説明

耐荷材の製造方法と耐荷材及びその製造方法に用いる製造装置

【課題】圧縮時の圧縮部材の座屈を防止できる耐荷材の製造方法を提供する。
【解決手段】鋼管2内に配置されたPC鋼棒3に圧縮力を加え、PC鋼棒3の伸長方向の弾性復元力により該鋼管2の長さ方向に引張力を加える。アンボンド式のPC鋼棒3を用い、鋼管2内の断面に部分的に充填材31を充填して該充填材31によりPC鋼棒3を包み、充填材31が硬化した後、PC鋼棒3に圧縮力を加えることにより、PC鋼棒3に座屈が発生することなく、圧縮することができる。また、圧縮後、PC鋼棒3の弾性復元力により鋼管2に引張力が導入され、鋼管2に伸びを与えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮力や引張力を受ける構造物の支柱や梁材等に用いる耐荷材の製造方法と耐荷材及びその製造方法に用いる製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の防護構造物として、落石、雪崩防護構造物などでは、所定の間隔で支柱を設け、各支柱の間に水平ロープ材を設け、各支柱間を水平ロープ材に掛止させたワイヤ製のネットで遮蔽した防護柵(例えば特許文献1)や、各支柱間にコンクリート製や金属製などからなる横杆を多段に設けた防護柵や、斜面に所定の間隔を隔てて立設され、防護ネットを張り巡らす防護柵用支柱において、支柱の下端が斜面に載置され、斜面に設けたアンカーと前記支柱の下部の間が据付用ロープで接続されて位置決めされている支柱を用いる防護柵(例えば特許文献2)や、前記アンカーと支柱の上部及び下部との間を据付用ロープで接続した吊柵式の防護柵(例えば特許文献3)などが知られており、前記支柱には鋼管が用いられている。
【0003】
また、斜面に形成した擁壁と、前記擁壁を貫通して地山に挿入し、擁壁から突出する部位を片持式に支持する主構部材と、前記擁壁から張り出た主構部材間に設けた床版とにより構成した防護構造物(例えば特許文献4)があり、前記主構造材には鋼管が用いられている。
【0004】
上記のように防護構造物の部材には、鋼管が用いられており、さらに、その鋼管の強度を増すため、内部にPC鋼材を配置し、コンクリートを充填した充填鋼管(例えば特許文献5)が用いられている。
【0005】
上記充填鋼管では、鋼管内の前側にPC鋼材を配置することにより、鋼管の前側に加わる引張力に対抗することができる。
【0006】
しかし、構造材として用いる鋼管には、引張力以外にも圧縮力が加わる場合があり、従来のものでは、圧縮力に対抗する効果的な補強方法は開発されていなかった。
【0007】
このような問題を考慮して、特願2006−170739号では、長さ方向に間隔を置いて前記鋼管に対をなす支圧部を設け、鋼棒からなる圧縮部材は、それら支圧部の間隔を広げる方向の弾性復元力を有する耐荷材の製造方法であって、前記鋼棒を長さ方向に圧縮し、この圧縮した圧縮部材の両端側を前記支圧部に定着する耐荷材の製造方法が提案されている。
【特許文献1】特開平6−173221号公報
【特許文献2】特開2000−248515号公報(段落0013段)
【特許文献3】特開平8−184014号公報
【特許文献4】特開2001−323416号公報
【特許文献5】実用新案登録第2547494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記耐荷材の製造方法では、圧縮した鋼棒の両端側を支圧部に定着することにより、鋼棒の弾性復元力が、支圧部間を広げる方向の力とした働き、鋼管の長さ方向に引張力を導入することができるが、鋼管に比べて細い鋼棒を圧縮するため、圧縮時に座屈が生じ易く、製造において鋼棒の座屈を確実に防止する必要がある。
【0009】
ところで、鋼棒に引張力を導入する場合、鋼棒の一端を固定し、その鋼棒の他端を引張り、引張った状態で他端を定着することにより、鋼棒に緊張力を付与する方法が知られている。しかし、この方法が鋼棒を引張るのに対して、逆に鋼棒を圧縮する場合、鋼棒の一端を固定し、鋼棒の他端を押して該鋼棒を圧縮するには、鋼棒を真っ直ぐ押す必要があり、作業精度が求められることが予想される。
【0010】
そこで、本発明は、圧縮時の圧縮部材の座屈を防止できる耐荷材の製造方法と耐荷材及びその製造方法に用いる製造装置を提供することを目的とし、また、圧縮部材の圧縮作業を効率よく行うことを目的とし、さらに、強度的に優れた耐荷材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、鋼管内に配置された圧縮部材に圧縮力を加え、前記圧縮部材の伸長方向の弾性復元力により該鋼管の長さ方向に引張力を加える耐荷材の製造方法であって、前記圧縮部材がアンボンド式のPC鋼材であり、前記鋼管内の断面に部分的に充填材を充填して該充填材により前記PC鋼材を拘束した後、前記PC鋼材に圧縮力を加える製造方法である。
