説明

膨張可能部材を含む保護デバイス

本開示は、互いに向かい合わされ、内腔(25)を形成するように関連付けられた第1の壁(21)と第2の壁(22)を含む膨張可能部材(2、2a、2b、2c、2d)と、前記内腔(25)内に収容される構造(31、331、331a)とを備える保護デバイス(10、110、120、130、140、150)に関する。構造(31、331、331a)が、互いに向かい合わされ、複数の連結部材(27)によって接続された第1のメッシュ(29、329)と第2のメッシュ(30、330)を含み、前記第1のメッシュ(29、329)が第1の壁(21)に関連付けられ、前記第2のメッシュ(30、330)が第2の壁(22)に関連付けられる。デバイス(10、110、120、130、140、150、170)は、車両(1、100)の使用者を保護するためのデバイスであり、車両(1、100)に関連付けられるように適合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、交通事故の際に車両または車両の一部に対する衝突から使用者または乗員を保護するための、車両に関連付けられるように適合された保護デバイスに関する。
【0002】
また、本開示は、前記保護デバイスを含む車両に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、車両運転の安全性の絶え間ない研究の結果、車両の一部に対する衝突から使用者を保護するために、車両に乗車している使用者のための多くの保護デバイスが考案された。
【0004】
簡便な解決策は、例えば膨張可能部材または膨張可能バッグを含む保護デバイスに関するものであり、そのような膨張可能部材は、非作動状態では、車両のハウジング内、潜在的に衝突が懸念される車両部分、すなわち事故の際に使用者が接触する可能性がある部分に収縮されて折り畳まれて配置されている。
【0005】
さらに、膨張可能バッグは、一般に衝突、スリップ、または交通事故の瞬間に、キャニスタなど圧縮ガス源と流体連絡される。一般に、ガス源は、例えばバルーンと同様のいくぶん丸い形状の膨張ケースを形成するように膨張可能部材を膨張された状態、したがって張力をかけられた状態にするために、所定量の圧縮ガスを導入するように適合される。したがって、導入されるガスの量は、十分な膨張を保証するために膨張可能バッグの体積に厳密に相関される。
【0006】
本質的には、これらのバッグは、膨張状態で、やや大きく、広い断面積を有するある種のバルーンを形成し、このバルーンが、膨張状態で使用者と車両部分の間に挿間する。
【0007】
前記膨張可能バッグの使用に起因する要件は、膨張可能バッグが関連付けられる対応する車両部分に関連して使用者のための効果的な特定の保護を保証することである。
【0008】
したがって、最大限の保護を提供するために、車両の各対象区域、すなわち使用者と衝突する可能性がある区域内に前記種類の膨張バルーンを配置することが簡便である。しかし、そのような要件は、多数の膨張可能バッグ、および多数の圧縮ガス源、または一般に加圧流体源の使用を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示の根底にある技術的な課題は、車両に適した保護デバイスを提供し、既知の技術に関連する上述した欠点を克服できるようにし、かつ/またはさらなる利点を実現できるようにすることである。特に、技術的な課題は、形状をアプリオリに制御可能であり、保護デバイスを関連の車両部分にできるだけ適したものにすることができるように設計された膨張可能部材を備える保護デバイスを提供することである。さらに、本開示の根底にある技術的な課題は、前記保護デバイスを含む車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのような技術的な課題は、独立請求項1で定義した車両使用者を保護するための保護デバイス、請求項21に記載の車両、および請求項22に記載の製造方法によって解決される。
【0011】
本発明の主題の副次的な特徴は、その対応する従属請求項で定義される。
【0012】
本開示の範囲内では、用語「メッシュ」は、有孔であり、かつ/またはメッシュの外観を有する継ぎ当てまたは布を意味する。
【0013】
本開示の範囲内では、用語「壁」または「シート」は、それぞれのメッシュのためのカバー部材を意味し、ここで、第1の壁と第2の壁が外周で関連付けられて内腔を画定し、その内部に、互いに接続された第1のメッシュと第2のメッシュが配置される。
【0014】
本開示の一態様は、2つの向かい合う壁またはシートと、織物構造とを含むケースに関し、織物構造はさらに、第1のメッシュと、第2のメッシュと、それぞれ第1のメッシュおよび第2のメッシュに固定される両端部を有する連結部材とを含み、前記ケース内で、各メッシュがそれぞれの壁に付着して関連付けられる。
【0015】
本開示の主題には、いくつかの重要な利点がある。
【0016】
第1の利点は、前記ケースを構成する膨張可能部材を、膨張状態で任意の所望の形状およびサイズを有するように製造することができることである。実際、2つのメッシュを含む構造を内腔の中に配置することができ、連結部材の長さをアプリオリに調節し、それにより、連結部材が、膨張可能部材が膨張されたときの各点でのメッシュ間の所望の距離に対応する最大張力および/または最大伸張の状態を有する。実際上、連結部材の長さおよび最大伸張を設計段階で適切に選択することによって膨張可能部材の最大伸張を制御することができるので、膨張可能部材の形状およびサイズはアプリオリに制御および設定することができる。
【0017】
したがって、連結部材を備える2つのメッシュを含む織物構造または本体を適切に形作り、任意選択で、壁によって画定された内腔の中でのそれらの位置に従って異なる長さの連結部材を提供することによって、(2つのメッシュ間の距離に関して、かつ2つのメッシュの外周形状に関して)膨張状態で膨張可能部材が取る形状をアプリオリに決定することができる。
【0018】
さらに、連結部材によって膨張可能部材の形状を制御して、膨張可能部材を膨張させるステップ中に、内腔の内部に入る流体の流れの方向を定めるまたは抑制することができる。実際、連結部材の長さを適切に較正することによって、単一の流体源によって、例えば複数の分枝および付属部を有する関節式の形状または複雑な形状を有する膨張可能部材を膨張させることができる。すなわち、任意の形状、輪郭、または外形の膨張可能部材を提供することができる。
【0019】
膨張可能部材は、膨張状態において使用者と車両または車両の一部分の間に挿間するように意図されて、使用者と車両の間で衝突のエネルギーを吸収し、交通事故の際に、使用者が車両またはその一部分に対する強い衝突により外傷を受けるのをできるだけ防ぐ。本開示では、「車両」とは、スポーツ用も含めた任意の輸送手段を意味する。場合によって、使用者は、例えばモータサイクル運転者、パイロット、運転者、乗員でもよい。
【0020】
特にまた、任意の形状、輪郭、または外形の膨張可能部材を提供することができることにより、膨張可能部材は、膨張状態で使用者を少なくとも一部取り囲むように、および/または使用者の周りに位置するように製造することができる。
【0021】
さらに、形状制御により、膨張可能部材は、膨張可能部材から独立しており、膨張状態での膨張可能部材の形状に適合する形状を有する他の保護デバイスまたは部材に容易に結合させることができる。
【0022】
例えば、同じ長さを有する連結部材を利用することによって、平坦なプレート形のマットのような形状を有する膨張可能部材を製造することができ、これは、例えば鋭利な物体に対する追加の保護を提供するために車両と保護デバイスの間に挿間することができる剛性プレートなどの平坦な部材と容易に結合させることができる。
