説明

自動車の前部構造

【課題】この発明は、カウルグリルの車幅方向側部が被水した時であっても、水がエンジンルームへ浸入することを防止できる自動車の前部構造を提供することを目的とする。
【解決手段】車両のボンネット4とフロントウインドガラス5下部との間において車幅方向に延びるように配設されたカウルグリル6が、前部にて車幅方向に延びる棚部64と、該棚部64の後端から後方且つ下方に向けて延びる傾斜部63とを有するとともに、棚部64にボンネットシール7が取付けられる自動車の前部構造であって、棚部64に、傾斜部63に通じるドレン溝64aを形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両のボンネットとフロントガラス下部との間において車幅方向に延びるように配設されたカウルグリルの棚部にボンネットシールが取付けられる自動車の前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の前部において、車両のボンネットとフロントガラス下部との間にはカウルグリルが配設されており、その前端には、ボンネットが閉じられた時にボンネットとカウルグリルとの間をシールするボンネットシールが取付けられている。
【0003】
例えば、下記特許文献1では、カウルグリルの前部において車幅方向へ延びる棚部(フランジ部)が形成されており、これにボンネットシールが取付けられている。
【特許文献1】特開2006−205918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に開示されたような棚部は、加工のし易さ等の理由から、その側端は側方に向かって開放されるように形成されるのが通例となっている。例えば、図9に示すカウルグリル206のように、その前部に形成された棚部264は、ボンネットシール207とともにカウルグリル206の側部で切り放されたようになっており、これによって側端(開放端)が形成されている。
【0005】
このため、カウルグリル206の車幅方向側部が雨水等の浸入によって被水した時には、棚部264、ボンネットシール207の側端から車幅方向中央側へ向かって水が浸入するという問題があった。
【0006】
ここで、仮にこのような水の浸入を許容してしまうと、棚部264は車幅方向に延びる樋のような形状をなしていることから、一旦浸入した水は棚部264を伝ってその車幅方向中央部まで到達し、棚部264から前方に落下してエンジンルーム1にまで浸入する虞がある。
【0007】
この発明は、カウルグリルの車幅方向側部が被水した時であっても、水がエンジンルームへ浸入することを防止できる自動車の前部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の自動車の前部構造は、車両のボンネットとフロントガラス下部との間において車幅方向に延びるように配設されたカウルグリルが、前部にて車幅方向に延びる棚部と、該棚部の後端から後方且つ下方に向けて延びる傾斜部とを有するとともに、上記棚部にボンネットシールが取付けられる自動車の前部構造であって、上記棚部に、上記傾斜部に通じるドレン溝を形成したものである。
【0009】
この構成によれば、カウルグリルの車幅方向側部が雨水等の浸入によって被水し、棚部、ボンネットシールの側端から水が浸入したとしても、この水をドレン溝を介して後方へ排出することができるため、エンジンルームにまで水が浸入することを確実に防止できる。
【0010】
この発明の一実施態様においては、上記ドレン溝が、車両前後方向において上記棚部の略全幅に渡って形成されているものである。
【0011】
この構成によれば、側部から浸入した水をもれなく後方へ導くことができる。
【0012】
この発明の一実施態様においては、上記棚部の後部に、上記ボンネットシールと当接する突起が車幅方向に渡って形成されるとともに、上記ドレン溝が上記カウルグリルの側部寄りに形成されるものである。
【0013】
この構成によれば、ボンネットを閉じた時、突起とボンネットシールとの当接によって棚部が後方から被水することを防止でき、カウルグリルの側部寄りにドレン溝を形成することによって、浸入した水を側部寄りの位置で即座に排出することができる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、上記ボンネットシールが、押出成形により形成されたものであって、上記棚部への取付基部を備えるとともに、その上部に中空シール部を備えており、上記取付基部には、上記ドレン溝の上方において上記中空シール部の中空部と上記ドレン溝とを連通させる連通孔が設けられているものである。
【0015】