【0012】
また、請求項2の発明は、前記鋼管の断面一側に前記PC鋼材を配置し、前記鋼管の断面他側に引張部材により圧縮力を付与する製造方法である。
【0013】
また、請求項3の発明は、長さ方向に間隔を置いて前記鋼管に対をなす支圧部を設け、前記PC鋼材は、それら支圧部の間隔を広げる方向の弾性復元力を有する製造方法である。
【0014】
また、請求項4の発明は、前記支圧部の間に前記鋼管より小径な管体を配置し、この管体に前記PC鋼材を挿通すると共に前記管体内に前記充填材を充填して該充填材により該PC鋼材を拘束する製造方法である。
【0015】
また、請求項5の発明は、前記鋼管の長さ方向に引張力を加えた後、前記鋼管内にセメント系充填材を充填する製造方法である。
【0016】
また、請求項6の発明は、伸縮手段の伸長により前記PC鋼材の端部を内側に押すと共に、前記伸長により前記鋼管を外側に引張って前記PC鋼棒に前記圧縮力を加える製造方法である。
【0017】
また、請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐荷材の製造方法により製造されたものである。
【0018】
また、請求項8の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐荷材の製造方法に用いる耐荷材の製造装置において、前記PC鋼材の端部側に配置され伸長動作により前記PC鋼材を内側に押して前記圧縮力を加える伸縮手段と、この伸縮手段の伸長動作により前記鋼管を外側に引張る引張手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の構成によれば、アンボンド式のPC鋼材を充填材により拘束することにより、座屈が発生することなく、PC鋼材を圧縮することができる。また、圧縮後、PC鋼材の弾性復元力により鋼管に引張力が導入され、鋼管に伸びを与えることができる。この場合、鋼管には充填材が部分的に設けられているから、鋼管全体に充填材を設けた場合に比べて大きな伸びを得ることができる
このように製造することにより、曲げモーメントによって鋼管に長さ方向の圧縮力が加わると、この圧縮力に対して圧縮部材の引張力が対抗することにより、荷重に強い耐荷材が得られる。
【0020】
また、請求項2の構成によれば、さらに、曲げモーメントによって鋼管に長さ方向の引張力が加わると、この引張力に対して引張部材の圧縮力が対抗することにより、荷重に強い耐荷材が得られる。
【0021】
また、請求項3の構成によれば、支圧部間を広げるPC鋼材の弾性復元力により鋼管の長さ方向に引張力を加えることができる。
【0022】
また、請求項4の構成によれば、鋼管に配置された管体にPC鋼材を挿通することにより、PC鋼材を略真っ直ぐに位置決めすることができ、PC鋼材を拘束する充填材とその外側の管体により、圧縮時におけるPC鋼材の座屈を防止することができる。
【0023】
また、請求項5の構成によれば、セメント系充填材の充填後に引張力を導入するには、鋼管及び充填材の断面積が大きくなり、大きな導入力が必要となり、製造が困難となるが、セメント系充填材の充填前に鋼管に引張力を加えることにより、大きな引張力を加えることができ、得られた耐荷材の弾性領域が広がる。
【0024】
また、請求項6の構成によれば、PC鋼材の端部を内側に押すと共に、これとは逆方向の外側に鋼管を引張ってPC鋼棒に前記圧縮力を加えるため、セットロスが小さく、有効プレストレスを大きくできるので、効率よくPC鋼材を圧縮することができる。
【0025】
また、請求項7の構成によれば、弾性領域が大きな耐荷材となる。
【0026】
また、請求項8の構成によれば、伸縮手段を伸長すると、PC鋼材を内側に押す力が加わり、同時にその反力により鋼管を外側に引く力が加わるため、セットロスが小さく、有効プレストレスを大きくできるので、伸縮手段の動作により効率よくPC鋼材を圧縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規な耐荷材の製造方法と耐荷材及びその製造方法に用いる製造装置を採用することにより、従来にない耐荷材が得られ、その耐荷材について記述する。
【実施例1】
【0028】
