自動書庫
【課題】自動書庫において省電力化を図る。
【解決手段】複数の図書類を収納することができる複数のコンテナ2と、複数のコンテナを格納する書庫部1と、書庫部1に格納されているコンテナ2を取り出しまた格納することができるスタッカークレーン3と、コンテナから図書類の取り出しおよびコンテナへの図書類の返却を行う出納ステーション5と、出納ステーション5とスタッカークレーン3との間でコンテナを搬送する搬送装置と、搬送装置により搬送されるコンテナの重量を検知する重量検知装置と、重量検知装置による検知信号に基づきコンテナ重量を表示する表示装置と、図書類の出納指令に基づきスタッカークレーン3、搬送装置および表示装置の動作を制御する制御装置と、を備えている。
【解決手段】複数の図書類を収納することができる複数のコンテナ2と、複数のコンテナを格納する書庫部1と、書庫部1に格納されているコンテナ2を取り出しまた格納することができるスタッカークレーン3と、コンテナから図書類の取り出しおよびコンテナへの図書類の返却を行う出納ステーション5と、出納ステーション5とスタッカークレーン3との間でコンテナを搬送する搬送装置と、搬送装置により搬送されるコンテナの重量を検知する重量検知装置と、重量検知装置による検知信号に基づきコンテナ重量を表示する表示装置と、図書類の出納指令に基づきスタッカークレーン3、搬送装置および表示装置の動作を制御する制御装置と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の図書類を格納するとともに、格納されている図書類の中から希望の図書類を検索して貸し出すことができかつ返却された図書類を適宜の位置に格納することができる自動書庫に関するもので、特に、消費電力の低減に役立つ重量検知装置を備えていることを特徴とするものである。
【背景技術】
【0002】
図書館における図書類の格納作業、および出納作業すなわち貸し出しおよび返却作業の迅速化、省力化を図るために、自動書庫が導入されている。自動書庫は、図書類を格納する書庫部、適宜数の図書類を収納して書庫部に格納することができるコンテナ、図書類の出納情報に基づき横方向(水平方向)および縦方向(垂直方向)に移動して目的のコンテナを書庫部から取り出しまた適宜の格納位置に格納するスタッカークレーン、このスタッカークレーンと出納ステーションとの間でコンテナを搬送する搬送装置、図書類の出納指令に基づき上記スタッカークレーンと搬送装置などの動作を制御する制御装置などを備えている。
【0003】
本明細書において「図書類」とは、一般的な書籍、雑誌などの図書のほか、コンパクトディスク(CD)、DVD、録音テープ、ビデオテープなどの電子記録媒体、出版物、レポート、記録、資料などを含む。以下、これら「図書類」のことを単に「図書」という。
【0004】
自動書庫の構成あるいは制御方式には各種のものが考えられるが、おおむね次のようになっている。図書館の利用者が借りたい図書を指定しそのデータを入力すると、制御装置はその図書の有無を検索し、その図書が書庫部に格納されていればその図書が収納されているコンテナの位置情報に基づき、スタッカークレーンをその位置まで移動させ、目的のコンテナを取り出す。スタッカークレーンはそのコンテナを搬送装置に受け渡し、搬送装置はコンテナを出納ステーションまで搬送する。利用者はコンテナに収納されている図書の中から目的の図書を取り出すことができる。個々の図書には識別のためのIDがバーコードなどによって付され、出納ステーションにはIDの読取装置が設けられていて、出納ステーションから図書を取り出すとき上記読取装置がIDを読み取る。したがって、利用者が指定した目的の図書を取り出したかどうかを判別することができ、また、利用者が取り出した図書のIDをメモリに記録することによって、その図書は貸し出し中であることを認識することができる。
【0005】
利用者が図書を返却するときは、出納ステーションにおいて例えば返却ボタンを押すなどの操作により返却指令を出す。制御装置は、返却指令を受けると、蓄積されている管理データから、書庫部に格納されているコンテナのうち空きスペースのあるコンテナを抜き出し、その中から適宜のコンテナを選択してその位置までスタッカークレーンを移動させ、そのコンテナを取り出させる。コンテナは図書の貸し出しの場合と同様に搬送装置によって出納ステーションに搬送され、出納ステーションにおいてコンテナの空きスペースに図書を収納することによって返却する。返却時も図書のIDが読取装置によって読み取られ、その図書が返却されたことをメモリに記録する。また、コンテナにも、個別に例えばバーコードによるIDが付されていて、出納ステーションにあるコンテナのIDとこのコンテナに収納された図書のIDが紐付けされて記録される。このコンテナは搬送装置で搬送されかつスタッカークレーンによって書庫部のコンテナ格納区画に格納される。書庫部のコンテナ格納区画すなわちロケーションとこの区画に格納されるコンテナとの組み合わせは予め決められているわけではなく、それぞれのコンテナ格納区画には任意のコンテナを格納することができる。このような仕組みを「フリーロケーションシステム」という。ただし、どの区画にどのコンテナが格納されているかを、例えば区画の番号とコンテナのIDとを紐付けしてメモリに記録しておく。
【0006】
以上、自動書庫の概要を説明した。このような自動書庫に関する先行技術として以下のものがある。特許文献1には、上記のような自動書庫システムであって、入庫情報・出庫情報を入力する入力手段と、書籍コードを読み取る読み取り手段と、書籍の厚さを測定する厚さ測定手段と、書庫部にコンテナを出し入れするコンテナ搬送手段と、入庫情報または出庫情報に該当するコンテナを特定しコンテナ搬送手段により該当するコンテナを出納部に搬入・搬出する制御を行うコンテナ出入制御手段と、このコンテナの空きスペースを算出して空きスペースデータを更新する演算・更新手段を備えた自動書庫システムが記載されている。この特許文献1記載の発明は、個々の書籍の厚さをデータベース化する必要がなく、書籍の厚さが変動しても、コンテナの空きスペースを管理することができるようにすることを目的としている。
【0007】
特許文献2には、自動書庫において、複数の図書を収容することができるコンテナは横幅を均一にするとともに図書の大きさにかかわらず図書を立てて収容するようにし、コンテナを格納する棚の複数の区画は、横幅を均一に、高さは異ならせておき、コンテナに収容した図書の最高の高さに基づき、そのコンテナを出し入れ可能な高さを有する区画を探してコンテナの収容先とする自動書庫が記載されている。特許文献2記載の発明は、棚のスペースを効率よく利用することができるようにすることを狙っている。
【0008】
特許文献3には、自動書庫システムにおける書籍充填率管理方法に関し、コンテナに収容される書籍の平均厚みを推測し、この平均厚みをそれぞれ加算して書籍の合計厚みを算出することにより、それぞれのコンテナにおける書籍充填率を各個に算定して管理するようにした技術が記載されている。特許文献3記載の発明は、書籍の厚み測定装置を設置しなくても、簡単に書籍の充填率を管理することができるようにすることを狙っている。
【0009】
【特許文献1】特開2006−213485号公報
【特許文献2】特開2005−59997号公報
【特許文献1】特開2004−345768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上説明した自動書庫ないしは自動書庫システムによれば、図書館における蔵書管理の容易化、正確化および省力化を図ることができる。
これまで説明してきたように、自動書庫においては、一般的にコンテナ単位で図書を管理し、スタッカークレーンや搬送装置などコンテナ単位で入出庫し搬送するようになっている。1個のコンテナに図書を収容できるかどうかは空きスペースがあるかどうかで判断しているため、コンテナに収容される図書のサイズはまちまちであり、1個のコンテナに大きいサイズの図書が集中して収容されると、そのコンテナにおけるトータルの図書重量がコンテナの設計重量を超えることが稀にある。そのため、スタッカークレーンや搬送装置などの仕様を決めるとき、コンテナに大きな荷重が加わることを想定して、この荷重に充分に耐えうる仕様、すなわち過剰仕様に設計する必要があり、コスト高および運用時の消費電力が増大する難点があった。
【0011】
本発明は、前述のようなさまざまな利点をもつ自動書庫において、省電力化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、複数の図書類を収納することができる複数のコンテナと、複数のコンテナを格納する書庫部と、書庫部に格納されているコンテナを取り出しまた格納することができるスタッカークレーンと、コンテナから図書類の取り出しおよびコンテナへの図書類の返却を行う出納ステーションと、出納ステーションとスタッカークレーンとの間でコンテナを搬送する搬送装置と、上記搬送装置により搬送されるコンテナの重量を検知する重量検知装置と、重量検知装置による検知信号に基づきコンテナ重量を表示する表示装置と、図書類の出納指令に基づき上記スタッカークレーン、搬送装置および表示装置の動作を制御する制御装置と、を備えていることを最も主要な特徴とする。
【0013】
制御装置は、重量検知装置により検知されたコンテナ重量が一定の重量以下である場合には搬送装置によるそのコンテナの搬送を許可し、コンテナ重量が一定の重量以上である場合には表示装置にエラー表示するとよい。
重量検知装置は出納ステーションに配置するとよい。その場合、制御装置は、コンテナ重量が一定の重量以上のとき、表示装置にエラー表示するとともに搬送装置によるそのコンテナの搬送を拒否するようにするとよい。
【0014】
重量検知装置は、出納ステーション近傍の搬送装置による搬送経路に配置してもよい。その場合、制御装置は、コンテナ重量が一定の重量以上であるとき表示装置にエラー表示するとともに搬送装置によるそのコンテナを出納ステーションに向かって逆搬送するようにするとよい。
