説明

自動車用成形天井材及びその製造方法

【課題】本発明は、ガラス繊維を使用しなくても長期にわたって優れた形状保持性を有し、かつ軽量でしかも低コストの自動車用成形天井材、及び熱プレス成形による曲面付与が可能である前記天井材の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】少なくとも表皮材43、ペーパーハニカムコア20、半硬質もしくは硬質ポリウレタンフォーム42の3要素を有する自動車用成形天井材であって、天井材基材41として前記ポリウレタンフォーム層の中に前記ペーパーハニカムコア20が一体発泡成形によって含有されており、かつ熱プレス成形してなる曲面部を有することを特徴とする自動車用成形天井材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用成形天井材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の内装用天井材として、半硬質あるいは硬質ポリウレタンフォームを天井材の基材とする成形天井材が、軽量性や吸音性に優れているという理由から多く使われている。この自動車用成形天井材として、最も求められる性能は形状保持性であり、夏場は90℃近く、冬場は−40℃前後になるような場合においても、長年にわたり同一の形状を保つことを第一に要求される。
【0003】
ここで、従来の汎用の自動車用成形天井材としては、例えば図17に示す構成のものが知られている。前記天井材は、半硬質ポリウレタンフォーム1及びガラス繊維マット2からなる基材3と、この基材3の表面側に接着剤4を介して形成された表皮材5と、前記基材3の裏面側に接着剤4を介して形成された通気止めフィルム6とから構成されている。ここで、前記ガラス繊維マット2は、半硬質ポリウレタンフォーム1の剛性を補い、前述の形状保持性を向上させるための補強材として使用されている。しかし、昨今さらなる軽量化が求められていることや、廃棄物を焼却する際にガラス成分が焼却炉の内壁を汚してしまう等の理由からガラス繊維マットは敬遠されるようになっている。
【0004】
この課題を解決するため、ガラス繊維を使用しない構成の天井材が各メーカーより提案されている。例えば、特許文献1には、ケナフ繊維やサイザル繊維等の植物繊維を補強材として使用することが提案されているが、このような植物繊維ではガラス繊維と同等の補強効果を持たせるためには目付け量が大きくなってしまい、軽量化が達成できなかった。
【0005】
また、特許文献2には、補強材として植物繊維と炭素繊維を混ぜたものが提案されているが、炭素繊維が非常に高価であるため、従来のガラス繊維を使用した自動車天井材と比べてコスト高となる。このように、前記特許文献1,2のいずれにおいても、ガラス繊維を使用せず、かつ従来と同等のコストで、従来以上の形状保持性を有するような自動車天井材は提案されていない。
【0006】
ところで、従来、剛性材の代表格として、ハニカムコアが知られている。このハニカムコアは、主に建築等の構造パネルとして使用される、いわゆるサンドイッチパネルの基材に使用されているが、さらにその剛性を上げるためにハニカムコアのセル内にフェノール樹脂やエポキシ樹脂等の発泡樹脂を充填するという提案がなされている。例えば、特許文献3には、平面上に塗布された発泡エポキシ樹脂原液の上にハニカムコアを乗せ、セル内にエポキシ発泡樹脂が発泡硬化しながら侵入することで充填させることが開示されている。これと同様の技術として特許文献4も提案されているが、いずれもポリウレタンフォームのような反応性の高い発泡樹脂原料には使用不能である為、樹脂発泡体の軽量化が困難であった。
【0007】
一方、特許文献5には、どのような発泡樹脂でも各セル毎に充填率のバラツキのない構造体を得る目的で、予め所定密度に成形したシート状の発泡樹脂をハニカムコアに接触させた状態でプレスすることによって、発泡樹脂内にハニカムコアを埋め込むようにして軽量且つ密度分布の均一なハニカム構造体を得ることが記載されている。しかし、この方法によって得られたハニカム構造体は、樹脂発泡体とハニカムコアのセル壁面とが固着されていないため、剛性が不十分である上、曲げた途端にセル内の発泡樹脂が抜け落ちる恐れがあり、本願目的の自動車用成形天井材には到底使用不可能であった。
【0008】
また、紙製のハニカムコア(ペーパーハニカムコア)は、軽量であるため自動車用成形天井材基材への使用が期待されるはずである。しかし、紙製のハニカムコアは熱可塑性を有さないため、熱プレス成型による曲面付与ができず、実用化には至っていないのが現状である。
【特許文献1】特開2001−47544号公報
【特許文献2】特開2003−305789号公報
【特許文献3】特開平11−254563号公報
【特許文献4】実登録2547420号公報
【特許文献5】特開平8−258189号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、ガラス繊維を使用しなくても自動車用成形天井材として長期にわたり優れた形状保持性を有し、かつ軽量でしかも低コストな自動車用天井材が求められていたが、全てを満足するような天井材はなかった。