ボンネットシールの側端には、中空部により開口が形成されており、カウルグリルの側部が被水した時には、ボンネットシールの上記開口からも水が浸入することになる。
【0016】
この構成によれば、上記開口から中空部内に浸入した水を連通孔を介してドレン溝に導くことができ、この水を車幅方向中央側へ到達する前に確実に排出することができる。このため、側端が開放されたボンネットシールを用いることができ、このように側端が開放されたボンネットシールは押出成形のみによって容易に形成することができることから、生産性の向上をもたらすことができる。
【0017】
この発明の一実施態様においては、上記傾斜部の後部に外気導入孔が形成されるものである。
【0018】
この構成によれば、ドレン溝から後方へ排出された水を外気導入孔を介してカウルボックス内に導くことができ、上記水を確実に車外へ排出することができる。
【0019】
この発明の一実施態様においては、上記ドレン溝の車幅方向中央側側部に、上記ボンネットシールの取付部を設けたものである。
【0020】
この構成によれば、ドレン溝の車幅方向中央側側部におけるシール性を向上させることができる。
【0021】
この発明の一実施態様においては、上記棚部において、上記ドレン溝の車幅方向中央側側部の取付部より車幅方向中央部側に第2のドレン溝を形成したものである。
【0022】
上述した取付部を設けた場合、該取付部の間においてボンネットシールが棚部から浮き、これによって車幅方向中間部からも水を浸入させる懸念がある。この構成によれば、万一、中央部側に水が浸入した場合であっても、中央部側に配設される第2のドレン溝によりこの水を排出でき、エンジンルーム側に浸入することを確実に防止できる。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、カウルグリルの車幅方向側部が雨水等の浸入によって被水し、棚部、ボンネットシールの側端から水が浸入したとしても、この水をドレン溝を介して後方へ排出することができるため、エンジンルームにまで水が浸入することを確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、本発明の実施形態に係る自動車の前部構造を示す要部平面図であり、図2は、図1におけるA−A線矢視断面図、図3は、図1におけるB−B線矢視断面図である。なお、図中において矢印(F)は車両前方、矢印(R)は車両後方を示し、矢印(IN)は車両内方、矢印(OUT)は車両外方を示す。また、以下の説明においては自動車の前部構造における右側部の構成について説明するが、左側部においても概ね右側部のそれと左右対称または左右略対称に形成されている。
【0025】
図1に示すように、車体前部には、エンジンルーム1と、車両前後方向に延びるフロントサイドフレーム(フロントフレーム)2が設けられるとともに、このフロントサイドフレーム2に沿って同方向に延びるエプロンレインフォースメント3が車両の側部に設けられている。
【0026】
また、車体前部には、エンジンルーム1の上方を開閉可能に覆うボンネット4(図2、図3参照)と、フロントウインドガラス5(但し、透明な強化プラスチック製のものも含む)下部との間において車幅方向に延びる合成樹脂製のカウルグリル6が配設されている。
【0027】
カウルグリル6には、ボンネット4の後端近傍の位置に縦壁部61が形成されており、この縦壁部61及びその前方に位置する傾斜部62の後部には、車室内空調用の空気を導くための外気導入孔部63が網目状をなすようにして形成されている。
【0028】
さらに、本実施形態のカウルグリル6においては、縦壁部61、傾斜部62、外気導入孔部63の他、前部にて車幅方向に略水平に延びる棚部64が一体的に形成されている。
【0029】
ここで、傾斜部62は、棚部64の後端から後方且つ下方に向かって延びており、その後部には外気導入孔部63が形成され、縦壁部61へとつながっている。
【0030】
また、棚部64においては、後述するドレン溝64aが図1に示すように車幅方向においてカウルグリル6の側部寄りに形成され、上面部には、車幅方向に沿って延びるラバー製のボンネットシール7が取付けられている。
【0031】
ボンネットシール7は、ボンネット4が閉じられた時にそのインナパネル4aと略隙間なく当接することによってボンネット4とカウルグリル6との間をシールするものであり、これにより、エンジンルーム1の熱気が外気導入孔部63に流れ込むことを防止している。
【0032】
次に、図2、図3を参照して、カウルグリル6、ボンネットシール7の周辺構造並びに、カウルグリル6、ボンネットシール7の取付構造について詳細に説明する。自動車の前部においては、エンジンルーム1(図1参照)と車室8とを仕切るダッシュロアパネル9を設けており、このダッシュロアパネル9の上端から前方及び後方且つ上方に向かって延びるダッシュアッパパネル10を設けている。
