説明

脂肪族ポリエステル系フィルム及び防湿性脂肪族ポリエステル系フィルム

【課題】蒸着膜を形成させても防湿性を保持する脂肪族ポリエステル系フィルム、及びこれに蒸着膜を形成させた防湿性脂肪族ポリエステル系フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも3層からなり、2つの最外層のうち少なくとも1層が無機系粒子含有層であって、この無機系粒子含有層の厚みをa(μm)、無機系粒子の最大粒径をb(μm)、無機系粒子の平均粒径をc(μm)としたとき、下記の式(1)〜式(4)の全てを同時に満たし、静摩擦係数を0.8以下とする。
1≦a≦15 (1)、0.5≦b≦2.5a (2)、0.1≦c≦5 (3)、c≦a (4)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、2軸延伸配向脂肪族ポリエステルフィルム及び、そのフィルムに防湿性を付与した脂肪族ポリエステル系フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプラスチック製品の多く、特にプラスチック包装材は、使用後すぐに棄却されることが多く、その処理の問題が指摘されている。一般包装用プラスチックとして代表的なものとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET等があげられるが、これら材料は燃焼時の発熱量が多く、燃焼処理中に燃焼炉を傷める恐れがある。さらに、現在でも使用量の多いポリ塩化ビニルは、自己消火性のため燃焼することができない。また、このような焼却できない材料も含めプラスチック製品は埋め立て処理されることが多いが、その化学的、生物的安定性のためほとんど分解せず残留し、埋立地の寿命を短くする等の問題を起こしている。これに対し、燃焼熱量が低く、土壌中で分解し、かつ安全であるものが望まれ、多くの研究がされている。
【0003】
その一例として、ポリ乳酸があげられる。ポリ乳酸は、燃焼熱量はポリエチレンの半分以下であり、土中・水中で自然に加水分解が進行し、次いで微生物により無害な分解物となる。現在、ポリ乳酸を用いて成形物、具体的にはフィルム・シートやボトルなどの容器等を得る研究がなされている。
【0004】
ところで、ポリ乳酸からなるフィルムを製造する場合、フィルムの滑りが悪いと、フィルムの生産中、あるいは印刷やラミネート等の二次加工において、ワインダー等で連続して巻き取る際に、フィルムの蛇行や、しわが入るなどの問題を生じる。
これに対し、無機系粒子等をフィルム内に含有させることにより、表面の滑り性を改良にしたフィルムが検討されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の滑り性を改良したフィルムに蒸着膜を形成させて、防湿性を付与させる場合、この防湿性フィルムの巻き替え等において、上記無機系粒子等の脱落や移動等によってピンホールが生じ、防湿性が低下する場合がある。
【0006】
そこで、この発明は、蒸着膜を形成させても防湿性を保持する脂肪族ポリエステル系フィルム、及びこれに蒸着膜を形成させた防湿性脂肪族ポリエステル系フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、少なくとも3層からなる共押出2軸配向脂肪族ポリエステル系フィルムにおいて、2つの最外層のうち少なくとも1層が無機系粒子含有層であって、この無機系粒子含有層の厚みをa(μm)、無機系粒子の最大粒径をb(μm)、無機系粒子の平均粒径をc(μm)としたとき、下記の式(1)〜式(4)の全てを同時に満たすことを特徴とすることにより、上記の課題を解決したのである。
1≦a≦15 (1)
0.5≦b≦2.5a (2)
0.1≦c≦5 (3)
c≦a (4)
【0008】
また、上記の脂肪族ポリエステル系フィルムを構成する上記無機系粒子含有層の少なくとも片側に、アルミニウムを主成分としてマグネシウム、シリコン、タンタル、チタン、硼素、カルシウム、バリウム、炭素、マンガンの群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む合金の薄膜層を形成させることにより、防湿性脂肪族ポリエステル系フィルムを得ることができる。
【0009】
無機系粒子含有層の厚み、無機系粒子の最大粒径及び平均粒径を所定の関係に設定したので、蒸着膜を形成させても、ピンホールの発生が抑制され、防湿性が保持される。
【発明の効果】
【0010】
この発明によると、無機系粒子含有層の厚み、無機系粒子の最大粒径及び平均粒径を所定の関係に設定したので、蒸着膜を形成させても、ピンホールの発生が抑制され、防湿性が保持される。