【0010】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、ガラス繊維を使用しなくても長期にわたって優れた形状保持性を有し、かつ軽量でしかも低コストの自動車用成形天井材を得ることを目的とする。
【0011】
また、本発明は、ペーパーハニカムコアを発泡性ポリウレタン原液と一体発泡させ、70〜220℃の範囲で熱プレス成形することにより、曲面付与が可能な自動車用成形天井材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、剛性に優れたハニカムコアのうち、最も軽量なペーパーハニカムコアを用いて種々の検討を重ねたところ、発泡性ポリウレタン原液と一体発泡させた後、70〜220℃の範囲で熱プレス成形することにより、曲面付与が可能であることを見出し、しかも熱プレス成形後の形状保持性にも優れていることから自動車用成形天井材として非常に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
本発明に係る自動車用成形天井材は、少なくとも表皮材、ペーパーハニカムコア、半硬質もしくは硬質ポリウレタンフォーム層の3要素を有する自動車用成形天井材であって、天井材基材として前記ポリウレタンフォーム層の中に前記ペーパーハニカムコアが一体発泡成形によって含有されており、かつ熱プレス成形してなる曲面部を有することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る自動車用成形天井材の製造方法は、走行する下面ライナー上に発泡性ポリウレタン原液を連続的かつ均一に塗布した後、塗布した発泡性ポリウレタン原液上にペーパーハニカムコアを供給する工程と、更にその上に上面ライナーを連続的に繰り乗せてペーパーハニカムコアのセル内に発泡性ポリウレタン原液を発泡充填させて一体化させる工程と、前記上面ライナー及び/又は下面ライナーを剥離させるか、あるいは上面ライナーと下面ライナーのどちらも剥離させずに一体成形させて天井材本体を得る工程と、前記天井材本体を連続的にあるいは時間をおいて70〜220℃で熱プレス成形し、曲面部を形成する工程とを具備することを特徴とする
また、本発明の自動車用成形天井材の製造方法は、走行する下面ライナー上にペーパーハニカムコアを供給し、前記ペーパーハニカムコアのセル内に発泡性ポリウレタン原液を連続的かつ均一に塗布する工程と、塗布した発泡性ポリウレタン原液上に上面ライナーを連続的に繰り乗せてペーパーハニカムコアのセル内に発泡性ポリウレタン原液を発泡充填させて一体化させる工程と、前記上面ライナー及び/又は下面ライナーを剥離させるか、あるいは上面ライナーと下面ライナーのどちらも剥離させずに一体成形させて天井材本体を得る工程と、前記天井材本体を連続的にあるいは時間をおいて70〜220℃で熱プレス成形し、曲面部を形成する工程とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の自動車用天井材によれば、ガラス繊維を使用しなくても長期にわたって優れた形状保持性を有し、かつ軽量で吸音性に優れしかも低コストの自動車用成形天井材を得ることができる。
また、本発明の自動車用天井材の製造方法によれば、ペーパーハニカムコアは熱可塑性を有さず剛性に優れたものである為、熱プレス成形による曲面付与が不可能であると認識されていたにもかかわらず、ペーパーハニカムコアを発泡性ポリウレタン原液と一体発泡させ、70〜220℃の範囲で熱プレス成形することにより、曲面付与が可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明に係る自動車用成形天井材及びその製造方法について図面を参照して説明する。
本発明に使用される表皮材としては、自動車用天井材に一般的に使用されているものの中から特に制限されることなく適宜選択することができるが、吸音性能を損なわないという目的で、特に通気性を有する不織布あるいは織布が好ましい。これらを2種類以上積層させても良いし、またはシート状の軟質ポリウレタンフォーム層と積層させて柔軟性を付与し、高級感のある風合を持たせてもよい。
【0017】
本発明において使用されるペーパーハニカムコア(以下、単にハニカムコアと呼ぶこともある)としては、クラフト紙あるいはK−ライナー紙が好ましい。また、前記ペーパーハニカムコアのセル形状は、例えば図2(A),(B)に示すように六角形状(蜂の巣形状のもの)、図3(A),(B)に示すように円形状(S字形の連続したもの)、図4(A),(B)に示すように段ボール形状(片段ボールの連続したもの)、図5(A),(B)に示すようにリブ形状(リブを平行に連続したもの)、図6(A),(B)に示すように折紙形状(折紙形状に連続したもの)が挙げられるが、加工性及び強度の点で六角形のセルを多数配列したものが好ましい。なお、図2(A),図3(A),図4(A),図5(A),図6(A)は夫々ペーパーハニカムコアの斜視図、図2(B),図3(B),図4(B),図5(B),図6(B)は夫々図2(A),図3(A),図4(A),図5(A),図6(A)のペーパーハニカムコアのセルの平面図である。
