説明

自動分析装置の分注管

【課題】本発明は、分注管の外面に付着する試料を最小にし、洗浄性の良い、あるいは洗浄不要の分注管を備えた自動分析装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、検体及び試薬が分注される反応容器と、前記反応容器内で混合された混合液から前記検体の検査を行う分析手段と、前記反応容器に分注する分注管を備えた自動分析装置において、前記分注管は、外径が径大な根元側の管部と、外径が径小な先端側の管部と、径の異なる管部をつなぐ段部を有し、少なくとも前記先端側の管部の外表面もしくは内表面には、表面仕上加工の条痕が管部の長手方向に延在することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
今日、生化学分析の検定はますます自動化され、前処理や測定の種々のステップ間に人間が介入することはない。
【0002】
これを実施する一つのステップには、試験サンプルを定量に分注することがある。生化学分析、一般分析における比色測定、蛍光測定や化学発光測定は、今日、完全に自動で実施することができるが、なお多くの欠点がある。
【0003】
自動分析装置では、測定する全サンプルに対して同じ測定条件を維持することによって、精度の高い分析結果を得る測定を実施する装置および分注管の提供が求められる。
【0004】
前述の求めは、分注管と分注モータが協働して試料を吸引、吐出を繰返し行い試験サンプルに含まれる標識を識別する為の装置によって解決される。
【0005】
本発明は、生体試料に対して種々の検査を行う自動分析装置と、この自動分析装置における分注作業に用いて好適な分注装置とに関する。
【背景技術】
【0006】
近年の科学技術の発展はめざましく、特に半導体や医療分野の開発スピードは著しい。
【0007】
これら分野の製品は機能としてのソフト面に脚光を浴びがちであるが、それらの製品を形成する構造体、そしてそれらの製造技術、微細加工技術がなければ成り立たない。
【0008】
これらを構成する部品は材料に金属材料の他、各種セラミックス、ガラス、シリコンといった比較的加工が困難な硬脆材料が多くあるが、コスト面から従来の微細加工技術では対応不可能なケースが多かった。
【0009】
そのような中、微細加工に対する注目度は増し、微細加工技術は飛躍的に向上、不可能が無いと思われる程のポテンシャルを有し、業界に大きく貢献している。
【0010】
微細加工技術は機械加工、放電加工、超音波加工、ケミカルエッチングなど様々な手法があり、加工形状・加工品位・加工精度・コストにより適宜選択され用いられる。
【0011】
部品メーカーは製造技術の向上、低コスト化にしのぎを削っているが、精度とコストのバランスに頭を悩ましているのが現状である。
【0012】
マイクロブラスト加工は上記と同じく微細加工技術に属するものである。
【0013】
ブラスト加工と言えば古くからバリ取り、鋳造後の砂落とし、表面粗しといった比較的ラフな仕上げ加工に用いられてきた。
【0014】
そのブラスト加工に加工精度の概念を導入し、定量的な微細加工を可能にしたものがマイクロブラスト加工である。
【0015】
近年、プラズマディスプレイパネルの背面板隔壁リブ形成をはじめ、センサ用基板の微小構造体形成など、微細加工技術の一つとして適用が盛んになってきた。
【0016】
本発明で述べるマイクロブラスト加工は数μmの微粒子材を用いて微細加工を行うものである。
【0017】
被加工物の表面粗さを均一に加工するために、被加工物上を定ピッチにて被加工物を走査することにより行われる。そのため、加工方向を指定することも可能である。
【0018】
以上のような前記マイクロブラスト加工は、加工精度0.01μm程度の生産性の高い加工技術であり、加工精度0.01μm程度の研削、電子ビーム、エッチング加工の領域と1μm程度の切削、放電加工、超音波加工の領域を補う加工技術として位置付けられる。
【0019】
マイクロブラスト加工に対する市場の高精度化、高生産性化への要求・期待は大きく、最近では多くの要素が検討されている。
【0020】
前記マイクロブラスト加工技術は、既に多くの実績を残しているがまだ課題も残されている。
【0021】
しかしながらそのニーズおよび市場のポテンシャルは非常に高いと思われ、今後とも適用途を拡大していくものと思われる。
【0022】
本発明は、マイクロブラスト加工する分注管に関する。
【0023】
例えば、自動化学分析装置では、人体の尿、血液等からなる検体を反応容器に分注し、さらに、これに対して検査項目毎に設定される所定の試薬を分注して混合することにより生ずる反応状態を検出することで、検体の分析を行う。
【0024】
