説明

自動二輪車のナビゲーション装置

【課題】 走行中にナビゲーション装置の操作がしにくい点を解決することで、走行中にも楽な姿勢で操作することを可能にするとともに、ナビゲーション装置を車両に配置しにくい点を解決しすることで、ナビゲーション装置を容易に配置することを可能にする。
【解決手段】 目的地や現在の車両位置などナビゲーション情報を表示するナビゲーション表示部101と、このナビゲーション表示部101を制御する制御部103と、この制御部103に入力操作をする操作部102と、からなるナビゲーション装置を備えた自動二輪車10において、ナビゲーション表示部101から操作部102を分離するとともに、この操作部102を車体11側に配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地や現在の車両位置などを表示することができる自動二輪車のナビゲーション(navigation)装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車のナビゲーション装置として、インストルメントパネルにナビゲーション装置を配置したものが実用に供されている。
実用の自動二輪車のナビゲーション装置は、運転者の可視範囲にナビゲーション装置を取付けるようにすれば実用上十分であった。
【0003】
このような自動二輪車のナビゲーション装置として、モニタ画面(ナビゲーション表示部)及び操作スイッチ(操作部)を一体的に納めたものをインストルメントパネルに取付けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平9−95276号公報(第5−6頁、図5−6)
【0004】
図15は従来の自動二輪車のナビゲーション装置の配置を説明する図であり、自動二輪車320は、車体321に操舵自在にハンドル322を取付け、このハンドル322の前面にウインドスクリーン323を設け、ハンドル322の後部中央にナビゲーション装置325を配置したことを示す。
【0005】
図16は従来の自動二輪車のナビゲーション装置の基本構成を説明する図であり、自動二輪車のナビゲーション装置325は、ハウジング326にモニタ画面(ナビゲーション表示部)327を設け、ハウジング326に操作スイッチ(操作部)328を設け、これらのモニタ画面327及び操作スイッチ328を覆うために、ハウジング326に開閉自在にカバー329を取付けたものである。
【0006】
しかし、自動二輪車のナビゲーション装置325では、図15に示すように、ナビゲーション装置325をハンドル322の後部中央に配置したものであり、操作はそのハウジング326にある操作スイッチ328で行うが、走行中にナビゲーション装置325を操作する場合には、運転姿勢を換えることなく操作できればより利便性が向上すると考えられる。
【0007】
また、自動二輪車のナビゲーション装置325では、図16に示すように、ハウジング326にモニタ画面327及び操作スイッチ328を一体的に納めたので、ナビゲーション装置325が大型になり、車体321への配置が困難となる課題があった。
【0008】
すなわち、走行中にナビゲーション装置の操作を楽な姿勢で操作することができるとともに、ナビゲーション装置を容易に配置することができる自動二輪車のナビゲーション装置が望まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、走行中におけるナビゲーション装置の操作性を向上し、走行中にも楽な姿勢で操作することができる自動二輪車のナビゲーション装置を提供するとともに、ナビゲーション装置の車両への配置の自由度を向上させることができる自動二輪車のナビゲーション装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る自動二輪車のナビゲーション装置の発明は、目的地や現在の車両位置などナビゲーション情報を表示するナビゲーション表示部と、このナビゲーション表示部を制御する制御部と、この制御部に入力操作をする操作部と、からなるナビゲーション装置を備えた自動二輪車において、ナビゲーション表示部から操作部を分離するとともに、この操作部を車体側に配置したことを特徴とする。これにより、配置の自由度を向上させ、操作性の向上に寄与できる。
【0011】
請求項2に係る発明は、操作部を、走行中に操作可能な第1の操作部と、停車中に操作する第2の操作部と、に分割構成するとともに、これらの第1・第2の操作部とは別に、操作部に、制御部へ入力できる特定入力手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
