自動ドア用センサ
【課題】 設定部の操作という簡単な作業のみで、開口部の幅やセンサの取付高さに応じて、きめ細かに監視エリアを設定する
【解決手段】 投光器14a乃至14dが循環して投光し、レンズ16a乃至16dが、投光をドアの開口幅方向に直交する方向に偏向させる。投光された光を多分割レンズ24a、24bを介して受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9が受光する。各投光部に投光を行わせるか否かが、投光器ごとに設定部44によって設定される。制御部30が、受光器の受光状況から前記監視エリア内の人または物体の有無を判断する。
【解決手段】 投光器14a乃至14dが循環して投光し、レンズ16a乃至16dが、投光をドアの開口幅方向に直交する方向に偏向させる。投光された光を多分割レンズ24a、24bを介して受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9が受光する。各投光部に投光を行わせるか否かが、投光器ごとに設定部44によって設定される。制御部30が、受光器の受光状況から前記監視エリア内の人または物体の有無を判断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドア用センサに関し、特に、投受光器を使用したものに関する。
【背景技術】
【0002】
投受光器を用いた自動ドア用センサには、少ない数の投光器、受光器を使用しながら、監視エリア内を多数のスポット光で監視するものがある。例えば特許文献1に開示されているセンサでは、多分割レンズを用いて投光器からの光を監視エリアの異なる位置に投光させ、これらの位置から反射光を、別の多分割レンズを用いて受光器に集光させている。特許文献2では、2つの投光器を並べて配置し、これら投光器からの光が2分割された多分割レンズの2つのレンズ部分の中心をそれぞれ通るように、かつ2つのレンズ部分の中心間の距離よりも大きい間隔で2つの投光器を配置し、2つの投光器の間の中央を通る仮想中心線の両側にそれぞれ投光している。監視エリアは、自動ドアの開口部の前方に設けられるが、自動ドアの不要な開閉を防止するため、開口部の幅やセンサの取付高さに応じて、開口部の幅方向に沿う監視エリアの幅寸法を調整する必要がある。この調整は、特許文献1では、投光器用多分割レンズのうち光を投光したくない方向に光を投光する部分に遮蔽体を設け、受光器用多分割レンズのうち光を受光したくない方向からの光を集光する部分に遮蔽体を設けることによって行っている。特許文献2の技術では、仮想中心線の両側のいずれか投光したくない方向に投光できる投光器をオフして、監視エリアを消失させている。
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3004867号
【特許文献2】特開2000−304869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術によれば、いちいち遮蔽体を設けなければならず、その組み立てや施工に手間が掛かる。また、特許文献2の技術によれば、仮想中心線の片側いずれかにおいて監視エリアを喪失させることができるだけであり、監視エリアをきめ細かく設定することができない。
【0005】
本発明は、組み立てや施工が容易であって、しかも開口部の幅やセンサの取付高さに応じて、きめ細かく監視エリアを設定することができる自動ドア用センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の自動ドア用センサは、投光部と受光部とを備えている。投光部は、ドア近傍の監視エリアに対して投光を循環して行う複数の投光器を備え、これら投光器の投光をドアの開口幅方向に直交する方向に光学素子が変更させる。受光部は、前記監視エリアに投光された光を受光する受光器を備えている。さらに、前記監視エリアに投光された光を前記受光器に集光するように多分割レンズが設けられている。多分割レンズは、複数のレンズが組み合わされたものである。前記各投光器に投光を行わせるか否かが、前記投光器ごとに設定部が設定する。前記受光器の受光状況から前記監視エリア内の人または物体の有無を制御部が判断する。
【0007】
この自動ドアセンサでは、複数の投光器からの光が光学素子によって、ドアの開口幅方向に直交する方向に変更されて、監視エリアのドアの開口幅方向の異なる場所に投光される。これらの場所からの例えば反射光が、多分割レンズの各レンズ部分を介して受光器で受光される。この受光器の受光状況から人または物体の有無を制御部が判断する。実際には、設定部によって投光を行うと設定された投光器のみが投光する。従って、ドア開口幅方向の特定の場所のみを監視することができる。設定部によっていずれの投光器を投光させるか設定するという簡単な作業のみで、開口部の幅やセンサの取付高さに応じて、きめ細かく監視エリアを設定することができる。
【0008】
前記受光器は、少なくとも前記ドアの開口幅に沿って複数設けることができる。前記設定部は、前記各受光器の受光状況から前記監視エリア内の人または物体の有無の判断が行われるか否かが、前記各投光器の投光状況に応じて設定される。この構成によれば、複数の受光器が設けられているので、各受光器が受光する光を投光する投光器の数が少なくなり、開口部の幅やセンサの取付高さに応じて、きめ細かく監視エリアを設定することができ、さらに受光器のうち、投光していない投光器からの光を受光する受光器の受光状況に基づいて人体や物体の有無の判断は行われないので、誤検知を防止することができる。
【0009】
さらに、前記投光器は、3つ以上設けることもできる。このように構成すると、各投光器が投光する領域を細かくすることができるので、開口部の幅やセンサの取付高さに応じて、きめ細かく監視エリアを設定することができる。
【0010】
或いは、前記各投光器の間には、遮蔽板を設けることもできる。このように構成すると、光学素子に、本来入射すべき光以外の光が入射することを防止できる。すなわち、光学素子から投光されるべき光以外の光が投光されることを防止できるので、監視エリアを明確に設定することができる。
【0011】
或いは、前記受光器は、少なくともドア開口幅方向に直交する方向に複数設けることができる。このように構成すると、ドア開口幅方向に直交する方向にも細やかに監視エリアを設定することができる。
【0012】
投光部の光学素子は、シリンドリカルレンズ、トーリックレンズ、ホログラムを利用した光学系、スリットまたは反射型ミラーの何れかとすることもできる。これらを使用すると、投光器からの光を監視領域の所望の位置に効率よく投光することができる。
【0013】
上述した態様において、前記受光部を複数設けることができる。この場合、前記監視エリア中の前記各受光部が監視するエリアは、前記ドア開口幅方向に直交する方向に沿って設けられる。このように構成すると、自動ドアセンサの本体の高さを大きくすることなく、ドア開口幅方向に直交する方向に監視エリアを充分に確保することができる。
【0014】
上述した態様において、前記受光器を、少なくとも前記ドア開口幅方向に複数設けることができる。この場合、前記投光部は、前記多分割レンズの分割部分に対する受光幅内に複数の前記投光器から投光が行われるように設けられている。このように構成すると、例えば複数の投光器からの光がそれぞれ異なる監視エリアで反射した光を1台の受光器で受光することが可能になるので、開口部の幅やセンサの取付高さに応じて、ドア開口幅方向にきめ細かくエリアを設定することができる。
【0015】
本発明の他の態様の自動ドアセンサも、投光部と受光部とを備えている。投光部は、ドア近傍の監視エリアに対し投光が行われる投光器と、この投光器の投光が前記監視エリアに分散されるように複数のレンズが組み合わされた多分割レンズとを、備えている。受光部は、前記監視エリアに投光された光を受光する複数の受光器と、前記監視エリアに投光された光のうち、ドア開口幅方向に直交する方向に沿った光を、前記各受光器へ集光する複数のレンズとを、備えている。前記受光部の受光状況に基づき前記監視エリア内への人または物体の有無の判断が行われるか否かを設定部が設定する。この設定部の設定に基づいて前記受光器の受光状況から前記監視エリア内の人または物体の有無を制御部が判断する。
【0016】
この態様では、上述した態様と反対に、投光部側に多分割レンズが設けられている。それ以外は、上述した態様と同じであるので、上述した態様と同様に、設定部によっていずれの投光器を投光させるか設定するという簡単な作業のみで、開口部の幅やセンサの取付高さに応じて、きめ細かく監視エリアを設定することができる。なお、上述した態様で述べたのと同様な変更が、この態様においても可能である。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、設定部の操作という簡単な作業のみで、開口部の幅やセンサの取付高さに応じて、きめ細かに監視エリアを設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の第1の実施形態の自動ドアセンサ2は、図1(a)、(b)に示すように、自動ドア4の無目6に取り付けられる。図1(a)、(b)に示す自動ドア4は、間隔をおいて配置した固定壁8、8間のドア開口を、両引き分けのドアパネル10、10によって開閉するものである。例えば図1(a)に示すように通常の高さの自動ドア4の固定壁8、8の外側の端間を検知するように検知範囲12を設定したままで、図1(b)に示すように、図1(a)のものとドア開口幅は同じで、高さだけが高い自動ドア4aに自動ドアセンサ2を取り付けた場合、検知範囲12が、自動ドア4aの固定壁8、8の外側に広がってしまい、検知不要な部分であるにもかかわらず、人や物体を検知することになる。この場合、検知範囲12を必要な範囲に狭める必要があり、自動ドアセンサ2は、このような検知範囲12の調整が容易に行えるものである。
【0019】
図2(a)、(b)に示すように、自動ドアセンサ2では、その中央に複数、例えば4つの投光器14a乃至14dが設けられている。これら投光器14a乃至14dは、例えば赤外線を所定の周期を持ったパルス状に発光することで投光するもので、ドア開口幅方向に所定の間隔をおいて配置されている。これら投光器14a乃至14dは、ドア開口幅方向およびドア開口幅方向に直交する方向に一定の長さを有し、ドア開口幅方向に直交する方向の長さが長い面状に発光することで投光を行う。なお、1つの発光体で面状に発光させてもよいし、小径の発光体を複数個並べて面状に発光させることにより投光させてもよい。さて、これら投光器14a乃至14dの前面には、これら投光器14a乃至14dに対応して複数、例えば4つのレンズ16a乃至16dが光学素子として設けられている。これらレンズ16a乃至16dは、例えばシリンドリカルレンズで、それらの光軸がドア開口幅方向に対してそれぞれ異なる角度をなすように配置されている。その結果、図3に示すように、投光器14a乃至14dからの光によって、ドア開口幅方向に沿って並んで形成され、かつドア開口幅方向に直交する、例えば矩形状の4つの投光領域18a乃至18dを、基準面例えば床面上に形成する。なお、光学素子としてトーリックレンズを用いることも出来る。またサーフェス・レリーフ・ホログラムパターンにより作られ、マイクロ凹レンズアレイと同様の効果がある、ランダム配置されたミクロンレベルの表面構造による屈折作用で光を拡散するように構成された光学系を光学素子として用いることで、自動ドアセンサ2を薄型に構成することが出来る。更に、投光器14a乃至14dとして高輝度の赤外線投光素子と、光学素子として光が放射される角度・位置を制約するスリットとを組み合わせることで、安価に構成することが出来る。また、投光器14a乃至14dの後方に凹面の反射型ミラーを光学素子として配置することで複雑な投光領域を容易に形成することが出来る。
【0020】
投光器14aと14bの間、14bと14cとの間、14cと14dとの間及び外側にある2つの投光器14a、14dの両側には、これら投光器14a乃至14dからの光が対応するレンズ16a乃至16dの何れか1つ以外のレンズ16a乃至16dに漏れて誤作動することを防止するために図2(b)に示すように遮蔽板20が設けられている。
【0021】
これら投光器14a乃至14d及びレンズ16a乃至16dによって投光部が構成されている。
【0022】
