説明

背圧下においてボトルまたは同様の容器に液状充填物を充填するための方法およびこの方法を実施するための充填機械

充填機械(1)を用いて背圧下においてボトルまたは同様の容器(2)に液状充填物を充填するための方法であって、前記充填機械が、ロータ(3)に複数の充填部材(5)と、これらの充填部材(5)に共通であるタンク(15)とを有し、該タンクの内部スペースが、前記液状充填物によって占められる液体スペース(15.1)と、前記充填物の上方の、圧力(充填圧力)下にある不活性ガスのためのガススペース(15.2)とを形成し、かつ、前記充填機械が、全ての充填部材(5)に、または、充填部材(5)のそれぞれのグループに共通である少なくとも1つの戻りガス通路(29)を有し、前記充填前に前記容器(2)の内部スペースに対して、それぞれ、各充填部材の、制御されたガス路(21、24、28)を介して、前記タンク(15)の前記ガススペース(15.2)から来る、前記充填圧力を有する不活性ガスによって予圧が印加され、前記充填中に、前記不活性ガスの少なくとも一部が、前記流れ込む充填物によって前記容器(2)から前記少なくとも1つの戻りガス通路(29)内へ押し出される方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の方法および請求項14の上位概念に記載の充填機械に関する。
【背景技術】
【0002】
単室充填システムによって背圧を用いてボトルまたは同様の容器に液状充填物、特に炭酸を含有する充填物、例えばビールを充填することが公知である。この場合、充填物は、循環する構造様式の充填機械の複数の充填部材に共通であるタンクにおいて提供され、このタンクの内部スペースは、充填物が占める液体スペースと、その上方に位置する、不活性ガスが占めるガススペースとに区分されている。その際、不活性ガスは、一般的にCOまたはCOガスである。また、タンク全体とその内容物は、充填圧力下にある。
【0003】
充填自体を行う前に、充填部材との気密位置に配置されている各容器にそれぞれ不活性ガスを用いて充填圧力に達するまで予圧が印加される。そのために、プリストレスガスとしては、少なくとも部分的に、タンクのガススペース内に含まれている不活性ガスが用いられ、その際、このガスはタンクから取り出される。充填中、流れ込む充填物によって各容器から押し出されたプリストレスガスまたは不活性ガスは、一部分が、充填機械の全充填部材に共通である、ロータ側の戻りガス通路内へ導き戻されるが、しかしまた一部分は、とりわけ経済的な観点から、すなわち不活性ガスの消費量を低減するために、タンクのガススペース内へも導き戻される。
【0004】
また、充填された充填物の保存性と品質とを向上させるために、充填部材との気密位置にある容器の内部スペースを、予圧印加前に不活性ガスで一回以上洗浄することが公知である。この場合、各洗浄の前および/または後に容器の真空排気が行われ、しかも、この真空排気は、それぞれの全充填部材に共通であるロータ側の真空通路に、容器内部スペースを制御しながら接続することによって実施される。
【0005】
しかし、真空排気および洗浄にもかかわらず、わずかな空気成分または酸素成分が、予圧が印加された容器の中にも残存しており、従って、充填中に、不活性ガスあるいはCOガスが、タンクのガススペース内へ導き戻されるだけでなく、このガスと共に空気あるいは酸素もある程度ガススペース内へ導き戻される。これにより、既にタンク内において、充填物による酸素の取り込みが生じ、その際、この取り込みは、充填物とその上に存在する不活性ガス−酸素混合物との間の界面で行われる。これは、充填された充填物の保存性と品質とを損なうことにつながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、できる限りわずかな不活性ガス、特にCOガスの消費量でもって、従って、できる限り経済的な作動方式で、タンク内における充填物の酸素取り込みおよびそれに付随する短所を回避する方法および充填機械を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、請求項1に記載の方法が構成されている。充填機械が請求項14に記載されている。
【0008】
本発明の独自性は、充填機械のロータに、少なくとも1つの補足的な、ガス吸い込み部として機能するガス通路が備えられていることにあり、このガス通路は、ガス接続部またはガス管路を介してタンクのガススペースに接続されていて、この通路(補足的なガス通路)から、充填圧力下にある不活性ガスによって容器に対する予圧の印加が行われる。
【0009】
