説明

自動トイレ流水装置

【課題】保守が容易で信頼性が高い自動流水装置の提供。
【解決手段】本体を含むトイレ流水装置であって、この本体が、供給ラインに通じる流入口64及び流水導管に通じる流出口32と、リップシール525における、柔軟な部材528の密閉作用の際に該流入口及び該流出口間の水流を閉鎖し、該流入口から該流出口への流れを制御するように配置されている本体内のバルブアセンブリ514と、該可動部材の動作を作動させるアクチュエータ50とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本願は、本文に引用することその内容が全て取り入れられる、2001年12月4日に提出さ
れた"Adaptive Object-Sensing System for AutomaticFlushers"と題する米国特許出願第10/012,252号、2001年12月4日に提出された"Automatic FlowController Employing Energy-Conservation Mode"と題する米国特許出願第10/012,226号、2001年12月4日に提出され
た"Assemblyof Solenoid controlled Pilot-Operated Valve"と題する米国特許出願第10/011,390号、2002年3月5日に提出された"Controllinga Solenoid Based on Current Time Profile"と題する米国特許出願第60/012,252号、2002年6月24日に提出された"HighFlow-Rate Diaphragm Valve And Control Method"と題する米国特許出願第60/391,282号、2002
年11月6日に提出された"AutomaticBathroom Flushers for Long-Term Operation"と題す
る米国特許出願第60/424,378号から優先権を主張する。
技術分野
本発明は、自動トイレ流水装置及びその流水装置を操作及び制御する方法を対象としている。
背景情報
自動流水制御システムは、特に公衆トイレ設備の大便器及び小便器の両方でますます普及してきている。自動蛇口及び流水装置は、衛生、設備の清浄度、節水に寄与する。このようなシステムにおいて、物体センサが使用者を検知し、使用者を検知することに応答して流水制御バルブを操作する。例えば自動蛇口の場合、蛇口の近くに使用者の手の存在又は動きによって、結果として通常蛇口から水が流れる。自動流水装置の場合、使用者が設備に近づき、その後離れたという事実の検知が、一般に流水動作を始動させる。
【0002】
このような物体センサに基づく自動流水制御の概念は新しくはないが、その用途は最近までかなり限られていた。その利用法は最近の電池式変換キットの可用性のため、より広範に広がってきている。これらのキットは、システムを供給網に電気技師を雇って配線する必要のない簡単な部品交換により手動設備を自動設備に変換することを可能にする。そのような電池式システムを使用すると、結局、その電池を交換する必要が出てくることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
非常に信頼性があり、長期間、保守の必要がなく又は最低限の保守を行うことで、稼動させることができる自動流水装置の必要性はいまだに存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ここで説明する発明は、自動トイレ流水装置及び、その流水装置を操作及び制御する方法を対象としている。
【0005】
一態様によれば、本発明はトイレ流水装置である。トイレ流水装置は、本体、バルブアセンブリ、アクチュエータを含む。本体は、流入口及び流出口を有し、バルブアセンブリは、本体内に配置され、バルブシートにある移動部材の密閉動作の際に流入口と流出口の間の水流を止めるように位置決めされ、それによって流入口から流出口への水流を制御する。アクチュエータは移動部材の動作を始動する。
【0006】
移動部材は、高流量率のフラム部材又は標準的なダイアフラム又はピストンとすることができる。トイレ流水装置はさらに、小便器又はトイレ使用者を検知する赤外線センサセ
ンブリを含んでもよい。さらにトイレ流水装置は、異なる種類の電気機械式、油圧式又は単なる機械式アクチュエータを含むことができる。
【0007】
別の態様によれば、本発明は、前記本体に取り付けられているカバーを含み、バルブアセンブリによって圧力チャンバを画定するトイレ流水装置である。トイレ流水装置はさらに、柔軟な部材の一方の端部のカバーに対して固定され、柔軟な部材のもう一方の端部がバルブアセンブリの可動部材に取り付けられている柔軟な部材を含み、このとき前記圧力チャンバ内の圧力を減少させるように配置されている前記柔軟な部材に通路が存在する。柔軟な部材は中空の管とすることができる。
【0008】
好適には、トイレ流水装置は自動流量制御システムを含む。自動流量制御システムは、赤外線形式の物体センサを使用することができる。
【0009】
本発明のもうひとつの重要な態様は、表示器を含む赤外線形式の物体センサの新しい設計である。赤外線センサにおいて、赤外線源(通常は赤外線発光ダイオード)は、赤外線を標的領域へ送るため、赤外線送信開口の後ろに配置されている。表示器は、赤外線発光ダイオードに対して逆平行に接続されているLED組合せ装置に含まれる可視発光ダイオー
ドとすることができる。組合せ装置が一方向に駆動されると、赤外線源は適切な開口を通して正常に光る。装置がもう一方の方向へ駆動されると、赤外線が通ったのと同じ開口を介して代わりに可視光が光る。この配列は、可視光の位置又は送信に対して別個の設備を設けることを排除する。
【0010】
本発明のさらにもうひとつの重要な態様は、自動流水装置を操作する新しいアルゴリズムである。自動流水装置は、制御回路がトイレを流すかどうかを決定することの基になる出力をもたらすための赤外線形式の物体センサを使用している。送信された放射線の各パルス後に、制御回路は得られる反射放射線の割合が前回のものと大きく異なるかどうか判定し、その割合の変化が正か負かを判定する。所定の方向を持つ、判定された次のデータ及びその値の合計から、制御回路は、使用者が設備に近づき、そしてそこから去ったかどうかを判定する。この判定に基づき、制御器は流水装置のバルブを操作する。つまり、制御回路は、反射の割合が低下した期間(適切な退避基準に従って)の前に反射の割合が増加した期間(適切な接近基準に従って)があったかどうかに基づいて流水基準を決定する。この実施例において、制御回路は、使用者がトイレに接近したかどうかを、反射の割合が所定の閾値を超えたかどうかに基づいて判定せず、使用者がトイレから離れたかどうかを、反射の割合が所定の閾値より低くなったかどうかに基づいて判定しない。
【0011】
本発明のさらにもうひとつの重要な態様は、上記で説明した自動流水装置を保管及び輸送する新しいシステム及び方法である。自動流水装置は、物体センサ(例えば赤外線センサ)及び手動の押しボタンアクチュエータを含む。流水装置が作動している時、押しボタンは、使用者が制御回路に流水装置のバルブを開くように信号を提供するように設計されている。しかし、ボタンアクチュエータが長時間押されたままの状態である場合、制御回路は、電力消費がごくわずかとなる節電モードをとる。保管又は輸送容器は、容器が閉まっている間はボタンアクチュエータを起動させるよう設計される。その結果、流水装置を制御回路の電池を取り付けた状態で梱包し、保管及び輸送中にそれらの電池を大幅に消費しないようにすることができる。代替的に、保管又は輸送容器は、制御回路に接続されているリードセンサと共働するように配置されている外部磁石を含んでいる。もし磁石が継続的にリードセンサを長時間作動させれば、制御回路は節電モードをとり、電力消費はごくわずかとなる。また保管及び輸送中に大幅な電池を消費することなく、電池を取り付けることができる「節電モード誘導」装置もある。
【0012】
さらにもうひとつの態様によれば、本発明は、バルブ装置の流入及び流出ポートの間の
液体の流量を制御する新しいバルブ装置及びそれに対応する方法である。新しいバルブ装置は、流体流入ポート及び流体流出ポート、バルブ本体、フラムアセンブリを含む。バルブ本体は、バルブ腔を画定し、バルブ閉鎖面を含む。フラムアセンブリは、2つの圧力域を備え、ガイド部材に対してバルブ腔内で移動可能である。フラムアセンブリは、開放位置に動き、2つのうち第1の圧力域における減圧の際に液体が流体流入ポートから流体流出ポートへ流れることができるように構成され、第1圧力域の増圧の際に閉鎖位置に動き、バルブ閉鎖面で密閉するように構成されている。
【0013】
好適な実施例によると、2つの圧力域はフラムアセンブリによって分離された2つのチャンバにより形成され、第1圧力域はパイロットチャンバを含む。ガイド部材は、ピン又はバルブ本体の内壁とすることができる。
【0014】
フラム部材(アセンブリ)は、柔軟な部材及び硬い部材を含み、この時柔軟な部材は閉鎖位置でシールを形成する(例えば、バルブ閉鎖面に位置するシールリップにおいて)ためにバルブ閉鎖面と接触するように構成されている。バルブ装置はバイアス部材を含んでいる。バイアス部材は、フラム部材が開放位置から閉鎖位置へ動くのを助けるように構成され、配置されている。バイアス部材をバネとすることができる。
【0015】
例えば、バルブは、パイロットチャンバ内の圧力を解放するように構成及び配置されている電気機械式オペレータによって制御され、それによってフラムアセンブリの閉鎖位置から開放位置への移動が始動される。オペレータは、ラッチアクチュエータ(本文に引用することによって、本願に取り込まれる米国特許第6,293,516号で説明されているように
)、非ラッチアクチュエータ(本文に引用することによって、本願に取り込まれる米国特許第6,305,662号で説明されているように)、又は隔離されたオペレータ(本文に引用す
ることによって、本願に取り込まれるPCT出願PCT/US01/51098で説明されているように)
を含むことができる。またバルブは、パイロットチャンバ内で圧力を解除するように構成及び配置されている手動オペレータによって制御され、含み、それによってフラム部材の閉鎖位置から開放位置への移動が始動される。
【0016】
フラムアセンブリを含む新規のバルブ装置は、自動又は手動トイレ流水装置における水流を調整するために使用される。
【0017】
他の態様によれば、本願は新しい電磁アクチュエータ及び、その電磁アクチュエータを操作し制御する方法である。電磁アクチュエータは、一部が膜で囲まれているプランジャーを含む電機子を受容するように構成及び配置されている電機子ハウジングの周りに巻かれたソレノイドを含む。電機子は、電機子の遠位部及び近位部の間の電機子流体の移動のための流体通路をもたらし、それによって閉鎖位置及び開放位置の間の電機子のエネルギー的に効率のよい動きを可能にする。膜は、電機子ハウジングに対して固定され、電機子流体を一定の容積を有する電機子ポケット内に密封するように配列され、そこでプランジャー(すなわち遠位部分又は電機子)の移動により、膜がバルブ通路に対して変位し、それによって通路が開いたり閉じたりする。これにより、低エネルギー電池によって長時間の稼動が可能となる。
【0018】
この態様の好適な実施例には、次の特徴のうち1つ又はそれ以上が含まれる。アクチュエータは、非ラッチアクチュエータのラッチアクチュエータ(電機子を保持するための永久磁石を含む)でもよい。電機子の遠位部分は、電機子がその伸びた電機子の位置に配置されているときに、バルブシートに対抗して作動するように設計されている異なる形式のダイアフラムとともに共働するように配置されている。電磁アクチュエータは、任意の電機子センサからの出力に応じて、前記コイルの駆動を前記コイルに適用するように構成されている制御回路に接続されている。
【0019】
電機子センサは、電機子が端部位置(開放位置又は閉鎖位置)に達した電機子を感知する。制御回路は、コイルの駆動信号のコイルへの適用を第1駆動方向で導くことができ、第1駆動方向へのコイルへのコイル駆動の適用を開始又は停止する所定の第1電流停止基準を満たしているセンサからの出力に応答する。制御回路は、所定の基準を満たしているセンサからの出力に応じたコイルへのコイル駆動信号の適用を誘導又は停止することができる。
【0020】
もうひとつの態様によれば、本発明は電磁アクチュエータ及びパイロットボタンの新規なアセンブリである。パイロットボタンは、主要なバルブの均一な長期にわたる操作を実現する重要な新規の機能を有する。また本発明は、均一な長期にわたる動作を達成するパイロットバルブ操作による自動流量調整器を組み立てる新しい方法である。
【0021】