この投光部のドア開口幅方向の両側に、それぞれ受光器が設けられている。図2(a)における右側には、ドア開口幅方向に3個、ドア開口幅方向に直交する方向に3個、すなわち3×3のマトリックス状に合計9個の受光器22a1乃至22a9がドアに近い位置に配置されている。同左側には同様に3×3のマトリックス状の合計9個の受光器22b1乃至22b9がドアから離れる位置に配置されている。これら投光器14の両側の受光器は、重複しないように配置されている。
【0023】
これら右側及び左側の受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9の前面には、ドア開口幅方向の異なる位置からの光を同じ受光器に集光する多分割レンズ24a、24bがそれぞれ配置されている。多分割レンズ24a、24bは、上述した各投光領域18a乃至18dに対応するようにドア開口幅方向に4つに分割されており、投光領域18a乃至18dから反射した光を各受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9の対応するものに集束させる。図3の各投光領域18a乃至18d内に円で示しているのが、各受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9において受光される反射光を発生する床面上の受光領域である。これら受光領域は、投光領域18a乃至18d内において、受光器22a1乃至22a9に対応してドア開口から遠い側にある縦横合計9個の受光領域26a1乃至26a9と、受光器22b1乃至22b9に対応してドア開口に近い側にある縦横合計9個の受領領域26b1乃至26b9とからなる。
【0024】
受光器22a1乃至22a9と多分割レンズ24aとによって、1つの受光部が構成され、受光器22b1乃至22b9と多分割レンズ24bとによって、1つの受光部が構成されている。
【0025】
図4に示すように、投光器14a乃至14dは、投光切替部28から投光指示信号を受けたものが投光する。この投光指示信号を、投光器14a乃至14dに対して順に供給することを繰り返すこともできるし、或いは投光器14a乃至14dのうち選択された投光器に順に供給することを繰り返すこともできる。投光切替部28は、この投光指示信号を制御部30からの指示に従って発生する。
【0026】
各受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9は、投光器14a乃至14dが1つずつ投光するごとに、対応する受光領域26a1乃至26a9、26b1乃至26b9からの光を受光して、受光信号である受光情報を発生する。各受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9のうち受光切替部32によって選択されたものの受光情報が、A/D変換器34によってデジタル受光情報に変換されて、制御部30に供給される。受光切替部32は、制御部30からの指示に従って、投光器14a乃至14dのいずれかが投光しているとき、各受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9のうち1つからの受光情報を選択する。但し、全ての受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9の受光情報を順に選択することを受光切替部32は、制御部30からの指示によって繰り返し行う。
【0027】
制御部30では、A/D変換器34から供給されたデジタル受光情報のうち予め採用すると定められているものを、予め設定されている閾値と比較し、その比較結果に従って、そのデジタル受光情報に対応する受光領域26a1乃至26a9、26b1乃至26b9に人または物体が存在するか否かを判定する。この判定結果は、制御部30内の出力部36、通信インターフェース38、バス40を介してドアコントローラ42に供給される。ドアコントローラ42は、この判定結果に従って、ドアパネル10,10を開いたり、閉じたりする。なお、バス40は、例えば、CAN(Controller Area Network)で構成される。
【0028】
上述したように制御部30は、投光切替部28に対する指示を与えるが、この指示は、制御部30内の設定部44の設定内容に基づいて行われる。また、デジタル受光情報のうち採用されたものだけが閾値と比較されるが、いずれのデジタル受光情報を採用するかについても設定部44に設定されている。また、上述した閾値も設定部44に設定される。これらは、ユーザーによって操作される携帯型の操作部、例えばPDA46から、無線通信インターフェース48、50、バス40、通信インターフェース38を介して設定部44に設定される。
【0029】
図5(a)、(b)は、設定部44の設定によって各投光領域18a乃至18d、受光領域がどのように変化するかを示したものである。図5(a)は、例えばドア開口幅方向の監視を投光領域18b、18c及びその内部の受光領域によって行うことができる場合のものである。この場合、投光領域18a、18dに対して投光が行われないように、投光器14a、14dに対して投光指示が与えられない。更に、外乱の影響を排除するため、投光領域18a、18b内の受光領域に対応して受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9が発生した受光情報は、閾値と比較されないように設定部44で設定されていてもよい。なお、閾値と比較されないようにする代わりに、受光しないようにしてもよい。さて、図5(a)は、図1(b)に示すように自動ドアの高さ寸法が大きい場合に該当する。
【0030】
図5(b)は、図5(a)に示す自動ドアのドア開口よりも幅が幾分広いか、自動ドアの高さ寸法が幾分小さい自動ドアに適用する場合のもので、投光領域18a乃至18dが形成されるように投光器14a乃至14dの全てに投光指示が与えられる。但し、投光領域18a、18dのうちドア開口幅よりも外側にある受光領域からの光を受けた受光器(投光器14a、14dが投光しているときの受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9の一部の受光器)の受光情報は閾値と比較されないように設定部44によって設定されている。なお、閾値と比較されないようにする代わりに、受光しないようにしてもよい。
【0031】
図6は、制御部30が上述した設定部44の設定に従って、どのように投光器14a乃至14d、受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9を制御し、かつ、どのように人体や物体の有無を判定するかを示したフローチャートである。
【0032】
まず、制御部30は、設定部44の設定を確認し、投光器14aの投光が指示されているか判断する(ステップS2)。この判断の答えがイエスの場合、投光器14aが投光するように投光切替部28に切替を指示する(ステップS4)。次に、受光器22a1の受光情報がA/D変換器34に入力されるように受光切替部32を切り替える(ステップS6)。受光情報が安定するまで、すなわち切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間待機して(ステップS8)、受光器22a1の受光情報をA/D変換した値を投光器14aに対応するものとして制御部30に記憶する(ステップS10)。次に、受光器22a2の受光情報がA/D変換器34に入力されるように受光切替部32を切り替える(ステップS12)。受光情報が安定するまで、すなわち切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間待機して(ステップS14)、受光器22a2の受光情報をA/D変換した値を投光器14aに対応するものとして制御部30に記憶する(ステップS16)。以下、同様にして、順に各受光器22a3乃至22b8の受光情報を投光器14aに対応するものとして制御部30に記憶する。そして、ステップS8、10、12と同様に、受光器22b9に対して受光切替部32の切替(ステップS18)、待機(ステップS20)、記憶(ステップS22)を行う。
【0033】
ステップS22に続いて、或いはステップS2の判断の答えがノーの場合、投光器14bの投光が指示されているか判断する(ステップS24)。従って、ステップS2の判断の答えがノーの場合、上述したステップS4乃至22の処理は実行されず、投光領域18bに対する受光情報は収集されない。
【0034】
ステップS24の判断の答えがイエスの場合、投光器14bが投光するように投光切替部28に切替を指示する(ステップS26)。次に、受光器22a1の受光情報がA/D変換器34に入力されるように受光切替部32を切り替える(ステップS28)。受光情報が安定するまで、すなわち切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間待機して(ステップS30)、受光器22a1の受光情報をA/D変換した値を投光器14bに対応するものとして制御部30に記憶する(ステップS32)。以下、同様にして、順に各受光器22a2乃至22b9の受光情報を投光器14bに対応するものとして制御部30に記憶させる。
【0035】
受光器22b9の受光情報を投光器14bに対応するものとして制御部30に記憶させた後、またはステップS24の判断の答えがノーの場合、投光器14cの投光が指示されているか判断する(ステップS34)。この判断の答えがイエスの場合、上述したのと同様にして順に各受光器22a1乃至22b9の受光情報を投光器14cに対応するものとして記憶する。これに続いて、またはステップS34の判断の答えがノーの場合、投光器14dの投光が指示されているか判断する(ステップS36)。この判断の答えがイエスの場合、上述したのと同様にして順に各受光器22a1乃至22b9の受光情報を投光器14dに対応するものとして記憶する。
【0036】
受光器22b9の受光情報を投光器14dに対応するものとして制御部30に記憶させた後、またはステップS36の判断の答えがノーの場合、制御部30に記憶したデジタル受光情報のうち、設定部44に設定された設定情報によって採用されたものの受光情報を、閾値と比較して、物体等が存在するか判断する(ステップS38)。この判断の答えがイエスの場合には、ドアコントローラ42に開放信号を出力する(ステップS40)。これによって、ドアパネルが開放され、再びステップS2から実行される。ステップS40の判断の答えがノーの場合も、ステップS2から再び実行される。
【0037】
図7は、制御部30が、PDA46からのデータを受信した際に行う処理をフローチャートで示したもので、データである設定値を受信したか判断し(ステップS42)、この判断の答えがイエスの場合、設定部44の設定値を更新し(ステップS44)、この処理を終了する。ステップS42の判断の答えがノーの場合も、この処理を終了する。
【0038】
図8(a)、(b)、(c)、(d)は、設定部44に設定されている設定値を模式的に示したもので、同図(a)、(c)は、投光器14a乃至14dに関するもので、投光または非投光が設定されている。同図(b)、(d)は、各受光器22a1乃至22b9に対する設定値の一部、投光器14aに関連してのものを示し、受光情報として採用するか非採用であるかが設定されている。他の投光器14b乃至14dに対する設定値も設定されているが、図示を省略している。なお、同図(a)、(b)は、図5(a)に対応する場合を示しており、同図(c)、(d)は、図5(b)に対応する場合を示している。
【0039】
このように、この自動ドアセンサ2では、設定部44の設定によって投光させる投光器や受光器の受光情報のいずれによって人体等の有無の判断を行うかを任意に選択できるので、高さの異なる自動ドアに対して容易に対応することができる。また、各投光器14a乃至14dの光は、循環して投光されるため、各受光器が多分割レンズ24a、24bによって複数の領域からの光を受光するように構成されていても、投光されていない領域からは受光しないため、一般的な多分割レンズを用いた自動ドアセンサに比べ、S/N比が向上する。またレンズ16a乃至16dによって偏向させているので、投光領域18a乃至18dは充分な光量で投光され、更にS/N比が向上する。
【0040】
本発明の第2の実施形態の自動ドアセンサ2aを、図9乃至図11に示す。自動ドアセンサ2aでは、図9に示すように、投光器14a乃至14dとレンズ16a乃至16dとからなる投光部の構成は、第1の実施形態の自動ドアセンサ2と同一である。受光部は、1つだけ設けられ、第1の実施形態の自動ドアセンサ2の受光器22a1乃至22a9や22b1乃至22b9に比較して大きい面積の1台の受光器122が使用されている。