操作部を、走行中に操作可能な第1の操作部と、停車中に操作する第2の操作部と、に分割構成することで、走行中に行う操作と停車中に行う操作をそれぞれ振り分けることにより、運転者に使いやすさを提供できる。
また、操作部に、制御部へ入力できる特定入力手段を備えることで、幅広くナビゲーション装置を活用でき、利便性を向上させることができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、特定入力手段が、音声で入力可能な音声入力手段であり、この音声入力可能状態に切換える切換えスイッチを第1の操作部に設けたことを特徴とする。
特定入力手段を音声で入力可能な音声入力手段にすることで、例えば、走行中であっても両手を離すことなく、ナビゲーション装置を使用することができる。
また、音声入力可能状態に切換える切換えスイッチを第1の操作部に設けることで、走行中にも音声入力に切換えることができる。
【0014】
請求項4に係る発明は、第1の操作部に、ナビゲーション表示部に表示する地図画面の拡大若しくは縮小する拡大/縮小スイッチ又は、音声案内の再案内を促す音声再案内スイッチあるいは両方を設けたことを特徴とする。
第1の操作部に、ナビゲーション表示部に表示する地図画面の拡大若しくは縮小する拡大/縮小スイッチを設けることで、走行中に地図画面の拡大若しくは縮小をすることができ、第1の操作部に、音声案内の再案内を促す音声再案内スイッチを設けることで、走行中に音声ガイドの音声を聞き損ねた場合に、何度でも聞くことができる。
【0015】
請求項5に係る発明は、第1の操作部に、地図画面及び各種案内をする案内画面の切換えをする画面切換えスイッチを設けたことを特徴とする。
第1の操作部に、地図画面及び各種案内をする案内画面の切換えをする画面切換えスイッチを設けることで、走行中に、地図画面及び各種案内をする案内画面の切換えをすることができる。
【0016】
請求項6に係る発明は、第1の操作部を、左ハンドルグリップ近傍に設けたことを特徴とする。
第1の操作部を、左ハンドルグリップ近傍に設けることで、走行中にハンドルから手を離すことなく、ナビゲーション装置を操作することができる。
【0017】
請求項7に係る発明は、第2の操作部を、右ハンドルグリップの下方であって、車体を覆うカウルの内側に設けたことを特徴とする。
第2の操作部を、右ハンドルグリップの下方であって、車体を覆うカウルの内側に設けることで、停車中に、車両用シートに跨ったままナビゲーション装置の各種設定をすることができる。
【0018】
請求項8に係る発明は、第1の操作部を、ハンドルスイッチの下方に配置したことを特徴とする。
第1の操作部を、ハンドルスイッチの下方に配置することで、走行中に操作が必要なスイッチの妨げにならない。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明では、ナビゲーション表示部から操作部を分離したので、ナビゲーション装置を容易に配置することができる。この結果、ナビゲーション装置の普及を促進することができるという利点がある。
また、操作部を車体側に配置したので、楽な姿勢でナビゲーション装置を操作することができる。この結果、ナビゲーション装置を使いやすくすることができるという利点がある。
【0020】
請求項2に係る発明では、操作部を、走行中に操作可能な第1の操作部と、停車中に操作する第2の操作部と、に分割構成したので、走行中にすべき操作と、停車中にすべき操作を明確にすることができる。この結果、ナビゲーション装置の操作性の向上を図ることができるという利点がある。
また、操作部に、制御部へ入力できる特定入力手段を備えたので、幅広くナビゲーション装置を使用することができる。この結果、ナビゲーション装置の利便性の向上を図ることができるという利点がある。
【0021】
請求項3に係る発明では、特定入力手段を音声で入力可能な音声入力手段にしたので、例えば、走行中に両手が離せない場合にも、ナビゲーション装置を使用することができる。この結果、ナビゲーション装置の利便性をより向上させることができるという利点がある。
また、音声入力可能状態に切換える切換えスイッチを第1の操作部に設けたので、走行中にも音声入力に切換えることができる。この結果、ナビゲーション装置の利便性の向上を図ることができるという利点がある。
【0022】
請求項4に係る発明では、第1の操作部に、ナビゲーション表示部に表示する地図画面の拡大若しくは縮小する拡大/縮小スイッチを設けたので、走行中に地図画面の拡大若しくは縮小をすることができ、第1の操作部に、音声案内の再案内を促す音声再案内スイッチを設けたので、走行中に音声ガイドの音声を聞き損ねた場合に、何度でも聞くことができる。この結果、ナビゲーション装置の利便性の向上を図ることができるという利点がある。
