説明

自己較正レーザ半導体加速度計

【課題】動的な動作条件下で、バイアス誤差を加速度測定から連続的に除去する自己較正レーザ加速度計システムを提供すること。
【解決手段】動的な動作条件下で、バイアス誤差を加速度測定から連続的に除去する自己較正レーザ加速度計システムは、フレームと、そのフレーム内で位置決めされた、1対の本質的に同一の質量変調加速度計とを有する。各加速度計は、フレクシャ懸架によって検知要素フレームに取り付けられたプルーフ・マスを含む。プルーフ・マスは、入力軸に沿った検知要素フレームの加速度に応答して、出力軸の周りで回転するように構成される。第1のプルーフマスは、第1のプルーフ・マスの質量変調をもたらすように、また入力軸に対する選択的に可逆の極性をもたらすように、またバイアスの自己較正をもたらすように、出力軸の第1の側の第1の安定位置と、出力軸の第2の側の第2の安定位置との間で移動可能である二次質量を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にナビゲーション機器に関し、詳細には、加速度計に関する。さらに詳細には、本発明は、絶えず変化する動作状況において、連続的に測定し、測定された加速度からバイアス誤差のあらゆる発生源を除去する加速度計に関する。
【背景技術】
【0002】
振子式積分ジャイロ加速度計(PIGA)およびSFIR(Specific Force Integrating Receiver)は、主に戦略ミサイル誘導システムで使用される、非常に高精度の加速度計である。振子式加速度計は、懸垂されたマスを変位させる加速度を変位の角度から決定することができるという原理に基づく。これらの加速度計は、従来の航法グレードの加速度計より1桁から2桁精度が高いバイアスおよびスケールファクタ性能を有する。PIGAおよびSFIRは、一方、2桁高価であり、また信頼性がそれより低く、したがってライフサイクルコストが高い。改善された信頼性を有する振動ビーム加速度計(VBA)など、代替の、より低いコストの加速度計が、20年以上もの間、PIGAおよびSFIRを置き換えるものとして、開発されている最中である。これらの代替の、戦略グレードの加速度計技術に、少なからぬ投資が引き続き行われているが、展開したい技術的な即応レベルに達しているものはない。
【0003】
内部キャビティ長、したがってレーザの周波数が加速度の関数である、レーザジャイロスコープ技術に基づく様々なヘリウムネオンレーザ加速度計もまた、PIGAおよびSFIRを置き換えるものとして過去に提案されている。一般に、キャビティ長をベースとするレーザ加速度計は、モードホッピングを回避するように1波長未満のプルーフ・マス変位で全加速度範囲を測定する。633nmのレーザ波長については、キャビティ長の全範囲変位は、0.32μm未満である。この変位は、重力加速度の20倍の全範囲加速度に対応する。加速度計のダイナミックレンジは、107より大きいことが必要とされる。加速度計が2μg未満のバイアス安定性および繰返し性を有するために、キャビティ長は、温度全体にわたって、3×10−14メートル、または0.00003Å未満に安定かつ繰り返し可能なものでなければならない。レーザ本体が、0.02ppm/℃と0.1ppm/℃の間の熱膨張率を有する、かつキャビティ長が10cmであるZerodurなど、ある材料から作製される場合には、周囲温度変化のコモンモード除去を実現するために使用される2つのキャビティ間の温度勾配は、1.5×10−5℃から3×10−6℃未満であることを必要とすることになる。温度勾配に対する加速度計バイアスのこの極端な感受性は、従来のレーザ加速度計が、戦略応用分野に必要とされるバイアス安定性および繰返し性を満たさない主な理由の1つである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,599,896号
【特許文献2】米国特許第5,142,921号
【特許文献3】米国特許第6,591,027号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明による自己較正半導体レーザ加速度計は、動的な動作条件下で、連続的に測定し、測定された加速度からバイアス誤差のあらゆる発生源を除去することにより、従来技術のバイアス制限を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
絶えず変化する動作状況で、バイアス誤差を加速度測定から連続的に除去する自己較正レーザ加速度計システムは、フレームと、そのフレーム内で位置決めされた、1対の本質的に同一の質量変調加速度計とを備える。各加速度計は、フレクシャ懸架によって検知要素フレームに取り付けられたプルーフ・マスを含む。プルーフ・マスは、入力軸に沿った検知要素フレームの加速度に応答して、出力軸の周りで回転するように構成される。第1のプルーフ・マスは、第1のプルーフ・マスの質量変調をもたらすように、また入力軸に対する選択的に可逆の極性をもたらすように、またバイアスの自己較正をもたらすように、出力軸の第1の側の第1の安定位置と、出力軸の第2の側の第2の安定位置との間で移動可能である二次質量(secondary mass)を含む。