充填中、容器から押し出されたプリストレスガスまたは不活性ガスの一部分は、この補足的な、ガス吸い込み部として機能する通路内へ導き戻される。押し出されたプリストレスガスの他の部分は、戻りガス通路内へ達する。充填部材あるいはそれらのガス路を通常通り制御することによって、充填部材間のガス交換を考慮した上でも、ガス吸い込み部として機能する共通の通路へ充填中に導き戻される不活性ガスの量が、多くとも、この補足的な通路から容器の予圧印加時に取り出された不活性ガスの量と等しいこと、好ましくは該量よりも少ないことが保証されている。好ましい実施形態において予圧印加のために全充填弁の総体によって取り出されたガス量が、充填中に補足的なガス通路内へ与えられる不活性ガスの量よりも常に多いことによって、補足的なガス通路内において、常時、ガス欠乏の状態が支配的である。
【0010】
これにより、この補足的な通路から、空気または酸素を含有する不活性ガスは、タンクのガススペースに達することができない。それどころか、タンクのガススペースから、ガス吸い込み部として機能するこの通路内へ、ガスの流れが生じる。ガスの不足を補償するために、あるいはタンクのガススペース内の充填圧力を維持するために、このガススペースに、制御されながら不活性ガスが供給される。
【0011】
本発明の別態様が、従属請求項に記載されている。本発明について、以下において、実施例の図面を参照しながら、さらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】背圧下においてボトルまたは同様の容器に液状充填物を充填するための、循環する構造様式の充填機械の充填部材を簡略的に示した図である。
【図2】閉鎖機と組み合わされた充填機械の平面図であり、模式的な機能図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面において、符号1は、ボトル2として構成された容器にCO含有の液状充填物、例えばビールを充填するための充填機械を示す。充填機械1は、このために公知の方式において、垂直の機械軸線を中心に回転するように駆動されるロータ3(矢印A)の周囲に、均一な角距離に配置された複数の充填ステーション4を有する。充填ステーションは、それぞれ、図示された実施形態の場合には充填管のない充填部材5と、この充填部材5の下方に配置されているボトル支持部または容器支持部6とから成り、この支持部は、持ち上げ装置によって制御されて上下に移動可能であるボトルコースターとして形成されている。
【0014】
充填されるべきボトル2は、搬送機7によって容器の流れ2.1として直立した状態で充填機械1に供給され、それぞれ個別に容器流入部8を介して充填位置4の1つに到達し、この充填位置で、各ボトル2のボトル軸線は垂直方向に向けられて、まず下降された容器支持部6上に直立する。容器支持部6によって各ボトル2を充填部材5との気密位置にまで持ち上げた後、充填プロセスが開始される。充填されたボトル2は、流出部または引き渡し星形部材9を介して閉鎖機10へ到達する。充填され、閉鎖されたボトル2は、機械流出部11を介して搬送機7上へ導き出される。
【0015】
ロータ3の回転移動(矢印A)の間に各充填位置4で実施される充填プロセスは、図2に示されているように、複数の連続するプロセス段階から成り、これらのプロセス段階は、それぞれ、図2にW1からW11で示された、ロータ3の回転移動の角度範囲で行われる。これらのプロセス段階は、以下の通りである。
W1:ボトル2の真空排気あるいは予備真空排気
W2:ボトル2の第1のCO洗浄
W3:ボトル2の真空排気
W4:ボトル2の第2のCO洗浄
W5:ボトル2の真空排気あるいは最終真空排気
W6:COによるボトル2への部分予圧印加
W7:COによるボトル2への予圧印加
W8:背圧(充填圧力)下でのボトル2の充填
W9:ボトル2の制動充填および補正充填
W10:充填終了、予備的負荷解放および静穏化
W11:残留負荷解放
【0016】
基本的に、例えば、充填プロセスを簡略的な形で実施することも可能であり、例えば、第2のCO洗浄(角度範囲W4)とそれに続く真空排気(角度範囲W5)とを含まない形式で実施すること、すなわち、第1のCO洗浄(角度範囲W2)とそれに続く真空排気(角度範囲W3)とを行った後に、部分予圧印加(角度範囲W6)およびそれに続く予圧印加(角度範囲W7)を行うことも可能である。
【0017】
各充填部材5は、ロータ3の周囲に固定されたハウジング12から成り、ハウジング内にとりわけ液体通路13が構成されており、図1に示されているように、この液体通路の上端が、液体接続部または管路14を介して、充填機械1の全ての充填部材5に共通であるタンク15に接続されている。少なくとも充填動作の間、タンク15は、それ自体の供給接続部15.3を介して液状充填物で部分的に満たされており、従って、タンク15の内部スペースは、液状充填物によって占められている部分スペースまたは液体スペース15.1と、その上方に位置する部分スペースまたはガススペース15.2とを形成しており、ガススペースは、圧力(充填圧力)下にある不活性ガスあるいはCOガスによって占められている。このガスは、制御弁16.1を具備するCOガス供給管路16を介して、制御されながらガススペース15.2に供給される。