パイロットバルブ操作による自動流量調整器を組み立てる方法には、主バルブアセンブリ及びパイロットバルブアセンブリを設けるステップが含まれ、パイロットバルブアセンブリには静止アクチュエータ及びパイロット本体部材が含まれ、このパイロット本体部材にはパイロットバルブ流入口、パイロットバルブシート、パイロットバルブ流出口が含まれている。この方法は、パイロットバルブアセンブリを主バルブの圧力解放出口から流れる液体がパイロットバルブ流入口を介して、パイロットバルブシートを通過し、パイロットバルブ流出口を通って流れざるをえないように、それによってパイロットバルブアセンブリが主バルブアセンブリの圧力チャンバ(すなわちパイロットチャンバ)の圧力の解放を制御するよう配置されているように、主バルブアセンブリにパイロットバルブアセンブリを固定するステップを含む。主バルブアセンブリは、主バルブ流入口、主バルブシート、主バルブ流出口、圧力チャンバ(すなわちパイロットチャンバ)、圧力チャンバ(パイロットチャンバ)内の圧力を解放可能な圧力解放出口を有する主バルブ本体を含む。主バルブ部材(例えばダイアフラム、ピストン又はフラム部材)は、主バルブシートに対して密閉し、それによって主流入口から主流出口への流れを防止する閉鎖位置と、このような流れを可能にする開放位置との間で移動可能である。動作中に、主バルブ部材は、加圧されたパイロットチャンバが主バルブ部材をその閉鎖位置へ付勢するように、また加圧されていないパイロットチャンバ(パイロットバルブアセンブリを使用して圧力が解放された時)がその開放位置に主バルブ部材を置くように、圧力チャンバ(すなわちパイロットチャンバ)の圧力にさらされる。
【0022】
さらに他の態様によれば、本発明は新しい電磁アクチュエータシステムである。この電磁アクチュエータシステムは、アクチュエータ、制御器及びアクチュエータセンサを含む。アクチュエータは、ソレノイドコイル及び、可動関係にある電機子を受容するように構成及び配置されている電機子ハウジングを含む。制御器は、電機子を移動するように駆動信号をソレノイドコイルにもたらすよう構成されている駆動体に結合され、それによって流体が流れるバルブ通路が開き又は閉じる。アクチュエータセンサは、電機子の位置を感知し、制御器へ信号をもたらすように構成及び配置されている。
【0023】
この態様の好適な実施例は、次の特徴の1つ又はそれ以上を含む。センサは電機子の移動によって誘導された電圧を検知するように構成されている。代替的には、センサは電機子の移動による駆動信号に対する変化を検知するよう構成及び配置されている。
【0024】
代替的には、センサは、駆動信号の少なくとも一部を受容するように配置されている抵抗器及び、抵抗器を通る電圧を測定するように構成されている電圧計を含む。代替的には、センサは、駆動信号の少なくとも一部を受容するように配置されている抵抗器及び、この抵抗器を通って流れる電流を受容する微分回路を含む。
【0025】
代替的には、センサは、電機子の移動により誘導された電圧を検知するように構成及び配置されているコイルセンサを含む。コイルセンサは、制御器へ調整された信号をもたらす信号調整器に対するフィードバック配列に接続することができる。信号調整器は、前置増幅器及び低域フィルタを含む。
【0026】
代替的には、システムは、それぞれ電機子の移動により誘導された電圧を検知するように構成及び配置されている2つのコイルセンサを含む。2つのコイルセンサは、差分信号を制御器へもたらすように構成されている差動増幅器に対するフィードバック配列に接続されている。
【0027】
アクチュエータセンサには、光学センサ、容量センサ、インダクタンスセンサ又は電機子の移動による信号の変化を敏感に検知するブリッジが含まれる。
【0028】
アクチュエータは、ソレノイドが駆動信号を受容した際、電機子が直線的に移動するように構成及び配置されている電機子ハウジングを有する。アクチュエータは、ソレノイドコイルにいかなる駆動信号も届いていない状態で、電機子を通路の開いた状態に保持するように構成されているラッチアクチュエータとすることができる。ラッチアクチュエータは、電機子を通路の開いた状態に保持するように配列されている永久磁石を含むことができる。さらにラッチアクチュエータは、電機子を伸びた位置に向かって偏らせ、いかなる駆動信号もソレノイドコイルに届かない状態で通路の閉じた状態にするように配置及び配列されているバイアスバネを含む。
【0029】
制御器は、駆動体を誘導し、アクチュエータセンサからの信号により、駆動信号をさまざまなレベルでもたらすように構成されている。駆動信号は電流とすることができる。システムは、駆動体へ電圧をもたらす昇圧器を含んでもよい。
【0030】
制御器は、駆動体を誘導し、第1駆動方向で駆動信号をもたらし、それによって第1端部位置に達するように電機子に力が生じるように構成されている。また制御器は、アクチュエータセンサからの信号に基づいて電機子が第1方向に移動したかどうかを判定するよう構成され、もし電機子が所定の第1駆動時間内に移動しなければ、制御器は、駆動信号の初期のレベルよりも高い、第1方向への上昇した駆動レベルで、第1方向への駆動信号の適用をコイルに導く。
【0031】
制御器は、駆動信号を第1駆動方向へもたらし、それによって第1端部位置に達するように電機子に力が生じるように駆動体を始動させるように構成されている。また制御器は、電機子が第1方向に移動したかどうかをアクチュエータセンサからの信号に基づいて判定するように構成され、電機子が移動した場合、制御器は第1方向へのコイルへの駆動信号の適用を、駆動信号の初期レベルよりも低い第1方向への駆動レベルで導く。
【0032】
アクチュエータシステムは、アクチュエータセンサからの信号に基づいて通路にある流体の特徴を判定するように構成されている制御器を含んでいてもよい。流体の特徴は、圧力、温度、密度又は粘度とすることができる。アクチュエータシステムには、流体の温度を判定するための温度センサを別途含むことができる。
【0033】
アクチュエータシステムは、アクチュエータセンサからの信号に基づいて通路にある流体の圧力を判定するように構成されている制御器を含んでいてもよい。アクチュエータシステムは、制御器に結合されている外部駆動センサ又は人検知センサからの信号を受容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】トイレ及びそれに付随する自動流水装置の側面図である。
【図1A】小便器及びそれに付随する自動流水装置の側面図である。
【図2A】流水装置の第1実施例の断面図である。
【図2B】流水装置の第1実施例の断面図である。
【図3A】流水装置の第2実施例の断面図である。
【図3B】流水装置の第2実施例の断面図である。
【図4】流水装置の第3実施例の断面図である。
【図5】図2A及び図4Aに示す栓の流量を制御するバルブの拡大断面図である。
【図5A】図5に示すバルブの分解斜視図である。
【図5B】図5に示すバルブのもう1つの実施例の拡大断面図である。
【図5C】図5に示すバルブのもう1つの実施例の拡大断面図である。
【図4A】流水装置の制御回路のブロック図である。
【図6】代替的な形態の送信機及び受光レンズ及び前方回路ハウジング部品の正面図である。
【図6A】図6の6A―6A線で切った断面図である。
【図6B】流水装置の変換キットのサブアセンブリに使用することができる容器の等角図である。
【図6C】図6Bの6C―6C線で切った断面図である。
【図6D】図2又は図3で示す形式の流水装置変換キットに使用することができる容器の等角図である。
【図6E】容器に含まれているボタン押し込み装置の詳細な断面図である。
【図7】図5〜図6Bに示すいずれか1つのバルブを制御するための電気機械式アクチュエータの第1実施例の断面図である。
【図7A】図7に示す電気機械式アクチュエータの分解斜視図である。
【図7B】図5〜図6Bに示すバルブを制御するための電気機械式アクチュエータの第2実施例の断面図である。
【図7C】図5〜図6Bに示すバルブを制御するための電気機械式アクチュエータの第3実施例の断面図である。
【図7D】図7〜図7Cに示すアクチュエータで使用される膜のもう1つの実施例の断面図である。
【図7E】図7〜図7Cに示すアクチュエータで使用される膜及びパイロットボタンのもう1つの実施例の断面図である。
【図7F】図7〜図7Cに示すアクチュエータで使用される電機子ボビンのもう1つの実施例の断面図である。
【図8】図7、図7A、図7B又は図7Cに示す電気機械式アクチュエータの動作を制御するための制御システムのもう1つの実施例のブロック図である。
【図8A】図7、図7A、図7B又は図7Cに示す電気機械式アクチュエータの動作を制御するための制御システムのさらにもう1つの実施例のブロック図である。
【図8B】図8A又は図8Bの流量制御システムで使用されるマイクロコントローラへのデータ流入のブロック図である。
【図9】0 Pa(0 psi)の逆流圧力の水道に接続されている図7、図7A、図7B又は図7Cに示すバルブアクチュエータに対する電流と時間の関係を示す図である。
【図9A】8.27×105Pa(120psi)の逆流圧力の水道に接続されている図7、図7A、図7B又は図7Cに示すバルブアクチュエータに対する電流と時間の関係を示す図である。
【図9B】図7、図7A、図7B又は図7Cに示すアクチュエータに関する水圧に対するラッチ時間の依存性を具体的に示す図である。
【図10】図2、図3又は図4に示す流水装置を制御するのに使用される流水サイクルのフロー図である。
【図11】流水装置が発光ダイオードを駆動するのに使用する回路の概略図である。
【図12A】図4の制御回路が実行するルーチンの簡略化したフローチャートを示す図である。
【図12B】図4の制御回路が実行するルーチンの簡略化したフローチャートを示す図である。
【図12C】図4の制御回路が実行するルーチンの簡略化したフローチャートを示す図である。
【図13A】図12A、図12B、図12Cのルーチンにおけるステップのより詳細なフローチャートを示す図である。
【図13B】図12A、図12B、図12Cのルーチンにおけるステップのより詳細なフローチャートを示す図である。
【図14】流水装置の動作を制御するための新しいアルゴリズムを具体的に示す図である。
【図15】自動流水装置のもう1つの実施例の正面図である。
【図15A】図15の15A―15A線で切った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1には流水装置10を示すが、この流水装置10は、供給ライン12から加圧された水を受容し、一般には赤外線形式の物体センサを利用して、水が供給ライン12から流水導管16を通ってトイレボウル18に流れるようにするバルブを選択的に開くことによって、標的領域14内の対象の動きに反応する。図1Aは、小便器18Aを自動的に流すための流水装置10を示す。上記したように、流水装置10は加圧された水を供給ライン12から受容し、物体センサを利用して、水が供給ライン12から流水導管16を通って小便器18Aに流れるようにするバルブを選択的に開くことによって、標的領域14A内の対象の動きに反応する。
【0036】
図2A及び図2Bは、自動流水装置10の第1の実施例を詳細に示す。図2Bは、流水導
管16の上端近くに形成されている入口チャンバ壁22によって画定されている環状入口チャンバ20と連通する供給ライン12を示す。保持リング25によってチャンバハウジングに固定されている圧力キャップ24は、それ自身と流水導管16の口により形成されている主バルブシート30上に配置された柔軟なダイアフラム28の外縁26のハウジングの間を締め付ける。
【0037】
入口チャンバ20内に広がる供給圧は、柔軟なダイアフラム28を押しのけ、それによって水が供給ライン12から流水導管16の内側32内に流れるようにする傾向がある。しかしダイアフラム28は、通常ダイアフラム28により形成されている流出孔34が、入口チャンバ20と、圧力キャップ24により形成された主圧力チャンバ36との間の圧力を等しくする傾向があるために密閉されている。具体的には、入口チャンバ20の圧力が流水導管16の外側にのみ広がるのに対し、主圧力チャンバ36内の圧力はダイアフラム貫通供給管38の外側のあらゆる場所に広がるため、この結果、上方チャンバ36に広がる圧力は、ダイアフラム28に入口チャンバ20内の同じ圧力より強い力を及ぼす。
【0038】
また流水装置は、あらゆる周知のソレノイドを含み得る又は米国特許第6,293,516号又
は第6,305,662号(どちらも本文に引用することによって、その内容を取り込む)で説明
されているアクチュエータセンブリ40を含み得るソレノイド作動アクチュエータセンブリを含む。代替的には、ソレノイド作動アクチュエータセンブリは、2001年10月25日に提出され、本文に引用することによって、全体を本明細書に再掲したとして取り込まれるPCT出願番号PCT/US01/51098に詳細に説明されている絶縁アクチュエータセンブリ40Aを含む。またこの絶縁アクチュエータセンブリ40Aは、本明細書では、オペレータの密閉形
式と呼ばれる。
【0039】
トイレ18を流すため、回路42によって制御されているソレノイド作動アクチュエータセンブリ40は、主圧力チャンバ38内の圧力を、下記でより詳細に説明する方法で、パイロット入口と、圧力キャップ24のパイロットハウジング部48により形成されている出口流路44及び46との間に流体の流れを可能にすることによって解放する。操作の詳細な説明を下記に記載する。
【0040】
図3(図2A及び3Bからなる)は、自動流水装置10の第2の実施例を詳細に示す。この実施例では、下記の図5Cに関連して詳細に説明するフラムアセンブリを利用した新し
い高流量率バルブ600(図3Bに示す)を使用する。図2Aと図3Bを参照すると、自動
