説明

自動車用ドア構造

【課題】作業性が容易でコストの低廉を図れるとともに強度的にも優れ、しかもドアウェザーストリップのコーナー部において金型成形部を廃止しうる自動車用ドア構造を提供する。
【解決手段】ルーフ側サッシュ22とピラー側サッシュ23が突き合わされる、ドア1のコーナー部Xでは、両サッシュ22,23に形成された嵌合凹部22b,23bを延設部22c,23cからそれぞれ部分的に切り離してそれぞれドア内周側に向けて湾曲させ端部同士を接合して繋げ、両サッシュ22,23に形成されコーナー部X側にそれぞれ延びる延設部22c,23cの端部同士を接合して繋げて、ドア上縁部側からコーナー部Xを経てピラー側に渡るまで一連一体的に押出成形されたドアウェザーストリップ30を取付け可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ドア構造に関する。より詳細には、ボディパネル側に弾接して車内外をシールするドアウェザーストリップが車内側に取付けられるサッシュ付きのドア構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図9及び図10に示すように、サッシュ付きの自動車用ドア構造では、ドア1の上縁部を形成するルーフ側サッシュ2とドア1の上下方向に延びるピラー側サッシュ3がコーナー部Xで突き合わされている。
両サッシュ2,3の車内側でドア1の内周側には、図11及び図12に示すように、中空断面で袋状にされたフレーム本体部2a,3aが形成され、フレーム本体部2a,3aにおけるドア1の外周側には、断面略C字形状の嵌合凹部2b,3bが形成されている。また、両サッシュ2,3の嵌合凹部2b,3bから車外側に向けて延びるように延設部2c,3cが形成され、その延設部2c,3cの外縁にはフランジ状の意匠面部2d,3dが形成されている。
【0003】
両サッシュ2,3に形成された嵌合凹部2b,3bにはドアウェザーストリップ10が取付けられている。ドアウェザーストリップ10は、嵌合凹部2b,3bに嵌め込まれる取付基部10aと取付基部10aに一体成形されドア1の閉時にボディパネル5に弾接して車内外をシールする中空シール部10bを有している。
また、意匠面部2d,3dから延設部2c,3cのドア1の外周側にはサブシール部11が取付けられている。サブシール部11は、意匠面部2d,3dに係止されるともに、ドア1の外周側に露出した延設部2c,3cの部位を覆い隠す取付基部11aと取付基部11aに一体成形されドア1の閉時に中空シール部10bと同様にボディパネル5に弾接する断面略舌状のシールリップ部11bを有している。
さらに、フレーム本体部2a,3aの車外側で、延設部2c,3cのドア1の内周側にはグラスラン12が取付けられている。グラスラン12は、断面略コ字形状の取付基部12aと取付基部12の両端からそれぞれ内方に向けて突出して、昇降するドアガラス6に車外側及び車内側から摺接する車外側リップ部12bと車内側リップ部12cを有している。
【0004】
このようなサッシュ付きの自動車用ドア構造では、通常、コーナー部Xにおいて突き合わされたルーフ側サッシュ2とピラー側サッシュ3の部位に溶接加工(溶接部T1)が施され、ルーフ側サッシュ2とピラー側サッシュ3が、図10に示すように鋭角の角度(θ)で交わりコーナー部Xはエッジ形状になっている。
そのため、両サッシュ2,3に取付けられるドアウェザーストリップ10は、図11及び図12で示したようにルーフ側及びピラー側では押出成形され、同一の断面形状を有するものに設定されるが、コーナー部Xではエッジ形状になっているので、図13で示したように押出成形された2本のドアウェザーストリップ10(10Y,10Y)を型成形されたドアウェザーストリップ10(10Z)で接続する必要がある。
【0005】
これに対して、コーナー部Xに円弧状の湾曲部が形成されたシームレスのフレームを採用することによって一定断面のウェザーストリップを使用したものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−273343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された構造によれば、シームレスのフレーム(20)の他に、アッパ側意匠部材(21),立柱側意匠部材(22)といった別部材が必要になり、さらに、立柱側意匠部材(22)は、立柱メイン部材(23)と立柱サブ部材(24)が組合わされたものであるので、部品点数が多く、これらの部材を精度よく重ね合わせなければならないので一体化させる作業が煩雑になるといった問題があり、コストも高くつく。
しかも、アッパ側意匠部材(21)及び立柱メイン部材(23)については部分的に切除する必要があるので加工が複雑になる。
また、アッパ側意匠部材(21)と立柱メイン部材(23)とは、立柱メイン部材(23)の溝底面部(21f)をアッパ側意匠部材(21)の上側支持面(23f)に重ねるようにして固定されるので、従来のように、溶接によって固定するものと比較して強度的に劣るといった問題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、作業性が容易でコストの低廉を図れるとともに強度的にも優れ、しかもドアウェザーストリップのコーナー部において金型成形部を廃止しうる自動車用ドア構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る自動車用ドア構造は、ドア(1)上縁部を形成するルーフ側サッシュ(22)とドア(1)の上下方向に延びるピラー側サッシュ(23)がコーナー部(X)で突き合わされ、両サッシュ(22,23)の車内側には、ボディパネル(5)側に弾接して車内外をシールするドアウェザーストリップ(30)が嵌め込まれる嵌合凹部(22b,23b)が形成されるとともに、前記嵌合凹部(22b,23b)から車外側に向けて延びる延設部(22c,23c)が形成された自動車用ドア構造であって、