以下、本発明の実施例1について、図1〜図11を参照して説明する。同図に示すように、耐荷材1は、鋼管2と、この鋼管2の長さ方向に引張力を加える圧縮部材たるアンボンド式のPC鋼棒3とを備える。また、前記鋼管2の両端部に、それぞれ支圧部たる支圧板4,4´を設け、これら支圧板4,4´は、鋼管2の直径方向の板材からなり、溶接などにより鋼管2の内周面の一側に固着されている。それら支圧板4,4´は、その幅方向両側に、補強リブ5,5を有し、断面略コ字形をなし、その長さ方向両端側に鋼管2の内周面に対応する円弧部6,6を有し、この円弧部6と前記補強リブ5の縁部を鋼管2の内周面に溶接などにより固着している。そして、前記PC鋼棒3を長さ方向に圧縮した状態で、該鋼棒3の両端側を前記支圧板4,4に定着し、鋼管1に長さ方向の引張力を導入する。その支圧板4,4には、鋼管2の断面一側に位置して、前記PC鋼棒3を挿通する挿通孔7,7´が穿設されている。また、前記支圧板4,4には、前記鋼管2の断面他側に位置して、引張部材たるPC鋼材8を挿通する挿通孔7A,7A´が穿設されている。尚、一側の支圧板4´の挿通孔7´,7A´より他側の支圧板4の挿通孔7,7Aは大きく形成されている。
【0029】
前記鋼棒3は内装体11により前記鋼管2内に配置され、その内装体11は、対をなす管体たる鞘管12,12Aと、長さ方向に間隔をおいて設けた複数の管体用スペーサ13,13…とからなる。前記対をなす鞘管12,12Aは、鋼管2内の対向する位置で、鋼管2の内面に近い位置にあり、前記スペーサ13は、前記鋼管2に円板状をなし、前記鞘管12を挿通する挿通孔14を備え、この挿通孔14において鞘管12を固定している。また、前記スペーサ13には、鞘管12,12Aの間で、その円周に切欠き溝15,15が形成され、後述するセメント系充填材が前記切欠き溝15を通る。尚、前記PC鋼棒3を挿通する鞘管12は、両側の支圧板4,4の間隔より短く、その端部と支圧板4との間に間隔が設けられている。
【0030】
前記鞘管12の内径は、例えば70mm程度であり、前記PC鋼棒3の外径は、36mm程度であり、鞘管12の内周には、該鞘管12の長さ方向に所定間隔を置いて複数のスペーサ16が設けられている。このスペーサ16は、図6に示すように、前記鞘管12の内周に複数の円弧板17,17,17を設け、これら円弧板17,17,17の内端17A,17A,17Aを通る仮想円の直径が前記PC鋼棒3の外径に略対応し、実際には、前記仮想円の直径をPC鋼棒3の外径より僅かに大きく設定している。そして、PC鋼棒3を挿通した状態で、前記内端17A,17A間には隙間があり、ここを後述した充填材が通ることができる。
【0031】
前記PC鋼棒3の両端には、雌螺子部18がそれぞれ形成され、この雌螺子部18にナット体19,19Aが螺合し、これらナット体19,19Aは支圧板4を挟んだ外側と内側に螺合される。尚、ナット体19Aと支圧板4,4´との間にはアンカープレート30が配置される。
【0032】
次に、前記圧縮部材たるPC鋼棒3を長さ方向に圧縮する方法について説明する。一方の前記支圧板4には、鋼管2の断面一側に、張出し縁部4A,4Aを一体に形成し、これら張出し縁部4A,4Aに、連結孔20,20を穿設する。製造装置21は、伸縮手段たるジャッキ22を備え、このジャッキ22は油圧などの流体圧により伸縮し、基端側の本体23と、この本体23に対して進退する伸縮部24とを有し、この伸縮部24の進退によりジャッキ22が伸縮する。また、前記本体23の基端側には、ジャッキ22の伸長時に本体23から反力を受ける枠体25を設け、この枠体25に連結部たる一対の連結杆26,26を設けて支圧板4と枠体25とを連結し、それら連結杆26,26はジャッキ22を挟んだ両側に位置し、それら連結杆26,26の先端を前記連結孔20,20に挿入し、その先端の螺子部にナット27を螺合して連結し、それら連結杆26,26の先端を枠体25に挿入し、その先端の螺子部にナット27Aを螺合して連結している。また、前記伸縮部24の先端には、前記PC鋼棒3の端部を挿入する挿入孔28が設けられており、前記伸縮部24に当接する位置で前記PC鋼棒3の雄螺子部18に押圧用ナット29を螺合する。
【0033】
まず、鋼管2内に内装体11を挿入した後、鋼管2の両側に支圧板4,4´を固定する。この場合、内装体11を鋼管2内面に固定してもよいし、あるいは固定しなくてもよいが、支圧板4,4´の挿通孔7,7A,7´,7A´と内装体11の鞘管12,12Aとの位置を合せておく。
【0034】
