自動車のための前部フェンダ用中間支持要素およびその製造方法
本発明は、自動車のシャーシの上側ビームに装着することができる支持要素(4)に関する。本発明の要素は、本体6およびそれに自動車の前部フェンダが固定される少なくとも1つの上向きに突き出した壊すことができる突起物7A、7Bを備える。突起物7A、7Bは、壊れやすい領域26によって本体6に連結された少なくとも1つの前壁28、壊れやすい領域26によってやはり本体6に連結された後壁ならびに壊れやすい領域26によって本体6に連結され、前壁28および後壁を堅固に互いに連結している第3の壁29を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のための前部フェンダ用中間支持要素ならびにその中間支持要素を成型するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、一般的に自動車の前部フェンダはこれら車両のシャーシの上側ビームに直接固定される。このような場合、現行の自動車の不利な点は、人とこれら車両の前部フェンダの間の衝撃を緩衝するものが何も用意されていないことである。
【0003】
GB−A−2 362 615において、車両のフェンダ、泥除けおよびフードを車両のシャーシ上に固定するための要素が説明されている。この固定用の要素は、いくつかの連続する部分を備えるが、それらは実質上同一である。取付け基礎と、上側縁部を備える前部立ち上がり壁がこれら様々な部分に共通であり、それら様々な部分の各々は、固定しようとする要素を確保するための手段ならびにその立ち上がり壁によって上向きに延ばされ、底部で前部ヒンジによって取付け基礎に連結されている前部傾斜壁を含む。後部垂直ピラーまたはリブが、連続する部分各々の何れかの側部に配置されている。これらは各々、片側だけで、より正確には強度が最も小さな区域で基礎に連結されている。各ピラーも立ち上がり壁に連結されており、したがって基礎に連結している。車両が障害物に衝突すると強度が最も小さな区域が壊れ、傾斜壁ならびに立ち上がり壁がヒンジの周りで後方に傾斜する。GB−A−2 362 615は、車両のフードの頂部または車両の前部フェンダの頂部にかけられた下向きの衝撃を緩衝する問題に対してではなく、後方に向けられたショックを緩衝する問題に対する解決策を提供する。ここで、普通に前向きに進行している車両が歩行者の脚部領域にぶつかると歩行者の頭部は、この車両のフードの頂部またはこの車両の前部フェンダの一方の頂部にぶつかるのがかなり頻繁である。
【0004】
さらに、GB−A−2 362 615で提供されている解決法は、例えば車体の上に座っている人を支持することから生ずる静的な力がかかった場合の性能に関する特定の要件を満たすことをできるのが難しいように見える。これらの要件の中で特別な件は、それによって取り付けられた要素にこのような静的な力がかけられた場合に、その取り付けられた要素は、過度に変形してはならないことおよび壊れ方が少なくなければならないことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、歩行者と自動車の間の事故に続く障害の数および重大さを少なくとも低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために本発明の主題は、自動車の前部フェンダのための中間支持要素であり、この支持要素は、自動車のシャーシの上側ビーム上に装備することができ、本体および少なくとも1つの壊すことができその上に前記前部フェンダを固定するための上向きに突き出した突起物を備え、前記突起物が、壊れやすい区域によって前記本体に連結された少なくとも1つの前部壁、その壊れやすい区域によって前記本体に連結された後部壁ならびにその壊れやすい区域により前記本体に連結され、前部壁および後部壁を互いにしっかりと連結している第3の壁部を備える。
【0007】
この中間支持要素のその他の有利な特徴によれば、
第3の壁部に対向して、壊すことができる突起物が、壊れやすい区域により前記本体に連結され、前部壁と後部壁を互いにしっかりと連結する第4の壁部を有し、
壊れやすい区域が壊すことのできる突起物を取り囲んでおり、
壊れやすい区域が薄くされた区域であり、その区域が、この薄くされた区域の2つの領域の間で異なることもある厚さを有し、その厚さが具体的には本体ならびに突起物の前部壁、後部壁および第3の壁部より薄く、
突起物の第3の壁部に、フェンダを突起物に固定するための手段を通すための孔が開けられており、
本体が、突起物を備える上側壁と、前部フェンダの側縁部上に、上側壁に取り付けられその最下点でこの上側壁の側縁部に達する少なくとも1つの上側の傾斜したレリーズランプを有し、
中間支持要素が、熱硬化性ポリマーで成型され、
熱硬化性ポリマーに、一般に充填物と呼ばれる、繊維および非繊維状の粒子が充填されており、
中間支持要素が、25〜40重量%の間の熱硬化性ポリマー、18〜25重量%の間のグラスファイバおよび40〜50重量%の間の非繊維状の粒子を含む。
【0008】
本発明により中間支持要素を成型するには、下記理由により熱硬化性ポリマーが好都合である。
短期衝撃の下で壊れ得ること。
15から30DaN(デカニュートン)の力をフェンダが固定されている領域で突起物に、その突起物を1mmを超えて移動させることなく徐々にかけることができるような静的な機械的特性、特にその静的な剛性。
それが故に中間支持要素がシャーシと同時に、劣化することなしに電気泳動処置を受けることができ、したがってシャーシ上にフィティングと共に装着することができる、つまり電気泳動法による処理の前にシャーシ上に装着することができる、その温度抵抗。
それが故に中間支持要素が、車両の照明用アセンブリ、フロントファサードおよび/またはフードなどの装置の1つまたは複数のフロントピースを装着する際にその位置決めをするための基準としての働きをし、また車両の通常使用の最中にも自由選択で引き続きこの位置付けを保持するのに使用することができる、成型の際の小さな収縮およびスチールに近い線形の膨張係数。
例えば固定手段によって締め付けられたとき経時的にわずかしか移動し得ないこと。これにより、金属製支柱を使用せずに中間支持エレメントを固定することが可能である。
【0009】
本発明による支持要素のさらなるその他の有利な特徴によれば、
支持要素によって自動車のシャーシ上に装備された前部フェンダを静電塗装で塗装することを可能にするように熱硬化性のポリマーは、電気伝導性であり、
支持要素が、照明用アセンブリ、フロントファサードまたはフードのような自動車用装置の少なくとも1つのフロントピースを位置決めするための手段を有する。
【0010】
突起物は、任意の前後方向に垂直な平面に沿った断面において、突起物の前側で壊れやすい区域の前部中央にその中心を有し、突起物の後側で壊れやすい区域の後部中央を通過する第1の囲み円(envelopping circle)の内側にあり、有利である。したがって衝撃が発生すると、衝撃が垂直に対して傾斜しているために壊れやすい区域の後部が最初に破れる場合でも、次いで突起物が壊れやすい区域の前部の周りで傾く場合でも突起物は本体にぶつかることなくこれを越える。
【0011】
突起物は、任意の前後方向に垂直な平面に沿った断面において、壊れやすい区域の後部中央にその中心を有し、壊れやすい区域の前部中央を通過する第2の囲み円の内側にあり、有利である。したがって衝撃が発生すると、壊れやすい区域の前部分が最初に壊れる場合であっても突起物は本体にぶつかることなくこれを越える。
【0012】
壊れやすい区域は、0.2〜2.5mmの間の厚み、1〜10mmの間の幅および200〜230mmの間の平均長さを有することが好ましい。壊れやすい区域は、衝撃の間、実質的にせん断力を受けることが望ましい。壊れやすい区域の厚さは、0.2〜2.5mmの間に保持されれば突起物の周りで一定である必要はない。
【0013】