【0011】
また、フイルムの滑り性、透明性、耐熱性が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施形態を説明する。
この発明にかかる脂肪族ポリエステル系フィルムは、少なくとも3層からなる共押出2軸配向脂肪族ポリエステル系フィルムであり、表裏面の2つの最外層のうち少なくとも1層が無機系粒子含有層である。
【0013】
上記脂肪族ポリエステルとは、ポリ乳酸系重合体を主成分とする樹脂である。上記ポリ乳酸系重合体とは、L−、D−、またはDL−乳酸単位を主成分とする重合体をいい、ポリ乳酸のみの重合体、または、L−、D−、またはDL−乳酸とヒドロキシカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸(脂環族も含む。以下同じ)および/または脂肪族ジオールとの共重合体でありポリ乳酸成分を50%以上含むものがあげられる。
【0014】
上記ポリ乳酸系重合体の重合法としては、縮重合法、開環重合法等公知の方法を採用することができる。例えば、縮重合法では、L−乳酸、D−乳酸、あるいは、これらと上記ほかのモノマーの混合物を直接脱水縮合重合することにより、任意の組成を持ったポリ乳酸系重合体を得ることができる。
【0015】
また、開環重合法(ラクチド法)では、乳酸の環状2量体であるラクチドを、必要に応じて重合調整剤などを用いながら、選ばれた触媒を使用して、必要に応じて上記ほかのモノマーを混合して重合させることにより、ポリ乳酸系重合体を得ることができる。
【0016】
この発明に使用されるポリ乳酸系重合体の重量平均分子量の好ましい範囲としては、6万〜70万であり、より好ましくは、6万〜40万、とくに好ましくは6万〜30万である。分子量が6万より小さいと機械物性や耐熱性等の実用物性がほとんど発現せず、70万より大きいと溶融粘度が高すぎ成形加工性に劣る場合がある。
【0017】
また、上記無機系粒子含有層を構成するポリ乳酸系重合体の重量平均分子量は、上記2つの最外層に挟まれる中間層の少なくとも1層を構成するポリ乳酸系重合体の重量平均分子量以上であることが表層に含有する無機系粒子が適度に中間層側にも部分埋没し、脱落しづらくなり、好ましい。
【0018】
すなわち、上記無機系粒子含有層を構成するポリ乳酸の重量平均分子量をX、上記中間層のうち少なくとも1層を構成するポリ乳酸の重量平均分子量をYとしたとき、下記式を満たす場合が好ましい。
60,000≦Y≦X
【0019】
上記無機系粒子含有層や中間層のうち少なくとも1層を構成する脂肪族ポリエステル中のポリ乳酸系重合体中のL−乳酸とD−乳酸の割合は、好ましい表面特性を得るために、100:0〜94:6若しくは6:94〜0:100が好ましい。94:6より小さく、又は6:94より大きい場合は、延伸後の熱処理において十分に結晶化させることができず、フィルムの熱収縮率を抑制することができない場合がある。また、延伸後、配向の緩和が起こり、配向の効果による物性向上が見られなくなる場合がある。さらに、後述するように延伸時に配合した無機系粒子が突起して、表面が粗され、フィルムの滑り性が向上するが、結晶性の低いあるいは結晶化しないポリ乳酸重合体では熱処理工程でフィルムの配向緩和とともに突起した無機系粒子が再び、フィルム内部に埋没してしまい、滑りの良好なフィルムをえることができない場合がある。この発明において、熱処理工程を経る配向フィルムの製造における無機系粒子の配合と共に結晶性の高い上記範囲のポリ乳酸系重合体を使用することは極めて重要である。
【0020】
また、上記無機系粒子含有層や中間層のうち少なくとも1層を構成する脂肪族ポリエステル中のポリ乳酸系重合体の含有量は、70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましい。70重量%より少ないと、耐熱性が劣る場合がある。
【0021】
上記ポリ乳酸に共重合される他のヒドロキシカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、又は脂肪族ジオール等の他のモノマーとしては、次のものがあげられる。すなわち、乳酸として所定の光学異性体を有する乳酸を持つ場合は、他の光学異性体を有する乳酸(例えば、L−乳酸に対してD−乳酸、D−乳酸に対してL−乳酸)があげられる。また、ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類があげられる。
【0022】