【0023】
本開示の別の態様によれば、連結部材は、膨張状態での膨張可能部材の伸張の制限を保証して、嵩張りの減少、特に厚さの制限を提供し、それに伴って使用者の適切な保護を保証する。
【0024】
そのような嵩張りの減少は、膨張可能部材が予期せず膨張した場合に、車両運転中に使用者の不快感および危険を減少させることができるようにする。すなわち、膨張可能部材の伸張が制限されることで、使用者による車両の制御を妨げず、したがって予期せず膨張した場合でも事故の危険をもたらさない。
【0025】
また、適切な保護は、人員保護デバイスが局所衝撃または過圧に対して十分な耐性を有することによるものである。実際、連結部材の1つが断裂した場合、ただ1つの連結部材の断裂であれば、膨張可能部材の所望の伸張制限は損なわれず、そのような制限は、いずれにせよ他の連結部材によって保証される。
【0026】
さらなる利点は、膨張可能部材の形状を制御することによって、膨張可能部材の膨張に必要なガスまたは流体の量も制御する(特に制限する)ことができることである。
【0027】
さらなる利点は、連結部材が、メッシュに安定して接続されることによって、衝突または落車の瞬間の打撃により局所圧力が生じた場合でさえ高い強度を提供することにある。実際、局所圧力は、互いに協働する複数の連結部材により、膨張可能部材のより広い表面にわたって再分散される。
【0028】
さらなる利点は、2つのメッシュを含む好ましくは事前製造された構造が、2つの向かい合わされた壁の間に収容され、次いで壁が外周に沿って封止されるので、デバイスの製造が非常に簡単であることである。この方法(プロセス)は、特に複雑な製造ステップまたは複雑な機器を必要としない。
【0029】
さらに、本開示による保護デバイスは、ミリ秒(ms)のオーダー、より詳細には10〜500msの間、好ましくは10〜200msの間で非常に急速に膨張させることができ、より好ましくは0.5〜3barの間の過圧に達する。
【0030】
これに関連して、一実施形態では、人員保護デバイスは、膨張部材を作動させるための手段および/または膨張させるための手段、すなわち、予測不能な危険な事象(例えば交通事故、衝突、スリップ)を検出することができる1つまたは複数のセンサ、膨張流体源、および/または膨張可能部材の内腔を膨張流体源と接続することができる弁を含む。
【0031】
好ましくは、膨張流体源は、例えばヘリウムなど低温ガスの発生器、すなわち中に高圧でガスが保持されている容器を備える。低温ガス発生器を利用する利点は、ガスが膨張部材内で拡散するときに温度を下げて、膨張可能部材の内部に存在する残留ガスの温度を下げ、膨張可能部材を膨張状態で維持するのを促進することである。
【0032】
また、同じ内腔の内部で複数の構造を利用することができ、各構造が、2つのメッシュを含み、任意選択で異なる長さの連結部材を有し、それにより膨張可能部材自体の様々な部分で膨張可能部材の異なる伸張を可能にする。前記複数の構造は、壁によって形成される内腔に挿入される前に互いに接続される。
【0033】
好ましい実施形態では、連結部材は可撓性タイプであり、したがって、膨張可能部材の膨張に応じて、必要であれば湾曲させる、または張力をかけることができる。好ましくは、連結部材は、膨張可能部材が非作動収縮状態にあるときには、張力がかかっていない状態にあり、好ましくは前記内腔の中で弛まされており、一方、膨張可能部材が膨張状態にあるときには、応力、特に引張応力を受けるように、適切にサイズ設定される。この実施形態は、収縮状態での膨張可能部材の嵩張りを最小限にできるようにする。
【0034】
一実施形態では、連結部材は、の形状を有し、2つのメッシュによっていわゆる3D(3次元)またはダブルニット布地を形成する。この実施形態は、比較的高い表面密度で多数の連結部材を分布させることができるようにして、膨張可能部材の形状の十分な制御、および必要であれば膨張可能部材の伸張の十分な制限を可能にする。好ましくは、各(連結要素の機能を有する)が、前記第1および第2のメッシュの一方から延び出て、前記第1および第2のメッシュの他方と一体に連続的に織り合わされる。実質的に、これは、メッシュを形成するどうしの連続的な織合せである。
【0035】
一実施形態では、各壁が、それぞれのメッシュに関連付けられ、例えば接着され、関連付けられたメッシュよりも大きい表面広がりを有する。外周で、各壁は、メッシュよりも広がり出た周縁部を有し、縁部が互いに気密に接合される。この実施形態には、膨張可能部材を製造するステップを単純化するという利点がある。
【0036】
一実施形態では、第1のメッシュは、例えば縫合せによって、外周で第2のメッシュと直接接触して固定される。この実施形態には、膨張段階での膨張可能部材の強度の改良を可能にするという利点があり、壁の破断および引裂けの危険を減少させ、膨張可能部材が、膨張段階中に、膨張可能部材内部で生じる圧力波に外周区域で十分に耐えることができるようにする。
【0037】
一実施形態では、連結部材は弾性である。弾性には、(弾性変形制御によって)連結部材の張力の制御を可能にするという利点があり、したがってさらに、膨張状態での膨張可能部材の形状を制御することができる可能性、および(変形していない状態に戻すことによって)後の膨張可能部材の収縮を容易にすることができる可能性もある。
【0038】
一実施形態では、膨張可能部材は、膨張可能部材のそれぞれの表面部分に関連付けられた補強層を備える。好ましい実施形態では、補強層は、メッシュと、それに関連付けられたそれぞれの壁との間に挿間される。保護デバイスが車両内に配置されるとき、前記補強層は、力集中が生じることがある領域に面する。すなわち、補強層は、膨張可能部材の内腔と鋭利な物体との間に挿間される。
【0039】
補強層は、この例では、例えばポリウレタンマトリックス中のガラス繊維または炭素繊維などの材料のシートであり、したがって車両内で保護デバイスを位置決めする際の不便はない。しかし、膨張可能部材は、膨張状態になったときに膨張可能部材自体による引張応力下にあり、したがってより剛性の挙動をする。特に、補強層があると、鋭利な物体による貫通に対する強度を高めることができるので有利である。(例えば鋭利な物体に対する衝突により)補強層に作用する力集中は、補強層によって、膨張可能部材のより広い表面で再分散される。
【0040】
すなわち、力集中による膨張可能部材の局所変形が減少され、したがって保護デバイスの保護能力が高められる。なぜなら、使用者の身体に当たるほどまで、または内腔を貫通するほどまで前記鋭利な物体が膨張部材を変形することができる可能性が減少されるからである。さらに、補強層があると、膨張可能部材が完全には膨張されていないときでさえ、膨張可能部材の良好な保護効果を保証する。
【0041】
本開示の主題の他の利点、特徴、および操作ステップは、例として与え、限定する意図はないそのいくつかの好ましい実施形態の以下の詳細な説明で明らかになろう。しかし、各実施形態が上に列挙した利点の1つまたは複数を有することができることは明らかである。いずれにせよ、各実施形態が、列挙した利点をすべて同時に備える必要はない。
【0042】
添付図面の各図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】収縮状態での本開示による保護デバイスを含む車両の側面図である。
【図2】図1の車両の部分上面図である。
【図3】保護デバイスが膨張状態である図1の車両の側面図である。
【図4】図3の車両の部分上面図である。
