自律分散給水制御システム
【課題】可変速駆動手段によって駆動するn重系の自律分散給水制御システムを構築し、通信異常時にバックアップして断水を回避する。
【解決手段】マイクロプロセッサを搭載したインバータINVと制御基板1-1及びポンプP、モータIMでn重系を構成し、マイクロプロセッサ搭載インターフェース基板I/Oとで構成したシステムにおいて、マイクロプロセッサ間を通信信号線S9で結線し、基板I/Oにはパラメータが記憶され、圧力センサ16の検出信号とパラメータと比較し、制御基板1に始動、停止指令信号、変速運転、定速運転を判定する信号を発し、制御基板1は、IDNO.、圧力制御のパラメータが記憶され、基板I/Oからの起動信号により、インバータINVに運転指令を行い、圧力センサ16の検出信号に基づいて圧力制御を行い、インバータINVに信号を発し、制御基板1よりアンサバック信号を基板I/Oに返信し、制御基板1の起動停止を基板I/Oが行い、圧力制御を制御基板1が行う。
【解決手段】マイクロプロセッサを搭載したインバータINVと制御基板1-1及びポンプP、モータIMでn重系を構成し、マイクロプロセッサ搭載インターフェース基板I/Oとで構成したシステムにおいて、マイクロプロセッサ間を通信信号線S9で結線し、基板I/Oにはパラメータが記憶され、圧力センサ16の検出信号とパラメータと比較し、制御基板1に始動、停止指令信号、変速運転、定速運転を判定する信号を発し、制御基板1は、IDNO.、圧力制御のパラメータが記憶され、基板I/Oからの起動信号により、インバータINVに運転指令を行い、圧力センサ16の検出信号に基づいて圧力制御を行い、インバータINVに信号を発し、制御基板1よりアンサバック信号を基板I/Oに返信し、制御基板1の起動停止を基板I/Oが行い、圧力制御を制御基板1が行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の可変速駆動手段によって駆動する複数のポンプを用いた給水装置において、n重系自律分散制御を行うと共に通信異常時にバックアップするのに好適な給水装置のn重系の自律分散給水制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の可変速駆動手段によって駆動する複数のポンプを用いた給水装置の従来技術として、特許文献1(給水装置)、特許文献2(ポンプ装置)等がある。
(1)特許文献1(給水装置)は、ポンプ給水システムの二重系制御でn重系も示唆している。ポンプの運転制御機能がプログラムとして、インバータの中に入っている。信号線によって運転故障状態を総合監視して信号の授受を行うが、故障状態も含め運転している号機から相手号機に対して再運転処理指令する。号機が入れ替わるので、制御する主体(号機)が固定している概念がない。電源投入時にいずれかを運転するかの優先機はパラメータで設定している。しかしながら、通信異常時にどんな風にバックアップして、運転を継続して断水を回避するかの概念が記載されていない。
(2)特許文献2(ポンプ装置)は、ポンプの運転制御機能がプログラムとして、インバータの中に入っているポンプ給水システムの二重系制御である。制御用基板を分散して、断水を回避する。n重系は示唆していない。表示用基板と圧力センサは共通である。どちらが主体に相手ポンプの起動指令をだしているのか不明瞭である。又、表示要基板と圧力センサの信号の授受をどれが主体に実行しているかが不明瞭である。さらに、通信異常時にどんな風にバックアップして、運転を継続して断水を回避するかの概念が記載されていない。
【特許文献1】特開平8−93678号公報
【特許文献2】特開平8−100772号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、複数の可変速駆動手段によって駆動する複数のポンプを用いた給水装置に従来技術を用いてn重系自律分散制御システムを構築すると、
1.各制御系(基板)の役割が不明瞭でn重系自律分散制御による運転が円滑に行われない。
2.従来例(1)、(2)においても、通信異常が発生した時にどのようにバックアップするかが不明瞭であり、断水を回避することが可能なn重系自律分散制御システムを構築することができない。
【0004】
そこで、本発明は、複数の可変速駆動手段によって駆動する複数のポンプを用いた給水装置において、n重系自律分散制御システムを構築し、円滑にn重系の運転を行うと共に通信異常時にバックアップして断水を回避することが可能なシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的を達成するために、本発明1は、それぞれにマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体と制御基板及びポンプ、モータでn重系を構成し、これらに共通なマイクロプロセッサを搭載したインターフェース基板とで構成した給水装置のn重系の自律分散給水制御システムにおいて、各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、マスターとして働く前記インターフェース基板はIDNO.(ID番号)、台数制御、起動停止、圧力検出、圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶しており、圧力センサの検出した圧力信号と前記パラメータのうち起動停止パラメータと比較し、スレーブとして働くn重の制御基板のIDNO.に対して、始動指令信号、停止指令信号、及び変速運転か定速運転かを判定する信号を発する。n重の制御基板には、それぞれにIDNO.、圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶されており、前記インターフェース基板からの運転指令信号により、これと対応したインバータ本体に運転指令を行い、圧力センサの検出した圧力信号に基づいて、圧力制御を行い、この圧力制御に基づいてこれと対応したインバータ本体に周波数指令信号を出力する。インバータ本体はこの指令された周波数で運転する。そして、該制御基板よりアンサバック(返信)信号をインターフェース基板に返信し、n重の制御基板の起動停止をインターフェース基板が行い、圧力制御を制御基板が行う。尚、インバータ本体と制御基板を一体とすることも可能である。
【0006】
本発明2は、インターフェース基板に対し制御基板とインバータが1/nとなった時の停止処理を制御基板が行うようにしたものである。
【0007】
本発明3は、電源投入時に通信異常が発生した場合、スレーブであるn重の制御基板の初期化処理で手動運転とし、運転中に通信異常が発生した場合、通信異常が発生する直前のマスターであるインターフェース基板からの運転モード信号をn重の制御基板のEEPROMに記憶させておき、この運転モードが切のときは切の処理を、手動であれば手動の処理を、自動であれば自動の処理を実行するようにしたものである。
【0008】
本発明4は、それぞれにマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体と制御基板及びポンプ、モータでn重系を構成し、これらに共通なマイクロプロセッサを搭載したインターフェース基板とで構成した給水装置のn重系の自律分散給水制御システムにおいて、各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、前記インターフェース基板にはIDNO.、運転モード判定機能、台数制御、起動停止、圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶されており、圧力センサの検出した圧力信号と前記パラメータのうち起動停止パラメータと比較し、n重の制御基板のIDNO.に対して、始動指令信号、停止指令信号、及び変速運転か定速運転かを判定する信号を発し、n重の制御基板には、それぞれにIDNO.、通信異常時に手動運転するか自動運転するかを決定するパラメータ及び圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶されており、インターフェース基板からの起動信号により、これと対応したインバータ本体に運転指令を行い、圧力センサの検出した圧力信号に基づいて、圧力制御を行い、この圧力制御に基づいてこれと対応したインバータ本体に圧力制御信号を発し、該制御基板よりアンサバック信号をインターフェース基板に返信し、n重の制御基板の起動停止をインターフェース基板が行い、インターフェース基板とn重の制御基板間に通信異常が発生した場合、手動運転するか自動運転するかを決定するパラメータに基づいて、手動運転又は自動運転するようにしたものである。
【0009】
本発明5は、マスターであるインターフェース基板とスレーブであるn重の制御基板間が通信異常の場合は手動運転、通信異常が復帰したら自動運転とするようにしたものである。
【0010】
本発明6は、スレーブであるn重の制御基板のうち通信異常となった制御基板を通常の始動圧力パラメータ−3mと設定し、同時運転しないようにする。又、通信異常が複数となっている場合は、運転する順番に従って、始動圧力パラメータ−3mずつ下げて設定し、同時運転しないようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明1に於いては、それぞれにマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体と制御基板及びポンプ、モータでn重系を構成し、これらに共通なマイクロプロセッサを搭載したインターフェース基板とで構成した給水装置のn重系の自律分散給水制御システムにおいて、各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、マスターとして働く前記インターフェース基板はIDNO.、台数制御、起動停止、圧力検出、圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶しており、圧力センサの検出した圧力信号と前記パラメータのうち起動停止パラメータと比較し、スレーブとして働くn重の制御基板のIDNO.に対して、始動指令信号、停止指令信号、及び変速運転か定速運転かを判定する信号を発する。n重の制御基板には、それぞれにIDNO.、圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶されており、前記インターフェース基板からの運転指令信号により、これと対応したインバータ本体に運転指令を行い、圧力センサの検出した圧力信号に基づいて、圧力制御を行い、この圧力制御に基づいてこれと対応したインバータ本体に周波数指令信号を出力する。インバータ本体はこの指令された周波数で運転する。そして、該制御基板よりアンサバック信号を前記インターフェース基板に返信し、n重の制御基板の起動停止をインターフェース基板が行い、圧力制御を制御基板が行うよう役割分担を明確にしたことによりn重系システムが簡単な構成で構築でき、ソフトも簡単構築でき全体システムのコストダウンが可能となる。又、開発期限を短縮することができる。尚、インバータ本体と制御基板を一体とすることも可能であり、これによればより顕著となる。