上記脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、又はこれらの無水物や誘導体があげられる。また、脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族ジオール、又はこれらの誘導体があげられる。いずれも、炭素数2〜10のアルキレン基又はシクロアルキレン基を持つ、2官能性化合物を主成分とするものが好ましい。もちろん、これらカルボン酸成分あるいはアルコール成分のいずれにおいても、2種類以上用いても構わない。
【0023】
さらに、上記脂肪族ポリエステルには少量共重合として、
(a)3官能基以上のカルボン酸、アルコール又はヒドロキシカルボン酸単位、
(b)非脂肪族ジカルボン酸単位及び/又は非脂肪族ジオール単位、
を含んでもよく、また少量の鎖延長剤残基を含んでもよい。
【0024】
上記(a)の単位は、溶融粘度の向上のためポリマー中に分岐を設ける目的で用いられ、具体的には、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸あるいはペンタエリスリットやトリメチロールプロパン等の多官能性成分があげられる。これらの成分は多量に用いると、得られるポリマーが架橋構造を持ち、熱可塑性でなくなったり、熱可塑性であっても部分的に高度に架橋構造を持ったミクロゲルが生じ、フィルムにしたときフィッシュアイとなる恐れがある。従って、これら多官能性成分が、ポリマー中に含まれる割合は、ごくわずかで、ポリマーの化学的性質、物理的性質を大きく左右しない程度に制限される。
【0025】
また、上記(b)においては、非脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸等があげられ、また、非脂肪族ジオールとしては、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等があげられる。
【0026】
上記脂肪族ポリエステルは、ポリ乳酸系重合体を主成分として含有するが、これ以外の樹脂成分(以下、「他樹脂成分」と称する。)を含んでもよい。透明性の観点から、30重量%以下が好ましく、20重量%以下が更に好ましい。この他樹脂成分の例としては、ポリ乳酸系重合体以外の脂肪族ポリエステルがあげられる。ポリ乳酸系重合体以外の脂肪族ポリエステルとは、乳酸以外のヒドロキシカルボン酸の重合体、脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジオールからなるポリエステル等があげられる。ここで使用されるヒドロキシカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールは、それぞれ上記と同様である。
さらに、上記脂肪族ポリエステルには上記の同様の少量共重合単位を含んでもよく、また少量の鎖延長剤残基を含んでもよい。
【0027】
上記の脂肪族カルボン酸と脂肪族ジオールからなるポリエステルを調整するには、直接法、間接法等公知の方法を採用することができる。例えば、直接法は、脂肪族カルボン酸と脂肪族ジオールとを、これらの成分中に含まれる、あるいは重合中に発生する水分を除去しながら、直接重合して高分子量物を得る方法である。間接法は、オリゴマー程度に重合した後、上記ポリ乳酸系重合体の場合と同様、少量の鎖延長剤を使用して高分子量化する間接的な製造方法である。
【0028】
上記の他樹脂成分の重量平均分子量は、5万〜25万が好ましい。重量平均分子量が5万より小さいとポリマーとしての性質が劣り、特にヒートシール性の向上につながらないばかりか、経時的にフィルム表面にブリードするなどの不具合を生じさせる。また、25万より大きいと溶融粘度が高くなりすぎて、ポリ乳酸との混合性の低下や、ポリ乳酸と同様にフィルムにするときの押出成形性の低下を招く。
なお、耐衝撃性の改良効果、耐寒性の点から、他樹脂成分は、ガラス転移点(Tg)が0℃以下であることが好ましい。
【0029】
特に好適な他樹脂成分としては、例えばポリエチレンスベレート、ポリエチレンセバケート、ポリエチレンデカンジカルボキシレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンセバケート、ポリブチレンサクシネートアジペートやこれらの共重合体があげられる。
【0030】
