説明

膜バイオリアクターの流束を改善する方法

【課題】流入水に含まれ、スケールを発生するに十分な濃度の塩または無機酸化物により、嫌気性消化装置を含む好気性膜バイオリアクターの流束低下を改善する方法を提供する。
【解決手段】膜バイオリアクターに、効果的な量の1またはそれ以上のカチオン性ポリマー(たとえばエピクロロヒドリン−ジメチルアミンポリマー)、両性ポリマー(たとえばジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロリド4級塩/アクリル酸共重合体)、または双性イオン性ポリマー(たとえば99モル%のN,N−ジメチル−N−メタクリルアミドプロピル−N−(3−スルホプロピル)−アンモニウムベタインと1モル%の非イオン性モノマー)、もしくは、それらを組み合わせたポリマーを添加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜バイオリアクター中の膜を透過する水の流束を増加させるために用いられる、水溶性のカチオン性、両性または双性イオン性のポリマー、もしくは、それらを組み合わせたポリマーの利用に関する。
【背景技術】
【0002】
膜バイオリアクター(MBR)装置は、生物分解と、膜ろ過という2つの基本的なプロセスを組み合わせて、活性汚泥浮遊物質と微生物分解を行う微生物とが膜ろ過装置によって処理水から分離されるという、1つのプロセスに統合するものである。反応槽中の微生物の滞留時間(活性汚泥熟成(mixed liquor age))と流出水の滅菌とを制御することによって、全体のバイオマスは、系中で制限される。
【0003】
通常、流入水はバイオリアクターに入り、そこでバイオマスと接触される。
【0004】
この混合物はポンプ、水圧、あるいはその両方の組み合わせを用いて膜ろ過される。バイオリアクター中の全体のバイオマスが維持されつつ、膜透過物は系から排出される。
【0005】
全体のバイオマスはバイオリアクターに戻されつつ、膜透過物は系から排出される。過剰な活性汚泥は一定の活性汚泥熟成度を維持するために排出され、膜は定期的に逆洗、化学洗浄、あるいはその両方によって洗浄される。
【0006】
MBR装置中で使用される膜には、限外ろ過膜および精密ろ過膜、真皮および外皮、中空糸状のもの、管状のもの、扁平状のもの、有機物製、金属製、セラミック製のもの等が含まれる。工業的用途に好ましい膜には、中空糸型外皮限外ろ過膜、平膜型限外ろ過膜、および中空糸型外皮精密ろ過膜が含まれる。好ましい膜孔サイズは、0.01〜5ミクロンである。
【0007】
好気性膜バイオリアクター(MBR)プロセスにおいては、従来から、膜の目詰まり現象が、プロセスの透水性能を制限する大きな問題であった。膜の目詰まりのために、しばしばMBR処理能力や流束が減少し、処理量の損失を補填するために、より大きい膜が必要される。
【0008】
最近、多くの研究結果(ナガオカ(Nagaoka)ら、1996、1998;リー(Lee)ら、2002)によって、膜の目詰まりの主な要因の1つは、MBRの活性汚泥中のバイオマスによって分泌される多糖類やタンパク質を含む、生体高分子であることが示されている。さらに、流入水中の塩濃度が比較的高い場合に、バイオリアクター中で形成される多くの無機物質のスケールも報告されている。膜表面にスケールが形成される結果、膜の性能は顕著に損なわれる(ヒュイスマン(Huisman)、2005;オニアー(Ognier)、2004)。
【0009】
生体高分子によって引き起こされる膜の目詰まりを防止するために、活性汚泥と接している負に帯電した膜と反応しない、カチオン性ポリマーを使用する方法が開発されている(コリンズ(Collins)およびザルメン(Salmen)、2004)。この方法においては、様々なポリマーが好気性膜バイオリアクター(MBR)に、通常は曝気槽に、直接添加され、これらのポリマーは生体高分子と反応する。反応の結果生成する、生体高分子とポリマーからなる粒子は、かなり膜の目詰まりを起こしにくい性質となる。
【0010】
膜の目詰まりを引き起こす、同じMBR中で微生物的に生成される多糖類およびタンパク質生体高分子は、MBR活性汚泥中に泡を立たせてしまうことも知られている。これは、これらの化合物が空気−水界面での泡の安定化を助ける、多くの界面活性な官能基を有していることによるものである。加えて、MBRは、泡の形成に関係する糸状体微生物を、しばしば多量に含んでいる。生体高分子と糸状体微生物の両方は、本発明において述べられているカチオン性ポリマーと反応する。従前の研究では、泡の減少あるいは泡の除去が、カチオン性ポリマーが膜の流束の改善がみられるのと常に同時に起こることが示されている(リチャード(Richard)、2003)。
【0011】
ところで、窒素やリンの除去効率を上げるために、次第にMBR中に無酸素槽および嫌気槽が設けられるようになってきている。これらの条件においては、活性汚泥が、酸素が豊富な状態と酸素が欠乏した状態との間で循環されるため、好気性のバイオマスは、周期的に酸素欠乏状態に晒され、嫌気性のバイオマスは、好気的な状態に晒されることになる。その結果、バイオマスは、酸素ストレスのために、より多くの生体高分子を作り出してしまう。周期的な酸素濃度が引き金となって促進される生体高分子の生成は別としても、生体高分子の生成は、無酸素槽および嫌気槽における低溶存酸素(DO)状態によっても促進されうる(カルヴォ(Calvo)ら、2001)。
【0012】