【図5】図3の保護デバイスの、拡大された部分側断面図である。
【図6】図5の詳細VIの拡大図である。
【図7】図5の保護デバイスの拡大された部分上断面図である。
【図8】収縮状態での本開示による保護デバイスを含む車両の斜視図である。
【図8A】保護デバイスが膨張状態である図8の車両の斜視図である。
【図9】保護デバイスが収縮状態である図8の車両の前面図である。
【図9A】保護デバイスが膨張状態である図8の車両の前面図である。
【図9B】関連のハウジング内に収容された、収縮状態での保護デバイスを含む車両の前面図である。
【図9C】膨張状態での保護デバイスを含む車両の前面図である。
【図10】膨張状態での本開示による別の保護デバイスを含む車両の斜視図である。
【図11A】車両の座席に関連付けられた、膨張状態での本開示による他の保護デバイスを含む車両の斜視図である。
【図11B】車両の座席に関連付けられた、膨張状態での本開示による他の保護デバイスを含む車両の斜視図である。
【図11C】車両の座席に関連付けられた、膨張状態での本開示による他の保護デバイスを含む車両の斜視図である。
【図12】図7の保護デバイスのXII−XII線に沿った断面図である。
【図13】図7の保護デバイスのXIII−XIII線に沿った断面図である。
【図14】図12の詳細XIVの拡大図である。
【図15】図12の詳細XVの拡大図である。
【図16】本開示による保護デバイスを製造するための方法の第1のステップの概略図である。
【図17】本開示による保護デバイスを製造するための方法の第2のステップの概略斜視図である。
【図18】図17の保護デバイスのXVIII−XVIII線に沿った拡大された詳細断面図である。
【図19】部品を切り離した状態での本開示による保護デバイスを示す図である。
【図20】図19の詳細XXを示す図である。
【図21】本開示による保護デバイスを製造するための方法の第3のステップを示す概略側面図である。
【図22】本開示による保護デバイスを製造するための方法の第4のステップを示す概略側面図である。
【図23】本開示による保護デバイスを製造するための方法の第1のステップを示す斜視図である。
【図24】本開示による保護デバイスを製造するための方法の別のステップを示す部分斜視断面図である。
【図25】本開示による保護デバイスを製造するための方法のさらに別のステップを示す概略部分側断面図である。
【図26】さらなる実施形態による本開示による保護デバイスの断面図である。
【図27】本開示による保護デバイスを製造するための方法のステップを示す部分斜視断面図である。
【図28】本開示による保護デバイスを製造するための方法の別のステップを示す概略部分側断面図である。
【図29】図27および図28の方法によって得られる保護デバイスの、収縮状態での側断面図である。
【図30】膨張状態での図29のデバイスの側断面図である。
【図31】さらなる実施形態による図7の保護デバイスのXII−XII線に沿った側面図である。
【図32】図31の保護デバイスの詳細XXXIIの拡大図である。
【図33】図31の保護デバイスの詳細XXXIIIの拡大図である。
【図34】さらなる実施形態による図7の保護デバイスのXIII−XIII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
添付図面を参照すると、本開示による保護デバイスが、本明細書で以後説明するそれぞれの実施形態に従って、参照番号10、110、120、130、140、150で表されている。
【0045】
第1の実施形態の保護デバイス10は、第1の車両、この例ではモータサイクル1に関連付けられるように適合されており、他の実施形態の保護デバイス110、120、130、140、150、170は、第2の車両、この例では自動車100に関連付けられるように適合されている。
【0046】
保護デバイス10、110、120、130、140、150は、それぞれの車両1、100の関連するハウジング3、4、5、63、64、65内に配置され、実質的に、前記ハウジング3、4、5、63、64、65内に隠れた第1の非作動状態または収縮状態と、第2の作動状態または膨張状態とを取るように適合され、膨張状態では、保護デバイス10、110、120、130、140、150、170は、図3、4、8A、9A、9C、10、11A、11B、11Cに示されるようにハウジング3、4、5、63、64、65から飛び出ている。本説明では以後、保護デバイス10、110、120、130、140、150、170の膨張および作動形態を説明する。
【0047】
モータサイクル1用の保護デバイス10は、ハンドルバー8の近くのハウジング3内に配置され、例えばシャーシまたはタンクの上部に提供されるハウジング3内に配置される。膨張時、保護デバイス10はそれ自体、モータサイクル使用者の前の領域、すなわちハンドルバーの上、タンクの上、およびヘッドライトの上に位置する。
【0048】
自動車100用の保護デバイス110は、車の屋根とサイドパネル(壁)の間のハウジング4内に配置される。膨張時、保護デバイス10は飛び出て、それ自体、屋根とドアサイドの両方に位置する。
【0049】
自動車100用の保護デバイス120は、ハンドル81および/またはダッシュボード82の下にあるハウジング5内に配置される。膨張状態では、保護デバイス120は、ダッシュボード82の底部に対する前面衝突から使用者(運転者または乗員)の脚および膝を保護する。
【0050】
自動車100用の保護デバイス130、140、150は、ヘッドレスト83の側部、座席86の背もたれ84の側部、および座席86の座部85の側部にそれぞれ提供されるそれぞれのハウジング63、64、65内に配置される。好ましくは、前記ハウジング63、64、65およびそれぞれの保護デバイス130、140、150は、ヘッドレスト83および座席86の両側に配置される。
【0051】
膨張状態では、保護デバイス130、140、150は、それぞれのハウジング63、64、65から飛び出して、それらの平坦な制御された形状により、使用者の脇、すなわちそれぞれ使用者の頭部、胴部、および膝の脇に容易に位置し、側面衝突から使用者を保護する。
【0052】
本質的には、保護デバイス110、120、130、140、150は、衝突が生じ得るすべての側部で使用者を「包む」ように適合される。
【0053】
図9Bおよび図9Cに、保護デバイス170が、車両に関連付けて、特に自動車100の屋根に提供されたそれぞれのハウジング171内に配置されて示されている。
【0054】
保護デバイス170は、膨張されるとき、車の屋根全体をほぼ覆い、とりわけ自動車100の転覆の場合に、使用者の効果的な保護として働く。
【0055】
図面に示される保護デバイス10、110、120、130、140、150、170は例示的なものである。実際には、車両1、100は、前記デバイスのいくつかのみを設けられることがあり、または図示されるものとは異なる形状および/または位置を有する保護デバイスを設けられることがあることを理解されたい。
【0056】
保護デバイス10、110、120、130、140、150、170は、全体的な形状によって区別され、形状は、それぞれが関連付けられる特定の車両のタイプに応じて、かつ車両1、100内の保護すべき領域に従って選択される。残りの態様に関しては、保護デバイス10、110、120、130、140、150、170は、ほぼ同じ構造部材を含む。
【0057】
このため、本開示を分かりやすくするために、本明細書では以後、保護デバイス10のみについて言及するが、同じ説明が保護デバイス110、120、130、140、150、170にも同様に有効であることを理解されたい。