前記コーナー部(X)では、前記両サッシュ(22,23)に形成された嵌合凹部(22b,23b)を延設部(22c,23c)からそれぞれ部分的に切り離してそれぞれドア(1)内周側に向けて湾曲させ、前記嵌合凹部(22b,23b)の端部同士を接合して繋げるとともに、前記両サッシュ(22,23)に形成されコーナー部(X)側にそれぞれ延びる延設部(22c,23c)の端部同士を接合して繋げて、少なくともドア(1)上縁部側からコーナー部(X)を経てピラー側に渡るまで一連一体的に押出成形された前記ドアウェザーストリップ(30)を取付け可能にしたことを特徴とする。
【0010】
また請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記両サッシュ(22,23)に形成された嵌合凹部(22b,23b)を延設部(22c,23c)からそれぞれ部分的に切り離すときには、前記嵌合凹部(22b,23b)側に前記延設部(22c,23c)の一部(22c’,23c’)を残して切り離し、前記湾曲させた後には、前記嵌合凹部(22b,23b)に加え前記延設部(22c,23c)の一部(22c’,23c’)の端部同士も接合して繋げることを特徴とする。
【0011】
さらに請求項3に係る発明は、ドア(1)上縁部を形成するルーフ側サッシュ(22)とドア(1)の上下方向に延びるピラー側サッシュ(23)がコーナー部(X)で突き合わされ、両サッシュ(22,23)の車内側には、ボディパネル(5)側に弾接して車内外をシールするドアウェザーストリップ(30)が嵌め込まれる嵌合凹部(22b,23b)が形成されるとともに、前記嵌合凹部(22b,23b)から車外側に向けて延びる延設部(22c,23c)が形成された自動車用ドア構造であって、
前記コーナー部(X)では、前記両サッシュ(22,23)のうちいずれか一方のサッシュ(23)に形成された嵌合凹部(23b)を延設部(23c)から部分的に切り離してドア(1)内周側に向けて湾曲させ、前記両サッシュ(22,23)の他方のサッシュ(22)に形成された嵌合凹部(22b)を延設部(22c)から所定距離(L)分切除し、前記一方のサッシュ(23)の湾曲させた嵌合凹部(23b)の端部を、前記他方のサッシュ(22)に残った嵌合凹部(22b)の端部に接合して繋げるとともに、前記両サッシュ(22,23)に形成されコーナー部(X)側にそれぞれ延びる延設部(22c,23c)の端部同士を接合して繋げて、少なくともドア(1)上縁部側からコーナー部(X)を経てピラー側に渡るまで一連一体的に押出成形された前記ドアウェザーストリップ(30)を取付け可能にしたことを特徴とする。
【0012】
また請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、前記一方のサッシュ(23)に形成された嵌合凹部(23b)を延設部(23c)から部分的に切り離すときには、前記嵌合凹部(23b)側に前記延設部(23c)の一部(23c’)を残して切り離し、前記他方のサッシュ(22)に形成された嵌合凹部(22b)を延設部(22c)から所定距離(L)分切除するときには、嵌合凹部(22b)と延設部(22c)との境界線より延設部(22c)側に前記延設部(23c)の一部(23c’)の量だけ寄った位置で切除し、前記湾曲させた後には、前記一方のサッシュ(23)に形成された嵌合凹部(23b)に加え前記延設部(23c)の一部(23c’)の端部を、前記他方のサッシュ(22)に残った嵌合凹部(22b)とそれに残った延設部(22c)の部分(22c’)の端部に接合して繋げることを特徴とする。
【0013】
また請求項5に係る発明は、請求項1乃至4に係る発明において、前記ドア(1)上縁部側からコーナー部(X)を経てピラー側に渡るまで一連一体的に押出成形された前記ドアウェザーストリップ(30)を取付けるとともに、前記コーナー部(X)で繋げられた前記嵌合凹部(22b,23b)側と前記延設部(22c,23c)側の間に生じる隙間(S)を埋める被覆片(31c)を有し、前記ドアウェザーストリップ(30)とともにボディパネル(5)側に弾接して車内外をシールするシール部(31)を設けてなることを特徴とする。
【0014】
また請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、前記シール部(31)が有する被覆片(31c)の前記嵌合凹部(22b,23b)側先端には、前記切り離された嵌合凹部(22b,23b)の部位、または前記嵌合凹部(22b,23b)側に残された延設部(22c,23c)の一部(22c’,23c’)を挟み込む車外側リップ(31d)と組付け突起(31e)が設けられ、組付け突起(31e)のさらに車内側には、嵌合凹部(22b,23b)側に当接する車内側リップ(31f)が設けられていることを特徴とする。
すなわち、請求項1及び請求項3に係る発明のように、嵌合凹部を延設部から特に延設部の一部を残すことなく切り離すときには、車外側リップ(31d)と組付け突起(31e)は、切り離された嵌合凹部の部位を挟み込み、請求項2及び請求項4に係る発明のように、嵌合凹部を延設部から延設部の一部を残して切り離すときには、車外側リップ(31d)と組付け突起(31e)は、切り離しにより嵌合凹部側に残された延設部の一部を挟み込む。
