を挿入して対応する支圧板4A,4A間に緊張力を付与し、鞘管12B´,12,12Bの反対側に位置する12D´,12A,12Dには、鋼棒3を挿入して対応する支圧板4A,4A間を広げる引張力を付与し、耐荷材1Bの使用状態において、外部からの荷重により引張力が加わる引張領域を、鞘管12側とし、圧縮力が加わる圧縮領域を、鞘管12A側として耐荷材1Bを使用することができる。
【0050】
このように本実施例では、使用状態に合せて、鋼管2の断面の任意の位置に長さ方向の引張力と緊張力とを導入することができる。
【実施例4】
【0051】
図14〜図16は、本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。同図は、実施例1の耐荷材1を支柱に用いる雪崩予防柵を示し、この雪圧を受ける雪崩予防柵21は、設置場所である山Yの斜面22にほぼ垂直に、支柱として前記耐荷材1,1…を立設し、これら耐荷材1,1…は所定間隔を置いて斜面22に複数立設され、この場合、前記鋼棒3を山側Yにし、耐荷材1全長の約2分の1を斜面22の下部に埋設固定している。また、それら耐荷材1の上端間を、鋼材などからなる連結部材23により連結している。尚、図中、Tは谷側である。尚、前記耐荷材1は、基礎を用いることなく、斜面22に穿孔した縦孔に建て込まれる。
【0052】
また、前記耐荷材1,1間に横方向のロープ材24,24…を多段に設けると共に、それら耐荷材1,1…の間に網体25を張設し、前記ロープ材24と網体25とにより防護面26を構成し、この防護面26は山側Yに対応する。また、耐荷材1,1間に位置して、縦方向の間隔保持具27を設け、この間隔保持具27はフラットバー等からなり、上下多段に設けた前記ロープ材24,24…にクリップ28などにより連結され、それら上下多段のロープ材24,24…の間隔を保持する。
【0053】
前記耐荷材1の中央上部と斜面22との間には、控えロープ材31が設けられ、この控えロープ材31の基端は、斜面22に固定したアンカー32に連結固定され、その控えロープ材31の先端は、耐荷材1の中央上部の連結部33に連結固定されている。
【0054】
次に、前記構成につき、その作用を説明すると、斜面22の積雪Sにより防護面26には、斜面22と略平行な方向の荷重Fが加わる。図16において、一点鎖線は、積雪Sによる荷重Fが防護面26に加わったときの耐荷材1に発生する曲げモーメントを示し、耐荷材1の連結部33より上方の部分には、上端側が後に移動するような曲げモーメントが発生し、耐荷材1の連結部33と斜面22との間の部分には、耐荷材1の山側が圧縮領域、谷側が引張領域となる曲げモーメントが発生する。さらに、荷重Fの垂直方向分力fvにより、耐荷材1の連結部33と斜面22との間の部分には、圧縮力が加わる。尚、斜面22より下部においては、耐荷材1は、山側が引張領域、谷側が圧縮領域となる曲げモーメントが発生する。
【0055】
このような曲げモーメントが発生する耐荷材1において、該耐荷材1の山側(一側)に予め引張力を付与しているから、曲げモーメントに対して、鋼棒3による引張力が有効に作用し、強度を向上することができ、しかも、荷重の垂直方向分力fvにより、耐荷材1の連結部33と斜面22との間の部分には軸方向の圧縮力が加わるから、この圧縮力に対して、前記鋼棒3による引張力が有効に作用する。
【0056】
このように本実施例では、間隔をおいて支柱たる耐荷材1,1…を立設すると共に、これら耐荷材1,1…間に山側Yに対応する防護面26を設けた雪崩予防柵において、耐荷材1は、長さ方向に引張力を導入した鋼管2からなるから、防護面26に積雪荷重が加わった際の支柱1の圧縮領域に、予め引張力を導入しておくことにより、荷重に強い支柱が得られる。
【0057】
また、このように本実施例では、耐荷材1と該耐荷材1の山側Yの斜面22とを控えロープ材31により連結し、前記引張力を鋼管2断面の山側Yで長さ方向に導入したから、防護面26に積雪荷重が加わると、耐荷材1の控えロープ材31の連結位置より下部の山側Yに圧縮力が加わるが、この圧縮力に対して前記引張力が対抗することにより、荷重に強い支柱1が得られる。
【0058】
また、このように本実施例では、鋼管2に配置され該鋼管2の長さ方向に引張力を加える圧縮部材たる鋼棒3を備え、長さ方向に間隔を置いて鋼管2に対をなす支圧部たる支圧板4,4を設け、鋼棒3は、それら支圧板4,4の間隔を広げる方向の弾性復元力を有するから、支圧板4,4間を広げる弾性復元力により鋼管2の長さ方向に引張力を加えることができる。