請求項1の発明は、動的な動作条件下で、バイアス誤差を加速度測定から連続的に除去する自己較正加速度計システムにおいて、フレームと、第1のフレクシャ懸架によって検知要素フレームに取り付けられた第1のプルーフ・マスを含む、前記フレーム内で位置決めされた第1の質量変調加速度計であって、前記第1のプルーフ・マスが、前記検知要素フレームの第1の入力軸に沿った加速度に応答して、出力軸の周りで回転するように構成され、前記第1のプルーフマスが、前記第1のプルーフ・マスの質量変調をもたらすように、また前記入力軸に対する選択的に可逆の極性をもたらすように、またバイアスの自己較正をもたらすように、前記出力軸の第1の側の第1の安定位置と、前記出力軸の第2の側の第2の安定位置との間で、選択された周波数で移動可能である第1の二次質量を含む、第1の質量変調加速度計と、第2のフレクシャ懸架によって前記検知要素フレームに取り付けられた第2のプルーフ・マスを含む、前記フレーム内で位置決めされた第2の質量変調加速度計であって、前記第2のプルーフ・マスが、第2の入力軸に沿った前記検知要素フレームの加速度に応答して、前記出力軸の周りで回転するように構成され、前記第2のプルーフ・マスが、前記第2のプルーフ・マスの質量変調をもたらすように、また前記入力軸に対する選択的に可逆の極性をもたらすように、またバイアスの自己較正をもたらすように、前記出力軸の第1の側の第1の安定位置と、前記出力軸の第2の側の第2の安定位置との間で移動可能である第2の二次質量を含む、第2の質量変調加速度計と、前記検知要素フレーム内の前記第1および第2のプルーフ・マスの前記入力軸に沿った直線加速度を示す信号を送るように構成された信号ピックオフシステムとを備え、前記第1および第2の質量変調加速度計が、前記第1および第2の二次質量がそれらのそれぞれの安定位置にあるとき反対の極性を有するように構成される、自己較正加速度計システムである。
【0007】
各加速度計は、キャビティ長が検知要素フレーム内のプルーフ・マスの角度位置によって決定される可変キャビティ長レーザをさらに含むことができる。その加速度計は、固定キャビティ長を有するレーザをさらに含む。各可変キャビティ長レーザからの光出力を、固定キャビティ長レーザからの光出力と組み合わせ、2つの干渉パターンを形成する。これらの干渉パターンにより、両方のレーザの組合せの光周波数差が2つの電気的な加速度計出力信号に変換される。
請求項2の発明は、前記信号ピックオフシステムが、前記検知要素フレーム内の前記第1のプルーフマスの角度位置によって決定される第1のキャビティ長を有する第1のレーザと、前記検知要素フレーム内の前記第2のプルーフ・マスの角度位置によって決定される第2のキャビティ長を有する第2のレーザと、第3のレーザに対する前記検知要素フレームの位置によって決定されるキャビティ長を有する第3のレーザと、前記第1のレーザの出力を前記第3のレーザの出力と組み合わせ、第1の光出力信号を生成するように構成され、さらに、前記第2のレーザの出力を前記第3のレーザの前記出力と組み合わせ、第2の光出力信号を生成し、かつ前記第1の光出力信号と前記第2の光出力信号との間で干渉パターンを形成するように構成された合成光学系システムとを備える、自己較正加速度計システムである。
固定キャビティ長レーザを使用し、2つの可変キャビティ長レーザと干渉パターンを形成することにより、機械的変形および周囲温度変化による、加速度で誘発されたものでない(non-acceleration induced)キャビティ長レーザの変化の1次コモンモード除去(first order common mode rejection)が実現される。
【0008】
質量変調加速度計は、ハンドル層と、二酸化ケイ素層と、デバイス層とを有するシリコン・オン・インシュレータウェハ内に形成され、第1および第2のプルーフ・マスと、第1および第2のフレクシャ懸架とがハンドル層内に形成されていることが好ましい。各二次質量は、座屈ビームフレクシャシステムによって、その対応するプルーフ・マス内で支持される。1対の熱アクチュエータビームは、二次質量がその第1の安定位置にあるように各座屈ビームフレクシャシステムを圧縮して保持するように構成され、熱アクチュエータビームは、圧縮を座屈ビームフレクシャ懸架から選択的に除去するように構成され、二次質量をその第2の安定位置に並進させ、加速度に応答する第1のプルーフ・マスの極性のトルクを反転させ、一方、加速度で誘発されたものでないトルクは反転しない。
請求項3の発明は、前記第1および第2の質量変調加速度計が、ハンドル層と、二酸化ケイ素層と、デバイス層とを有するシリコン・オン・インシュレータウェハ内に形成され、前記第1および第2のプルーフ・マスと、前記第1および第2のフレクシャ懸架とが前記ハンドル層内に形成されており、前記第1のプルーフ・マス内で前記第1の二次質量を支持するように構成された第1の座屈ビームフレクシャシステムと、前記第1の二次質量がその第1の安定位置にあるように前記第1の座屈ビームフレクシャシステムを圧縮して保持するように構成された第1の1対の熱アクチュエータビームであって、前記圧縮を前記第1の座屈ビーム懸架から選択的に除去するように構成され、前記第1の二次質量をその第2の安定位置に並進させ、加速度に応答する前記第1のプルーフ・マスの極性のトルクを反転させ、一方、加速度で誘発されたものでないトルクは反転しない、第1の1対の熱アクチュエータビームと、前記第2のプルーフ・マス内で前記第2の二次質量を支持するように構成された第2の座屈ビームフレクシャシステムと、前記第2の二次質量がその第1の安定位置にあるように前記第2の座屈ビームフレクシャシステムを圧縮して保持するように構成された第2の1対の熱アクチュエータビームであって、前記圧縮を前記第2の座屈ビーム懸架から選択的に除去するように構成され、前記第2の二次質量をその第2の安定位置に並進させ、加速度に応答する前記第2のプルーフ・マスの極性のトルクを反転させ、一方、加速度で誘発されたものでないトルクは反転しない、第2の1対の熱アクチュエータビームとを備える、自己較正加速度計システムである。