低DO条件で促進される膜の目詰まりの最も直接的な証拠は、カン(Kang)らの実験(2003)の中で得られている。彼らの実験では、水中の膜を連続的に洗浄するために窒素ガスが使用され、空気が分岐ノズルを通して、上に膜が設けられていない領域に供給された。透過流量は、常に20L/m/hrに保持された。空気の供給が止められるとすぐにTMPが増加し始め、DOが減り始めた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】欧州特許出願公開第516357号、ベンディクセンB.(Bendiksen B.)、ヨークM.(Yorke M.)、「冷却塔水システムにおけるスケール抑制のためのアニオン性/カチオン性ポリマー混合物(Anionic/cationic polymer mixture for scale inhibition in cooling tower systems)」、1992年
【特許文献2】英国特許出願公開第2200104号、ボウンR.(Bown R.)、パウナールP.G.(Pownall P.G.)、「イオン性およびカチオン性分散剤を使用したフィラーを含むカルシウムの水性分散物の調整(Preparation of aqueous suspensions of calcium containing fillers using ionic and cationic dispersants)」、1988年
【特許文献3】米国特許第6,723,245号、コリンズJ.(Collins J.)、サルメンK.(Salmen K.)、「膜バイオリアクターにおける水溶性のカチオン性ポリマーの利用方法(Method of using water soluble cationic polymers in membrane biological reactors)」、2004年
【特許文献4】英国特許出願公開第2251254号、ハズバンドJ.C.(Husband J.C.)、「無機物質スラリー(Inorganic material slurry)」、1992年
【特許文献5】独国特許出願公開第4022651号、コーラ−A.(Kohler A.)、シュベルトK.(Schubert K.)、「顔料およびフィラーの分散剤としてのカチオン性水分散性ポリマー(Cationic water-dispersible polymers as dispersants for pigments and fillers)」、1992年
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】カルヴォ,C.(Calvo,C.)、ガルベス,J.(Garvez,J.)、ゴメス−ヴィラルバ,B.(Gomez-Villalba,B.)、トレド,F.(Toledo,F.)、ロドクラス,B.(Rodclas,B.)、ゴンツァレス−ロペス,J.(Gonzalez-Lopez,J.)、「都市排水の処理における硝化および脱窒水中フィルターの挙動(Behaviour of nitrifying and denitrifying submerged filters in the treatment of urban wastewater)」、カレントスタディーズオブバイオテクノロジー(Current Studies of Biotechnology)、2001年、2、175−181
【非特許文献2】ヒュイスマンI.H.(Huisman I.H.)、ナルコ内部報告書(Nalco internal report)、2005年
【非特許文献3】カン,I.(Kang,I.)、リーC.(Lee C.)およびキム,K.(Kim,K.)、「膜と連結した連続バッチ式反応槽系における精密ろ過膜の特性(Characteristics of microfiltration membranes in a membrane coupled sequencing batch reactor system)」、ウオーターリサーチ(Water Research)、2003年、37、1992−1997
【非特許文献4】リー,J.−M(Lee,J.-M.)、アーン,W.−Y.(Ahn,W.-Y.)およびリー,C.−H.(Lee,C.-H.)、「水中膜バイオリアクターにおける、分散成長微生物と付着成長微生物との間のろ過特性の比較(Comparison of the Filtration Characteristics between Suspended and Attached Growth Microorganisms in Submerged Membrane Bioreactor)」、ウオーターリサーチ(Water Research)、2001年、35(10)、7−16
【非特許文献5】ナガオカH.(Nagaoka H.)、ウエダS.(Ueda S.)、およびミヤA.(Miya A.)、「膜分離活性汚泥システムにおける細菌性細胞外ポリマーの影響(Influence of bacterial extracellular polymers on the membrane separation activated sludge process)」、ウオーターサイエンスアンドテクノロジー(Water Science and Technology)、1996年、34(9)、165−172