衝撃の最中の壊れやすい区域の振舞いが期待されたものであるようにその厚さの許容値、つまり成型後の実際の厚さと所要の厚さの違いはできるだけ小さく、具体的には+0.15mm〜−0.15mmの間でなければならない。従来型の圧縮成型では、信頼性があり、再現性のあるかたちでこのような許容値を実現できない。さらに、壊れやすい区域の厚さが小さすぎるので従来型の射出成型法を使用して中間支持要素を製造することはできない。これがこのようにして成型されると、型の中への材料の射出中、壊れやすい区域の領域内に局地的な加熱、したがってプレポリマー化が生じ、その結果中間支持要素の機械的特性に劣化が起こる。
【0014】
これらの不利を克服するために、前記に定義したような中間支持要素を成型するための方法も本発明の主題であり、その方法では、少なくとも1つの固定部品および1つの可動部品を備え、成型チャンバおよびこの成型チャンバと連通している少なくとも1つの放出路を画定し、その成型チャンバが、中間支持要素の薄くされた区域に対応し、前記固定部品と可動部品の間に位置決めされた部分を少なくとも1箇所備える型が使用され、この方法は、
a)成型チャンバに、中間支持要素を成型するために必要な量より多くの成型ペーストが与えられるステップと、次いで、
b)型の可動部品が、型の固定部品に向かって、成型ペーストが前記可動部品と前記固定部品の間で流れ、成型ペーストの余りを放出路を通して放出するように、型が収縮は別にして中間支持要素の最終形状を画定するまで動かされるステップ
とを備える。
【0015】
ステップb)の終わりに、型内の余剰ペーストは、放出路を通して流出するので、壊れやすい区域が所要の厚さに達するまで型の固定部品および可動部品が互いに近接することを妨げない。
【0016】
ステップb)で、型の可動部品は、成型の最中に中間支持要素の薄くされた区域に対して実質的に直角方向に移動されるので有利である。
【0017】
本発明は、添付図面を参照して、単に例として挙げられている下記説明を読めばより良く理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
自動車のボディーおよびシャーシの一部が、図1に図式的に示されている。このシャーシおよびこのボディーは、それらの前部左側部品と対称である、図1に示されていないし、以下説明することもない前部右側部品を有する。
【0019】
本文および添付の特許請求の範囲では、「前」、「後」、「右」および「左」という用語ならびに同様の用語は、自動車が進行する通常の方向を指す。
【0020】
図1において符号1および符号2は、自動車の前部左側車輪およびフロントフードをそれぞれ表わし、そのシャーシはレールLおよび上部左側ビーム3を有する。中間要素4は、その上部左側ビーム上に装着され、自動車の車体の前部左側フェンダ5を支持している。
【0021】
本発明によるこの要素4は、図2から4にだけ示されている。それは細長い本体6を備え、その本体6は、この例ではその数が2つである壊すことのできる上側突起物7Aおよび7Bを備えている。要素4がいったん据え付けられるとその本体は、上側ビーム3に沿って、実質上このビーム3の上に延在する。
【0022】
装着基礎8によって前方に延びるこの本体6は、3つの軸方向の壁、つまり上側壁9および2つの側壁を備え、その側壁の1つは10で示された左側壁、他方は11で示された右側のものであり、それは上側壁9の2つの横方向縁部から降りてきている。
【0023】
これら2つの端部から離れて本体6は、図4に見ることができる、中空の部分13により本体6の上側壁9にしっかりと連結している装着基礎12を備える。基礎12には要素4を上側ビーム3に固定する手段(図示せず)を通すための孔14が開けられている。
【0024】
本体6の後端部の領域で、要素4を上側ビーム3に固定する手段(図示せず)を通すための孔15が2つ左側壁10に開けられている。
【0025】
前部装着基礎8には、支持要素4を上側ビーム3に固定する手段(図示せず)を通すための孔17が2つ開けられている。
【0026】
前部フェンダ5は、支持要素4に沿って分布された4つのポイントで支持要素4に固定されるが、その各々の領域には固定手段を通過させるための孔18が開けられておりその固定手段のうちのいくつかが19として図式的に図6Aに示されている。これらの固定ポイントのなかで最も後方にある2つは、本体6の領域に配置されている。前部フェンダ5を支持エレメント4に固定するための残りの2つのポイント各々は、長手方向に互いにオフセットされている壊すことのできる突起物7Aおよび7Bのうちの1つの領域に配置されている。壊すことのできる突起物7Aは、本体6の先端部領域で前部装着基礎8に接近して位置付けされているが、壊すことのできる突起物7Bは、装着基礎12に近接して、つまり本体6の前端部および後端部から離れて位置付けされていることに留意されたい。
【0027】
自動車のフロントファサード(図示せず)を位置決めするための孔20が装着基礎8に開けられている。この孔20のリムは、フロントファサードの位置を最終的に決定するために、このフロントファサードに取り付けられた補足スタッドと協調するように設計されている。
【0028】
同様にスロット21および孔23は、前部左側照明用アセンブリまたは前部左側前照灯差込部(図示せず)が、本体6によって担持され、上側壁9を装着基礎8に連結している前部壁22内に固定されるまでそれらの位置を決め、その位置に保持することを可能にしている。この孔23のリムは、前部左側照明用アセンブリの位置を最終的に決定するために、その前部左側照明用アセンブリの補足構成部品と協調するように設計されている。スロット21は、この照明用アセンブリをクリップ止めによって要素4に組み付けることを可能にしている。
【0029】
同じような狙いを念頭に置き、その位置を調整する可能性なしに前部フェンダ5が支持要素4に装着されること、つまりその位置は事実上この支持要素4の位置によって決められることに留意されたい。
【0030】
上側壁9は、長手方向に互いにオフセットしており、本体6の右側壁11と上側壁9との接合区域に隣接する3つの上側リブ24を担持している。各リブ24は、その底部で本体6の右側壁11と面一である上側の傾斜したレリーズランプ25を画定している。
【0031】
突起物7Aおよび7Bは、上側壁9に担持されており上向きに突き出している。それらは、2つの壁10および11のうちの、最も自動車の内側よりに位置している方である右側の壁11に隣接している。壊れやすい区域26がこれら各々を本体6に連結している。
【0032】
壊すことのできる突起物7Aおよび7Bは、大略同様なので7Bで示されたもののみが以下に説明され、図5および6に断面で示される。
【0033】
突起物7Bは、互いに対になって向き合っている4つの周辺壁、つまり後部壁27、前部壁28、左側壁29および右側壁30を有する。左側壁29は、後部壁27をしっかりと前部壁28に連結している。同じことが右側壁30にも当てはまる。対応する壊れやすい区域26が突起物7Bを囲み、各壁27、28、29および30を本体6に連結している。
【0034】
突起物7Bの領域に設けられた孔18は、本体6の右側壁11から横方向にわずかにオフセットされ、2つの壁29および30のうちの最も自動車の内側よりに位置している方である右側壁30に開けられている。突起物7Bには、もう1つの孔31が設けられており、要すれば固定手段19を操作することができるようにこの突起物の内側へのアクセスを提供している。この固定手段は、それ自体知られており従来通り本体要素を固定するために使用されている。
【0035】
後部壁27および前部壁28の補足としての左側壁29および右側壁30の存在が突起物7Bの成型を容易にしている。さらに、後部壁27および前部壁28を既に本体6に連結している壊れやすい区域26は、左側壁29および/または右側壁30をも同じ本体6に連結することができ、それが、突起物7Bが横断方向の成分を有する静的な力を受けたときに、壊れやすい区域26のこの力に負けない能力を増加させる。図6Aで矢印Fによって象徴されるこのような静的な力は、例えば前部フェンダ5上に座っている人を支持することから生ずることがある。
【0036】
図5、7および8に示す断面内の平面のような、任意の前後方向に垂直な平面に沿った断面で、突起物7Bは、図5および8に見られる2つの囲み円U1およびU2内に記されている。円U1の中心I1および円U2の中心I2は、壊れやすい区域26の前部中央およびこの壊れやすい区域26の後部中央にそれぞれ位置している。円U1はI2を通過し円U2はI1を通過する。換言すれば円U1およびU2は、I1とI2の間の距離に等しい同じ半径Rを有する。