まず、鋼管2の長さ方向他側(図1中で右側)の挿通孔7´から、PC鋼棒3を鞘管12内に挿入し、この鞘管12の長さ方向一側から出たPC鋼棒3の端部たる一端3Aに、鞘管12と支圧板4との間で、ナット体19Aを螺合し、このナット体19Aを回しながら鋼棒3の一端3Aを長さ方向一端側の挿通孔5から外側に所定長さだけ突出させて、鋼棒3の端部たる他端3Bが挿通孔7´を挿通したら(挿通孔7´より内側に移動したら)、その他端3Bに支圧板4´と鞘管12との間でナット体19Aを螺合し、さらに、ナット体19Aを回しながら、他端3Bが支圧板4の外側に突出するように配置し、その他端3Bにナット体19を螺合し、これにより、PC鋼棒3の他端3Bをナット体19,19Aにより他端側の支圧板4´に固定する。尚、PC鋼棒3の一端3Aも一側の支圧板4の外側に突出し、ナット体19,19Aは、支圧板4と離れた位置で、雄螺子部18に螺合しておく。このようにして鞘管12内にPC鋼棒3を挿通したら、鞘管12内に、無収縮モルタルやセメントミルクなどの充填材31を充填し、充填材31が硬化した後、PC鋼棒3に圧縮力を加える。この場合、スペーサ16は、内端17A,17A,17Aの3点でPC鋼棒3を位置決めしており、鞘管12内でPC鋼棒3が真っ直ぐに配置され、また、充填材31は、隣り合う円弧板17,17とPC鋼棒3の外周との間の隙間を通し鞘管12の全長に充填され、PC鋼棒3の略全周で略全長が充填材31により覆われる。
【0035】
図7〜図8に示すように、PC鋼棒3に圧縮力を加える前に、前記伸縮部24に当接する位置で、前記PC鋼棒3の一端3Aの雄螺子部18に押圧用ナット29を螺合し、PC鋼棒3の端部を前記挿入孔28に挿入し、伸縮部24に押圧ナット29を当接する。この状態で、連結杆26,26の先端を前記連結孔20,20に挿入し、その先端の螺子部18にナット27を螺合して連結する。尚、図8に示すように、ナット体19を支圧板4から離れた位置にして、PC鋼棒3を押し込み可能にしておく。
【0036】
そして、鋼管2内の充填材31が硬化した後、ジャッキ22を駆動して伸縮部24を伸長すると、図8の白抜き矢印に示すように、伸縮部24により押圧用ナット29が押されてPC鋼棒3を長さ方向に圧縮する力が加わり、同時に伸縮部24の伸長により支圧板4と枠体25との間を広げようとする力が発生し、黒塗り矢印に示すように、枠体25に連結杆26,26によって連結された支圧板4が外側に引張られることにより、セットロスが少なく、PC鋼棒3を効率よく圧縮することができる。尚、この例では、PC鋼棒3の一端3A側に製造装置21を配置したが、同時にPC鋼棒3の他端3B側に製造装置21を配置し、両側の製造装置21,21により、略同時にPC鋼棒3を圧縮するようにしてもよい。
【0037】
この場合、PC鋼棒3は、スペーサ16,16…により真っ直ぐに配置され、且つ、PC鋼棒3と管体12との間に充填した充填材31により拘束されているため、座屈を生じることなく、PC鋼棒3を圧縮することができる。そして、PC鋼棒3を長さ方向に所定寸法だけ圧縮したら、この状態で、他端側のナット体19,19Aを支圧板4に当接する位置まで回して止め、この後、ジャッキ22を収縮し、連結杆26からナット27を外して連結杆26と支圧板4との連結を解除し、PC鋼棒3の端部からジャッキ22を取外す。ジャッキ22を収縮すると、PC鋼棒3の伸長方向の弾性復元力により両側のナット体ナット体19A,19Aにより両側の支圧板4,4´を広げようとする力が発生し、鋼管2の断面一側を長さ方向に伸ばす引張力を導入することができる。
【0038】
一方、他方の鞘管12Aに支圧板4の挿通7Aから引張部材たるPC鋼材8を挿入し、このPC鋼材8の両端側を外側に引張る引張力を加えて緊張した状態で、それら両端側を定着具32,32により定着し、定着後、前記引張力を解放することにより、支圧板4,4間に圧縮力を付与する。この場合、前記PC鋼棒3による引張力と前記PC鋼材8による圧縮力とが釣り合うように設定することにより、鋼管2に加わる軸方向の力を±0にすることができる。尚、定着具32と支圧板4,4´との間にはアンカープレート30が配置される。
【0039】
前記PC鋼材8は、PC鋼棒やPC鋼線からなり、前記PC鋼材8がPC鋼棒であれば、定着具たるナット体をPC鋼棒の両端側に螺合し、前記PC鋼材8がPC鋼線であれば、楔式の定着具を用いることができる。
【0040】
上述したように、PC鋼棒3により断面一側に引張力を導入し、PC鋼材8により断面他側に圧縮力を導入した後、さらに、前記鋼管2内にセメント系充填材33を充填することができる。そのセメント系充填材33として、コンクリートが例示される。このようにコンクリート充填前に、鋼管2に引張力と圧縮力を導入することにより、耐荷材1の弾性領域が広がる。また、図10に示すように、鋼管2の両端側の管用スペーサ13と鋼管2の管端との間には、防蝕用充填材たる無収縮セメントミルク33Aを充填し、定着部たるPC鋼棒2の両端,PC鋼材の両端,ナット体19,19A及び定着具32の防蝕を図る。尚、両端側の管用スペーサ13,13間においては、鋼管2内に前記セメント系充填材33を充填する。
【0041】