流水装置10はフラム部材626の支持材632によって支持されている柔軟な部材628と連通している供給ライン12から水の流入を受容する。溝638及び638Aはパイ
ロットチャンバ642への水の流路をもたらす。アクチュエータは、パイロットチャンバ642内の圧力を解放し、したがってバルブ600を開き始める。そして水はバルブシート625によって流入ライン12から出口チャンバ32へ流れる。全流水サイクルは、図2Aに示す回路42によって制御されているソレノイド作動アクチュエータセンブリ40
によって制御されている。操作の詳細な説明を下記に記載する。
【0041】
図4は、自動流水装置10の第3の実施例を詳細に示す。自動流水装置10は、高性能
で、電子制御式又は手動制御式のタンクのない流水システムである。水は、好適には適切なプラスチック樹脂から形成されている流入ユニオン12を通って流入する。ユニオン12は、建物の給水システムと相互に作用する流入継手12Aにねじを介して取り付けられ
ている。さらに、ユニオン12は、水が全くない時に、流入口供給ラインと整列するように、自身の軸の周りを回転するよう設計されている。
【0042】
さらに図4を参照すると、ユニオン12は留め具60及び放射状シール62により流入口パイプ64に取り付けられ、これによりユニオン12は流入口パイプ64に沿って中へ又は外へ移動可能である。この移動により、流入口を供給ラインに対して整列させることができる。しかしながら留め具60が固定された状態では、ユニオン12の接合部により流入口64に圧力がかけられる。これにより、固定され、シール部材62を介して密閉された装置が形成される。供給水は、ユニオン12を通り流入口64へ、及び流入口バルブアセンブリを通って要素76、78、70、72、74の方向へ移動する。また自動流水装置10は、部材82により形成されている通路内にあり、主バルブシート525に連通する流入口スクリーンフィルター80を含み、主バルブ全体の動作は図5、5A、5Bに関連して説明する。
【0043】
図5、5A、5Bに関連して説明するように、電磁アクチュエータ50は主バルブの動作を制御する。開いた状態において、水は流路528、流路528A、流路528Bを介して主流出口532へ流れる。閉じた状態において、フラム要素528はバルブの主シート525を密閉する。
【0044】
自動流水装置10は、Oリングシールに84及び54Aを介して物体54から密閉されているバルブ要素514及び540とともにねじを切られているバルブ要素54の回転によって制御されている調整可能な流入バルブ72を含む。バルブ要素514及び540のアセンブリは、要素52が最後までねじ込まれている場合、ねじ込み要素52により下方に保持されている。その結果生じる力がバルブ要素72の上の要素82を押し下げるため、流入口78から物体82の流路への経路が生成される。バルブ要素52が最後までねじ込まれていない場合、バルブアセンブリ514及び540は、調整可能バルブ70内に配置されているバネ力により上方へ移動する。78からの流入口流体圧力と結合されたバネ力は、要素72をシート72Aに押し付け、その結果密閉作用が生じる。シール要素74は
、82の内側の流路への水の流れを阻止し、それによって供給水を流入口12で止める必
要なしに、要素82、50、514、50、528を含む全ての内部バルブ要素の点検が可能になる。これは、この実施例の大きな利点である。
【0045】
調整可能バルブ70の他の機能によれば、ねじ込まれた保持器は途中で固定され、その結果物体要素514及び82は部分的にしかバルブシート72を押し下げない。流量制限をもたらし、バルブ70を介して流入水の流れを少なくする部分的な開口がある。この新しい機能は、用途の特別な要件を満たすように設計されている。設置者が流量制限を利用できるようにするため、バルブ体54の内側には、1.6W.C 1.0GPF小便器などの用途に特
別な印が含まれている。
【0046】
自動流水装置10は、ハウジング144内に配置され、図2Aに関連して説明されるセ
ンサに基づく電子流水システムを含む。さらに、センサに基づく電子流水システムは、全ての機械的起動ボタン又はレバーと置き換えることができる。代替的には、流水バルブは、水圧遅延配列を作動する水圧同期機械式アクチュエータによって制御することができる。このような水圧システムは、ハウジング144内に配置することができる。水圧システムは、1.6GPFW.Cなどの所定の設備に対する必要な流水量に相応する遅延時間に調整され
得る。水圧遅延機構は、パイロット区域の流出口の開口部を、電磁アクチュエータ50(図4に示す)の代わりに設置者の事前設定値と等しい時間分開けることができる。
【0047】
代替的には、制御回路42は、ハウジング144に収納されている感知要素を同期制御回路に取り替えるために変更され得る。電気機械式スイッチ(又は容量スイッチ)による流水装置の作動時、制御回路は電磁アクチュエータ50を事前設定レベルに等しい継続時間だけ作動させることによって流水サイクルを起動する。このレベルは、工場で又は当分野の設置者により設定される。この配列は、下記で説明する静水圧測定機構と組み合わせて、流す度ごとの所望量に与える圧力の影響を相殺するができる。
【0048】
図4の実施例には、いくつかの利点がある。水圧又は電気機械式制御システムは、設備への供給水を遮断する必要なく点検することができる。さらにバルブ機構は、設備の中を通る液体量の制御を可能にする。主流水バルブは、図5、5A、5Bに関連して詳細に示す設計を含む。この流水バルブ配列は、図2Bに示すような従来のダイアフラム形式の流水
バルブと比較した場合、高流量率(そのバルブの寸法に対して)をもたらす。
【0049】
図4の実施例は、説明した制御回路と組み合わせると、1回流すごとに送られる水量を正確に制御できる低出力双安定電磁アクチュエータとともに流体制御バルブをもたらす。下記で説明するように、流体静圧を測定する能力及び次に主バルブの開放時間を変更することにより、送られる水量を動的に制御することができる。つまり、このシステムは、給水ラインにおける圧力変動に関わらず、選択した水量を送ることができる。
【0050】
システムは、制御電子回路から電磁アクチュエータへ、ワイヤー/コネクター配列を使用することなく、電気制御信号を変換するための柔軟な伝導ばね接触配列を含み得る。またシステムは、直接機械レバー又は機械的なレベルを使用して、次に主バルブパイロット配列として機能する水圧遅延配列を始動させ、主流水バルブの作動を可能とする。個々の機能は下記で詳細に説明する。
【0051】
図5は、図3又は4に示す蛇口の実施例で使用されるバルブ500の好適な実施例を示す。バルブ装置500は、バルブアセンブリ514、流入ポート518、排出ポート520のための空洞をもたらすバルブ本体513を含む。バルブアセンブリ514は、基部体522、遠位体524、フラム部材526(図5A)を含む。フラム部材526は、柔軟
な部材528及び支持部材532を含む。柔軟な部材528は、スライドシールを有するダイアフラム様の部材とすることができる。支持材532は、プランジャー様の部材又は
ピストン様の部材でもよいが、従来のプランジャー又はピストンとは異なる構造的特性及び機能的特性を有する。またバルブアセンブリ514は、ガイドピン536又はスライド表面のようなガイド部材を含み、またバネ540を含む。
【0052】
基部体522は、遠位体524のねじ付き表面524Aと共働するように寸法決めされ
たねじ付き表面522Aを含む。フラム部材526(したがって柔軟な部材528とプラ
ンジャー様の部材532)は、ガイドピン536が入るように構成及び配置されている開口527を含む。フラム部材526は、制御通路544A及び544Bを介してアクチュエータ孔550に流体結合するように配置されているパイロットチャンバ542を画定する。アクチュエータ孔550は、制御通路546を介して排出ポート520に流体結合している。ガイドピン536は、流入チャンバ519とパイロットチャンバ550の間に圧力伝達通路を提供するためにフラム開口527(図5A)と一緒に構成及び配置されているV字形又はU字形の溝538を含む。
【0053】
さらに図5を参照すると、遠位体524は、流入ポートチャンバ529及び流出ポートチャンバ521の間にシールをもたらすように、柔軟な部材528と一緒に配置されている環状リップシール525を含む。また遠位体524は、流入チャンバ519と流出チャンバ521の間に連絡(開いた状態で)をもたらす1個又は数個の流路517を含む。また柔軟な部材528は、バルブ本体522に対して、パイロットチャンバ542と排出チャンバ521の間にスライドシールをもたらすように配置されているシーリング部材529A及び529Bを含む。シール529A及び529B(図5)の実現可能な様々な実施例がある。このシールは、シール530(図5Aに示す)のように片面でもよく、又は図5に
示す両面シール529A及び529Bでもよい。さらに、Oリングなどを含むスライドシー
ルのさまざまな付加的な実施例がある。
【0054】
本発明は、様々な寸法のバルブ装置10を想定している。例えば、図2に示す「通常の」寸法の実施例では、ピン直径A=0.178cm(0.070インチ)、バネ直径B=0.914cm(0.360
インチ)、柔軟な部材の直径C=1.85cm(0.730インチ)、全体のフラム及びシール直径D=2.06cm(0.812インチ)、ピン長さE=1.14cm(0.450インチ)、本体高さF=0.965cm(0.380
インチ)、パイロットチャンバ高さG=0.711cm(0.280インチ)、フラム部材の寸法H=0.406cm(0.160インチ)、フラム可動域I=0.254cm(0.100インチ)である。バルブ全体の高さは約3.53cm(1.39インチ)で、直径は約2.99cm(1.178インチ)である。
【0055】
「ハーフ」サイズの実施例(図2に示したバルブの)では、図2に示すものと同一の参照文字(各文字が下付き文字1を含む)が付いた次の寸法を有している。この「ハーフ」サイズバルブにおいて、A1=0.178cm(0.070インチ)、B1=0.762cm(0.30インチ)、C1=1.42cm(0.560インチ)、D1=1.65cm(0.650インチ)、E1=0.965cm(0.38インチ)、F1=0.787cm(0.310インチ)、G1=0.546cm(0.215インチ)、H1=0.316cm(0.125インチ)、I1=1.52cm(0.60インチ)である。ハーフサイズの実施例の全体の長さは約3.43cm(1.350インチ)で、直径は約2.17cm(0.855インチ)である。同様に、図5B又は5Cのバルブ装置は、
様々なより大きな又はより小さな寸法とすることができる。
【0056】
図5及び5Bを参照すると、バルブ500は液体を流入ポート518で受容し、ダイア
フラム様の部材528へ圧力をかけ、リップ部材525と共に閉じた状態で密閉をもたらす。溝通路538は、連絡通路544A及び544Bを介してアクチュエータ孔550と連通しているパイロットチャンバ542との圧力伝達をもたらす。アクチュエータ(図4A
及び5Cに示す)は、表面548で通路544A及び544B、及びしたがってパイロット
チャンバ542を密閉してシールを提供する。アクチュエータ142又は143のプランジャーが表面548から離れると、流体は通路544A及び544Bを介して制御通路546へ、そして流出ポート520へ流れる。これにより、パイロットチャンバ542内に圧
力低下が生じる。したがって、ダイアフラム様の部材528及びピストン様の部材532は、孔542内で直線的に移動し、それによってリップシール525で比較的大きな流体開口がもたらされる。大量の流体が流入ポート518から流出ポート520へ流れることができる。
【0057】
アクチュエータ142又は143のプランジャーが制御通路544A及び544Bを密閉すると、流入ポート518から溝538を通るためパイロットチャンバ542内で圧力が増大する。パイロットチャンバ542内の増大した圧力は、バネ540の力とともに、フラム部材526を、ガイドピン536の上を直線的にシールリップ529の方へ滑動させて移動する。パイロットチャンバ542内に十分な圧力があると、ダイアフラム様の柔軟な部材528は、流入ポートチャンバ519をリップシール525において密閉する。好適には、軟部材528は滑動中にガイドピン536の溝538を清掃するように設計されている。
【0058】
図5の実施例は、バルブ500が通路544A、544B及び546(及びアクチュエータ701のプランジャーの位置)に対して対称的に配置されている流入チャンバ519(及びガイドピン536)を有することを示す。しかしながらバルブ装置500は、通路544A、544B(図示されていない)及び通路546に対して非対称的に配置されている流入チャンバ519(及びガイドピン536)を有していてもよい。つまり、このバルブは、アクチュエータ142又は143のプランジャーの位置に対して非対称的に配置されている流入チャンバ519(及びガイドピン536)を有する。対称的な実施例及び非対称的な実施例は同等である。
【0059】
図5Cを参照すると、バルブ装置600はバルブアセンブリ614に孔をもたらすバル
