自動販売機とそのプログラム
【課題】多くの小銭を持ち歩かずとも、気軽に商品を購入できるようにする。
【解決手段】指紋データと金額情報とを含む利用者情報を複数記憶したデータベースを備えたサーバ装置とネットワークを介して接続されて、商品販売を行なう自動販売機1で、商品を購入しようとする利用者の指紋を検出する指紋センサ22と、現金を入力する金銭管理部24と、入金され、商品の購入に際して発生した残金の金額情報を指紋センサ22より入力した指紋データと共に上記データベースに転送して記憶させる一方、指紋センサ22で検出された利用者の認証情報に基づいて上記データベースより指紋データに対応して記憶されている金額情報を読出し、現金入力と併せて利用者の商品購入に供する制御部21を備える。
【解決手段】指紋データと金額情報とを含む利用者情報を複数記憶したデータベースを備えたサーバ装置とネットワークを介して接続されて、商品販売を行なう自動販売機1で、商品を購入しようとする利用者の指紋を検出する指紋センサ22と、現金を入力する金銭管理部24と、入金され、商品の購入に際して発生した残金の金額情報を指紋センサ22より入力した指紋データと共に上記データベースに転送して記憶させる一方、指紋センサ22で検出された利用者の認証情報に基づいて上記データベースより指紋データに対応して記憶されている金額情報を読出し、現金入力と併せて利用者の商品購入に供する制御部21を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種商品を販売する自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、清涼飲料水をはじめとしてタバコや各種の商品を無人販売する自動販売機が広く一般に普及している。この種の自動販売機は、一部の構内システムに対応した機種を除いて、基本的に現金、特にコインを使用して商品を購入することが前提になったものが主であり、現金、例えば100円玉2枚の計200円を投入して110円のジュースを購入した場合には、90円の釣り銭が得られることとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかるに、自動販売機を多用するにあたっては、常に適切な数及び種類のコインを持ち歩く必要があるもので、そのために小銭入れやポケットは時に小銭で溢れてしまうことにもなる。
【0004】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、無駄に多くの小銭を持ち歩くことなく、気軽に各種商品を購入することが可能な自動販売機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に関わる請求項1記載の発明は、個人の特定を行うことにより該個人と対応付けられた金額情報を取得して商品を販売可能であると共に、第1の商品群と第2の商品群を備えて年齢制限を行い商品を販売可能な自動販売機であって、所定の情報を入力する第1の入力手段と、前記入力手段により入力された前記情報より、成年か未成年かを判別する成年判別手段と、前記成年判別手段により成年であると判別された場合、第1の商品群の商品を販売可能に、前記成年判別手段により未成年であると判別された場合、第1の商品群の商品を販売不可能に制御する販売制御手段と、を備え、前記販売制御手段は、前記第2の商品群の全商品を、前記成年判別手段により未成年であると判断されても成年であると判断されても販売可能に制御することを特徴とする自動販売機である。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記情報は、誕生時期の情報であることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機である。
【0007】
請求項3記載の発明は、個人の特定を行うことにより該個人と対応付けられた金額情報を取得して商品を販売可能であると共に、第1の商品群と第2の商品群を備えて年齢制限を行い商品を販売可能であって、所定の情報を入力する第1の入力手段を備えた自動販売機であって、前記入力手段により入力された前記情報より、成年か未成年かを判別する成年判別手段と、前記成年判別手段により成年であると判別された場合、第1の商品群の商品を販売可能に、前記成年判別手段により未成年であると判別された場合、第1の商品群の商品を販売不可能に制御する販売制御手段と、を実現させ、前記販売制御手段は、前記第2の商品群の全商品を、前記成年判別手段により未成年であると判断されても成年であると判断されても販売可能に制御することを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザー側が無駄に多くの小銭を持ち歩くことなく、商品を販売することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
以下本発明を無線ネットワークを利用した広域対応可能な自動販売システムに適用した場合の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、端末となる自動販売機1を除くシステム全体の構成を示すものである。同図で、2は上記自動販売機1の最寄りに設置された無線基地局であり、他の多数の図示しない無線基地局と同様に無線回線網3に接続されている。
【0011】
そして、この無線回線網3に対して、この自動販売システムのサービス事業者が運営管理するセンタ装置4が接続される。このセンタ装置4には、自動販売機1の利用に際して利用者情報の送受を司るサーバ機4aと、多数の利用者情報を記憶保持するデータベース(DB)4bとが備えられる。
【0012】
図2は、上記データベース4bに記憶保持される利用者情報の内容を例示するものである。ここでは、シリアル番号に続けて、指紋の紋様画像データと貯金額、及び利用履歴の各情報を1組の利用者情報として、多数の利用者情報を一括管理することで、複数の自動販売機1において同一の利用者がどこでも自己の貯金額に応じた商品購入を行なうことができるようになるものである。
【0013】
次に、図3により上記無線回線網3と無線接続される自動販売機1の外観構成を例示する。自動販売機1は、外観上は通常のスタンドアロン型の自動販売機と同様に、その前面に商品見本11a〜11h、商品選択ボタン12a〜12h、金額表示部13、コイン投入口14、紙幣投入口15、返金ボタン16、及び商品取出し口17を配設すると共に、指紋認証/貯金ボタン18を設ける。商品取出し口17内には、ここでは図示しないが返金トレイ部も有するものとする。
【0014】
上記指紋認証/貯金ボタン18は、後述する指紋センサと操作ボタンとを一体に構成したものとなっており、操作信号を得ると共に、当接された手指の指紋の紋様画像を読取る構成となっている。
【0015】
加えて、自動販売機1の側面上部には、上記無線基地局2と無線接続するための送受信アンテナ19が取付けられる。
【0016】
続いて図4により、この自動販売機1内に設けられる電子回路の構成について説明する。
【0017】
図中、21がこの自動販売機1全体の制御動作を実行する制御部であり、この制御部21に対して指紋センサ22、ボタン入力部23、金銭管理部24、通信部25、表示部26、記憶部27、及び商品管理部28が接続される。
【0018】
指紋センサ22は、上記指紋認証/貯金ボタン18の一部を構成するものであり、検出した指紋の紋様画像データを2値化して制御部21へ送出する。
【0019】
ボタン入力部23は、上記商品選択ボタン12a〜12h、返金ボタン16、指紋認証/貯金ボタン18よりなり、利用者による操作に応じた操作信号を制御部21へ出力する。
【0020】
金銭管理部24は、利用者により上記コイン投入口14及び紙幣投入口15から入金された金額と、後述する貯金額とを併せて管理する一方、その時点で累積保持している現金の総額も管理する。
【0021】
通信部25は、上記送受信アンテナ19と制御部21との間に接続され、上記無線基地局2との間でのデータの送受信を行なう。
【0022】
表示部26は、上記金額表示部13で表示すべき金額に対応した表示駆動を行なう一方、必要により上記商品見本11a〜11h、商品選択ボタン12a〜12hを個別に点灯表示し、その時点で購入可能となっている商品のみを利用者に認知させる。
【0023】
記憶部27は、通信部25が上記無線基地局2とデータの送受信を行なうに際しての各種プロトコルなどを記憶する一方、制御部21のワークエリアとしても機能する。
【0024】
商品管理部28は、自動販売機1内に格納している商品の残量や購入に際しての排出動作を管理する。
次に上記実施の形態の動作について説明する。
図5及び図6は、主として自動販売機1の制御部21から見た、商品の購入に関する一連の処理内容を例示するものである。
【0025】
その当初には、指紋認証/貯金ボタン18が操作されたか否かを判断し(ステップA01)、操作されないと次にコイン投入口14または紙幣投入口15より現金が投入されたか否かを判断して(ステップA06)、商品の購入が可能となったか否かを判断する(ステップA08)、という処理を繰返し実行する。
【0026】
はじめに指紋認証/貯金ボタン18が操作された場合、制御部21では、指紋センサ22より指紋の紋様画像データを検出して(ステップA02)、これを通信部25、送受信アンテナ19により、無線基地局2、無線回線網3を介してセンタ装置4へ送信し、データベース4bに記憶されている利用者情報に同様のデータが登録されているか否かをサーバ機4aに照合してもらい、その照合結果の通知をサーバ機4aから受けることで、上記指紋認証/貯金ボタン18を操作した利用者がデータベース4bに登録されているか否かを判断する(ステップA03)。
【0027】
ここで、サーバ機4aから、対応する指紋のデータは登録されていないとの通知を受けた場合には、制御部21は上記指紋認証/貯金ボタン18の操作は無効であるものとしてそのまま上記ステップA06に進む。
【0028】