【0037】
壊れやすい区域26は、本体6および突起物7Bより薄い薄くされた区域である。より正確には、壊れやすい区域26の厚さは0.2〜2.5mmの間が有利である。壊れやすい区域26のための約0.9mm、突起物7Bのための約3mmおよび本体6のための約3.5mmの厚さが非常に満足な結果をもたらせてきた。
【0038】
壊れやすい区域26の厚さは一定である必要はない。具体的には、突起物7Bの前部、背後、右側または左側で厚さが測定されたかどうかによりその厚さは大きくもなり小さくもなることがある。突起物7Bの周りの壊れやすい区域26の厚さの変化は、具体的には、図6AでFで示されたタイプの静的な力がかけられた場合に、この壊れやすい区域の壊れにくい能力を増加させるように構成することができる。
【0039】
支持要素4は、補強用のチョップドファイバ、例えばグラスファイバならびに非繊維状の粒子または充填物例えば鉱物粒子が充填された熱硬化性のポリマーで成型される。熱硬化性のポリマーがポリエステルのとき非常に満足な結果が得られてきた。支持要素4がそれからできている複合材料における熱硬化性ポリマーの割合が25〜40重量%の間であると有利である。支持要素4がそれからできている複合材料におけるグラスファイバの割合が18〜25重量%の間であると有利である。支持要素がそれからできている複合材料における非繊維状粒子の割合が40〜50重量%の間であると有利である。
【0040】
補強用ファイバは10〜30mmの間の平均長さを有すると有利である。
【0041】
上記のように定義すると、支持要素4がそれからできている複合材料は、少なくとも3つの観点から非常に満足できることが判る。第1に劣化することなく210℃に達することがある温度に耐え、したがって支持要素4を既に備えているシャーシを電気泳動により処理することができる。
【0042】
第2に、この複合材料を使用することによって、非常に小さな寸法許容誤差で要素4を製造することができ、したがってそれをいったん装着すると支持要素4は、自動車のフロントフード、自動車のフロントファサード、自動車の左側照明用アセンブリおよび自動車の前部左側フェンダ5を位置決めするための基準としての働きをすることができる。
【0043】
第3に、この複合材料のおかげで、壊れやすい、より正確には壊すことができる区域26は、破断する場合に所望の挙動を有する。具体的には、破断が生ずる場合、支持要素4が熱可塑性ポリマーで成型された場合に比較してその破断は短期である。ところで人の頭蓋骨は短期の衝撃には耐えることができるが、長期の衝撃によって損傷を受けることが知られている。
【0044】
支持要素4がそれからできている複合材料には、この要素4が電気伝導性であるようにある量の炭素粒子を含ませ、したがって支持要素4を介在させてシャーシの上に装着されたときであっても前部フェンダ5は、静電塗装によって塗装することができ有利である。
【0045】
支持要素4が上側ビーム3上に装着されるとき突起物7Aおよび7Bは、それらより高く、それらを上側ビーム3から引き離している空きスペースの上にある。これは、装着基礎8および12が、これら突起物7Aおよび7Bを担持している上側壁9から下方向に少なくとも突起物7Aおよび7Bの高さを超える高さだけオフセットしていることに起因する。
【0046】
歩行者が自動車に脚部をぶつけられた後に前部フェンダ5に衝突するとき、衝撃が十分であると少なくとも1つの壊れやすい区域26が壊れ、次いで対応する壊すことのできる突起物7Aまたは7Bが本体6の上側壁9を通過する。このとき、リブ24およびこのリブ24を担持している壁9の一部が一点鎖線として加えられ、矢印Cが衝撃を象徴している図6Bで見ることができるように、ランプ25が必要に応じて支持要素4の右側上にあるフェンダ5の縁部5aを歪める。
【0047】
1つまたは複数の壊れやすい区域26が壊れて歩行者と前部フェンダ5間の衝撃のエネルギの一部を吸収することによってこの衝撃を弱め、それが歩行者に対する障害の危険を減少させ、障害が発生した場合にはその障害の重大さを減少させるのに役立つ。第1および第2のタイプの衝撃はより具体的に予測されなければならない。第1のタイプの衝撃は、その一例が図7で矢印C1によって象徴されているが前部フェンダ5の上側部分に対して実質上直角である。衝撃C1が生ずると突起物7Bを取り囲んでいる壊れやすい区域26の前部分および後部分が実質上同時に破れ、それが図7に図示された状況に繋がる。
【0048】
第2のタイプの衝撃は、その一例が図8で矢印C2によって象徴されているが前部フェンダ5の上側部分に関して傾斜している。衝撃C2が生ずると突起物7Bを取り囲んでいる、壊れやすい区域26の後部分が先ず破れ、したがってこの突起物は図8に描かれた矢印Mによって象徴されているように、壊れやすい区域26の前部分の周りで傾く。突起物7Bは、円U1の内側にあるので突起物7Bがこのように傾くとき本体6によって急激に停止させられることはない。衝撃が、突起物7Bを取り囲んでいる壊れやすい区域26の前部分が先ず最初に破れるようなものである場合、この突起物7Bが円U2の内側にあるので同じことが起こる。
【0049】
衝撃の場合の突起物7Aの挙動は、説明したばかりの、突起物7Bのものと勿論同様である。
【0050】
前述の説明は、後者が自動車の前部フェンダ上に載っているので、衝撃C1およびC2が前部フェンダ5またはフロントフード2にかけられることを意味するものである。
【0051】
第1のタイプの衝撃および第2のタイプのものは、自動車のフード2の頂部および/または前部フェンダ5の1つにかけられる主な下向きの衝撃の中にある。したがって壊れやすいゾーン26および突起物7Aおよび7Bは、特に頭部への衝撃に成り得るこのような衝撃に対するダンパを形成する。
【0052】
この点において、歩行者がその脚部で自動車にぶつけられると、普通その歩行者は自動車のフード2の上および/または前部フェンダの1つの上にひっくり返され、その場合歩行者の頭部がこのフードの頂部および/またはこれらフェンダの1つに衝突することが非常に頻繁であることに留意されたい。
【0053】
要素4は、図9から12に示され、垂直方向に移動可能な上側部品51および下側固定部品52を備える型50を使用して成型される。型50のこの上側部品51およびこの下側部品52は縦プレス(図示せず)の可動部品および固定部品にそれぞれ担持される。これらは共同で、その中に注入チャンネル(図9から12には示されていない)が出現する成型チャンバ53を画定する。それは、成型チャンバ53と連通し、図10および12に見ることができる放出路54をも画定する。
【0054】
図9および11でチャンバ54の部分が55で示され、壊れやすい区域26に対応している。これらの部分は、型50の固定部品52と可動部品51の間に位置している。
【0055】
要素4を製造するために型50は先ず初めに部分的に閉じられるが、閉じられた後その型は図9および10に図示されているようである。次いで要素4を成型するのに必要な量より多いある量の成型ペースト56が成型チャンバ53に注入される。次いで、型が部分的に閉じられているので成型ペースト56は、成型チャンバ53の主要部の内側に行き渡る。つまり、成型ペースト56を注入すると、要素4は既に部分的に成型されている。
【0056】
成型ペースト56の注入が完了すると、可動部品51が矢印Dの方向に、つまり固定部品52に向かって動かされ、それによって成型ペースト56がこれら固定および可動部品52および51の間を流れ成型チャンバ53を完全に満たす。型50の可動部品51の垂直方向の動きは壊れやすい区域26に対して実質的に直角である。この動きが起こると成型ペースト56は、次第に薄くなる部分55から流出する。型50内の余剰成型ペースト56は、放出路54を通して流出するので壊れやすい区域26が所要の厚さに達するまで型50の部品51および52が互いに接近することを妨げない。この余剰ペーストは、図4において58で示され、表わされているスプルーを形成する。
【0057】
可動部品51が止められるのは、それが型50の固定部品52に取り付けられている支持用ウェッジ57に当たったときである。そのとき型50が、収縮は別にして要素4の最終的な形状を画定する。次いでペースト56は、硬化によって重合される。
