説明

自動車用の装置及び方法

本発明は、自動車(1)とオブジェクト(3)との間の主側方距離(Y)を検出するための少なくとも1つの距離センサ(2)と、該距離センサ(2)の制御用の制御装置(4)を有する前記自動車(1)用の装置であって、前記距離センサ(2)は、作動期間(T1)の間、測定信号(M)を送信し、測定受信期間(T2)の間、少なくとも1つのオブジェクト(3)によって反射された測定信号(M)を受信する、自動車用の装置に関する。その際、制御装置(4)によって、距離センサ(2)の測定受信時間(T2)が変えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車とオブジェクトとの間の主側方距離を検出するための少なくとも1つの距離センサと、該距離センサの制御用の制御装置を有する自動車用の装置であって、距離センサは、作動期間の間、測定信号を送信し、測定受信期間の間、少なくとも1つのオブジェクトによって反射された測定信号を受信する、自動車用の装置に関する。
【0002】
世界知的所有権機関特許第02/084329号から、オブジェクトからの車両の距離を測定するための少なくとも1つのセンサ、及び、センサの検出結果に依存して自動車の機能群を制御するための制御ユニットを有する自動車用のドライバアシスタントシステムが公知である。その際、制御ユニットは、駐車補助作動形式とプリクラッシュ作動形式との間で、車両の速度に依存して切り換えることができる。その際、速度制御作動形式とプリクラッシュ作動形式との間での切り換えは、自動車に対して相対的なオブジェクトの、センサによって測定された移動に依存している。
【0003】
ヨーロッパ特許公告第0305907号公報から、自動車用の駐車補助装置が公知である。その際、自動車は、車両の外側に設けられた送信機を有しており、この送信機は、駐車余地の方向に放射された送信信号を送信し、その際、それに対応した受信機が反射信号を受信する。送信信号は、小さな放射角度に限定され、自動車の長手方向軸に対して横方向に放射され、その結果、駐車余地の傍を走行する間、駐車余地の領域内で得られた反射信号は、駐車余地の外側の反射信号から明らかに区別される。この明らかな信号の区別から、比較装置内で、経路信号を考慮して、駐車余地の長さが求められる。
【0004】
世界知的所有権機関特許第03/087874号から、車両の側方の近傍領域を少なくとも部分的に検出する、少なくとも1つの距離センサを有する車両用の駐車補助システムの作動方法が公知である。車両は、更に、経路センサを有しており、その際、制御装置は、駐車余地の傍を走行する間に測定されたセンサの値から、駐車余地の長さ又は幅を測定する。その際、駐車余地の長さ又は幅は、補正値だけ補正され、又は、駐車余地の傍を走行する間の車両の速度に応じて、距離センサを用いて種々異なる時間間隔で測定が実行される。
【0005】
本発明の課題は、自動車の駐車可能な余地の測定を改善することにある。
【0006】
この課題は、冒頭に記載した形式の装置において、本発明によると、制御装置によって、距離センサの測定受信時間を変えることができるようにして解決される。一定と見なされる音波の速度を用いて、距離測定を、種々異なる測定受信時間を調整可能であるようにすることによって変えることができる。測定受信時間を小さく選定すると、測定を迅速に繰り返すことができる。比較的長い測定受信時間では、測定の繰り返し速度を下げることができる。従って、測定中、走行速度に依存する区間を信号が進むので、走行している車両では、走行方向での分解能の精度も低下する。高い繰り返し速度では、駐車余地の始まりと終わりは、特に良好且つ正確に検出することができる。駐車余地が最小所要駐車余地の領域内の長さを有している場合には、できる限り正確に検出することが重要であり、その際、最小所要駐車の長さは、車両のタイプ及び/又は可能な負荷(例えば、トレーラー連結部又は尾部キャップでの自転車キャリヤー)に依存している。車両運転手が正確に十分な大きさの駐車余地があるかどうかの情報を知っているために、距離センサの測定受信時間は変えることができる。
【0007】
有利な実施例では、各受信時間用の少なくとも2つの調整間の測定受信時間を変えることができるようにされている。その際、有利には、測定受信時間は、制御装置によって、実質的に、小さな、殊に約1.5mまでの1つの車両幅の距離が監視されるように変えることができる。駐車スペース探索中、車両は、駐車中の車両の傍を走行し、僅かな乃至短い測定受信時間によって、駐車中の車両の終端を特に正確に検出することができる。通常のように、駐車余地を探している車両は、既に駐車している各車両の傍を僅かな車両幅距離で走行し、その結果、測定受信時間は、この距離領域の検出のために十分乃至有利である。