ブ本体613、流入ポート618、流出ポート620を含む。バルブアセンブリ614は、基部体602、遠位体604、フラム部材又はアセンブリ626を含む。フラム部材626は、柔軟な部材628及び支持部材632を含む。柔軟な部材628は、スライドシールを有するダイアフラム様の部材とすることができる。支持部材632は、プランジャー様の部材又はピストン様の部材とすることができるが、従来のプランジャー又はピストンとは異なる構造的特性及び機能的特性を有する。バルブ本体602は、1つ又は数個の溝638及び638Aを含む内壁上に配置されているガイド表面636をもたらす。これ
らは、周辺に位置する(図5及び図5Aに示す中央流入チャンバとは異なる)流入チャン
バから流路をもたらすように構成されている新規な溝である。
【0060】
フラム部材626は、制御通路644A及び644Bを介してアクチュエータ孔650と流体連通するように配列されているパイロットチャンバ642を画定する。アクチュエータ孔650は、制御通路646を介して流出チャンバ621と流体連通している。溝638(又は溝638及び638A)は、流入チャンバ619とパイロットチャンバ642の
間に連絡通路をもたらす。遠位体604は、流入ポートチャンバ619と流出ポートチャンバ621の間を密閉するために、柔軟な部材628と共働するように配列されている環状リップシール625を含む。また遠位体624は、流入チャンバ619と流出チャンバ621の間を連絡し(開いた状態で)、大量の流体を流す流路617を含む。また柔軟な部材628は、バルブ本体622に対するスライドシールを、パイロットチャンバ642と流入チャンバ619の間にもたらすように配列されているシール部材629A及び62
9B(又は圧力条件によって片面シール部材)を含む。(もちろん、上記で説明したよう
に、溝638は流入チャンバ619からパイロットチャンバ642への流量の制御を可能にする。)
さらに、動作を制御するシステムへ進む。図2及び図3に示す実施例に関して、図2A
に示すように、動作制御回路42が、前方部116、中央部118及び後方部120の3つの部分からなる回路ハウジングに収容されている。図示しないネジが、前方部116を
中央部118に固定し、それに後方部120がネジ122のようなネジによって次に固定される。そのネジは、中央ハウジング部118がその目的により形成する凹所に超音波溶接されたブッシュ124にねじにより係合する。コンデンサ128及び図示しないマイクロプロセッサのような多くの部品が取り付けられている主回路基板126が、ハウジング内に取り付けられている。補助回路基板130は、次に主回路基板126に取り付けられている。補助回路基板130に取り付けられるのは発光ダイオード132であり、同じくその基板上に取り付けられている送信機フード134に部分的に取り囲まれている。
【0061】
前方回路ハウジング部116は、前方及び後方の研磨面138及び140を有する送信機レンズ部136を形成する。送信機レンズ部は、流水装置ハウジング146内に形成されている発光ダイオード132からの赤外線を赤外線透過窓144を介して焦点に集める。図1のパターン148は、その結果得られる放射電力分布を表している。部品116によって形成された受光レンズ152は、受容した光を主回路基板126上に取り付けられているフォトダイオード154に焦点合わせし、フォトダイオード154は対象から反射された光に対する図1の感度のパターンを結果生じる。
【0062】
送信機発光ダイオード132のように、フォトダイオード154にはフードが設けられ、この場合はフード156である。フード134及び156は不透明で、ノイズ及び漏話を減らす傾向がある。また回路ハウジングは、光学雑音も制限する。中央部118及び後方部120は、Lexan141 ポリカーボネートのような不透明材料から形成され、一方前方
部116は、効果的なレンズ136及び152を形成することができるようにLexanOQ2720 ポリカーボネートのような透明材料から形成され、レンズでない部分に粗い及び/又は被覆された外面を有し、そこを介する透過を減少させる。前方部116に取り付けられている不透明のブラインダ158は、発光ダイオード132からの赤外線送信のための中央開口160を残すが、一方で漏話の一因となり得る迷光の伝達を阻止する。同じく漏話を防ぐために、不透明のストッパ162が、その目的のために、回路ハウジングの前方部116内に設けられているスロットに固定されている。
【0063】
図2Aの配列において、送信機及び受光レンズが回路ハウジングの一部と一体的に形成
されており、これにより、レンズがハウジングとは分離されている配列を超える製造上の利点が得られる。しかし、レンズ及び回路ハウジングの双方の材料選択をより高い柔軟性をもって行うことができるので、レンズを別個に製造する実施例が好適であることもある。図6及び6Aは、この手法を利用する代替的な正面図及び断面図である。代替的な案は
、レンズ136’及び152’と離れた前方回路ハウジング部116’を含む。ハウジング部116’は、涙滴形状の縁164を形成され、この縁は、組み立て中に、レンズ136’上に同様の形に形成されたフランジ166と共働して、超音波でレンズが溶接される涙滴形状の肩部168上のその適切な位置にそのレンズを配向する。図6Aを参照すると
、涙滴形状がレンズの適切な配向を確実にしている。受光レンズ152’が同様に取り付けられている。前方回路ハウジング部116’及びレンズ136’及び152’は、同一材料から形成されている必要はなく、ハウジング部116’は、ブラインダ170及びストッパ172がハウジング部116’と一体的に形成可能なように不透明材料から形成することができる。図2Aに関して述べたように、回路ハウジングはバルブオペレータ及び
その他の流水装置の部品を制御する回路を含む。
【0064】
図4Aは、その回路の簡略化したブロック図である。マイクロコントローラに基づく制
御回路180がバルブオペレータを制御する周辺回路182を操作する。図2の発光ダイオード132を含む送信機回路184もまた制御回路180に操作され、受光回路186は、フォトダイオード154を含み、得られたエコーに対する自身の応答を制御回路に送る。図4Aの回路は家庭の電力でも作動するように実施することも可能であるが、電池式
にする方がより一般的であり、図4Aは電池式電源188を明白に示している。なぜなら
制御回路180は下記で説明するように、電源から安定化した電力を受容するだけでなく、下記で説明する目的により、調整されていない電力を感知する。また様々な図4Aの回
路の構成要素への電源の電力の適用を制御する。
【0065】
回路は最も多くの場合電池で作動するため、設計上重要な検討事項は、電力が不必要に使われないということにある。結果として、マイクロコントローラに基づく回路は通常「節電」モードにあり、特定の揮発性メモリをリフレッシュしつづけ、タイマー190を操作するのに十分な電力のみ引き出す。具体的に示す実施例において、そのタイマー190は、出力パルスを250ミリ秒ごとに発生させ、制御回路は節電モードに戻る前に、短い動
作ルーチンを行うことにより各パルスに反応する。図12A及び12B(合わせて「図12」とする)は、これらの動作の特定の態様を分かりやすく説明するフローチャートである。
【0066】
図2、3、4に示す自動流水装置は、図7、7B、7Cに示す絶縁アクチュエータの様々な実施例を利用し得る。絶縁アクチュエータ701は、アクチュエータ基部716、強磁性磁極片725、ボビン714内に形成されている電機子ポケット内で滑動可能に取り付けられている強磁性電機子740を含む。強磁性電機子740は、遠位端742(すなわちプランジャー742)及びコイルバネ748を有する電機子孔750を含む。コイルバネ748は、機械的な操作のための縮小された端部748a及び748bを含む。強磁性電機子740は、電機子の移動中に、流体が容易に移動できるように、電機子740の遠位端(アクチュエータ基部716の外側)から電機子孔750及び磁極片725における電機子740の近位端に連絡する1つ又はいくつかの溝又は通路752を含んでもよい。
【0067】
また絶縁アクチュエータ本体701は、ソレノイドボビン714及び磁石の凹所720内に位置する磁石723の周りに巻かれているソレノイド巻線728を含む。また絶縁アクチュエータ本体701は、ソレノイドボビン714とアクチュエータ基部716の間のシールを形成する弾性的な変形可能なOリング712及び、ソレノイドボビン714と磁
極片725の間のシールを形成する弾性的な変形可能なOリング730を含み、これら全
てはソレノイドハウジング718によりともに保持されている。ソレノイドハウジング718(すなわち缶718)は、アクチュエータ基部716において縁を曲げられ、磁石723及び磁極片725をボビン714に対して保持し、それによって巻線728及びアクチュエータ基部716を共に固定する。
【0068】
また絶縁アクチュエータ700は、図7D及び7Eに関連して示し、説明した様々な実施例を有することのある弾性的な膜744を含む。図7に示すように、弾性的な膜764は、アクチュエータ基部716とパイロットボタン705の間に取り付けられ、電機子ポート752に連絡する流体密封電機子チャンバに配置されている電機子流体を収容する。弾性的な膜764は、遠位端766、Oリング様の部分767、柔軟な部分768を含む。
遠位端766は、区域708内の密閉表面と接触する。弾性的な膜764は、パイロットボタン705の導管706を介してもたらされた調整された流体の圧力にさらされ、したがって相当な外力を受ける。さらに、弾性的な膜764は、比較的低い浸透性と、長年の動作における、何千回もの開閉に耐える高い耐久性を有するように構成されている。
【0069】
さらに図7を参照すると、絶縁アクチュエータ701は、保管及び輸送目的で、弾性的に変形可能なOリング732を使用してアクチュエータ基部716の遠位部及びパイロッ
トボタン705に対して密閉するキャップ703を備えて設けられている。保管及び輸送キャップ703は、通常、弾性的な膜744によって収容された流体との釣り合いを取る水を含み、これにより、弾性的な膜744を介してた流体の拡散が排除もしくは大幅に制限される。
【0070】
さらに図7を参照すると、アクチュエータ基部716は、実質的に缶718の内側に配置されている幅の広い基部部分及び、キャップ703を受容するためにその外面にねじを切られた幅の狭い基部拡張部分を含む。基部拡張部分の内面は、パイロットボタン705の外面に設けられている補完的なねじとねじ式に係合している。膜764は、基部拡張部分32の下面とパイロットボタン705の間に配置されている厚みのある周辺縁部767を含む。これにより、主バルブ内を流れる外部の流体に電機子が露出されることを膜が保護するように流体密封のシールが生成される。
【0071】
例えば、電機子の流体は、例を挙げればポリプロピレングリコールとリン酸カリウムの20%混合液などの防蝕剤と混合した水とすることができる。代替的には、電機子の流体は、シリコンベースの流体、ポリプロピレンポリエチレングリコール、又は大きな分子を有する他の流体を含むことができる。電機子の流体は、一般に、粘性が低く、好適には電機子に対して非腐蝕性の性質を有する実質的に非圧縮性のあらゆる液体とすることができる。代替的には、電機子の液体は、Fomblin又は低蒸気圧の(しかし好適には拡散を防ぐよ
うな高分子サイズの)他の液体とすることができる。
【0072】
非腐蝕性の保護があれば、電機子の材料を、低炭素鋼、鉄又は何らかの軟磁性材料とすることができ、耐食性は、他の要素ほど大きな要素ではない。他の実施例では、420系又
は430系のステンレス鋼のような電機子材料を使用する。電機子が基本的に強磁性体、す
なわちソレノイド及び磁石が引き付けることのできる材料からなることだけが必要である。それでも、非強磁性の、いわば柔軟な又はその他のチップのような部分を含んでもよい。
【0073】
弾性的な膜764は、電機子本体により形成されている電機子ポート752又は790と連絡する流体密封電機子チャンバ内にある電機子の流体を封入する。さらに弾性的な膜764は、主バルブ内で調整された液体の圧力にさらされ、したがって相当な外力を受ける。しかしながら導管の圧力は膜764を介して電機子チャンバ内の非圧縮性の電機子の流体へ伝達されるため、電機子740及びバネ750はこの力に打ち勝つ必要はない。したがってチャンバ内の圧力が結果もたらす力は、導管の圧力が及ぼす力とほぼ均衡を保つ。
【0074】
さらに図7、7A、7B、7Cを参照すると、電機子740は、引っ込んだ位置と伸びた
位置との間で、チャンバ内の流体圧力に対して自由に移動する。電機子ポート752又は790は、力の均衡を取る流体が電機子チャンバの低い方の井戸からバネ孔750を介して電機子チャンバの一部へ移動することを可能にし、電機子の上端(すなわち遠位端)は作動時にそこから引っ込んでいる。また電機子の流体は、電機子の側部の周りを流れることもできるが、電機子の急速な動きが必要な配列では、ポート752又は790が形成を助けるものなどの比較的低い流れ抵抗の経路を備えるべきである。同様の考慮により、比較的低粘性の電機子チャンバの液体の使用が支持される。したがって絶縁オペレータ(すなわちアクチュエータ700)の操作に必要なのは、ほんのわずかな量の電気エネルギーのみで、したがって電池による操作に比類なく適している。
【0075】