【0041】
そのため、図10に示すように自動ドアセンサ2と同一の投光領域18a乃至18dが形成されるが、これら投光領域18a乃至18dに対して1つずつの大型の受光領域126が形成される。他の構成は、自動ドア2と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0042】
図10に示す自動ドアと異なる図11に示す自動ドアに、この自動ドアセンサ2aを取り付けた結果、両外側で人体等の検知が不要な場合、投光器14a、14dの投光が設定部44への設定によって中止され、投光領域18a、18dへの投光は中止される。また、制御部30が行う処理では、図6に示したステップS2において投光器14aの投光が指示されているか判断し、この判断の答えがイエスの場合、ステップS4において投光器14aが投光するように投光切替部28に切替が指示される。そして受光器122の受光情報をA/D変換した値を投光器14aに対応するものとして制御部30に記憶した後、ステップS24で示した投光器14bの投光が指示されているかの判断を行う。以下、同様に他の投光器14b乃至14dについても行われる。そして、各投光器14a乃至14dに対応して制御部30に記憶したデジタル受光情報のうち、設定部44によって採用された受光情報、図11の場合投光器14b、14cに対応する受光情報から物体等が存在するか判断する。
【0043】
本発明の第3の実施形態の自動ドアセンサ2bを図12乃至図16に示す。この自動ドアセンサ2bでは、図12に示すように、スポット光を発生する複数個、例えば18個の投光器214a乃至214rがドア開口幅方向に3個、ドア開口幅方向に直交する方向に6個マトリックス状に配列されている。その前方に自動ドアセンサ2の多分割レンズ24a、24bと同一の多分割レンズ224が多分割レンズ24a、24bと同様に配置されて、投光部が構成されている。これによって、図13に示すように、ドア開口幅方向に沿って3個、ドア開口幅方向に直交する方向に6個の合計18個の投光領域218a乃至218rからなる合成投光領域218が4つ、ドア開口幅方向に沿って形成される。
【0044】
また、図12に示すように、面状の4つの受光器222a乃至222dと、これらの前方に光学素子として配置された4つのレンズ216a乃至216dとによって受光部が形成されている。なお、小径の受光器を複数個並べることにより面状の受光器を構成してもよい。さて、受光器222a乃至222dは、ドア開口幅方向に直交する方向に沿うように配置され、ドア開口幅方向に沿って一列に配列されている。そして、レンズ216a乃至216dの向きと傾きを調整することによって、図13に示すように、上述した4つの合成投光領域218をそれぞれカバーする4つの受光領域226a乃至226dが形成されている。
【0045】
図14は、この自動ドアセンサ2bの回路構成を示すブロック図で、自動ドアセンサ2と同等部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0046】
この自動ドアセンサ2bでの制御部30での制御は、図15に示すようなものである。まず、制御部30は、設定部44の設定を確認し、受光器22aの受光情報がA/D変換器34から入力されるように受光切替部32を切り替える(ステップS46)。次に、受光情報が安定するまで、すなわち切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間待機し(ステップS48)、設定部44の設定に応じて投光器14aが投光するように投光切替部28に切替を指示する(ステップS50)。そして、受光器22aの受光情報をA/D変換した値を投光器14aに対応するものとして制御部30に記憶する(ステップS52)。以下、同様にして、各投光器14b乃至14pまで投光させ、受光情報をA/D変換した値を投光器14aに対応するものとして制御部30に記憶する。そして、最後の投光器14rを投光させ(ステップS54)、受光情報をA/D変換した値を受光器22aに対応するものとして制御部30に記憶する(ステップS56)。
【0047】
ステップS56に続いて、設定部44の設定を確認し、受光器22bの受光情報がA/D変換器34から入力されるように受光切替部32を切り替える(ステップS58)。次に、受光情報が安定するまでの時間待機し(ステップS60)、設定部44の設定に応じて投光器14aが投光するように投光切替部28に切替を指示する(ステップS62)。以下、同様にして、受光器22bの受光情報をA/D変換した値を投光器14aに対応するものとして制御部30に記憶し、他の投光器14b乃至14rについても同様に処理する。
【0048】
続いて、設定部44の設定を確認し、受光器22cの受光情報がA/D変換器34から入力されるように受光切替部32を切り替える(ステップS64)。次に、受光情報が安定するまでの時間待機し(ステップS66)、設定部44の設定に応じて投光器14aが投光するように投光切替部28に切替を指示する(ステップS67)、以下、上述したのと同様に投光器14a乃至14rに対応する受光情報を順次記憶する。
【0049】
続いて、設定部44の設定を確認し、受光器22dの受光情報がA/D変換器34から入力されるように受光切替部32を切り替える(ステップS68)。次に、受光情報が安定するまでの時間待機し(ステップS70)、設定器44の設定に応じて投光器14aを投光させ(ステップS72)、以下、上述したのと同様に投光器14a乃至14rに対応する受光情報を順次記憶する。
【0050】
次に、制御部30に記憶した各受光器22a乃至22dにおける各投光器14a乃至14rに対応するデジタル受光情報のうち、設定部44に設定された設定情報によって採用されたものの受光情報を、閾値と比較して、物体等が存在するか判断する(ステップS74)。この判断の答えがイエスの場合には、ドアコントローラ42に開放信号を出力する(ステップS76)。これによって、ドアパネルが開放され、再びステップS46から実行される。ステップS74の判断の答えがノーの場合も、ステップS46から再び実行される。従って、例えば、図16に示すように、投光領域226b、226c中の一部の受光領域の受光情報を閾値と比較しないように設定することによって、通路状況に応じて細かいエリア設定を行うことができる。また、先に受光部を受光可能な待機状態としてから投光器を順に投光させているので、A/D変換器34の総切り替え回数が少なくなり、その結果、受光部の待機時間(切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間)の合計が自動ドアセンサ2よりも短くすることができる。
【0051】
なお、第1の実施形態の自動ドアセンサ2における図6に示した処理において、ステップS2、S24、S34、S36等で示した「設定部において各投光器が投光するように設定されているか否かの判断」を行うことを取りやめて、全ての投光器を順に投光するように変更した処理を、自動ドアセンサ2において行うこともできる。
【0052】
本発明の第4の実施形態の自動ドアセンサ2cを図17及び図18に示す。この自動ドアセンサ2cは、第3の実施形態の自動ドアセンサ2bにおける投光部を受光部の両側に配置したものである。両投光部はドアの開口幅方向に9個、ドア開口幅方向に直交する方向に9個の合計81個の投光器314a1乃至314a81、314b1乃至314b81をそれぞれ有している。これら投光器314a1乃至314a81と、314b1乃至314b81とは、重ならないように配置されている。これによって、図18に示すように、合計で162個の投光領域318a1乃至318a81と318b1乃至318b81からなる4つの合成投光領域318a、318bがドア開口幅方向に沿って4つ形成される。
【0053】
受光部では12個の受光器322a乃至322lがドア開口幅方向に沿って配置され、それぞれは、ドア開口幅方向に直交する方向に長い面状のものである。これら受光器322a乃至322lの前方にこれらに対応してそれぞれ12個のレンズ316a乃至316lが光学素子として配置されている。これによって、図18に示すように、合計で12個の受光領域326a乃至326lがドア開口幅方向に沿って形成される。これら受光領域326a乃至326lは、それらの内部に、ドア開口幅方向に3個、ドア開口幅方向に直交する方向に18個、すなわち3×18のマトリックス状の投光領域をいずれも含むようにレンズ316a乃至316lの向き及び傾きが決定されている。
【0054】
この自動ドアセンサ2cの回路構成は、図4に示したブロック図において、受光器と投光器の数が増加している点を除いて同一であるので、詳細な説明を省略する。この自動ドアセンサ2cにおいても、受光器及び投光器の数が増加している点を除いて自動ドアセンサ2と同様に動作するので、その動作の説明は省略する。この自動ドアセンサ2cでは、投光素子及び受光素子の数が多いので、高分解能に人体等を検知することができるし、自動ドアセンサ2bと同様に待機時間(切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間)の合計が短いので、多数の投光器を使用していても、人体の有無等を検知するのに要する時間が長くなることがない。
【0055】
第5の実施形態の自動ドアセンサ2dを図19及び図20に示す。この自動ドアセンサ2dは、第1の実施形態の自動ドアセンサ2と同様に中央に投光部を有し、その両側に受光部を有するものである。投光部は、第1の実施形態と同様に、複数、例えば12個の面状の投光器414a乃至414lがドア開口幅方向に沿って縦長に配置されている。これらの前方にそれぞれレンズ416a乃至416lが光学素子として配置されている。これによって、図20に示すようにドア開口幅方向に沿って合計16個の投光領域418a乃至418lが形成されている。これら投光領域418a乃至418lは、ドア開口幅方向にそれぞれ直交するように床面に形成されている。
【0056】
受光部は、それぞれ面状の受光器422a、422bを有している。これらは、横長、即ちドア開口幅方向に長く形成されており、重複しないように配置されている。これら受光器22a、22bの前面に4分割された多分割レンズ424a、424bが多分割レンズ24a、24bと同様に配置されている。これによって、図20に示すように、ドア開口幅方向に沿ってドア開口の近傍に受光器422bによる4つの受光領域426bが形成され、ドア開口幅方向に沿ってドア開口から離れて受光器422aによる4つの受光領域426aが形成されている。これら受光領域426a、426b内には投光器領域418a乃至418lがそれぞれ重なって配置されている
【0057】
この自動ドアセンサ2dの回路構成は、図4に示したブロック図において、受光器と投光器の数が増加している点を除いて同一であるので、詳細な説明を省略する。この自動ドアセンサ2dにおいても、受光器及び投光器の台数が増加している点を除いて自動ドアセンサ2と同様に動作するので、その動作の説明は省略する。
【0058】
第6の実施形態の自動ドアセンサ2eを図21及び図22に示す。この自動ドアセンサは、2つの受光部の構成が異なる以外、自動ドアセンサ2dと同様に構成されている。同等部分には同一符号を付して、その説明を省略する。受光部では、面状の受光器に代えて、スポット受光用の9つの受光器522a1乃至522a9と、522b1乃至522b9とが、ドア開口幅方向に3個、ドア開口幅方向に直交する方向に3個のマトリックス状に配置されている。これら受光器522a1乃至522a9と、522b1乃至522b9と、これらの前面にある多分割レンズ424a、424bとによって、図22に示すようにドア開口幅方向に3個、ドア開口幅方向に直交する方向に6個の円形の受光領域526a1乃至526a9、526b1乃至526b9が、ドア開口幅方向に沿って4組構成される。これら受光領域526a1乃至526a9、526b1乃至526b9は、各投光領域内418a乃至418lに6個の受光領域が重なって位置するように多分割レンズ424a、424bの向きが設定されている。
【0059】
この自動ドアセンサ2eの回路構成は、図4に示したブロック図において、受光器と投光器の数が増加している点を除いて同一であるので、詳細な説明を省略する。この自動ドアセンサ2eにおいても、受光器及び投光器の台数が増加している点を除いて自動ドアセンサ2と同様に動作するので、その動作の説明は省略する。なお、自動ドアセンサ2bと同様な動作をすることによって、待機時間(切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間)の合計が短くなるので、多数の投光器を使用していても、検知に要する時間が長くなることはない。
