臨床検査室用の自動分析装置
臨床化学アッセイ、免疫アッセイ、核酸増幅アッセイ、および、それらの任意の組み合わせを実施することができ、反応ベッセルとしてマイクロウェルプレートおよびディープマルチウェルプレートのうちの少なくとも1つの使用する検査室自動化システム。反応ベッセルとしてマイクロウェルプレートを使用することにより、この検査室自動化システムが種々の構成を想定することが可能となる。すなわち、この検査室自動化システムが、種々の形で配置され得る様々な機能的モジュールを有することができるようになる。マイクロウェルプレートを用いて免疫アッセイを有効に実施するために、逆磁気による粒子処理として知られる技術を使用して、免疫アッセイの生成物(複数可)をマイクロウェルプレートのあるマイクロウェルから別のマイクロウェルへ移すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臨床検査室用の自動分析装置、より詳細には、臨床化学および免疫化学の分野で分析を行うことができる自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は臨床化学の分野および免疫化学の分野でよく知られている。このような自動分析装置の代表的な例には、限定しないが、いずれもAbbott Laboratoriesから市販されているPRISM(R)分析装置、AxSym(R)分析装置、ARCHITECT(R)分析装置と、Roche Diagnosticsから市販されているCobas(R)6000と、Siemens AGから市販されているAdviaと、Dade Behring Inc.から市販されているDimension Vistaと、Beckman Coulter Inc.から市販されているUnicel(R) DxC600iと、Ortho−Clinical Diagnosticsから市販されているVITROSとが含まれる。これらの分析装置の各々は様々な短所を有しており、一部はそれ以上のものもある。これらの自動分析装置の2つ以上が有している短所の一部には、多量の試料を使用すること、多量の試薬を使用すること、多量の液体廃棄物および固形廃棄物が発生すること、および、コストが高いことが含まれる。上述の自動分析装置の一部は、臨床化学アッセイと免疫アッセイとの両方ともを行うことができるように設計されていない。上述の自動分析装置の一部は、特定の使用者の要求に適合するように修正することができない。例えば、使用者が1つの自動分析装置においてより多量の免疫アッセイ試薬とより少量の臨床化学試薬を有することをまたはその逆を望んだとしても、使用者は構成を修正することができない。さらに、処理能力を向上させるために追加の免疫アッセイモジュールおよび/または臨床化学モジュールを付け足すことが不可能ではないにしても困難である。上述の自動分析装置の一部は、定期的および不定期の両方でかなりの頻度のメンテナンスを必要とする。また、上述の自動分析装置の一部では、アッセイのプロトコルのスケジュールを変更することができない。すなわち、アッセイのプロトコルのスケジュールが固定されることで、処理能力などの特徴が限定されてしまう。例えば、現行のアッセイプロトコルを修正することまたは新しいアッセイプロトコルを加えることは不可能ではないにしても困難である。現在使用されているARCHITECT(R)分析装置は、化学発光法による微粒子免疫アッセイ(chemiluminescent microparticle immunoassay)のプロトコルを異なる6つの形でしかサポートすることができない。さらに、上述の分析装置の一部は床スペースを広く占有し、大量のエネルギーを消費する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7,033,543号明細書
【特許文献2】米国特許第5,417,922号明細書
【特許文献3】米国特許第5,427,743号明細書
【特許文献4】米国特許第5,589,137号明細書
【特許文献5】米国特許第6,343,690号明細書
【特許文献6】米国特許第6,074,615号明細書
【特許文献7】米国特許第6,555,062号明細書
【特許文献8】米国特許第6,202,829号明細書
【特許文献9】米国特許第5,580,524号明細書
【特許文献10】米国特許第6,436,349号明細書
【特許文献11】米国特許第6,498,037号明細書
【特許文献12】米国特許第5,795,784号明細書
【特許文献13】米国特許第5,856,194号明細書
【特許文献14】米国特許第6,448,092号明細書
【特許文献15】米国特許第6,596,162号明細書
【特許文献16】米国特許第6,188,476号明細書
【特許文献17】米国特許第5,959,738号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「Total Clinical Laboratory Testing System for Laboratory Automation」、Hitachi Review、Vol.41(1992年)、No.4、167−172ページ
【非特許文献2】「KingFisher Flex」http://www.thermo.com/com/cda/product/detail/1,,10136240,00.html
【非特許文献3】「Thermal cycler」http://en.wikipedia.org/wiki/Thermal_cycler
【非特許文献4】「Polymerase chain reaction」http://en.wikipedia.org/wiki/Polymerasae_chain_reaction
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自動分析装置の使用者は、自動分析装置が研究所操作に与える影響が最小になること、すなわち、床スペースの占有が少ないこと、液体廃棄物および固形廃棄物の量が削減されること、使用される試薬および試料の量が削減されること、現存する検査室情報管理システムと相互作用することができること、および、消耗品の発注が簡素化されることを望んでいる。自動分析装置の使用者はさらに、プロセスがより自動化されること、すなわち、免疫アッセイと臨床化学アッセイとがより一層統合されること、試薬の装填が自動化されること、その他の消耗品の装填が自動化されること、廃棄物の除去が自動化されること、および、メンテナンスが自動化されることを望んでいる。自動分析装置の使用者はさらに、装置の安全性および確実性が増すこと、すなわち、予期せぬ故障が最小になること、ダウンタイムが最小化されること、および、予期せぬ故障の診断および修理にかかる時間が最小化されることを望んでいる。自動分析装置の使用者はさらに、装置の信頼性が増すこと、すなわち、相互接続される複数の分析装置を通して結果が安定すること、すべてのアッセイ処理ステップを検証するための検査が内部で行われること、および、装置が自己診断型であることを望んでいる。自動装置の使用者はさらに、装置が静かであることおよび装置が環境調和型であることを望んでいる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、本発明は、臨床化学アッセイ、免疫アッセイ、ならびに、臨床化学アッセイと免疫アッセイとの両方を実施することができる検査室自動化システムを提供する。この検査室自動化システムは反応ベッセルとしてマイクロウェルプレートを使用する。反応ベッセルとしてのマイクロウェルプレートの使用により、検査室自動化システムが種々の構成を採用することが可能となる。すなわち、検査室自動化システムは、様々な形で構成され得る種々の機能的モジュールを有することができる。マイクロウェルプレートを用いて免疫アッセイ反応(immunoassay reaction)を効果的に実施するために、逆磁気による粒子処理(inverse magnetic particle processing)として知られる手法を使用して、免疫アッセイ反応の生成物(複数可)をマイクロウェルプレートのあるマイクロウェルから別のマイクロウェルへ移すことができる。逆磁気による粒子処理の一実施形態では、免疫アッセイ反応の生成物(複数可)が、マイクロウェルプレートの第1のマイクロウェルからマイクロウェルプレートの第2のマイクロウェルに移され得て、その後、マイクロウェルプレートの第2のマイクロウェルからマイクロウェルプレートの第3のマイクロウェルへというように、マイクロウェルプレートの最大で第8のマイクロウェルまで移され得、これらの8つのマイクロウェルは12のカラムを有するマイクロウェルプレートの同一のカラム内にあり、1つのカラムにつき8つのマイクロウェルが存在する。この実施形態によると、12の免疫アッセイが同時に実施され得る。逆磁気による粒子処理の別の実施形態によると、免疫アッセイ反応の生成物は、第1のマイクロウェルプレートの96個のマイクロウェルから第2のマイクロウェルプレートの96個のマイクロウェルへ移され得て、その後、第2のマイクロウェルプレートの96個のマイクロウェルから第3のマイクロウェルプレートの96個のマイクロウェルへというように、最大で第8のマイクロウェルプレートの96個のマイクロウェルへ移され得る。この実施形態によると、96の免疫アッセイが同時に実施され得る。
【0007】
現行のARCHITECT(R)のCMIA(化学発光法による微粒子免疫アッセイ)のプロトコルは、各々が200μLの容積を有する10個のウェルのすべてからアナライト/抗原を採取することにより2mLの試料を使用できるように拡張され得る。ARCHITECT(R)のCMIAのプロトコルは、分離および洗浄を行わずに試薬を添加することにより均一のプロトコルを実施できるように拡張され得る。
【0008】
本明細書に記載する方法および装置は均一アッセイを実施するのに使用され得る。というのは、磁性粒子処理機器(magnetic particle processing apparatus)が分離ステップなしで使用され得るからであり、言い換えると、試料および試薬は反応を起こすために単に混合されればよく、不均一アッセイで使用される分離ステップが単純に排除され得るからである。
【0009】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載する検査室自動化システムを用いて免疫アッセイおよび臨床化学アッセイを実施する方法を提供する。免疫アッセイおよび臨床化学アッセイを実施するために複数の自動化されたプロトコルが使用されてよい。これらの自動化されたプロトコルには、限定しないが、試料を反応ベッセルに添加するステップ、試薬を反応ベッセルに添加するステップ、反応ベッセルの中身を混合するステップ、反応ベッセル内の反応物を培養するステップ、反応生成物を分離するステップ、および反応生成物を洗浄するステップなどの処理ステップが含まれる。免疫アッセイおよび臨床化学アッセイを実施するために複数の吸引/分注プロトコルが使用され得る。これらの吸引/分注プロトコルは、固定されたプロトコルに限定されないスケジュールによりマイクロウェルプレートをキッティングする(kitting)ステップを含む。従来の自動化された臨床検査室用の分析装置では一般に固定されたプロトコルが使用される。すなわち、本発明の方法は試薬の添加順序に関する制限を排除する。加えて、キッティングプロトコルも試薬の添加に関する制限に拘束されない。キッティングステップは、マイクロウェルプレートを磁性粒子処理装置に入れる前に行われてよい。これらのプロトコルは、従来型の試料容器および従来型の試薬容器が操作者によって装填されるような自動化された臨床検査室用の分析装置の回転式コンベアを使用することに伴う制限を排除する。プロトコルは単にソフトウェアのファイルを更新することにより変更され得る。アッセイを実施する前に試薬をキッティングすることで、複数のステップの間隔が固定されるような例えば回転式コンベアまたはプロセス経路(process path)などのデバイスを必要とするプロトコルに付随する固有の特徴である複数の試薬を同時に加えることの必要性が排除される。吸引/分注用のデバイスが、免疫アッセイおよび臨床化学アッセイの両方のキッティングのために使用されてよい。この吸引/分注プロトコルでは、免疫アッセイが行われている間に臨床化学アッセイ用の試料および試薬を分注するのに、吸引/分注用のデバイスを使用することが可能である。吸引/分注用のデバイスは、免疫アッセイのステップで使用されないときは臨床化学アッセイのステップを実施するのに使用されてよく、その逆で使用されてもよい。
【0010】
本発明は、免疫アッセイの間で臨床化学アッセイを実施することおよび臨床化学アッセイの間で免疫アッセイを実施することを可能にする、免疫アッセイおよび臨床化学アッセイのための新規性のあるスケジュール設定システムを提供する。
【0011】
本明細書に記載する検査室自動化システムでは、試料容器、試薬容器、およびマイクロウェルプレートが、通常は吸引/分注に使用されるデバイスによって上昇、移動および降下され得る。吸引/分注デバイスのピペットが、試料容器、試薬容器およびマイクロウェルプレートを握持してある位置から別の位置まで移すことができる握持デバイスを装備していてよい。この握持デバイスは、試料容器、試薬容器およびマイクロウェルプレートに対して高い圧力を加えるための突出部を装備していてよい。円筒形容器の場合、容器の円筒形状と共形である表面が握持デバイスに固着されてよく、それにより、円筒形容器がより簡単に握持されてある場所から別の場所へ移され得るようになる。
【0012】
本明細書に記載する方法はラベルから情報を読み取る方法を含む。この方法によると、ISO14443またはISO15963、および、ISO18000の指針に適合する無線周波数認識タグが、例えば試薬容器、試料容器、およびマイクロウェルプレートなどの対象物上に配置される。これらのタグは、無線周波数認識読取装置の可動アンテナまたは無線周波数認識読取装置の固定アンテナのいずれかによって読み取られたり書き込まれたりされ得る。無線周波数認識タグの読み取りおよび無線周波数認識タグへの書き込みはソフトウェアによって制御される。無線周波数認識技術を使用することで、バーコードの場合と比較してより迅速かつより高い信頼性の読み取りを行うことができ、さらには、レーザスキャニングデバイスに付随する障害を排除することができる。本明細書に記載するシステムは、試料および試薬を最初に分注するところから最後にマイクロウェルプレートから結果を読み取るところまでマイクロウェルプレートを追跡することを可能にする。
【0013】
本明細書に記載する検査室自動化システムでは、バルク試薬を保持するための樋状部が使用されてよい。バルク試薬を保持するために樋状部を使用することにより、複数のピペットを有する吸引/分注デバイスが高い処理能力で試薬を吸引および分注することが可能となる。
【0014】
本明細書に記載する検査室自動化システムでは、試料容器の保管、試薬容器の保管、試料容器の移載、試薬容器の移載、試料容器中の試料の冷凍および試薬容器中の試薬の冷凍をほぼ支障なく行うことができる。試薬容器および試料容器は、自動ロボット機構により冷凍保管領域から検査室自動化システムの分析セクションに移されてよい。
【0015】
本明細書に記載する検査室自動化システムは、操作者が多数の免疫アッセイおよび/または臨床化学アッセイを厳密に制御して監視するのを可能にするための使い易いグラフィカルユーザインターフェースを提供する。このグラフィカルユーザインターフェースは、容器内の液位の読み取りを単純化するために燃料計タイプの液位指示計を使用することができる。このグラフィカルユーザインターフェースは、比較的経験の浅い操作者がこの検査室自動化システムを正しく使用できるように指示するために指示用の吹き出しを使用することができる。
【0016】
本明細書に記載する検査室自動化システムおよび方法により、アッセイの感度が向上し、アッセイが処理するための手段が削減され、信頼性が増す。さらに、本明細書に記載する検査室自動化システムおよび方法によりアッセイが処理するための手段の融通性が増すことから、新たなアッセイおよび新たなアッセイプロトコルは、検査室自動化システムの設計に与える影響が最小となるように適応され得る。
【0017】
本明細書に記載する方法および装置では、マイクロウェルプレート内のマイクロウェルの物理的配置に加えて、マイクロウェルプレート内のマイクロウェルが着色されていることにより、発光測定装置(luminescence reader)を使用するときに光子を効率的に収集することが可能となる。従来技術では、発光の読み取りのためにキュベットおよび光電子増倍管を使用する場合、キュベットの幾何形状および光電子増倍管の幾何形状のために光子は効率的に収集されない。免疫アッセイの結果を読み取るたに現在使用されている多くの化学発光測定装置(chemiluminescent reader)は、透光性のキュベットの側面から光子を収集する。「sphere of light」から放出される光子のごく一部が光導波管に入って最終的に光電子増倍管に到達し、そこで計測される。透光性のキュベットから光子が反射されることはあり得ない。マイクロウェルプレート内で適切に着色されたマイクロウェルを使用することにより、化学発光反応により生成された光子の大部分が上方向に反射されて光電子増倍管に直接入り、マイクロウェルの中身に焦点が合わせられる。
【0018】
マイクロウェルの容積はキュベットの容積より小さいことから、使用される試薬の量は減少する。同様に、使用される試料の量も減少する。さらには、液体廃棄物の量も減少する。本明細書に記載するシステムのデザインにより、反応ベッセル装填機が必要なくなり、洗浄機構およびイントラックボルテクサ(in−track vortexer)も必要なくなる。イントラックボルテクサは、反応ベッセルを移動させるために間隔が固定されているステップを使用する従来型の分析装置の例えば回転式コンベアまたはプロセス経路など通路の下に配置される、垂直方向に移動可能なミキサである。試薬が反応ベッセル内に分注された後、垂直方向に移動可能なミキサが、通常はニューテータ(nutator)回転装置により反応ベッセル内の中身を混合させるのに使用される。
【0019】
本明細書に記載する装置および方法は、免疫アッセイおよび臨床化学アッセイを実施するのに必要となる装置および方法を大幅に単純化する。1つのXYZピペットのみが必要であり、複数のピペットは必要ではない。試料をマイクロウェルプレートのローに分注して試薬をマイクロウェルプレートのカラムに分注することにより、またはその逆により、ピペットが、すべてのアリコートが分注されるまでピペットを充填する必要がなく試料の複数のアリコートまたは試薬の複数のアリコートを分注することができるようになり、それにより、ピペットを試料容器へとまたは試料容器から移動させるのに必要となる時間およびピペットを試薬容器へとまたは試薬容器から移動させるのに必要となる時間の両方が短縮される。一部の自動化された臨床検査室用の分析装置で使用されるプロセス経路ダイバータ(Process path diverter)は必要ではない。マイクロウェルプレートのマイクロウェル内で実施される反応を処理するのに必要となる機械部品が削減されることにより、検査室自動化システムの信頼性が向上する。ステッパモータによって作動される、調整された量の液体を分注するための容積式ポンプは必要ではない。従来の分析装置は、プローブの先端を洗浄するのに容積式ポンプを使用し、希釈剤、洗浄緩衝液、およびプレトリガ溶液(pre−trigger solution)を直接に分注する。
【0020】
本明細書に記載する装置および方法は、両方のタイプのアッセイに使用され得る、例えばピペット、キッティングステーション、フルイディクス、冷凍設備、制御装置、電力供給装置などの多数の手段を同一で使用することにより、免疫アッセイと臨床化学アッセイとを統合することを可能にする。例えば蛍光偏光免疫アッセイ(fluorescent polarization immunoassay(FPIA))フォーマットなどの別のタイプのアッセイフォーマットがこの検査室自動化システムに追加されてもよい。
【0021】
本明細書に記載する装置および方法はまた、生物学的試料からの核酸の抽出およびそのようにして抽出された核酸の増幅を免疫アッセイおよび臨床化学アッセイに統合することを可能にするが、これは、3つのすべてのアッセイで使用され得る、例えばピペット、キッティングステーション、フルイディクス、冷凍設備、制御装置、電力供給装置などの多数の手段を同一で使用することによってなされる。
【0022】
本明細書に記載する装置および方法では、洗浄ステーション、追跡システムおよび他の構成部品を洗浄するためのメンテナンス処置は必要ではない。流体工学システムのプライミングおよびフラッシングは必要ではない。自動化システムを使用することにより、試薬および試料を手動で装填することを排除することができる。さらに、多くの販売業者が利用できるオンラインオーダエントリシステム(on−line order entry system)に連絡することができる試薬在庫管理システムを使用することにより、試薬および他の消耗品の発注が自動化される。
【0023】
マイクロウェルプレートは無線周波数認識によって追跡され得る。従来の反応ベッセルはこのように追跡することはできない。マイクロウェルプレートを処理するのに市販されている多くのサブシステムが使用可能であり、それにより、使用者が、改良を行い旧式化するのを遅らせたり、廃業した販売業者のアカウントを移動させたりすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】追跡システムと、検査室自動化システムの分析セクションが配置され得る位置とを示している、本明細書に記載する検査室自動化システムの一実施形態の概略図である。
【図2】図1に示した追跡システムに隣接するように配置され得る構成部品を示している、現在入手可能な検査室自動化システムの概略図である。
【図3A】試料容器運搬装置内の試料容器を示す立面正面図である。
【図3B】アダプタを有する試料容器運搬装置内の試料容器を示す立面正面図である。
【図4】試薬容器運搬装置内の試薬容器を示す立面正面図である。
【図5】免疫アッセイと臨床化学アッセイとを統合するための構成部品を使用しており、単位時間当たりで比較的多量のアッセイを実施することができる検査室自動化システムの分析セクションを詳細に示している、本明細書に記載する検査室自動化システムの一実施形態の平面図である。
【図6】免疫アッセイと臨床化学アッセイとを統合するための構成部品を使用しており、単位時間当たりで比較的適度な量のアッセイを実施することができる検査室自動化システムの分析セクションを詳細に示している、本明細書に記載する検査室自動化システムの別の実施形態の平面図である。
【図7】免疫アッセイのみを実施するための構成部品を使用しており、単位時間当たりで非常に多量の免疫アッセイを実施することができる検査室自動化システムの分析セクションを詳細に示している、本明細書に記載する検査室自動化システムの別の実施形態の平面図である。
【図8A】生物学的物質の有効寿命を延ばすのに使用され得る摺動カバーの配置を示す概略図である。
【図8B】生物学的物質の有効寿命を延ばすのに使用され得る摺動カバーの配置を示す概略図である。
【図8C】生物学的物質の有効寿命を延ばすのに使用され得る摺動カバーの配置を示す概略図である。
【図8D】生物学的物質の有効寿命を延ばすのに使用され得る摺動カバーの配置を示す概略図である。
【図9A】マイクロウェルプレートを握持している、吸引/分注デバイスに取り付けられた握持デバイスの概略的な上面図である。
【図9B】線9B−9Bに沿った、図9Aの概略的な断面図である。
【図9C】円筒形容器を握持している、吸引/分注デバイスに取り付けられた握持デバイスの概略的な上面図である。
【図9D】線9D−9Dに沿った、図9Cの概略的な断面図である。
【図9E】円筒形容器を握持している、吸引/分注デバイスに取り付けられた握持デバイスの概略的な上面図である。
【図9F】線9F−9Fに沿った、図9Eの概略的な断面図である。
【図10A】握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部上に挿入するときおよび握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部から取り外すときに必要となるステップを示す概略図である。
【図10B】握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部上に挿入するときおよび握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部から取り外すときに必要となるステップを示す概略図である。
【図10C】握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部上に挿入するときおよび握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部から取り外すときに必要となるステップを示す概略図である。
【図10D】握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部上に挿入するときおよび握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部から取り外すときに必要となるステップを示す概略図である。
【図10E】握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部上に挿入するときおよび握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部から取り外すときに必要となるステップを示す概略図である。
【図11】市販されている磁性粒子プロセッサの立面正面図である。
【図12】図11に示した磁性粒子プロセッサ内で使用するのに適したチップコームの立面正面図である。
【図13】96個のマイクロウェルを有する単一のマイクロウェルプレートを使用する、化学発光法による微粒子免疫アッセイのキッティングを示している、マイクロウェルプレートの上面図である。
【図14】各々が96個のマイクロウェルを有する2つのマイクロウェルプレートを使用する、化学発光法による微粒子免疫アッセイのキッティングを示している、一配置構成の上面図である。
【図15A】免疫アッセイ反応を処理するためにKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサの原理を利用することができる基本過程を示す概略図である。
【図15B】免疫アッセイ反応を処理するためにKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサの原理を利用することができる基本過程を示す概略図である。
【図15C】免疫アッセイ反応を処理するためにKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサの原理を利用することができる基本過程を示す概略図である。
【図15D】免疫アッセイ反応を処理するためにKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサの原理を利用することができる基本過程を示す概略図である。
【図15E】免疫アッセイ反応を処理するためにKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサの原理を利用することができる基本過程を示す概略図である。
【図15F】免疫アッセイ反応を処理するためにKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサの原理を利用することができる基本過程を示す概略図である。
【図16A】所与のマイクロウェルプレートの各マイクロウェルが同一の成分を収容しており、このマイクロウェルプレートのキッティングで同時に96の免疫アッセイを実施することができる、7つのマイクロウェルプレートのうちの1つを示す上面図であり、マイクロウェルは、試料と磁性微粒子との混合物を収容している。
【図16B】所与のマイクロウェルプレートの各マイクロウェルが同一の成分を収容しており、このマイクロウェルプレートのキッティングで同時に96の免疫アッセイを実施することができる、7つのマイクロウェルプレートのうちの1つを示す上面図であり、マイクロウェルは洗浄緩衝液を収容している。
【図16C】所与のマイクロウェルプレートの各マイクロウェルが同一の成分を収容しており、このマイクロウェルプレートのキッティングで同時に96の免疫アッセイを実施することができる、7つのマイクロウェルプレートのうちの1つを示す上面図であり、マイクロウェルは洗浄緩衝液を収容している。
【図16D】所与のマイクロウェルプレートの各マイクロウェルが同一の成分を収容しており、このマイクロウェルプレートのキッティングで同時に96の免疫アッセイを実施することができる、7つのマイクロウェルプレートのうちの1つを示す上面図であり、マイクロウェルはコンジュゲートを収容している。
【図16E】所与のマイクロウェルプレートの各マイクロウェルが同一の成分を収容しており、このマイクロウェルプレートのキッティングで同時に96の免疫アッセイを実施することができる、7つのマイクロウェルプレートのうちの1つを示す上面図であり、マイクロウェルは洗浄緩衝液を収容している。
【図16F】所与のマイクロウェルプレートの各マイクロウェルが同一の成分を収容しており、このマイクロウェルプレートのキッティングで同時に96の免疫アッセイを実施することができる、7つのマイクロウェルプレートのうちの1つを示す上面図であり、マイクロウェルは洗浄緩衝液を収容している。
【図16G】所与のマイクロウェルプレートの各マイクロウェルが同一の成分を収容しており、このマイクロウェルプレートのキッティングで同時に96の免疫アッセイを実施することができる、7つのマイクロウェルプレートのうちの1つを示す上面図であり、マイクロウェルはプレトリガ溶液を収容している。
【図17A】96個のマイクロウェルを有する単一のマイクロウェルプレートを使用する均一免疫アッセイのキッティングを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図17B】96個のマイクロウェルを有する単一のマイクロウェルプレートを使用する均一免疫アッセイのキッティングを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図17C】96個のマイクロウェルを有する単一のマイクロウェルプレートを使用する均一免疫アッセイのキッティングを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図18A】所定のスループット率を上回って免疫アッセイを実施できるようにするための吸引/分注プロトコルの交互配置ステップを示すチャートである。
【図18B】共通のセットの手段を用いて免疫アッセイと臨床化学アッセイとの両方を実施できるようにするための吸引/分注プロトコルの交互配置ステップを示すチャートである。
【図19A】16人の患者に対する6つの臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図19B】16人の患者に対する6つの臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図19C】16人の患者に対する6つの臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図19D】16人の患者に対する6つの臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図19E】16人の患者に対する6つの臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図19F】16人の患者に対する6つの臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図20A】8人の患者に対する12の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図20B】8人の患者に対する12の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図20C】8人の患者に対する12の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図20D】8人の患者に対する12の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図20E】8人の患者に対する12の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図21A】6人の患者に対する16の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図21B】6人の患者に対する16の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図21C】6人の患者に対する16の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図21D】6人の患者に対する16の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図21E】6人の患者に対する16の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図21F】6人の患者に対する16の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図22A】4人の患者に対する24の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図22B】4人の患者に対する24の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図22C】4人の患者に対する24の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図22D】4人の患者に対する24の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図22E】4人の患者に対する24の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図23】複数のレベルの構成を有する検査室自動化システムの分析セクションを示す概略図で、分析セクションは3つのレベルを有し、このタイプの分析セクションでは、水平方向および垂直方向の両方を移動することができるロボットシステムと単一の吸引/分注デバイスとが使用される。
【図24】本明細書に記載する検査室自動化システムを制御するためのコンピュータインターフェースを示す概略図である。
【図25A】所与のディープウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、この深いディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(RNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、6つのディープウェルマルチウェルプレートうちの1つを示す上面図で、ウェルは、試料と磁性微粒子とリーシス緩衝液との混合物を収容している。
【図25B】所与のディープウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、この深いディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(RNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、6つのディープウェルマルチウェルプレートうちの1つを示す上面図で、ウェルは希釈されたリーシス緩衝液を収容している。
【図25C】所与のディープウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、この深いディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(RNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、6つのディープウェルマルチウェルプレートうちの1つを示す上面図で、ウェルは希釈されたリーシス緩衝液を収容している。
【図25D】所与のディープウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、この深いディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(RNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、6つのディープウェルマルチウェルプレートうちの1つを示す上面図で、ウェルは水を収容している。
【図25E】所与のディープウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、この深いディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(RNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、6つのディープウェルマルチウェルプレートうちの1つを示す上面図で、ウェルは水を収容している。
【図25F】所与のディープウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、この深いディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(RNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、6つのディープウェルマルチウェルプレートうちの1つを示す上面図で、ウェルはリン酸緩衝液を収容している。
【図26A】所与のディープウェルマルチウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、ディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(DNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、7つのディープウェルマルチウェルプレートのうちの1つを示す上面図で、ウェルは、試料と磁性微粒子とリーシス緩衝液とPK緩衝液との混合物を収容している。
【図26B】所与のディープウェルマルチウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、ディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(DNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、7つのディープウェルマルチウェルプレートのうちの1つを示す上面図で、ウェルはリーシス緩衝液を収容している。
【図26C】所与のディープウェルマルチウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、ディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(DNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、7つのディープウェルマルチウェルプレートのうちの1つを示す上面図で、ウェルはリーシス緩衝液を収容している。
【図26D】所与のディープウェルマルチウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、ディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(DNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、7つのディープウェルマルチウェルプレートのうちの1つを示す上面図で、ウェルはエタノール緩衝液を収容している。
【図26E】所与のディープウェルマルチウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、ディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(DNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、7つのディープウェルマルチウェルプレートのうちの1つを示す上面図で、ウェルはエタノール緩衝液を収容している。
【図26F】所与のディープウェルマルチウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、ディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(DNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、7つのディープウェルマルチウェルプレートのうちの1つを示す上面図で、ウェルはエタノール緩衝液を収容している。
【図26G】所与のディープウェルマルチウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、ディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(DNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、7つのディープウェルマルチウェルプレートのうちの1つを示す上面図で、ディープウェルは水を収容している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書で使用する「免疫アッセイ」という用語は、抗体(複数可)のそれの(それらの)抗原に対する反応を利用する、通常は血清である生物学的液体中の物体の濃度を測定する生物学的試験を意味する。免疫アッセイは抗体のその抗原に対する特異結合を利用する。「化学発光による磁気的免疫アッセイ(chemiluminescent magnetic immunoassay)」とも称される、本明細書で使用する「化学発光法による微粒子免疫アッセイ」は、抗原および抗体に結合される化学発光標識を使用する。このアッセイでは、磁性微粒子が抗体により被覆される。このアッセイは試料中の抗原を探すことを目的とする。第2の抗体が化学発光標識で標識される。この第2の抗体は磁性微粒子には付着されない。抗体および抗原は以下の順番で付着される:磁性微粒子上の抗体−抗原−抗体−化学発光標識。磁性微粒子はこの後洗浄除去される。抗体−抗原−酵素の量が、プレトリガ溶液およびトリガ溶液(trigger solution)を添加して生成される光を測定することによって測定される。このタイプの免疫アッセイは、基体すなわち特異結合メンバ(specific binding member)に合成されるときに光を生成する。化学発光反応は感度が高く、測定が容易である。このタイプの免疫アッセイは、試料中に存在するアナライトの量に比例する結果が得られる非競合的サンドイッチフォーマットを使用する。本明細書で使用する「磁性(磁気的)」という用語は常磁性を意味する。
【0026】
本明細書で使用する「臨床化学アッセイ」という表現は、人体内で自然に発生する物体の濃度を測定する生物化学的試験を意味しており、この濃度は、人体の様々な器官の健康状態または容態を示す働きをしている。しばしばアナライトと称されるこれらの物体は、健康な人間の場合は所定の範囲の濃度で存在する。化学アナライトは、例えば脂質、栄養物、化学的成分、代謝産物などの、具体例としてはグルコース、尿素窒素、トリグリセリド、尿酸が含まれる通常のアナライトと、例えばアラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸、乳酸脱水素酵素およびアミラーゼなどの酵素と、例えばナトリウム、カリウムおよび塩化物などの電解質とからなる3つの主な種類のうちの1つに該当する。本明細書で使用する「検査室自動化システム」は、試料の分析の前、試料の分析の間、および、試料の分析の後での試料の処理を自動化するように設計されるシステムを意味する。この処理には、試料の取り扱い、臨床用分析装置からシステムの別の構成要素への試料の移動、および、試料の保存が含まれる。
【0027】
本明細書で使用する「試料」という用語および「生物学的試料」という表現などは、アナライトを含有していると疑われる物質を意味する。試料は、アッセイ中に、または、アッセイを受ける前に試料の性質を修正するための前処理の後で、供給源から得られるものとして直接に使用されよい。試料は、限定しないが、血液、唾液、眼球レンズ流体、脳脊髄液、汗、尿、母乳、腹水液、粘膜、関節液、腹膜液、または羊水などを含む例えば生理液などの任意の生物源から得られてよい。試料は、例えば、血液からの血漿の調製または粘性流体の希釈などのように、使用前に前処理されてよい。前処理の手法には、濾過、蒸留、濃縮、阻害成分の不活性化、および、試薬の添加が含まれてよい。生理液に加えて、例えば水、食材などの別の液体試料が使用されてもよい。また、アナライトを含有していると疑われる固形物質も試料として使用されてよい。本明細書で使用する「アナライト」という用語は、検出または測定される化合物または合成物を指している。
【0028】
本明細書で使用する「無線周波数認識」という表現は、電波を使用して例えば生物学的試料用容器および生物学的試料を分析するための試薬用容器などの物体を自動的に識別する技術の総称である。最も一般的な識別手法は、物体を識別するシリアル番号、および、場合によっては、物体またはその内容物に関する他の情報をアンテナに取り付けられたマイクロチップ上に格納することである。マイクロチップおよびアンテナは併せて、無線周波数認識トランスポンダまたは無線周波数認識タグと呼ばれている。アンテナは、マイクロチップが識別情報および他の情報を無線周波数認識読取装置に送信するのを可能にする。無線周波数認識読取装置は、無線周波数認識タグから反射されて戻ってきた(reflected back)電波をデジタル情報に変換し、それにより、このデジタル情報が、それを利用することが可能なコンピュータに伝えられ得るようなる。
【0029】
本明細書で使用する「吸引/分注デバイス」という表現は、吸引作用により容器から液体を除去することと例えばマイクロウェルプレートのマイクロウェルなどの容器内にその吸引された液体の一部を分注することとの二重機能を有するデバイスを意味する。本明細書に記載するシステムに使用され得る吸引/分注デバイスは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,033,543号明細書に記載されている。「ピペット(pipet)」、「ピペッタ」とも呼ばれる、本明細書で使用する「ピペット(pipette)」という用語は、測定した量の液体を移送するのに使用される検査室器具を意味する。「微量定量プレート」、「マイクロプレート」とも呼ばれる、本明細書で使用する「マイクロウェルプレート」という表現は、小試験管として使用される複数の「ウェル」を有する平プレートを意味する。本明細書で使用する「XYZ」という用語は、第1の水平方向、第1の水平方向に対して垂直の第2の水平方向、ならびに、第1の水平方向と第2の水平方向との両方に対して垂直である第3の方向の3方向に移動することができるデバイスを指している。本明細書で使用する「再使用」、「再使用可能」などの用語は、1回使用された後で処分されずに再び使用され得る使い捨て製品を指している。本明細書で使用する「固定されたプロトコル」という用語はアッセイを実施するためのプロトコルを意味しているが、ここでは、培養ステップ(複数可)に割り当てられる開始時間および終了時間、混合ステップ(複数可)に割り当てられる開始時間および終了時間、試薬添加ステップ(複数可)に割り当てられる開始時間および終了時間、洗浄ステップ(複数可)に割り当てられる開始時間および終了時間、および、他のステップ(複数可)に割り当てられる同様の開始時間および終了時間が、アッセイが開始されてから決まった時間に行われなければならない。本明細書で使用する「検査室自動化システムの分析セクション」という表現は、免疫アッセイまたは臨床化学アッセイ、あるいは免疫アッセイと臨床化学アッセイとの両方が実施される検査室自動化システムの部分を意味する。本明細書で使用する「キッティング」という用語は、化学反応を開始する前に試料および試薬をマイクロウェルプレートの適切なマイクロウェル内に分注することを意味する。
【0030】
本明細書で使用する「核酸(複数可)の抽出」などの表現は、生物学的試料から核酸(複数可)を除去することを意味する。本明細書で使用する「核酸(複数可)の増幅」などの表現は、特定の核酸(複数可)を分離して次いで検出できるレベルまで複製するために、精製酵素を使用するアッセイを指している。核酸(複数可)の増幅手法の例として、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)がある。本明細書で使用する「マルチウェルプレート」という表現は、上面および下面と、トレイの下面から伸びている複数のウェルとを有するプラスチックトレイを意味しており、これらのウェルは、トレイの上面内の開口部を介して充填され得る。これらのウェルは例えば1mL未満の比較的少量の液体を収容するように大きさが限定されてよく、このようなウェルを含むマルチウェルプレートをマイクロウェルプレートと称する。別法として、ウェルは例えば1mLを超える比較的多量の液体を収容するように大きさが拡大されてもよく、そのようなウェルを含むマルチウェルプレートを単にマルチウェルプレートと称する。
【0031】
本明細書で使用する、項目名の後に続く「(複数可)」という表現は、文脈に応じて対象の項目が1つまたは複数であると意図することを示している。本明細書で使用する「および/または」という表現は、「および」という単語と「または」という単語のいずれかが単語、語句または節をつなぐのに使用されてよいことを示している。
【0032】
本明細書を通して、可能である限り、同様の部品または構成要素は同一の参照符号を有するが、明瞭さのために必要である場合は同様の部品または構成要素が異なる参照符合を有していてよい。また、必要である場合、マイクロウェルプレート(複数可)は「P」という文字で示される。処理装置および読取装置内のマイクロウェルプレートは実際には可視ではないことに留意されたい。しかし、マイクロウェルプレートは処理装置および読取装置の内側にあり、処理装置および読取装置内でのマイクロウェルプレートの相対位置は文字Pによって示される。
【0033】
検査室自動化システムは、通常、吸引/分注デバイスのピペット(複数可)が3次元、すなわち、水平面上の二次元(すなわち、XおよびY)と垂直方向の一次元(ずなわち、Z)に移動され得るような吸引/分注デバイスを使用する。検査室自動化システムの残りの構成要素は、ピペット(複数可)が検査室自動化システムの種々の構成要素に到達するのを可能にするような形で吸引/分注デバイスの近傍に位置されるか吸引/分注デバイスに連結されてよい。しかし、すべての構成要素が吸引/分注デバイスから直接に到達可能である必要はない。場合によっては、試薬がその中に分注されているマイクロウェルプレートは、任意選択のロボット機構により吸引/分注デバイスの到達範囲の外まで移動され得て、別の処理のための自律サブシステム内に配置され得る。一般に、化学発光法による微粒子免疫アッセイは、キッティングが行われた後に試薬を分注する必要はない。逆に、臨床化学アッセイは読み取りごとに試薬を分注する必要がある。
【0034】
検査室自動化システムの所望される能力に応じて、検査室自動化サブシステム(例えば、種々の診断アッセイ技術)が、吸引/分注デバイスに追加されたりまたはそこから取り除かれたりしてよい。さらに、処理能力を向上させるために複数のサブシステムが検査室自動化装置に追加されてよく、例えば、免疫アッセイの処理能力を向上させるために1つまたは複数の免疫アッセイサブシステムが1つの免疫アッセイサブシステムに追加されてよく、または、臨床化学アッセイの処理能力を向上させるために1つまたは複数の臨床化学アッセイサブシステムが1つの臨床化学アッセイサブシステムに追加されてよい。
【0035】
検査室自動化システムの所望の構成要素は多数の配置構成で配置され得る。図1は、本明細書に記載するシステムおよび方法と共に使用されるように修正され得る検査室自動化システムを示している。この図では、インプット/アウトプットモジュールから試薬容器および試料容器のための1つまたは複数の短期保管領域まで、試料を収容している容器(試料容器)および試薬を収容している容器(試薬容器)を移動させるのを可能にするトラック構成が示されている。また、この図には、検査室自動化システムの分析器具を位置決めするためのセクションが示されている。図2は、トラック構成の周りに配置され得る検査室自動化システムの他の従来の構成要素を示している。
【0036】
図5、図6および図7は、検査室自動化システムの分析セクションの構成要素の複数の考えられる配置手法のうちの3つを示しているが、図5、図6および図7に示されているずれの構成にも使用され得る追跡システムを含んでいない。図5、図6および図7は、吸引/分注デバイスなどの構成要素と、例えば、読取装置(例えば、吸光度読取装置、発光測定装置)などの信号検出器と、例えば、化学発光法による微粒子免疫アッセイ(CMIA)の処理装置などの免疫アッセイ処理装置と、臨床化学アッセイ(CC)処理装置と、マイクロウェルプレート回転装置、使い捨ての構成要素を保管するための位置、試薬を保管するための位置、ならびに、試料を保管するための位置を示している。
【0037】
図1が、免疫アッセイと臨床化学アッセイとが統合されるサブシステム、すなわち検査室自動化システムの分析セクションを示している。このサブシステムは、単位時間当たりで比較的多量のアッセイを実施することもできる。これと同じサブシステムが図5に示されている。このサブシステムでは、1時間当たりで約192の免疫アッセイ試験(臨床化学試験が実施されない場合)または1時間当たりで900の臨床化学試験(免疫アッセイ試験が実施されない場合)、あるいは、両方のタイプの試験を同時に実施する場合には1時間当たりで600の臨床化学試験および96の免疫アッセイ試験の処理能力が可能となる。図6は、図1および図5に示したサブシステムに類似のサブシステム、すなわち検査室自動化システムの分析セクションを示している。しかし、図6に示されるサブシステムでは、1時間当たりで約96の免疫アッセイ試験(臨床化学試験が実施されない場合)または1時間当たりで450の臨床化学試験(免疫アッセイ試験が実施されない場合)、あるいは、両方のタイプの試験を同時に実施する場合には1時間当たりで300の臨床化学試験および48の免疫アッセイ試験の処理能力が可能となる。図7は、免疫アッセイのみが実施されるサブシステム、すなわち検査室自動化システムの分析セクションを示している。しかし、このサブシステムは単位時間当たりで非常に多量の免疫アッセイ試験を実施することができる。このサブシステムでは、1時間当たりで約1200の免疫アッセイの処理能力が可能となる。別のサブシステムも製造され得る。例えば、図1、図5および図6に示されるサブシステムの一部の変形形態では、免疫アッセイの構成要素を削除することができる。別の例として、図1、図5および図6に示されるサブシステムの一部の変形形態では、臨床化学の構成要素を削除することができる。