【0008】
その際、有利には、測定受信時間は、制御装置によって、実質的に、2つの車両幅のうちの小さな方の、例えば、約3.5mまでの車両幅の間隔が監視されるように変えることができる。駐車余地を探している車両によって、駐車可能な余地が見つけられた場合、この駐車可能な余地の外側のオブジェクトは、通常、重要ではない。その際、2台の車両間の幅の監視が有意義であることが分かる。
【0009】
制御装置は、駐車可能な余地の長さを測定するための測定受信時間を変えるようにすることによって、駐車余地の始まりと終わりを特に正確に見つけることができる。更に、駐車余地測定中、場合によっては存在している縁石の経過・延び具合乃至距離を検出するとよい。縁石の検出の際、車両は、続く駐車過程時に、この縁石を基準にして位置を確認し、場合によっては、(駐車状態の)配向を確認するとよい。縁石の代わりに、他のオブジェクト又は障害物(例えば、ガードレール、フェンス等)の経過・延び具合を検出してもよい。
【0010】
自動車の少なくとも1つの距離センサは、駐車余地を測定する超音波センサとして構成されているようにすることによって、コスト上有利で、幅を広く拡張した距離センサを駐車余地測定のために使用することができる。
【0011】
各測定受信時間のうちの少なくとも1つの測定受信時間内で縁石又は道路境界を検出するために、距離センサは、通常の縁石の高さのオブジェクトを検出することができるように自動車内に設けられている。そのために、距離センサの円錐状の放射により、各測定受信時間の1つの測定受信時間内で、センサからの放射が縁石で反射されて距離センサによって補足されるように縁石を検出する必要がある。
【0012】
道路の境界として、この趣旨で、ガードレール、石の囲壁、杭、フェンス、例えば、灌木又は生け垣のような植栽、道路標識、等を使ってもよい。少なくとも1つの距離センサ及び/又は制御装置を用いて、オブジェクト及び/又は道路の境界に対する距離の経過・伸び具合を検出することができる場合、駐車車両を、この距離の経過・伸び具合を基準にして配向することができる。
【0013】
別の有利な実施例では、測定受信時間は、速度及び/又は車両環境及び/又は位置に依存して変えることができる。そのために、例えば、車両速度にのみ基づいて、測定受信時間を変えることが有意義であるかどうか、乃至、距離センサの作動が有意義であるかどうか、求めることができる。その理由は、駐車過程は、一般的に、低い速度で行われるからである。測定受信時間は、車両の環境、例えば、道路の縁に駐車されている各車両に基づいて、駐車し得る余地が検出された場合に、変えることができるようにするとよい。このことは、測定受信時間の可能な位置依存性に対しても該当する。車両が所定の位置で、駐車できる余地内にある場合には、この駐車余地の始まりと終わりをできる限り正確に見つけるために、測定受信時間を変えるとよい。車両運転手が積極的に駐車余地探索モードに切り換えたり、又は、駐車余地探索モードを意識的に作動停止したりすることができるようにしてもよい。このモードでは、距離センサは、上述の信号を駐車余地測定のために送信する。
【0014】
車両運転手の運転特性に基づいて、車両運転手が駐車スペースを探していることが分かるようにしても有利である。この場合、システムは、自動的に作動し、駐車余地検出用の測定受信時間が変えられる。
【0015】
長さが、その車両にとって十分である駐車余地は、車両運転手に音響的及び/又は光学的及び/又は触覚によりシグナリングすることができる。その際、特に有利には、必要な最少駐車余地の値を自動車内で調整可能、つまり、変えることができるようにするとよい。この理由は、たいていの車両運転手は、駐車過程中、自動車を操縦するのに付加的なスペースを利用できるとよいと感じるからである。しかし、このことは、場合によっては荷物の積み卸し又はドアの開き又はフラップの開きのために、付加的なスペースを必要とする場合にも有意義である。その際、車両の大きさの点で必要な長さよりも大きな値を調整すると有意義である。駐車余地及び/又は最小所要駐車余地を調整及び/又は視覚化することは、例えば、多機能の操作装置を介して行うとよい。多機能の操作装置は、例えば、最近では、車両内に、ナビゲーション及びラジオ及び/又は電話装置と一緒に既に組みこまれている。この装置には、更にカメラシステムを設けてもよく、それにより、車両運転手に、駐車し得る余地についての情報を視覚化して提供するために、駐車余地を連続して、又は、画像を1回撮像することができる。つまり、例えば、付加的な標識が、駐車余地内の又は、外部のプレート(例えば、障害のある駐車スペース)に設けられていることがあり、この付加的な情報から、車両運転手は、付加的な標識を知ることができる。