【0060】
第7の実施形態の自動ドアセンサ2fを図23及び図24に示す。この自動ドアセンサ2fでは、投光部に8つの投光器614a乃至614hが設けられ、これらの前方にそれぞれレンズ616a乃至616hが光学素子として配置されている。これによって図24に示すように、8つの投光領域618a乃至618hがドア開口幅方向に沿って形成されている。2つの受光部では、1列に配置された3個の受光器622a1乃至622a3と、622b1乃至622b3とが、重なり合わないように配置されている。その前方にある多分割レンズ624a、624bが、投光器614a乃至614hの数に併せて8つに分割されている。また、多分割レンズ624a、624bは、各投光領域618a乃至618h内に、各受光器622a1乃至622a3、622b1乃至622b3によって構成される受光領域626a1乃至626a3、626b1乃至626b3が重なるようにその向きと傾きが設定されている。この自動ドアセンサ2fの回路構成は、図4に示したブロック図において、受光器と投光器の数が異なる点を除いて同一であるので、詳細な説明を省略する。この自動ドアセンサ2fにおいても、受光器及び投光器の台数が異なる点を除いて自動ドアセンサ2と同様に動作するので、その動作の説明は省略する。なお、自動ドアセンサ2bと同様な動作をすることによって、待機時間(切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間)の合計が短くなるので、多数の投光器を使用していても、検知に要する時間が長くなることはない。
【0061】
第8の実施形態の自動ドアセンサ2gを図25及び図26に示す。この自動ドアセンサ2gでは、投光部は、スポット光を投光する8つの投光器714a乃至714hを有し、これらはドア開口幅方向に4個、ドア開口幅方向に直交する方向に2個のマトリックス状に配置されている。各投光器714a乃至714hの前方に、それぞれレンズ716a乃至716hが配置され、これらによって図26に示すように8つの円形の投光領域718a乃至718hがドア開口幅方向に沿って4つ、ドア開口幅方向に直交する方向に2つ形成されている。
【0062】
投光部の両側の2つの受光部では、スポット光を受光するそれぞれ9つの受光器722a1乃至722a9、722b1乃至722b9がドア開口幅方向に3つ、ドア開口幅方向に直交する方向に3つマトリックス状に配置され、これら2つのマトリックス体は、重なり合わないように配置されている。これら9つの受光器722a1乃至722a9、722b1乃至722b9の前方に多分割レンズ724a、724bが配置され、各投光領域718a乃至718h内にそれぞれドア開口幅方向に3個、ドア開口幅方向に直交する方向に3個の合計9個の受光領域726a1乃至726a9、726b1乃至726b9を形成するように設けられている。この自動ドアセンサ2gの回路構成は、図4に示したブロック図において、受光器と投光器の数が異なる点を除いて同一であるので、詳細な説明を省略する。この自動ドアセンサ2gにおいても、受光器及び投光器の台数が異なる点を除いて自動ドアセンサ2と同様に動作するので、その動作の説明は省略する。なお、自動ドアセンサ2bと同様な動作をすることによって、待機時間(切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間)の合計が短くなるので、多数の投光器を使用していても、検知に要する時間が長くなることはない。
【0063】
第9の実施形態の自動ドアセンサ2hを図27及び図28に示す。この自動ドアセンサ2hでは、投光部は、4つの面状の投光器814a乃至814dを有している。これら投光器814a乃至814dは、その長さ方向がドア開口幅方向に沿うように、ドア開口幅方向に直交する方向に沿って配列されている。これらの前方にはレンズ816a乃至816dが光学素子として配置されている。これによって図28に示すように、それぞれがドア開口幅に沿う長さを持つ矩形の投光領域818a乃至818dがドア開口幅方向に直交する方向に配列される。
【0064】
2つの受光部では、それぞれ12個のスポット光受光用の受光器822a1乃至822a12、822b1乃至822b12が、ドア開口幅方向に6個、ドア開口幅方向に直交する方向に2個ずつマトリックス状に配置され、これらマトリックス体は、ドア開口幅方向に重ならないように配置されている。これら受光器822a1乃至822a12、822b1乃至822b12の前方には、多分割レンズ824a、824bが、ドア開口幅方向に直交する方向に光を分散させるように4つの分割されている。これによって図28に示すように、受光器822a1乃至82a12によって形成される受光領域826a1乃至826a12と、受光器822b1乃至822b12によって形成される受光領域826b1乃至826b12とが、各投光領域818a乃至818d内に、配置されるように形成される。
【0065】
この自動ドアセンサ2hの回路構成は、図4に示したブロック図において、受光器と投光器の数が異なる点を除いて同一であるので、詳細な説明を省略する。この自動ドアセンサ2gにおいても、受光器及び投光器の台数が異なる点を除いて自動ドアセンサ2と同様に動作するので、その動作の説明は省略する。なお、自動ドアセンサ2bと同様な動作をすることによって、待機時間(切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間)の合計が短くなるので、多数の投光器を使用していても、検知に要する時間が長くなることはない。
【0066】
第10の実施形態の自動ドアセンサ2iを図29に示す。この自動ドアセンサ2iは、第1の実施形態の自動ドアセンサ2において、受光部を1つとして、その代わりに18個の受光器922a乃至922rを、ドア開口幅方向に3個、ドア開口幅方向に直交する方向に6個マトリックス状に配置したものである。他の構成は、第1の実施形態の自動ドアセンサ2と同様であるので、同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。これによっても、図3に示したものと同様に投光領域及び受光領域が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1の実施形態の自動ドア用センサの使用状態を示す図である。
【図2】図1の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【図3】図1の自動ドア用センサによって形成される検知領域を示す図である。
【図4】図1の自動ドア用センサのブロック図である。
【図5】図1の自動ドア用センサによって検知領域を変更した状態を示す図である。
【図6】図1の自動ドア用センサの投光及び受光に関連するフローチャートである。
【図7】図1の自動ドア用センサにおける設定に関連するフローチャートである。
【図8】図1の自動ドア用センサにおける設定部の設定状態を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【図10】図9の自動ドア用センサによって形成される検知領域を示す図である。
【図11】図9の自動ドア用センサによって検知領域を変更した状態を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施形態の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【図13】図12の自動ドア用センサによって形成される検知領域を示す図である。
【図14】図12の自動ドア用センサのブロック図である。
【図15】図12の自動ドア用センサの投光及び受光に関連するフローチャートである。
【図16】図12の自動ドア用センサによって検知領域を変更した状態を示す図である。
【図17】本発明の第4の実施形態の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【図18】図17の自動ドア用センサによって形成される検知領域を示す図である。
【図19】本発明の第5の実施形態の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【図20】図19の自動ドア用センサによって形成される検知領域を示す図である。
【図21】本発明の第6の実施形態の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【図22】図21の自動ドア用センサによって形成される検知領域を示す図である。
【図23】本発明の第7の実施形態の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【図24】図23の自動ドア用センサによって形成される検知領域を示す図である。
【図25】本発明の第8の実施形態の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【図26】図25の自動ドア用センサによって形成される検知領域を示す図である。
【図27】本発明の第9の実施形態の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【図28】図27の自動ドア用センサによって形成される検知領域を示す図である。
【図29】本発明の第10の実施形態の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【符号の説明】
【0068】
14a乃至14d 投光器
16a乃至16d レンズ(光学素子)
22a1乃至22a9 22b1乃至22b9 受光器
24a、24b 多分割レンズ
30 制御部
44 設定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドア用センサに関し、特に、投受光器を使用したものに関する。
【背景技術】
【0002】
投受光器を用いた自動ドア用センサには、少ない数の投光器、受光器を使用しながら、監視エリア内を多数のスポット光で監視するものがある。例えば特許文献1に開示されているセンサでは、多分割レンズを用いて投光器からの光を監視エリアの異なる位置に投光させ、これらの位置から反射光を、別の多分割レンズを用いて受光器に集光させている。特許文献2では、2つの投光器を並べて配置し、これら投光器からの光が2分割された多分割レンズの2つのレンズ部分の中心をそれぞれ通るように、かつ2つのレンズ部分の中心間の距離よりも大きい間隔で2つの投光器を配置し、2つの投光器の間の中央を通る仮想中心線の両側にそれぞれ投光している。監視エリアは、自動ドアの開口部の前方に設けられるが、自動ドアの不要な開閉を防止するため、開口部の幅やセンサの取付高さに応じて、開口部の幅方向に沿う監視エリアの幅寸法を調整する必要がある。この調整は、特許文献1では、投光器用多分割レンズのうち光を投光したくない方向に光を投光する部分に遮蔽体を設け、受光器用多分割レンズのうち光を受光したくない方向からの光を集光する部分に遮蔽体を設けることによって行っている。特許文献2の技術では、仮想中心線の両側のいずれか投光したくない方向に投光できる投光器をオフして、監視エリアを消失させている。
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3004867号
【特許文献2】特開2000−304869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術によれば、いちいち遮蔽体を設けなければならず、その組み立てや施工に手間が掛かる。また、特許文献2の技術によれば、仮想中心線の片側いずれかにおいて監視エリアを喪失させることができるだけであり、監視エリアをきめ細かく設定することができない。
【0005】
本発明は、組み立てや施工が容易であって、しかも開口部の幅やセンサの取付高さに応じて、きめ細かく監視エリアを設定することができる自動ドア用センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の自動ドア用センサは、投光部と受光部とを備えている。投光部は、ドア近傍の監視エリアに対して投光を循環して行う複数の投光器を備え、これら投光器の投光をドアの開口幅方向に直交する方向に光学素子が変更させる。受光部は、前記監視エリアに投光された光を受光する受光器を備えている。さらに、前記監視エリアに投光された光を前記受光器に集光するように多分割レンズが設けられている。多分割レンズは、複数のレンズが組み合わされたものである。前記各投光器に投光を行わせるか否かが、前記投光器ごとに設定部が設定する。前記受光器の受光状況から前記監視エリア内の人または物体の有無を制御部が判断する。