【0038】
ここで図1を参照すると、検査室自動化システム10がトラックシステム12を有している。図1に示されるように、トラックシステム12は第1のレーン14および第2のレーン16を有する。第1のレーン14の目的は試料を保持している容器(すなわち、試料容器)18をインプット/アウトプットモジュール20(図2を参照)から試料容器の列22まで移送することである。試料容器18は、試料容器運搬装置24(図3Aおよび図3Bを参照)によりトラックシステム12上を適切に移動することができる。試料容器18をトラックシステムのレーン上で移送するのに適している試料容器運搬装置24は、例えば、Inpeco S.p.a.、Thermo Fisher Scientific Inc.、Beckman Coulter Inc.、Lab Interlink、A&T Corporation、Siemens AGなどの供給業者から市販されている。このような試料容器運搬装置24は、例えば、米国特許第5,417,922号明細書、第5,427,743号明細書、第5,589,137号明細書および第6,343,690号明細書に記載されており、これらのすべては参照により本明細書に組み込まれる。試料容器18は、適当なロボット機構(図示せず)により試料容器運搬装置24内に配置され得る。試料容器運搬装置24は、無限コンベアベルトによりまたはその適当な代替物によりトラックシステム12の第1のレーン14に沿って移動する。このようなコンベアベルトおよびその適当な代替物は当業者にはよく知られている。試料容器18またはアダプタスリーブ28は、所与の試料容器18を認識して追跡するのに使用され得る無線周波数認識タグ26を備えていてよい。試料容器運搬装置24の代替実施形態では、試料容器運搬装置24がアダプタスリーブ28を備えていてよく、アダプタスリーブ28は、直径が異なるまたは長さが異なるあるいはその両方が異なる試料容器18に適合するように試料容器運搬装置24を試薬容器運搬装置34と同じサイズにすることが可能である。
【0039】
第2のレーン16の目的は、試薬を保持している容器(すなわち、試薬容器)30をインプット/アウトプットモジュール20から試薬容器の列32まで移送することである。試薬容器30は、試薬容器運搬装置34(図4を参照)によりトラックシステム12上で適切に移動することができる。この目的に適した代表的な例の試薬容器運搬層34はNittobo Boseki Co.,LtdおよびRexam PLCから市販されている。このような試薬容器運搬装置34は、例えば、米国特許第6,074,615号明細書および第6,555,062号明細書に記載されており、これらのいずれも参照により本明細書に組み込まれる。試薬容器30は、適切なロボット機構(図示せず)により試料容器運搬装置34内に配置され得る。試薬容器運搬装置34は、無限コンベアベルトによりまたはその適当な代替物によりトラックシステム12の第2のレーン16に沿って移動する。このようなコンベアベルトおよびその適当な代替物は当業者にはよく知られている。試薬容器30は、所与の試薬容器30を認識して追跡するのに使用され得る無線周波数認識タグ36を装備することができる。試料容器運搬装置24および試薬容器運搬装置34を移送するのにトラックシステム12の同一のレーンを使用することも可能であり、試料容器運搬装置24と試薬容器運搬装置34とで別のレーンを使用することも可能である。試料容器運搬装置24および試薬容器運搬装置34の両方に対して同一のレーンを使用することでトラックシステム12のコストを削減することができる。加えて、試料容器運搬装置24および試薬容器運搬装置34の両方に対して同一のレーンを使用することで、試料容器運搬装置24と試薬容器運搬装置34とを同じサイズにすることが可能となる。
【0040】
試薬の在庫を管理するためのシステムは、試薬容器30が試薬容器運搬装置34内に配置され、その配置後、これらの試薬容器運搬装置34が検査室自動化システム10の分析セクションに経路付けられてそこで適切なローカル列32内に移されるように、設計されてよい。このような配置は、試薬容器30をトラックシステム12の近傍の保管位置から取り上げてその試薬容器30を試薬容器運搬装置34上に配置する能力を有するロボット機構(図示せず)によって実施されてよい。同様に、試料を供給するためのシステムは、試料容器18がアダプタスリーブ28を有する試料容器運搬装置24または試薬容器運搬装置34内に配置され、その配置後、これらの試料容器運搬装置24が検査室自動化システム10の分析セクションに経路付けられてそこで適切なローカル列22内に移されるように、設計されてよい。このような配置は、試料容器18をトラックシステム12の近傍の保管位置から取り上げてその試料容器18をアダプタスリーブ28を有する試料容器運搬装置24または試薬容器運搬装置34上に配置する能力を有するロボット機構(図示せず)によって実施されてよい。
【0041】
検査室自動化システム10の各分析セクションは、トラックシステム12から試料容器運搬装置24および試薬容器運搬装置34がそれぞれ移されてきて処理のために保持される、ローカル列22、32を有する。このような方向転換用途に適したダイバータは当業者にはよく知られている。ダイバータは一般には機械電気的に作動されるゲートである。本明細書で使用するのに適したダイバータの一例が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,202,829号明細書に記載されている。
【0042】
試薬容器30は、試薬容器運搬装置34から単純に取り出されて検査室自動化システム10の分析セクション内に位置される試薬保管領域内に配置される。試料が試料容器18から吸引される。試料容器18は試料容器運搬装置24から取り出される必要はない。試料が所与の試料容器18から吸引され得るが、これは、その試料の試験に必要となるすべての試料が試料容器18から取り出されるまで行われてよい。試料の処理の完了時または別の適当な時間に、試料容器運搬装置24および試薬容器運搬装置34はローカル列(複数可)22、32から外されてトラックシステム12へ移送される。空の試薬容器30は固形廃棄物容器内に処分される。試料容器18は、結果および/または指示により再試験または追加の試験が必要ではないと判断されるまで試料容器運搬装置24内に保持されてよい。試薬容器運搬装置34は次の試薬容器を移送するための操作にそのまま再利用されてよい。
【0043】
試薬在庫管理システムが、本明細書に記載する検査室自動化システム10に追加され得る。典型的な試薬在庫管理システムは、試薬および他の供給品の箱を積載するためのオペレータインターフェースと、在庫の認識および追跡のための無線周波数認識システムと、容器をトラックシステム上に積載するためのおよびトラックシステムから容器を外すためのロボット機構と、キャップ除去装置と、冷凍設備と、検査室用の分析装置および販売業者との情報技術的な通信手段(information technology connection)とを有する。
【0044】
試料容器18および試薬容器30を検査室自動化システム10の分析セクションに移送するのにトラックシステム12が使用されない場合、複数の試料容器18を支持する試料容器トレイ38が使用されてよい。検査室自動化システム10は、単純に、試薬容器運搬装置34および試料容器運搬装置24のための列を試料容器トレイ38のための適切な支持体に置き換えるだけである。例えば図5、図6および図7を参照されたい。これらの図では、トラックシステム12は示されていない。トラックシステム12の代わりに試料容器トレイ38が存在する。しかし、試料容器トレイ38用の取付具を取り外して検査室自動化システム10の他の部分をトラックシステム12に連結することもできる。
【0045】
後で説明する分析システムのための、試料容器18内に供給される試料を調製するための種々の構成要素が、トラックシステム12に沿った適当な位置に配置されてよい。ここで、市販されている検査室自動化システム10’の図2を参照すると、本明細書に記載する検査室オートメーション10内でも使用され得る構成要素がトラックシステム12’に沿って配置されている。これらの構成要素には、限定しないが、(a)試料容器18を検査室自動化システム10に導入するための、および、(b)試料容器18を検査室自動化システム10から取り外すためのインプット/アウトプットモジュール20と、1セットのアッセイがその上で実施される、試料を保管するための容器保管・回収ユニット40とが含まれる。さらに図1には、血液試料中の細胞から血清を分離させるための第1の遠心分離システム42および第2の遠心分離システム44と、試料容器18からキャップを取り外すための、一般には試料管からキャップを取り外すためのデキャッパ46と、分析試験の完了後に試料容器18を密閉するためのリシーラ(resealer)48と、例えば試薬、試料などの生物学的物質の有効寿命を延ばすための冷凍装置(図示せず)とが示されている。試薬容器30は、配送部から輸送梱包箱に入れられて受け取られるときに、操作者によって冷凍装置内に入れられてよい。この積載プロセスでは輸送梱包箱の頂部を取り除く必要がある場合がある。試薬容器30に添着された無線周波数認識タグ36が、冷凍装置に付随する無線周波数認識読取装置(図示せず)によって読み取られ得て、その在庫が記録される。試薬の在庫を管理するためのシステムに連結された検査室自動化システム10の分析セクションが試薬容器(複数可)30を要求した場合、試薬の在庫を管理ためのシステムが要求された種類の通常は最も古い試薬(複数可)を、すなわち先入れ先出しの形で、冷凍装置内にある輸送梱包箱から取り出し、処理のために試薬容器(複数可)30を用意し(例えば、キャップを取り外したり、隔壁を挿入したりなど)、試薬容器(複数可)30を試薬容器運搬装置(複数可)34内に配置する。輸送梱包箱からの試薬容器30の除去および試薬容器運搬装置34内への試薬容器30の配置はロボット機構(図示せず)によって実施されてよい。その後、試薬容器30を保持する試薬容器運搬装置34はトラックシステム12の適切なレーン上に送られ、次いで、試薬(複数可)を要求した検査室自動化システム10の分析セクションに経路付けされる。最後に、空の輸送梱包箱が冷凍装置から取り出されて固形廃棄物容器内に入れられる。
【0046】
図1に示されていないが、検査室自動化システム10内の情報を取り扱うための制御ユニットが必ず存在する。この制御ユニットはまた、検査室自動化システム10の自動化された機能を実行する種々のロボット機構に命令を送る。制御ユニットはパーソナルコンピュータであってよいと予想される。単純な検査室自動化システムの従来の構成要素のさらなる考察は、参照により本明細書に組み込まれる、Ikedaら「Total Clinical Laboratory Testing System for Laboratory Automation」、Hitachi Review、Vol.41(1992年)、No.4、167−172ページで見ることができる。試験管保管・回収ユニット、インプット/アウトプットモジュール、遠心分離システム、デキャッパ、リシーラ、冷凍装置、および他の補助要素のいくつかの例は当業者にはよく知られており、多数の供給元から簡単に買うことができる。本明細書に記載する検査室自動化システム10には含まれないが、図2にはさらに、第1の免疫アッセイ分析装置50a、第2の免疫アッセイ分析装置50b、第1の臨床化学分析装置50c、および、第2の臨床化学分析装置50dが示されている。本明細書に記載する発明は、複数のタイプの免疫アッセイ分析装置および別のタイプの臨床化学分析装置を使用する。
【0047】
中央の試薬保管領域(図示せず)で試薬を実質的にストックすることができ、これらの試薬は、必要に応じて、トラックシステム12または検査室自動化システム10の分析セクションに移送され得る。試薬を中央の保管領域からインプット/アウトプットモジュール20へと移送するのに適した移送手段には、限定しないが、ガントリ、無限コンベアベルトおよびロボット機構が含まれる。
【0048】
トラックシステム12には検査室自動化システム10の少なくとも1つの分析セクション60が隣接する。トラックシステム12のサイズに応じて、2つ以上の分析セクション60が使用されてもよい。分析セクション60は、4つの主なサブセクション、すなわち、アッセイに使用される試料および試薬を保持するためのサブセクション62と、試料および試薬を例えばマイクロウェルプレートなどの反応ベッセル内に導入して操作するのに必要となる装置のための使い捨ての構成要素を保持するためのサブセクション64と、免疫アッセイを実施するのに必要となる器具を支持するためのサブセクション66と、臨床化学アッセイを実施するために必要となる器具を支持するためのサブセクション68とを有する。サブセクション66は吸引/分注デバイスから直接に到達可能である必要はなく、キッティングされたマイクロウェルプレートを使用することができる。サブセクション68は、通常、マイクロウェルプレートに直接に到達する吸引/デバイスが必要である。
【0049】
分析セクション60のサブセクション62は、好適には、無線周波数認識タグ26、36からの情報を読み取るための無線周波数認識読取装置(図示せず)を収容するのに十分な高さまで上昇される。このような無線周波数認識読取装置は、2006年7月28日に出願された、「SYSTEM FOR TRACKING VESSELS IN AUTOMATED LABORATORY ANALYZERS BY RADIO FREQUENCY IDENTIFICATION」と題される米国特許出願第11/495,430号に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
例えば試料容器コンテナ運搬装置24および試薬容器30などの、容器および容器の運搬装置のために無線周波数認識システムを導入する一実施形態では、無線周波数認識システムが、少なくとも1つの移動可能な無線周波数認識読取装置を有する。無線周波数認識読取装置が容器または容器運搬装置に付随する無線周波数認識タグからのデータを読み取るためには、無線周波数認識読取装置は無線周波数認識タグに近接する位置まで移動されなければならず、そうすることにより、無線周波数認識読取装置によって読み取られるデータの完全性に悪影響を及ぼさない程度の他の容器または他の容器運搬装置上の近傍の無線周波数認識タグからのノイズ量および干渉のなかで、無線周波数認識タグからの情報が読み取られるようになる。この実施形態では、少なくとも1つの無線周波数認識読取装置が容器および容器の運搬装置の間を移動するのを可能にするための伝動サブシステムが用意されなければならない。固定型の第2の読取装置が、その第2の読取装置付近まで移送される消耗品に取り付けられた無線周波数認識タグを読み取るのに使用されてよい。
【0051】
別の実施形態では、無線周波数認識システムは、少なくとも1つの固定型の無線周波数認識読取装置を有する。少なくとも1つの無線周波数認識読取装置が容器または容器運搬装置に付随する無線周波数認識タグからのデータを読み取るためには、容器または容器運搬装置が少なくとも1つの無線周波数認識読取装置に近接する位置まで、好適には少なくとも1つの無線周波数認識読取装置に位置合わせされるように移動されなければならず、そうすることにより、無線周波数認識読取装置によって読み取られるデータの完全性に悪影響を及ぼさない程度の他の容器または他の容器運搬装置上の近傍の無線周波数認識タグからのノイズ量および干渉のなかで、無線周波数認識タグからの情報が読み取られるようになる。この実施形態では、少なくとも1つの無線周波数認識読取装置が容器および容器運搬装置の間を移動することを可能にするための伝動サブシステムが用意される必要はない。
【0052】
固定型の無線周波数認識読取装置の上記の実施形態を実施する手法は少なくとも2つある。第1の手法によると、試料容器および試薬容器、または、試料容器運搬装置および試薬容器運搬装置が少なくとも1つの固定型の無線周波数認識読取装置に近接する位置まで移送され得ることにより、容器または容器運搬装置上の固定型の無線周波数認識読取装置タグが少なくとも1つの無線周波数認識読取装置によって読み取られるようになる。第2の手法によると、プリント基板上のトレースである複数のアンテナが個別の固定型の無線周波数認識読取装置として機能する。これらのアンテナは個別のデータ集を受信することができる。無線周波数認識タグを読み取るための読取装置の好適な実施形態では、試薬保管領域および試料保管領域の下で単一のプリント基板が複数のアンテナを有する。アンテナの長さは、使用される無線周波数との関係を決定付けるので重要である。アンテナの長さは、例えば、半波長、1/4波長といったようないくつかの多波長の無線周波エネルギーに対応する。
【0053】
無線周波数認識システム用のプリント基板は、遠隔アンテナ用の通信手段と、一度に一つずつそれらのアンテナを選択する手段とを有していてよい。例えば、無線周波数認識システムは、マイクロウェルプレート回転装置、前処理領域、磁性粒子プロセッサ、発光測定装置(複数可)、吸光度読取装置(複数可)、在庫読取位置などのいくつかの離れた読取位置との、ならびに、ローカル列および移送トラック(transport track)上の位置との外部通信手段を有する。これらの離れた位置にあるアンテナ読み取ることにより、マイクロウェルプレートが検査室自動化システム全体を通して追跡され得るようになり、一連の管理を実現することができる。
【0054】
本明細書に記載する無線周波数認識システムを具体化するために、無線周波数認識タグは、例えば試薬容器30などの容器の最も低い位置または例えば試料容器運搬装置24などの容器運搬装置上に配置されてよい。カプセル封入された無線周波数認識タグを容器の最も低い位置に配置することがしばしば所望される。試料容器18の場合、無線周波数認識タグは試料容器運搬装置24上に配置されてよい。
【0055】
一実施形態では、2つの高周波(13.56MHZ)無線周波数認識読取装置が使用され得る。一方の無線周波数認識読取装置は試薬容器が配置されている領域の下を移動することができる。もう一方の固定型の無線周波数認識読取装置は、マイクロウェルプレート上の無線周波数認識タグを読み取る。無線周波数認識読取装置を使用することにより、検査室自動化システム10内で試薬容器および試料容器18を効率的かつ緊密にパックすることが可能となる。無線周波数認識読取装置および無線周波数認識タグを使用することにより、バーコードを用いて付与され得るデータ量と比較してより高密度のデータを容器上に有することが可能となる。さらに、書き込み可能な無線周波数認識タグが使用される場合、無線周波数認識タグ上のデータは、無線周波数認識タグを装備する容器の中身に付随して行われる変更を反映するように更新され得る。無線周波数認識システムはパーソナルコンピュータ用のインターフェースを有することができる。
【0056】
本明細書に記載する検査室自動化システム10では、試料は免疫アッセイ技術および臨床化学アッセイ技術の両方で共用される。試料は、検査室自動化システム10の分析セクション60上での試料の保管を最小化するためにかつ再試験および/またはリフレックス試験(reflex testing)を自動化するために、検査室自動化システム10のトラックシステム12により分析セクション60のサブセクション62に移送され得る。別法として、試料は、例えば手動、または所望される場合はロボット機構(図示せず)などの別の手段により分析セクション60のサブセクション62に配置されてもよい。上で考察したように、試料は、試料容器運搬装置24によりまたは試料容器18を支持するトレイ38により検査室自動化システム10の分析セクション60に移され得る。典型的な試料容器トレイ38は最大で5つの試料容器18を保持することができ、試料容器トレイの列は通常最大で3つの試料容器トレイ38を含むことができ、サブセクション62は通常最大で12個の試料容器トレイを保持することができる。分析セクション60のサブセクション62のうちの試料容器18に割り当てられる領域は絶対に必要というわけではないが、最大で60個の試料容器18がサブセクション62内で保管され得ることが分かる。しかし、分析セクション60の寸法が増大される場合には、60個を超える試料容器18が分析セクション60のサブセクション62内で保管され得る。
【0057】
分析セクション60のサブセクション62は、臨床化学アッセイ用の試薬容器30を一時的に保管するための十分なスペース、免疫アッセイ用の試薬を攪拌するための装置と共に免疫アッセイ用の試薬容器30を一時的に保管するための十分なスペース、および、試料容器18を一時的に保管するための十分なスペースを有する。サブセクション62は、臨床化学アッセイのみまたは免疫アッセイのみのための試薬容器30、または、両方のタイプのための試薬容器30の組み合わせを有するように設計されてよい。サブセクション62は、試薬および試料の冷凍および蒸発抑制を実現できるような装備であることが好適である。図8A、図8B、図8Cおよび図8Dが、試薬容器30が周囲に曝されるのを最小にするためのシステムを示している。このシステムでは、摺動試薬カバー70、72のシステムが、試薬容器30を外部環境から隔離するのに使用されてよい。試薬は、本明細書に記載する摺動試薬カバーの実施形態を使用することにより長時間保存され得るようになる。この実施形態では、第1の摺動試薬カバー70が、サブセクション62内に配置されている複数の試薬容器30の上方に位置される。第2の摺動試薬カバー72は、複数の試薬容器30の上方かつ第1の摺動試薬カバー70の上方に位置される。第1の摺動試薬カバー70は形状が実質的に長方形であり、これは第2の摺動試薬カバー72も同様である。第1の摺動試薬カバー70はトラック(図示せず)内に挿入され、そこでは、第1の摺動試薬カバー70は矢印「A」で示される水平方向に摺動することができる。第2の摺動試薬カバー72は、第1の摺動試薬カバー70が挿入されるトラックに位置合わせされているトラック(図示せず)に挿入され、そこでは、第2の摺動試薬カバー72は矢印「A」で示される水平方向に摺動することができる。第1の摺動試薬カバー70は、その中に形成される、複数の試薬容器30に位置合わせされて配置され得る複数の開口部74を有する。同様に、第2の摺動試薬カバー72は、その中に形成される、複数の試薬容器30に位置合わせされて配置され得る複数の開口部76を有する。図8A、図8B、図8Cおよび図8Dに示されるように、開口部74および開口部76は形状が長方形である。第2の摺動試薬カバー72内の各開口部76の左側縁部は半円切欠78となっている。この半円切欠78はその開口部分が右側を向いている。第1の摺動試薬カバー70内の各開口部74の右側縁部は半円切欠80となっている。この半円切欠80はその開口部分が左側を向いている。第1の摺動試薬カバー70および第2の摺動試薬カバー72は互いに相対的に移動することができ、第1の摺動試薬カバー70内の切欠80と第2の摺動試薬カバー72内の切欠78とが合わさって小さな開口部を形成するようになっており、その開口部を介して、試薬容器30から液体試薬を吸引するためにピペットの先端が挿入され得る。試薬が吸引されないとき、第1の摺動試薬カバー70および第2の摺動試薬カバー72は小さな開口部が閉じられるように互いに相対的に移動することができ、それにより、第1の摺動試薬カバー70および第2の摺動試薬カバー72が試薬に対する周囲の影響を軽減することが可能となり、結果的に試薬の有効寿命が延びる。
【0058】
臨床化学アッセイ用の個々の試薬容器30および免疫アッセイ用の個々の試薬容器30はロボットシステムにより試薬容器運搬装置34から取り出されて分析セクション60のサブセクション62の適当な位置に挿入され得、そこでは、握持デバイス92が、以下では吸引/分注デバイス94としても称される、液体を吸引および分注することができるデバイス94に添着されていてよい。本明細書で使用するのに適した握持デバイスを示している概略図の図9A、図9B、図9C、図9D、図9Eおよび図9Fを参照されたい。吸引/分注デバイス94は容器から液体を吸引することおよびマイクロウェルプレートのマイクロウェル内に液体を分注することができる。吸引/分注デバイス94は、複数のピペット98を装備することができるヘッド96を有する。本明細書で使用するのに適した市販のロボットシステムは一般に4から12個のピペットを有する。握持デバイス92は、試薬容器30、試料容器18およびマイクロウェルプレートを握持すること、握持している容器またはマイクロウェルプレートを垂直方向に持ち上げること、ならびに、握持している容器またはマイクロウェルプレートを垂直方向に下げることができる。吸引/分注デバイス94は、互いに垂直である2つの水平方向に移動することができる。各々の方向において移動範囲に制限はない。しかし、経済的理由により、分析セクションはできる限り小さいほうが好ましい。従って、吸引/分注デバイス94の一般的な移動範囲は、両方の水平方向において、約2フィート(0.61m)から約8フィート(2.44m)、好適には約2フィート(0.61m)から約6フィート(1.83m)、より好適には約2フィート(0.61m)から約4フィート(1.22m)であると予想される。本明細書に記載する装置および方法と共に使用するのに適したロボットシステムはHamilton Companyから市販されている。このシステムでは、吸引/分注デバイス94の2つのピペット98が握持デバイス92を受け取ることができる。握持デバイス92は、伸長可能なOリングロック機構により吸引・分注装置94のピペット98のステムに固定されて取り付けられてよい。伸長可能なOリングロック機構は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,033,543号明細書に記載されている。
【0059】
握持デバイス92は、一般的には、例えばパドル形状の直方体であり、通常は例えばステンレス鋼などの金属で作られている。図9Aおよび図9Bが、マイクロウェルプレートを握持するのに適した握持デバイス92を示している。パドル形状の各握持デバイス92は、マイクロウェルプレートの縁部に接触するその主面上に少なくとも1つの突出部、好適には2つ以上の突出部を有する。パドル形状の握持デバイス92がピペット98に添着される場合、パドル形状の握持デバイス92は上で言及した伸長可能なOリングによって保持される。この同じ伸長可能なOリングがピペットチップを保持するのにも使用されてよく、これは、ピペット98の吐出端部(discharging end)を介して抜くことできる。この伸長可能なOリング機構は、ピペットが液体を吸引および分注するのに使用されている間、さらには、ピペットチップが容器の隔壁を貫通しているときにも、ピペットチップを固定して保持する。ピペットチップが容器の隔壁を貫通するときは、通常であれば、摩擦により固定されている(friction−staked)ピペットチップがピペットの吐出端部から引き抜かれてしまう。
【0060】
吸引/分注デバイス94がマイクロウェルプレートを握持するためには、握持デバイス92が取り付けられている吸引/分注デバイス94の2つのピペットが互いに向かって移動されなければならず、それにより、マイクロウェルプレートがパドル形状の握持デバイス92の間で握持されるようになる。マイクロウェルプレートは、握持されているときは縦向きおよび横向きのどちらであってもよい。すなわち、マイクロウェルプレートは、マイクロウェルプレートの2つの長い方の側面またはマイクロウェルプレートの2つの短い方の側面のいずれかを介して握持されてよい。上で言及した突出部が、柔らかいプラスチック物質のマイクロウェルプレートの表面内にわずかに入るように貫通し、それにより、マイクロウェルプレートが持ち上げられるとき、下げられるとき、または移送されるときにしっかりと保持されるようになる。握持デバイス92の種々の修正形態が、例えば試薬容器30、試料容器18などの円筒形の容器を握持するのに使用されてよい。握持デバイス92は、円筒形の容器を握持するために、図示するようにならびに上で説明したように直方体であることが好適であり、この直方体には、容器の形状に実質的に一致していてよいサイズおよび形状のアダプタ92aが取り付けられる。図9Cおよび図9Dが、円筒形の容器を握持するのに適した握持デバイス92を示している。図9Cおよび図9Dに示されている握持デバイス92と同じ機能を果たす握持デバイス92の別の実施形態が、図9Eおよび図9Fに示されている握持デバイス92である。図9Eおよび図9Fに示されている握持デバイス92では、パドルは直線形状はなく実質的にL形である。L形の握持デバイス92を備えるピペット98は円筒形の容器30を容易に握持したり、持ち上げたり、移動させたり、降下させたりすることができ、検査室自動化システム10の分析セクション60内の任意の位置から別の位置へと円筒形の容器30を容易に配置することができる。
【0061】
図10A、図10B、図10C、図10Dおよび図10Eが、伸長可能なOリングロック機構の動きを示している。ピペット98は、内壁100および外壁102を有する円筒管を有する。Oリングアクチュエータスリーブ(o−ring actuator sleeve)104がピペット98の外壁102の相当な部分を取り囲んでいる。伸長可能なOリング106が、ピペット98の外壁102の周りの、Oリングアクチュエータスリーブ104の下側端部のすぐ下に位置されている。伸長可能なOリング106は、通常、弾性高分子物質から作られる。エジェクタスリーブ108がOリングアクチュエータスリーブ10の相当な部分を取り囲んでいる。図10Aでは、握持デバイス92およびピペットチップ110のいずれもピペット98に装着されていない。図10Bでは、握持デバイス92またはピペットチップ110のいずれかが滑り嵌めによりピペット98に装着され、ここでは挿入力が殆ど存在していない。図10Cでは、伸長可能なOリング106が、小型モータ(図示せず)によって垂直方向に移動されるOリングアクチュエータスリーブ104により圧縮および伸長される。図10Dでは、握持デバイス92またはピペットチップ110が、伸長可能なOリング106およびピペットチップ110の内壁にある溝112を介してピペット98の円筒管上に係止される。図10Eでは、上述のモータの方向を逆にしてOリングアクチュエータスリーブ104を上げることにより、伸長可能なOリング106は、圧縮が緩められて径方向に引き戻される。握持デバイス92またはピペットチップ110は、処分または再使用のために、小型モータ(図示せず)によりピペットの主管に対して移動されるエジェクタスリーブ108によって取り外される。
【0062】
マイクロウェルプレートを握持するのにロボット機構(図示せず)の代替実施形態が使用されてもよい。一代替実施形態では、ロボット機構はマイクロウェルプレートを握持すること、そのマイクロウェルプレートを垂直方向に持ち上げたり下げたりすること、および、その移送中にマイクロウェルプレートを回転させることができる。このタイプのロボット機構は、マイクロウェルプレートを種々のタイプのアッセイ処理装置およびアッセイの結果の読取装置に挿入するのを容易にするためにマイクロウェルプレートを回転させるなどの動作に有用であるが、検査室自動化システム10のデッキの上方のみでマイクロウェルプレートを移動させる。図1、図5、図6および図7では、示されている構成要素が単一の高さのみに位置されていることに留意されたい。ロボット機構の別の代替実施形態は、上で言及した実施形態のすべての特徴を有していることに加えて、マイクロウェルプレートを検査室自動化システム10のデッキの上方の位置から検査室自動化システム10のデッキの下方の位置まで移送することもでき、それにより、マイクロウェルプレートを、ピペットからアッセイ処理装置まで、次いで読取装置まで、最後に廃棄物用の容器まで移送するときに、別の選択肢が得られる。この実施形態は、限定された垂直方向のスペース内での3次元的な移送における代替案を提示する。この実施形態は、以下での図23のより詳細な考察で説明されている。
【0063】
ハミルトンピペットなどのピペットを使用する場合、乾燥空気を押すタイプのシリンジ(dry air displacement syringe)を用いることによりポンプおよび管路を排除できる。このようなピペットは、より効率的に液体を分注するために拡張された非対称のピペットの形をしている。拡張された非対称のピペットとは、液体の分注が様々な場所で実施され得ること、すなわち、ピペットが互いに等距離に離間される必要がないことを意味している。また、このようなピペットは、吸引および分注の間で、圧力を監視することに加えて容量および圧力により液位を感知することが可能である。上で言及したように、伸長可能なOリングを使用することで、一般にピペットチップの変形を引き起こすような摩擦力によりピペットチップを装着することの必要性も排除できる。
【0064】
試薬容器30は、例えば約2℃から約8℃の温度範囲であってよい領域などの冷凍領域内に収容されることが好ましい。上で考察したように、試薬容器30は、試料容器18または試料容器18用のアダプタスリーブ28と同様に、分析セクション60のサブセクション62の下方に位置される自動化された無線周波数認識読取装置(図示せず)によって読み取られ得る無線周波数認識タグを装備することができる。無線周波数認識読取装置は、一部の試薬および一部の試料の吸引を実施するときまたは在庫内の品目のスキャン操作を開始するときに、試薬容器30および試料容器18(または、試料容器運搬装置24)上の無線周波数認識タグの読み取りおよび更新を行うことができる。表1に示した種類の情報が無線周波数認識読取装置により無線周波数認識タグ上で更新され得る。
【表1】
分析セクション60の前に位置される領域が、マイクロウェルプレート用の無線周波数認識読取領域として使用されてよい。無線周波数認識タグおよび無線周波数認識読取装置を使用するためのシステムが、参照により本明細書に先に組み込まれた、2006年7月28日に出願された米国特許出願第11/495,430号に記載されている。
【0065】
免疫アッセイで使用するための試薬の場合、分析セクション60のサブセクション62は、通常、分散性の磁性微粒子用の34個の試薬容器30、コンジュゲート用の、すなわち、例えば化学発光のコンジュゲート(chemiluminescent conjugate)などのアッセイ用の標識を含有する成分用の34個の試薬容器30、および、希釈剤用の34個の試薬容器30を収容することができる。分散性の磁性粒子用の試薬容器、コンジュゲート用の試薬容器および希釈剤用の試薬容器は、それらが検査室自動化システム10の分析セクション60に適合する限りにおいて、同じものであっても互いに異なっていてもよい。分散性の磁性微粒子を収容する各試薬容器30は、軸受(図示せず)内で軸支される軸(図示せず)を備える座部(図示せず)上に配置され、軸受内で軸が回転することによりその座部が回転される。この軸は、軸受の下の軸上に位置される小型の歯車(図示せず)によって回転される。所与の試薬容器30の小型の歯車は、その容器に隣接する1つの試薬容器30の小型の歯車に係合される。試薬容器30の列の端に位置される試薬容器30の歯車は、例えばステッパモータなどの分散用のモータ(dispersing motor)(図示せず)に取り付けられた駆動歯車114に係合される。この駆動歯車114により、試薬容器30の列の端に位置される試薬容器30の小型の歯車が回転され、次いでその試薬容器30に隣接する次の試薬容器30の小型歯車が回転され、次いでその試薬容器30に隣接する次の試薬容器30の小型歯車が回転されるといった具合にその列にある試薬容器のすべての小型歯車が回転されることから、結果としてすべての試薬容器30が回転されることになる。このようにすべての試薬容器30が回転されることにより、その端がモータである列内の、磁性微粒子を収容しているすべての試薬容器30内で磁性微粒子が分散される。免疫アッセイ用の試薬容器30は、容器が不正確に積載されるのを防止するためにキーで固定されてよい。このようなキー固定は、試薬容器30を一方向のみで挿入可能となるように設計することによって実現されてよい。このようなキー固定は、試薬容器30を自動で積載するのには一般には使用されない。しかし、競合他社の低質の容器が本明細書に記載する装置と共に使用されるのを防止するためにキーで固定することが望ましい。
【0066】
別のタイプのキー固定機能では、免疫アッセイ用の試薬容器のためのラックが臨床化学アッセイ用の試薬容器のためのラック内に配置されるのを防止するために、無線周波数認識システムのプリント基板上にあるアダプタプレートまたはガイド(図示せず)が使用される。さらに、盲結合コネクタが使用される場合、免疫アッセイの用の試薬容器のためのラックが逆方向に積載されることがなくなる。というのは、ラックが逆方向に積載された場合、これらのラックは盲結合コネクタに正しく適合されず、従って分散用のモータが接続されず、エラーが表示されてしまうからである。臨床化学アッセイ用の試薬容器のためのラックは、無線周波数認識システムのプリント基板が各容器を個別に認識することから、任意の方向に設置されてよく、正しく動作することができる。
【0067】
分散性の微粒子を収容している試薬容器30は、ARCHITECT(R)の器具で使用されるときと同様の形で、すなわち、一方方向に360°かつ逆方向に225°だけ継続的(吸引ステップの間は除く)に回転される。例えば、すべてが参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,580,524号明細書、第6,436,349号明細書および第6,498,037号明細書を参照されたい。臨床化学アッセイで使用される容器の場合、分析セクション60のサブセクション62は、通常、種々の試薬用の68個の試薬容器30を収容することができる。分析セクション60のサブセクション62が収容することができる試薬容器30のこの数は重要ではない。前述した数は、単に、通常の構成の代表的な例にすぎない。
【0068】
例えば、特定のタイプの免疫アッセイ用のプレトリガ溶液、洗浄緩衝液および脱イオン水などのバルク液体は、好適には、樋状部116a、116b、116cなどに収容され、その結果、複数のピペットチップ110が特定の液体を同時に吸引することができるようになる。プレトリガ溶液の目的は、免疫アッセイにおいて、磁性微粒子に結合されているコンジュゲートからの例えばアクリジニウムなどの化学発光物質の解放を可能にすることである。また、プレトリガ溶液により過酸化水素水が加えられてpHが下がるため、化学発光物質から光子が放出されなくなる。プレトリガ容器と相補的なトリガ溶液が例えば水酸化ナトリウム水溶液などの塩基性水溶液によってpHを再び中性まで上げることにより、過酸化水素が化学発光物質から光子を発生させることができるようになる。バルク液体の分注は、吸引/分注デバイス94の負荷を軽減するために分析セクション60上のサブシステムによって実施されてもよい。図1、図5および図6に示されるように、分析セクション60のサブセクション62は6つの桶状部を収容することができる。分析セクション60のサブセクション62が収容することができる桶状部のこの数は重要ではない。前述した数は、単に、通常の構成の代表的な例にすぎない。別のバルク液体が適当な場所に保管されてもよい。例えば、プレトリガ溶液と共に使用される特定のタイプの免疫アッセイ用のトリガ溶液が、例えば発光測定装置などの読取装置内に保管されてよく、そうすることにより、アッセイの結果が読み取られる時点でトリガ溶液が解放されるようになる。トリガ溶液は、免疫アッセイの反応生成物の標識から約3秒から約5秒の範囲内で光子を放出させることが可能である。
【0069】
ピペットチップ(未使用のピペットおよび再使用のピペットの両方)用の保管領域120、および、温度制御可能なマイクロウェルプレート回転装置122または固定された吸引・分注位置124が、分析セクション60のサブセクション64に配置される。固定された吸引・分注装置が使用される場合、プレート回転装置を使用する必要はない。
【0070】
使い捨てピペットチップ用のラック126および固形廃棄物用の容器128が分析セクション60の中心または中心付近に配置されてよく、そうすることにより、吸引/分注デバイス94が吸引・分注動作のために例えばピペットチップ、マイクロウェルプレートなどの清潔な実験装置上を移動する距離が最小となる。使い捨てピペットチップ用のこれらのラック126は、免疫アッセイ用および臨床化学アッセイ用の使い捨てピペットチップをそれらの使用の前に保管するのに使用される。チップコーム用の、すなわち逆磁気による粒子処理で使用される使い捨て製品用のラック130が、チップコームをその使用前に保管するのに使用される。使用されたチップコームは、使用されたチップコーム用のラック132内に処分されてよい。ピペットチップの消費を削減するために、ピペットチップ用の「再使用」ラック134が、特定の試薬容器30またはバルク液体に割り当てられたピペットチップを保管するのに使用されてよい。使い捨てチップ用のラックスタッカ(rack stacker)136が、使い捨てチップのラックを分配するためのディスペンサ内に使い捨てチップの多量のラックを保管することができる。ラックスタッカ136は、保管されるラックがばねまたはモータ駆動により分析セクション60の表面に向かって付勢されるような細長い容器であってよい。試料が免疫アッセイモードおよび臨床化学アッセイモードで試験される場合、ピペットチップの消費を削減するために、それらの特定の試料に割り当てられたピペットチップを保管するのに、ピペットチップ用の別の「再使用」ラック(図示せず)が使用されてよい。ピペットチップは、ピペットチップが同じ試料または同じ試薬の使用を繰り返す場合、すなわち、別の試料または別の試薬の残りが存在しない限りにおいて、再使用され得る。所与の試料のための試験がすべて完了した後、その試料用のピペットチップは、分析セクション60の近傍の適当な位置に配置された固形廃棄物用の容器128内の固形廃棄物へ排出される。上述のラックはその予想される中身と互換性を有するように設計され得る。このようなラックは市販されており、当業者にはよく知られている。
【0071】
使い捨て製品用の種々の保管領域の容量の代表的な例は以下の通りである:
(a)使い捨てチップ用のラックが、最大96個の1−1000μLの使い捨てチップを保持することができる;
(b)再使用可能な使い捨てチップのためのラックが、最大96個の1−1000μLの使い捨てチップを保持することができる;
(c)使い捨てチップ用のラックが、最大96個の1−300μLの使い捨てチップを保持することができる;
(d)再使用可能な使い捨てチップのためのラックが、最大96個の1−300μLの使い捨てチップを保持することができる;
(e)使い捨てチップ用の4つのラックのためのスタッカが、最大96個の1−300μLの使い捨てチップを保持することができる;
(f)再使用可能な使い捨てチップのためのラックが、最大96個の1−1000μLの使い捨てチップを保持することができる;
(g)清潔なチップコーム用のラック;
(h)使用されたチップコーム用のラック。
【0072】
前処理・希釈領域が固定された吸引/分注位置124のところに配置される。この位置では、所望の場合、マイクロウェルプレートが固定された位置ですなわち回転されないように維持されてよい。前処理ステップおよび/または希釈ステップは、免疫アッセイ処理および臨床化学アッセイ処理の前に実施される。
【0073】
ここで図1、図5および図6を参照すると、免疫アッセイ処理装置140が分析セクション60のサブセクション66のところに位置されている。図7では、異なるタイプの免疫アッセイ処理装置が使用されている。この免疫アッセイ処理装置は参照符号140aで示されている。2つの以上の免疫アッセイ処理装置140が使用されてもよい。臨床化学アッセイ処理装置142が分析セクション60のサブセクション68のところに位置されている。2つの以上の臨床化学アッセイ処理装置が使用されてもよい。マイクロウェルプレート用の保管ラック144が分析セクション60のサブセクション68のところまたはその近傍に位置される。免疫アッセイまたは臨床化学アッセイ用のマイクロウェルプレートをキッティングする前に免疫アッセイおよび臨床化学アッセイ用のマイクロウェルプレートを保管するのに、マイクロウェルプレート用のスタッカ146が使用される。上で示したように、本明細書に記載する検査室自動化システムは、免疫アッセイ処理装置を一切使用せずに臨床化学アッセイ処理装置(複数可)と共に機能するまたは臨床化学用の処理装置を一切使用せずに免疫アッセイ用の処理装置(複数可)と共に機能することができる。
【0074】
免疫アッセイ処理装置140は以下の機能を有する:反応混合物の培養;反応混合物の混合;反応混合物からの成分の分離;反応生成物(複数可)の洗浄;免疫アッセイの結果の読み取りを可能にするための標識の解放。本明細書で使用するために修正され得る免疫アッセイ処理装置140は、Thermo Fisher Scientific,Inc.、米国、マサチューセッツ州、ウォルサム、から市販されているKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサであり、これは、参照によって本明細書に組み込まれる、METHOD OF PERFORMING ULTRA−SENSITIVE IMMUNOASSAYSと題された、2007年10月25日に出願の米国特許出願第11/923,828号に記載されている。本明細書に記載する特定の実施形態で使用するために修正され得る別の磁性粒子プロセッサには、Thermo Fisher Scientific,Inc.、米国、マサチューセッツ州、ウォルサム、から市販されているKingFisher(TM)96磁性粒子プロセッサがある。このタイプの免疫アッセイ処理装置が図7に図示されており、参照符号140aで示されている。KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサが、例えば血液、細胞培養菌(cell culture)、組織ライセート、土および排泄物などの種々の出発物質からの高品質のDNA、RNA、タンパク質および細胞の高速で再現性のある精製を実現することができる。上述したKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサと同様に、KingFisher Flex(TM)磁性粒子プロセッサは、種々の精製段階すなわち結合、欠如、洗浄、溶出を通して、粒子を移動させる磁性ロッドを使用する。KingFisher Flex(TM)磁性粒子プロセッサは、24個のロッドを有する磁石ヘッドおよび24個のウェルを有するディープウェルプレートを使用する。試料の体積は5mLにもなり得る。より高い処理能力が必要とされる場合、96個のロッドを有する磁石ヘッドおよび適切な96個のウェルを有するプレートを使用して、96個の試料を様々な使用体積(20−1000μL)で処理することができる。KingFisher Flex(TM)磁性粒子プロセッサに関する詳細は、参照により本明細書に組み込まれるウェブサイトhttp://www.thermo.com/com/cda/product/detail/1,,10136240,00.htmlで見ることができる。KingFisher Flex(TM)磁性粒子プロセッサは、図7に示されているタイプの処理装置の修正された実施形態に組み込まれ得る。
【0075】
標識が化学発光標識である実施形態では、標識の解放は、いずれも参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,795,784号明細書および5,856,194号明細書に記載されるARCHITECT(R)分析装置で使用される手法と同様の手法で実施される。トリガ溶液は、ウェル内の反応生成物の読み取りの間に分注される。
【0076】
免疫アッセイ処理装置140から分離された発光測定装置150が、反応混合物が処理された後にマイクロウェルプレートから免疫アッセイの結果を読み取るために分析セクション60のサブセクション68のところに配置される。マイクロウェルプレートは、コンベアベルト151により免疫アッセイ処理装置140から発光測定装置150まで移動され得る。別法として、マイクロウェルプレートは、例えば複数のレベルからなる分析セクション(multiple−level analysis section)の一実施形態と共に説明される、図23に示されるタイプのロボット機構などのロボット機構により免疫アッセイ処理装置140から発光測定装置150へ移動されてもよい。
【0077】
単一のチャンネルの96ポジション発光測定装置(one channel,96−position luminescence reader)150が、光および温度が制御され得る筐体内に収容されてよい。トリガ溶液の添加および読み取りは、固定されたディスペンサ/読取装置および可動式のマイクロウェルプレートを用いて、マイクロウェルプレート内で実施される。マイクロウェルプレートは発光測定装置150の内側を移動することから、読み取りの光収集態様は1つの列で1回ずつ行われる。トリガ溶液が、マイクロウェル内の反応生成物の読み取りの間に分注される。本明細書で使用されるマイクロウェルプレートの場合、発光測定装置150の集光レンズは対象とするマイクロウェルの上に位置され、トリガ溶液が注入されているときに光子が計測される。マイクロウェルプレートのマイクロウェルは光を反射するため、化学発光反応によって生成されたより多くの光を検出することができる。通常、マイクロウェルには一般には白色の顔料が付着されている。トリガ溶液は垂直方向においてマイクロウェルに直接に位置合わせされ、容積式ポンプによって注入される。本明細書に記載する装置と共に使用するのに適した発光測定装置150は、LMax II 384という商標でMolecular Devicesから市販されている。この読取装置150は0.6アトモルの感度を有する(T3 トレーサ、アクリジニウム)。この読取装置150は約380nmから約630nmの範囲の波長で作動することができる。この読取装置150は、5桁すなわち1から100,000を越えるダイナミックレンジを有する。この読取装置150はマイクロウェルプレートの培養を実施することができる。この読取装置150はさらに、384個のマイクロウェルを有するマイクロウェルプレートを収容することができ、それにより、試薬の量を減らすことが可能となる。
【0078】
次に図23を参照すると、単一レベルの分析セクション60が3つのレベルに分割されていることが分かるが、このことにより、検査室自動化システム10の分析セクション60の構成要素のために必要となる総床面積を縮小することができる。試料容器18および試薬容器30は上段レベル60a上に配置される。発光測定装置(複数可)150は中段レベル60b上に配置され、免疫アッセイ処理装置(複数可)140は下段レベル60c上に配置される。ロボット握持デバイス152がねじ式スクリュ(threaded screw)154により垂直方向に移動することができる。ロボット握持デバイス152には、ロボット握持デバイス152がねじ式スクリュ154に沿って垂直方向に移動するのを可能にするためのナット(図示せず)が取り付けられる。ナットの移動は通常はステッパモータであるモータ(図示せず)によって駆動されてよい。ロボット握持デバイス152はさらに、ロボット握持デバイス152専用のトラック156a、156bに沿って水平方向に移動することができる。ロボット握持デバイス152は、伸縮式の移動(telescoping movement)または回転移動を可能とするような機能を有するように設計されてよい。伸縮機能により、ロボット握持デバイス152がその範囲を延長したり収縮させたりすることが可能となる。回転機能により、マイクロウェルプレートを握持して上昇させたり降下させたりすることが容易になり、所望される位置に配置することが容易になる。分析セクションが2つ(60a、60b)よりも多いレベルを採用してもよいことに留意されたい。図23にはさらに、使い捨てチップおよびマイクロウェルプレートをそれぞれ保管および分配するためのスタッカドロワ(stacker drawer)158aおよび158bが示されている。吸引/分注デバイス160は、試薬容器またはマイクロウェルプレートのための、あるいは容器およびマイクロウェルプレートの両方のための握持デバイスとして機能する能力を有している必要はない。しかし、このような能力は、検査室自動化システム10の自動化機能を高めることができる。
【0079】
免疫アッセイは、磁性粒子プロセッサとして知られる免疫アッセイ処理装置14によって実施され得る。本明細書に記載する検査室自動化システムと共に使用するために修正され得る磁性粒子プロセッサの代表的な例は、Thermo Fisher Scientific,Inc.、米国、マサチューセッツ州、ウォルサムから市販されているKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサであり、これは、参照によって本明細書に組み込まれる、METHOD OF PERFORMING ULTRA−SENSITIVE IMMUNOASSAYSと題された、2007年10月25日に出願の米国特許出願第11/923,828号に記載されている。本明細書に記載する特定の実施形態で使用するために修正され得る他の磁性粒子プロセッサには、Thermo Fisher Scientific,Inc.、米国、マサチューセッツ州、ウォルサムから市販されているKingFisher(TM)96磁性粒子プロセッサと、KingFisher(TM)Flex磁性微粒子プロセッサとが含まれる。KingFisher(TM)96磁性粒子プロセッサでは、複数のマイクロウェルプレートが使用される。複数のマイクロウェルプレートの各マイクロウェルプレートはKingFisher(TM)磁性微粒子プロセッサの1つの列のマイクロウェルに対応している。KingFisher(TM)磁性微粒子140は、臨床化学アッセイの場合は最大で300マイクロリットル程度の量の磁性粒子、および、最大で200マイクロリットル程度の量の磁性粒子が自動で移されて処理されるように設計される。KingFisher(TM)磁性粒子プロセッサの原理は、特別に設計された使い捨てのチップコーム164で覆われた磁性ロッド162および(反応ベッセルとしての)マイクロウェルを使用することに基づく。KingFisher(TM)磁性粒子プロセッサ140は、吸引または分注のための構成要素または吸引/分注デバイスを一切使用せずに機能する。
【0080】