また、サーバ機4aから対応する指紋のデータが登録されているものとして、上記図2でも示した貯金額の情報も合わせて通知を受けた場合には、制御部21はその貯金額の情報に基づいて表示部26により金額表示部13でその利用者が貯金している金額を表示させる(ステップA04)。
【0029】
このとき同時に制御部21は、サーバ機4aに対して貯金額の情報を受信したことを応答することで、データベース4bに登録されている当該利用者情報中の貯金額の情報を一時的にクリアして「0(ゼロ)」に更新設定させ(ステップA05)、それから上記ステップA06に進んで、さらなる現金の投入を受付ける。
【0030】
しかるに、ステップA06で現金の投入の有無を判断し、あればその投入された金額に応じて金額表示部13で表示している金額を更新設定させながら(ステップA07)、その時点で金額表示部13に表示されている金額により商品を購入することができるか否かを判断する(ステップA08)、という処理を繰返し実行することで、商品の購入が可能な金額となるのを待機する。
【0031】
そして、購入が可能となった時点でステップA08においてこれを判断し、商品選択ボタン12a〜12hを表示部26により点灯駆動させると共にその操作を有効化する(ステップA09)。
【0032】
その後、その有効化された商品選択ボタン12a〜12hのうちのいずれかの操作により商品が選択されたか否か(ステップA10)、商品の購入に伴なって金額表示部13で表示している残金が「0(ゼロ)」となったか否か(ステップA13)、返金ボタン16が操作されたか否か(ステップA14)、あるいは指紋認証/貯金ボタン18が操作されたか否か(ステップA15)、を順次判断して、いずれも該当しない場合には再び上記ステップA06からの処理に戻る、という処理を繰返すことにより、これらのいずれかが該当するのを待機する。
【0033】
ステップA10で商品選択ボタン12a〜12hのうちのいずれかの操作により商品が選択されたと判断した場合、制御部21は商品管理部28によりその選択された商品を排出して商品取出し口17へ出力させる(ステップA11)。
【0034】
これと共に制御部21は、その選択された商品の金額分だけそれまで金額表示部13で表示していた金額から減算した額をあらたな金額として更新設定してあらためて金額表示部13で表示させ(ステップA12)、それから上記ステップA13に進む。
【0035】
ステップA13で、商品の購入に伴なって金額表示部13で表示している残金がちょうど「0(ゼロ)」となったと判断した場合には、その時点で以上の一連の処理を終了して、この図5及び図6の処理を終了する。
【0036】
また、上記ステップA14で返金ボタン16が操作されたと判断した場合には、その時点で金額表示部13に表示されている金額分だけを残金として金銭管理部24により商品取出し口17内の返金トレイ部より返金出力させ(ステップA20)、以上で一連の処理を終了して、この図5及び図6の処理を終了する。
【0037】
さらに、ステップA15で指紋認証/貯金ボタン18が操作されたと判断した場合、制御部21では、指紋センサ22より指紋の紋様画像データを検出して(ステップA16)、これを通信部25、送受信アンテナ19により、無線基地局2、無線回線網3を介してセンタ装置4へ送信し、データベース4bに記憶されている利用者情報に同様のデータが登録されているか否かをサーバ機4aに照合してもらい、その照合結果の通知をサーバ機4aから受けることで、上記指紋認証/貯金ボタン18を操作した利用者がデータベース4bにすでに登録されているか否かを判断する(ステップA17)。
【0038】
ここで、サーバ機4aから、対応する指紋のデータは登録されていないとの通知を受けた場合には、制御部21はあらためてその指紋のデータを、その時点で金額表示部13に表示している金額を貯金額情報として組合わせてデータベース4bに新規に利用者情報を登録すべく依頼し(ステップA19)、以上で一連の処理を終了して、この図5及び図6の処理を終了する。
【0039】
また、ステップA17で、サーバ機4aから対応する指紋のデータが登録されているものとして通知を受けた場合には、制御部21はその時点で金額表示部13に表示している金額とその時点で上記利用者情報中に貯金額情報として記憶されている金額とを加算し、その和をあらためて貯金額情報としてデータベース4bに更新設定すべく依頼し(ステップA18)、以上で一連の処理を終了して、この図5及び図6の処理を終了する。
【0040】
このように、1度目の利用時に指紋認証/貯金ボタン18を操作することで、ある程度の釣り銭をセンタ装置4側のデータベース4bに記憶させておく。
【0041】
したがって、2度目以降の利用に際して利用者は、その都度多くの小銭を用意する必要はなく、データベース4bの記憶内容を共用する自動販売機1を数多く設置することにより、そのいずれを利用する際でも気軽に希望する商品を購入することが可能となる。
【0042】
また、特に自動販売機1の利用者の認証に際しては、指紋認証/貯金ボタン18を操作することで利用者の手指の指紋の紋様画像を用いることとし、これに対応して貯金額の情報をデータベース4bに登録するものとした。
【0043】
これにより、指紋は「終生不変」で「万人不同」な認証情報であり、利用者は手指をシステムの端末機となる自動販売機1の指紋認証/貯金ボタン18へ当接操作するだけの動作により利用者としての認証を得ることができるので、他に自己の認証を得るための証明書等を持ち歩く必要がなく、したがって盗難や他人の「なりすまし」等の心配もなしに、確実且つ速やかに利用者の認証を実行して、希望する商品を購入することができる。
【0044】
(第2の実施の形態)
以下本発明を無線ネットワークを利用した広域対応可能な自動販売システムに適用した場合の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0045】
なお、端末となる自動販売機を除くシステム全体の構成は上記図1と、自動販売機の外観構成は上記図3と、そして自動販売機内の電子回路の構成は上記図4と、それぞれ基本的に同様であるので、同一部分には同一符号を付してその図示及び説明は省略する。
【0046】
なお、この実施の形態では、センタ装置4のデータベース4bに記憶される利用者情報に関しては、上記図2で示した内容中の指紋データに代えて、自動販売機1が発行するカードに記載されている認証番号の情報を記憶するものとする。
【0047】
すなわち、データベース4bに記憶される利用者情報は、シリアル番号に続けて、認証番号と貯金額、及び利用履歴の各情報を1組の利用者情報として、多数の利用者情報を一括管理するものとする。
【0048】
また、自動販売機1の外観構成において、指紋認証/貯金ボタン18に代えて、カード投入口と「貯金」ボタンとを個別に設けるものとする。
【0049】
これに対応して、上記図4に示した自動販売機1の回路構成では、指紋センサ22に代えて上記カード投入口より投入されたカードに光学的あるいは磁気的に記載された認証番号を読取るカードリーダを設け、さらにこのカードリーダと一体的にして、新規のカードを発行するカード発行部を設けるものとする。
【0050】
次に上記実施の形態の動作について説明する。
図7及び図8は、主として自動販売機1の制御部21から見た、商品の購入に関する一連の処理内容を例示するもので、その当初には、カード投入口よりカードが投入されたか否かを判断し(ステップB01)、投入されていないと判断すると、次にコイン投入口14または紙幣投入口15より現金が投入されたか否かを判断して(ステップB06)、商品の購入が可能となったか否かを判断する(ステップB08)、という処理を繰返し実行する。
【0051】
始めにカード投入口よりカードが投入された場合、制御部21では、上述したカードリーダによりカードに記載されている認証番号を光学的あるいは磁気的に読出して(ステップB02)、これを通信部25、送受信アンテナ19により、無線基地局2、無線回線網3を介してセンタ装置4へ送信し、データベース4bに記憶されている利用者情報に同様の入出力番号の利用者情報が登録されているか否かをサーバ機4aに照合してもらい、その照合結果の通知をサーバ機4aから受けることで、上記カード投入口よりカードを投入した利用者がデータベース4bに登録されているか否かを判断する(ステップB03)。
【0052】
ここで、サーバ機4aから、対応する入出力番号の利用者情報は登録されていないとの通知を受けた場合には、制御部21はカードの投入は無効であるものとしてそのまま上記ステップB06に進む。
【0053】
また、サーバ機4aから対応する入出力番号の利用者情報が登録されているものとして、上記図2でも示した貯金額の情報も合わせて通知を受けた場合には、制御部21はその貯金額の情報に基づいて表示部26により金額表示部13でその利用者が貯金している金額を表示させる(ステップB04)。
【0054】
このとき同時に制御部21は、サーバ機4aに対して貯金額の情報を受信したことを応答することで、データベース4bに登録されている当該利用者情報中の貯金額の情報を一時的にクリアして「0(ゼロ)」に更新設定させ(ステップB05)、それから上記ステップB06に進んで、さらなる現金の投入を受付ける。
【0055】
しかるに、ステップB06で現金の投入の有無を判断し、あればその投入された金額に応じて金額表示部13で表示している金額を更新設定させながら(ステップB07)、その時点で金額表示部13に表示されている金額により商品を購入することができるか否かを判断する(ステップB08)、という処理を繰返し実行することで、商品の購入が可能な金額となるのを待機する。
【0056】
そして、購入が可能となった時点でステップB08においてこれを判断し、商品選択ボタン12a〜12hを表示部26により点灯駆動させると共にその操作を有効化する(ステップB09)。
【0057】