重量検知装置は、ロードセルで構成してもよいし、搬送装置の駆動モータの電流値を測定する電流計で構成してもよい。
【発明の効果】
【0015】
重量検知装置による検知信号に基づきコンテナ重量を表示する表示装置を備えているため、表示装置に表示されているコンテナ重量から、収容されている図書の重量が一定の重量以下であるか否かを判断することができ、一定の重量を超えているときは、そのコンテナに収容されている図書の一部を取り出し、別のコンテナに収容する。こうすることにより、個々のコンテナにかかる荷重を一定以下にすることができ、搬送装置やスタッカークレーンの仕様を、コンテナの過大な荷重による過負荷がかかることを想定した過剰仕様に設計する必要がなくなるから、自動書庫の低コスト化を図ることができるとともに、自動書庫の運用によって消費される電力量を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る自動書庫の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1において、符号1は書庫部を示している。この実施例における書庫部1は、4台の移動ラック11,12,13,14と2台の固定ラック15,16からなる。4台の移動ラックは、間口面すなわち後で詳細に説明するコンテナ2の出し入れ面を両面に有していて、例えば、間口面に対し直交する方向に敷設されたガイドレール上に走行車輪が載せられることにより間口面に対し直交する方向に移動可能に配置されている。これらの移動ラックの移動方向両側に上記固定ラック15,16が配置されている。固定ラック15,16は移動ラックに面する側がコンテナ2の出し入れ面になっている。各移動ラックと固定ラックは横方向(水平方向)および縦方向(垂直方向)に複数に区切られて複数のコンテナ格納区画(ロケーション)を有し、各格納区画には識別するためのID例えば区画番号が付されている。
【0017】
4台の移動ラック11,12,13,14のうち少なくとも1台が移動することにより、所望の移動ラック間または移動ラックと固定ラック間にスタッカークレーン通路17を形成することができ、他の移動ラックおよび固定ラックは近接位置を保つようになっている。図1は移動ラック2,3間にスタッカークレーン通路17が形成されている状態を示している。上記のように配列された複数の移動ラックおよび固定ラックの側方にはトラバーサ4が配置されていて、トラバーサ4はガイドレールなどに案内されて上記各ラックの側面に対し平行に移動し、スタッカークレーン通路17が形成されている位置で停止することが可能となっている。トラバーサ4はスタッカークレーン3を搭載していて、スタッカークレーン通路17に対応した位置で停止するようになっている。スタッカークレーン3は、トラバーサ4の停止位置で、トラバーサ4からガイドレールに沿ってスタッカークレーン通路17に進入することができるようになっている。スタッカークレーン3は支柱に沿って上下動することができ、かつ、上記コンテナ格納区画に対するコンテナ2の移載装置を備えていて、指令に応じて特定の格納区画に格納されているコンテナ2を取り出し、また、特定の格納区画にコンテナ2を格納することができる。各移動ラックの移動、トラバーサ4の移動およびスタッカークレーン3の動作は後述の制御装置からの指令によって制御されるようになっている。
【0018】
書庫部1の側方には、トラバーサ4の移動範囲の一端に受け渡しステーション6が設けられている。受け渡しステーション6はトラバーサ4上のスタッカークレーン3との間でコンテナ2を受け渡すために設けられていて、上側の入庫用ステーション61と下側の出庫用ステーション62の2段構成になっている。入庫用ステーション61は入庫コンベア71に、出庫用ステーション62は出庫コンベア72につながっている。入庫コンベア71と出庫コンベア72はともに出納ステーション5につながっている。後で詳細に説明するが、出納ステーション5の上側において図書の貸し出し、返却が行われるようになっている。
【0019】
上記入庫コンベア71と受け渡しステーション6は、出納ステーション5からスタッカークレーン3に向かってコンテナ2を搬送する搬送装置を構成し、受け渡しステーション6と出庫コンベア72はスタッカークレーン3から出納ステーション5に向かってコンテナ2を搬送する搬送装置を構成している。
【0020】
書庫部1、スタッカークレーン3、上記搬送装置などからなる構成部分は、自動書庫が設置される建物の複数階にわたって設置することができる。これに対し出納ステーション5は上記書庫部1などが設置されているすべての階に設置されるとは限らず、一つの階にのみ出納ステーション5が設置される場合もある。そこで、コンテナ2を入出庫する階と出納ステーション5の設置階が異なる場合に、コンテナ2を出納ステーション5の位置まで搬送するために、入庫側垂直搬送機51と出庫側垂直搬送機52が、それぞれ入庫コンベア71の始端と出庫コンベア72の終端に設けられている。また、出納ステーション5の設置階においても、図1に示す例のように、入庫コンベア71と出庫コンベア72を上下に重ねて配置した例では、入庫コンベア71の始端と出庫コンベア72の終端との間に段差が生じる。そこで、出庫コンベア72の終端に、上記段差分のストロークを持った垂直搬送機を配置し、出納ステーション5においては、コンテナ2を水平面内で搬送するようになっている。
【0021】
出庫側の搬送装置によって出納ステーション5に搬送され、また、出納ステーション5が配置されていない階において搬送されかつ垂直搬送機52で垂直に搬送されて出納ステーション5に至ったコンテナ2は、出納ステーション5内の搬送装置により前方に搬送され、さらに横に搬送されて作業位置53に至るように構成されている。作業位置53には、コンテナ2を必要に応じて前後に反転させるためのターンテーブル54が組み込まれている。後で詳細に説明するが、各コンテナ2は図書収納スペースが前後に二分されていて、各スペースに図書の背表紙を外側に向けて収納するようになっている。したがって、目的の図書がコンテナ2の後ろ側の収納スペースに収納されている場合には、出納ステーション5においてその図書を取り出すことができない。そこで、ターンテーブル54でコンテナ2を水平面内で180度回転させ、コンテナ2を前後に反転させることができるようになっている。
【0022】
ここで、上記実施例に用いられるコンテナ2の構成について図2乃至図5を参照しながら説明する。図2乃至図5において、コンテナ2は上面が開放した長方形の箱形の収納体であって、収納空間が横方向の仕切り板21によって前後の収納空間22に区分されている。各収納空間22には複数の図書25を立てた姿勢で、また、背表紙を外側に向けて、したがって、二つの収納空間22における図書25が腹合わせされた状態で収納されるようになっている。コンテナ2に収納される図書のサイズに関しては、縦方向の寸法に一定の限界はあるものの、基本的には任意である。
【0023】
図6、図7は前記出納ステーション5に設けられているターンテーブル54の部分をより詳細に示している。図6、図7において、ターンテーブル54は出納ステーション5の作業位置53の下方に配置されている。ターンテーブル54は、支持台59に対し昇降可能に設けられた昇降台46に回転可能に支持された回転軸47を一体に有している。上記昇降台46からは垂直方向のラック57が下方に向かって伸びていて、上記支持台59に取り付けられた昇降用モータ55の出力軸に設けられたピニオン56とラック57が噛み合っている。したがって、昇降用モータ55によってピニオン56が回転駆動されることにより、ラック57とともに昇降台46が上下動し、これとともにターンテーブル54も上下動するようになっている。
【0024】
ターンテーブル54の回転軸47には大径のプーリ43が一体に設けられている。昇降台46には回転用モータ41が取り付けられていて、モータ41の出力軸には小径のプーリ42が一体に設けられている。上記プーリ42とプーリ43にはベルト44が掛け渡されて減速機構が構成されている。したがって、モータ41が駆動されると、プーリ42の回転力がベルト44とプーリ43を介することにより減速されて回転軸47に伝達され、ターンテーブル54が回転するようになっている。ターンテーブル54の回転角度は180度で、リミットスイッチなどで回転角度を検知することにより回転角度を規制するようになっている。一方向に180度ずつ回転するようにしてもよいし、180度ずつ正方向と逆方向に交互に回転するようにしてもよい。上記減速機構は、チェーンとスプロケットで構成してもよいし、歯車の組み合わせで構成してもよい。
【0025】
作業位置53に搬送されてきたコンテナ2を前後反転させる必要がある場合には、昇降用モータ55を起動し、前記ラック57とともに昇降台46を上昇させ、ターンテーブル54を上昇させる。ターンテーブル54は、図7に2点鎖線5Aで示すように、出納ステーション5における搬送装置の上面より上に進出し、ターンテーブル54上のコンテナ2を上記搬送装置から離間させる。この状態で回転用モータ41を起動し、前述のとおりターンテーブル54を180度回転させ、コンテナ2を前後反転させる。次に、昇降用モータ55を逆転させてターンテーブル54を降下させ、コンテナ2を出納ステーション5における搬送装置の上面に載せ、反転動作を終了する。この後出納ステーション5における搬送装置が起動され、コンテナ2は出納ステーション5の後方に向かって搬送され、入庫コンベア71の始端に至り、入庫コンベア71で書庫部1に向かって搬送される。図6に示すように、出納ステーション5における前後方向の搬送装置として、この実施例ではローラコンベア58が用いられている。横方向への移動には、押圧装置、ベルトなど、適宜の装置を用いることができる。ターンテーブル54の設置位置には、ターンテーブル54が昇降することができる開放空間が形成されている。
