説明

脂質関連疾患および障害を処置するための、PGC−1βを調節するための方法および組成物

本発明は、PGC−1βの発現または活性を調節することによって、脂質関連疾患および障害(例えば、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、心臓血管疾患、肥満症およびII型糖尿病)を処置するための方法ならびに脂質生合成、脂質輸送、血漿トリグリセリドレベルおよび/または血漿コレステロールレベルを調節するための方法を提供する。脂質関連疾患または障害を処置または予防することができる化合物を同定するための方法もまた記載される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂質関連疾患または障害を処置または予防するために被験体にPGC−1β調節因子を投与する工程を含む、該被験体において脂質関連疾患または障害を処置または予防するための方法。
【請求項2】
前記PGC−1β調節因子が、PGC−1βの発現または活性を減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記脂質関連疾患または障害が、高レベルのVLDLコレステロールまたはLDLコレステロールによって示される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記脂質関連疾患または障害が、高レベルのトリグリセリドによって示される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記脂質関連疾患または障害が、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、心臓血管疾患、肥満症およびII型糖尿病からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記被験体が、哺乳動物である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記被験体が、ヒトである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記被験体が、イヌ、ネコ、ウマ、ウシおよびヒツジからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記調節因子が、薬学的に許容可能な製剤形態で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記調節因子が低分子である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記PGC−1β調節因子がPGC−1βポリペプチド活性を調節することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記調節因子が抗PGC−1β抗体である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記調節因子が、ペプチドまたはペプチド模倣物である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記調節因子が、ポリペプチドである、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記調節因子が、配列番号2のアミノ酸配列またはそのフラグメントを含むPGC−1βポリペプチドである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記調節因子が、配列番号2のアミノ酸配列に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むPGC−1βポリペプチドである、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記調節因子が、配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドの天然に存在する対立遺伝子改変体であって、ここで該ポリペプチドは、65℃、0.2×SSC、0.1%SDS中での1回以上の洗浄の前に45℃、6×SSCで、配列番号1からなる核酸分子の相補体にハイブリダイズする核酸分子によってコードされる、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記調節因子が、PGC−1β核酸発現を調節することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記調節因子が、アンチセンスPGC−1β核酸分子である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記調節因子が、リボザイムである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記調節因子が、RNA干渉物質である、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記RNA干渉物質が、PGC−1βを標的化するsiRNA分子である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記調節因子が、PGC−1β核酸分子である、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記PGC−1β調節因子が、配列番号1のヌクレオチド配列またはそのフラグメントを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記PGC−1β調節因子が、SREBP転写因子の発現または活性を調節する、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記PGC−1β調節因子が、脂質生成遺伝子の発現または活性を調節する、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記脂質生成遺伝子が、FAS、SCD−1、HMG−CoAレダクターゼ、DGATおよびGPATからなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記PGC−1β調節因子が、LXRα標的遺伝子の発現または活性を調節する、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記LXRβ標的遺伝子が、PLTP、ABCA1およびABCG1からなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
脂質生合成を調節するために、細胞とPGC−1β調節因子とを接触させる工程を含む、該細胞において脂質生合成を調節する方法。
【請求項31】
前記脂質生合成が、SREBP転写因子によって調節される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記SREBP転写因子が、SREBP1a、SREBP1cおよびSREBP2からなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記細胞が、肝細胞である、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記脂質が、トリグリセリドおよびコレステロールの少なくとも1つである、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記コレステロールが、VLDLコレステロールまたはLDLコレステロールである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
脂質輸送を調節するために、細胞とPGC−1β調節因子とを接触させる工程を含む、該細胞からの脂質輸送を調節する方法。
【請求項37】
前記脂質輸送が、LXRαによって調節される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記細胞が、肝細胞である、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記脂質が、コレステロールまたはトリグリセリドである、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記コレステロールが、VLDLコレステロールまたはLDLコレステロールである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
脂質生合成および脂質輸送を調節するために、細胞とPGC−1β調節因子とを接触させる工程を含む、該細胞における脂質生合成および脂質輸送を調節する方法。
【請求項42】
脂質生合成および脂質輸送の少なくとも1つを調節するために、被験体にPGC−1β調節因子を投与する工程を含む、該被験体における脂質生合成および脂質輸送の少なくとも1つを調節する方法。
【請求項43】
