自動取引装置および自動取引システム
【課題】 ATMを利用して顧客が金融取引を行う際の生体的特徴情報による照合の結果において、本人を否定する場合でも最小限の利便性は確保することができる自動取引システムの提供すること。
【解決手段】 金融取引を希望する顧客が取引情報を入力する顧客操作部10と、取引限度額として複数の金額値情報を記憶した記憶部18と、前記顧客操作部10からの操作により第1の本人確認を行い、続いて第2の本人確認を行ってから金融取引を実行する制御部17を配した自動取引装置において、前記制御部17は第2の本人確認の結果が顧客本人を否定するものであるとき、前記記憶部18に記憶されている前記取引限度額に切り替える。
【解決手段】 金融取引を希望する顧客が取引情報を入力する顧客操作部10と、取引限度額として複数の金額値情報を記憶した記憶部18と、前記顧客操作部10からの操作により第1の本人確認を行い、続いて第2の本人確認を行ってから金融取引を実行する制御部17を配した自動取引装置において、前記制御部17は第2の本人確認の結果が顧客本人を否定するものであるとき、前記記憶部18に記憶されている前記取引限度額に切り替える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金融機関の営業拠点等に設置され、顧客操作による金融取引が可能な自動取引装置および自動取引システムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関の各営業店、更にはコンビニエンスストアやガソリンスタンド及びスーパーマーケット等に設置された自動取引装置(ATM:Automatic Teller Machine)では、キャッシュカードを用いて昼夜を問わず金融取引ができる。この金融取引において、特に貨幣の支払を伴う取引の場合には、数桁の英数字で構成する暗証番号を入力させて、本人が事前登録してある暗証番号と一致した場合に「顧客本人」と判定するものが普及している。
また、近時ではキャッシュカードのスキミング等による不正取引を防ぐために、支払取引において請求額の累計値や取引回数を記憶し、それらが限度額や限度回数を超えると支払取引を受付けないものがある(例えば、特許文献1参照)。更に、顧客本人をバイオメトリクス照合により確認する技術を採用し、セキュリテイの度合いにより取引限度額の設定を行うものがある(例えば、特許文献2参照)。この技術では、カード種類(磁気、非接触式、接触式)、暗証番号、バイオメトリクス照合の一または複数の組合せによりセキュリテイレベルを決め、それに応じて取引金額等が決定されるものである。
【特許文献1】特開2002−133332号公報
【特許文献2】特開2002−288424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来技術においては、暗証番号を不正に入手し顧客本人になりすましての取引が行なわれることを防止するため、予め生体的特徴情報を登録しておき、取引の際に操作者本人の生体的特徴情報を採取して、比較照合したときの類似率が一定値以上であれば「本人」と判定する。この生体的特徴情報はアナログデータであるため、デジタル化しての比較照合となるので、生体的特徴情報の採取時の操作により予め登録してある生体的特徴情報と異なるという判定が行なわれることもある。このような場合には、正規の顧客であっても希望する取引を拒絶される場合がある。
本発明はATMを利用して顧客が金融取引を行う際の生体的特徴情報による照合の結果において、本人を否定する場合に取引を中止するのではなく、取引制限を付加することにより最小限の取引を行うことで、正規の顧客の利便性を確保することができる自動取引システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために本発明は、金融取引を希望する顧客が取引情報を入力する顧客操作部と、取引限度額として複数の金額値情報を記憶した記憶部と、前記顧客操作部からの操作により第1の本人確認を行い、続いて第2の本人確認を行ってから金融取引を実行する制御部を配した自動取引装置において、
前記制御部は、前記第2の本人確認の結果が顧客本人を否定するものであるとき、前記記憶部に記憶されている前記取引限度額に切り替える。
【発明の効果】
【0005】
本願発明は、生体的特徴情報の登録時や取引時の採取操作に差異があった場合や、採取する機器側にばらつきが生じていて、照合結果において本人であることが否定された場合でも、限られた取引や取引金額までは許容されるので顧客の利便性を損なうことはない。また、万一、不正取引があっても被害額を抑えることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面に従って実施例を説明する。図2は本発明の自動取引システムのシステム概念図で、図3は本発明の自動取引装置の制御ブロック図であり、図4は本発明のICキャッシュカードの概念図である。図において、1は自動取引装置(以後、ATMとする)であり、2は金融機関が管理し維持するホストコンピュータであり、顧客毎の口座番号,顧客氏名,携帯電話番号,解除用パスワード,連想用キーワード,ATMでの取引限度額情報および預貯金残高情報(以後、残高情報とする)等が記憶された記憶装置3を有している。更に、この記憶装置3には顧客を特定できる顧客情報として、口座番号に関連付けて暗証番号や取引履歴情報等も格納されている。4は専用通信回線でありATM1の後述する通信制御部とホストコンピュータ2とを接続している。
【0007】
5は顧客が所有する携帯型の顧客端末器(以後、携帯電話器とする)であって、送受信部5aのほかに、表示器5bや入力操作部5c等で構成されるものである。この携帯電話器5は無線方式でホストコンピュータ2と直接的または間接的に通信できる環境となっている。
6も顧客端末器であって、顧客が所有するパーソナルコンピュータ(以後、パソコンとする)や多機能電話器(有線式、無線式を問わない)であり、家庭内に設置されていて表示器6bや入力操作部6c等で構成される。7はホストコンピュータ2と顧客端末器6を結ぶ通信ネットワーク網であり、この通信ネットワーク網7を介して、相互に金融取引情報の送受信が可能に構成されている。
【0008】
80は顧客識別媒体としてのICキャッシュカード8内に埋設された通信用のアンテナであって、後述する媒体処理部としてのカード処理部からの電磁誘導により起電力を発生させる部位である。81はコントローラであり、アンテナ80により起電される電力により種々の制御を行うものであり、マイクロコンピュータである。
82はメモリーであって、各種の記憶情報が格納され電気的に更新可能なものである。なお、コントローラ81やメモリー82は集積回路(IC)となっており、カード基材の内部に埋設されているものであるが、図示する形状、配置に限定するものではない。
【0009】
図4(b)にはICキャッシュカード8内のメモリー82に格納されている顧客情報の一部を示す。このメモリー82には、顧客氏名情報83、金融機関コード,支店コード84、顧客の口座番号情報85、更に86は事前登録済みの生体的特徴情報である。
本実施例では生体的特徴情報86は掌(手のひら)静脈として説明することとし、顧客固有の生体情報であり原則として更新しない固定情報である。87は取引履歴情報でありコントローラ81により書き換え可能とされる。
【0010】
ATM1は顧客操作により金融取引、具体的には入金取引や出金取引、振込取引、更には通帳記帳や諸届出が行え、金融機関の各営業店やコンビニエンスストア、ガソリンスタンド及びスーパーマーケット等に設置される。10は顧客操作部としてのタッチパネルであって、顧客が取引操作入力するための取引入力ボタン等で構成される入力部としてのキーボード部11と取引操作時の案内を文字や記号、更にはイラストや動画像により表示する表示部12で構成される。
【0011】
13は生体認証部(以後、掌静脈認識部として説明する)であって、顧客の掌内部を流れる血液中のヘモグロビンが近赤外光を吸収する性質を利用し、暗く写る部分を血管パターンとして読み取り、分岐点等の特徴点を抽出してその位置情報をデジタルデータとして生体的特徴情報(以後、生体情報とする)として生成する。この生体認証部13は顧客が操作し易いように、タッチパネル10と横並びの位置に配してある。
なお、生体情報に基づく生体認証(バイオメトリクス)方式としては、掌(手のひら)静脈、指静脈、指紋、虹彩、網膜、顔、音声、サイン更にはDNA等が存在するが、本実施例では、掌(手のひら)静脈を用いたものを例に説明するが、特に限定するものではない。
【0012】
14は媒体処理部としてのカード処理部であって、顧客氏名情報83,金融機関コード、支店コード84,口座番号情報85等の顧客情報が記憶されたメモリー82内の情報読み取りや書き込みを無線通信方式で行う。そして、ICキャッシュカード8の存在確認、認証、読み出し、判定、書き込み、書き込みの確認等を瞬時(概ね0.2秒程度)に行う機能を有し、具体的には、顧客情報や登録済みの生体的特徴情報86等を読み出す。このカード処理部14の前面側に接続されたカード挿入返却口により、ICキャッシュカード8が挿入され、また取引終了時に返却が行なわれる。
【0013】
15は明細票処理部であり取引結果の内容印字を行い後述する手順により顧客に発行される取引明細票(レシート)の印刷発行処理を行う部位である。
16は貨幣入出金部であり、顧客により入金される貨幣を真偽鑑別,計数し、搬送して図示しない金種別保管金庫に収納し、又は顧客に支払われる貨幣を金種別保管金庫より繰出し、出金口まで搬送するものである。なお、金種別保管金庫より繰出され出金口に一時集積された貨幣は、図示しないシャッタを開くことで顧客による取り出しが可能になる。
【0014】
17は以上の各部を制御する制御部である。18は記憶部であり、取引限度額として複数の金額値情報を格納すると共に、格納されている処理プログラムにより、前記各部の動作制御が行われる。複数の金額値情報とは、例えば、ATMによる取引限度額の最高値として「200万円」と、中間値として「100万円」、そして最小値として「3000円」である。