【0026】
図8に示すように、出納ステーション5の作業位置53からコンテナ2を入庫コンベア71の始端に向かって後方に搬送するローラコンベア58には重量検知装置10が組み込まれている。換言すれば、重量検知装置10は作業位置53の背後直近位置に配置されている。重量検知装置10は例えばロードセルからなり、ロードセル上に一つのローラコンベア58のユニットが組みつけられている。したがって、重量検知装置10には常時ローラコンベア58の荷重がかかり、コンテナ2が搬送されてきたときはコンテナ2の荷重が加わる。そこで、コンテナ2の荷重が加わったときの検知信号とローラコンベア58の荷重のみの場合の検知信号との差からコンテナ2の荷重を検知することができる。この検知信号に基づき、表示装置にコンテナ重量を表示するようにしてもよいし、コンテナ重量が一定の重量以下である場合には搬送装置によるそのコンテナ2の搬送を許可し、コンテナ重量が一定の重量以上である場合には表示装置にエラー表示するようにしてもよい。
【0027】
図9は、上記実施例における出納ステーション5の外観の例を示す。図9において、出納ステーション5は作業位置53の部分のみが開放したカバーで覆われていて、カバーの前面側には作業台64が設置されている。上記カバーの上面には上記検知信号に基づきコンテナ重量を表示する表示装置8が取り付けられ、上記カバーの前面には、前記ターンテーブル54を回転させるための指令を出す回転ボタン65、一連の出納作業が終了したときに操作する完了ボタン66が取り付けられている。また、例えば、検索中の図書データ、その図書が格納されているコンテナのID、そのコンテナが格納されている書庫部1のロケーションなど、適宜のデータを表示することができるディスプレイ67が取り付けられている。
【0028】
以上説明した各部の制御系統の例を図10に示す。図10において、「入出庫台車」とは、図1に示す受け渡しステーション6のことである。「搬送コンベア」とは、前記入庫コンベア71と出庫コンベア72のことである。この例は二つの階に分けて書庫部1があり、書庫部1が設置されている各階に出納ステーション5が設置されている例で、それぞれの階の出納ステーション5の搬送装置を、「1F出納ステーションコンベア」58、「2F出納ステーションコンベア」58として表している。スタッカークレーン3、トラバーサ4、入出庫台車6、移動ラック11〜14、搬送コンベア71,72、垂直搬送機51,52、1F出納ステーションコンベア58および2F出納ステーションコンベア58は、中央制御盤20によって個別に動作が制御されるようになっている。中央制御盤20は自動書庫全体を制御する制御装置を構成している。中央制御盤20は、システム管理機31、インターフェースPC(パーソナル・コンピュータのこと:以下同じ)32、1F作業PC33、2F作業PC34とともにハブを介して接続され、信号を授受するようになっている。
【0029】
上記システム管理機31は、自動書庫全体の制御に必要なあらゆるデータを保存している上位に位置する管理器である。上記インターフェースPC32は、システム管理機31と、スタッカークレーン3、トラバーサ4などの各機器を制御する中央制御盤20との間で信号を授受する接続装置として機能する。1F作業PC33、2F作業PC34は、1階と2階に設置された出納ステーションそれぞれにおいて、図書を貸し出すときの図書の指定、図書を返却するときのコンテナの呼び出しを行うときなどに使用するもので、これらの入力データは前記ディスプレイ67に表示される。
【0030】
出納ステーション5において図書の貸し出し作業または返却作業が完了すると前記完了ボタン66(図9参照)が押される。完了ボタン66が押された場合に出力される信号の伝達系統を図11に示す。図11を参照しながら、完了ボタン66が押された場合の動作とともに信号伝達系統について説明する。完了ボタン66が押されると、完了ボタン66からコンテナの入庫搬送開始の指示信号が出力され、中央制御盤20に入力される。中央制御盤20はコンピュータからなり、中央制御ユニット(CPU)、ROM、RAMを備えている。中央制御盤20は入庫搬送開始指示信号が入力されると重量検知装置10に重量検知指令信号を出力する。
【0031】
重量検知装置10は、重量検知素子として圧電素子101を備えている。圧電素子10は、一般的には歪みゲージと同じ原理で動作し、荷重がかかると荷重に応じた電圧を出力し、この出力信号は重量検知装置10内の制御部102に入力される。制御部102は、上記電圧信号の入力回路103、電圧信号を重量に変換する変換器104、重量信号を計測重量信号として出力する出力回路105を備えている。計測重量信号は中央制御盤20に入力され、中央制御盤20は上記計測重量データを前記各作業PC33,34に出力し、作業PC33,34からさらにそれぞれの作業PC33,34に対応したディスプレイ67に出力されて重量が表示される。また、表示装置8にも重量が表示される。
【0032】
図書館員あるいは図書館の利用者は、表示装置8などに表示されている重量を読み取ることにより、コンテナ2の重量が一定の重量以上であるかどうかを判断することができる。一定の重量以上である場合は、コンテナ2を作業位置53に戻して収納されている図書の一部を取り出し、コンテナ2の重量を一定の重量以下とする。取り出した図書は、空きスペースのある別のコンテナ2を呼び出してこれに収容する。
【0033】
コンテナ2の重量が一定の重量以上であるかどうかの判断は制御装置すなわち中央制御盤20で行い、一定以上である場合は、ディスプレイ67あるいは表示装置8にエラー表示をするように構成するとよい。また、コンテナ2の重量が一定の重量以上であると制御装置が判断した場合は、表示装置にエラー表示をするとともに搬送装置によるそのコンテナの搬送を拒否するように構成するとなおよい。さらに、重量検知装置10が作業位置53以外の位置にある場合、コンテナ2の重量が一定の重量以上であると判断されたときコンテナ2は作業位置53から離れているので、制御装置はコンテナ2を作業位置53まで戻すように構成するとなおよい。
【0034】
以下、上記実施例の一連の動作につき、コンテナ2の重量検知とこの検知信号に基づく動作を重点的に説明する。図12は図書を返却するときの動作を示す。動作ステップに順に符号S1,S2,・・・を付した。格納する図書を準備し(S1)、作業PCからコンテナを呼び出す(S2)。コンテナの呼び出は一種の検索に相当し、返却しようとする図書に必要な空きスペースの指定、空きコンテナ個数の指定、直接的なコンテナの指定のいずれかまたは任意の組み合わせのいずれかを選択することができる。制御装置は該当するコンテナを検索し、出庫すべきコンテナとして引き当てる(S3)。出庫すべきコンテナが決まると、前記システム管理機31のデータから該当するコンテナが存在するロケーションがわかるので、中央制御盤20は前記スタッカークレーン3、トラバーサ4、移動ラック11〜14、入出庫台車6、搬送コンベア71,72、垂直搬送機51,52を制御し、引き当てられたコンテナを書庫部1から出庫し、出納ステーション5に向かって搬送する(S4)。
【0035】
出納ステーション5に搬送されたコンテナ2は、出納ステーション5内で搬送され作業位置53に到着し停止する(S5)。コンテナ2が作業位置53に到着したことを示す表示灯などを設けると便利である。図書館員または利用者は図書のID例えばバーコードを読み込んで返却しようとしている図書を特定し、そのデータをシステム管理機31のデータベースに記録させ、その図書をコンテナ2に収納する(S6)。格納すべき図書がほかにあるかどうかを判断し(S7)、ほかにあればステップS6を繰り返し、ほかになければ完了ボタン66を押す。これによりコンテナ2を書庫部1に入庫する動作を開始する。すなわち、出納ステーション5のローラコンベア58からなる搬送装置を起動し、コンテナ2を入庫コンベア71に向かって搬送を開始する(S8)。
【0036】
コンテナ2が出納ステーション5のローラコンベア58で搬送される過程で、重量検知装置10の位置に至ることにより、前述のとおりコンテナ2の重量が検知される。この検知信号に基づき、制御装置は、コンテナ重量は規定値以内か否かを判断し(S9)、規定値以上であればコンテナを作業位置53まで戻すように上記ローラコンベア58を逆向きに回転制御する(S10)。コンテナが作業位置53まで戻ると、図書館員または利用者はコンテナから重量オーバー分の図書を取り出すとともに、図書を取り出すときそのIDをリーダーに読み込ませ、そのコンテナから特定の図書が取り出されたことを記録させる(S11)。再びステップS8,S9を繰り返し、コンテナ重量が規定値以内であればステップS12に進み、中央制御盤20はスタッカークレーン3、トラバーサ4、移動ラック11〜14、入出庫台車6、搬送コンベア71,72、垂直搬送機51,52を制御し、コンテナを適宜のラックの適宜の区画に格納し(S12)、一連の動作を終了する。
【0037】
次に、図13に示す図書貸し出し時の動作を説明する。図書貸し出し時は、利用者が希望する図書が特定されているので、その特定されている図書の取り出し指示を作業PCで行う(S21)。システム管理機31のデータベースから該当図書が格納されているコンテナを検索し、出庫すべきコンテナとして引き当てる(S22)。出庫すべきコンテナが決まると、前記入庫の場合と同様に、中央制御盤20は前記スタッカークレーン3、トラバーサ4、移動ラック11〜14、入出庫台車6、搬送コンベア71,72、垂直搬送機51,52を制御し、引き当てられたコンテナを書庫部1から出庫し、出納ステーション5に向かって搬送する(S23)。出納ステーション5に搬送されたコンテナ2は、出納ステーション5内で搬送され作業位置53に到着し停止する(S24)。
【0038】