【0023】
請求項5に係る発明では、第1の操作部に、地図画面及び各種案内をする案内画面の切換えをする画面切換えスイッチを設けたので、走行中に、地図画面及び各種案内をする案内画面の切換えをすることができる。この結果、ナビゲーション装置の利便性の向上を図ることができるという利点がある。
【0024】
請求項6に係る発明では、第1の操作部を、左ハンドルグリップ近傍に設けたので、走行中にハンドルから手を離すことなく、ナビゲーション装置を操作することができる。この結果、ナビゲーション装置の操作性の向上を図ることができるという利点がある。
【0025】
請求項7に係る発明では、第2の操作部を、右ハンドルグリップの下方であって、車体を覆うカウルの内側に設けたので、停車中に、車両用シートに跨ったままナビゲーション装置の各種設定をすることができる。この結果、ナビゲーション装置の使い勝手の向上を図ることができるという利点がある。
【0026】
第1の操作部を、ハンドルスイッチの下方に配置したので、走行中に操作が必要なスイッチの妨げにならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るナビゲーション装置を採用した自動二輪車の側面図であり、自動二輪車10は、車体フレーム(車体)11にヘッドパイプ12を取付け、ヘッドパイプ12に操舵可能にフロントフォーク13を取付け、このフロントフォーク13のトップブリッジ14にステアリングハンドル15を取付け、トップブリッジ14及びボトムブリッジ16の前方にフェアリング17を設け、このフェアリング17の前面にヘッドライト18,18(一方の18は不図示)を配置するとともに左右のミラー19,19(一方の19は不図示)を配置し、フロントフォーク13の下部に前輪21を取付け、この前輪21をフロントフェンダ22で覆い、ヘッドパイプ12から車体フレーム11のメインフレーム23を後方へ延ばし、このメインフレーム23の下部にエンジン24を配置し、メインフレーム23の上部に燃料タンク25を配置し、メインフレーム23からシートレール26を後方へ延ばし、このシートレール26に車両用シート27を取付け、メインフレーム23の後下部からピボット28を介してリヤスイングアーム29を延ばし、このリヤスイングアーム29の後端に後輪31を回転自在に取付け、リヤスイングアーム29の後部と車体フレーム11との間にリヤクッション(不図示)を渡してなる。
【0028】
図中、33アンダカバー、34はGPSアンテナ(global positioning system antenna)、35はフォグランプ、36はフロントウインカ、37はウインドスクリーン、38はエンジン24にエアを供給するためにフェアリング17に開けたエア開口、39はトランクボックス、41はサドルバッグ、42はリヤウインカ、43はロッドアンテナ、44はテールランプ、45はメインスタンド、46はサブスタンド、47は運転者用ステップ、48は乗員用ステップを示す。
【0029】
なお、車両用シート27は、運転者が着座する前部シート(運転者シート)32と、乗員が着座する後部シート(パッセンジャシート)49と、を備える。前部シート32は、運転者の腰を支える腰当て部32aを備え、後部シート49は、乗員が背を当てる背もたれ部51と、乗員が握るグラブレール52,52(奥の52は不図示)を備える。
【0030】
図2は本発明に係るナビゲーション装置を採用した自動二輪車の平面図であり、自動二輪車10に付設した自動二輪車の音響装置60(以下、「音響装置60」と略記する)を説明する。
音響装置60は、メータ表示部(車両用メータ)58の左に中・低音を再生する左の中・低音用ユニット63,64を配置し、これらのメータ表示部58及び左の中・低音用ユニット63の間に高音を再生する左の高音用ユニット65を配置し、メータ表示部58及び右の中・低音用ユニット64の間に高音を再生する右の高音用ユニット66を配置し、トランクボックス39内に左右の中・低音用ユニット63,64よりも低い周波数域を再生できる左右の重低音用ユニット(重低音用スピーカ)67,68を付設し、これらのユニット63〜68に再生音を発生させるコンポーネント69を付設したものである。
【0031】
ここで、コンポーネント69は、チューナ、CD(compact disc)デッキ、MD(mini
disc)デッキ、カセットデッキ及びアンプ等の機能を備えるオーディオ機器を言う。
【0032】