【0033】
そして、このダッシュアッパパネル10の前端には、フロントサスペンション装置(不図示)の上部を支持するサスペンションタワー部11が配設されている。
【0034】
また、ダッシュアッパパネル10の後端には、カウルパネル12の後端が接合されており、カウルパネル12は、フロントウインドガラス5の傾斜下端つまり車両前後方向の前端に向かって延びてこのフロントウインドガラス5の前端を支持している。
【0035】
また、カウルパネル12は、ダッシュアッパパネル10の前端から前方且つ上方に向かって延びるカウルフロント前部13aとカウルフロント後部13bとによって車幅方向に延びるカウルボックス14を形成している。ここで、カウルフロント前部13a、カウルフロント後部13b同士は、図示のようにボルト15B、ナット15Nによって締結されており、これによってカウルフロントを構成している。
【0036】
カウルグリル6は、その下部がカウルフロント前部13aにファスナー16で締結されることにより所定位置に固定されている。
【0037】
また、このようにして固定されたカウルグリル6に取付けられるボンネットシール7は、図3に示すファスナー17によって棚部64上に固定されており、棚部64に形成された取付孔64b、ボンネットシール7下部の取付基部71に形成された取付孔71aに対してファスナー17が差し込まれている。なお、取付孔64b、71aは、それぞれ棚部64、ボンネットシール7において車幅方向に沿って複数形成されており、この複数の取付孔64b、71aに対応してファスナー17、17、…が差し込まれることによって、ボンネットシール7は車幅方向の略全長に渡って固定されている。
【0038】
また、本実施形態に係るボンネットシール7としては、押出成形によって形成されたものが用いられており、取付基部71の他、この押出成形の際に形成された中空部72、断面環状の中空シール部73、及び該中空シール部73から部分的に後方へ突出する後方延出部74を備えている。
【0039】
ボンネットシール7においては、中空部72が形成されていることで、ボンネット4を閉じた時にはボンネット4(インナパネル4a)と直接当接する中空シール部73がインナパネル4aの接圧によって水平方向につぶれるようにして弾性変形するようになっている。
【0040】
また、この時、中空シール部73は自身の変形によって、棚部64の後部に形成された突起部64cと当接するようになっており、同時に後方延出部74が突起部64cの後方を覆うようになっている。突起部64c、後方延出部74は、それぞれ棚部64、ボンネットシール7の略全長に渡って形成されており、これによって棚部64が後方から被水することを防止している。
【0041】
次に、図4〜図6を参照して、カウルグリル6のドレン溝64a等の作用について詳細に説明する。図4は、ボンネット4のドレン溝64a周辺を拡大して示す要部斜視図であり、図5は、その要部拡大断面図である。また、図6は、ボンネットシール7の長手方向に沿って棚部64、ボンネットシール7を切断した時の断面図ある。
【0042】
図4に示すように、本実施形態に係るカウルグリル6の棚部64の側端及びボンネットシール7の側端は、従来と同様カウルグリル6の側部で切り放されたようになっており、側方に向かって開放された状態となっている。このため、カウルグリル6の車幅方向側部が雨水等の浸入によって被水した時には、やはり棚部64、ボンネットシール7の側端から車幅方向中央側へ向かって水が浸入することになる。
【0043】
そこで、本実施形態では、棚部64の一部を下方に凹ませることによって後方の傾斜部62に通じるドレン溝64aを形成し、上記側端から雨水等が浸入した場合には、この水を図4、図5にて矢印Xで示すようにドレン溝64aを介して後方へ排出できるようにした。
【0044】
ドレン溝64aは、棚部64の車両前後方向の略全幅に渡って形成されており、浸入した水をもれなく後方へ導くことができるようになっている。このため、浸入した水が棚部64を伝って車幅方向中央部まで到達することを防止でき、ひいては棚部64から前方に水が落下してエンジンルーム1にまで浸入することを確実に防止できる。
【0045】
ここで、ドレン溝64aによって後方へ排出された水は、図5に示すように外気導入孔部63を介して最終的にカウルボックス14内に導かれ、確実に車外へ排出される。
【0046】
ところで、ボンネット4を閉じた時、本実施形態では、上述したように棚部64後部の突起部64cと、ボンネットシール7の中空シール部73、後方延出部74とによって棚部64が後方から被水することを防止しているが、このような構成を備えることによって、棚部64、ボンネットシール7の側端から浸入した水に対しては、逆に外部への排出を妨げるように作用してしまう。