【0016】
前述の課題は、更に、本発明の方法によって解決される。自動車内の検出装置によって、駐車余地の長さを検出し、作動時間の間、距離センサを用いて、測定信号を送出し、測定受信時間内で、オブジェクトで反射された測定信号を距離センサによって検出されるようにした、駐車余地の傍を通過する自動車によって駐車可能な余地を測定するために、測定受信時間を、駐車余地の長さの測定のために変えるようにされる。そうすることによって、走行している車両によって、特に正確に駐車余地の始まりと終わりを測定することができる。測定受信時間を、駐車余地の始まりを検出する際、長くするか、又は、最大値に設定するようにして、駐車し得る領域に各オブジェクトがあるかどうか監視することができる。更に、監視される距離領域内で、道路の経過・延び具合又は縁石を検出してもよい。
【0017】
測定受信時間は、駐車余地の傍を走行する際に最少所要駐車余地の長さの手前、又は、最少駐車余地の長さの領域内で短くするか、又は、最小値に設定することによって、距離測定を速い繰り返し速度で実行することができる。こうすることによって、駐車余地の傍を走行する車両で、走行方向での駐車余地の長さを検出する際に極めて高い分解能(精度)にすることができる。
【0018】
最少駐車余地の長さに続く付加的な長さに達した後、自動車の駐車可能な領域内にオブジェクトが検出されなかった場合に限って測定受信時間を長くするようにすることによって、繰り返し、もっと広い検出領域に各オブジェクトがあるかどうか監視すると有意義である。従って、例えば、駐車余地の横の、もっと遠くに離れた箇所の縁石、又は、道路の経過・延び具合を検出するとよい。最小所要駐車余地の長さに達した後、車両は、どんな場合でも、駐車余地内に納めることができることは明らかであり、車両は、存在し得るオブジェクト、例えば、縁石を比較的大きな測定受信時間で検出しつつ、進むことができる。
【0019】
測定受信時間がオブジェクトの検出のために可変に変えられる場合、オブジェクトの検出を、状況に応じて最適乃至適合した測定繰り返し速度で、行うことができる。例えば、1つのオブジェクトが検出されると、測定受信時間は、実質的に、この距離領域に至る迄の各オブジェクトだけが検出されるように調整することができる。そうすることによって、この状況にとって最大の、測定繰り返し速度が可能となる。従って、走行方向での距離の経過・延び具合は、極めて高い精度(極めて多数の検出点乃至データ)を有している。
【0020】
有利には、更に、自動車内での距離センサの配向を、測定受信時間が高く設定されている場合、縁石をオブジェクトとして検出するように選定するとよい。その際、距離センサによって放射された円錐状の測定領域が縁石を交差し、そうすることによって、距離センサが縁石を検出することができるようになる。その際、車両内で、距離センサの主放射方向を、道路の表面に対して傾斜させておくと有利である。
【0021】
別の距離領域内の縁石又はオブジェクトを検出することができる別の距離センサを使用してもよい。このセンサの主放射方向は、第1のセンサに対して異なっている。各距離センサには、種々の測定受信時間を使用することができる。
【0022】
図面の説明:
図1は:駐車可能な余地の本発明による測定の略図を示し、
図2は:本発明による運転補助システムの原理図を示し、
図3は:縁石の検出のために、自動車内での距離センサの配向の略示を示し、
図4は:作動及び測定受信時間のシーケンスを示す図である。
【0023】
図1は、駐車可能な余地8の本発明による測定過程の略図を示す。自動車1は、運転方向にオブジェクト3の傍を通過する。自動車1は、その際、オブジェクト3に対して距離Yを有している。この距離は、図2に示されている距離センサ2によって測定され、その際、センサビーム領域11は、オブジェクト3を検出する。反射されたセンサビームは、測定受信時間T2内で距離センサ2によって検出される。図1の左側に示された、距離センサ2によってオブジェクト3が検出された走行状況では、短い測定受信時間T2で距離測定が繰り返される。従って、距離センサ2乃至当該距離センサ2の後ろ側に接続された制御装置4は、高い精度で、駐車余地Pの開始を位置X1で検出することができる。