【非特許文献6】ナガオカH.(Nagaoka H.)、ヤマニシS.(Yamanishi S.)およびミヤA.(Miya A.)、「膜分離活性汚泥システムにおける細胞外ポリマーによる生物付着物のモデリング(Modeling of biofouling by extracellular polymers in a membrane separation activated sludge system」、ウオーターサイエンスアンドテクノロジー(Water Science and Technology)、1998年、38(4−5)、497−504
【非特許文献7】オニアーS.(Ognier S.)、ウィズネスキーC.(Wisniewski C.)、グランスミックA.(Gransmick A.)、「膜バイオリアクターにおける目詰まりの同定とモデリング(Characterization and modeling of fouling in membrane bioreactors)」、デザリネーション(Desalination)、2002年、146(1−3)、141−147
【非特許文献8】スティーS.(Suty S.)、アリンスB.(Alince B.)、バンデベンT.G.M.(Van de Ven T.G.M.)、「ポリエチレンイミンおよび塩の存在下における粉末および沈降炭酸カルシウム分散液の安定性(Stability of ground and precipitated calcium carbonate suspension in the presence of polyethylenimine and salt)」、ジャーナルオブパルプペーパーサイエンス(J. Pulp Paper Science)、1996年、22(9)、J321−J326
【非特許文献9】バネレックA.(Vanerek A.)、アリンスB.(Alince B.)、バンデベンT.G.M.(Van de Ven T.G.M.)、「粉末および沈降炭酸カルシウムフィラーのコロイド的挙動:カチオン性多価電解質と水質の影響(Colloidal behavior of ground and precipitated calcium carbonate fillers: effect of cationic polyelectrolytes and water quality)」、ジャーナルオブパルプペーパーサイエンス(J. Pulp Paper Science)、2000年、26(4)、135−139
【非特許文献10】ザヒドA.(Zahid A.)、「熱交換器表面における石膏スケールの形成:ポリアクリル酸、ポリアスパラギン酸、およびポリグルタミン酸の影響(Gypsum scale formation on heat exchange surfaces: the influence of poly(acrylic acid), poly(aspartic acid), and poly(glutamic acid))、アクタポリテクニカスカンジナビカ(Acta Polytechnica Scandinavica)、1997年、ケミカルテクノロジーシリーズ244(Chemical technology series 244)、56−58
【非特許文献11】「水処理膜プロセス(Water Treatment Membrane Process)」、マックグロー−ヒル(McGraw-Hill)、1996年、p17.2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、もし無酸素槽および/または嫌気槽がMBRプロセスに設けられている場合、活性汚泥中の生体高分子量は、曝気槽しか有さない他のMBR中のそれよりも高くなる。それゆえ、もしMBRが無酸素槽および/または嫌気槽を含む場合、従来の方法(ジョーン(John)ら、2004)は、量と流束の改善に関してはほとんど効果がない。加えて、従来の方法は、単独のバイオリアクターとしての、あるいはバイオリアクターの1つとしての嫌気性消化装置を含む嫌気性MBRでは効果的ではない。より良い性能と、量の低減が可能な、より効果的かつ経済的な方法が必要である。
【0016】
生体高分子の問題は別として、最近、多くのMBRにおいて、無機性の目詰まり物質が報告されている(ヒュイスマン(Huisman)、2005;オニアー(ognier)ら、2002)。この無機性の目詰まり物質は、通常、大部分は、炭酸カルシウム(CaCO)および/またはリン酸カルシウムからなり、曝気された生物学的廃水処理中に、あるいは直接膜上に析出する(スケーリング)。無機性の目詰まり物質には、酸化鉄も含まれる。
【0017】
処理槽における(および膜槽における)曝気は、様々な経路による無機物質による目詰まりをもたらすことになる。例えば、曝気は、溶存COが廃水中から出るのを促進し、これが反応(1)の平衡を右へ押すことになる。
HCO⇔CO2−+CO(g) (1)
【0018】
反応(1)によって生成した炭酸イオン(CO2−)は、廃水中に存在するカルシウムと一緒になって析出し、CaCO(石灰石)を形成する。さらに、反応(1)はpHの上昇も引き起こし、リン酸カルシウムと酸化鉄の析出に有利になる。炭酸塩やリン酸塩の析出は、一部はバルク廃水中で起こって小さな粒子を形成し、その多くは膜に保持される。この析出は全ての表面上で、とりわけ膜表面で起こるものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、流入水がスケーリングあるいは、無機物による目詰まり状態を引き起こすのに十分な程度の無機酸化物の塩濃度を有している膜バイオリアクターへ、1またはそれ以上のカチオン性、両性または双性イオン性ポリマー、あるいは、それらを組み合わせたポリマーを効果的な量添加することによって、前記膜バイオリアクターの流束を改善する方法を提供するものである。膜バイオリアクターは1またはそれ以上の曝気反応槽を含んでいてもよい。膜バイオリアクターは、嫌気性反応槽、無酸素性反応槽および曝気反応槽の中の少なくとも2つの組み合わせを含んでいてもよい。