【0058】
図面、特に図5および図6、ならびに図12〜図22を参照すると、保護デバイス10は、膨張流体、例えばヘリウムなどの低温ガスの導入によって膨張可能な膨張可能部材2を備える。膨張可能部材2は、内腔を形成するために離隔して配置された2つの壁21、22を含み、この例では前記ガスに対して不透過性の材料からなる。具体的には、壁21、22は互いに関連付けられ、この例では気密に固定されて、前記内腔25を形成する。
【0059】
また、膨張可能部材2は、織物構造、いわゆる二層構造を含み、具体的には図16〜図22に参照番号31で表され、これは内腔25内に収容される。
【0060】
構造31は、互いに向かい合わされて複数の連結部材27によって接続された、実際上2層を形成する2つのメッシュ29、30を含む。
【0061】
実際上、2つの壁21、22は、2つのメッシュ29、30を含む構造が収容されるケースを形成する。特に、各メッシュ29、30は、それぞれの壁21、22に関連付けられる。
【0062】
用語「連結部材」27は、膨張可能部材2の2つ以上の部分を接合させる、または拘束して、または動かないように保つ機能を有する部材または実体を意味し、前記連結部材は、少なくとも膨張可能部材2が膨張状態のときに引張応力によって引張られる。
【0063】
この例では、連結部材27は、状タイプであり、可撓性があり非伸張性の部材である。したがって、連結部材27は、膨張可能部材2が非作動状態にあるときには、好ましくは張力がかかっておらず、内腔25内で弛まされており、一方、膨張可能部材2が膨張状態にあるときには、図12および図13に例として示されるように引張応力を受けるように、適切にサイズ設定される。
【0064】
さらなる実施形態では、連結部材27は、状タイプであり可撓性であるのに加えて、弾性部材である。したがって、連結部材27は、膨張可能部材2が非作動状態にあるときには、好ましくは張力がかかっておらず、または場合によってはわずかな張力のみを受けており、一方、膨張可能部材2が膨張状態にあるときには、最大伸張および最大張力に達するまで張力を受けるように、適切にサイズ設定される。特に、図面では、連結部材27は単に例として例示的な密度で描かれているが、本開示によれば、連結部材27は、膨張可能部材2内に密に分散され、その密度は例えば、膨張可能部材2の表面で1cm当たり少なくとも1つの連結部材、より好ましくは、やはり例として、膨張可能部材2の表面で1cm当たり1〜15本の、好ましくは1cm当たり4〜6本のといったものが有利である。
【0065】
図12および図13に示される区域を見れば、連結部材27が、内腔25内でほぼ一様に分散されていることが分かる。
【0066】
上述したように、この例では、連結部材27は、可撓性の連結要素であり、の形状であり、例えば厚さが約500〜約1000デシテックス(連続またはヤーンの長さの単位)のポリエステルまたはポリアミドからなり、連結部材27が接続されるメッシュ29、30のそれぞれの部分に固定された端部27a、27bを有する。より詳細には、各27は、それぞれのメッシュ29、30の一点から延び出ている撚り合わせていない連続する繊維の束を含む。
【0067】
図示される例では、各メッシュ29、30は、それぞれの壁21、22のほぼ全体に裏張りされるように広がっている。
【0068】
本質的には、膨張可能部材2は、2つのメッシュ29、30と、この例ではガスに不透過性である2つの壁21、22またはシートとを含む事前製造された構造または本体を含む。壁21が一方のメッシュ29の側に配置され、他方の壁22が他のメッシュ30の側に配置される。
【0069】
より具体的には、一方のメッシュ29が、接着剤または縫い目、または同様の固定手段によって、それらの外周281でメッシュ30に直接接触して安定に固定される。
【0070】
連結部材27は、それぞれのメッシュ29、30に安定に固定された両端部27a、27bを有する。連結部材27の両端部27a、27bでの固定は、例えば、メッシュ29、30の緯糸間に連結部材27を単に挿入する、または織り合わせることによって実現される。
【0071】
実際上、図面に示される例では、連結部材27は所定の本数のから形成され、これらのは、交互に、一方のメッシュ29に固定され、次いで他方のメッシュ30に固定される。すなわち、各は、第1のメッシュ29の緯糸の下に通され、反対側のメッシュ30に向けられ、同様に反対側のメッシュ30につながれ、以下同様にして固定される。
【0072】
あるいは、連結部材27は、接着剤、織合せ、または結び付け、または同様の固定手段によってメッシュ29、30に接続される。
【0073】
あるいは、連結部材27がメッシュの経糸または緯糸部分を構成し、これがメッシュ29、30から延び出て、他方のメッシュ30、29に織り合わさる。実際上、構造31は、2つのメッシュ29、30の編織と、メッシュ自体の経または緯によるメッシュ29、30の接続とによって提供される。
【0074】
あるいは、各連結部材27は、前記第1および第2のメッシュ29、30の両方と一体に織り合わされるか、またはそれらから連続的に延びるである。実際上、/連結部材27は、前記第1および第2のメッシュ29、30の一方から延び出て、前記第1および第2のメッシュ29、30の他方と一体に織り合わされる。
【0075】
2つのメッシュ29、30と連結部材27との組が、いわゆる3D(3次元)またはダブルニット布地を形成する。
【0076】
また、メッシュ29および30は、ポリエステルまたはポリアミドからなる。
【0077】
2つの壁21、22またはシートは、柔軟な気密材料、例えばポリアミドやポリウレタンのシートからなる。2つの壁21、22は、互いに向かい合わされ、それらの外周縁部23、24に沿って外周で固定される。
【0078】
さらなる実施形態では、壁21、22は、(図19および図20で一部を見ることができる)積層からなり、これは一般に衣類裏当てとして使用され、(積層の約65%b/wを表す)布地層22a、この例では100%ナイロンと、(積層の約35%b/wを表す)接着剤層22b、この例では接着剤フィルム、例えばポリウレタン接着剤とを含み、接着剤はローラで延ばすことによって布地層22a上に分散されている。
【0079】
より詳細には、各メッシュ29、30は、(図12、13、14、および15には図示せず、例えば図19に参照番号15、16によって表される)接着剤フィルムによって、または縫い目によって、または同様の固定手段によってそれぞれの壁21、22の表面に安定に固定される。
【0080】
積層を使用する場合、接着剤フィルムは、積層の接着剤層22bと接触して配置される。
【0081】
ここまで説明した本開示による保護デバイス10は、以下のようにして製造される。
【0082】
まず、1対のメッシュ29、30が、向かい合わせの位置で、所定の距離で事前配置され、それらに連結部材27の端部27a、27bが結び付けられる、または他の方法で固定される。前記連結部材27の長さは、膨張状態での膨張可能部材2の最大局所伸張に対応するメッシュ29、30間の最大相互距離Dを決定するように選択される。
【0083】
次いで、そのようにして得られた、メッシュ29、30および連結要素27を含む構造31が、2つの壁21、22の間に挟まれ、すなわち内腔25の内部に配置される。メッシュ29、30の間には、好ましくは、膨張用のガスキャニスタ60も配置される。
【0084】
2つの壁21、22は、メッシュ29、30よりも広がり出た外周部分23、24を有する。実際上、2つの壁21、22は、それぞれのメッシュ29、30よりも大きい表面広がりを有し、それにより外周部分23、24は、メッシュ29、30を間に挟まずに互いに接続させることができる。