図1の下側の領域内に図示された距離軸X上に、駐車余地Pの開始がX1で示されている。自動車1乃至距離センサ2の制御装置4が駐車余地Pの開始を検出すると直ぐに、測定受信時間T2が変えられる。この走行状況では、測定受信時間T2は長くされる。長くされた測定受信時間T2によって、距離センサ2から遠く離れたオブジェクト3も検出することができる。図1に示された場合では、距離センサ2は、駐車余地P内、乃至、正確に言うと、最小所要駐車余地L1内で縁石6を検出する。その際、距離センサ2乃至制御装置4は、縁石6に対する各々の距離y2を検出することができるが、距離経過・延び具合7を、駐車余地Pの傍を走行中検出して、相応に記憶し、場合によっては、付加的に評価するようにしてもよい。制御装置4は、自動的に実行される、又は、運転手によりサポートされる駐車過程によって、縁石6に沿った配向又はオブジェクト3に沿った配向又は道路境界に沿った配向を行うことができる。運転手によりサポートされる駐車過程の際、制御装置4又は別の制御装置は、自動車の運転手に対して操縦の指示を送出し、又は、操縦過程自体を実行することができる。制御装置4又は別の制御装置が操縦過程自体を実行する場合、自動車の運転手は、アクセルペダル乃至ブレーキペダルを操作することによって運転の主権(Fahrhoheit)を保持する。
【0024】
自動車1が最小所要駐車余地の長さL1に達する直前に、測定受信時間T2は短くされる。図1には、この切り換え位置が、距離軸X上にX2で示されている。最小所要駐車余地の長さL1内にオブジェクト3があるかどうか、又は、駐車余地P内で駐車過程を危険なしに実行することができるかどうか、高い精度で検出することができる場合に、測定受信時間T2の、このような切り換えが行われる。自動車1は、最終的な走行速度で走行方向Fに移動しているので、2つの測定間で距離Xが進む。短い測定受信時間T2で、且つ、繰り返し測定により作動される場合、各測定箇所間の距離を、X方向で低減するとよい。その際、できる限り多数の測定点乃至測定情報を検出することによって、X方向での分解能が増大する。速度限界値及び/又は加速度限界値が超過されると即座に、車両運転手は駐車過程を所望しないと推測されるので、測定を停止すると有意義である。
【0025】
図1には、更に、縁石6の下側に略示的な距離経過・延び具合7が示されている。自動車1が左側のオブジェクト3の傍を走行している間、距離y1が測定される。X1で示された位置で、駐車余地Pが開始し、駐車余地Pは、y方向で縁石6によって限定されている。縁石は、自動車1に対して距離y2を有している。駐車余地Pは、駐車余地の長さLPを有しており、その際、自動車1の最小所要駐車余地の長さL1は、駐車余地の長さLPよりも短い。従って、自動車1の駐車は、駐車余地P内で可能である。最小所要駐車余地の長さL1には、オブジェクト検出用の僅かな測定受信時間が含まれている付加的な長さLZが続く。付加的な長さLZ内でオブジェクト3が検出されない場合、例えば、縁石6又は縁石の経過・延び具合を検出するために、測定受信時間T2が更に長くされる。自動車1は、明らかに駐車余地P内に適合し、駐車余地の端検出は比較的不正確でもよいので、測定受信時間T2を長くすることができる。その際、有利な実施例では、付加的な長さLZを、比較的長い測定受信時間T2に基づいて、比較的大きな不正確さを補償するように決めることができる。その際、付加的な長さLZは、測定分解能に依存して、不正確さを補償するために、走行方向で可変に又は(走行速度)段に適合するとよい。測定受信時間T2及び走行速度は、走行方向での測定分解能に影響する。
【0026】
図2は、本発明の装置の原理図を示す。例えば、ドライブアシスタントシステム(Fahrassistenzsystem)として構成された装置は、図1に破線の矩形として示されている、自動車1内に設けられている。距離センサ2は、可能なオブジェクト3からの距離データを検出し、この距離データを制御装置4に伝送する。制御装置4は、この情報を運転手のために処理し、制御装置4は、運転手に、例えば、光学指示装置上で距離経過・延び具合7又は操縦の指示を、自動車1の駐車のために表示し、又は、最小所要駐車余地の長さL1より長い駐車余地の長さLPを確認する。駐車余地Pについて、又は、駐車過程についての情報を、音響的な指示装置(例えば、スピーカ)によって出力してもよい。図2にシンボルにより表示したアクセルペダル及びハンドルが表示された触覚指示装置10も、車両運転手に、駐車過程用の重要な指示を与えることができる。触覚的に知らせることがよいのは、例えば、測定される駐車余地Pが、最小所要駐車余地L1よりも狭く、且つ、それにも拘わらず、車両運転手が駐車過程をし始めた場合、又は、車両運転手が、安全確実に駐車過程を行うには高すぎる走行速度で運転している場合、又は、最小駐車余地に達した場合である。その際、例えば、アクセルペダルは、車両運転手が最大駐車速度を超過しようとした場合に、明らかな抵抗(負圧又は振動)を有しているようにするとよい。