【0020】
本発明は、嫌気性反応槽、無酸素性反応槽および曝気反応槽のタイプの反応槽のうちの、少なくとも2つからなる膜バイオリアクターの流束を改善する方法も提供する。効果的な量の1またはそれ以上のカチオン性、両性または双性イオン性ポリマー、あるいは、それらを組み合わせたポリマーが、この種の膜バイオリアクターに添加される。
【0021】
本発明は、1またはそれ以上の嫌気性消化装置を有する膜バイオリアクター中における流束を改善する方法も提供する。効果的な量の1またはそれ以上のカチオン性、両性または双性イオン性ポリマー、あるいは、それらを組み合わせたポリマーが、この種の膜バイオリアクターに添加される。
【0022】
本発明は、1またはそれ以上の嫌気性消化装置と、1またはそれ以上の曝気反応槽を有する膜バイオリアクター中における流束を改善する方法も提供する。効果的な量の1またはそれ以上のカチオン性、両性または双性イオン性ポリマー、あるいは、それらを組み合わせたポリマーが、この種の膜バイオリアクターに添加される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、1つの曝気槽のみからなるMBRの典型例を示す概略図であり、1は廃水(COD=50〜30,000mg/L)に関し、2は曝気槽に関し、3は膜に関し、4はポンプあるいは重力によって得られる流出水に関し、5はポリマーの添加に関するものである。
【図2】図2は、曝気槽と無酸素槽からなるMBRの典型例を示す概略図である。概略図中における反応槽の大きさは反応槽の容積比を表してはおらず、1は廃水(COD=50〜30,000mg/L)に関し、2は無酸素槽に関し、3は曝気槽に関し、4は膜に関し、5は曝気槽から無酸素槽への内部汚泥循環に関し、6はポンプあるいは重力によって得られる流出水に関し、7は多価電解質の添加に関するものである。
【図3】図3は、曝気槽と無酸素槽と、嫌気槽からなるMBRの典型例を示す概略図である。概略図中における反応槽の大きさは反応槽の容積比を表してはおらず、1は廃水(COD=50〜30,000mg/L)に関し、2は嫌気槽(曝気なし)に関し、3は無酸素槽(曝気なし)に関し、4は曝気槽に関し、5は膜に関し、6はポンプあるいは重力によって得られる流出水に関し、7は無酸素槽から嫌気槽への内部汚泥循環に関し、8は曝気槽から無酸素槽への内部汚泥循環に関し、9は多価電解質の添加に関するものである。
【図4】図4は、嫌気性MBRの概略図であり、1は廃水(COD=200〜100,000mg/L)に関し、2は多価電解質の添加に関し(これは膜側のストリームライン中のいずれで添加されてもよい)、3はミキサーに関し(任意)、4はヘッドスペースに関し、5は嫌気槽に関し、6は膜に関し、7は流出水に関し、8はヘッドスペースから膜底部への気体循環に関し、9は汚泥再循環ポンプに関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(用語の説明)
「約」は、ほぼ、または等しいことをいう。
【0025】
以下で使用する、次の略語および用語は以下の意味を有するものである。MBRは膜バイオリアクターであり、AcAMはアクリルアミドであり、DMAEA・MCQは、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロリド4級塩である。
【0026】
「両性ポリマー」は、カチオン性モノマーとアニオン性モノマーの両方と、そして場合によっては他の非イオン性モノマーと、から生成したポリマーを意味する。両性ポリマーは、正味で正の電荷あるいは負の電荷を有することができる。両性ポリマーは、双性イオン性モノマーと、カチオン性モノマーまたはアニオン性モノマーと、そして場合によっては非イオン性モノマーと、から生成したものであってもよい。両性ポリマーは水溶性である。
【0027】
「カチオン性ポリマー」は、全体で正の電荷を有するポリマーを意味する。本発明のカチオン性ポリマーは、1またはそれ以上のカチオン性モノマーを重合することによって、あるいは1またはそれ以上の非イオン性モノマーと1またはそれ以上のカチオン性モノマーとを共重合することによって、あるいはエピクロロヒドリンと、ジアミンまたはポリアミンとを縮合することによって、あるいはジクロロエタンと、アンモニアまたはホルムアルデヒドと、アミン塩とを縮合することによって、作られる。カチオン性ポリマーは水溶性である。
【0028】
「カチオン性モノマー」は、正味正の電荷を有するモノマーを意味する。
【0029】
「溶液ポリマー」は、水連続液(water continuous solution)中の水溶性ポリマーを意味する。
【0030】
「曝気槽」は、好気性細菌を培養するための溶存酸素が0.5ppmより高いバイオリアクターを意味する。この条件では、細菌は、溶存酸素を使用して流入水中に含まれる有機物質を活発に酸化する。
【0031】
「無酸素槽」は、溶存酸素が0.5ppmより低いバイオリアクターを意味する。このリアクターには、通常、窒素として3ppmより高い硝酸イオン(NO)を有する活性汚泥が送り込まれる。この条件では、従属栄養細菌のほとんどは、硝酸イオン中に結合されている酸素で呼吸し、硝酸イオンを最終的には空気に放出される窒素ガスに変換することができる。