図書館員または利用者は作業位置53にあるコンテナから目的の図書を取り出し、そのIDをリーダーに読み込ませる(S25)。取り出すべき図書がほかにあるかどうかを判断し(S26)、ほかに取り出す図書があればステップS25を繰り返し、取り出す図書がほかになければ、完了ボタン66を押し、コンテナ2を書庫部1に入庫する動作を開始する。すなわち、出納ステーション5のローラコンベア58からなる搬送装置を起動し、コンテナ2を入庫コンベア71に向かって搬送を開始する(S27)。
【0039】
コンテナ2が出納ステーション5のローラコンベア58で搬送される過程で、重量検知装置10の位置に至ることにより、前述のとおりコンテナ2の重量が検知される。この検知信号に基づき、制御装置は、コンテナ重量は規定値以内か否かを判断し(S28)、規定値以上であればコンテナを作業位置53まで戻すように上記ローラコンベア58を逆向きに回転制御する(S29)。コンテナが作業位置53まで戻ると、図書館員または利用者はコンテナから重量オーバー分の図書を取り出すとともに、図書を取り出すときそのIDをリーダーに読み込ませ、そのコンテナから特定の図書が取り出されたことを記録させる(S30)。再びステップS27,S28を繰り返し、コンテナ重量が規定値以内であればステップS31に進み、スタッカークレーン3、トラバーサ4、移動ラック11〜14、入出庫台車6、搬送コンベア71,72、垂直搬送機51,52を制御し、コンテナを適宜のラックの適宜の区画に格納し(S31)、一連の動作を終了する。
【0040】
図書貸し出し時の動作では、コンテナから目的の図書が取り出されるので、通常、そのコンテナの重量は規定値以上になることはないが、図書貸し出しのために作業位置53まで搬送されてきているコンテナに、返却のために図書が収納されることもあるので、図書貸し出し時においても、コンテナ重量を検知し、各コンテナが規定の重量以上にならないようにしている。
【0041】
以上説明した本発明の実施例によれば、コンテナ2の搬送経路において、搬送装置により搬送されるコンテナ2の重量を検知する重量検知装置10を設け、収容した図書を含めたコンテナ2の重量を検知し、表示装置8で各コンテナ2の重量を表示するようになっている。また、コンテナ2の重量が規定の重量以上の場合は、表示装置8にエラー表示をし、さらには作業位置53まで逆搬送するようになっている。そのため、スタッカークレーン3、トラバーサ4、移動ラック11〜14、入出庫台車6、搬送コンベア71,72、垂直搬送機51,52などに加わる最大負荷を抑制し、これらをいわゆる過剰仕様とする必要もないことから、コストの削減と消費電力の削減を図ることができる。
【0042】
出納ステーション5の設置階が複数階ある場合、それに応じてそれぞれの階の出納ステーション5に重量検知装置10を設ける必要があるのでコスト高になる。
そこで、出納ステーション5の設置階が複数階ある場合、入庫側垂直搬送機51に重量検知装置10を組み込んでおけば、重量検知装置10を1個にすることができるので、コスト低減に効果的である。
【0043】
個々の図書と個々のコンテナには識別のためのIDが付されている。このIDは、例えばバーコードであってもよいし、RF−IDなどの無接触ICタグなど、個体を識別できるものであれば任意のものを選択し採用して差し支えない。出納ステーション5には、このような識別子を読み取ってそのデータを制御装置に転送してメモリに記憶させることができるリーダーを設置しておく。個々の図書のIDと、その図書が収納されているコンテナのIDと、そのコンテナが格納されている書庫部1のロケーションとが常に紐付けされて記録され、どの図書がどのコンテナに収納されたどのロケーションに格納されているかがわかるようになっている。もっとも、本発明の技術思想に照らせば、個々の図書と個々のコンテナにIDが付されていることは必須ではなく、IDが付されている図書や物品とは別に、IDが付されていない図書や物品を書庫部1に格納して管理することもありえる。
【0044】
図書を返却するために作業位置53に搬送されてきたコンテナ2の前側の収納スペースに、図書を収容する空きスペースがない場合、また、図書を貸し出すために作業位置53に搬送されてきたコンテナ2の前側の収納スペースに目的の図書がない場合、図書館員または利用者は回転ボタン65を押す。この操作によって前記ターンテーブル54の上昇動作、これに続く回転動作、さらに下降動作が行われ、コンテナ2が180度回転させられて、空きスペースへの図書の収納または目的の図書の取出しが可能になる。
【0045】
コンテナ2に収納する図書のサイズ、あるいは収納姿勢によっては、搬送装置による搬送、書庫部1への収納などに適さないことがありえる。そこで、コンテナの搬送経路に荷姿検知装置を設け、不適切な図書のサイズや姿勢を検知した場合はエラー表示してその図書を除去しあるいは正しい姿勢に修正するなどの処置をとることを促すようにするとよい。荷姿検知装置を設けるか否かは任意である。
【0046】
重量検知装置10は、入庫コンベア71や出庫コンベア72などの搬送装置、さらには出納ステーション5内の搬送装置など、出納ステーション5とスタッカークレーン3との間におけるコンテナ2の搬送経路内であれば、任意の位置に設けることができる。しかしながら、収納図書を含むコンテナ2の重量が一定以上である場合、コンテナ2を作業位置53まで戻して図書を取り出す作業をする必要があるので、重量検知装置10は、図示の実施例のように、出納ステーション5内またはその近傍に設けるのが望ましい。
【0047】
また、重量検知装置10は作業位置53に設けるのが最も望ましい。作業位置53においてコンテナ2の重量を検知し、規定の重量をオーバーしている場合はその場で図書を取り出し、かつ、図書を取り出した後の重量をその場で検知することができるからである。図示の実施例では作業位置53にターンテーブル54が配置されているので、ターンテーブル54を昇降用モータ55の起動によって上昇させ、ターンテーブル54でコンテナ2を持ち上げてその重量を検知するようにしてもよい。すなわちターンテーブル54に重量検知装置を設けてもよい。
【0048】
図示の実施例における重量検知装置10は、機械的な検知装置であるロードセルを想定しているが、コンテナ2を駆動するモータの電流値からコンテナ2の重量を検知するようにしてもよい。例えば、上記ターンテーブル54の昇降用モータ55を起動してターンテーブル54によりコンテナ2を持ち上げ、そのときモータ55に流れる電流を測定してコンテナ2の重量に換算するようにしてもよい。あるいは、出納ステーション5内のローラコンベア58でコンテナ2を搬送するときローラコンベア58を駆動するモータに流れる電流、入庫コンベア71でコンテナ2を搬送するとき入庫コンベア71を駆動するモータに流れる電流を測定してコンテナ2の重量に換算するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る自動書庫の実施例を示す斜視図である。
【図2】上記実施例に用いられるコンテナを示す斜視図である。
【図3】上記コンテナの平面図である。
【図4】上記コンテナに図書が収容されている例を示す斜視図である。
【図5】上記コンテナに図書が収容されている例を示す平面図である。
【図6】上記実施例における出納ステーションの内部を示す平面図である。
【図7】上記出納ステーションの内部を示す正面図である。
【図8】上記出納ステーションの内部を示す図であって重量検知装置が組み込まれている様子を示す側面図である。
【図9】上記出納ステーションの外観の例を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る自動書庫の実施例における制御系統の例を示すブロック図である。
【図11】上記制御系統のうち重量検知装置とその検知信号の処理系等の例を示すブロック図である。
【図12】上記実施例の図書返却動作を示すフローチャートである。
【図13】上記実施例の図書貸し出し動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1 書庫部
2 コンテナ
3 スタッカークレーン
4 トラバーサ
5 出納ステーション
6 受け渡しステーション
8 表示装置
10 重量検知装置
20 制御装置
71 搬送装置としての入庫コンベア
72 搬送装置としての出庫コンベア
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の図書類を格納するとともに、格納されている図書類の中から希望の図書類を検索して貸し出すことができかつ返却された図書類を適宜の位置に格納することができる自動書庫に関するもので、特に、消費電力の低減に役立つ重量検知装置を備えていることを特徴とするものである。
【背景技術】
【0002】
図書館における図書類の格納作業、および出納作業すなわち貸し出しおよび返却作業の迅速化、省力化を図るために、自動書庫が導入されている。自動書庫は、図書類を格納する書庫部、適宜数の図書類を収納して書庫部に格納することができるコンテナ、図書類の出納情報に基づき横方向(水平方向)および縦方向(垂直方向)に移動して目的のコンテナを書庫部から取り出しまた適宜の格納位置に格納するスタッカークレーン、このスタッカークレーンと出納ステーションとの間でコンテナを搬送する搬送装置、図書類の出納指令に基づき上記スタッカークレーンと搬送装置などの動作を制御する制御装置などを備えている。
【0003】
本明細書において「図書類」とは、一般的な書籍、雑誌などの図書のほか、コンパクトディスク(CD)、DVD、録音テープ、ビデオテープなどの電子記録媒体、出版物、レポート、記録、資料などを含む。以下、これら「図書類」のことを単に「図書」という。
【0004】