【0015】
なお、括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明によれば、嵌合凹部,延設部が形成されたルーフ側サッシュとピラー側サッシュが突き合わされる自動車用ドアのコーナー部において、両サッシュに形成された嵌合凹部を延設部からそれぞれ部分的に切り離してそれぞれドア内周側に向けて湾曲させ端部同士を、例えば溶接や接着剤による接着によって接合して繋げて、嵌合凹部に、ドア上縁部側からコーナー部を経てピラー側に渡るまで一連一体的に押出成形されたドアウェザーストリップを取付けられるようにしたので、2本の押出成形されたドアウェザーストリップをコーナー部で型成形接続する必要はない。
よって、ドアウェサーストリップのコーナー部において金型成形部を廃止することができるのでコストの低廉を図れる。また、ドア上縁部側からコーナー部を経てピラー側に渡るまで、継ぎ目の無い押出成形された1本のドアウェザーストリップでドアとボディパネルの間をシールすることができるので優れたシール機能が得られる。
【0017】
また、1本のドアウェザーストリップをコーナー部でも取付けられるように形成された嵌合凹部は、両サッシュに形成された嵌合凹部を延設部からそれぞれ部分的に切り離してそれぞれドア内周側に向けて湾曲させ端部同士を接合して繋げるといった作業でよいので、従来例で示したようにサッシュを切除する必要はなく、特に部品点数が増加するものでもない。また、サッシュを重ね合わせたりするために寸法を精度よく設定する必要もない。
【0018】
さらに、コーナー部では湾曲された嵌合凹部の端部同士を接合して繋げることに加えて、両サッシュに形成されコーナー部側にそれぞれ延びる延設部の端部同士についても接合で繋げるので、これらの接合をいずれも溶接によって、あるいは接着剤による接着によって処理するようにすれば、従来例で示したように両サッシュを溶接することなく重ね合わせて固定するものと比較して強度的に優れる。
また、コーナー部で嵌合凹部をドア内周側に湾曲させて繋げることで嵌合凹部と延設部の間には隙間が生じるのでその分、サッシュの材量(例えば鋼材量)が抑えられ、サッシュの軽量化が図れる。
【0019】
また請求項2に係る発明によれば、両サッシュに形成された嵌合凹部を延設部からそれぞれ部分的に切り離すときには、嵌合凹部側に延設部の一部を残して切り離し、湾曲させた後には、嵌合凹部に加え延設部の一部の端部同士も接合して繋げるので、延設部の一部の長さ分だけ、溶接や接着による接合処理領域が延び、接合強度が向上する。
【0020】
さらに請求項3に係る発明によれば、1本のドアウェザーストリップをコーナー部でも取付けられるように形成された嵌合凹部を、ルーフ側サッシュ及びピラー側サッシュのうちいずれか一方のサッシュに形成された嵌合凹部を延設部から部分的に切り離してドア内周側に向けて湾曲させ、他方のサッシュに形成された嵌合凹部を延設部から所定距離分切除し、嵌合凹部の端部同士を接合して繋げるようにしたので、請求項1に係る発明と同様に、金型成形部を廃止することができるとともに優れたシール機能が得られる。
特に、請求項3に係る発明によれば、請求項1に係る発明と異なり、他方のサッシュ側の嵌合凹部を切除する加工が必要となるが、ドア内周側に向けて湾曲させる加工は、一方のサッシュ側だけであるので加工作業を短時間で行うことができる。なお、他方のサッシュ側の切除については、嵌合凹部を延設部から所定距離分切除するものであるので作業は単純で容易である。
【0021】
また請求項4に係る発明によれば、一方のサッシュに形成された嵌合凹部を延設部から部分的に切り離すときには、嵌合凹部側に延設部の一部を残して切り離し、他方のサッシュに形成された嵌合凹部を延設部から所定距離分切除するときには、嵌合凹部と延設部との境界線より延設部側に前記延設部の一部の量だけ寄った位置で切除し、湾曲させた後には、一方のサッシュに形成された嵌合凹部に加え延設部の一部の端部を、他方のサッシュに残った嵌合凹部とそれに残った延設部の部分の端部に接合して繋げるので、延設部の一部の長さ分だけ、溶接や接着による接合処理領域が延び、接合強度が向上する。
【0022】
また請求項5に係る発明によれば、請求項1乃至4に係る発明の作用効果に加えて、ドア上縁部側からコーナー部を経てピラー側に渡るまで一連一体的に押出成形されたドアウェザーストリップを取付けるとともに別のシール部を設けたので一層シール機能に優れた自動車用ドア構造が提供される。しかもシール部は、コーナー部で繋げられた嵌合凹部側と延設部側の間に生じる隙間を埋める被覆片を有するので、外観上見栄えがよい。
【0023】