この反応容器への検体、試薬等の試料(以下、検体及び試薬を含め試料と記す)の分注には、分注管が使用される。この分注管は、モータ駆動のシリンジ型ポンプ等に連結されており、ポンプの動作により、試料の吸引、吐出がなされるように構成されている。
【0025】
このような、吸引、吐出動作の後には、微量の試料が分注管の内面及び外面に付着して残る。
【0026】
この分注管に残った試料が別の試料に持ち越されて混入すると、分析結果に影響を及ぼすため、吸引、吐出後に試料が変更される場合には、その都度、分注管の内面及び外面を洗浄液により洗浄している。
【0027】
このように、別の試料に持ち越されるものとしては、試料吸引時に試料を入れておくサンプルカップ内に分注管を挿入したときに持ち越されるもの(別のサンプルのカップ内に他のサンプルが混じってしまう。これを検体間キャリーオーバと称す。)と、サンプル吐出時に反応容器内に持ち越すもの(反応容器内で、他の反応で用いた本来実験に用いないサンプルが混じってしまう。これをテスト間キャリーオーバと称す。)とが挙げられる。
【0028】
一方で、こうした自動の化学分析装置の分野では、より高感度な測定が行われ、なおかつ、更なる処理速度の向上が望まれている。
【0029】
そのために、上述の分注管の洗浄をより短時間で効率的に行い、なおかつ、別の試料への持ち越しを防ぐために、分注管に付着した前の工程で用いたサンプルを、より残存量が少ないレベルまで洗浄することのできる洗浄性の良い分注管が求められている。
【0030】
分析装置の小型化を図り、かつ高度の洗浄度を持ったピペットも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0031】
この特許文献1に記載のピペットは、検体、試薬等を反応器へ分注するものであり、ピペットの途中から先端まで螺旋状に形成されている。これにより、分注管を通過する洗浄液の流速が内側と外側とで異なるために乱流状態となり、洗浄性が向上するものである。
【0032】
【特許文献1】特開昭62−262751号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
上記従来では、いずれも分注管内面に着目し洗浄性能を向上させている。
【0034】
一方、分注管外面においても、試料吸引の際には試料付着がみられる。
【0035】
本発明は、上記の問題に鑑み、分注管の外面に付着する試料を最小にし、洗浄性の良い、あるいは洗浄不要の分注管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0036】
本発明は、外径が径大な根元側の管部と、外径が径小な先端側の管部と、径の異なる管部をつなぐ段部を有する複数段の管部が直管のように延びた自動分析装置の分注管において、少なくとも前記先端側の管部の外表面もしくは内表面には、表面仕上加工の条痕が管部の長手方向に延在することを特徴とする。
【0037】
また、本発明は、外径が径大な根元側の管部と、外径が径小な先端側の管部と、径の異なる管部をつなぐ段部を有する複数段の管部が直管のように延びた自動分析装置の分注管において、前記先端側の管部は、外径を0.3〜0.7mmに、外表面もしくは内表面の表面粗さを0.01〜0.1μmに規定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、試薬・洗浄液のコンタミネーションが最小になるため、自動分析装置の測定精度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下本発明の実施例を図1から図3を用いて詳細に説明する。
【0040】
図1は分注管1の構成を示す図である。
【0041】
分注管1の構成を図によって述べると概略は次のようになる。
【0042】
分注管1は、反応容器への試料の分注に使用される。
【0043】
試料を吸引する際には、分注管1先端を試料の入った容器内の液面下数mmの位置まで挿入し、吸引を行う。この分注管1の先端が液体に挿入される範囲において試料の付着が発生する。
【0044】
この分注管1は、液体に挿入される先端側の表面粗さを細やかにしたり、表面仕上げ加工の条痕を縦(管の長手方向)とすることにより試料の付着が抑えられ、分注精度の向上が図られる。
【0045】
分注管1の構成について、説明する。
【0046】
分注管1の素材は、ステンレス鋼である。
【0047】
分注管1は、外径が径大な根元側の管部100と、外径が径小な先端側の管部200と、径の異なる管部をつなぐ段部300を有する。分注管1は、径の異なる管部をつなぐ段部を有する複数段の管部が直管のように延びた形状をしている。
【0048】
径大な管部100は、外径が10mm±1mm程度である。径小な管部200は外径が0.5mm±0.05mm程度である。径小な管部200の長さL1は、7〜10mmである。