図7に示すラッチの実施例において、電機子740はソレノイド電流が流れていないため磁石723により引っ込んだ位置に保たれている。電機子を伸びた位置に駆動するには、したがって結果得られる磁力が、バネ力が支配するようにするのに十分な程度で磁石の磁力に対抗する方向及び大きさの電機子電流が必要である。そのようになった場合、バネ力は電機子740をその伸びた位置に移動させ、そこで膜の外面をバルブシート(例えばパイロットボタン705のシート)に対して密閉させる。この位置において、電機子は、バネ力が磁石から十分に離れているため、バネ力が電機子をソレノイドの助けなしに伸びた状態に保つことができる。
【0076】
電機子を具体的に示す引っ込んだ位置に戻し、それによって流体を流れさせるには、電流が、結果得られる磁場が磁石の磁場を強める方向に、ソレノイドを介して駆動される。上記で説明したように、磁石723が引っ込んだ位置にある電機子に及ぼす力は、バネ力に対抗して、そこに電機子を保持するのに十分な大きさである。しかしながら磁石723を含まない非ラッチの実施例においては、電機子740は、結果得られる磁力がバネ748のバネ力を超えるのに十分な電流をソレノイドが伝える間のみ、引っ込んだ位置に維持される。
【0077】
有利なことに、ダイアフラム膜764は、電機子740を保護し、実質上非腐蝕性の液体で満たされている孔を形成し、それによりアクチュエータ設計者は、高耐食性で高透磁率の材料の中から、より有利な選択をすることができるようになる。さらに膜764は、孔に移動する傾向のある金属イオン及びその他の漂積物に対するバリアをもたらす。
【0078】
ダイアフラム膜764は密閉面766を含み、これはシート開口領域と関連があり、どちらも拡張又は縮小され得る。密閉面766及びパイロットボタン705のシート表面は、バルブアクチュエータが作動するよう設計されている圧力範囲に対して最適化することができる。密閉面766(及び対応する電機子740の先端)を縮小すると、膜を圧縮する際に関わるプランジャーの領域が縮小され、したがって与えられた上流の流体管圧力に必要とされるバネ力が減少する。一方、プランジャーの先端領域を小さくしすぎると、時間の経過によって、バルブを閉める時にダイアフラム膜764を損傷しがちになる。シート開口領域に対する先端接触領域の好適な範囲は、1.4〜12.3である。本発明のアクチュ
エータは、約1.03×106 Pa(150 psi)を含む制御された様々な流体圧力に適している。
実質的な修正なしに、バルブアクチュエータを約2.07×105Pa(30 psi)から5.52×105 Pa(80 psi)、又は約8.62×105 Pa(125 psi)の水圧においてさえも使用可能である。
【0079】
さらに図7、7A、7B、7Cを参照すると、パイロットボタン705は、図2Bに示すダイアフラムバルブ、又は図3Bに示すフラムバルブの長時間にわたる一貫した案内を達成
するための重要な新規の機能を備えている。パイロットボタン705とともにソレノイドアクチュエータ701は、1つのアセンブリとして電子蛇口に一緒に取り付けられ、これにより、閉鎖面(図7Eに詳細に明示)に対する領域708(図7、7B、7C)内のパイ
ロットシートにおけるパイロットバルブ行程の変動が最小限に抑えられ、これがない状態では変動によりパイロット操作が損なわれる。この装置は既知の装置よりも高速であり単純である。
【0080】
オペレータ701のアセンブリ及びパイロットボタン705は、通常、工場で組み立てられ、そこでダイアフラム膜764及び加圧負荷された電機子の流体(制御された流体の圧力に相当する圧力で)を保持した状態で恒久的に接続される。パイロットボタン705は、どちらもダイアフラム764の遠位端766とパイロットボタン705の密閉面の間に再現可能に固定された距離を確保する補完的なネジ又はスライド機構を利用してアクチュエータ基部716の細い先端に結合される。オペレータ701及び誘導ボタン705の結合は、接着剤、固定ネジ又はピンを利用して恒久的に固定(又は硬く固定)することができる。代替的には、1つの部材は、パイロットボタン705にねじ込み又はスライドした後に、2つの部材を共に縁を曲げるのに利用される拡張区域を含むことができる。
【0081】
ソレノイドアクチュエータ701をパイロットボタン705のない状態で取り付けることは可能であるが、この工程は若干面倒である。パイロットボタン705のない状態では、設置工程にまず、主バルブに対してパイロットバルブ本体の位置付けをし、それからパイロットバルブ本体を正しい位置に保持するためにアクチュエータセンブリを主バルブに固定することが必要となる。適切な処置が行われないと、様々な部品ごとの公差及び可能
性のある変形により、パイロット本体の位置にばらつきが生じる。このばらつきにより、パイロットバルブ部材の行程に変動が生じる。低電力のパイロットバルブにおいて、比較的小さな変動でさえも、同期又はもしかすると密閉力に負の影響を及ぼす可能性があり、パイロットバルブが開いたり閉じたりするのを完全に妨げてしまうことさえある。したがって、取り付け、現場保守又は交換中のこの変動を減らすことが重要である。一方、ソレノイドアクチュエータ701をパイロットボタン705と組み立てる場合、この変動は製造工程において排除されるか又は大幅に減少し、したがって現場保守又は交換中に特別な処置を取る必要は全くない。
【0082】
上記で説明したように、主バルブアセンブリは、主バルブ流入口、主バルブシート、主バルブ流出口、圧力チャンバ(すなわちパイロットチャンバ)、圧力チャンバ(パイロットチャンバ)内の圧力を解放可能な圧力除去出口を有する主バルブ本体を含み、主バルブ部材はダイアフラム28(図2B)、ピストン又はフラム部材(図3B又は図4)とすることができ、これら全ては主バルブ部材が主バルブシートを密閉し、それによって主流入口(例えば図2B、図3B又は図4の流入口12)から主流出口(例えば図2B、図3B又は図4の流出口34)への流れを防止する閉じた状態の間で移動する。
【0083】
図7D及び7Eを参照すると、上記で説明したように、ダイアフラム膜764は外側環部材767、柔軟な区域768、先端又はシート区域766を含む。プランジャーの遠位端は、シール区域766の後ろにあるポケットフランジ内に収容されている。ダイアフラム膜764は、その低いデュロメーター及び、NSF部品61により設定された圧縮、比較的
低い拡散速度のため、EPDMから形成されていることが好ましい。低い拡散速度は、封入された電機子の流体が、移動中又は取付過程において漏れるのを防ぐのに重要である。代替的には、ダイアフラム部材764は、例えばVITONなどのフッ素ゴム、又はCRI-TECHSP-508により製造されたCRI-LINER(登録商標)フッ素ゴムのような柔らかく低圧縮のゴムから作ることができる。代替的には、ダイアフラム部材764は、テフロン型のゴムから作ることができ、又は単にテフロンの被覆を含むだけでもよい。代替的には、ダイアフラム部材764は、周囲環境へ含まれた流体の微量の漏れをもたらすフローマークを生じる成形過程のばらつきの影響を少なくする方法として、硬度40〜50デュロメーターのNBR(
天然ゴム)から作ることもできる。代替的には、ダイアフラム部材764は、もう一方が乾いていて、組み立てたアクチュエータの保管又は輸送中に空気に晒された場合に、ダイアフラム部材を介する拡散速度を低下させる金属被覆を含む。
【0084】
好適には、ダイアフラム部材764は、高い弾力性と低い圧縮性を有する(これは比較的実現が困難である)。ダイアフラム部材764は、低いデュロメーター材料から形成されているいくつかの部品(すなわち部品767及び768)及び、高いデュロメーター材料(前面766)の他の部品を有することができる。ダイアフラム部材764の低圧縮性は、長期間の作動にわたって、電機子の行程における変動を最小限にとどめるために重要である。したがって接触部766は高いデュロメーター材料から作られる。高い弾力性は、区域768においてダイアフラム部材764を容易に曲げるために必要である。さらにダイアフラム部品768は、ダイアフラムがたわむことができ、プランジャーが非常に小さな力で移動可能なように、比較的薄い。これは長期の電池動作において重要である。
【0085】
図7Eを参照すると、ダイアフラム膜764のもう1つの実施例を示し、この実施例で
は、前方スラグ孔772(プランジャーの先端を収容するように形作られている後方プランジャー孔に加えて)を含むように形成されている。前方スラグ孔772は、プラスチック又は金属スラグ774で埋められている。スラグ774の表面を含む前面770は、パイロットボタン705の密閉表面と共働するように配置されている。具体的には、パイロットボタン705の密閉表面は、スラグ774に関して設計された特性を有する異なる材料から形成されているパイロットシート709を含んでいてもよい。例えば、高いデュロ
メーターのパイロットシート709は、高いデュロメーター材料から作ることができる。したがって、密閉動作中に、弾力的で比較的硬いスラグ772は、比較的柔らかいパイロットシート709と接触する。このダイアフラム膜764とパイロットボタン705の新しい配列は、長期にわたって、高い再現性の密閉動作を提供する。
【0086】
ダイアフラム部材764は、オーバーモールド工程を利用して、外側部分がより柔らかい材料から成形され、パイロットシートと接触する内側部分がより硬いゴム又は熱可塑性材料から成形される2段階の成形工程によって作ることができる。前方に対向する挿入物774は、許容可能な共重合体のような硬い射出成形されたプラスチック又は、300系の
ステンレス鋼のような防食非磁性材料からなる成形金属円板から作られる。この配列において、パイロットシート709は、EPDM60デュロメーターのような比較的高いデュロメーターのゴムから形成されているパイロットシート構造を保持するような構造を含むようにさらに変更される。密閉面のコンプライアントな部材をパイロットボタン705(ダイアフラム部材764ではなく)のバルブシートへ移すこの設計を利用することにより、いくつかの重要な利点が引き出される。具体的には、ダイアフラム部材764は、非常にコンプライアントな材料である。フローマーク(慎重な工程管理及び継続的な品質管理に対する警戒を必要とするよく起こる現象である)が全くない適切なパイロットシート構造を維持することに関する工程において、実質的な改善がみられる。この設計により、適用例に対して最適化された硬度を有するゴム部材の使用が可能になる。
【0087】
図7Fは、図7〜7Cに示すアクチュエータにおいて使用された電機子ボビンのもう1つの実施例の断面図である。ボビンの本体は、電機子の流体に対して低い浸透性を有するように構成されている。例えば、ボビン714は、電機子の流体と接触している金属領域713及び、電機子の流体と接触していないプラスチック領域713aを含む。
【0088】
図8は、ラッチアクチュエータ801のための流量制御システムを図式的に示す図である。流れ制御システムは、またマイクロコントローラ814、電源スイッチ818、ソレノイドドライバ820を含む。図7に示すように、ラッチアクチュエータ701は、好適には永久磁石から形成されている電機子及びボビン上に巻かれている少なくとも1つの駆動コイル728を含む。マイクロコントローラ814は、制御信号815A及び815Bを、電機子740を移動させるためのソレノイド728を駆動する電流ドライバ820へもたらす。ソレノイドドライバ820は、DC電源を電池824から受容し、電圧調整器826は電池の電力を調整し、実質的に一定の電圧を電流ドライバ820へ提供する。コイルセンサ843A及び843Bは、電機子740の移動による誘導電圧信号を捕捉し、この信号を前置増幅器845A及び845B、低域フィルタ847A、847Bを含む調整フィードバックループへ提供する。これは、コイルセンサ843A及び843Bが電機子の位置を監視するのに使用されているということである。
【0089】
マイクロコントローラ814は、また、効率的な動力操作のために設計されている。作動と作動の間に、マイクロコントローラ814は、自動的に低頻度節電モードに入り、他の全ての電子的要素(例えば入力要素又はセンサ818、電源ドライバ820、電圧調整器又は電圧増圧器826、信号調整器822)はエネルギー消費量を抑制される。入力信号を例えば動作センサから受容すると、マイクロコントローラ814は消費電力コントローラ819をオンにする(すなわち図3BのトランジスタQ1のスイッチを入れる)。消
費電力コントローラ819は、信号調整器822のエネルギー消費量を上げる。
【0090】
また図7を参照すると、流体通路708を閉じるため、マイクロコントローラ814は「閉鎖」制御信号815Aをソレノイドドライバ820へ提供し、コイル端子へ駆動電圧
が適用される。マイクロコントローラ814にもたらされた「閉鎖」制御信号815Aは
、ソレノイドドライバ820内で、結果得られる磁束が永久磁石723によってもたらさ
れる磁場に反発する極性を有する駆動電圧を起動する。これは磁石723の電機子740を保持する力を崩し、戻しバネ748がバルブ部材740をバルブシート708の方へ移動させる。閉鎖位置において、バネ748はダイアフラム部材764をパイロットボタン705のバルブシートに対して押し付けた状態を保つ。閉鎖位置において、電機子740の遠位端と磁極片725の間の距離はより広がっている。したがって、磁石723は、戻しバネ748によってもたらされる力よりも弱い磁力を電機子740に与える。