【0009】
自己較正加速度計システムは、ウェハ内に形成され、ウェハの平面内にある第1の検知軸に沿って加速度を測定するように構成された、上述のような第1の1対の質量変調加速度計と、ウェハ内に形成され、ウェハの平面内にある、かつ第1の検知軸に対して垂直な第2の検知軸に沿って加速度を測定するように構成された、上述のような第2の1対の質量変調加速度計と、ウェハ内に形成され、ウェハの平面に対して垂直な第3の検知軸に沿って加速度を測定するように構成された、上述のような第3の1対の質量変調加速度計とをさらに含むことができる。
【0010】
自己較正加速度計システムは、容量性信号ピックオフシステムを含むことができる。
また、自己較正加速度計システムは、前記信号ピックオフシステムが、前記検知軸の周りでの前記第1および第2のプルーフ・マスの回転を示す信号を生成するように構成された複数のコンデンサを備えることができる。
【0011】
以下の本発明の詳細な説明は、戦略ミサイル誘導システムにおいてPIGAおよびSFIRに取って代わる可能性を有し、従来の航法グレードの慣性誘導システム用に、改善された性能を有する低コスト、低電力加速度計を提供する、高精度、高信頼性の自己較正半導体レーザ加速度計の、動作原理および構造について述べる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】入力軸が面外にあり、振子軸と出力軸が面内にある加速度計軸のグラフ図である。
【図1B】振子軸が面外にあり、入力軸と出力軸が面内にある加速度計軸のグラフ図である。
【図1C】検知要素の平面に対して垂直な入力軸(IA)を有する自己較正レーザ加速度計の概略図である。
【図1D】検知要素の平面内にその入力軸(IA)を有する自己較正レーザ加速度計の概略図である。
【図2A】面外入力軸を有する、本発明による自己較正半導体レーザ加速度計のブロック図である。
【図2B】面内入力軸を有する、本発明による自己較正半導体レーザ加速度計のブロック図である。
【図3】多層シリコンダイ内に形成された、本発明の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図4】図3に示されている、本発明に含めることができる検知要素の平面図である。
【図5】5Aは、第1の双安定状態で二次質量を保持する座屈ビーム懸架システムの正面図である。5Bは、第2の双安定状態で二次質量を保持する座屈ビーム懸架システムの正面図である。
【図6A】面外入力軸を有する、本発明による加速度計用の、二次質量をプルーフ・マスに接続する座屈ビーム懸架システムの平面図である。
【図6B】面内入力軸を有する、本発明による加速度計用の、二次質量をプルーフ・マスに接続する座屈ビーム懸架システムの平面図である。
【図7】本発明に含めることができる熱アクチュエータの平面図である。
【図8A】面内入力軸を有する、本発明の一実施形態に含めることができる予荷重ラッチ機構および座屈ビーム懸架の図である。
【図8B】面外入力軸を有する、本発明の一実施形態に含めることができる予荷重ラッチ機構および座屈ビーム懸架の図である。
【図9】本発明に含めることができる合成光学系システムの図である。
【図10】本発明に含めることができる合成光学系システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の構造上の特長および利点は、慣性測定技術において一般に使用される用語について説明した後で、よりよく理解することができる。入力軸(IA)に沿った直線加速度は、その入力軸に対して垂直な出力軸(OA)の周りでの、プルーフ・マスMの角度変位によって測定される。振子軸は、出力軸に対して垂直な、また出力軸と交差するプルーフ・マスの質量中心を通る線である。正の方向は、出力軸からプルーフマスにかけて画定される。図1Aは、面内振子軸、面内出力軸、面外入力軸を示す。図1Bを参照すると、振子軸PAは面外であり、入力軸および出力軸は、直交しており、面内である。
【0014】
