説明

自立監視システム

検出システムは、第一粒子を捕捉するための捕集器と、第二粒子のクラスを決定するための第一装置と、第一粒子の正体を決定するための第二装置と、制御システムとを含む。制御システムは、第一装置によって決定されたクラスに基づいて、第二装置によって実行すべき試験を選択するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2003年12月10日に出願され、参照して本明細書に組み込まれる、米国特許仮出願第60/528,210号の優先権および特典を主張する。
【0002】
本発明は、一般的にバイオエアロゾルの検出および識別に関し、さらに詳しくは、生物学的粒子を識別する前に生物学的粒子を分類するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
バクテリアおよびウィルスのような感染性の生物学的粒子は、空気感染経路を介して一生体(例えばヒトまたは動物)から別の生体へ伝搬することがあり得る。例えば、個人が話し、咳をし、もしくはくしゃみをしたときに、または粒子含有液滴を発生する特定の医療および歯科処置中に、生物学的粒子は不注意にエアロゾル化してバイオエアロゾルになることがあり得る。また、生物学的粒子は例えば冷却塔、水道蛇口、および加湿器からの水蒸気中、農薬粉塵中、および他の空中浮遊有機物質中にも存在することがあり得る。
【0004】
一般的発生源から不注意に発生するバイオエアロゾルに加えて、バイオエアロゾルは意図的に生成されることがあり得る。例えば他人に危害を加え、社会を混乱させる意志を持った個人が、ミクロンサイズの粒子状の炭疽菌のような有害な生物学的粒子を、郵便システムを介して配達される封筒に入れて散布させることができることを実証した。そのような粒子は、郵便施設における処理中に、あるいは汚染された封筒が開封されるときに、空中浮遊するようになり得る。例えば、2001年10月に炭疽菌がワシントンD.C.の米国郵政公社によって処理中の郵便物内に発見され、結果的に郵便局員に重篤な疾患を引き起こし、二名が死亡した。2001年10月に、炭疽菌は米国国会議事堂の郵便室および議員会館でも発見され、その結果、建物の閉鎖および隔離が行われた。有害な生物学的粒子を意図的にばらまき、エアロゾル化する他の方法として、例えば喚気システムを通して、または爆発的な放出によって粒子を散布することが挙げられる。
【0005】
有害なバイオエアロゾルの吸入によって引き起こされる疾患からヒトおよび動物を防護するために、バイオエアロゾルを監視し、検出し、かつ識別するシステムが存在する。例えば、濡れ壁捕集器または同様の装置を利用した自動捕集および識別システムを使用することができる。一般的に使用される別の方法は、乾式濾過装置(例えばエアフィルタ)を使用してバイオエアロゾル試料を捕捉する。乾式濾過装置は手動的に集められ、次いで分析される。
【0006】
濡れ壁捕集器および/または乾式濾過装置によって捕捉されたバイオエアロゾル試料を分析するための手順は一般的に、物理的撹拌を用いて捕集器/フィルタを洗浄し、液体試料を生成し、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)装置を使用して分析するために液体試料を調製し、検出器により液体試料を観察して、バイオエアロゾルの正体を決定することを含む。
【0007】
従来の識別システムの一つの不利点は、そのようなシステムのPCR構成要素が大きい多重化要件を有することである。例えばバイオエアロゾルを識別するためには、細菌剤、真菌剤、ウィルス剤、および毒剤についてのアッセイを含め、全ての可能な生物剤についてPCRアッセイ実行しなければならない。したがって、かなりの数の試験を実行しなければならず、大量の試薬および消耗品が必要である。その結果、そのようなシステムは携帯用または実時間分析用に適応されておらず、したがって施設のセキュリティ専門家、軍隊、および緊急対応要員、例えば消防士、警察、救急医療者、および危険物処理班が、生命を脅かすバイオハザードがその場所、現地、現場に存在するか否かを決定するために使用するのにはあまり適さない。
【発明の開示】
【0008】
本発明に係る実施形態によると、検出システムは、第一粒子を捕捉するための捕集器と、第二粒子のクラスを決定するための第一装置と、第一粒子の正体を決定するための第二装置と、制御システムとを含む。制御システムは、第一装置によって決定されたクラスに基づいて、第二装置によって実行すべき試験を選択するように構成される。
【0009】
別の実施形態によると、空中浮遊粒子を分析するための方法は、周囲空気を採取し、周囲空気から第一粒子を捕捉し、第一粒子を含む液体試料を生成し、周囲空気からの第二粒子を分析して第二粒子のクラスを決定し、第二粒子のクラスに基づいて第一粒子の正体を決定する試験を選択し、液体試料に試験を受けさせることを含む。
【0010】
以上の概略的記述および以下の詳細記述は両方とも例示かつ説明にすぎず、請求する発明を制限するものではないことを理解されたい。