また請求項6に係る発明によれば、請求項5に係る発明の作用効果に加えて、被覆片の先端に、切り離された嵌合凹部の部位、または嵌合凹部側に残された延設部の一部を挟み込む車外側リップと組付け突起を設け、組付け突起のさらに車内側には、嵌合凹部側に当接する車内側リップを設けたので、嵌合凹部側に対するシール部の組み付け強度を向上させることができるとともに、切り離された部位がきれいに覆い隠され見栄えが良い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態に係る自動車用ドア構造の加工工程を示す外観側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る自動車用ドア構造でドアウェザーストリップ,サブシール部及びグラスランが取付けられた状態を示す、図1のC−C線拡大断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る自動車用ドア構造でドアウェザーストリップ,サブシール部及びグラスランが取付けられた状態を示す、図1のD−D線拡大断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る自動車用ドア構造でドアウェザーストリップ,サブシール部及びグラスランが取付けられた状態を示す、図1のE−E線拡大断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る自動車用ドア構造に取付けられるサブシール部のコーナー部周りの構成を示す外観斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る自動車用ドア構造の加工工程を示す外観側面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る自動車用ドア構造の加工工程を示す外観側面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る自動車用ドア構造でドアウェザーストリップ,サブシール部及びグラスランが取付けられた状態を示す、図7のF−F線拡大断面図である。
【図9】自動車を示す外観側面図である。
【図10】図9に示すX部周りのサッシュの構成を示す拡大側面図である。
【図11】従来例に係る自動車用ドア構造でドアウェザーストリップ,サブシール部及びグラスランが取付けられた状態を示す、図10のA−A線拡大断面図である。
【図12】従来例に係る自動車用ドア構造でドアウェザーストリップ,サブシール部及びグラスランが取付けられた状態を示す、図10のB−B線拡大断面図である。
【図13】従来例に係る自動車用ドア構造に取付けられるドアウェザーストリップのコーナー部周りの構成を示す外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る自動車用ドア構造について、図1乃至図5及び図9を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車用ドア構造の加工工程を示す外観側面図であり、図2乃至図4は、それぞれ図1のC−C,D−D,E−E線の拡大断面を示す。従来例と同一部分には同一符号を付した。
【0026】
本発明の第1実施形態に係る自動車用ドア構造は、ドア1の上縁部を形成するように略水平方向に延びるルーフ側サッシュ22とドア1の上下方向に延びるピラー側サッシュ23が、図9に示すように、コーナー部Xで突き合わされて溶接によって(これにかえて接着剤による接着、あるいは溶接と接着剤による接着を併用してもよい)接合されるものである。
【0027】
ルーフ側サッシュ22は、図2に示すように、中空断面で袋状にされ、ドア1を閉じたときに車内側に位置するように形成されたフレーム本体部22aと、フレーム本体部22aのドア外周側(上方側)に形成された嵌合凹部22bと、嵌合凹部22bから車外側に向けて延びるように形成された延設部22cと、延設部22cの外縁に形成された意匠面部22dを備えている。
また、ピラー側サッシュ23は、ルーフ側サッシュ22と同様に、図3に示すように、中空断面で袋状にされ、ドア1を閉じたときに車内側に位置するように形成されたフレーム本体部23aと、フレーム本体部23aのドア外周側(後方側)に形成された嵌合凹部23bと、嵌合凹部23bから車外側に向けて延びるように形成された延設部23cと、延設部23cの外縁に形成された意匠面部23dを備えている。
ルーフ側サッシュ22およびピラー側サッシュ23は通常、ロール成形または押出成形される。これらルーフ側サッシュ22およびピラー側サッシュ23は、一体部材に成形した後に、分割(切断)して形成しても良い。
【0028】
両サッシュ22,23に形成されたフレーム本体部22a,23aは、袋状部がドア1の内周側に突出するように設けられている。また、嵌合凹部22b,23bは、断面略C字形状でその開口部はドア1の外周側に向かって形成されている。また、延設部22c,23cは、フレーム本体部22a,23aの車外側端部からさらに車外側に延びる直線部と、嵌合凹部22b,23bの車外側端部からさらに車外側に延びる直線部と、意匠面部22d,23dで折り返されて車内側に延びる直線部とが3本重ね合わされてなるものである。また、意匠面部22d,23dは、延設部22c,23cが延びる車内側から車外側に略直角に、すなわちドア1の内周側から外周側に延びる方向にフランジ状に形成されている。
【0029】
そして、ドア1のコーナー部Xにおけるルーフ側サッシュ22とピラー側サッシュ23は以下に示すような手順で接合される。
まず、ドア1のコーナー部Xに配置予定のルーフ側サッシュ22とピラー側サッシュ23に形成されたフレーム本体部22a,23a及び嵌合凹部22b,23bを延設部22c,23cからそれぞれ所定の距離R分程、端部から部分的にカッターで切り離す。
【0030】
次に、図1の上側に示すように、延設部22c,23cから切り離されたフレーム本体部22a,23a及び嵌合凹部22b,23bだけをそれぞれドア1の内周側に向けて湾曲させる。すなわち、延設部22cから下方側に切り離されたルーフ側サッシュ22のフレーム本体部22a及び嵌合凹部22bは、ドア1の内周側(図1の左下側)に向けて、ストレッチベンダー加工を施すことにより滑らかに湾曲させられ、また延設部23cから前方側に切り離されたピラー側サッシュ23のフレーム本体部23a及び嵌合凹部23bは、ドア1の内周側(図1の左下側)に向けてストレッチベンダー加工を施すことにより滑らかに湾曲させられる。