【0032】
「嫌気槽」は、溶存酸素が0.1ppmより低く、硝酸イオンが3ppmより低いバイオリアクターを意味する。
【0033】
「嫌気性消化装置」は、メタンガスを生成する偏性嫌気性細菌を培養するために、トップカバーによって空気から完全に隔離されたバイオリアクターを意味する。
【0034】
「双性イオン性ポリマー」は、双性イオン性モノマーと、場合によっては他の非イオン性モノマーと、からなるポリマーを意味する。双性イオン性ポリマーでは、全てのポリマー鎖とこれら鎖中のセグメントが厳密に電気的に中性である。したがって、双性イオン性ポリマーは、同じ双性イオン性モノマー中に負の電荷と正の電荷の両方が導入されていることにより必ず全てのポリマー鎖とセグメントにわたって中性に電荷を維持している、両性ポリマーの一部を意味する。双性イオン性ポリマーは水溶性である。
【0035】
「双性イオン性モノマー」は、分子全体では正味中性となるように、等しい割合でカチオン性とアニオン性(帯電した)官能基を含む重合可能な分子を意味する。
【0036】
(好ましい態様)
1またはそれ以上のカチオン性、両性および双性イオン性ポリマー、あるいは、それらを組み合わせたポリマーが、様々な手段によって、直接バイオリアクターの1つに、あるいはバイオリアクターの1つに流れるいずれかの液流に添加される。
【0037】
全ての場合で、ポリマーは吸着を最大にするようにバイオリアクター中の活性汚泥に適量混合される。これは、バイオリアクターの曝気ノズルが位置する場所にポリマーが供給されることによって行われる。流れが皆無かそれに近い、バイオリアクター中のいわゆる「デッド」ゾーンは避けられる。槽中の混合度を増すために水中プロペラミキサーが必要とされる、あるいは、活性汚泥がサイドアームループを通して再循環される場合もある。
【0038】
溶液ポリマーは、ミルトンロイ社(マサチューセッツ州アクトン)のLMIモデル121のような化学的定量ポンプを用いて投入することができる。
【0039】
1つの実施態様においては、膜バイオリアクターの流入水は、スケーリングと有機物質による目詰まりを引き起こすのに十分な塩あるいは無機酸化物の濃度を有している。塩および無機酸化物は、マグネシウム、カルシウム、ケイ素、および鉄からなる群から選択されるものである。別の態様では、マグネシウムとカルシウムの両方の塩または無機酸化物は、約5ppmあるいはそれより高い濃度を有し、鉄の塩または無機酸化物は、約0.1ppmあるいはそれより高い濃度を有し、ケイ素の塩または無機酸化物は、約5ppmあるいはそれより高い濃度を有する。また別の態様では、塩は、炭酸塩、リン酸塩、シュウ酸塩、および硫酸塩からなる群から選択されるものである。
【0040】
別の態様では、膜バイオリアクターに添加されるカチオン性ポリマーの量は、活性体として、膜バイオリアクターの総容積を基準として約10〜2,000ppmである。
【0041】
別の態様では、膜バイオリアクターに添加されるカチオン性ポリマーは、約25,000Daあるいはそれ以上の分子量を有する。
【0042】
別の態様では、膜バイオリアクターに添加されるカチオン性ポリマーは、約10%モル電荷あるいはそれ以上の電荷を有する。
【0043】
別の態様では、膜バイオリアクターに添加されるカチオン性ポリマーは、アンモニアかエチレンジアミンと架橋したエピクロロヒドリン−ジメチルアミンのポリマー、エピクロロヒドリンとジメチルアミンの直鎖ポリマー、ポリエチレンイミンのホモポリマー、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、DMAEM・HSOのホモポリマー、トリエタノールアミン/メチルクロリド4級塩が重合したもの、トリエタノールアミンおよびテールオイル脂肪酸/メチルクロリド4級塩が重合したもの、ポリエチレンジクロライド/アンモニア、および修飾されたポリエチレンイミンからなる群から選択される。
【0044】
別の態様では、膜バイオリアクターに添加されるカチオン性ポリマーは、(メタ)アクリルアミドと、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、メタクリレート、およびこれらの4級塩あるいは酸塩を含む、1またはそれ以上のカチオン性モノマーとの重合体であり、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、メタクリレート、およびこれらの4級塩あるいは酸塩には、これらに限定するものではないが、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロリド4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルサルフェート4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロリド4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレート硫酸塩、ジメチルアミノエチルアクリレート塩酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロリド4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルサルフェート4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロリド4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート硫酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドのようなジアルキルアミノアルキルアクリルアミドあるいはメタクリルアミドおよびそれらの4級塩あるいは酸塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルサルフェート4級塩、ジメチルアミノプロプルアクリルアミド硫酸塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩酸塩、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドメチルサルフェート4級塩、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド硫酸塩、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド塩酸塩、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジアリルジエチルアンモニウムクロリド、およびジアリルジメチルアンモニウムクロリドが含まれる。
【0045】
別の態様では、膜バイオリアクターに添加されるカチオン性ポリマーは、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミド共重合体である。
【0046】
別の態様では、膜バイオリアクターに添加される両性ポリマーは、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロリド4級塩/アクリル酸共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロリド塩/N,N−ジメチル−N−メタクリルアミドプロピル−N−(3−スルホプロピル)−アンモニウムベタイン共重合体、アクリル酸/N,N−ジメチル−N−メタクリルアミドプロピル−N−(3−スルホプロピル)−アンモニウムベタイン共重合体、およびDMAEA・MCQ/アクリル酸/N,N−ジメチル−N−メタクリルアミドプロピル−N−(3−スルホプロピル)−アンモニウムベタイン三元重合体からなる群から選択されるものである。
【0047】
別の態様では、膜バイオリアクターに添加される双性イオン性ポリマーは、約99モルパーセントであって、N,N−ジメチル−N−メタクリルアミドプロピル−N−(3−スルホプロピル)−アンモニウムベタインと、約1モル%の非イオン性モノマーからなる。
【実施例】
【0048】
以下の実施例は本発明を制限するものではない。
【0049】
(実施例1)
図2において、膜(3)は、直接曝気槽(2)の中に沈められる。曝気槽は、複数の反応槽に分割されていてもよい。膜は、反応槽の1つに沈められていても、反応器の外に設けられていてもよい。活性汚泥のMLSSは、3,000〜30,000mg/Lの間に保持される。流入水(1)が、5ppmより高いカルシウムイオン、および/または5ppmより高いマグネシウム、および/または10ppmより高いシリカ、および/または0.lppmより高い鉄を有する場合、膜表面にスケールの形成や無機物質による目詰まりが生じる。10,000〜20,000,000Daの分子量と、1〜100%の電荷を有するカチオン性ポリマーが、活性ポリマーとして10〜2,000ppmの濃度で、直接槽(5)の1つに、あるいは反応槽の1つへと流れ込む流れのいずれかに添加される。分子量の上限は、水中へのポリマーの溶解性または分散性のみによって制限される。
【0050】
(実施例2)
図2において、曝気槽(3)に無酸素槽(2)が追加され、曝気槽中の活性汚泥は、無酸素槽に再循環され、無酸素槽(2)には、>0.5mg/Lのレベルの溶存酸素を保持するために空気が供給されない。廃水に含まれる窒素化合物は曝気槽(3)中で硝酸塩に酸化され、無酸素槽(2)に再循環される。無酸素槽では、ある種の脱窒菌が、硝酸イオンに含まれる結合酸素を利用して窒素ガスを生成する。膜の形状は、扁平なシート状、中空糸状、管状、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。場合によっては、膜は、膜槽の外に設置され、槽の1つの中の汚泥がポンプによって膜系に循環されてもよい。流入水(1)が、5ppmより高いカルシウムイオン、および/または5ppmより高いマグネシウム、および/または0.1ppmより高い鉄、および/または10ppmより高いシリカを有する場合、膜表面にスケールの形成や無機物質による目詰まりが生じる。
【0051】
広範なカチオン性ポリマーが膜の目詰まりを防止するのに有効であり、高分子量(>50,000Da)、および高いモル電荷(>10%)のポリマーが特に効果的である。1または複数の異なるポリマーが、無酸素槽および/または曝気槽および/または反応槽の1つへと流れ込むいずれかの液流に添加されてもよい。
【0052】
(実施例3)