図1Cは、フレーム11と検知要素12とを有する加速度計10の概略図である。感度軸または入力軸IAは、検知要素12の平面に対して垂直である。検知要素12は、出力軸である、横切る中心線の周りでの回転を可能にするフレクシャ(図1Cには図示せず)によって支持されたプレートとして形成することができる。図1Cにおける三角形の頂点は、この中心線を支点として示す。検知要素12の質量中心(CG)は、懸架の中心線によって画定される回転軸の両側にある2つの安定位置CG、CGを有する。プルーフ・マス内の二次質量14は、プレート12と同面内で並進し、質量中心を2つの安定位置の間で左右に移動させる。質量中心の場所を変える能力が質量変調と呼ばれる。質量変調の原理は、米国特許第4,599,896号に記載されている。懸架の中心線の一方の側から他方の側に質量中心を再配置することにより、入力軸の極性が反転され、加速度計バイアスの自己較正が可能になる。入力軸に沿った加速を受けると、検知要素は、質量中心がCG位置にある状態で、中心線の周りで時計回りに、また質量中心がCG位置にある状態で、中心線の周りで反時計回りに回転する。検知要素12の回転は、コンデンサC、Cのキャパシタンスの変化を引き起こし、この変化を検出および使用し、加速度計10のための信号ピックオフを形成することができる。加速度を決定するための好ましい方法は、米国特許第5,142,921号に記載されているパルス幅変調型電荷制御サーボを使用して、検知要素12を静電力により再度釣り合わせることである。したがって、検知要素を再度釣り合わせるために必要とされる電気信号が加速度を示す。
【0015】
図1Dは、その入力軸IAが検知要素16と同面内にある加速度計15の概略図である。加速度計15の極性を変化させるために、質量中心は、懸架の中心線の上方および下方の、2つの双安定位置間で垂直に移動される。質量中心の移動は、二次質量17を上下に面外に移動させることによって行われる。検知要素16は、図1Cを参照して上述したのと同じ仕方で、静電力により再度釣り合わされることが好ましい。
【0016】
加速度計バイアスを誤差源として除去するための自己較正は、順次交番する極性を有する2つの加速度計による加速度の連続同時測定を含む。これらの2つの加速度計による加速度測定値を示す信号を組み合わせ、各加速度計のバイアスをゼロにし、かつ選択された検知軸に沿った加速度だけを示す信号を生成する。
【0017】
図2Aは、面外入力軸を有する、本発明による自己較正半導体レーザ加速度計システム20の概略図である。自己較正半導体レーザ加速度計システム20は、第1の質量変調プルーフ・マス加速度計23で構成される第1の検知要素22と、第2の質量変調プルーフ・マス加速度計25で構成される第2の検知要素24とを含む。第1および第2の質量変調プルーフ・マス加速度計23、25は、検知要素フレーム26に取り付けられる。第1の質量変調プルーフ・マス加速度計と第2の質量変調プルーフ・マス加速度計は、それぞれミラー28とミラー29を含む。検知要素フレーム26は、ミラー30を含む。
【0018】
ミラー28〜30は、それぞれ、対応する複数の半導体レーザA〜Cに面するように構成される。半導体レーザA〜Cは、それぞれ部分反射表面36〜38を含む。ミラー28〜30は、それぞれ半導体レーザA〜C用の外部キャビティA〜Cを画定するように、それぞれ部分反射表面36〜38から離隔される。半導体レーザA〜Cは、出力レーザビームA〜Cを、部分反射表面36〜38を介して合成光学系デバイス40に送る。合成光学系デバイス40は、半導体レーザAおよび半導体レーザBからの信号出力を組み合わせ、組み合わされた出力を光検出器42に向けて送る。合成光学系デバイス40は、半導体レーザBおよび半導体レーザCからの信号出力を組み合わせ、組み合わされた出力を光検出器44に向けて送る。
【0019】
図4に示されているように、質量変調プルーフ・マス加速度計24は、対応する1対のフレクシャ54、56によって検知要素フレーム26に対して支持された、好ましくは矩形のプレートとして形成された1対のプルーフマス50、52を含む。フレクシャ54、56は、プルーフ・マス50、52がそれらの懸架軸または出力軸の周りで回転することができるようにする。図2Aでは、三角形58、60がこれらの出力軸を支点として示す。検知要素22、24の重心(CG)は、出力軸の各側に1つずつ、2つの安定位置CG、CGを有するものとして示されている。これらの重心を出力軸の一方の側から他方の側に再配置することにより、入力軸(図2AにおけるIA)の極性が反転され、加速度計バイアスの自己較正が可能になる。図2Aの上と下に示されている外部キャビティ半導体レーザA、Cは、検知要素1、2の角度偏向を、それらのキャビティ長の変化として検知する。各レーザの周波数は、その対応する外部キャビティの長さの変化と共に変わり、キャビティ長が減少するにつれて周波数が増大する。レーザA、Cの個々の出力は、合成光学系40内で、非加速度感受性のレーザBの出力と組み合わされ、光検出器42、44に向けて送られる干渉パターンを形成する。これらの干渉パターンにより、両レーザの組合せA−BおよびB−Cに関する光周波数差が電気的な加速度計出力信号1、2に変換される。レーザBを使用し、レーザAおよびレーザCと干渉パターンを形成することにより、機械的変形および周囲温度変化による、加速度で誘発されたものでないキャビティ長の変化の1次コモンモード除去が実現される。
【0020】
図2Bは、図2Aと同様であり、入力軸IA、IAがそれらの対応する検知要素に対して面内にあることが異なる自己較正半導体加速度計システム61を示す。垂直な軸に沿った加速度を測定するように構成された2つの面内加速度計20を面外軸上の加速度を測定するための加速度計61と組み合わせることにより、3軸加速度計システムを形成することができる。
【0021】
キャビティ長の変化(ΔL)に対するレーザ周波数の変化(Δf)は、式