更にはホストコンピュータ2との接続口である通信制御部19も有している。なお、ATM1の機能を提供するには他にも各部に電力を供給する電源部を始め、顧客のATM1への接近を検知する機能や多々の機能・構成が備えられているが、本発明に関係しないため記載は省略する。また、事前登録済みの生体的特徴情報86はメモリー82内に格納することにしたが、記憶部18や記憶装置3側でも良い。更に限度額情報は記憶装置3内ではなくATM1内の記憶部18であっても良い。
【実施例1】
【0015】
図1に示す本発明の実施例1における自動取引装置のフローチャート及び図5に示す自動取引装置の画面表示例により、ICキャッシュカード使用による貨幣の引き出し取引を行う場合を説明する。なお、今回の顧客に対してのATMによる取引限度額は既に、「100万円」に設定され、この限度額情報は記憶装置に格納されているものとする。また、今回の金融取引において顧客は「200万円」の出金取引を希望するものとする。なお、Sは動作ステップを意味する。
【0016】
S1. 顧客がATM1に近づくと、図示しない接近検知器がこれを検知し、制御部17は記憶部18に格納された処理プログラムによりタッチパネル10に取引選択画面を表示すると共に入力有効モードとする。
以下の説明においては、タッチパネル式のため表示部12に表示される操作ボタン(キーとも記載する)表面に触れることによりキーボード部11が入力検知することとする。
S2. 顧客がタッチパネル10の図示しない取引選択画面上より「お支払い」操作ボタンを選択すると、タッチパネル10が指触位置を検出し、制御部17はカード処理部14や貨幣入出金部16等を出金取引モードに設定する。
一方、タッチパネル10には『カードをお入れください』と画面表示される。
【0017】
S3. 顧客がICキャッシュカード8をカード挿入返却口より挿入すると、ICキャッシュカード8をカード処理部14内に取込み、記憶されている顧客情報(金融機関コード84や口座番号85)を読み取る。なお、取引選択操作より先にICキャッシュカード8が挿入された場合には、制御部17は挿入されたICキャッシュカード8をカード処理部14内に取り込み、記憶されている情報を読み取る。
S4. 続けて、タッチパネル10には『暗証番号を入力してください』と表示し、第1の本人確認用として顧客毎に定められた桁数の暗証番号の入力を促す。顧客はタッチパネル10から暗証テンキーにより暗証番号を指触入力する。
【0018】
S5. 制御部17は入力された暗証番号情報と顧客(口座)情報をホストコンピュータ2に送信する。ホストコンピュータ2では記憶装置3内の口座番号および暗証番号情報との照合を行ない、一致した場合には、取引進行許可信号とともに取引限度額(本実施例では100万円)や残高情報をATM1に返信する。
また、暗証不一致の場合には取引不可信号が返信され、制御部17はタッチパネル10に『暗証番号が違います、再度暗証番号を入力してください』と表示して再入力を要求する。ここで所定回数再入力させても不一致となる場合も有るが説明は省略する。なお、暗証番号のほかに、取引中止の指定有無や残高情報などの確認が行われ、取引が可能な顧客(口座)情報であるか否かも判定される。
【0019】
S6. 制御部17はホストコンピュータ2から、取引可能である旨の信号や残高情報等を受信すると、図5(a)に示したような引き出し希望金額の入力を要求する画面表示を行なわせる。但し、この時点では金額表示枠120内の金額表示はされていない。
顧客は金額テンキー121を使用して希望する出金希望額を入力する。200万円の出金を希望するには順に、金額テンキー121の「2」ボタン、「0」ボタンを2度、そして、「万」ボタンを指触して、最後に「確認」ボタン123を指触する。このようにタッチパネル10の各種ボタン121〜123を操作して引き出し(出金)希望額を入力する。
【0020】
S7. 制御部17は、入力された出金希望額(200万円)に対して、まず始めに残高情報から取引可否の判定を行い、取引可であればホストコンピュータ2に返信する。ホストコンピュータ2では顧客との口座取引中であるフラグをセットする。
S8. 制御部17は、顧客が入力した出金希望額(200万円)と受信してある取引限度額値(100万円)との比較を行い、取引限度額値未満のときには後述するステップS15に進めるが、本実施例では希望される出金希望額値(200万円)であるため、次ステップS9に進める。
【0021】
S9. 制御部17は、図5(b)に示すように、取引限度額を超える取引であるため生体認証により、更に本人確認を行えば取引することができる旨の画面表示を行う。この生体認証による本人確認が第2の本人確認である。
S10. 顧客は生体認証による本人確認を行う場合に、この画面上の「生体認証へ」ボタン125を指触することになる。なお、「取消」ボタン126が指触されたときには、図5(a)に示す画面表示に戻して、引き出し金額の再入力を行なわせることになる。
制御部17は「生体認証へ」ボタン125が指触されると、生体認証部13を有効にして掌静脈の読取を行う部位を画面案内する。
【0022】
S11. 顧客が掌を生体認証部13にかざす。制御部17は所定の手順で掌から静脈情報を採取する。なお、採取タイミングは本発明と関係がないため説明を省略する。
採取した生体(掌静脈)情報が利用できる所定のデータ量であることを判定し、デジタルデータとして満足できるものであれば次ステップに進める。また、デジタルデータとして不良の場合には自動的に採取を再度実行する。この時に、顧客が掌を広げていないと推測される時には、タッチパネル10に注意文言を表示する。
【0023】
S12. 制御部17は採取した生体情報(デジタルデータ)をICキャッシュカード8に送信すると、ICキャッシュカード8のコントローラ81は受信した生体情報が、メモリー82に予め格納されている生体的特徴情報86とを照合する。メモリー82内に格納されている生体的特徴情報86と一致しない時には次ステップに進める。また、一致するときには後述するステップS15に進める。
なお、生体情報という性質上、完全一致という場合は皆無に等しく、特徴点が一致するときであるとか、類似度が極めて高いときに「一致=顧客本人」と判定することは言うまでもない。
【0024】
S13. 制御部17は、メモリー82内に格納されている生体情報と一致しないという判定を受けると、第2の本人確認ができないと判断して、出金希望額を修正する旨を報知する。本実施例では図5(c)に示すように「3000円」として表示する。
S14. 顧客が図5(c)に示す画面表示から、3000円の出金で承諾する場合には「確認」ボタン123が指触されることになる。また、「訂正」ボタン122が指触されると生体情報の採取誘導に戻しての生体情報の再採取,照合が行われ、その再照合にても本人確認ができないと判断した場合には後述するステップS19に進める。
【0025】
S15. 制御部17は出金希望額に応じて、貨幣入出金部16を作動させて所定金種の貨幣を所定枚数だけ繰出して、出金口に搬送する。なお、この時点ではシャッタは閉状態であるので、貨幣を目視することも抜き取ることもできない。
続いて、制御部17は明細票処理部15を制御して取引明細票(レシート)の印刷を行い排出口まで搬送する。
取引明細票の印刷動作と並行してICキャッシュカード8には取引履歴情報87を記録更新してからカード挿入返却口まで搬送する。一方、タッチパネル10には『カードをお取りください』と表示する。
【0026】
S16. 制御部17は顧客がICキャッシュカード8と取引明細票(レシート)を抜き取るのを監視する。この監視時間中に顧客がこれらの媒体を抜き取らないと、「媒体取忘」として処理するが説明は省略する。
S17. ICキャッシュカード8と取引明細票(レシート)が抜き取られたことを、図示しない検出器が検出するとシャッタを開く。これにより出金口に集積されている貨幣を取り出すことが可能になり顧客に出金されることになる。
貨幣が抜き取られると、これを検出してシャッタを閉状態に戻す。なお、出金口に残留物が存在する場合には一部の貨幣を残して取り出されたとし、タッチパネル10に確認を促す画面を表示する。
【0027】
S18. 制御部17はシャッタの閉動作の完了を検出したら、ホストコンピュータ2に取引終了を意味する信号を送信する。
ホストコンピュータ2では記憶装置3内の顧客情報のうち、少なくとも残高金額と取引限度額情報(3000円)を更新して取引を終了する。なお、ステップS8において出金希望金額が限度内であればステップS15に進め、また、ステップS12において、第2の本人確認としての生体情報から本人確認が得られれば、取引限度額情報の更新は行われない、即ち「100万」のままとなることは言うまでもない。
S19. ICキャッシュカード8をカード挿入返却口まで搬送する。一方、タッチパネル10には『お取引できませんので、カードをお返しします』と表示する。
制御部17は顧客がICキャッシュカード8を抜き取るのを監視する。この監視時間中に顧客がこれらの媒体を抜き取らないと、「媒体取忘」として処理するが説明は省略する。
【0028】
以上の説明は出金取引時を例としているがこれに限定されない。即ち、振込取引や電子マネーのチャージ取引などにも応用できる。また、取引限度額以上の出金時のみ生体情報による本人確認し、本人と確認できれば取引限度額(本実施例では100万円)をATMとしての取引限度額(200万円)に引き上げることもできる。特に、前回の取引により取引限度額が低額(例えば3000円)に設定されたときに実行すると良い。また、生体的特徴情報をICキャッシュカード内に格納するものとして説明したが、記憶装置に格納しておきホストコンピュータ側で照合するようにしても良いことは言うまでもない。
【実施例2】
【0029】
図6は限度額情報の設定解除操作を示すフローチャートで、図7及び図8は顧客端末器(携帯電話器)の表示画面例を示す説明図である。本実施例2では前記実施例1のステップS18における取引限度額情報の更新前の設定解除操作である。
S21. ホストコンピュータ2はATM1から取引終了を意味する信号を受信したら、予め顧客口座情報に関連付けして記憶されている顧客の保有する顧客端末器(以後、携帯電話器とする)5にダイヤルコールする。
【0030】