【0058】
要素4が型から取り出された後に、スプルー58ならびに注入チャンネル内に形成され図4に示されているスプルー59がその要素から取り除かれる。 本発明は、これまでに説明した実施形態に限定されるものではない。具体的には、壊れやすい区域26は、場所によっては、具体的にはその4つの隅部でより脆く製作されることもあり、したがって破損はこれらの箇所の領域から始まる。壊れやすい区域26の脆弱化は、例えば孔を開けることまたは局部的に厚さを薄くすることによってなされることもある。
【0059】
さらに、各壁29および30は、部分的にまたは完全に除去しても良いし、あるいは薄いウェブで置き換えても良く、その場合ウェブは、剛性ではないのでそのウェブが部分を形成する突起物を成型するのを容易にする機能を有する。
【0060】
さらに、成型ペースト56は、部分的に閉じた型50に注入される必要はなく、このモールドが開いているときにその中に置かれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】各前部フェンダが本発明による中間要素で支持されている自動車の前部左側部分の簡略化した断面線図である。
【図2】図1に部分的に示されている車両の前部左側フェンダを支持している中間要素の斜視図である。
【図3】図2に示されている中間支持要素のもう1つの斜視図である。
【図4】成型時のスプルーが未だに除去されていない、図2および3の中間支持要素を上から見た図である。
【図5】図4のV−V線に沿った部分断面線図である。
【図6A】図2から5に示されている中間支持要素は別にして、図4に引かれているVI−VI線に沿い、車両の前部左側フェンダの部分を示す断面線図である。
【図6B】図6Aと同様の断面図であり、衝撃を受けた場合に図2から5の中間支持要素の挙動を例示する図である。
【図7】図5と同様の断面図であり、衝撃を受けた場合に図2から6の中間支持要素の第1の挙動を例示する図である。
【図8】図5と同様の断面図であり、衝撃を受けた場合に図2から6の中間支持要素の第2の挙動を例示する図である。
【図9】図4の線V−Vに対応する線に沿った型の断面図であり、図2から5に具体的に示されている支持要素を成型するための本発明による方法のステップを例示する図である。
【図10】図4の線X−Xに対応する線に沿った図9の型の部分断面図であり、図9と同じ成型方法のステップを例示する図である。
【図11】図9と同様な断面図であり、成型方法のもう1つのステップを例示する図である。
【図12】図10と同様な部分断面図であり、図11と同じ成型方法のステップを例示する図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のための前部フェンダ用中間支持要素ならびにその中間支持要素を成型するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、一般的に自動車の前部フェンダはこれら車両のシャーシの上側ビームに直接固定される。このような場合、現行の自動車の不利な点は、人とこれら車両の前部フェンダの間の衝撃を緩衝するものが何も用意されていないことである。
【0003】
GB−A−2 362 615において、車両のフェンダ、泥除けおよびフードを車両のシャーシ上に固定するための要素が説明されている。この固定用の要素は、いくつかの連続する部分を備えるが、それらは実質上同一である。取付け基礎と、上側縁部を備える前部立ち上がり壁がこれら様々な部分に共通であり、それら様々な部分の各々は、固定しようとする要素を確保するための手段ならびにその立ち上がり壁によって上向きに延ばされ、底部で前部ヒンジによって取付け基礎に連結されている前部傾斜壁を含む。後部垂直ピラーまたはリブが、連続する部分各々の何れかの側部に配置されている。これらは各々、片側だけで、より正確には強度が最も小さな区域で基礎に連結されている。各ピラーも立ち上がり壁に連結されており、したがって基礎に連結している。車両が障害物に衝突すると強度が最も小さな区域が壊れ、傾斜壁ならびに立ち上がり壁がヒンジの周りで後方に傾斜する。GB−A−2 362 615は、車両のフードの頂部または車両の前部フェンダの頂部にかけられた下向きの衝撃を緩衝する問題に対してではなく、後方に向けられたショックを緩衝する問題に対する解決策を提供する。ここで、普通に前向きに進行している車両が歩行者の脚部領域にぶつかると歩行者の頭部は、この車両のフードの頂部またはこの車両の前部フェンダの一方の頂部にぶつかるのがかなり頻繁である。
【0004】
さらに、GB−A−2 362 615で提供されている解決法は、例えば車体の上に座っている人を支持することから生ずる静的な力がかかった場合の性能に関する特定の要件を満たすことをできるのが難しいように見える。これらの要件の中で特別な件は、それによって取り付けられた要素にこのような静的な力がかけられた場合に、その取り付けられた要素は、過度に変形してはならないことおよび壊れ方が少なくなければならないことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、歩行者と自動車の間の事故に続く障害の数および重大さを少なくとも低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために本発明の主題は、自動車の前部フェンダのための中間支持要素であり、この支持要素は、自動車のシャーシの上側ビーム上に装備することができ、本体および少なくとも1つの壊すことができその上に前記前部フェンダを固定するための上向きに突き出した突起物を備え、前記突起物が、壊れやすい区域によって前記本体に連結された少なくとも1つの前部壁、その壊れやすい区域によって前記本体に連結された後部壁ならびにその壊れやすい区域により前記本体に連結され、前部壁および後部壁を互いにしっかりと連結している第3の壁部を備える。
【0007】
この中間支持要素のその他の有利な特徴によれば、
第3の壁部に対向して、壊すことができる突起物が、壊れやすい区域により前記本体に連結され、前部壁と後部壁を互いにしっかりと連結する第4の壁部を有し、
壊れやすい区域が壊すことのできる突起物を取り囲んでおり、
壊れやすい区域が薄くされた区域であり、その区域が、この薄くされた区域の2つの領域の間で異なることもある厚さを有し、その厚さが具体的には本体ならびに突起物の前部壁、後部壁および第3の壁部より薄く、
突起物の第3の壁部に、フェンダを突起物に固定するための手段を通すための孔が開けられており、
本体が、突起物を備える上側壁と、前部フェンダの側縁部上に、上側壁に取り付けられその最下点でこの上側壁の側縁部に達する少なくとも1つの上側の傾斜したレリーズランプを有し、
中間支持要素が、熱硬化性ポリマーで成型され、
熱硬化性ポリマーに、一般に充填物と呼ばれる、繊維および非繊維状の粒子が充填されており、
中間支持要素が、25〜40重量%の間の熱硬化性ポリマー、18〜25重量%の間のグラスファイバおよび40〜50重量%の間の非繊維状の粒子を含む。
【0008】
本発明により中間支持要素を成型するには、下記理由により熱硬化性ポリマーが好都合である。
短期衝撃の下で壊れ得ること。
15から30DaN(デカニュートン)の力をフェンダが固定されている領域で突起物に、その突起物を1mmを超えて移動させることなく徐々にかけることができるような静的な機械的特性、特にその静的な剛性。
それが故に中間支持要素がシャーシと同時に、劣化することなしに電気泳動処置を受けることができ、したがってシャーシ上にフィティングと共に装着することができる、つまり電気泳動法による処理の前にシャーシ上に装着することができる、その温度抵抗。
それが故に中間支持要素が、車両の照明用アセンブリ、フロントファサードおよび/またはフードなどの装置の1つまたは複数のフロントピースを装着する際にその位置決めをするための基準としての働きをし、また車両の通常使用の最中にも自由選択で引き続きこの位置付けを保持するのに使用することができる、成型の際の小さな収縮およびスチールに近い線形の膨張係数。