【0012】
本発明2に於いては、本発明1に加えて、1/n台の停止処理を制御基板が実行し、これ以外の始動、停止指令をインターフェース基板が実行するので、役割分担がより顕著となり、システム全体のハード及びソフトが簡単となり、コストダウンがより顕著となるばかりでなく信頼性が向上する。
【0013】
本発明3に於いては、電源投入時に通信異常が発生した場合、スレーブであるn重の制御基板の初期化処理で手動運転とし、運転中に通信異常が発生した場合、通信異常が発生する直前のマスターであるインターフェース基板からの運転モード信号をn重の制御基板のEEPROMに記憶させておき、この運転モードが切のときは切の処理を、手動であれば手動の処理を、自動であれば自動の処理を実行するようにしたので全体システムの信頼性及びシステムバックアップの信頼性が向上し断水対策が向上する。
【0014】
本発明4に於いては、新たなパラメータを一つ持ち例えばパラメータの値が0のとき手動運転、1のとき自動運転とするようにしたので、簡単でそれ程ソフトを追加しなくても通信異常が発生した場合、人為的な操作で断水回避が図れる。
【0015】
本発明5に於いては、インターフェース基板と制御基板間が通信異常の場合は手動運転、通信異常が復帰したら自動運転とすることで、簡単でそれ程ソフトを追加しなくても通信異常が発生した場合、人為的な操作で断水回避が図れる。
【0016】
本発明6に於いては、通信異常となった方を通常の始動圧力パラメータより3m下げて設定するようにしたので、水の使用がない時に通信異常が発生しても正常な制御基板より始動圧力が−3m以下低下しないと始動しないので、必要なくポンプを運転させることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
まず、本発明の自律分散給水制御システムの作用を説明する。本発明の第1の実施態様は、マスタースレーブの通信による基本的な台数制御システムである。マスターであるインターフェース基板と、スレーブであるn重系のマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体、制御基板及びポンプ、モータから構成される給水装置のn重系自律分散制御システムに於いて、各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、前記インターフェース基板には、送水配管の圧力を圧力センサによって検出し、予め記憶している始動圧力(パラメータ)とを比較するとともに、受水槽の水位状態を水位検出手段により検出して、ポンプの運転可否状態を判定する機能を有し、前記n重の制御基板には、送水配管の圧力を圧力センサによって検出し、予め記憶している始動圧力(パラメータ)と比較するとともに、それぞれインバータによってどんな周波数をポンプ、モータに対して出力するかの圧力制御機能を有する。マスターであるインターフェース基板は前述した判定により、スレーブであるn重の制御基板に対して通信により運転、停止の信号を送信し、受信したn重の制御基板は、配下のインバータ本体に対して運転停止指令を発する。尚、インバータ本体と制御基板を一体とすることも可能である。
【0018】
本発明の第2の実施態様は、インターフェース基板に対し制御基板とインバータが1/nとなった時の停止処理を制御基板が行うようにしたものである。
【0019】
本発明の第3の実施態様は、マスターであるインターフェース基板とスレーブであるn重系制御基板間が電源投入時に通信異常が発生した場合、前記n重の制御基板の初期化処理で手動運転とし、運転中に通信異常が発生した場合、通信異常が発生する直前の前記インターフェース基板からの運転モード信号を前記n重の制御基板のEEPROMに記憶させておき、この運転モードが切のときは切の処理を、手動であれば手動の処理を、自動であれば自動の処理を実行するようにする。
【0020】
本発明の第4の実施態様は、新たなパラメータを一つ持ち例えばパラメータの値が0のとき手動運転、1のとき自動運転とする。マスターであるインターフェース基板と、スレーブであるn重系のマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体、制御基板及びポンプ、モータから構成される給水装置のn重系自律分散制御システムに於いて、各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、前記インターフェース基板には、送水配管の圧力を圧力センサによって検出し、予め記憶している始動圧力(パラメータ)とを比較するとともに、受水槽の水位状態を水位検出手段により検出して、ポンプの運転可否状態を判定する機能を有し、前記n重の制御基板には、送水配管の圧力を圧力センサによって検出し、予め記憶している始動圧力(パラメータ)と比較するとともに、それぞれインバータによってどんな周波数をポンプモータに対して出力するかの圧力制御機能を有する。前記n重の制御基板には、新たなパラメータを一つ持ち例えばパラメータの値が0のとき手動運転、1のとき自動運転とする。
【0021】
本発明の第5の実施態様は、インターフェース基板と制御基板間が通信異常の場合は手動運転、通信異常が復帰したら自動運転とする。マスターであるインターフェース基板と、スレーブであるn重系のマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体、制御基板及びポンプ、モータから構成される給水装置のn重系自律分散制御システムに於いて、各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、前記インターフェース基板には、送水配管の圧力を圧力センサによって検出し、予め記憶している始動圧力(パラメータ)と比較するとともに、受水槽の水位状態を水位検出手段により検出して、ポンプの運転可否状態を判定する機能を有し、前記n重の制御基板は、送水配管の圧力を圧力センサによって検出し、予め記憶している始動圧力(パラメータ)と比較するとともに、それぞれインバータによってどんな周波数をポンプモータに対して出力するかの圧力制御機能を有する。前記インターフェース基板とn重の制御基板間が通信異常の場合は手動運転、通信異常が復帰したら自動運転にする。
【0022】
本発明の第6の実施態様は、通信異常となった方を通常の始動圧力パラメータ−3mと設定し、同時運転しないようにする。これを複数ポンプに拡張したものである。マスターであるインターフェース基板と、スレーブであるn重系のマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体、制御基板及びポンプ、モータから構成される給水装置のn重系自律分散制御システムに於いて、各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、前記インターフェース基板は、送水配管の圧力を圧力センサによって検出し、予め記憶している始動圧力(パラメータ)と比較するとともに、受水槽の水位状態を水位検出手段により検出して、ポンプの運転可否状態を判定する機能を有し、前記n重の制御基板には、送水配管の圧力を圧力センサによって検出し、予め記憶している始動圧力(パラメータ)と比較するとともに、それぞれインバータによってどんな周波数をポンプモータに対して出力するかの圧力制御機能を有する。通信異常となった方を通常の始動圧力パラメータ−3mと設定し、同時運転しないようにする。又、通信異常が複数となっている場合は、運転する順番に従って、始動圧力パラメータ−3mずつ下げて設定し、同時運転しないようにする。
【0023】
以下、本発明の実施例を図1〜図14により説明する。
第1の実施態様を図1〜図10により説明する。図1は、実施例のシステム構成図を示している。8−1、8−2、8−3、8−4はそれぞれ複数のモータ9−1、9−2、9−3、9−4で駆動される複数のポンプであり、ここでは便宜上番号の小さい方より1号ポンプ、1号モータ、2号ポンプ、2号モータ、3号ポンプ、3号モータ、4号ポンプ、4号モータ、と称する。これらのポンプの吸込み側は吸込み管11を介して水源側と接続される。水源側は、直結方式では図示していない水道本管からの水の供給を受ける。前記受水槽方式では、図示していない受水槽から水の供給を受ける。12−1、12−2、12−3、12−4はそれぞれ逆止め弁、13−1、13−2、13−3、13−4及び14−1、14−2、14−3、14−4はそれぞれ仕切り弁、15は給水管、16はこの給水管15に備わり、ここの圧力に応じて電気信号を発する圧力センサである。このセンサの圧力検出を基にポンプの吐出し圧力を制御(例えば吐出し圧一定、推定末端圧力一定)する。17は圧力タンクであり給水管15のポンプに近い部位に設ける。更に、需要側として、給水管15端末の先が直送式の場合には、需要側給水管と接続して例えば集合住宅等の水栓に給水する。高置水槽式の場合には、この需要側給水管と接続して高置水槽へ給水する。
【0024】
1−2、2−2、3−2、4−2はそれぞれ前述のモータ9−1、9−2、9−3、9−4を駆動するインバータの本体であり、それぞれ漏電遮断器ELB1、ELB2、ELB3、ELB4を介して電源側より電源の供給を受け、それぞれマイクロプロセッサMCU1−2、MCU2−2、MCU3−2、MCU4−2を備えた制御基板1−1、2−1、3−1、4−1により、それぞれ自己のインバータ本体の駆動及び制御を行う。これらの制御基板は、表示部、操作部を備えると共に、IDNO.、運転モード判定機能、台数制御、起動停止、圧力制御のためのパラメータ、圧力センサの検出した圧力信号等を記憶するメモリM01〜M04(例えばEEPROM)を備えている。
【0025】
インターフェース基板I/Oは、制御電源遮断器CPを介して電源供給を受け、マイクロプロセッサMCU4、IDNO.、運転モード判定機能、台数制御、起動停止、圧力制御のためのパラメータ、圧力センサの検出した圧力信号等を記憶するメモリM05(例えばEEPROM)、自動運転、切、手動運転モードを選択する運転モード選択スイッチMODSW、表示部SC、操作部T、前述した吐出し側圧力センサ入力端子I1を備えている。
【0026】
更に、それぞれのインバータ本体と制御基板とは通信信号線S1〜S4で結線し、それぞれの制御基板とインバータ本体間は前述の信号線S1〜S4によって自身の駆動、制御、及び状態監視をする。インターフェース基板I/Oとそれぞれの制御基板は通信信号線S5〜S8とS9とで結線する。通信制御には例えばRS485を用いる。
【0027】
以上のように本実施例は4組で構成しているが、これを拡張してn重系自律分散制御システムを構成することができる。ここで重要なのは、それぞれの制御基板、インバータ本体、インターフェース基板は、マイクロプロセッサを搭載し、これらを通信信号線で結び情報の授受を行うのである。
【0028】