【0049】
径小な管部200の傾斜した先端の傾斜角度θ1は、45°±5°である。また、径小な管部200は、傾斜した先端の突先が平坦にカットされている。カット幅W1は、0.1mm〜0.2mm程度である。
【0050】
段部300は傾斜している。段部300の傾斜角θ2は、26°±5°である。
【0051】
径小な管部200の先端を傾斜させたので、反応容器の底に管部200の先端が着いても管部200の孔は塞がれなく、分注がスムーズに行なわれる。傾斜角度θ1は、45°±5°であるので、孔は塞がり生じず、尖り過ぎにならない。
【0052】
傾斜した先端の突先が平坦にカットされているで、当たっても反応容器の底を傷めない。
【0053】
段部300を傾斜角させたので、洗浄液の流れが良く、洗浄液の残留も生じ難い。傾斜角θ2は、26°±5°と言う勾配の緩い角度であるので、洗浄液の流れがより良く行なわれ、洗浄液の残留も極めて生じ難い。
【0054】
試料付着の抑制に係わる分注管1の表面仕上加工について説明する。
【0055】
まず第一に、分注管1の径小な管部200は表面仕上加工した表面粗さを0.01μm〜0.1μmの範囲に規定する。
【0056】
これにより、試料や検体の液中に、長手方向に挿入される分注管1に付着する試料の接触角が小さくなり、それに伴って表面張力も小さくなる。そのため、分注管1の壁面(表面)に試料3が付着し難くなる。
【0057】
また付着しても付着量が少なくなるので、試料3が洗浄工程で流れ落ち易く、次の試料に持ち越されない。このため、試薬・洗浄液のコンタミネーションが最小になるため、自動分析装置の測定精度が向上する。
【0058】
本実施例では、分注管は長手方向の平均表面粗さを0.01μm〜0.1μmの範囲に指定しているが、更なる試料の微量化の際には0.01μmのオーダーであることが好ましい。
【0059】
しかし、現状の試料の量においては、コスト、加工時間等の面から0.1μm程度が妥当である。
【0060】
第二には、分注管1の径小な管部200の外表面は、表面仕上加工の条痕が管部の長手方向に延在することである。
【0061】
一般的に、円筒形の部材に機械加工(旋盤等)で仕上げを施した場合には、条線が円周方向の加工模様となる。その場合、長手方向に運動する分注管1において付着する試料の接触角が大きくなり、それに伴って表面張力も大きくなる。そのため、壁面に付着した試料3が洗浄工程で流れ落ちず、次の試料に持ち越されてしまう。
【0062】
そこで、前述したマイクロブラスト加工を分注管1に適用することにより、外表面仕上げの条線を長手方向とした。これにより、長手方向に液中に出し入れされる分注管1に付着する試料の接触角が小さくなり、それに伴って表面張力も小さくなる。そのため、壁面に付着し難くなる。
【0063】
また付着しても付着量が少なくなるので、試料3が洗浄工程で流れ落ち易く、次の試料に持ち越されない。
【0064】
なお、径小な管部200の内表面にも上述した表面仕上加工の条痕を管部の長手方向に延在するように設けることにより、試料の液滴が付き難くなる。
【0065】
また、本実施例の分注管においては、円周方向と長手方向の平均表面粗さ比を規定することが好ましいが、円周方向の平均表面粗さを正確に測定することが困難であるため、長手方向の平均表面粗さ計測値を図1に記載した。
【0066】
しかし、外表面仕上げの条線を長手方向とした際の長手方向の平均表面粗さが0.01μm〜0.1μmであれば実用上問題は無い。
【0067】
この実施例によれば、長手方向の平均表面粗さおよび円周方向と長手方向の平均表面粗さ比を適切に設定することにより、洗浄性を向上させた分注管が得られることになる。
【0068】
図2は分注量再現性データを示す図である。
【0069】
前述したように、分注精度は一般には、吸引量が少ないときほど相対的に洗浄後に残存する液体量が大きくなる傾向にあるため、特に分注量が少ないときほど効果が得られる。
【0070】
例えば、閾値4(例えば統計学的で表記するCV1%)を設定した場合、分注量1μlのときのCV値5、分注量2μlのときのCV値6、分注量5μlのときのCV値7、分注量10μlのときのCV値8に於いても、閾値4を満足する。
【0071】
本実施例の効果は顕著であり、適用すれば分注精度が数分の1に減少し特に微量化の場合顕著に表れ、データが閾値を満足する。
【0072】
本実施例によれば、次のような別な効果がある。
【0073】
自動分析装置は性能評価が出来るまでには、部品の製造、組立て、調整と工程が多い。
【0074】
その間、当該部品(分注管)は洗浄(油分を除く)、保管(油分、粉塵付着の保護)、に格別な注意を要する。
【0075】