【0022】
【数1】

によって与えられる。次に、
【0023】
【数2】

であるから、周波数変化は、
【0024】
【数3】

であり、上式で、
c=光の速度
λ=光波の波長
【0025】
【数4】

L=キャビティ長。
【0026】
キャビティ長L=7.5×10−3mを有するレーザは、Δf=1×1010Hzを有することになる。±20g(gは重力加速度)の範囲を有する加速度計に関するスケールファクタは、1.0GHz/gである。
【0027】
加速度計バイアスの安定性および繰返し性は、0.1μgから1.0μgの範囲内にあることが望ましい。この要件は、単結晶シリコンまたは溶融石英など、非常に安定かつ繰り返し可能な弾性を有するフレクシャ材料と、非常に安定かつ繰り返し可能かつ線形のレーザピックオフとを使用することによって満たされる。また、一定の動作温度を維持することにより、スケールファクタの安定性および繰返し性を改善することができる。
【0028】
従来、バイアス安定性および繰返し性は、満たすのが最も困難な要件であった。本発明による自己較正半導体レーザ加速度計システムは、連続的な動的測定、および測定された加速度からのバイアスの除去によって、バイアス性能を満たすように設計される。動的条件下でのバイアス自己較正は、順次交番する極性を有する2つの加速度計23、25による加速度の同時測定を必要とする。加速度計23、25の出力をデジタル信号プロセッサ(図示せず)内で処理し、実際の加速度を決定することができる。極性反転は、プルーフ・マス50、52の重心の位置を、先に指摘したように出力軸の両側間で交番させることによって行われる。
【0029】
自己較正半導体レーザ加速度計センサシステム20は、図3の分解斜視図に示されているように、3層を含むシリコンダイ62として形成されることが好ましい。上層は、カバー64である。中央層は、検知要素22、24を含む検知要素層66である。下層は、光学ピックオフ13を含む。自己較正半導体レーザ加速度計センサシステム20の出力は、順次交番するスケールファクタ極性を有する加速度の2つの同時測定値である。これらの2つの加速度測定値は、測定された加速度のそれぞれからバイアスを連続的に測定および除去するカルマンフィルタで処理されることが好ましい。これらの2つの自己補償された加速度測定値は、2の平方根によって、ランダムウォークを低減するように平均される。
【0030】
図3に示されている、自己較正半導体レーザ加速度計センサシステム20のカバー64は、直接ウェハ融着、またはハーメチックシールを形成するための他の好適な方法によって検知要素に接合される矩形のシリコンプレート69であることが好ましい。また、カバー64は、プルーフ・マス50、52を質量変調する際に使用される熱アクチュエータ(図3には図示せず)用のヒートシンクとして働く。熱アクチュエータは電流パルスによって急速に加熱されるものであり、熱伝導および放射によって急速に冷却されることを必要とする。
【0031】
図4は、検知要素層66の平面図である。検知要素層66は、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウェハから作製されることが好ましい。
【0032】
図3に示されているように、SOIウェハは、3つの層、すなわちハンドル層70と、二酸化ケイ素層72と、デバイス層74とを有する。本発明では、ハンドル層70は、それぞれフレクシャ54、56によってフレーム26に支持された2つのプルーフ・マス50、52を形成するようにパターニングおよびエッチングされる。二次質量76、78は、それぞれプルーフ・マス50、52内の、それぞれのキャビティ77、79内に位置する。二次質量76、78は、デバイス層74内に形成される。二次質量76、78のそれぞれは、前述のように、2つの双安定位置間で移動可能である。二次質量76、78は、対応する座屈ビーム懸架システム80、82によって支持される。座屈ビーム懸架システム80、82は、それぞれ4つの座屈ビーム83〜86および座屈ビーム87〜90を含むように形成することができる。
【0033】
座屈ビーム83〜90は、すべて同一であることが好ましく、したがって、本明細書では、座屈ビーム83の構造だけが提示されている。図5Aおよび図5Bは、面外入力軸、ならびに面内出力軸および面内振子軸用に構成された座屈ビーム83を示す。図5Aおよび図5Bを参照すると、座屈ビーム83は、複数の懸架要素91、92と、コンプライアントな端受け97、98とを含むことができる。懸架要素91、92は、それぞれ可撓性部材93、94によって二次質量76に接続される。可撓性部材95は、コンプライアントな端受け97を懸架要素91に接続し、可撓性部材96は、コンプライアントな端受け98を懸架要素92に接続する。図5Aおよび図5Bに示されているように、座屈ビーム懸架システム83は、二次質量76を面内で、2つの双安定位置CG、CG間で移動させるように構成される。
【0034】