例えば固定手段によって締め付けられたとき経時的にわずかしか移動し得ないこと。これにより、金属製支柱を使用せずに中間支持エレメントを固定することが可能である。
【0009】
本発明による支持要素のさらなるその他の有利な特徴によれば、
支持要素によって自動車のシャーシ上に装備された前部フェンダを静電塗装で塗装することを可能にするように熱硬化性のポリマーは、電気伝導性であり、
支持要素が、照明用アセンブリ、フロントファサードまたはフードのような自動車用装置の少なくとも1つのフロントピースを位置決めするための手段を有する。
【0010】
突起物は、任意の前後方向に垂直な平面に沿った断面において、突起物の前側で壊れやすい区域の前部中央にその中心を有し、突起物の後側で壊れやすい区域の後部中央を通過する第1の囲み円(envelopping circle)の内側にあり、有利である。したがって衝撃が発生すると、衝撃が垂直に対して傾斜しているために壊れやすい区域の後部が最初に破れる場合でも、次いで突起物が壊れやすい区域の前部の周りで傾く場合でも突起物は本体にぶつかることなくこれを越える。
【0011】
突起物は、任意の前後方向に垂直な平面に沿った断面において、壊れやすい区域の後部中央にその中心を有し、壊れやすい区域の前部中央を通過する第2の囲み円の内側にあり、有利である。したがって衝撃が発生すると、壊れやすい区域の前部分が最初に壊れる場合であっても突起物は本体にぶつかることなくこれを越える。
【0012】
壊れやすい区域は、0.2〜2.5mmの間の厚み、1〜10mmの間の幅および200〜230mmの間の平均長さを有することが好ましい。壊れやすい区域は、衝撃の間、実質的にせん断力を受けることが望ましい。壊れやすい区域の厚さは、0.2〜2.5mmの間に保持されれば突起物の周りで一定である必要はない。
【0013】
衝撃の最中の壊れやすい区域の振舞いが期待されたものであるようにその厚さの許容値、つまり成型後の実際の厚さと所要の厚さの違いはできるだけ小さく、具体的には+0.15mm〜−0.15mmの間でなければならない。従来型の圧縮成型では、信頼性があり、再現性のあるかたちでこのような許容値を実現できない。さらに、壊れやすい区域の厚さが小さすぎるので従来型の射出成型法を使用して中間支持要素を製造することはできない。これがこのようにして成型されると、型の中への材料の射出中、壊れやすい区域の領域内に局地的な加熱、したがってプレポリマー化が生じ、その結果中間支持要素の機械的特性に劣化が起こる。
【0014】
これらの不利を克服するために、前記に定義したような中間支持要素を成型するための方法も本発明の主題であり、その方法では、少なくとも1つの固定部品および1つの可動部品を備え、成型チャンバおよびこの成型チャンバと連通している少なくとも1つの放出路を画定し、その成型チャンバが、中間支持要素の薄くされた区域に対応し、前記固定部品と可動部品の間に位置決めされた部分を少なくとも1箇所備える型が使用され、この方法は、
a)成型チャンバに、中間支持要素を成型するために必要な量より多くの成型ペーストが与えられるステップと、次いで、
b)型の可動部品が、型の固定部品に向かって、成型ペーストが前記可動部品と前記固定部品の間で流れ、成型ペーストの余りを放出路を通して放出するように、型が収縮は別にして中間支持要素の最終形状を画定するまで動かされるステップ
とを備える。
【0015】
ステップb)の終わりに、型内の余剰ペーストは、放出路を通して流出するので、壊れやすい区域が所要の厚さに達するまで型の固定部品および可動部品が互いに近接することを妨げない。
【0016】
ステップb)で、型の可動部品は、成型の最中に中間支持要素の薄くされた区域に対して実質的に直角方向に移動されるので有利である。
【0017】
本発明は、添付図面を参照して、単に例として挙げられている下記説明を読めばより良く理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
自動車のボディーおよびシャーシの一部が、図1に図式的に示されている。このシャーシおよびこのボディーは、それらの前部左側部品と対称である、図1に示されていないし、以下説明することもない前部右側部品を有する。
【0019】
本文および添付の特許請求の範囲では、「前」、「後」、「右」および「左」という用語ならびに同様の用語は、自動車が進行する通常の方向を指す。
【0020】
図1において符号1および符号2は、自動車の前部左側車輪およびフロントフードをそれぞれ表わし、そのシャーシはレールLおよび上部左側ビーム3を有する。中間要素4は、その上部左側ビーム上に装着され、自動車の車体の前部左側フェンダ5を支持している。
【0021】
本発明によるこの要素4は、図2から4にだけ示されている。それは細長い本体6を備え、その本体6は、この例ではその数が2つである壊すことのできる上側突起物7Aおよび7Bを備えている。要素4がいったん据え付けられるとその本体は、上側ビーム3に沿って、実質上このビーム3の上に延在する。
【0022】
装着基礎8によって前方に延びるこの本体6は、3つの軸方向の壁、つまり上側壁9および2つの側壁を備え、その側壁の1つは10で示された左側壁、他方は11で示された右側のものであり、それは上側壁9の2つの横方向縁部から降りてきている。
【0023】
これら2つの端部から離れて本体6は、図4に見ることができる、中空の部分13により本体6の上側壁9にしっかりと連結している装着基礎12を備える。基礎12には要素4を上側ビーム3に固定する手段(図示せず)を通すための孔14が開けられている。
【0024】
本体6の後端部の領域で、要素4を上側ビーム3に固定する手段(図示せず)を通すための孔15が2つ左側壁10に開けられている。
【0025】
前部装着基礎8には、支持要素4を上側ビーム3に固定する手段(図示せず)を通すための孔17が2つ開けられている。
【0026】
前部フェンダ5は、支持要素4に沿って分布された4つのポイントで支持要素4に固定されるが、その各々の領域には固定手段を通過させるための孔18が開けられておりその固定手段のうちのいくつかが19として図式的に図6Aに示されている。これらの固定ポイントのなかで最も後方にある2つは、本体6の領域に配置されている。前部フェンダ5を支持エレメント4に固定するための残りの2つのポイント各々は、長手方向に互いにオフセットされている壊すことのできる突起物7Aおよび7Bのうちの1つの領域に配置されている。壊すことのできる突起物7Aは、本体6の先端部領域で前部装着基礎8に接近して位置付けされているが、壊すことのできる突起物7Bは、装着基礎12に近接して、つまり本体6の前端部および後端部から離れて位置付けされていることに留意されたい。
【0027】
自動車のフロントファサード(図示せず)を位置決めするための孔20が装着基礎8に開けられている。この孔20のリムは、フロントファサードの位置を最終的に決定するために、このフロントファサードに取り付けられた補足スタッドと協調するように設計されている。
【0028】
同様にスロット21および孔23は、前部左側照明用アセンブリまたは前部左側前照灯差込部(図示せず)が、本体6によって担持され、上側壁9を装着基礎8に連結している前部壁22内に固定されるまでそれらの位置を決め、その位置に保持することを可能にしている。この孔23のリムは、前部左側照明用アセンブリの位置を最終的に決定するために、その前部左側照明用アセンブリの補足構成部品と協調するように設計されている。スロット21は、この照明用アセンブリをクリップ止めによって要素4に組み付けることを可能にしている。
【0029】
同じような狙いを念頭に置き、その位置を調整する可能性なしに前部フェンダ5が支持要素4に装着されること、つまりその位置は事実上この支持要素4の位置によって決められることに留意されたい。
【0030】
上側壁9は、長手方向に互いにオフセットしており、本体6の右側壁11と上側壁9との接合区域に隣接する3つの上側リブ24を担持している。各リブ24は、その底部で本体6の右側壁11と面一である上側の傾斜したレリーズランプ25を画定している。
【0031】
突起物7Aおよび7Bは、上側壁9に担持されており上向きに突き出している。それらは、2つの壁10および11のうちの、最も自動車の内側よりに位置している方である右側の壁11に隣接している。壊れやすい区域26がこれら各々を本体6に連結している。