この発明においては、上記他樹脂成分とともに、又は他樹脂成分に代えて、ポリ乳酸系重合体と他樹脂成分とのブロック共重合体(その一部エステル交換生成物、少量の鎖延長剤残基を含んだ生成物も含む。)を使用することもできる。このブロック共重合体は、任意の方法で調整することができる。例えば、ポリ乳酸系重合体又は他樹脂成分のいずれか一方を別途重合体として準備しておき、この重合体の存在下に他方の構成モノマーを重合させる。通常は、予め準備した他樹脂成分の存在下でラクチドの重合を行うことにより、ポリ乳酸と他樹脂成分のブロック共重合体を得る。基本的には、他樹脂成分を共存させる点が相違するだけで、ラクチド法でポリ乳酸系重合体を調整する場合と同様に重合を行うことができる。この時、ラクチドの重合が進行すると同時に、ポリ乳酸と他樹脂成分の間で適度なエステル交換反応が起こり、比較的ランダム性が高い共重合体が得られる。出発物質として、ウレタン結合を有する脂肪族ポリエステルウレタンを用いた場合には、エステル−アミド交換も生成する。
【0031】
上記無機系粒子含有層に含有される無機系粒子とは、無機物質の粒子をいう。この無機系粒子を構成する無機物質としては、シリカ等の二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、二酸化チタン、カオリン、アルミナ等があげられ、好ましくは、シリカ等の二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、二酸化チタン、カオリンがあげられ、特に好ましくは、シリカ等の二酸化ケイ素である。更に、連鎖状の二酸化ケイ素粒子を用いると、フィルム製造時や、アンカーコート、薄膜形成工程時の粒子の脱落も少なく好ましい。上記無機系粒子は上記のうち1種のみを使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0032】
上記の無機系粒子の配合量は、無機系粒子含有層の脂肪族ポリエステル100重量部に対し、0.01〜6重量部が好ましく、0.01〜5重量部がより好ましく、0.01〜1重量部が更に好ましい。0.01重量部より少ないと滑性を与える効果が出ない場合がある。また、6重量部より多いと、粒子の脱落や透明性の劣化が生じる場合がある。
【0033】
また、透明性が必要なフィルムにおいては、上記無機系粒子の配合量をできるだけ減らしておくことが望ましい。また、配合量を少なくしても、粒径が大きいと透明なフィルムが得難い。透明性の定義としてはヘーズを用いることができる。これは、JISK 7105で測定することができる。このヘーズは、10%以下のものが好ましい。ヘーズが10%を越えると十分な透明性が得られない場合がある。
【0034】
さらに、透明性を得たいときは、配合する無機系粒子の種類や粒径、フィルムの厚みにもよるが、多くとも0.5部程度にすることが好ましい。それ以上入れると、フィルムのヘーズが10%を超え、クリア感に欠ける。
【0035】
また、後述するように、防湿性を付与するために、薄膜層を形成させる場合において、ピンホールの発生を防止する必要がある。このため、上記無機系粒子含有層の厚みをa(μm)、無機系粒子の最大粒径をb(μm)、無機系粒子の平均粒径をc(μm)としたとき、下記の式(1)〜式(4)の全てを同時に満たす必要がある。
1≦a≦15 (1)
0.5≦b≦2.5a (2)
0.1≦c≦5 (3)
c≦a (4)
【0036】
上記無機系粒子含有層の厚みが1μmより薄いと、実質的に含有粒子を担持しにくくなり、粒子が脱落しやすくなる。一方、15μmより厚いと、滑り性付与に必要な表面性を付与しにくい。より好ましい厚みは、1.5〜10μmである。
【0037】
また、上記無機系粒子の最大粒径が0.5μmより小さいと、フィルムの走行性に適した滑り性を付与できない。一方、上記無機系粒子含有層の厚みの2.5倍より大きいと、十分な防湿性を付与できない。より好ましい最大粒径は、2.0〜15μmであり、かつ、同時に上記(2)式を満足する範囲である。
【0038】
さらに、上記無機系粒子の平均粒径は、大きいほどフィルムの表面は粗され滑り性は向上し、摩擦係数が小さくなる特徴を有する。しかし、上記無機系粒子の平均粒径が0.1μmより小さいと、滑性を与える効果が低すぎる。一方、5μmより大きいと、表面の平滑性は低下し、粒子の脱落が起こりやすくなり、フィルムに防湿効果を付与するための薄膜を形成するときに薄膜抜けが発生してピンホールが発生したり、硬度の高い無機系粒子ではフィルム面同士でこすれあったとき薄膜に傷等が発生する。より好ましい平均粒径は、0.4〜4.5μmである。また、防湿性を付与する目的で、無機薄膜を付与する場合は、更にこの発明の範囲に粒径を選択することで、良好な防湿性(10g/m・24hr以下)を付与することができる。この無機系粒子の平均粒径は、沈降天秤式測定法、コールターカウンター測定法、光散乱法等を用いて測定することができる。
【0039】