図2はポンプ運転特性図であり、横軸に水量、縦軸に全揚程を取って示している。ここで、曲線Aはポンプ1台を100%の回転数(インバータのmax周波数に対応)で運転した際のQ−H性能曲線を示す。曲線Eはポンプ1台でmin回転数運転時のQ−H性能曲線を示す。ここでは、100%及びmin回転数以外でのポンプQ−H性能曲線の表示は省略している。同様に曲線Bはポンプ2台を、曲線Cはポンプ3台を、曲線Dはポンプ4台を100%の回転数で並列運転した際のQ−H性能曲線である。更に、曲線A’は1台を100%、もう1台をmin回転数で並列運転した場合のQ−H性能曲線、曲線C’は同様にポンプ3台を100%、もう1台をmin回転数で並列運転した場合のQ−H性能曲線である。曲線B’は前述の説明から自明であるから説明を省く。又、曲線Fはポンプで揚水した場合に生ずる弁類、配管等の配管抵抗曲線であり、ポンプの吐出し側圧力を制御する際の目標値となる。H00は水量0の点での目標圧力あり、前述した配管抵抗曲線Fとポンプ1台min回転数運転時Q−H性能曲線Eとの交点で示される。同様にH01はポンプ1台100%運転時及びポンプ1台100%ともう1台min回転数で並列運転時の目標圧力であり、曲線A、曲線A’、曲線Fの交点で示される。この時の水量はQ1である。H04はポンプ4台100%で並列運転時の目標圧力であり、この時の水量はQ4である。H02、H03は以上の説明から自明であるから説明を省く。これらの目標圧力は曲線F上にある。
【0029】
Honは全停止状態から1台目のポンプが始動する際の始動圧力、H01onは2台目が追加始動する際の始動圧力、H02on、H03onはそれぞれ3台目、4台目が追従始動する際の始動圧力である。続いてH03offは4台運転中の1台を停止させるための停止圧力、H02offは3台運転中の1台を停止させるための停止圧力、H01offは2台運転中の1台を停止させるための停止圧力、Hoffは最後の1台が停止する際の圧力である。
【0030】
詳細説明は省くが、ポンプの停止条件が成立したら、前述した圧力タンクに保圧するため回転数をfoffまで上昇させ、停止圧Hoffに到達したら停止させるものである。これらの、データはポンプ運転制御パラメータとして、それぞれの制御基板及びインターフェース基板のメモリに格納されている(図12参照)。設定はこれらの制御基板(説明を省いているが)あるいはインターフェース基板に備わる表示部、操作部等の設定手段によって設定することができる。これらのデータは、マイクロプロセッサを搭載しているそれぞれの制御基板、インターフェース基板に保存してもいいし、どれか一箇所に保存しても良い。
【0031】
図3、図4はインターフェース基板の運転制御手順を示したフローチャートであり、これがプログラムとしてマイクロプロセッサMCUに搭載されている。
【0032】
図5はインターフェース基板から各制御基板に通信信号を送信する際のフォーマットである。又、インターフェース基板、各制御基板はID番号によってそれぞれの基板が特定されるようになる。例えば次の通りである。
基板名称 :ID番号
インターフェース基板:0
制御基板1台目 :1
制御基板2台目 :2
制御基板3台目 :3
制御基板4台目 :4
【0033】
図6は前述した通信信号の送信フォーマットのコマンドとそのデータの内容を示したものである。コマンド番号が0の場合、その内容は運転指令であり、1の場合パラメータ設定、2の場合データ送信要求を意味し、データとの組合わせでコマンド指令する。例えば、送信フォーマットのID番号が1、コマンド番号が0、データが3の場合、これを受信した制御基板の1台目(ここでは1号機とする。ポンプ8−1、モータ9−1、インバータ1−2、制御基板1−1の系統をいう。)は、インターフェース基板I/Oからの変速運転指令と認識する。
【0034】
図7は各制御基板からインターフェース基板が信号を受信する場合の通信信号の受信フォーマット、受信正常時と受信異常時のものであり、図8はこれのコマンド番号とそのデータの内容を示したものである。
【0035】
図9、図10は各制御基板の運転制御手順を示したフローチャートであり、これがプログラムとして各マイクロプロセッサMCU1−2〜MCU4−2に同じものが搭載されている。
尚、ここで言うn重系自律分散制御システムとは、ポンプ、モータ、弁類、インバータ本体、制御基板を一組にしてn重系を構成し、これらのインバータ本体、制御基板には同一のソフトウエアを搭載しており同一の機能を付加している。但し、圧力センサ及びインターフェースはn重組に共通である。
【0036】
さて、使用開始に当たって、図1に示す電源側漏電遮断器ELB1〜ELB4及び制御電源遮断器CPを投入すると、インターフェース基板及び各制御基板のマイクロプロセッサMCU4、MCU1−2〜MCU4−2はイニシャル処理を実行し運転準備を行う(図3の302ステップまで、図9の904ステップまで)。今、運転モード選択スイッチMODSWが切になっている状態を考える。又、図2の運転特性図において、圧力は停止圧力のHoffにあるものとする。インターフェース基板は、図3の303ステップにおいて、制御基板1台目に対して送信処理(送信フォーマットのID番号が1、コマンド番号が0、データが0(運転モード選択スイッチMODSWが切))を実行する。制御基板1台目は、図9の905ステップにおいて、この実行結果を受信する。そして、907、908、909ステップで待機状態を実行し、906ステップでこの状態をインターフェース基板へ返信処理(返信フォーマットのID番号が1、コマンド番号が0、データが0(受信正常))する。インターフェース基板は、304ステップでこれを受信する。
【0037】
一方、インターフェース基板は、図3の306ステップを実行した後、適宜図4の割り込み処理を実行し、故障チエック、監視処理、運転モード設定処理、圧力検出処理を実行する。この結果、運転モード選択スイッチMODSWの状態“0、1”をメモリMODEに、圧力検出データをメモリAN0に格納しておく。同様に、各制御基板は、図9の904ステップを実行した後、適宜図10の割り込み処理を実行し、故障チエック、監視処理、圧力検出処理を実行する。この結果、圧力検出データがメモリAN0に格納されている。さて、水が使用されると、図2において給水圧力が始動圧力のHon以下に低下する。インターフェース基板は、308ステップでメモリM05に記憶している始動圧力Honと前述した圧力センサの検出した圧力データAN0と比較する。この結果、ポンプ始動条件が成立しているので、309ステップで各制御基板に送信処理を行う(送信フォーマットのID番号が1、コマンド番号が0、データが3)。これは、1号機(ポンプ8−1、モータ9−1、インバータ1−2、制御基板1−1の系統)が各制御基板の中からID番号で指定され変速運転指令をしたことを意味する。説明の便宜上1号機を先発機としたものである。1号機制御基板は、907、911、913、917、919、920、921ステップと実行し、圧力制御の処理を行うと共にインバータ本体1−2(図1)に対し運転及び圧力制御信号を発信する。インバータ本体1−2は、この信号に基づいて周波数制御してモータ9−1、ポンプ13−1を駆動する。この後、906ステップでインターフェース基板に対して返信処理を実行する。インターフェース基板は、310ステップでこの制御基板からの返信信号を受信処理する。尚、この受信、返信処理は前述から自明であるから説明は省く。
【0038】
更に、使用水量が増大して図1に示すQ1になると、920ステップの圧力制御によって、インバータの周波数はfmax1となり、給水圧力は目標圧力のH01に到達する。更に、使用水量が増加すると給水圧力が低下して、2台目定速ポンプ始動圧力H01onに達する。インターフェース基板は311、312、313ステップの処理を実行し、現在運転している1号機の周波数が最高周波数fmax1となり、これがt1秒経過して給水圧力(圧力センサが検出した圧力データAN0)が2台目定速ポンプ始動圧力H01on以下になっているか判定し、316ステップで、2台目ポンプを定速運転する送信指令実行する(送信フォーマットのID番号が2、コマンド番号が0、データが4)。これは、2号機(ポンプ8−2、モータ9−2、インバータ2−2、制御基板2−2の系統)が各制御基板の中からID番号で指定され定速運転指令をしたことを意味する。IDNO2で指定された制御基板2−1は、前述の送信フォーマットのコマンドにより905、907、911、913、917、918ステップ順に処理し定速運転する。使用水量がQ1〜Q2の間での使用量変動は、追従した2号機が定速であっても、先発した1号機が変速運転して、給水圧力を目標圧力H01〜H02に制御する。この後、906ステップを実行して前述の処理を実行していく。
【0039】
説明は省くが、図1において、使用水量Q2を超えてQ3まで増大すると、3号機(ポンプ8−3、モータ9−3、インバータ3−2、制御基板3−2の系統)が定速運転で追従し、使用水量Q3を超えてQ4まで増大すると、4号機(ポンプ8−4、モータ9−4、インバータ4−2、制御基板4−2の系統)が定速運転で追従して4台並列運転となる。
【0040】
次に、1号機が変速運転(902ステップの処理)、2号機が定速運転(918ステップの処理に)している状態で使用水量Q2からQ1未満に減少した場合について説明する。使用水量Q1では給水圧力はH01となり、1号機は周波数fmin1、2号機は周波数fmaxで定速運転となり、よってポンプQ−H曲線のA’上にある。これより更に使用水量が減少すると、給水圧力が2台目停止圧力H01offを超える。インターフェース基板は、320、321、322、323ステップを実行し現在運転している1号機の周波数が最低周波数fmin1となり、これがt2秒経過して給水圧力(圧力センサが検出した圧力データAN0)が1台目変速ポンプ停止圧力(2台→1台に減台の意味)H01off以上になっているか判定し、323ステップで1号機変速ポンプを停止し、2号機定速ポンプを変速運転する送信指令実行する(1号機:送信フォーマットのID番号が1、コマンド番号が0、データが2、2号機:送信フォーマットのID番号が2、コマンド番号が0、データが3)。
【0041】
1号機は、905、907、911、913、914、915ステップの順で停止して待機状態となる。2号機は、905、907、911、913、917、919、920、921ステップの順で変速運転する(図2の〜Q1)。
【0042】
説明は省くが、図1において、4台並列運転の状態より使用水量がQ4を超えてQ1未満に減少すると、先発した1号機変速ポンプが停止し、2号機が定速→変速、3号機定速、4号機定速となり、続いて、2号機変速ポンプが停止し、3号機が定速→変速、4号機定速となり、更に3号機変速ポンプが停止し、4号機が定速→変速運転となる。
【0043】
第2の実施態様を図2、図3〜図9により説明する。これは、図1の使用水量Q1以下ではポンプは1台しか運転されないので、全体台数をn台とすると1台は1/nであり、この場合、始動指令はインターフェース基板、停止判断は各制御基板が実行してローテーション運転するものである。各制御基板は919、920、922ステップで使用水量が極少ないかを判定し、極少ないと判定したら停止処理を実行し、906ステップでこの結果をインターフェース基板に返信処理する。使用水量が極少ないかを判定するのは、具体的には921ステップでフロースイッチ(図1に示すフロースイッチ10−1〜10−4は使用水量が極少ない時on信号を発し、そうでない時off信号を発する。)がONしているかチエックする。インターフェース基板は、311、314、315ステップで各制御基板からポンプ停止信号を受信し、全停止となったら次に運転するポンプを設定しローテーション処理する。この場合、次に運転するポンプは運転可能なポンプ中一番若い番号に設定する。