自動書庫の構成あるいは制御方式には各種のものが考えられるが、おおむね次のようになっている。図書館の利用者が借りたい図書を指定しそのデータを入力すると、制御装置はその図書の有無を検索し、その図書が書庫部に格納されていればその図書が収納されているコンテナの位置情報に基づき、スタッカークレーンをその位置まで移動させ、目的のコンテナを取り出す。スタッカークレーンはそのコンテナを搬送装置に受け渡し、搬送装置はコンテナを出納ステーションまで搬送する。利用者はコンテナに収納されている図書の中から目的の図書を取り出すことができる。個々の図書には識別のためのIDがバーコードなどによって付され、出納ステーションにはIDの読取装置が設けられていて、出納ステーションから図書を取り出すとき上記読取装置がIDを読み取る。したがって、利用者が指定した目的の図書を取り出したかどうかを判別することができ、また、利用者が取り出した図書のIDをメモリに記録することによって、その図書は貸し出し中であることを認識することができる。
【0005】
利用者が図書を返却するときは、出納ステーションにおいて例えば返却ボタンを押すなどの操作により返却指令を出す。制御装置は、返却指令を受けると、蓄積されている管理データから、書庫部に格納されているコンテナのうち空きスペースのあるコンテナを抜き出し、その中から適宜のコンテナを選択してその位置までスタッカークレーンを移動させ、そのコンテナを取り出させる。コンテナは図書の貸し出しの場合と同様に搬送装置によって出納ステーションに搬送され、出納ステーションにおいてコンテナの空きスペースに図書を収納することによって返却する。返却時も図書のIDが読取装置によって読み取られ、その図書が返却されたことをメモリに記録する。また、コンテナにも、個別に例えばバーコードによるIDが付されていて、出納ステーションにあるコンテナのIDとこのコンテナに収納された図書のIDが紐付けされて記録される。このコンテナは搬送装置で搬送されかつスタッカークレーンによって書庫部のコンテナ格納区画に格納される。書庫部のコンテナ格納区画すなわちロケーションとこの区画に格納されるコンテナとの組み合わせは予め決められているわけではなく、それぞれのコンテナ格納区画には任意のコンテナを格納することができる。このような仕組みを「フリーロケーションシステム」という。ただし、どの区画にどのコンテナが格納されているかを、例えば区画の番号とコンテナのIDとを紐付けしてメモリに記録しておく。
【0006】
以上、自動書庫の概要を説明した。このような自動書庫に関する先行技術として以下のものがある。特許文献1には、上記のような自動書庫システムであって、入庫情報・出庫情報を入力する入力手段と、書籍コードを読み取る読み取り手段と、書籍の厚さを測定する厚さ測定手段と、書庫部にコンテナを出し入れするコンテナ搬送手段と、入庫情報または出庫情報に該当するコンテナを特定しコンテナ搬送手段により該当するコンテナを出納部に搬入・搬出する制御を行うコンテナ出入制御手段と、このコンテナの空きスペースを算出して空きスペースデータを更新する演算・更新手段を備えた自動書庫システムが記載されている。この特許文献1記載の発明は、個々の書籍の厚さをデータベース化する必要がなく、書籍の厚さが変動しても、コンテナの空きスペースを管理することができるようにすることを目的としている。
【0007】
特許文献2には、自動書庫において、複数の図書を収容することができるコンテナは横幅を均一にするとともに図書の大きさにかかわらず図書を立てて収容するようにし、コンテナを格納する棚の複数の区画は、横幅を均一に、高さは異ならせておき、コンテナに収容した図書の最高の高さに基づき、そのコンテナを出し入れ可能な高さを有する区画を探してコンテナの収容先とする自動書庫が記載されている。特許文献2記載の発明は、棚のスペースを効率よく利用することができるようにすることを狙っている。
【0008】
特許文献3には、自動書庫システムにおける書籍充填率管理方法に関し、コンテナに収容される書籍の平均厚みを推測し、この平均厚みをそれぞれ加算して書籍の合計厚みを算出することにより、それぞれのコンテナにおける書籍充填率を各個に算定して管理するようにした技術が記載されている。特許文献3記載の発明は、書籍の厚み測定装置を設置しなくても、簡単に書籍の充填率を管理することができるようにすることを狙っている。
【0009】
【特許文献1】特開2006−213485号公報
【特許文献2】特開2005−59997号公報
【特許文献1】特開2004−345768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上説明した自動書庫ないしは自動書庫システムによれば、図書館における蔵書管理の容易化、正確化および省力化を図ることができる。
これまで説明してきたように、自動書庫においては、一般的にコンテナ単位で図書を管理し、スタッカークレーンや搬送装置などコンテナ単位で入出庫し搬送するようになっている。1個のコンテナに図書を収容できるかどうかは空きスペースがあるかどうかで判断しているため、コンテナに収容される図書のサイズはまちまちであり、1個のコンテナに大きいサイズの図書が集中して収容されると、そのコンテナにおけるトータルの図書重量がコンテナの設計重量を超えることが稀にある。そのため、スタッカークレーンや搬送装置などの仕様を決めるとき、コンテナに大きな荷重が加わることを想定して、この荷重に充分に耐えうる仕様、すなわち過剰仕様に設計する必要があり、コスト高および運用時の消費電力が増大する難点があった。
【0011】
本発明は、前述のようなさまざまな利点をもつ自動書庫において、省電力化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、複数の図書類を収納することができる複数のコンテナと、複数のコンテナを格納する書庫部と、書庫部に格納されているコンテナを取り出しまた格納することができるスタッカークレーンと、コンテナから図書類の取り出しおよびコンテナへの図書類の返却を行う出納ステーションと、出納ステーションとスタッカークレーンとの間でコンテナを搬送する搬送装置と、上記搬送装置により搬送されるコンテナの重量を検知する重量検知装置と、重量検知装置による検知信号に基づきコンテナ重量を表示する表示装置と、図書類の出納指令に基づき上記スタッカークレーン、搬送装置および表示装置の動作を制御する制御装置と、を備えていることを最も主要な特徴とする。
【0013】
制御装置は、重量検知装置により検知されたコンテナ重量が一定の重量以下である場合には搬送装置によるそのコンテナの搬送を許可し、コンテナ重量が一定の重量以上である場合には表示装置にエラー表示するとよい。
重量検知装置は出納ステーションに配置するとよい。その場合、制御装置は、コンテナ重量が一定の重量以上のとき、表示装置にエラー表示するとともに搬送装置によるそのコンテナの搬送を拒否するようにするとよい。
【0014】
重量検知装置は、出納ステーション近傍の搬送装置による搬送経路に配置してもよい。その場合、制御装置は、コンテナ重量が一定の重量以上であるとき表示装置にエラー表示するとともに搬送装置によるそのコンテナを出納ステーションに向かって逆搬送するようにするとよい。
重量検知装置は、ロードセルで構成してもよいし、搬送装置の駆動モータの電流値を測定する電流計で構成してもよい。
【発明の効果】
【0015】
重量検知装置による検知信号に基づきコンテナ重量を表示する表示装置を備えているため、表示装置に表示されているコンテナ重量から、収容されている図書の重量が一定の重量以下であるか否かを判断することができ、一定の重量を超えているときは、そのコンテナに収容されている図書の一部を取り出し、別のコンテナに収容する。こうすることにより、個々のコンテナにかかる荷重を一定以下にすることができ、搬送装置やスタッカークレーンの仕様を、コンテナの過大な荷重による過負荷がかかることを想定した過剰仕様に設計する必要がなくなるから、自動書庫の低コスト化を図ることができるとともに、自動書庫の運用によって消費される電力量を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る自動書庫の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1において、符号1は書庫部を示している。この実施例における書庫部1は、4台の移動ラック11,12,13,14と2台の固定ラック15,16からなる。4台の移動ラックは、間口面すなわち後で詳細に説明するコンテナ2の出し入れ面を両面に有していて、例えば、間口面に対し直交する方向に敷設されたガイドレール上に走行車輪が載せられることにより間口面に対し直交する方向に移動可能に配置されている。これらの移動ラックの移動方向両側に上記固定ラック15,16が配置されている。固定ラック15,16は移動ラックに面する側がコンテナ2の出し入れ面になっている。各移動ラックと固定ラックは横方向(水平方向)および縦方向(垂直方向)に複数に区切られて複数のコンテナ格納区画(ロケーション)を有し、各格納区画には識別するためのID例えば区画番号が付されている。
【0017】
4台の移動ラック11,12,13,14のうち少なくとも1台が移動することにより、所望の移動ラック間または移動ラックと固定ラック間にスタッカークレーン通路17を形成することができ、他の移動ラックおよび固定ラックは近接位置を保つようになっている。図1は移動ラック2,3間にスタッカークレーン通路17が形成されている状態を示している。上記のように配列された複数の移動ラックおよび固定ラックの側方にはトラバーサ4が配置されていて、トラバーサ4はガイドレールなどに案内されて上記各ラックの側面に対し平行に移動し、スタッカークレーン通路17が形成されている位置で停止することが可能となっている。トラバーサ4はスタッカークレーン3を搭載していて、スタッカークレーン通路17に対応した位置で停止するようになっている。スタッカークレーン3は、トラバーサ4の停止位置で、トラバーサ4からガイドレールに沿ってスタッカークレーン通路17に進入することができるようになっている。スタッカークレーン3は支柱に沿って上下動することができ、かつ、上記コンテナ格納区画に対するコンテナ2の移載装置を備えていて、指令に応じて特定の格納区画に格納されているコンテナ2を取り出し、また、特定の格納区画にコンテナ2を格納することができる。各移動ラックの移動、トラバーサ4の移動およびスタッカークレーン3の動作は後述の制御装置からの指令によって制御されるようになっている。