また、無機系粒子の平均粒子の大きさが、無機系粒子含有層の厚み以下である。無機系粒子の平均粒子の大きさが、無機系粒子含有層の厚みより大きいと、粒子脱落が生じやすい。
【0040】
この発明にかかる多層2軸配向ポリ乳酸フィルムの製法としては、共押出法が採用される。以下、この共押出法による積層化の例について説明する。
まず、それぞれの層を形成するポリ乳酸系重合体を主成分とする脂肪族ポリエステルや無機系粒子等を共押出積層用押出装置に供給する。
これらは予め、別の押し出し機でストランド形状に押し出してペレットを作製しておいても良い。
いずれも、分解による分子量の低下を考慮しなければならないが、均一に混合させるには後者を選択する方がよい。
【0041】
上記脂肪族ポリエステルを充分に乾燥し、水分を除去した後、押出機で溶融する。ポリ乳酸系重合体は、L−乳酸構造とD−乳酸構造の組成比によって融点が変化することや、脂肪族ポリエステルの融点と混合の割合を考慮して、適宜溶融押出温度を選択する。実際には100〜250℃の温度範囲が通常選ばれる。
【0042】
2または3台以上のマルチマニホールドまたはフィードブロックを用いて積層化し、スリット状のダイから3層以上の溶融シートとして押し出す、その際、それぞれの層の厚みはメルトラインに設置したギアポンプ等の定量フィーダーによるポリマーの流量調節により設定することができる。また、上記の外層を構成するためのマルチマニホールドまたはフィードブロックには、上記無機系粒子を溶融樹脂中に供給する。
【0043】
次いで、このダイから押し出された溶融シートを、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下で急冷固化し、実質的に非晶質の未配向シートを得る。この際、シートの平滑性や厚さ班を向上させる目的で、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高める事が好ましく、この発明においては、静電印加密着法および、または液体塗布密着法が好ましくは用いられる。
これらの混合物には、諸物性を調整する目的で、熱安定剤、光安定剤、光吸収剤、可塑剤、無機充填材、着色剤、顔料等を添加することもできる。
【0044】
このようにして得られたフィルムは、延伸倍率が低いとフィルム表面上に粒子が突起しない。このため、粒子を突起させて、フィルムの表面の粗さを向上させるためには、十分フィルムを配向させておくことが必要である。具体的には、2軸延伸することにより、配向されたフィルム(以下、「2軸配向脂肪族ポリエステル系フィルム」と称する。)を得るのがよい。このときの配向の指標は、面配向ΔPで3.0×10−3以上がよい。これを達成するには少なくとも1軸方向に1.5倍以上延伸させることが必要である。
【0045】
この2軸配向脂肪族ポリエステル系フィルムは、2軸方向に延伸し、次いで、固定しながら熱処理を行う。これにより、熱固定された2軸配向脂肪族ポリエステル系フィルムが得られる。このフィルムの縦方向又は横方向の少なくとも一方の80℃での収縮率が10%以下であることが好ましい。この収縮率が10%を越えると、熱収縮しやすく、好ましくない。
【0046】
得られた多層2軸配向脂肪族ポリエステル系フィルムの表面粗さRa(中心線平均粗さ)は、0.01<Ra≦0.08であることが好ましく、さらにこの範囲においてはRz(十点平均粗さ)が2.0以下であることがより好ましい。Raが大きいほどフィルムの表面が粗く、滑り性が高くなる。しかし、Raが大きすぎるとフィルムの平滑性が劣ることとなる。平滑性の指標としては、Rzを用いることができる。Raに比してこの数値が大きいほど、フィルムの凹凸(粗さ)がまばらであり、均一性がなく、Raの数値に近づくほど凹凸の大きさも均一であることを示す。RaやRzの測定は、JIS B 0601に従って測定することができる。
【0047】
多層2軸配向脂肪族ポリエステル系フィルムの摩擦係数は、静摩擦係数で0.8以下がよく、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。摩擦係数には、静摩擦係数と動摩擦係数がある。一般的には、静摩擦係数が小さいと動摩擦も小さくなる。また、静摩擦係数の方が動摩擦係数よりも大きな数値を示す。フィルムは連続的に生産され、通常はロール状にされる。このとき、フィルム同士が接触するので、フィルムの摩擦係数が大きいと滑らず、一様にきれいに巻き取ることはできない。また、その後の蒸着工程やフィルムの加工、例えば印刷やラミネート、製袋においても同様に問題となり、場合によっては静電気を発生させ、生産性を著しく低下させることもある。このため、静摩擦係数で評価すると、上記の要件を満たすのがよい。