【0031】
そして、図1の下側に示すように、湾曲させたフレーム本体部22a,23a及び嵌合凹部22b,23bの端部同士を溶接(溶接部T2)して繋げる。また、ルーフ側サッシュ22とピラー側サッシュ23に形成されコーナー部X側にそれぞれ延びる延設部22c,23c及び意匠面部22d,23dの端部同士も溶接(溶接部T3)して繋げる。なお、延設部22c,23c及び意匠面部22d,23dについては端部同士が上手く突き合わせられるように端部に加工処理が施される。ここでは、ルーフ側サッシュ22側の延設部22cと意匠面部22dの端部と、ピラー側サッシュ23側の延設部23cと意匠面部23dの端部を斜めにカットし斜面同士を当接させるようにしているが、従来例で示した図10のように、ルーフ側サッシュ22側の延設部22cと意匠面部22dの後端面を、ピラー側サッシュ23側の延設部23cと意匠面部23dの端部の前面、あるいは逆に、ピラー側サッシュ23側の延設部23cと意匠面部23dの上端面を、ルーフ側サッシュ22側の延設部22cと意匠面部22dの端部の下面に当接するように延設部22c,23c及び意匠面部22d,23dの端部に加工処理を施すようにしてもよい。
【0032】
なお、コーナー部Xにおいて溶接により接合されたフレーム本体部22a,23a及び嵌合凹部22b,23bの湾曲の度合いは、ドア上縁部側からコーナー部Xを経てピラー側に渡るまで一連一体的に押出成形されたドアウェザーストリップ30のシール機能を十分発揮しうる程度に滑らかにされ、コーナー部Xにおいてドアウェザーストリップ30の中空シール部30bに皺やヒケが生じないようにしている。
また、ドア1のコーナー部Xに配置予定のルーフ側サッシュ22とピラー側サッシュ23に形成されたフレーム本体部22a,23a及び嵌合凹部22b,23bが延設部22c,23cから切り離される所定の距離R分とは、両サッシュ22,23の延設部22c,23cから切り離されたフレーム本体部22a,23a及び嵌合凹部22b,23bを湾曲させて端部同士を溶接した場合に、コーナー部X側に延びる延設部22c,23c及び意匠面部22d,23dが互いに接して溶接しうる程度の距離のことを示している。
【0033】
そして、図2乃至図4に示すように、実際に、ドア上縁部側からコーナー部Xを経てピラー側に渡るまで一連一体的に押出成形されたドアウェザーストリップ30を嵌合凹部22b,23bに取付けたときには、取付基部30aとそれに一体成形された中空シール部30bからなるドアウェザーストリップ30の断面形状は同一である。
ドアウェザーストリップ30は、嵌合凹部22b,23bに嵌め込まれる取付基部30aと取付基部30aに一体成形されドア1の閉時にボディパネル5に弾接して車内外をシールする中空シール部30bを有している。
【0034】
また、意匠面部22d,23dから延設部22c,23cのドア1の外周側にはサブシール部31が取付けられている。サブシール部31は、意匠面部22d,23dに係止されるともに、ドア1の外周側に露出した延設部22c,23cの部位を覆い隠す取付基部31aと取付基部31aに一体成形されドア1の閉時に中空シール部30bと同様にボディパネル5に弾接して車内外をシールする断面略舌状のシールリップ部31bを有している。またサブシール部31は、コーナー部Xで繋げられた嵌合凹部22b,23bと延設部22c,23cの間に生じる隙間Sを埋めて外観上見栄えをよくする被覆片31cを有している。また、コーナー部Xにおいて、サブシール部31の被覆片31cの先端には、カッターで延設部22c,23cが切り離された嵌合凹部22b,23bの部位を挟み込む車外側リップ31dと組付け突起31eが設けられ、組付け突起31eのさらに車内側には、嵌合凹部22b,23bの車外側端部から車外側に延びる直線部に当接する車内側リップ31fが設けられている。
さらに、フレーム本体部22a,23aの車外側で、延設部22c,23cのドア1の内周側にはグラスラン12が取付けられている。グラスラン12は、断面略コ字形状の取付基部12aと取付基部12の両端からそれぞれ内方に向けて突出して、昇降するドアガラス6に車外側及び車内側から摺接する車外側リップ部12bと車内側リップ部12cを有している。コーナー部Xでは、図4に示すように、グラスラン12の車内側リップ部12cの付け根が、フレーム本体部22a,23aに達するように、取付基部12aの車内側の側壁及び車内側リップ部12cが車内側に広がり、グラスラン12の取付基部12aが断面略コ字形状から変化している。そして、グラスラン12は、サブシール部31の車外側の部位とフレーム本体部22a,23aとの間に挟み込まれるようにして固定されている。
【0035】
以上のように構成された第1実施形態に記載の自動車用ドア構造によれば、ルーフ側サッシュ22とピラー側サッシュ23が突き合わされる自動車用ドア1のコーナー部Xにおいて、両サッシュ22,23に形成されたフレーム本体部22a,23a及び嵌合凹部22b,23bを延設部22c,23cからそれぞれ部分的に切り離してそれぞれドア内周側に向けて湾曲させ端部同士を溶接して繋げて、嵌合凹部22b,23bに、ドア上縁部側からコーナー部Xを経てピラー側に渡るまで一連一体的に押出成形されたドアウェザーストリップ30を取付けられるようにしたので、コーナー部Xで型成形接続するための金型成形部を廃止することができ、コストの低廉を図れる。また、ドア上縁部側からコーナー部Xを経てピラー側に渡るまで、継ぎ目の無い押出成形された1本のドアウェザーストリップ30でドア1とボディパネル5の間をシールすることができるので優れたシール機能が得られる。