【0018】
各充填部材5の液体通路13は、当該充填部材の下側にさらにシール17.1を具備する放出開口部17を形成し、各ボトル2のボトル口部が、充填プロセスの間、容器支持部6によってこの放出開口部に対して気密位置に押し付けられている。液体通路内13に液体弁18が配置されており、この液体弁は、例えば空気制御式の操作部材19を介して、充填(角度範囲W8)の開始時に制御されて開かれ、制動充填および補正充填(角度範囲W9)の終了時に制御されて閉じられる。しかも、その際、図示された実施形態の場合、充填プロセス中に各ボトル2内へ達するプローブ20によって充填レベルが制御される。
【0019】
また液体弁18の弁体18.2を形成し、操作部材19に接続されている弁タペット18.1内には、放出開口部16において開いている、プローブ20を環状に包囲するガス通路21が構成されている。このガス通路は、ハウジング12内に構成された複数の制御されるガス路の共通の構成要素である。これらのガス路は、図示された実施形態の場合、3つの制御弁22、23および24を有し、これらの制御弁は、非作動状態では、それぞれ閉じられている。制御弁22および23は、それぞれ、出口側が、ガス通路21に接続された共通のガス通路25に接続されている。さらに、各充填部材5のハウジング12内には、ガス路を構成するためにガス通路26から28が備えられており、それらのうちのガス通路26は、制御弁22の入口をロータ側の戻りガス通路29に接続し、また、ガス通路27は、制御弁23の入口をロータ側の真空通路30に、ガス通路28は、制御弁24の入口を補足的なロータ側のガス通路31に接続する。このガス通路31は、さらに詳細に説明する後述の方式においてガス吸い込み部として機能し、充填機械1の主要な独自性を示すものである。
【0020】
戻りガス通路29、真空通路30および補足的な通路31は、それぞれロータ3内に環状通路として構成されており、これらの通路は、垂直の機械軸線を同心状に包囲し、充填機械1の全ての充填部材5に共通であるように設けられている。
【0021】
補足的なガス通路31は、ガス通路31の容積に比して遥かに小さな容積を有する管路32を介して、ガススペース15.2に常時接続されている。
【0022】
前述の充填プロセスの流れに従って、充填位置4に位置する充填されるべき各ボトル2を充填部材5との気密位置へ上昇させた後、ボトル内部スペースの真空排気が行われる。このために、液体弁18が閉鎖された状態で、制御弁23が開放され、これにより、当該ボトル2の内部スペースは、充填部材側のガス通路21、25および27を介して真空通路30に接続される。
【0023】
この予備真空排気の後、制御弁23が再び閉鎖された状態で、不活性ガスあるいはCOガスによるボトル内部スペースの洗浄が行われる。しかも、この洗浄は、制御弁22の開放によってロータ側の戻りガス通路29から行われ、従って、当該ボトル2の内部スペースは、充填部材側のガス通路21、25および26を介してこの戻りガス通路29に接続されている。戻りガス通路29からの不活性ガス洗浄が可能であるのは、戻りガス通路29では、充填部材5間のガス交換によって、圧力下にあるCOガスを十分に利用することができるからであり、このガスは、充填ならびに制動充填および補正充填の間にボトル2から戻りガス通路29へ押し出される。
【0024】
このCO洗浄の後、制御弁22が閉鎖された状態で、制御弁23を開放することによってボトル内部スペースの新たな真空排気が行われる。この工程ステップの後、例えば、部分予圧印加(角度範囲W6)およびそれに続く予圧印加(角度範囲W7)を開始することができる。しかしながら、その前に、制御弁22を開放することによって、戻りガス通路29からのボトル内部スペースのCO洗浄がもう一度行われ、それに続いて、制御弁22が再び閉鎖された状態で、制御弁23を開放することによってボトル内部スペースの真空排気がもう一度行われるのが好ましい。
【0025】
部分予圧印加も、同様に、制御弁22を開放することによって戻りガス通路29から行われるが、一方、タンク15内を支配している充填圧力に達するまでの、各ボトル内部スペースに対する最終的な予圧印加は、制御弁24を開放することによって補足的な通路31から行われる。
【0026】
それに続く充填のために、制御弁24が開放された状態で液体弁18が開かれ、これにより、液状充填物が、液体スペース15.1から液体接続部14、液体通路13および放出開口部17を介して当該ボトル2の内部スペースに流れ込む。その際、流れ込む充填物によってボトル2から押し出されたCOガスは、一部が、補足的な通路31内へ流れ込むが、大部分は、流量が絞られたガス接続部33を介して戻りガス通路29内へ流れ込む。
【0027】