【0048】
得られた2軸配向脂肪族ポリエステル系フィルムの用途として、フィルム表面上に接着剤を塗布して紙や金属薄膜、他のプラスチックフィルム等と貼り合わせることがあるが、熱収縮率が高いと工程内でかかる温熱により上記フィルムが収縮してしまい、しわ等の外観を損なったり、ラミネート体がカールする等の問題が起こりやすくなる。このため、得られた2軸配向脂肪族ポリエステル系フィルムに防湿性を付与するためには、薄膜層を蒸着法により形成するのがよい。この薄膜層を上記脂肪族ポリエステルに蒸着させることにより、防湿性脂肪族ポリエステル系フィルムが得られる。
【0049】
上記の蒸着法としては、EB蒸着、誘導加熱蒸着、マグネトロンスパッタ法、CVD法等公知の方法があげられる。また、必要に応じて、密着性向上を目的にして空気や酸素を若干導入してイオンボンバードを施すとよい。無機薄膜の厚みの十分な防湿性を付与できる下限は20nmであり、経済的な厚みの上限は、100nmである。更に好適な範囲は30〜70nmである。
【0050】
上記薄膜層としては無機薄膜がよく、この材質としては、純アルミニウム(99.9at%以上)を使用することができるが、これ以外に、主成分としてアルミニウムを90.0〜99.8at%とし、マグネシウム、シリコン、タンタル、チタン、硼素、カルシウム、バリウム、炭素、マンガンの群から選ばれた少なくとも1種以上の添加元素を0.2〜10.0at%を含む材質がよく、アルミニウムを92〜99.5at%とし、添加元素を0.5〜8at%を含む材質が好ましい。これは、純アルミに比較して、薄膜層の結晶が微細化されるため、透過ガスのパスが長くなること、薄膜の強度が向上し、表面に凹凸を形成している添加粒子が脱落しづらくなるためと考えられる。膜の光沢度を向上させるためには、添加元素量の添加量の上限は好適には10at%以下、より好適には8at%以下にすることが必要である。
【0051】
透明性が特に必要な用途においては、酸化処理若しくは窒化酸化処理した上記材料からなる薄膜を用いるとよい。蒸着法においては予め反応次数の低い酸化物、窒化物を高真空容器中で電子線などにより照射加熱する。このとき、若干の酸素、窒素を適宜導入して、反応次数をコントロールする。スパッタ法に置いては、合金ターゲットを使用し、アルゴンガスに窒素及びもしくは酸素を適量混合し反応させながら製膜することで目的の膜を製造できる。
【0052】
上記薄膜層と基材となる脂肪族ポリエステル系フィルムとの密着性を向上する目的で、上記薄膜層を形成する前に、アンカーコートを行っても良い。このアンカーコートの厚みは、好ましくは、0.01〜5μm、更に好ましくは0.1〜2μmである。アンカーコート層には、従来フィルムに蒸着を施すときに下塗り層として使用される樹脂であれば特に限定されないが、基材の生分解後の環境問題に配慮して、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリオレフィン系樹脂から選ばれた1種以上で有ることが好ましい。
【0053】
上記コート用樹脂の溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ベンゼン、アセトン、テトラハイドロフラン、ジオキサン、クロロホルムなどが使用できるが、ポリ乳酸系重合体との密着性からメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ベンゼンの群から選ばれた1種もしくは2種以上の混合溶剤を使用すると良い。
【0054】
アンカーコートを施すことにより、無機薄膜膜の密着性を高めることができる。下塗り層の形成方法も、特に限定されず、グラビアコーティング、リバースコーティング、などの樹脂液のコーティングに使用される方法を樹脂液の性状から適宜選択すればよい。
【0055】
得られた防湿性脂肪族ポリエステル系フィルムの薄膜層側から測定した光沢度は、400%以上がよく、500%以上が好ましい。400%より低いと、高級感に欠ける。
【0056】
また、得られた防湿性脂肪族ポリエステル系フィルムの透湿度は、10g/m・24hr・atm以下がよく、7g/m・24hr・atm以下が好ましい。10g/m・24hr・atmより大きいと、十分な防湿機能を有していない。例えば、包装材料としての使用が不適となる。
【実施例】
【0057】
以下、この発明について実施例を用いてより詳細に説明するが、これらによりこの発明は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例及び比較例における物性値等は、下記の方法によって測定、評価し、また、使用したポリ乳酸系重合体は、下記の方法で製造した。