【0036】
また、コーナー部Xに形成された両サッシュ22,23のフレーム本体部22a,23a及び嵌合凹部22b,23bは、両サッシュ22,23に形成された嵌合凹部22b,23bを延設部22c,23cからそれぞれ部分的に切り離した後、それぞれドア内周側に向けて湾曲させて端部同士を溶接して繋げるといった作業で形成されるので、サッシュを部分的に切除したり、特に部品点数が増加するものでもない。
【0037】
さらに、コーナー部Xでは湾曲されたフレーム本体部22a,23a及び嵌合凹部22b,23bの端部同士を溶接して繋げることに加えて、両サッシュ22,23に形成されコーナー部X側にそれぞれ延びる延設部22c,23c及び意匠面部22d,23dの端部同士についても溶接で繋げるので強度的に優れる。
また、コーナー部Xでフレーム本体部22a,23a及び嵌合凹部22b,23bをドア内周側に湾曲させて繋げることで嵌合凹部22b,23bと延設部22c,23cの間には隙間Sが生じるのでその分、サッシュ22,23の材量(例えば鋼材量)が抑えられ、サッシュ22,23の軽量化が図れる。
【0038】
また、コーナー部Xにおいて、サブシール部31の被覆片31cの先端には、切り離された嵌合凹部22b,23bの部位を挟み込む車外側リップ31dと組付け突起31eを設け、組付け突起31eのさらに車内側には、嵌合凹部22b,23b側に当接する車内側リップ31fを設けたので、嵌合凹部22b,23b側に対するサブシール部31の組み付け強度を向上させることができるとともに、切り離された嵌合凹部22b,23bの部位がきれいに覆い隠され見栄えが良い。
【0039】
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態に係る自動車用ドア構造について、図6を参照して説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係る自動車用ドア構造の加工工程を示す外観側面図である。
本発明の第1実施形態に係る自動車用ドア構造では、コーナー部Xにおけるフレーム本体部22a,23a及び嵌合凹部22b,23bを、両サッシュ22,23の延設部22c,23cの端部から部分的にカッターで切り離してからストレッチベンダー加工を施し湾曲させて溶接したが、本発明の第2実施形態に係る自動車用ドア構造は、図6に示すように、両サッシュ22,23のうちいずれか一方のサッシュ側、ここではピラー側サッシュ23に形成されたフレーム本体部23a及び嵌合凹部23bを延設部23cから部分的にカッターで切り離した後に、ストレッチベンダー加工を施しドア内周側に向けて湾曲させたものである。
【0040】
また、他方のサッシュ側、ここではルーフ側サッシュ22に形成されたフレーム本体部22a及び嵌合凹部22bを延設部22cからカッターで所定距離L分切除(切除部V)しておく。
そして、ピラー側サッシュ23の湾曲させたフレーム本体部23a及び嵌合凹部23bの端部を、ルーフ側サッシュ22側に残ったフレーム本体部22a及び嵌合凹部22bの端部に溶接(溶接部T4)して繋げるとともに、両サッシュ22,23に形成されコーナー部X側にそれぞれ延びる延設部22c,23c及び意匠面部22d,23dの端部同士を溶接(溶接部T5)して繋げたものである。
【0041】
これによれば、ルーフ側サッシュ22のフレーム本体部22a及び嵌合凹部22bを切除しておく加工が必要となるが、ドア内周側に向けて湾曲させる加工は、ピラー側サッシュ23側だけであるので加工作業を短時間で行うことができる。なお、ルーフ側サッシュ22の切除については、フレーム本体部22a及び嵌合凹部22bを延設部22cから所定距離L分切除するものであるので作業は単純で容易である。
【0042】
また、この第2実施形態では、ピラー側サッシュ23の一部を湾曲させたが、逆にルーフ側サッシュ22側を湾曲させ、ピラー側サッシュ23の一部を切除しておいて繋げるようにしてもよい。
【0043】
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態に係る自動車用ドア構造について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、本発明の第3実施形態に係る自動車用ドア構造の加工工程を示す外観側面図であり、図8は、図7のF−F線拡大断面図である。
本発明の第1実施形態に係る自動車用ドア構造では、コーナー部Xにおけるフレーム本体部22a,23a及び嵌合凹部22b,23bを、両サッシュ22,23の延設部22c,23cの端部から部分的に、嵌合凹部22b,23bと延設部22c,23cの境界線においてカッターで切り離したものであるが、本発明の第3実施形態に係る自動車用ドア構造は、図7に示すように、嵌合凹部22b,23bと延設部22c,23cとの境界線より延設部22c,23c側に寄った位置で切り離すようにしたものである。
つまり、嵌合凹部22b,23b側に延設部22c,23cの一部22c’,23c’を残した状態で切り離し、湾曲させた後には、嵌合凹部22b,23bの端部同士に加え嵌合凹部22b,23b側に残された延設部22c,23cの一部22c’,23c’の端部同士も溶接(溶接部T6)して繋げるようにした。また、ルーフ側サッシュ22とピラー側サッシュ23に形成されコーナー部X側にそれぞれ延びる延設部22c,23c及び意匠面部22d,23dの端部同士も溶接(溶接部T7)して繋げる。