【0007】
この自動ドアセンサでは、複数の投光器からの光が光学素子によって、ドアの開口幅方向に直交する方向に変更されて、監視エリアのドアの開口幅方向の異なる場所に投光される。これらの場所からの例えば反射光が、多分割レンズの各レンズ部分を介して受光器で受光される。この受光器の受光状況から人または物体の有無を制御部が判断する。実際には、設定部によって投光を行うと設定された投光器のみが投光する。従って、ドア開口幅方向の特定の場所のみを監視することができる。設定部によっていずれの投光器を投光させるか設定するという簡単な作業のみで、開口部の幅やセンサの取付高さに応じて、きめ細かく監視エリアを設定することができる。
【0008】
前記受光器は、少なくとも前記ドアの開口幅に沿って複数設けることができる。前記設定部は、前記各受光器の受光状況から前記監視エリア内の人または物体の有無の判断が行われるか否かが、前記各投光器の投光状況に応じて設定される。この構成によれば、複数の受光器が設けられているので、各受光器が受光する光を投光する投光器の数が少なくなり、開口部の幅やセンサの取付高さに応じて、きめ細かく監視エリアを設定することができ、さらに受光器のうち、投光していない投光器からの光を受光する受光器の受光状況に基づいて人体や物体の有無の判断は行われないので、誤検知を防止することができる。
【0009】
さらに、前記投光器は、3つ以上設けることもできる。このように構成すると、各投光器が投光する領域を細かくすることができるので、開口部の幅やセンサの取付高さに応じて、きめ細かく監視エリアを設定することができる。
【0010】
或いは、前記各投光器の間には、遮蔽板を設けることもできる。このように構成すると、光学素子に、本来入射すべき光以外の光が入射することを防止できる。すなわち、光学素子から投光されるべき光以外の光が投光されることを防止できるので、監視エリアを明確に設定することができる。
【0011】
或いは、前記受光器は、少なくともドア開口幅方向に直交する方向に複数設けることができる。このように構成すると、ドア開口幅方向に直交する方向にも細やかに監視エリアを設定することができる。
【0012】
投光部の光学素子は、シリンドリカルレンズ、トーリックレンズ、ホログラムを利用した光学系、スリットまたは反射型ミラーの何れかとすることもできる。これらを使用すると、投光器からの光を監視領域の所望の位置に効率よく投光することができる。
【0013】
上述した態様において、前記受光部を複数設けることができる。この場合、前記監視エリア中の前記各受光部が監視するエリアは、前記ドア開口幅方向に直交する方向に沿って設けられる。このように構成すると、自動ドアセンサの本体の高さを大きくすることなく、ドア開口幅方向に直交する方向に監視エリアを充分に確保することができる。
【0014】
上述した態様において、前記受光器を、少なくとも前記ドア開口幅方向に複数設けることができる。この場合、前記投光部は、前記多分割レンズの分割部分に対する受光幅内に複数の前記投光器から投光が行われるように設けられている。このように構成すると、例えば複数の投光器からの光がそれぞれ異なる監視エリアで反射した光を1台の受光器で受光することが可能になるので、開口部の幅やセンサの取付高さに応じて、ドア開口幅方向にきめ細かくエリアを設定することができる。
【0015】
本発明の他の態様の自動ドアセンサも、投光部と受光部とを備えている。投光部は、ドア近傍の監視エリアに対し投光が行われる投光器と、この投光器の投光が前記監視エリアに分散されるように複数のレンズが組み合わされた多分割レンズとを、備えている。受光部は、前記監視エリアに投光された光を受光する複数の受光器と、前記監視エリアに投光された光のうち、ドア開口幅方向に直交する方向に沿った光を、前記各受光器へ集光する複数のレンズとを、備えている。前記受光部の受光状況に基づき前記監視エリア内への人または物体の有無の判断が行われるか否かを設定部が設定する。この設定部の設定に基づいて前記受光器の受光状況から前記監視エリア内の人または物体の有無を制御部が判断する。
【0016】
この態様では、上述した態様と反対に、投光部側に多分割レンズが設けられている。それ以外は、上述した態様と同じであるので、上述した態様と同様に、設定部によっていずれの投光器を投光させるか設定するという簡単な作業のみで、開口部の幅やセンサの取付高さに応じて、きめ細かく監視エリアを設定することができる。なお、上述した態様で述べたのと同様な変更が、この態様においても可能である。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、設定部の操作という簡単な作業のみで、開口部の幅やセンサの取付高さに応じて、きめ細かに監視エリアを設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の第1の実施形態の自動ドアセンサ2は、図1(a)、(b)に示すように、自動ドア4の無目6に取り付けられる。図1(a)、(b)に示す自動ドア4は、間隔をおいて配置した固定壁8、8間のドア開口を、両引き分けのドアパネル10、10によって開閉するものである。例えば図1(a)に示すように通常の高さの自動ドア4の固定壁8、8の外側の端間を検知するように検知範囲12を設定したままで、図1(b)に示すように、図1(a)のものとドア開口幅は同じで、高さだけが高い自動ドア4aに自動ドアセンサ2を取り付けた場合、検知範囲12が、自動ドア4aの固定壁8、8の外側に広がってしまい、検知不要な部分であるにもかかわらず、人や物体を検知することになる。この場合、検知範囲12を必要な範囲に狭める必要があり、自動ドアセンサ2は、このような検知範囲12の調整が容易に行えるものである。
【0019】
図2(a)、(b)に示すように、自動ドアセンサ2では、その中央に複数、例えば4つの投光器14a乃至14dが設けられている。これら投光器14a乃至14dは、例えば赤外線を所定の周期を持ったパルス状に発光することで投光するもので、ドア開口幅方向に所定の間隔をおいて配置されている。これら投光器14a乃至14dは、ドア開口幅方向およびドア開口幅方向に直交する方向に一定の長さを有し、ドア開口幅方向に直交する方向の長さが長い面状に発光することで投光を行う。なお、1つの発光体で面状に発光させてもよいし、小径の発光体を複数個並べて面状に発光させることにより投光させてもよい。さて、これら投光器14a乃至14dの前面には、これら投光器14a乃至14dに対応して複数、例えば4つのレンズ16a乃至16dが光学素子として設けられている。これらレンズ16a乃至16dは、例えばシリンドリカルレンズで、それらの光軸がドア開口幅方向に対してそれぞれ異なる角度をなすように配置されている。その結果、図3に示すように、投光器14a乃至14dからの光によって、ドア開口幅方向に沿って並んで形成され、かつドア開口幅方向に直交する、例えば矩形状の4つの投光領域18a乃至18dを、基準面例えば床面上に形成する。なお、光学素子としてトーリックレンズを用いることも出来る。またサーフェス・レリーフ・ホログラムパターンにより作られ、マイクロ凹レンズアレイと同様の効果がある、ランダム配置されたミクロンレベルの表面構造による屈折作用で光を拡散するように構成された光学系を光学素子として用いることで、自動ドアセンサ2を薄型に構成することが出来る。更に、投光器14a乃至14dとして高輝度の赤外線投光素子と、光学素子として光が放射される角度・位置を制約するスリットとを組み合わせることで、安価に構成することが出来る。また、投光器14a乃至14dの後方に凹面の反射型ミラーを光学素子として配置することで複雑な投光領域を容易に形成することが出来る。
【0020】
投光器14aと14bの間、14bと14cとの間、14cと14dとの間及び外側にある2つの投光器14a、14dの両側には、これら投光器14a乃至14dからの光が対応するレンズ16a乃至16dの何れか1つ以外のレンズ16a乃至16dに漏れて誤作動することを防止するために図2(b)に示すように遮蔽板20が設けられている。
【0021】
これら投光器14a乃至14d及びレンズ16a乃至16dによって投光部が構成されている。
【0022】
この投光部のドア開口幅方向の両側に、それぞれ受光器が設けられている。図2(a)における右側には、ドア開口幅方向に3個、ドア開口幅方向に直交する方向に3個、すなわち3×3のマトリックス状に合計9個の受光器22a1乃至22a9がドアに近い位置に配置されている。同左側には同様に3×3のマトリックス状の合計9個の受光器22b1乃至22b9がドアから離れる位置に配置されている。これら投光器14の両側の受光器は、重複しないように配置されている。
【0023】
これら右側及び左側の受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9の前面には、ドア開口幅方向の異なる位置からの光を同じ受光器に集光する多分割レンズ24a、24bがそれぞれ配置されている。多分割レンズ24a、24bは、上述した各投光領域18a乃至18dに対応するようにドア開口幅方向に4つに分割されており、投光領域18a乃至18dから反射した光を各受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9の対応するものに集束させる。図3の各投光領域18a乃至18d内に円で示しているのが、各受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9において受光される反射光を発生する床面上の受光領域である。これら受光領域は、投光領域18a乃至18d内において、受光器22a1乃至22a9に対応してドア開口から遠い側にある縦横合計9個の受光領域26a1乃至26a9と、受光器22b1乃至22b9に対応してドア開口に近い側にある縦横合計9個の受領領域26b1乃至26b9とからなる。
【0024】
受光器22a1乃至22a9と多分割レンズ24aとによって、1つの受光部が構成され、受光器22b1乃至22b9と多分割レンズ24bとによって、1つの受光部が構成されている。
【0025】
図4に示すように、投光器14a乃至14dは、投光切替部28から投光指示信号を受けたものが投光する。この投光指示信号を、投光器14a乃至14dに対して順に供給することを繰り返すこともできるし、或いは投光器14a乃至14dのうち選択された投光器に順に供給することを繰り返すこともできる。投光切替部28は、この投光指示信号を制御部30からの指示に従って発生する。
【0026】
各受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9は、投光器14a乃至14dが1つずつ投光するごとに、対応する受光領域26a1乃至26a9、26b1乃至26b9からの光を受光して、受光信号である受光情報を発生する。各受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9のうち受光切替部32によって選択されたものの受光情報が、A/D変換器34によってデジタル受光情報に変換されて、制御部30に供給される。受光切替部32は、制御部30からの指示に従って、投光器14a乃至14dのいずれかが投光しているとき、各受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9のうち1つからの受光情報を選択する。但し、全ての受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9の受光情報を順に選択することを受光切替部32は、制御部30からの指示によって繰り返し行う。
【0027】
制御部30では、A/D変換器34から供給されたデジタル受光情報のうち予め採用すると定められているものを、予め設定されている閾値と比較し、その比較結果に従って、そのデジタル受光情報に対応する受光領域26a1乃至26a9、26b1乃至26b9に人または物体が存在するか否かを判定する。この判定結果は、制御部30内の出力部36、通信インターフェース38、バス40を介してドアコントローラ42に供給される。ドアコントローラ42は、この判定結果に従って、ドアパネル10,10を開いたり、閉じたりする。なお、バス40は、例えば、CAN(Controller Area Network)で構成される。
