説明

自動車用電力装置

この発明は、エンジンに動力を伝えて始動させるとともに、エンジンの回転中はエンジンの動力を受けて発電を行うモータ6と、モータ6に電力を伝える電力変換回路5と、バッテリー1と、エネルギーの蓄積を行うエネルギー蓄積源20と、少なくとも2つのスイッチング素子10,11で構成され、エネルギー蓄積源20への充電およびエネルギー蓄積源20内のエネルギーのバッテリー1への回収を行うDC/DCコンバータとを備えている。モータ6が、エンジンの動力を受けて発電して、電力変換回路5およびDC/DCコンバータを通してバッテリー1を充電するとき、DC/DCコンバータに設けられたスイッチを常時ONするようにしたので、DC/DCコンバータ回路部の発熱を大幅に抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は自動車用電力装置に関し、特に、自動車等の車両に搭載されて、バッテリーとして用いられる自動車用電力装置に関する。
【背景技術】
従来の自動車のバッテリー用電力回路においては、例えば、特開2002−218667号公報(図3、図10)に示されているように、バッテリー群とコンデンサ群とが直列に接続されているものがある。
上記特許文献1においては、バッテリー群は定格電圧12Vのバッテリー1個から構成され、コンデンサ群は複数のコンデンサから構成されている。DC/DCコンバータは、コンデンサ群の両端とバッテリー群との間に接続されており、コンデンサ群の電圧を降圧することにより、バッテリー群に電力を供給している。ここでは、バッテリー群は定格電圧12Vの電装品に電力を供給するためのものであり、バッテリー群の両端に負荷が接続されている。
従来装置は、始動時(アイドルストップ動作の始動時)、電力変換回路が動作開始すると同時に、双方向性DC/DCコンバータを動作させ、バッテリー群からコンデンサ群に電力を伝送することにより、コンデンサ群に流れる電流を低下させることができるため、コンデンサ群の容量を小さくすることができる。電力変換回路がオフした後は、双方向性DC/DCコンバータによってコンデンサ群を所定の電圧まで再充電し、次の再始動に備える。
上記特許文献1の図10に示すように、従来の電力装置の双方向性DC/DCコンバータの回路構成においては、昇圧及び降圧時に高周波(50k〜200kHz)でスイッチングする2つのMOSFETが設けられており、昇圧時にスイッチングする方の第1のMOSFETにおいて、ドレイン端子はコンデンサの高電圧側端子に、ソース端子はチョークコイルの一方の端子に、ゲート端子は制御回路に接続されている。降圧時にスイッチングする方の第2のMOSFETにおいては、ドレイン端子はチョークコイルと第1のMOSFETのソース端子に、ソース端子はバッテリー群の低電圧側端子に、ゲート端子は制御回路に接続されている。チョークコイルのもう一方の端子はバッテリー群の高電圧側端子と平滑コンデンサの一方の電極に接続され、当該コンデンサのもう一方の端子はバッテリー群の低電圧端子に接続されている。
電力装置は、アイドルストップ動作の始動時にバッテリー群およびコンデンサ群からエネルギーを電力変換回路へ供給し、電力変換回路が動作することによりモータが回転し自動車が動き始める。モータでアイドル回転数まで上げ、エンジンを点火し駆動源をモータからエンジンに移行する。モータが始動時に動作する時間は0.2秒〜1秒程度である。一方、モータは発電機としても働くので、自動車が走行している間中、電力装置は動作することになる。この動作時間は、始動時の動作と比較して非常に長い。
始動時の発熱量は動作時間が短いために発電動作のそれと比較して十分小さい。また、始動時の瞬時発熱は非常に大きいが、装置のもつ熱容量で十分吸収できる量である。よって、電力装置の熱設計(装置が許容温度を超えないように設計)をする場合、発電時の発熱を考慮して設計することになる。従来装置において、高圧側(図中Vf3)に発生するエネルギーを12Vバッテリーへ降圧するために、発電時DC/DCコンバータは高周波で駆動される。高周波スイッチングを行うとスイッチング損失が増大するためDC/DCコンバータ部が発熱する。なお、電力変換回路部は、発電時ダイオード整流モードで動作するため、スイッチング動作をしてもその周波数は低く、この時の電力変換回路部の発熱は小さい。よって、装置の熱設計はDC/DCコンバータ部の発熱を十分考慮しなければならない。装置の温度を許容値に抑えるため、装置の放熱フィンを大型化し強制空冷用のファンを取り付けたり、装置下面に水冷用の放熱フィンを配置し水冷する機構にする対策が必要となる。これらの対策は、装置を大形化するだけではなく、高コストになる。よって、従来の電力装置は、装置が大形で高コストになるという問題点があった。
【発明の開示】