図6Aは、検知要素22の平面に対して垂直な加速度に応答して信号を生成するように構成された検知要素22を示す平面図である。二次質量76は、プルーフ・マス50の内部で、面内座屈ビーム83〜86によって吊られている。プルーフ・マス50は、フレクシャ構成要素54A、54Bを含むフレクシャ懸架54によってフレーム26に接続される。二次質量76は、座屈ビーム83〜86が圧縮された状態で、双安定位置の一方CG内で示されている。二次質量76がCG位置にあるとき、二次質量76の第1の端部76Aは、キャビティ77の内壁部分77Aに隣接している。熱アクチュエータ(図6Aには図示せず)が圧縮力を一時的に臨界座屈力未満に低減し、二次質量76を他方の双安定位置に移動させる。圧縮力の除去後、二次質量は、図6Aで左に移動したとき、その慣性により中立点を越えて第2の双安定位置CGに運ばれ、第2の双安定位置CGでは、二次質量76の端部76Bがキャビティ77の内壁部分77Bに接触する。熱アクチュエータをオフにすると、圧縮力が再度確立され、次いでその圧縮力により、電流が熱アクチュエータに再び印加されるまで二次質量が他方の双安定位置で保持される。
【0035】
双安定位置CG、CGは、フレクシャ54A、54Bの中心を通る線によって画定される出力軸OAの両側にある。検知要素の平面に対して垂直な加速度により、検知要素22が、面内である出力軸OAの周りで回転する。線OAの周りの回転方向は、二次質量76がそのCG位置にあるか、それともそのCG位置にあるかによって決まる。
【0036】
図6Bは、検知要素24の面内の加速度に対して感受性があるように構成された検知要素24を示す。検知要素24内に含まれる構成要素は、図6Aの検知要素22のものと同様である。その違いは、検知要素24の平面に対する座屈ビーム87〜90の向きにある。図6Bは、二次質量78がフレーム26に対して面外に、中立の面内位置の上方および下方の双安定位置間で移動するように構成された座屈ビーム87〜90を有する。したがって、質量中心は、支持中心の上方または下方である。したがって、入力軸は、検知要素の平面内にあり、懸架の中心線および質量中心を含む平面に対して垂直である。上述のような面内検知軸を有する2つの検知要素および面外検知軸を有する1つの検知要素は、3軸直交系を形成するように構成することができる。
【0037】
図7および図8Aを参照すると、電流パルスにより、座屈ビーム83〜90に隣接する2重熱アクチュエータ100が抵抗加熱される。2重熱アクチュエータ100は、当技術分野で周知の仕方で、薄膜加熱デバイスとして形成することができる。アクチュエータビーム102〜105の一時的な熱膨張により、座屈ビーム87〜90に対する圧縮力が減少し、二次質量76、78が他方の双安定位置に並進する。好適な熱作動法の詳細な説明については、「Bi-stable Micro Actuator and Optical Switch」という名称の米国特許第6,591,027号を参照されたい。入力軸(IA)は検知要素の平面内にあり、重心が2つの双安定位置間で並進したとき、加速度に応答するプルーフ・マス50、52のそれぞれに対するトルクの極性は反転され、一方、加速度で誘発されたものでないトルク(バイアス)は反転しない。
【0038】
図7は、本発明に含めることができる2重熱アクチュエータ100の平面図である。熱アクチュエータ100は、検知要素SOIウェハのデバイス層74から作製される。2重熱アクチュエータ100は、4つの領域を含む。2つの外側領域102、104は、SOIウェハの埋込み酸化物層を介して、ハンドル層70内の検知要素フレーム26に取り付けられる。SOIウェハの埋込み酸化物層を介して、2つの内側領域106、108は、プルーフ・マス76に取り付けられ、2つの内側領域110、112は、検知要素22のハンドル層70内のプルーフ・マス78に取り付けられる。電流パルスは、フレクシャ懸架54、56を介して、内側領域106、108、110、112に交互に印加される。図7における、矢印を有する破線は、熱アクチュエータ100内の電流経路を示す。2重熱アクチュエータ100は、検知要素22、24の極性を、約10Hzから50Hzで交番させることができる。電流パルスは、酸化物層によって検知要素フレーム26から電気的に分離される。フレクシャ54、56と、熱アクチュエータ100の内側領域106、108、110、112との間の電気接触は、当技術分野で周知の仕方で、メタライズされたビアを介して行われる。デバイス層74の抵抗率および厚さ、ならびにカバー64の間隙は、最小限の電圧で確実な動作が得られ、熱作動が最適なものとなるように選択される。
【0039】
図8Aは、図4の装置の一部分の拡大図である。図8Aは、座屈ビーム懸架83〜90に予荷重を加えるのを容易にする4つの予荷重ラッチ機構124〜127のうちの1つを示す。図8Aは、座屈ビーム懸架83〜90が面内入力軸に沿って加速度を検知するように構成される状況を表す。予荷重は、検知要素22の平面に対して垂直に二次質量76を偏向させるように力を加えることによって行われる。それにより、座屈ビーム懸架のコンプライアントな端受け92は、端受け92内の切り欠き130が熱アクチュエータビーム端受け(図示せず)内のラッチと係合するまで引き戻される。二次質量80を偏向させる力が除去されたとき、熱アクチュエータビームは、圧縮された状態になり、座屈力が座屈ビーム懸架84〜87内で維持される。電流パルスによって熱アクチュエータビームを抵抗加熱することにより、ビームが延び、座屈力を臨界座屈荷重未満に低減させる。座屈ビーム懸架内の蓄えられた弾性エネルギーにより、二次質量が中立軸に向かって移動する。二次質量80の運動量により、二次質量80が中立軸を通過する。熱アクチュエータビームを冷却することにより、熱アクチュエータビームが収縮し、二次質量の新しい位置を維持するように限界座屈荷重(critical buckling load)を復元する。