本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置100(以下、「ナビゲーション装置100」と略記する)は、メータ表示部58の後方にナビゲーション表示部101を配置し、ステアリングハンドル15及びカウル(上部パネル)104廻りに分割構成した操作部102を配置し、トランクボックス39に制御部(コントロールユニット)103を収納した装置であり、図7〜図14で詳細に説明する。また、55,56は左・右ハンドルグリップ、59はステアリングハンドル15左に配置することで、運転中に操作するスイッチ類を配置したハンドルスイッチボックスを示す。
【0033】
図3は本発明に係るナビゲーション装置を採用した自動二輪車の正面図であり、車体前方にGPSアンテナ34を配置し、車体下方に左右のフォグランプ35,35を配置し、フェアリング17にヘッドライト18,18を配置し、フェアリング17に左右のミラー19,19を配置し、これらのミラー19,19に左右のフロントウインカ36,36をそれぞれ一体的に組み込み、フェアリング17に左右のエア開口38,38を開けたことを示す。
【0034】
なお、GPSアンテナ34は、メータパネル(インストルメントパネル)57やフェアリング17に組み込み可能なチップアンテナ、バッチアンテナ若しくはヘリカルアンテナが好ましい。
【0035】
図4は本発明に係るナビゲーション装置を採用した自動二輪車の背面図であり、車体の後部中央にトランクボックス39を配置し、このトランクボックス39の両側に左右のサドルバッグ41,41を配置し、これらの左右のサドルバッグ41,41の背面にそれぞれ左右のリヤウインカ42,42を配置し、トランクボックス39の右にロッドアンテナ43を配置し、トランクボックス39の背面に左右のテールランプ44,44を配置し、車体の下部に左右のマフラ53,53を配置し、後輪31をリヤフェンダ54で覆ったことを示す。
【0036】
図5は本発明に係るナビゲーション装置を採用した自動二輪車の音響装置の斜視図であり、音響装置60は、運転者の前方に車速若しくは走行距離などの運転情報を表示するメータ表示部58を設け、このメータ表示部58の両側に英会話や音楽などの再生音を発生する左右のスピーカ(スピーカシステム)61,62を設けた自動二輪車10(図1参照)において、左のスピーカ(スピーカシステム)61を、メータ表示部58の左に配置した中・低音を再生する左の中・低音用ユニット(中・低音用スピーカ)63と、これらのメータ表示部58及び左の中・低音用ユニット63の間に配置した高音を再生する左の高音用ユニット(高音用スピーカ)65と、から構成するとともに、右のスピーカ(スピーカシステム)62を、メータ表示部58の右に配置した中・低音を再生する右の中・低音用ユニット64と、これらのメータ表示部58及び右の中・低音用ユニット64の間に配置した高音を再生する右の高音用ユニット66と、から構成したものであり、図2に示すように、左のスピーカ61は、トランクボックス39内に左の重低音用ユニット67を備え、右のスピーカ62は、トランクボックス39内に右の重低音用ユニット68を備えたものである。
【0037】
メータパネル(インストルメントパネル)57は、左右の中・低音用ユニット63,64及び高音用ユニット65,66を配置可能なパネルであるとともに、メータ表示部58及びナビゲーション表示部101を配置するパネルである。
なお、左右の中・低音用ユニット63,64に中・低音用ユニット63,64を保護するネット(サランネット)を設けてもよい。
【0038】
図6は本発明に係るナビゲーション装置を採用した自動二輪車の別実施例の音響装置の斜視図であり、音響装置60と同一部品は同一符号を用い詳細な説明を省略する。
音響装置70は、メータ表示部58の両側に左右の中・低音用ユニット(中・低音用スピーカ)63,64を配置し、メータパネル(インストルメントパネル)77の上部にダッシュボード78を設け、このダッシュボード78の上面左右にカバー部材(スピーカボックス)73,73を一体的に設け、これらのカバー部材73,73にバッフル(不図示)を介して左右の高音用ユニット(高音用スピーカ)75,76を配置したものである。
【0039】
なお、カバー部材73、バッフル(不図示)及び高音用ユニット75で左の高音用スピーカアッセンブリ71を構成し、カバー部材73、バッフル及び高音用ユニット76で右の高音用スピーカアッセンブリ72を構成する。
【0040】
音響装置70は、メータ表示部58の外形の上部稜線58aから車体上方に突出させて左右の高音用ユニット75,76を配置し、これらの左右の高音用ユニット75,76の側面及び底をカバー部材73,73で覆ったので、左右の高音用ユニット75,76の存在を強調することができ、音響装置70に高級感を演出することができる。
【0041】