その後、その有効化された商品選択ボタン12a〜12hのうちのいずれかの操作により商品が選択されたか否か(ステップB10)、商品の購入に伴なって金額表示部13で表示している残金が「0(ゼロ)」となったか否か(ステップB13)、返金ボタン16が操作されたか否か(ステップB14)、あるいは上述した貯金ボタンが操作されたか否か(ステップB15)、を順次判断して、いずれも該当しない場合には再び上記ステップB06からの処理に戻る、という処理を繰返すことにより、これらのいずれかが該当するのを待機する。
【0058】
ステップB10で商品選択ボタン12a〜12hのうちのいずれかの操作により商品が選択されたと判断した場合、制御部21は商品管理部28によりその選択された商品を排出して商品取出し口17へ出力させる(ステップB11)。
【0059】
これと共に制御部21は、その選択された商品の金額分だけそれまで金額表示部13で表示していた金額から減算した額をあらたな金額として更新設定してあらためて金額表示部13で表示させ(ステップB12)、それから上記ステップB13に進む。
【0060】
ステップB13で、商品の購入に伴なって金額表示部13で表示している残金がちょうど「0(ゼロ)」となったと判断した場合には、その時点で以上の一連の処理を終了して、この図7及び図8の処理を終了する。
【0061】
また、上記ステップB14で返金ボタン16が操作されたと判断した場合には、その時点で金額表示部13に表示されている金額分だけを残金として金銭管理部24により商品取出し口17内の返金トレイ部より返金出力させ(ステップB22)、以上で一連の処理を終了して、この図7及び図8の処理を終了する。
【0062】
さらに、ステップB15で上述した貯金ボタンが操作されたと判断した場合、制御部21では、次に上記カード投入口よりすでに投入されているカードがあるか否かを判断する(ステップB16)。
【0063】
ここで、すでにカードが投入されていると判断すると、その投入されているカードから再度認証番号を光学的または磁気的に読出し(ステップB17)、これを通信部25、送受信アンテナ19により、無線基地局2、無線回線網3を介してセンタ装置4へ送信し、データベース4bに記憶されている利用者情報に同様のデータが登録されているか否かをサーバ機4aに照合してもらい、その照合結果の通知をサーバ機4aから受けることで、上記指紋認証/貯金ボタン18を操作した利用者がデータベース4bにすでに登録されているか否かを判断する(ステップB18)。
【0064】
ここで、サーバ機4aから、対応する認証番号の利用者情報は登録されていないとの通知を受けた場合には、制御部21はあらためてその登録されていない認証番号を使用し、その時点で金額表示部13に表示している金額を貯金額情報として組合わせてデータベース4bに新規に利用者情報を登録すべく依頼し、併せて投入されていたカードを返却して(ステップB21)、以上で一連の処理を終了して、この図7及び図8の処理を終了する。
【0065】
また、ステップB18で、サーバ機4aから対応する認証番号の利用者情報が登録されているものとして通知を受けた場合には、制御部21はその時点で金額表示部13に表示している金額とその時点で上記利用者情報中に貯金額情報として記憶されている金額とを加算し、その和をあらためて貯金額情報としてデータベース4bに更新設定すべく依頼し(ステップB19)、以上で一連の処理を終了して、この図7及び図8の処理を終了する。
【0066】
さらに、上記ステップB16で貯金ボタンが操作された際に投入されているカードはないものと判断した場合には、カード発行部によりあらたな認証番号が記載されたカードを新規に発行すると共に、そのあらたな認証番号に、その時点で上記金額表示部13に表示されている金額を貯金額情報として組合わせてデータベース4bに新規の利用者情報を登録設定すべくサーバ機4aに依頼し(ステップB20)、以上で一連の処理を終了して、この図7及び図8の処理を終了する。
【0067】
このように、1度目の利用時に貯金ボタンを操作することで、ある程度の釣り銭をセンタ装置4側のデータベース4bに認証番号と共に記憶させておき、利用者には認証番号のみが記載されたカードを発行しておく。
【0068】
したがって、2度目以降の利用に際して利用者は、カードを所持していればその都度多くの小銭を用意する必要はなく、データベース4bの記憶内容を共用する自動販売機1を数多く設置することにより、そのいずれを利用する際でも気軽に希望する商品を購入することが可能となる。
【0069】
加えて、利用者の認証を行なうものとしてカードを発行し、且つ発行されるカードには認証番号の情報が記載されるだけで、金銭に関する具体的な内容はサーバ装置側でのみ管理されるため、カードから金銭に関する情報が偽造されるようなことがなく、発行が容易でセキュリティの面でも比較的安全に運用できる。
【0070】
(第3の実施の形態)
以下本発明を無線ネットワークを利用した広域対応可能な自動販売システムに適用した場合の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0071】
なお、端末となる自動販売機を除くシステム全体の構成は上記図1と、自動販売機の外観構成は上記図3と、そして自動販売機内の電子回路の構成は上記図4と、それぞれ基本的に同様であるので、同一部分には同一符号を付してその図示及び説明は省略する。
【0072】
なお、この実施の形態では、センタ装置4のデータベース4bに記憶される利用者情報に関しては、上記図2で示した内容中の指紋データに代えて、利用者の所持する運転免許証に記載されている免許証番号の情報を記憶するものとする。
【0073】
すなわち、データベース4bに記憶される利用者情報は、シリアル番号に続けて、免許証番号と貯金額、及び利用履歴の各情報を1組の利用者情報として、多数の利用者情報を一括管理するものとする。
【0074】
また、自動販売機1の外観構成において、指紋認証/貯金ボタン18に代えて、運転免許証を載置してその免許証番号を読取る免許証提示部と「貯金」ボタンとを個別に設けるものとする。
【0075】
これに対応して、上記図4に示した自動販売機1の回路構成では、指紋センサ22に代えて上記免許証提示部に載置された運転免許証から光学的に少なくとも免許証番号と生年月日とを読取るOCR(Optical Character Reader:光学式文字読取り装置)部を設けるものとする。
【0076】
さらに、自動販売機1においては、複数の販売商品中の一部に、例えばタバコやアルコール飲料など、未成年への販売を制限するような商品を混在しているものとする。
【0077】
次に上記実施の形態の動作について説明する。
図9及び図10は、主として自動販売機1の制御部21から見た、商品の購入に関する一連の処理内容を例示するものである。
【0078】
その当初には、免許証提示部に運転免許証が載置されたか否かを判断し(ステップC01)、載置されていないと判断すると、次にコイン投入口14または紙幣投入口15より現金が投入されたか否かを判断して(ステップC06)、商品の購入が可能となったか否かを判断する(ステップC08)、という処理を繰返し実行する。
【0079】
始めに免許証提示部に運転免許証が載置された場合、制御部21では、OCR部により運転免許証の免許証番号と生年月日とを読出して(ステップC02)、これを記憶部27に記憶保持させると共に、該免許証番号を通信部25、送受信アンテナ19により、無線基地局2、無線回線網3を介してセンタ装置4へ送信し、データベース4bに記憶されている利用者情報に同様の免許証番号が登録されているか否かをサーバ機4aに照合してもらい、その照合結果の通知をサーバ機4aから受けることで、上記免許証提示部に運転免許証を載置した利用者がデータベース4bに登録されているか否かを判断する(ステップC03)。
【0080】
ここで、サーバ機4aから、対応する免許証番号は登録されていないとの通知を受けた場合には、制御部21は少なくともこの時点での運転免許証の提示は無効であるものとして、読取った免許証番号を記憶部27に記憶保持させた後に、そのまま上記ステップC06に進む。
【0081】
また、サーバ機4aから対応する免許証番号が登録されているものとして、上記図2でも示した貯金額の情報も合わせて通知を受けた場合には、制御部21はその貯金額の情報に基づいて表示部26により金額表示部13でその利用者が貯金している金額を表示させる(ステップC04)。
【0082】
このとき同時に制御部21は、サーバ機4aに対して貯金額の情報を受信したことを応答することで、データベース4bに登録されている当該利用者情報中の貯金額の情報を一時的にクリアして「0(ゼロ)」に更新設定させ(ステップC05)、それから上記ステップC06に進んで、さらなる現金の投入を受付ける。
【0083】
なお、上記ステップC02で免許証提示部での運転免許証からの読取り動作が終了した後には、利用者が免許証提示部に運転免許証を載置したことを忘れてしまうことのないように、例えば
「運転免許証の読取りを終了しました
とり忘れのないように、必ず運転免許証をしまってください」
のような音声ガイドメッセージを出力するものとしてもよい。
【0084】
しかるに、ステップC06で現金の投入の有無を判断し、あればその投入された金額に応じて金額表示部13で表示している金額を更新設定させながら(ステップC07)、その時点で金額表示部13に表示されている金額により商品を購入することができるか否かを判断する(ステップC08)、という処理を繰返し実行することで、商品の購入が可能な金額となるのを待機する。
【0085】
そして、購入が可能となった時点で上記ステップC08においてこれを判断し、次に利用者が、販売商品を制限せざるを得ない未成年の可能性があるか否かを、上記ステップC01で運転免許証の提示があったと判断し、且つその生年月日の内容から利用者が成人であったかどうかにより判断する。
【0086】
ここで、上記ステップC01での運転免許証の提示がなく、現金のみで商品を購入する利用者の場合か、または上記ステップC01で運転免許証は提示したものの、生年月日の記載から未成年であると判断した利用者の場合には、販売する商品を制限せざるを得ないので、年齢制限のない商品の商品選択ボタンのみを表示部26により点灯駆動させると共にその操作を有効化する(ステップC10)。