図3において、リンの除去を最大限に行うために、曝気槽(4)に、嫌気槽(2)および無酸素槽(3)が共に追加される。無酸素槽から嫌気槽(7)へ再循環される活性汚泥はいくらかの硝酸イオンを含んではいるが、DOレベルが0.1mg/Lより低いため、全体的な酸素の供給量は非常に制限される。この環境においてさえも、ある種のリン蓄積菌(PAOs)は、細胞中に蓄積されたポリマーの形のリンを加水分解することによってエネルギーを得ることができる。いったんPAOsが無酸素槽を通って曝気槽へ移動すると、それらは、後に使うためのリンの過剰な取り込みを行ってしまい、これは、いわゆる「ラグジャリーアップテイク」(Luxury Uptake)と呼ばれる。過剰に取り込まれたリンは、最終的には系から過剰な汚泥が取り除かれる際に除去される。膜の形状は、扁平なシート状、中空糸状、管状、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。場合によっては、膜は槽の外に設置され、汚泥は、ポンプによって、膜を通って槽へ循環されてもよい。流入水(1)が、5ppmより高いカルシウムイオン、および/または5ppmより高いマグネシウム、および/または0.1ppmより高い鉄、および/または10ppmより高いシリカを有する場合、膜表面にスケールの形成や無機物質による目詰まりが生じる。
【0053】
広範なカチオン性ポリマーが膜の目詰まりを防止するのに有効であり、高分子量(>50,000Da)、および高いモル電荷(>10%)のポリマーが特に効果的である。1または複数の異なるポリマーが、無酸素槽および/または曝気槽および/または反応器の1つへと流れ込むいずれかの液流に添加されてもよい。
【0054】
(実施例4)
第四の応用例は嫌気性MBR(図4)であり、これは室温から70℃までの間の温度で機能する。このMBRは、反応槽の上端にカバーを有しており、空気は供給されない。場合によっては、ミキサー(3)を用いて、機械的攪拌が行われてもよい。水中の膜(図4a)の場合、ヘッドスペース(4)の気体は、膜を洗浄するために槽の底へ再循環される。もし膜が外部に設けられている場合(図4b)、汚泥循環ポンプ(9)が使用される。この嫌気性消化装置は、単独で、あるいは曝気反応槽と組み合わせて使用することができる。活性汚泥浮遊物質(MLSS)のレベルは、3,000〜30,000mg/Lに維持され、流入水のCODは200〜100,000mg/Lである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜バイオリアクターに、効果的な量の1またはそれ以上のカチオン性ポリマー、両性ポリマー、または双性イオン性ポリマー、もしくは、それらを組み合わせたポリマーを添加することを含む、流入水がスケールの発生や無機物質による目詰まり状態を引き起こすのに十分な濃度の塩または無機酸化物を有する前記膜バイオリアクターの流束を改善する方法。
【請求項2】
前記塩または無機酸化物が、マグネシウム、カルシウム、ケイ素、および鉄からなる群から選択されるものであって、前記マグネシウムまたは前記カルシウムが5ppmまたはそれより高い濃度を有する、または前記鉄が0.1ppmまたはそれより高い濃度を有する、または前記ケイ素が5ppmまたはそれより高い濃度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記効果的な量のカチオン性ポリマーが、前記膜バイオリアクター総容積基準で、活性体として10〜2,000ppmである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記膜バイオリアクターが、嫌気性反応槽、無酸素性反応槽、および曝気反応槽のタイプの反応槽のうちの、少なくとも2つの組み合わせを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記膜バイオリアクターが、1またはそれ以上の曝気反応槽を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
嫌気性反応槽、無酸素性反応槽、および曝気反応槽のタイプの反応槽のうちの、少なくとも2つの組み合わせを有する膜バイオリアクターを準備する段階と、前記膜バイオリアクターに、効果的な量の1またはそれ以上のカチオン性ポリマー、両性ポリマー、または双性イオン性ポリマー、もしくは、それらを組み合わせたポリマーを添加する段階を含む、膜バイオリアクターの流束を改善する方法。
【請求項7】
前記効果的な量のカチオン性ポリマーが、前記膜バイオリアクター総容積基準で、活性体として10〜2,000ppmであり、前記膜バイオリアクターに添加される前記カチオン性ポリマーが、25,000Daまたはそれ以上の分子量を有し、前記カチオン性ポリマーが10%モル電荷あるいはそれ以上有する、請求項6の方法。
【請求項8】
前記カチオン性ポリマーが、アンモニアかエチレンジアミンと架橋したエピクロロヒドリン−ジメチルアミンポリマー、エピクロロヒドリンとジメチルアミンの直鎖ポリマー、ポリエチレンイミンのホモポリマー、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、DMAEM・HSOのホモポリマー、トリエタノールアミン/メチルクロリド4級塩が重合したもの、トリエタノールアミンとテールオイル脂肪酸/メチルクロリド4級塩が重合したもの、ポリエチレンジクロライド/アンモニア、および修飾されたポリエチレンイミンからなる群から選択されるものである、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記カチオン性ポリマーが、(メタ)アクリルアミドと、ジアルキルアミノアルキルアクリレートおよびこれらの4級塩あるいは酸塩、ジアルキルアミノアルキルメタクリレートおよびこれらの4級塩あるいは酸塩、