【0040】
図8Bは、図8Aと同様であり、座屈ビーム83〜90が、面外入力軸に沿って加速度を検知するように構成されることが異なる。
【0041】
図9は、本発明に含めることができる合成光学系アセンブリ156を示す。レーザアセンブリ140は、図8の場合と同様にレーザA〜Cを含む。レンズ160〜162は、それぞれレーザA〜Cから出力された光ビームを平行化し、平行化された光をシリカブロック163に向けて送る。シリカブロック163は、その両側に形成された回折格子164、165を含む。レーザビームA、Cは、シリカブロック163を通過し、回折格子164上に垂直入射する。レーザBからの光ビームは回折格子165上に入射し、回折格子165は、レーザビームBを2つの別々のビームに分割する。レーザビームBの第1の部分は、回折格子164のところでレーザビームAと組み合わされ、回折格子164を通過し光検出器42に至る干渉パターンを形成する。レーザビームBの第2の部分は、回折格子164のところでレーザビームCと組み合わされ、回折格子164を通過し光検出器44に至る別の干渉パターンを形成する。
【0042】
図10は、本発明に含めることができる光学系合成アセンブリの代替の実施形態168を示す。レーザビームA、Bは、シリカブロック176上に形成された回折格子174上に入射し、回折格子178のところで組み合わされ、光検出器42によって検出される干渉パターンを形成する。レーザビームCは、シリカブロック176から回折格子178に伝播する。レーザビームBは、回折格子174のところで分割され、その結果、その一部分が、レーザビームCと組み合わされるように偏向され、光検出器44によって検出される干渉パターンを形成する。
【符号の説明】
【0043】
A,B,C 半導体レーザ、レーザビーム
,C コンデンサ
CG,CG,CG,CG 安定位置
IA,IA,IA 入力軸
M プルーフ・マス
OA 出力軸
PA 振子軸
10 加速度計
11 フレーム
12 検知要素、プレート
13 光学ピックオフ
14 二次質量
15 加速度計
16 検知要素
17 二次質量
20 自己較正半導体レーザ加速度計システム、面内加速度計
22 第1の検知要素
23 第1の質量変調プルーフ・マス加速度計
24 第2の検知要素、質量変調プルーフ・マス加速度計
25 第2の質量変調プルーフ・マス加速度計
26 検知要素フレーム
28,29,30 ミラー
36,37,38 部分反射表面
40 合成光学系デバイス
42,44 光検出器
50,52 プルーフ・マス
54 フレクシャ、フレクシャ懸架、プルーフ・マス
54A,54B,56 フレクシャ
58,60 三角形
61 自己較正半導体加速度計システム、加速度計
62 シリコンダイ
64 カバー
66 検知要素層
69 シリコンプレート
70 ハンドル層
72 二酸化ケイ素層
74 デバイス層
76 二次質量、プルーフ・マス
76A,76B 端部
77 キャビティ
77A,77B 内壁部分
78 二次質量
79 キャビティ
80 座屈ビーム懸架システム、二次質量
82 座屈ビーム懸架システム
83 座屈ビーム
84,85 座屈ビーム、座屈ビーム懸架
86,87,88,89,90 座屈ビーム
91,92 懸架要素
93,94 可撓性部材
95,96 可撓性部材
97,98 端受け
100 2重熱アクチュエータ
102 アクチュエータビーム、外側領域
103 アクチュエータビーム
104 アクチュエータビーム、外側領域
105 アクチュエータビーム
106,108,110,112 内側領域
124,125,126,127 予荷重ラッチ機構
130 切り欠き
140 レーザアセンブリ
156 合成光学系アセンブリ
160,161,162 レンズ
163 シリカブロック
164,165 回折格子
168 合成光学系アセンブリ
174 回折格子
176 シリカブロック
178 回折格子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的な動作条件下で、バイアス誤差を加速度測定から連続的に除去する自己較正加速度計システムにおいて、
フレームと、
第1のフレクシャ懸架によって検知要素フレームに取り付けられた第1のプルーフ・マスを含む、前記フレーム内で位置決めされた第1の質量変調加速度計であって、前記第1のプルーフ・マスが、第1の入力軸に沿った前記検知要素フレームの加速度に応答して、出力軸の周りで回転するように構成され、前記第1のプルーフ・マスが、前記第1のプルーフ・マスの質量変調をもたらすように、また前記入力軸に対する選択的に可逆の極性をもたらすように、またバイアスの自己較正をもたらすように、前記出力軸の第1の側の第1の安定位置と、前記出力軸の第2の側の第2の安定位置との間で、選択された周波数で移動可能である第1の二次質量を含む、第1の質量変調加速度計と、