また、コーナー部Xにおいて、サブシール部31の被覆片31cの先端に設けられた車外側リップ31dと組付け突起31eは、嵌合凹部22b,23b側に残された延設部22c,23cの一部22c’,23c’を挟み込み、特に組付け突起31eは、意匠面部22d,23dで折り返されて車内側に延びる直線部の端部に係止するように組付いている。また、組付け突起31eの車内側に設けられた車内側リップ31fは、嵌合凹部22b,23bの車外側端部から車外側に延びる直線部に当接している。
【0044】
これによれば、嵌合凹部22b,23b側に延設部22c,23cの一部22c’,23c’を残して切り離し、湾曲させた後には、嵌合凹部22b,23bに加え延設部22c,23cの一部22c’,23c’の端部同士も接合して繋げるので、延設部22c,23cの一部22c’,23c’の長さ分だけ、溶接による接合処理領域(溶接代)が延び、接合強度が向上する。また、残された延設部22c,23cの一部22c’,23c’は、前記のとおりフレーム本体部22a,23aから車外側へ延びる直線部と、嵌合凹部22b,23bから車外側に延びる直線部と、意匠面部22d,23dで折り返されて車内側に延びる直線部の3本重ねが溶接等により接合されているため、切り離されても強度が高い。
また、延設部22c,23cの一部22c’,23c’は車外側に向けて突出するので、サブシール部31の車内側を係止させることができ、サブシール部31を安定して取付けることができる。
【0045】
また、コーナー部Xにおいて、サブシール部31の被覆片31cの先端には、切り離しにより嵌合凹部側に残された延設部22c,23cの一部22c’,23c’を挟み込む車外側リップ31dと組付け突起31eを設け、組付け突起31eのさらに車内側には、嵌合凹部22b,23b側に当接する車内側リップ31fを設けたので、嵌合凹部22b,23b側に対するサブシール部31の組み付け強度を向上させることができるとともに、切り離された延設部22c,23cの一部22c’,23c’がきれいに覆い隠され見栄えが良い。特に組付け突起31eは、意匠面部22d,23dで折り返されて車内側に延びる直線部の端部に係止するように組付いているのでその組み付け強度は十分に大きい。
【0046】
また、嵌合凹部22b,23b側に延設部22c,23cの一部22c’,23c’を残して切り離し、湾曲後、嵌合凹部22b,23bに加え延設部22c,23cの一部22c’,23c’の端部同士も接合して繋げることは、本発明の第2実施形態に係る自動車用ドア構造においても適用可能である。
すなわち、ピラー側サッシュ23に形成された嵌合凹部23bを延設部23cから部分的に切り離すときには、嵌合凹部23b側に延設部23cの一部23c’を残して切り離し、ルーフ側サッシュ22に形成された嵌合凹部22bを延設部22cから所定距離L分切除するときには、嵌合凹部22bと延設部22cとの境界線より延設部22c側に延設部23cの一部23c’の量だけ寄った位置で切除し、湾曲させた後には、ピラー側サッシュ23に形成された嵌合凹部23bに加え延設部23cの一部23c’の端部を、ルーフ側サッシュ22に残った嵌合凹部22bとそれに残った延設部22cの部分22c’の端部に接合して繋げるようにしてもよい。
そして、コーナー部Xで繋げられた嵌合凹部23b側と延設部23c側の間に生じる隙間Sを埋める被覆片31cを有し、ドアウェザーストリップ30とともにボディパネル5側に弾接して車内外をシールするサブシール部31を設けたり、サブシール部31が有する被覆片31cの嵌合凹部23b側先端には、切り離しにより嵌合凹部23b側に残された延設部23cの一部23c’を挟み込む車外側リップ31dと組付け突起31eを設け、組付け突起31eのさらに車内側に、嵌合凹部23b側に当接する車内側リップ31fを設けるようにしてもよい。
【0047】
なお、本発明の第1実施形態では、両サッシュ22,23からフレーム本体部22a,23a及び嵌合凹部22b,23bを延設部22c,23cから同程度、すなわち、所定の距離R分、切り離すようにし、第2実施形態では、一方のサッシュ23側のフレーム本体部23a及び嵌合凹部23bを延設部23cから切り離すようにしたが、これらの中間、つまり、ルーフ側サッシュ22からフレーム本体部22a及び嵌合凹部22bを延設部22cから切り離す距離と、ピラー側サッシュ23からフレーム本体部23a及び嵌合凹部23bを延設部23cから切り離す距離とを異なるようにしてもよい。この場合には、コーナー部X側に延びる延設部22c,23c及び意匠面部22d,23dを互いに接して溶接可能にするには、いずれか一方のサッシュ側の湾曲させられた嵌合凹部を部分的に切除する必要があるが、湾曲させられた嵌合凹部を部分的に切除する加工は容易に行える。
また、本発明の第1及び第2実施形態では、コーナー部Xにおいて溶接されたフレーム本体部22a,23a及び嵌合凹部22b,23bのドア外周側では、コーナー部X側に延びる延設部22c,23c及び意匠面部22d,23dを溶接するようにしたが、延設部22c,23c側については切除して意匠面部22d,23dだけを溶接することもできる。
【符号の説明】
【0048】
1 ドア
2 ルーフ側サッシュ
2a フレーム本体部
2b 嵌合凹部
2c 延設部
2d 意匠面部
3 ピラー側サッシュ
3a フレーム本体部