前記PGC−1β調節因子が、SREBP転写因子に結合するPGC−1βの能力を調節する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記SREBP転写因子が、SREBP1a、SREBP1cおよびSREBP2からなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記PGC−1β調節因子が、LXRαに結合するPGC−1βの能力を調節する、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記脂質が、トリグリセリドおよびコレステロールの少なくとも1つである、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記脂質生合成および/または前記脂質輸送が、肝臓内である、請求項42に記載の方法。
【請求項48】
血漿トリグリセリドレベルおよび血漿コレステロールレベルの少なくとも1つを調節するために、被験体にPGC−1β調節因子を投与する工程を含む、該被験体における血漿トリグリセリドレベルおよび血漿コレステロールレベルの少なくとも1つを調節する方法。
【請求項49】
前記コレステロールが、VLDLコレステロールまたはLDLコレステロールである、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
PGC−1βの発現または活性を調節する化合物の能力をアッセイし、それによって脂質関連疾患または障害を処置または予防することができる化合物を同定する工程を含む、脂質関連疾患または障害を処置または予防することができる化合物を同定する方法。
【請求項51】
PGC−1βの発現または活性を調節する化合物の能力をアッセイし、それによって被験体における血漿トリグリセリドレベルおよび血漿コレステロールレベルの少なくとも1つを調節することができる化合物を同定する工程を含む、該被験体において血漿トリグリセリドレベルおよび血漿コレステロールレベルの少なくとも1つを調節することができる化合物を同定する方法。
【請求項52】
PGC−1βの発現または活性を調節する化合物の能力をアッセイし、それによって脂質生合成および脂質輸送の少なくとも1つを調節することができる化合物を同定する工程を含む、脂質生合成および脂質輸送の少なくとも1つを調節することができる化合物を同定する方法。
【請求項53】
前記脂質生合成および/または輸送が、肝臓内において実施される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記脂質が、トリグリセリドおよびコレステロールの少なくとも1つである、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記コレステロールが、VLDLコレステロールまたはLDLコレステロールである、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記PGC−1β核酸発現またはPGC−1βポリペプチド活性を調節する化合物の能力が、脂質生成遺伝子の発現または活性における調節を検出することによって測定される、請求項50、51または52に記載の方法。
【請求項57】
前記脂質生成遺伝子が、FAS、SCD−1、HMG−CoAレダクターゼ、DGATおよびGPATからなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
PGC−1β核酸発現またはPGC−1βポリペプチド活性を調節する化合物の能力が、SREBP転写因子の発現または活性における調節を検出することによって測定される、請求項50、51または52に記載の方法。
【請求項59】
前記SREBP転写因子が、SREBP1a、SREBP1cおよびSREBP2からなる群から選択される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
PGC−1βの発現または活性を調節する化合物の能力が、LXRαの発現または活性における調節を検出することによって測定される、請求項50、51または52に記載の方法。
【請求項61】
PGC−1βの発現または活性を調節する化合物の能力が、コレステロールの血漿レベルおよびトリグリセリドの血漿レベルの少なくとも1つにおける調節を検出することによって測定される、請求項50に記載の方法。
【請求項62】
PGC−1βの発現または活性を調節する化合物の能力が、コレステロールホメオスタシスの調節を検出することによって測定される、請求項50に記載の方法。
【請求項63】
前記化合物が、低分子である、請求項50、51または52に記載の方法。
【請求項64】
被験体における脂質関連疾患または障害を阻害するための試験化合物の効能を評価する方法であって、該方法は:
a)該被験体から得られ、そして該試験化合物の存在下で維持される第1サンプルにおけるPGC−1βの発現または活性のレベル;と
b)該被験体から得られ、そして該試験化合物の非存在下で維持される第2サンプルにおけるPGC−1βの発現または活性のレベル
とを比較する工程を含み、
ここで、該第2サンプルと比較して該第1サンプルにおけるPGC−1βの発現または活性のほうが有意に低いレベルであるとき、該試験化合物は、脂質関連疾患または障害を阻害するために有効であることが示される、方法。
【請求項65】
前記第1サンプルおよび前記第2サンプルが、前記被験体から得られた単一サンプルの一部である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記第1サンプルおよび前記第2サンプルが、前記被験体から得られた、貯蔵されたサンプルの一部である、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
被験体において脂質関連疾患または障害を阻害するための治療の効能を評価する方法であって、該方法は:
a)該被験体への治療の少なくとも一部を提供する前に該被験体から得られた第1サンプルにおけるPGC−1βの発現または活性のレベルと
b)該治療の一部の提供後の該被験体から得られた第2サンプルにおけるPGC−1βの発現または活性のレベル
とを比較する工程を含み、
ここで、該第2サンプルと比較して第1サンプルにおけるPGC−1βの発現または活性のほうが有意に低いレベルであるとき、該治療は、該被験体における脂質関連疾患または障害を阻害するために有効であることが示される、方法。
【請求項68】
被験体の細胞または組織においてPGC−1βの発現または活性を検出する工程を含む、該被験体が脂質関連疾患もしくは障害に罹患しているか否かまたは脂質関連疾患もしくは障害を発症する危険性があるか否かを評価する方法であって、ここで、PGC−1βの発現または活性の増加によって、該被験体が脂質関連疾患もしくは障害に罹患しているかまたは脂質関連疾患もしくは障害を発症する危険性のあることが示される、方法。
【請求項69】
前記脂質関連疾患または障害が、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、心臓血管疾患、肥満症およびII型糖尿病からなる群から選択される、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記細胞または組織が、肝臓から得られる、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
細胞と食事成分を含むサンプルとを接触させる工程およびPGC−1βの発現または活性を測定し、それによって該食事成分を分類する工程を含む、該食事成分を分類する方法。
【請求項72】
前記細胞が、肝細胞である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
PGC−1βの発現または活性における増加が、高いアテローム発生潜在能力を有する脂肪酸の存在を示す、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記脂肪酸が、飽和脂肪またはトランス脂肪である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
細胞とサンプルとを接触させる工程およびPGC−1βの発現または活性を測定し、それによって該サンプルにおけるアテローム生成的な脂肪酸の存在を検出する工程を含む、該サンプルにおけるアテローム生成的な脂肪酸の存在を検出する方法。
【請求項76】
PGC−1βの発現または活性における増加が、前記サンプルにおけるアテローム生成的な脂肪酸の存在を示す、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記脂肪酸が、飽和脂肪またはトランス脂肪である 、請求項76に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−517931(P2008−517931A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538078(P2007−538078)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/037952
【国際公開番号】WO2006/047312
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(502206795)ダナ−ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】