充填の最終段階である制動充填および補正充填のために、制御弁24が閉鎖され、これにより、制動された状態でボトル2に流れ込む充填物によって押し出されたCOガスは、同様に各充填部材5のハウジング12内に構成され、流量が絞られた、逆止弁を備えているガス接続部33のみを介して、戻りガス通路29内へ流れ込む。制動充填および補正充填は、液体弁18を閉鎖することによって終了される。それに続いて、予備的負荷開放、静穏化および残留負荷解放が行われる。
【0028】
ボトル2への予圧印加が補足的なガス通路31から行われ、また、充填ならびに制動充填および補正充填の間に、流れ込む充填物によって各ボトル内部スペースから押し出されるCOガス量の大部分は、戻りガス通路29内へ達するので、補足的なガス通路31内において、一方、またタンク15内においても、COガスの不足が生じる。この不足は、管路16を介して制御されて補償される。これが特に意味することは、永続的なCOガス流が、ガススペース15.2からガス通路31への管路32内に生じ、これによって、充填中にボトル2から押し出された、まだ空気成分あるいは酸素成分を含有するCOガスが、場合によっては、比較的大きな容積のガス通路31へ達することはあるが、しかし、管路32を介してタンク15のガススペース15.2内へ達することはできない、ということである。これにより、液状充填物とCO雰囲気との間の界面、すなわちタンク15内の液体スペース15.1とガススペース15.2との間の界面における酸素の取り込みが有効に阻止され、これにより、ボトル2に充填された充填物の酸素含有量が著しく低減され、これによって、製品の保存性および品質が格段に改善される。
【0029】
以上、本発明について実施例を参照しながら説明した。自明ながら、本発明の基本となる概念を逸脱することなく、種々の変更を加えることが可能である。
【0030】
例えば、補足的な閉鎖可能なガス通路を用いて、補足的な通路31および/または接続管路32を戻りガス通路29に直接接続することが想定されている。この方式が特に有利であるのは、例えば、充填機械へのボトルの送給に中断が生じる場合である。なぜなら、このような場合、充填工程自体によって生じる、補足的なガス通路31におけるガス供給量が、洗浄工程および予圧印加工程から生じるガス需要量を超過する可能性があり、これにより、剰余ガスがタンク15内へ達するかもしれないからである。このような状況において、本発明において提案された、例えば、補足的な通路31と戻りガス通路29との間の、制御可能な弁により閉鎖可能なガス路によって、剰余ガスが、補足的な通路31から、直接、戻りガス通路29内へ導かれ、これにより、酸素を含有するガスがタンク15内へ還流することが、確実に回避されている。
【0031】
前述の説明では、容器内に含まれた、酸素を含有する空気を不活性ガスによって置き換えるために、充填されるべき容器を充填自体の前に少なくとも一回の洗浄を行う充填システムに関してのみ述べた。このために必要なステップが複数であるために、また、必須である技術的コストのために、この用途では、最も高い技術的要件を満たす必要があるが、これらの要件は、本発明によって解決された。当然ながら、本発明は、容器の洗浄を伴わない充填システムにも利用できる。
【符号の説明】
【0032】
1 充填および閉鎖機械
2 ボトル
2.1 容器の流れ
3 充填機械自体のロータ
4 充填位置
5 充填部材
6 容器支持部
7 搬送機
8 容器流入部または機械流入部
9 流出部または引き渡し星形部材
10 閉鎖機
11 機械流出部
12 充填部材5のハウジング
13 液体通路
14 液体接続部
15 タンク
15.1 液体スペース
15.2 ガススペース
15.3 供給接続部
16 COガス供給管路
16.1 制御弁
17 放出開口部
17.1 放出開口部17におけるシール
18 液体弁
18.1 タペット
18.2 弁体
19 操作部材
20 プローブ
21 ガス通路
22、23、24 制御弁
25−28 ガス通路
29 戻りガス通路
30 真空通路
31 補足的な通路あるいはガス吸い込み部
32 接続管路
33 充填部材5における、流量が絞られたガス接続部
A ロータの回転方向
B 管路32における流れ方向
W1−W11 ロータ3の回転移動の角度範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填機械(1)を用いて背圧下においてボトルまたは同様の容器(2)に液状充填物を充填するための方法であって、前記充填機械が、ロータ(3)に複数の充填部材(5)と、これらの充填部材(5)に共通であるタンク(15)とを有し、該タンクの内部スペースが、前記液状充填物によって占められる液体スペース(15.1)と、前記充填物の上方の、圧力(充填圧力)下にある不活性ガスのためのガススペース(15.2)とを形成し、かつ、前記充填機械が、全ての充填部材(5)に、または、充填部材(5)のそれぞれのグループに共通である少なくとも1つの戻りガス通路を有し、前記充填前に前記容器(2)の内部スペースに対して、それぞれ、各充填部材の、制御されたガス路(21、24、28)を介して、前記タンク(15)の前記ガススペース(15.2)から来る、前記充填圧力を有する不活性ガスによって予圧が印加され、前記充填中に、前記不活性ガスの少なくとも一部が、前記流れ込む充填物によって前記容器(2)から前記少なくとも1つの戻りガス通路(29)内へ押し出される方法において、