S22. 携帯電話器5との通信回線が接続されると、ホストコンピュータ2は「ATM取引限度額の更新サービス」として画面情報を送信し、まず図7(a)に示すような案内表示511を表示器5bに行う。
S23. 顧客が取引限度額を変更することに同意する場合には、入力操作部5cより通信回線の接続を断つ操作を行う。その後は、ステップS29に進めるがこの操作により取引限度額を更新することになる。
【0031】
S24. 取引限度額の変更を希望しない顧客は、表示器5bの表示画面に従って要求される諸項目の入力を入力操作部5cから行う。顧客は図7(b)に示す入力枠512に今回の取引場所を入力する。その後、スクロール表示513を参考に入力操作部5cから表示のスクロールを行って、入力枠514には今回の引き出し(出金)金額(3000円)を入力する。
なお、引き出し場所の入力には、時間が掛かることや入力の煩わしさからATM1の表示部12等に金融機関コードや支店コードを表示させ、目視確認しながらコード入力するようにしても良い。
S25. このようにして今回の取引情報が入力されると、送受信部5aからホストコンピュータ2に送信される。ホストコンピュータ2では受信した入力情報を、保有している顧客口座取引中の情報と照合する。一致する場合には次ステップに進め、不一致のときには、ステップS29に進める。
【0032】
S26. 顧客口座取引中の情報と一致判定したホストコンピュータ2は、携帯電話器5に図8(a)に示す表示を行うべく、画面情報と連想用キーワード情報を送信する。図示するように、顧客は解除用のパスワードPWを入力操作部5cから入力枠515に入力する。このパスワードPWは設定解除用に予め記憶装置3に顧客毎に格納されているものであり、数字であっても英字またはひらがなや漢字変換したものでも良い。
S27. 入力されたパスワードPWはホストコンピュータ2に送信され、記憶装置3に格納されている解除用パスワードと照合する。なお、取引情報やパスワードPWの送信は暗号化しての送信とし、ホストコンピュータ2側で復号化することによりセキュリテイは確保される。
【0033】
S28. パスワードPWが不一致の場合には、その旨を携帯電話器5に送信する。顧客はパスワードPWの再入力と再度の照合を行うように入力操作部5cを操作できる。このようにしても不一致となる場合には、次ステップに進める。
S29. ホストコンピュータ2は、送受信部5aから操作終了の信号を受信(この信号としては、入力操作部5cからの回線断の操作であっても同様に扱う)し、記憶装置3に格納されている取引限度額情報を更新する。例えば、取引限度額100万円が3000円に更新される。なお、事前の取り決めにより取引中止にすることもできる。
【0034】
S30. ホストコンピュータ2は取引限度額情報の更新が終了すると、携帯電話器5に対して処理終了を意味する信号を送信して回線を断つ。
なお、ステップS27においてパスワードPWが一致したときホストコンピュータ2は、取引限度額情報を更新しないで、携帯電話器5に対して図8(c)に示すような画面情報を送信することになる。このようにして、携帯電話器5からの操作により限度額の低額への更新を阻止することができる。更に、図8(a)に示すようにパスワードPWの入力に際して、解除用パスワードを連想させる文言等を表示しているので、誤入力を低減することができる。この解除用パスワードの連想にあたっては、表示すること以外に音声出力などでも良い。
【0035】
以上説明したように、生体情報による本人確認ができない場合には、取引限度額が低額に更新される。また、携帯電話器からの操作で次回の取引時における取引限度額を低額にすることを阻止することもでき、比較的短期間で取引を多用する顧客の場合には有用である。
なお、携帯電話器とホストコンピュータを通信回線で接続する旨としたが、両者が赤外線通信機能を有するものであれば、直接的に赤外線通信により送受信してもよい。
【0036】
次に実施例2の変形例として顧客端末器(パソコン)を操作して、設定解除操作を行う場合を説明する。図9は顧客端末器(パソコン)からの設定解除操作のフローチャートであり、図10は顧客端末器(パソコン)の表示画面例を示す説明図である。
本変形例は実施例2において、携帯電話器では取引限度額を更新(低額)して高額の引き出しを防いでおき、顧客本人が次取引の直前に所定の取引限度額に更新(高額に戻す)できるものである。
【0037】
S31. 顧客は例えば自宅等から、顧客端末器(携帯電話器や多機能電話器でもよいが、以後、パソコンとして説明する)6を操作して、金融機関と通信ネットワーク網7を介しての接続操作を行う。なお、顧客は接続方法を予めマニュアル等から事前に周知していることと、接続用のパスワード等も事前に登録してあることとする。
S32. ホストコンピュータ2には回線接続するための画面情報が用意されており、図示しないパソコン6の表示部6bに顧客の口座番号入力枠601とパスワード入力枠602を表示する。
S33. 顧客がそれぞれの入力枠601,602に入力し、送信操作を行うとネットワーク網7を介してホストコンピュータ2に送信される。
【0038】
S34. ホストコンピュータ2では受信した口座番号とパスワードからATMにおける取引限度額情報を確認する。即ち、該当する顧客口座番号の最終取引が行われた時点の限度額の値を読み出して、例えば、取引限度最高額への再設定が可能であるか否かを判定する。
S35. ホストコンピュータ2は、限度額設定可能の口座である場合には、図10に示すような設定情報として、現在の金額情報枠603(図示では、3000円)と更新可能な最大限度額枠604を表示し、限度金額枠604への入力を要求する。なお、デホルト値として最大限度額値200万円の表示を行うこともできる。
【0039】
S36. ホストコンピュータ2では、限度金額枠604に入力された限度額情報を受信すると、予め取り決めている取引限度最高額(200万円)と比較して、等価またはそれ以下であれば新しい取引限度額に更新することになる。なお、最高額である200万円にする必要はなく、顧客の意思により50万円や100万円が入力されれば、その金額でも良いことは言うまでもない。
S37. ステップS34にて、最終取引が行われた時点での取引限度額がATMにおける取引限度額の上限である場合には、引き出し限度額の変更処理は無用であることを通知する。また、ステップS36にて、予め取り決めている取引限度最高額(200万円)以上の場合には、訂正入力を求める表示を行うことになる。
【0040】
S38. ホストコンピュータ2は顧客口座の取引限度額情報を更新する。例えば、50万円に更新しておけば、この時点以降の取引が発生した場合において、生体情報による確認を得ることなく取引限度額(50万円)として取引誘導される。
S39. パソコン6には受信した取引限度額の更新結果を表示させる。この後、顧客が通信回線を切断すれば設定解除操作が終了することになる。顧客がパソコン6にて終了操作を行うと、通信ネットワーク網7が切断される。
【0041】
以上説明したように、金融取引時に生体情報による本人確認ができない場合に、取引限度額が引き下げられたままとし、次回の取引直前に取引限度額を元に戻すことができる。または、必要な金額値に設定することができるので、前回の取引から今回の取引間に取引が行われても低額取引のみ許容されるので、万一不正取引が行われても被害を低額に抑えることができる。
【実施例3】
【0042】
図11に示す自動取引装置におけるフローチャートにより実施例3を説明する。
実施例1では、自動取引装置(ATM)による取引時に生体情報による本人認証結果により取引限度額を切り替えたが、実施例3では切り替える取引限度額を生体情報の類似率により段階的に設定するものである。
本実施例3で使用するICキャッシュカード8のメモリー82には図4(c)に示すような格納データを有している。図示するようにメモリー82には、取引制限情報88と生体情報比較プログラム89が格納されている。
【0043】
取引制限情報88は表1に示すように、レベル0〜レベル7までの8段階に区分けされている。レベル0(ゼロ)はATMによる取引制限額の最高額とした「200万円」までの取引を許容するもので、生体情報による照合の結果は類似率98%以上の場合とし、取引回数の制限はない。また、レベル7はATMによる取引限度額を「3000円」までとしたもので、生体情報による照合の結果は類似率85%未満の場合であり、本人と確認できない場合が該当し、取引回数は10回までに制限される。なお、類似率によって取引回数と取引限度額を制限するように記載したが、類似率に応じて限度額のみを各レベルに応じて設定してもよいし、又は取引回数のみを各レベルに応じて設定してもよい。
以上のレベルによる取引制限例を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
生体情報比較プログラム89は、顧客から採取した生体情報を取り込み、デジタルデータ化を行い、メモリー82内の生体的特徴情報86と比較して、その類似率を算出し、類似率に応じたレベル値(0〜7)を判定する。この判定したレベルに対応して予め決めてある取引限度額と取引回数が決定される。例えば、類似率が97%であれば、レベル1に該当し、取引限度額は100万円で取引回数は1回/月ということが、メモリー82内の取引制限情報88に格納されることになる。なお、取引制限情報88には、限度額と取引回数をそのまま格納してもよいが、レベル値で格納しておき、処理時にレベルに応じた限度額を検索して制限しても良い。
【0046】
顧客がATM1に近づくと、図示しない接近検知器がこれを検知し、取引が開始されるが、前記実施例1で説明したステップS1からステップS7まで進めたものとして、ステップS8に相当する動作より説明する。
S41. 制御部17は、顧客が入力した出金希望額(200万円)とメモリー82内の取引制限情報88から取引限度額(100万円)を読み出して比較を行い、取引限度額未満のときには後述するステップS49に進めるが、本実施例でも希望される引き出し(出金)額値(200万円)であるため、次ステップS42に進める。
【0047】
S42. 制御部17は、図5(b)に示すように、取引限度金額を超える取引であるため生体認証により、更に本人確認を行えば取引することができる旨の画面表示を行う。この生体認証による本人確認が第2の本人確認であるのは前述と同じである。