【0018】
書庫部1の側方には、トラバーサ4の移動範囲の一端に受け渡しステーション6が設けられている。受け渡しステーション6はトラバーサ4上のスタッカークレーン3との間でコンテナ2を受け渡すために設けられていて、上側の入庫用ステーション61と下側の出庫用ステーション62の2段構成になっている。入庫用ステーション61は入庫コンベア71に、出庫用ステーション62は出庫コンベア72につながっている。入庫コンベア71と出庫コンベア72はともに出納ステーション5につながっている。後で詳細に説明するが、出納ステーション5の上側において図書の貸し出し、返却が行われるようになっている。
【0019】
上記入庫コンベア71と受け渡しステーション6は、出納ステーション5からスタッカークレーン3に向かってコンテナ2を搬送する搬送装置を構成し、受け渡しステーション6と出庫コンベア72はスタッカークレーン3から出納ステーション5に向かってコンテナ2を搬送する搬送装置を構成している。
【0020】
書庫部1、スタッカークレーン3、上記搬送装置などからなる構成部分は、自動書庫が設置される建物の複数階にわたって設置することができる。これに対し出納ステーション5は上記書庫部1などが設置されているすべての階に設置されるとは限らず、一つの階にのみ出納ステーション5が設置される場合もある。そこで、コンテナ2を入出庫する階と出納ステーション5の設置階が異なる場合に、コンテナ2を出納ステーション5の位置まで搬送するために、入庫側垂直搬送機51と出庫側垂直搬送機52が、それぞれ入庫コンベア71の始端と出庫コンベア72の終端に設けられている。また、出納ステーション5の設置階においても、図1に示す例のように、入庫コンベア71と出庫コンベア72を上下に重ねて配置した例では、入庫コンベア71の始端と出庫コンベア72の終端との間に段差が生じる。そこで、出庫コンベア72の終端に、上記段差分のストロークを持った垂直搬送機を配置し、出納ステーション5においては、コンテナ2を水平面内で搬送するようになっている。
【0021】
出庫側の搬送装置によって出納ステーション5に搬送され、また、出納ステーション5が配置されていない階において搬送されかつ垂直搬送機52で垂直に搬送されて出納ステーション5に至ったコンテナ2は、出納ステーション5内の搬送装置により前方に搬送され、さらに横に搬送されて作業位置53に至るように構成されている。作業位置53には、コンテナ2を必要に応じて前後に反転させるためのターンテーブル54が組み込まれている。後で詳細に説明するが、各コンテナ2は図書収納スペースが前後に二分されていて、各スペースに図書の背表紙を外側に向けて収納するようになっている。したがって、目的の図書がコンテナ2の後ろ側の収納スペースに収納されている場合には、出納ステーション5においてその図書を取り出すことができない。そこで、ターンテーブル54でコンテナ2を水平面内で180度回転させ、コンテナ2を前後に反転させることができるようになっている。
【0022】
ここで、上記実施例に用いられるコンテナ2の構成について図2乃至図5を参照しながら説明する。図2乃至図5において、コンテナ2は上面が開放した長方形の箱形の収納体であって、収納空間が横方向の仕切り板21によって前後の収納空間22に区分されている。各収納空間22には複数の図書25を立てた姿勢で、また、背表紙を外側に向けて、したがって、二つの収納空間22における図書25が腹合わせされた状態で収納されるようになっている。コンテナ2に収納される図書のサイズに関しては、縦方向の寸法に一定の限界はあるものの、基本的には任意である。
【0023】
図6、図7は前記出納ステーション5に設けられているターンテーブル54の部分をより詳細に示している。図6、図7において、ターンテーブル54は出納ステーション5の作業位置53の下方に配置されている。ターンテーブル54は、支持台59に対し昇降可能に設けられた昇降台46に回転可能に支持された回転軸47を一体に有している。上記昇降台46からは垂直方向のラック57が下方に向かって伸びていて、上記支持台59に取り付けられた昇降用モータ55の出力軸に設けられたピニオン56とラック57が噛み合っている。したがって、昇降用モータ55によってピニオン56が回転駆動されることにより、ラック57とともに昇降台46が上下動し、これとともにターンテーブル54も上下動するようになっている。
【0024】
ターンテーブル54の回転軸47には大径のプーリ43が一体に設けられている。昇降台46には回転用モータ41が取り付けられていて、モータ41の出力軸には小径のプーリ42が一体に設けられている。上記プーリ42とプーリ43にはベルト44が掛け渡されて減速機構が構成されている。したがって、モータ41が駆動されると、プーリ42の回転力がベルト44とプーリ43を介することにより減速されて回転軸47に伝達され、ターンテーブル54が回転するようになっている。ターンテーブル54の回転角度は180度で、リミットスイッチなどで回転角度を検知することにより回転角度を規制するようになっている。一方向に180度ずつ回転するようにしてもよいし、180度ずつ正方向と逆方向に交互に回転するようにしてもよい。上記減速機構は、チェーンとスプロケットで構成してもよいし、歯車の組み合わせで構成してもよい。
【0025】
作業位置53に搬送されてきたコンテナ2を前後反転させる必要がある場合には、昇降用モータ55を起動し、前記ラック57とともに昇降台46を上昇させ、ターンテーブル54を上昇させる。ターンテーブル54は、図7に2点鎖線5Aで示すように、出納ステーション5における搬送装置の上面より上に進出し、ターンテーブル54上のコンテナ2を上記搬送装置から離間させる。この状態で回転用モータ41を起動し、前述のとおりターンテーブル54を180度回転させ、コンテナ2を前後反転させる。次に、昇降用モータ55を逆転させてターンテーブル54を降下させ、コンテナ2を出納ステーション5における搬送装置の上面に載せ、反転動作を終了する。この後出納ステーション5における搬送装置が起動され、コンテナ2は出納ステーション5の後方に向かって搬送され、入庫コンベア71の始端に至り、入庫コンベア71で書庫部1に向かって搬送される。図6に示すように、出納ステーション5における前後方向の搬送装置として、この実施例ではローラコンベア58が用いられている。横方向への移動には、押圧装置、ベルトなど、適宜の装置を用いることができる。ターンテーブル54の設置位置には、ターンテーブル54が昇降することができる開放空間が形成されている。
【0026】
図8に示すように、出納ステーション5の作業位置53からコンテナ2を入庫コンベア71の始端に向かって後方に搬送するローラコンベア58には重量検知装置10が組み込まれている。換言すれば、重量検知装置10は作業位置53の背後直近位置に配置されている。重量検知装置10は例えばロードセルからなり、ロードセル上に一つのローラコンベア58のユニットが組みつけられている。したがって、重量検知装置10には常時ローラコンベア58の荷重がかかり、コンテナ2が搬送されてきたときはコンテナ2の荷重が加わる。そこで、コンテナ2の荷重が加わったときの検知信号とローラコンベア58の荷重のみの場合の検知信号との差からコンテナ2の荷重を検知することができる。この検知信号に基づき、表示装置にコンテナ重量を表示するようにしてもよいし、コンテナ重量が一定の重量以下である場合には搬送装置によるそのコンテナ2の搬送を許可し、コンテナ重量が一定の重量以上である場合には表示装置にエラー表示するようにしてもよい。
【0027】
図9は、上記実施例における出納ステーション5の外観の例を示す。図9において、出納ステーション5は作業位置53の部分のみが開放したカバーで覆われていて、カバーの前面側には作業台64が設置されている。上記カバーの上面には上記検知信号に基づきコンテナ重量を表示する表示装置8が取り付けられ、上記カバーの前面には、前記ターンテーブル54を回転させるための指令を出す回転ボタン65、一連の出納作業が終了したときに操作する完了ボタン66が取り付けられている。また、例えば、検索中の図書データ、その図書が格納されているコンテナのID、そのコンテナが格納されている書庫部1のロケーションなど、適宜のデータを表示することができるディスプレイ67が取り付けられている。
【0028】
以上説明した各部の制御系統の例を図10に示す。図10において、「入出庫台車」とは、図1に示す受け渡しステーション6のことである。「搬送コンベア」とは、前記入庫コンベア71と出庫コンベア72のことである。この例は二つの階に分けて書庫部1があり、書庫部1が設置されている各階に出納ステーション5が設置されている例で、それぞれの階の出納ステーション5の搬送装置を、「1F出納ステーションコンベア」58、「2F出納ステーションコンベア」58として表している。スタッカークレーン3、トラバーサ4、入出庫台車6、移動ラック11〜14、搬送コンベア71,72、垂直搬送機51,52、1F出納ステーションコンベア58および2F出納ステーションコンベア58は、中央制御盤20によって個別に動作が制御されるようになっている。中央制御盤20は自動書庫全体を制御する制御装置を構成している。中央制御盤20は、システム管理機31、インターフェースPC(パーソナル・コンピュータのこと:以下同じ)32、1F作業PC33、2F作業PC34とともにハブを介して接続され、信号を授受するようになっている。