以下、ナビゲーション装置100を説明する。
図7は本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置の斜視図であり、ナビゲーション装置100は、メータ表示部58の後方にナビゲーション表示部101を配置し、ステアリングハンドル15左のハンドルスイッチボックス59及びカウル104に操作部102を分割配置し、トランクボックス39に制御部103(図2参照)を収納した装置である。
【0042】
操作部102は、第1の操作部105及び第2の操作部106から分割構成し、第1の操作部105は、ハンドルスイッチボックス59に設けることで、運転中に操作可能な部分であり、第2の操作部106は、カウル104に取付けることで、停止中に操作するようにした部分である。
【0043】
ナビゲーション装置100では、第1の操作部105を、左ハンドルグリップ55近傍に設けたので、走行中にハンドル15から手を離すことなく、ナビゲーション装置100を操作することができる。この結果、ナビゲーション装置100の操作性の向上を図ることができる。
【0044】
さらに、ナビゲーション装置100では、第2の操作部106を、右ハンドルグリップ56の下方であって、車体11(図1参照)を覆うカウル104の内側に設けたので、停車中に、車両用シート27(図1参照)に跨ったままナビゲーション装置100の各種設定をすることができる。この結果、ナビゲーション装置100の使い勝手の向上を図ることができる。
【0045】
図8は本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置のメータ表示部及びナビゲーション表示部の正面図であり、メータ表示部(車両用メータ)58は、車速を表示するスピードメータ111と、エンジン回転数を表示するタコメータ112と、冷却水の温度を表示する水温計113と、燃料の残量を表示する燃料表示計114と、警告又は注意を促すワーニングマーク類115と、ウインカ点灯状態を示す左右のウインカマーク116,117と、を表示した部分である。
【0046】
ナビゲーション表示部101は、目的地や現在の車両位置などのナビゲーション情報を表示する他に、警告又は注意を促すワーニング情報を表示し、若しくはコンポーネント69(図7参照)のオーディオ情報を表示をする部分である。
【0047】
図9は本発明に係るナビゲーション装置を採用した自動二輪車のハンドルスイッチボックスの正面図であり、ハンドルスイッチボックス59は、運転中に操作する操作ボタンや操作レバーを配列した操作部分であり、ヘッドライト18,18(図3参照)及びテールランプ44,44(図4参照)等の点灯をするライト操作ボタン145と、左右のフロントウインカ36,36(図3参照)及び左右のリヤウインカ42,42(図4参照)を操作するウインカ用スライド摘み146と、ホーン(不図示)を鳴らすホーンスイッチボタン147と、コンポーネント69(図7参照)若しくはナビゲーション装置100の音量調節をできるボリューム用レバー148と、コンポーネント69若しくはナビゲーション装置100の音量を一時的に小さくするミュート用ボタン149と、コンポーネント69における放送局選択若しくはCD等のディスクのトラックナンバー選択をするチューニング/ディスクボタン152と、アマチュア無線(不図示)を操作するときのアマチュア無線用レバー類153と、ナビゲーション装置100(図7参照)の操作部102の第1の操作部105と、を配列したボックスである。なお、158は表示部を示す。
【0048】
第1の操作部105は、特定入力手段としての音声入力手段200(図12で詳しく説明する)の音声入力可能状態に切換える切換えスイッチ(図示せず)と、運転中にナビゲーション装置100(図7参照)を操作する拡大/縮小スイッチ、音声再案内スイッチ及び画面切換えスイッチとしての操作スイッチ151と、を備える。
切換えスイッチは、一例として1回押すごとに音声入力可能状態(音声入力ON)/音声入力OFFを繰り返すように設定したスイッチである。
【0049】
操作スイッチ151は、複合操作可能なスイッチであり、左側へ倒すことで地図表示を拡大(詳細画面)表示し、右側へ倒すことで地図表示を縮小(広域画面)表示し、前方へ押すことで音声ガイドのレピート(再案内若しくは再アナウンス)を行い、中央を長く押すことで(長押しすることで)地図画面から案内画面に切換え、もう一度長押しすることで地図画面に戻すことのできるスイッチである。
【0050】
すなわち、操作スイッチ151は拡大/縮小スイッチ機能、音声再案内スイッチ機能及び画面切換えスイッチ機能を有する複合操作可能なスイッチであると言える。これにより、オペレーション機能を集中させることができ、ナビゲーション装置100(図7参照)の走行中の操作性の向上を図ることができる。