磁性粒子を含有する試料および試薬は、マイクロウェルプレート内のマイクロウェルに分注される。マイクロウェルプレートフォーマットを使用することにより、臨床化学アッセイの場合は最大で300マイクロリットル程度の量、および、化学発光法による微粒子免疫アッセイの場合は最大で200マイクロリットル程度の量を使用することが可能となる。プロトコルのステップは、後で説明するグラフィカルユーザインターフェースを用いて使用者によって選択され得る組み込みソフトウェア内にプリロードされ得る。
【0081】
一実施形態では、磁性粒子プロセッサ140は、12から24の免疫アッセイ試験を実質的に同時に処理するために、1つのまたは場合によっては2つのマイクロウェルプレートを処理することができる。磁性粒子プロセッサ140の温度は磁性粒子処理領域内で制御され得る。液体のターゲット温度は37℃であるが、温度制御回路の温度は熱損失を考慮してわずかに高く設定される。
【0082】
別の実施形態では、磁性粒子プロセッサは、単一ステップの処理を行うのに、全体で96個のマイクロウェルを有するマイクロウェルプレートを使用することができる。この実施形態では、96の免疫アッセイ試験が実施的に同時に実施され得る。
【0083】
いずれも参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,448,092号明細書および第6,596,162号明細書が、KingFisher(TM)磁性粒子プロセッサ140およびKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサ140aの動作を説明している。さらに、2007年11月6日に出願された米国仮特許出願第60/985,794号の優先権を主張する、2008年10月24日に米国の通常特許出願として出願された、SYSTEM FOR AUTOMATICALLY LOADING LABORATORY ANALYZERと題さされるAttorney’s Docket No.9141.US.O1が、KingFisher(TM)磁性粒子プロセッサの有用な修正形態を示しており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0084】
次に図11を参照すると、KingFisher(TM)磁性粒子プロセッサ140が、チップコーム164と互換性を有する最大96個のマイクロウェルをそれぞれが有する2つのマイクロウェルプレート用に設計されている。マイクロウェルプレートは固定された状態で維持されており、チップコーム164と磁性ロッド162とを備える処理ヘッド168が唯一の可動組立体である。処理ヘッド168は、垂直に移動する2つのプラットフォーム170、172から構成される。一方のプラットフォーム170は磁性ロッド162(2×12個のロッド)にとって必要なものであり、もう一方のプラットフォーム172はプラスチックチップコーム164にとって必要なものである。これらのプラットフォームは、あるマイクロウェルから別のマイクロウェルへ移動するための水平方向と、マイクロウェル内の磁性微粒子をかき混ぜ、マイクロウェルに出入りするための垂直方向との両方に移動され得る長方形の金属フレームである。プラットフォーム170および172は図11に示されている。
【0085】
1つのマイクロウェルプレートは12のカラムおよび8のローからなるマイクロウェルを有しており、通常、1つの試料を処理にするのに所与のカラムの8つまでのマイクロウェルをすべて使用する。特定の実施形態では、2つのマイクロウェルプレートが使用されてよく、したがって、免疫アッセイを実施するのに9つ以上のマイクロウェルが使用され得る。図12に示されるように12個のチップ164aを含んでいる1つのチップコーム164が、各々が別個のカラムを必要とする12の試料を1つのマイクロウェルプレート内で同時に処理するのに使用される。
【0086】
上述のグラフィカルユーザインターフェースを介して磁性粒子の処理を開始する前に、試料および試薬が、プレート回転装置122のところにあるマイクロウェルプレートのウェル内に分注される。最大で12の免疫アッセイを行うためのマイクロウェルプレートのキッティングはプレート回転装置122のところで行われてよい。試料(複数可)、試薬(複数可)、緩衝液(複数可)および他の物質(例えば、プレトリガ溶液)がプレート回転装置122のところで添加される。プレート回転装置122は、磁性粒子プロセッサ内にマイクロウェルプレートを導入するのに適切である向きにマイクロウェルプレートを配置するためにマイクロウェルプレートを90°回転させるのに使用され得る。反応混合物がプレート回転装置122のところで培養されてよい。培養は過熱技術(overheating technique)を用いて実施されて得、その場合、マイクロウェルプレートは約42℃から約47℃の温度まで急速に加熱され、その後熱源が除去される。これにより、処理の培養ステップがピペットの速度に対応できるようになる。温度の変化率は冷却または加熱される物体と冷却または加熱を行うための作用物質との間の温度差に比例する。免疫アッセイのためにマイクロウェルプレートをキッティングするのにまたは臨床化学アッセイを実施するために試料をマイクロウェルプレート内に分注するのに必要となる時間においては、マイクロウェルプレートのマイクロウェル内にある液体の温度を37℃であることが望ましい。この時間間隔はプレート回転装置122上で平衡温度に達するのに必要となる時間間隔より大幅に短いことから、プレート回転装置122の温度が増加する。要約すると、プレート回転装置122の温度は、マイクロウェルプレートのマイクロウェル内に分注された第1の液体の最終温度が、残りの液体を分注するのに必要となる時間で37℃の温度に達するように、(RS−232を介して)設定される。すなわち、温度が重要である液体が最初に分注される。
【0087】
2つの別個のマイクロウェルプレートを保持することができる移動可能なトレイ(図示せず)が磁性粒子プロセッサ140の中へおよび磁性粒子プロセッサ140から外へ移動され得る。移動可能なトレイの移動は手動で行われてよいが、好適には、例えば、コンパクトディスクをコンパクトディスクプレーヤ内に装填するときに使用されるタイプと同じ装填機などのモータ駆動機構によって実施されてもよい。無限コンベアベルト151が、マイクロウェルプレートを磁性粒子プロセッサ140から発光測定装置150まで移送するのに使用され得る。チップコーム(複数可)164が、プラットフォーム172に位置された溝178内に装填される。キッティングされたマイクロウェルプレート(複数可)は移動可能なトレイ上の正確な位置に配置され、その移動可能なトレイが、免疫アッセイの磁性粒子処理に必要となる位置まで押し込まれる。磁性粒子処理が実施されている間、磁性粒子プロセッサ140の前蓋(図示せず)および上蓋(図示せず)は閉じられていても開けられたままであってもよい。蓋が閉じられている場合、この処理が、周囲からの汚染および熱損失の発生から保護されることになる。
【0088】
図13が、96個のマイクロウェルを有する単一のマイクロウェルプレートの使用する、化学発光法による微粒子免疫アッセイのキッティングを示している。試料および磁性微粒子の培養がマイクロウェルプレートの第2のローで実施される。洗浄緩衝液が、マイクロウェルプレートの第3、4、6および7のローに分注される。コンジュゲートがマイクロウェルプレートの第5のローに分注される。プレトリガ溶液がマイクロウェルプレートの第8のローに分注される。
【0089】
図14が、各々のマイクロウェルプレートが96個のマイクロウェルを有している2つのマイクロウェルプレートを使用する、化学発光法による微粒子免疫アッセイのキッティングを示している。最初の試料および磁性微粒子の培養が左側のマイクロウェルプレートの第1のローで実施される。それに続く9つのロー(左側のマイクロウェルプレート内にある7つローおよび右側のマイクロウェルプレート内にある最初の2つのロー)が、残りの量の試料からの追加の抗原を蓄積するのに使用され得る。処理には2つのマイクロウェルプレートが必要であるが、同じセットのチップコーム164を使用することができる。洗浄緩衝液が、右側のマイクロウェルプレートの第3、4、6および7のローに分注される。コンジュゲートが右側のマイクロウェルプレートの第5のローに分注される。プレトリガ溶液が右側のマイクロウェルプレートの第8のローに分注される。図13および図14に示したキッティング配置構成の代わりに別のキッティング配置構成が使用されてもよい。
【0090】
磁性粒子プロセッサ140の動作原理は、(a)使い捨てのチップコーム164のチップまたはシースで覆うことができる磁性ロッド162と、(b)マイクロウェルプレートとを使用することに基づく。新しいチップコーム164が、各マイクロウェルプレートを処理する前に磁性粒子プロセッサ140に挿入される。チップコーム164は、磁性ロッド162を覆っている、非磁性体で作られた複数のチップまたはシースに接合される、ストリップ状の非磁性体を有する。市販されているチップコームは、KingFisher(TM)磁性粒子プロセッサの場合は12個のチップ、KingFisher 96(TM)磁性粒子プロセッサの場合は96個のチップを有する。磁性粒子プロセッサ140は、吸引および/または分注デバイスあるいは吸引および/または分注のための構成要素を一切使用することがなく機能することができる。磁性粒子プロセッサ100は、マイクロウェルプレートの最大96個のマイクロウェル用に設計されている。
【0091】
マイクロウェルの寸法がチップコーム164ならびにそのチップまたはシースの寸法と互換性を有しているため、それらのチップがマイクロウェルの中身をかき混ぜるのに使用され得る。免疫アッセイのための単一の試料の処理は、96個のマイクロウェルを含む単一のマイクロウェルプレートで実施されてよい。12個のチップ164aまたはシースを含む1つのチップコーム164が12の試料を同時に処理するのに使用され得る。
【0092】
磁性粒子プロセッサで採用される動作原理は、一般にMPPと称される逆磁気による粒子処理技術である。液体をあるマイクロウェルから別のマイクロウェルへ移動させる代わりに、磁性粒子が、例えば、マイクロウェルプレートの所与のカラムおよびローにある1つのマイクロウェルからマイクロウェルプレートの同一のカラムおよび別のローにあるマイクロウェルへといった具合に、あるマイクロウェルから別のマイクロウェルへ移動される。ここでは、少なくとも1つのマイクロウェルが免疫アッセイに必要な試薬(複数可)を含んでいる。この原理は、Abbott Laboratories、米国、イリノイ州、アボットパーク、から市販されているARCHITECT(R)分析装置などの自動分析装置で使用される、外部磁石による手法(external magnet method)とは対照をなしている。逆磁気による粒子処理技術では、磁性粒子は、特別に設計された使い捨てのプラスチックチップコーム164で覆われた磁性ロッド162を用いて移される。
【0093】
磁性粒子を用いた作業は少なくとも6つの別個の処理ステップに分けられる:
粒子の収集:このステップでは、磁性粒子を特定のマイクロウェルから収集する
粒子の結合:このステップでは、物質を、特定のマイクロウェル内の試薬からの磁性粒子上に収集する
粒子の混合:このステップでは、試薬および粒子(挿入されている場合)を特定のマイクロウェル内でプラスチックチップを使用して混合する
粒子の解放:このステップでは、収集した物質を磁性粒子の表面から解放して特定のマイクロウェルに入れる
粒子の洗浄:このステップでは、磁性粒子を特定のマイクロウェル内で洗浄する
反応混合物の培養:このステップでは、反応混合物の温度を、納得のいく特異結合反応を起こすのに十分な水準まで上げる。このステップは、上に列記した5つのステップと同時に実施されてよい
マイクロウェルプレートのマイクロウェルから磁性粒子を収集する間、磁性ロッド162はチップコーム164のチップまたはシースで完全に閉鎖される。チップコーム164と一体である磁性ロッド162はゆっくりと上に移動されてからマイクロウェル内へと下ろされ、チップコーム164のチップまたはシースの壁上に磁性粒子が収集される。収集された磁性粒子を有する、チップコーム164と一体である磁性ロッド162は、マイクロウェルの1つのカラムから出るように持ち上げられて、処理などで必要となるマイクロウェルの次のカラムへと移され得る。磁性粒子の収集後、チップコーム164と一体の磁性ロッド162はマイクロウェルから持ち上げられ、磁性ロッド162がチップまたはシースから出るように持ち上げられ、チップコーム164のチップまたはシースが、試薬を含んでいる次のマイクロウェル内へと下ろされる。磁性粒子は、すべての粒子がマイクロウェルプレートのマイクロウェルの後続のロー内に配置されている中身と混合されるまでチップコーム164をかなりの速度で数回上下に移動させることによって解放される。この処理は、12、24または96の免疫アッセイ反応に対して同時に実施され得る。
【0094】
磁性粒子の洗浄は、磁性粒子の処理作業のなかでよく行われる重要な段階である。洗浄は、洗浄溶液で充填されたマイクロウェル内での解放ステップと収集ステップとの組み合わせである。マイクロウェルプレートのマイクロウェル内での洗浄効率を最大にするため、チップコーム164と一体の磁性ロッド162は、液体が運ぶ特性が最小となるように設計される。長時間の反応において、磁性粒子を含有する懸濁液が均一に混合された状態を維持するために、チップコーム164は時折上下に移動されてよい。
【0095】
逆磁気による粒子処理では、1つのマイクロウェルフォーマットが用意される。逆磁気による粒子処理では、ARCHITECT(R)分析装置で使用されるタイプのプロセス経路の必要性が排除され、さらに、反応ベッセル用の装填機と、ミキサと、通常は固定されたプロトコルに従って作動するプロセス経路洗浄機構とが排除される。逆磁気による粒子処理ではキッティングが可能となることから、重要な試薬および他の液体を時間依存で添加することの必要性が排除される。
【0096】
図15A、図15B、図15C、図15D、図15Eおよび図15Fが、逆磁気による粒子処理の基本要素を概略的に示している。図15Aは、収集前のマイクロウェル内にある磁性粒子の懸濁液を示している。図15Bは磁性粒子の収集を示している。図15Cは、あるマイクロウェルから別のマイクロウェルへの磁性粒子の移動を示している。、図15Dは、チップコームのチップ表面上にある磁性粒子を示している。図15Eはマイクロウェル内での磁性粒子の解放を示している。図15Fは懸濁液を示している。
【0097】
臨床化学アッセイ処理装置142は以下の機能を有する:反応混合物の培養、反応混合物の混合、ブランクを用いた読み取りの実施、反応混合物の読み取りの実施。臨床化学アッセイ処理装置142に組み込まれた吸光度読取装置が、反応混合物が処理された後にマイクロウェルプレートから臨床化学アッセイの結果を読み取るために分析セクション60のサブセクション68に配置される。臨床化学アッセイ処理装置142は、反応混合物の培養、反応混合物の混合、および吸光度の読み取りを行う。
【0098】
8チャンネル、16波長の読取装置(340−850nm)が、第1の試薬および第2の試薬の添加の間で読み取りを行うのに使用されてよい。シェーカ/ミキサがすべての試薬の添加に使用される。読取領域内では光および温度が制御される。本明細書に記載する装置で使用するのに適した吸光度読取装置は、SpectraMax(R)II 384の商標でMolecular Devicesから市販されている。いずれも参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,188,476号明細書および5,959,738号明細書を参照されたい。この読取装置は、約190nmから約1000nmの範囲の波長で作動することができる。この読取装置は0から4.0の光学濃度を読み取ることができる。基準値の読み取りは、新しいマイクロウェルプレート上で、液体が一切添加されていない各マイクロウェルに対して各波長ごとに実施される。水の読み取り値に基づいたオフセット値と共に、「ブランクの読み取り(blank read)」が計算され得る。「水の読み取り(water read)」は、試薬がマイクロウェルプレートに添加された後の信号の読み取り値のためのバックグラウンドの基準値を用意するためのものである。マイクロウェルプレートおよび水の吸光度の読み取り値は微小であるが、それでもある程度は測定可能な値を有する。信号の読み取り(singnal read)に対してこの測定値を引くことにより、抗原の濃度に関する実際の差が測定される。試薬がマイクロウェルプレートのマイクロウェル内の試料に添加された後、信号の読み取りとブランクの読み取りとの差が、吸光度およびアナライトの濃度を計算するのに使用される。この種の較正情報はマイクロウェルプレートに取り付けられる無線周波数認識タグ上で保存可能である。
【0099】
この読取装置はPathCheck(R)センサを装備している。PathCheck(R)センサは、マイクロウェルプレート内の試料の深さ(光学距離)を測定する。SoftMax(R)Proソフトウェアが、ウェルの吸光度を1cmの経路長に相当するウェルキュベットの吸光度へと自動で標準化する。この読取装置はマイクロウェルプレートの混合および培養を行うことができる。この読取装置はさらに、384個のマイクロウェルを有するマイクロウェルプレートの読み取りも可能であり、これにより、各マイクロウェルに導入される液体の量を削減することができる。
【0100】
蛍光偏光免疫アッセイ(Fluorescence polarization immunoassay(FPIA))機能を本明細書に記載する分析装置システムに加えることが可能である。蛍光偏光免疫アッセイ用のプレート形読取装置が追加されてよく、それにより均一アッセイが実施され得るようになる。蛍光偏光免疫アッセイを実施するための装置は当業者にはよく知られている。均一アッセイは、実質的に臨床化学アッセイを実施する手法で実施されてよい。
【0101】
バルク液体の液位の感知はXYZピペットによって行われ得る。XYZピペットは、モータのステップに換算して容器内の液体の高さを測定することができ、液体の液位が一定の高さを下回ったときにこれらの液体を補給することができる。XYZピペットは試薬容器30内の液体の液位を感知することができる。空の液体容器30は固形廃棄物用の容器内に処分されてよい。XYZピペットを用いた移動により試薬の貯蔵物を補給するための試薬容器30が、上述した試薬在庫管理システムによって供給を受けることができる。バルク液体用の容器に直接に取り付けられる液体高さセンサが容器内の液体の高さを測定してもよく、さらに、液体の液位が指定した高さを下回ったときにこれらのバルク液体を補給することもできる。
【0102】
図1および図5に示した分析セクションは図6に示した分析セクションと実質的に同様のものであるが、いくつかの例外があり、それらの例外のすべてが、図6に示した分析セクションの最大処理能力が図1および図5に示した分析セクションを下回ることの原因となっている。図1および図5に示した分析セクションと図6に示した分析セクションとの違いの一部には、例えば、免疫アッセイ処理装置の数、臨床化学アッセイ処理装置の数、使い捨てチップ用のラック数の変動、再使用可能チップ用のラック数の変動、使い捨てチップ用のスタッカ数の変動、検査室自動化システム10の分析セクション60内の構成要素の位置決めの変化が含まれる。他の違いは、主に、検査室自動化システム10の分析セクション60内での構成要素の配置に関する。処理能力を決定する主な要素は免疫アッセイ処理装置および臨床化学アッセイ処理装置の数である。
【0103】
図7に示した分析セクションは免疫アッセイを実施することはできるが、臨床化学アッセイを実施することはできない。しかし、免疫アッセイの処理能力は、図1、図5および図6に示した分析セクションと比較して大幅に増大されている。図7に示した分析セクションには、図1、図5および図6に示した分析セクションと大きく違うところがいくつかある。サブセクション62および64は図1、図5および図6に示したサブセクションと実質的に同様である。しかし、図7のサブセクション66aは、KingFisher(TM)96磁性粒子プロセッサおよび例えば4つの発光測定装置などの複数の発光測定装置150を修正することにより得られる6つの磁性粒子処理装置140aを使用する。マイクロウェルプレート用のスタッカ146aがサブセクション66aのところまたはその近傍に配置される。試料および試薬が、領域124aのところで、通常は12個のピペットを有する吸引/分注デバイス94aによりキッティングされる。洗浄緩衝液およびプレトリガ溶液のためのキッティング領域124bがスタッカ146aの近傍に配置される。高速試薬ディスペンサ94bが、マイクロウェルプレートに洗浄緩衝液およびプレトリガ溶液をキッティングするのに使用される。マイクロウェルプレートの発光測定装置150までの移動は、コンベアベルト151aによって行われてよい。
【0104】
吸引/分注プロトコル、アッセイ処理プロトコルおよび読み取りプロトコルは、ARCHITECT(R)の装置で採用される免疫アッセイプロトコルと機能的に同等である(すなわち、相対的なタイミングが等しい)。
【0105】
図16A、図16B、図16C、図16D、図16E、図16Fおよび図16Gが、免疫アッセイ用にキッティングされるマイクロウェルプレートを示している。ここで、図16A、図16B、図16C、図16D、図16E、図16Fおよび図16Gを参照すると、免疫アッセイ用のマイクロウェルプレートの図13に示したタイプの各々のローが、マイクロウェルプレート全体を占有するように拡張されている。しかし、空のマイクロウェルを特徴とする図13に示されているローを説明するためのマイクロウェルは採用されない。したがって、1つのマイクロウェルプレートの全体が微粒子を伴う試料の導入に使用され、4つのマイクロウェルプレートの全体が洗浄緩衝液を用いて反応生成物を洗浄するのに使用され、1つのマイクロウェルプレートの全体がコンジュゲートを導入するのに使用され、1つのマイクロウェルプレートの全体がプレトリガ溶液を導入するのに使用される。合計で7つのマイクロウェルプレートが使用され、各々のマイクロウェルプレートは図13に示したマイクロウェルプレートの1つのローに対応している。しかし、図13に示される、試験12を含むカラムは、図16A、図16B、図16C、図16D、図16E、図16Fおよび図16Gに示したマイクロウェルプレートのいずれにも相当していないことに留意されたい。
【0106】
最初に、3つのマイクロウェルプレートにコンジュゲートがキッティングされ、同時に、3つのマイクロウェルプレートに洗浄緩衝液がキッティングされる。洗浄緩衝液を含む3つのマイクロウェルプレートが3つのそれぞれの免疫アッセイ処理装置内に配置され、図7に示すように、1つの免疫アッセイ処理装置につき洗浄緩衝液を含むマイクロウェルプレートが1つずつ存在することになる。次に、コンジュゲートを含む3つのマイクロウェルプレートが、上述の3つの免疫アッセイ処理装置内に配置され、図7に示すように、1つの免疫アッセイ処理装置につきコンジュゲートを含むマイクロウェルプレートが1つずつ存在することになる。9つの追加のマイクロウェルプレートに洗浄緩衝液がキッティングされてそれらのマイクロウェルプレートが上述した3つの免疫アッセイ処理装置内に配置され(1つの処理装置につき洗浄緩衝液を含むマイクロウェルプレートが3つずつ存在することになる)、3つの追加のマイクロウェルプレートに試料および微粒子がキッティングされてそれらのマイクロウェルプレートが上述した3つの免疫アッセイ処理装置内に配置される(1つの処理装置につき試料および微粒子を含むマイクロウェルプレートが1つずつ存在することになる)。最後に、3つの追加のマイクロウェルプレートにプレトリガ溶液がキッティングされてそれらのマイクロウェルプレートが上述した3つの免疫アッセイ処理装置内に配置される(1つの処理装置につきプレトリガ溶液を含むマイクロウェルプレートが1つずつ存在することになる)。この処理全体が第2のセットの3つの免疫アッセイ処理装置に対して繰り返されてよい。高速試薬ディスペンサ94bが免疫アッセイの迅速なキッティングのために使用されてよい。
【0107】
3つの免疫アッセイ処理装置が免疫アッセイプロトコルを完了するとき、3つのマイクロウェルプレートが3つの発光測定装置に移送される。図18Bは、この作業がどのように交互配置されるかを示している。交互配置は、アッセイプロトコルの次のステップが例えば吸引/分注デバイスなどの所与の手段を必要としない場合にその所与の手段の使用を切り替えることを目的としている。例えば、吸引/分注デバイスは、免疫アッセイのためのキッティングが完了するまで、免疫アッセイ用のマイクロウェルプレートのキッティングに使用される。次に、吸引/分注デバイスは、臨床化学アッセイ用の2つのマイクロウェルプレートを処理するのに使用される。このように、1つの手段が2つの異なるタイプのアッセイ技術に使用される。従来技術のこれまでの使用法では、吸引/分注デバイスは、両方のタイプのアッセイではなく、免疫アッセイまたは臨床化学アッセイのいずれか一方に指定される。可能性のある交互配置の形態には、例えば、(a)免疫アッセイ用および臨床化学アッセイ用の試料および試薬の吸引および分注、(b)臨床化学アッセイの読み取りおよび臨床化学アッセイ用のマイクロウェルプレートへの試薬の添加、(c)マイクロウェルプレート内の免疫アッセイ混合物の培養およびマイクロウェルプレートへの均一アッセイ用の試薬の添加、ならびに、(d)マイクロウェルプレートの移動、バルク液体の分注ならびに試薬および試料の吸引および分注が含まれる。
【0108】
上の説明には、免疫アッセイの吸引/分注のためのプロトコルおよび臨床化学アッセイの吸引/分注のためのプロトコルが交互配置される状況も含まれる。この説明は、消費可能な物質が十分にあり、免疫アッセイと臨床化学アッセイとの両方のための試験命令(test order)が少なくとも1つは存在するという仮定に基づいている。試験命令が存在しないまたは免疫アッセイ用の消費可能な物質が十分にない場合には、臨床化学アッセイのための吸引/分注プロトコルのみが実施される。同様に、試験命令が存在しないまたは臨床化学アッセイ用の消費可能な物質が十分にない場合には、免疫アッセイのための吸引/分注プロトコルのみが実施される。
【0109】
臨床化学アッセイ用の試料分注領域が分析セクション60のサブセクション68のところまたはその近傍に配置され得る。1バッチを構成する4人から16人の患者からの試料が1つのマイクロウェルプレートに導入され得る。十分な量の試料または試薬あるいは試料および試薬の両方を吸引することにより、試料または試薬のあるいは試料および試薬の両方の複数のアリコートを吸引/分注デバイスを再充填することなく分注することが可能となり、それにより吸引/分注デバイスの移動を最小にすることができる。プレート回転装置122が、臨床化学試薬を添加するためにマイクロウェルプレートを90°回転させるのに使用され得る。マイクロウェルプレートを回転させることで臨床化学アッセイのキッティングが容易になる。というのは、8×12のマイクロウェル構成内に96個のマイクロウェルを有する標準的なマイクロウェルは、通常、一水平方向にのみ移動する吸引/分注デバイス94のヘッド96によって駆動されるピペット98によってキッティングされるからである。すなわち、吸引/分注デバイス94のヘッド96は、例えば右から左または左から右といったように一水平方向にのみ移動することができる。試料はアッセイに対して垂直になっている。吸引/分注デバイス94のヘッド96が90°回転することができない場合、試料をマイクロウェルに導入するのにおよび試薬をマイクロウェルに導入するのに同一のピペットヘッドを使用できるようにするためには、マイクロウェルプレートが90°回転されなければならない。もちろん、吸引/分注デバイス94のヘッド96が回転可能であれば、マイクロウェルプレートが回転される必要はない。
【0110】
(動作)
以下の考察は、免疫アッセイおよび臨床化学アッセイの両方を含む1サイクルの動作に関する。操作者が、試料容器18をインプット/アウトプットモジュール20におよび試薬容器30を冷凍装置に装填する。検査室自動化システム10がプログラムされて起動された後、ロボット機構(図示せず)が試薬容器30を試薬容器運搬装置34におよび試料容器18を試料容器運搬装置24に挿入する。次に、検査室自動化装置10が、コンベアを用いて、試料容器運搬装置24を適当な列22におよび試薬容器運搬装置34を適当な列32に導入する。試薬容器30がロボット機構(図示せず)により一時的な保管位置に配置される。
【0111】
マイクロウェルプレートが、逆磁気による粒子処理のために、吸引/分注デバイス94によって用意される。別のマイクロウェルプレートが、臨床化学処理処置のために、吸引/分注デバイス94によって用意される。
【0112】
試薬(複数可)が、逆磁気による粒子処理のキッティングのために、吸引/分注デバイス94により試薬容器(複数可)30から吸引されて分注される。試薬(複数可)が、臨床化学アッセイのキッティングのために、吸引/分注デバイス94により試薬容器(複数可)30から吸引されて分注される。試料が、逆磁気による粒子処理処置のために、吸引/分注デバイス94により試料容器(複数可)18から吸引されて第1のマイクロウェルプレートに分注され、さらに試料が、臨床化学アッセイのために、吸引/分注デバイス94により試料容器(複数可)18から吸引されて第2のマイクロウェルプレートに分注される。
【0113】
逆磁気による粒子処理処置のためにキッティングされたマイクロウェルプレートが吸引/分注デバイス94により磁性粒子プロセッサ140に挿入される。臨床化学アッセイのためにキッティングされたマイクロウェルプレートが吸引/分注デバイス94により臨床化学アッセイ処理装置142に挿入される。
【0114】
臨床化学反応が臨床化学アッセイ処理装置142で実施され、臨床化学アッセイの結果が臨床化学アッセイ処理装置142によって読み取られる。逆磁気による粒子処理が磁性粒子プロセッサ140によって実施される。磁性粒子プロセッサ140からのマイクロウェルプレートが、吸引/分注デバイス94により磁性粒子プロセッサ140から取り出されて、コンベアベルト151上に配置されるかまたはロボット機構まで送られ、免疫アッセイの結果を読み取るために発光測定装置150内まで移される。免疫アッセイの結果が発光測定装置150によって読み取られた後、吸引/分注デバイス94が発光測定装置150からマイクロウェルプレートを取り出し、そのマイクロウェルプレートを廃棄物内へと処分するか所望の場合には再利用する。臨床化学アッセイの結果が吸光度読取装置142によって読み取られた後、吸引/分注デバイス94が吸光度読取装置142からマイクロウェルプレートを取り出し、そのマイクロウェルプレートを廃棄物内へと処分するか所望の場合には再利用する。
【0115】
上述の動作はかなりの融通性を有しており、上述した以外のプロトコルが使用されてもよい。例えば、臨床化学アッセイが行われている間は免疫アッセイが行われる必要はなく、また、免疫アッセイが行われている間は臨床化学アッセイが行われる必要はない。また、上に列記した総称的な各々のステップも種々の形で実施されてよい。
【0116】
試料および試薬のキッティングのために試薬容器30および試料容器18が検査室自動化システム10の分析セクション60内の適当な列32、22内で適切に配置された後の、免疫アッセイ用の吸引/分注プロトコル、アッセイ処理プロトコルおよび読み取りプロトコルは、タイミングに関して、ARCHITECT(R)のシステムで採用されるプロトコルと同じであってよい。いずれも参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,795,784号明細書および第5,856,194号明細書を参照されたい。もちろん、本明細書に記載する磁性粒子処理手法は、ARCHITECT(R)のシステムで使用される免疫アッセイ手法とは大きく異なる。
【0117】
試料および試薬を吸引および分注するためのプロトコルは本明細書で説明する方法で交互配置され得ることから、吸引/分注デバイスが最大限に利用されてその効率が最大化され、免疫アッセイおよび臨床化学アッセイの両方の吸引/分注手段の冗長さが軽減される。さらに、交互配置を採用することにより、ある吸引/分注デバイスと別の吸引/分注デバイスとの間での衝突を解消することができる。
【0118】
免疫アッセイと臨床化学アッセイとを交互配置するための一般的な手順には少なくとも以下のステップが含まれる:
(1)第1のマイクロウェルプレートを免疫アッセイ用にキッティングして磁性粒子プロセッサ120内に配置する。使用可能な各々の免疫アッセイ分析装置に対して1つのマイクロウェルプレートをキッティングする
(2)第1のマイクロウェルプレートを磁性粒子プロセッサ内で処理する間に、試料容器(複数可)から試料を吸引してそれを臨床化学アッセイ用のマイクロウェルプレートに分注する。続いて、臨床化学アッセイ用のマイクロウェルプレートを90°回転させてマイクロウェルプレート用の吸光度読取装置142内に配置する
(3)ARCHITECT(R)の臨床化学アッセイで現在行われているように、臨床化学試薬の吸引/分注と臨床化学アッセイの結果の吸光度読み取りとを交互配置する
図18Aおよび図18Bが、上述の交互配置機能がどのようになされるかを示している。図18Aは、免疫アッセイおよび臨床化学アッセイの両方が必要とされる状況で交互配置がどのように使用されるかを示している。図18Bは、免疫アッセイのみが必要とされる状況で交互配置がどのように使用されるかを示している。
【0119】
試料から核酸(複数可)を抽出する処理および核酸(複数可)を増幅させる処理も免疫アッセイおよび臨床化学アッセイに統合され得ることに留意されたい。すなわち、(a)複数の免疫アッセイ、または、(b)複数の臨床化学アッセイ、または、(c)核酸(複数可)の複数の抽出および核酸(複数可)の複数の増幅、またま、(d)上述の(a)の免疫アッセイと(b)の臨床化学アッセイと(c)の核酸(複数可)の抽出および核酸(複数可)の増幅とのうちの2つ以上の任意の組み合わせ、に対して交互配置が行われてよい。
【0120】
以下の非限定的な実施例は、本明細書に記載する検査室自動化システムを用いて免疫アッセイおよび臨床化学アッセイがどのように実施され得るかをさらに説明するものである。
【0121】
実施例1
この実施例は、免疫アッセイが逆磁気による粒子処理によりどのように実施されるか、およびその後に発光測定装置により結果がどのように読み取られるかを説明するものである。
【0122】
磁性粒子処理ステップは、結合ステップ、収集ステップ、洗浄ステップ、混合ステップ、分離ステップおよび培養ステップをマイクロウェルプレートのマイクロウェル内で行う、逆磁気による粒子処理により実施され得る。ここで図13を参照すると、8つのローおよび12のカラムを有するマイクロウェルプレートが示されている。異なるアッセイが各カラムで実施される。異なる処理ステップが各ローで行われる。いくつかのローでは、アッセイのプロトコルの違いに応じて処理ステップが変化する。各アッセイにおいて、第1のローのマイクロウェルはブランクである。最初の11のアッセイの第2のローの各マイクロウェル内では、試料が磁性微粒子試薬と組み合わされる。最初の11のアッセイの第3のロー、第4のロー、第6のローおよび第7のローの各マイクロウェル内には洗浄緩衝液が存在する。最初の11のアッセイの第5のローの各マイクロウェル内にはコンジュゲートが存在する。最初の11のアッセイの第8のローの各マイクロウェル内にはプレトリガ溶液が存在する。第12のアッセイでは、第1ロー、第2のロー2、第3のローおよび4のローのマイクロウェルがブランクである。第5のローのマイクロウェル内に、試料、磁性微粒子試薬およびコンジュゲートが存在する。第12のアッセイでは、第6のローおよび7のローのマイクロウェル内に洗浄緩衝液が存在する。第12のアッセイでは、第8のローのマイクロウェル内にプレトリガ溶液が存在する。必要な培養ステップがマイクロウェル全体で実施される。磁性微粒子がマイクロウェル内に留まる時間が培養時間または培養時間の一部とみなされる。試料、洗浄緩衝液、コンジュゲートおよびプレトリガ溶液を含んでいる種々のマイクロウェルを介して磁性微粒子を動かしたり培養したりすることにより、ARCHITECT(R)分析装置によって実施される、化学発光法による微粒子免疫アッセイの場合と機能的ステップに関して同様の方式で、化学発光法による微粒子免疫アッセイを処理することができる。プレトリガ溶液を含んでいるマイクロウェル内で磁性微粒子が培養された後、例えばアクリジニウムなどの発光物質が解放されて、放出される光子の量が発光測定装置によって測定される。マイクロウェルプレートは、コンベアベルトまたはその適当な代替物によって逆磁気による粒子処理装置(inverse magnetic particle processor)から発光測定装置に移され得る。マイクロウェルプレートを逆磁気による粒子処理装置(複数可)および発光測定装置(複数可)に入れたりまたはそれらから出したりするのに、種々のロボットデバイスが使用されてよい。通常、このようなロボットデバイスは、1つのマイクロウェルプレートを選択し、そのマイクロウェルプレートを握持して持ち上げ、それを配置する必要がある領域まで移して適当な位置に配置する。
【0123】
例えば、微粒子をあるマイクロウェルから別のマイクロウェルまで移動させるステップなどの、上で言及したいくつかのステップを単に排除することにより、均一免疫アッセイを実施することも可能である。
【0124】
実施例2
この実施例は、均一免疫アッセイ用のマイクロウェルプレートのキッティングを説明するものである。均一免疫アッセイとは、分離ステップを必要としない免疫アッセイのことである。コリンの免疫アッセイは均一アッセイであってよい。すなわち、免疫アッセイが磁気分離ステップおよび洗浄ステップを必要としない。また、各免疫アッセイで必要とされるマイクロウェルは1つのみである。図17A、図17Bおよび図17Cが免疫アッセイ用にキッティングされるマイクロウェルプレートを示している。図17Aは、マイクロウェルプレートの各マイクロウェル内の試料および第1の試薬を示している。図17Bは、マイクロウェルプレートの各マイクロウェル内の試料および第1の試薬と、酵素(コリンオキシダーゼ)の添加とを示している。図17Cは、マイクロウェルプレートの各マイクロウェル内の試料、第1の試薬、酵素(コリンオキシダーゼ)、および、アクリジニウム(信号発生因子(signal generator))の添加を示している。試薬を添加して適当な時間だけ培養した後、マイクロウェルプレートが発光測定装置に挿入され、アッセイの結果が測定される。均一アッセイは、アッセイの結果を得るのに磁性粒子処理を必要としない。
【0125】
実施例3
この実施例はマイクロウェルプレートを使用する臨床化学アッセイを説明するものである。図19A、図19B、図19C、図19D、図19Eおよび図19Fが、臨床化学アッセイ用にキッティングされるマイクロウェルプレートを示している。ここで図19A、19B、図19C、図19D、図19Eおよび図19Fを参照すると、マイクロウェルプレートが8つのローおよび12のカラムを有している。左からのカラム1−6は、それぞれ、グルコース(Glu)、コレステロール(Chol)、アラニントランスアミナーゼまたはアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、トロポニン(TP)、尿素(Urea)およびトリグリセリド(Trig)のアッセイに関係する。左からのカラム7−12は、それぞれ、アッセイGlu、Chol、ALT、TP、UreaおよびTrigに関係する。ロー1−8かつカラム1−6は、異なる供給元、すなわち供給元John Doe,Jane Doe,Tom Doe,Mary Doe,Jim Doe,Beth Doe,Mike Doe,およびSue Doeからの8つの試料のアッセイに関係する。ロー1−8かつカラム7−12は、8人の異なる供給元、すなわちCarl Doe,Cindy Doe,Hank Doe,Julie Doe,Bob Doe,Pam Doe,Paul Doe,およびKim Doeからの別の8つの試料のアッセイに関する。この実施例および後続の実施例では、吸光度読取装置は右から左へと移動する。表2が、吸引・分注手順の種々の行為に必要となる種々の時間を示している。図19A、図19B、図19C、図19D、図19Eおよび図19Fが、16人の患者に対する6つのアッセイのための試料および試薬の分注ステップを順番に示している。
【0126】
4人の異なる患者(John Doe,Jane Doe,Tom Doe,Mary Doe)からの4つの異なる試料が4チャンネルのXYZピペット内に吸引される。各試料の量は6つのアッセイに対して十分なものである。これらの試料は次いで、合計で24回の試験を行うために6つのカラムの4つのローに分注される。これらの最初の24回の試験では、4つの試料からなる第1のセットが構成される。4人の異なる患者(Jim Doe,Beth Doe,Mike Doe,Sue Doe)からの4つの異なる試料からなる第2のセットが、合計で24回の試験を行うために上述した4チャンネルのXYZピペットによって吸引されて6つのカラムの4つのローに分注される。4人の異なる患者(Carl Doe,Cindy Doe,Hank Doe,およびJulie Doe)からの4つの異なる試料からなる第3のセットが、合計で24回の試験を行うために上述の4チャンネルのXYZピペットによって吸引されて6つのカラムの4つのローに分注される。4人の異なる患者(Bob Doe,Pam Doe,Paul Doe,およびKim Doe)からの4つの異なる試料からなる第4のセットが、合計で24回の試験を行うために上述の4チャンネルのXYZピペットによって吸引されて6つのカラムの4つのローに分注される。表2は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である各ステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表2】
【0127】
マイクロウェルプレートが90°回転されることにより、試薬をマイクロウェルプレートの適当なマイクロウェルに分注することが可能となる。4つのR1試薬が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される。これらのR1試薬は次いで4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第1のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はTP、ALT、CholおよびGluのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つのR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、吸光度読取装置がマイクロウェルプレートを読み取る。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのロー内に分注される。このR1試薬の第2のバッチを受ける患者はJim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sue Doeであり、これらの試薬はTP、ALT、CholおよびGluのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つのR1試薬が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、吸光度読取装置がマイクロウェルプレートを読み取る。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第3のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はTrigおよびUreaのアッセイのためのものである。同様にこのR1試薬の第3のバッチを受ける患者はCarl Doe、Cindy Doe、Hank Doe、Julie Doeであり、これらの試薬はCholおよびGluのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つのR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、吸光度読取装置がマイクロウェルプレートを読み取る。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第4のバッチを受ける患者はJim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sue Doeであり、これらの試薬はTrigおよびUreaのアッセイのためのものである。同様にこのR1試薬の第4のバッチを受ける患者はBob Doe、Pam Doe、Paul Doe、およびKim Doeであり、これらの試薬はCholおよびGluのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つのR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、吸光度読取装置がマイクロウェルプレートを読み取る。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第5のバッチを受ける患者は(Carl Doe、Cindy Doe、Hank Doe、Julie Doe)であり、これらの試薬はTrig、Urea、TPおよびALTのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同一の4つのR1試薬が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、吸光度読取装置がマイクロウェルプレートを読み取る。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第6のバッチを受ける患者はBob Doe、Pam Doe、Paul Doe、Kim Doeであり、これらの試薬はTrig、Urea、TPおよびALTのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。表3は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表3】
4つの同一の相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第1のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はTP、ALT、CholおよびGluのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの同一の相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第2のバッチを受ける患者はJim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sue Doeであり、これらの試薬はTP、ALT、CholおよびGluのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第3のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はTrigおよびUreaのアッセイのためのものである。同様にこの相補的なR2試薬の第3のバッチを受ける患者はCarl Doe、Cindy Doe、Hank Doe、Julie Doeであり、これらの試薬はCholおよびGluのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第4のバッチを受ける患者はJim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sue Doeであり、これらの試薬はTrigおよびUreaのアッセイのためのものである。同様にこの相補的なR2試薬の第4のバッチを受ける患者はBob Doe、Pam Doe、Paul DoeおよびKim Doeであり、これらの試薬はCholおよびGluのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第5のバッチを受ける患者はCarl Doe、Cindy Doe、Hank Doe、Julie Doeであり、これらの試薬はTrig、Urea、TPおよびALTのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第6のバッチを受ける患者はBob Doe、Pam Doe、Paul Doe、およびKim Doeであり、これらの試薬はTrig、Urea、TPおよびALTのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。これ以上の試料を分注する必要はないが、マイクロウェルプレートは吸光度読取装置内に留まり、さらに5分間(またはプロトコルが要求するいくらかの時間)読み取られる。プロトコルの融通性により、さらなる試薬の添加および/または読み取りウィンドウの修正が可能となる。
【0128】
別の機能(例えば、免疫アッセイのためのマイクロウェルプレートのキッティングまたは次の臨床化学アッセイのためのマイクロウェルプレートへの試料の分注など)に対しての吸引/分注デバイスの有用性を最大にするために、臨床化学アッセイのためのアッセイは、R1試薬および相補的なR2試薬の両方を必要とするアッセイの分注がR1試薬のみを必要とするアッセイの前に行われるように、マイクロウェルプレート上で構成される。同様に、一部の新たな臨床化学アッセイがR1試薬、R2試薬、および新たなR3試薬を必要とする場合、これらのアッセイは、R1試薬および相補的なR2試薬の両方を必要とするアッセイに先立ってかつR1試薬のみを必要とするアッセイの前に試薬が分注されるように、マイクロウェルプレート上で構成される。表4は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表4】
読取装置が右から左へと移動する。試料が吸引および分注される間、マイクロウェルプレートの向きは、12の要素からなる複数のローがピペットが移動する方向と平行になるようになされる。試薬が吸引および分注される間、マイクロウェルプレートの向きは、8つの要素からなる複数のカラムがピペットが移動する方向と平行になるようになされる。マイクロウェルプレートの向きは、90°回転することができるターンテーブルによって変更され得る。
【0129】
実施例4
より多くアッセイが必要となる状況では、より少人数の患者の試料が試験されてよい。例えば、7から12のアッセイが必要とされる場合、8人の患者の試料が使用されることが好ましい。以下の複数の表(表5、表6および表7)は、それぞれ、試料の吸引および分注、第1の試薬の吸引および分注、ならびに、第2の試薬の吸引および分注を表にしたものである。図20A、図20B、図20C、図20D、図20Eおよび図20Fが、臨床化学アッセイ用にキッティングされるマイクロウェルプレートを示している。図20A、図20B、図20C、図20D、図20Eおよび図20Fは、8人の患者に対する12のアッセイのための試料および試薬の分注ステップを順番に示している。
【0130】
4人の異なる患者(John Doe、 Jane Doe、 Tom Doe、 Mary Doe)からの4つの異なる試料が4チャンネルのXYZピペット内に吸引される。各試料の量は12の試験に対して十分なものである。これらの試料は次いで、合計で48回の試験を行うために12のカラムの4つのローに分注される。これらの最初の48回の試験では、4つの試料からなる第1のセットが構成される。4人の異なる患者(Jim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sally Doe)からの4つの異なる試料からなる第2のセットが、合計で48回の試験を行うために4チャンネルのXYZピペット内に吸引されて12のカラムの4つのローに分注される。表5は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表5】
【0131】
マイクロウェルプレートが90°回転されることにより、試薬をマイクロウェルプレートの適当なマイクロウェルに分注することが可能となる。4つのR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チェンネルのXYZピペット内に吸引される。これらのR1試薬は次いで4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第1のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つのR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第2のバッチを受ける患者はJim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sally Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第3のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つのR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第4のバッチを受ける患者はJim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sally Doeであり、これらの試薬はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第5のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つのR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第6のバッチを受ける患者はJim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sally Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。表6は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表6】
【0132】