【0018】
前記ペーパーハニカムコアの厚さ(c)は自動車用の成形天井材として要求される製品厚みを勘案して3〜10mmが好ましく、特に4〜6mmが好ましい。ここで、ペーパーハニカムコアの厚さが3mm未満であると、成形天井材の剛性が小さく、長期にわたって初期の形状を保持することができない。また、厚さが10mmを超えると、軽量化の目的が果たせないので好ましくない。
【0019】
前記ペーパーハニカムコアのセルサイズ(d)は、ハニカムコアの剛性維持の観点から、ハニカムコアの厚さに対して適宜決定されるものであるが、上記の厚み範囲に対して3〜38mmの範囲となることが好ましい。このときの厚さとセルサイズの比(d/c)が1.0〜10.0のものが、最も好適に自動車天井形状に沿った曲面を熱プレス成形にて付与でき、しかも剛性も維持し得るハニカムコアとなり、自動車用成形天井材としての用途に耐えうる形状保持性を達成することができる。なお、図2〜図5において、図中の符号Wは前記ハニカムコアの幅、符号Lは前記ハニカムコアの長さを示す。
【0020】
また、本発明に係るペーパーハニカムコアは、図7に示すように、ハニカムコアの少なくとも片面の厚さ方向に切れ目7を設けることにより、プレス成形時に極めて曲率の大きい曲面付与も可能にできる。前記切れ目7の位置、数、深さは成形品の最終的な形状により適宜決定するものであり、特に限定されるものではないが、強度維持の点から、深さがハニカムコア厚みに対して50%以下であることが好ましく、35%以下であることが特に好ましい。また、前記切れ目7の深さ及び数は、各種自動車用天井の形状により決定され、全面にわたって一様に設けても良く、特に曲率の大きなサイド部に多く設けても良く、必ずしもハニカムコアの全面にわたって一様に設ける必要はない。
【0021】
本発明に使用される半硬質もしくは硬質ポリウレタンフォームは、吸音性能を向上させる目的で連続気泡性であることが好ましい。その連続気泡率は、ASTMD2856−70に準拠しては70%以上が好ましく、更に好ましくは90%以上である。ここで、連続気泡率が70%未満では吸音性能が低下してしまうので好ましくない。前記ポリウレタンフォームの好適な密度範囲は15〜70kg/m、特に25〜55kg/mである。ここで、密度が15kg/m未満では、成形後の天井材の剛性が小さく、長期にわたって初期の形状を保持することができない。また、密度が70kg/mを超えると、剛性はあるが重量が重くなってしまい、本願の目的を果たせない。
【0022】
ところで、自動車の走行時に天井材を境界として、車内空間側と車体外板側との空間で気圧差が生じることがある。このとき、天井材に通気性があると、車内側から外板側の空間に向かって空気の流れが発生し、その際天井材が集塵フィルターとして作用してしまい、天井材の車内側表面が汚れてしまう(いわゆる通気汚れ)現象が起こる。従って、この通気汚れを防止する目的で、天井材基材の車体外側の面にのみ、非通気性のフィルム(以下、通気止め層という)を積層させることが一般的であり、もちろん本発明の自動車用成形天井材にも積層させることができる。前記通気止め層を天井材基材の車内側の面にも設けることは、吸音特性を防いでしまい、車内で発生した音を反射してしまうので好ましくない。
【0023】
本発明に使用される通気止め層としては、非通気性のプラスチックフィルムあるいは非通気性の不織布であれば特に制限されることなく使用できるが、熱プレス成形によって曲面を与える際の妨げにならないよう適度な伸張性を有するフィルムが好ましく、例えばオレフィン系フィルムあるいはウレタンフィルムが挙げられる。中でも、ポリプロピレンフィルムが低コストであるという点で特に好ましい。しかし、ポリプロピレンはウレタンとの接着力が極めて低いため、接着させる面にコロナ放電処理等による表面改質が施されたもの、あるいは通気性が高くなり過ぎない程度に微細な穴を複数開けたものであることが好ましい。前記非通気性のプラスチックフィルムあるいは非通気性の不織布プラスチックフィルムの厚さは、特に制限はないが、コストや重量の点から15〜100μmが好ましく、特に30〜50μmが好ましい。
【0024】
なお、本発明の自動車用成形天井材は、ペーパーハニカムコアが半硬質あるいは硬質ポリウレタンフォーム層の中に一体発泡成形により含有された天井材基材を得た後に、接着剤を用いて表皮材やシート状の軟質ポリウレタンフォームや通気止めフィルムを積層させてもよい。あるいは、天井材基材であるペーパーハニカムコアと前記ポリウレタンフォームとを一体発泡成形する際に、表皮材や通気止め層を夫々上面ライナーあるいは下面ライナーとして供給することにより、天井材基材と一体に発泡成形させてもよい。
【0025】