【0087】
また、上記ステップC01で運転免許証を提示し、生年月日の記載から未成年ではないと判断した利用者の場合には、販売する商品を制限する必要はないので、すべての商品の商品選択ボタンを表示部26により点灯駆動させると共にその操作を有効化する(ステップC11)。
【0088】
その後、その有効化された商品選択ボタンのうちのいずれかの操作により商品が選択されたか否か(ステップC12)、商品の購入に伴なって金額表示部13で表示している残金が「0(ゼロ)」となったか否か(ステップC15)、返金ボタン16が操作されたか否か(ステップC16)、あるいは貯金ボタンが操作されたか否か(ステップC18)、を順次判断して、いずれも該当しない場合には再び上記ステップC06からの処理に戻る、という処理を繰返すことにより、これらのいずれかが該当するのを待機する。
【0089】
ステップC12で有効化されている商品選択ボタンのいずれかの操作により商品が選択されたと判断した場合、制御部21は商品管理部28によりその選択された商品を排出して商品取出し口17へ出力させる(ステップC13)。
【0090】
これと共に制御部21は、その選択された商品の金額分だけそれまで金額表示部13で表示していた金額から減算した額をあらたな金額として更新設定してあらためて金額表示部13で表示させ(ステップC14)、それから上記ステップC15に進む。
【0091】
ステップC15で、商品の購入に伴なって金額表示部13で表示している残金がちょうど「0(ゼロ)」となったと判断した場合には、その時点で以上の一連の処理を終了して、この図9及び図10の処理を終了する。
【0092】
また、上記ステップC16で返金ボタン16が操作されたと判断した場合には、その時点で金額表示部13に表示されている金額分だけを残金として金銭管理部24により商品取出し口17内の返金トレイ部より返金出力させ(ステップC18)、以上で一連の処理を終了して、この図9及び図10の処理を終了する。
【0093】
さらに、ステップC17で貯金ボタン18が操作されたと判断した場合、制御部21では、上記ステップC01での運転免許証の提示があったかどうかを判断する(ステップC19)。
【0094】
ここで、運転免許証の提示がなかったと判断した場合には、貯金ボタンの操作により該当する免許証番号と対応させて残金を貯金額として登録することはできないので、上記ステップC16で返金ボタン16が操作されたと判断した場合と同様に、その時点で金額表示部13に表示されている金額分だけを残金として金銭管理部24により商品取出し口17内の返金トレイ部より返金出力させ(ステップC18)、以上で一連の処理を終了して、この図9及び図10の処理を終了する。
【0095】
また、上記ステップC19で運転免許証の提示があったと判断した場合には、次いで上記ステップC02でその運転免許証から読取り、記憶部27に記憶保持させておいた免許証番号を通信部25、送受信アンテナ19により、無線基地局2、無線回線網3を介してセンタ装置4へ送信し、データベース4bに記憶されている利用者情報に同様の免許証番号が登録されているか否かをサーバ機4aに照合してもらい、その照合結果の通知をサーバ機4aから受けることで、上記貯金ボタンを操作した利用者がデータベース4bにすでに登録されているか否かを判断する(ステップC20)。
【0096】
ここで、サーバ機4aから、対応する免許証番号は登録されていないとの通知を受けた場合には、制御部21はあらためてその免許証番号を、その時点で金額表示部13に表示している金額を貯金額情報として組合わせてデータベース4bに新規に利用者情報を登録すべく依頼し(ステップC22)、以上で一連の処理を終了して、この図9及び図10の処理を終了する。
【0097】
また、ステップC20で、サーバ機4aから対応する免許証番号が登録されているものとして通知を受けた場合には、制御部21はその時点で金額表示部13に表示している金額とその時点で上記利用者情報中に貯金額情報として記憶されている金額とを加算し、その和をあらためて貯金額情報としてデータベース4bに更新設定すべく依頼し(ステップC21)、以上で一連の処理を終了して、この図9及び図10の処理を終了する。
【0098】
このように、運転免許証を提示した利用者が1度目の利用時に貯金ボタンを操作することで、ある程度の釣り銭をセンタ装置4側のデータベース4bに免許証番号と共に記憶させておくことができる。
【0099】
したがって、2度目以降の利用に際して利用者は、運転免許証を所持していればその都度多くの小銭を用意する必要はなく、データベース4bの記憶内容を共用する自動販売機1を数多く設置することにより、そのいずれを利用する際でも気軽に希望する商品を購入することが可能となる。
【0100】
加えて、上記第3の実施の形態では、利用者の認証を行なうものとして運転免許証を用いるものとして説明したが、このように運転免許証を含む身分証明書を利用者の認証に用いることとすれば、利用者の年齢等を勘案して商品を販売できるため、タバコやアルコール類など年齢制限のある商品でも確実に利用者を選択して時間帯に関係なく販売することができる。
【0101】
なお、第1乃至第3の実施の形態は、いずれも無線ネットワークを利用した広域に対応可能な自動販売システムに適用した場合について説明したものであるが、無線による高域対応可能なネットワークに限らず、有線により、ある程度範囲を限定した領域内でのネットワークにより、センタ装置4の構成を小規模化して実施することも可能であるし、あるいはセンタ装置4のサーバ機4aとデータベース4bの機能を複数の自動販売機1のうちの1つに集約して一体に構成するものとしてもよい。
【0102】
さらに、上記図2で示した如く、センタ装置4のデータベース4bでは、本システムの利用の履歴を利用者情報に付加して記憶更新設定するものとしているので、自動販売機の位置情報と併せて利用者の嗜好のリサーチや商品展開等に活用することも可能となる。
【0103】
その他、本発明は上記実施の形態に限らず、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能であるものとする。
【0104】
さらに、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【0105】
例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る自動販売システム全体の構成を示す図。
【図2】同実施の形態に係るセンタ装置側のデータベースに記憶される利用者情報の構成を例示する図。
【図3】同実施の形態に係る自動販売機(端末)の外観構成を示す図。
【図4】同実施の形態に係る自動販売機(端末)の内部回路構成を示すブロック図。
【図5】同実施の形態に係る自動販売機での商品販売にかかる一連の処理内容を示すフローチャート。
【図6】同実施の形態に係る自動販売機での商品販売にかかる一連の処理内容を示すフローチャート。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る自動販売機での商品販売にかかる一連の処理内容を示すフローチャート。
【図8】同実施の形態に係る自動販売機での商品販売にかかる一連の処理内容を示すフローチャート。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る自動販売機での商品販売にかかる一連の処理内容を示すフローチャート。
【図10】同実施の形態に係る自動販売機での商品販売にかかる一連の処理内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0107】
1…自動販売機
2…無線基地局
3…無線回線網
4…センタ装置
4a…サーバ機
4b…データベース(DB)
11a〜11h…商品見本
12a〜12h…商品選択ボタン
13…金額表示部
14…コイン投入口
15…紙幣投入口
16…返金ボタン
17…商品取出し口
18…指紋認証/貯金ボタン
19…送受信アンテナ
21…制御部
22…指紋センサ
23…ボタン入力部
24…金銭管理部
25…通信部
26…表示部
27…記憶部
28…商品管理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種商品を販売する自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、清涼飲料水をはじめとしてタバコや各種の商品を無人販売する自動販売機が広く一般に普及している。この種の自動販売機は、一部の構内システムに対応した機種を除いて、基本的に現金、特にコインを使用して商品を購入することが前提になったものが主であり、現金、例えば100円玉2枚の計200円を投入して110円のジュースを購入した場合には、90円の釣り銭が得られることとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかるに、自動販売機を多用するにあたっては、常に適切な数及び種類のコインを持ち歩く必要があるもので、そのために小銭入れやポケットは時に小銭で溢れてしまうことにもなる。
【0004】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、無駄に多くの小銭を持ち歩くことなく、気軽に各種商品を購入することが可能な自動販売機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に関わる請求項1記載の発明は、個人の特定を行うことにより該個人と対応付けられた金額情報を取得して商品を販売可能であると共に、第1の商品群と第2の商品群を備えて年齢制限を行い商品を販売可能な自動販売機であって、所定の情報を入力する第1の入力手段と、前記入力手段により入力された前記情報より、成年か未成年かを判別する成年判別手段と、前記成年判別手段により成年であると判別された場合、第1の商品群の商品を販売可能に、前記成年判別手段により未成年であると判別された場合、第1の商品群の商品を販売不可能に制御する販売制御手段と、を備え、前記販売制御手段は、前記第2の商品群の全商品を、前記成年判別手段により未成年であると判断されても成年であると判断されても販売可能に制御することを特徴とする自動販売機である。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記情報は、誕生時期の情報であることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機である。