【0047】
本実施形態では、このような点を考慮して、カウルグリル6の側部寄りにドレン溝64aを形成しており、突起部64c、後方延出部74等の上記作用に関わらず、浸入した水を側部寄りの位置で即座に排出できるようにしている。つまり、ドレン溝64aを形成したことにより、本実施形態のように突起部64c、後方延出部74等を備えることが可能となっており、この突起部64c、後方延出部74等によって棚部64が後方から被水することを防止しつつも、上記側端から侵入した水に対してはこれをドレン溝64aにより即座に排出することが可能になっている。
【0048】
また、ボンネットシール7の側端は、棚部64と同様カウルグリル6の側部で切り放されたようになっているために、その側端には中空部72により開口72a(図6参照)が形成されている。このため、カウルグリル6の側部が被水した時には、ボンネットシール7の開口72aからも水が浸入することとなり、この水は中空部72を通っていずれは車幅方向中央部に到達する。このようなルートで浸入した水は、取付孔71a(図3参照)を介して棚部64の車幅方向中央部、ひいてはエンジンルーム1にまで浸入する可能性がある。
【0049】
そこで、本実施形態では、図5、図6に示すように、取付基部71には、ドレン溝64aの上方において、中空部72とドレン溝64aとを連通させる連通孔71bを設けることとした。これにより、開口72aから中空部72内に浸入した水を、連通孔71bを介して図6中の矢印Yで示すようにドレン溝64aに導くことができ、この水を車幅方向中央側の取付孔71aへ到達する前に確実に排出することができる。
【0050】
従って、側端に蓋部を形成する等して中空部72を外部から遮断することが不要となり、ボンネットシール7のように側端が開放されたものを用いることができる。このように側端が開放されたボンネットシール7は押出成形のみによって容易に形成することができることから、連通孔71bを形成した上記構成を採用することでボンネットシール7の生産性向上をもたらすことができる。
【0051】
また、そもそもボンネットシール7の側端を開放しているのは、ボンネット4(図1等参照)を閉じた時に、ボンネットシール7全体を均等に変形させることによってボンネット4をスムーズに閉じられるようにするためでもあり、仮に側端に蓋部を形成すると、側端の剛性が高まることによってボンネットをスムーズに閉じることができなくなってしまう。
【0052】
従って、本実施形態のように側端が開放されたボンネットシール7を用いることができるようにすることで、同時にボンネット4の操作性を維持することもできる。
【0053】
ところで、ボンネットシール7を棚部64上に取付けた状態において、ファスナー17が配設されるボンネットシール7の取付部では、ボンネットシール7の取付基部71は棚部64の上面と隙間なく密着しているが、上記取付部の間においては、取付基部71が棚部64から浮いた状態となり、隙間が形成される可能性がある。このようにして形成された隙間は、上記側端から浸入した水を車幅方向中央側へさらに浸入させる要因となり得る。
【0054】
そこで、図7に示すように、ドレン溝64aの車幅方向中央側側部にボンネットシール7の取付部(ファスナー117)を配設し、棚部64の上面と取付基部71と密着によって車幅方向中央側への水の浸入を阻止するようにしてもよい。これにより、ドレン溝64aの車幅方向中央側側部におけるシール性を向上させることができ、ドレン溝64aとの協働によって車幅方向中央側への水の浸入をより確実に防止できる。
【0055】
さらに、上記取付部の間が浮く構造に関しては、車幅方向中間部からも水を浸入させる懸念が残るため、図8に示すように上記車幅方向中央側側部の取付部より中央部側に第2のドレン溝64dを配設するようにしてもよい。これにより、万一、中央部側に水が浸入した場合であっても、中央部側に配設されるドレン溝64dによりこの水を排出でき、エンジンルーム1側に浸入することを確実に防止できる。また、上述のような中央部側のドレン溝は、1つだけに限らず各取付部の間に設けるようにしてもよい。
【0056】
また、上述のように第2のドレン溝64dを配設した場合、これに対応してボンネットシール7に図示のような第2の連通孔71cを形成してもよい。これにより、例えばボンネットシール7の車幅方向中央部が破損して、破損部位から水が浸入するような事態が発生したとしてもこれを後方へ確実に排出することができ、エンジンルーム1への水の浸入を防止することができる。
【0057】
なお、図7、図8に示すこの実施形態において、その他の構成、作用、効果については、先の実施形態とほぼ同様であるから、図7、図8において図1〜図6と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0058】