【0028】
上述したように制御部30は、投光切替部28に対する指示を与えるが、この指示は、制御部30内の設定部44の設定内容に基づいて行われる。また、デジタル受光情報のうち採用されたものだけが閾値と比較されるが、いずれのデジタル受光情報を採用するかについても設定部44に設定されている。また、上述した閾値も設定部44に設定される。これらは、ユーザーによって操作される携帯型の操作部、例えばPDA46から、無線通信インターフェース48、50、バス40、通信インターフェース38を介して設定部44に設定される。
【0029】
図5(a)、(b)は、設定部44の設定によって各投光領域18a乃至18d、受光領域がどのように変化するかを示したものである。図5(a)は、例えばドア開口幅方向の監視を投光領域18b、18c及びその内部の受光領域によって行うことができる場合のものである。この場合、投光領域18a、18dに対して投光が行われないように、投光器14a、14dに対して投光指示が与えられない。更に、外乱の影響を排除するため、投光領域18a、18b内の受光領域に対応して受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9が発生した受光情報は、閾値と比較されないように設定部44で設定されていてもよい。なお、閾値と比較されないようにする代わりに、受光しないようにしてもよい。さて、図5(a)は、図1(b)に示すように自動ドアの高さ寸法が大きい場合に該当する。
【0030】
図5(b)は、図5(a)に示す自動ドアのドア開口よりも幅が幾分広いか、自動ドアの高さ寸法が幾分小さい自動ドアに適用する場合のもので、投光領域18a乃至18dが形成されるように投光器14a乃至14dの全てに投光指示が与えられる。但し、投光領域18a、18dのうちドア開口幅よりも外側にある受光領域からの光を受けた受光器(投光器14a、14dが投光しているときの受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9の一部の受光器)の受光情報は閾値と比較されないように設定部44によって設定されている。なお、閾値と比較されないようにする代わりに、受光しないようにしてもよい。
【0031】
図6は、制御部30が上述した設定部44の設定に従って、どのように投光器14a乃至14d、受光器22a1乃至22a9、22b1乃至22b9を制御し、かつ、どのように人体や物体の有無を判定するかを示したフローチャートである。
【0032】
まず、制御部30は、設定部44の設定を確認し、投光器14aの投光が指示されているか判断する(ステップS2)。この判断の答えがイエスの場合、投光器14aが投光するように投光切替部28に切替を指示する(ステップS4)。次に、受光器22a1の受光情報がA/D変換器34に入力されるように受光切替部32を切り替える(ステップS6)。受光情報が安定するまで、すなわち切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間待機して(ステップS8)、受光器22a1の受光情報をA/D変換した値を投光器14aに対応するものとして制御部30に記憶する(ステップS10)。次に、受光器22a2の受光情報がA/D変換器34に入力されるように受光切替部32を切り替える(ステップS12)。受光情報が安定するまで、すなわち切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間待機して(ステップS14)、受光器22a2の受光情報をA/D変換した値を投光器14aに対応するものとして制御部30に記憶する(ステップS16)。以下、同様にして、順に各受光器22a3乃至22b8の受光情報を投光器14aに対応するものとして制御部30に記憶する。そして、ステップS8、10、12と同様に、受光器22b9に対して受光切替部32の切替(ステップS18)、待機(ステップS20)、記憶(ステップS22)を行う。
【0033】
ステップS22に続いて、或いはステップS2の判断の答えがノーの場合、投光器14bの投光が指示されているか判断する(ステップS24)。従って、ステップS2の判断の答えがノーの場合、上述したステップS4乃至22の処理は実行されず、投光領域18bに対する受光情報は収集されない。
【0034】
ステップS24の判断の答えがイエスの場合、投光器14bが投光するように投光切替部28に切替を指示する(ステップS26)。次に、受光器22a1の受光情報がA/D変換器34に入力されるように受光切替部32を切り替える(ステップS28)。受光情報が安定するまで、すなわち切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間待機して(ステップS30)、受光器22a1の受光情報をA/D変換した値を投光器14bに対応するものとして制御部30に記憶する(ステップS32)。以下、同様にして、順に各受光器22a2乃至22b9の受光情報を投光器14bに対応するものとして制御部30に記憶させる。
【0035】
受光器22b9の受光情報を投光器14bに対応するものとして制御部30に記憶させた後、またはステップS24の判断の答えがノーの場合、投光器14cの投光が指示されているか判断する(ステップS34)。この判断の答えがイエスの場合、上述したのと同様にして順に各受光器22a1乃至22b9の受光情報を投光器14cに対応するものとして記憶する。これに続いて、またはステップS34の判断の答えがノーの場合、投光器14dの投光が指示されているか判断する(ステップS36)。この判断の答えがイエスの場合、上述したのと同様にして順に各受光器22a1乃至22b9の受光情報を投光器14dに対応するものとして記憶する。
【0036】
受光器22b9の受光情報を投光器14dに対応するものとして制御部30に記憶させた後、またはステップS36の判断の答えがノーの場合、制御部30に記憶したデジタル受光情報のうち、設定部44に設定された設定情報によって採用されたものの受光情報を、閾値と比較して、物体等が存在するか判断する(ステップS38)。この判断の答えがイエスの場合には、ドアコントローラ42に開放信号を出力する(ステップS40)。これによって、ドアパネルが開放され、再びステップS2から実行される。ステップS40の判断の答えがノーの場合も、ステップS2から再び実行される。
【0037】
図7は、制御部30が、PDA46からのデータを受信した際に行う処理をフローチャートで示したもので、データである設定値を受信したか判断し(ステップS42)、この判断の答えがイエスの場合、設定部44の設定値を更新し(ステップS44)、この処理を終了する。ステップS42の判断の答えがノーの場合も、この処理を終了する。
【0038】
図8(a)、(b)、(c)、(d)は、設定部44に設定されている設定値を模式的に示したもので、同図(a)、(c)は、投光器14a乃至14dに関するもので、投光または非投光が設定されている。同図(b)、(d)は、各受光器22a1乃至22b9に対する設定値の一部、投光器14aに関連してのものを示し、受光情報として採用するか非採用であるかが設定されている。他の投光器14b乃至14dに対する設定値も設定されているが、図示を省略している。なお、同図(a)、(b)は、図5(a)に対応する場合を示しており、同図(c)、(d)は、図5(b)に対応する場合を示している。
【0039】
このように、この自動ドアセンサ2では、設定部44の設定によって投光させる投光器や受光器の受光情報のいずれによって人体等の有無の判断を行うかを任意に選択できるので、高さの異なる自動ドアに対して容易に対応することができる。また、各投光器14a乃至14dの光は、循環して投光されるため、各受光器が多分割レンズ24a、24bによって複数の領域からの光を受光するように構成されていても、投光されていない領域からは受光しないため、一般的な多分割レンズを用いた自動ドアセンサに比べ、S/N比が向上する。またレンズ16a乃至16dによって偏向させているので、投光領域18a乃至18dは充分な光量で投光され、更にS/N比が向上する。
【0040】
本発明の第2の実施形態の自動ドアセンサ2aを、図9乃至図11に示す。自動ドアセンサ2aでは、図9に示すように、投光器14a乃至14dとレンズ16a乃至16dとからなる投光部の構成は、第1の実施形態の自動ドアセンサ2と同一である。受光部は、1つだけ設けられ、第1の実施形態の自動ドアセンサ2の受光器22a1乃至22a9や22b1乃至22b9に比較して大きい面積の1台の受光器122が使用されている。
【0041】
そのため、図10に示すように自動ドアセンサ2と同一の投光領域18a乃至18dが形成されるが、これら投光領域18a乃至18dに対して1つずつの大型の受光領域126が形成される。他の構成は、自動ドア2と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0042】
図10に示す自動ドアと異なる図11に示す自動ドアに、この自動ドアセンサ2aを取り付けた結果、両外側で人体等の検知が不要な場合、投光器14a、14dの投光が設定部44への設定によって中止され、投光領域18a、18dへの投光は中止される。また、制御部30が行う処理では、図6に示したステップS2において投光器14aの投光が指示されているか判断し、この判断の答えがイエスの場合、ステップS4において投光器14aが投光するように投光切替部28に切替が指示される。そして受光器122の受光情報をA/D変換した値を投光器14aに対応するものとして制御部30に記憶した後、ステップS24で示した投光器14bの投光が指示されているかの判断を行う。以下、同様に他の投光器14b乃至14dについても行われる。そして、各投光器14a乃至14dに対応して制御部30に記憶したデジタル受光情報のうち、設定部44によって採用された受光情報、図11の場合投光器14b、14cに対応する受光情報から物体等が存在するか判断する。
【0043】
本発明の第3の実施形態の自動ドアセンサ2bを図12乃至図16に示す。この自動ドアセンサ2bでは、図12に示すように、スポット光を発生する複数個、例えば18個の投光器214a乃至214rがドア開口幅方向に3個、ドア開口幅方向に直交する方向に6個マトリックス状に配列されている。その前方に自動ドアセンサ2の多分割レンズ24a、24bと同一の多分割レンズ224が多分割レンズ24a、24bと同様に配置されて、投光部が構成されている。これによって、図13に示すように、ドア開口幅方向に沿って3個、ドア開口幅方向に直交する方向に6個の合計18個の投光領域218a乃至218rからなる合成投光領域218が4つ、ドア開口幅方向に沿って形成される。
【0044】
また、図12に示すように、面状の4つの受光器222a乃至222dと、これらの前方に光学素子として配置された4つのレンズ216a乃至216dとによって受光部が形成されている。なお、小径の受光器を複数個並べることにより面状の受光器を構成してもよい。さて、受光器222a乃至222dは、ドア開口幅方向に直交する方向に沿うように配置され、ドア開口幅方向に沿って一列に配列されている。そして、レンズ216a乃至216dの向きと傾きを調整することによって、図13に示すように、上述した4つの合成投光領域218をそれぞれカバーする4つの受光領域226a乃至226dが形成されている。
【0045】
図14は、この自動ドアセンサ2bの回路構成を示すブロック図で、自動ドアセンサ2と同等部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0046】
この自動ドアセンサ2bでの制御部30での制御は、図15に示すようなものである。まず、制御部30は、設定部44の設定を確認し、受光器22aの受光情報がA/D変換器34から入力されるように受光切替部32を切り替える(ステップS46)。次に、受光情報が安定するまで、すなわち切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間待機し(ステップS48)、設定部44の設定に応じて投光器14aが投光するように投光切替部28に切替を指示する(ステップS50)。そして、受光器22aの受光情報をA/D変換した値を投光器14aに対応するものとして制御部30に記憶する(ステップS52)。以下、同様にして、各投光器14b乃至14pまで投光させ、受光情報をA/D変換した値を投光器14aに対応するものとして制御部30に記憶する。そして、最後の投光器14rを投光させ(ステップS54)、受光情報をA/D変換した値を受光器22aに対応するものとして制御部30に記憶する(ステップS56)。