この発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、DC/DCコンバータ回路部の発熱を大幅に抑制し、小型で低コストな自動車用電力装置を得ることを目的とする。
この発明の自動車用電力装置は、エンジンと、前記エンジンに動力を伝えて始動させるとともに、前記エンジンの回転中は前記エンジンの動力を受けて発電を行うモータを備えている。また、該自動車用電力装置は、少なくとも2つのDC電圧入出力端子を有し、前記モータに電力を伝える電力変換回路を備えている。また、該自動車用電力装置は、前記電力変換回路に接続されたバッテリーと、前記バッテリーと直列に接続され、エネルギーの蓄積を行うエネルギー蓄積源とを備えている。また、該自動車用電力装置は、少なくとも2つのスイッチング素子で構成され、前記エネルギー蓄積源の電圧を昇圧することにより前記エネルギー蓄積源への充電を行うとともに、降圧することにより前記エネルギー蓄積源内のエネルギーの前記バッテリーへの回収を行うDC/DCコンバータとを備えている。前記DC/DCコンバータの前記スイッチング素子は、前記電力変換回路のDC電圧入出力端子の高電圧側端子と前記バッテリーの高電圧側端子とを接続している。前記モータが、前記エンジンの動力を受けて発電して、前記電力変換回路および前記DC/DCコンバータを通して前記バッテリーを充電するとき、前記DC/DCコンバータに設けられた前記スイッチを常時ONする。これにより、DC/DCコンバータ回路部の発熱を大幅に抑制し、小型で低コストな自動車用電力装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施の形態1に係る自動車用電力変換装置の構成を示した構成図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係る自動車用電力変換装置の動作を示した動作波形図である。
図3は、本発明の実施の形態1に係る自動車用電力変換装置の構成を示した説明図である。
図4は、本発明の実施の形態1に係る自動車用電力変換装置におけるモータ回転数とモータ発生電圧との関係を示した説明図である。
図5は、本発明の実施の形態1に係る自動車用電力変換装置におけるバッテリー出力電圧とモータ発生電圧との関係を示した説明図である。
図6は、本発明の実施の形態1に係る自動車用電力変換装置における回路構成を示した構成図である。
図7は、本発明の実施の形態1に係る自動車用電力変換装置における計算モデルを示した構成図である。
図8は、本発明の実施の形態1に係る自動車用電力変換装置におけるDC/DCコンバータ出力電圧と最大出力電圧の関係を示した説明図である。
図9は、本発明の実施の形態1に係る自動車用電力変換装置における他の計算モデルを示した構成図である。
図10は、本発明の実施の形態1に係る自動車用電力変換装置における出力電圧と出力電力の関係を示した説明図である。
図11は、本発明の実施の形態1に係る自動車用電力変換装置における他の計算モデルを示した構成図である。
図12は、本発明の実施の形態1に係る自動車用電力変換装置における出力電圧と出力電力の関係を示した説明図である。
図13は、本発明の実施の形態2に係る自動車用電力変換装置の構成を示した構成図である。
図14は、本発明の実施の形態2に係る自動車用電力変換装置の動作を示した動作波形図である。
図15は、本発明の実施の形態3に係る自動車用電力変換装置の動作を示した動作波形図である。
図16は、本発明の実施の形態4に係る自動車用電力変換装置の構成を示した構成図である。
図17は、本発明の実施の形態5に係る自動車用電力変換装置の構成を示した構成図である。
図18は、本発明の実施の形態6に係る自動車用電力変換装置の構成を示した構成図である。
図19は、本発明の実施の形態1〜6に係る自動車用電力装置に設けられるチョークコイルの他の例を示した説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
実施の形態1.
図1に本発明の実施の形態1の構成を示す。図1において、6はエンジン(図示せず)に動力を伝えて始動させるとともに、エンジン回転中は逆にエンジンの動力を受けて発電を行うモータであり、1はモータ6を回転させるための電力を供給するバッテリー、5はバッテリー1の電圧を交流もしくは断続直流に変換してモータ6に出力する電力変換回路である。また、10および11はスイッチング素子Qx1、Qx2(符号12および13)であり、12および13は、スイッチング素子10および11にそれぞれ並列に接続されているダイオードDx1およびDx2である。スイッチング素子10および11(Qx1、Qx2)はMOSFETであり、寄生ダイオードと並列して外部にダイオード12および13(Dx1、Dx2)を配置している。スイッチング素子は、電力変換回路5のDC電圧入出力端子の高電圧側端子(図示せず)とバッテリー1の高電圧側端子(図示せず)とを接続している。また、図1において、14は平滑コンデンサCx、15はチョークコイルLxであり、20はエネルギーの蓄積を行うエネルギー蓄積源であるコンデンサである。なお、チョークコイル15(Lx)、平滑コンデンサ14(Cx)、スイッチング素子10および11(Qx1,Qx2)およびダイオード12および13(Dx1、Dx2)は、DC/DCコンバータを構成している。DC/DCコンバータは、コンデンサの電圧を昇圧することによりコンデンサへの充電を行うとともに、降圧することによりコンデンサに蓄積されたエネルギーをバッテリー1に回収するものである。当該DC/DCコンバータの昇降圧動作時の電力損失を抑えるため、順方向電圧が低い、リカバリー特性の良いダイオード12および13(Dx1,Dx2)が配置されている。37は、スイッチング素子10および11(Qx1、Qx2)の動作の制御を行う制御回路である。
動作について説明する。図2に、車両の走行状態とそのときのDC/DCコンバータの動作波形を示す。車両の走行状態を示す図において、横軸は時間、縦軸は車速を示している。車両の走行状態としては、アイドル停止状態→始動→加速→定常走行(発電)→減速→アイドル停止が示されており、DC/DCコンバータ動作時の動作波形が動作期間に対応して示されている。動作波形としては、スイッチング素子10および11(Qx1、Qx2)のゲート電圧(ハイ電圧でON)、チョークコイル15(Lx)の電流IL(図1において、矢印の方向が正)、コンデンサ群20の電流Ic(図1において、矢印の方向が正)、コンデンサ20の電圧Vc(図1において、矢印の方向が正)が示されている。
まず、アイドル停止状態(T1)から車両が始動する。スタート動作期間(T2)において、コンデンサ20の充電電圧は所望の値まで充電されている状態である。本実施の形態において、2Lクラスの車両のエンジンの回転数をアイドル回転(800rpm前後)までモータで引き上げるのに必要な電圧として、コンデンサ充電電圧は7.5Vの設定になっている(後述)。すなわち、電力変換回路5(3相交流インバータ)への初期入力電圧は、バッテリー電圧が12Vであるから、19.5Vになっている。スタート動作開始と同時に、スイッチング素子10(Qx1)はOFF状態で、スイッチング素子11(Qx2)が50kHz〜200kHzでスイッチングする(DC/DCコンバータを昇圧動作)。スイッチON動作でエネルギーをチョークコイル15(Lx)に蓄積し、OFF動作でそのエネルギーをダイオード12(Dx1)を介して電力変換回路5の入力部に吐き出す。バッテリー1→DC/DCコンバータ→電力変換回路5のエネルギー供給と、バッテリー1→コンデンザ20→電力変換回路5のエネルギー供給を行う。スタート動作時にDC/DCコンバータを動作させ、DC/DCコンバータ経由でもエネルギーを供給するため、コンデンサ20に蓄えておくエネルギーは少なくてもよいことになり、コンデンサ20の容量を小さくできる(後述)。このDC/DCコンバータのアシスト動作については、従来の電力変換装置においても述べられている。
アイドル回転までモータ6によりエンジンの回転数を上げ、エンジンを点火して、エンジンによる駆動に引き継ぐ。駆動を引き継いだ後はモータ6を停止させる。エンジンが動作することにより車両が所望の速度まで加速される。
アイドルストップの意味についてここで簡単に触れておく。アイドルストップの意味は、燃費向上と有害排気物の削減である。停止時にエンジンを止めることにより、燃費を向上させ、有害排気物の量を削減する。また、モータ6によりアイドル回転まで引き上げることにより、大幅な有害排気物の削減が図れる。有害排気物の多くがエンジンでの始動時に発生するからである。
車両が加速され、定常的な速度になる。バッテリーの残量を検知し残量が不足してきたら、モータ6は発電機として動作する。スタート動作とは逆の経路で、電力変換回路5を介してバッテリー1を充電する。そのバッテリー1の充電動作が開始される直前に、コンデンサ20のエネルギーをバッテリー1へ回収する(期間T3)。コンデンサエネルギーの回収には、DC/DCコンバータを降圧動作させる。スイッチング素子10(Qx1)をスイッチングさせ、スイッチング素子11(Qx2)はOFF状態である。スイッチング素子10(Qx1)がONでコンデンサエネルギーをチョークコイル15(Lx)に蓄え、OFFのときダイオード13(Dx2)が導通しそのエネルギーをバッテリー1へ供給する。このコンデンサエネルギー回収期間(T3)を設けないで、発電期間(T4)に移行すると、スイッチング素子10(Qx1)をONしたときにコンデンサエネルギーのほとんどをスイッチング素子10(Qx1)で消費することになり、瞬間的ではあるがスイッチング素子10(Qx1)が発熱する。本実施の形態の場合、コンデンサ20は65F〜100Fの電気二重層コンデンサであるので、瞬時の発熱でMOSFETからなるスイチング素子10(Qx1)の温度が許容値を超えてしまい破壊する可能性がある。しかしながら、本実施の形態においては、エンジン始動後で、発電動作前に、コンデンサ20のエネルギーをバッテリー1へ回収するようにしたので、コンデンサ20の電圧を0Vにしたときの損失を小さくし、DC/DCコンバータ部の発電を抑えることができる。