本発明によって得られる自動車用成形天井材は、天井材本体を70〜220℃で熱プレス成形することにより曲面付与することが可能となる。この理由は定かではないが、この温度領域においてのみ、発泡性ポリウレタン原液がペーパーハニカムコアを構成するパルプ等に対して可塑剤として作用し、ペーパーハニカムを軟化させ、座屈させることなく、熱プレス成形による曲面付与することが可能となる為と考えられる。ここで、発泡性ポリウレタン原液としては、熱成形性のよい半硬質もしくは硬質ポリウレタンフォーム原料を使用することが好ましい。なお、前記熱プレス成形としては、天井材本体を70〜220℃に加熱した後、常温のプレス型で加圧するコールドプレス法を用いてもよいし、又は常温の天井材本体を70〜220℃に加熱したプレス型で加圧するホットプレス法を用いてもよく、所望の天井形状に追従した曲面を形成することができる。また、前記熱プレス成形は、天井材本体の形成後、連続的に行ってもよいし、あるいはある程度時間が経過してから行ってもよい。
【0026】
次に、本発明の自動車用成形天井材の製造方法について、図面を示して説明するが、本実施形態に限定されない。
本発明に係る自動車用成型天井材は、下記1)、2)の方法により製造される。
1)走行する下面ライナー上に発泡性ポリウレタン原液を連続的かつ均一に塗布した後、塗布した発泡性ポリウレタン原液上にペーパーハニカムコアを供給する工程と、更にその上に上面ライナーを連続的に繰り乗せてペーパーハニカムコアのセル内に発泡性ポリウレタン原液を発泡充填させて一体化させる工程と、前記上面ライナー及び/又は下面ライナーを剥離させるか、あるいは上面ライナーと下面ライナーのどちらも剥離させずに一体成形させて天井材本体を得る工程と、前記天井材本体を連続的にあるいは時間をおいて70〜220℃で熱プレス成形し、曲面部を形成する工程とを具備することを特徴とする自動車用成形天井材の製造方法(第1の製造方法)。
【0027】
2)走行する下面ライナー上にペーパーハニカムコアを供給し、前記ペーパーハニカムコアのセル内に発泡性ポリウレタン原液を連続的かつ均一に塗布する工程と、塗布した発泡性ポリウレタン原液上に上面ライナーを連続的に繰り乗せてペーパーハニカムコアのセル内に発泡性ポリウレタン原液を発泡充填させて一体化させる工程と、前記上面ライナー及び/又は下面ライナーを剥離させるか、あるいは上面ライナーと下面ライナーのどちらも剥離させずに一体成形させて天井材本体を得る工程と、前記天井材本体を連続的にあるいは時間をおいて70〜220℃で熱プレス成形し、曲面部を形成する工程とを具備することを特徴とする自動車用成形天井材の製造方法(第2の製造方法)。
【0028】
なお、本発明における天井材本体とは熱プレス成形前のものを指し、例えばポリウレタンフォーム層の中にペーパーハニカムコアを一体発泡成形により含有する天井基材と、下面ライナー及び/又は上面ライナーが一体成形されたものを指す。あるいは、下面ライナーと上面ライナーの両方を剥離させた場合には、天井材本体又は天井材基材そのものとなる。
【0029】
本発明において、「連続的にあるいは時間をおいて」という表現は、次のことを意味している。即ち、「連続的に」とは、天井材本体を得る工程と、次工程の熱プレス成形し曲面部を形成する工程とが、同じラインの延長上に設置されているような場合を指す。つまり、得られた天井材本体を所望の長さに裁断した後、直ちに熱プレス成形を行うような場合を指す。一方、「時間をおいて」とは、天井材本体を得る工程と、次工程の熱プレス成形し曲面部を形成する工程とが、時間的あるいは空間的に非連続であるような場合を指す。つまり、得られた天井材本体を所望の長さに裁断した後、ある期間保管された後に同じラインの延長上に設置された熱プレス工程で加工されてもよいし、あるいは離れた場所の別工場内にある熱プレス工程で加工が行われてもよい。
【0030】
図8、図9は、夫々本発明に係る自動車用成形天井材を製造するための製造装置の説明図を示し、夫々上記第1、第2の製造方法に対応する。図8、図9において、図中の符番23a,23b,23cは、夫々表面に複数のピン12が一定間隔で植設された回転可能なピンロールを示す。前記ピンロール23a,23b,23cの外観は図16に示すとおりである。一方、駆動ロール16とプーリー24aの間にはピンベルト13が架設されている。なお、前記プーリー24a以外にも図示しないプーリーが設けられ、駆動ロール16と図示しないプーリーの間にもピンベルトが架設されている。このピンベルト13a,13bの表面にも、ピン14が一定間隔で植設されている。一方の駆動ロール16の上流側には、下面ライナー15を搬送する送りローラー25aが配置されている。前記駆動ロール16とプーリー24a,24b間の所定の領域には、塗布された発泡性ポリウレタン原液18を加熱するキュアオーブン17が配置されている。前記駆動ロール16の上方には、ウレタン発泡原液18を下面ライナー上に供給するコートハンガー形ダイ19が配置されている。なお、図8,9中の符番20はペーパーハニカムコア(図10図示)、符番21は上面ライナー、符番22は送りローラー25aからの下面ライナーを回収する巻取装置を示す。前記ペーパーハニカムコア20の厚さ(c)は3〜10mm、セルサイズ(d)は3〜38mmである。また、図8,9中の符番25b,25c,25dは送りローラーを示す。
【0031】