【0032】
壊すことのできる突起物7Aおよび7Bは、大略同様なので7Bで示されたもののみが以下に説明され、図5および6に断面で示される。
【0033】
突起物7Bは、互いに対になって向き合っている4つの周辺壁、つまり後部壁27、前部壁28、左側壁29および右側壁30を有する。左側壁29は、後部壁27をしっかりと前部壁28に連結している。同じことが右側壁30にも当てはまる。対応する壊れやすい区域26が突起物7Bを囲み、各壁27、28、29および30を本体6に連結している。
【0034】
突起物7Bの領域に設けられた孔18は、本体6の右側壁11から横方向にわずかにオフセットされ、2つの壁29および30のうちの最も自動車の内側よりに位置している方である右側壁30に開けられている。突起物7Bには、もう1つの孔31が設けられており、要すれば固定手段19を操作することができるようにこの突起物の内側へのアクセスを提供している。この固定手段は、それ自体知られており従来通り本体要素を固定するために使用されている。
【0035】
後部壁27および前部壁28の補足としての左側壁29および右側壁30の存在が突起物7Bの成型を容易にしている。さらに、後部壁27および前部壁28を既に本体6に連結している壊れやすい区域26は、左側壁29および/または右側壁30をも同じ本体6に連結することができ、それが、突起物7Bが横断方向の成分を有する静的な力を受けたときに、壊れやすい区域26のこの力に負けない能力を増加させる。図6Aで矢印Fによって象徴されるこのような静的な力は、例えば前部フェンダ5上に座っている人を支持することから生ずることがある。
【0036】
図5、7および8に示す断面内の平面のような、任意の前後方向に垂直な平面に沿った断面で、突起物7Bは、図5および8に見られる2つの囲み円U1およびU2内に記されている。円U1の中心I1および円U2の中心I2は、壊れやすい区域26の前部中央およびこの壊れやすい区域26の後部中央にそれぞれ位置している。円U1はI2を通過し円U2はI1を通過する。換言すれば円U1およびU2は、I1とI2の間の距離に等しい同じ半径Rを有する。
【0037】
壊れやすい区域26は、本体6および突起物7Bより薄い薄くされた区域である。より正確には、壊れやすい区域26の厚さは0.2〜2.5mmの間が有利である。壊れやすい区域26のための約0.9mm、突起物7Bのための約3mmおよび本体6のための約3.5mmの厚さが非常に満足な結果をもたらせてきた。
【0038】
壊れやすい区域26の厚さは一定である必要はない。具体的には、突起物7Bの前部、背後、右側または左側で厚さが測定されたかどうかによりその厚さは大きくもなり小さくもなることがある。突起物7Bの周りの壊れやすい区域26の厚さの変化は、具体的には、図6AでFで示されたタイプの静的な力がかけられた場合に、この壊れやすい区域の壊れにくい能力を増加させるように構成することができる。
【0039】
支持要素4は、補強用のチョップドファイバ、例えばグラスファイバならびに非繊維状の粒子または充填物例えば鉱物粒子が充填された熱硬化性のポリマーで成型される。熱硬化性のポリマーがポリエステルのとき非常に満足な結果が得られてきた。支持要素4がそれからできている複合材料における熱硬化性ポリマーの割合が25〜40重量%の間であると有利である。支持要素4がそれからできている複合材料におけるグラスファイバの割合が18〜25重量%の間であると有利である。支持要素がそれからできている複合材料における非繊維状粒子の割合が40〜50重量%の間であると有利である。
【0040】
補強用ファイバは10〜30mmの間の平均長さを有すると有利である。
【0041】
上記のように定義すると、支持要素4がそれからできている複合材料は、少なくとも3つの観点から非常に満足できることが判る。第1に劣化することなく210℃に達することがある温度に耐え、したがって支持要素4を既に備えているシャーシを電気泳動により処理することができる。
【0042】
第2に、この複合材料を使用することによって、非常に小さな寸法許容誤差で要素4を製造することができ、したがってそれをいったん装着すると支持要素4は、自動車のフロントフード、自動車のフロントファサード、自動車の左側照明用アセンブリおよび自動車の前部左側フェンダ5を位置決めするための基準としての働きをすることができる。
【0043】
第3に、この複合材料のおかげで、壊れやすい、より正確には壊すことができる区域26は、破断する場合に所望の挙動を有する。具体的には、破断が生ずる場合、支持要素4が熱可塑性ポリマーで成型された場合に比較してその破断は短期である。ところで人の頭蓋骨は短期の衝撃には耐えることができるが、長期の衝撃によって損傷を受けることが知られている。
【0044】
支持要素4がそれからできている複合材料には、この要素4が電気伝導性であるようにある量の炭素粒子を含ませ、したがって支持要素4を介在させてシャーシの上に装着されたときであっても前部フェンダ5は、静電塗装によって塗装することができ有利である。
【0045】
支持要素4が上側ビーム3上に装着されるとき突起物7Aおよび7Bは、それらより高く、それらを上側ビーム3から引き離している空きスペースの上にある。これは、装着基礎8および12が、これら突起物7Aおよび7Bを担持している上側壁9から下方向に少なくとも突起物7Aおよび7Bの高さを超える高さだけオフセットしていることに起因する。
【0046】
歩行者が自動車に脚部をぶつけられた後に前部フェンダ5に衝突するとき、衝撃が十分であると少なくとも1つの壊れやすい区域26が壊れ、次いで対応する壊すことのできる突起物7Aまたは7Bが本体6の上側壁9を通過する。このとき、リブ24およびこのリブ24を担持している壁9の一部が一点鎖線として加えられ、矢印Cが衝撃を象徴している図6Bで見ることができるように、ランプ25が必要に応じて支持要素4の右側上にあるフェンダ5の縁部5aを歪める。
【0047】
1つまたは複数の壊れやすい区域26が壊れて歩行者と前部フェンダ5間の衝撃のエネルギの一部を吸収することによってこの衝撃を弱め、それが歩行者に対する障害の危険を減少させ、障害が発生した場合にはその障害の重大さを減少させるのに役立つ。第1および第2のタイプの衝撃はより具体的に予測されなければならない。第1のタイプの衝撃は、その一例が図7で矢印C1によって象徴されているが前部フェンダ5の上側部分に対して実質上直角である。衝撃C1が生ずると突起物7Bを取り囲んでいる壊れやすい区域26の前部分および後部分が実質上同時に破れ、それが図7に図示された状況に繋がる。
【0048】
第2のタイプの衝撃は、その一例が図8で矢印C2によって象徴されているが前部フェンダ5の上側部分に関して傾斜している。衝撃C2が生ずると突起物7Bを取り囲んでいる、壊れやすい区域26の後部分が先ず破れ、したがってこの突起物は図8に描かれた矢印Mによって象徴されているように、壊れやすい区域26の前部分の周りで傾く。突起物7Bは、円U1の内側にあるので突起物7Bがこのように傾くとき本体6によって急激に停止させられることはない。衝撃が、突起物7Bを取り囲んでいる壊れやすい区域26の前部分が先ず最初に破れるようなものである場合、この突起物7Bが円U2の内側にあるので同じことが起こる。
【0049】
衝撃の場合の突起物7Aの挙動は、説明したばかりの、突起物7Bのものと勿論同様である。
【0050】
前述の説明は、後者が自動車の前部フェンダ上に載っているので、衝撃C1およびC2が前部フェンダ5またはフロントフード2にかけられることを意味するものである。
【0051】
第1のタイプの衝撃および第2のタイプのものは、自動車のフード2の頂部および/または前部フェンダ5の1つにかけられる主な下向きの衝撃の中にある。したがって壊れやすいゾーン26および突起物7Aおよび7Bは、特に頭部への衝撃に成り得るこのような衝撃に対するダンパを形成する。
【0052】
この点において、歩行者がその脚部で自動車にぶつけられると、普通その歩行者は自動車のフード2の上および/または前部フェンダの1つの上にひっくり返され、その場合歩行者の頭部がこのフードの頂部および/またはこれらフェンダの1つに衝突することが非常に頻繁であることに留意されたい。