【0027】
図3には、縁石6の検出のための自動車1内での距離センサ2の配向の略図が示されている。距離センサ2は、この実施例では、超音波センサ5として自動車1内に組みこまれている。この自動車1は、部分的に、道路のレベル上に位置しているタイヤ及びそれに続いている車体の輪郭によって略示されている。超音波センサ5は、音波をセンサビーム領域13内に放射する。このセンサビーム領域13は、空間内で円錐状に超音波センサ5から伝搬することができる。制御装置4によって、短い乃至僅小な測定受信時間T2が調整されると、反射超音波信号が、自動車1から到達領域LKに至る迄検出され得る。この検出領域は、高い乃至大きな測定受信時間T2を用いると到達領域LLに至る迄延びる。短い測定受信時間LK乃至長い測定受信時間LLの各々の到達領域での、この最小オブジェクト高さは、図3に、相応の破線で示されたHK乃至HLによって示されている。超音波センサ5を傾斜して組みこむことによって、最小検出高さHLは、長い測定受信時間T2の場合に、縁石6を検出することができるように構成されている。従って、距離センサ2は、到達領域LLの領域内で、縁石6乃至縁石の過程を検出することができる。距離センサとして、レーダ及び/又はレーザセンサを使用してもよい。
【0028】
図4には、作動時間T1及び測定受信時間T2のシーケンスの原理図を示す。測定の開始時に、パルスの形式で放射することができる測定信号Mは、作動じかんT1の間放射される。作動時間T1には、測定受信時間T2が続き、測定時間T2の間、反射されたセンサビームが検出される。作動時間T1及び測定受信時間T2後、測定サイクルは終了される。この測定サイクルには、直接又は休止期間をおいて、後続の測定サイクルが続くことができる。移動する自動車1の精度を高めるために、本発明によると、測定受信時間T2が変えられる。作動時間T1だけ、又は、測定受信時間T2と一緒に変えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】駐車可能な余地の本発明による測定の略図
【図2】本発明による運転補助システムの原理図
【図3】縁石の検出のために、自動車内での距離センサの配向の略図
【図4】作動及び測定受信時間のシーケンスを示す図
【符号の説明】
【0030】
1 自動車
2 距離センサ
3 オブジェクト
4 制御装置
5 超音波センサ
6 縁石
7 距離過程
8 光学的指示装置
9 音響的指示装置
10 触覚的な指示装置11,12,13 センサビーム領域
B 車両幅
F 走行方向
HK 短い受信時間での最小検出高さ
HL 長い測定受信時間での最小検出高さ
L1 最小駐車余地の長さ
LK 短い測定受信時間での到達領域
LL 長い測定受信時間での到達領域
LP 駐車余地の長さ
LZ 付加的な長さ
MM 測定信号
N 道路のレベル
P 駐車余地
T1 作動時間
T2 測定受信時間
X,X1,X2 距離軸
y,y1,y2 距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(1)とオブジェクト(3)との間の主側方距離(Y)を検出するための少なくとも1つの距離センサ(2)と、該距離センサ(2)の制御用の制御装置(4)を有する前記自動車(1)用の装置であって、前記距離センサ(2)は、作動期間(T1)の間、測定信号(M)を送信し、測定受信期間(T2)の間、少なくとも1つの前記オブジェクト(3)によって反射された前記測定信号(M)を受信する、自動車用の装置において、制御装置(4)によって、距離センサ(2)の測定受信時間(T2)を変えることができるようにしたことを特徴とする自動車用の装置。
【請求項2】
各受信時間(T2)用の少なくとも2つの調整間の測定受信時間(T2)を変えることができるようにした請求項1記載の自動車用の装置。
【請求項3】
測定受信時間(T2,T3)は、制御装置(4)によって、実質的に、小さな、殊に約1.5mまでの1つの車両幅(B)の距離(Y)が監視されるように変えることができる請求項1又は2記載の自動車用の装置。