【0044】
第3の実施態様を図11により説明する。これは、インターフェース基板と各制御基板との間で通信異常が発生した場合、電源投入時であると各制御基板の初期化処理で手動運転とし、運転中であると、通信異常が発生する直前のインターフェース基板からの運転モード信号を各制御基板のEEPROMに記憶させておき、この運転モードが切のときは切の処理を、手動であれば手動の処理を、自動であれば自動の処理を実行するようにしたものである。
【0045】
図11は、図9に対して110〜115ステップを追加したものである。112ステップにおいて、インターフェースからの受信処理を行い、113ステップで通信異常か確認し、異常であれば114ステップで手動運転を行い、115ステップで図8に示す通信異常の情報を乗せて返信する。
【0046】
第4の実施態様を図12、図13により説明する。これは、インターフェース基板と各制御基板との間で通信異常が発生した場合、通信異常となった制御基板は、新たにパラメータを一つ追加し、このパラメータのネームを例えばEMAGとする(図12参照)。この値が0のとき手動運転、1のとき自動運転とするようにしたものである。図13は図9に対して130〜135ステップを追加したものである。130ステップにおいて、インターフェースからの受信処理を行い、131ステップで通信異常か確認し、異常であれば132ステップで運転モード即ちコマンドは停止か判定し、停止であれば、133ステップでメモリのEMAGが0か判定し、0であれば、134ステップで手動運転を行い、135ステップで図8に示す通信異常の情報を乗せて返信する。132、133ステップの判定がNOの判定であれば907ステップ以降を実行する。自動運転においては、送水配管の圧力を圧力センサによって検出し、予め記憶している圧力制御(パラメータ)(図12参照)と比較するとともに、913ステップ以降の処理実行するようにしたものである。
【0047】
第5の実施態様を図11により説明する。これは、第3の実施態様の“インターフェース基板と各制御基板との間で通信異常が発生した場合、電源投入時であれば各制御基板の初期化処理で手動運転とし、運転中であれば通信異常が発生する直前のインターフェース基板からの運転モード信号を各制御基板のEEPROMに記憶させておき、この運転モードが切のときは切の処理を、手動であれば手動の処理を、自動であれば自動の処理を実行するようにしたものである。”に対して、通信異常で手動運転となった後、通信異常が復帰したら自動運転とするようにしたものである。
【0048】
具体的には111ステップにおいて通信異常か判定し、通信異常が正常に復帰したら907ステップ以降の処理を実行して913ステップ以降の処理によって自動運転処理に復帰させるようにしたものである。
【0049】
第6の実施態様を図14により説明する。これは、インターフェース基板とデジオペ基板間が通信異常となった方を通常の始動圧力パラメータ−3mと設定し同時運転しないようにしたものである。
【0050】
図14は図9に対して140〜148ステップを追加したものである。140ステップにおいて、インターフェースからの受信処理を行い、141ステップで通信異常か確認し、異常であれば142ステップでパラメータ始動圧力Honを3m減じてこれに格納する処理を実行し、143ステップで、運転モード即ちコマンドは停止か判定し、停止であれば144ステップ以降の処理を実行し手動運転を行い、145ステップで図8に示す通信異常の情報を乗せて返信する。143ステップの処理が停止でなければ、146ステップで圧力センサの検出した給水圧力(図12のPDATA)がパラメータ始動圧力Hon(142ステップの処理で−3mとなっている。)以下であるか判定する。以下であれば907ステップ以降を実行して、913ステップ以降の自動運転処理を実行する。141ステップの判定で通信異常が正常に復帰したら、147、148ステップの処理によってパラメータ始動圧力Honを3m減ずる前の状態に戻す。このように通信異常時は実際のパラメータの始動圧力が−3mとなっているので、通信異常の発生していない他の制御基板側の方が先に始動して、通信異常となった当該制御基板の方は更に水の使用により−3mまで給水圧が下がった時に始動することになる。これにより、水の使用がない時に通信異常が発生しても正常な制御基板より始動圧力が−3m以下低下しないと始動しないので、必要ないときにポンプを運転させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明のn重系の自律分散給水制御システムの構成を示したシステム構成図。
【図2】本発明のn重系の自律分散給水制御システムの運転特性図。
【図3】本発明におけるインターフェース基板の制御手順を示したフローチャート。
【図4】本発明における割り込み処理時の制御手順を示したフローチャート。
【図5】本発明におけるインターフェース基板から制御基板への送信フォーマットの説明図。
【図6】本発明における送信フォーマットのコマンド及びデータを示したテーブルの説明図。
【図7】本発明における制御基板からインターフェース基板への返信フォーマットの説明図。
【図8】本発明における返信フォーマットのコマンド及びデータを示したテーブルの説明図。
【図9】本発明における制御基板の制御手順を示したフローチャート。
【図10】本発明における割り込み処理時の制御手順を示したフローチャート。
【図11】第3の実施態様を説明した制御手順を示したフローチャート。
【図12】本発明におけるインターフェース基板及び制御基板のメモリテーブルの説明図。
【図13】第4の実施態様を説明した制御手順を示したフローチャート。
【図14】第6の実施態様を説明した制御手順を示したフローチャート。
【符号の説明】
【0052】
1−1、2−1、3−1、4−1 制御基板、1−2、2−2、3−2、4−2 インバータ本体、8 ポンプ、9 モータ、11 吸込み管、12 逆止め弁、13、14 仕切り弁、15 給水管、16 センサ、17 圧力タンク
I/O インターフェース基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の可変速駆動手段によって駆動する複数のポンプを用いた給水装置において、n重系自律分散制御を行うと共に通信異常時にバックアップするのに好適な給水装置のn重系の自律分散給水制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の可変速駆動手段によって駆動する複数のポンプを用いた給水装置の従来技術として、特許文献1(給水装置)、特許文献2(ポンプ装置)等がある。
(1)特許文献1(給水装置)は、ポンプ給水システムの二重系制御でn重系も示唆している。ポンプの運転制御機能がプログラムとして、インバータの中に入っている。信号線によって運転故障状態を総合監視して信号の授受を行うが、故障状態も含め運転している号機から相手号機に対して再運転処理指令する。号機が入れ替わるので、制御する主体(号機)が固定している概念がない。電源投入時にいずれかを運転するかの優先機はパラメータで設定している。しかしながら、通信異常時にどんな風にバックアップして、運転を継続して断水を回避するかの概念が記載されていない。
(2)特許文献2(ポンプ装置)は、ポンプの運転制御機能がプログラムとして、インバータの中に入っているポンプ給水システムの二重系制御である。制御用基板を分散して、断水を回避する。n重系は示唆していない。表示用基板と圧力センサは共通である。どちらが主体に相手ポンプの起動指令をだしているのか不明瞭である。又、表示要基板と圧力センサの信号の授受をどれが主体に実行しているかが不明瞭である。さらに、通信異常時にどんな風にバックアップして、運転を継続して断水を回避するかの概念が記載されていない。
【特許文献1】特開平8−93678号公報
【特許文献2】特開平8−100772号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、複数の可変速駆動手段によって駆動する複数のポンプを用いた給水装置に従来技術を用いてn重系自律分散制御システムを構築すると、
1.各制御系(基板)の役割が不明瞭でn重系自律分散制御による運転が円滑に行われない。
2.従来例(1)、(2)においても、通信異常が発生した時にどのようにバックアップするかが不明瞭であり、断水を回避することが可能なn重系自律分散制御システムを構築することができない。
【0004】
そこで、本発明は、複数の可変速駆動手段によって駆動する複数のポンプを用いた給水装置において、n重系自律分散制御システムを構築し、円滑にn重系の運転を行うと共に通信異常時にバックアップして断水を回避することが可能なシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的を達成するために、本発明1は、それぞれにマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体と制御基板及びポンプ、モータでn重系を構成し、これらに共通なマイクロプロセッサを搭載したインターフェース基板とで構成した給水装置のn重系の自律分散給水制御システムにおいて、各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、マスターとして働く前記インターフェース基板はIDNO.(ID番号)、台数制御、起動停止、圧力検出、圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶しており、圧力センサの検出した圧力信号と前記パラメータのうち起動停止パラメータと比較し、スレーブとして働くn重の制御基板のIDNO.に対して、始動指令信号、停止指令信号、及び変速運転か定速運転かを判定する信号を発する。n重の制御基板には、それぞれにIDNO.、圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶されており、前記インターフェース基板からの運転指令信号により、これと対応したインバータ本体に運転指令を行い、圧力センサの検出した圧力信号に基づいて、圧力制御を行い、この圧力制御に基づいてこれと対応したインバータ本体に周波数指令信号を出力する。インバータ本体はこの指令された周波数で運転する。そして、該制御基板よりアンサバック(返信)信号をインターフェース基板に返信し、n重の制御基板の起動停止をインターフェース基板が行い、圧力制御を制御基板が行う。尚、インバータ本体と制御基板を一体とすることも可能である。
【0006】
本発明2は、インターフェース基板に対し制御基板とインバータが1/nとなった時の停止処理を制御基板が行うようにしたものである。
【0007】