本発明において、ペーパーハニカムコアを供給する方法としては、展張された状態のペーパーハニカムコアを定寸で一枚ずつ供給していくいわゆる非連続的供給方法(前者)と、未展張状態のペーパーハニカムコアを連結させていくことで実質エンドレス状に形成し、これを展張しながら連続的に供給する方法(後者)が挙げられる。しかし、前者は、作業に手間がかかる上、各々のペーパーハニカムコアが境目となる部分が多く、製品の歩留まりが低下してしまうので、好ましくない。一方、後者は、生産効率、歩留が高いので、製品を安価に供給することが可能となるので好ましい。
【0032】
本発明において、ペーパーハニカムコアが供給される位置としては、図8に模式的に示されたように下面ライナー上に発泡性ポリウレタン原液が塗布された後、また図9で模式的に示されたように発泡性ポリウレタン原液が塗工される前の二通りあるが、どちらの方法を選択しても差し支えない。
【0033】
本製造方法において、発泡性ポリウレタン原液を塗布する方法としては、例えば(1)前記発泡性ポリウレタン原液を所定の幅に合わせてトラバースしながらノズルより吐出して塗布する方法、(2)前記発泡性ポリウレタン原液の反応性を遅らせてリバースロールを用いて均一に塗布する方法、(3)前記発泡性ポリウレタン原液をドクターナイフ方式で塗布する方法、(4)前記発泡性ポリウレタン原液をダイを用いて塗布する方法が挙げられるが、次の理由から前記(4)が最も好ましい。
【0034】
本発明では、発泡性ポリウレタン原液の塗布量が100〜750g/mと非常に少ないため、前記(1)の方法ではトラバースで塗布した箇所と塗布されなかった箇所とが均一なフォーム高さにならず、塗布されなかった箇所の厚さが薄くなる傾向がある。
また、前記(2)の方法では、例え触媒量を少なくしたり、あるいは遅延性触媒を利用しても低密度の半硬質若しくは硬質系ポリウレタンフォームを得る反応性の高い原料を使用すると、リバースロールに反応液が固着する傾向がある。従って、反応性の遅い高密度ポリウレタンフォーム、あるいはフェノールフォームのような発泡樹脂原液でなければ使用できないといった制限がある。
【0035】
前記(3)の方法も、前記(2)の方法と同じ理由からドクターナイフに反応液が固着する傾向にあり、上記(2)の方法と同様に使用する原料が制限される。
前記(4)の方法において、特定条件のコートハンガー形ダイを用いることによって半硬質もしくは硬質発泡性ポリウレタン原液のような反応性の高い原料を使用しても、ダイ内のあらゆる箇所の反応液が短時間に均一に吐出されるので、ダイ内部に前記反応液が固着することはない。
【0036】
図11〜図13は、本発明において使用する発泡性ポリウレタン原液を均一に塗布するためのコートハンガー形ダイを示す。ここで、図11はコートハンガー形ダイの部分破断斜視図、図12は同コートハンガー形ダイの断面図、図13は図12のX−X線に沿う断面図を示す。
図中の符番31は、ダイ構成板31a,31bよりなるコートハンガー形ダイを示す。このダイ31には、マニホールド32、このマニホールド32にウレタン反応液を導入するための導入口33、及び圧力調整溝34が夫々設けられている。前記ダイ構成板31a,31bには、ダイリップ35同士のダイリップ間隙36を調整するためのボルト37が複数本埋め込まれている。なお、図中の符番38はダイリップ出口、符番39はダイランド間隙、符番40はダイランドを示す。
【0037】
本発明に使用するコートハンガー形ダイは、本出願人らが先に出願した特願2002−340913に記載されているように、マニホールド開き角度が120〜150度であって、しかもマニホールド容積とダイリップ容積とを除くダイ容積とマニホールド容積との比が1:0.2〜1:0.7、更にマニホールド容積を除くダイ容積とマニホールド容積との比が1:0.1〜1:0.7になるように設定すれば良い。
【0038】
ここで、マニホールド角度とは、図12のθを指す。ダイ内におけるマニホールド容積とダイリップ容積とを除くダイ容積とマニホールドとの比並びにマニホールド容積を除くダイ容積とマニホールドとの比が前述した範囲外の場合には、ダイ中央部の反応液滞留時間が平均滞留時間に比較して数分の1〜数十分の1となるが、ダイ側部の反応液滞留時間が平均滞留時間に比較して数倍〜数十倍に達する為、ダイ内原料が固化する。また、発泡性ポリウレタン原液はコートハンガーダイの中央の原料導入口より入れるが、マニホールドはダイ端部に行くにつれてマニホールド断面積は小さくなるように設計されている。こうした設定により、コートハンガーダイ全幅にわたって吐出量とダイ内ウレタン反応液の滞留時間が一定となる。
【0039】
また、同図中に図示された下面ライナー及び上面ライナーを、夫々次の組み合わせのようにポリウレタンフォームに対して離型性を有するフィルム(紙)としたり、あるいはポリウレタンフォームに対して接着性を有するシート状物とすることができる。ここで、シート状物とは、先に記載した自動車用成形天井材の構成要素でもある天井用表皮材あるいは通気止めフィルムのことである。これらを適宜選択することによって、天井材基材のみを得ることも、あるいは天井材基材に表面材や通気止めフィルムを一体成形させた積層品とすることも可能である。以下に、下面ライナーと上面ライナーの組み合わせ例を挙げる。
【0040】