【0047】
ステップS56に続いて、設定部44の設定を確認し、受光器22bの受光情報がA/D変換器34から入力されるように受光切替部32を切り替える(ステップS58)。次に、受光情報が安定するまでの時間待機し(ステップS60)、設定部44の設定に応じて投光器14aが投光するように投光切替部28に切替を指示する(ステップS62)。以下、同様にして、受光器22bの受光情報をA/D変換した値を投光器14aに対応するものとして制御部30に記憶し、他の投光器14b乃至14rについても同様に処理する。
【0048】
続いて、設定部44の設定を確認し、受光器22cの受光情報がA/D変換器34から入力されるように受光切替部32を切り替える(ステップS64)。次に、受光情報が安定するまでの時間待機し(ステップS66)、設定部44の設定に応じて投光器14aが投光するように投光切替部28に切替を指示する(ステップS67)、以下、上述したのと同様に投光器14a乃至14rに対応する受光情報を順次記憶する。
【0049】
続いて、設定部44の設定を確認し、受光器22dの受光情報がA/D変換器34から入力されるように受光切替部32を切り替える(ステップS68)。次に、受光情報が安定するまでの時間待機し(ステップS70)、設定器44の設定に応じて投光器14aを投光させ(ステップS72)、以下、上述したのと同様に投光器14a乃至14rに対応する受光情報を順次記憶する。
【0050】
次に、制御部30に記憶した各受光器22a乃至22dにおける各投光器14a乃至14rに対応するデジタル受光情報のうち、設定部44に設定された設定情報によって採用されたものの受光情報を、閾値と比較して、物体等が存在するか判断する(ステップS74)。この判断の答えがイエスの場合には、ドアコントローラ42に開放信号を出力する(ステップS76)。これによって、ドアパネルが開放され、再びステップS46から実行される。ステップS74の判断の答えがノーの場合も、ステップS46から再び実行される。従って、例えば、図16に示すように、投光領域226b、226c中の一部の受光領域の受光情報を閾値と比較しないように設定することによって、通路状況に応じて細かいエリア設定を行うことができる。また、先に受光部を受光可能な待機状態としてから投光器を順に投光させているので、A/D変換器34の総切り替え回数が少なくなり、その結果、受光部の待機時間(切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間)の合計が自動ドアセンサ2よりも短くすることができる。
【0051】
なお、第1の実施形態の自動ドアセンサ2における図6に示した処理において、ステップS2、S24、S34、S36等で示した「設定部において各投光器が投光するように設定されているか否かの判断」を行うことを取りやめて、全ての投光器を順に投光するように変更した処理を、自動ドアセンサ2において行うこともできる。
【0052】
本発明の第4の実施形態の自動ドアセンサ2cを図17及び図18に示す。この自動ドアセンサ2cは、第3の実施形態の自動ドアセンサ2bにおける投光部を受光部の両側に配置したものである。両投光部はドアの開口幅方向に9個、ドア開口幅方向に直交する方向に9個の合計81個の投光器314a1乃至314a81、314b1乃至314b81をそれぞれ有している。これら投光器314a1乃至314a81と、314b1乃至314b81とは、重ならないように配置されている。これによって、図18に示すように、合計で162個の投光領域318a1乃至318a81と318b1乃至318b81からなる4つの合成投光領域318a、318bがドア開口幅方向に沿って4つ形成される。
【0053】
受光部では12個の受光器322a乃至322lがドア開口幅方向に沿って配置され、それぞれは、ドア開口幅方向に直交する方向に長い面状のものである。これら受光器322a乃至322lの前方にこれらに対応してそれぞれ12個のレンズ316a乃至316lが光学素子として配置されている。これによって、図18に示すように、合計で12個の受光領域326a乃至326lがドア開口幅方向に沿って形成される。これら受光領域326a乃至326lは、それらの内部に、ドア開口幅方向に3個、ドア開口幅方向に直交する方向に18個、すなわち3×18のマトリックス状の投光領域をいずれも含むようにレンズ316a乃至316lの向き及び傾きが決定されている。
【0054】
この自動ドアセンサ2cの回路構成は、図4に示したブロック図において、受光器と投光器の数が増加している点を除いて同一であるので、詳細な説明を省略する。この自動ドアセンサ2cにおいても、受光器及び投光器の数が増加している点を除いて自動ドアセンサ2と同様に動作するので、その動作の説明は省略する。この自動ドアセンサ2cでは、投光素子及び受光素子の数が多いので、高分解能に人体等を検知することができるし、自動ドアセンサ2bと同様に待機時間(切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間)の合計が短いので、多数の投光器を使用していても、人体の有無等を検知するのに要する時間が長くなることがない。
【0055】
第5の実施形態の自動ドアセンサ2dを図19及び図20に示す。この自動ドアセンサ2dは、第1の実施形態の自動ドアセンサ2と同様に中央に投光部を有し、その両側に受光部を有するものである。投光部は、第1の実施形態と同様に、複数、例えば12個の面状の投光器414a乃至414lがドア開口幅方向に沿って縦長に配置されている。これらの前方にそれぞれレンズ416a乃至416lが光学素子として配置されている。これによって、図20に示すようにドア開口幅方向に沿って合計16個の投光領域418a乃至418lが形成されている。これら投光領域418a乃至418lは、ドア開口幅方向にそれぞれ直交するように床面に形成されている。
【0056】
受光部は、それぞれ面状の受光器422a、422bを有している。これらは、横長、即ちドア開口幅方向に長く形成されており、重複しないように配置されている。これら受光器22a、22bの前面に4分割された多分割レンズ424a、424bが多分割レンズ24a、24bと同様に配置されている。これによって、図20に示すように、ドア開口幅方向に沿ってドア開口の近傍に受光器422bによる4つの受光領域426bが形成され、ドア開口幅方向に沿ってドア開口から離れて受光器422aによる4つの受光領域426aが形成されている。これら受光領域426a、426b内には投光器領域418a乃至418lがそれぞれ重なって配置されている
【0057】
この自動ドアセンサ2dの回路構成は、図4に示したブロック図において、受光器と投光器の数が増加している点を除いて同一であるので、詳細な説明を省略する。この自動ドアセンサ2dにおいても、受光器及び投光器の台数が増加している点を除いて自動ドアセンサ2と同様に動作するので、その動作の説明は省略する。
【0058】
第6の実施形態の自動ドアセンサ2eを図21及び図22に示す。この自動ドアセンサは、2つの受光部の構成が異なる以外、自動ドアセンサ2dと同様に構成されている。同等部分には同一符号を付して、その説明を省略する。受光部では、面状の受光器に代えて、スポット受光用の9つの受光器522a1乃至522a9と、522b1乃至522b9とが、ドア開口幅方向に3個、ドア開口幅方向に直交する方向に3個のマトリックス状に配置されている。これら受光器522a1乃至522a9と、522b1乃至522b9と、これらの前面にある多分割レンズ424a、424bとによって、図22に示すようにドア開口幅方向に3個、ドア開口幅方向に直交する方向に6個の円形の受光領域526a1乃至526a9、526b1乃至526b9が、ドア開口幅方向に沿って4組構成される。これら受光領域526a1乃至526a9、526b1乃至526b9は、各投光領域内418a乃至418lに6個の受光領域が重なって位置するように多分割レンズ424a、424bの向きが設定されている。
【0059】
この自動ドアセンサ2eの回路構成は、図4に示したブロック図において、受光器と投光器の数が増加している点を除いて同一であるので、詳細な説明を省略する。この自動ドアセンサ2eにおいても、受光器及び投光器の台数が増加している点を除いて自動ドアセンサ2と同様に動作するので、その動作の説明は省略する。なお、自動ドアセンサ2bと同様な動作をすることによって、待機時間(切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間)の合計が短くなるので、多数の投光器を使用していても、検知に要する時間が長くなることはない。
【0060】
第7の実施形態の自動ドアセンサ2fを図23及び図24に示す。この自動ドアセンサ2fでは、投光部に8つの投光器614a乃至614hが設けられ、これらの前方にそれぞれレンズ616a乃至616hが光学素子として配置されている。これによって図24に示すように、8つの投光領域618a乃至618hがドア開口幅方向に沿って形成されている。2つの受光部では、1列に配置された3個の受光器622a1乃至622a3と、622b1乃至622b3とが、重なり合わないように配置されている。その前方にある多分割レンズ624a、624bが、投光器614a乃至614hの数に併せて8つに分割されている。また、多分割レンズ624a、624bは、各投光領域618a乃至618h内に、各受光器622a1乃至622a3、622b1乃至622b3によって構成される受光領域626a1乃至626a3、626b1乃至626b3が重なるようにその向きと傾きが設定されている。この自動ドアセンサ2fの回路構成は、図4に示したブロック図において、受光器と投光器の数が異なる点を除いて同一であるので、詳細な説明を省略する。この自動ドアセンサ2fにおいても、受光器及び投光器の台数が異なる点を除いて自動ドアセンサ2と同様に動作するので、その動作の説明は省略する。なお、自動ドアセンサ2bと同様な動作をすることによって、待機時間(切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間)の合計が短くなるので、多数の投光器を使用していても、検知に要する時間が長くなることはない。
【0061】
第8の実施形態の自動ドアセンサ2gを図25及び図26に示す。この自動ドアセンサ2gでは、投光部は、スポット光を投光する8つの投光器714a乃至714hを有し、これらはドア開口幅方向に4個、ドア開口幅方向に直交する方向に2個のマトリックス状に配置されている。各投光器714a乃至714hの前方に、それぞれレンズ716a乃至716hが配置され、これらによって図26に示すように8つの円形の投光領域718a乃至718hがドア開口幅方向に沿って4つ、ドア開口幅方向に直交する方向に2つ形成されている。
【0062】
投光部の両側の2つの受光部では、スポット光を受光するそれぞれ9つの受光器722a1乃至722a9、722b1乃至722b9がドア開口幅方向に3つ、ドア開口幅方向に直交する方向に3つマトリックス状に配置され、これら2つのマトリックス体は、重なり合わないように配置されている。これら9つの受光器722a1乃至722a9、722b1乃至722b9の前方に多分割レンズ724a、724bが配置され、各投光領域718a乃至718h内にそれぞれドア開口幅方向に3個、ドア開口幅方向に直交する方向に3個の合計9個の受光領域726a1乃至726a9、726b1乃至726b9を形成するように設けられている。この自動ドアセンサ2gの回路構成は、図4に示したブロック図において、受光器と投光器の数が異なる点を除いて同一であるので、詳細な説明を省略する。この自動ドアセンサ2gにおいても、受光器及び投光器の台数が異なる点を除いて自動ドアセンサ2と同様に動作するので、その動作の説明は省略する。なお、自動ドアセンサ2bと同様な動作をすることによって、待機時間(切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間)の合計が短くなるので、多数の投光器を使用していても、検知に要する時間が長くなることはない。
【0063】
第9の実施形態の自動ドアセンサ2hを図27及び図28に示す。この自動ドアセンサ2hでは、投光部は、4つの面状の投光器814a乃至814dを有している。これら投光器814a乃至814dは、その長さ方向がドア開口幅方向に沿うように、ドア開口幅方向に直交する方向に沿って配列されている。これらの前方にはレンズ816a乃至816dが光学素子として配置されている。これによって図28に示すように、それぞれがドア開口幅に沿う長さを持つ矩形の投光領域818a乃至818dがドア開口幅方向に直交する方向に配列される。