そして、分注管は分注量が減少するに従い、前述の精度を満足する大事な要素部品であり、部品(分注管)へ付着する油分、粉塵など外的要因を全工程で排除することが重要になる。
【0076】
自動分析装置の使用圧力範囲に限ればこれら外的要因を全て排除しなければ試料の微量化の際には、精度確保ができない。一方で技術課題として表面粗さと濡れ性が影響することは公知である。
【0077】
本表面仕上げ加工を施せば、分注管は当該加工の最終工程で油分、粉塵に対する効果的な脱脂作業を施すので、前記洗浄、保管の際に要する格段の注意が不要となる。同時にこうした時間節約からトータルコスト削減ができることは本実施例が生む実質的な効果である。
【0078】
また、顧客側サービス面からは当該部品(分注管)外面の表面粗さが小さくなるので壁面への液体の付着が少なくなり、長期に渡りメンテナンス性が向上して日毎の立上げ駆動、終了操作を守れば持続して品質安定化が図れる効果がある。
【0079】
壁面へ付着する試料の残量は厳密には0ではない、但し、閾値を満足する範囲内であれば分析性能に対し実用上の影響がない。
【0080】
本実施例によれば、次に述べる効果がある。
【0081】
(1).分注精度が向上する。(2).自動分析装置の稼動までの時間短縮が図れる。(3).トータルコスト削減ができる、メンテナンス性が良くなる、品質安定化が図れる。
【0082】
図3に示す自動分析装置の分注機構について説明する。
【0083】
図3に示すように、分注機構は、分注管1を回すアーム9、分注管1を保持する管保持材10、管モータ回転上下軸11、制御モータ13、配管配線12等を有する。分注管1は、根元側の管部100が管保持材10に保持される。
【0084】
検体用分注機構の前記分注管1が、検体吸引ポジションに移動され、さらにこの分注管を降下させることで、この位置にある検体容器内に挿入される。
【0085】
試料を吸引、吐出するための分注管1を備えている。
【0086】
試料を吸引、吐出するための分注管1は、Z−θ駆動部に同軸に配設された構造体に対し、アームを介して支持されている。そして、分注管1は、Z−θ駆動部の駆動により、高さ方向(Z軸方向)、回転方向(θ方向)に移動させることができるようになっている。
【0087】
更に自動分析装置は、例えば装置本体上に、反応ディスク、検体用ターンテーブル、試薬用ターンテーブル、検体用分注ユニット(分注装置)、試薬用分注ユニット(分注装置)等が配設された構成となっている。
【0088】
反応ディスクには、複数本の反応容器が同心円周上に沿って環状配置される。
【0089】
検体用ターンテーブルには、複数本の検体容器が同心円周上に沿って環状配設されている。試薬用ターンテーブルには、複数本の試薬ボトルが、同心円周上に沿って環状配設されている。
【0090】
各検体容器には、分析対象となる検体、すなわち、血液、尿、糞便溶解液、培養細胞液等が収められている。
【0091】
各試薬ボトルには、分析項目に必要な複数種類の試薬が個別に収められている。
【0092】
反応ディスク、検体用ターンテーブル、試薬用ターンテーブルは、それぞれ、回転機構により間欠的に回転動作し、所定の位置に位置決めすることが可能となっている。
【0093】
反応ディスクには、検体分注ポジション、試薬分注ポジション、攪拌ポジション、測定ポジション、反応容器洗浄ポジションが設定されており、装置コントローラによりその位置が記憶され、位置制御されている。
【0094】
検体用ターンテーブル、試薬用ターンテーブルも同様である。分注機構は分注管1を構成するアーム9、管保持材10によって構成される。
【0095】
これは静電センサなどの機能と同時に分注管を保持する機能を有する。これらは管モータ回転上下軸10により構成され、制御モータ13によって駆動される。これらは配管配線12によって接続されている。
【0096】
検体用分注機構の前記分注管1が、検体吸引ポジションに移動され、さらにこの分注管を降下させることで、この位置にある検体容器内に挿入される。
【0097】
検体容器内の検体の液面下数mmの位置まで先端が降下したところで分注管の動作が止められ、次いでシリンジポンプ(図示略)が動作して検体が吸引される。所定量の吸引が完了すると、前記分注管は、検体容器と機械的に干渉しない高さまで引き上げられ、次に、検体分注ポジションに移動される。
【0098】
移動完了後、前記分注管は、検体分注ポジションに設置されている反応容器内に降下され、前記シリンジポンプの動作により所定量の検体の分注が行われる。
【0099】
分注完了後、前記分注管は反応容器と干渉しない位置まで引き上げられ、検体用洗浄槽上に移動される。洗浄槽上の位置に達すると、洗浄液供給ポンプが動作して洗浄液が分注管に送られる。
【0100】