(a)下面ライナー:離型性フィルム(紙)、上面ライナー:離型性フィルム(紙)
(b)下面ライナー:離型性フィルム(紙)、上面ライナー:通気止めフィルム
(c)下面ライナー:離型性フィルム(紙)、上面ライナー:表皮材
(d)下面ライナー:通気止めフィルム、上面ライナー:離型性フィルム(紙)
(e)下面ライナー:表皮材、上面ライナー:通気止めフィルム
(f)下面ライナー:通気止めフィルム、上面ライナー:表皮材
ここで、上面ライナーとして表皮材を用いる際には、発泡性ポリウレタン原液が浸み込まないように、目止め処理を施した不織布あるいは織布を使用してもよい。但し、その場合には、非通気性としない程度の目止め処理とする必要がある。具体的には、ウレタンとの接着性を有する樹脂を溶剤に溶かしたものを、スプレー等で点状に吹き付けることにより、目止め効果と通気性の確保の両立を図ったものを使用する。なお、吹き付けたときには通気性がほとんどなくても、その後に自動車用天井材として成形された時点で通気性が確保されるものであれば何ら問題なく使用することができる。
【0041】
ところで、非展張状態のハニカムコアを展張しながら供給していく場合、展張率が一定でないと、得られた天井材の密度や重量、剛性等の物性が均一でなくなってしまうので、展張率を常に一定に保ちながら供給する必要がある。
【0042】
本発明では、展張率を一定にする方法として、図8及び図14に図示される第1の展張装置(ピンテンター)、図16に図示される第2の展張装置(ピンロール)を用いることを前提としている。
【0043】
(第1の展張装置)
この第1の展張装置は、図8及び図14に示すように、下面ライナー15の進行方向に対して左右両サイドに対をなすピンベルト13a,13bが、駆動ロール16と、プーリー24aの間に張設されてなるピンテンターである。なお、ピンテンターは、更に図示しないプーリーを前記プーリー24aの反対サイドに備えている。ピンベルト13a,13bの表面には複数のピン14が一定間隔で複数本設けられており、ピン14一本に対してペーパーハニカムコア20のセル一つが嵌るようになっている。これにより、ペーパーハニカムコア20を展張しながら搬送することによって、前記セルの形状を一定の形状とすることができる。
【0044】
(第2の展張装置)
この第2の展張装置は図8及び図16に示すピンロール23a,23bを示し、図16に示すように表面に複数のピン12が一定間隔で植設されている。なお、第2の展張装置は、更に図示しない2つのピンロールを備えている。前記ピンベルトと同様に、ピン12一本に対してペーパーハニカムコア20のセル一つが嵌り、搬送するペーパーハニカムコア20に対してブレーキの役目を果たし、前記セルの形状を一定の形状とすることができる。
【実施例】
【0045】
以下、本発明の一実施例に係る自動車用成形天井材及びその製造方法ついて図面を参照して説明する。
(実施例1)
図1中の符番41は、六角形状のペーパーハニカムコア20と、このペーパーハニカムコア20の空隙部20aに均一に充填された半硬質ポリウレタンフォーム層42からなる天井材基材を示す。前記天井材基材41の表面側にはポリエステル繊維製織布からなる表皮材43が形成され、裏面側にはコロナ放電処理PPフィルムからなる通気止めフィルム45が形成されている。こうした構成の天井材本体44において、ペーパーハニカムコア20は、一体発泡成形よって半硬質ポリウレタンフォーム層42の中に含有され、自動車の湾曲部分に該当する部分にはプレス成形による曲面部(図示せず)が設けられている。
【0046】
上記構成の天井材は、例えば上述した図8の製造装置を用いて製造される。
即ち、まず、駆動ロール16により下面ライナー15としての離型性のPETフィルム(以下、単にPETフィルムという)を一定方向に搬送しつつ、PETフィルム上にコートハンガー形ダイ19よりウレタン発泡原液18を連続的かつ均一に塗布した。つづいて、その下流側においてウレタン発泡原液18を塗布したPETフィルム上に、ペーパーハニカムコア20を供給した。更に、その上に上面ライナー21としてのコロナ放電処理PPフィルムを連続的に繰り乗せ、ペーパーハニカムコア20のセル内に発泡性ポリウレタン原液18を発泡充填させて一体化させ、天井材本体44とした。この後、前記天井材本体44をキュアオーブン17により110℃で加熱した後、下流側で前記PETフィルムを巻取装置22により剥離した。最後に、前記天井材本体44の片面に表皮材43を接着剤で貼着した後、すぐに約130℃で熱プレス成形し、曲面部を形成し、自動車用成形天井材を製造した。
【0047】
上記実施例1によれば、従来のようにガラス繊維を使用しなくても長期にわたって優れた形状保持性を有し、かつ軽量でしかも低コストの自動車用成形天井材を得ることができる。
【0048】
また、上記実施例1によれば、ペーパーハニカムコア20は熱可塑性を有さず剛性に優れたものである為、熱プレス成形による曲面付与が不可能であると認識されていたにもかかわらず、ペーパーハニカムコア20を発泡性ポリウレタン原液と一体発泡させ、約130℃で熱プレス成形することにより、曲面付与が可能になった。
【0049】
(実施例2)