【0007】
請求項3記載の発明は、個人の特定を行うことにより該個人と対応付けられた金額情報を取得して商品を販売可能であると共に、第1の商品群と第2の商品群を備えて年齢制限を行い商品を販売可能であって、所定の情報を入力する第1の入力手段を備えた自動販売機であって、前記入力手段により入力された前記情報より、成年か未成年かを判別する成年判別手段と、前記成年判別手段により成年であると判別された場合、第1の商品群の商品を販売可能に、前記成年判別手段により未成年であると判別された場合、第1の商品群の商品を販売不可能に制御する販売制御手段と、を実現させ、前記販売制御手段は、前記第2の商品群の全商品を、前記成年判別手段により未成年であると判断されても成年であると判断されても販売可能に制御することを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザー側が無駄に多くの小銭を持ち歩くことなく、商品を販売することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
以下本発明を無線ネットワークを利用した広域対応可能な自動販売システムに適用した場合の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、端末となる自動販売機1を除くシステム全体の構成を示すものである。同図で、2は上記自動販売機1の最寄りに設置された無線基地局であり、他の多数の図示しない無線基地局と同様に無線回線網3に接続されている。
【0011】
そして、この無線回線網3に対して、この自動販売システムのサービス事業者が運営管理するセンタ装置4が接続される。このセンタ装置4には、自動販売機1の利用に際して利用者情報の送受を司るサーバ機4aと、多数の利用者情報を記憶保持するデータベース(DB)4bとが備えられる。
【0012】
図2は、上記データベース4bに記憶保持される利用者情報の内容を例示するものである。ここでは、シリアル番号に続けて、指紋の紋様画像データと貯金額、及び利用履歴の各情報を1組の利用者情報として、多数の利用者情報を一括管理することで、複数の自動販売機1において同一の利用者がどこでも自己の貯金額に応じた商品購入を行なうことができるようになるものである。
【0013】
次に、図3により上記無線回線網3と無線接続される自動販売機1の外観構成を例示する。自動販売機1は、外観上は通常のスタンドアロン型の自動販売機と同様に、その前面に商品見本11a〜11h、商品選択ボタン12a〜12h、金額表示部13、コイン投入口14、紙幣投入口15、返金ボタン16、及び商品取出し口17を配設すると共に、指紋認証/貯金ボタン18を設ける。商品取出し口17内には、ここでは図示しないが返金トレイ部も有するものとする。
【0014】
上記指紋認証/貯金ボタン18は、後述する指紋センサと操作ボタンとを一体に構成したものとなっており、操作信号を得ると共に、当接された手指の指紋の紋様画像を読取る構成となっている。
【0015】
加えて、自動販売機1の側面上部には、上記無線基地局2と無線接続するための送受信アンテナ19が取付けられる。
【0016】
続いて図4により、この自動販売機1内に設けられる電子回路の構成について説明する。
【0017】
図中、21がこの自動販売機1全体の制御動作を実行する制御部であり、この制御部21に対して指紋センサ22、ボタン入力部23、金銭管理部24、通信部25、表示部26、記憶部27、及び商品管理部28が接続される。
【0018】
指紋センサ22は、上記指紋認証/貯金ボタン18の一部を構成するものであり、検出した指紋の紋様画像データを2値化して制御部21へ送出する。
【0019】
ボタン入力部23は、上記商品選択ボタン12a〜12h、返金ボタン16、指紋認証/貯金ボタン18よりなり、利用者による操作に応じた操作信号を制御部21へ出力する。
【0020】
金銭管理部24は、利用者により上記コイン投入口14及び紙幣投入口15から入金された金額と、後述する貯金額とを併せて管理する一方、その時点で累積保持している現金の総額も管理する。
【0021】
通信部25は、上記送受信アンテナ19と制御部21との間に接続され、上記無線基地局2との間でのデータの送受信を行なう。
【0022】
表示部26は、上記金額表示部13で表示すべき金額に対応した表示駆動を行なう一方、必要により上記商品見本11a〜11h、商品選択ボタン12a〜12hを個別に点灯表示し、その時点で購入可能となっている商品のみを利用者に認知させる。
【0023】
記憶部27は、通信部25が上記無線基地局2とデータの送受信を行なうに際しての各種プロトコルなどを記憶する一方、制御部21のワークエリアとしても機能する。
【0024】
商品管理部28は、自動販売機1内に格納している商品の残量や購入に際しての排出動作を管理する。
次に上記実施の形態の動作について説明する。
図5及び図6は、主として自動販売機1の制御部21から見た、商品の購入に関する一連の処理内容を例示するものである。
【0025】
その当初には、指紋認証/貯金ボタン18が操作されたか否かを判断し(ステップA01)、操作されないと次にコイン投入口14または紙幣投入口15より現金が投入されたか否かを判断して(ステップA06)、商品の購入が可能となったか否かを判断する(ステップA08)、という処理を繰返し実行する。
【0026】
はじめに指紋認証/貯金ボタン18が操作された場合、制御部21では、指紋センサ22より指紋の紋様画像データを検出して(ステップA02)、これを通信部25、送受信アンテナ19により、無線基地局2、無線回線網3を介してセンタ装置4へ送信し、データベース4bに記憶されている利用者情報に同様のデータが登録されているか否かをサーバ機4aに照合してもらい、その照合結果の通知をサーバ機4aから受けることで、上記指紋認証/貯金ボタン18を操作した利用者がデータベース4bに登録されているか否かを判断する(ステップA03)。
【0027】
ここで、サーバ機4aから、対応する指紋のデータは登録されていないとの通知を受けた場合には、制御部21は上記指紋認証/貯金ボタン18の操作は無効であるものとしてそのまま上記ステップA06に進む。
【0028】
また、サーバ機4aから対応する指紋のデータが登録されているものとして、上記図2でも示した貯金額の情報も合わせて通知を受けた場合には、制御部21はその貯金額の情報に基づいて表示部26により金額表示部13でその利用者が貯金している金額を表示させる(ステップA04)。
【0029】
このとき同時に制御部21は、サーバ機4aに対して貯金額の情報を受信したことを応答することで、データベース4bに登録されている当該利用者情報中の貯金額の情報を一時的にクリアして「0(ゼロ)」に更新設定させ(ステップA05)、それから上記ステップA06に進んで、さらなる現金の投入を受付ける。
【0030】
しかるに、ステップA06で現金の投入の有無を判断し、あればその投入された金額に応じて金額表示部13で表示している金額を更新設定させながら(ステップA07)、その時点で金額表示部13に表示されている金額により商品を購入することができるか否かを判断する(ステップA08)、という処理を繰返し実行することで、商品の購入が可能な金額となるのを待機する。
【0031】
そして、購入が可能となった時点でステップA08においてこれを判断し、商品選択ボタン12a〜12hを表示部26により点灯駆動させると共にその操作を有効化する(ステップA09)。
【0032】
その後、その有効化された商品選択ボタン12a〜12hのうちのいずれかの操作により商品が選択されたか否か(ステップA10)、商品の購入に伴なって金額表示部13で表示している残金が「0(ゼロ)」となったか否か(ステップA13)、返金ボタン16が操作されたか否か(ステップA14)、あるいは指紋認証/貯金ボタン18が操作されたか否か(ステップA15)、を順次判断して、いずれも該当しない場合には再び上記ステップA06からの処理に戻る、という処理を繰返すことにより、これらのいずれかが該当するのを待機する。
【0033】
ステップA10で商品選択ボタン12a〜12hのうちのいずれかの操作により商品が選択されたと判断した場合、制御部21は商品管理部28によりその選択された商品を排出して商品取出し口17へ出力させる(ステップA11)。
【0034】
これと共に制御部21は、その選択された商品の金額分だけそれまで金額表示部13で表示していた金額から減算した額をあらたな金額として更新設定してあらためて金額表示部13で表示させ(ステップA12)、それから上記ステップA13に進む。
【0035】
ステップA13で、商品の購入に伴なって金額表示部13で表示している残金がちょうど「0(ゼロ)」となったと判断した場合には、その時点で以上の一連の処理を終了して、この図5及び図6の処理を終了する。
【0036】
また、上記ステップA14で返金ボタン16が操作されたと判断した場合には、その時点で金額表示部13に表示されている金額分だけを残金として金銭管理部24により商品取出し口17内の返金トレイ部より返金出力させ(ステップA20)、以上で一連の処理を終了して、この図5及び図6の処理を終了する。
【0037】