【0059】
また、このように本実施例では、隣り合う支柱たる耐荷材1,1同士を連結部材23により連結したから、連結部材23により隣り合う耐荷材1,1間に間隔が保持され、それら支柱1,1と連結部材23とからなる門型構造により強度が向上する。
【実施例5】
【0060】
図17は、本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。同図は、実施例2の耐荷材1Aを支柱に用いる雪崩予防柵を示し、この雪崩予防柵21は、控えロープ材31,アンカー32及び連結部33を備えない点と、鋼管2断面の谷側Tに鋼棒3を配置して引張力を付与し、鋼管2断面の山側YにPC鋼材15を配置して圧縮力を付与した点以外は、上記実施例4と同一構成である。
【0061】
したがって、控えロープ材31のないこの例の雪崩予防柵21では、斜面22の積雪Sにより防護面26に、斜面22と略平行な方向の荷重Fが加わると、耐荷材1Aの上端を谷側に倒す力が働き、耐荷材1Aの耐荷材1の谷側Tが圧縮領域、山側Yが引張領域となる曲げモーメントが発生する。
【0062】
このような曲げモーメントが発生する耐荷材1Aにおいて、該耐荷材1の山側(一側)に予め圧縮力を付与し、耐荷材1Aの谷側に予め引張力を付与しているから、曲げモーメントに対して、PC鋼材15に圧縮力と鋼棒3の引張力が有効に作用し、強度を向上することができる。
【0063】
尚、積雪条件によっては、鋼棒3による引張力を付与せずに、PC鋼材15により鋼管2に圧縮力のみを付与するようにしてもよい。
【実施例6】
【0064】
図18〜図22は、本発明の実施例6を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。同図は、実施例2の耐荷材1Aを片持ち梁として用いた保護構造物を示し、保護構造物たる覆い構造体51は、道路41などへの積雪を防止するものであり、前記道路41は、その山側が登りの斜面42で、その谷側が下りの斜面43になっており、車両が1台通行可能な道路幅を有する。尚、覆い構造体51は、小規模な落石にも対応できる。
【0065】
前記道路41の山側の壁部たる斜面42には、現場打ちコンクリートにより壁体たる擁壁52が構築され、この擁壁52の前面52Mは略垂直に形成されている。また、擁壁52の背面上部側と斜面42の地山とは、アンカー53により連結されている。尚、アンカー53は道路長さ方向に複数設けられる。また、前記擁壁52の下方には、縦方向の支持材たる支持アンカー54,54が、道路幅方向に並んで複数設けられ、且つ道路41の長さ方向に間隔をおいて配置され、支持アンカー54は擁壁52の下方の地山に固定されている。前記擁壁52の前面52Mは略垂直で、下部の地中部分にも、フーチング等の道路側に突出する部分がないから、施工において、現状の道路41の下部の施工が不要となる。すなわち、擁壁52の下方に支持アンカー54,54を設けることにより、地盤に係らず、擁壁52の沈下を防止するフーチングが不要となる。
【0066】
前記擁壁52の上部には、桁である耐荷材1Aの基端側(山側)が固定されると共に、この耐荷材1Aの先端側(道路側)を、道路41上に略水平に突出して設け、複数の耐荷材1Aを道路41の長さ方向に所定間隔で配置し、これら耐荷材1Aの上に、平板状の屋根材56を敷設し、この屋根材56の上に、後打ちコンクリート層57を設けて覆い部58を形成している。尚、前記耐荷材1Aの擁壁52から突出した部分の長さは、擁壁52の部分の長さより長い。
【0067】
前記アンカー53は、斜面42の地山にアンカー孔61を掘削し、このアンカー孔61にPC鋼材などのアンカー本体62を挿入し、充填材等により固定したものであり、前記アンカー本体62の基端に定着部63を設け、この定着部63を擁壁52に埋設固定して該アンカー本体62と擁壁52とを一体化し、斜面42に擁壁52の上部を定着している。
【0068】
前記擁壁52は、現場で型枠(図示せず)を組み、該型枠内にコンクリートを打設して形成され、擁壁52の上面52Uには、前記耐荷材1Aを挿入する上部が開口した受け溝64が形成され、この受け溝64は縦断面が略方形をなし、前記耐荷材1Aが上方から受け溝64内に挿入される。また、受け溝64は、前記前面52M及び上面52Uにおいて開口し、基端側には縦壁面64Aが設けられている。また、擁壁52の後面52Kは、斜めに形成されており、擁壁52の上面52Uが道路幅方向に広く形成されている。