【0053】
要素4は、図9から12に示され、垂直方向に移動可能な上側部品51および下側固定部品52を備える型50を使用して成型される。型50のこの上側部品51およびこの下側部品52は縦プレス(図示せず)の可動部品および固定部品にそれぞれ担持される。これらは共同で、その中に注入チャンネル(図9から12には示されていない)が出現する成型チャンバ53を画定する。それは、成型チャンバ53と連通し、図10および12に見ることができる放出路54をも画定する。
【0054】
図9および11でチャンバ54の部分が55で示され、壊れやすい区域26に対応している。これらの部分は、型50の固定部品52と可動部品51の間に位置している。
【0055】
要素4を製造するために型50は先ず初めに部分的に閉じられるが、閉じられた後その型は図9および10に図示されているようである。次いで要素4を成型するのに必要な量より多いある量の成型ペースト56が成型チャンバ53に注入される。次いで、型が部分的に閉じられているので成型ペースト56は、成型チャンバ53の主要部の内側に行き渡る。つまり、成型ペースト56を注入すると、要素4は既に部分的に成型されている。
【0056】
成型ペースト56の注入が完了すると、可動部品51が矢印Dの方向に、つまり固定部品52に向かって動かされ、それによって成型ペースト56がこれら固定および可動部品52および51の間を流れ成型チャンバ53を完全に満たす。型50の可動部品51の垂直方向の動きは壊れやすい区域26に対して実質的に直角である。この動きが起こると成型ペースト56は、次第に薄くなる部分55から流出する。型50内の余剰成型ペースト56は、放出路54を通して流出するので壊れやすい区域26が所要の厚さに達するまで型50の部品51および52が互いに接近することを妨げない。この余剰ペーストは、図4において58で示され、表わされているスプルーを形成する。
【0057】
可動部品51が止められるのは、それが型50の固定部品52に取り付けられている支持用ウェッジ57に当たったときである。そのとき型50が、収縮は別にして要素4の最終的な形状を画定する。次いでペースト56は、硬化によって重合される。
【0058】
要素4が型から取り出された後に、スプルー58ならびに注入チャンネル内に形成され図4に示されているスプルー59がその要素から取り除かれる。 本発明は、これまでに説明した実施形態に限定されるものではない。具体的には、壊れやすい区域26は、場所によっては、具体的にはその4つの隅部でより脆く製作されることもあり、したがって破損はこれらの箇所の領域から始まる。壊れやすい区域26の脆弱化は、例えば孔を開けることまたは局部的に厚さを薄くすることによってなされることもある。
【0059】
さらに、各壁29および30は、部分的にまたは完全に除去しても良いし、あるいは薄いウェブで置き換えても良く、その場合ウェブは、剛性ではないのでそのウェブが部分を形成する突起物を成型するのを容易にする機能を有する。
【0060】
さらに、成型ペースト56は、部分的に閉じた型50に注入される必要はなく、このモールドが開いているときにその中に置かれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】各前部フェンダが本発明による中間要素で支持されている自動車の前部左側部分の簡略化した断面線図である。
【図2】図1に部分的に示されている車両の前部左側フェンダを支持している中間要素の斜視図である。
【図3】図2に示されている中間支持要素のもう1つの斜視図である。
【図4】成型時のスプルーが未だに除去されていない、図2および3の中間支持要素を上から見た図である。
【図5】図4のV−V線に沿った部分断面線図である。
【図6A】図2から5に示されている中間支持要素は別にして、図4に引かれているVI−VI線に沿い、車両の前部左側フェンダの部分を示す断面線図である。
【図6B】図6Aと同様の断面図であり、衝撃を受けた場合に図2から5の中間支持要素の挙動を例示する図である。
【図7】図5と同様の断面図であり、衝撃を受けた場合に図2から6の中間支持要素の第1の挙動を例示する図である。
【図8】図5と同様の断面図であり、衝撃を受けた場合に図2から6の中間支持要素の第2の挙動を例示する図である。
【図9】図4の線V−Vに対応する線に沿った型の断面図であり、図2から5に具体的に示されている支持要素を成型するための本発明による方法のステップを例示する図である。
【図10】図4の線X−Xに対応する線に沿った図9の型の部分断面図であり、図9と同じ成型方法のステップを例示する図である。
【図11】図9と同様な断面図であり、成型方法のもう1つのステップを例示する図である。
【図12】図10と同様な部分断面図であり、図11と同じ成型方法のステップを例示する図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のシャーシの上側ビーム(3)に取り付けることができ、本体(6)と、少なくとも1つの壊すことができ、上向きに突き出しており、前記自動車の前部フェンダ(5)を固定しようとする突起物(7A、7B)を備え、前記突起物(7A、7B)が、壊れやすい区域(26)によって前記本体(6)に連結されている少なくとも1つの前部壁(28)、壊れやすい区域(26)によって前記本体(6)に連結されている後部壁(27)および壊れやすい区域(26)によって前記本体(6)に連結しており、前部壁(28)および後部壁(27)を互いにしっかりと連結している第3の壁部(29、30)を備える、自動車の前部フェンダ(5)のための中間支持要素。
【請求項2】
第3の壁部に対向して、壊すことができる突起物(7A、7B)が、壊れやすい区域(26)によって前記本体(6)に連結し、前部壁(28)および後部壁(27)を互いにしっかりと連結している第4の壁部(29、30)を有することを特徴とする、請求項1に記載の中間支持要素。
【請求項3】
壊れやすい区域(26)が、壊すことができる突起物(7A、7B)を取り囲んでいることを特徴とする、請求項2に記載の中間支持要素。
【請求項4】
壊れやすい区域が、具体的には本体(6)ならびに突起物(7A、7B)の前部壁(28)、後部壁(27)および第3の壁部(30)より小さな厚さを有する薄くされた区域(26)であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の中間支持要素。
【請求項5】
突起物(7A、7B)の第3の壁部(30)にはフェンダ(5)を突起物(7A、7B)に固定する手段(19)を通すための孔(18)が開けられていることを特徴とする、請求項1から4に記載のいずれか一項に記載の中間支持要素。
【請求項6】
前記本体(6)が、突起物(7A、7B)を備える上側壁(9)と、前部フェンダ(5)の側縁部(5a)上に、上側壁(9)に取り付けられその最下点で前記上側壁(9)の側縁部に達する少なくとも1つの上側の傾斜したレリーズランプ(25)を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の中間支持要素。
【請求項7】
熱硬化性ポリマーで成型されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の中間支持要素。
【請求項8】
熱硬化性ポリマーにファイバおよび非繊維状粒子が充填されることを特徴とする、請求項7に記載の中間支持要素。
【請求項9】
25〜40重量%の間の熱硬化性ポリマー、18〜25重量%の間のグラスファイバおよび40〜50重量%の間の非繊維状粒子を含むことを特徴とする、請求項8に記載の中間支持要素。
【請求項10】
熱硬化性ポリマーが、電気伝導性であることを特徴とする、請求項7から9のいずれか一項に記載の中間支持要素。
【請求項11】
照明用アセンブリ、フロントファサードまたはフードのような自動車用装置の少なくとも1つのフロントピースを位置決めするための手段(20、23)を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の中間支持要素。
【請求項12】