3b 嵌合凹部
3c 延設部
3d 意匠面部
5 ボディパネル
6 ドアガラス
10 ドアウェザーストリップ
10a 取付基部
10b 中空シール部
10Y ドアウェザーストリップの押出成形部
10Z ドアウェザーストリップの型成形部
11 サブシール部
11a 取付基部
11b シールリップ部
12 グラスラン
12a 取付基部
12b 車外側リップ部
12c 車内側リップ部
22 ルーフ側サッシュ
22a フレーム本体部
22b 嵌合凹部
22c 延設部
22c’ 延設部の一部
22d 意匠面部
23 ピラー側サッシュ
23a フレーム本体部
23b 嵌合凹部
23c 延設部
23c’ 延設部の一部
23d 意匠面部
30 ドアウェザーストリップ
30a 取付基部
30b 中空シール部
31 サブシール部
31a 取付基部
31b シールリップ部
31c 被覆片
31d 車外側リップ
31e 組付け突起
31f 車内側リップ
S 隙間
T1〜T7 溶接部
V 切除部
X コーナー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア上縁部を形成するルーフ側サッシュとドアの上下方向に延びるピラー側サッシュがコーナー部で突き合わされ、両サッシュの車内側には、ボディパネル側に弾接して車内外をシールするドアウェザーストリップが嵌め込まれる嵌合凹部が形成されるとともに、前記嵌合凹部から車外側に向けて延びる延設部が形成された自動車用ドア構造であって、
前記コーナー部では、前記両サッシュに形成された嵌合凹部を延設部からそれぞれ部分的に切り離してそれぞれドア内周側に向けて湾曲させ、前記嵌合凹部の端部同士を接合して繋げるとともに、前記両サッシュに形成されコーナー部側にそれぞれ延びる延設部の端部同士を接合して繋げて、少なくともドア上縁部側からコーナー部を経てピラー側に渡るまで一連一体的に押出成形された前記ドアウェザーストリップを取付け可能にしたことを特徴とする自動車用ドア構造。
【請求項2】
前記両サッシュに形成された嵌合凹部を延設部からそれぞれ部分的に切り離すときには、前記嵌合凹部側に前記延設部の一部を残して切り離し、前記湾曲させた後には、前記嵌合凹部に加え前記延設部の一部の端部同士も接合して繋げることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ドア構造。
【請求項3】
ドア上縁部を形成するルーフ側サッシュとドアの上下方向に延びるピラー側サッシュがコーナー部で突き合わされ、両サッシュの車内側には、ボディパネル側に弾接して車内外をシールするドアウェザーストリップが嵌め込まれる嵌合凹部が形成されるとともに、前記嵌合凹部から車外側に向けて延びる延設部が形成された自動車用ドア構造であって、
前記コーナー部では、前記両サッシュのうちいずれか一方のサッシュに形成された嵌合凹部を延設部から部分的に切り離してドア内周側に向けて湾曲させ、前記両サッシュの他方のサッシュに形成された嵌合凹部を延設部から所定距離分切除し、前記一方のサッシュの湾曲させた嵌合凹部の端部を、前記他方のサッシュに残った嵌合凹部の端部に接合して繋げるとともに、前記両サッシュに形成されコーナー部側にそれぞれ延びる延設部の端部同士を接合して繋げて、少なくともドア上縁部側からコーナー部を経てピラー側に渡るまで一連一体的に押出成形された前記ドアウェザーストリップを取付け可能にしたことを特徴とする自動車用ドア構造。
【請求項4】
前記一方のサッシュに形成された嵌合凹部を延設部から部分的に切り離すときには、前記嵌合凹部側に前記延設部の一部を残して切り離し、前記他方のサッシュに形成された嵌合凹部を延設部から所定距離分切除するときには、嵌合凹部と延設部との境界線より延設部側に前記延設部の一部の量だけ寄った位置で切除し、前記湾曲させた後には、前記一方のサッシュに形成された嵌合凹部に加え前記延設部の一部の端部を、前記他方のサッシュに残った嵌合凹部とそれに残った延設部の部分の端部に接合して繋げることを特徴とする請求項3に記載の自動車用ドア構造。
【請求項5】
前記ドア上縁部側からコーナー部を経てピラー側に渡るまで一連一体的に押出成形されたドアウェザーストリップを取付けるとともに、前記コーナー部で繋げられた前記嵌合凹部側と前記延設部側の間に生じる隙間を埋める被覆片を有し、前記ドアウェザーストリップとともにボディパネル側に弾接して車内外をシールするシール部を設けてなることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の自動車用ドア構造。
【請求項6】
前記シール部が有する被覆片の前記嵌合凹部側先端には、前記切り離された嵌合凹部の部位、または前記嵌合凹部側に残された延設部の一部を挟み込む車外側リップと組付け突起が設けられ、組付け突起のさらに車内側には、嵌合凹部側に当接する車内側リップが設けられていることを特徴とする請求項5に記載の自動車用ドア構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−32076(P2013−32076A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168533(P2011−168533)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000196107)西川ゴム工業株式会社 (454)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】