【0091】
流体通路を開くために、マイクロコントローラ814は「開放」制御信号815B(す
なわちラッチ信号)をソレノイドドライバ820へ提供する。「開放」制御信号815B
は、ソレノイドドライバ820内で、結果得られる磁束がバイアスバネ748によってもたらされる力に反発する極性を有する駆動電圧を起動する。結果得られた磁束は、永久磁石723によってもたらされる磁束を強め、バネ748の力を上回る。永久磁石723は、戻しバネ748の力に対して、コイル728によって生成されるいかなる必要とされる磁力も必要とせずに、電機子740を開放位置に保つのに十分大きな力を提供する。
【0092】
図2を参照すると、マイクロコントローラ814は、ソレノイドドライバ820に適用された適切な制御信号815A又は815Bによって、電機子740が所望の開放状態又は閉鎖状態に達した後、電流の流れを止める。ピックアップコイル843A及び843B(又は一般にあらゆるセンサ)は、電機子740の移動(又は位置)を監視し、電機子740がその終点に達したかどうかを判定する。ピックアップコイル843A及び843B(又はセンサ)からのコイルセンサデータに基づき、マイクロコントローラ814はコイル駆動の適用を停止し、コイル駆動を増加又は減少させる。
【0093】
流体通路を開放するために、マイクロコントローラ814はOPEN信号815Bを電力ド
ライバ820へ送り、それが電機子740を引っ込める方向へ駆動電流をコイル842に与える。同時に、コイル843A及び843Bは、誘導信号を前置増幅器及び低域フィルタを含む調整フィードバックループへ提供する。微分器849の出力が、選択した位置(例えば、伸びた位置と引っ込んだ位置の間の中間点、又は完全に引っ込んだ位置、又は他の位置)に達する電機子740に対して較正され選択された閾値より小さな値を示す場合は、マイクロコントローラ814はアサートされた「OPEN」信号815Bを保つ。電機子7
40の移動が全く検知されない場合は、マイクロコントローラ814は、異なるレベルのOPEN信号815Bを適用し、電力ドライバ820によってもたらされる駆動電流を増加(
正常な駆動電流の数倍まで)させることができる。この方法により、システムは、鉱床又は他の問題によって止まっていた電機子740を移動させることができる。
【0094】
マイクロコントローラ814は、調整フィードバックループへもたらされたコイル843A及び843B内の誘導信号を利用して電機子の移動を検知することが(又は電機子の移動を監視することさえ)できる。微分器849からの出力が電機子740の移動に応じて変化するにつれ、マイクロコントローラ814は、異なるレベルのOPEN信号815Bを適
用するか、又はOPEN信号815Bをオフにすることができ、それが電力ドライバ820が
異なるレベルの駆動電流を適用するように導く。この結果は、通常、駆動電流が減少するか、又は駆動電流の持続時間が、最悪の条件(電機子センサを利用することなく使用しなければならない)下で流体通路を開放するのに必要とされる時間よりもはるかに短くするというものだった。したがって図8のシステムは、エネルギーを大幅に節約し、よって電池824の寿命を延ばす。
【0095】
有利なことに、コイルセンサ843A及び843Bの配列は、電機子740のラッチ及びアンラッチ動作を高精度で検知することができる。(しかしながら単一コイルセンサ又は複数のコイルセンサ又は容量センサもまた電機子740の移動を検知するために使用可能である。)マイクロコントローラ814は、電力ドライバ820によって適用される選択
した特徴を有する駆動電流を導くことができる。さまざまな特徴が、マイクロコントローラ814に保存でき、流体の形式、液圧、流体の温度、アクチュエータ840が設置又は最後の保守以来動作している時間、電池レベル、外部センサからの入力(例えば移動感知器又は人検知センサ)又はその他の要素に基づいて作動させることができる。
【0096】
随意的に、マイクロコントローラ814は、データ転送のための通信インタフェース、例えばワイヤレス通信インタフェース(例えばRFインタフェース)のシリアルポート、パラレルポート、USBポートを含むことができる。通信インタフェースは、データをマイク
ロコントローラ814へダウンロードする(例えば駆動曲線の特徴、較正データ)か、又はマイクロコントローラ814を再プログラムして異なる形式の動作又は計算を制御するようにするために使用される。
【0097】
図7を参照すると、電磁アクチュエータ701は、水の流入がパイロットボタン705の通路706を介してもたらされる時、逆流配列において接続されている。代替的には、電磁アクチュエータ701は、水の流入がパイロットボタン705の通路710を介してもたらされ、通路706を介して水が出る時、順流配列において接続されている。順流配列においては、プランジャーは通路710によって放出される制御された流体の圧力に「直接対する」。つまり、対応する流体の力がバネ748に対抗して作用する。順流及び逆流配列の両方において、ラッチ時間又はアンラッチ時間は流体の圧力によるが、実際のラッチ時間の依存度は異なる。逆流配列において、ラッチ時間(すなわちプランジャー740を引っ込めるのにかかる時間)は、図9Bに示すように実質上直線的に流体の圧力とと
もに増加する。一方、順流配列において、ラッチ時間は流体の圧力とともに減少する。このラッチ時間の依存性に基づいて、マイクロコントローラ814は、実際の水圧を計算することができ、したがって放出する水量を制御することができる。
【0098】
図8Aは、ラッチアクチュエータのもう1つの実施例のための流量制御システムを図式
的に示す。流れ制御システムは、また、マイクロコントローラ814、消費電力コントローラ819、電池824又は電圧増圧器826から電力を受容するソレノイドドライバ820、指示器828を含む。マイクロコントローラ814は、上記で説明したように、節電モード及び動作モードの両方で作動する。マイクロコントローラ814は、入力要素818(又はいずれのセンサ)から入力信号を受容し、制御信号815A及び815Bを電流ドライバ820へ提供し、電流ドライバ820がラッチバルブアクチュエータ701のソレノイドを駆動する。ソレノイドドライバ820は、DC電力を電池824から受容し、電圧調整器826は電池電源を調整する。電力モニタ872は、動作増幅器870を有する帰還構成でアクチュエータ701の駆動コイルに送られる電力信号を監視し、電力監視信号をマイクロコントローラ814へ提供する。マイクロコントローラ814及び消費電力コントローラ19は、上記で説明した通り、効率的な電力操作をするよう設計されている。
【0099】
また図3を参照すると、流体通路を閉じるために、マイクロコントローラ14は「閉鎖」制御信号815Aをソレノイドドライバ820へもたらし、ソレノイドドライバ820
は駆動電圧をアクチュエータ端子に適用し、よってコイル728を介して電流を駆動する。電力モニタ872は、印加された駆動電流を流す(又は駆動電流の一部)ように接続されている抵抗器とすることができる。電力モニタ872は、代替的に、コイル又は他の要素でもよい。電力モニタ872からの出力は、信号調整器870の微分器へもたらされる。微分器は、図9Aに示すように、ラッチ点を判定するために使用される。
【0100】
図8に関連して説明したことと同様に、流体通路を開くには、マイクロコントローラ814はCLOSE信号815A又はOPEN信号815Bをバルブドライバ820へ送り、バルブド
ライバ820は、駆動電流をコイル728へ、電機子740を伸ばす又は引っ込める(及
び通路708を閉じる又は開く)方向で提供する。同時に、電力モニタ872は、作動増幅器870へ信号を提供する。マイクロコントローラ814は、電機子740が所望の状態に達したかどうかを、電力モニタ信号を利用して判定する。例えば、作動増幅器870の出力が、初めに電機子740に対するラッチ状態でないことを示す場合、マイクロコントローラ814はOPEN信号815Bを保持するか、又は上記で説明したように、より高レ
ベルのOPEN信号を適用し、より高い駆動電流を加える。一方、電機子740が所望の状態に達した(例えば、図9Aに示すラッチ状態)場合、マイクロコントローラ814はより
低レベルのOPEN信号815Bを適用するか、又はOPEN信号815Bをオフにする。これは通常、流体通路を最悪の条件下で開くのに必要な時間又は電流レベルと比較して、駆動電流の持続時間又は駆動電流のレベルを落とす。したがって、図8Aのシステムは、大幅にエ
ネルギーを節約し、よって電池824の寿命を延ばす。
【0101】
図10を参照すると、フロー図900は、流水サイクル中のマイクロコントローラ814の動作を示す。マイクロコントローラ814は、上記で説明したように、節電モードにある。入力要素又は外部センサからの入力信号により、マイクロコントローラ814は初期化され、タイマーはゼロに設定される(ステップ902)。ステップ904では、バルブアクチュエータが全流水過程を行うと、時間TbasがTfullに等しくなる(ステップ9
06)。全流水過程が行われない場合、ステップ910においてタイマーがTbasとThalfが等しくなるよう設定する。ステップ912では、マイクロコントローラは、ステップ
914においてアクチュエータを作動させる前に電池の電圧をサンプリングする。アクチュエータのソレノイドが作動した後、マイクロコントローラ814はラッチ点を探す(図9又は9Aを参照)。タイマーがラッチ点に達すると(ステップ918)、マイクロコン
トローラ814は、ソレノイドの動作を停止する(ステップ920)。ステップ922では、ラッチ時間に基づき、マイクロコントローラ814は、格納されている較正データを利用して、対応する水圧を計算する。水圧及び、タンク流水装置により放出された既知の水量に基づき、マイクロコントローラはアクチュエータのアンラッチ時間(すなわち閉じる時間)を決定する(ステップ926)。ラッチ時間に達すると、マイクロコントローラ14は、「閉鎖」信号を電流ドライバ820へ提供する(ステップ928)。この時点以降、フロー図900に示す全サイクルが繰り返される。
【0102】
図12A及び12Bを参照すると、ブロック200及び202は、タイマー190がパルスを生じるまで、コントローラが節電モードを維持することを示す。パルスが生じると、プロセッサは格納されたプログラムをブロック204によって示される所定の入口点で実行し始める。その様々なポートの状態を設定するブロック206のステップ及び、図2の押しボタン210の状態を検知するブロック208のステップにより体現される特定の初期化操作を行う動作へ進む。その押しボタンは、使用者がすばやくアクセスできるように流水装置ハウジング146上に取り付けられているが、ボタンが押されると、主回路基板126への近さが増す磁石210aを含む。回路基板は、図6が示唆するように、回路基
板126に結果得られる増幅した磁場に応じて制御回路への入力を生じるリードスイッチ211を含む。
【0103】
押しボタン210の主な目的は、使用者が流水装置を手動で操作できるようにすることである。図12のブロック212、214、216、217、218が示すように、制御回路180は、通常、そのボタンが押し込まれることに反応し、流水操作が現在進行中でなければ、及びボタンが30秒前から今までの間、継続的に押し込まれていなければ、流水操作を開始する。
【0104】
この30秒という条件は、電池が装置に組み込まれている時と、装置がトイレシステムに組み込まれている時との間に顕著なエネルギー消費を起こすことなく、製造中に電池を組み込むことを可能とするために課せられている。具体的には、流水装置のパッケージは、
閉じている時に、押しボタン210を押し込み、パッケージが閉じられている限り、押しボタンは押し込まれた状態に保つように設計されている。図12のブロック220が示すように、この状況で、通常は30秒を超えて閉じた状態を維持し、コントローラが2、3の指示を実施するのに必要な分以上の電力消費を起こすことなく、コントローラは節電モードに戻る。つまり、コントローラは赤外線又は駆動電流を流水バルブオペレータを介して伝達するために使用されるいくつかの回路に電力を与えていない。
【0105】
節電モードが電力を節約する方法の中には、マイクロプロセッサ回路が時間を測定しないが、いくつかの選択されたレジスタビットの所定の固定値を含む特定の最低レジスタ状態を保つためにいくらかの電力がそれでもその回路に適用されているというものがある。電池が最初に流水装置に組み込まれるとき、それでもそれらのレジスタビットの全てが所定の値を有するわけではない。ブロック222は、それらの値があるかどうかの判定を表している。それらの値がなければ、コントローラは電池が組み込まれたばかりであると結論を出し、ブロック224が示すように起動モードに入る。
【0106】
起動モードは、使用者がいない場合、センサ受信機へ反射されたセンサの放射線の割合が異なる環境において相違するという事実を扱う。起動モードの目的は、設置者が、システムに、流水装置が組み込まれた環境においてその割合がどれだけであるかを教えられるようにすることである。これにより、システムは、後に、背景反射を無視することができる。起動モード中、物体センサは、対象の検知に応答して、バルブを開くことなく動作する。そのかわり、対象を検知した時には必ず可視LEDを作動させ、設置者は、例えばポテ