任意の前後方向に垂直な平面に沿った断面において、突起物(7A、7B)が、突起物(7A、7B)の前側で壊れやすい区域(26)の前部中央に中心(I1)を有し、突起物(7A、7B)の背後で壊れやすい区域(26)の後部中央(I2)を通過する第1の囲み円(U1)の内側にあり、任意の前後方向に垂直な平面に沿った断面において突起物(7A、7B)が、壊れやすい区域(26)の後部中央に中心(I2)を有し、壊れやすい区域(26)の前部中央(I1)を通過する第2の囲み円(U2)の内側にあることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の中間支持要素。
【請求項13】
少なくとも1つの固定部品(52)および1つの可動部品(51)を備え、成型チャンバ(53)および前記成型チャンバと連通する少なくとも1つの放出路(54)を画定し、前記成型チャンバが、中間支持要素(4)の前記薄くされた区域(26)に対応し、固定部品(52)と可動部品(51)の間に位置決めされた部分(55)を少なくとも1箇所備える型(50)が使用され、
a)成型チャンバ(53)に、中間支持要素(4)を成型するために必要な量より多くの成型ペースト(56)が与えられるステップと、次いで、
b)型(50)の可動部品(51)が型(50)の固定部品(52)に向かって、成型ペースト(56)が前記可動部品と前記固定部品の間で流れ、成型ペースト(56)の余剰分を放出路(54)を通して放出するように、型(50)が収縮は別にして中間支持要素(4)の最終形状を画定するまで動かされるステップとを備える、請求項4に記載の中間支持要素(4)を成型するための方法。
【請求項14】
前記ステップb)で、型(50)の可動部品(51)が、成型の最中に中間支持要素(4)の薄くされた区域(26)に対して実質的に直角の方向(D)に移動されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項1】
自動車のシャーシの上側ビーム(3)に取り付けることができ、本体(6)と、少なくとも1つの壊すことができ、上向きに突き出しており、前記自動車の前部フェンダ(5)を固定しようとする突起物(7A、7B)を備え、前記突起物(7A、7B)が、壊れやすい区域(26)によって前記本体(6)に連結されている少なくとも1つの前部壁(28)、壊れやすい区域(26)によって前記本体(6)に連結されている後部壁(27)および壊れやすい区域(26)によって前記本体(6)に連結しており、前部壁(28)および後部壁(27)を互いにしっかりと連結している第3の壁部(29、30)を備える、自動車の前部フェンダ(5)のための中間支持要素。
【請求項2】
第3の壁部に対向して、壊すことができる突起物(7A、7B)が、壊れやすい区域(26)によって前記本体(6)に連結し、前部壁(28)および後部壁(27)を互いにしっかりと連結している第4の壁部(29、30)を有することを特徴とする、請求項1に記載の中間支持要素。
【請求項3】
壊れやすい区域(26)が、壊すことができる突起物(7A、7B)を取り囲んでいることを特徴とする、請求項2に記載の中間支持要素。
【請求項4】
壊れやすい区域が、具体的には本体(6)ならびに突起物(7A、7B)の前部壁(28)、後部壁(27)および第3の壁部(30)より小さな厚さを有する薄くされた区域(26)であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の中間支持要素。
【請求項5】
突起物(7A、7B)の第3の壁部(30)にはフェンダ(5)を突起物(7A、7B)に固定する手段(19)を通すための孔(18)が開けられていることを特徴とする、請求項1から4に記載のいずれか一項に記載の中間支持要素。
【請求項6】
前記本体(6)が、突起物(7A、7B)を備える上側壁(9)と、前部フェンダ(5)の側縁部(5a)上に、上側壁(9)に取り付けられその最下点で前記上側壁(9)の側縁部に達する少なくとも1つの上側の傾斜したレリーズランプ(25)を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の中間支持要素。
【請求項7】
熱硬化性ポリマーで成型されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の中間支持要素。
【請求項8】
熱硬化性ポリマーにファイバおよび非繊維状粒子が充填されることを特徴とする、請求項7に記載の中間支持要素。
【請求項9】
25〜40重量%の間の熱硬化性ポリマー、18〜25重量%の間のグラスファイバおよび40〜50重量%の間の非繊維状粒子を含むことを特徴とする、請求項8に記載の中間支持要素。
【請求項10】
熱硬化性ポリマーが、電気伝導性であることを特徴とする、請求項7から9のいずれか一項に記載の中間支持要素。
【請求項11】
照明用アセンブリ、フロントファサードまたはフードのような自動車用装置の少なくとも1つのフロントピースを位置決めするための手段(20、23)を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の中間支持要素。
【請求項12】
任意の前後方向に垂直な平面に沿った断面において、突起物(7A、7B)が、突起物(7A、7B)の前側で壊れやすい区域(26)の前部中央に中心(I1)を有し、突起物(7A、7B)の背後で壊れやすい区域(26)の後部中央(I2)を通過する第1の囲み円(U1)の内側にあり、任意の前後方向に垂直な平面に沿った断面において突起物(7A、7B)が、壊れやすい区域(26)の後部中央に中心(I2)を有し、壊れやすい区域(26)の前部中央(I1)を通過する第2の囲み円(U2)の内側にあることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の中間支持要素。
【請求項13】
少なくとも1つの固定部品(52)および1つの可動部品(51)を備え、成型チャンバ(53)および前記成型チャンバと連通する少なくとも1つの放出路(54)を画定し、前記成型チャンバが、中間支持要素(4)の前記薄くされた区域(26)に対応し、固定部品(52)と可動部品(51)の間に位置決めされた部分(55)を少なくとも1箇所備える型(50)が使用され、
a)成型チャンバ(53)に、中間支持要素(4)を成型するために必要な量より多くの成型ペースト(56)が与えられるステップと、次いで、
b)型(50)の可動部品(51)が型(50)の固定部品(52)に向かって、成型ペースト(56)が前記可動部品と前記固定部品の間で流れ、成型ペースト(56)の余剰分を放出路(54)を通して放出するように、型(50)が収縮は別にして中間支持要素(4)の最終形状を画定するまで動かされるステップとを備える、請求項4に記載の中間支持要素(4)を成型するための方法。
【請求項14】
前記ステップb)で、型(50)の可動部品(51)が、成型の最中に中間支持要素(4)の薄くされた区域(26)に対して実質的に直角の方向(D)に移動されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2007−523010(P2007−523010A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500253(P2007−500253)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【国際出願番号】PCT/FR2005/000429
【国際公開番号】WO2005/090147
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(506286412)
【出願人】(503471868)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【国際出願番号】PCT/FR2005/000429
【国際公開番号】WO2005/090147
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(506286412)
【出願人】(503471868)
【Fターム(参考)】
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