本発明3は、電源投入時に通信異常が発生した場合、スレーブであるn重の制御基板の初期化処理で手動運転とし、運転中に通信異常が発生した場合、通信異常が発生する直前のマスターであるインターフェース基板からの運転モード信号をn重の制御基板のEEPROMに記憶させておき、この運転モードが切のときは切の処理を、手動であれば手動の処理を、自動であれば自動の処理を実行するようにしたものである。
【0008】
本発明4は、それぞれにマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体と制御基板及びポンプ、モータでn重系を構成し、これらに共通なマイクロプロセッサを搭載したインターフェース基板とで構成した給水装置のn重系の自律分散給水制御システムにおいて、各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、前記インターフェース基板にはIDNO.、運転モード判定機能、台数制御、起動停止、圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶されており、圧力センサの検出した圧力信号と前記パラメータのうち起動停止パラメータと比較し、n重の制御基板のIDNO.に対して、始動指令信号、停止指令信号、及び変速運転か定速運転かを判定する信号を発し、n重の制御基板には、それぞれにIDNO.、通信異常時に手動運転するか自動運転するかを決定するパラメータ及び圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶されており、インターフェース基板からの起動信号により、これと対応したインバータ本体に運転指令を行い、圧力センサの検出した圧力信号に基づいて、圧力制御を行い、この圧力制御に基づいてこれと対応したインバータ本体に圧力制御信号を発し、該制御基板よりアンサバック信号をインターフェース基板に返信し、n重の制御基板の起動停止をインターフェース基板が行い、インターフェース基板とn重の制御基板間に通信異常が発生した場合、手動運転するか自動運転するかを決定するパラメータに基づいて、手動運転又は自動運転するようにしたものである。
【0009】
本発明5は、マスターであるインターフェース基板とスレーブであるn重の制御基板間が通信異常の場合は手動運転、通信異常が復帰したら自動運転とするようにしたものである。
【0010】
本発明6は、スレーブであるn重の制御基板のうち通信異常となった制御基板を通常の始動圧力パラメータ−3mと設定し、同時運転しないようにする。又、通信異常が複数となっている場合は、運転する順番に従って、始動圧力パラメータ−3mずつ下げて設定し、同時運転しないようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明1に於いては、それぞれにマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体と制御基板及びポンプ、モータでn重系を構成し、これらに共通なマイクロプロセッサを搭載したインターフェース基板とで構成した給水装置のn重系の自律分散給水制御システムにおいて、各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、マスターとして働く前記インターフェース基板はIDNO.、台数制御、起動停止、圧力検出、圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶しており、圧力センサの検出した圧力信号と前記パラメータのうち起動停止パラメータと比較し、スレーブとして働くn重の制御基板のIDNO.に対して、始動指令信号、停止指令信号、及び変速運転か定速運転かを判定する信号を発する。n重の制御基板には、それぞれにIDNO.、圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶されており、前記インターフェース基板からの運転指令信号により、これと対応したインバータ本体に運転指令を行い、圧力センサの検出した圧力信号に基づいて、圧力制御を行い、この圧力制御に基づいてこれと対応したインバータ本体に周波数指令信号を出力する。インバータ本体はこの指令された周波数で運転する。そして、該制御基板よりアンサバック信号を前記インターフェース基板に返信し、n重の制御基板の起動停止をインターフェース基板が行い、圧力制御を制御基板が行うよう役割分担を明確にしたことによりn重系システムが簡単な構成で構築でき、ソフトも簡単構築でき全体システムのコストダウンが可能となる。又、開発期限を短縮することができる。尚、インバータ本体と制御基板を一体とすることも可能であり、これによればより顕著となる。
【0012】
本発明2に於いては、本発明1に加えて、1/n台の停止処理を制御基板が実行し、これ以外の始動、停止指令をインターフェース基板が実行するので、役割分担がより顕著となり、システム全体のハード及びソフトが簡単となり、コストダウンがより顕著となるばかりでなく信頼性が向上する。
【0013】
本発明3に於いては、電源投入時に通信異常が発生した場合、スレーブであるn重の制御基板の初期化処理で手動運転とし、運転中に通信異常が発生した場合、通信異常が発生する直前のマスターであるインターフェース基板からの運転モード信号をn重の制御基板のEEPROMに記憶させておき、この運転モードが切のときは切の処理を、手動であれば手動の処理を、自動であれば自動の処理を実行するようにしたので全体システムの信頼性及びシステムバックアップの信頼性が向上し断水対策が向上する。
【0014】
本発明4に於いては、新たなパラメータを一つ持ち例えばパラメータの値が0のとき手動運転、1のとき自動運転とするようにしたので、簡単でそれ程ソフトを追加しなくても通信異常が発生した場合、人為的な操作で断水回避が図れる。
【0015】
本発明5に於いては、インターフェース基板と制御基板間が通信異常の場合は手動運転、通信異常が復帰したら自動運転とすることで、簡単でそれ程ソフトを追加しなくても通信異常が発生した場合、人為的な操作で断水回避が図れる。
【0016】
本発明6に於いては、通信異常となった方を通常の始動圧力パラメータより3m下げて設定するようにしたので、水の使用がない時に通信異常が発生しても正常な制御基板より始動圧力が−3m以下低下しないと始動しないので、必要なくポンプを運転させることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
まず、本発明の自律分散給水制御システムの作用を説明する。本発明の第1の実施態様は、マスタースレーブの通信による基本的な台数制御システムである。マスターであるインターフェース基板と、スレーブであるn重系のマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体、制御基板及びポンプ、モータから構成される給水装置のn重系自律分散制御システムに於いて、各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、前記インターフェース基板には、送水配管の圧力を圧力センサによって検出し、予め記憶している始動圧力(パラメータ)とを比較するとともに、受水槽の水位状態を水位検出手段により検出して、ポンプの運転可否状態を判定する機能を有し、前記n重の制御基板には、送水配管の圧力を圧力センサによって検出し、予め記憶している始動圧力(パラメータ)と比較するとともに、それぞれインバータによってどんな周波数をポンプ、モータに対して出力するかの圧力制御機能を有する。マスターであるインターフェース基板は前述した判定により、スレーブであるn重の制御基板に対して通信により運転、停止の信号を送信し、受信したn重の制御基板は、配下のインバータ本体に対して運転停止指令を発する。尚、インバータ本体と制御基板を一体とすることも可能である。
【0018】
本発明の第2の実施態様は、インターフェース基板に対し制御基板とインバータが1/nとなった時の停止処理を制御基板が行うようにしたものである。
【0019】
本発明の第3の実施態様は、マスターであるインターフェース基板とスレーブであるn重系制御基板間が電源投入時に通信異常が発生した場合、前記n重の制御基板の初期化処理で手動運転とし、運転中に通信異常が発生した場合、通信異常が発生する直前の前記インターフェース基板からの運転モード信号を前記n重の制御基板のEEPROMに記憶させておき、この運転モードが切のときは切の処理を、手動であれば手動の処理を、自動であれば自動の処理を実行するようにする。
【0020】
本発明の第4の実施態様は、新たなパラメータを一つ持ち例えばパラメータの値が0のとき手動運転、1のとき自動運転とする。マスターであるインターフェース基板と、スレーブであるn重系のマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体、制御基板及びポンプ、モータから構成される給水装置のn重系自律分散制御システムに於いて、各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、前記インターフェース基板には、送水配管の圧力を圧力センサによって検出し、予め記憶している始動圧力(パラメータ)とを比較するとともに、受水槽の水位状態を水位検出手段により検出して、ポンプの運転可否状態を判定する機能を有し、前記n重の制御基板には、送水配管の圧力を圧力センサによって検出し、予め記憶している始動圧力(パラメータ)と比較するとともに、それぞれインバータによってどんな周波数をポンプモータに対して出力するかの圧力制御機能を有する。前記n重の制御基板には、新たなパラメータを一つ持ち例えばパラメータの値が0のとき手動運転、1のとき自動運転とする。
【0021】
本発明の第5の実施態様は、インターフェース基板と制御基板間が通信異常の場合は手動運転、通信異常が復帰したら自動運転とする。マスターであるインターフェース基板と、スレーブであるn重系のマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体、制御基板及びポンプ、モータから構成される給水装置のn重系自律分散制御システムに於いて、各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、前記インターフェース基板には、送水配管の圧力を圧力センサによって検出し、予め記憶している始動圧力(パラメータ)と比較するとともに、受水槽の水位状態を水位検出手段により検出して、ポンプの運転可否状態を判定する機能を有し、前記n重の制御基板は、送水配管の圧力を圧力センサによって検出し、予め記憶している始動圧力(パラメータ)と比較するとともに、それぞれインバータによってどんな周波数をポンプモータに対して出力するかの圧力制御機能を有する。前記インターフェース基板とn重の制御基板間が通信異常の場合は手動運転、通信異常が復帰したら自動運転にする。
【0022】