発電期間(T4)において、DC/DCコンバータのスイッチング素子10(Qx1)は常時ON、スイッチング素子11(Qx2)は常時OFFとなる。モータ6は、界磁巻き線付きのクローポールモータであり、界磁巻き線電流をコントロールすることにより、電力変換回路5(3相ダイオード整流回路)を介して発生するDC電圧値をコントロールすることができる。発電電圧は、バッテリー1を直接充電する電圧値になっている。スイッチング素子10(Qx1)を介してバッテリー1の充電は行われる。2電源システムを念頭においた従来の電力装置のように、発電時DC/DCコンバータを降圧動作する(スイッチングする)場合と比較して、発電期間におけるDC/DCコンバータの損失を1/2〜1/3に抑えることができ、DC/DCコンバータの発熱も1/2〜1/3に低減できる。その結果、電力変換回路5とDC/DCコンバータを含んだ電力変換装置の冷却機構を簡単化でき、強制空冷をするためのファンや水冷をするための機構の必要のない、小形で低コストである装置を得ることができる。
減速期間(T5)において、制動エネルギーを用いてコンデンサ20を充電する。速度計により車両の減速を検知し、あるいはブレーキをかけたことを検知して、制動時のエネルギーの一部を利用しコンデンサ20を所定の電圧まで充電する。充電に使うエネルギー量としては小さいので、減速時のエネルギーのほとんどは、ブレーキの機械的な損失(摩擦)として消費される。
減速時のエネルギーを利用しコンデンサ20を充電すると、エネルギーの利用効率としてはいいが、制御がやや複雑になる。よって、コンデンサ20への充電動作は、アイドル停止期間(T1)あるいは停止前のアイドル期間(T6)にDC/DCコンバータの昇圧動作によって、所定の電圧まで充電してもよい。
このように、本実施の形態においては、自動車車両の停止時あるいは減速時に、コンデンサ20に充電を行うようにしたので、アイドルストップ動作の始動時に、所望のモータ出力を得ることができる。
次に、本発明の有効性について述べる。まず、図3に示したような12Vのバッテリー1、電力変換回路5(3相インバータ)およびモータ6での構成について考えてみる。この構成でアイドルストップ動作が満足できれば、非常に小形で低コストである電力変換装置が実現できる。1.5Lクラス以下の小型車ならばこの構成でも機能を満足することができるが、2Lクラス以上になると、要求されるモータ6のトルク出力も大きくなり、機能を満足することは困難になる。特に、アイドル回転付近まで回転数が上がっていくと、モータ6が発生する起電圧により12Vのバッテリー電圧ではモータ6にエネルギーを供給することが困難となる。12V用にモータ6を設計した場合、始動トルクは得ることはできるが、回転数が上がっていくと所望のトルク出力が得ることができなくなる(図4)。
モータ回転数が上がっている状態で大きな電力をモータに供給するためには、電力変換回路の入力部に高い電圧が必要である。図5に、12Vのバッテリー1から最大とれる電力と、そのときのバッテリー出力電圧の関係について示す。バッテリー1の内部抵抗を8mΩとしている。バッテリー1の電圧を上げていくと、バッテリー1からとれる最大電力は低下してしまうことがわかる。
次に、DC/DCコンバータで昇圧して、内部抵抗8mΩの12Vバッテリーからエネルギーを取り出し、電力変換回路へ入力することを考える。回路構成を図6に示す。本発明の構成からコンデンサ20を無くした構成になっている。DC/DCコンバータの変換効率射ηを(1)式のように定義し、図7に示す計算モデルより(2)〜(4)式が導かれ、これらの方程式を解くことにより、DC/DCコンバータ出力電圧と最大出力電力の関係が得られる(図8)。

ここで、nはDC/DCコンバータの昇圧比であり、IoutおよびVoutはそれぞれDC/DCコンバータの出力電流および電圧、VinおよびIinはDC/DCコンバータ入力電圧および電流、Rはバッテリー内部抵抗(8mΩ)、Vはバッテリー電圧(12V)である。図8より、昇圧比nを上げていけば高い出力電圧で出力電力を得ることができるが、DC/DCコンバータの効率分出力電力は落ちることがわかる。もちろん、3.5kW以上の出力が必要ない場合は、図5に示した形態で十分である。この形態に関しては、後述の実施の形態3において述べる。