【0085】
前記外周部分23、24は、構造31を含むとともに内腔25を気密にするように、外周縁部28に沿って例えば熱封止によって互いに安定に封止接続される。
【0086】
さらに、壁21、22は、例えばホットプレス接着によってそれぞれのメッシュ29、30に固定される。特に、メッシュ29、30の外面全体がそれぞれの壁21、22に固定される。すなわち、各メッシュ29、30がそれぞれの壁21、22に裏張りされる。
【0087】
より具体的には、図16〜図22を参照すると、この方法は、メッシュ29、30を備える構造31を提供することを企図しており、メッシュ29、30に、上述したのと同様に連結部材27の端部27a、27bが結び付けられる、または他の方法で固定される。図16では、構造31は、連結部材27の存在を理解できるようにわずかに膨張した状態で図示されており、説明を分かりやすくするためにほぼ矩形の外形で示されている。しかし、構造31が、提供すべきそれぞれの膨張可能部材2とほぼ等しい形状およびサイズを有することは明らかである。さらに、連結部材27の長さは、膨張状態でのそれぞれの膨張可能部材2の最大局所伸張に対応するメッシュ29、30間の最大相互距離Dを局所的に決定するように選択される。
【0088】
メッシュ29の縁部44は、そこに対面するメッシュ30のそれぞれの縁部46に縫い合わされる(図17に47によって示される縫い目線)。図16および図17で、縫合せ操作は針49によって例示されるが、機械または当業者に慣用の他の機器によって縫い目47を形成することができることを強調しておく。縫い目線47は、実質的に構造31の外周281をたどる。
【0089】
より詳細には、この例では、縫い目47は直線縫い目であり、例えばポリアミドからなるで形成され、2〜3ステッチ/cmである(すなわち、約3〜5mmの間での縫い目ピッチ)。
【0090】
縫い目47を完成させる前に、収縮弁(図示せず)に接続するための管路43が、メッシュ29、30の間に挟まれる。キャニスタ60が内腔25の外部に配置される場合、キャニスタ60に接続するためのカニューレ(図示せず)も、管路43と同様にメッシュ29、30の間に挟むことができる。
【0091】
図18に縫い目47の詳細が示され、縫い目が、2つのメッシュ29、30に横方向に交差して、それらを相互に直接接触させて固くつなぎ合わせている様子が明瞭に分かる。
【0092】
構造31は、柔軟な気密材料、例えばポリウレタンやポリアミドからなるシート21、22、または前記上述した積層の間に閉じ込められ、ここでシート21、22は前記構造31よりも大きい表面広がりを有する。
【0093】
この例では、シート21および22は、付着および相互接着を促進させるために(例えば約140℃〜180℃の間に含まれる温度で、好ましくは約150℃で動作する)ホットプレス160を利用して、接着剤フィルム、この例では参照番号15、16によって表される約100μmの厚さを有するポリウレタンフィルムによってそれぞれのメッシュ29、30に接着される。
【0094】
特に、図19に示されるように、各接着剤フィルム15、16は、構造31のメッシュ29、30とそれぞれのシート21、22の間に挟まれる。
【0095】
より詳細には、各接着剤フィルム15、16は、ホットプレス160によって、図21に示される方法の第1のステップでそれぞれのシート21、22に固定されて、複合層21’、22’を形成する(図22)。上述した積層が利用される場合、接着は、積層の接着剤層22bの側に接着剤フィルム15、16を配置することによって行われる。
【0096】
その後の段階で、構造31が、(外周縫い目47が形成された後に)2つの複合層21’、22’の間に挟まれる。
【0097】
メッシュ29、30が挟まれていない複合層21’、22’の周縁部123、124は、互いに気密に直接接着される。
【0098】
積層の使用が申し分のない結果を与えることが判明した。特に、接着剤フィルム15、16は、積層との高い付着性を有する(接着は接着剤層22bと直接行われる)。さらに、他方の側からの接着剤フィルム15、16がメッシュ29、30に浸入して、メッシュ29、30の孔を充填する。
【0099】
したがって、メッシュ29、30の孔に接着剤フィルム15、16が分散することにより、封止を損なわずに、膨張可能部材2の高い不透過性が保証される。
【0100】
さらに、積層は、非常に軽量であり、それと共に膨張可能部材2に高い強度を与える。さらに、積層の布地層22aは非伸張性の布地であり、これは機械加工ステップ中に泡発生を妨げる。
【0101】
さらに、布地層22aは、可撓性があり、プレス160での固定中に接着剤フィルム15、16と積層自体の間で生じる相互変位に適合する。
【0102】
また、構造31の2つのメッシュ29、30が、上述した縫い目47によって互いに外周で直接固定されることに留意すべきである。すなわち、メッシュ29、30は、連結部材27によって互いに接続されるだけでなく、この例では外周縫い目47によっても外周で直接接触して固定される。
【0103】
縫い目47、またはメッシュ29、30の同様の外周固定には大きな利点がある。特に、膨張可能部材2が(ミリ秒のオーダーの膨張時間で)突然膨張されるとき、膨張可能部材の内部で局所圧力波が生じ、これは3バールよりも高いことさえある。
【0104】
縫い目47の存在により、膨張可能部材2の内部で発生した圧力が一様になるまで、縫い目47全体に沿って圧力分散または分配が行われる(例えば(大気圧に対する)過圧は場合によって0.5バール〜3バールの間になる)。
【0105】
したがって、縫い目47は、シート21、22の縁部23、24が接合される膨張可能部材2の1つまたは複数の外周区域における過剰な圧力波に対する障壁となり、前記縫い目47は、圧力再分散を促進して、生じ得るシート21、22の破断を防止できるようにする。
【0106】
さらに、機械加工ステップ中にメッシュ29、30が互いに対して移動しないので、縫い目47は、製造の観点からも実用的な利点があることが認められる。
【0107】
さらなる実施形態では、上述した膨張可能部材2は、壁22とそれぞれのメッシュ30の間に挿間された補強層230(図26)を備える。
【0108】
この例での前記補強層230は、複合材料(例えばポリウレタンマトリックス中のガラス繊維または炭素繊維)のシートまたは箔からなり、厚さが数ミリメートル(例えば2mm)であり、表面広がりは壁22よりも小さく、保護すべき領域と等しい。前記補強シート230は、例えばポリウレタン接着剤(図26には図示せず)によってそれぞれの壁22とそれぞれのメッシュ30に固定され、それらの間に挿間される。そのような補強層230は、膨張可能部材2を製造する上述のステップ中の適切な時点で挿入することができる。
【0109】
本開示の別の態様によれば、保護デバイス10、110、120、130、140、150は、任意の1つの形状または外形に従って製造することができる。
【0110】
従って、例えば図3〜図7で見ることができる形状を有する膨張可能部材2など、任意の形状の膨張可能部材を制御下で膨張させることができる。特に、説明する例では、膨張可能部材2は、ほぼ十字形状を有し、4つの領域2a、2b、2c、2dを備える。すなわち、
− ハンドルバー8の右側に配置されるように意図された第1の領域2aと、
− 十字の中心に対して第1の領域2aと反対側の部分に位置され、ハンドルバー8の左側に配置されるように意図された第2の領域2bと、
− ハンドルバー8の中心で、モータサイクル1のヘッドライトの上方に配置されるように意図された第3の領域2cと、