本発明の第6の実施態様は、通信異常となった方を通常の始動圧力パラメータ−3mと設定し、同時運転しないようにする。これを複数ポンプに拡張したものである。マスターであるインターフェース基板と、スレーブであるn重系のマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体、制御基板及びポンプ、モータから構成される給水装置のn重系自律分散制御システムに於いて、各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、前記インターフェース基板は、送水配管の圧力を圧力センサによって検出し、予め記憶している始動圧力(パラメータ)と比較するとともに、受水槽の水位状態を水位検出手段により検出して、ポンプの運転可否状態を判定する機能を有し、前記n重の制御基板には、送水配管の圧力を圧力センサによって検出し、予め記憶している始動圧力(パラメータ)と比較するとともに、それぞれインバータによってどんな周波数をポンプモータに対して出力するかの圧力制御機能を有する。通信異常となった方を通常の始動圧力パラメータ−3mと設定し、同時運転しないようにする。又、通信異常が複数となっている場合は、運転する順番に従って、始動圧力パラメータ−3mずつ下げて設定し、同時運転しないようにする。
【0023】
以下、本発明の実施例を図1〜図14により説明する。
第1の実施態様を図1〜図10により説明する。図1は、実施例のシステム構成図を示している。8−1、8−2、8−3、8−4はそれぞれ複数のモータ9−1、9−2、9−3、9−4で駆動される複数のポンプであり、ここでは便宜上番号の小さい方より1号ポンプ、1号モータ、2号ポンプ、2号モータ、3号ポンプ、3号モータ、4号ポンプ、4号モータ、と称する。これらのポンプの吸込み側は吸込み管11を介して水源側と接続される。水源側は、直結方式では図示していない水道本管からの水の供給を受ける。前記受水槽方式では、図示していない受水槽から水の供給を受ける。12−1、12−2、12−3、12−4はそれぞれ逆止め弁、13−1、13−2、13−3、13−4及び14−1、14−2、14−3、14−4はそれぞれ仕切り弁、15は給水管、16はこの給水管15に備わり、ここの圧力に応じて電気信号を発する圧力センサである。このセンサの圧力検出を基にポンプの吐出し圧力を制御(例えば吐出し圧一定、推定末端圧力一定)する。17は圧力タンクであり給水管15のポンプに近い部位に設ける。更に、需要側として、給水管15端末の先が直送式の場合には、需要側給水管と接続して例えば集合住宅等の水栓に給水する。高置水槽式の場合には、この需要側給水管と接続して高置水槽へ給水する。
【0024】
1−2、2−2、3−2、4−2はそれぞれ前述のモータ9−1、9−2、9−3、9−4を駆動するインバータの本体であり、それぞれ漏電遮断器ELB1、ELB2、ELB3、ELB4を介して電源側より電源の供給を受け、それぞれマイクロプロセッサMCU1−2、MCU2−2、MCU3−2、MCU4−2を備えた制御基板1−1、2−1、3−1、4−1により、それぞれ自己のインバータ本体の駆動及び制御を行う。これらの制御基板は、表示部、操作部を備えると共に、IDNO.、運転モード判定機能、台数制御、起動停止、圧力制御のためのパラメータ、圧力センサの検出した圧力信号等を記憶するメモリM01〜M04(例えばEEPROM)を備えている。
【0025】
インターフェース基板I/Oは、制御電源遮断器CPを介して電源供給を受け、マイクロプロセッサMCU4、IDNO.、運転モード判定機能、台数制御、起動停止、圧力制御のためのパラメータ、圧力センサの検出した圧力信号等を記憶するメモリM05(例えばEEPROM)、自動運転、切、手動運転モードを選択する運転モード選択スイッチMODSW、表示部SC、操作部T、前述した吐出し側圧力センサ入力端子I1を備えている。
【0026】
更に、それぞれのインバータ本体と制御基板とは通信信号線S1〜S4で結線し、それぞれの制御基板とインバータ本体間は前述の信号線S1〜S4によって自身の駆動、制御、及び状態監視をする。インターフェース基板I/Oとそれぞれの制御基板は通信信号線S5〜S8とS9とで結線する。通信制御には例えばRS485を用いる。
【0027】
以上のように本実施例は4組で構成しているが、これを拡張してn重系自律分散制御システムを構成することができる。ここで重要なのは、それぞれの制御基板、インバータ本体、インターフェース基板は、マイクロプロセッサを搭載し、これらを通信信号線で結び情報の授受を行うのである。
【0028】
図2はポンプ運転特性図であり、横軸に水量、縦軸に全揚程を取って示している。ここで、曲線Aはポンプ1台を100%の回転数(インバータのmax周波数に対応)で運転した際のQ−H性能曲線を示す。曲線Eはポンプ1台でmin回転数運転時のQ−H性能曲線を示す。ここでは、100%及びmin回転数以外でのポンプQ−H性能曲線の表示は省略している。同様に曲線Bはポンプ2台を、曲線Cはポンプ3台を、曲線Dはポンプ4台を100%の回転数で並列運転した際のQ−H性能曲線である。更に、曲線A’は1台を100%、もう1台をmin回転数で並列運転した場合のQ−H性能曲線、曲線C’は同様にポンプ3台を100%、もう1台をmin回転数で並列運転した場合のQ−H性能曲線である。曲線B’は前述の説明から自明であるから説明を省く。又、曲線Fはポンプで揚水した場合に生ずる弁類、配管等の配管抵抗曲線であり、ポンプの吐出し側圧力を制御する際の目標値となる。H00は水量0の点での目標圧力あり、前述した配管抵抗曲線Fとポンプ1台min回転数運転時Q−H性能曲線Eとの交点で示される。同様にH01はポンプ1台100%運転時及びポンプ1台100%ともう1台min回転数で並列運転時の目標圧力であり、曲線A、曲線A’、曲線Fの交点で示される。この時の水量はQ1である。H04はポンプ4台100%で並列運転時の目標圧力であり、この時の水量はQ4である。H02、H03は以上の説明から自明であるから説明を省く。これらの目標圧力は曲線F上にある。
【0029】
Honは全停止状態から1台目のポンプが始動する際の始動圧力、H01onは2台目が追加始動する際の始動圧力、H02on、H03onはそれぞれ3台目、4台目が追従始動する際の始動圧力である。続いてH03offは4台運転中の1台を停止させるための停止圧力、H02offは3台運転中の1台を停止させるための停止圧力、H01offは2台運転中の1台を停止させるための停止圧力、Hoffは最後の1台が停止する際の圧力である。
【0030】
詳細説明は省くが、ポンプの停止条件が成立したら、前述した圧力タンクに保圧するため回転数をfoffまで上昇させ、停止圧Hoffに到達したら停止させるものである。これらの、データはポンプ運転制御パラメータとして、それぞれの制御基板及びインターフェース基板のメモリに格納されている(図12参照)。設定はこれらの制御基板(説明を省いているが)あるいはインターフェース基板に備わる表示部、操作部等の設定手段によって設定することができる。これらのデータは、マイクロプロセッサを搭載しているそれぞれの制御基板、インターフェース基板に保存してもいいし、どれか一箇所に保存しても良い。
【0031】
図3、図4はインターフェース基板の運転制御手順を示したフローチャートであり、これがプログラムとしてマイクロプロセッサMCUに搭載されている。
【0032】
図5はインターフェース基板から各制御基板に通信信号を送信する際のフォーマットである。又、インターフェース基板、各制御基板はID番号によってそれぞれの基板が特定されるようになる。例えば次の通りである。
基板名称 :ID番号
インターフェース基板:0
制御基板1台目 :1
制御基板2台目 :2
制御基板3台目 :3
制御基板4台目 :4
【0033】
図6は前述した通信信号の送信フォーマットのコマンドとそのデータの内容を示したものである。コマンド番号が0の場合、その内容は運転指令であり、1の場合パラメータ設定、2の場合データ送信要求を意味し、データとの組合わせでコマンド指令する。例えば、送信フォーマットのID番号が1、コマンド番号が0、データが3の場合、これを受信した制御基板の1台目(ここでは1号機とする。ポンプ8−1、モータ9−1、インバータ1−2、制御基板1−1の系統をいう。)は、インターフェース基板I/Oからの変速運転指令と認識する。
【0034】
図7は各制御基板からインターフェース基板が信号を受信する場合の通信信号の受信フォーマット、受信正常時と受信異常時のものであり、図8はこれのコマンド番号とそのデータの内容を示したものである。
【0035】
図9、図10は各制御基板の運転制御手順を示したフローチャートであり、これがプログラムとして各マイクロプロセッサMCU1−2〜MCU4−2に同じものが搭載されている。
尚、ここで言うn重系自律分散制御システムとは、ポンプ、モータ、弁類、インバータ本体、制御基板を一組にしてn重系を構成し、これらのインバータ本体、制御基板には同一のソフトウエアを搭載しており同一の機能を付加している。但し、圧力センサ及びインターフェースはn重組に共通である。
【0036】
さて、使用開始に当たって、図1に示す電源側漏電遮断器ELB1〜ELB4及び制御電源遮断器CPを投入すると、インターフェース基板及び各制御基板のマイクロプロセッサMCU4、MCU1−2〜MCU4−2はイニシャル処理を実行し運転準備を行う(図3の302ステップまで、図9の904ステップまで)。今、運転モード選択スイッチMODSWが切になっている状態を考える。又、図2の運転特性図において、圧力は停止圧力のHoffにあるものとする。インターフェース基板は、図3の303ステップにおいて、制御基板1台目に対して送信処理(送信フォーマットのID番号が1、コマンド番号が0、データが0(運転モード選択スイッチMODSWが切))を実行する。制御基板1台目は、図9の905ステップにおいて、この実行結果を受信する。そして、907、908、909ステップで待機状態を実行し、906ステップでこの状態をインターフェース基板へ返信処理(返信フォーマットのID番号が1、コマンド番号が0、データが0(受信正常))する。インターフェース基板は、304ステップでこれを受信する。
【0037】
一方、インターフェース基板は、図3の306ステップを実行した後、適宜図4の割り込み処理を実行し、故障チエック、監視処理、運転モード設定処理、圧力検出処理を実行する。この結果、運転モード選択スイッチMODSWの状態“0、1”をメモリMODEに、圧力検出データをメモリAN0に格納しておく。同様に、各制御基板は、図9の904ステップを実行した後、適宜図10の割り込み処理を実行し、故障チエック、監視処理、圧力検出処理を実行する。この結果、圧力検出データがメモリAN0に格納されている。さて、水が使用されると、図2において給水圧力が始動圧力のHon以下に低下する。インターフェース基板は、308ステップでメモリM05に記憶している始動圧力Honと前述した圧力センサの検出した圧力データAN0と比較する。この結果、ポンプ始動条件が成立しているので、309ステップで各制御基板に送信処理を行う(送信フォーマットのID番号が1、コマンド番号が0、データが3)。これは、1号機(ポンプ8−1、モータ9−1、インバータ1−2、制御基板1−1の系統)が各制御基板の中からID番号で指定され変速運転指令をしたことを意味する。説明の便宜上1号機を先発機としたものである。1号機制御基板は、907、911、913、917、919、920、921ステップと実行し、圧力制御の処理を行うと共にインバータ本体1−2(図1)に対し運転及び圧力制御信号を発信する。インバータ本体1−2は、この信号に基づいて周波数制御してモータ9−1、ポンプ13−1を駆動する。この後、906ステップでインターフェース基板に対して返信処理を実行する。インターフェース基板は、310ステップでこの制御基板からの返信信号を受信処理する。尚、この受信、返信処理は前述から自明であるから説明は省く。