以下、試験例について説明する。試験に用いた鋼管2は、一般構造用炭素鋼鋼管で、外径457.2mm,厚さ12.7mmである。試験に用いたPC鋼棒3は、SBPR 930/1080(耐力930N/mm2以上,引張強さ:1030N/mm2以上)、直径36mmのアンポンド式PC鋼棒である。試験に用いたPC鋼材8は、SBPR 930/1080(耐力930N/mm2以上,引張強さ:1030N/mm2以上)、直径36mmのPC鋼棒である。試験に用いた鞘管12,12Aの中心間隔は、300mmであり、この中央に鋼管2の中心が位置する。試験品(A)は、前記鋼管2である。試験品(B)は、鋼管2内にコンクリートを充填したものである。試験品(C)は、鋼管2内にコンクリートを充填し、PC鋼棒3とPC鋼材8を挿通し、鋼管2にPC鋼棒3により引張力を導入せず、鋼管2にPC鋼材8により圧縮力を導入していないものである。試験品(D)は、鋼管2にPC鋼棒3により引張力を導入し、鋼管2にPC鋼材8により圧縮力を導入したものである。試験品(E)は、鋼管2にPC鋼棒3により引張力を導入し、鋼管2にPC鋼材8により圧縮力を導入し、コンクリートを充填したものである。尚、PC鋼棒3により鋼管2に引張力を導入する際、該PC鋼棒3を500kNの圧縮力を加え、PC鋼材8により鋼管2に引張力を導入する際、該PC鋼材3に500kNの引張力を加えた。
【0042】
上記試験品(A)〜(E)のモーメントMと曲率φの関係を実験より求めた結果を図12に示す。また、それぞれの降伏モーメントを下記の表1に示す。
【0043】
【表1】

上記の表1に示されるように、鋼管2にPC鋼棒3により引張力を導入し、鋼管2にPC鋼材8により圧縮力を導入し、コンクリートを充填した試験品(E)は他に比べて極めて高い降伏モーメントの値を得ることができ、耐力に優れることが分かる。
【0044】
このように本実施例では、請求項1に対応して、鋼管2内に配置された圧縮部材に圧縮力を加え、圧縮部材の伸長方向の弾性復元力により該鋼管の長さ方向に引張力を加える耐荷材の製造方法において、圧縮部材がアンボンド式のPC鋼材たるPC鋼棒3であり、鋼管2内の断面に部分的に充填材31を充填して該充填材31によりPC鋼棒3を拘束した後、PC鋼棒3に圧縮力を加えるから、アンボンド式のPC鋼棒3を充填材31により包んで拘束することにより、座屈が発生することなく、PC鋼棒3を圧縮することができる。また、圧縮後、PC鋼棒3の弾性復元力により鋼管2に引張力が導入され、鋼管2に伸びを与えることができる。この場合、鋼管2には充填材31が部分的に設けられているから、鋼管2全体に充填材を設けた場合に比べて大きな伸びを得ることができる
このように製造することにより、曲げモーメントによって鋼管2に長さ方向の圧縮力が加わると、この圧縮力に対してPC鋼棒3の引張力が対抗することにより、荷重に強い耐荷材1が得られる。
【0045】
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、鋼管2の断面一側にPC鋼棒3を配置し、鋼管2の断面他側に引張部材たるPC鋼材8により圧縮力を付与するから、さらに、曲げモーメントによって鋼管2に長さ方向の引張力が加わると、この引張力に対してPC鋼材8の圧縮力が対抗することにより、荷重に強い耐荷材1が得られる。すなわち、曲げモーメントにより発生する断面一側の圧縮力と断面他側の引張力とに対して、PC鋼棒3の引張力とPC鋼材8の緊張力とが対抗する。
【0046】
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、長さ方向に間隔を置いて鋼管2に対をなす支圧部たる支圧板4,4´を設け、PC鋼棒3は、それら支圧板4,4´の間隔を広げる方向の弾性復元力を有するから、支圧板4,4´間を広げるPC鋼棒3の弾性復元力により鋼管2の長さ方向に引張力を加えることができる。
【0047】
また、このように本実施例では、請求項4に対応して、支圧部たる支圧板4,4´の間に鋼管2より小径な管体たる鞘管12を配置し、この鞘管12にPC鋼材たるPC鋼棒3を挿通すると共に鞘管12内に充填材31を充填して該充填材31により該PC鋼棒3を拘束するから、鋼管2に配置された管体12にPC鋼棒3を挿通することにより、PC鋼棒3を略真っ直ぐに位置決めすることができ、PC鋼棒3を囲んで拘束する充填材31とその外側の鞘管12により、圧縮時におけるPC鋼棒3の座屈を防止することができる。
【0048】
また、実施例上の効果として、管体たる鞘管12内にPC鋼材たるPC鋼棒3を位置決めするスペーサ16を設けたから、スペーサにより管体内のPC鋼材の位置決めを行うことができる。
【0049】
また、このように本実施例では、請求項5に対応して、鋼管2の長さ方向に引張力を加えた後、鋼管2内にセメント系充填材33を充填するから、セメント系充填材33の充填後に引張力を導入するには、鋼管2及び充填材33の断面積が大きくなり、大きな導入力が必要となり、製造が困難となるが、セメント系充填材33の充填前に鋼管2に引張力を加えることにより、大きな引張力を加えることができ、得られた耐荷材1の弾性領域が広がる。