S43. 顧客は生体認証による本人確認を行う場合には、この画面上の「生体認証へ」ボタン125を押すことになる。なお、「取消」ボタン126が指触されたときには、図5(a)に示す画面表示に戻して、引き出し金額の再入力を行なわせることになる。
制御部17は「生体認証へ」ボタン125が指触されると、生体認証部13を有効にして掌静脈の読取を行う部位を画面案内する。
【0048】
S44. 顧客が生体認証部13に掌をかざすと制御部17は所定の手順で掌から静脈情報を採取する。採取した生体(掌静脈)情報が利用できる所定のデータ量であることを判定し、デジタルデータとして満足できるものであれば次ステップに進める。また、デジタルデータとして不良の場合には自動的に採取を再度実行する。この時に、顧客が掌を広げていないと推測される場合には、タッチパネル10に注意文言を表示するのは前述した通りである。
【0049】
S45. 制御部17は採取した生体情報(デジタルデータ)をコントローラ81に送信すると、コントローラ81は受信した生体情報とメモリー82に予め格納されている生体的特徴情報86とを比較する。この比較処理は生体情報比較プログラム89により行われ、類似率が出力される。なお、類似率が高いほど本人に近いと判断するが生体情報という特徴から類似率100%という結果が出力されることはなく、本実施例では85%以下を本人であることを否定するものとする。例えば類似率97%であればステップS46に進める。また、類似度が極めて高い(98%以上)ため、本人と判定した場合には後述するステップS49に進める。
【0050】
S46. コントローラ81は、出力された類似率からレベル判定を行い、限度額を決める。例えば、表1に示すような設定において、類似率94%であれば「レベル2」に該当することになり、限度額は50万円に設定されることになる。
S47. コントローラ81は制御部17に対して、取引限度額情報を送信すると、制御部17はタッチパネル10に本人確認ができなかったことと、取引金額を修正する旨を表示する。この表示例が図12に示すものであり、本実施例では「500,000円」として表示する。
S48. 顧客が図12に示す画面表示から、50万円の出金で承諾する場合には「確認」ボタン123が指触されることになる。また、「訂正」ボタン122が指触されると生体情報の採取誘導に戻しての生体情報の再採取,照合が行われ、前記同様に処理される。なお、再度の採取,照合によっても類似率が低く、低額設定となる場合には図12に示す窓口誘導表示126を行う。
【0051】
S49. 制御部17は出金希望額に応じて、貨幣入出金部16を作動させて所定金種の貨幣を所定枚数だけ繰出して、出金口に搬送する。なお、この時点ではシャッタは閉状態であるので、貨幣を目視することも抜き取ることもできない。
続いて、制御部17は明細票処理部15を制御して取引明細票(レシート)の印刷を行い排出口まで搬送する。
S50. 取引明細票の印刷動作と並行してメモリー82内の取引履歴情報87と取引限度額情報88および取引回数をカウントアップして更新する。この更新が終了したら、ICキャッシュカード8もカード挿入返却口まで搬送する。一方、表示部12には『カードをお取りください』と表示する。
【0052】
S51. 制御部17は顧客がICキャッシュカード8と取引明細票(レシート)を抜き取るのを監視する。この監視時間中に顧客がこれらの媒体を抜き取らないと、「媒体取忘」として処理するが説明は省略する。
S52. ICキャッシュカード8と取引明細票(レシート)が抜き取られたことを、図示しない検出器が検出するとシャッタを開く。これにより出金口に集積されている貨幣を取り出すことが可能になり顧客に出金されることになる。
貨幣が抜き取られると、これを検出してシャッタを閉状態に戻す。なお、出金口に残留物が存在する場合には一部の貨幣を残して取り出されたとし、表示部12に確認を促す画面を表示する。
【0053】
S53. 制御部17はシャッタの閉動作の完了を検出したら、ホストコンピュータ2に取引終了を意味する信号を送信する。
ホストコンピュータ2では記憶装置3内の顧客情報のうち、少なくとも残高金額と取引履歴情報を更新して取引を終了する。なお、取引制限に関する情報を記憶装置3側に格納しても良い。
S54. ICキャッシュカード8をカード挿入返却口まで搬送する。一方、タッチパネル10には『お取引できませんので、カードをお返しします』と表示する。
制御部17は顧客がICキャッシュカード8を抜き取るのを監視する。この監視時間中に顧客がこれらの媒体を抜き取らないと、「媒体取忘」として処理する。
【0054】
以上説明したように、生体情報の照合という特徴から、類似率により取引制限を段階的に決めることができるので、生体情報の採取に当っては細心の注意を持って対応するようになり、本人認識率の向上が見込まれる。また、前回の取引時に生体情報の照合結果において、取引限度金額が引き下げられていても、今回の取引における類似率が高ければ、取引限度額も引き上げられることになるので、窓口対応などの煩わしさが無くなる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の技術思想は取引限度金額を制限することに限定されない。例えば、取引回数は言うまでも無く、利用する時間帯を限定することや取引累計額を制限事項とすること、更には取引種目として出金取引のみ制限することなども可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施例1における自動取引装置のフローチャートである。
【図2】本発明の自動取引システムのシステム概念図である。
【図3】本発明の自動取引装置の制御ブロック図である。
【図4】本発明のICキャッシュカードを示す概念図である。
【図5】本発明の自動取引装置の画面表示例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例2における限度額情報の設定解除操作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例2の携帯電話器の表示画面例を示す説明図(1)である。
【図8】本発明の実施例2の携帯電話器の表示画面例を示す説明図(2)である。
【図9】本発明の実施例2の変形例における設定解除操作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施例2の変形例におけるパソコンの画面表示例を示す説明図である。
【図11】本発明の実施例3における自動取引装置のフローチャートである。
【図12】本発明の実施例3の自動取引装置の画面表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0057】
1 自動取引装置(ATM)
2 ホストコンピュータ
3 記憶装置
5 顧客端末器(携帯電話器、パソコン)
8 ICキャッシュカード
10 顧客操作部(タッチパネル)
11 キーボード部
12 表示部
13 生体認証部
14 媒体処理部(カード処理部)
17 制御部
18 記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は金融機関の営業拠点等に設置され、顧客操作による金融取引が可能な自動取引装置および自動取引システムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関の各営業店、更にはコンビニエンスストアやガソリンスタンド及びスーパーマーケット等に設置された自動取引装置(ATM:Automatic Teller Machine)では、キャッシュカードを用いて昼夜を問わず金融取引ができる。この金融取引において、特に貨幣の支払を伴う取引の場合には、数桁の英数字で構成する暗証番号を入力させて、本人が事前登録してある暗証番号と一致した場合に「顧客本人」と判定するものが普及している。
また、近時ではキャッシュカードのスキミング等による不正取引を防ぐために、支払取引において請求額の累計値や取引回数を記憶し、それらが限度額や限度回数を超えると支払取引を受付けないものがある(例えば、特許文献1参照)。更に、顧客本人をバイオメトリクス照合により確認する技術を採用し、セキュリテイの度合いにより取引限度額の設定を行うものがある(例えば、特許文献2参照)。この技術では、カード種類(磁気、非接触式、接触式)、暗証番号、バイオメトリクス照合の一または複数の組合せによりセキュリテイレベルを決め、それに応じて取引金額等が決定されるものである。
【特許文献1】特開2002−133332号公報
【特許文献2】特開2002−288424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来技術においては、暗証番号を不正に入手し顧客本人になりすましての取引が行なわれることを防止するため、予め生体的特徴情報を登録しておき、取引の際に操作者本人の生体的特徴情報を採取して、比較照合したときの類似率が一定値以上であれば「本人」と判定する。この生体的特徴情報はアナログデータであるため、デジタル化しての比較照合となるので、生体的特徴情報の採取時の操作により予め登録してある生体的特徴情報と異なるという判定が行なわれることもある。このような場合には、正規の顧客であっても希望する取引を拒絶される場合がある。
本発明はATMを利用して顧客が金融取引を行う際の生体的特徴情報による照合の結果において、本人を否定する場合に取引を中止するのではなく、取引制限を付加することにより最小限の取引を行うことで、正規の顧客の利便性を確保することができる自動取引システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために本発明は、金融取引を希望する顧客が取引情報を入力する顧客操作部と、取引限度額として複数の金額値情報を記憶した記憶部と、前記顧客操作部からの操作により第1の本人確認を行い、続いて第2の本人確認を行ってから金融取引を実行する制御部を配した自動取引装置において、
前記制御部は、前記第2の本人確認の結果が顧客本人を否定するものであるとき、前記記憶部に記憶されている前記取引限度額に切り替える。