− 十字の中心に対して第3の領域2cと反対側の部分に位置され、モータサイクル1のサドルに配置されるように意図された第4の領域2d。
【0111】
領域2a、2b、2c、2dは、部材2および単一の内腔25を形成するように、互いに空気圧式に接続される。
【0112】
より具体的には、本明細書で以後、図23、図24、図25を参照して、保護デバイス10、110、120、130、140、150を製造するための方法を説明する。
【0113】
この別の実施形態に関し、前述した実施形態と同じ機能および構造を有する部材には同じ参照番号が付されており、したがって繰り返し詳述はしない。
【0114】
初めに2つの構造331が提供され、それぞれ1対のメッシュ29および30、329および330を含み、メッシュには連結部材27の端部27a、27bが結び付けられる、または他の方法で固定される。各メッシュ29、30、329、330は、提供すべき膨張可能部材2のそれぞれの部分2a、2b、2c、2dとほぼ等しい形状およびサイズを有する(図23では、例えば第3の部分2cを形成するように意図された1対のメッシュ29、30と、第1の部分2aおよび第2の部分2bを形成するように意図された1対のメッシュ329、330とが示される)。さらに、連結部材27の長さは、各対のメッシュ29および30、329および330の間の最大相互距離Dを決定するように選択され、これは、膨張状態での膨張可能部材2のそれぞれの部分の最大局所伸張に対応する。
【0115】
メッシュ29の縁部342は、メッシュ329のそれぞれの縁部343に縫い合わされ、同様に、それぞれの反対側の縁部30、330の縁部344と縁部345が縫い合わされる(図23および図24に参照番号346で表される縫い目線)。したがって、メッシュの対29と329、30と330が互いに接合され、実際、それぞれメッシュ29と329または30と330の表面の合計に等しい表面を有する、連結要素27を備えた単一の本体331aが得られる。製造すべき膨張可能部材2のそれぞれの部分、および膨張状態で許容されるその最大厚さに従って、第1の対のメッシュ29および30の連結要素27は、第2の対のメッシュ329および330の連結要素27とは異なる長さを有することがあることに留意しなければならない。
【0116】
そのようにして得られた単一の本体331aの周縁または外周縁部347に沿って、各対のメッシュ29、329が、それぞれの向かい合うメッシュ30、330に縫い合わされる(参照番号348で表される縫い目線)。図23では、縫合せ操作が針349を用いて示されているが、縫い目346、348を機械製造する、または他の形態で形成することもできることが明らかである。
【0117】
そのようにして得られた単一の本体331aは、例えばポリウレタンやポリアミドなど柔軟な気密材料からなる、またはいわゆる積層からなる壁またはシート21、22(図24)の間に閉じ込められ、壁またはシート21、22は、前記単一の本体331aよりも大きい表面広がりを有する。この例では、シート21および22は、付着および相互接着を促進するために、(例えば約150℃の温度で動作する)ホットプレス360を利用して、ポリウレタン接着剤によってそれぞれのメッシュ29、30、329、330に接着される。単一の本体331aを形成するメッシュ29、30、329、330が挟まれていないシート21および22の周縁部23、24は、シート21、22自体の外周全体にわたって互いに封止されて気密に接着される。したがって、外被としてのシートまたは壁21および22と、それぞれ壁21、22に内側から付着するメッシュ29および30、329および330との両方を備える膨張可能部材2が提供される。
【0118】
任意選択で、図27〜図30を参照すると、接着ステップで、例えばポリウレタンマトリックス中のガラス繊維または炭素繊維などの材料からなる補強層230を、メッシュ29、30、329、330とそれぞれのシート21、22との間に配置することができる。また、前記補強層230は、(プレス360の作用下で)ポリウレタン接着剤231によって接着することができる(図28)。
【0119】
好ましくは、シート21および22は、ある程度の弾性を示し、したがって膨張中に変形することができ、例えば図30に示されるように互いに異なる長さの連結部材27を有する場合に第1の対のメッシュ29、30と第2の対のメッシュ329、330との異なる伸張を可能にする。
【0120】
図31〜34を参照すると、さらなる実施形態による膨張可能部材2が示される。
【0121】
この別の実施形態に関し、前述した実施形態と同じ機能および構造を有する部材には同じ参照番号が付されており、したがって繰り返し詳述はしない。
【0122】
より正確には、図31〜図34に示されるように、膨張可能部材2は、例えばポリアミドやポリウレタンからなる柔軟な気密材料のシートからなる、またはいわゆる積層によって形成された少なくとも前記2つの壁21、22を備え、それらは互いに向かい合い、封止縁部によって、上述した外周縁部23、24に沿って外周で固定されている。封止縁部は、好ましくは三重層のテープ32を含み、膨張可能部材2の壁21、22に付着するための付着剤層と、少なくとも1つの中間ポリウレタンフィルムと、(下にあるポリウレタンフィルムを保護するための傷防止機能を有する)メッシュの外層とを備える。
【0123】
より詳細には、テープ32が、2つの向かい合うヘム33、34を形成するために長手方向で折り曲げられる。特に、テープ32は、前記向かい合うヘム33および34の間に、壁21、22の重畳縁部23、24の対を受け入れる。
【0124】
テープ32のヘム33、34は、1つまたは複数の縫い目線35によって互いに縫い合わされて、また、図30に示されるように、それらの内側に壁21、22の重畳縁部23、24を固定する。さらなる縫い目線36がテープ32の近くに提供されて、テープ32を固定する前に、壁21、22の重畳縁部23、24とメッシュ29、39を安定に接合する。気密性を保証するために、縫い目35および36は当業者が実質的に把握している形態に従ってテープで留められる(例えば熱着テープで留められる)。
【0125】
縫い目35、36により、前述の縫い目47に関連して説明したものと同様の利点を得ることができる。
【0126】
上の説明から、最終的には、2つの壁21、22が、向かい合わされ、それぞれの外周縁部23、24に沿って固定された膨張可能部材2の2つの部材またはシートとなることが分かる。いずれにせよ、2つの壁21、22が、本のように折り畳まれた1枚のシートの向かい合う部分となる、したがって外周の一部分に沿って延在する周縁部を有してそこで封止テープによって閉じられることに障害はない。
【0127】
さらに、この実施形態は、前述した実施形態に関連付けて製造することができる。したがって、膨張可能部材2が、例えば図15に示される周縁部23、24の直接接着に加えて、縁部にテープ32も含むことに障害はない。
【0128】
膨張可能部材2の膨張を行うために、使用者または使用者が乗車している車両1、100において交通事故および/または落車および/またはスリップおよび/または衝突が発生した場合に、本開示による保護デバイス10、110、120、130、140、150は、作動および膨張させるための適切な手段と協働するように適合される。そのような手段のうち、図面には単に例として、例えば膨張可能部材2の内部に配置されたヘリウムキャニスタ60(低温ガス発生器)が示されている。
【0129】
あるいは、そのような手段は、火薬技術タイプもしくはハイブリッドタイプのガスの発生器、または当技術分野で知られている他のタイプの発生器を備えることができる。