ンショメータを調整して、可視LEDの照明が、有効な対象がない場合にそれにもかかわら
ず対象が検知されたと示すレベルのすぐ下に送信機の出力を設定する。これにより、システムは、この設置にとって考えられる最大許容放射レベルがどれだけであるかを教えられる。
【0107】
この起動モードに入ることに関するステップの中には、作動する場合に、継続的にオンの状態を保たなければならない特定のサブシステムに電力を適用することがある。これらの中には、例えばセンサの受光回路がある。赤外線送信機はパルスを起こすだけでよく、電力はパルスとパルスの間に適用される必要はなく、一方受信器はパルスエコーを検知できるようにパルス間でも常に電力を維持されている必要がある。
【0108】
具体的に示す実施例において、継続的な電力の印加を必要とするもう1つのサブシステムは、電池の電力低下検知器である。上記で言及したように、制御回路は未調整出力を電源から受容し、ブロック226が示すように、その出力の電圧から電池残量が少なくなっているかどうかを推測する。もし少ない場合には、図4Aのブロック228で表す可視発
光ダイオード又は他の表示器が作動し、使用者に低残量状態の表示を与える。
【0109】
さらにブロック226が表す電池チェック動作は、システムがブロック224の動作を同サイクルで実施することなく、達成することができるため、ブロック226の電池チェック動作の後に、ブロック230によって表される、システムが現在、起動モードにあるかどうかを判定するステップが続く。
【0110】
具体的に示す実施例において、システムは、取り付け工程が推定上完了し、可視対象検知表示器がもはや必要でなくなった後、この起動モードで10分間作動するよう調整されている。もしブロック230の動作で判定されるように、システムが確かに起動モードにある時は、ブロック232の、システムが意図する長さの較正インターバルである10分間以上そのモードにあったかどうかを判定するステップを行う。もしそうであれば、システムをリセットし、次回起動した時に、自身が起動モードにあると判断しないようにする。
【0111】
しかし、電流サイクルに関しては、それはまだ起動モードにあり、特定の起動モード動作を行う。そのうちの1つでブロック234によって表されるのが、未調整電源出力からいずれかの電池が間違った方向に組み込まれていないかどうかを判定することである。もしいずれか間違った方向に組み込まれている場合、システムはブロック236が示すように、単純に節電モードに戻る。そうでない場合には、ブロック238が示すように、システムは、そのメモリをチェックして、具体的に示す実施例が起動モードにおいて要求するように、バルブオペレータに5回連続して流水バルブを閉めるよう命令したかどうかを判定する。したがって我々は、システムが最初に取り付けられた時に、バルブを閉じるよう命令することにより、初回の取り付けの最中に不用意な流水を防ぐことができることを見出した。
【0112】
ブロック242が示すように、さらにシステムは対象が検知されたかどうかを判定する。もし検知されたら、システムはブロック244が示すように、標識を設け、可視LEDを
オンにするべきだと指示し、それによって設置者にこの事実を知らせる。これにより、起動モード特有の動作は完了する。
【0113】
さらにシステムはそのモードに特有ではない動作へ進む。具体的に示す実施例において、それらのさらなる動作は、実際には毎秒1回ずつのみ実施されるように意図されたものであり、一方タイマーはシステムを250ミリ秒ごとに起動する。したがってブロック24
6が示すように、システムは、後に続くはずの動作が前回実施されてから丸1秒経過したかどうかを判定する。もし経過していなければ、システムは、ブロック248が示すように、単純に節電モードに戻る。
【0114】
一方、もし丸1秒が経過していれば、以前にこれがLEDの状態であることを示す何らか
の標識を設定していた場合、システムは可視LEDをオンにする。ブロック250及び25
2によって表すこの動作には、この後にバルブがすでに開いているかどうかを判定するブロック254のステップが続く。もし開いていれば、ブロック256によって示すルーチンがさらにルーチンを呼び出し、タイマーなどを参考にしてバルブを閉めるべきかどうか判定する。もし閉めるべきであれば、ルーチンがバルブを閉める。システムはそれから節電モードに戻る。
【0115】
もしバルブがそれまでに開いていない場合、システムは、ブロック258が示すように、継続的に電力を与える必要のある上記サブシステムに電力を適用する。このステップへ起動モードから達すれば、電力はすでに適用されているが、通常の動作モードにおいてはまだ適用されていない。
【0116】
電力の適用が、この時点で必要なのは、電池残量をチェックするサブシステムが必要とするからである。ブロック260及び262が示すように、そのサブシステムの出力が次にテストされる。もしその結果が、電池残量が不充分であるという結論であれば、システムは、起動モードを想定したということを示す標識を設定した後、節電モードに戻るブロック264及びブロック266のステップを実施する。標識を設定することによって、次にくるあらゆる起動サイクルがバルブ閉鎖を含み、それによって状況が違えば電力損失から生じるかもしれない制御されない流れを防止することができる。
【0117】
さらに保守の観点からみると、システムが流水することなくあまりに長時間経過しないようにすることが望ましい。システムが流水することによって対象に反応することなく24時間が経過すると、ブロック268、270、272が示すように、ルーチンはしたがって流水を起こし、それから節電モードに入る。さもなければブロック274が示すように、システムは赤外線を標的領域に伝送し、その結果得られるあらゆるエコーを感知する。またシステムは、ブロック276が示すように、結果得られた感知エコーが有効な対象の
特定の基準を満たしているかどうかを判定する。
【0118】
さらにこの判定の結果は、ブロック278によって示すように、一連のテストへ送られ、流水を起こすべきかどうかが判定される。典型的なテストは、使用者が少なくとも所定の最短時間の間そこにいて、その後去ったかどうかを判定するものであるが、いくつかの他の状況もバルブを開くべきかどうかの判定を生じる可能性がある。もしこれらのいずれかの状況が発生した場合、システムは、ブロック280が示すように、バルブを開く。可視LED及びアナログ電源がこの時点でオンであるならば、ブロック282が示すように、
これらはオフになる。ブロック284が示すように、システムはその後節電モードに入る。
【0119】
有効な対象が存在するかどうかを判定するブロック276の動作は、図13A及び13Bが共に(「図13」)説明するルーチンを含む。もしその図のブロック288によって表されるステップで判定したように、システムが起動モードにある場合、上記で説明した方法で、背景利得が確立される。ブロック290はそのレベルの判定を表す。
【0120】
起動モードの目的は、背景レベルを設定し、流水バルブを作動しないようにすることなので、背景判定ステップ290の次には、ブロック292による、設定したら、流水バルブを開く他のルーチンを生じる標識をリセットする動作が続く。さらにブロック294が示すように、図13のルーチンが戻る。
【0121】
ブロック288のステップがかわりに、システムが起動モードにないことを示すならば、システムは、伝送された放射線の何%がセンサに対して反射されたのかという表示を取得しようと動く。そのような表示を取得する方法はいずれも、本発明で使用するのに適しているが、電力を節約しやすい方法は、受容する電力の所定の設定値を結果生じる伝送電力レベルを見つけられるように伝送電力を変化させる方法である。それによって特定された伝送電力レベルは、反射割合の(逆数)表示である。このアプローチを利用することにより、システムは、その伝送電力を検知可能なエコーを得るのに必要なレベルに制限して動作することができる。
【0122】
原則として、具体的に示した実施例はこの手法に従う。実際に、システムは特定の個々の電力レベルでのみ伝送するよう調整されているため、反射電力レベルが受容する電力の所定の設定値を一括することに応じて、個々の伝送電力レベルの一組を実際に特定する。具体的には、反射赤外線の輝度が所定の閾値を超えるかどうか判定し、もし超える場合には、反射光の輝度が閾値より低くなるまで、システムの感度を落とす‐通常は伝送赤外線輝度を落とす‐ブロック296及びブロック298のステップへと進む。その結果、対象表示を全くもたらさない最高利得値が得られる。
【0123】
しかしある場合においては、感度がこれ以上上げられる場合に、システムが、存在することによって流水を起こすべきではない仕切ドアのような背景物体を(不本意に)検知した場合、反射光の輝度が閾値より下になることがある。ブロック290のステップの目的は、この感度が何であるかを判定することであり、ブロック300及び302によって表されるステップは、赤外線エコーがこの最大背景レベルにおける利得と合わせても閾値より低い場合は対象なしの標識を設定する。図が示すように、この状況はまた、流水標識がリセットされてルーチンが直ちに戻るという結果を生じる。
【0124】
もしブロック300のステップがその代わりに、感度が背景レベルより低く、さらに正に背景ではない対象がある場合にのみ、エコー輝度を閾値が戻るよりも低くすることができるという表示を結果生じるのであれば、ルーチンは、使用者が設備を使用した後去った時を検知するように意図されている基準を課すステップへと進む。これらの基準を課すに
は、ルーチンは、時々入力をプッシュダウンするプッシュダウンスタックを維持する。各入力は利得領域、タイマー領域、及び入/出領域を有する。
【0125】
ブロック304は、現在の利得と一番上のスタック入力に挙げられている利得との間の差の絶対値が閾値利得変化を超えるかどうかの判定を表す。もし超えなければ、このルーチンの現在の判定は、新しい入力は全くスタックにプッシュされないが、ブロック306が示すように、既存の一番上の入力のタイマー領域の中身は増加する。もしブロック304のステップの結果がそうではなく、利得変化の絶対値が実際に閾値より高い場合、ルーチンは新しい入力をスタック上にプッシュし、現在の利得をその入力の利得領域に置き、タイマー領域にゼロの値を与える。要するに、新入力は対象の距離が所定のステップ寸法により変化する時は、必ず追加され、使用者がどのくらいほぼ同じ場所にそのステップの寸法と同じくらいの大きさの移動をせずに留まったかを記録する。
【0126】
ブロック310、312、314が示すように、ルーチンはまた、もし現在の利得が以前の入力の利得を超える場合は、入力の入/出領域に「出」の値を与え、対象が流水装置から離れていっていることを示し、現在の利得が以前の入力の利得より少ない場合は、その領域に「入」の値を与える。いずれの場合も、ルーチンはそれからタイマーを(「1」の値へ)増加させるブロック306のステップを行い、ルーチンのスタック保持部からバルブ開放基準が実際に適用される部分へと移行する。
【0127】
ブロック316は、第1の基準、すなわちトップ入力の入/出領域が、対象が離れていると示すかどうかというものの適用を表す。対象がこの基準に満たなければ、ルーチンは次のルーチンが流水バルブを開かないようにする値に流水標識を設定するブロック292のステップを行い、そしてブロック294が示すように、ルーチンは戻る。一方その基準が満たされている場合には、ルーチンは、対象が離れていっていることを示すトップ入力及びいずれかのすぐ前の入力が、対象が入ってきているということを示す一連の所定の最小限の入力に先立つかどうかを判定するブロック318のステップを行う。もしそうでない場合には、使用者が実際に該設備に近づき、使用し、離れたということは考えにくいため、流水標識をリセットした後、ルーチンは再度元に戻る。ブロック318のステップが適用される基準は、絶対反射率とは無関係であることに注意されたい。基準は反射率の変化にのみ基づいており、反射率が上がるごとに最小範囲を超えることが必要となる。
【0128】
もしブロック318のステップが、必要な数の進入を示す入力が退出を示す入力の前にあったと判定したなら、ルーチンは、最後の進入動作を示す入力が、少なくとも、例えば5秒を表すタイマーを有するかどうか判定するブロック320の基準を課す。この基準を課すのは、設備が実際に使用されない時に、流水が誘発されるのを防ぐためである。ここでも、この基準が満たされない場合には、流水標識をリセットした後、ルーチンは元に戻る。
【0129】
一方基準が満たされている場合、ルーチンは、使用者が十分に離れたかどうかを判定することを目的としたブロック322、324、326の基準を課す。もしブロック322によって判定されるように、対象が閾値を超えるほど離れたようであれば、又は閾値にはわずかに届かないが、ブロック324及び326で判定されるように所定の持続時間を超えてその距離に留まったようであれば、ブロック328が示すように、ルーチンは元に戻る前に流水標識を出す。さもなければ流水標識をリセットする。
【0130】
図13の試験は、一般に、図12Bの操作276に含まれる様々な試験のうちのたった