第2のフレクシャ懸架によって前記検知要素フレームに取り付けられた第2のプルーフ・マスを含む、前記フレーム内で位置決めされた第2の質量変調加速度計であって、前記第2のプルーフ・マスが、第2の入力軸に沿った前記検知要素フレームの加速度に応答して、前記出力軸の周りで回転するように構成され、前記第2のプルーフ・マスが、前記第2のプルーフ・マスの質量変調をもたらすように、また前記入力軸に対する選択的に可逆の極性をもたらすように、またバイアスの自己較正をもたらすように、前記出力軸の第1の側の第1の安定位置と、前記出力軸の第2の側の第2の安定位置との間で移動可能である第2の二次質量を含む、第2の質量変調加速度計と、
前記検知要素フレーム内の前記第1および第2のプルーフ・マスの前記入力軸に沿った直線加速度を示す信号を送るように構成された信号ピックオフシステムとを備え、
前記第1および第2の質量変調加速度計が、前記第1および第2の二次質量がそれらのそれぞれの安定位置にあるとき反対の極性を有するように構成される、自己較正加速度計システム。
【請求項2】
前記信号ピックオフシステムが、
前記検知要素フレーム内の前記第1のプルーフ・マスの角度位置によって決定される第1のキャビティ長を有する第1のレーザと、
前記検知要素フレーム内の前記第2のプルーフ・マスの角度位置によって決定される第2のキャビティ長を有する第2のレーザと、
第3のレーザに対する前記検知要素フレームの位置によって決定されるキャビティ長を有する第3のレーザと、
前記第1のレーザの出力を前記第3のレーザの出力と組み合わせ、第1の光出力信号を生成するように構成され、さらに、前記第2のレーザの出力を前記第3のレーザの前記出力と組み合わせ、第2の光出力信号を生成し、かつ前記第1の光出力信号と前記第2の光出力信号との間で干渉パターンを形成するように構成された合成光学系システムと
を備える、請求項1に記載の自己較正加速度計システム。
【請求項3】
前記信号ピックオフシステムが、前記検知軸の周りでの前記第1および第2のプルーフ・マスの回転を示す信号を生成するように構成された複数のコンデンサを備える、請求項1に記載の自己較正加速度計システム。
【請求項4】
前記第1および第2の質量変調加速度計が、ハンドル層と、二酸化ケイ素層と、デバイス層とを有するシリコン・オン・インシュレータウェハ内に形成され、前記第1および第2のプルーフ・マスと、前記第1および第2のフレクシャ懸架とが前記ハンドル層内に形成されており、
前記第1のプルーフ・マス内で前記第1の二次質量を支持するように構成された第1の座屈ビームフレクシャシステムと、
前記第1の二次質量がその第1の安定位置にあるように前記第1の座屈ビームフレクシャシステムを圧縮して保持するように構成された第1の1対の熱アクチュエータビームであって、前記圧縮を前記第1の座屈ビーム懸架から選択的に除去するように構成され、前記第1の二次質量をその第2の安定位置に移動させ、加速度に応答する前記第1のプルーフ・マスの前記極性のトルクを反転させ、一方、加速度で誘発されたものでないトルクは反転しない、第1の1対の熱アクチュエータビームと、
前記第2のプルーフ・マス内で前記第2の二次質量を支持するように構成された第2の座屈ビームフレクシャシステムと、
前記第2の二次質量がその第1の安定位置にあるように前記第2の座屈ビームフレクシャシステムを圧縮して保持するように構成された第2の1対の熱アクチュエータビームであって、前記圧縮を前記第2の座屈ビーム懸架から選択的に除去するように構成され、前記第2の二次質量をその第2の安定位置に移動させ、加速度に応答する前記第2のプルーフ・マスの前記極性のトルクを反転させ、一方、加速度で誘発されたものでないトルクは反転しない、第2の1対の熱アクチュエータビームと
を備える、請求項2または請求項3に記載の自己較正加速度計システム。
【請求項5】
前記ウェハ内に形成され、前記ウェハの平面内にある第1の検知軸に沿った加速度を測定するように構成された、請求項4に記載の第1の1対の質量変調加速度計と、
前記ウェハ内に形成され、前記ウェハの平面内にある、かつ前記第1の検知軸に対して垂直な第2の検知軸に沿った加速度を測定するように構成された、請求項4に記載の第2の1対の質量変調加速度計と、
前記ウェハ内に形成さ前記ウェハの平面に対して垂直な第3の検知軸に沿った加速度を測定するように構成された、請求項4に記載の第3の1対の質量変調加速度計と
をさらに備える、請求項4に記載の自己較正加速度計システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−288247(P2009−288247A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−130803(P2009−130803)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(507408316)ノースロップ グラマン ガイダンス アンド エレクトロニクス カンパニー,インコーポレーテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】NORTHROP GRUMMAN GUIDANCE AND ELECTRONICS COMPANY, INC.
【住所又は居所原語表記】1840 Century Park East, Los Angeles, CA 90067−2101, U.S.A.
【Fターム(参考)】