前記各容器(2)への前記予圧印加が、全ての充填部材(5)に、または、充填部材(5)のグループに共通である、ガス吸い込み部として機能する少なくとも1つの補足的なガス通路(31)から行われ、該補足的なガス通路が、少なくとも1つのガス接続部(32)を介して前記タンク(15)の前記ガススペース(15.2)につながれていることを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも、前記容器(2)への前記予圧印加および前記容器への前記充填が、背圧下において、前記充填部材(5)の前記ガス路を制御することによって行われ、その際、前記充填部材(5)間のガス交換を考慮した上で、前記予圧印加時に前記補足的なガス通路(31)から取り出される不活性ガスの量が、前記充填時に背圧下において前記ボトル(2)からこの補足的なガス通路(31)へ押し出されるガス量よりも多くなるように、前記予圧印加および前記充填が行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記充填圧力を維持するために、前記タンク(15)の前記ガススペース(15.2)に、制御された状態で不活性ガスが供給されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ガス吸い込み部として機能する前記補足的なガス通路(31)が、該ガス通路(31)を前記タンク(15)の前記ガススペース(15.2)に接続するロータ側のガス接続部(32)の容積よりも著しく大きな容積を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
前記容器(2)への前記予圧印加が、専ら、ガス吸い込み部として機能する前記補足的なガス通路(31)から行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記容器(2)への充填の際、前記不活性ガスの一部が、各充填部材の、それぞれの制御されるガス路(21、24、28)を介して、ガス吸い込み部として機能する前記補足的なガス通路(31)内へも押し出されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
前記予圧印加の前に、それぞれ、容器(2)の部分予圧印加が、各充填部材(5)の、制御されるガス路(21、22、26)を介して、先立って前記戻りガス通路(29)から実施されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
前記予圧印加の前または前記部分予圧印加の前に、それぞれ少なくとも1回の前記容器(2)の洗浄が、前記充填部材(5)の、制御されるガス路(21、22、26)を介して、不活性ガスを用いて行われることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
不活性ガスを用いた前記容器(2)の前記洗浄が、前記戻りガス通路(29)から行われることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記洗浄の前および/または後に、前記充填部材(5)の、制御されるガス路(21、23、27)を介して、各充填部材(5)との気密位置にある容器(2)の真空排気が行われることを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
不活性ガスとしてCOガスが用いられることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
所定の動作状況において、制御されるガス路を用いて、前記補足的な通路(31)から前記戻りガス通路(29)へ、または、前記接続管路(32)から前記戻りガス通路(29)へ、戻りガスを案内できることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の方法。
【請求項13】
前記容器の前記充填の前に、少なくとも1回、前記容器の真空排気または洗浄が行われることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