また、図1〜図6に示す実施形態では、ドレン溝64aによって導かれた水を外気導入孔部63を介してカウルボックス14内に排出する構成としたが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば、カウルグリルの傾斜部と縦壁部との間に、車幅方向中央部から側端へ向かって下方へ傾斜する底面を形成して、ドレン溝により排出された水を側端へ集めるようにし、さらに上記傾斜部の側端と上記縦壁部の側端との間に排出部を形成して、上記側端に集められた水をこの排出部から車幅方向外側へ排出するようにしてもよい。
【0059】
この場合、例えば図1に示すエプロンレインフォースメント3へ接続する流路を形成し、上記排出部から排出された水をエプロンレインフォースメント3側へ排出するようにしてもよい。
【0060】
エプロンレインフォースメント3は、エンジンルーム1の側壁となるエプロンパネル(不図示)とにより閉断面を形成していることから、上記エプロンレインフォースメント3側へ排出された水を上記流路によって最終的に上記閉断面へ導くようにすることで、エンジンルーム1への水の浸入を確実に防止できる。
【0061】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の突起は、突起部64cに対応し、
以下同様に、
外気導入孔は、外気導入孔部63に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】この発明の実施形態に係る自動車の前部構造を示す要部平面図。
【図2】図1におけるA−A線矢視断面図。
【図3】図1におけるB−B線矢視断面図。
【図4】棚部のドレン溝周辺を拡大して示す要部斜視図。
【図5】棚部のドレン溝周辺を拡大して示す要部拡大断面図。
【図6】ボンネットシールの長手方向に沿って棚部、ボンネットシールを切断した時の断面図。
【図7】自動車の前部構造の他の実施形態を示す断面図。
【図8】自動車の前部構造のさらに他の実施形態を示す断面図。
【図9】棚部、ボンネットシールの車幅方向側端周辺を拡大して示す斜視図。
【符号の説明】
【0063】
1…エンジンルーム
4…ボンネット
5…フロントウインドガラス
6…カウルグリル
7…ボンネットシール
62…傾斜部
63…外気導入孔部
64…棚部
64a、64d…ドレン溝
64c…突起部
71…取付基部
71b、71c…連通孔
72…中空部
73…中空シール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のボンネットとフロントガラス下部との間において車幅方向に延びるように配設されたカウルグリルが、前部にて車幅方向に延びる棚部と、該棚部の後端から後方且つ下方に向けて延びる傾斜部とを有するとともに、
上記棚部にボンネットシールが取付けられる自動車の前部構造であって、
上記棚部に、上記傾斜部に通じるドレン溝を形成した
自動車の前部構造。
【請求項2】
上記ドレン溝は、車両前後方向において上記棚部の略全幅に渡って形成されている
請求項1記載の自動車の前部構造。
【請求項3】
上記棚部の後部には、上記ボンネットシールと当接する突起が車幅方向に渡って形成されるとともに、
上記ドレン溝が上記カウルグリルの側部寄りに形成される
請求項1または2記載の自動車の前部構造。
【請求項4】
上記ボンネットシールは、押出成形により形成されたものであって、上記棚部への取付基部を備えるとともに、その上部に中空シール部を備えており、
上記取付基部には、上記ドレン溝の上方において上記中空シール部の中空部と上記ドレン溝とを連通させる連通孔が設けられている
請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車の前部構造。
【請求項5】
上記傾斜部の後部に外気導入孔が形成される
請求項1記載の自動車の前部構造。
【請求項6】
上記ドレン溝の車幅方向中央側側部に、上記ボンネットシールの取付部が設けられている
請求項1記載の自動車の前部構造。
【請求項7】
上記棚部において、上記ドレン溝の車幅方向中央側側部の取付部より車幅方向中央部側に第2のドレン溝を形成した
請求項6記載の自動車の前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−290526(P2008−290526A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−136761(P2007−136761)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】