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロリド4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルサルフェート4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロリド4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレート硫酸塩、ジメチルアミノエチルアクリレート塩酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロリド4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルサルフェート4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロリド4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート硫酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミドまたはメタクリルアミドおよびそれらの4級塩あるいは酸塩、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルサルフェート4級塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド硫酸塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩酸塩、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドメチルサルフェート4級塩、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド硫酸塩、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド塩酸塩、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジアリルジエチルアンモニウムクロリド、およびジアリルジメチルアンモニウムクロリドからなる群から選択される1またはそれ以上のカチオン性モノマーとの重合体である、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記両性ポリマーが、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロリド4級塩/アクリル酸共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸共重合体、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロリド塩/N,N−ジメチル−N−メタクリルアミドプロピル−N−(3−スルホプロピル)−アンモニウムベタイン共重合体、アクリル酸/N,N−ジメチル−N−メタクリルアミドプロピル−N−(3−スルホプロピル)−アンモニウムベタイン共重合体、およびDMAEA・MCQ/アクリル酸/N,N−ジメチル−N−メタクリルアミドプロピル−N−(3−スルホプロピル)−アンモニウムベタイン三元重合体からなる群から選択されるものである、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記双性イオン性ポリマーが、約99モルパーセントのN,N−ジメチル−N−メタクリルアミドプロピル−N−(3−スルホプロピル)−アンモニウムベタインと、約1モル%の非イオン性モノマーからなる、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
1またはそれ以上の嫌気性消化装置を有する膜バイオリアクターを準備する段階と、前記膜バイオリアクターに、効果的な量の1またはそれ以上のカチオン性ポリマー、両性ポリマー、または双性イオン性ポリマー、もしくは、それらを組み合わせたポリマーを添加する段階を含む、前記膜バイオリアクターの流束を改善する方法。
【請求項13】
1またはそれ以上の嫌気性消化装置と、1またはそれ以上の曝気反応槽の組み合わせを有する膜バイオリアクターを準備する段階と、前記膜バイオリアクターに、効果的な量の1またはそれ以上のカチオン性ポリマー、両性ポリマー、または双性イオン性ポリマー、もしくは、それらを組み合わせたポリマーを添加する段階を含む、前記膜バイオリアクターの流束を改善する方法。
【請求項14】
前記塩が、炭酸塩、リン酸塩、シュウ酸塩、および硫酸塩からなる群から選択されるものである、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−187586(P2012−187586A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−129579(P2012−129579)
【出願日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【分割の表示】特願2005−238421(P2005−238421)の分割
【原出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【出願人】(507248837)ナルコ カンパニー (91)
【Fターム(参考)】