【発明の効果】
【0005】
本願発明は、生体的特徴情報の登録時や取引時の採取操作に差異があった場合や、採取する機器側にばらつきが生じていて、照合結果において本人であることが否定された場合でも、限られた取引や取引金額までは許容されるので顧客の利便性を損なうことはない。また、万一、不正取引があっても被害額を抑えることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面に従って実施例を説明する。図2は本発明の自動取引システムのシステム概念図で、図3は本発明の自動取引装置の制御ブロック図であり、図4は本発明のICキャッシュカードの概念図である。図において、1は自動取引装置(以後、ATMとする)であり、2は金融機関が管理し維持するホストコンピュータであり、顧客毎の口座番号,顧客氏名,携帯電話番号,解除用パスワード,連想用キーワード,ATMでの取引限度額情報および預貯金残高情報(以後、残高情報とする)等が記憶された記憶装置3を有している。更に、この記憶装置3には顧客を特定できる顧客情報として、口座番号に関連付けて暗証番号や取引履歴情報等も格納されている。4は専用通信回線でありATM1の後述する通信制御部とホストコンピュータ2とを接続している。
【0007】
5は顧客が所有する携帯型の顧客端末器(以後、携帯電話器とする)であって、送受信部5aのほかに、表示器5bや入力操作部5c等で構成されるものである。この携帯電話器5は無線方式でホストコンピュータ2と直接的または間接的に通信できる環境となっている。
6も顧客端末器であって、顧客が所有するパーソナルコンピュータ(以後、パソコンとする)や多機能電話器(有線式、無線式を問わない)であり、家庭内に設置されていて表示器6bや入力操作部6c等で構成される。7はホストコンピュータ2と顧客端末器6を結ぶ通信ネットワーク網であり、この通信ネットワーク網7を介して、相互に金融取引情報の送受信が可能に構成されている。
【0008】
80は顧客識別媒体としてのICキャッシュカード8内に埋設された通信用のアンテナであって、後述する媒体処理部としてのカード処理部からの電磁誘導により起電力を発生させる部位である。81はコントローラであり、アンテナ80により起電される電力により種々の制御を行うものであり、マイクロコンピュータである。
82はメモリーであって、各種の記憶情報が格納され電気的に更新可能なものである。なお、コントローラ81やメモリー82は集積回路(IC)となっており、カード基材の内部に埋設されているものであるが、図示する形状、配置に限定するものではない。
【0009】
図4(b)にはICキャッシュカード8内のメモリー82に格納されている顧客情報の一部を示す。このメモリー82には、顧客氏名情報83、金融機関コード,支店コード84、顧客の口座番号情報85、更に86は事前登録済みの生体的特徴情報である。
本実施例では生体的特徴情報86は掌(手のひら)静脈として説明することとし、顧客固有の生体情報であり原則として更新しない固定情報である。87は取引履歴情報でありコントローラ81により書き換え可能とされる。
【0010】
ATM1は顧客操作により金融取引、具体的には入金取引や出金取引、振込取引、更には通帳記帳や諸届出が行え、金融機関の各営業店やコンビニエンスストア、ガソリンスタンド及びスーパーマーケット等に設置される。10は顧客操作部としてのタッチパネルであって、顧客が取引操作入力するための取引入力ボタン等で構成される入力部としてのキーボード部11と取引操作時の案内を文字や記号、更にはイラストや動画像により表示する表示部12で構成される。
【0011】
13は生体認証部(以後、掌静脈認識部として説明する)であって、顧客の掌内部を流れる血液中のヘモグロビンが近赤外光を吸収する性質を利用し、暗く写る部分を血管パターンとして読み取り、分岐点等の特徴点を抽出してその位置情報をデジタルデータとして生体的特徴情報(以後、生体情報とする)として生成する。この生体認証部13は顧客が操作し易いように、タッチパネル10と横並びの位置に配してある。
なお、生体情報に基づく生体認証(バイオメトリクス)方式としては、掌(手のひら)静脈、指静脈、指紋、虹彩、網膜、顔、音声、サイン更にはDNA等が存在するが、本実施例では、掌(手のひら)静脈を用いたものを例に説明するが、特に限定するものではない。
【0012】
14は媒体処理部としてのカード処理部であって、顧客氏名情報83,金融機関コード、支店コード84,口座番号情報85等の顧客情報が記憶されたメモリー82内の情報読み取りや書き込みを無線通信方式で行う。そして、ICキャッシュカード8の存在確認、認証、読み出し、判定、書き込み、書き込みの確認等を瞬時(概ね0.2秒程度)に行う機能を有し、具体的には、顧客情報や登録済みの生体的特徴情報86等を読み出す。このカード処理部14の前面側に接続されたカード挿入返却口により、ICキャッシュカード8が挿入され、また取引終了時に返却が行なわれる。
【0013】
15は明細票処理部であり取引結果の内容印字を行い後述する手順により顧客に発行される取引明細票(レシート)の印刷発行処理を行う部位である。
16は貨幣入出金部であり、顧客により入金される貨幣を真偽鑑別,計数し、搬送して図示しない金種別保管金庫に収納し、又は顧客に支払われる貨幣を金種別保管金庫より繰出し、出金口まで搬送するものである。なお、金種別保管金庫より繰出され出金口に一時集積された貨幣は、図示しないシャッタを開くことで顧客による取り出しが可能になる。
【0014】
17は以上の各部を制御する制御部である。18は記憶部であり、取引限度額として複数の金額値情報を格納すると共に、格納されている処理プログラムにより、前記各部の動作制御が行われる。複数の金額値情報とは、例えば、ATMによる取引限度額の最高値として「200万円」と、中間値として「100万円」、そして最小値として「3000円」である。
更にはホストコンピュータ2との接続口である通信制御部19も有している。なお、ATM1の機能を提供するには他にも各部に電力を供給する電源部を始め、顧客のATM1への接近を検知する機能や多々の機能・構成が備えられているが、本発明に関係しないため記載は省略する。また、事前登録済みの生体的特徴情報86はメモリー82内に格納することにしたが、記憶部18や記憶装置3側でも良い。更に限度額情報は記憶装置3内ではなくATM1内の記憶部18であっても良い。
【実施例1】
【0015】
図1に示す本発明の実施例1における自動取引装置のフローチャート及び図5に示す自動取引装置の画面表示例により、ICキャッシュカード使用による貨幣の引き出し取引を行う場合を説明する。なお、今回の顧客に対してのATMによる取引限度額は既に、「100万円」に設定され、この限度額情報は記憶装置に格納されているものとする。また、今回の金融取引において顧客は「200万円」の出金取引を希望するものとする。なお、Sは動作ステップを意味する。
【0016】
S1. 顧客がATM1に近づくと、図示しない接近検知器がこれを検知し、制御部17は記憶部18に格納された処理プログラムによりタッチパネル10に取引選択画面を表示すると共に入力有効モードとする。
以下の説明においては、タッチパネル式のため表示部12に表示される操作ボタン(キーとも記載する)表面に触れることによりキーボード部11が入力検知することとする。
S2. 顧客がタッチパネル10の図示しない取引選択画面上より「お支払い」操作ボタンを選択すると、タッチパネル10が指触位置を検出し、制御部17はカード処理部14や貨幣入出金部16等を出金取引モードに設定する。
一方、タッチパネル10には『カードをお入れください』と画面表示される。
【0017】
S3. 顧客がICキャッシュカード8をカード挿入返却口より挿入すると、ICキャッシュカード8をカード処理部14内に取込み、記憶されている顧客情報(金融機関コード84や口座番号85)を読み取る。なお、取引選択操作より先にICキャッシュカード8が挿入された場合には、制御部17は挿入されたICキャッシュカード8をカード処理部14内に取り込み、記憶されている情報を読み取る。
S4. 続けて、タッチパネル10には『暗証番号を入力してください』と表示し、第1の本人確認用として顧客毎に定められた桁数の暗証番号の入力を促す。顧客はタッチパネル10から暗証テンキーにより暗証番号を指触入力する。
【0018】
S5. 制御部17は入力された暗証番号情報と顧客(口座)情報をホストコンピュータ2に送信する。ホストコンピュータ2では記憶装置3内の口座番号および暗証番号情報との照合を行ない、一致した場合には、取引進行許可信号とともに取引限度額(本実施例では100万円)や残高情報をATM1に返信する。
また、暗証不一致の場合には取引不可信号が返信され、制御部17はタッチパネル10に『暗証番号が違います、再度暗証番号を入力してください』と表示して再入力を要求する。ここで所定回数再入力させても不一致となる場合も有るが説明は省略する。なお、暗証番号のほかに、取引中止の指定有無や残高情報などの確認が行われ、取引が可能な顧客(口座)情報であるか否かも判定される。
【0019】
S6. 制御部17はホストコンピュータ2から、取引可能である旨の信号や残高情報等を受信すると、図5(a)に示したような引き出し希望金額の入力を要求する画面表示を行なわせる。但し、この時点では金額表示枠120内の金額表示はされていない。
顧客は金額テンキー121を使用して希望する出金希望額を入力する。200万円の出金を希望するには順に、金額テンキー121の「2」ボタン、「0」ボタンを2度、そして、「万」ボタンを指触して、最後に「確認」ボタン123を指触する。このようにタッチパネル10の各種ボタン121〜123を操作して引き出し(出金)希望額を入力する。
【0020】
S7. 制御部17は、入力された出金希望額(200万円)に対して、まず始めに残高情報から取引可否の判定を行い、取引可であればホストコンピュータ2に返信する。ホストコンピュータ2では顧客との口座取引中であるフラグをセットする。
S8. 制御部17は、顧客が入力した出金希望額(200万円)と受信してある取引限度額値(100万円)との比較を行い、取引限度額値未満のときには後述するステップS15に進めるが、本実施例では希望される出金希望額値(200万円)であるため、次ステップS9に進める。