【0038】
更に、使用水量が増大して図1に示すQ1になると、920ステップの圧力制御によって、インバータの周波数はfmax1となり、給水圧力は目標圧力のH01に到達する。更に、使用水量が増加すると給水圧力が低下して、2台目定速ポンプ始動圧力H01onに達する。インターフェース基板は311、312、313ステップの処理を実行し、現在運転している1号機の周波数が最高周波数fmax1となり、これがt1秒経過して給水圧力(圧力センサが検出した圧力データAN0)が2台目定速ポンプ始動圧力H01on以下になっているか判定し、316ステップで、2台目ポンプを定速運転する送信指令実行する(送信フォーマットのID番号が2、コマンド番号が0、データが4)。これは、2号機(ポンプ8−2、モータ9−2、インバータ2−2、制御基板2−2の系統)が各制御基板の中からID番号で指定され定速運転指令をしたことを意味する。IDNO2で指定された制御基板2−1は、前述の送信フォーマットのコマンドにより905、907、911、913、917、918ステップ順に処理し定速運転する。使用水量がQ1〜Q2の間での使用量変動は、追従した2号機が定速であっても、先発した1号機が変速運転して、給水圧力を目標圧力H01〜H02に制御する。この後、906ステップを実行して前述の処理を実行していく。
【0039】
説明は省くが、図1において、使用水量Q2を超えてQ3まで増大すると、3号機(ポンプ8−3、モータ9−3、インバータ3−2、制御基板3−2の系統)が定速運転で追従し、使用水量Q3を超えてQ4まで増大すると、4号機(ポンプ8−4、モータ9−4、インバータ4−2、制御基板4−2の系統)が定速運転で追従して4台並列運転となる。
【0040】
次に、1号機が変速運転(902ステップの処理)、2号機が定速運転(918ステップの処理に)している状態で使用水量Q2からQ1未満に減少した場合について説明する。使用水量Q1では給水圧力はH01となり、1号機は周波数fmin1、2号機は周波数fmaxで定速運転となり、よってポンプQ−H曲線のA’上にある。これより更に使用水量が減少すると、給水圧力が2台目停止圧力H01offを超える。インターフェース基板は、320、321、322、323ステップを実行し現在運転している1号機の周波数が最低周波数fmin1となり、これがt2秒経過して給水圧力(圧力センサが検出した圧力データAN0)が1台目変速ポンプ停止圧力(2台→1台に減台の意味)H01off以上になっているか判定し、323ステップで1号機変速ポンプを停止し、2号機定速ポンプを変速運転する送信指令実行する(1号機:送信フォーマットのID番号が1、コマンド番号が0、データが2、2号機:送信フォーマットのID番号が2、コマンド番号が0、データが3)。
【0041】
1号機は、905、907、911、913、914、915ステップの順で停止して待機状態となる。2号機は、905、907、911、913、917、919、920、921ステップの順で変速運転する(図2の〜Q1)。
【0042】
説明は省くが、図1において、4台並列運転の状態より使用水量がQ4を超えてQ1未満に減少すると、先発した1号機変速ポンプが停止し、2号機が定速→変速、3号機定速、4号機定速となり、続いて、2号機変速ポンプが停止し、3号機が定速→変速、4号機定速となり、更に3号機変速ポンプが停止し、4号機が定速→変速運転となる。
【0043】
第2の実施態様を図2、図3〜図9により説明する。これは、図1の使用水量Q1以下ではポンプは1台しか運転されないので、全体台数をn台とすると1台は1/nであり、この場合、始動指令はインターフェース基板、停止判断は各制御基板が実行してローテーション運転するものである。各制御基板は919、920、922ステップで使用水量が極少ないかを判定し、極少ないと判定したら停止処理を実行し、906ステップでこの結果をインターフェース基板に返信処理する。使用水量が極少ないかを判定するのは、具体的には921ステップでフロースイッチ(図1に示すフロースイッチ10−1〜10−4は使用水量が極少ない時on信号を発し、そうでない時off信号を発する。)がONしているかチエックする。インターフェース基板は、311、314、315ステップで各制御基板からポンプ停止信号を受信し、全停止となったら次に運転するポンプを設定しローテーション処理する。この場合、次に運転するポンプは運転可能なポンプ中一番若い番号に設定する。
【0044】
第3の実施態様を図11により説明する。これは、インターフェース基板と各制御基板との間で通信異常が発生した場合、電源投入時であると各制御基板の初期化処理で手動運転とし、運転中であると、通信異常が発生する直前のインターフェース基板からの運転モード信号を各制御基板のEEPROMに記憶させておき、この運転モードが切のときは切の処理を、手動であれば手動の処理を、自動であれば自動の処理を実行するようにしたものである。
【0045】
図11は、図9に対して110〜115ステップを追加したものである。112ステップにおいて、インターフェースからの受信処理を行い、113ステップで通信異常か確認し、異常であれば114ステップで手動運転を行い、115ステップで図8に示す通信異常の情報を乗せて返信する。
【0046】
第4の実施態様を図12、図13により説明する。これは、インターフェース基板と各制御基板との間で通信異常が発生した場合、通信異常となった制御基板は、新たにパラメータを一つ追加し、このパラメータのネームを例えばEMAGとする(図12参照)。この値が0のとき手動運転、1のとき自動運転とするようにしたものである。図13は図9に対して130〜135ステップを追加したものである。130ステップにおいて、インターフェースからの受信処理を行い、131ステップで通信異常か確認し、異常であれば132ステップで運転モード即ちコマンドは停止か判定し、停止であれば、133ステップでメモリのEMAGが0か判定し、0であれば、134ステップで手動運転を行い、135ステップで図8に示す通信異常の情報を乗せて返信する。132、133ステップの判定がNOの判定であれば907ステップ以降を実行する。自動運転においては、送水配管の圧力を圧力センサによって検出し、予め記憶している圧力制御(パラメータ)(図12参照)と比較するとともに、913ステップ以降の処理実行するようにしたものである。
【0047】
第5の実施態様を図11により説明する。これは、第3の実施態様の“インターフェース基板と各制御基板との間で通信異常が発生した場合、電源投入時であれば各制御基板の初期化処理で手動運転とし、運転中であれば通信異常が発生する直前のインターフェース基板からの運転モード信号を各制御基板のEEPROMに記憶させておき、この運転モードが切のときは切の処理を、手動であれば手動の処理を、自動であれば自動の処理を実行するようにしたものである。”に対して、通信異常で手動運転となった後、通信異常が復帰したら自動運転とするようにしたものである。
【0048】
具体的には111ステップにおいて通信異常か判定し、通信異常が正常に復帰したら907ステップ以降の処理を実行して913ステップ以降の処理によって自動運転処理に復帰させるようにしたものである。
【0049】
第6の実施態様を図14により説明する。これは、インターフェース基板とデジオペ基板間が通信異常となった方を通常の始動圧力パラメータ−3mと設定し同時運転しないようにしたものである。
【0050】
図14は図9に対して140〜148ステップを追加したものである。140ステップにおいて、インターフェースからの受信処理を行い、141ステップで通信異常か確認し、異常であれば142ステップでパラメータ始動圧力Honを3m減じてこれに格納する処理を実行し、143ステップで、運転モード即ちコマンドは停止か判定し、停止であれば144ステップ以降の処理を実行し手動運転を行い、145ステップで図8に示す通信異常の情報を乗せて返信する。143ステップの処理が停止でなければ、146ステップで圧力センサの検出した給水圧力(図12のPDATA)がパラメータ始動圧力Hon(142ステップの処理で−3mとなっている。)以下であるか判定する。以下であれば907ステップ以降を実行して、913ステップ以降の自動運転処理を実行する。141ステップの判定で通信異常が正常に復帰したら、147、148ステップの処理によってパラメータ始動圧力Honを3m減ずる前の状態に戻す。このように通信異常時は実際のパラメータの始動圧力が−3mとなっているので、通信異常の発生していない他の制御基板側の方が先に始動して、通信異常となった当該制御基板の方は更に水の使用により−3mまで給水圧が下がった時に始動することになる。これにより、水の使用がない時に通信異常が発生しても正常な制御基板より始動圧力が−3m以下低下しないと始動しないので、必要ないときにポンプを運転させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明のn重系の自律分散給水制御システムの構成を示したシステム構成図。
【図2】本発明のn重系の自律分散給水制御システムの運転特性図。
【図3】本発明におけるインターフェース基板の制御手順を示したフローチャート。
【図4】本発明における割り込み処理時の制御手順を示したフローチャート。
【図5】本発明におけるインターフェース基板から制御基板への送信フォーマットの説明図。
【図6】本発明における送信フォーマットのコマンド及びデータを示したテーブルの説明図。
【図7】本発明における制御基板からインターフェース基板への返信フォーマットの説明図。
【図8】本発明における返信フォーマットのコマンド及びデータを示したテーブルの説明図。
【図9】本発明における制御基板の制御手順を示したフローチャート。
【図10】本発明における割り込み処理時の制御手順を示したフローチャート。
【図11】第3の実施態様を説明した制御手順を示したフローチャート。
【図12】本発明におけるインターフェース基板及び制御基板のメモリテーブルの説明図。
【図13】第4の実施態様を説明した制御手順を示したフローチャート。
【図14】第6の実施態様を説明した制御手順を示したフローチャート。
【符号の説明】
【0052】
1−1、2−1、3−1、4−1 制御基板、1−2、2−2、3−2、4−2 インバータ本体、8 ポンプ、9 モータ、11 吸込み管、12 逆止め弁、13、14 仕切り弁、15 給水管、16 センサ、17 圧力タンク
I/O インターフェース基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれにマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体と制御基板及びポンプ、モータでn重系を構成し、そしてこれらに共通なマイクロプロセッサを搭載したインターフェース基板とで構成した自律分散給水制御システムにおいて、