1つである。しかし、説明されたシステムが、使用者の衣服の色のばらつきがより一般的であるはずの問題をどのようにして減らすかという例を提示する。図13を熟読すると分かるように、使用者が到着した及び/又は離れたかどうかの判定は、絶対的な利得値に基
づくのではなく、一連の測定値の比較から生じる相対値に基づくものである。これにより、他の検知戦略をよりひどく損なう、明るい色の衣服の方が暗い色の衣服より感知されやすいという問題が減る。
【0131】
説明したシステムは、可視発光ダイオード(「可視LED」)を使用することを上記で言
及した。ほとんどの場合、可視LEDの位置は、使用者にその光が本当に見える限り重要で
はない。例えば1つの位置として、フォトダイオードのすぐ隣とすることができる。図4Aは、受光レンズ部152’のフランジ内の粗くなっていない区域330を示し、可視LEDをこの区域と位置を合わせして配置することができる。しかし図2の実施例において、そのような別個の可視LEDは見られない。その理由は、その実施例における可視LEDは、送信機の赤外線源をも含む組合せLED装置132の一部として設けられているからである。
【0132】
2色のLEDを操作するには、送信機及び表示器回路184及び228(図4A)が共に図11に示す形状をなす。回路は2色のLEDの端子332及び334に接続されている。制
御回路は、2色のLEDの赤外線発光ダイオードD1及び可視発光ダイオードD2を、制御
ライン336、338、340を選択的に駆動することによって別々に作動される。具体的には、駆動ライン340を高電圧で駆動すると、少なくともライン338がトランジスタQ3をオフの状態に維持するために高電圧に保たれていれば、トランジスタQ1及びQ2がオンになり、したがって可視発光ダイオードD2が駆動される。一方もしライン340が低電圧で駆動され、他方ライン338も低電圧で駆動されると、赤外線発光ダイオードD1は、トランジスタQ4を制御するライン336に印加された電圧によって決まる電力で伝導される。
【0133】
もし押しボタンが30秒を超えて押し込まれた状態にあると、システムが節電モードに入り、これは図12のブロック214、217、220に関連して上記で述べた。図6は、キットが在庫にある時又は輸送中に、キットに電池が組み込まれていたとしても、キットが取り付けられる前には、電力の消費をごくわずかに保つこの機能の利点を利用したパッケージを示す。以前は手動だったシステムを自動操作へ適合するため、将来の使用者は、例えば図2Aに描かれているダイアフラム貫通供給管38を除く全ての構成要素を含む流
量制御器を入手することができる。図15の参照番号348によって特定されるこの流量制御器は、通常長方形の段ボール箱350からなる容器に入れられて送り届けられる。この箱の上部には、初めは閉まっている内側フラップ352及び、内側フラップの上で閉まる外側フラップ354が含まれている。箱の本体に設けられているスロット358に適合するタブ356は、箱を閉めた状態を保つ。箱が閉まっている間、ボタンを押した状態を保つために、箱にはボタン起動装置360が、内側フラップ352上に、フラップが閉まった時に押しボタン310と位置が合うように取り付けられている。パッケージには、図示しない挿入物を設けて、流量制御器の押しボタンが起動装置と正確に位置が合うようにされている。
【0134】
図6Eは、ボタン起動装置360が内側フラップ352上に取り付けられ、外側フラッ
プ354がその上に閉じられているところを示すボタン起動装置360の詳細な断面図である。具体的に示す起動装置360は通常、一般に環状のプラスチック部品である。これは環状止めリング362を形成し、これは流量制御器のハウジング146(図2)の上部と係合し、中央隆起364が押しボタンを適切な分だけ押し込む。起動装置360を内側フラップに取り付けるため、起動装置には鋭い支柱366が設けられている。支柱366には、かぎが内側フラップ352の穴370を介して適合するように支柱を変形可能とする中央スロット368が形成されている。外側フラップ354は、もうひとつの穴372を形成し、鋭い支柱366と適応する。
【0135】
その他の配列では、ボタンアクチュエータを容器の他の場所に配置することができる。
例えば容器の底部壁面に配置してもよく、上部の力は流量制御器に対してはためく。
【0136】
さて、ハウジング内に組み付ける前でさえも、電池が回路内に配置され、電池を取り付けられた回路をその組み立て工程に対して遠隔地へ輸送する必要があることが時々ある。まだハウジングがないため、ハウジングのボタンを押したままにして、回路を節電モードにしておくことはできない。このような状況では、図6B及び図6Cが説明する手法を使用することができる。
【0137】
図6Bは、図6Dに似た図であるが、図6Bのパッケージ350’の中身376は、パッ
ケージ350が含むキット348の一部にすぎない。これは例えば、図2のハウジング146及び圧力キャップ24、その上に取り付けられているソレノイド及びパイロットバルブ部材を排除することができる。したがって図6Bの実施例のパッケージ350’は、箱
350に含まれているようなボタン起動装置を含まない。その代わりに、図6Cが示すよ
うに、磁石380がパッケージ350’の底部壁面382の内面にのりづけされており、底部壁面382上にある挿入ボード386の穴384が磁石を受容する。
【0138】
図6Cでは便宜上省略されている回路アセンブリ376は、回路のリードスイッチが磁
石の隣に配置されるように位置づけされている。したがってそのスイッチは、押しボタンが操作される時の状態で閉まり、したがって回路は節電モードのままとなる。
【0139】
図15及び図15Aは、図2に関連して説明した流水装置で使用される動的シールを排
除する柔軟なチューブを含む自動流水装置のもう1つの実施例を具体的に示す。上記で説明した図15に概略的に示す自動制御器は、送信機及び受光レンズ及び前方回路ハウジング部品を含む。自動流水装置は、側部(垂直)の位置にある絶縁されたオペレータ701を含む。
【0140】
流水バルブ本体は10に示されており、これは、流入開口12及び底部誘導流出開口14を備えている。内側カバー1030の下側及びダイアフラム1032の上側の間の領域は、圧力チャンバ1038を形成する。このチャンバ内の水の圧力が、流入口12及び流出口14の間の導管を形成する容器の上端に形成されているシート1040の上のダイアフラム1032を保持する。
【0141】
この操作の詳細は、米国特許第5,244,179号及び米国特許第4,309,781及び4,793,588に
開示されている。流入口12を通った水流はフィルター及びバイパスリングを介して圧力チャンバ38に達し、この詳細は米国特許第5,967,182号に開示されている。そこで、流
水バルブ流入口からの水は圧力チャンバに達し、閉まった状態の膜を維持し、圧力チャンバは、水が通路44を通って上方へ流れる際にソレノイドの操作により圧力チャンバが通され、さらにチャンバ1046へ流れ込み、それから柔軟な管の通路を介するが、これは、本文に引用することによって、その内容を全て取り入れる米国特許第6,382,586号に説
明されている。
【0142】
柔軟なチューブ1050は中空であり、柔軟なスリーブの形状をなす。スリーブは、アセンブリの円板を介して下向きに流れる水圧のために、このチューブがつぶれるのを防ぐコイルバネ1052を含む。その上端に、柔軟なチューブ1050が内側カバーアダプタ又は他の構成要素に取り付けられている。
【0143】
ガイドの上端の上部に、ダイアフラム1032を備える補給ヘッドが固定され、ダイアフラムは、補給ヘッドの上面と円板の半径方向外向きに伸びた部分の下面の間にはさまれている。ダイアフラム、円板及びガイドは、チャンバ1038内の圧力が解放されると、全て共に移動し、ダイアフラムは上方へ移動し、流水バルブ流入口12及び流水バルブ流
出口14の間を直接接続する。これが起きると、円板は上方へ移動し、柔軟なチューブ1050の下端を一緒に担持する。したがって、柔軟なチューブは、その上端が内側カバー1030の通路内に固定されているため、曲がらざるを得ない。しかしながら柔軟なチューブは、バルブアセンブリの動作のために常に確実な通気路をもたらす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体流入ポート及び流体流出ポートと、
バルブ腔を画定し、バルブ閉鎖面を含むバルブ本体と、
2つの圧力域もたらし、ガイド部材に対して前記バルブ腔内で移動可能なフラムアセンブリであって、前記圧力域の第1圧力域における圧力が減少する際に、開放位置に移動し、流体が前記流体流入ポートから前記流体流出ポートへ流れるのを可能にするように構成され、前記第1圧力域における圧力が増大する際に、閉鎖位置へ移動し、前記バルブ閉鎖面で密閉を生成するように構成されているフラムアセンブリとからなるバルブ装置。
【請求項2】
前記2つの圧力域が、フラム部材によって分離されている2つのチャンバを含み、前記第1圧力域がパイロットチャンバを含む請求項1のバルブ装置。
【請求項3】
前記パイロットチャンバにおける圧力を解放し、それによって前記フラム部材の前記閉鎖位置から前記開放位置へと移動を起こすように構成され配列されているオペレータを含む請求項1のバルブ装置。
【請求項4】
前記オペレータがラッチアクチュエータを含む請求項3のバルブ装置。
【請求項5】
前記オペレータが非ラッチアクチュエータを含む請求項3のバルブ装置。
【請求項6】
前記オペレータが、流体を前記アクチュエータのプランジャー腔内に収容する絶縁膜を有するアクチュエータを含む請求項3のバルブ装置。
【請求項7】
前記フラムアセンブリが、柔軟な部材及び硬い部材からなるフラム部材を含み、この柔軟な部材が、前記バルブ閉鎖面と接触し、前記閉鎖位置に前記密閉を形成するように構成されている請求項1のバルブ装置。
【請求項8】
前記バルブ閉鎖面が、前記閉鎖位置において前記密閉をもたらすリップを含む請求項7のバルブ装置。
【請求項9】
バイアス部材を含む請求項1のバルブ装置。
【請求項10】
前記バイアス部材が、前記フラム部材の前記開放位置から前記閉鎖位置へ移動するのを助けるよう構成され配列されている請求項7のバルブ装置。
【請求項11】
前記バイアス部材がバネを含む請求項9のバルブ装置。
【請求項12】
前記ガイド部材がピンを含む請求項1のバルブ装置。
【請求項13】
前記ガイド部材が溝を含む請求項12のバルブ装置。
【請求項14】
前記フラムアセンブリが、フラム部材及び、前記バルブ腔の表面に作用するスライドシールを含み、前記2つの圧力域がもたらされる請求項1のバルブ装置。
【請求項15】
前記第1圧力域がパイロットチャンバを含む請求項14のバルブ装置。
【請求項16】
前記スライドシールが片面シールを含む請求項14のバルブ装置。
【請求項17】
前記スライドシールが両面シールを含む請求項14のバルブ装置。
【請求項18】
前記バルブ装置が、加圧された供給水に接続されているトイレ流水装置内で機能するように構成され、水流を制御するように配列されている請求項1又は2のバルブ装置。
【請求項19】
前記オペレータが、センサからの信号を受容する制御器によって作動される請求項3のバルブ装置。
【請求項20】
流体の流れを制御する方法であって、
バルブ腔を画定し、バルブ閉鎖面を含むバルブ本体に関連する流体流入ポート及び流体流出ポートを設け、
2つの圧力域を画定し、前記バルブ腔内でガイド部材に対して可動であるフラムアセンブリを設け、
前記圧力域の第1圧力域において圧力を下げ、それによって前記フラムアセンブリの開放位置への移動を起こし、前記流体流入ポートから前記流体流出ポートへの流体の流れを可能にし、
前記第1圧力域の圧力を増加させ、それによって前記フラムアセンブリの前記開放位置から前記閉鎖位置への移動を起こし、前記流体流入ポートから前記流体流出ポートへ流体が流れるのを防止するように制御通路を閉鎖することからなる方法。
【請求項21】
前記圧力を下げることが、オペレータを作動することを含む請求項20の方法。
【請求項22】
前記開放及び閉鎖が、加圧された供給水に接続されているトイレ流水装置内で水流を制御するのに使用される請求項20又は21の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図3B】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図8】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図15A】
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【公開番号】特開2012−229803(P2012−229803A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−116744(P2012−116744)
【出願日】平成24年5月22日(2012.5.22)
【分割の表示】特願2009−233809(P2009−233809)の分割
【原出願日】平成14年12月4日(2002.12.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(592022660)スローン バルブ カンパニー (5)
【Fターム(参考)】