4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第1のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第2のバッチを受ける患者は、Jim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sally Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第3のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第4のバッチを受ける患者は、Jim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sally Doeであり、これらの試薬はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第5のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第6のバッチを受ける患者は、Jim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sally Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。これ以上の試料を分注する必要はないが、マイクロウェルプレートは吸光度読取装置内に留まり、さらに5分間(またはプロトコルが要求するいくらかの時間)読み取られる。プロトコルの融通性により、さらなる試薬の添加および/または読み取りウィンドウの修正が可能である。表7は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表7】
【0133】
実施例5
別の実施例では、13から16のアッセイが必要とされる場合、6人の患者の試料が使用されることが好ましい。以下の複数の表(表8、表9および表10)は、それぞれ、試料の吸引および分注、第1の試薬の吸引および分注、ならびに、第2の試薬の吸引および分注を表にしたものである。
【0134】
4人の異なる患者(John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doe)からの4つの異なる試料が4チャンネルのXYZピペット内に吸引される。各試料の量は16の試験にとって十分である。同じ4人の患者からの試料は次いで、合計で64回の試験を行うために4つのカラムの4つのローに分注される。2人の異なる患者(Jim DoeおよびBeth Doe)からの2つの異なる試料が、合計で32回の試験を行うために4チャンネルのXYZピペット内に吸引されて8つのカラムの4つのローに分注される。表8は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。図21A、図21B、図21C、図21D、図21Eおよび図21Fが、臨床化学アッセイ用にキッティングされるマイクロウェルプレートを示している。図21A、図21B、図21C、図21D、図21Eおよび図21Fは、6人の患者に対する16のアッセイのための試料および試薬の分注ステップを順番に示している。
【表8】
【0135】
マイクロウェルプレートが90°回転されることにより、試薬をマイクロウェルプレートの適当なマイクロウェルに分注することが可能となる。4つのR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される。これらのR1試薬は次いで4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第1のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つのR1試薬の量が(2つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの2つのローに分注される。このR1試薬の第2のバッチを受ける患者はJim DoeおよびBeth Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第3のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つのR1試薬の量が(2つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの2つのローに分注される。このR1試薬の第4のバッチを受ける患者はJim DoeおよびBeth Doe、であり、これらの試料はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第5のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Torn Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つのR1試薬の量が(2つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの2つのローに分注される。このR1試薬の第6のバッチを受ける患者はJim DoeおよびBeth Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第7のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA13、A14、A15およびA16のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つのR1試薬の量が(2つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの2つのローに分注される。このR1試薬の第8のバッチを受ける患者はJim DoeおよびBeth Doeであり、これらの試薬はA13、A14、A15およびA16のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。表9は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表9】
4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第1のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの相補的なR2試薬の量が(2つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの2つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第2のバッチを受ける患者は、Jim DoeおよびBeth Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第3のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの相補的なR2試薬の量が(2つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの2つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第4のバッチを受ける患者は、Jim DoeおよびBeth Doeであり、これらの試薬はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第5のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの相補的なR2試薬の量が(2つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの2つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第6のバッチを受ける患者は、Jim DoeおよびBeth Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第7のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA13、A14、A15およびA16のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの相補的なR2試薬の量が(2つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの2つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第8のバッチを受ける患者は、Jim DoeおよびBeth Doeであり、これらの試薬はA13、A14、A15およびA16のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。これ以上の試料を分注する必要はないが、マイクロウェルプレートは吸光度読取装置内に留まり、さらに5分間(またはプロトコルが要求するいくらかの時間)読み取られる。プロトコルの融通性により、さらなる試薬の添加および/または読み取りウィンドウの修正が可能である。表10は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表10】
【0136】
実施例6
17から24のアッセイが必要とされる場合、4人の患者の試料が使用されることが好ましい。以下の複数の表(表11、表12および表13)は、それぞれ、試料の吸引および分注、第1の試薬の吸引および分注、ならびに、第2の試薬の吸引および分注を表にしたものである。図22A、図22B、図22C、図22D、図22Eおよび図22Fが、臨床化学アッセイ用にキッティングされるマイクロウェルプレートを示している。図22A、図22B、図22C、図22D、図22Eおよび図22Fは、4人の患者に対する24のアッセイのための試料および試薬の分注ステップを順番に示している。
【0137】
4人の患者(John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doe)からの4つの異なる試料が4チャンネルのXYZピペット内に吸引される。各試料の量は6回の試験に対して十分なものである。これらの試料は次いで、合計で24回の試験を行うために6つのカラムの4つのローに分注される。これらの最初の24回の試験では、4つの試料からなる第1のセットが構成される。同じ4人の患者(John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doe)からの4つの試料からなる第2のセットが、合計で24回の試験を行うために4チャンネルのXYZピペット内に吸引されて6つのカラムの4つのローに分注される。同じ4人の患者(John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doe)からの4つの試料からなる第3のセットが、合計で24回の試験を行うために4チャンネルのXYZピペットに吸引されて6つのカラムの4つのローに分注される。同じ4人の患者(John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doe)からの4つの試料からなる第4のセットが、合計で24回の試験を行うために4チャンネルのXYZピペット内に吸引されて6つのカラムの4つのローに分注される。表11は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表11】
マイクロウェルプレートが90°回転されることにより、試薬をマイクロウェルプレートの適当なマイクロウェルに分注することが可能となる。4つのR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される。これらのR1試薬は次いで、修正試験(correct test)に対応するように、4つのカラムの1つおきの4つのローに分注される。このR1試薬の第1のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試料が4つのカラムの1つおきの4つのローに分注される。このR1試薬の第2のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試薬が4つのカラムの1つの置きの4つのローに分注される。このR1試薬の第3のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試薬が4つのカラムの1つおきの4つのローに分注される。このR1試薬の第4のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試料はA13、A14、A15およびA16のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試薬が4つのカラムの1つの置きの4つのローに分注される。このR1試薬の第5のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA17、A18、A19およびA20のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試薬が4つのカラムの1つおきの4つのローに分注される。このR1試薬の第6のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA21、A22、A23およびA24のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。表12は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表12】
4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試薬が4つのカラムの1つおきの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第1のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試薬が4つのカラムの1つおきの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第2のバッチを受ける患者は、John.Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試薬が4つのカラムの1つの置きの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第3のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第4のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA13、A14、A15およびA16のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試薬が4つのカラムの1つおきの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第5のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA17、A18、A19およびA20のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応する、試薬が4つのカラムの1つおきの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第6のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA21、A22、A23およびA24のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。これ以上の試料を分注する必要はないが、マイクロウェルプレートは吸光度読取装置内に留まり、さらに5分間(またはプロトコルが要求するいくらかの時間)読み取られる。プロトコルの融通性により、さらなる試薬の添加および/または読み取りウィンドウの修正が可能である。表13は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表13】
【0138】
実施例7
この実施例は、核酸を抽出するための、KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサで使用されるマルチウェルプレートのキッティングを示している。図7に関連して説明した検査室自動化システムと実質的に同様の実施形態が、マルチウェルプレートのキッティング、磁性粒子の処理、および、核酸の分析に使用されてよい。
【0139】
KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサは、例えば、血液、細胞、培養菌、組織ライセート、土および排泄物などの種々の出発物質からの高品質のDNA、RNA、タンパク質および細胞の高速で再現性のある精製を実現することができる。上述したKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサと同様に、KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサは、種々の精製段階すなわち結合、欠如、洗浄、溶出を通して、粒子を移動させるための磁性ロッドを使用する。KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサは24個のロッドを有する磁石ヘッドおよび24個のウェルを有するディープウェルプレートを使用する。試料の体積は5mLにもなり得る。より高い処理能力が必要とされる場合、96個のロッドを有する磁石ヘッドおよび適切な96個のウェルを有するプレートを使用して、96個の試料が様々な使用体積(20−1000μL)で処理され得る。KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサに関するさらなる詳細は、参照により本明細書に組み込まれるウェブサイトhttp://www.thermo.com/com/cda/product/detail/1,,10136240,00.htmlで見ることができる。
【0140】
図25A、図25B、図25C、図25D、図25Eおよび図25Fが、試料から核酸を抽出するためにキッティングされるマルチウェルプレートを示している。ここで図25A、図25B、図25C、図25D、図25Eおよび図25Fを参照すると、RNA(1.0mL、HIV)を抽出するための各ディープウェルプレート(deep well plate)が、磁性粒子プロセッサためのプロトコルのステップ全体を占有している。すなわち、1つのディープウェルマルチウェルプレート(deep well multi−well plate)の全体が、微粒子および適当な緩衝液を伴う試料を導入するのに使用され、2つのディープウェルマルチウェルプレートの全体が希釈されたリーシス緩衝液用に使用され、2つのディープウェルマルチウェルプレートの全体が水用に使用され、1つのディープウェルマルチウェルプレートの全体がリン酸緩衝液用に使用される。合計で6つのディープウェルマルチウェルプレートが、上述の抗原のための所与の磁気分離処理に使用される。試料、磁性微粒子および緩衝液がこれらのディープウェルマルチウェルプレートに導入されて適当な培養処置が実施された後、ディープウェルマルチウェルプレートがKingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサに移される。
【0141】
通常、試料は血清である。また、血清は、通常、免疫アッセイ分析装置および臨床化学分析装置の両方で使用される。例えば、痰、組織の剥離物(tissue scraping)などの別の試料が、血清と等しい量の液体内で溶出される。本明細書で使用するのに適したリーシス緩衝液(RNA)の代表的な例には、4.66Mグアニジンイソチオシアネートと、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(Trizma(R)、pH8.0)と、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル(Tween(R)20、10%)との混合物がある。本明細書で使用するのに適した希釈されたリーシス緩衝液の代表的な例には、2Mグアニジンイソチオシアネート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル(Tween(R)20、5%)、および、50mM酢酸カリウム(pH6.0)がある。本明細書で使用するのに適したリン酸緩衝液の代表的な例には、20mM酢酸カリウム(pH8.5)がある。磁性微粒子は、通常、酸化鉄を含む粒子である。
【0142】
表14は、マルチウェルプレートの各ディープウェルの物質、量、時間および温度条件、ならびに、キッティングのおおよその時間を列記している。この表はまた、ディープウェルプレートを示している図も列記している。
【表14】
リーシス緩衝液が細胞膜を破壊して核酸を露出させることにより、核酸を磁性微粒子に付着させることが可能となる。図25B、図25C、図25Dおよび図25Eに示されるマルチウェルプレート内の物質、すなわち、希釈されたリーシス緩衝液、水が、リーシス緩衝液を洗い流すように作用する。というのは、リーシス緩衝液が、核酸を増幅させるためのポリメラーゼ連鎖反応を妨害してしまうからである。リン酸緩衝液が、磁性微粒子から核酸を溶出させる、すなわち解放する。
【0143】
高速試薬ディスペンサが、図25Aに示したマルチウェルプレートが別の分注デバイスによってキッティングされるのと同時に、図25B、図25C、図25D、図25Eおよび25Fに示したマルチウェルプレートをキッティングするのに使用されてよく、この場合、キッティング時間を5.5分節約することができる。
【0144】
核酸は、磁性微粒子から解放された後、マイクロウェルプレートのディープウェルから吸引されて96個のウェルを有するPCRプレートのウェルに移されてよい。この移動ステップは、本明細書ではマスタ混合(master mixing)および活性化(activating)と称される。この移動ステップの例には、1つまたは複数のKingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサから96個のウェルを有するPCRプレートへの4つの磁性粒子処理処置の試料の移動がある。磁性粒子プロセッサによって処理された試料が96個のウェルを有するPCRプレートに導入された後、適当な試薬が96個のウェルを有するPCRプレートの各ウェルに導入され、96個のウェルを有するプレートが密閉され、その密閉された、96個のウェルを有するPCRプレートが別の処理のためにサーマルサイクラに移される。
【0145】
核酸の増幅が、サーモサイクラ、PCRマシンまたはDNA増幅器としても知られているサーマルサイクラ内で実施されてよい。このデバイスは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)処理によってDNAのセグメントを増幅するのに使用され得る。このデバイスは孔を備えるサーマルブロックを有しており、その孔にはPCR反応混合物を保持するチューブが挿入され得る。このサーマルサイクラはその後、別個の予めプログラムされたステップでサーマルブロックの温度を上昇させたり低下させたりする。サーマルサイクラは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる記事「Thermal cycler」(http://en.wikipedia.org/wiki/Thermal_cycler)などで説明されている。サーマルサイクラによって実施される処理に関する追加の情報は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる記事「Polymerase chain reaction」(http://en.wikipedia.org/wiki/Polymerasae_chain_reaction)などで見ることができる。本明細書で使用するのに適したサーマルサイクラの代表的な例には、ABI7500 Thermocycler/Reader、Bio−Red(R) i−Cycler(R)、Stratagene MX4000(TM)などが含まれる。
【0146】
マルチウェルプレートのキッティングは図7の吸引/分注位置124aおよび124bで行われてよく、磁性粒子処理は図7の領域140a内で行われてよく、マルチウェルプレートからPCRプレートへの核酸の移動は図7の領域124bの近傍で行われてよく、PCR処理は、サーマルサイクラが配置され得る、通常は検査室自動化システムの分析セクション60内にある図7の一領域内で行われてよい。
【0147】
KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサでの推定される処理時間は44分である。熱サイクルおよび読み取りの推定される時間は3時間である。マスタ混合および活性化の推定される時間は32分である。最初の結果を取得するための推定時間は約4時間46分である。おおよその処理能力は1時間当たりで94回の試験である。
【0148】
実施例8
この実施例は、核酸を抽出するための、KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサで使用されるマルチウェルプレートのキッティングを示している。図7に関連して説明した検査室自動化システムと実質的に同様の実施形態が、マルチウェルプレートのキッティング、磁性粒子の処理、および、核酸の分析に使用されてよい。
【0149】
図26A、図26B、図26C、図26D、図26E、図26Fおよび図26Gが、試料から核酸を抽出するためにキッティングされるマルチウェルプレートを示している。ここで図26A、図26B、図26C、図26D、図26E、図26Fおよび図26Gを参照すると、DNA(0.5mL、HBV)を抽出するための各ディープウェルプレートが、磁性粒子プロセッサのためのプロトコルのステップ全体を占有している。すなわち、1つのディープウェルマルチウェルプレートの全体が微粒子および適当な緩衝液を伴う試料を導入するのに使用され、2つのディープウェルマルチウェルプレートの全体がリーシス緩衝液用に使用され、3つのディープウェルマルチウェルプレートの全体がエタノール緩衝液用に使用され、1つのディープウェルマルチウェルプレートの全体が水用に使用される。合計で7つのディープウェルマルチウェルプレートが、上述の抗原のための所与の磁気分離処理に使用される。試料、磁性微粒子および緩衝液がこれらのディープウェルマルチウェルプレートに導入されて適当な培養処置が実施された後、ディープウェルマルチウェルプレートがKingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサに移される。KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサは、実施例7で使用した手法と実質的に同じ手法で磁性粒子処理を実施するのに使用されてよい。
【0150】
通常、試料は血清である。また、血清は、通常、免疫アッセイ分析装置および臨床化学分析装置の両方で使用される。例えば、痰、組織の剥離物などの別の試料が、血清と等しい量の液体内で溶出される。本明細書で使用するのに適したリーシス緩衝液(DAN)の代表的な例には、2Mグアニジンイソチオシアネートとポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル(Tween(R)20、5%)と50mM酢酸カリウム(pH6.0)との混合物が含まれる。本明細書で使用するのに適したリン酸緩衝液の代表的な例には、20mM酢酸カリウム(pH8.5)がある。本明細書で使用(DNA)に適したエタノール緩衝液の代表的な例には70%エタノールがある。本明細書で使用(DNA)に適したPK試薬の代表的な例には、プロテイナーゼK緩衝液がある。
【0151】
表15は、各ディープウェルプレートの物質、量、時間および温度条件、ならびに、キッティングのおおよその時間を列記している。この表はまた、ディープウェルプレートを示している図も列記している。
【表15】
リーシス緩衝液が細胞膜を破壊して核酸を露出させることにより、核酸を磁性微粒子に付着させることが可能となる。図26B、図26C、図26D、図26Eおよび図26Fに示されるマルチウェルプレート内の物質、すなわち、希釈されたリーシス緩衝液、エタノール緩衝液がリーシス緩衝液を洗い流すように作用する。というのは、リーシス緩衝液が、核酸を増幅させるためのポリメラーゼ連鎖反応を妨害してしまうからである。図26Gは、核酸が水中で15分溶出されるマルチウェルプレートを示している。図26Gのマルチウェルプレートのウェル内にある物質はその後、3分間冷却される。
【0152】
高速試薬ディスペンサが、図26Aに示したマルチウェルプレートが別の分注デバイスによってキッティングされるのと同時に、図26B、図26C、図26D、図26E、図26Fおよび図26Gに示したマルチウェルプレートをキッティングするのに使用されてよく、この場合、キッティング時間を21分節約することができる。
【0153】
核酸は、磁性微粒子から解放された後、マルチウェルプレートのディープウェルから吸引されて96個のウェルを有するPCRプレートに移されてよい。この移動ステップは、本明細書ではマスタ混合および活性化と称される。この移動ステップの例には、1つまたは複数のKingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサから96個のウェルを有するPCRプレートへの4つの磁性粒子処理処置の試料の移動がある。磁性粒子プロセッサによって処理された試料が96個のウェルを有するPCRプレートに導入された後、適当な試薬が96個のウェルを有するPCRプレートの各ウェルに導入され、96個のウェルを有するプレートが密閉され、その密閉された、96個のウェルを有するPCRプレートが別の処理のためにサーマルサイクラに移される。
【0154】
核酸の増幅が、サーモサイクラ、PCRマシンまたはDNA増幅器としても知られているサーマルサイクラ内で実施されてよい。このデバイスは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)処理によってDNAのセグメントを増幅するのに使用され得る。このデバイスは孔を備えるサーマルブロックを有しており、その孔にはPCR反応混合物を保持する管が挿入され得る。このサーマルサイクラはその後、別個の予めプログラムされたステップでサーマルブロックの温度を上昇させたり低下させたりする。サーマルサイクラは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる記事「Thermal cycler」(http://en.wikipedia.org/wiki/Thermal_cycler)などで説明されている。サーマルサイクラによって実施される処理に関する追加の情報は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる記事「Polymerase chain reaction」(http://en.wikipedia.org/wiki/Polymerasae_chain_reaction)などで見ることができる。本明細書で使用するのに適したサーマルサイクラの代表的な例には、ABI7500 Thermocycler/Reader、Bio−Red(R) i−Cycler(R)、Stratagene MX4000(TM)などが含まれる。
【0155】
マルチウェルプレートのキッティングは図7の吸引/分注位置124aおよび124bで行われてよく、磁性粒子処理は図7の領域140a内で行われてよく、マルチウェルプレートからPCRプレートへの核酸の移動は図7の領域124bの近傍で行われてよく、PCR処理は、サーマルサイクラが配置され得る、通常は検査室自動化システムの分析セクション60内にある図7の一領域内で行われてよい。
【0156】
KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサでの推定される処理時間は52分である。熱サイクルおよび読み取りの推定される時間は2時間15分である。マスタ混合および活性化の推定される時間は32分である。最初の結果を取得するための推定時間は約4時間25分である。おおよその処理能力は1時間当たりで89回の試験である。
【0157】
検査室自動化システム10の動作は、市販されているインターフェースを使用したパーソナルコンピュータによって制御されてよい。これらのインターフェースが図24に示されている。このグラフィカルユーザインターフェースは、最新のパーソナルコンピュータのグラフィカルユーザインターフェースと共通の機能および制御手段を使用していてよい。例えば、ドロップダウンメニューおよびツリー表示が多項選択のために使用されてよい。無線ボタン、チェックボックスおよびスライダコントロールが、操作者にとって直感的である選択機能を実現することができる。スプラッシュスクリーン、プログレスバー、強調表示された制御手段(highlighted control)が、操作者にとって直感的である状態報告(status report)を実現することができる。ホットリンクが、ヘルプ、メンテナンス手順、トレーニングなどのウェブサイトまたはローカル情報へのアクセスを実現することができる。
【0158】
このグラフィカルユーザインターフェースは、スクリーンの一番上にあるビューが下にあるビューを完全に隠してしまうのを防止するために、ビューを半透明にする機能を装備していてよい。このグラフィカルユーザインターフェースは、より下のレベルの「詳細画面」を選択することを操作者に要求することなく選択項目の詳細を提示できるように、拡大・縮小の機能を装備していてよい。このグラフィカルユーザインターフェースはウィジェットを装備していてよく、それにより、操作者がディスプレイ(時計または試験カウンタ(test counter)など)をカスタマイズするためにスクリーンの周りに小さなウィンドウを作ることが可能となる。このグラフィカルユーザインターフェースは、計器のグラフを見るためのおよび計器のグラフと相互作用するための機能を装備していてよい。カーソルの下の領域は、選択、情報、拡大表示などのために、強調表示および/または拡大されてよい。このグラフィカルユーザインターフェースは、より下のレベルの「詳細画面」または「ヘルプ画面」を選択することを操作者に要求することなく選択項目の詳細および/または情報を提示できるように、説明用のポップアップバルーンを含んでいてよい。このグラフィカルユーザインターフェースは、消耗品および/または試薬の量が少ないことを即座に指示するために燃料計タイプのアイコンを備えていてよい。キーボートおよび/またはマウスの代替物としてタッチスクリーンが使用されてもよい。
【0159】
図24に示した構成要素には、吸光度読取装置用のソフトウェアモジュール、発光測定装置用のソフトウェア、磁性粒子処理のためソフトウェア、モータ制御装置用のソフトウェア、および分注デバイス用のソフトウェアが含まれる。上述したプログラムがシステムソフトウェアに接続される。これらの構成要素にはまた、上述したソフトウェアを相互接続させるための適当なコネクタが含まれる。
【0160】
ソフトウェアモジュールに接続される、図24に示した他の構成要素には、マイクロウェルプレート回転装置と、微粒子を分注するための装置と、磁性粒子処理トレイと、一平面上の2方向に移動することができる無線周波数読取・書込装置(radio frequency reader/writer)とを制御するのに使用される8軸の運動制御装置が含まれる。温度制御装置がプレート回転装置に接続される。これらの構成要素にはまた、上述したソフトウェアモジュールへの接続のための適当な電気コネクタが含まれる。
【0161】
ソフトウェアモジュールに接続され得る、図24に示したさらに他の構成要素には、少なくとも1つの無線周波数認識アンテナセクションボード(radio frequency identification antenna section board)、少なくとも1つの無線周波数認識読取・書込装置(radio frequency identification reader/writer)、少なくとも1つの磁性粒子プロセッサ、少なくとも1つの発光測定装置、少なくとも1つの吸光度読取装置、少なくとも1つの分注デバイスプラットフォームが含まれる。温度制御装置が少なくとも1つの磁性粒子プロセッサに接続される。これらの構成要素にはまた、上述のソフトウェアモジュールへの接続のための適当な電気コネクタが含まれる。システムが少なくとも1つの無線周波数認識アンテナセクションボートと少なくとも1つの無線周波数認識読取・書込装置との両方を必要とするわけではないことに留意されたい。上述した無線周波数認識のための構成要素は、そのうちの一方またはその他方あるいはその両方が使用されてよい。
【0162】
図24に示した構成要素は市販されており、当業者により適切な形で接続され得る。
【0163】
操作者または検査室情報システムが、試験のために最終的にシステムに送られる試料のための試験命令をシステムにダウンロードする。
【0164】
操作者または試薬の在庫を管理するためのシステムが、必要となる消耗物をシステムに装填する。操作者または検査室自動化システムが必要となる試料をシステムに送る。システムが、その試料のためのダウンロードした試験命令に従って、試料中のアナライト(すなわち、抗原または抗体)を測定および通知する。操作者または検査室自動化システムがシステムから試料を除去する。操作者または検査室情報システムが試験結果を評価して試験命令の出所にその試験結果を送る。
【0165】
本明細書に記載する装置および方法では、アッセイをマイクロウェルプレート内で実施することにより、反応混合物の量、試料の量、液体廃棄物の量、および、その結果としてのアッセイのコストを削減することが可能である。本明細書に記載する装置および方法では、チャンバの読み取りにマイクロウェルプレートを使用することにより、読み取り可能な感度を(透光性の反応ベッセルを用いる現存の分析装置と比較して)5倍向上させることが可能である。本明細書に記載する装置および方法では、同様の消耗物質、モジュール式サブシステムを利用することにより、ワークフローを統合すること、免疫アッセイおよび臨床化学処理を完全に一体化すること、ならびに資源効率を向上させることが可能であり、さらに、吸引/分注デバイスを使用してマイクロウェルプレート内でアッセイを実施することにより、1つのシステム内で異なるアッセイ技術を行うことが可能となる。
【0166】
本明細書に記載する装置および方法では、両方のタイプのアッセイで使用され得る、例えば、ピペット、キッティングステーション、フルイディクス、冷凍設備、制御装置、電源供給装置などの多数の手段を同一で使用することにより、免疫アッセイと臨床化学アッセイと統合することが可能である。
【0167】
本明細書に記載する装置および方法では、1つの吸引/分注デバイスを使用して1つのマイクロウェルプレート内で複数のアッセイを実施することにより、現存の分析装置と比較して、より小型で、より信頼性があり、複雑さの低い分析装置が得られる。
【0168】
本明細書に記載する装置および方法では、吸引/分注デバイスおよびマイクロウェルプレートを使用することにより、適合される新しいアッセイプロトコルが分析装置の設計に与える影響を最小することが可能である。
【0169】
マイクロウェルプレートを使用することにより小型化が促進されてシステムの設置面積が削減され、卓上での備え付けが容易になる。
【0170】
マイクロウェルプレートにより、より簡潔でより少数の機構を使用することが可能となり、その寿命を通してのシステムのコストが削減され、信頼性が向上する。
【0171】
吸引/分注デバイスおよびマイクロウェルプレートにより、新たなプロトコルおよびそれらのプロトコルの新たなタイミング条件が簡単なものとなる。
【0172】
検査室自動化システムは、吸引/分注デバイスに追加され得るまたはそこから除去され得る(新しいアッセイのための)ビルディングブロックとしてモジュール式サブシステムを使用することにより、再構成および拡大・縮小され得る。
【0173】
マイクロウェルプレート用の洗浄装置が使用可能であり、それにより、マイクロウェルプレートは再使用可能となる。
【0174】
本発明は、一連の管理/検査、反応ベッセルのキッティング、および、集中制御して資源のスケジュール設定を行う形の範囲内での複数の診断試験技術に跨るの消耗品および使い捨て製品の管理が可能となる。
【0175】
臨床化学アッセイの場合、反応混合物の混合は、ARCHITECT(R)の装置上で実施される侵襲的な混合処置(invasive mixing procedure)とは異なり、マイクロウェルプレートをシェイクすることによって実施されてよい。吸光度の読み取りは、ARCHITECT(R)の装置上で実施されるような、キュベットを移動させる手法とは異なり、掃引フォトダイオードアレイおよび固定されたソースを用いて実施される。培養は臨床化学用マイクロウェルプレートの全体で実施される。
【0176】
免疫アッセイの場合、分離、洗浄および混合は、スリーブに入れられた磁性ロッドによって実施されてよい。この方式の分離、洗浄および混合は、キュベットの移動、プロセス経路磁石、直接の吸引/分注、および、ARCHITECT(R)の装置上で行われるイントラック渦動法(in−track vortexmethod)とは対照をなしている。培養は、免疫アッセイが実施されるマイクロウェルプレートの全体で実施される。磁性微粒子は全培養時間にわたってマイクロウェル内に留まる。試料、洗浄緩衝液、コンジュゲートおよびプレトリガ溶液のマイクロウェルを用いて微粒子を移動させたり培養したりすることにより免疫アッセイを実施する場合でも、ARCHITECT(R)の装置上で実施される免疫アッセイに使用されるような基本的な手順にそのまま従って免疫アッセイを実施することができる。
【0177】
本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本発明の種々の修正形態および変形形態が当業者には明らかになるであろう。また、本発明が、本明細書に記載した例示的な実施形態に過度に限定されないことを理解されたい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、臨床検査室用の自動分析装置、より詳細には、臨床化学および免疫化学の分野で分析を行うことができる自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は臨床化学の分野および免疫化学の分野でよく知られている。このような自動分析装置の代表的な例には、限定しないが、いずれもAbbott Laboratoriesから市販されているPRISM(R)分析装置、AxSym(R)分析装置、ARCHITECT(R)分析装置と、Roche Diagnosticsから市販されているCobas(R)6000と、Siemens AGから市販されているAdviaと、Dade Behring Inc.から市販されているDimension Vistaと、Beckman Coulter Inc.から市販されているUnicel(R) DxC600iと、Ortho−Clinical Diagnosticsから市販されているVITROSとが含まれる。これらの分析装置の各々は様々な短所を有しており、一部はそれ以上のものもある。これらの自動分析装置の2つ以上が有している短所の一部には、多量の試料を使用すること、多量の試薬を使用すること、多量の液体廃棄物および固形廃棄物が発生すること、および、コストが高いことが含まれる。上述の自動分析装置の一部は、臨床化学アッセイと免疫アッセイとの両方ともを行うことができるように設計されていない。上述の自動分析装置の一部は、特定の使用者の要求に適合するように修正することができない。例えば、使用者が1つの自動分析装置においてより多量の免疫アッセイ試薬とより少量の臨床化学試薬を有することをまたはその逆を望んだとしても、使用者は構成を修正することができない。さらに、処理能力を向上させるために追加の免疫アッセイモジュールおよび/または臨床化学モジュールを付け足すことが不可能ではないにしても困難である。上述の自動分析装置の一部は、定期的および不定期の両方でかなりの頻度のメンテナンスを必要とする。また、上述の自動分析装置の一部では、アッセイのプロトコルのスケジュールを変更することができない。すなわち、アッセイのプロトコルのスケジュールが固定されることで、処理能力などの特徴が限定されてしまう。例えば、現行のアッセイプロトコルを修正することまたは新しいアッセイプロトコルを加えることは不可能ではないにしても困難である。現在使用されているARCHITECT(R)分析装置は、化学発光法による微粒子免疫アッセイ(chemiluminescent microparticle immunoassay)のプロトコルを異なる6つの形でしかサポートすることができない。さらに、上述の分析装置の一部は床スペースを広く占有し、大量のエネルギーを消費する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7,033,543号明細書
【特許文献2】米国特許第5,417,922号明細書
【特許文献3】米国特許第5,427,743号明細書
【特許文献4】米国特許第5,589,137号明細書
【特許文献5】米国特許第6,343,690号明細書
【特許文献6】米国特許第6,074,615号明細書
【特許文献7】米国特許第6,555,062号明細書
【特許文献8】米国特許第6,202,829号明細書
【特許文献9】米国特許第5,580,524号明細書
【特許文献10】米国特許第6,436,349号明細書
【特許文献11】米国特許第6,498,037号明細書
【特許文献12】米国特許第5,795,784号明細書
【特許文献13】米国特許第5,856,194号明細書
【特許文献14】米国特許第6,448,092号明細書
【特許文献15】米国特許第6,596,162号明細書
【特許文献16】米国特許第6,188,476号明細書
【特許文献17】米国特許第5,959,738号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「Total Clinical Laboratory Testing System for Laboratory Automation」、Hitachi Review、Vol.41(1992年)、No.4、167−172ページ
【非特許文献2】「KingFisher Flex」http://www.thermo.com/com/cda/product/detail/1,,10136240,00.html
【非特許文献3】「Thermal cycler」http://en.wikipedia.org/wiki/Thermal_cycler
【非特許文献4】「Polymerase chain reaction」http://en.wikipedia.org/wiki/Polymerasae_chain_reaction
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自動分析装置の使用者は、自動分析装置が研究所操作に与える影響が最小になること、すなわち、床スペースの占有が少ないこと、液体廃棄物および固形廃棄物の量が削減されること、使用される試薬および試料の量が削減されること、現存する検査室情報管理システムと相互作用することができること、および、消耗品の発注が簡素化されることを望んでいる。自動分析装置の使用者はさらに、プロセスがより自動化されること、すなわち、免疫アッセイと臨床化学アッセイとがより一層統合されること、試薬の装填が自動化されること、その他の消耗品の装填が自動化されること、廃棄物の除去が自動化されること、および、メンテナンスが自動化されることを望んでいる。自動分析装置の使用者はさらに、装置の安全性および確実性が増すこと、すなわち、予期せぬ故障が最小になること、ダウンタイムが最小化されること、および、予期せぬ故障の診断および修理にかかる時間が最小化されることを望んでいる。自動分析装置の使用者はさらに、装置の信頼性が増すこと、すなわち、相互接続される複数の分析装置を通して結果が安定すること、すべてのアッセイ処理ステップを検証するための検査が内部で行われること、および、装置が自己診断型であることを望んでいる。自動装置の使用者はさらに、装置が静かであることおよび装置が環境調和型であることを望んでいる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、本発明は、臨床化学アッセイ、免疫アッセイ、ならびに、臨床化学アッセイと免疫アッセイとの両方を実施することができる検査室自動化システムを提供する。この検査室自動化システムは反応ベッセルとしてマイクロウェルプレートを使用する。反応ベッセルとしてのマイクロウェルプレートの使用により、検査室自動化システムが種々の構成を採用することが可能となる。すなわち、検査室自動化システムは、様々な形で構成され得る種々の機能的モジュールを有することができる。マイクロウェルプレートを用いて免疫アッセイ反応(immunoassay reaction)を効果的に実施するために、逆磁気による粒子処理(inverse magnetic particle processing)として知られる手法を使用して、免疫アッセイ反応の生成物(複数可)をマイクロウェルプレートのあるマイクロウェルから別のマイクロウェルへ移すことができる。逆磁気による粒子処理の一実施形態では、免疫アッセイ反応の生成物(複数可)が、マイクロウェルプレートの第1のマイクロウェルからマイクロウェルプレートの第2のマイクロウェルに移され得て、その後、マイクロウェルプレートの第2のマイクロウェルからマイクロウェルプレートの第3のマイクロウェルへというように、マイクロウェルプレートの最大で第8のマイクロウェルまで移され得、これらの8つのマイクロウェルは12のカラムを有するマイクロウェルプレートの同一のカラム内にあり、1つのカラムにつき8つのマイクロウェルが存在する。この実施形態によると、12の免疫アッセイが同時に実施され得る。逆磁気による粒子処理の別の実施形態によると、免疫アッセイ反応の生成物は、第1のマイクロウェルプレートの96個のマイクロウェルから第2のマイクロウェルプレートの96個のマイクロウェルへ移され得て、その後、第2のマイクロウェルプレートの96個のマイクロウェルから第3のマイクロウェルプレートの96個のマイクロウェルへというように、最大で第8のマイクロウェルプレートの96個のマイクロウェルへ移され得る。この実施形態によると、96の免疫アッセイが同時に実施され得る。
【0007】
現行のARCHITECT(R)のCMIA(化学発光法による微粒子免疫アッセイ)のプロトコルは、各々が200μLの容積を有する10個のウェルのすべてからアナライト/抗原を採取することにより2mLの試料を使用できるように拡張され得る。ARCHITECT(R)のCMIAのプロトコルは、分離および洗浄を行わずに試薬を添加することにより均一のプロトコルを実施できるように拡張され得る。
【0008】
本明細書に記載する方法および装置は均一アッセイを実施するのに使用され得る。というのは、磁性粒子処理機器(magnetic particle processing apparatus)が分離ステップなしで使用され得るからであり、言い換えると、試料および試薬は反応を起こすために単に混合されればよく、不均一アッセイで使用される分離ステップが単純に排除され得るからである。
【0009】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載する検査室自動化システムを用いて免疫アッセイおよび臨床化学アッセイを実施する方法を提供する。免疫アッセイおよび臨床化学アッセイを実施するために複数の自動化されたプロトコルが使用されてよい。これらの自動化されたプロトコルには、限定しないが、試料を反応ベッセルに添加するステップ、試薬を反応ベッセルに添加するステップ、反応ベッセルの中身を混合するステップ、反応ベッセル内の反応物を培養するステップ、反応生成物を分離するステップ、および反応生成物を洗浄するステップなどの処理ステップが含まれる。免疫アッセイおよび臨床化学アッセイを実施するために複数の吸引/分注プロトコルが使用され得る。これらの吸引/分注プロトコルは、固定されたプロトコルに限定されないスケジュールによりマイクロウェルプレートをキッティングする(kitting)ステップを含む。従来の自動化された臨床検査室用の分析装置では一般に固定されたプロトコルが使用される。すなわち、本発明の方法は試薬の添加順序に関する制限を排除する。加えて、キッティングプロトコルも試薬の添加に関する制限に拘束されない。キッティングステップは、マイクロウェルプレートを磁性粒子処理装置に入れる前に行われてよい。これらのプロトコルは、従来型の試料容器および従来型の試薬容器が操作者によって装填されるような自動化された臨床検査室用の分析装置の回転式コンベアを使用することに伴う制限を排除する。プロトコルは単にソフトウェアのファイルを更新することにより変更され得る。アッセイを実施する前に試薬をキッティングすることで、複数のステップの間隔が固定されるような例えば回転式コンベアまたはプロセス経路(process path)などのデバイスを必要とするプロトコルに付随する固有の特徴である複数の試薬を同時に加えることの必要性が排除される。吸引/分注用のデバイスが、免疫アッセイおよび臨床化学アッセイの両方のキッティングのために使用されてよい。この吸引/分注プロトコルでは、免疫アッセイが行われている間に臨床化学アッセイ用の試料および試薬を分注するのに、吸引/分注用のデバイスを使用することが可能である。吸引/分注用のデバイスは、免疫アッセイのステップで使用されないときは臨床化学アッセイのステップを実施するのに使用されてよく、その逆で使用されてもよい。
【0010】
本発明は、免疫アッセイの間で臨床化学アッセイを実施することおよび臨床化学アッセイの間で免疫アッセイを実施することを可能にする、免疫アッセイおよび臨床化学アッセイのための新規性のあるスケジュール設定システムを提供する。
【0011】
本明細書に記載する検査室自動化システムでは、試料容器、試薬容器、およびマイクロウェルプレートが、通常は吸引/分注に使用されるデバイスによって上昇、移動および降下され得る。吸引/分注デバイスのピペットが、試料容器、試薬容器およびマイクロウェルプレートを握持してある位置から別の位置まで移すことができる握持デバイスを装備していてよい。この握持デバイスは、試料容器、試薬容器およびマイクロウェルプレートに対して高い圧力を加えるための突出部を装備していてよい。円筒形容器の場合、容器の円筒形状と共形である表面が握持デバイスに固着されてよく、それにより、円筒形容器がより簡単に握持されてある場所から別の場所へ移され得るようになる。
【0012】