【0069】
また、前記受け溝64の山側には、前記耐荷材1Aを擁壁52に固定する固定手段65が設けられている。図20に示すように、前記固定手段65は、前記受け溝64の下方で擁壁52内にアンカープレート66を埋設し、このアンカープレート66から、受け溝64の両側にアンカーボルト67,67を突設し、これら両側のアンカーボルト67,67の上部を押え板68に挿通し、この押え板68を挿通したアンカーボルト67,67の上端にナット69,69を螺合してなり、押え板68が耐荷材1Aの山側を上部から押える。尚、アンカーボルト67は、押え板68の四方から突設され、これに対応して、押え板68には、アンカーボルト67を挿通する挿通孔68Aが4箇所穿設されている。
【0070】
図20などに示すように、前記耐荷材1Aは、前記PC鋼材15を上、鋼棒3を下にして配置される。
【0071】
前記屋根材56は、鋼板やコンクリート板などからなり、前記耐荷材1Aの上に隙間なく並べて型枠を兼用する。また、図21に示すように、耐荷材1Aには、屋根材固定手段たるUボルト71により前記屋根材56が固定され、耐荷材1Aに下から外装したUボルト71の両端を、屋根材56に挿通し、その屋根材56の上面に突出したUボルト71の両端に、ナット72,72を螺合して固定される。尚、図18に示すように、1本の耐荷材1Aに対して、複数のUボルト71を用いることができる。
【0072】
また、前記耐荷材1,1A,1Bにおいて、前記鋼管2の内部にコンクリート等の充填材(図示せず)を充填した充填鋼管を用いることも可能であるが、充填材を充填しない耐荷材1,1A,1Bは軽量であり、施工が容易となる利点があり、このため、鋼管2の内部には充填材を充填していない。
【0073】
さらに、前記屋根材56の上及び前記擁壁52の上面52Uに、現場打ちコンクリートにより、前記後打ちコンクリート層57を設け、この後打ちコンクリート層57と前記屋根材56とを一体化すると共に、後打ちコンクリート層57と擁壁52とを一体化する。そして、後打ちコンクリート層57は、前記受け溝64内に充填され、擁壁52と耐荷材1Aの基端側とが一体化される。
【0074】
このような覆い構造物51にあっては、擁壁52の上部を山側の斜面42にアンカー53により定着し、その擁壁52に、耐荷材1Aと屋根材56とを組み合わせると共に後打ちコンクリート層57を打設してなる覆い部58を設け、道路41の積雪Sを予防する構造であるから、構造簡易なものとなり、特に、道路拡幅工事が現実的に難しく、1車線で待避場所などによりすれ違う所謂16車線の道路において、雪が降っても通行を確保することができ、しかも、従来の他の構造物に比較して安価に構築することができる。
【0075】
さらに、覆い部58は、擁壁52に基端側を固定した片持ち梁状の耐荷材1Aにより支持され、耐荷材1Aは、その断面上側に圧縮力が付与され、その断面下側に引張力が付与され、しかも、前記圧縮力と前記引張力との釣り合いにより、鋼管2に加わる軸方向の力が打ち消されているから、耐荷材1Aは、曲げモーメントに対して高い性能を有するものとなる。
【0076】
次に、前記覆い構造物1の施工方法の一例について説明する。まず、擁壁52とアンカー53との施工について説明すると、現場で型枠を組み、受け溝64と固定手段65を有する擁壁52を構築する。この場合、アンカー孔61に対応する部分は、擁壁52の上面52Uに凹部52Aを形成し、削孔機73のアンカー作業用空間を確保しておく。
【0077】
そして、擁壁52の上面52Uを足場として、この上に削孔機73を配置し、斜面42にアンカー孔61を削孔する。この後、同様に擁壁52を足場として、アンカー孔61にアンカー本体62を挿入し、アンカー孔61に充填材を充填してアンカー本体62を斜面42の地山に固定する。このようにアンカー53の作業が終了したら、前記凹部52Aにコンクリートを打設して擁壁52とアンカー53とを一体化する。尚、凹部52Aには、前記後打ちコンクリート層57を形成する際、同時にコンクリートを打設してもよい。また、アンカー53の定着部63は、凹部52A内のコンクリート内に埋設されるが、コンクリートを打設する前に、擁壁52の鉄筋などと連結してもよい。
【0078】