これにより、分注管内の余った検体を外部に流し出すとともに、分注管先端の洗浄が行われる。以上により、1つの反応容器への検体の分注が完了する。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明によれば、生体試料に対して種々の検査を行う自動の分析装置の洗浄効率向上が出来る。臨床の知識があれば誰にでも簡単に操作できるので、取扱いは容易にできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の実施例に係わるもので、分注管、粗さ曲線を示す図。図1の(イ)は、分注管を先端の方から見た図。図1の(ロ)は、分注管を長手方向に断面した図である。
【図2】本発明の実施例に係わるもので、分注量再現性データの図。
【図3】本発明の実施例に係わるもので、自動分析装置の分注機構を示す図。
【符号の説明】
【0103】
1…分注管、2…直管部先端から縮径部の範囲、3…壁面へ付着する試料、4…閾値、5…分注量1μlのときのCV値、6…分注量2μlのときのCV値、7…分注量5μlのときのCV値、8…分注量10μlのときのCV値、9…アーム、10…管保持材、11…管モータ回転上下軸、12…配線・配管、13…制御モータ、100…外径が径大な根元側の管部、200…外径が径小な先端側の管部2、300…径の異なる管部をつなぐ段部300。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外径が径大な根元側の管部と、外径が径小な先端側の管部と、径の異なる管部をつなぐ段部を有する複数段の管部が直管のように延びた自動分析装置の分注管において、
少なくとも前記先端側の管部の外表面もしくは内表面には、表面仕上加工の条痕が管部の長手方向に延在することを特徴とする自動分析装置の分注管。
【請求項2】
外径が径大な根元側の管部と、外径が径小な先端側の管部と、径の異なる管部をつなぐ段部を有する複数段の管部が直管のように延びた自動分析装置の分注管において、
前記先端側の管部は、外径を0.3〜0.7mmに、外表面もしくは内表面の平均表面粗さを0.01〜0.1μmに規定したことを特徴とする自動分析装置の分注管。
【請求項3】
請求項2記載の自動分析装置の分注管において、
前記径大な管部の外表面の平均表面粗さは、径小な管部の平均表面粗さよりも粗大であることを特徴とする自動分析装置の分注管。
【請求項4】
請求項1または請求項2記載の自動分析装置の分注管において、
前記先端側の管部は傾斜した先端を有することを特徴とする自動分析装置の分注管。
【請求項5】
請求項4記載の自動分析装置の分注管において、
前記傾斜した先端の突先が平坦にカットされていることを特徴とする自動分析装置の分注管。
【請求項6】
請求項4記載の自動分析装置の分注管において、
前記傾斜した先端の傾斜角度は、45°±5°であることを特徴とする自動分析装置の分注管。
【請求項7】
請求項1または請求項2記載の自動分析装置の分注管において、
前記段部は傾斜していることを特徴とする自動分析装置の分注管。
【請求項8】
請求項7記載の自動分析装置の分注管において、
前記段部の傾斜角は、26°±5°であることを特徴とする自動分析装置の分注管。
【請求項9】
検体及び試薬が分注される反応容器と、前記反応容器内で混合された混合液から前記検体の検査を行う分析手段と、前記反応容器に分注する分注管を備えた自動分析装置において、
前記分注管は、外径が径大な根元側の管部と、外径が径小な先端側の管部と、径の異なる管部をつなぐ段部を有し、
少なくとも前記先端側の管部の外表面もしくは内表面には、表面仕上加工の条跡が管部の長手方向に延在することを特徴とする自動分析装置。
【請求項10】
検体及び試薬が分注される反応容器と、前記反応容器内で混合された混合液から前記検体の検査を行う分析手段と、前記反応容器に分注する分注管を備えた自動分析装置において、
前記分注管は、外径が径大な根元側の管部と、外径が径小な先端側の管部と、径の異なる管部をつなぐ段部を有し、
前記先端側の管部は、外径を0.3〜0.7mmに、外表面もしくは内表面の平均表面粗さを0.01〜0.1μmに規定したことを特徴とする自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−134154(P2008−134154A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−320647(P2006−320647)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(000233550)株式会社日立ハイテクサイエンスシステムズ (112)
【Fターム(参考)】