本明細書に記載する方法はラベルから情報を読み取る方法を含む。この方法によると、ISO14443またはISO15963、および、ISO18000の指針に適合する無線周波数認識タグが、例えば試薬容器、試料容器、およびマイクロウェルプレートなどの対象物上に配置される。これらのタグは、無線周波数認識読取装置の可動アンテナまたは無線周波数認識読取装置の固定アンテナのいずれかによって読み取られたり書き込まれたりされ得る。無線周波数認識タグの読み取りおよび無線周波数認識タグへの書き込みはソフトウェアによって制御される。無線周波数認識技術を使用することで、バーコードの場合と比較してより迅速かつより高い信頼性の読み取りを行うことができ、さらには、レーザスキャニングデバイスに付随する障害を排除することができる。本明細書に記載するシステムは、試料および試薬を最初に分注するところから最後にマイクロウェルプレートから結果を読み取るところまでマイクロウェルプレートを追跡することを可能にする。
【0013】
本明細書に記載する検査室自動化システムでは、バルク試薬を保持するための樋状部が使用されてよい。バルク試薬を保持するために樋状部を使用することにより、複数のピペットを有する吸引/分注デバイスが高い処理能力で試薬を吸引および分注することが可能となる。
【0014】
本明細書に記載する検査室自動化システムでは、試料容器の保管、試薬容器の保管、試料容器の移載、試薬容器の移載、試料容器中の試料の冷凍および試薬容器中の試薬の冷凍をほぼ支障なく行うことができる。試薬容器および試料容器は、自動ロボット機構により冷凍保管領域から検査室自動化システムの分析セクションに移されてよい。
【0015】
本明細書に記載する検査室自動化システムは、操作者が多数の免疫アッセイおよび/または臨床化学アッセイを厳密に制御して監視するのを可能にするための使い易いグラフィカルユーザインターフェースを提供する。このグラフィカルユーザインターフェースは、容器内の液位の読み取りを単純化するために燃料計タイプの液位指示計を使用することができる。このグラフィカルユーザインターフェースは、比較的経験の浅い操作者がこの検査室自動化システムを正しく使用できるように指示するために指示用の吹き出しを使用することができる。
【0016】
本明細書に記載する検査室自動化システムおよび方法により、アッセイの感度が向上し、アッセイが処理するための手段が削減され、信頼性が増す。さらに、本明細書に記載する検査室自動化システムおよび方法によりアッセイが処理するための手段の融通性が増すことから、新たなアッセイおよび新たなアッセイプロトコルは、検査室自動化システムの設計に与える影響が最小となるように適応され得る。
【0017】
本明細書に記載する方法および装置では、マイクロウェルプレート内のマイクロウェルの物理的配置に加えて、マイクロウェルプレート内のマイクロウェルが着色されていることにより、発光測定装置(luminescence reader)を使用するときに光子を効率的に収集することが可能となる。従来技術では、発光の読み取りのためにキュベットおよび光電子増倍管を使用する場合、キュベットの幾何形状および光電子増倍管の幾何形状のために光子は効率的に収集されない。免疫アッセイの結果を読み取るたに現在使用されている多くの化学発光測定装置(chemiluminescent reader)は、透光性のキュベットの側面から光子を収集する。「sphere of light」から放出される光子のごく一部が光導波管に入って最終的に光電子増倍管に到達し、そこで計測される。透光性のキュベットから光子が反射されることはあり得ない。マイクロウェルプレート内で適切に着色されたマイクロウェルを使用することにより、化学発光反応により生成された光子の大部分が上方向に反射されて光電子増倍管に直接入り、マイクロウェルの中身に焦点が合わせられる。
【0018】
マイクロウェルの容積はキュベットの容積より小さいことから、使用される試薬の量は減少する。同様に、使用される試料の量も減少する。さらには、液体廃棄物の量も減少する。本明細書に記載するシステムのデザインにより、反応ベッセル装填機が必要なくなり、洗浄機構およびイントラックボルテクサ(in−track vortexer)も必要なくなる。イントラックボルテクサは、反応ベッセルを移動させるために間隔が固定されているステップを使用する従来型の分析装置の例えば回転式コンベアまたはプロセス経路など通路の下に配置される、垂直方向に移動可能なミキサである。試薬が反応ベッセル内に分注された後、垂直方向に移動可能なミキサが、通常はニューテータ(nutator)回転装置により反応ベッセル内の中身を混合させるのに使用される。
【0019】
本明細書に記載する装置および方法は、免疫アッセイおよび臨床化学アッセイを実施するのに必要となる装置および方法を大幅に単純化する。1つのXYZピペットのみが必要であり、複数のピペットは必要ではない。試料をマイクロウェルプレートのローに分注して試薬をマイクロウェルプレートのカラムに分注することにより、またはその逆により、ピペットが、すべてのアリコートが分注されるまでピペットを充填する必要がなく試料の複数のアリコートまたは試薬の複数のアリコートを分注することができるようになり、それにより、ピペットを試料容器へとまたは試料容器から移動させるのに必要となる時間およびピペットを試薬容器へとまたは試薬容器から移動させるのに必要となる時間の両方が短縮される。一部の自動化された臨床検査室用の分析装置で使用されるプロセス経路ダイバータ(Process path diverter)は必要ではない。マイクロウェルプレートのマイクロウェル内で実施される反応を処理するのに必要となる機械部品が削減されることにより、検査室自動化システムの信頼性が向上する。ステッパモータによって作動される、調整された量の液体を分注するための容積式ポンプは必要ではない。従来の分析装置は、プローブの先端を洗浄するのに容積式ポンプを使用し、希釈剤、洗浄緩衝液、およびプレトリガ溶液(pre−trigger solution)を直接に分注する。
【0020】
本明細書に記載する装置および方法は、両方のタイプのアッセイに使用され得る、例えばピペット、キッティングステーション、フルイディクス、冷凍設備、制御装置、電力供給装置などの多数の手段を同一で使用することにより、免疫アッセイと臨床化学アッセイとを統合することを可能にする。例えば蛍光偏光免疫アッセイ(fluorescent polarization immunoassay(FPIA))フォーマットなどの別のタイプのアッセイフォーマットがこの検査室自動化システムに追加されてもよい。
【0021】
本明細書に記載する装置および方法はまた、生物学的試料からの核酸の抽出およびそのようにして抽出された核酸の増幅を免疫アッセイおよび臨床化学アッセイに統合することを可能にするが、これは、3つのすべてのアッセイで使用され得る、例えばピペット、キッティングステーション、フルイディクス、冷凍設備、制御装置、電力供給装置などの多数の手段を同一で使用することによってなされる。
【0022】
本明細書に記載する装置および方法では、洗浄ステーション、追跡システムおよび他の構成部品を洗浄するためのメンテナンス処置は必要ではない。流体工学システムのプライミングおよびフラッシングは必要ではない。自動化システムを使用することにより、試薬および試料を手動で装填することを排除することができる。さらに、多くの販売業者が利用できるオンラインオーダエントリシステム(on−line order entry system)に連絡することができる試薬在庫管理システムを使用することにより、試薬および他の消耗品の発注が自動化される。
【0023】
マイクロウェルプレートは無線周波数認識によって追跡され得る。従来の反応ベッセルはこのように追跡することはできない。マイクロウェルプレートを処理するのに市販されている多くのサブシステムが使用可能であり、それにより、使用者が、改良を行い旧式化するのを遅らせたり、廃業した販売業者のアカウントを移動させたりすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】追跡システムと、検査室自動化システムの分析セクションが配置され得る位置とを示している、本明細書に記載する検査室自動化システムの一実施形態の概略図である。
【図2】図1に示した追跡システムに隣接するように配置され得る構成部品を示している、現在入手可能な検査室自動化システムの概略図である。
【図3A】試料容器運搬装置内の試料容器を示す立面正面図である。
【図3B】アダプタを有する試料容器運搬装置内の試料容器を示す立面正面図である。
【図4】試薬容器運搬装置内の試薬容器を示す立面正面図である。
【図5】免疫アッセイと臨床化学アッセイとを統合するための構成部品を使用しており、単位時間当たりで比較的多量のアッセイを実施することができる検査室自動化システムの分析セクションを詳細に示している、本明細書に記載する検査室自動化システムの一実施形態の平面図である。
【図6】免疫アッセイと臨床化学アッセイとを統合するための構成部品を使用しており、単位時間当たりで比較的適度な量のアッセイを実施することができる検査室自動化システムの分析セクションを詳細に示している、本明細書に記載する検査室自動化システムの別の実施形態の平面図である。
【図7】免疫アッセイのみを実施するための構成部品を使用しており、単位時間当たりで非常に多量の免疫アッセイを実施することができる検査室自動化システムの分析セクションを詳細に示している、本明細書に記載する検査室自動化システムの別の実施形態の平面図である。
【図8A】生物学的物質の有効寿命を延ばすのに使用され得る摺動カバーの配置を示す概略図である。
【図8B】生物学的物質の有効寿命を延ばすのに使用され得る摺動カバーの配置を示す概略図である。
【図8C】生物学的物質の有効寿命を延ばすのに使用され得る摺動カバーの配置を示す概略図である。
【図8D】生物学的物質の有効寿命を延ばすのに使用され得る摺動カバーの配置を示す概略図である。
【図9A】マイクロウェルプレートを握持している、吸引/分注デバイスに取り付けられた握持デバイスの概略的な上面図である。
【図9B】線9B−9Bに沿った、図9Aの概略的な断面図である。
【図9C】円筒形容器を握持している、吸引/分注デバイスに取り付けられた握持デバイスの概略的な上面図である。
【図9D】線9D−9Dに沿った、図9Cの概略的な断面図である。
【図9E】円筒形容器を握持している、吸引/分注デバイスに取り付けられた握持デバイスの概略的な上面図である。
【図9F】線9F−9Fに沿った、図9Eの概略的な断面図である。
【図10A】握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部上に挿入するときおよび握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部から取り外すときに必要となるステップを示す概略図である。
【図10B】握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部上に挿入するときおよび握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部から取り外すときに必要となるステップを示す概略図である。
【図10C】握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部上に挿入するときおよび握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部から取り外すときに必要となるステップを示す概略図である。
【図10D】握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部上に挿入するときおよび握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部から取り外すときに必要となるステップを示す概略図である。
【図10E】握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部上に挿入するときおよび握持デバイスまたはピペットチップをピペットの端部から取り外すときに必要となるステップを示す概略図である。
【図11】市販されている磁性粒子プロセッサの立面正面図である。
【図12】図11に示した磁性粒子プロセッサ内で使用するのに適したチップコームの立面正面図である。
【図13】96個のマイクロウェルを有する単一のマイクロウェルプレートを使用する、化学発光法による微粒子免疫アッセイのキッティングを示している、マイクロウェルプレートの上面図である。
【図14】各々が96個のマイクロウェルを有する2つのマイクロウェルプレートを使用する、化学発光法による微粒子免疫アッセイのキッティングを示している、一配置構成の上面図である。
【図15A】免疫アッセイ反応を処理するためにKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサの原理を利用することができる基本過程を示す概略図である。
【図15B】免疫アッセイ反応を処理するためにKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサの原理を利用することができる基本過程を示す概略図である。
【図15C】免疫アッセイ反応を処理するためにKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサの原理を利用することができる基本過程を示す概略図である。
【図15D】免疫アッセイ反応を処理するためにKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサの原理を利用することができる基本過程を示す概略図である。
【図15E】免疫アッセイ反応を処理するためにKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサの原理を利用することができる基本過程を示す概略図である。
【図15F】免疫アッセイ反応を処理するためにKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサの原理を利用することができる基本過程を示す概略図である。
【図16A】所与のマイクロウェルプレートの各マイクロウェルが同一の成分を収容しており、このマイクロウェルプレートのキッティングで同時に96の免疫アッセイを実施することができる、7つのマイクロウェルプレートのうちの1つを示す上面図であり、マイクロウェルは、試料と磁性微粒子との混合物を収容している。
【図16B】所与のマイクロウェルプレートの各マイクロウェルが同一の成分を収容しており、このマイクロウェルプレートのキッティングで同時に96の免疫アッセイを実施することができる、7つのマイクロウェルプレートのうちの1つを示す上面図であり、マイクロウェルは洗浄緩衝液を収容している。
【図16C】所与のマイクロウェルプレートの各マイクロウェルが同一の成分を収容しており、このマイクロウェルプレートのキッティングで同時に96の免疫アッセイを実施することができる、7つのマイクロウェルプレートのうちの1つを示す上面図であり、マイクロウェルは洗浄緩衝液を収容している。
【図16D】所与のマイクロウェルプレートの各マイクロウェルが同一の成分を収容しており、このマイクロウェルプレートのキッティングで同時に96の免疫アッセイを実施することができる、7つのマイクロウェルプレートのうちの1つを示す上面図であり、マイクロウェルはコンジュゲートを収容している。
【図16E】所与のマイクロウェルプレートの各マイクロウェルが同一の成分を収容しており、このマイクロウェルプレートのキッティングで同時に96の免疫アッセイを実施することができる、7つのマイクロウェルプレートのうちの1つを示す上面図であり、マイクロウェルは洗浄緩衝液を収容している。
【図16F】所与のマイクロウェルプレートの各マイクロウェルが同一の成分を収容しており、このマイクロウェルプレートのキッティングで同時に96の免疫アッセイを実施することができる、7つのマイクロウェルプレートのうちの1つを示す上面図であり、マイクロウェルは洗浄緩衝液を収容している。
【図16G】所与のマイクロウェルプレートの各マイクロウェルが同一の成分を収容しており、このマイクロウェルプレートのキッティングで同時に96の免疫アッセイを実施することができる、7つのマイクロウェルプレートのうちの1つを示す上面図であり、マイクロウェルはプレトリガ溶液を収容している。
【図17A】96個のマイクロウェルを有する単一のマイクロウェルプレートを使用する均一免疫アッセイのキッティングを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図17B】96個のマイクロウェルを有する単一のマイクロウェルプレートを使用する均一免疫アッセイのキッティングを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図17C】96個のマイクロウェルを有する単一のマイクロウェルプレートを使用する均一免疫アッセイのキッティングを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図18A】所定のスループット率を上回って免疫アッセイを実施できるようにするための吸引/分注プロトコルの交互配置ステップを示すチャートである。
【図18B】共通のセットの手段を用いて免疫アッセイと臨床化学アッセイとの両方を実施できるようにするための吸引/分注プロトコルの交互配置ステップを示すチャートである。
【図19A】16人の患者に対する6つの臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図19B】16人の患者に対する6つの臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図19C】16人の患者に対する6つの臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図19D】16人の患者に対する6つの臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図19E】16人の患者に対する6つの臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図19F】16人の患者に対する6つの臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図20A】8人の患者に対する12の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図20B】8人の患者に対する12の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図20C】8人の患者に対する12の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図20D】8人の患者に対する12の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図20E】8人の患者に対する12の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図21A】6人の患者に対する16の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図21B】6人の患者に対する16の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図21C】6人の患者に対する16の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図21D】6人の患者に対する16の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図21E】6人の患者に対する16の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図21F】6人の患者に対する16の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図22A】4人の患者に対する24の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図22B】4人の患者に対する24の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図22C】4人の患者に対する24の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図22D】4人の患者に対する24の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図22E】4人の患者に対する24の臨床化学アッセイのための試料および試薬の分注ステップを示している、単一のマイクロウェルプレートの連続する一上面図である。
【図23】複数のレベルの構成を有する検査室自動化システムの分析セクションを示す概略図で、分析セクションは3つのレベルを有し、このタイプの分析セクションでは、水平方向および垂直方向の両方を移動することができるロボットシステムと単一の吸引/分注デバイスとが使用される。
【図24】本明細書に記載する検査室自動化システムを制御するためのコンピュータインターフェースを示す概略図である。
【図25A】所与のディープウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、この深いディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(RNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、6つのディープウェルマルチウェルプレートうちの1つを示す上面図で、ウェルは、試料と磁性微粒子とリーシス緩衝液との混合物を収容している。
【図25B】所与のディープウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、この深いディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(RNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、6つのディープウェルマルチウェルプレートうちの1つを示す上面図で、ウェルは希釈されたリーシス緩衝液を収容している。
【図25C】所与のディープウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、この深いディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(RNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、6つのディープウェルマルチウェルプレートうちの1つを示す上面図で、ウェルは希釈されたリーシス緩衝液を収容している。
【図25D】所与のディープウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、この深いディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(RNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、6つのディープウェルマルチウェルプレートうちの1つを示す上面図で、ウェルは水を収容している。
【図25E】所与のディープウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、この深いディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(RNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、6つのディープウェルマルチウェルプレートうちの1つを示す上面図で、ウェルは水を収容している。
【図25F】所与のディープウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、この深いディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(RNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、6つのディープウェルマルチウェルプレートうちの1つを示す上面図で、ウェルはリン酸緩衝液を収容している。
【図26A】所与のディープウェルマルチウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、ディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(DNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、7つのディープウェルマルチウェルプレートのうちの1つを示す上面図で、ウェルは、試料と磁性微粒子とリーシス緩衝液とPK緩衝液との混合物を収容している。
【図26B】所与のディープウェルマルチウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、ディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(DNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、7つのディープウェルマルチウェルプレートのうちの1つを示す上面図で、ウェルはリーシス緩衝液を収容している。
【図26C】所与のディープウェルマルチウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、ディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(DNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、7つのディープウェルマルチウェルプレートのうちの1つを示す上面図で、ウェルはリーシス緩衝液を収容している。
【図26D】所与のディープウェルマルチウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、ディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(DNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、7つのディープウェルマルチウェルプレートのうちの1つを示す上面図で、ウェルはエタノール緩衝液を収容している。
【図26E】所与のディープウェルマルチウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、ディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(DNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、7つのディープウェルマルチウェルプレートのうちの1つを示す上面図で、ウェルはエタノール緩衝液を収容している。
【図26F】所与のディープウェルマルチウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、ディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(DNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、7つのディープウェルマルチウェルプレートのうちの1つを示す上面図で、ウェルはエタノール緩衝液を収容している。
【図26G】所与のディープウェルマルチウェルプレートの各ウェルが同一の成分(複数可)を収容しており、ディープウェルマルチウェルプレートのキッティングで、核酸(DNA)の24個の試料を増幅反応にかける前に磁性粒子プロセッサで処理するためにセットアップすることが可能である、7つのディープウェルマルチウェルプレートのうちの1つを示す上面図で、ディープウェルは水を収容している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書で使用する「免疫アッセイ」という用語は、抗体(複数可)のそれの(それらの)抗原に対する反応を利用する、通常は血清である生物学的液体中の物体の濃度を測定する生物学的試験を意味する。免疫アッセイは抗体のその抗原に対する特異結合を利用する。「化学発光による磁気的免疫アッセイ(chemiluminescent magnetic immunoassay)」とも称される、本明細書で使用する「化学発光法による微粒子免疫アッセイ」は、抗原および抗体に結合される化学発光標識を使用する。このアッセイでは、磁性微粒子が抗体により被覆される。このアッセイは試料中の抗原を探すことを目的とする。第2の抗体が化学発光標識で標識される。この第2の抗体は磁性微粒子には付着されない。抗体および抗原は以下の順番で付着される:磁性微粒子上の抗体−抗原−抗体−化学発光標識。磁性微粒子はこの後洗浄除去される。抗体−抗原−酵素の量が、プレトリガ溶液およびトリガ溶液(trigger solution)を添加して生成される光を測定することによって測定される。このタイプの免疫アッセイは、基体すなわち特異結合メンバ(specific binding member)に合成されるときに光を生成する。化学発光反応は感度が高く、測定が容易である。このタイプの免疫アッセイは、試料中に存在するアナライトの量に比例する結果が得られる非競合的サンドイッチフォーマットを使用する。本明細書で使用する「磁性(磁気的)」という用語は常磁性を意味する。
【0026】
本明細書で使用する「臨床化学アッセイ」という表現は、人体内で自然に発生する物体の濃度を測定する生物化学的試験を意味しており、この濃度は、人体の様々な器官の健康状態または容態を示す働きをしている。しばしばアナライトと称されるこれらの物体は、健康な人間の場合は所定の範囲の濃度で存在する。化学アナライトは、例えば脂質、栄養物、化学的成分、代謝産物などの、具体例としてはグルコース、尿素窒素、トリグリセリド、尿酸が含まれる通常のアナライトと、例えばアラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸、乳酸脱水素酵素およびアミラーゼなどの酵素と、例えばナトリウム、カリウムおよび塩化物などの電解質とからなる3つの主な種類のうちの1つに該当する。本明細書で使用する「検査室自動化システム」は、試料の分析の前、試料の分析の間、および、試料の分析の後での試料の処理を自動化するように設計されるシステムを意味する。この処理には、試料の取り扱い、臨床用分析装置からシステムの別の構成要素への試料の移動、および、試料の保存が含まれる。
【0027】
本明細書で使用する「試料」という用語および「生物学的試料」という表現などは、アナライトを含有していると疑われる物質を意味する。試料は、アッセイ中に、または、アッセイを受ける前に試料の性質を修正するための前処理の後で、供給源から得られるものとして直接に使用されよい。試料は、限定しないが、血液、唾液、眼球レンズ流体、脳脊髄液、汗、尿、母乳、腹水液、粘膜、関節液、腹膜液、または羊水などを含む例えば生理液などの任意の生物源から得られてよい。試料は、例えば、血液からの血漿の調製または粘性流体の希釈などのように、使用前に前処理されてよい。前処理の手法には、濾過、蒸留、濃縮、阻害成分の不活性化、および、試薬の添加が含まれてよい。生理液に加えて、例えば水、食材などの別の液体試料が使用されてもよい。また、アナライトを含有していると疑われる固形物質も試料として使用されてよい。本明細書で使用する「アナライト」という用語は、検出または測定される化合物または合成物を指している。
【0028】
本明細書で使用する「無線周波数認識」という表現は、電波を使用して例えば生物学的試料用容器および生物学的試料を分析するための試薬用容器などの物体を自動的に識別する技術の総称である。最も一般的な識別手法は、物体を識別するシリアル番号、および、場合によっては、物体またはその内容物に関する他の情報をアンテナに取り付けられたマイクロチップ上に格納することである。マイクロチップおよびアンテナは併せて、無線周波数認識トランスポンダまたは無線周波数認識タグと呼ばれている。アンテナは、マイクロチップが識別情報および他の情報を無線周波数認識読取装置に送信するのを可能にする。無線周波数認識読取装置は、無線周波数認識タグから反射されて戻ってきた(reflected back)電波をデジタル情報に変換し、それにより、このデジタル情報が、それを利用することが可能なコンピュータに伝えられ得るようなる。
【0029】
本明細書で使用する「吸引/分注デバイス」という表現は、吸引作用により容器から液体を除去することと例えばマイクロウェルプレートのマイクロウェルなどの容器内にその吸引された液体の一部を分注することとの二重機能を有するデバイスを意味する。本明細書に記載するシステムに使用され得る吸引/分注デバイスは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,033,543号明細書に記載されている。「ピペット(pipet)」、「ピペッタ」とも呼ばれる、本明細書で使用する「ピペット(pipette)」という用語は、測定した量の液体を移送するのに使用される検査室器具を意味する。「微量定量プレート」、「マイクロプレート」とも呼ばれる、本明細書で使用する「マイクロウェルプレート」という表現は、小試験管として使用される複数の「ウェル」を有する平プレートを意味する。本明細書で使用する「XYZ」という用語は、第1の水平方向、第1の水平方向に対して垂直の第2の水平方向、ならびに、第1の水平方向と第2の水平方向との両方に対して垂直である第3の方向の3方向に移動することができるデバイスを指している。本明細書で使用する「再使用」、「再使用可能」などの用語は、1回使用された後で処分されずに再び使用され得る使い捨て製品を指している。本明細書で使用する「固定されたプロトコル」という用語はアッセイを実施するためのプロトコルを意味しているが、ここでは、培養ステップ(複数可)に割り当てられる開始時間および終了時間、混合ステップ(複数可)に割り当てられる開始時間および終了時間、試薬添加ステップ(複数可)に割り当てられる開始時間および終了時間、洗浄ステップ(複数可)に割り当てられる開始時間および終了時間、および、他のステップ(複数可)に割り当てられる同様の開始時間および終了時間が、アッセイが開始されてから決まった時間に行われなければならない。本明細書で使用する「検査室自動化システムの分析セクション」という表現は、免疫アッセイまたは臨床化学アッセイ、あるいは免疫アッセイと臨床化学アッセイとの両方が実施される検査室自動化システムの部分を意味する。本明細書で使用する「キッティング」という用語は、化学反応を開始する前に試料および試薬をマイクロウェルプレートの適切なマイクロウェル内に分注することを意味する。
【0030】
本明細書で使用する「核酸(複数可)の抽出」などの表現は、生物学的試料から核酸(複数可)を除去することを意味する。本明細書で使用する「核酸(複数可)の増幅」などの表現は、特定の核酸(複数可)を分離して次いで検出できるレベルまで複製するために、精製酵素を使用するアッセイを指している。核酸(複数可)の増幅手法の例として、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)がある。本明細書で使用する「マルチウェルプレート」という表現は、上面および下面と、トレイの下面から伸びている複数のウェルとを有するプラスチックトレイを意味しており、これらのウェルは、トレイの上面内の開口部を介して充填され得る。これらのウェルは例えば1mL未満の比較的少量の液体を収容するように大きさが限定されてよく、このようなウェルを含むマルチウェルプレートをマイクロウェルプレートと称する。別法として、ウェルは例えば1mLを超える比較的多量の液体を収容するように大きさが拡大されてもよく、そのようなウェルを含むマルチウェルプレートを単にマルチウェルプレートと称する。
【0031】
本明細書で使用する、項目名の後に続く「(複数可)」という表現は、文脈に応じて対象の項目が1つまたは複数であると意図することを示している。本明細書で使用する「および/または」という表現は、「および」という単語と「または」という単語のいずれかが単語、語句または節をつなぐのに使用されてよいことを示している。
【0032】
本明細書を通して、可能である限り、同様の部品または構成要素は同一の参照符号を有するが、明瞭さのために必要である場合は同様の部品または構成要素が異なる参照符合を有していてよい。また、必要である場合、マイクロウェルプレート(複数可)は「P」という文字で示される。処理装置および読取装置内のマイクロウェルプレートは実際には可視ではないことに留意されたい。しかし、マイクロウェルプレートは処理装置および読取装置の内側にあり、処理装置および読取装置内でのマイクロウェルプレートの相対位置は文字Pによって示される。
【0033】
検査室自動化システムは、通常、吸引/分注デバイスのピペット(複数可)が3次元、すなわち、水平面上の二次元(すなわち、XおよびY)と垂直方向の一次元(ずなわち、Z)に移動され得るような吸引/分注デバイスを使用する。検査室自動化システムの残りの構成要素は、ピペット(複数可)が検査室自動化システムの種々の構成要素に到達するのを可能にするような形で吸引/分注デバイスの近傍に位置されるか吸引/分注デバイスに連結されてよい。しかし、すべての構成要素が吸引/分注デバイスから直接に到達可能である必要はない。場合によっては、試薬がその中に分注されているマイクロウェルプレートは、任意選択のロボット機構により吸引/分注デバイスの到達範囲の外まで移動され得て、別の処理のための自律サブシステム内に配置され得る。一般に、化学発光法による微粒子免疫アッセイは、キッティングが行われた後に試薬を分注する必要はない。逆に、臨床化学アッセイは読み取りごとに試薬を分注する必要がある。
【0034】
検査室自動化システムの所望される能力に応じて、検査室自動化サブシステム(例えば、種々の診断アッセイ技術)が、吸引/分注デバイスに追加されたりまたはそこから取り除かれたりしてよい。さらに、処理能力を向上させるために複数のサブシステムが検査室自動化装置に追加されてよく、例えば、免疫アッセイの処理能力を向上させるために1つまたは複数の免疫アッセイサブシステムが1つの免疫アッセイサブシステムに追加されてよく、または、臨床化学アッセイの処理能力を向上させるために1つまたは複数の臨床化学アッセイサブシステムが1つの臨床化学アッセイサブシステムに追加されてよい。
【0035】
検査室自動化システムの所望の構成要素は多数の配置構成で配置され得る。図1は、本明細書に記載するシステムおよび方法と共に使用されるように修正され得る検査室自動化システムを示している。この図では、インプット/アウトプットモジュールから試薬容器および試料容器のための1つまたは複数の短期保管領域まで、試料を収容している容器(試料容器)および試薬を収容している容器(試薬容器)を移動させるのを可能にするトラック構成が示されている。また、この図には、検査室自動化システムの分析器具を位置決めするためのセクションが示されている。図2は、トラック構成の周りに配置され得る検査室自動化システムの他の従来の構成要素を示している。
【0036】
図5、図6および図7は、検査室自動化システムの分析セクションの構成要素の複数の考えられる配置手法のうちの3つを示しているが、図5、図6および図7に示されているずれの構成にも使用され得る追跡システムを含んでいない。図5、図6および図7は、吸引/分注デバイスなどの構成要素と、例えば、読取装置(例えば、吸光度読取装置、発光測定装置)などの信号検出器と、例えば、化学発光法による微粒子免疫アッセイ(CMIA)の処理装置などの免疫アッセイ処理装置と、臨床化学アッセイ(CC)処理装置と、マイクロウェルプレート回転装置、使い捨ての構成要素を保管するための位置、試薬を保管するための位置、ならびに、試料を保管するための位置を示している。
【0037】
図1が、免疫アッセイと臨床化学アッセイとが統合されるサブシステム、すなわち検査室自動化システムの分析セクションを示している。このサブシステムは、単位時間当たりで比較的多量のアッセイを実施することもできる。これと同じサブシステムが図5に示されている。このサブシステムでは、1時間当たりで約192の免疫アッセイ試験(臨床化学試験が実施されない場合)または1時間当たりで900の臨床化学試験(免疫アッセイ試験が実施されない場合)、あるいは、両方のタイプの試験を同時に実施する場合には1時間当たりで600の臨床化学試験および96の免疫アッセイ試験の処理能力が可能となる。図6は、図1および図5に示したサブシステムに類似のサブシステム、すなわち検査室自動化システムの分析セクションを示している。しかし、図6に示されるサブシステムでは、1時間当たりで約96の免疫アッセイ試験(臨床化学試験が実施されない場合)または1時間当たりで450の臨床化学試験(免疫アッセイ試験が実施されない場合)、あるいは、両方のタイプの試験を同時に実施する場合には1時間当たりで300の臨床化学試験および48の免疫アッセイ試験の処理能力が可能となる。図7は、免疫アッセイのみが実施されるサブシステム、すなわち検査室自動化システムの分析セクションを示している。しかし、このサブシステムは単位時間当たりで非常に多量の免疫アッセイ試験を実施することができる。このサブシステムでは、1時間当たりで約1200の免疫アッセイの処理能力が可能となる。別のサブシステムも製造され得る。例えば、図1、図5および図6に示されるサブシステムの一部の変形形態では、免疫アッセイの構成要素を削除することができる。別の例として、図1、図5および図6に示されるサブシステムの一部の変形形態では、臨床化学の構成要素を削除することができる。
【0038】
ここで図1を参照すると、検査室自動化システム10がトラックシステム12を有している。図1に示されるように、トラックシステム12は第1のレーン14および第2のレーン16を有する。第1のレーン14の目的は試料を保持している容器(すなわち、試料容器)18をインプット/アウトプットモジュール20(図2を参照)から試料容器の列22まで移送することである。試料容器18は、試料容器運搬装置24(図3Aおよび図3Bを参照)によりトラックシステム12上を適切に移動することができる。試料容器18をトラックシステムのレーン上で移送するのに適している試料容器運搬装置24は、例えば、Inpeco S.p.a.、Thermo Fisher Scientific Inc.、Beckman Coulter Inc.、Lab Interlink、A&T Corporation、Siemens AGなどの供給業者から市販されている。このような試料容器運搬装置24は、例えば、米国特許第5,417,922号明細書、第5,427,743号明細書、第5,589,137号明細書および第6,343,690号明細書に記載されており、これらのすべては参照により本明細書に組み込まれる。試料容器18は、適当なロボット機構(図示せず)により試料容器運搬装置24内に配置され得る。試料容器運搬装置24は、無限コンベアベルトによりまたはその適当な代替物によりトラックシステム12の第1のレーン14に沿って移動する。このようなコンベアベルトおよびその適当な代替物は当業者にはよく知られている。試料容器18またはアダプタスリーブ28は、所与の試料容器18を認識して追跡するのに使用され得る無線周波数認識タグ26を備えていてよい。試料容器運搬装置24の代替実施形態では、試料容器運搬装置24がアダプタスリーブ28を備えていてよく、アダプタスリーブ28は、直径が異なるまたは長さが異なるあるいはその両方が異なる試料容器18に適合するように試料容器運搬装置24を試薬容器運搬装置34と同じサイズにすることが可能である。
【0039】
第2のレーン16の目的は、試薬を保持している容器(すなわち、試薬容器)30をインプット/アウトプットモジュール20から試薬容器の列32まで移送することである。試薬容器30は、試薬容器運搬装置34(図4を参照)によりトラックシステム12上で適切に移動することができる。この目的に適した代表的な例の試薬容器運搬層34はNittobo Boseki Co.,LtdおよびRexam PLCから市販されている。このような試薬容器運搬装置34は、例えば、米国特許第6,074,615号明細書および第6,555,062号明細書に記載されており、これらのいずれも参照により本明細書に組み込まれる。試薬容器30は、適切なロボット機構(図示せず)により試料容器運搬装置34内に配置され得る。試薬容器運搬装置34は、無限コンベアベルトによりまたはその適当な代替物によりトラックシステム12の第2のレーン16に沿って移動する。このようなコンベアベルトおよびその適当な代替物は当業者にはよく知られている。試薬容器30は、所与の試薬容器30を認識して追跡するのに使用され得る無線周波数認識タグ36を装備することができる。試料容器運搬装置24および試薬容器運搬装置34を移送するのにトラックシステム12の同一のレーンを使用することも可能であり、試料容器運搬装置24と試薬容器運搬装置34とで別のレーンを使用することも可能である。試料容器運搬装置24および試薬容器運搬装置34の両方に対して同一のレーンを使用することでトラックシステム12のコストを削減することができる。加えて、試料容器運搬装置24および試薬容器運搬装置34の両方に対して同一のレーンを使用することで、試料容器運搬装置24と試薬容器運搬装置34とを同じサイズにすることが可能となる。
【0040】
試薬の在庫を管理するためのシステムは、試薬容器30が試薬容器運搬装置34内に配置され、その配置後、これらの試薬容器運搬装置34が検査室自動化システム10の分析セクションに経路付けられてそこで適切なローカル列32内に移されるように、設計されてよい。このような配置は、試薬容器30をトラックシステム12の近傍の保管位置から取り上げてその試薬容器30を試薬容器運搬装置34上に配置する能力を有するロボット機構(図示せず)によって実施されてよい。同様に、試料を供給するためのシステムは、試料容器18がアダプタスリーブ28を有する試料容器運搬装置24または試薬容器運搬装置34内に配置され、その配置後、これらの試料容器運搬装置24が検査室自動化システム10の分析セクションに経路付けられてそこで適切なローカル列22内に移されるように、設計されてよい。このような配置は、試料容器18をトラックシステム12の近傍の保管位置から取り上げてその試料容器18をアダプタスリーブ28を有する試料容器運搬装置24または試薬容器運搬装置34上に配置する能力を有するロボット機構(図示せず)によって実施されてよい。
【0041】
検査室自動化システム10の各分析セクションは、トラックシステム12から試料容器運搬装置24および試薬容器運搬装置34がそれぞれ移されてきて処理のために保持される、ローカル列22、32を有する。このような方向転換用途に適したダイバータは当業者にはよく知られている。ダイバータは一般には機械電気的に作動されるゲートである。本明細書で使用するのに適したダイバータの一例が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,202,829号明細書に記載されている。
【0042】
試薬容器30は、試薬容器運搬装置34から単純に取り出されて検査室自動化システム10の分析セクション内に位置される試薬保管領域内に配置される。試料が試料容器18から吸引される。試料容器18は試料容器運搬装置24から取り出される必要はない。試料が所与の試料容器18から吸引され得るが、これは、その試料の試験に必要となるすべての試料が試料容器18から取り出されるまで行われてよい。試料の処理の完了時または別の適当な時間に、試料容器運搬装置24および試薬容器運搬装置34はローカル列(複数可)22、32から外されてトラックシステム12へ移送される。空の試薬容器30は固形廃棄物容器内に処分される。試料容器18は、結果および/または指示により再試験または追加の試験が必要ではないと判断されるまで試料容器運搬装置24内に保持されてよい。試薬容器運搬装置34は次の試薬容器を移送するための操作にそのまま再利用されてよい。
【0043】
試薬在庫管理システムが、本明細書に記載する検査室自動化システム10に追加され得る。典型的な試薬在庫管理システムは、試薬および他の供給品の箱を積載するためのオペレータインターフェースと、在庫の認識および追跡のための無線周波数認識システムと、容器をトラックシステム上に積載するためのおよびトラックシステムから容器を外すためのロボット機構と、キャップ除去装置と、冷凍設備と、検査室用の分析装置および販売業者との情報技術的な通信手段(information technology connection)とを有する。
【0044】
試料容器18および試薬容器30を検査室自動化システム10の分析セクションに移送するのにトラックシステム12が使用されない場合、複数の試料容器18を支持する試料容器トレイ38が使用されてよい。検査室自動化システム10は、単純に、試薬容器運搬装置34および試料容器運搬装置24のための列を試料容器トレイ38のための適切な支持体に置き換えるだけである。例えば図5、図6および図7を参照されたい。これらの図では、トラックシステム12は示されていない。トラックシステム12の代わりに試料容器トレイ38が存在する。しかし、試料容器トレイ38用の取付具を取り外して検査室自動化システム10の他の部分をトラックシステム12に連結することもできる。
【0045】
後で説明する分析システムのための、試料容器18内に供給される試料を調製するための種々の構成要素が、トラックシステム12に沿った適当な位置に配置されてよい。ここで、市販されている検査室自動化システム10’の図2を参照すると、本明細書に記載する検査室オートメーション10内でも使用され得る構成要素がトラックシステム12’に沿って配置されている。これらの構成要素には、限定しないが、(a)試料容器18を検査室自動化システム10に導入するための、および、(b)試料容器18を検査室自動化システム10から取り外すためのインプット/アウトプットモジュール20と、1セットのアッセイがその上で実施される、試料を保管するための容器保管・回収ユニット40とが含まれる。さらに図1には、血液試料中の細胞から血清を分離させるための第1の遠心分離システム42および第2の遠心分離システム44と、試料容器18からキャップを取り外すための、一般には試料管からキャップを取り外すためのデキャッパ46と、分析試験の完了後に試料容器18を密閉するためのリシーラ(resealer)48と、例えば試薬、試料などの生物学的物質の有効寿命を延ばすための冷凍装置(図示せず)とが示されている。試薬容器30は、配送部から輸送梱包箱に入れられて受け取られるときに、操作者によって冷凍装置内に入れられてよい。この積載プロセスでは輸送梱包箱の頂部を取り除く必要がある場合がある。試薬容器30に添着された無線周波数認識タグ36が、冷凍装置に付随する無線周波数認識読取装置(図示せず)によって読み取られ得て、その在庫が記録される。試薬の在庫を管理するためのシステムに連結された検査室自動化システム10の分析セクションが試薬容器(複数可)30を要求した場合、試薬の在庫を管理ためのシステムが要求された種類の通常は最も古い試薬(複数可)を、すなわち先入れ先出しの形で、冷凍装置内にある輸送梱包箱から取り出し、処理のために試薬容器(複数可)30を用意し(例えば、キャップを取り外したり、隔壁を挿入したりなど)、試薬容器(複数可)30を試薬容器運搬装置(複数可)34内に配置する。輸送梱包箱からの試薬容器30の除去および試薬容器運搬装置34内への試薬容器30の配置はロボット機構(図示せず)によって実施されてよい。その後、試薬容器30を保持する試薬容器運搬装置34はトラックシステム12の適切なレーン上に送られ、次いで、試薬(複数可)を要求した検査室自動化システム10の分析セクションに経路付けされる。最後に、空の輸送梱包箱が冷凍装置から取り出されて固形廃棄物容器内に入れられる。
【0046】
図1に示されていないが、検査室自動化システム10内の情報を取り扱うための制御ユニットが必ず存在する。この制御ユニットはまた、検査室自動化システム10の自動化された機能を実行する種々のロボット機構に命令を送る。制御ユニットはパーソナルコンピュータであってよいと予想される。単純な検査室自動化システムの従来の構成要素のさらなる考察は、参照により本明細書に組み込まれる、Ikedaら「Total Clinical Laboratory Testing System for Laboratory Automation」、Hitachi Review、Vol.41(1992年)、No.4、167−172ページで見ることができる。試験管保管・回収ユニット、インプット/アウトプットモジュール、遠心分離システム、デキャッパ、リシーラ、冷凍装置、および他の補助要素のいくつかの例は当業者にはよく知られており、多数の供給元から簡単に買うことができる。本明細書に記載する検査室自動化システム10には含まれないが、図2にはさらに、第1の免疫アッセイ分析装置50a、第2の免疫アッセイ分析装置50b、第1の臨床化学分析装置50c、および、第2の臨床化学分析装置50dが示されている。本明細書に記載する発明は、複数のタイプの免疫アッセイ分析装置および別のタイプの臨床化学分析装置を使用する。
【0047】
中央の試薬保管領域(図示せず)で試薬を実質的にストックすることができ、これらの試薬は、必要に応じて、トラックシステム12または検査室自動化システム10の分析セクションに移送され得る。試薬を中央の保管領域からインプット/アウトプットモジュール20へと移送するのに適した移送手段には、限定しないが、ガントリ、無限コンベアベルトおよびロボット機構が含まれる。
【0048】
トラックシステム12には検査室自動化システム10の少なくとも1つの分析セクション60が隣接する。トラックシステム12のサイズに応じて、2つ以上の分析セクション60が使用されてもよい。分析セクション60は、4つの主なサブセクション、すなわち、アッセイに使用される試料および試薬を保持するためのサブセクション62と、試料および試薬を例えばマイクロウェルプレートなどの反応ベッセル内に導入して操作するのに必要となる装置のための使い捨ての構成要素を保持するためのサブセクション64と、免疫アッセイを実施するのに必要となる器具を支持するためのサブセクション66と、臨床化学アッセイを実施するために必要となる器具を支持するためのサブセクション68とを有する。サブセクション66は吸引/分注デバイスから直接に到達可能である必要はなく、キッティングされたマイクロウェルプレートを使用することができる。サブセクション68は、通常、マイクロウェルプレートに直接に到達する吸引/デバイスが必要である。