次に、図1の自動車用成形天井材を図9の製造装置を用いて製造する場合について説明する。
まず、走行する下面ライナー15としてのコロナ放電PPフィルム上にペーパーハニカムコア20を供給し、このペーパーハニカムコア20のセル内に発泡性ポリウレタン原液18を連続的かつ均一に塗布した。つづいて、発泡性ポリウレタン原液18上に上面ライナー21としての表皮材を連続的に繰り乗せ、コロナ放電PPフィルム、ペーパーハニカムコア20及び表皮材を一体化させるとともに、ペーパーハニカムコア20のセル内に発泡性ポリウレタン原液18を発泡充填させて一体化させ天井材本体44とした。この後、前記天井材本体44をキュアオーブン17により約110℃で加熱し、翌日これを別ラインの熱プレス工程にて約130℃で熱プレス成形して曲面部を形成し、図1に示す自動車用成形天井材を製造した。
【0050】
実施例2によれば、表皮材を上面ライナーとして一体成形するので、後で表皮材を接着剤を用いて貼着する工程が不要であり、量産性に優れる。
【0051】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、樹脂発泡体として半硬質ポリウレタンフォーム層を挙げ、更にはプレス成形時の温度等を任意の値に設定した場合について述べたが、上記実施形態そのままに限定されるものではない。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る自動車用成形天井材の断面図。
【図2】六角形状をなすハニカムコアのセル形状を示す説明図。
【図3】円形状をなすハニカムコアのセル形状を示す説明図。
【図4】段ボール形状をなすハニカムコアのセル形状を示す説明図。
【図5】リブ形状をなすハニカムコアのセル形状を示す説明図。
【図6】折り紙形状をなすハニカムコアのセル形状を示す説明図。
【図7】ハニカムコアの片面の厚さ方向に切り込みを設けた例を示す斜視図。
【図8】本発明の自動車用成形天井材を製造する製造装置の一例を模式的に示す説明図。
【図9】本発明の自動車用成形天井材を製造する製造装置の他の例を模式的に示す説明図。
【図10】図8及び図9の製造装置に使用されるペーパーハニカムコアの斜視図。
【図11】本発明に使用するコートハンガーダイの部分破断斜視図。
【図12】本発明に使用するコートハンガーダイの断面図。
【図13】図12のX−X線に沿う断面図。
【図14】図8の製造装置をコートハンガーダイ上流側より見たときの説明図。
【図15】図9の製造装置をコートハンガーダイ上流側より見たときの説明図。
【図16】図8及び図9の製造装置に使用されるピンロールの斜視図。
【図17】ガラス繊維を使用した従来構造の自動車用成形天井材の断面図。
【符号の説明】
【0053】
7…切れ目、12、14…ピン、13a,13b…ピンベルト、15…下面ライナー、16…駆動ロール、17…キュアオーブン、18…発泡性ウレタン発泡原液、19…コートハンガー形ダイ、20…ペーパーハニカムコア、20a…空隙部、21…上面ライナー、22…巻取装置、23a,23b,23c…ピンロール、24a…プーリー、25a,25b,25c,25d…送りローラー、42…半硬質ポリウレタン層、43…表皮材、44…天井材本体、45…通気止め層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも表皮材、ペーパーハニカムコア、半硬質もしくは硬質ポリウレタンフォーム層の3要素を有する自動車用成形天井材であって、
天井材基材として前記ポリウレタンフォーム層の中に前記ペーパーハニカムコアが一体発泡成形によって含有されており、かつ熱プレス成形してなる曲面部を有することを特徴とする自動車用成形天井材。
【請求項2】
前記天井材基材の片面に、非通気性のプラスチックフィルム又は非通気性の不織布が一体化されていることを特徴とする請求項1記載の自動車用成形天井材。
【請求項3】
前記非通気性のプラスチックフィルムは、オレフィン系フィルム、もしくはウレタンフィルムであることを特徴とする請求項2記載の自動車用成形天井材。
【請求項4】
前記ペーパーハニカムコアは、クラフト紙もしくはK−ライナー紙で構成されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の自動車用成形天井材。
【請求項5】
前記ペーパーハニカムコアの少なくとも片面に、該ハニカムコアの厚さ方向に切れ目が複数設けられていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の自動車用成形天井材。
【請求項6】
前記ペーパーハニカムコアの厚さ(c)が3〜10mm、セルサイズ(d)が3〜38mmの範囲にあり、厚さ(c)とセルサイズ(d)の比(d/c)が1.0〜10.0の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の自動車用成形天井材。
【請求項7】
前記天井材基材の重量は、200〜800g/mの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の自動車用成形天井材。
【請求項8】