さらに、ステップA15で指紋認証/貯金ボタン18が操作されたと判断した場合、制御部21では、指紋センサ22より指紋の紋様画像データを検出して(ステップA16)、これを通信部25、送受信アンテナ19により、無線基地局2、無線回線網3を介してセンタ装置4へ送信し、データベース4bに記憶されている利用者情報に同様のデータが登録されているか否かをサーバ機4aに照合してもらい、その照合結果の通知をサーバ機4aから受けることで、上記指紋認証/貯金ボタン18を操作した利用者がデータベース4bにすでに登録されているか否かを判断する(ステップA17)。
【0038】
ここで、サーバ機4aから、対応する指紋のデータは登録されていないとの通知を受けた場合には、制御部21はあらためてその指紋のデータを、その時点で金額表示部13に表示している金額を貯金額情報として組合わせてデータベース4bに新規に利用者情報を登録すべく依頼し(ステップA19)、以上で一連の処理を終了して、この図5及び図6の処理を終了する。
【0039】
また、ステップA17で、サーバ機4aから対応する指紋のデータが登録されているものとして通知を受けた場合には、制御部21はその時点で金額表示部13に表示している金額とその時点で上記利用者情報中に貯金額情報として記憶されている金額とを加算し、その和をあらためて貯金額情報としてデータベース4bに更新設定すべく依頼し(ステップA18)、以上で一連の処理を終了して、この図5及び図6の処理を終了する。
【0040】
このように、1度目の利用時に指紋認証/貯金ボタン18を操作することで、ある程度の釣り銭をセンタ装置4側のデータベース4bに記憶させておく。
【0041】
したがって、2度目以降の利用に際して利用者は、その都度多くの小銭を用意する必要はなく、データベース4bの記憶内容を共用する自動販売機1を数多く設置することにより、そのいずれを利用する際でも気軽に希望する商品を購入することが可能となる。
【0042】
また、特に自動販売機1の利用者の認証に際しては、指紋認証/貯金ボタン18を操作することで利用者の手指の指紋の紋様画像を用いることとし、これに対応して貯金額の情報をデータベース4bに登録するものとした。
【0043】
これにより、指紋は「終生不変」で「万人不同」な認証情報であり、利用者は手指をシステムの端末機となる自動販売機1の指紋認証/貯金ボタン18へ当接操作するだけの動作により利用者としての認証を得ることができるので、他に自己の認証を得るための証明書等を持ち歩く必要がなく、したがって盗難や他人の「なりすまし」等の心配もなしに、確実且つ速やかに利用者の認証を実行して、希望する商品を購入することができる。
【0044】
(第2の実施の形態)
以下本発明を無線ネットワークを利用した広域対応可能な自動販売システムに適用した場合の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0045】
なお、端末となる自動販売機を除くシステム全体の構成は上記図1と、自動販売機の外観構成は上記図3と、そして自動販売機内の電子回路の構成は上記図4と、それぞれ基本的に同様であるので、同一部分には同一符号を付してその図示及び説明は省略する。
【0046】
なお、この実施の形態では、センタ装置4のデータベース4bに記憶される利用者情報に関しては、上記図2で示した内容中の指紋データに代えて、自動販売機1が発行するカードに記載されている認証番号の情報を記憶するものとする。
【0047】
すなわち、データベース4bに記憶される利用者情報は、シリアル番号に続けて、認証番号と貯金額、及び利用履歴の各情報を1組の利用者情報として、多数の利用者情報を一括管理するものとする。
【0048】
また、自動販売機1の外観構成において、指紋認証/貯金ボタン18に代えて、カード投入口と「貯金」ボタンとを個別に設けるものとする。
【0049】
これに対応して、上記図4に示した自動販売機1の回路構成では、指紋センサ22に代えて上記カード投入口より投入されたカードに光学的あるいは磁気的に記載された認証番号を読取るカードリーダを設け、さらにこのカードリーダと一体的にして、新規のカードを発行するカード発行部を設けるものとする。
【0050】
次に上記実施の形態の動作について説明する。
図7及び図8は、主として自動販売機1の制御部21から見た、商品の購入に関する一連の処理内容を例示するもので、その当初には、カード投入口よりカードが投入されたか否かを判断し(ステップB01)、投入されていないと判断すると、次にコイン投入口14または紙幣投入口15より現金が投入されたか否かを判断して(ステップB06)、商品の購入が可能となったか否かを判断する(ステップB08)、という処理を繰返し実行する。
【0051】
始めにカード投入口よりカードが投入された場合、制御部21では、上述したカードリーダによりカードに記載されている認証番号を光学的あるいは磁気的に読出して(ステップB02)、これを通信部25、送受信アンテナ19により、無線基地局2、無線回線網3を介してセンタ装置4へ送信し、データベース4bに記憶されている利用者情報に同様の入出力番号の利用者情報が登録されているか否かをサーバ機4aに照合してもらい、その照合結果の通知をサーバ機4aから受けることで、上記カード投入口よりカードを投入した利用者がデータベース4bに登録されているか否かを判断する(ステップB03)。
【0052】
ここで、サーバ機4aから、対応する入出力番号の利用者情報は登録されていないとの通知を受けた場合には、制御部21はカードの投入は無効であるものとしてそのまま上記ステップB06に進む。
【0053】
また、サーバ機4aから対応する入出力番号の利用者情報が登録されているものとして、上記図2でも示した貯金額の情報も合わせて通知を受けた場合には、制御部21はその貯金額の情報に基づいて表示部26により金額表示部13でその利用者が貯金している金額を表示させる(ステップB04)。
【0054】
このとき同時に制御部21は、サーバ機4aに対して貯金額の情報を受信したことを応答することで、データベース4bに登録されている当該利用者情報中の貯金額の情報を一時的にクリアして「0(ゼロ)」に更新設定させ(ステップB05)、それから上記ステップB06に進んで、さらなる現金の投入を受付ける。
【0055】
しかるに、ステップB06で現金の投入の有無を判断し、あればその投入された金額に応じて金額表示部13で表示している金額を更新設定させながら(ステップB07)、その時点で金額表示部13に表示されている金額により商品を購入することができるか否かを判断する(ステップB08)、という処理を繰返し実行することで、商品の購入が可能な金額となるのを待機する。
【0056】
そして、購入が可能となった時点でステップB08においてこれを判断し、商品選択ボタン12a〜12hを表示部26により点灯駆動させると共にその操作を有効化する(ステップB09)。
【0057】
その後、その有効化された商品選択ボタン12a〜12hのうちのいずれかの操作により商品が選択されたか否か(ステップB10)、商品の購入に伴なって金額表示部13で表示している残金が「0(ゼロ)」となったか否か(ステップB13)、返金ボタン16が操作されたか否か(ステップB14)、あるいは上述した貯金ボタンが操作されたか否か(ステップB15)、を順次判断して、いずれも該当しない場合には再び上記ステップB06からの処理に戻る、という処理を繰返すことにより、これらのいずれかが該当するのを待機する。
【0058】
ステップB10で商品選択ボタン12a〜12hのうちのいずれかの操作により商品が選択されたと判断した場合、制御部21は商品管理部28によりその選択された商品を排出して商品取出し口17へ出力させる(ステップB11)。
【0059】
これと共に制御部21は、その選択された商品の金額分だけそれまで金額表示部13で表示していた金額から減算した額をあらたな金額として更新設定してあらためて金額表示部13で表示させ(ステップB12)、それから上記ステップB13に進む。
【0060】
ステップB13で、商品の購入に伴なって金額表示部13で表示している残金がちょうど「0(ゼロ)」となったと判断した場合には、その時点で以上の一連の処理を終了して、この図7及び図8の処理を終了する。
【0061】
また、上記ステップB14で返金ボタン16が操作されたと判断した場合には、その時点で金額表示部13に表示されている金額分だけを残金として金銭管理部24により商品取出し口17内の返金トレイ部より返金出力させ(ステップB22)、以上で一連の処理を終了して、この図7及び図8の処理を終了する。
【0062】
さらに、ステップB15で上述した貯金ボタンが操作されたと判断した場合、制御部21では、次に上記カード投入口よりすでに投入されているカードがあるか否かを判断する(ステップB16)。
【0063】
ここで、すでにカードが投入されていると判断すると、その投入されているカードから再度認証番号を光学的または磁気的に読出し(ステップB17)、これを通信部25、送受信アンテナ19により、無線基地局2、無線回線網3を介してセンタ装置4へ送信し、データベース4bに記憶されている利用者情報に同様のデータが登録されているか否かをサーバ機4aに照合してもらい、その照合結果の通知をサーバ機4aから受けることで、上記指紋認証/貯金ボタン18を操作した利用者がデータベース4bにすでに登録されているか否かを判断する(ステップB18)。
【0064】
ここで、サーバ機4aから、対応する認証番号の利用者情報は登録されていないとの通知を受けた場合には、制御部21はあらためてその登録されていない認証番号を使用し、その時点で金額表示部13に表示している金額を貯金額情報として組合わせてデータベース4bに新規に利用者情報を登録すべく依頼し、併せて投入されていたカードを返却して(ステップB21)、以上で一連の処理を終了して、この図7及び図8の処理を終了する。
【0065】
また、ステップB18で、サーバ機4aから対応する認証番号の利用者情報が登録されているものとして通知を受けた場合には、制御部21はその時点で金額表示部13に表示している金額とその時点で上記利用者情報中に貯金額情報として記憶されている金額とを加算し、その和をあらためて貯金額情報としてデータベース4bに更新設定すべく依頼し(ステップB19)、以上で一連の処理を終了して、この図7及び図8の処理を終了する。