【0049】
分析セクション60のサブセクション62は、好適には、無線周波数認識タグ26、36からの情報を読み取るための無線周波数認識読取装置(図示せず)を収容するのに十分な高さまで上昇される。このような無線周波数認識読取装置は、2006年7月28日に出願された、「SYSTEM FOR TRACKING VESSELS IN AUTOMATED LABORATORY ANALYZERS BY RADIO FREQUENCY IDENTIFICATION」と題される米国特許出願第11/495,430号に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
例えば試料容器コンテナ運搬装置24および試薬容器30などの、容器および容器の運搬装置のために無線周波数認識システムを導入する一実施形態では、無線周波数認識システムが、少なくとも1つの移動可能な無線周波数認識読取装置を有する。無線周波数認識読取装置が容器または容器運搬装置に付随する無線周波数認識タグからのデータを読み取るためには、無線周波数認識読取装置は無線周波数認識タグに近接する位置まで移動されなければならず、そうすることにより、無線周波数認識読取装置によって読み取られるデータの完全性に悪影響を及ぼさない程度の他の容器または他の容器運搬装置上の近傍の無線周波数認識タグからのノイズ量および干渉のなかで、無線周波数認識タグからの情報が読み取られるようになる。この実施形態では、少なくとも1つの無線周波数認識読取装置が容器および容器の運搬装置の間を移動するのを可能にするための伝動サブシステムが用意されなければならない。固定型の第2の読取装置が、その第2の読取装置付近まで移送される消耗品に取り付けられた無線周波数認識タグを読み取るのに使用されてよい。
【0051】
別の実施形態では、無線周波数認識システムは、少なくとも1つの固定型の無線周波数認識読取装置を有する。少なくとも1つの無線周波数認識読取装置が容器または容器運搬装置に付随する無線周波数認識タグからのデータを読み取るためには、容器または容器運搬装置が少なくとも1つの無線周波数認識読取装置に近接する位置まで、好適には少なくとも1つの無線周波数認識読取装置に位置合わせされるように移動されなければならず、そうすることにより、無線周波数認識読取装置によって読み取られるデータの完全性に悪影響を及ぼさない程度の他の容器または他の容器運搬装置上の近傍の無線周波数認識タグからのノイズ量および干渉のなかで、無線周波数認識タグからの情報が読み取られるようになる。この実施形態では、少なくとも1つの無線周波数認識読取装置が容器および容器運搬装置の間を移動することを可能にするための伝動サブシステムが用意される必要はない。
【0052】
固定型の無線周波数認識読取装置の上記の実施形態を実施する手法は少なくとも2つある。第1の手法によると、試料容器および試薬容器、または、試料容器運搬装置および試薬容器運搬装置が少なくとも1つの固定型の無線周波数認識読取装置に近接する位置まで移送され得ることにより、容器または容器運搬装置上の固定型の無線周波数認識読取装置タグが少なくとも1つの無線周波数認識読取装置によって読み取られるようになる。第2の手法によると、プリント基板上のトレースである複数のアンテナが個別の固定型の無線周波数認識読取装置として機能する。これらのアンテナは個別のデータ集を受信することができる。無線周波数認識タグを読み取るための読取装置の好適な実施形態では、試薬保管領域および試料保管領域の下で単一のプリント基板が複数のアンテナを有する。アンテナの長さは、使用される無線周波数との関係を決定付けるので重要である。アンテナの長さは、例えば、半波長、1/4波長といったようないくつかの多波長の無線周波エネルギーに対応する。
【0053】
無線周波数認識システム用のプリント基板は、遠隔アンテナ用の通信手段と、一度に一つずつそれらのアンテナを選択する手段とを有していてよい。例えば、無線周波数認識システムは、マイクロウェルプレート回転装置、前処理領域、磁性粒子プロセッサ、発光測定装置(複数可)、吸光度読取装置(複数可)、在庫読取位置などのいくつかの離れた読取位置との、ならびに、ローカル列および移送トラック(transport track)上の位置との外部通信手段を有する。これらの離れた位置にあるアンテナ読み取ることにより、マイクロウェルプレートが検査室自動化システム全体を通して追跡され得るようになり、一連の管理を実現することができる。
【0054】
本明細書に記載する無線周波数認識システムを具体化するために、無線周波数認識タグは、例えば試薬容器30などの容器の最も低い位置または例えば試料容器運搬装置24などの容器運搬装置上に配置されてよい。カプセル封入された無線周波数認識タグを容器の最も低い位置に配置することがしばしば所望される。試料容器18の場合、無線周波数認識タグは試料容器運搬装置24上に配置されてよい。
【0055】
一実施形態では、2つの高周波(13.56MHZ)無線周波数認識読取装置が使用され得る。一方の無線周波数認識読取装置は試薬容器が配置されている領域の下を移動することができる。もう一方の固定型の無線周波数認識読取装置は、マイクロウェルプレート上の無線周波数認識タグを読み取る。無線周波数認識読取装置を使用することにより、検査室自動化システム10内で試薬容器および試料容器18を効率的かつ緊密にパックすることが可能となる。無線周波数認識読取装置および無線周波数認識タグを使用することにより、バーコードを用いて付与され得るデータ量と比較してより高密度のデータを容器上に有することが可能となる。さらに、書き込み可能な無線周波数認識タグが使用される場合、無線周波数認識タグ上のデータは、無線周波数認識タグを装備する容器の中身に付随して行われる変更を反映するように更新され得る。無線周波数認識システムはパーソナルコンピュータ用のインターフェースを有することができる。
【0056】
本明細書に記載する検査室自動化システム10では、試料は免疫アッセイ技術および臨床化学アッセイ技術の両方で共用される。試料は、検査室自動化システム10の分析セクション60上での試料の保管を最小化するためにかつ再試験および/またはリフレックス試験(reflex testing)を自動化するために、検査室自動化システム10のトラックシステム12により分析セクション60のサブセクション62に移送され得る。別法として、試料は、例えば手動、または所望される場合はロボット機構(図示せず)などの別の手段により分析セクション60のサブセクション62に配置されてもよい。上で考察したように、試料は、試料容器運搬装置24によりまたは試料容器18を支持するトレイ38により検査室自動化システム10の分析セクション60に移され得る。典型的な試料容器トレイ38は最大で5つの試料容器18を保持することができ、試料容器トレイの列は通常最大で3つの試料容器トレイ38を含むことができ、サブセクション62は通常最大で12個の試料容器トレイを保持することができる。分析セクション60のサブセクション62のうちの試料容器18に割り当てられる領域は絶対に必要というわけではないが、最大で60個の試料容器18がサブセクション62内で保管され得ることが分かる。しかし、分析セクション60の寸法が増大される場合には、60個を超える試料容器18が分析セクション60のサブセクション62内で保管され得る。
【0057】
分析セクション60のサブセクション62は、臨床化学アッセイ用の試薬容器30を一時的に保管するための十分なスペース、免疫アッセイ用の試薬を攪拌するための装置と共に免疫アッセイ用の試薬容器30を一時的に保管するための十分なスペース、および、試料容器18を一時的に保管するための十分なスペースを有する。サブセクション62は、臨床化学アッセイのみまたは免疫アッセイのみのための試薬容器30、または、両方のタイプのための試薬容器30の組み合わせを有するように設計されてよい。サブセクション62は、試薬および試料の冷凍および蒸発抑制を実現できるような装備であることが好適である。図8A、図8B、図8Cおよび図8Dが、試薬容器30が周囲に曝されるのを最小にするためのシステムを示している。このシステムでは、摺動試薬カバー70、72のシステムが、試薬容器30を外部環境から隔離するのに使用されてよい。試薬は、本明細書に記載する摺動試薬カバーの実施形態を使用することにより長時間保存され得るようになる。この実施形態では、第1の摺動試薬カバー70が、サブセクション62内に配置されている複数の試薬容器30の上方に位置される。第2の摺動試薬カバー72は、複数の試薬容器30の上方かつ第1の摺動試薬カバー70の上方に位置される。第1の摺動試薬カバー70は形状が実質的に長方形であり、これは第2の摺動試薬カバー72も同様である。第1の摺動試薬カバー70はトラック(図示せず)内に挿入され、そこでは、第1の摺動試薬カバー70は矢印「A」で示される水平方向に摺動することができる。第2の摺動試薬カバー72は、第1の摺動試薬カバー70が挿入されるトラックに位置合わせされているトラック(図示せず)に挿入され、そこでは、第2の摺動試薬カバー72は矢印「A」で示される水平方向に摺動することができる。第1の摺動試薬カバー70は、その中に形成される、複数の試薬容器30に位置合わせされて配置され得る複数の開口部74を有する。同様に、第2の摺動試薬カバー72は、その中に形成される、複数の試薬容器30に位置合わせされて配置され得る複数の開口部76を有する。図8A、図8B、図8Cおよび図8Dに示されるように、開口部74および開口部76は形状が長方形である。第2の摺動試薬カバー72内の各開口部76の左側縁部は半円切欠78となっている。この半円切欠78はその開口部分が右側を向いている。第1の摺動試薬カバー70内の各開口部74の右側縁部は半円切欠80となっている。この半円切欠80はその開口部分が左側を向いている。第1の摺動試薬カバー70および第2の摺動試薬カバー72は互いに相対的に移動することができ、第1の摺動試薬カバー70内の切欠80と第2の摺動試薬カバー72内の切欠78とが合わさって小さな開口部を形成するようになっており、その開口部を介して、試薬容器30から液体試薬を吸引するためにピペットの先端が挿入され得る。試薬が吸引されないとき、第1の摺動試薬カバー70および第2の摺動試薬カバー72は小さな開口部が閉じられるように互いに相対的に移動することができ、それにより、第1の摺動試薬カバー70および第2の摺動試薬カバー72が試薬に対する周囲の影響を軽減することが可能となり、結果的に試薬の有効寿命が延びる。
【0058】
臨床化学アッセイ用の個々の試薬容器30および免疫アッセイ用の個々の試薬容器30はロボットシステムにより試薬容器運搬装置34から取り出されて分析セクション60のサブセクション62の適当な位置に挿入され得、そこでは、握持デバイス92が、以下では吸引/分注デバイス94としても称される、液体を吸引および分注することができるデバイス94に添着されていてよい。本明細書で使用するのに適した握持デバイスを示している概略図の図9A、図9B、図9C、図9D、図9Eおよび図9Fを参照されたい。吸引/分注デバイス94は容器から液体を吸引することおよびマイクロウェルプレートのマイクロウェル内に液体を分注することができる。吸引/分注デバイス94は、複数のピペット98を装備することができるヘッド96を有する。本明細書で使用するのに適した市販のロボットシステムは一般に4から12個のピペットを有する。握持デバイス92は、試薬容器30、試料容器18およびマイクロウェルプレートを握持すること、握持している容器またはマイクロウェルプレートを垂直方向に持ち上げること、ならびに、握持している容器またはマイクロウェルプレートを垂直方向に下げることができる。吸引/分注デバイス94は、互いに垂直である2つの水平方向に移動することができる。各々の方向において移動範囲に制限はない。しかし、経済的理由により、分析セクションはできる限り小さいほうが好ましい。従って、吸引/分注デバイス94の一般的な移動範囲は、両方の水平方向において、約2フィート(0.61m)から約8フィート(2.44m)、好適には約2フィート(0.61m)から約6フィート(1.83m)、より好適には約2フィート(0.61m)から約4フィート(1.22m)であると予想される。本明細書に記載する装置および方法と共に使用するのに適したロボットシステムはHamilton Companyから市販されている。このシステムでは、吸引/分注デバイス94の2つのピペット98が握持デバイス92を受け取ることができる。握持デバイス92は、伸長可能なOリングロック機構により吸引・分注装置94のピペット98のステムに固定されて取り付けられてよい。伸長可能なOリングロック機構は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,033,543号明細書に記載されている。
【0059】
握持デバイス92は、一般的には、例えばパドル形状の直方体であり、通常は例えばステンレス鋼などの金属で作られている。図9Aおよび図9Bが、マイクロウェルプレートを握持するのに適した握持デバイス92を示している。パドル形状の各握持デバイス92は、マイクロウェルプレートの縁部に接触するその主面上に少なくとも1つの突出部、好適には2つ以上の突出部を有する。パドル形状の握持デバイス92がピペット98に添着される場合、パドル形状の握持デバイス92は上で言及した伸長可能なOリングによって保持される。この同じ伸長可能なOリングがピペットチップを保持するのにも使用されてよく、これは、ピペット98の吐出端部(discharging end)を介して抜くことできる。この伸長可能なOリング機構は、ピペットが液体を吸引および分注するのに使用されている間、さらには、ピペットチップが容器の隔壁を貫通しているときにも、ピペットチップを固定して保持する。ピペットチップが容器の隔壁を貫通するときは、通常であれば、摩擦により固定されている(friction−staked)ピペットチップがピペットの吐出端部から引き抜かれてしまう。
【0060】
吸引/分注デバイス94がマイクロウェルプレートを握持するためには、握持デバイス92が取り付けられている吸引/分注デバイス94の2つのピペットが互いに向かって移動されなければならず、それにより、マイクロウェルプレートがパドル形状の握持デバイス92の間で握持されるようになる。マイクロウェルプレートは、握持されているときは縦向きおよび横向きのどちらであってもよい。すなわち、マイクロウェルプレートは、マイクロウェルプレートの2つの長い方の側面またはマイクロウェルプレートの2つの短い方の側面のいずれかを介して握持されてよい。上で言及した突出部が、柔らかいプラスチック物質のマイクロウェルプレートの表面内にわずかに入るように貫通し、それにより、マイクロウェルプレートが持ち上げられるとき、下げられるとき、または移送されるときにしっかりと保持されるようになる。握持デバイス92の種々の修正形態が、例えば試薬容器30、試料容器18などの円筒形の容器を握持するのに使用されてよい。握持デバイス92は、円筒形の容器を握持するために、図示するようにならびに上で説明したように直方体であることが好適であり、この直方体には、容器の形状に実質的に一致していてよいサイズおよび形状のアダプタ92aが取り付けられる。図9Cおよび図9Dが、円筒形の容器を握持するのに適した握持デバイス92を示している。図9Cおよび図9Dに示されている握持デバイス92と同じ機能を果たす握持デバイス92の別の実施形態が、図9Eおよび図9Fに示されている握持デバイス92である。図9Eおよび図9Fに示されている握持デバイス92では、パドルは直線形状はなく実質的にL形である。L形の握持デバイス92を備えるピペット98は円筒形の容器30を容易に握持したり、持ち上げたり、移動させたり、降下させたりすることができ、検査室自動化システム10の分析セクション60内の任意の位置から別の位置へと円筒形の容器30を容易に配置することができる。
【0061】
図10A、図10B、図10C、図10Dおよび図10Eが、伸長可能なOリングロック機構の動きを示している。ピペット98は、内壁100および外壁102を有する円筒管を有する。Oリングアクチュエータスリーブ(o−ring actuator sleeve)104がピペット98の外壁102の相当な部分を取り囲んでいる。伸長可能なOリング106が、ピペット98の外壁102の周りの、Oリングアクチュエータスリーブ104の下側端部のすぐ下に位置されている。伸長可能なOリング106は、通常、弾性高分子物質から作られる。エジェクタスリーブ108がOリングアクチュエータスリーブ10の相当な部分を取り囲んでいる。図10Aでは、握持デバイス92およびピペットチップ110のいずれもピペット98に装着されていない。図10Bでは、握持デバイス92またはピペットチップ110のいずれかが滑り嵌めによりピペット98に装着され、ここでは挿入力が殆ど存在していない。図10Cでは、伸長可能なOリング106が、小型モータ(図示せず)によって垂直方向に移動されるOリングアクチュエータスリーブ104により圧縮および伸長される。図10Dでは、握持デバイス92またはピペットチップ110が、伸長可能なOリング106およびピペットチップ110の内壁にある溝112を介してピペット98の円筒管上に係止される。図10Eでは、上述のモータの方向を逆にしてOリングアクチュエータスリーブ104を上げることにより、伸長可能なOリング106は、圧縮が緩められて径方向に引き戻される。握持デバイス92またはピペットチップ110は、処分または再使用のために、小型モータ(図示せず)によりピペットの主管に対して移動されるエジェクタスリーブ108によって取り外される。
【0062】
マイクロウェルプレートを握持するのにロボット機構(図示せず)の代替実施形態が使用されてもよい。一代替実施形態では、ロボット機構はマイクロウェルプレートを握持すること、そのマイクロウェルプレートを垂直方向に持ち上げたり下げたりすること、および、その移送中にマイクロウェルプレートを回転させることができる。このタイプのロボット機構は、マイクロウェルプレートを種々のタイプのアッセイ処理装置およびアッセイの結果の読取装置に挿入するのを容易にするためにマイクロウェルプレートを回転させるなどの動作に有用であるが、検査室自動化システム10のデッキの上方のみでマイクロウェルプレートを移動させる。図1、図5、図6および図7では、示されている構成要素が単一の高さのみに位置されていることに留意されたい。ロボット機構の別の代替実施形態は、上で言及した実施形態のすべての特徴を有していることに加えて、マイクロウェルプレートを検査室自動化システム10のデッキの上方の位置から検査室自動化システム10のデッキの下方の位置まで移送することもでき、それにより、マイクロウェルプレートを、ピペットからアッセイ処理装置まで、次いで読取装置まで、最後に廃棄物用の容器まで移送するときに、別の選択肢が得られる。この実施形態は、限定された垂直方向のスペース内での3次元的な移送における代替案を提示する。この実施形態は、以下での図23のより詳細な考察で説明されている。
【0063】
ハミルトンピペットなどのピペットを使用する場合、乾燥空気を押すタイプのシリンジ(dry air displacement syringe)を用いることによりポンプおよび管路を排除できる。このようなピペットは、より効率的に液体を分注するために拡張された非対称のピペットの形をしている。拡張された非対称のピペットとは、液体の分注が様々な場所で実施され得ること、すなわち、ピペットが互いに等距離に離間される必要がないことを意味している。また、このようなピペットは、吸引および分注の間で、圧力を監視することに加えて容量および圧力により液位を感知することが可能である。上で言及したように、伸長可能なOリングを使用することで、一般にピペットチップの変形を引き起こすような摩擦力によりピペットチップを装着することの必要性も排除できる。
【0064】
試薬容器30は、例えば約2℃から約8℃の温度範囲であってよい領域などの冷凍領域内に収容されることが好ましい。上で考察したように、試薬容器30は、試料容器18または試料容器18用のアダプタスリーブ28と同様に、分析セクション60のサブセクション62の下方に位置される自動化された無線周波数認識読取装置(図示せず)によって読み取られ得る無線周波数認識タグを装備することができる。無線周波数認識読取装置は、一部の試薬および一部の試料の吸引を実施するときまたは在庫内の品目のスキャン操作を開始するときに、試薬容器30および試料容器18(または、試料容器運搬装置24)上の無線周波数認識タグの読み取りおよび更新を行うことができる。表1に示した種類の情報が無線周波数認識読取装置により無線周波数認識タグ上で更新され得る。
【表1】
分析セクション60の前に位置される領域が、マイクロウェルプレート用の無線周波数認識読取領域として使用されてよい。無線周波数認識タグおよび無線周波数認識読取装置を使用するためのシステムが、参照により本明細書に先に組み込まれた、2006年7月28日に出願された米国特許出願第11/495,430号に記載されている。
【0065】
免疫アッセイで使用するための試薬の場合、分析セクション60のサブセクション62は、通常、分散性の磁性微粒子用の34個の試薬容器30、コンジュゲート用の、すなわち、例えば化学発光のコンジュゲート(chemiluminescent conjugate)などのアッセイ用の標識を含有する成分用の34個の試薬容器30、および、希釈剤用の34個の試薬容器30を収容することができる。分散性の磁性粒子用の試薬容器、コンジュゲート用の試薬容器および希釈剤用の試薬容器は、それらが検査室自動化システム10の分析セクション60に適合する限りにおいて、同じものであっても互いに異なっていてもよい。分散性の磁性微粒子を収容する各試薬容器30は、軸受(図示せず)内で軸支される軸(図示せず)を備える座部(図示せず)上に配置され、軸受内で軸が回転することによりその座部が回転される。この軸は、軸受の下の軸上に位置される小型の歯車(図示せず)によって回転される。所与の試薬容器30の小型の歯車は、その容器に隣接する1つの試薬容器30の小型の歯車に係合される。試薬容器30の列の端に位置される試薬容器30の歯車は、例えばステッパモータなどの分散用のモータ(dispersing motor)(図示せず)に取り付けられた駆動歯車114に係合される。この駆動歯車114により、試薬容器30の列の端に位置される試薬容器30の小型の歯車が回転され、次いでその試薬容器30に隣接する次の試薬容器30の小型歯車が回転され、次いでその試薬容器30に隣接する次の試薬容器30の小型歯車が回転されるといった具合にその列にある試薬容器のすべての小型歯車が回転されることから、結果としてすべての試薬容器30が回転されることになる。このようにすべての試薬容器30が回転されることにより、その端がモータである列内の、磁性微粒子を収容しているすべての試薬容器30内で磁性微粒子が分散される。免疫アッセイ用の試薬容器30は、容器が不正確に積載されるのを防止するためにキーで固定されてよい。このようなキー固定は、試薬容器30を一方向のみで挿入可能となるように設計することによって実現されてよい。このようなキー固定は、試薬容器30を自動で積載するのには一般には使用されない。しかし、競合他社の低質の容器が本明細書に記載する装置と共に使用されるのを防止するためにキーで固定することが望ましい。
【0066】
別のタイプのキー固定機能では、免疫アッセイ用の試薬容器のためのラックが臨床化学アッセイ用の試薬容器のためのラック内に配置されるのを防止するために、無線周波数認識システムのプリント基板上にあるアダプタプレートまたはガイド(図示せず)が使用される。さらに、盲結合コネクタが使用される場合、免疫アッセイの用の試薬容器のためのラックが逆方向に積載されることがなくなる。というのは、ラックが逆方向に積載された場合、これらのラックは盲結合コネクタに正しく適合されず、従って分散用のモータが接続されず、エラーが表示されてしまうからである。臨床化学アッセイ用の試薬容器のためのラックは、無線周波数認識システムのプリント基板が各容器を個別に認識することから、任意の方向に設置されてよく、正しく動作することができる。
【0067】
分散性の微粒子を収容している試薬容器30は、ARCHITECT(R)の器具で使用されるときと同様の形で、すなわち、一方方向に360°かつ逆方向に225°だけ継続的(吸引ステップの間は除く)に回転される。例えば、すべてが参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,580,524号明細書、第6,436,349号明細書および第6,498,037号明細書を参照されたい。臨床化学アッセイで使用される容器の場合、分析セクション60のサブセクション62は、通常、種々の試薬用の68個の試薬容器30を収容することができる。分析セクション60のサブセクション62が収容することができる試薬容器30のこの数は重要ではない。前述した数は、単に、通常の構成の代表的な例にすぎない。
【0068】
例えば、特定のタイプの免疫アッセイ用のプレトリガ溶液、洗浄緩衝液および脱イオン水などのバルク液体は、好適には、樋状部116a、116b、116cなどに収容され、その結果、複数のピペットチップ110が特定の液体を同時に吸引することができるようになる。プレトリガ溶液の目的は、免疫アッセイにおいて、磁性微粒子に結合されているコンジュゲートからの例えばアクリジニウムなどの化学発光物質の解放を可能にすることである。また、プレトリガ溶液により過酸化水素水が加えられてpHが下がるため、化学発光物質から光子が放出されなくなる。プレトリガ容器と相補的なトリガ溶液が例えば水酸化ナトリウム水溶液などの塩基性水溶液によってpHを再び中性まで上げることにより、過酸化水素が化学発光物質から光子を発生させることができるようになる。バルク液体の分注は、吸引/分注デバイス94の負荷を軽減するために分析セクション60上のサブシステムによって実施されてもよい。図1、図5および図6に示されるように、分析セクション60のサブセクション62は6つの桶状部を収容することができる。分析セクション60のサブセクション62が収容することができる桶状部のこの数は重要ではない。前述した数は、単に、通常の構成の代表的な例にすぎない。別のバルク液体が適当な場所に保管されてもよい。例えば、プレトリガ溶液と共に使用される特定のタイプの免疫アッセイ用のトリガ溶液が、例えば発光測定装置などの読取装置内に保管されてよく、そうすることにより、アッセイの結果が読み取られる時点でトリガ溶液が解放されるようになる。トリガ溶液は、免疫アッセイの反応生成物の標識から約3秒から約5秒の範囲内で光子を放出させることが可能である。
【0069】
ピペットチップ(未使用のピペットおよび再使用のピペットの両方)用の保管領域120、および、温度制御可能なマイクロウェルプレート回転装置122または固定された吸引・分注位置124が、分析セクション60のサブセクション64に配置される。固定された吸引・分注装置が使用される場合、プレート回転装置を使用する必要はない。
【0070】
使い捨てピペットチップ用のラック126および固形廃棄物用の容器128が分析セクション60の中心または中心付近に配置されてよく、そうすることにより、吸引/分注デバイス94が吸引・分注動作のために例えばピペットチップ、マイクロウェルプレートなどの清潔な実験装置上を移動する距離が最小となる。使い捨てピペットチップ用のこれらのラック126は、免疫アッセイ用および臨床化学アッセイ用の使い捨てピペットチップをそれらの使用の前に保管するのに使用される。チップコーム用の、すなわち逆磁気による粒子処理で使用される使い捨て製品用のラック130が、チップコームをその使用前に保管するのに使用される。使用されたチップコームは、使用されたチップコーム用のラック132内に処分されてよい。ピペットチップの消費を削減するために、ピペットチップ用の「再使用」ラック134が、特定の試薬容器30またはバルク液体に割り当てられたピペットチップを保管するのに使用されてよい。使い捨てチップ用のラックスタッカ(rack stacker)136が、使い捨てチップのラックを分配するためのディスペンサ内に使い捨てチップの多量のラックを保管することができる。ラックスタッカ136は、保管されるラックがばねまたはモータ駆動により分析セクション60の表面に向かって付勢されるような細長い容器であってよい。試料が免疫アッセイモードおよび臨床化学アッセイモードで試験される場合、ピペットチップの消費を削減するために、それらの特定の試料に割り当てられたピペットチップを保管するのに、ピペットチップ用の別の「再使用」ラック(図示せず)が使用されてよい。ピペットチップは、ピペットチップが同じ試料または同じ試薬の使用を繰り返す場合、すなわち、別の試料または別の試薬の残りが存在しない限りにおいて、再使用され得る。所与の試料のための試験がすべて完了した後、その試料用のピペットチップは、分析セクション60の近傍の適当な位置に配置された固形廃棄物用の容器128内の固形廃棄物へ排出される。上述のラックはその予想される中身と互換性を有するように設計され得る。このようなラックは市販されており、当業者にはよく知られている。
【0071】
使い捨て製品用の種々の保管領域の容量の代表的な例は以下の通りである:
(a)使い捨てチップ用のラックが、最大96個の1−1000μLの使い捨てチップを保持することができる;
(b)再使用可能な使い捨てチップのためのラックが、最大96個の1−1000μLの使い捨てチップを保持することができる;
(c)使い捨てチップ用のラックが、最大96個の1−300μLの使い捨てチップを保持することができる;
(d)再使用可能な使い捨てチップのためのラックが、最大96個の1−300μLの使い捨てチップを保持することができる;
(e)使い捨てチップ用の4つのラックのためのスタッカが、最大96個の1−300μLの使い捨てチップを保持することができる;
(f)再使用可能な使い捨てチップのためのラックが、最大96個の1−1000μLの使い捨てチップを保持することができる;
(g)清潔なチップコーム用のラック;
(h)使用されたチップコーム用のラック。
【0072】
前処理・希釈領域が固定された吸引/分注位置124のところに配置される。この位置では、所望の場合、マイクロウェルプレートが固定された位置ですなわち回転されないように維持されてよい。前処理ステップおよび/または希釈ステップは、免疫アッセイ処理および臨床化学アッセイ処理の前に実施される。
【0073】
ここで図1、図5および図6を参照すると、免疫アッセイ処理装置140が分析セクション60のサブセクション66のところに位置されている。図7では、異なるタイプの免疫アッセイ処理装置が使用されている。この免疫アッセイ処理装置は参照符号140aで示されている。2つの以上の免疫アッセイ処理装置140が使用されてもよい。臨床化学アッセイ処理装置142が分析セクション60のサブセクション68のところに位置されている。2つの以上の臨床化学アッセイ処理装置が使用されてもよい。マイクロウェルプレート用の保管ラック144が分析セクション60のサブセクション68のところまたはその近傍に位置される。免疫アッセイまたは臨床化学アッセイ用のマイクロウェルプレートをキッティングする前に免疫アッセイおよび臨床化学アッセイ用のマイクロウェルプレートを保管するのに、マイクロウェルプレート用のスタッカ146が使用される。上で示したように、本明細書に記載する検査室自動化システムは、免疫アッセイ処理装置を一切使用せずに臨床化学アッセイ処理装置(複数可)と共に機能するまたは臨床化学用の処理装置を一切使用せずに免疫アッセイ用の処理装置(複数可)と共に機能することができる。
【0074】
免疫アッセイ処理装置140は以下の機能を有する:反応混合物の培養;反応混合物の混合;反応混合物からの成分の分離;反応生成物(複数可)の洗浄;免疫アッセイの結果の読み取りを可能にするための標識の解放。本明細書で使用するために修正され得る免疫アッセイ処理装置140は、Thermo Fisher Scientific,Inc.、米国、マサチューセッツ州、ウォルサム、から市販されているKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサであり、これは、参照によって本明細書に組み込まれる、METHOD OF PERFORMING ULTRA−SENSITIVE IMMUNOASSAYSと題された、2007年10月25日に出願の米国特許出願第11/923,828号に記載されている。本明細書に記載する特定の実施形態で使用するために修正され得る別の磁性粒子プロセッサには、Thermo Fisher Scientific,Inc.、米国、マサチューセッツ州、ウォルサム、から市販されているKingFisher(TM)96磁性粒子プロセッサがある。このタイプの免疫アッセイ処理装置が図7に図示されており、参照符号140aで示されている。KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサが、例えば血液、細胞培養菌(cell culture)、組織ライセート、土および排泄物などの種々の出発物質からの高品質のDNA、RNA、タンパク質および細胞の高速で再現性のある精製を実現することができる。上述したKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサと同様に、KingFisher Flex(TM)磁性粒子プロセッサは、種々の精製段階すなわち結合、欠如、洗浄、溶出を通して、粒子を移動させる磁性ロッドを使用する。KingFisher Flex(TM)磁性粒子プロセッサは、24個のロッドを有する磁石ヘッドおよび24個のウェルを有するディープウェルプレートを使用する。試料の体積は5mLにもなり得る。より高い処理能力が必要とされる場合、96個のロッドを有する磁石ヘッドおよび適切な96個のウェルを有するプレートを使用して、96個の試料を様々な使用体積(20−1000μL)で処理することができる。KingFisher Flex(TM)磁性粒子プロセッサに関する詳細は、参照により本明細書に組み込まれるウェブサイトhttp://www.thermo.com/com/cda/product/detail/1,,10136240,00.htmlで見ることができる。KingFisher Flex(TM)磁性粒子プロセッサは、図7に示されているタイプの処理装置の修正された実施形態に組み込まれ得る。
【0075】
標識が化学発光標識である実施形態では、標識の解放は、いずれも参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,795,784号明細書および5,856,194号明細書に記載されるARCHITECT(R)分析装置で使用される手法と同様の手法で実施される。トリガ溶液は、ウェル内の反応生成物の読み取りの間に分注される。
【0076】
免疫アッセイ処理装置140から分離された発光測定装置150が、反応混合物が処理された後にマイクロウェルプレートから免疫アッセイの結果を読み取るために分析セクション60のサブセクション68のところに配置される。マイクロウェルプレートは、コンベアベルト151により免疫アッセイ処理装置140から発光測定装置150まで移動され得る。別法として、マイクロウェルプレートは、例えば複数のレベルからなる分析セクション(multiple−level analysis section)の一実施形態と共に説明される、図23に示されるタイプのロボット機構などのロボット機構により免疫アッセイ処理装置140から発光測定装置150へ移動されてもよい。
【0077】
単一のチャンネルの96ポジション発光測定装置(one channel,96−position luminescence reader)150が、光および温度が制御され得る筐体内に収容されてよい。トリガ溶液の添加および読み取りは、固定されたディスペンサ/読取装置および可動式のマイクロウェルプレートを用いて、マイクロウェルプレート内で実施される。マイクロウェルプレートは発光測定装置150の内側を移動することから、読み取りの光収集態様は1つの列で1回ずつ行われる。トリガ溶液が、マイクロウェル内の反応生成物の読み取りの間に分注される。本明細書で使用されるマイクロウェルプレートの場合、発光測定装置150の集光レンズは対象とするマイクロウェルの上に位置され、トリガ溶液が注入されているときに光子が計測される。マイクロウェルプレートのマイクロウェルは光を反射するため、化学発光反応によって生成されたより多くの光を検出することができる。通常、マイクロウェルには一般には白色の顔料が付着されている。トリガ溶液は垂直方向においてマイクロウェルに直接に位置合わせされ、容積式ポンプによって注入される。本明細書に記載する装置と共に使用するのに適した発光測定装置150は、LMax II 384という商標でMolecular Devicesから市販されている。この読取装置150は0.6アトモルの感度を有する(T3 トレーサ、アクリジニウム)。この読取装置150は約380nmから約630nmの範囲の波長で作動することができる。この読取装置150は、5桁すなわち1から100,000を越えるダイナミックレンジを有する。この読取装置150はマイクロウェルプレートの培養を実施することができる。この読取装置150はさらに、384個のマイクロウェルを有するマイクロウェルプレートを収容することができ、それにより、試薬の量を減らすことが可能となる。
【0078】
次に図23を参照すると、単一レベルの分析セクション60が3つのレベルに分割されていることが分かるが、このことにより、検査室自動化システム10の分析セクション60の構成要素のために必要となる総床面積を縮小することができる。試料容器18および試薬容器30は上段レベル60a上に配置される。発光測定装置(複数可)150は中段レベル60b上に配置され、免疫アッセイ処理装置(複数可)140は下段レベル60c上に配置される。ロボット握持デバイス152がねじ式スクリュ(threaded screw)154により垂直方向に移動することができる。ロボット握持デバイス152には、ロボット握持デバイス152がねじ式スクリュ154に沿って垂直方向に移動するのを可能にするためのナット(図示せず)が取り付けられる。ナットの移動は通常はステッパモータであるモータ(図示せず)によって駆動されてよい。ロボット握持デバイス152はさらに、ロボット握持デバイス152専用のトラック156a、156bに沿って水平方向に移動することができる。ロボット握持デバイス152は、伸縮式の移動(telescoping movement)または回転移動を可能とするような機能を有するように設計されてよい。伸縮機能により、ロボット握持デバイス152がその範囲を延長したり収縮させたりすることが可能となる。回転機能により、マイクロウェルプレートを握持して上昇させたり降下させたりすることが容易になり、所望される位置に配置することが容易になる。分析セクションが2つ(60a、60b)よりも多いレベルを採用してもよいことに留意されたい。図23にはさらに、使い捨てチップおよびマイクロウェルプレートをそれぞれ保管および分配するためのスタッカドロワ(stacker drawer)158aおよび158bが示されている。吸引/分注デバイス160は、試薬容器またはマイクロウェルプレートのための、あるいは容器およびマイクロウェルプレートの両方のための握持デバイスとして機能する能力を有している必要はない。しかし、このような能力は、検査室自動化システム10の自動化機能を高めることができる。
【0079】
免疫アッセイは、磁性粒子プロセッサとして知られる免疫アッセイ処理装置14によって実施され得る。本明細書に記載する検査室自動化システムと共に使用するために修正され得る磁性粒子プロセッサの代表的な例は、Thermo Fisher Scientific,Inc.、米国、マサチューセッツ州、ウォルサムから市販されているKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサであり、これは、参照によって本明細書に組み込まれる、METHOD OF PERFORMING ULTRA−SENSITIVE IMMUNOASSAYSと題された、2007年10月25日に出願の米国特許出願第11/923,828号に記載されている。本明細書に記載する特定の実施形態で使用するために修正され得る他の磁性粒子プロセッサには、Thermo Fisher Scientific,Inc.、米国、マサチューセッツ州、ウォルサムから市販されているKingFisher(TM)96磁性粒子プロセッサと、KingFisher(TM)Flex磁性微粒子プロセッサとが含まれる。KingFisher(TM)96磁性粒子プロセッサでは、複数のマイクロウェルプレートが使用される。複数のマイクロウェルプレートの各マイクロウェルプレートはKingFisher(TM)磁性微粒子プロセッサの1つの列のマイクロウェルに対応している。KingFisher(TM)磁性微粒子140は、臨床化学アッセイの場合は最大で300マイクロリットル程度の量の磁性粒子、および、最大で200マイクロリットル程度の量の磁性粒子が自動で移されて処理されるように設計される。KingFisher(TM)磁性粒子プロセッサの原理は、特別に設計された使い捨てのチップコーム164で覆われた磁性ロッド162および(反応ベッセルとしての)マイクロウェルを使用することに基づく。KingFisher(TM)磁性粒子プロセッサ140は、吸引または分注のための構成要素または吸引/分注デバイスを一切使用せずに機能する。
【0080】
磁性粒子を含有する試料および試薬は、マイクロウェルプレート内のマイクロウェルに分注される。マイクロウェルプレートフォーマットを使用することにより、臨床化学アッセイの場合は最大で300マイクロリットル程度の量、および、化学発光法による微粒子免疫アッセイの場合は最大で200マイクロリットル程度の量を使用することが可能となる。プロトコルのステップは、後で説明するグラフィカルユーザインターフェースを用いて使用者によって選択され得る組み込みソフトウェア内にプリロードされ得る。
【0081】
一実施形態では、磁性粒子プロセッサ140は、12から24の免疫アッセイ試験を実質的に同時に処理するために、1つのまたは場合によっては2つのマイクロウェルプレートを処理することができる。磁性粒子プロセッサ140の温度は磁性粒子処理領域内で制御され得る。液体のターゲット温度は37℃であるが、温度制御回路の温度は熱損失を考慮してわずかに高く設定される。
【0082】
別の実施形態では、磁性粒子プロセッサは、単一ステップの処理を行うのに、全体で96個のマイクロウェルを有するマイクロウェルプレートを使用することができる。この実施形態では、96の免疫アッセイ試験が実施的に同時に実施され得る。
【0083】
いずれも参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,448,092号明細書および第6,596,162号明細書が、KingFisher(TM)磁性粒子プロセッサ140およびKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサ140aの動作を説明している。さらに、2007年11月6日に出願された米国仮特許出願第60/985,794号の優先権を主張する、2008年10月24日に米国の通常特許出願として出願された、SYSTEM FOR AUTOMATICALLY LOADING LABORATORY ANALYZERと題さされるAttorney’s Docket No.9141.US.O1が、KingFisher(TM)磁性粒子プロセッサの有用な修正形態を示しており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0084】
次に図11を参照すると、KingFisher(TM)磁性粒子プロセッサ140が、チップコーム164と互換性を有する最大96個のマイクロウェルをそれぞれが有する2つのマイクロウェルプレート用に設計されている。マイクロウェルプレートは固定された状態で維持されており、チップコーム164と磁性ロッド162とを備える処理ヘッド168が唯一の可動組立体である。処理ヘッド168は、垂直に移動する2つのプラットフォーム170、172から構成される。一方のプラットフォーム170は磁性ロッド162(2×12個のロッド)にとって必要なものであり、もう一方のプラットフォーム172はプラスチックチップコーム164にとって必要なものである。これらのプラットフォームは、あるマイクロウェルから別のマイクロウェルへ移動するための水平方向と、マイクロウェル内の磁性微粒子をかき混ぜ、マイクロウェルに出入りするための垂直方向との両方に移動され得る長方形の金属フレームである。プラットフォーム170および172は図11に示されている。
【0085】
1つのマイクロウェルプレートは12のカラムおよび8のローからなるマイクロウェルを有しており、通常、1つの試料を処理にするのに所与のカラムの8つまでのマイクロウェルをすべて使用する。特定の実施形態では、2つのマイクロウェルプレートが使用されてよく、したがって、免疫アッセイを実施するのに9つ以上のマイクロウェルが使用され得る。図12に示されるように12個のチップ164aを含んでいる1つのチップコーム164が、各々が別個のカラムを必要とする12の試料を1つのマイクロウェルプレート内で同時に処理するのに使用される。
【0086】
上述のグラフィカルユーザインターフェースを介して磁性粒子の処理を開始する前に、試料および試薬が、プレート回転装置122のところにあるマイクロウェルプレートのウェル内に分注される。最大で12の免疫アッセイを行うためのマイクロウェルプレートのキッティングはプレート回転装置122のところで行われてよい。試料(複数可)、試薬(複数可)、緩衝液(複数可)および他の物質(例えば、プレトリガ溶液)がプレート回転装置122のところで添加される。プレート回転装置122は、磁性粒子プロセッサ内にマイクロウェルプレートを導入するのに適切である向きにマイクロウェルプレートを配置するためにマイクロウェルプレートを90°回転させるのに使用され得る。反応混合物がプレート回転装置122のところで培養されてよい。培養は過熱技術(overheating technique)を用いて実施されて得、その場合、マイクロウェルプレートは約42℃から約47℃の温度まで急速に加熱され、その後熱源が除去される。これにより、処理の培養ステップがピペットの速度に対応できるようになる。温度の変化率は冷却または加熱される物体と冷却または加熱を行うための作用物質との間の温度差に比例する。免疫アッセイのためにマイクロウェルプレートをキッティングするのにまたは臨床化学アッセイを実施するために試料をマイクロウェルプレート内に分注するのに必要となる時間においては、マイクロウェルプレートのマイクロウェル内にある液体の温度を37℃であることが望ましい。この時間間隔はプレート回転装置122上で平衡温度に達するのに必要となる時間間隔より大幅に短いことから、プレート回転装置122の温度が増加する。要約すると、プレート回転装置122の温度は、マイクロウェルプレートのマイクロウェル内に分注された第1の液体の最終温度が、残りの液体を分注するのに必要となる時間で37℃の温度に達するように、(RS−232を介して)設定される。すなわち、温度が重要である液体が最初に分注される。
【0087】
2つの別個のマイクロウェルプレートを保持することができる移動可能なトレイ(図示せず)が磁性粒子プロセッサ140の中へおよび磁性粒子プロセッサ140から外へ移動され得る。移動可能なトレイの移動は手動で行われてよいが、好適には、例えば、コンパクトディスクをコンパクトディスクプレーヤ内に装填するときに使用されるタイプと同じ装填機などのモータ駆動機構によって実施されてもよい。無限コンベアベルト151が、マイクロウェルプレートを磁性粒子プロセッサ140から発光測定装置150まで移送するのに使用され得る。チップコーム(複数可)164が、プラットフォーム172に位置された溝178内に装填される。キッティングされたマイクロウェルプレート(複数可)は移動可能なトレイ上の正確な位置に配置され、その移動可能なトレイが、免疫アッセイの磁性粒子処理に必要となる位置まで押し込まれる。磁性粒子処理が実施されている間、磁性粒子プロセッサ140の前蓋(図示せず)および上蓋(図示せず)は閉じられていても開けられたままであってもよい。蓋が閉じられている場合、この処理が、周囲からの汚染および熱損失の発生から保護されることになる。
【0088】
図13が、96個のマイクロウェルを有する単一のマイクロウェルプレートの使用する、化学発光法による微粒子免疫アッセイのキッティングを示している。試料および磁性微粒子の培養がマイクロウェルプレートの第2のローで実施される。洗浄緩衝液が、マイクロウェルプレートの第3、4、6および7のローに分注される。コンジュゲートがマイクロウェルプレートの第5のローに分注される。プレトリガ溶液がマイクロウェルプレートの第8のローに分注される。
【0089】
図14が、各々のマイクロウェルプレートが96個のマイクロウェルを有している2つのマイクロウェルプレートを使用する、化学発光法による微粒子免疫アッセイのキッティングを示している。最初の試料および磁性微粒子の培養が左側のマイクロウェルプレートの第1のローで実施される。それに続く9つのロー(左側のマイクロウェルプレート内にある7つローおよび右側のマイクロウェルプレート内にある最初の2つのロー)が、残りの量の試料からの追加の抗原を蓄積するのに使用され得る。処理には2つのマイクロウェルプレートが必要であるが、同じセットのチップコーム164を使用することができる。洗浄緩衝液が、右側のマイクロウェルプレートの第3、4、6および7のローに分注される。コンジュゲートが右側のマイクロウェルプレートの第5のローに分注される。プレトリガ溶液が右側のマイクロウェルプレートの第8のローに分注される。図13および図14に示したキッティング配置構成の代わりに別のキッティング配置構成が使用されてもよい。
【0090】
磁性粒子プロセッサ140の動作原理は、(a)使い捨てのチップコーム164のチップまたはシースで覆うことができる磁性ロッド162と、(b)マイクロウェルプレートとを使用することに基づく。新しいチップコーム164が、各マイクロウェルプレートを処理する前に磁性粒子プロセッサ140に挿入される。チップコーム164は、磁性ロッド162を覆っている、非磁性体で作られた複数のチップまたはシースに接合される、ストリップ状の非磁性体を有する。市販されているチップコームは、KingFisher(TM)磁性粒子プロセッサの場合は12個のチップ、KingFisher 96(TM)磁性粒子プロセッサの場合は96個のチップを有する。磁性粒子プロセッサ140は、吸引および/または分注デバイスあるいは吸引および/または分注のための構成要素を一切使用することがなく機能することができる。磁性粒子プロセッサ100は、マイクロウェルプレートの最大96個のマイクロウェル用に設計されている。
【0091】
マイクロウェルの寸法がチップコーム164ならびにそのチップまたはシースの寸法と互換性を有しているため、それらのチップがマイクロウェルの中身をかき混ぜるのに使用され得る。免疫アッセイのための単一の試料の処理は、96個のマイクロウェルを含む単一のマイクロウェルプレートで実施されてよい。12個のチップ164aまたはシースを含む1つのチップコーム164が12の試料を同時に処理するのに使用され得る。
【0092】
磁性粒子プロセッサで採用される動作原理は、一般にMPPと称される逆磁気による粒子処理技術である。液体をあるマイクロウェルから別のマイクロウェルへ移動させる代わりに、磁性粒子が、例えば、マイクロウェルプレートの所与のカラムおよびローにある1つのマイクロウェルからマイクロウェルプレートの同一のカラムおよび別のローにあるマイクロウェルへといった具合に、あるマイクロウェルから別のマイクロウェルへ移動される。ここでは、少なくとも1つのマイクロウェルが免疫アッセイに必要な試薬(複数可)を含んでいる。この原理は、Abbott Laboratories、米国、イリノイ州、アボットパーク、から市販されているARCHITECT(R)分析装置などの自動分析装置で使用される、外部磁石による手法(external magnet method)とは対照をなしている。逆磁気による粒子処理技術では、磁性粒子は、特別に設計された使い捨てのプラスチックチップコーム164で覆われた磁性ロッド162を用いて移される。
【0093】
磁性粒子を用いた作業は少なくとも6つの別個の処理ステップに分けられる:
粒子の収集:このステップでは、磁性粒子を特定のマイクロウェルから収集する
粒子の結合:このステップでは、物質を、特定のマイクロウェル内の試薬からの磁性粒子上に収集する
粒子の混合:このステップでは、試薬および粒子(挿入されている場合)を特定のマイクロウェル内でプラスチックチップを使用して混合する
粒子の解放:このステップでは、収集した物質を磁性粒子の表面から解放して特定のマイクロウェルに入れる
粒子の洗浄:このステップでは、磁性粒子を特定のマイクロウェル内で洗浄する
反応混合物の培養:このステップでは、反応混合物の温度を、納得のいく特異結合反応を起こすのに十分な水準まで上げる。このステップは、上に列記した5つのステップと同時に実施されてよい
マイクロウェルプレートのマイクロウェルから磁性粒子を収集する間、磁性ロッド162はチップコーム164のチップまたはシースで完全に閉鎖される。チップコーム164と一体である磁性ロッド162はゆっくりと上に移動されてからマイクロウェル内へと下ろされ、チップコーム164のチップまたはシースの壁上に磁性粒子が収集される。収集された磁性粒子を有する、チップコーム164と一体である磁性ロッド162は、マイクロウェルの1つのカラムから出るように持ち上げられて、処理などで必要となるマイクロウェルの次のカラムへと移され得る。磁性粒子の収集後、チップコーム164と一体の磁性ロッド162はマイクロウェルから持ち上げられ、磁性ロッド162がチップまたはシースから出るように持ち上げられ、チップコーム164のチップまたはシースが、試薬を含んでいる次のマイクロウェル内へと下ろされる。磁性粒子は、すべての粒子がマイクロウェルプレートのマイクロウェルの後続のロー内に配置されている中身と混合されるまでチップコーム164をかなりの速度で数回上下に移動させることによって解放される。この処理は、12、24または96の免疫アッセイ反応に対して同時に実施され得る。
【0094】
磁性粒子の洗浄は、磁性粒子の処理作業のなかでよく行われる重要な段階である。洗浄は、洗浄溶液で充填されたマイクロウェル内での解放ステップと収集ステップとの組み合わせである。マイクロウェルプレートのマイクロウェル内での洗浄効率を最大にするため、チップコーム164と一体の磁性ロッド162は、液体が運ぶ特性が最小となるように設計される。長時間の反応において、磁性粒子を含有する懸濁液が均一に混合された状態を維持するために、チップコーム164は時折上下に移動されてよい。
【0095】