次に、覆い部58の施工について説明すると、擁壁52を構築した後であれば、アンカー53の作業が終了前でも、覆い部58の施工を行うことができる。尚、アンカー53の作業が終了したとは、擁壁52とアンカー63との一体化が終わった状態をいう。擁壁52の構築後、擁壁52の受け溝64に耐荷材1Aの基端側を挿入し、耐荷材1Aの上に、押え板68を配置し、この押え板68をアンカーボルト67により固定することにより、擁壁52に耐荷材1Aを固定することができ、道路41を使って運搬してきた耐荷材1Aを、比較的短時間で、擁壁52に固定できる。この場合、受け溝64の縦壁部64Aを基準として、或いは縦壁部64Aに耐荷材1Aの端部を合わせることにより、耐荷材1Aの道路幅方向の位置決めを容易に行うことができる。このように、道路41を交通止めする時間も短時間で済み、耐荷材1Aの固定手段65による固定が終了したら、道路長さ方向に並んだ耐荷材1A,1A…の上に、屋根材56を敷設し、Uボルト71で固定する。
【0079】
このようにして、屋根材56を固定したら、屋根材56の上及び擁壁52の上面52U上にコンクリートを打設し、後打ちコンクリート層57を形成する。このように屋根材56を型枠として、後打ちコンクリート層57を形成するため、作業時間の短縮が可能となる。
【0080】
尚、擁壁52に固定した耐荷材1Aと擁壁52を足場とし、或いは屋根材56と擁壁52とを足場として、アンカー53の作業を行ってもよい。
【0081】
このように本実施例では、山の壁部たる斜面42に設けた壁体たる擁壁52と、この擁壁52を山の壁部たる斜面42に定着するアンカー53と、擁壁53から突出した複数の耐荷材1A,1A…と、耐荷材1Aの基端側を擁壁52に固定する固定手段65と、耐荷材1Aの先端側に設けられた屋根材56とを備えるから、擁壁52の上部を山の擁壁52にアンカー53により定着し、その擁壁52に、耐荷材1Aと屋根材56とを組み合わせると共に、後打ちコンクリート層57を打設してなる覆い部58を設け、この覆い部58により道路41の積雪を予防するから、構造簡易なものとなり、特に、道路拡幅工事が現実的に難しく、幅員が1車線の道路41において、雪が降っても通行を確保することができ、しかも、従来の他の構造物に比較して安価に構築することができる。
【0082】
また、このように本実施例では、耐荷材1Aが鋼管2であり、この鋼管2の上部側に長さ方向の引張部材たるPC鋼材15を設け、この鋼材33に張力を付与し,鋼管2の下部側に鋼材3により長さ方向の引張力を付与したから、鋼管31の上部が長さ方向に圧縮されると共に、下部が長さ方向に伸ばされ、且つ、それら圧縮力と緊張力とを略釣り合わせて、鋼管2に軸力が加わらないようにことにより、片持ち梁としての性能が向上する。
【0083】
また、このように本実施例では、壁体たる擁壁52の下方に埋設され該擁壁52を支持する縦方向の支持材たる支持アンカー54を備えるから、壁体の沈下を防止するフーチング等が不要となり、擁壁52の施工を簡略化でき、通行止め期間も短縮できる。尚、支持材は、支持アンカー以外に支持杭などでもよい。
【0084】
また、このように本実施例では、山の壁部たる斜面42に壁体たる擁壁52を設け、この擁壁52を山の斜面42にアンカー53により定着し、前記擁壁52から複数の耐荷材1A,1A…を突設すると共に、耐荷材1Aの基端側を擁壁52に固定し、耐荷材1Aの先端側に屋根材56を設ける覆い構造物の施工方法において、擁壁52を足場にしてアンカー53を山の斜面42に施工するから、アンカー作業のために道路41に足場を組む必要がなく、施工コストを削減できると共に、通行止め期間を短縮できる。尚、覆い部48側の工事が一部又は全部完了した後、これと前記擁壁52とを足場としてアンカー53の作業をする場合も含まれる。
【0085】
また、このように本実施例では、壁体たる擁壁52の上面52Uに、耐荷材1Aの基端側を挿入する受け溝64を形成し、この受け溝64に耐荷材1Aの基端側を挿入するから、受け溝64に耐荷材1Aの基端側を挿入することにより、耐荷材1Aを擁壁52に容易に位置決めすることができ、施工期間の短縮が可能となる。
【0086】
また、このように本実施例では、耐荷材1Aを受け溝64に固定する固定手段65を用いるから、受け溝64に耐荷材1Aの基端側を挿入した後、固定手段65によって固定することにより、擁壁52に耐荷材1Aを簡便に取り付けることができる。
【0087】
また、固定手段65は、受け溝64の両側にアンカーボルト67,67の先端を突出し、これらアンカーボルト67,67に押え板68を固定するものであるから、簡便に固定することができると共に、耐荷材1Aの基端側上部を押えて該耐荷材1Aを支持することができる。