【0130】
前記膨張手段は、制御ユニットによって、車両/使用者システムの状態の検出に基づいて制御される。例えば、モータサイクル1の場合、前記制御ユニットが、落車予測システムを実装することができ、この落車予測システムは、車両(または使用者)と一体の加速度センサと、センサ自体によって生成される信号を処理するためのユニットとによって、落車事象の適時認識および高い信頼性での落車予測を可能にする。
【0131】
代替形態として、本開示によるデバイスは、モータサイクル1に接続された作動ケーブルを利用することによって適用することもでき、このケーブルは、モータサイクル1から使用者が落ちた後に、例えば落車または衝突後に、膨張可能部材2の膨張を作動させる。
【0132】
いずれにせよ、上述した作動および膨張手段は、本開示による保護デバイス10、110、120、130、140、150内に組み込むことができ、またはその外部に位置させることができる。
【0133】
自動車100の場合、膨張手段は、制御ユニットによって、例えば既知の技術のエアバッグの作動のために既に採用されている形態に従って、自動車100の走行状態および減速状態の検出に基づいて制御される。
【0134】
また、作動形態は、デバイスの効果的な動作に特に重要な側面ではあるが、当業者に基本的に既に知られている方法であるので、さらに詳述はしないことに留意されたい。
【0135】
保護デバイス10は、任意選択で、一方の側で内腔25と連絡し、他方の側で外部環境と連絡する収縮弁(図示せず)を備え、作動後、保護作用がもはや必要なくなったときに膨張可能部材2の収縮を可能にする。
【0136】
通常は閉じた位置にある前記収縮弁は、特に予期せぬ作動または衝突によるデバイス10の作動後、使用者が車両の使用を再開することを望むときに、例えば使用者によって手動で開かれる。実際、収縮弁を開放することで、膨張部材2と外部環境の圧力差によりガスが内腔25から流出し、部材2が収縮される。弾性特性を有する連結部材27は、それぞれのメッシュ29と30、329と330を互いに引き寄せることによって前記収縮に助力することができる。
【0137】
代替形態として、収縮弁の作動は、電子制御ユニット(図示せず)によって制御することができ、電子制御ユニットは、膨張手段の作動後、所定の時間(例えば15秒)が経過すると収縮弁45を開く。
【0138】
さらなる実施形態によれば、収縮弁の代わりに、提供すべき収縮時間に応じて較正された直径を有する収縮カニューレが利用される。
【0139】
ここまで、本開示の主題を、その好ましい実施形態を参照しながら説明してきた。他の実施形態があり得、それらすべてが本発明の概念の範疇にあり、すべて添付の特許請求の範囲の保護範囲内にあることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに向かい合わされ、内腔(25)を形成するように関連付けられた第1の壁(21)と第2の壁(22)を含む膨張可能部材(2、2a、2b、2c、2d)と、前記内腔(25)内に収容される構造(31、331、331a)とを備える保護デバイス(10、110、120、130、140、150)であって、前記構造(31、331、331a)が、互いに向かい合わされ、複数の連結部材(27)によって接続された第1のメッシュ(29、329)と第2のメッシュ(30、330)を含み、前記第1のメッシュ(29、329)が前記第1の壁(21)に関連付けられ、前記第2のメッシュ(30、330)が前記第2の壁(22)に関連付けられ、前記デバイス(10、110、120、130、140、150、170)が、車両(1、100)の使用者を保護するためのデバイスであり、前記車両(1、100)に関連付けられるように適合された保護デバイス(10、110、120、130、140、150)。
【請求項2】
前記連結部材(27)が可撓性タイプである請求項1に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項3】
前記連結部材(27)がワイヤの形状を有する請求項1または2に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項4】
前記連結部材(27)が、それぞれの第1のメッシュ(29、329)および第2のメッシュ(30、330)の表面1cm当たり少なくとも1つの連結部材(27)という表面密度で分散されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項5】
前記連結部材(27)がそれぞれ、前記第1のメッシュ(29、329)および第2のメッシュ(30、330)の一方と連続的に織り合わされた一方の端部(27a)と、前記第1のメッシュ(29、329)および第2のメッシュ(30、330)の他方と連続的に織り合わされた他方の端部(27b)とを有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項6】
前記第1のメッシュ(29、329)および第2のメッシュ(30、330)が、外周縁部(23、24、123、124、347)に沿って直接接触して互いに接合された請求項1〜5のいずれか一項に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項7】
前記第1のメッシュ(29、329)を前記第2のメッシュ(30、330)と直接接続するように適合された外周縫い目(35、36、47、348)を備える請求項1〜6のいずれか一項に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項8】
前記縫い目(47、348)が、前記第1のメッシュ(29、329)および前記第2のメッシュ(30、330)の外周輪郭(23、24、123、124、347)をたどる請求項7に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項9】
前記縫い目(35、36、47、348)が直線状である請求項7または8に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項10】
前記第1の壁(21)および第2の壁(22)それぞれが、第1の層(21a)および第2の層(22b)を含む積層である請求項1〜9のいずれか一項に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項11】
前記第1の層が布地(22a)であり、前記第2の層(22b)が接着剤層である請求項10に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項12】
前記第1の層がナイロン布地(22a)であり、前記第2の層(22b)がポリウレタン接着剤層である請求項11に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項13】
前記第1の壁(21)と前記第2の壁(22)が、それぞれの外周縁部(28、23、24)に沿って互いに固定される請求項1〜12のいずれか一項に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項14】
前記第1の壁(21)および第2の壁(22)それぞれが、それぞれ第1のメッシュ(29)または第2のメッシュ(30)よりも大きい表面広がりを有し、それぞれ前記第1のメッシュ(29、329)および前記第2のメッシュ(30、330)よりも広がり出た前記第1の壁(21)および前記第2の壁(22)の周縁部(23、24、123、124、347)が、互いに封止接合される請求項13に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項15】