【0051】
ここで、音声ガイド(機能)とは、例えば、踏切に近づいたことを音声でアナウンスしたり、目的地に近づいたことなどを音声でアナウンスする機能であり、地図画面とは、図13で示すように道路地図を主体とした画面であり、案内画面とは、図14に示すように道路地図を用いることのない道案内(道先案内)の表示である。
図中、156はスイッチハウジング、157はスイッチハウジング156から延出したケーブルである。
【0052】
すなわち、第1の操作部105に、ナビゲーション表示部101(図7参照)に表示する地図画面の拡大若しくは縮小する操作スイッチ(拡大/縮小スイッチ)151を設けることで、走行中に地図画面の拡大若しくは縮小をすることができ、第1の操作部105に、音声案内の再案内を促す操作スイッチ(音声再案内スイッチ)151を設けることで、走行中に音声ガイドの音声を聞き損ねた場合に、何度でも聞くことができる。この結果、ナビゲーション装置100(図7参照)の利便性の向上を図ることができる。
【0053】
また、第1の操作部105に、地図画面及び各種案内をする案内画面の切換えをする操作スイッチ(画面切換えスイッチ)151を設けることで、走行中に、地図画面及び各種案内をする案内画面の切換えをすることができる。この結果、ナビゲーション装置100(図7参照)の利便性の向上を図ることができる。
【0054】
図10は本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置の第2の操作部の正面図であり、図11は本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置の第2の操作部の平面図である。
第2の操作部106は、停止中に操作するボタンを配列した操作部分であり、図11に示すように、各種設定内容を表示するメニューボタン161と、一度選択した内容を取り消すキャンセルボタン162と、高速道路地図や市外図などを表示するマップボタン163と、メニューボタン162やマップボタン163で表示したメニュー若しくは地図を選択決定する選択決定ボタン164と、これらのボタン161〜164を配列する操作パネル165と、この操作パネル165から延出した図10に示す操作ケーブル166と、音声入力手段200(図12参照)を接続するためのマイク端子167及びヘッドホーン端子168と、からなる。
【0055】
選択決定ボタン164は、メニュー若しくは地図を選択する選択ボタン171〜174と、これらの選択したメニュー若しくは地図を決定する決定ボタン175とからなる。
【0056】
図12は本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置の音声入力手段の斜視図である。
音声入力手段200は、運転者が着用するヘルメット201内に構成した手段であり、ヘルメット201に取付けることで運転者の音声を感知するマイク202と、ヘルメット201に取付けることで運転者に音声ガイド内容などを伝えるヘッドホーン203と、これらのマイク202及びヘッドホーン203を繋ぐ接続ケーブル204と、ヘッドホーン203から延ばした延長ケーブル205と、この延長ケーブル205の先端に接続したマイクジャック207及びヘッドホーンジャック208と、からなる。
【0057】
図13(a),(b)は本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置のナビゲーション表示部の一例を示す表示画面である。
(a)において、地図画面の一例を示し、地図画面211は、道路地図を主体とした画面であって、操作スイッチ151(図9参照)の左端を押すことで地図表示を拡大(詳細画面)表示し、右端を押すことで地図表示を縮小(広域画面)表示する画面である。
また、地図画面211では、画面上にポインタ(指針)212の表示があり、ポインタ212は、自動二輪車10(図1参照)の走行する方向及び位置を示すものである。
【0058】
(b)において、案内画面に一例を示し、案内画面213は、道路地図を用いることのない道案内の表示であって、操作スイッチ151(図9参照)の中央を長押しすることで、(a)に示す地図画面211から案内画面213に切換えて表示する画面である。
案内画面213は、画面左に表示することで右折若しくは左折の地点を案内する第1〜第4のターン表示214〜217と、画面右に表示することで自動二輪車10の走行ルートを案内するルート表示218と、からなる。
【0059】
図中、221は右折若しくは左折を表示する矢印表示、222は右折若しくは左折をする道路を示す道路名表示、223は右折若しくは左折をする道路までの距離表示を示す。