【0050】
また、このように本実施例では、請求項6に対応して、伸縮手段たるジャッキ22の伸長によりPC鋼材たるPC鋼棒3の端部を内側に押すと共に、前記伸長により鋼管2を外側に引張ってPC鋼棒3に前記圧縮力を加えるから、PC鋼棒3の端部を内側に押すと共に、これとは逆方向の外側に鋼管2を引張ってPC鋼棒3に前記圧縮力を加えるため、セットロスが小さく、有効プレストレスを大きくできるので、効率よくPC鋼棒3を圧縮することができる。
【0051】
また、このように本実施例では、請求項7に対応して、請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐荷材の製造方法により製造され、好ましくは鋼管2内にセメント系充填材33が充填されているから、弾性領域が大きな耐荷材1となる。
【0052】
また、このように本実施例では、請求項8に対応して、請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐荷材の製造方法に用いる耐荷材の製造装置において、支圧部たる支圧板4より外側でPC鋼材たるPC鋼棒3の端部側に配置され伸長動作によりPC鋼棒3を内側に押して前記圧縮力を加える伸縮手段たるジャッキ22と、このジャッキ22の伸長動作により鋼管2の支圧板4側を外側に引張る引張部材たる連結杆26とを備えるから、ジャッキ22を伸長すると、PC鋼棒3を内側に押す力が加わり、同時にその反力により支圧板4側を外側に引く力が加わるため、セットロスが小さく、有効プレストレスを大きくできるので、ジャッキ22の動作により効率よくPC鋼棒3を圧縮することができる。
【0053】
このようにジャッキ22はPC鋼棒3を押し、且つ、PC鋼棒3を押すことによりジャッキ22が受ける反力を引張部材たる連結杆26により、支圧部たる支圧板4側を引張る力に用いている。したがって、反力を受けるためにジャッキ22の本体23側を壁などに固定する必要もない。
【0054】
また、実施例上の効果として、前記圧縮部材たるPC鋼棒3の鋼管2内位置を位置決めする位置決め部材たる内装体11を備えるから、PC鋼棒3に圧縮力を加えても、内装体11により位置決めされているため、鋼棒3に座屈を防止でき、圧縮されたPC鋼棒3の弾性復元力により鋼管2に引張力を導入することができる。また、耐荷材の製造方法において、引張部材たるPC鋼材8を長さ方向に引張って緊張し、この緊張したPC鋼材8の両端側を支圧部たる支圧板4,4´に定着するから、PC鋼材8の弾性復元力が、支圧板4,4´間を狭める方向の力とした働き、鋼管2の長さ方向に圧縮力を導入することができる。また、鋼管2の断面一側に圧縮部材たるPC鋼棒3を配置し、鋼管2の断面他側に引張部材たるPC鋼材8により圧縮力たる緊張力を付与し、前記引張力と前記緊張力を略同一に設定するから、長さ方向の軸力が釣り合い、鋼管2の長さ方向に軸力が発生することがない。
【実施例2】
【0055】
図13は、本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例の耐荷材1では、前記鞘管12を用いずに、PC鋼棒3を拘束する充填材31を、鋼管2の断面の2分の1以下に充填し、硬化させる。すなわち、充填材31の上面31Aは、鋼管2の断面高さの2分の1以下であり、好ましくは3分の1以下で、且つPC鋼棒3と上面31Aとの間が所定寸法を備えており、所定寸法としては、PC鋼棒3に圧縮力を加えた際に、前記PC鋼棒3と上面31Aとの間の充填材31が破損しない程度の寸法である。
【0056】
したがって、アンポンド式のPC鋼棒3を長さ方向に圧縮する力を加えても、充填材31によりPC鋼棒3が位置決め状態で拘束されているため、座屈を起すことがなく、その圧縮したPC鋼棒3の両端を支圧板4,4に定着して鋼管2の断面一側に引張力を付与することができる。
【0057】
この例では、鞘管12などを用いずに充填材31によりPC鋼棒3を位置決め拘束するため、構造簡易となり、製造が容易となる。
【0058】
このように本実施例においても、充填材31によりPC鋼棒3を包み、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例3】
【0059】
図14は、本発明の実施例3を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、実施例2の耐荷材1において、鋼管2の内面にPC鋼棒3の内面にスペーサ16Aを設けており、このスペーサ16Aは板状をなし、鋼管2の長さ方向に所定間隔毎に配置している。前記スペーサ16Aには、前記円弧板17,17,17により形成され孔と同形の位置決め孔34が穿設されており、この位置決め孔34は3つの円弧の内端17A,17A,17Aを通る仮想円の直径が前記PC鋼棒3の外径に略対応し、実際には、前記仮想円の直径をPC鋼棒3の外径より僅かに大きく設定している。