高い電圧で大きな電力を電力変換回路に投入したい場合、バッテリー以外のエネルギー源が必要である。本発明(図1)は2つのエネルギー源をもった形態であり、電力変換回路5への高電圧、高電力入力が可能となる。コンデンサ20がもう一つのエネルギー源になる。上述のように、コンデンサ20は電気二重層コンデンサである。電気二重層コンデンサは、1セル単位2.5Vで構成される。ここでコンデンサ20の1セルを耐圧2.5V、内部抵抗8mΩ、容量100Fとして、電力変換回路5への入力電圧13V、入力電力4kWとした場合(2Lクラスの車両をモータ6のみでアイドル回転域までエンジン回転数を上げる場合必要な電圧・電力値)の必要コンデンサセル数を求める。まず、DC/DCコンバータのアシスト動作がない場合について検討する。図9にその計算モデルを示す。コンデンサを直列に接続した場合はその分充電電圧も大きくなっている。もちろん、並列接続した場合は内部抵抗その分小さくなる。この計算において、コンデンサ20を電源としておいているので、コンデンサエネルギーが減少し電圧が低下する影響は考慮されていない。コンデンサ20は大容量であるが、若干の電圧低下は発生するので、多少並列数等を考慮しなければならない。図10に結果を示す。3並列3直列の9セルならば、DC/DCコンバータによるアシストなしでも13V、4kWの出力を得ることができるが、2並列3直列の6セルでは13Vの出力が3.3kWと足りないことがわかる。
次に、2並列3直列の6セルでコンデンサ20を構成し、DC/DCコンバータを始動時昇圧動作させた場合を検討する。計算モデルを図11に示す。計算は、コンデンサを電源と見なし、コンデンサ電圧の過渡的な変化を無視している。ηは効率で、DC/DCコンバータ出力電力1kWの場合0.9、2kWの場合0.85、3kWの場合0.8とした。nは昇圧比、ΔVはコンデンサ電圧、rはコンデンサ内部抵抗、Vはバッテリー電圧、Rはバッテリー内部抵抗である。計算モデルから得られる方程式を以下に示す。

上式を解くことにより、各DC/DCコンバータアシスト電力に対する出力電圧と最大出力電力の関係が導くことができる。図12にそれを示す。図より、DC/DCコンバータで2kWのアシストをすることにより所望の電力(4kW以上)を得ることができることがわかる。DC/DCコンバータアシストによりコンデンサのサイズを2/3に減少できることがわかる。
以上の説明から、本実施の形態の動作は以下のようになる。コンデンサ20は電気二重層コンデンサ2並列3直列6セルで構成されアイドルストップ始動時初期に7.5V充電されている。始動時には、DC/DCコンバータにより2kWアシストする。このような構成および動作をすることにより、2Lクラスの車両の所望のアイドルストップ動作を満足することができる。また、発電期間より前にコンデンサ20に蓄積されているエネルギーをDC/DCコンバータを動作させ、エネルギーをバッテリーに回収することによりDC/DCコンバータ部での発熱を低く抑えている。発電期間においては、モータ発電電圧をバッテリー充電電圧に合わせ、Qx1を常時ONすることによりバッテリー充電を行い、DC/DCコンバータ部の発熱を低く抑えている。コンデンサの再充電は減速時あるいはアイドル停止時に行い、次の始動に備える。
以上のように、本実施の形態においては、発電動作時、モータ発電電圧をバッテリー群1の充電電圧に設定し、MOSFETからなるスイッチング素子10(Qx1)を常時ON状態とし、バッテリー群1への充電を可能とした。さらに、アイドルストップ時の始動動作が完了後、DC/DCコンバータを降圧動作させることにより、コンデンサ20のエネルギーをバッテリー1に回収した。さらにまた、アイドルストップ動作のためのコンデンサ20への充電は、車速の減速状態を検知、あるいはブレーキ動作を検知して、制動エネルギーを利用してコンデンサ20の充電を行った。また、始動動作前のコンデンサ電圧の調節は、DC/DCコンバータを昇降圧動作させることにより行った。電力装置に上記のような新たな制御動作を行うことにより、車両動作時のほとんどの時間行われる発電動作において、DC/DCコンバータ回路部の発熱を大幅に抑制することができ、小型で低コストな自動車用電力装置を得ることができる。
なお、本実施の形態において、スイッチング素子(Qx1、Qx2)として、MOSFETを用いたが、IGBT等の他の半導体デバイスで代替できることは言うまでもない。スイッチング素子(Qx1、Qx2)を半導体素子で構成するようにしたため、本実施の形態においては、高速にスイッチング動作を行うことができる。
また、本実施の形態1において、コンデンサ20を他のエネルギー蓄積源、例えば電解コンデンサと置き換えてもよい。
実施の形態2.