走行する下面ライナー上に発泡性ポリウレタン原液を連続的かつ均一に塗布した後、塗布した発泡性ポリウレタン原液上にペーパーハニカムコアを供給する工程と、更にその上に上面ライナーを連続的に繰り乗せてペーパーハニカムコアのセル内に発泡性ポリウレタン原液を発泡充填させて一体化させる工程と、前記上面ライナー及び/又は下面ライナーを剥離させるか、あるいは上面ライナーと下面ライナーのどちらも剥離させずに一体成形させて天井材本体を得る工程と、前記天井材本体を連続的にあるいは時間をおいて70〜220℃で熱プレス成形し、曲面部を形成する工程とを具備することを特徴とする自動車用成形天井材の製造方法。
【請求項9】
走行する下面ライナー上にペーパーハニカムコアを供給し、該ペーパーハニカムコアのセル内に発泡性ポリウレタン原液を連続的かつ均一に塗布する工程と、塗布した発泡性ポリウレタン原液上に上面ライナーを連続的に繰り乗せてペーパーハニカムコアのセル内に発泡性ポリウレタン原液を発泡充填させて一体化させる工程と、前記上面ライナー及び/又は下面ライナーを剥離させるか、あるいは上面ライナーと下面ライナーのどちらも剥離させずに一体成形させて天井材本体を得る工程と、前記天井材本体を連続的にあるいは時間をおいて70〜220℃で熱プレス成形し、曲面部を形成する工程とを具備することを特徴とする自動車用成形天井材の製造方法。
【請求項10】
前記発泡性ポリウレタン原液を連続的かつ均一に塗布するのに、コートハンガーダイを用いることを特徴とする請求項8もしくは9いずれか記載の自動車用成形天井材の製造方法。
【請求項11】
前記天井基材の重量は、200〜800g/mの範囲にあることを特徴とする請求項8乃至10いずれか記載の自動車用成形天井材の製造方法。
【請求項12】
少なくとも前記上面ライナーが前記ポリウレタンフォーム層と接着しうるシート状物であることを特徴とする請求項8乃至11いずれか記載の自動車用成形天井材の製造方法。
【請求項13】
少なくとも前記下面ライナーが前記ポリウレタンフォーム層と接着しうるシート状物であることを特徴とする請求項8乃至11いずれか記載の自動車用成形天井材の製造方法。
【請求項14】
前記シート状物は、コロナ放電処理を施した樹脂フィルム、もしくは穴あけ処理を行った樹脂フィルムであることを特徴とする請求項12もしくは13いずれか記載の自動車用成形天井材の製造方法。
【請求項15】
前記シート状物は、不織布もしくは織布であることを特徴とする請求項12もしくは13いずれか記載の自動車用成形天井材の製造方法。
【請求項16】
少なくとも上面ライナーが、前記ポリウレタンフォーム層に対して離型性を有するフィルムもしくは離型性を有する紙であることを特徴とする請求項8乃至11いずれか記載の自動車用成形天井材の製造方法。
【請求項17】
少なくとも下面ライナーが、前記ポリウレタンフォーム層に対して離型性を有するフィルムもしくは離型性を有する紙であることを特徴とする請求項8乃至11いずれか記載の自動車用成形天井材の製造方法。
【請求項18】
前記ペーパーハニカムコアは、クラフト紙もしくはK−ライナー紙で構成されていることを特徴とする請求項8乃至17いずれか記載の自動車用成形天井材の製造方法。
【請求項19】
前記ペーパーハニカムコアの少なくとも片面に、前記ペーパーハニカムコアの厚さ方向に切れ目が複数設けられていることを特徴とする請求項8乃至18いずれか記載の自動車用成形天井材の製造方法。
【請求項20】
前記ペーパーハニカムコアの厚さ(c)が3〜10mm、セルサイズ(d)が3〜38mmの範囲にあり、厚さ(c)とセルサイズ(d)の比(d/c)が1.0〜10.0の範囲にあることを特徴とする請求項8乃至19いずれか記載の自動車用成形天井材の製造方法。
【請求項21】
前記ペーパーハニカムコアを供給する方法は、未展張状態のペーパーハニカムコアを展張装置によって連続的に展張しながら供給する方法であることを特徴とする請求項8乃至20いずれか記載の自動車用成形天井材の製造方法。
【請求項22】
前記展張装置が、走行するペーパーハニカムコアの左右両サイドに対を成して配設され、下面ライナーと同調して並走するピンテンターであり、前記ピンテンターのピンにペーパーハニカムコアのセルを嵌め込んで、均一なセル形状となるように一定の展張率で搬送することを特徴とする請求項21記載の自動車用成形天井材の製造方法。
【請求項23】
前記展張装置は、ピンが一定間隔で複数本設けられた回転するピンロールであり、前記ピンロールのピンにペーパーハニカムコアのセルを嵌め込んで、均一なセル形状となるように一定の展張率で搬送することを特徴とする請求項21記載の自動車用成形天井材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−218759(P2006−218759A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−34828(P2005−34828)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000003425)株式会社東洋クオリティワン (18)
【Fターム(参考)】