前記第1のメッシュ(29、329)および第2のメッシュ(30、330)それぞれと、それぞれの第1の壁(21)または第2の壁(22)との間に、それぞれの接着剤層(15、16)が挿間される請求項1〜14のいずれか一項に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項16】
前記接着剤層が接着剤フィルム(15、16)である請求項15に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項17】
単一の本体(331a)を形成するために互いに接続され、前記内腔(25)内に収容された複数の前記構造(331)を備える請求項1〜16のいずれか一項に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項18】
さらに、前記膨張可能部材(2、2a、2b、2c、2d)のそれぞれの表面部分(21、22)に関連付けられた補強層(230)を備える請求項1〜17のいずれか一項に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項19】
前記補強層(230)が、前記第1のメッシュ(29、329)または第2のメッシュ(30、330)の一方とそれぞれの前記第1の壁(21)または第2の壁(22)との間に挿間される請求項18に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項20】
さらに、前記膨張可能部材(2、2a、2b、2c、2d)を作動および/または膨張させるための手段(60)を備える請求項1〜19のいずれか一項に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)。
【請求項21】
ハウジング(3、4、5、63、64、65)と、請求項1〜20のいずれか一項に記載の保護デバイス(10、110、120、130、140、150、170)とを含む車両(1、100)であって、前記デバイス(10、110、120、130、140、150、170)が前記ハウジング(3、4、5、63、64、65)内に配置された車両(1、100)。
【請求項22】
保護デバイス(10、110、120、130、140、150)を製造するための方法であって、前記デバイス(10、110、120、130、140、150、170)が、車両(1、100)の使用者を保護するためのデバイスであり、前記車両(1、100)に関連付けられるように適合され、
第1の壁(21)および第2の壁(22)を提供し、内腔(25)を形成するためにそれらを離隔して配置するステップと、
前記内腔(25)内に、互いに向かい合わされ、複数の連結部材(27)によって接続された第1のメッシュ(29、329)と第2のメッシュ(30、330)を含む構造(31、331、331a)を収容するステップと、
前記第1のメッシュ(29、329)を前記第1の壁(21)に関連付け、前記第2のメッシュ(30、330)を前記第2の壁(22)に関連付けるステップと、
前記内腔(25)を取り囲むように、前記第1の壁(21)と第2の壁(22)を外周で互いに関連付けるステップと
を含む方法。
【請求項23】
前記第1のメッシュ(29)および第2のメッシュ(30)のそれぞれと、それぞれの第1の壁(21)および第2の壁(22)の間に接着剤フィルム(15、16)を含むステップを含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の壁(21)および第2の壁(22)のそれぞれが、第1の層(22a)および第2の層(22b)を含む積層であり、前記第2の層(22b)が、前記接着剤フィルム(15、16)と接触して配置される請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の層(22a)が布地層であり、前記第2の層(22b)が接着剤層である請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の層(22a)がナイロン布地であり、前記第2の層(22b)がポリウレタン接着剤層である請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の壁(21)と第2の壁(22)の間の前記内腔(25)内に前記構造(31、331、331a)を収容する前に、前記第1のメッシュ(29、329)が前記第2のメッシュ(30、330)と直接接触して外周で固定される請求項22〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の壁(21)と第2の壁(22)の間の前記内腔(25)内に前記構造(31、331、331a)を収容する前に、前記第1のメッシュ(29、329)が前記第2のメッシュ(30、330)と外周で縫い合わされる請求項22〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の壁(21)および前記第2の壁(22)が、前記第1のメッシュ(29、329)または第2のメッシュ(30、330)よりも大きい表面広がりを有するように形成され、前記第1の壁(21)および第2の壁(22)の周縁部(23、24、123、124、347)が、それぞれ、前記第1のメッシュ(29、329)および第2のメッシュ(30、330)のそれぞれよりも広がり出て、互いに封止接合される請求項22〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
複数の前記構造(331)を提供し、互いに隣接してそれらを配置するステップと、
それぞれの縁部(342、343)に沿って、前記構造(331)それぞれの隣接する第1のメッシュ(29、329)を互いに接合させるステップと、
それぞれの縁部(344、345)に沿って、前記構造(331)それぞれの隣接する第2のメッシュ(30、330)を互いに接合させるステップと、
第1の壁(21)と第2の壁(22)の間にすべての構造(331)の統合体(331a)を含むステップと
を含む請求項22〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
補強層(230)が、壁(21、22)と前記壁(21、22)に隣接するメッシュ(29、30、329、330)の間に挿間される請求項22〜30のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図8A】
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【図9】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公表番号】特表2012−511457(P2012−511457A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539164(P2011−539164)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055507
【国際公開番号】WO2010/067285
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(597121038)ダイネーゼ ソシエタ ペル アチオーニ (4)
【Fターム(参考)】