【請求項4】
測定受信時間(T2)は、制御装置(4)によって、実質的に、2つの車両幅(B)のうちの小さな方の、例えば、約3.5mまでの車両幅の間隔(Y)が監視されるように変えることができる請求項1又は2記載の自動車用の装置。
【請求項5】
制御装置(4)は、駐車可能な余地(P)の長さ(LP)を測定するための測定受信時間(T2)を変えることができる請求項1から3迄の何れか1記載の自動車用の装置。
【請求項6】
少なくとも1つの距離センサ(2)は、超音波センサ(5)として構成されている請求項1から5迄の何れか1記載の自動車用の装置。
【請求項7】
距離センサ(2)は、縁石(6)又は道路境界が、各測定受信時間(T2)のうちの1つの測定受信時間内で検出することができるように自動車(1)内に設けられている請求項1から6迄の何れか1記載の自動車用の装置。
【請求項8】
少なくとも1つの距離センサ(2)及び/又は制御装置(4)を用いて、オブジェクト及び/又は道路境界までの距離経過・延び具合を検出することができる請求項1から7迄の何れか1記載の自動車用の装置。
【請求項9】
測定受信時間(T2)は、速度及び/又は車両環境及び/又は位置に依存して変えることができる請求項1から8迄の何れか1記載の自動車用の装置。
【請求項10】
測定受信時間(T2)は、車両運転手の運転特性に基づいて変えることができる請求項1から9迄の何れか1記載の自動車用の装置。
【請求項11】
各最少駐車余地(L1)の大きな方の駐車可能な余地(P)の検出された長さ(LP)を、自動車(1)内で音響的及び/又は光学的及び/又は触覚的にシグナリングすることができる請求項1から10迄の何れか1記載の自動車用の装置。
【請求項12】
必要な最少駐車余地の長さ(L1)の値及び/又は付加的な長さ(LZ)を自動車(1)内で調整可能である請求項1から10迄の何れか1記載の自動車用の装置。
【請求項13】
駐車余地(P)の傍を通過する自動車(1)によって駐車可能な余地(P)を測定するための方法であって、自動車(1)内の検出装置によって、駐車余地(LP)の長さを検出し、作動時間(T1)の間、距離センサ(2)を用いて、測定信号(M)を送出し、測定受信時間(T2)内で、オブジェクト(3)で反射された測定信号(M)を前記距離センサ(2)によって検出するための方法において、測定受信時間(T2,T3)を、駐車余地の長さ(LP)の測定のために変えることができることを特徴とする方法。
【請求項14】
測定受信時間(T2)を、駐車余地(P)の始まりを検出した後長くするか、又は、最大値に設定する請求項13記載の方法。
【請求項15】
測定受信時間(T2)は、駐車余地(P)の傍を走行する際に最少所要駐車余地の長さ(L1)の手前、又は、最少駐車余地の長さ(L1)の領域内で短くするか、又は、最少値に設定する請求項13又は14記載の方法。
【請求項16】
最少駐車余地の長さに続く付加的な長さ(LZ)に達した後、自動車(1)の駐車可能な領域(P)内にオブジェクト(3)が検出されなかった場合に限って測定受信時間(T2)を長くする請求項15記載の方法。
【請求項17】
最少駐車余地の長さ(L1)に続く別の付加的な長さ(LZ)の後、それまでに、駐車可能な領域(P)内にオブジェクト(3)が検出されなかった場合に限って測定受信時間(T2)を長くする請求項15又は16記載の方法。
【請求項18】
測定受信時間(T2)を、オブジェクト検出のために可変に変える請求項13から17迄の何れか1記載の方法。
【請求項19】
自動車(1)内での距離センサ(2)の配向を、測定受信時間(T2)が高く設定されている場合、縁石(6)をオブジェクト(3)として検出するように選定する請求項13から18迄の何れか1記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−508625(P2008−508625A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524210(P2007−524210)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【国際出願番号】PCT/EP2005/007728
【国際公開番号】WO2006/015687
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(596107062)フオルクスヴアーゲン アクチエンゲゼルシヤフト (34)
【住所又は居所原語表記】Wolfsburg,BRD
【Fターム(参考)】