【0060】
図14は本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置のブロック部であり、ナビゲーション装置100は、目的地や現在の車両位置などナビゲーション情報を表示するナビゲーション表示部101と、このナビゲーション表示部101を制御する制御部103と、この制御部103に入力操作をする操作部102と、からなるナビゲーション装置を備えた自動二輪車10(図1参照)において、ナビゲーション表示部101から操作部102を分離するとともに、この操作部102を車体11(図1参照)側に配置したものと言える。
【0061】
例えば、走行中にナビゲーション装置の操作を楽な姿勢で操作することができるとすれば、ナビゲーション装置を使いやすくすることができる。
【0062】
そこで、ナビゲーション表示部101から操作部102を分離することで、ナビゲーション装置100を容易に配置することができる。
また、操作部102を車体11(図1参照)側に配置することで、楽な姿勢でナビゲーション装置100を操作することができる。
【0063】
ナビゲーション装置100は、操作部102を、走行中に操作可能な第1の操作部105と、停車中に操作する第2の操作部106と、に分割構成するとともに、これらの第1・第2の操作部105,106とは別に、操作部102に、制御部102へ入力できる特定入力手段(音声入力手段)200を備えたものとも言える。
【0064】
操作部102を、走行中に操作可能な第1の操作部105と、停車中に操作する第2の操作部106と、に分割構成することで、走行中にすべき操作と、停車中にすべき操作を明確にすることができる。この結果、ナビゲーション装置100の操作性の向上を図ることができる。
【0065】
また、操作部102に、制御部103へ入力できる特定入力手段(音声入力手段)200を備えることで、幅広くナビゲーション装置100を使用することができる。この結果、ナビゲーション装置100の利便性の向上を図ることができる。
【0066】
ナビゲーション装置100は、特定入力手段が、音声で入力可能な音声入力手段200であり、この音声入力可能状態に切換える切換えスイッチ(図示せず)を第1の操作部105に設けたものとも言える。
【0067】
特定入力手段を音声で入力可能な音声入力手段200にすることで、例えば、走行中に両手が離せない場合にも、ナビゲーション装置100を使用することができる。この結果ナビゲーション装置100の利用頻度を拡大することができる。
また、音声入力可能状態に切換える切換えスイッチ(図示せず)を第1の操作部105に設けることで、走行中にも音声入力に切換えることができる。この結果、ナビゲーション装置の利便性の向上を図ることができる。
【0068】
尚、本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置は、図14に示すように、特定入力手段は音声入力手段200であったが、これに限るものではなく、例えば、ナビゲーション表示部に触れることで制御部に入力するタッチパネル式の入力手段であってもよい。
本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置は、第1の操作部105を左ハンドルグリップ55の近傍に設けたが、これに限るものではなく、第1の操作部105を左ハンドルグリップ55の下方に設設けるものであってもよい。すなわち、走行中に操作が必要なスイッチの妨げにならない。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置は、大型の自動二輪車に採用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係るナビゲーション装置を採用した自動二輪車の側面図である。
【図2】本発明に係るナビゲーション装置を採用した自動二輪車の平面図である。
【図3】本発明に係るナビゲーション装置を採用した自動二輪車の正面図である。
【図4】本発明に係るナビゲーション装置を採用した自動二輪車の背面図である。
【図5】本発明に係るナビゲーション装置を採用した自動二輪車の音響装置の斜視図である。
【図6】本発明に係るナビゲーション装置を採用した自動二輪車の別実施例の音響装置の斜視図である。
【図7】本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置の斜視図である。
【図8】本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置のメータ表示部及びナビゲーション表示部の正面図である。