【0066】
さらに、上記ステップB16で貯金ボタンが操作された際に投入されているカードはないものと判断した場合には、カード発行部によりあらたな認証番号が記載されたカードを新規に発行すると共に、そのあらたな認証番号に、その時点で上記金額表示部13に表示されている金額を貯金額情報として組合わせてデータベース4bに新規の利用者情報を登録設定すべくサーバ機4aに依頼し(ステップB20)、以上で一連の処理を終了して、この図7及び図8の処理を終了する。
【0067】
このように、1度目の利用時に貯金ボタンを操作することで、ある程度の釣り銭をセンタ装置4側のデータベース4bに認証番号と共に記憶させておき、利用者には認証番号のみが記載されたカードを発行しておく。
【0068】
したがって、2度目以降の利用に際して利用者は、カードを所持していればその都度多くの小銭を用意する必要はなく、データベース4bの記憶内容を共用する自動販売機1を数多く設置することにより、そのいずれを利用する際でも気軽に希望する商品を購入することが可能となる。
【0069】
加えて、利用者の認証を行なうものとしてカードを発行し、且つ発行されるカードには認証番号の情報が記載されるだけで、金銭に関する具体的な内容はサーバ装置側でのみ管理されるため、カードから金銭に関する情報が偽造されるようなことがなく、発行が容易でセキュリティの面でも比較的安全に運用できる。
【0070】
(第3の実施の形態)
以下本発明を無線ネットワークを利用した広域対応可能な自動販売システムに適用した場合の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0071】
なお、端末となる自動販売機を除くシステム全体の構成は上記図1と、自動販売機の外観構成は上記図3と、そして自動販売機内の電子回路の構成は上記図4と、それぞれ基本的に同様であるので、同一部分には同一符号を付してその図示及び説明は省略する。
【0072】
なお、この実施の形態では、センタ装置4のデータベース4bに記憶される利用者情報に関しては、上記図2で示した内容中の指紋データに代えて、利用者の所持する運転免許証に記載されている免許証番号の情報を記憶するものとする。
【0073】
すなわち、データベース4bに記憶される利用者情報は、シリアル番号に続けて、免許証番号と貯金額、及び利用履歴の各情報を1組の利用者情報として、多数の利用者情報を一括管理するものとする。
【0074】
また、自動販売機1の外観構成において、指紋認証/貯金ボタン18に代えて、運転免許証を載置してその免許証番号を読取る免許証提示部と「貯金」ボタンとを個別に設けるものとする。
【0075】
これに対応して、上記図4に示した自動販売機1の回路構成では、指紋センサ22に代えて上記免許証提示部に載置された運転免許証から光学的に少なくとも免許証番号と生年月日とを読取るOCR(Optical Character Reader:光学式文字読取り装置)部を設けるものとする。
【0076】
さらに、自動販売機1においては、複数の販売商品中の一部に、例えばタバコやアルコール飲料など、未成年への販売を制限するような商品を混在しているものとする。
【0077】
次に上記実施の形態の動作について説明する。
図9及び図10は、主として自動販売機1の制御部21から見た、商品の購入に関する一連の処理内容を例示するものである。
【0078】
その当初には、免許証提示部に運転免許証が載置されたか否かを判断し(ステップC01)、載置されていないと判断すると、次にコイン投入口14または紙幣投入口15より現金が投入されたか否かを判断して(ステップC06)、商品の購入が可能となったか否かを判断する(ステップC08)、という処理を繰返し実行する。
【0079】
始めに免許証提示部に運転免許証が載置された場合、制御部21では、OCR部により運転免許証の免許証番号と生年月日とを読出して(ステップC02)、これを記憶部27に記憶保持させると共に、該免許証番号を通信部25、送受信アンテナ19により、無線基地局2、無線回線網3を介してセンタ装置4へ送信し、データベース4bに記憶されている利用者情報に同様の免許証番号が登録されているか否かをサーバ機4aに照合してもらい、その照合結果の通知をサーバ機4aから受けることで、上記免許証提示部に運転免許証を載置した利用者がデータベース4bに登録されているか否かを判断する(ステップC03)。
【0080】
ここで、サーバ機4aから、対応する免許証番号は登録されていないとの通知を受けた場合には、制御部21は少なくともこの時点での運転免許証の提示は無効であるものとして、読取った免許証番号を記憶部27に記憶保持させた後に、そのまま上記ステップC06に進む。
【0081】
また、サーバ機4aから対応する免許証番号が登録されているものとして、上記図2でも示した貯金額の情報も合わせて通知を受けた場合には、制御部21はその貯金額の情報に基づいて表示部26により金額表示部13でその利用者が貯金している金額を表示させる(ステップC04)。
【0082】
このとき同時に制御部21は、サーバ機4aに対して貯金額の情報を受信したことを応答することで、データベース4bに登録されている当該利用者情報中の貯金額の情報を一時的にクリアして「0(ゼロ)」に更新設定させ(ステップC05)、それから上記ステップC06に進んで、さらなる現金の投入を受付ける。
【0083】
なお、上記ステップC02で免許証提示部での運転免許証からの読取り動作が終了した後には、利用者が免許証提示部に運転免許証を載置したことを忘れてしまうことのないように、例えば
「運転免許証の読取りを終了しました
とり忘れのないように、必ず運転免許証をしまってください」
のような音声ガイドメッセージを出力するものとしてもよい。
【0084】
しかるに、ステップC06で現金の投入の有無を判断し、あればその投入された金額に応じて金額表示部13で表示している金額を更新設定させながら(ステップC07)、その時点で金額表示部13に表示されている金額により商品を購入することができるか否かを判断する(ステップC08)、という処理を繰返し実行することで、商品の購入が可能な金額となるのを待機する。
【0085】
そして、購入が可能となった時点で上記ステップC08においてこれを判断し、次に利用者が、販売商品を制限せざるを得ない未成年の可能性があるか否かを、上記ステップC01で運転免許証の提示があったと判断し、且つその生年月日の内容から利用者が成人であったかどうかにより判断する。
【0086】
ここで、上記ステップC01での運転免許証の提示がなく、現金のみで商品を購入する利用者の場合か、または上記ステップC01で運転免許証は提示したものの、生年月日の記載から未成年であると判断した利用者の場合には、販売する商品を制限せざるを得ないので、年齢制限のない商品の商品選択ボタンのみを表示部26により点灯駆動させると共にその操作を有効化する(ステップC10)。
【0087】
また、上記ステップC01で運転免許証を提示し、生年月日の記載から未成年ではないと判断した利用者の場合には、販売する商品を制限する必要はないので、すべての商品の商品選択ボタンを表示部26により点灯駆動させると共にその操作を有効化する(ステップC11)。
【0088】
その後、その有効化された商品選択ボタンのうちのいずれかの操作により商品が選択されたか否か(ステップC12)、商品の購入に伴なって金額表示部13で表示している残金が「0(ゼロ)」となったか否か(ステップC15)、返金ボタン16が操作されたか否か(ステップC16)、あるいは貯金ボタンが操作されたか否か(ステップC18)、を順次判断して、いずれも該当しない場合には再び上記ステップC06からの処理に戻る、という処理を繰返すことにより、これらのいずれかが該当するのを待機する。
【0089】
ステップC12で有効化されている商品選択ボタンのいずれかの操作により商品が選択されたと判断した場合、制御部21は商品管理部28によりその選択された商品を排出して商品取出し口17へ出力させる(ステップC13)。
【0090】
これと共に制御部21は、その選択された商品の金額分だけそれまで金額表示部13で表示していた金額から減算した額をあらたな金額として更新設定してあらためて金額表示部13で表示させ(ステップC14)、それから上記ステップC15に進む。
【0091】
ステップC15で、商品の購入に伴なって金額表示部13で表示している残金がちょうど「0(ゼロ)」となったと判断した場合には、その時点で以上の一連の処理を終了して、この図9及び図10の処理を終了する。
【0092】
また、上記ステップC16で返金ボタン16が操作されたと判断した場合には、その時点で金額表示部13に表示されている金額分だけを残金として金銭管理部24により商品取出し口17内の返金トレイ部より返金出力させ(ステップC18)、以上で一連の処理を終了して、この図9及び図10の処理を終了する。
【0093】
さらに、ステップC17で貯金ボタン18が操作されたと判断した場合、制御部21では、上記ステップC01での運転免許証の提示があったかどうかを判断する(ステップC19)。
【0094】
ここで、運転免許証の提示がなかったと判断した場合には、貯金ボタンの操作により該当する免許証番号と対応させて残金を貯金額として登録することはできないので、上記ステップC16で返金ボタン16が操作されたと判断した場合と同様に、その時点で金額表示部13に表示されている金額分だけを残金として金銭管理部24により商品取出し口17内の返金トレイ部より返金出力させ(ステップC18)、以上で一連の処理を終了して、この図9及び図10の処理を終了する。
【0095】
また、上記ステップC19で運転免許証の提示があったと判断した場合には、次いで上記ステップC02でその運転免許証から読取り、記憶部27に記憶保持させておいた免許証番号を通信部25、送受信アンテナ19により、無線基地局2、無線回線網3を介してセンタ装置4へ送信し、データベース4bに記憶されている利用者情報に同様の免許証番号が登録されているか否かをサーバ機4aに照合してもらい、その照合結果の通知をサーバ機4aから受けることで、上記貯金ボタンを操作した利用者がデータベース4bにすでに登録されているか否かを判断する(ステップC20)。