【0058】
[重量平均分子量]
東ソー製HLC−8120GPCゲルパーミエーションクロマトグラフ装置を用い、以下の測定条件で、標準ポリスチレンで検量線を作製し、重量平均分子量を求めた。
・使用カラム:島津製作所製Shim−Packシリーズ
GPC−801C
GPC−804C
GPC−806C
GPC−8025C
GPC−800CP
・溶媒:クロロホルム
・サンプル溶液濃度:O.2wt/vol%
・サンプル溶液注入量:200μl
・溶媒流速:1.0ml/分
・ポンプ、カラム、検出器温度:40℃
【0059】
[光沢度の測定方法]
JISK7105にしたがって測定した。測定角度は60°とした。
[フィルムのヘーズの測定方法]
JISK7105にしたがって測定した。
[透湿度]
JISK7129B法にしたがって測定した。
[剥離強度]
蒸着面にウレタン系接着剤にてPET25ミクロンを、接着後、15mm幅に裁断し、T型剥離試験強度を測定した。剥離速度は200mm/minとした。
【0060】
[走行傷つき性]
ロール ツー ロール タイプの真空蒸着装置にフィルムロールを装着し、10−4TORRの真空度に減圧した後、速度100m/minにてアルミニウムを蒸着、巻き取り後、常圧にて巻き戻し、下記の基準で傷つき性を判定した。
◎:特に良好
○:良好
△:やや良好で、製品として使用できる
×:製品として使用できない
【0061】
[平均粒径]
コールターカウンター測定法(コールター社製コールターカウンターII)により粒度分布を測定し、算出した。
[最大粒径]
篩にかけて最大粒径を測定した。
[フィルム厚み]
(株)テクロック製ダイヤルゲージSM−1201で十点測定を行い、その平均値で厚みとした。単位はμmである。
【0062】
[総合評価]
透湿度、全厚、剥離強度、ヘーズの各測定値、及び走行傷つき性の評価の全部を考慮し、下記の基準で評価した。
◎:特に優れている
○:優れている
△:実用範囲である
×:使えない
【0063】
[ポリ乳酸系重合体の製造1]
ピューラックジャパン製L−ラクチド(商品名:PURASORB L)100Kgに、オクチル酸スズ15ppm添加し、攪拌機と加熱装置を備えた500Lバッチ式重合槽に入れた。窒素置換を行い、185℃、攪拌速度100rpmで、60分重合を行った。得られた溶融物を、真空ベントを3段備えた三菱重工製40mmφ同方向2軸押出機に供し、ベント圧4torrで脱揮しながら、200℃でストランド状に押し出し、ペレット化した。得られたポリ乳酸系重合体(以下、「PLA1」と略する。)の重量平均分子量は25万、L体含有量は99.5%であった。
【0064】
[ポリ乳酸系重合体の製造2,3]
上記PLA1を常温で十分に吸湿させた後、40mmφ同方向2軸押出機に供し、ベント圧4torrで脱揮しながら、220℃でストランド状に押し出し、ペレット化した。得られたポリ乳酸系重合体(以下、「PLA2」と略する。)の重量平均分子量は20万、L体含有量は99.5%であった。
さらに、同様の工程を繰り返し、重量平均分子量18万、L体含有量は99.5%のポリ乳酸系重合体(以下、「PLA3」と略する。)のペレットを得た。
【0065】
(実施例1〜8、比較例1〜4)
無機系粒子として、表1に記載の平均粒径の粒状二酸化ケイ素(シリカ)(富士シリシア化学(株)製、商品名:サイロホービック)1重量部をそれぞれ乾燥して十分に水分を除去した後、Φ40mm同方向二軸押出機に投入して、約200℃に設定して溶融混合し、ストランドにして押出し、冷却しながらペレット状にカットした。このペレットをマスターバッチとし、再度乾燥して、同じく乾燥した表1に示すポリ乳酸系重合体に表1に記載の量を混合し、これを表面層とした。この表面層と表1に示す中間層を表1に示す厚みの比で、2種3層構成の共押出積層用押出装置の最外層のΦ40mm同方向二軸押出機に投入し設定温度210℃でシート状に共押出しをし、回転する冷却ドラムで急冷固化させ、実質的に非晶質のシートを得た。
【0066】
得られたシートを三菱重工業(株)製フィルムテンターを用い、温水循環式ロールと接触させつつ赤外線ヒーターを併用して75℃に加熱し、周速差ロール間で縦方向に3.0倍延伸し、次いで、この縦延伸シートをクリップで把持しながらテンターに導き、シート流れの垂直方向に75℃で3.0倍延伸した後、140℃で約15秒間熱処理し、25μm厚みのフィルムを作成した。フィルムはワインダーにて巻き取られる直前にコロナ処理を施した。
【0067】