【0029】
上記システム管理機31は、自動書庫全体の制御に必要なあらゆるデータを保存している上位に位置する管理器である。上記インターフェースPC32は、システム管理機31と、スタッカークレーン3、トラバーサ4などの各機器を制御する中央制御盤20との間で信号を授受する接続装置として機能する。1F作業PC33、2F作業PC34は、1階と2階に設置された出納ステーションそれぞれにおいて、図書を貸し出すときの図書の指定、図書を返却するときのコンテナの呼び出しを行うときなどに使用するもので、これらの入力データは前記ディスプレイ67に表示される。
【0030】
出納ステーション5において図書の貸し出し作業または返却作業が完了すると前記完了ボタン66(図9参照)が押される。完了ボタン66が押された場合に出力される信号の伝達系統を図11に示す。図11を参照しながら、完了ボタン66が押された場合の動作とともに信号伝達系統について説明する。完了ボタン66が押されると、完了ボタン66からコンテナの入庫搬送開始の指示信号が出力され、中央制御盤20に入力される。中央制御盤20はコンピュータからなり、中央制御ユニット(CPU)、ROM、RAMを備えている。中央制御盤20は入庫搬送開始指示信号が入力されると重量検知装置10に重量検知指令信号を出力する。
【0031】
重量検知装置10は、重量検知素子として圧電素子101を備えている。圧電素子10は、一般的には歪みゲージと同じ原理で動作し、荷重がかかると荷重に応じた電圧を出力し、この出力信号は重量検知装置10内の制御部102に入力される。制御部102は、上記電圧信号の入力回路103、電圧信号を重量に変換する変換器104、重量信号を計測重量信号として出力する出力回路105を備えている。計測重量信号は中央制御盤20に入力され、中央制御盤20は上記計測重量データを前記各作業PC33,34に出力し、作業PC33,34からさらにそれぞれの作業PC33,34に対応したディスプレイ67に出力されて重量が表示される。また、表示装置8にも重量が表示される。
【0032】
図書館員あるいは図書館の利用者は、表示装置8などに表示されている重量を読み取ることにより、コンテナ2の重量が一定の重量以上であるかどうかを判断することができる。一定の重量以上である場合は、コンテナ2を作業位置53に戻して収納されている図書の一部を取り出し、コンテナ2の重量を一定の重量以下とする。取り出した図書は、空きスペースのある別のコンテナ2を呼び出してこれに収容する。
【0033】
コンテナ2の重量が一定の重量以上であるかどうかの判断は制御装置すなわち中央制御盤20で行い、一定以上である場合は、ディスプレイ67あるいは表示装置8にエラー表示をするように構成するとよい。また、コンテナ2の重量が一定の重量以上であると制御装置が判断した場合は、表示装置にエラー表示をするとともに搬送装置によるそのコンテナの搬送を拒否するように構成するとなおよい。さらに、重量検知装置10が作業位置53以外の位置にある場合、コンテナ2の重量が一定の重量以上であると判断されたときコンテナ2は作業位置53から離れているので、制御装置はコンテナ2を作業位置53まで戻すように構成するとなおよい。
【0034】
以下、上記実施例の一連の動作につき、コンテナ2の重量検知とこの検知信号に基づく動作を重点的に説明する。図12は図書を返却するときの動作を示す。動作ステップに順に符号S1,S2,・・・を付した。格納する図書を準備し(S1)、作業PCからコンテナを呼び出す(S2)。コンテナの呼び出は一種の検索に相当し、返却しようとする図書に必要な空きスペースの指定、空きコンテナ個数の指定、直接的なコンテナの指定のいずれかまたは任意の組み合わせのいずれかを選択することができる。制御装置は該当するコンテナを検索し、出庫すべきコンテナとして引き当てる(S3)。出庫すべきコンテナが決まると、前記システム管理機31のデータから該当するコンテナが存在するロケーションがわかるので、中央制御盤20は前記スタッカークレーン3、トラバーサ4、移動ラック11〜14、入出庫台車6、搬送コンベア71,72、垂直搬送機51,52を制御し、引き当てられたコンテナを書庫部1から出庫し、出納ステーション5に向かって搬送する(S4)。
【0035】
出納ステーション5に搬送されたコンテナ2は、出納ステーション5内で搬送され作業位置53に到着し停止する(S5)。コンテナ2が作業位置53に到着したことを示す表示灯などを設けると便利である。図書館員または利用者は図書のID例えばバーコードを読み込んで返却しようとしている図書を特定し、そのデータをシステム管理機31のデータベースに記録させ、その図書をコンテナ2に収納する(S6)。格納すべき図書がほかにあるかどうかを判断し(S7)、ほかにあればステップS6を繰り返し、ほかになければ完了ボタン66を押す。これによりコンテナ2を書庫部1に入庫する動作を開始する。すなわち、出納ステーション5のローラコンベア58からなる搬送装置を起動し、コンテナ2を入庫コンベア71に向かって搬送を開始する(S8)。
【0036】
コンテナ2が出納ステーション5のローラコンベア58で搬送される過程で、重量検知装置10の位置に至ることにより、前述のとおりコンテナ2の重量が検知される。この検知信号に基づき、制御装置は、コンテナ重量は規定値以内か否かを判断し(S9)、規定値以上であればコンテナを作業位置53まで戻すように上記ローラコンベア58を逆向きに回転制御する(S10)。コンテナが作業位置53まで戻ると、図書館員または利用者はコンテナから重量オーバー分の図書を取り出すとともに、図書を取り出すときそのIDをリーダーに読み込ませ、そのコンテナから特定の図書が取り出されたことを記録させる(S11)。再びステップS8,S9を繰り返し、コンテナ重量が規定値以内であればステップS12に進み、中央制御盤20はスタッカークレーン3、トラバーサ4、移動ラック11〜14、入出庫台車6、搬送コンベア71,72、垂直搬送機51,52を制御し、コンテナを適宜のラックの適宜の区画に格納し(S12)、一連の動作を終了する。
【0037】
次に、図13に示す図書貸し出し時の動作を説明する。図書貸し出し時は、利用者が希望する図書が特定されているので、その特定されている図書の取り出し指示を作業PCで行う(S21)。システム管理機31のデータベースから該当図書が格納されているコンテナを検索し、出庫すべきコンテナとして引き当てる(S22)。出庫すべきコンテナが決まると、前記入庫の場合と同様に、中央制御盤20は前記スタッカークレーン3、トラバーサ4、移動ラック11〜14、入出庫台車6、搬送コンベア71,72、垂直搬送機51,52を制御し、引き当てられたコンテナを書庫部1から出庫し、出納ステーション5に向かって搬送する(S23)。出納ステーション5に搬送されたコンテナ2は、出納ステーション5内で搬送され作業位置53に到着し停止する(S24)。
【0038】
図書館員または利用者は作業位置53にあるコンテナから目的の図書を取り出し、そのIDをリーダーに読み込ませる(S25)。取り出すべき図書がほかにあるかどうかを判断し(S26)、ほかに取り出す図書があればステップS25を繰り返し、取り出す図書がほかになければ、完了ボタン66を押し、コンテナ2を書庫部1に入庫する動作を開始する。すなわち、出納ステーション5のローラコンベア58からなる搬送装置を起動し、コンテナ2を入庫コンベア71に向かって搬送を開始する(S27)。
【0039】
コンテナ2が出納ステーション5のローラコンベア58で搬送される過程で、重量検知装置10の位置に至ることにより、前述のとおりコンテナ2の重量が検知される。この検知信号に基づき、制御装置は、コンテナ重量は規定値以内か否かを判断し(S28)、規定値以上であればコンテナを作業位置53まで戻すように上記ローラコンベア58を逆向きに回転制御する(S29)。コンテナが作業位置53まで戻ると、図書館員または利用者はコンテナから重量オーバー分の図書を取り出すとともに、図書を取り出すときそのIDをリーダーに読み込ませ、そのコンテナから特定の図書が取り出されたことを記録させる(S30)。再びステップS27,S28を繰り返し、コンテナ重量が規定値以内であればステップS31に進み、スタッカークレーン3、トラバーサ4、移動ラック11〜14、入出庫台車6、搬送コンベア71,72、垂直搬送機51,52を制御し、コンテナを適宜のラックの適宜の区画に格納し(S31)、一連の動作を終了する。
【0040】
図書貸し出し時の動作では、コンテナから目的の図書が取り出されるので、通常、そのコンテナの重量は規定値以上になることはないが、図書貸し出しのために作業位置53まで搬送されてきているコンテナに、返却のために図書が収納されることもあるので、図書貸し出し時においても、コンテナ重量を検知し、各コンテナが規定の重量以上にならないようにしている。
【0041】
以上説明した本発明の実施例によれば、コンテナ2の搬送経路において、搬送装置により搬送されるコンテナ2の重量を検知する重量検知装置10を設け、収容した図書を含めたコンテナ2の重量を検知し、表示装置8で各コンテナ2の重量を表示するようになっている。また、コンテナ2の重量が規定の重量以上の場合は、表示装置8にエラー表示をし、さらには作業位置53まで逆搬送するようになっている。そのため、スタッカークレーン3、トラバーサ4、移動ラック11〜14、入出庫台車6、搬送コンベア71,72、垂直搬送機51,52などに加わる最大負荷を抑制し、これらをいわゆる過剰仕様とする必要もないことから、コストの削減と消費電力の削減を図ることができる。
【0042】
出納ステーション5の設置階が複数階ある場合、それに応じてそれぞれの階の出納ステーション5に重量検知装置10を設ける必要があるのでコスト高になる。
そこで、出納ステーション5の設置階が複数階ある場合、入庫側垂直搬送機51に重量検知装置10を組み込んでおけば、重量検知装置10を1個にすることができるので、コスト低減に効果的である。