【0064】
2つの受光部では、それぞれ12個のスポット光受光用の受光器822a1乃至822a12、822b1乃至822b12が、ドア開口幅方向に6個、ドア開口幅方向に直交する方向に2個ずつマトリックス状に配置され、これらマトリックス体は、ドア開口幅方向に重ならないように配置されている。これら受光器822a1乃至822a12、822b1乃至822b12の前方には、多分割レンズ824a、824bが、ドア開口幅方向に直交する方向に光を分散させるように4つの分割されている。これによって図28に示すように、受光器822a1乃至82a12によって形成される受光領域826a1乃至826a12と、受光器822b1乃至822b12によって形成される受光領域826b1乃至826b12とが、各投光領域818a乃至818d内に、配置されるように形成される。
【0065】
この自動ドアセンサ2hの回路構成は、図4に示したブロック図において、受光器と投光器の数が異なる点を除いて同一であるので、詳細な説明を省略する。この自動ドアセンサ2gにおいても、受光器及び投光器の台数が異なる点を除いて自動ドアセンサ2と同様に動作するので、その動作の説明は省略する。なお、自動ドアセンサ2bと同様な動作をすることによって、待機時間(切り替えノイズの影響が無くなる程度の時間)の合計が短くなるので、多数の投光器を使用していても、検知に要する時間が長くなることはない。
【0066】
第10の実施形態の自動ドアセンサ2iを図29に示す。この自動ドアセンサ2iは、第1の実施形態の自動ドアセンサ2において、受光部を1つとして、その代わりに18個の受光器922a乃至922rを、ドア開口幅方向に3個、ドア開口幅方向に直交する方向に6個マトリックス状に配置したものである。他の構成は、第1の実施形態の自動ドアセンサ2と同様であるので、同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。これによっても、図3に示したものと同様に投光領域及び受光領域が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1の実施形態の自動ドア用センサの使用状態を示す図である。
【図2】図1の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【図3】図1の自動ドア用センサによって形成される検知領域を示す図である。
【図4】図1の自動ドア用センサのブロック図である。
【図5】図1の自動ドア用センサによって検知領域を変更した状態を示す図である。
【図6】図1の自動ドア用センサの投光及び受光に関連するフローチャートである。
【図7】図1の自動ドア用センサにおける設定に関連するフローチャートである。
【図8】図1の自動ドア用センサにおける設定部の設定状態を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【図10】図9の自動ドア用センサによって形成される検知領域を示す図である。
【図11】図9の自動ドア用センサによって検知領域を変更した状態を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施形態の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【図13】図12の自動ドア用センサによって形成される検知領域を示す図である。
【図14】図12の自動ドア用センサのブロック図である。
【図15】図12の自動ドア用センサの投光及び受光に関連するフローチャートである。
【図16】図12の自動ドア用センサによって検知領域を変更した状態を示す図である。
【図17】本発明の第4の実施形態の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【図18】図17の自動ドア用センサによって形成される検知領域を示す図である。
【図19】本発明の第5の実施形態の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【図20】図19の自動ドア用センサによって形成される検知領域を示す図である。
【図21】本発明の第6の実施形態の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【図22】図21の自動ドア用センサによって形成される検知領域を示す図である。
【図23】本発明の第7の実施形態の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【図24】図23の自動ドア用センサによって形成される検知領域を示す図である。
【図25】本発明の第8の実施形態の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【図26】図25の自動ドア用センサによって形成される検知領域を示す図である。
【図27】本発明の第9の実施形態の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【図28】図27の自動ドア用センサによって形成される検知領域を示す図である。
【図29】本発明の第10の実施形態の自動ドア用センサの正面図及び平面図である。
【符号の説明】
【0068】
14a乃至14d 投光器
16a乃至16d レンズ(光学素子)
22a1乃至22a9 22b1乃至22b9 受光器
24a、24b 多分割レンズ
30 制御部
44 設定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア近傍の監視エリアに対して投光が循環して行われる複数の投光器と、前記投光器の投光を前記ドアの開口幅方向に直交する方向に変更させる光学素子とを、備える投光部と、
前記監視エリアに投光された光が受光される受光器と、前記監視エリアに投光された光を前記受光器に集光するように設けられた、複数のレンズが組み合わされた多分割レンズとを、備える受光部と、
前記各投光器に投光を行わせるか否かが、前記投光器ごとに設定される設定部と、
前記受光器の受光状況から前記監視エリア内の人または物体の有無を判断する制御部とを、
備えた自動ドア用センサ。
【請求項2】
請求項1記載の自動ドア用センサにおいて、前記受光器は、少なくとも前記ドアの開口幅に沿って複数設けられており、前記設定部は、前記各受光器の受光状況から前記監視エリア内の人または物体の有無の判断が行われるか否かが、前記各投光器の投光状況に応じて設定されるものである自動ドア用センサ。
【請求項3】
請求項2記載の自動ドア用センサにおいて、前記投光器は、3つ以上設けられている自動ドア用センサ。
【請求項4】
請求項2記載の自動ドア用センサにおいて、前記各投光器の間には、遮蔽板が設けられている自動ドア用センサ。
【請求項5】
請求項2記載の自動ドア用センサにおいて、前記受光器は、少なくともドア開口幅方向に直交する方向に複数設けられている自動ドア用センサ。
【請求項6】
請求項1記載の自動ドア用センサにおいて、前記光学素子は、シリンドリカルレンズ、トーリックレンズ、ホログラムを利用した光学系、スリットまたは反射型ミラーの何れかである自動ドア用センサ。
【請求項7】
請求項1記載の自動ドア用センサにおいて、前記受光部は複数設けられ、前記監視エリア中の前記各受光部が監視するエリアは、前記ドア開口幅方向に直交する方向に沿って設けられている自動ドア用センサ。
【請求項8】
請求項1記載の自動ドア用センサにおいて、前記受光器は、少なくとも前記ドア開口幅方向に複数設けられており、前記投光部は、前記多分割レンズの分割部分に対する受光幅内に複数の前記投光器から投光が行われるように設けられている自動ドア用センサ。
【請求項9】
ドア近傍の監視エリアに対し投光が行われる投光器と、前記投光器の投光が前記監視エリアに分散されるように複数のレンズが組み合わされた多分割レンズとを、備えた投光部と、
前記監視エリアに投光された光が受光される複数の受光器と、前記監視エリアに投光された光のうち、ドア開口幅方向に直交する方向に沿った光を、前記各受光器へ集光する複数のレンズとを、備える受光部と、
前記受光器の受光状況に基づき前記監視エリア内への人または物体の有無の判断が行われるか否かを設定する設定部と、
前記設定部の設定に基づいて前記受光器の受光状況から前記監視エリア内の人または物体の有無を判断する制御部とを、
備えた自動ドア用センサ。
【請求項1】
ドア近傍の監視エリアに対して投光が循環して行われる複数の投光器と、前記投光器の投光を前記ドアの開口幅方向に直交する方向に変更させる光学素子とを、備える投光部と、
前記監視エリアに投光された光が受光される受光器と、前記監視エリアに投光された光を前記受光器に集光するように設けられた、複数のレンズが組み合わされた多分割レンズとを、備える受光部と、
前記各投光器に投光を行わせるか否かが、前記投光器ごとに設定される設定部と、
前記受光器の受光状況から前記監視エリア内の人または物体の有無を判断する制御部とを、
備えた自動ドア用センサ。
【請求項2】
請求項1記載の自動ドア用センサにおいて、前記受光器は、少なくとも前記ドアの開口幅に沿って複数設けられており、前記設定部は、前記各受光器の受光状況から前記監視エリア内の人または物体の有無の判断が行われるか否かが、前記各投光器の投光状況に応じて設定されるものである自動ドア用センサ。
【請求項3】
請求項2記載の自動ドア用センサにおいて、前記投光器は、3つ以上設けられている自動ドア用センサ。
【請求項4】
請求項2記載の自動ドア用センサにおいて、前記各投光器の間には、遮蔽板が設けられている自動ドア用センサ。
【請求項5】
請求項2記載の自動ドア用センサにおいて、前記受光器は、少なくともドア開口幅方向に直交する方向に複数設けられている自動ドア用センサ。
【請求項6】
請求項1記載の自動ドア用センサにおいて、前記光学素子は、シリンドリカルレンズ、トーリックレンズ、ホログラムを利用した光学系、スリットまたは反射型ミラーの何れかである自動ドア用センサ。
【請求項7】
請求項1記載の自動ドア用センサにおいて、前記受光部は複数設けられ、前記監視エリア中の前記各受光部が監視するエリアは、前記ドア開口幅方向に直交する方向に沿って設けられている自動ドア用センサ。
【請求項8】
請求項1記載の自動ドア用センサにおいて、前記受光器は、少なくとも前記ドア開口幅方向に複数設けられており、前記投光部は、前記多分割レンズの分割部分に対する受光幅内に複数の前記投光器から投光が行われるように設けられている自動ドア用センサ。
【請求項9】
ドア近傍の監視エリアに対し投光が行われる投光器と、前記投光器の投光が前記監視エリアに分散されるように複数のレンズが組み合わされた多分割レンズとを、備えた投光部と、
前記監視エリアに投光された光が受光される複数の受光器と、前記監視エリアに投光された光のうち、ドア開口幅方向に直交する方向に沿った光を、前記各受光器へ集光する複数のレンズとを、備える受光部と、
前記受光器の受光状況に基づき前記監視エリア内への人または物体の有無の判断が行われるか否かを設定する設定部と、
前記設定部の設定に基づいて前記受光器の受光状況から前記監視エリア内の人または物体の有無を判断する制御部とを、
備えた自動ドア用センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図11】
【図12】
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【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
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【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2009−229079(P2009−229079A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−71147(P2008−71147)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】
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