【0060】
したがって、複数のスペーサ16A,16A…にPC鋼棒3を挿通して真っ直ぐに配置し、この状態で充填材31を充填して該充填材31内に前記PC鋼棒3を埋設する。
【0061】
このように本実施例においても、充填材31によりPC鋼棒3を包み、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例4】
【0062】
図15〜図16は、本発明の実施例4を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例の耐荷材1では、前記鞘管12を用いずに、充填空間形成部材41を用い、この充填空間形成部材41は、縁部42,42間に上部開口43を有する有底な断面形状をなし、コ字形鋼,山形鋼や半円鋼管などが例示され、前記縁部42,42を鋼管2の内面に溶着などにより固定することにより、該鋼管2の内面との間に充填空間44を形成するものである。
【0063】
そして、充填空間44内にPC鋼棒3を真っ直ぐに配置した後、該充填空間44内に充填材31を充填し、充填材31が硬化した後、アンポンド式のPC鋼棒3を長さ方向に圧縮する力を加えても、充填材31によりPC鋼棒3が位置決め状態で拘束されているため、座屈を起すことがなく、その圧縮したPC鋼棒3の両端を支圧板4,4に定着して鋼管2の断面一側に引張力を付与することができる。
【0064】
このように本実施例においても、充填材31によりPC鋼棒3を包み、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例5】
【0065】
図17は、本発明の実施例5を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、実施例3の耐荷材1において、充填空間44内にPC鋼棒3のスペーサ16Aを設けており、このスペーサ16Aは板状をなし、鋼管2の長さ方向に所定間隔毎に配置している。前記スペーサ16Aには、前記円弧板17,17,17により形成され孔と同形の位置決め孔34が穿設されており、この位置決め孔34は3つの円弧の内端17A,17A,17Aを通る仮想円の直径が前記PC鋼棒3の外径に略対応し、実際には、前記仮想円の直径をPC鋼棒3の外径より僅かに大きく設定している。
【0066】
したがって、複数のスペーサ16A,16A…にPC鋼棒3を挿通して真っ直ぐに配置し、この状態で充填材31を充填して該充填材31内に前記PC鋼棒3を埋設する。
【0067】
このように本実施例においても、充填材31によりPC鋼棒3を包み、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例6】
【0068】
図18〜図19は、本発明の実施例6を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、実施例3の耐荷材1において、前記充填空間形成部材41を用い、この充填空間形成部材41の縁部42,42を鋼管2の内面に仮固定し、鋼管2の内面との間に充填空間44を形成するものである。
【0069】
そして、充填空間44内にPC鋼棒3を真っ直ぐに配置した後、該充填空間44内に充填材31を充填し、充填材31が硬化した後、図19に示すように、前記充填空間形成部材41を鋼管2から取り外す。この後、アンポンド式のPC鋼棒3を長さ方向に圧縮する力を加えても、充填材31によりPC鋼棒3が位置決め状態で拘束されているため、座屈を起すことがなく、その圧縮したPC鋼棒3の両端を支圧板4,4に定着して鋼管2の断面一側に引張力を付与することができる。
【0070】
このように本実施例においても、充填材31によりPC鋼棒3を包み、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例7】
【0071】
図20は、本発明の実施例7を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、断面角形の鋼管2Aを用いており、その鋼管2Aの対向する辺の中央に対応して、前記PC鋼棒3とPC鋼材8とを配置しており、このように断面角形の鋼管2Aを用いても、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【0072】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、断面円形の圧縮部材を示したが、断面角形でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施例1を示す耐荷材の断面図である。