次いで、密着性を高める目的で、蒸着前にコロナ処理側にポリエステル系樹脂をアンカーコート剤としてドライ換算0.2μm塗布し、100℃で乾燥した。得られた脂肪族ポリエステル系フィルムにしわなどの発生は無かった。そして、一方の表面層に電子ビーム加熱方式真空蒸着機(レオホルト社製)を用いて、真空度1×10−4hPaの雰囲気下で連続的に蒸着処理を行い、60nmアルミ蒸着膜厚を形成した。
得られたフィルムの透湿度、剥離強度、ヘーズ、走行傷つき性を上記の方法で測定及び評価した。その結果を表1に示す。
【0068】
【表1】

【0069】
(実施例9)
実施例1で製造した脂肪族ポリエステルフィルムにアルミニウム又はアルミニウム−シリカ−マンガン合金を電子線蒸着法にて製膜した。純アルミ(99.9at%)の真空度1×10−4hPaでの蒸着膜(膜厚60nm)の平均グレーンサイズは、100nmであった。AlSiMn合金(98.1at%/1.1at%/0.8at%)の同条件の膜のグレーンサイズは30nmであった。前者の透湿度は6g/m・24hr・atmであり、後者は3g/m・24hr・atmと良好であった。また、前者の光沢度は766%で、非常に良好な金属光沢を示した。また、後者の光沢度は722%で良好な金属光沢を示した。なお、実施例1で製造した脂肪族ポリエステルフィルムの蒸着前の表面の光沢度は、120%であった。
【0070】
(比較例5)
実施例1で製造した脂肪族ポリエステルフィルムにアルミ含有率が89at%、マグネシウム4.5at%、タンタル6.5at%のアルミ合金をDCマグネトロンスパッタリング法で製膜した。アルゴンガスを装置内に100SCCM導入し、真空度を1mTorrに保持した上で、ターゲット面積当たり10W/cmの直流電力を印加した。膜厚は60nmであった。得られたフィルムの透湿度は、8g/m・24hr・atmであったが、光沢度は380%であり、白くくすんでおり、包装用製品として使用できないレベルであった。
【0071】
(実施例10)
実施例1で製造した脂肪族ポリエステルフィルムに、アルミ含有率が91at%、マグネシウム4.5at%、タンタル3.5at%のアルミ合金とした以外は、実施例7と同様として蒸着膜を形成した。得られたフィルムの透湿度は、6g/m・24hr・atm、光沢度は550%で、包装用製品として使用できるレベルであった。
【0072】
(実施例11)
実施例3で得られた厚さ40μmの蒸着処理をしたフィルムを長手方向に100mm、幅方向に15mmのサイズに切り出したフィルム試験片を、20メッシュのSUS網製ホルダーに挟み込み、完熟腐葉土20Kg、ドッグフード(日本ペットフード(株)製ビタワン)10Kgとともに、家庭用コンポスター(静岡製機(株)製エコロンポEC−25D)に入れ、毎日500ccの水を加えながら、5週間放置し、5週間後の回収率(ホルダー中に残存していた率)を測定した。回収率は30%以下で明らかに分解が進行しており、良好な生分解性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の共押出2軸配向脂肪族ポリエステル系フィルムを構成する無機系粒子含有層の少なくとも片側に、90.0〜99.8at%のアルミニウムに、マグネシウム、シリコン、タンタル、チタン、硼素、カルシウム、バリウム、炭素、マンガンの群から選ばれる少なくとも1種の元素を0.2〜10.0at%含む合金の薄膜層を形成したことを特徴とする防湿性脂肪族ポリエステル系フィルム。
・脂肪族ポリエステルとして、ポリ乳酸系重合体を主成分とする樹脂を用いたフィルムであり、
少なくとも3層からなり、
2つの最外層のうち少なくとも1層が無機系粒子含有層であって、
この無機系粒子含有層の厚みをa(μm)、無機系粒子の最大粒径をb(μm)、無機系粒子の平均粒径をc(μm)としたとき、下記の式(1)〜式(4)の全てを同時に満たし、
静摩擦係数が0.8以下であり、
中心線平均粗さRaが0.01より大きく、0.08以下であり、
十点平均粗さRzが2.0以下である共押出2軸配向脂肪族ポリエステル系フィルム。
1≦a≦15 (1)
0.5≦b≦2.5a (2)
0.1≦c≦5 (3)
c≦a (4)

【公開番号】特開2009−292158(P2009−292158A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218672(P2009−218672)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【分割の表示】特願2007−11104(P2007−11104)の分割
【原出願日】平成14年1月11日(2002.1.11)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】