各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、前記インターフェース基板にはIDNO.、台数制御、起動停止、圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶されており、圧力センサの検出した給水圧力信号と前記パラメータのうち起動停止パラメータとを比較し、n重の制御基板のIDNO.に対して、始動指令信号、停止指令信号、及び変速運転か定速運転かを判定する信号を発し、n重の制御基板は、それぞれにIDNO.、圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶されており、前記インターフェース基板からの起動信号により、これと対応したインバータ本体に運転指令を行い、圧力センサの検出した圧力信号に基づいて、圧力制御を行い、この圧力制御に基づいてこれと対応したインバータ本体に圧力制御信号を発し、該制御基板よりアンサバック信号を前記インターフェース基板に返信し、n重の制御基板の起動停止を前記インターフェース基板が行い、圧力制御を前記制御基板が行うことを特徴とする自律分散給水制御システム。
【請求項2】
請求項1記載の自律分散給水制御システムにおいて、
前記インターフェース基板に対し制御基板とインバータが1/nとなった時の停止処理を前記制御基板が行うようにしたことを特徴とする自律分散給水制御システム。
【請求項3】
請求項1記載の自律分散給水制御システムにおいて、
電源投入時に通信異常が発生した場合、デジオペの初期化処理で手動運転とし、運転中に通信異常が発生した場合、通信異常が発生する直前のDISPからの運転モード信号をデジオペのEEPROMに記憶させておき、この運転モードが切のときは切の処理を、手動であれば手動の処理を、自動であれば自動の処理を実行するようにしたことを特徴とする自律分散給水制御システム。
【請求項4】
それぞれにマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体と制御基板及びポンプ、モータでn重系を構成し、そしてこれらに共通なマイクロプロセッサを搭載したインターフェース基板とで構成した自律分散給水制御システムにおいて、
各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、前記インターフェース基板にはIDNO.、運転モード判定機能、台数制御、起動停止、圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶されており、圧力センサの検出した給水圧力信号と前記パラメータのうち起動停止パラメータとを比較し、n重の制御基板のIDNO.に対して、始動指令信号、停止指令信号、及び変速運転か定速運転かを判定する信号を発し、n重の制御基板には、それぞれにIDNO.、通信異常時に手動運転するか自動運転するかを決定するパラメータ及び圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶されており、前記インターフェース基板からの起動信号により、これと対応したインバータ本体に運転指令を行い、圧力センサの検出した給水圧力信号に基づいて、圧力制御を行い、この圧力制御に基づいてこれと対応したインバータ本体に圧力制御信号を発し、該制御基板よりアンサバック信号を前記インターフェース基板に返信し、n重の制御基板の起動停止を前記インターフェース基板が行い、前記インターフェース基板とn重の制御基板間に通信異常が発生した場合、手動運転するか自動運転するかを決定するパラメータに基づいて、手動運転又は自動運転するようにしたこと特徴とする自律分散給水制御システム。
【請求項5】
それぞれにマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体と制御基板及びポンプ、モータでn重系を構成し、そしてこれらに共通なマイクロプロセッサを搭載したインターフェース基板とで構成した自律分散給水制御システムにおいて、
各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、前記インターフェース基板と制御基板間が通信異常の場合は手動運転、通信異常が復帰したら自動運転とすることを特徴とする自律分散給水制御システム。
【請求項6】
それぞれにマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体と制御基板及びポンプ、モータでn重系を構成し、そしてこれらに共通なマイクロプロセッサを搭載したインターフェース基板とで構成した自律分散給水制御システムにおいて、
各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、前記インターフェース基板と制御基板間が通信異常となった方を通常の始動圧力パラメータ−3mと設定し同時運転しないようにすることを特徴とする自律分散給水制御システム。
【請求項1】
それぞれにマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体と制御基板及びポンプ、モータでn重系を構成し、そしてこれらに共通なマイクロプロセッサを搭載したインターフェース基板とで構成した自律分散給水制御システムにおいて、
各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、前記インターフェース基板にはIDNO.、台数制御、起動停止、圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶されており、圧力センサの検出した給水圧力信号と前記パラメータのうち起動停止パラメータとを比較し、n重の制御基板のIDNO.に対して、始動指令信号、停止指令信号、及び変速運転か定速運転かを判定する信号を発し、n重の制御基板は、それぞれにIDNO.、圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶されており、前記インターフェース基板からの起動信号により、これと対応したインバータ本体に運転指令を行い、圧力センサの検出した圧力信号に基づいて、圧力制御を行い、この圧力制御に基づいてこれと対応したインバータ本体に圧力制御信号を発し、該制御基板よりアンサバック信号を前記インターフェース基板に返信し、n重の制御基板の起動停止を前記インターフェース基板が行い、圧力制御を前記制御基板が行うことを特徴とする自律分散給水制御システム。
【請求項2】
請求項1記載の自律分散給水制御システムにおいて、
前記インターフェース基板に対し制御基板とインバータが1/nとなった時の停止処理を前記制御基板が行うようにしたことを特徴とする自律分散給水制御システム。
【請求項3】
請求項1記載の自律分散給水制御システムにおいて、
電源投入時に通信異常が発生した場合、デジオペの初期化処理で手動運転とし、運転中に通信異常が発生した場合、通信異常が発生する直前のDISPからの運転モード信号をデジオペのEEPROMに記憶させておき、この運転モードが切のときは切の処理を、手動であれば手動の処理を、自動であれば自動の処理を実行するようにしたことを特徴とする自律分散給水制御システム。
【請求項4】
それぞれにマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体と制御基板及びポンプ、モータでn重系を構成し、そしてこれらに共通なマイクロプロセッサを搭載したインターフェース基板とで構成した自律分散給水制御システムにおいて、
各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、前記インターフェース基板にはIDNO.、運転モード判定機能、台数制御、起動停止、圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶されており、圧力センサの検出した給水圧力信号と前記パラメータのうち起動停止パラメータとを比較し、n重の制御基板のIDNO.に対して、始動指令信号、停止指令信号、及び変速運転か定速運転かを判定する信号を発し、n重の制御基板には、それぞれにIDNO.、通信異常時に手動運転するか自動運転するかを決定するパラメータ及び圧力制御のためのパラメータが記憶部に記憶されており、前記インターフェース基板からの起動信号により、これと対応したインバータ本体に運転指令を行い、圧力センサの検出した給水圧力信号に基づいて、圧力制御を行い、この圧力制御に基づいてこれと対応したインバータ本体に圧力制御信号を発し、該制御基板よりアンサバック信号を前記インターフェース基板に返信し、n重の制御基板の起動停止を前記インターフェース基板が行い、前記インターフェース基板とn重の制御基板間に通信異常が発生した場合、手動運転するか自動運転するかを決定するパラメータに基づいて、手動運転又は自動運転するようにしたこと特徴とする自律分散給水制御システム。
【請求項5】
それぞれにマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体と制御基板及びポンプ、モータでn重系を構成し、そしてこれらに共通なマイクロプロセッサを搭載したインターフェース基板とで構成した自律分散給水制御システムにおいて、
各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、前記インターフェース基板と制御基板間が通信異常の場合は手動運転、通信異常が復帰したら自動運転とすることを特徴とする自律分散給水制御システム。
【請求項6】
それぞれにマイクロプロセッサを搭載したインバータ本体と制御基板及びポンプ、モータでn重系を構成し、そしてこれらに共通なマイクロプロセッサを搭載したインターフェース基板とで構成した自律分散給水制御システムにおいて、
各マイクロプロセッサ間を通信信号線で結線し、前記インターフェース基板と制御基板間が通信異常となった方を通常の始動圧力パラメータ−3mと設定し同時運転しないようにすることを特徴とする自律分散給水制御システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図4】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−228649(P2009−228649A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−78439(P2008−78439)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(502129933)株式会社日立産機システム (1,140)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(502129933)株式会社日立産機システム (1,140)
【Fターム(参考)】
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