図13に本発明の実施の形態2の回路構成を示す。実施の形態1(図1)との違いは、コンデンサ20の高電圧側端子とMOSFETからなるスイッチング素子(Qx1)のドレイン端子の間にスイッチング素子16(Qx3)を配置した点である。スイッチング素子16(Qx3)はMOFETである。
動作について説明する。図14に、車両の走行状態とそのときのDC/DCコンバータの動作波形を示す。動作波形としては、スイッチング素子10、11および16(Qx1、Qx2、Qx3)のゲート電圧(ハイ電圧でON)、チョークコイル電流IL(図13において、矢印の方向が正)、コンデンサ20の電流Ic(図13において、矢印の方向が正)、コンデンサ20の電圧Vc(図13において、矢印の方向が正)が示されている。
図14に示すように、アイドルストップ動作のスタート期間(T2)において、実施の形態1と同様に、バッテリー1→コンデンサ20→電力変換回路5と、バッテリー1→DC/DCコンバータ→電力変換回路5の2経路から電力変換回路5へエネルギーを供給する。実施の形態1と異なる点は、このときスイッチング素子16(Qx3)をONする点である。図14ではスタートと同時にスイッチング素子(Qx3)をONしているが、モータ6の低回転域では、スイッチング素子16(Qx3)をOFFしておき、回転数が上がった状態からアイドル回転域でONしてもよい。図4に示したようにモータ発生電圧が低いため、モータ低回転域でのエネルギー供給は電力変換回路5の入力電圧が低くても可能であるので、スイッチング素子16(Qx3)をOFFしておいても問題はない。このようにスイッチング素子16(Qx3)のON動作を遅らせることにより、コンデンサエネルギーを節約でき、コンデンササイズ(使用セル数)を小さくすることができる。スイッチング素子16(Qx3)をOFFしている間、DC/DCコンバータは、図14に示しているように、昇圧動作をしてもよいし、また、常時、スイッチング素子10(Qx1)をONしていてもよい。低回転域でモータ発生電圧が低い領域ならば、スイッチング素子10(Qx1)をONでエネルギー供給した方が損失も少なくて済む。
発電期間(T3)においては、スイッチング素子16(Qx3)がOFF状態である以外は、実施の形態1と同じである。発電期間の前に、コンデンサ20に蓄積されているエネルギーをバッテリー1に回収する必要はない。実施の形態2は、スタート動作期間が終了したら、スイッチング素子(Qx3)をOFFするだけでいいので、制御が簡単であると言える。
アイドル停止状態あるいは停止前のアイドル状態になったら、コンデンサ20を所望の電圧まで充電し、次の始動に備える。これにより、アイドルストップ動作の始動時に、所望のモータ出力を得ることができる。
以上のように、本実施の形態においては、コンデンサ20の高電圧側端子とMOSFETからなるスイッチング素子10(Qx1)のドレイン端子間にスイッチング素子16(Qx3)を設け、発電動作時、モータ発電電圧をバッテリー1の充電電圧に設定し、スイッチング素子16(Qx3)をOFF状態、MOSFETからなるスイッチング素子10(Qx1)を常時ON状態とし、バッテリー1への充電を可能とした。さらに、アイドルストップ動作の停止期間において、コンデンサ20を始動動作必要電圧まで充電を行った。電力装置に上記のような新たなスイッチを設け、新たな制御動作を行うことにより、車両動作時のほとんどの時間行われる発電動作において、DC/DCコンバータ回路部の発熱を大幅に抑制することができる。このように、実施の形態2は、実施の形態1と比較して、スイッチング素子16(Qx3)を設けたことにより、コンデンササイズをさらに小さくでき、また、自動車用電力装置全体の制御が簡単であるというメリットがある。電力装置のDC/DCコンバータ部の発熱を低く抑えたことにより、電力装置の小形化および低コスト化が可能となる。
なお、モータ6によりエンジンを始動させる期間(T2)の前半は、バッテリー1から電力変換回路5へエネルギーを供給し、後半は、バッテリー1とコンデンサ20から電力変換回路5へエネルギーを供給するようにした場合には、アイドルストップ動作の始動時、所望のモータ出力を得つつ、エネルギー蓄積源の容量(サイズ)を低減することができる。
なお、本実施の形態において、スイッチング素子10,11および16(Qx1、Qx2、Qx3)としてMOSFETを用いたが、IGBT等の他の半導体デバイスで代替できることは言うまでもない。スイッチング素子10,11および16(Qx1、Qx2、Qx3)を半導体素子で構成することにより、高速動作が可能となる。
また、本実施の形態2において、コンデンサ20を他のエネルギー蓄積源と置き換えてもよい。例えば電解コンデンサでもよい。スイッチング素子16(Qx3)があり、不必要時は切り離しておけるので、大きなエネルギーを蓄積できるバッテリー1に置き換えることも可能である。
実施の形態3.