【0096】
ここで、サーバ機4aから、対応する免許証番号は登録されていないとの通知を受けた場合には、制御部21はあらためてその免許証番号を、その時点で金額表示部13に表示している金額を貯金額情報として組合わせてデータベース4bに新規に利用者情報を登録すべく依頼し(ステップC22)、以上で一連の処理を終了して、この図9及び図10の処理を終了する。
【0097】
また、ステップC20で、サーバ機4aから対応する免許証番号が登録されているものとして通知を受けた場合には、制御部21はその時点で金額表示部13に表示している金額とその時点で上記利用者情報中に貯金額情報として記憶されている金額とを加算し、その和をあらためて貯金額情報としてデータベース4bに更新設定すべく依頼し(ステップC21)、以上で一連の処理を終了して、この図9及び図10の処理を終了する。
【0098】
このように、運転免許証を提示した利用者が1度目の利用時に貯金ボタンを操作することで、ある程度の釣り銭をセンタ装置4側のデータベース4bに免許証番号と共に記憶させておくことができる。
【0099】
したがって、2度目以降の利用に際して利用者は、運転免許証を所持していればその都度多くの小銭を用意する必要はなく、データベース4bの記憶内容を共用する自動販売機1を数多く設置することにより、そのいずれを利用する際でも気軽に希望する商品を購入することが可能となる。
【0100】
加えて、上記第3の実施の形態では、利用者の認証を行なうものとして運転免許証を用いるものとして説明したが、このように運転免許証を含む身分証明書を利用者の認証に用いることとすれば、利用者の年齢等を勘案して商品を販売できるため、タバコやアルコール類など年齢制限のある商品でも確実に利用者を選択して時間帯に関係なく販売することができる。
【0101】
なお、第1乃至第3の実施の形態は、いずれも無線ネットワークを利用した広域に対応可能な自動販売システムに適用した場合について説明したものであるが、無線による高域対応可能なネットワークに限らず、有線により、ある程度範囲を限定した領域内でのネットワークにより、センタ装置4の構成を小規模化して実施することも可能であるし、あるいはセンタ装置4のサーバ機4aとデータベース4bの機能を複数の自動販売機1のうちの1つに集約して一体に構成するものとしてもよい。
【0102】
さらに、上記図2で示した如く、センタ装置4のデータベース4bでは、本システムの利用の履歴を利用者情報に付加して記憶更新設定するものとしているので、自動販売機の位置情報と併せて利用者の嗜好のリサーチや商品展開等に活用することも可能となる。
【0103】
その他、本発明は上記実施の形態に限らず、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能であるものとする。
【0104】
さらに、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【0105】
例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る自動販売システム全体の構成を示す図。
【図2】同実施の形態に係るセンタ装置側のデータベースに記憶される利用者情報の構成を例示する図。
【図3】同実施の形態に係る自動販売機(端末)の外観構成を示す図。
【図4】同実施の形態に係る自動販売機(端末)の内部回路構成を示すブロック図。
【図5】同実施の形態に係る自動販売機での商品販売にかかる一連の処理内容を示すフローチャート。
【図6】同実施の形態に係る自動販売機での商品販売にかかる一連の処理内容を示すフローチャート。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る自動販売機での商品販売にかかる一連の処理内容を示すフローチャート。
【図8】同実施の形態に係る自動販売機での商品販売にかかる一連の処理内容を示すフローチャート。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る自動販売機での商品販売にかかる一連の処理内容を示すフローチャート。
【図10】同実施の形態に係る自動販売機での商品販売にかかる一連の処理内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0107】
1…自動販売機
2…無線基地局
3…無線回線網
4…センタ装置
4a…サーバ機
4b…データベース(DB)
11a〜11h…商品見本
12a〜12h…商品選択ボタン
13…金額表示部
14…コイン投入口
15…紙幣投入口
16…返金ボタン
17…商品取出し口
18…指紋認証/貯金ボタン
19…送受信アンテナ
21…制御部
22…指紋センサ
23…ボタン入力部
24…金銭管理部
25…通信部
26…表示部
27…記憶部
28…商品管理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人の特定を行うことにより該個人と対応付けられた金額情報を取得して商品を販売可能であると共に、第1の商品群と第2の商品群を備えて年齢制限を行い商品を販売可能な自動販売機であって、
所定の情報を入力する第1の入力手段と、
前記入力手段により入力された前記情報より、成年か未成年かを判別する成年判別手段と、
前記成年判別手段により成年であると判別された場合、第1の商品群の商品を販売可能に、前記成年判別手段により未成年であると判別された場合、第1の商品群の商品を販売不可能に制御する販売制御手段と、
を備え、
前記販売制御手段は、前記第2の商品群の全商品を、前記成年判別手段により未成年であると判断されても成年であると判断されても販売可能に制御する
ことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
前記情報は、誕生時期の情報である
ことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
個人の特定を行うことにより該個人と対応付けられた金額情報を取得して商品を販売可能であると共に、第1の商品群と第2の商品群を備えて年齢制限を行い商品を販売可能であって、所定の情報を入力する第1の入力手段を備えた自動販売機であって、
前記入力手段により入力された前記情報より、成年か未成年かを判別する成年判別手段と、
前記成年判別手段により成年であると判別された場合、第1の商品群の商品を販売可能に、前記成年判別手段により未成年であると判別された場合、第1の商品群の商品を販売不可能に制御する販売制御手段と、
を実現させ、
前記販売制御手段は、前記第2の商品群の全商品を、前記成年判別手段により未成年であると判断されても成年であると判断されても販売可能に制御する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
個人の特定を行うことにより該個人と対応付けられた金額情報を取得して商品を販売可能であると共に、第1の商品群と第2の商品群を備えて年齢制限を行い商品を販売可能な自動販売機であって、
所定の情報を入力する第1の入力手段と、
前記入力手段により入力された前記情報より、成年か未成年かを判別する成年判別手段と、
前記成年判別手段により成年であると判別された場合、第1の商品群の商品を販売可能に、前記成年判別手段により未成年であると判別された場合、第1の商品群の商品を販売不可能に制御する販売制御手段と、
を備え、
前記販売制御手段は、前記第2の商品群の全商品を、前記成年判別手段により未成年であると判断されても成年であると判断されても販売可能に制御する
ことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
前記情報は、誕生時期の情報である
ことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
個人の特定を行うことにより該個人と対応付けられた金額情報を取得して商品を販売可能であると共に、第1の商品群と第2の商品群を備えて年齢制限を行い商品を販売可能であって、所定の情報を入力する第1の入力手段を備えた自動販売機であって、
前記入力手段により入力された前記情報より、成年か未成年かを判別する成年判別手段と、
前記成年判別手段により成年であると判別された場合、第1の商品群の商品を販売可能に、前記成年判別手段により未成年であると判別された場合、第1の商品群の商品を販売不可能に制御する販売制御手段と、
を実現させ、
前記販売制御手段は、前記第2の商品群の全商品を、前記成年判別手段により未成年であると判断されても成年であると判断されても販売可能に制御する
ことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−171445(P2008−171445A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38301(P2008−38301)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【分割の表示】特願2001−331224(P2001−331224)の分割
【原出願日】平成13年10月29日(2001.10.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【分割の表示】特願2001−331224(P2001−331224)の分割
【原出願日】平成13年10月29日(2001.10.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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