【図2】同上、内装体の側面図である。
【図3】同上、一端側の支圧板を示し、図3(A)は正面図、図3(B)は側面図である。
【図4】同上、他端側の支圧板を示し、図4(A)は正面図、図4(B)は側面図である。
【図5】同上、管体用スペーサの正面図である。
【図6】同上、管体にPC鋼棒を挿通した状態の管体の断面図である。
【図7】同上、PC鋼棒に圧縮力を加える製造装置の使用状態を示す縦断面図である。
【図8】同上、PC鋼棒に圧縮力を加える製造装置の使用状態を示す平断面図である。
【図9】同上、図7のA−A線断面である。
【図10】同上、鋼管に充填材を充填した耐荷材の要部の断面図である。
【図11】同上、耐荷材の概略説明図である。
【図12】同上、試験品(A)〜(E)のモーメントMと曲率φの関係を示すグラフ図である。
【図13】本発明の実施例2を示す耐荷材の断面図である。
【図14】本発明の実施例3を示す耐荷材の断面図である。
【図15】本発明の実施例4を示す耐荷材の断面図である。
【図16】同上、充填空間形成部材の断面図である。
【図17】本発明の実施例5を示す耐荷材の断面図である。
【図18】本発明の実施例6を示す耐荷材の断面図である。
【図19】同上、充填空間形成部材を取り外した耐荷材の断面図である。
【図20】本発明の実施例7を示す耐荷材の断面図である。
【符号の説明】
【0074】
1 耐荷材
2 鋼管
3 PC鋼棒(圧縮部材)
4,4´ 支圧板
8 PC鋼材(引張部材)
12 鞘管(管体)
12A 鞘管(管体)
13 管体用スペーサ
16 スペーサ
21 製造装置
22 ジャッキ(伸縮手段)
26 連結杆
31 充填材
33 セメント系充填材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼管内に配置された圧縮部材に圧縮力を加え、前記圧縮部材の伸長方向の弾性復元力により該鋼管の長さ方向に引張力を加える耐荷材の製造方法であって、前記圧縮部材がアンボンド式のPC鋼材であり、前記鋼管内の断面に部分的に充填材を充填して該充填材により前記PC鋼材を拘束した後、前記PC鋼材に圧縮力を加えることを特徴とする耐荷材の製造方法。
【請求項2】
前記鋼管の断面一側に前記PC鋼材を配置し、前記鋼管の断面他側に引張部材により圧縮力を付与することを特徴とする請求項1記載の耐荷材の製造方法。
【請求項3】
長さ方向に間隔を置いて前記鋼管に対をなす支圧部を設け、前記PC鋼材は、それら支圧部の間隔を広げる方向の弾性復元力を有することを特徴とする請求項1又は2記載の耐荷材の製造方法。
【請求項4】
前記支圧部の間に前記鋼管より小径な管体を配置し、この管体に前記PC鋼材を挿通すると共に前記管体内に前記充填材を充填して該充填材により該PC鋼材を拘束することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐荷材の製造方法。
【請求項5】
前記鋼管の長さ方向に引張力を加えた後、前記鋼管内にセメント系充填材を充填することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐荷材の製造方法。
【請求項6】
伸縮手段の伸長により前記PC鋼材の端部を内側に押すと共に、前記伸長により前記鋼管を外側に引張って前記PC鋼材に前記圧縮力を加えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐荷材の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐荷材の製造方法により製造されたことを特徴とする耐荷材。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐荷材の製造方法に用いる耐荷材の製造装置において、前記PC鋼材の端部側に配置され伸長動作により前記PC鋼材を内側に押して前記圧縮力を加える伸縮手段と、この伸縮手段の伸長動作により前記鋼管を外側に引張る引張手段とを備えることを特徴とする耐荷材の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−121353(P2008−121353A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−308454(P2006−308454)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(398054845)株式会社プロテックエンジニアリング (42)
【Fターム(参考)】