図6に、本発明の実施の形態3の構成を示す。実施の形態1で示した図1の構成と異なる点は、コンデンサ20が無くなっていることである。従って、エネルギー源がバッテリー1だけになるので、高出力の電力を得るのは困難であるが、上述(図5、図8)のように、高電圧で大きな電力を得ることが可能になる。図8に示した条件で車両のアイドルストップ動作の条件を満足することができれば、コンデンサ20を削除した分だけ、小形化および低コスト化が可能となる。
動作について説明する。図15に、同様に、車両の走行状態とそのときのDC/DCコンバータの動作波形を示す。動作波形としては、スイッチング素子10,11(Qx1、Qx2)のゲート電圧(ハイ電圧でON)、チョークコイル電流IL(図6において、矢印の方向が正)、電力変換回路の入力電圧Vinv(図6において、矢印の方向が正)が示されている。
始動時(スタート動作期間T1)、DC/DCコンバータは昇圧動作がなされ、所望の電圧で所望の電力が電力変換回路5へ入力される。発電期間(T2)においては、同様に、スイッチング素子10(Qx1)が常時ONとなり、モータ6の発電電圧をバッテリー1の充電電圧に合わせ、バッテリー1への充電を行う。
以上のように、本実施の形態によれば、コンデンサ20を無くし、発電動作時、モータ発電電圧をバッテリー1の充電電圧に設定し、MOSFETからなるスイッチング素子10(Qx1)を常時ON状態とし、バッテリー1への充電を可能とした。上記のような構成および制御動作を行うことにより、始動時電力変換回路5への電力投入量が比較的低くてもかまわない場合において、アイドルストップ時の始動動作を満足し、かつ、発電時におけるDC/DCコンバータ回路部の発熱を大幅に抑制することができる。このように、本実施の形態においては、発電期間(T2)において、スイッチング素子10(Qx1)を常時ONにし、バッテリー1への充電を行い、電力装置のDC/DCコンバータ部の発熱を低く抑えたことにより、電力装置の小形化および低コスト化が図れる。
本実施の形態において、スイッチング素子10および11(Qx1、Qx2)としてMOSFETを用いたが、IGBT等の他の半導体デバイスで代替できることは言うまでもない。スイッチング素子10および11(Qx1、Qx2)を半導体素子で構成すれば、高速動作が可能となる。
実施の形態4.
発電期間において、スイッチング素子10(Qx1)は常時ONされ、モータ6が発電し電力変換回路5が整流した電力によりバッテリー1を充電する。例えば2kWの発電だとすると、スイッチング素子10(Qx1)に流れる電流は2kW/12V=167Aになる。MOSFETから構成されたスイッチング素子10(Qx1)を多並列し、ON抵抗を下げて、スイッチング素子10(Qx1)における発熱を抑えている。本発明の実施の形態4は、この発電期間において、さらに発熱を抑えることを目的としている。
図16に本発明の実施の形態4の構成を示す。実施の形態1(図1)と異なる点は、スイッチング素子10(Qx1)と並列に、機械式のスイッチ17(Sx1)が配置されていることである。この場合、スイッチング素子10(Qx1)は多並列にする必要はなく、コンデンサエネルギー回収期間(T3)の降圧動作時に必要な容量があればよい。本実施の形態の場合、MOSFET1個でスイッチング素子10(Qx1)を構成している。発電期間では、スイッチ17(Sx1)をONすることにより、発電電力でバッテリー1を充電する。
以上のように、本実施の形態においては、上述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、スイッチング素子10(Qx1)を半導体素子と機械式スイッチの並列回路から構成するようにしたので、機械式スイッチ17(Sx1)の抵抗は非常に小さいため、発熱をさらに抑えることができる。
実施の形態5.
図17に本発明の実施の形態5の構成を示す。実施の形態2で示した図13と異なる点は、図13に示した、MOSFETから構成されているスイッチング素子10および16(Qx1、Qx3)の代わりに、それぞれ、機械式スイッチ18および19(Sx1、Sx2)を設けたことである。実施の形態2には、コンデンサエネルギー回収期間がないので、MOSFETからなるスイッチング素子10(Qx1)を必要としない。発電期間、電流をスイッチ18(Sx1)を通してバッテリー1に充電するので、上述したように機械式スイッチは抵抗が非常に小さいため、さらに発熱を低減することができる。スタート期間において、コンデンサ20からの電流をスイッチ19(Sx2)を通して電力変換回路5へ供給するので、スタート期間の発熱も抑えることができる。
実施の形態6.
図18に本発明の実施の形態6の構成を示す。図6に示した実施の形態3と異なる点は、実施の形態3のMOSFETからなるスイッチング素子10(Qx1)を、機械式スイッチ18(Sx1)に置き換えたことである。
本実施の形態においては、発電期間(T2)において、スイッチング素子10(Qx1)を常時ONにし、バッテリー1への充電を行うが、上述したように、機械式スイッチは抵抗が非常に小さいため、電力装置のDC/DCコンバータ部の発熱をさらに低く抑えることができる。これにより、電力装置の小形化および低コスト化が図れる。
なお、上記の実施の形態1〜6で示したチョークコイルLxは一般的なチョークコイルとして説明されたが、このチョークコイルLxを図19に示すコイル構造の磁界バイアス方式にすることにより、チョークコイルを小型化できるメリットがある。磁界バイアス方式においては、図19に示すように、コア40の内部に、磁石41が配置されている。この方式を用いると、小型化しても昇圧方向で所望のインダクタンス値が実現できる。しかし、電流逆方向では電流が大きくなると、逆方向のインダクタンス値を得ることができなくなるが(コアの磁気飽和が発生してしまうが)、本発明の場合、インバータからバッテリーへの電流方向でのインダクタンス値はなくても支障がない。