【0021】
S9. 制御部17は、図5(b)に示すように、取引限度額を超える取引であるため生体認証により、更に本人確認を行えば取引することができる旨の画面表示を行う。この生体認証による本人確認が第2の本人確認である。
S10. 顧客は生体認証による本人確認を行う場合に、この画面上の「生体認証へ」ボタン125を指触することになる。なお、「取消」ボタン126が指触されたときには、図5(a)に示す画面表示に戻して、引き出し金額の再入力を行なわせることになる。
制御部17は「生体認証へ」ボタン125が指触されると、生体認証部13を有効にして掌静脈の読取を行う部位を画面案内する。
【0022】
S11. 顧客が掌を生体認証部13にかざす。制御部17は所定の手順で掌から静脈情報を採取する。なお、採取タイミングは本発明と関係がないため説明を省略する。
採取した生体(掌静脈)情報が利用できる所定のデータ量であることを判定し、デジタルデータとして満足できるものであれば次ステップに進める。また、デジタルデータとして不良の場合には自動的に採取を再度実行する。この時に、顧客が掌を広げていないと推測される時には、タッチパネル10に注意文言を表示する。
【0023】
S12. 制御部17は採取した生体情報(デジタルデータ)をICキャッシュカード8に送信すると、ICキャッシュカード8のコントローラ81は受信した生体情報が、メモリー82に予め格納されている生体的特徴情報86とを照合する。メモリー82内に格納されている生体的特徴情報86と一致しない時には次ステップに進める。また、一致するときには後述するステップS15に進める。
なお、生体情報という性質上、完全一致という場合は皆無に等しく、特徴点が一致するときであるとか、類似度が極めて高いときに「一致=顧客本人」と判定することは言うまでもない。
【0024】
S13. 制御部17は、メモリー82内に格納されている生体情報と一致しないという判定を受けると、第2の本人確認ができないと判断して、出金希望額を修正する旨を報知する。本実施例では図5(c)に示すように「3000円」として表示する。
S14. 顧客が図5(c)に示す画面表示から、3000円の出金で承諾する場合には「確認」ボタン123が指触されることになる。また、「訂正」ボタン122が指触されると生体情報の採取誘導に戻しての生体情報の再採取,照合が行われ、その再照合にても本人確認ができないと判断した場合には後述するステップS19に進める。
【0025】
S15. 制御部17は出金希望額に応じて、貨幣入出金部16を作動させて所定金種の貨幣を所定枚数だけ繰出して、出金口に搬送する。なお、この時点ではシャッタは閉状態であるので、貨幣を目視することも抜き取ることもできない。
続いて、制御部17は明細票処理部15を制御して取引明細票(レシート)の印刷を行い排出口まで搬送する。
取引明細票の印刷動作と並行してICキャッシュカード8には取引履歴情報87を記録更新してからカード挿入返却口まで搬送する。一方、タッチパネル10には『カードをお取りください』と表示する。
【0026】
S16. 制御部17は顧客がICキャッシュカード8と取引明細票(レシート)を抜き取るのを監視する。この監視時間中に顧客がこれらの媒体を抜き取らないと、「媒体取忘」として処理するが説明は省略する。
S17. ICキャッシュカード8と取引明細票(レシート)が抜き取られたことを、図示しない検出器が検出するとシャッタを開く。これにより出金口に集積されている貨幣を取り出すことが可能になり顧客に出金されることになる。
貨幣が抜き取られると、これを検出してシャッタを閉状態に戻す。なお、出金口に残留物が存在する場合には一部の貨幣を残して取り出されたとし、タッチパネル10に確認を促す画面を表示する。
【0027】
S18. 制御部17はシャッタの閉動作の完了を検出したら、ホストコンピュータ2に取引終了を意味する信号を送信する。
ホストコンピュータ2では記憶装置3内の顧客情報のうち、少なくとも残高金額と取引限度額情報(3000円)を更新して取引を終了する。なお、ステップS8において出金希望金額が限度内であればステップS15に進め、また、ステップS12において、第2の本人確認としての生体情報から本人確認が得られれば、取引限度額情報の更新は行われない、即ち「100万」のままとなることは言うまでもない。
S19. ICキャッシュカード8をカード挿入返却口まで搬送する。一方、タッチパネル10には『お取引できませんので、カードをお返しします』と表示する。
制御部17は顧客がICキャッシュカード8を抜き取るのを監視する。この監視時間中に顧客がこれらの媒体を抜き取らないと、「媒体取忘」として処理するが説明は省略する。
【0028】
以上の説明は出金取引時を例としているがこれに限定されない。即ち、振込取引や電子マネーのチャージ取引などにも応用できる。また、取引限度額以上の出金時のみ生体情報による本人確認し、本人と確認できれば取引限度額(本実施例では100万円)をATMとしての取引限度額(200万円)に引き上げることもできる。特に、前回の取引により取引限度額が低額(例えば3000円)に設定されたときに実行すると良い。また、生体的特徴情報をICキャッシュカード内に格納するものとして説明したが、記憶装置に格納しておきホストコンピュータ側で照合するようにしても良いことは言うまでもない。
【実施例2】
【0029】
図6は限度額情報の設定解除操作を示すフローチャートで、図7及び図8は顧客端末器(携帯電話器)の表示画面例を示す説明図である。本実施例2では前記実施例1のステップS18における取引限度額情報の更新前の設定解除操作である。
S21. ホストコンピュータ2はATM1から取引終了を意味する信号を受信したら、予め顧客口座情報に関連付けして記憶されている顧客の保有する顧客端末器(以後、携帯電話器とする)5にダイヤルコールする。
【0030】
S22. 携帯電話器5との通信回線が接続されると、ホストコンピュータ2は「ATM取引限度額の更新サービス」として画面情報を送信し、まず図7(a)に示すような案内表示511を表示器5bに行う。
S23. 顧客が取引限度額を変更することに同意する場合には、入力操作部5cより通信回線の接続を断つ操作を行う。その後は、ステップS29に進めるがこの操作により取引限度額を更新することになる。
【0031】
S24. 取引限度額の変更を希望しない顧客は、表示器5bの表示画面に従って要求される諸項目の入力を入力操作部5cから行う。顧客は図7(b)に示す入力枠512に今回の取引場所を入力する。その後、スクロール表示513を参考に入力操作部5cから表示のスクロールを行って、入力枠514には今回の引き出し(出金)金額(3000円)を入力する。
なお、引き出し場所の入力には、時間が掛かることや入力の煩わしさからATM1の表示部12等に金融機関コードや支店コードを表示させ、目視確認しながらコード入力するようにしても良い。
S25. このようにして今回の取引情報が入力されると、送受信部5aからホストコンピュータ2に送信される。ホストコンピュータ2では受信した入力情報を、保有している顧客口座取引中の情報と照合する。一致する場合には次ステップに進め、不一致のときには、ステップS29に進める。
【0032】
S26. 顧客口座取引中の情報と一致判定したホストコンピュータ2は、携帯電話器5に図8(a)に示す表示を行うべく、画面情報と連想用キーワード情報を送信する。図示するように、顧客は解除用のパスワードPWを入力操作部5cから入力枠515に入力する。このパスワードPWは設定解除用に予め記憶装置3に顧客毎に格納されているものであり、数字であっても英字またはひらがなや漢字変換したものでも良い。
S27. 入力されたパスワードPWはホストコンピュータ2に送信され、記憶装置3に格納されている解除用パスワードと照合する。なお、取引情報やパスワードPWの送信は暗号化しての送信とし、ホストコンピュータ2側で復号化することによりセキュリテイは確保される。
【0033】
S28. パスワードPWが不一致の場合には、その旨を携帯電話器5に送信する。顧客はパスワードPWの再入力と再度の照合を行うように入力操作部5cを操作できる。このようにしても不一致となる場合には、次ステップに進める。
S29. ホストコンピュータ2は、送受信部5aから操作終了の信号を受信(この信号としては、入力操作部5cからの回線断の操作であっても同様に扱う)し、記憶装置3に格納されている取引限度額情報を更新する。例えば、取引限度額100万円が3000円に更新される。なお、事前の取り決めにより取引中止にすることもできる。
【0034】
S30. ホストコンピュータ2は取引限度額情報の更新が終了すると、携帯電話器5に対して処理終了を意味する信号を送信して回線を断つ。
なお、ステップS27においてパスワードPWが一致したときホストコンピュータ2は、取引限度額情報を更新しないで、携帯電話器5に対して図8(c)に示すような画面情報を送信することになる。このようにして、携帯電話器5からの操作により限度額の低額への更新を阻止することができる。更に、図8(a)に示すようにパスワードPWの入力に際して、解除用パスワードを連想させる文言等を表示しているので、誤入力を低減することができる。この解除用パスワードの連想にあたっては、表示すること以外に音声出力などでも良い。
【0035】
以上説明したように、生体情報による本人確認ができない場合には、取引限度額が低額に更新される。また、携帯電話器からの操作で次回の取引時における取引限度額を低額にすることを阻止することもでき、比較的短期間で取引を多用する顧客の場合には有用である。
なお、携帯電話器とホストコンピュータを通信回線で接続する旨としたが、両者が赤外線通信機能を有するものであれば、直接的に赤外線通信により送受信してもよい。
【0036】
次に実施例2の変形例として顧客端末器(パソコン)を操作して、設定解除操作を行う場合を説明する。図9は顧客端末器(パソコン)からの設定解除操作のフローチャートであり、図10は顧客端末器(パソコン)の表示画面例を示す説明図である。