【0043】
個々の図書と個々のコンテナには識別のためのIDが付されている。このIDは、例えばバーコードであってもよいし、RF−IDなどの無接触ICタグなど、個体を識別できるものであれば任意のものを選択し採用して差し支えない。出納ステーション5には、このような識別子を読み取ってそのデータを制御装置に転送してメモリに記憶させることができるリーダーを設置しておく。個々の図書のIDと、その図書が収納されているコンテナのIDと、そのコンテナが格納されている書庫部1のロケーションとが常に紐付けされて記録され、どの図書がどのコンテナに収納されたどのロケーションに格納されているかがわかるようになっている。もっとも、本発明の技術思想に照らせば、個々の図書と個々のコンテナにIDが付されていることは必須ではなく、IDが付されている図書や物品とは別に、IDが付されていない図書や物品を書庫部1に格納して管理することもありえる。
【0044】
図書を返却するために作業位置53に搬送されてきたコンテナ2の前側の収納スペースに、図書を収容する空きスペースがない場合、また、図書を貸し出すために作業位置53に搬送されてきたコンテナ2の前側の収納スペースに目的の図書がない場合、図書館員または利用者は回転ボタン65を押す。この操作によって前記ターンテーブル54の上昇動作、これに続く回転動作、さらに下降動作が行われ、コンテナ2が180度回転させられて、空きスペースへの図書の収納または目的の図書の取出しが可能になる。
【0045】
コンテナ2に収納する図書のサイズ、あるいは収納姿勢によっては、搬送装置による搬送、書庫部1への収納などに適さないことがありえる。そこで、コンテナの搬送経路に荷姿検知装置を設け、不適切な図書のサイズや姿勢を検知した場合はエラー表示してその図書を除去しあるいは正しい姿勢に修正するなどの処置をとることを促すようにするとよい。荷姿検知装置を設けるか否かは任意である。
【0046】
重量検知装置10は、入庫コンベア71や出庫コンベア72などの搬送装置、さらには出納ステーション5内の搬送装置など、出納ステーション5とスタッカークレーン3との間におけるコンテナ2の搬送経路内であれば、任意の位置に設けることができる。しかしながら、収納図書を含むコンテナ2の重量が一定以上である場合、コンテナ2を作業位置53まで戻して図書を取り出す作業をする必要があるので、重量検知装置10は、図示の実施例のように、出納ステーション5内またはその近傍に設けるのが望ましい。
【0047】
また、重量検知装置10は作業位置53に設けるのが最も望ましい。作業位置53においてコンテナ2の重量を検知し、規定の重量をオーバーしている場合はその場で図書を取り出し、かつ、図書を取り出した後の重量をその場で検知することができるからである。図示の実施例では作業位置53にターンテーブル54が配置されているので、ターンテーブル54を昇降用モータ55の起動によって上昇させ、ターンテーブル54でコンテナ2を持ち上げてその重量を検知するようにしてもよい。すなわちターンテーブル54に重量検知装置を設けてもよい。
【0048】
図示の実施例における重量検知装置10は、機械的な検知装置であるロードセルを想定しているが、コンテナ2を駆動するモータの電流値からコンテナ2の重量を検知するようにしてもよい。例えば、上記ターンテーブル54の昇降用モータ55を起動してターンテーブル54によりコンテナ2を持ち上げ、そのときモータ55に流れる電流を測定してコンテナ2の重量に換算するようにしてもよい。あるいは、出納ステーション5内のローラコンベア58でコンテナ2を搬送するときローラコンベア58を駆動するモータに流れる電流、入庫コンベア71でコンテナ2を搬送するとき入庫コンベア71を駆動するモータに流れる電流を測定してコンテナ2の重量に換算するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る自動書庫の実施例を示す斜視図である。
【図2】上記実施例に用いられるコンテナを示す斜視図である。
【図3】上記コンテナの平面図である。
【図4】上記コンテナに図書が収容されている例を示す斜視図である。
【図5】上記コンテナに図書が収容されている例を示す平面図である。
【図6】上記実施例における出納ステーションの内部を示す平面図である。
【図7】上記出納ステーションの内部を示す正面図である。
【図8】上記出納ステーションの内部を示す図であって重量検知装置が組み込まれている様子を示す側面図である。
【図9】上記出納ステーションの外観の例を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る自動書庫の実施例における制御系統の例を示すブロック図である。
【図11】上記制御系統のうち重量検知装置とその検知信号の処理系等の例を示すブロック図である。
【図12】上記実施例の図書返却動作を示すフローチャートである。
【図13】上記実施例の図書貸し出し動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1 書庫部
2 コンテナ
3 スタッカークレーン
4 トラバーサ
5 出納ステーション
6 受け渡しステーション
8 表示装置
10 重量検知装置
20 制御装置
71 搬送装置としての入庫コンベア
72 搬送装置としての出庫コンベア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図書類を収納することができる複数のコンテナと、
複数のコンテナを格納する書庫部と、
書庫部に格納されているコンテナを取り出しまた格納することができるスタッカークレーンと、
コンテナから図書類の取り出しおよびコンテナへの図書類の返却を行う出納ステーションと、
出納ステーションとスタッカークレーンとの間でコンテナを搬送する搬送装置と、
上記搬送装置により搬送されるコンテナの重量を検知する重量検知装置と、
重量検知装置による検知信号に基づきコンテナ重量を表示する表示装置と、
図書類の出納指令に基づき上記スタッカークレーン、搬送装置および表示装置の動作を制御する制御装置と、を備えている自動書庫。
【請求項2】
制御装置は、重量検知装置により検知されたコンテナ重量が一定の重量以下である場合には搬送装置によるそのコンテナの搬送を許可し、コンテナ重量が一定の重量以上である場合には表示装置にエラー表示する請求項1記載の自動書庫。
【請求項3】
重量検知装置は出納ステーションに配置されている請求項1または2記載の自動書庫。
【請求項4】
制御装置は、コンテナ重量が一定の重量以上である場合には表示装置にエラー表示するとともに搬送装置によるそのコンテナの搬送を拒否する請求項3記載の自動書庫。
【請求項5】
重量検知装置は、出納ステーション近傍の搬送装置による搬送経路に配置されている請求項1または2記載の自動書庫。
【請求項6】
制御装置は、コンテナ重量が一定の重量以上である場合には表示装置にエラー表示するとともに搬送装置によるそのコンテナを出納ステーションに向かって逆搬送する請求項6記載の自動書庫。
【請求項7】
重量検知装置は、ロードセルからなる請求項1記載の自動書庫。
【請求項8】
重量検知装置は、搬送装置の駆動モータの電流値を測定する電流計からなる請求項1記載の自動書庫。
【請求項1】
複数の図書類を収納することができる複数のコンテナと、
複数のコンテナを格納する書庫部と、
書庫部に格納されているコンテナを取り出しまた格納することができるスタッカークレーンと、
コンテナから図書類の取り出しおよびコンテナへの図書類の返却を行う出納ステーションと、
出納ステーションとスタッカークレーンとの間でコンテナを搬送する搬送装置と、
上記搬送装置により搬送されるコンテナの重量を検知する重量検知装置と、
重量検知装置による検知信号に基づきコンテナ重量を表示する表示装置と、
図書類の出納指令に基づき上記スタッカークレーン、搬送装置および表示装置の動作を制御する制御装置と、を備えている自動書庫。
【請求項2】
制御装置は、重量検知装置により検知されたコンテナ重量が一定の重量以下である場合には搬送装置によるそのコンテナの搬送を許可し、コンテナ重量が一定の重量以上である場合には表示装置にエラー表示する請求項1記載の自動書庫。
【請求項3】
重量検知装置は出納ステーションに配置されている請求項1または2記載の自動書庫。
【請求項4】
制御装置は、コンテナ重量が一定の重量以上である場合には表示装置にエラー表示するとともに搬送装置によるそのコンテナの搬送を拒否する請求項3記載の自動書庫。
【請求項5】
重量検知装置は、出納ステーション近傍の搬送装置による搬送経路に配置されている請求項1または2記載の自動書庫。
【請求項6】
制御装置は、コンテナ重量が一定の重量以上である場合には表示装置にエラー表示するとともに搬送装置によるそのコンテナを出納ステーションに向かって逆搬送する請求項6記載の自動書庫。
【請求項7】
重量検知装置は、ロードセルからなる請求項1記載の自動書庫。
【請求項8】
重量検知装置は、搬送装置の駆動モータの電流値を測定する電流計からなる請求項1記載の自動書庫。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−292596(P2009−292596A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−147903(P2008−147903)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(000163833)金剛株式会社 (31)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(000163833)金剛株式会社 (31)
【Fターム(参考)】
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