逆磁気による粒子処理では、1つのマイクロウェルフォーマットが用意される。逆磁気による粒子処理では、ARCHITECT(R)分析装置で使用されるタイプのプロセス経路の必要性が排除され、さらに、反応ベッセル用の装填機と、ミキサと、通常は固定されたプロトコルに従って作動するプロセス経路洗浄機構とが排除される。逆磁気による粒子処理ではキッティングが可能となることから、重要な試薬および他の液体を時間依存で添加することの必要性が排除される。
【0096】
図15A、図15B、図15C、図15D、図15Eおよび図15Fが、逆磁気による粒子処理の基本要素を概略的に示している。図15Aは、収集前のマイクロウェル内にある磁性粒子の懸濁液を示している。図15Bは磁性粒子の収集を示している。図15Cは、あるマイクロウェルから別のマイクロウェルへの磁性粒子の移動を示している。、図15Dは、チップコームのチップ表面上にある磁性粒子を示している。図15Eはマイクロウェル内での磁性粒子の解放を示している。図15Fは懸濁液を示している。
【0097】
臨床化学アッセイ処理装置142は以下の機能を有する:反応混合物の培養、反応混合物の混合、ブランクを用いた読み取りの実施、反応混合物の読み取りの実施。臨床化学アッセイ処理装置142に組み込まれた吸光度読取装置が、反応混合物が処理された後にマイクロウェルプレートから臨床化学アッセイの結果を読み取るために分析セクション60のサブセクション68に配置される。臨床化学アッセイ処理装置142は、反応混合物の培養、反応混合物の混合、および吸光度の読み取りを行う。
【0098】
8チャンネル、16波長の読取装置(340−850nm)が、第1の試薬および第2の試薬の添加の間で読み取りを行うのに使用されてよい。シェーカ/ミキサがすべての試薬の添加に使用される。読取領域内では光および温度が制御される。本明細書に記載する装置で使用するのに適した吸光度読取装置は、SpectraMax(R)II 384の商標でMolecular Devicesから市販されている。いずれも参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,188,476号明細書および5,959,738号明細書を参照されたい。この読取装置は、約190nmから約1000nmの範囲の波長で作動することができる。この読取装置は0から4.0の光学濃度を読み取ることができる。基準値の読み取りは、新しいマイクロウェルプレート上で、液体が一切添加されていない各マイクロウェルに対して各波長ごとに実施される。水の読み取り値に基づいたオフセット値と共に、「ブランクの読み取り(blank read)」が計算され得る。「水の読み取り(water read)」は、試薬がマイクロウェルプレートに添加された後の信号の読み取り値のためのバックグラウンドの基準値を用意するためのものである。マイクロウェルプレートおよび水の吸光度の読み取り値は微小であるが、それでもある程度は測定可能な値を有する。信号の読み取り(singnal read)に対してこの測定値を引くことにより、抗原の濃度に関する実際の差が測定される。試薬がマイクロウェルプレートのマイクロウェル内の試料に添加された後、信号の読み取りとブランクの読み取りとの差が、吸光度およびアナライトの濃度を計算するのに使用される。この種の較正情報はマイクロウェルプレートに取り付けられる無線周波数認識タグ上で保存可能である。
【0099】
この読取装置はPathCheck(R)センサを装備している。PathCheck(R)センサは、マイクロウェルプレート内の試料の深さ(光学距離)を測定する。SoftMax(R)Proソフトウェアが、ウェルの吸光度を1cmの経路長に相当するウェルキュベットの吸光度へと自動で標準化する。この読取装置はマイクロウェルプレートの混合および培養を行うことができる。この読取装置はさらに、384個のマイクロウェルを有するマイクロウェルプレートの読み取りも可能であり、これにより、各マイクロウェルに導入される液体の量を削減することができる。
【0100】
蛍光偏光免疫アッセイ(Fluorescence polarization immunoassay(FPIA))機能を本明細書に記載する分析装置システムに加えることが可能である。蛍光偏光免疫アッセイ用のプレート形読取装置が追加されてよく、それにより均一アッセイが実施され得るようになる。蛍光偏光免疫アッセイを実施するための装置は当業者にはよく知られている。均一アッセイは、実質的に臨床化学アッセイを実施する手法で実施されてよい。
【0101】
バルク液体の液位の感知はXYZピペットによって行われ得る。XYZピペットは、モータのステップに換算して容器内の液体の高さを測定することができ、液体の液位が一定の高さを下回ったときにこれらの液体を補給することができる。XYZピペットは試薬容器30内の液体の液位を感知することができる。空の液体容器30は固形廃棄物用の容器内に処分されてよい。XYZピペットを用いた移動により試薬の貯蔵物を補給するための試薬容器30が、上述した試薬在庫管理システムによって供給を受けることができる。バルク液体用の容器に直接に取り付けられる液体高さセンサが容器内の液体の高さを測定してもよく、さらに、液体の液位が指定した高さを下回ったときにこれらのバルク液体を補給することもできる。
【0102】
図1および図5に示した分析セクションは図6に示した分析セクションと実質的に同様のものであるが、いくつかの例外があり、それらの例外のすべてが、図6に示した分析セクションの最大処理能力が図1および図5に示した分析セクションを下回ることの原因となっている。図1および図5に示した分析セクションと図6に示した分析セクションとの違いの一部には、例えば、免疫アッセイ処理装置の数、臨床化学アッセイ処理装置の数、使い捨てチップ用のラック数の変動、再使用可能チップ用のラック数の変動、使い捨てチップ用のスタッカ数の変動、検査室自動化システム10の分析セクション60内の構成要素の位置決めの変化が含まれる。他の違いは、主に、検査室自動化システム10の分析セクション60内での構成要素の配置に関する。処理能力を決定する主な要素は免疫アッセイ処理装置および臨床化学アッセイ処理装置の数である。
【0103】
図7に示した分析セクションは免疫アッセイを実施することはできるが、臨床化学アッセイを実施することはできない。しかし、免疫アッセイの処理能力は、図1、図5および図6に示した分析セクションと比較して大幅に増大されている。図7に示した分析セクションには、図1、図5および図6に示した分析セクションと大きく違うところがいくつかある。サブセクション62および64は図1、図5および図6に示したサブセクションと実質的に同様である。しかし、図7のサブセクション66aは、KingFisher(TM)96磁性粒子プロセッサおよび例えば4つの発光測定装置などの複数の発光測定装置150を修正することにより得られる6つの磁性粒子処理装置140aを使用する。マイクロウェルプレート用のスタッカ146aがサブセクション66aのところまたはその近傍に配置される。試料および試薬が、領域124aのところで、通常は12個のピペットを有する吸引/分注デバイス94aによりキッティングされる。洗浄緩衝液およびプレトリガ溶液のためのキッティング領域124bがスタッカ146aの近傍に配置される。高速試薬ディスペンサ94bが、マイクロウェルプレートに洗浄緩衝液およびプレトリガ溶液をキッティングするのに使用される。マイクロウェルプレートの発光測定装置150までの移動は、コンベアベルト151aによって行われてよい。
【0104】
吸引/分注プロトコル、アッセイ処理プロトコルおよび読み取りプロトコルは、ARCHITECT(R)の装置で採用される免疫アッセイプロトコルと機能的に同等である(すなわち、相対的なタイミングが等しい)。
【0105】
図16A、図16B、図16C、図16D、図16E、図16Fおよび図16Gが、免疫アッセイ用にキッティングされるマイクロウェルプレートを示している。ここで、図16A、図16B、図16C、図16D、図16E、図16Fおよび図16Gを参照すると、免疫アッセイ用のマイクロウェルプレートの図13に示したタイプの各々のローが、マイクロウェルプレート全体を占有するように拡張されている。しかし、空のマイクロウェルを特徴とする図13に示されているローを説明するためのマイクロウェルは採用されない。したがって、1つのマイクロウェルプレートの全体が微粒子を伴う試料の導入に使用され、4つのマイクロウェルプレートの全体が洗浄緩衝液を用いて反応生成物を洗浄するのに使用され、1つのマイクロウェルプレートの全体がコンジュゲートを導入するのに使用され、1つのマイクロウェルプレートの全体がプレトリガ溶液を導入するのに使用される。合計で7つのマイクロウェルプレートが使用され、各々のマイクロウェルプレートは図13に示したマイクロウェルプレートの1つのローに対応している。しかし、図13に示される、試験12を含むカラムは、図16A、図16B、図16C、図16D、図16E、図16Fおよび図16Gに示したマイクロウェルプレートのいずれにも相当していないことに留意されたい。
【0106】
最初に、3つのマイクロウェルプレートにコンジュゲートがキッティングされ、同時に、3つのマイクロウェルプレートに洗浄緩衝液がキッティングされる。洗浄緩衝液を含む3つのマイクロウェルプレートが3つのそれぞれの免疫アッセイ処理装置内に配置され、図7に示すように、1つの免疫アッセイ処理装置につき洗浄緩衝液を含むマイクロウェルプレートが1つずつ存在することになる。次に、コンジュゲートを含む3つのマイクロウェルプレートが、上述の3つの免疫アッセイ処理装置内に配置され、図7に示すように、1つの免疫アッセイ処理装置につきコンジュゲートを含むマイクロウェルプレートが1つずつ存在することになる。9つの追加のマイクロウェルプレートに洗浄緩衝液がキッティングされてそれらのマイクロウェルプレートが上述した3つの免疫アッセイ処理装置内に配置され(1つの処理装置につき洗浄緩衝液を含むマイクロウェルプレートが3つずつ存在することになる)、3つの追加のマイクロウェルプレートに試料および微粒子がキッティングされてそれらのマイクロウェルプレートが上述した3つの免疫アッセイ処理装置内に配置される(1つの処理装置につき試料および微粒子を含むマイクロウェルプレートが1つずつ存在することになる)。最後に、3つの追加のマイクロウェルプレートにプレトリガ溶液がキッティングされてそれらのマイクロウェルプレートが上述した3つの免疫アッセイ処理装置内に配置される(1つの処理装置につきプレトリガ溶液を含むマイクロウェルプレートが1つずつ存在することになる)。この処理全体が第2のセットの3つの免疫アッセイ処理装置に対して繰り返されてよい。高速試薬ディスペンサ94bが免疫アッセイの迅速なキッティングのために使用されてよい。
【0107】
3つの免疫アッセイ処理装置が免疫アッセイプロトコルを完了するとき、3つのマイクロウェルプレートが3つの発光測定装置に移送される。図18Bは、この作業がどのように交互配置されるかを示している。交互配置は、アッセイプロトコルの次のステップが例えば吸引/分注デバイスなどの所与の手段を必要としない場合にその所与の手段の使用を切り替えることを目的としている。例えば、吸引/分注デバイスは、免疫アッセイのためのキッティングが完了するまで、免疫アッセイ用のマイクロウェルプレートのキッティングに使用される。次に、吸引/分注デバイスは、臨床化学アッセイ用の2つのマイクロウェルプレートを処理するのに使用される。このように、1つの手段が2つの異なるタイプのアッセイ技術に使用される。従来技術のこれまでの使用法では、吸引/分注デバイスは、両方のタイプのアッセイではなく、免疫アッセイまたは臨床化学アッセイのいずれか一方に指定される。可能性のある交互配置の形態には、例えば、(a)免疫アッセイ用および臨床化学アッセイ用の試料および試薬の吸引および分注、(b)臨床化学アッセイの読み取りおよび臨床化学アッセイ用のマイクロウェルプレートへの試薬の添加、(c)マイクロウェルプレート内の免疫アッセイ混合物の培養およびマイクロウェルプレートへの均一アッセイ用の試薬の添加、ならびに、(d)マイクロウェルプレートの移動、バルク液体の分注ならびに試薬および試料の吸引および分注が含まれる。
【0108】
上の説明には、免疫アッセイの吸引/分注のためのプロトコルおよび臨床化学アッセイの吸引/分注のためのプロトコルが交互配置される状況も含まれる。この説明は、消費可能な物質が十分にあり、免疫アッセイと臨床化学アッセイとの両方のための試験命令(test order)が少なくとも1つは存在するという仮定に基づいている。試験命令が存在しないまたは免疫アッセイ用の消費可能な物質が十分にない場合には、臨床化学アッセイのための吸引/分注プロトコルのみが実施される。同様に、試験命令が存在しないまたは臨床化学アッセイ用の消費可能な物質が十分にない場合には、免疫アッセイのための吸引/分注プロトコルのみが実施される。
【0109】
臨床化学アッセイ用の試料分注領域が分析セクション60のサブセクション68のところまたはその近傍に配置され得る。1バッチを構成する4人から16人の患者からの試料が1つのマイクロウェルプレートに導入され得る。十分な量の試料または試薬あるいは試料および試薬の両方を吸引することにより、試料または試薬のあるいは試料および試薬の両方の複数のアリコートを吸引/分注デバイスを再充填することなく分注することが可能となり、それにより吸引/分注デバイスの移動を最小にすることができる。プレート回転装置122が、臨床化学試薬を添加するためにマイクロウェルプレートを90°回転させるのに使用され得る。マイクロウェルプレートを回転させることで臨床化学アッセイのキッティングが容易になる。というのは、8×12のマイクロウェル構成内に96個のマイクロウェルを有する標準的なマイクロウェルは、通常、一水平方向にのみ移動する吸引/分注デバイス94のヘッド96によって駆動されるピペット98によってキッティングされるからである。すなわち、吸引/分注デバイス94のヘッド96は、例えば右から左または左から右といったように一水平方向にのみ移動することができる。試料はアッセイに対して垂直になっている。吸引/分注デバイス94のヘッド96が90°回転することができない場合、試料をマイクロウェルに導入するのにおよび試薬をマイクロウェルに導入するのに同一のピペットヘッドを使用できるようにするためには、マイクロウェルプレートが90°回転されなければならない。もちろん、吸引/分注デバイス94のヘッド96が回転可能であれば、マイクロウェルプレートが回転される必要はない。
【0110】
(動作)
以下の考察は、免疫アッセイおよび臨床化学アッセイの両方を含む1サイクルの動作に関する。操作者が、試料容器18をインプット/アウトプットモジュール20におよび試薬容器30を冷凍装置に装填する。検査室自動化システム10がプログラムされて起動された後、ロボット機構(図示せず)が試薬容器30を試薬容器運搬装置34におよび試料容器18を試料容器運搬装置24に挿入する。次に、検査室自動化装置10が、コンベアを用いて、試料容器運搬装置24を適当な列22におよび試薬容器運搬装置34を適当な列32に導入する。試薬容器30がロボット機構(図示せず)により一時的な保管位置に配置される。
【0111】
マイクロウェルプレートが、逆磁気による粒子処理のために、吸引/分注デバイス94によって用意される。別のマイクロウェルプレートが、臨床化学処理処置のために、吸引/分注デバイス94によって用意される。
【0112】
試薬(複数可)が、逆磁気による粒子処理のキッティングのために、吸引/分注デバイス94により試薬容器(複数可)30から吸引されて分注される。試薬(複数可)が、臨床化学アッセイのキッティングのために、吸引/分注デバイス94により試薬容器(複数可)30から吸引されて分注される。試料が、逆磁気による粒子処理処置のために、吸引/分注デバイス94により試料容器(複数可)18から吸引されて第1のマイクロウェルプレートに分注され、さらに試料が、臨床化学アッセイのために、吸引/分注デバイス94により試料容器(複数可)18から吸引されて第2のマイクロウェルプレートに分注される。
【0113】
逆磁気による粒子処理処置のためにキッティングされたマイクロウェルプレートが吸引/分注デバイス94により磁性粒子プロセッサ140に挿入される。臨床化学アッセイのためにキッティングされたマイクロウェルプレートが吸引/分注デバイス94により臨床化学アッセイ処理装置142に挿入される。
【0114】
臨床化学反応が臨床化学アッセイ処理装置142で実施され、臨床化学アッセイの結果が臨床化学アッセイ処理装置142によって読み取られる。逆磁気による粒子処理が磁性粒子プロセッサ140によって実施される。磁性粒子プロセッサ140からのマイクロウェルプレートが、吸引/分注デバイス94により磁性粒子プロセッサ140から取り出されて、コンベアベルト151上に配置されるかまたはロボット機構まで送られ、免疫アッセイの結果を読み取るために発光測定装置150内まで移される。免疫アッセイの結果が発光測定装置150によって読み取られた後、吸引/分注デバイス94が発光測定装置150からマイクロウェルプレートを取り出し、そのマイクロウェルプレートを廃棄物内へと処分するか所望の場合には再利用する。臨床化学アッセイの結果が吸光度読取装置142によって読み取られた後、吸引/分注デバイス94が吸光度読取装置142からマイクロウェルプレートを取り出し、そのマイクロウェルプレートを廃棄物内へと処分するか所望の場合には再利用する。
【0115】
上述の動作はかなりの融通性を有しており、上述した以外のプロトコルが使用されてもよい。例えば、臨床化学アッセイが行われている間は免疫アッセイが行われる必要はなく、また、免疫アッセイが行われている間は臨床化学アッセイが行われる必要はない。また、上に列記した総称的な各々のステップも種々の形で実施されてよい。
【0116】
試料および試薬のキッティングのために試薬容器30および試料容器18が検査室自動化システム10の分析セクション60内の適当な列32、22内で適切に配置された後の、免疫アッセイ用の吸引/分注プロトコル、アッセイ処理プロトコルおよび読み取りプロトコルは、タイミングに関して、ARCHITECT(R)のシステムで採用されるプロトコルと同じであってよい。いずれも参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,795,784号明細書および第5,856,194号明細書を参照されたい。もちろん、本明細書に記載する磁性粒子処理手法は、ARCHITECT(R)のシステムで使用される免疫アッセイ手法とは大きく異なる。
【0117】
試料および試薬を吸引および分注するためのプロトコルは本明細書で説明する方法で交互配置され得ることから、吸引/分注デバイスが最大限に利用されてその効率が最大化され、免疫アッセイおよび臨床化学アッセイの両方の吸引/分注手段の冗長さが軽減される。さらに、交互配置を採用することにより、ある吸引/分注デバイスと別の吸引/分注デバイスとの間での衝突を解消することができる。
【0118】
免疫アッセイと臨床化学アッセイとを交互配置するための一般的な手順には少なくとも以下のステップが含まれる:
(1)第1のマイクロウェルプレートを免疫アッセイ用にキッティングして磁性粒子プロセッサ120内に配置する。使用可能な各々の免疫アッセイ分析装置に対して1つのマイクロウェルプレートをキッティングする
(2)第1のマイクロウェルプレートを磁性粒子プロセッサ内で処理する間に、試料容器(複数可)から試料を吸引してそれを臨床化学アッセイ用のマイクロウェルプレートに分注する。続いて、臨床化学アッセイ用のマイクロウェルプレートを90°回転させてマイクロウェルプレート用の吸光度読取装置142内に配置する
(3)ARCHITECT(R)の臨床化学アッセイで現在行われているように、臨床化学試薬の吸引/分注と臨床化学アッセイの結果の吸光度読み取りとを交互配置する
図18Aおよび図18Bが、上述の交互配置機能がどのようになされるかを示している。図18Aは、免疫アッセイおよび臨床化学アッセイの両方が必要とされる状況で交互配置がどのように使用されるかを示している。図18Bは、免疫アッセイのみが必要とされる状況で交互配置がどのように使用されるかを示している。
【0119】
試料から核酸(複数可)を抽出する処理および核酸(複数可)を増幅させる処理も免疫アッセイおよび臨床化学アッセイに統合され得ることに留意されたい。すなわち、(a)複数の免疫アッセイ、または、(b)複数の臨床化学アッセイ、または、(c)核酸(複数可)の複数の抽出および核酸(複数可)の複数の増幅、またま、(d)上述の(a)の免疫アッセイと(b)の臨床化学アッセイと(c)の核酸(複数可)の抽出および核酸(複数可)の増幅とのうちの2つ以上の任意の組み合わせ、に対して交互配置が行われてよい。
【0120】
以下の非限定的な実施例は、本明細書に記載する検査室自動化システムを用いて免疫アッセイおよび臨床化学アッセイがどのように実施され得るかをさらに説明するものである。
【0121】
実施例1
この実施例は、免疫アッセイが逆磁気による粒子処理によりどのように実施されるか、およびその後に発光測定装置により結果がどのように読み取られるかを説明するものである。
【0122】
磁性粒子処理ステップは、結合ステップ、収集ステップ、洗浄ステップ、混合ステップ、分離ステップおよび培養ステップをマイクロウェルプレートのマイクロウェル内で行う、逆磁気による粒子処理により実施され得る。ここで図13を参照すると、8つのローおよび12のカラムを有するマイクロウェルプレートが示されている。異なるアッセイが各カラムで実施される。異なる処理ステップが各ローで行われる。いくつかのローでは、アッセイのプロトコルの違いに応じて処理ステップが変化する。各アッセイにおいて、第1のローのマイクロウェルはブランクである。最初の11のアッセイの第2のローの各マイクロウェル内では、試料が磁性微粒子試薬と組み合わされる。最初の11のアッセイの第3のロー、第4のロー、第6のローおよび第7のローの各マイクロウェル内には洗浄緩衝液が存在する。最初の11のアッセイの第5のローの各マイクロウェル内にはコンジュゲートが存在する。最初の11のアッセイの第8のローの各マイクロウェル内にはプレトリガ溶液が存在する。第12のアッセイでは、第1ロー、第2のロー2、第3のローおよび4のローのマイクロウェルがブランクである。第5のローのマイクロウェル内に、試料、磁性微粒子試薬およびコンジュゲートが存在する。第12のアッセイでは、第6のローおよび7のローのマイクロウェル内に洗浄緩衝液が存在する。第12のアッセイでは、第8のローのマイクロウェル内にプレトリガ溶液が存在する。必要な培養ステップがマイクロウェル全体で実施される。磁性微粒子がマイクロウェル内に留まる時間が培養時間または培養時間の一部とみなされる。試料、洗浄緩衝液、コンジュゲートおよびプレトリガ溶液を含んでいる種々のマイクロウェルを介して磁性微粒子を動かしたり培養したりすることにより、ARCHITECT(R)分析装置によって実施される、化学発光法による微粒子免疫アッセイの場合と機能的ステップに関して同様の方式で、化学発光法による微粒子免疫アッセイを処理することができる。プレトリガ溶液を含んでいるマイクロウェル内で磁性微粒子が培養された後、例えばアクリジニウムなどの発光物質が解放されて、放出される光子の量が発光測定装置によって測定される。マイクロウェルプレートは、コンベアベルトまたはその適当な代替物によって逆磁気による粒子処理装置(inverse magnetic particle processor)から発光測定装置に移され得る。マイクロウェルプレートを逆磁気による粒子処理装置(複数可)および発光測定装置(複数可)に入れたりまたはそれらから出したりするのに、種々のロボットデバイスが使用されてよい。通常、このようなロボットデバイスは、1つのマイクロウェルプレートを選択し、そのマイクロウェルプレートを握持して持ち上げ、それを配置する必要がある領域まで移して適当な位置に配置する。
【0123】
例えば、微粒子をあるマイクロウェルから別のマイクロウェルまで移動させるステップなどの、上で言及したいくつかのステップを単に排除することにより、均一免疫アッセイを実施することも可能である。
【0124】
実施例2
この実施例は、均一免疫アッセイ用のマイクロウェルプレートのキッティングを説明するものである。均一免疫アッセイとは、分離ステップを必要としない免疫アッセイのことである。コリンの免疫アッセイは均一アッセイであってよい。すなわち、免疫アッセイが磁気分離ステップおよび洗浄ステップを必要としない。また、各免疫アッセイで必要とされるマイクロウェルは1つのみである。図17A、図17Bおよび図17Cが免疫アッセイ用にキッティングされるマイクロウェルプレートを示している。図17Aは、マイクロウェルプレートの各マイクロウェル内の試料および第1の試薬を示している。図17Bは、マイクロウェルプレートの各マイクロウェル内の試料および第1の試薬と、酵素(コリンオキシダーゼ)の添加とを示している。図17Cは、マイクロウェルプレートの各マイクロウェル内の試料、第1の試薬、酵素(コリンオキシダーゼ)、および、アクリジニウム(信号発生因子(signal generator))の添加を示している。試薬を添加して適当な時間だけ培養した後、マイクロウェルプレートが発光測定装置に挿入され、アッセイの結果が測定される。均一アッセイは、アッセイの結果を得るのに磁性粒子処理を必要としない。
【0125】
実施例3
この実施例はマイクロウェルプレートを使用する臨床化学アッセイを説明するものである。図19A、図19B、図19C、図19D、図19Eおよび図19Fが、臨床化学アッセイ用にキッティングされるマイクロウェルプレートを示している。ここで図19A、19B、図19C、図19D、図19Eおよび図19Fを参照すると、マイクロウェルプレートが8つのローおよび12のカラムを有している。左からのカラム1−6は、それぞれ、グルコース(Glu)、コレステロール(Chol)、アラニントランスアミナーゼまたはアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、トロポニン(TP)、尿素(Urea)およびトリグリセリド(Trig)のアッセイに関係する。左からのカラム7−12は、それぞれ、アッセイGlu、Chol、ALT、TP、UreaおよびTrigに関係する。ロー1−8かつカラム1−6は、異なる供給元、すなわち供給元John Doe,Jane Doe,Tom Doe,Mary Doe,Jim Doe,Beth Doe,Mike Doe,およびSue Doeからの8つの試料のアッセイに関係する。ロー1−8かつカラム7−12は、8人の異なる供給元、すなわちCarl Doe,Cindy Doe,Hank Doe,Julie Doe,Bob Doe,Pam Doe,Paul Doe,およびKim Doeからの別の8つの試料のアッセイに関する。この実施例および後続の実施例では、吸光度読取装置は右から左へと移動する。表2が、吸引・分注手順の種々の行為に必要となる種々の時間を示している。図19A、図19B、図19C、図19D、図19Eおよび図19Fが、16人の患者に対する6つのアッセイのための試料および試薬の分注ステップを順番に示している。
【0126】
4人の異なる患者(John Doe,Jane Doe,Tom Doe,Mary Doe)からの4つの異なる試料が4チャンネルのXYZピペット内に吸引される。各試料の量は6つのアッセイに対して十分なものである。これらの試料は次いで、合計で24回の試験を行うために6つのカラムの4つのローに分注される。これらの最初の24回の試験では、4つの試料からなる第1のセットが構成される。4人の異なる患者(Jim Doe,Beth Doe,Mike Doe,Sue Doe)からの4つの異なる試料からなる第2のセットが、合計で24回の試験を行うために上述した4チャンネルのXYZピペットによって吸引されて6つのカラムの4つのローに分注される。4人の異なる患者(Carl Doe,Cindy Doe,Hank Doe,およびJulie Doe)からの4つの異なる試料からなる第3のセットが、合計で24回の試験を行うために上述の4チャンネルのXYZピペットによって吸引されて6つのカラムの4つのローに分注される。4人の異なる患者(Bob Doe,Pam Doe,Paul Doe,およびKim Doe)からの4つの異なる試料からなる第4のセットが、合計で24回の試験を行うために上述の4チャンネルのXYZピペットによって吸引されて6つのカラムの4つのローに分注される。表2は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である各ステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表2】
【0127】
マイクロウェルプレートが90°回転されることにより、試薬をマイクロウェルプレートの適当なマイクロウェルに分注することが可能となる。4つのR1試薬が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される。これらのR1試薬は次いで4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第1のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はTP、ALT、CholおよびGluのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つのR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、吸光度読取装置がマイクロウェルプレートを読み取る。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのロー内に分注される。このR1試薬の第2のバッチを受ける患者はJim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sue Doeであり、これらの試薬はTP、ALT、CholおよびGluのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つのR1試薬が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、吸光度読取装置がマイクロウェルプレートを読み取る。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第3のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はTrigおよびUreaのアッセイのためのものである。同様にこのR1試薬の第3のバッチを受ける患者はCarl Doe、Cindy Doe、Hank Doe、Julie Doeであり、これらの試薬はCholおよびGluのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つのR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、吸光度読取装置がマイクロウェルプレートを読み取る。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第4のバッチを受ける患者はJim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sue Doeであり、これらの試薬はTrigおよびUreaのアッセイのためのものである。同様にこのR1試薬の第4のバッチを受ける患者はBob Doe、Pam Doe、Paul Doe、およびKim Doeであり、これらの試薬はCholおよびGluのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つのR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、吸光度読取装置がマイクロウェルプレートを読み取る。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第5のバッチを受ける患者は(Carl Doe、Cindy Doe、Hank Doe、Julie Doe)であり、これらの試薬はTrig、Urea、TPおよびALTのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同一の4つのR1試薬が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、吸光度読取装置がマイクロウェルプレートを読み取る。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第6のバッチを受ける患者はBob Doe、Pam Doe、Paul Doe、Kim Doeであり、これらの試薬はTrig、Urea、TPおよびALTのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。表3は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表3】
4つの同一の相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第1のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はTP、ALT、CholおよびGluのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの同一の相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第2のバッチを受ける患者はJim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sue Doeであり、これらの試薬はTP、ALT、CholおよびGluのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第3のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はTrigおよびUreaのアッセイのためのものである。同様にこの相補的なR2試薬の第3のバッチを受ける患者はCarl Doe、Cindy Doe、Hank Doe、Julie Doeであり、これらの試薬はCholおよびGluのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第4のバッチを受ける患者はJim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sue Doeであり、これらの試薬はTrigおよびUreaのアッセイのためのものである。同様にこの相補的なR2試薬の第4のバッチを受ける患者はBob Doe、Pam Doe、Paul DoeおよびKim Doeであり、これらの試薬はCholおよびGluのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第5のバッチを受ける患者はCarl Doe、Cindy Doe、Hank Doe、Julie Doeであり、これらの試薬はTrig、Urea、TPおよびALTのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第6のバッチを受ける患者はBob Doe、Pam Doe、Paul Doe、およびKim Doeであり、これらの試薬はTrig、Urea、TPおよびALTのアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。これ以上の試料を分注する必要はないが、マイクロウェルプレートは吸光度読取装置内に留まり、さらに5分間(またはプロトコルが要求するいくらかの時間)読み取られる。プロトコルの融通性により、さらなる試薬の添加および/または読み取りウィンドウの修正が可能となる。
【0128】
別の機能(例えば、免疫アッセイのためのマイクロウェルプレートのキッティングまたは次の臨床化学アッセイのためのマイクロウェルプレートへの試料の分注など)に対しての吸引/分注デバイスの有用性を最大にするために、臨床化学アッセイのためのアッセイは、R1試薬および相補的なR2試薬の両方を必要とするアッセイの分注がR1試薬のみを必要とするアッセイの前に行われるように、マイクロウェルプレート上で構成される。同様に、一部の新たな臨床化学アッセイがR1試薬、R2試薬、および新たなR3試薬を必要とする場合、これらのアッセイは、R1試薬および相補的なR2試薬の両方を必要とするアッセイに先立ってかつR1試薬のみを必要とするアッセイの前に試薬が分注されるように、マイクロウェルプレート上で構成される。表4は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表4】
読取装置が右から左へと移動する。試料が吸引および分注される間、マイクロウェルプレートの向きは、12の要素からなる複数のローがピペットが移動する方向と平行になるようになされる。試薬が吸引および分注される間、マイクロウェルプレートの向きは、8つの要素からなる複数のカラムがピペットが移動する方向と平行になるようになされる。マイクロウェルプレートの向きは、90°回転することができるターンテーブルによって変更され得る。
【0129】
実施例4
より多くアッセイが必要となる状況では、より少人数の患者の試料が試験されてよい。例えば、7から12のアッセイが必要とされる場合、8人の患者の試料が使用されることが好ましい。以下の複数の表(表5、表6および表7)は、それぞれ、試料の吸引および分注、第1の試薬の吸引および分注、ならびに、第2の試薬の吸引および分注を表にしたものである。図20A、図20B、図20C、図20D、図20Eおよび図20Fが、臨床化学アッセイ用にキッティングされるマイクロウェルプレートを示している。図20A、図20B、図20C、図20D、図20Eおよび図20Fは、8人の患者に対する12のアッセイのための試料および試薬の分注ステップを順番に示している。
【0130】
4人の異なる患者(John Doe、 Jane Doe、 Tom Doe、 Mary Doe)からの4つの異なる試料が4チャンネルのXYZピペット内に吸引される。各試料の量は12の試験に対して十分なものである。これらの試料は次いで、合計で48回の試験を行うために12のカラムの4つのローに分注される。これらの最初の48回の試験では、4つの試料からなる第1のセットが構成される。4人の異なる患者(Jim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sally Doe)からの4つの異なる試料からなる第2のセットが、合計で48回の試験を行うために4チャンネルのXYZピペット内に吸引されて12のカラムの4つのローに分注される。表5は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表5】
【0131】
マイクロウェルプレートが90°回転されることにより、試薬をマイクロウェルプレートの適当なマイクロウェルに分注することが可能となる。4つのR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チェンネルのXYZピペット内に吸引される。これらのR1試薬は次いで4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第1のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つのR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第2のバッチを受ける患者はJim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sally Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第3のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つのR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第4のバッチを受ける患者はJim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sally Doeであり、これらの試薬はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第5のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つのR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第6のバッチを受ける患者はJim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sally Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。表6は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表6】
【0132】
4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第1のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第2のバッチを受ける患者は、Jim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sally Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第3のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第4のバッチを受ける患者は、Jim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sally Doeであり、これらの試薬はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第5のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第6のバッチを受ける患者は、Jim Doe、Beth Doe、Mike Doe、Sally Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。これ以上の試料を分注する必要はないが、マイクロウェルプレートは吸光度読取装置内に留まり、さらに5分間(またはプロトコルが要求するいくらかの時間)読み取られる。プロトコルの融通性により、さらなる試薬の添加および/または読み取りウィンドウの修正が可能である。表7は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表7】
【0133】
実施例5
別の実施例では、13から16のアッセイが必要とされる場合、6人の患者の試料が使用されることが好ましい。以下の複数の表(表8、表9および表10)は、それぞれ、試料の吸引および分注、第1の試薬の吸引および分注、ならびに、第2の試薬の吸引および分注を表にしたものである。
【0134】
4人の異なる患者(John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doe)からの4つの異なる試料が4チャンネルのXYZピペット内に吸引される。各試料の量は16の試験にとって十分である。同じ4人の患者からの試料は次いで、合計で64回の試験を行うために4つのカラムの4つのローに分注される。2人の異なる患者(Jim DoeおよびBeth Doe)からの2つの異なる試料が、合計で32回の試験を行うために4チャンネルのXYZピペット内に吸引されて8つのカラムの4つのローに分注される。表8は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。図21A、図21B、図21C、図21D、図21Eおよび図21Fが、臨床化学アッセイ用にキッティングされるマイクロウェルプレートを示している。図21A、図21B、図21C、図21D、図21Eおよび図21Fは、6人の患者に対する16のアッセイのための試料および試薬の分注ステップを順番に示している。
【表8】
【0135】
マイクロウェルプレートが90°回転されることにより、試薬をマイクロウェルプレートの適当なマイクロウェルに分注することが可能となる。4つのR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される。これらのR1試薬は次いで4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第1のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つのR1試薬の量が(2つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの2つのローに分注される。このR1試薬の第2のバッチを受ける患者はJim DoeおよびBeth Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第3のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つのR1試薬の量が(2つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの2つのローに分注される。このR1試薬の第4のバッチを受ける患者はJim DoeおよびBeth Doe、であり、これらの試料はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第5のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Torn Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つのR1試薬の量が(2つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの2つのローに分注される。このR1試薬の第6のバッチを受ける患者はJim DoeおよびBeth Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。このR1試薬の第7のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA13、A14、A15およびA16のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つのR1試薬の量が(2つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの2つのローに分注される。このR1試薬の第8のバッチを受ける患者はJim DoeおよびBeth Doeであり、これらの試薬はA13、A14、A15およびA16のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。表9は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表9】
4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第1のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの相補的なR2試薬の量が(2つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの2つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第2のバッチを受ける患者は、Jim DoeおよびBeth Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第3のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの相補的なR2試薬の量が(2つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの2つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第4のバッチを受ける患者は、Jim DoeおよびBeth Doeであり、これらの試薬はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第5のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの相補的なR2試薬の量が(2つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの2つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第6のバッチを受ける患者は、Jim DoeおよびBeth Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第7のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA13、A14、A15およびA16のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。同じ4つの相補的なR2試薬の量が(2つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、試薬が4つのカラムの2つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第8のバッチを受ける患者は、Jim DoeおよびBeth Doeであり、これらの試薬はA13、A14、A15およびA16のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。これ以上の試料を分注する必要はないが、マイクロウェルプレートは吸光度読取装置内に留まり、さらに5分間(またはプロトコルが要求するいくらかの時間)読み取られる。プロトコルの融通性により、さらなる試薬の添加および/または読み取りウィンドウの修正が可能である。表10は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表10】
【0136】
実施例6
17から24のアッセイが必要とされる場合、4人の患者の試料が使用されることが好ましい。以下の複数の表(表11、表12および表13)は、それぞれ、試料の吸引および分注、第1の試薬の吸引および分注、ならびに、第2の試薬の吸引および分注を表にしたものである。図22A、図22B、図22C、図22D、図22Eおよび図22Fが、臨床化学アッセイ用にキッティングされるマイクロウェルプレートを示している。図22A、図22B、図22C、図22D、図22Eおよび図22Fは、4人の患者に対する24のアッセイのための試料および試薬の分注ステップを順番に示している。
【0137】
4人の患者(John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doe)からの4つの異なる試料が4チャンネルのXYZピペット内に吸引される。各試料の量は6回の試験に対して十分なものである。これらの試料は次いで、合計で24回の試験を行うために6つのカラムの4つのローに分注される。これらの最初の24回の試験では、4つの試料からなる第1のセットが構成される。同じ4人の患者(John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doe)からの4つの試料からなる第2のセットが、合計で24回の試験を行うために4チャンネルのXYZピペット内に吸引されて6つのカラムの4つのローに分注される。同じ4人の患者(John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doe)からの4つの試料からなる第3のセットが、合計で24回の試験を行うために4チャンネルのXYZピペットに吸引されて6つのカラムの4つのローに分注される。同じ4人の患者(John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doe)からの4つの試料からなる第4のセットが、合計で24回の試験を行うために4チャンネルのXYZピペット内に吸引されて6つのカラムの4つのローに分注される。表11は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表11】
マイクロウェルプレートが90°回転されることにより、試薬をマイクロウェルプレートの適当なマイクロウェルに分注することが可能となる。4つのR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される。これらのR1試薬は次いで、修正試験(correct test)に対応するように、4つのカラムの1つおきの4つのローに分注される。このR1試薬の第1のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試料が4つのカラムの1つおきの4つのローに分注される。このR1試薬の第2のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試薬が4つのカラムの1つの置きの4つのローに分注される。このR1試薬の第3のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試薬が4つのカラムの1つおきの4つのローに分注される。このR1試薬の第4のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試料はA13、A14、A15およびA16のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試薬が4つのカラムの1つの置きの4つのローに分注される。このR1試薬の第5のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA17、A18、A19およびA20のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なるR1試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各R1試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試薬が4つのカラムの1つおきの4つのローに分注される。このR1試薬の第6のバッチを受ける患者はJohn Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA21、A22、A23およびA24のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。表12は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表12】