【0088】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、断面円形の鋼管を示したが、断面角形の鋼管でもよい。また、実施例では、断面円形の圧縮部材を示したが、断面角形でもよい。さらに、固定手段としては、擁壁の鉄筋と構造材とを連結固定する固定手段や、後打ちコンクリートにより固定する固定手段などでもよく、各種の手段を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施例1を示す耐荷材の断面図である。
【図2】同上、図1のA−A線断面図である。
【図3】同上、支圧板の正面図である。
【図4】同上、鋼棒及び内装体の側面図である。
【図5】同上、内装体の正面図である。
【図6】同上、鋼管端部側の拡大断面図であり、鋼棒を圧縮する前の状態を示す。
【図7】同上、鋼管端部側の拡大断面図であり、鋼棒を圧縮した後の状態を示す。
【図8】同上、耐荷材の概略説明図である。
【図9】本発明の実施例2を示す耐荷材の断面図である。
【図10】同上、鋼材端部の拡大断面図である。
【図11】本発明の実施例3を示す一部を切欠いた耐荷材の斜視図である。
【図12】同上、内装材の正面図である。
【図13】同上、鋼管端部の正面図である。
【図14】本発明の実施例4を示す耐荷材を支柱に用いた雪崩防護柵の断面図である。
【図15】同上、雪崩防護柵の正面図である。
【図16】同上、耐荷材のモーメント図である。
【図17】本発明の実施例5を示す耐荷材を支柱に用いた雪崩防護柵の断面図である。
【図18】本発明の実施例6を示す耐荷材を用いた覆い構造体の断面図である。
【図19】同上、覆い構造体の側面説明図である。
【図20】同上、固定手段回りの断面図である。
【図21】同上、覆い構造体の要部の断面図である。
【図22】同上、施工手順を示す断面図である。
【符号の説明】
【0090】
1,1A,1B 耐荷材
2 鋼管
3 鋼棒(圧縮部材)
4,4A 支圧板(支圧部)
11 内装体(位置決め部材)
15 PC鋼材(引張部材)
16 定着部
1A 耐荷材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼管と、この鋼管に配置され該鋼管の長さ方向に引張力を加える圧縮部材とを備えることを特徴とする耐荷材。
【請求項2】
鋼管と、この鋼管に配置され該鋼管の長さ方向に圧縮力を加える引張部材とを備えることを特徴とする耐荷材。
【請求項3】
長さ方向に間隔を置いて前記鋼管に対をなす支圧部を設け、前記圧縮部材は、それら支圧部の間隔を広げる方向の弾性復元力を有することを特徴とする請求項1記載の耐荷材。
【請求項4】
長さ方向に間隔を置いて前記鋼管に対をなす支圧部を設け、前記引張部材は、それら支圧部の間隔を狭める方向の弾性復元力を有することを特徴とする請求項2記載の耐荷材。
【請求項5】
前記鋼管の断面一側に前記圧縮部材を配置し、前記鋼管の断面他側に引張部材により圧縮力を付与したことを特徴とする請求項1又は3記載の耐荷材。
【請求項6】
前記圧縮部材の鋼管内位置を位置決めする位置決め部材を備えることを特徴とする請求項1、3又は5記載の耐荷材。
【請求項7】
請求項3記載の耐荷材の製造方法において、前記圧縮部材を長さ方向に圧縮し、この圧縮した圧縮部材の両端側を前記支圧部に定着することを特徴とする耐荷材の製造方法。
【請求項8】
請求項4記載の耐荷材の製造方法において、前記引張部材を長さ方向に引張って緊張し、この緊張した引張部材の両端側を前記支圧部に定着することを特徴とする耐荷材の製造方法。
【請求項9】
前記鋼管の断面一側に前記圧縮部材を配置し、前記鋼管の断面他側に引張部材により圧縮力を付与し、前記引張力と前記圧縮力を略同一に設定することを特徴とする請求項7記載の耐荷材の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−2102(P2008−2102A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−170739(P2006−170739)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【出願人】(398054845)株式会社プロテックエンジニアリング (42)
【出願人】(597108833)株式会社アルゴス (11)
【Fターム(参考)】