このように、上記の実施の形態1〜6で示したチョークコイルLxはコア内部に磁石が配置された磁界バイアス方式のチョークコイルで構成してもよく、その場合には、上記実施の形態1〜6と同様の効果が得られるとともに、さらに、小型化できるという効果が得られる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、前記エンジンに動力を伝えて始動させるとともに、前記エンジンの回転中は前記エンジンの動力を受けて発電を行うモータと、少なくとも2つのDC電圧入出力端子を有し、前記モータに電力を伝える電力変換回路と、前記電力変換回路に接続されたバッテリーと、前記バッテリーと直列に接続され、エネルギーの蓄積を行うエネルギー蓄積源と、少なくとも2つのスイッチング素子で構成され、前記エネルギー蓄積源の電圧を昇圧することにより前記エネルギー蓄積源への充電を行うとともに、降圧することにより前記エネルギー蓄積源内のエネルギーの前記バッテリーへの回収を行うDC/DCコンバータとを備え、
前記DC/DCコンバータの前記スイッチング素子は、前記電力変換回路のDC電圧入出力端子の高電圧側端子と前記バッテリーの高電圧側端子とを接続しており、
前記モータが、前記エンジンの動力を受けて発電して、前記電力変換回路および前記DC/DCコンバータを通して前記バッテリーを充電するとき、前記DC/DCコンバータに設けられた前記スイッチを常時ONする
ことを特徴とする自動車用電力装置。
【請求項2】
前記モータによりエンジンを始動した後、前記発電を行う前に、前記DC/DCコンバータが前記エネルギー蓄積源を降圧動作させることにより、前記エネルギー蓄積源に蓄えられているエネルギーを前記バッテリーへ回収する
ことを特徴とする請求項1に記載の自動車用電力装置。
【請求項3】
車両の停止時、停止前のアイドル時あるいは減速時に、前記エネルギー蓄積源への充電を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の自動車用電力装置。
【請求項4】
前記DC/DCコンバータの前記スイッチング素子は半導体素子から構成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の自動車用電力装置。
【請求項5】
前記DC/DCコンバータが有する前記スイッチング素子は半導体素子と機械式スイッチの並列回路から構成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の自動車用電力装置。
【請求項6】
前記エネルギー蓄積源の高電圧側端子と前記電力変換回路のDC電圧入出力端子の高電圧側端子との間に接続されたスイッチをさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の自動車用電力装置。
【請求項7】
前記モータによりエンジンを始動させる前に、前記エネルギー蓄積源に、前記バッテリーから前記DC/DCコンバータを介して充電を行うことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の自動車用電力装置。
【請求項8】
前記モータによりエンジンを始動させる期間の前半は、前記バッテリーから前記電力変換回路へエネルギーを供給し、後半は、前記バッテリーと前記エネルギー蓄積源から前記電力変換回路へエネルギーを供給することを特徴とする請求項6または7に記載の自動車用電力装置。
【請求項9】
前記エネルギー蓄積源の高電圧側端子と前記電力変換回路のDC電圧入出力端子の高電圧側端子との間に接続された前記スイッチは半導体素子から構成されていることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の自動車用電力装置。
【請求項10】
前記DC/DCコンバータの前記スイッチング素子は、機械式スイッチから構成されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の自動車用電力装置。
【請求項11】
前記エネルギー蓄積源の高電圧側端子と前記電力変換回路のDC電圧入出力端子の高電圧側端子との間に接続された前記スイッチは機械式スイッチから構成されていることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の自動車用電力装置。
【請求項12】
エンジンと、前記エンジンに動力を伝えて始動させるとともに、前記エンジンの回転中は前記エンジンの動力を受けて発電を行うモータと、少なくとも2つのDC電圧入出力端子を有し、前記モータに電力を伝える電力変換回路と、前記電力変換回路に接続されたバッテリーと、少なくとも2つのスイッチング素子で構成され、前記バッテリーから昇圧して前記電力変換回路へ電力供給を行うDC/DCコンバータとを備え、
前記DC/DCコンバータの前記スイッチング素子は、前記電力変換回路のDC電圧入出力端子の高電圧側端子と前記バッテリーの高電圧側端子とを接続しており、
前記モータが、前記エンジンの動力を受けて発電して、前記電力変換回路および前記DC/DCコンバータを通して前記バッテリーを充電するとき、前記DC/DCコンバータに設けられた前記スイッチを常時ONする
ことを特徴とする自動車用電力装置。
【請求項13】
前記DC/DCコンバータの前記スイッチング素子は、半導体素子から構成されていることを特徴とする請求項12に記載の自動車用電力装置。
【請求項14】
前記DC/DCコンバータの前記スイッチング素子は、機械式スイッチから構成されていることを特徴とする請求項12に記載の自動車用電力装置。
【請求項15】
前記DC/DCコンバータを構成するチョークコイルをコア内部に磁石が配置された磁界バイアス方式のチョークコイルとしたことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の自動車用電力装置。

【国際公開番号】WO2004/055963
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【発行日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−560596(P2004−560596)
【国際出願番号】PCT/JP2003/011930
【国際出願日】平成15年9月18日(2003.9.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】