本変形例は実施例2において、携帯電話器では取引限度額を更新(低額)して高額の引き出しを防いでおき、顧客本人が次取引の直前に所定の取引限度額に更新(高額に戻す)できるものである。
【0037】
S31. 顧客は例えば自宅等から、顧客端末器(携帯電話器や多機能電話器でもよいが、以後、パソコンとして説明する)6を操作して、金融機関と通信ネットワーク網7を介しての接続操作を行う。なお、顧客は接続方法を予めマニュアル等から事前に周知していることと、接続用のパスワード等も事前に登録してあることとする。
S32. ホストコンピュータ2には回線接続するための画面情報が用意されており、図示しないパソコン6の表示部6bに顧客の口座番号入力枠601とパスワード入力枠602を表示する。
S33. 顧客がそれぞれの入力枠601,602に入力し、送信操作を行うとネットワーク網7を介してホストコンピュータ2に送信される。
【0038】
S34. ホストコンピュータ2では受信した口座番号とパスワードからATMにおける取引限度額情報を確認する。即ち、該当する顧客口座番号の最終取引が行われた時点の限度額の値を読み出して、例えば、取引限度最高額への再設定が可能であるか否かを判定する。
S35. ホストコンピュータ2は、限度額設定可能の口座である場合には、図10に示すような設定情報として、現在の金額情報枠603(図示では、3000円)と更新可能な最大限度額枠604を表示し、限度金額枠604への入力を要求する。なお、デホルト値として最大限度額値200万円の表示を行うこともできる。
【0039】
S36. ホストコンピュータ2では、限度金額枠604に入力された限度額情報を受信すると、予め取り決めている取引限度最高額(200万円)と比較して、等価またはそれ以下であれば新しい取引限度額に更新することになる。なお、最高額である200万円にする必要はなく、顧客の意思により50万円や100万円が入力されれば、その金額でも良いことは言うまでもない。
S37. ステップS34にて、最終取引が行われた時点での取引限度額がATMにおける取引限度額の上限である場合には、引き出し限度額の変更処理は無用であることを通知する。また、ステップS36にて、予め取り決めている取引限度最高額(200万円)以上の場合には、訂正入力を求める表示を行うことになる。
【0040】
S38. ホストコンピュータ2は顧客口座の取引限度額情報を更新する。例えば、50万円に更新しておけば、この時点以降の取引が発生した場合において、生体情報による確認を得ることなく取引限度額(50万円)として取引誘導される。
S39. パソコン6には受信した取引限度額の更新結果を表示させる。この後、顧客が通信回線を切断すれば設定解除操作が終了することになる。顧客がパソコン6にて終了操作を行うと、通信ネットワーク網7が切断される。
【0041】
以上説明したように、金融取引時に生体情報による本人確認ができない場合に、取引限度額が引き下げられたままとし、次回の取引直前に取引限度額を元に戻すことができる。または、必要な金額値に設定することができるので、前回の取引から今回の取引間に取引が行われても低額取引のみ許容されるので、万一不正取引が行われても被害を低額に抑えることができる。
【実施例3】
【0042】
図11に示す自動取引装置におけるフローチャートにより実施例3を説明する。
実施例1では、自動取引装置(ATM)による取引時に生体情報による本人認証結果により取引限度額を切り替えたが、実施例3では切り替える取引限度額を生体情報の類似率により段階的に設定するものである。
本実施例3で使用するICキャッシュカード8のメモリー82には図4(c)に示すような格納データを有している。図示するようにメモリー82には、取引制限情報88と生体情報比較プログラム89が格納されている。
【0043】
取引制限情報88は表1に示すように、レベル0〜レベル7までの8段階に区分けされている。レベル0(ゼロ)はATMによる取引制限額の最高額とした「200万円」までの取引を許容するもので、生体情報による照合の結果は類似率98%以上の場合とし、取引回数の制限はない。また、レベル7はATMによる取引限度額を「3000円」までとしたもので、生体情報による照合の結果は類似率85%未満の場合であり、本人と確認できない場合が該当し、取引回数は10回までに制限される。なお、類似率によって取引回数と取引限度額を制限するように記載したが、類似率に応じて限度額のみを各レベルに応じて設定してもよいし、又は取引回数のみを各レベルに応じて設定してもよい。
以上のレベルによる取引制限例を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
生体情報比較プログラム89は、顧客から採取した生体情報を取り込み、デジタルデータ化を行い、メモリー82内の生体的特徴情報86と比較して、その類似率を算出し、類似率に応じたレベル値(0〜7)を判定する。この判定したレベルに対応して予め決めてある取引限度額と取引回数が決定される。例えば、類似率が97%であれば、レベル1に該当し、取引限度額は100万円で取引回数は1回/月ということが、メモリー82内の取引制限情報88に格納されることになる。なお、取引制限情報88には、限度額と取引回数をそのまま格納してもよいが、レベル値で格納しておき、処理時にレベルに応じた限度額を検索して制限しても良い。
【0046】
顧客がATM1に近づくと、図示しない接近検知器がこれを検知し、取引が開始されるが、前記実施例1で説明したステップS1からステップS7まで進めたものとして、ステップS8に相当する動作より説明する。
S41. 制御部17は、顧客が入力した出金希望額(200万円)とメモリー82内の取引制限情報88から取引限度額(100万円)を読み出して比較を行い、取引限度額未満のときには後述するステップS49に進めるが、本実施例でも希望される引き出し(出金)額値(200万円)であるため、次ステップS42に進める。
【0047】
S42. 制御部17は、図5(b)に示すように、取引限度金額を超える取引であるため生体認証により、更に本人確認を行えば取引することができる旨の画面表示を行う。この生体認証による本人確認が第2の本人確認であるのは前述と同じである。
S43. 顧客は生体認証による本人確認を行う場合には、この画面上の「生体認証へ」ボタン125を押すことになる。なお、「取消」ボタン126が指触されたときには、図5(a)に示す画面表示に戻して、引き出し金額の再入力を行なわせることになる。
制御部17は「生体認証へ」ボタン125が指触されると、生体認証部13を有効にして掌静脈の読取を行う部位を画面案内する。
【0048】
S44. 顧客が生体認証部13に掌をかざすと制御部17は所定の手順で掌から静脈情報を採取する。採取した生体(掌静脈)情報が利用できる所定のデータ量であることを判定し、デジタルデータとして満足できるものであれば次ステップに進める。また、デジタルデータとして不良の場合には自動的に採取を再度実行する。この時に、顧客が掌を広げていないと推測される場合には、タッチパネル10に注意文言を表示するのは前述した通りである。
【0049】
S45. 制御部17は採取した生体情報(デジタルデータ)をコントローラ81に送信すると、コントローラ81は受信した生体情報とメモリー82に予め格納されている生体的特徴情報86とを比較する。この比較処理は生体情報比較プログラム89により行われ、類似率が出力される。なお、類似率が高いほど本人に近いと判断するが生体情報という特徴から類似率100%という結果が出力されることはなく、本実施例では85%以下を本人であることを否定するものとする。例えば類似率97%であればステップS46に進める。また、類似度が極めて高い(98%以上)ため、本人と判定した場合には後述するステップS49に進める。
【0050】
S46. コントローラ81は、出力された類似率からレベル判定を行い、限度額を決める。例えば、表1に示すような設定において、類似率94%であれば「レベル2」に該当することになり、限度額は50万円に設定されることになる。
S47. コントローラ81は制御部17に対して、取引限度額情報を送信すると、制御部17はタッチパネル10に本人確認ができなかったことと、取引金額を修正する旨を表示する。この表示例が図12に示すものであり、本実施例では「500,000円」として表示する。
S48. 顧客が図12に示す画面表示から、50万円の出金で承諾する場合には「確認」ボタン123が指触されることになる。また、「訂正」ボタン122が指触されると生体情報の採取誘導に戻しての生体情報の再採取,照合が行われ、前記同様に処理される。なお、再度の採取,照合によっても類似率が低く、低額設定となる場合には図12に示す窓口誘導表示126を行う。
【0051】
S49. 制御部17は出金希望額に応じて、貨幣入出金部16を作動させて所定金種の貨幣を所定枚数だけ繰出して、出金口に搬送する。なお、この時点ではシャッタは閉状態であるので、貨幣を目視することも抜き取ることもできない。
続いて、制御部17は明細票処理部15を制御して取引明細票(レシート)の印刷を行い排出口まで搬送する。
S50. 取引明細票の印刷動作と並行してメモリー82内の取引履歴情報87と取引限度額情報88および取引回数をカウントアップして更新する。この更新が終了したら、ICキャッシュカード8もカード挿入返却口まで搬送する。一方、表示部12には『カードをお取りください』と表示する。
【0052】
S51. 制御部17は顧客がICキャッシュカード8と取引明細票(レシート)を抜き取るのを監視する。この監視時間中に顧客がこれらの媒体を抜き取らないと、「媒体取忘」として処理するが説明は省略する。
S52. ICキャッシュカード8と取引明細票(レシート)が抜き取られたことを、図示しない検出器が検出するとシャッタを開く。これにより出金口に集積されている貨幣を取り出すことが可能になり顧客に出金されることになる。
貨幣が抜き取られると、これを検出してシャッタを閉状態に戻す。なお、出金口に残留物が存在する場合には一部の貨幣を残して取り出されたとし、表示部12に確認を促す画面を表示する。
【0053】
S53. 制御部17はシャッタの閉動作の完了を検出したら、ホストコンピュータ2に取引終了を意味する信号を送信する。