背圧下においてボトルまたは同様の容器(2)に液状充填物を充填するための、循環する構造様式の充填機械であって、該充填機械が、垂直の機械軸線を中心に回転するように駆動可能であるロータ(3)に設けられたタンク(15)を具備し、該タンクの内部スペースが、前記液状充填物によって占められる液体スペース(15.1)と、前記液状充填物の液面上方の、圧力(充填圧力)下にある不活性ガスのためのガススペース(15.2)とを形成し、かつ、該充填機械が、前記ロータ(3)の周囲に配置された複数の充填部材(5)を具備し、該充填部材が、それぞれ前記タンク(15)の前記液体スペース(15.1)に接続された、放出開口部(17)を形成する、制御される液体弁(18)を備えた液体通路(13)を有しており、かつ、該充填機械が、前記全ての充填部材(5)または充填部材(5)のグループに共通である少なくとも1つの戻りガス通路(29)を前記ロータ(3)に具備し、さらに、前記充填部材(5)内に構成された制御されるガス路(21、22、26;21、23、27;21、24、28)を具備し、該ガス路を介して、それぞれ充填されるべき、充填部材(5)との気密位置にある容器(2)への少なくとも1回の予圧印加が、前記タンク(15)の前記ガススペース(15.2)から来る、前記充填圧力を有する不活性ガスを用いて実施可能であり、また、前記充填時に前記容器(2)から押し出された不活性ガスの少なくとも一部を前記戻りガス通路(29)へ導き出すことが可能である充填機械において、
前記充填部材(5)または充填部材(5)のそれぞれのグループのために、ガス吸い込み部として機能する少なくとも1つの共通の補足的なガス通路(31)がロータ(3)に設けられていて、該ガス通路が、少なくとも1つのガス接続部(32)を介して前記タンク(15)の前記ガススペース(15.2)に接続されており、該ガス通路により、前記充填部材(5)が、該充填部材の、前記容器(2)の予圧印加を生じさせる、制御されるガス路(21、24、28)と接続していることを特徴とする充填機械。
【請求項15】
ガス吸い込み部として機能する前記補足的なガス通路(31)が、該ガス通路(31)を前記タンク(15)の前記ガススペース(15.2)に接続するロータ側のガス接続部(32)の全容積よりも大きな容積を有することを特徴とする請求項14に記載の充填機械。
【請求項16】
前記少なくとも1つの補足的な通路(31)が、前記タンク(15)の前記ガススペース(15.2)に常時接続されていることを特徴とする請求項14または15に記載の充填機械。
【請求項17】
前記充填圧力を維持するために、不活性ガスを前記タンク(15)の前記ガススペース(15.2)内へ制御して供給するための手段(16、16.1)を有することを特徴とする請求項14〜16のいずれか一つに記載の充填機械。
【請求項18】
全ての充填部材(5)に、または、充填部材(5)のグループに共通である少なくとも1つの真空通路(30)が、前記ロータ(3)に備えられており、該真空通路に、前記充填部材(5)が、前記充填部材(5)内に構成されている少なくとも1つの制御されるガス路(21、23、27)によってつながれていることを特徴とする請求項14〜17のいずれか一つに記載の充填機械。
【請求項19】
各充填部材(5)内に構成されている全てのガス路について、1つのガス通路(21)が共通しており、該ガス通路が、当該の充填部材(5)との気密位置にある容器の内部スペースへつながっていることを特徴とする請求項14〜18のいずれか一つに記載の充填機械。
【請求項20】
各充填部材(5)の前記放出開口部(17)が、前記ガス路に共通である前記ガス通路(21)の容器側の開口部を包囲するように環状に、または、部分的に環状に構成されていることを特徴とする請求項17に記載の充填機械。
【請求項21】
前記充填部材(5)が、充填管のない充填部材であることを特徴とする請求項14〜20のいずれか一つに記載の充填機械。
【請求項22】
制御可能な接続管路が、前記補足的なガス通路(31)と前記戻りガス通路(29)との間に、および/または、前記接続管路(32)と前記戻りガス通路(29)との間に備えられていることを特徴とする請求項14〜21のいずれか一つに記載の充填機械。
【請求項23】
前記容器を真空排気および/または洗浄するための手段が備えられていることを特徴とする請求項14〜22のいずれか一つに記載の充填機械。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−519141(P2010−519141A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550217(P2009−550217)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際出願番号】PCT/EP2008/000316
【国際公開番号】WO2008/101572
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(598125028)カーハーエス・アクチエンゲゼルシヤフト (125)
【Fターム(参考)】