4つの相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試薬が4つのカラムの1つおきの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第1のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA1、A2、A3およびA4のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試薬が4つのカラムの1つおきの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第2のバッチを受ける患者は、John.Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA5、A6、A7およびA8のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試薬が4つのカラムの1つの置きの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第3のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA9、A10、A11およびA12のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試薬が4つのカラムの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第4のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA13、A14、A15およびA16のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応するように、試薬が4つのカラムの1つおきの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第5のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA17、A18、A19およびA20のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。4つの異なる相補的なR2試薬の量が(4つのアッセイに対して十分な各相補的なR2試薬の量で)4チャンネルのXYZピペット内に吸引される間に、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置によって読み取られる。この読み取りのすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の外に再配置され、修正試験に対応する、試薬が4つのカラムの1つおきの4つのローに分注される。この相補的なR2試薬の第6のバッチを受ける患者は、John Doe、Jane Doe、Tom Doe、Mary Doeであり、これらの試薬はA21、A22、A23およびA24のアッセイのためのものである。これらの分注のすぐ後、マイクロウェルプレートが吸光度読取装置の内側に配置される。これ以上の試料を分注する必要はないが、マイクロウェルプレートは吸光度読取装置内に留まり、さらに5分間(またはプロトコルが要求するいくらかの時間)読み取られる。プロトコルの融通性により、さらなる試薬の添加および/または読み取りウィンドウの修正が可能である。表13は臨床化学アッセイをキッティングするのに必要である一部のステップに必要となる一般的な時間を示している。
【表13】
【0138】
実施例7
この実施例は、核酸を抽出するための、KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサで使用されるマルチウェルプレートのキッティングを示している。図7に関連して説明した検査室自動化システムと実質的に同様の実施形態が、マルチウェルプレートのキッティング、磁性粒子の処理、および、核酸の分析に使用されてよい。
【0139】
KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサは、例えば、血液、細胞、培養菌、組織ライセート、土および排泄物などの種々の出発物質からの高品質のDNA、RNA、タンパク質および細胞の高速で再現性のある精製を実現することができる。上述したKingFisher(TM)磁性粒子プロセッサと同様に、KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサは、種々の精製段階すなわち結合、欠如、洗浄、溶出を通して、粒子を移動させるための磁性ロッドを使用する。KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサは24個のロッドを有する磁石ヘッドおよび24個のウェルを有するディープウェルプレートを使用する。試料の体積は5mLにもなり得る。より高い処理能力が必要とされる場合、96個のロッドを有する磁石ヘッドおよび適切な96個のウェルを有するプレートを使用して、96個の試料が様々な使用体積(20−1000μL)で処理され得る。KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサに関するさらなる詳細は、参照により本明細書に組み込まれるウェブサイトhttp://www.thermo.com/com/cda/product/detail/1,,10136240,00.htmlで見ることができる。
【0140】
図25A、図25B、図25C、図25D、図25Eおよび図25Fが、試料から核酸を抽出するためにキッティングされるマルチウェルプレートを示している。ここで図25A、図25B、図25C、図25D、図25Eおよび図25Fを参照すると、RNA(1.0mL、HIV)を抽出するための各ディープウェルプレート(deep well plate)が、磁性粒子プロセッサためのプロトコルのステップ全体を占有している。すなわち、1つのディープウェルマルチウェルプレート(deep well multi−well plate)の全体が、微粒子および適当な緩衝液を伴う試料を導入するのに使用され、2つのディープウェルマルチウェルプレートの全体が希釈されたリーシス緩衝液用に使用され、2つのディープウェルマルチウェルプレートの全体が水用に使用され、1つのディープウェルマルチウェルプレートの全体がリン酸緩衝液用に使用される。合計で6つのディープウェルマルチウェルプレートが、上述の抗原のための所与の磁気分離処理に使用される。試料、磁性微粒子および緩衝液がこれらのディープウェルマルチウェルプレートに導入されて適当な培養処置が実施された後、ディープウェルマルチウェルプレートがKingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサに移される。
【0141】
通常、試料は血清である。また、血清は、通常、免疫アッセイ分析装置および臨床化学分析装置の両方で使用される。例えば、痰、組織の剥離物(tissue scraping)などの別の試料が、血清と等しい量の液体内で溶出される。本明細書で使用するのに適したリーシス緩衝液(RNA)の代表的な例には、4.66Mグアニジンイソチオシアネートと、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(Trizma(R)、pH8.0)と、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル(Tween(R)20、10%)との混合物がある。本明細書で使用するのに適した希釈されたリーシス緩衝液の代表的な例には、2Mグアニジンイソチオシアネート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル(Tween(R)20、5%)、および、50mM酢酸カリウム(pH6.0)がある。本明細書で使用するのに適したリン酸緩衝液の代表的な例には、20mM酢酸カリウム(pH8.5)がある。磁性微粒子は、通常、酸化鉄を含む粒子である。
【0142】
表14は、マルチウェルプレートの各ディープウェルの物質、量、時間および温度条件、ならびに、キッティングのおおよその時間を列記している。この表はまた、ディープウェルプレートを示している図も列記している。
【表14】
リーシス緩衝液が細胞膜を破壊して核酸を露出させることにより、核酸を磁性微粒子に付着させることが可能となる。図25B、図25C、図25Dおよび図25Eに示されるマルチウェルプレート内の物質、すなわち、希釈されたリーシス緩衝液、水が、リーシス緩衝液を洗い流すように作用する。というのは、リーシス緩衝液が、核酸を増幅させるためのポリメラーゼ連鎖反応を妨害してしまうからである。リン酸緩衝液が、磁性微粒子から核酸を溶出させる、すなわち解放する。
【0143】
高速試薬ディスペンサが、図25Aに示したマルチウェルプレートが別の分注デバイスによってキッティングされるのと同時に、図25B、図25C、図25D、図25Eおよび25Fに示したマルチウェルプレートをキッティングするのに使用されてよく、この場合、キッティング時間を5.5分節約することができる。
【0144】
核酸は、磁性微粒子から解放された後、マイクロウェルプレートのディープウェルから吸引されて96個のウェルを有するPCRプレートのウェルに移されてよい。この移動ステップは、本明細書ではマスタ混合(master mixing)および活性化(activating)と称される。この移動ステップの例には、1つまたは複数のKingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサから96個のウェルを有するPCRプレートへの4つの磁性粒子処理処置の試料の移動がある。磁性粒子プロセッサによって処理された試料が96個のウェルを有するPCRプレートに導入された後、適当な試薬が96個のウェルを有するPCRプレートの各ウェルに導入され、96個のウェルを有するプレートが密閉され、その密閉された、96個のウェルを有するPCRプレートが別の処理のためにサーマルサイクラに移される。
【0145】
核酸の増幅が、サーモサイクラ、PCRマシンまたはDNA増幅器としても知られているサーマルサイクラ内で実施されてよい。このデバイスは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)処理によってDNAのセグメントを増幅するのに使用され得る。このデバイスは孔を備えるサーマルブロックを有しており、その孔にはPCR反応混合物を保持するチューブが挿入され得る。このサーマルサイクラはその後、別個の予めプログラムされたステップでサーマルブロックの温度を上昇させたり低下させたりする。サーマルサイクラは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる記事「Thermal cycler」(http://en.wikipedia.org/wiki/Thermal_cycler)などで説明されている。サーマルサイクラによって実施される処理に関する追加の情報は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる記事「Polymerase chain reaction」(http://en.wikipedia.org/wiki/Polymerasae_chain_reaction)などで見ることができる。本明細書で使用するのに適したサーマルサイクラの代表的な例には、ABI7500 Thermocycler/Reader、Bio−Red(R) i−Cycler(R)、Stratagene MX4000(TM)などが含まれる。
【0146】
マルチウェルプレートのキッティングは図7の吸引/分注位置124aおよび124bで行われてよく、磁性粒子処理は図7の領域140a内で行われてよく、マルチウェルプレートからPCRプレートへの核酸の移動は図7の領域124bの近傍で行われてよく、PCR処理は、サーマルサイクラが配置され得る、通常は検査室自動化システムの分析セクション60内にある図7の一領域内で行われてよい。
【0147】
KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサでの推定される処理時間は44分である。熱サイクルおよび読み取りの推定される時間は3時間である。マスタ混合および活性化の推定される時間は32分である。最初の結果を取得するための推定時間は約4時間46分である。おおよその処理能力は1時間当たりで94回の試験である。
【0148】
実施例8
この実施例は、核酸を抽出するための、KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサで使用されるマルチウェルプレートのキッティングを示している。図7に関連して説明した検査室自動化システムと実質的に同様の実施形態が、マルチウェルプレートのキッティング、磁性粒子の処理、および、核酸の分析に使用されてよい。
【0149】
図26A、図26B、図26C、図26D、図26E、図26Fおよび図26Gが、試料から核酸を抽出するためにキッティングされるマルチウェルプレートを示している。ここで図26A、図26B、図26C、図26D、図26E、図26Fおよび図26Gを参照すると、DNA(0.5mL、HBV)を抽出するための各ディープウェルプレートが、磁性粒子プロセッサのためのプロトコルのステップ全体を占有している。すなわち、1つのディープウェルマルチウェルプレートの全体が微粒子および適当な緩衝液を伴う試料を導入するのに使用され、2つのディープウェルマルチウェルプレートの全体がリーシス緩衝液用に使用され、3つのディープウェルマルチウェルプレートの全体がエタノール緩衝液用に使用され、1つのディープウェルマルチウェルプレートの全体が水用に使用される。合計で7つのディープウェルマルチウェルプレートが、上述の抗原のための所与の磁気分離処理に使用される。試料、磁性微粒子および緩衝液がこれらのディープウェルマルチウェルプレートに導入されて適当な培養処置が実施された後、ディープウェルマルチウェルプレートがKingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサに移される。KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサは、実施例7で使用した手法と実質的に同じ手法で磁性粒子処理を実施するのに使用されてよい。
【0150】
通常、試料は血清である。また、血清は、通常、免疫アッセイ分析装置および臨床化学分析装置の両方で使用される。例えば、痰、組織の剥離物などの別の試料が、血清と等しい量の液体内で溶出される。本明細書で使用するのに適したリーシス緩衝液(DAN)の代表的な例には、2Mグアニジンイソチオシアネートとポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル(Tween(R)20、5%)と50mM酢酸カリウム(pH6.0)との混合物が含まれる。本明細書で使用するのに適したリン酸緩衝液の代表的な例には、20mM酢酸カリウム(pH8.5)がある。本明細書で使用(DNA)に適したエタノール緩衝液の代表的な例には70%エタノールがある。本明細書で使用(DNA)に適したPK試薬の代表的な例には、プロテイナーゼK緩衝液がある。
【0151】
表15は、各ディープウェルプレートの物質、量、時間および温度条件、ならびに、キッティングのおおよその時間を列記している。この表はまた、ディープウェルプレートを示している図も列記している。
【表15】
リーシス緩衝液が細胞膜を破壊して核酸を露出させることにより、核酸を磁性微粒子に付着させることが可能となる。図26B、図26C、図26D、図26Eおよび図26Fに示されるマルチウェルプレート内の物質、すなわち、希釈されたリーシス緩衝液、エタノール緩衝液がリーシス緩衝液を洗い流すように作用する。というのは、リーシス緩衝液が、核酸を増幅させるためのポリメラーゼ連鎖反応を妨害してしまうからである。図26Gは、核酸が水中で15分溶出されるマルチウェルプレートを示している。図26Gのマルチウェルプレートのウェル内にある物質はその後、3分間冷却される。
【0152】
高速試薬ディスペンサが、図26Aに示したマルチウェルプレートが別の分注デバイスによってキッティングされるのと同時に、図26B、図26C、図26D、図26E、図26Fおよび図26Gに示したマルチウェルプレートをキッティングするのに使用されてよく、この場合、キッティング時間を21分節約することができる。
【0153】
核酸は、磁性微粒子から解放された後、マルチウェルプレートのディープウェルから吸引されて96個のウェルを有するPCRプレートに移されてよい。この移動ステップは、本明細書ではマスタ混合および活性化と称される。この移動ステップの例には、1つまたは複数のKingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサから96個のウェルを有するPCRプレートへの4つの磁性粒子処理処置の試料の移動がある。磁性粒子プロセッサによって処理された試料が96個のウェルを有するPCRプレートに導入された後、適当な試薬が96個のウェルを有するPCRプレートの各ウェルに導入され、96個のウェルを有するプレートが密閉され、その密閉された、96個のウェルを有するPCRプレートが別の処理のためにサーマルサイクラに移される。
【0154】
核酸の増幅が、サーモサイクラ、PCRマシンまたはDNA増幅器としても知られているサーマルサイクラ内で実施されてよい。このデバイスは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)処理によってDNAのセグメントを増幅するのに使用され得る。このデバイスは孔を備えるサーマルブロックを有しており、その孔にはPCR反応混合物を保持する管が挿入され得る。このサーマルサイクラはその後、別個の予めプログラムされたステップでサーマルブロックの温度を上昇させたり低下させたりする。サーマルサイクラは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる記事「Thermal cycler」(http://en.wikipedia.org/wiki/Thermal_cycler)などで説明されている。サーマルサイクラによって実施される処理に関する追加の情報は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる記事「Polymerase chain reaction」(http://en.wikipedia.org/wiki/Polymerasae_chain_reaction)などで見ることができる。本明細書で使用するのに適したサーマルサイクラの代表的な例には、ABI7500 Thermocycler/Reader、Bio−Red(R) i−Cycler(R)、Stratagene MX4000(TM)などが含まれる。
【0155】
マルチウェルプレートのキッティングは図7の吸引/分注位置124aおよび124bで行われてよく、磁性粒子処理は図7の領域140a内で行われてよく、マルチウェルプレートからPCRプレートへの核酸の移動は図7の領域124bの近傍で行われてよく、PCR処理は、サーマルサイクラが配置され得る、通常は検査室自動化システムの分析セクション60内にある図7の一領域内で行われてよい。
【0156】
KingFisher(TM)Flex磁性粒子プロセッサでの推定される処理時間は52分である。熱サイクルおよび読み取りの推定される時間は2時間15分である。マスタ混合および活性化の推定される時間は32分である。最初の結果を取得するための推定時間は約4時間25分である。おおよその処理能力は1時間当たりで89回の試験である。
【0157】
検査室自動化システム10の動作は、市販されているインターフェースを使用したパーソナルコンピュータによって制御されてよい。これらのインターフェースが図24に示されている。このグラフィカルユーザインターフェースは、最新のパーソナルコンピュータのグラフィカルユーザインターフェースと共通の機能および制御手段を使用していてよい。例えば、ドロップダウンメニューおよびツリー表示が多項選択のために使用されてよい。無線ボタン、チェックボックスおよびスライダコントロールが、操作者にとって直感的である選択機能を実現することができる。スプラッシュスクリーン、プログレスバー、強調表示された制御手段(highlighted control)が、操作者にとって直感的である状態報告(status report)を実現することができる。ホットリンクが、ヘルプ、メンテナンス手順、トレーニングなどのウェブサイトまたはローカル情報へのアクセスを実現することができる。
【0158】
このグラフィカルユーザインターフェースは、スクリーンの一番上にあるビューが下にあるビューを完全に隠してしまうのを防止するために、ビューを半透明にする機能を装備していてよい。このグラフィカルユーザインターフェースは、より下のレベルの「詳細画面」を選択することを操作者に要求することなく選択項目の詳細を提示できるように、拡大・縮小の機能を装備していてよい。このグラフィカルユーザインターフェースはウィジェットを装備していてよく、それにより、操作者がディスプレイ(時計または試験カウンタ(test counter)など)をカスタマイズするためにスクリーンの周りに小さなウィンドウを作ることが可能となる。このグラフィカルユーザインターフェースは、計器のグラフを見るためのおよび計器のグラフと相互作用するための機能を装備していてよい。カーソルの下の領域は、選択、情報、拡大表示などのために、強調表示および/または拡大されてよい。このグラフィカルユーザインターフェースは、より下のレベルの「詳細画面」または「ヘルプ画面」を選択することを操作者に要求することなく選択項目の詳細および/または情報を提示できるように、説明用のポップアップバルーンを含んでいてよい。このグラフィカルユーザインターフェースは、消耗品および/または試薬の量が少ないことを即座に指示するために燃料計タイプのアイコンを備えていてよい。キーボートおよび/またはマウスの代替物としてタッチスクリーンが使用されてもよい。
【0159】
図24に示した構成要素には、吸光度読取装置用のソフトウェアモジュール、発光測定装置用のソフトウェア、磁性粒子処理のためソフトウェア、モータ制御装置用のソフトウェア、および分注デバイス用のソフトウェアが含まれる。上述したプログラムがシステムソフトウェアに接続される。これらの構成要素にはまた、上述したソフトウェアを相互接続させるための適当なコネクタが含まれる。
【0160】
ソフトウェアモジュールに接続される、図24に示した他の構成要素には、マイクロウェルプレート回転装置と、微粒子を分注するための装置と、磁性粒子処理トレイと、一平面上の2方向に移動することができる無線周波数読取・書込装置(radio frequency reader/writer)とを制御するのに使用される8軸の運動制御装置が含まれる。温度制御装置がプレート回転装置に接続される。これらの構成要素にはまた、上述したソフトウェアモジュールへの接続のための適当な電気コネクタが含まれる。
【0161】
ソフトウェアモジュールに接続され得る、図24に示したさらに他の構成要素には、少なくとも1つの無線周波数認識アンテナセクションボード(radio frequency identification antenna section board)、少なくとも1つの無線周波数認識読取・書込装置(radio frequency identification reader/writer)、少なくとも1つの磁性粒子プロセッサ、少なくとも1つの発光測定装置、少なくとも1つの吸光度読取装置、少なくとも1つの分注デバイスプラットフォームが含まれる。温度制御装置が少なくとも1つの磁性粒子プロセッサに接続される。これらの構成要素にはまた、上述のソフトウェアモジュールへの接続のための適当な電気コネクタが含まれる。システムが少なくとも1つの無線周波数認識アンテナセクションボートと少なくとも1つの無線周波数認識読取・書込装置との両方を必要とするわけではないことに留意されたい。上述した無線周波数認識のための構成要素は、そのうちの一方またはその他方あるいはその両方が使用されてよい。
【0162】
図24に示した構成要素は市販されており、当業者により適切な形で接続され得る。
【0163】
操作者または検査室情報システムが、試験のために最終的にシステムに送られる試料のための試験命令をシステムにダウンロードする。
【0164】
操作者または試薬の在庫を管理するためのシステムが、必要となる消耗物をシステムに装填する。操作者または検査室自動化システムが必要となる試料をシステムに送る。システムが、その試料のためのダウンロードした試験命令に従って、試料中のアナライト(すなわち、抗原または抗体)を測定および通知する。操作者または検査室自動化システムがシステムから試料を除去する。操作者または検査室情報システムが試験結果を評価して試験命令の出所にその試験結果を送る。
【0165】
本明細書に記載する装置および方法では、アッセイをマイクロウェルプレート内で実施することにより、反応混合物の量、試料の量、液体廃棄物の量、および、その結果としてのアッセイのコストを削減することが可能である。本明細書に記載する装置および方法では、チャンバの読み取りにマイクロウェルプレートを使用することにより、読み取り可能な感度を(透光性の反応ベッセルを用いる現存の分析装置と比較して)5倍向上させることが可能である。本明細書に記載する装置および方法では、同様の消耗物質、モジュール式サブシステムを利用することにより、ワークフローを統合すること、免疫アッセイおよび臨床化学処理を完全に一体化すること、ならびに資源効率を向上させることが可能であり、さらに、吸引/分注デバイスを使用してマイクロウェルプレート内でアッセイを実施することにより、1つのシステム内で異なるアッセイ技術を行うことが可能となる。
【0166】
本明細書に記載する装置および方法では、両方のタイプのアッセイで使用され得る、例えば、ピペット、キッティングステーション、フルイディクス、冷凍設備、制御装置、電源供給装置などの多数の手段を同一で使用することにより、免疫アッセイと臨床化学アッセイと統合することが可能である。
【0167】
本明細書に記載する装置および方法では、1つの吸引/分注デバイスを使用して1つのマイクロウェルプレート内で複数のアッセイを実施することにより、現存の分析装置と比較して、より小型で、より信頼性があり、複雑さの低い分析装置が得られる。
【0168】
本明細書に記載する装置および方法では、吸引/分注デバイスおよびマイクロウェルプレートを使用することにより、適合される新しいアッセイプロトコルが分析装置の設計に与える影響を最小することが可能である。
【0169】
マイクロウェルプレートを使用することにより小型化が促進されてシステムの設置面積が削減され、卓上での備え付けが容易になる。
【0170】
マイクロウェルプレートにより、より簡潔でより少数の機構を使用することが可能となり、その寿命を通してのシステムのコストが削減され、信頼性が向上する。
【0171】
吸引/分注デバイスおよびマイクロウェルプレートにより、新たなプロトコルおよびそれらのプロトコルの新たなタイミング条件が簡単なものとなる。
【0172】
検査室自動化システムは、吸引/分注デバイスに追加され得るまたはそこから除去され得る(新しいアッセイのための)ビルディングブロックとしてモジュール式サブシステムを使用することにより、再構成および拡大・縮小され得る。
【0173】
マイクロウェルプレート用の洗浄装置が使用可能であり、それにより、マイクロウェルプレートは再使用可能となる。
【0174】
本発明は、一連の管理/検査、反応ベッセルのキッティング、および、集中制御して資源のスケジュール設定を行う形の範囲内での複数の診断試験技術に跨るの消耗品および使い捨て製品の管理が可能となる。
【0175】
臨床化学アッセイの場合、反応混合物の混合は、ARCHITECT(R)の装置上で実施される侵襲的な混合処置(invasive mixing procedure)とは異なり、マイクロウェルプレートをシェイクすることによって実施されてよい。吸光度の読み取りは、ARCHITECT(R)の装置上で実施されるような、キュベットを移動させる手法とは異なり、掃引フォトダイオードアレイおよび固定されたソースを用いて実施される。培養は臨床化学用マイクロウェルプレートの全体で実施される。
【0176】
免疫アッセイの場合、分離、洗浄および混合は、スリーブに入れられた磁性ロッドによって実施されてよい。この方式の分離、洗浄および混合は、キュベットの移動、プロセス経路磁石、直接の吸引/分注、および、ARCHITECT(R)の装置上で行われるイントラック渦動法(in−track vortexmethod)とは対照をなしている。培養は、免疫アッセイが実施されるマイクロウェルプレートの全体で実施される。磁性微粒子は全培養時間にわたってマイクロウェル内に留まる。試料、洗浄緩衝液、コンジュゲートおよびプレトリガ溶液のマイクロウェルを用いて微粒子を移動させたり培養したりすることにより免疫アッセイを実施する場合でも、ARCHITECT(R)の装置上で実施される免疫アッセイに使用されるような基本的な手順にそのまま従って免疫アッセイを実施することができる。
【0177】
本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本発明の種々の修正形態および変形形態が当業者には明らかになるであろう。また、本発明が、本明細書に記載した例示的な実施形態に過度に限定されないことを理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応ベッセルとしてマイクロウェルプレートを使用する、臨床化学アッセイ、免疫アッセイ、または、臨床化学アッセイおよび免疫アッセイの両方を実施することができる検査室自動化ステム。
【請求項2】
複数の機能的モジュールを有する、請求項1に記載の検査室自動化システム。
【請求項3】
免疫アッセイモジュールを有し、前記免疫アッセイモジュールが磁性粒子プロセッサを有する、請求項2に記載の検査室自動化システム。
【請求項4】
磁性粒子プロセッサ内で同時に24もの免疫アッセイが実施され得る、請求項3に記載の検査室自動化システム。
【請求項5】
磁性粒子プロセッサ内で同時に96もの免疫アッセイが実施され得る、請求項3に記載の検査室自動化システム。
【請求項6】
同じ吸引/分注デバイスが、免疫アッセイおよび臨床化学アッセイの両方に対して、液体を吸引および分注するのに使用され得る、請求項1に記載の検査室自動化システム。
【請求項7】
バルク試薬を保持するための桶状部を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
生物学的試料からの核酸の抽出およびそのようにして抽出された核酸の増幅を実施することができ、サーマルサイクラ用に生物学的試料を調製するためにマルチウェルプレートを使用する検査室自動化システム。
【請求項9】
複数の機能的モジュールを有する、請求項8に記載の検査室自動化システム。
【請求項10】
生物学的試料から核酸を抽出するためのモジュールを有し、前記抽出モジュールが磁性粒子プロセッサを有する、請求項9に記載の検査室自動化システム。
【請求項11】
検査室自動化システム内で免疫アッセイおよび臨床化学アッセイを実施するための方法であって、前記方法が複数の自動化されたプロトコルを含み、前記プロトコルが、マイクロウェルプレートのマイクロウェルに試料を添加するステップと、マイクロウェルプレートのマイクロウェルに試薬を添加するステップと、マイクロウェルプレートのマイクロウェルの中身を混合するステップと、マイクロウェルプレートのマイクロウェル内の反応物を培養するステップと、マイクロウェルプレートのマイクロウェルの反応生成物を洗浄するステップとを含む、方法。
【請求項12】
マイクロウェルプレートのマイクロウェルの反応生成物を分離するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
固定されたプロトコルに限定されないスケジュールによりマイクロウェルプレートをキッティングするための吸引/分注プロトコルを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
マイクロウェルプレートのマイクロウェルのキッティングステップが、マイクロウェルプレートを磁性粒子処理装置に入れる前に実施される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
吸引/分注プロトコルでは、免疫アッセイが行われている間に臨床化学アッセイ用の試料および試薬を分注するのに吸引/分注用のデバイスを使用することが可能である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
臨床化学アッセイが免疫アッセイの間で実施され得てさらに免疫アッセイが臨床化学アッセイの間で実施され得るように、免疫アッセイおよび臨床化学アッセイがスケジュール設定され得る、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
試料容器、試薬容器およびマイクロウェルプレートが、吸引/分注デバイスによって上昇、移動および降下される、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
吸引/分注デバイスのピペットが、試料容器、試薬容器およびマイクロウェルプレートを握持してある位置から別の位置まで移すことができる握持デバイスを装備する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
無線周波数認識タグが、試薬容器、試料容器、試料容器運搬装置およびマイクロウェルプレートのうちの少なくとも1つに配置される、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
無線周波数認識タグにより、試料および試薬を最初に分注するところから最後にマイクロウェルプレートから結果を読み取るところまでマイクロウェルプレートを追跡することが可能となる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
磁性粒子プロセッサが均一免疫アッセイを実施するのに使用される、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
試薬容器および試料容器が、自動ロボット機構により冷凍保管領域から検査室自動化システムの分析セクションに移され得る、請求項11に記載の方法。
【請求項23】
検査室自動化システムを販売業者に接続するコンピュータインターフェースによって消耗品が発注される、請求項11に記載される方法。
【請求項24】
検査室自動化システムが、操作者が免疫アッセイまたは臨床化学アッセイあるいは免疫アッセイと臨床化学アッセイとの両方を厳密に制御して監視するのを可能にするグラフィカルユーザインターフェースを有し、前記グラフィカルユーザインターフェースが、容器内の液位の読み取りを単純化するために燃料計タイプの液位指示計を使用する、請求項11に記載の方法。
【請求項25】
検査室自動化システムが、操作者が免疫アッセイまたは臨床化学アッセイあるいは免疫アッセイと臨床化学アッセイとの両方を厳密に制御して監視するのを可能にするグラフィカルユーザインターフェースを有し、前記グラフィカルユーザインターフェースが、比較的経験の浅い操作者が検査室自動化システムを正しく使用できるように指示するために指示用の吹き出しを使用する、請求項11に記載の方法。
【請求項26】
検査室自動化システム内で生物学的試料からの核酸の抽出およびそのようにして抽出された核酸の増幅を実施する方法であって、前記方法が、複数の自動化されたプロトコルを含み、前記プロトコルが、マルチウェルプレートのウェルに生物学的試料を添加するステップと、マルチウェルプレートのウェルに試薬を添加するステップと、マルチウェルプレートのウェルの中身を混合するステップと、マルチウェルプレートのウェルの中身を培養するステップと、マルチウェルプレートのウェルの中身を洗浄するステップとを含む、方法。
【請求項27】
前記試薬がリーシス緩衝液を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
固定されたプロトコルに限定されないスケジュールによりマルチウェルプレートをキッティングするための吸引/分注プロトコルを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
マルチウェルプレートのウェルのキッティングステップが、マルチウェルプレートを磁性粒子処理装置に入れる前に実施されてよい、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
吸引/分注プロトコルでは、臨床化学アッセイまたは免疫アッセイあるいは臨床化学アッセイと免疫アッセイとの両方が行われている間に、核酸の抽出のために生物学的試料および試薬を分注するのに吸引/分注用のデバイスを使用することが可能である、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
臨床化学アッセイが免疫アッセイの間で実施され得てさらに免疫アッセイが臨床化学アッセイの間で実施され得るように、免疫アッセイおよび臨床化学アッセイがスケジュール設定され得る、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
試料容器、試薬容器およびマルチウェルプレートが、吸引/分注デバイスによって上昇、移動および降下される、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
吸引/分注デバイスのピペットが、試料容器、試薬容器およびマルチウェルプレートを握持してある位置から別の位置まで移すことができる握持デバイスを装備する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
無線周波数認識タグが、試薬容器、試料容器、試料容器運搬装置およびマルチウェルプレートのうちの少なくとも1つに配置される、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
無線周波数認識タグにより、試料および試薬を最初に分注するところから最後にマルチウェルプレートから結果を読み取るところまでマルチウェルプレートを追跡することが可能となる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
試薬容器および試料容器が、自動ロボット機構により冷凍保管領域から検査室自動化システムの分析セクションに移され得る、請求項26に記載の方法。
【請求項37】
検査室自動化システムを販売業者に接続するコンピュータインターフェースによって消耗品が発注される、請求項26に記載の方法。
【請求項38】
検査室自動化システムが、操作者が免疫アッセイまたは臨床化学アッセイあるいは免疫アッセイと臨床化学アッセイとの両方を厳密に制御して監視するのを可能にするグラフィカルユーザインターフェースを有し、前記グラフィカルユーザインターフェースが、容器内の液位の読み取りを単純化するために燃料計タイプの液位指示計を使用する、請求項26に記載の方法。
【請求項39】
検査室自動化システムが、操作者が免疫アッセイまたは臨床化学アッセイあるいは免疫アッセイと臨床化学アッセイとの両方を厳密に制御して監視するのを可能にするグラフィカルユーザインターフェースを有し、前記グラフィカルユーザインターフェースが、比較的経験の浅い操作者が検査室自動化システムを正しく使用できるように指示するために指示用の吹き出しを使用する、請求項26に記載の方法。
【請求項40】
臨床化学アッセイ、免疫アッセイ、核酸増幅アッセイ、および、それらの任意の組み合わせを実施することができる検査室自動化システムであって、前記検査室自動化システムが反応ベッセルとしてマイクロウェルプレートおよびディープマルチウェルプレートのうちの少なくとも1つの使用し、前記検査室自動化システムが、追加、除去または再構成され得るモジュールを有する、検査室自動化システム。
【請求項41】
臨床化学アッセイ、免疫アッセイ、核酸増幅アッセイ、および、それらの任意の組み合わせを実施することができる検査室自動化システムであって、前記検査室自動化システムが反応ベッセルとしてマイクロウェルプレートおよびディープマイクロウェルプレートのうちの少なくとも1つの使用し、前記検査室自動化システムが、複数の摺動カバーによって試薬の蒸発を制御するためのシステムを有する、検査室自動化システム。
【請求項1】
反応ベッセルとしてマイクロウェルプレートを使用する、臨床化学アッセイ、免疫アッセイ、または、臨床化学アッセイおよび免疫アッセイの両方を実施することができる検査室自動化ステム。
【請求項2】
複数の機能的モジュールを有する、請求項1に記載の検査室自動化システム。
【請求項3】
免疫アッセイモジュールを有し、前記免疫アッセイモジュールが磁性粒子プロセッサを有する、請求項2に記載の検査室自動化システム。
【請求項4】
磁性粒子プロセッサ内で同時に24もの免疫アッセイが実施され得る、請求項3に記載の検査室自動化システム。
【請求項5】
磁性粒子プロセッサ内で同時に96もの免疫アッセイが実施され得る、請求項3に記載の検査室自動化システム。
【請求項6】
同じ吸引/分注デバイスが、免疫アッセイおよび臨床化学アッセイの両方に対して、液体を吸引および分注するのに使用され得る、請求項1に記載の検査室自動化システム。
【請求項7】
バルク試薬を保持するための桶状部を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
生物学的試料からの核酸の抽出およびそのようにして抽出された核酸の増幅を実施することができ、サーマルサイクラ用に生物学的試料を調製するためにマルチウェルプレートを使用する検査室自動化システム。
【請求項9】
複数の機能的モジュールを有する、請求項8に記載の検査室自動化システム。
【請求項10】
生物学的試料から核酸を抽出するためのモジュールを有し、前記抽出モジュールが磁性粒子プロセッサを有する、請求項9に記載の検査室自動化システム。
【請求項11】
検査室自動化システム内で免疫アッセイおよび臨床化学アッセイを実施するための方法であって、前記方法が複数の自動化されたプロトコルを含み、前記プロトコルが、マイクロウェルプレートのマイクロウェルに試料を添加するステップと、マイクロウェルプレートのマイクロウェルに試薬を添加するステップと、マイクロウェルプレートのマイクロウェルの中身を混合するステップと、マイクロウェルプレートのマイクロウェル内の反応物を培養するステップと、マイクロウェルプレートのマイクロウェルの反応生成物を洗浄するステップとを含む、方法。
【請求項12】
マイクロウェルプレートのマイクロウェルの反応生成物を分離するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
固定されたプロトコルに限定されないスケジュールによりマイクロウェルプレートをキッティングするための吸引/分注プロトコルを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
マイクロウェルプレートのマイクロウェルのキッティングステップが、マイクロウェルプレートを磁性粒子処理装置に入れる前に実施される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
吸引/分注プロトコルでは、免疫アッセイが行われている間に臨床化学アッセイ用の試料および試薬を分注するのに吸引/分注用のデバイスを使用することが可能である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
臨床化学アッセイが免疫アッセイの間で実施され得てさらに免疫アッセイが臨床化学アッセイの間で実施され得るように、免疫アッセイおよび臨床化学アッセイがスケジュール設定され得る、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
試料容器、試薬容器およびマイクロウェルプレートが、吸引/分注デバイスによって上昇、移動および降下される、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
吸引/分注デバイスのピペットが、試料容器、試薬容器およびマイクロウェルプレートを握持してある位置から別の位置まで移すことができる握持デバイスを装備する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
無線周波数認識タグが、試薬容器、試料容器、試料容器運搬装置およびマイクロウェルプレートのうちの少なくとも1つに配置される、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
無線周波数認識タグにより、試料および試薬を最初に分注するところから最後にマイクロウェルプレートから結果を読み取るところまでマイクロウェルプレートを追跡することが可能となる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
磁性粒子プロセッサが均一免疫アッセイを実施するのに使用される、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
試薬容器および試料容器が、自動ロボット機構により冷凍保管領域から検査室自動化システムの分析セクションに移され得る、請求項11に記載の方法。
【請求項23】
検査室自動化システムを販売業者に接続するコンピュータインターフェースによって消耗品が発注される、請求項11に記載される方法。
【請求項24】
検査室自動化システムが、操作者が免疫アッセイまたは臨床化学アッセイあるいは免疫アッセイと臨床化学アッセイとの両方を厳密に制御して監視するのを可能にするグラフィカルユーザインターフェースを有し、前記グラフィカルユーザインターフェースが、容器内の液位の読み取りを単純化するために燃料計タイプの液位指示計を使用する、請求項11に記載の方法。
【請求項25】
検査室自動化システムが、操作者が免疫アッセイまたは臨床化学アッセイあるいは免疫アッセイと臨床化学アッセイとの両方を厳密に制御して監視するのを可能にするグラフィカルユーザインターフェースを有し、前記グラフィカルユーザインターフェースが、比較的経験の浅い操作者が検査室自動化システムを正しく使用できるように指示するために指示用の吹き出しを使用する、請求項11に記載の方法。
【請求項26】
検査室自動化システム内で生物学的試料からの核酸の抽出およびそのようにして抽出された核酸の増幅を実施する方法であって、前記方法が、複数の自動化されたプロトコルを含み、前記プロトコルが、マルチウェルプレートのウェルに生物学的試料を添加するステップと、マルチウェルプレートのウェルに試薬を添加するステップと、マルチウェルプレートのウェルの中身を混合するステップと、マルチウェルプレートのウェルの中身を培養するステップと、マルチウェルプレートのウェルの中身を洗浄するステップとを含む、方法。
【請求項27】
前記試薬がリーシス緩衝液を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
固定されたプロトコルに限定されないスケジュールによりマルチウェルプレートをキッティングするための吸引/分注プロトコルを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
マルチウェルプレートのウェルのキッティングステップが、マルチウェルプレートを磁性粒子処理装置に入れる前に実施されてよい、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
吸引/分注プロトコルでは、臨床化学アッセイまたは免疫アッセイあるいは臨床化学アッセイと免疫アッセイとの両方が行われている間に、核酸の抽出のために生物学的試料および試薬を分注するのに吸引/分注用のデバイスを使用することが可能である、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
臨床化学アッセイが免疫アッセイの間で実施され得てさらに免疫アッセイが臨床化学アッセイの間で実施され得るように、免疫アッセイおよび臨床化学アッセイがスケジュール設定され得る、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
試料容器、試薬容器およびマルチウェルプレートが、吸引/分注デバイスによって上昇、移動および降下される、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
吸引/分注デバイスのピペットが、試料容器、試薬容器およびマルチウェルプレートを握持してある位置から別の位置まで移すことができる握持デバイスを装備する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
無線周波数認識タグが、試薬容器、試料容器、試料容器運搬装置およびマルチウェルプレートのうちの少なくとも1つに配置される、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
無線周波数認識タグにより、試料および試薬を最初に分注するところから最後にマルチウェルプレートから結果を読み取るところまでマルチウェルプレートを追跡することが可能となる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
試薬容器および試料容器が、自動ロボット機構により冷凍保管領域から検査室自動化システムの分析セクションに移され得る、請求項26に記載の方法。
【請求項37】
検査室自動化システムを販売業者に接続するコンピュータインターフェースによって消耗品が発注される、請求項26に記載の方法。
【請求項38】
検査室自動化システムが、操作者が免疫アッセイまたは臨床化学アッセイあるいは免疫アッセイと臨床化学アッセイとの両方を厳密に制御して監視するのを可能にするグラフィカルユーザインターフェースを有し、前記グラフィカルユーザインターフェースが、容器内の液位の読み取りを単純化するために燃料計タイプの液位指示計を使用する、請求項26に記載の方法。
【請求項39】
検査室自動化システムが、操作者が免疫アッセイまたは臨床化学アッセイあるいは免疫アッセイと臨床化学アッセイとの両方を厳密に制御して監視するのを可能にするグラフィカルユーザインターフェースを有し、前記グラフィカルユーザインターフェースが、比較的経験の浅い操作者が検査室自動化システムを正しく使用できるように指示するために指示用の吹き出しを使用する、請求項26に記載の方法。
【請求項40】
臨床化学アッセイ、免疫アッセイ、核酸増幅アッセイ、および、それらの任意の組み合わせを実施することができる検査室自動化システムであって、前記検査室自動化システムが反応ベッセルとしてマイクロウェルプレートおよびディープマルチウェルプレートのうちの少なくとも1つの使用し、前記検査室自動化システムが、追加、除去または再構成され得るモジュールを有する、検査室自動化システム。
【請求項41】
臨床化学アッセイ、免疫アッセイ、核酸増幅アッセイ、および、それらの任意の組み合わせを実施することができる検査室自動化システムであって、前記検査室自動化システムが反応ベッセルとしてマイクロウェルプレートおよびディープマイクロウェルプレートのうちの少なくとも1つの使用し、前記検査室自動化システムが、複数の摺動カバーによって試薬の蒸発を制御するためのシステムを有する、検査室自動化システム。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図15F】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【図16E】
【図16F】
【図16G】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図19D】
【図19E】
【図19F】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図20D】
【図20E】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図21D】
【図21E】
【図21F】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図22D】
【図22E】
【図23】
【図24】
【図25A】
【図25B】
【図25C】
【図25D】
【図25E】
【図25F】
【図26A】
【図26B】
【図26C】
【図26D】
【図26E】
【図26F】
【図26G】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図15F】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【図16E】
【図16F】
【図16G】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図19D】
【図19E】
【図19F】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図20D】
【図20E】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図21D】
【図21E】
【図21F】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図22D】
【図22E】
【図23】
【図24】
【図25A】
【図25B】
【図25C】
【図25D】
【図25E】
【図25F】
【図26A】
【図26B】
【図26C】
【図26D】
【図26E】
【図26F】
【図26G】
【公表番号】特表2011−503544(P2011−503544A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532187(P2010−532187)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/081494
【国際公開番号】WO2009/061641
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/081494
【国際公開番号】WO2009/061641
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】
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