ホストコンピュータ2では記憶装置3内の顧客情報のうち、少なくとも残高金額と取引履歴情報を更新して取引を終了する。なお、取引制限に関する情報を記憶装置3側に格納しても良い。
S54. ICキャッシュカード8をカード挿入返却口まで搬送する。一方、タッチパネル10には『お取引できませんので、カードをお返しします』と表示する。
制御部17は顧客がICキャッシュカード8を抜き取るのを監視する。この監視時間中に顧客がこれらの媒体を抜き取らないと、「媒体取忘」として処理する。
【0054】
以上説明したように、生体情報の照合という特徴から、類似率により取引制限を段階的に決めることができるので、生体情報の採取に当っては細心の注意を持って対応するようになり、本人認識率の向上が見込まれる。また、前回の取引時に生体情報の照合結果において、取引限度金額が引き下げられていても、今回の取引における類似率が高ければ、取引限度額も引き上げられることになるので、窓口対応などの煩わしさが無くなる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の技術思想は取引限度金額を制限することに限定されない。例えば、取引回数は言うまでも無く、利用する時間帯を限定することや取引累計額を制限事項とすること、更には取引種目として出金取引のみ制限することなども可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施例1における自動取引装置のフローチャートである。
【図2】本発明の自動取引システムのシステム概念図である。
【図3】本発明の自動取引装置の制御ブロック図である。
【図4】本発明のICキャッシュカードを示す概念図である。
【図5】本発明の自動取引装置の画面表示例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例2における限度額情報の設定解除操作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例2の携帯電話器の表示画面例を示す説明図(1)である。
【図8】本発明の実施例2の携帯電話器の表示画面例を示す説明図(2)である。
【図9】本発明の実施例2の変形例における設定解除操作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施例2の変形例におけるパソコンの画面表示例を示す説明図である。
【図11】本発明の実施例3における自動取引装置のフローチャートである。
【図12】本発明の実施例3の自動取引装置の画面表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0057】
1 自動取引装置(ATM)
2 ホストコンピュータ
3 記憶装置
5 顧客端末器(携帯電話器、パソコン)
8 ICキャッシュカード
10 顧客操作部(タッチパネル)
11 キーボード部
12 表示部
13 生体認証部
14 媒体処理部(カード処理部)
17 制御部
18 記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融取引を希望する顧客が取引情報を入力する顧客操作部と、
取引限度額として複数の金額値情報を記憶した記憶部と、
前記顧客操作部からの操作により第1の本人確認を行い、続いて第2の本人確認を行ってから金融取引を実行する制御部を配した自動取引装置において、
前記制御部は、
前記第2の本人確認の結果が顧客本人を否定するものであるとき、前記記憶部に記憶されている前記取引限度額に切り替えることを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動取引装置において、
前記顧客操作部には、
前記第1の本人確認用として暗証番号を入力するための入力部と、
前記第2の本人確認用として生体的特徴情報を採取するための生体認証部を配した自動取引装置。
【請求項3】
請求項1記載の自動取引装置において、
前記取引限度額が切り替えられると、以後の金融取引を制限することを報知する自動取引装置。
【請求項4】
請求項1記載の自動取引装置において、
前記取引限度額の切り替えに代えて、以後の取引回数を制限する自動取引装置。
【請求項5】
金融取引を希望する顧客が取引情報を入力する顧客操作部と、
取引限度額として複数の金額値情報を記憶した記憶部と、
顧客本人の確認用として、生体的特徴情報を採取するための生体認証部を有する自動取引装置において、
顧客自身の生体的特徴情報を予め格納した顧客識別媒体から、該生体的特徴情報を読み出す媒体処理部を配し、
前記生体認証部が採取した生体的特徴情報と顧客識別媒体から読み出した生体的特徴情報を比較して、その類似率により取引限度額を決定する自動取引装置。
【請求項6】
請求項5記載の自動取引装置において、
前記生体的特徴情報の比較結果から、その類似率による取引限度額の決定は、前記顧客識別媒体側で行われる自動取引装置。
【請求項7】
請求項5記載の自動取引装置において、
前記生体的特徴情報の比較結果から、その類似率が規定値以上のときには本人と判定して取引限度額の上限値とし、規定値以下の場合は類似率の値に応じて段階的に決定する自動取引装置。
【請求項8】
請求項1記載の自動取引装置と、
入力部および表示部を有する顧客端末器と、
金融取引を行うために、顧客口座毎の取引情報を記憶,管理する上位装置とを通信回線で接続した自動取引システムにおいて、
前記上位装置は、
取引限度額が切り替えられる前に、前記顧客端末器に通知すると共に取引限度額を元に戻せる操作案内を行うことを特徴とする自動取引システム。
【請求項9】
請求項8記載の自動取引システムにおいて
前記顧客端末器の操作により取引限度額を元に戻す為には、
当該取引に関する取引情報と顧客本人を確認するためのパスワードを入力させ、
前記上位装置が当該入力情報を正当なものであると判断したときとする自動取引システム。
【請求項10】
請求項9記載の自動取引システムにおいて
前記パスワードを連想させる誘導を前記顧客端末器に行う自動取引システム。
【請求項11】
請求項1記載の自動取引装置と、
顧客により維持,管理される顧客端末器と、
金融取引を行うために顧客口座毎の取引情報を記憶,管理する上位装置とを回線接続した自動取引システムにおいて、
前記顧客端末器から前記自動取引装置における取引制限を解除可能としたことを特徴とする自動取引システム。
【請求項1】
金融取引を希望する顧客が取引情報を入力する顧客操作部と、
取引限度額として複数の金額値情報を記憶した記憶部と、
前記顧客操作部からの操作により第1の本人確認を行い、続いて第2の本人確認を行ってから金融取引を実行する制御部を配した自動取引装置において、
前記制御部は、
前記第2の本人確認の結果が顧客本人を否定するものであるとき、前記記憶部に記憶されている前記取引限度額に切り替えることを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動取引装置において、
前記顧客操作部には、
前記第1の本人確認用として暗証番号を入力するための入力部と、
前記第2の本人確認用として生体的特徴情報を採取するための生体認証部を配した自動取引装置。
【請求項3】
請求項1記載の自動取引装置において、
前記取引限度額が切り替えられると、以後の金融取引を制限することを報知する自動取引装置。
【請求項4】
請求項1記載の自動取引装置において、
前記取引限度額の切り替えに代えて、以後の取引回数を制限する自動取引装置。
【請求項5】
金融取引を希望する顧客が取引情報を入力する顧客操作部と、
取引限度額として複数の金額値情報を記憶した記憶部と、
顧客本人の確認用として、生体的特徴情報を採取するための生体認証部を有する自動取引装置において、
顧客自身の生体的特徴情報を予め格納した顧客識別媒体から、該生体的特徴情報を読み出す媒体処理部を配し、
前記生体認証部が採取した生体的特徴情報と顧客識別媒体から読み出した生体的特徴情報を比較して、その類似率により取引限度額を決定する自動取引装置。
【請求項6】
請求項5記載の自動取引装置において、
前記生体的特徴情報の比較結果から、その類似率による取引限度額の決定は、前記顧客識別媒体側で行われる自動取引装置。
【請求項7】
請求項5記載の自動取引装置において、
前記生体的特徴情報の比較結果から、その類似率が規定値以上のときには本人と判定して取引限度額の上限値とし、規定値以下の場合は類似率の値に応じて段階的に決定する自動取引装置。
【請求項8】
請求項1記載の自動取引装置と、
入力部および表示部を有する顧客端末器と、
金融取引を行うために、顧客口座毎の取引情報を記憶,管理する上位装置とを通信回線で接続した自動取引システムにおいて、
前記上位装置は、
取引限度額が切り替えられる前に、前記顧客端末器に通知すると共に取引限度額を元に戻せる操作案内を行うことを特徴とする自動取引システム。
【請求項9】
請求項8記載の自動取引システムにおいて
前記顧客端末器の操作により取引限度額を元に戻す為には、
当該取引に関する取引情報と顧客本人を確認するためのパスワードを入力させ、
前記上位装置が当該入力情報を正当なものであると判断したときとする自動取引システム。
【請求項10】
請求項9記載の自動取引システムにおいて
前記パスワードを連想させる誘導を前記顧客端末器に行う自動取引システム。
【請求項11】
請求項1記載の自動取引装置と、
顧客により維持,管理される顧客端末器と、
金融取引を行うために顧客口座毎の取引情報を記憶,管理する上位装置とを回線接続した自動取引システムにおいて、
前記顧客端末器から前記自動取引装置における取引制限を解除可能としたことを特徴とする自動取引システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−48118(P2007−48118A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−233043(P2005−233043)
【出願日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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