【図9】本発明に係るナビゲーション装置を採用した自動二輪車のハンドルスイッチボックスの正面図である。
【図10】本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置の第2の操作部の正面図である。
【図11】本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置の第2の操作部の平面図である。
【図12】本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置の音声入力手段の斜視図である。
【図13】本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置のナビゲーション表示部の一例を示す表示画面である。
【図14】本発明に係る自動二輪車のナビゲーション装置のブロック部である。
【図15】従来の自動二輪車のナビゲーション装置の配置を説明する図である。
【図16】従来の自動二輪車のナビゲーション装置の基本構成を説明する図である。
【符号の説明】
【0071】
10…自動二輪車、11…車体フレーム(車体)、55,56…左・右ハンドルグリップ、100…ナビゲーション装置、101…ナビゲーション表示部、102…操作部、103…制御部、104…カウル、105…第1の操作部、106…第2の操作部、151…操作スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地や現在の車両位置などナビゲーション情報を表示するナビゲーション表示部と、このナビゲーション表示部を制御する制御部と、この制御部に入力操作をする操作部と、からなるナビゲーション装置を備えた自動二輪車において、
前記ナビゲーション表示部から前記操作部を分離するとともに、この操作部を車体側に配置したことを特徴とする自動二輪車のナビゲーション装置。
【請求項2】
前記操作部は、走行中に操作可能な第1の操作部と、停車中に操作する第2の操作部と、に分割構成するとともに、これらの第1・第2の操作部とは別に、前記制御部へ入力できる特定入力手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の自動二輪車のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記特定入力手段は、音声で入力可能な音声入力手段であり、この音声入力可能状態に切換える切換えスイッチを前記第1の操作部に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動二輪車のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記第1の操作部に、前記ナビゲーション表示部に表示する地図画面の拡大若しくは縮小する拡大/縮小スイッチ又は、音声案内の再案内を促す音声再案内スイッチあるいは両方を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動二輪車のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記第1の操作部に、前記地図画面及び各種案内をする案内画面の切換えをする画面切換えスイッチを設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動二輪車のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記第1の操作部を、左ハンドルグリップ近傍に設けたことを特徴とする請求項2記載の自動二輪車のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記第2の操作部を、右ハンドルグリップの下方であって、前記車体を覆うカウルの内側に設けたことを特徴とする請求項2記載の自動二輪車のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記第1の操作部を、ハンドルスイッチの下方に配置したことを特徴とする請求項6記載の自動二輪車のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−103379(P2006−103379A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−289330(P2004−289330)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】