【0011】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本発明の例示的実施形態を示すものであり、記述と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1〜4は、本発明に係る検出システム10の実施形態を示す。検出システム10は捕集器20と、第一装置30と、第二装置40と、制御システム50とを含む。
【0013】
捕集器20は、周囲空気(例えば環境大気)を採取し、かつ周囲空気中の空中浮遊(例えばエアロゾル化)粒子を捕捉するように構成される。例えば、図1に示す通り、空気試料5の一部分を空気流F1として(例えばファンまたは空気ポンプによって)捕集器20内へ引き込むか、あるいは押し込むことができる。空気試料5が捕集器20を通過するときに、空気試料5中のエアロゾル化粒子は捕集器20内に同伴される。次いで空気試料5は空気流F2として捕集器20から排出される。
【0014】
捕集器20は、粒子を捕集することのできる濾過装置22を含む。一実施形態では、濾過装置22は乾式濾過装置(図2に示す)である。乾式濾過装置は例えばエアフィルタとすることができる。乾式濾過装置は、細胞、胞子、花粉、カビ、バクテリア、ウィルス、毒素、真菌類、および微生物のような生物学的粒子を含め、ミクロンサイズの粒子を捕捉することのできるいずれかの材料から作成することができる。例えば、乾式濾過装置はポリエステルフェルトフィルタ、多孔質膜フィルタ、またはガラス繊維フィルタとすることができる。乾式濾過装置は、使い捨てフィルタ、または例えば2004年10月13日に出願された米国特許出願第10/962,477号、および2004年10月13日に出願された米国特許出願第10/962,480号に記載された、キャニスタから小出しされる例えばロール状の材料上に配設される連続フィルタとして構成することができ、これらの出願を参照して本明細書に組み込まれる。別の実施形態では、捕集器20の濾過装置22は湿式濃縮器である。例えばセプタ・インダストリーズ・インコーポレーテッド社(Sceptor Industries, Inc.))製のSpinCon(登録商標)アドバンストエアサンプラのような市販の湿式濃縮器を使用することができる。
【0015】
図2に示すように、濾過装置22が空気流F1にさらされるときに、空気試料5中のエアロゾル化粒子5aは濾過装置22内に同伴されるようになる。捕集器20を介する空気流F1のサンプリングレートは例えば、毎分約400から500リットルの範囲とすることができる。捕集器20を介する空気流F1のサンプリング期間は、例えば約30分から8時間の範囲とすることができる。サンプリング期間の持続時間は、制御システム50でソフトウェアパラメータによって設定することができる。例示的実施形態では、サンプリングレートは毎分約400リットルであり、サンプリング期間は約3時間である。加えて、濾過装置22の細孔サイズは、ヒトおよび/または動物が吸い込むことが可能な粒子(つまり呼吸可能な粒子)を捕捉するように適応させることができる。例えば濾過装置22は、約1μmから約10μmのサイズを有する粒子を捕集するように適応させることができる。
【0016】
捕捉された粒子5aは、洗浄することによって濾過装置22から液体試料L1中に回収することができる。いずれかの公知の手動または自動洗浄方法を使用して、粒子5aを回収することができる。例えば、一実施形態では、捕集器20の濾過装置22は、空中浮遊粒子を捕集して液体試料L1中の粒子を自動的に濃縮する湿式濃縮器(例えばセプタ・インダストリーズ・インコーポレーテッド社(Sceptor Industries, Inc.))製のSpinCon(登録商標)アドバンストエアサンプラ)である。別の実施形態では、濾過装置22(例えば乾式フィルタ)が捕集流体Fc中に浸漬されるまで、捕集流体Fc(例えば水)を(例えば外部配管および/または検出システム10内の溝を介して)捕集器20に(例えばポンプにより)供給することができる。この実施形態では、濾過装置22の洗浄は、例えば米国特許出願第10/962,477号および第10/962,480号に記載されているように、機械的撹拌、音波処理、またはパーコレーション(つまり濾過装置22を介してガスを起泡させ、あるいはそこにガスを浸透させること)のようないずれかの公知の方法によって達成することができる。洗浄の結果、粒子5aは濾過装置22から遊離され、捕集流体へ移動し、それにより液体試料L1が生成される。次いで、液体試料L1は第二装置40へ移送することができる。
【0017】
第一装置30もまた、周囲空気を採取するように構成することができる。加えて、第一装置30は周囲空気中のエアロゾル化粒子をクラスまたはカテゴリに分類するように適応させることができる。例えば図1に示すように、空気試料5は、(例えばファンまたは空気ポンプによって)空気流F3として第一装置30に引き込むか、あるいは押し込むことができる。空気試料5が第一装置30を通過するときに、エアロゾル化粒子5bは、図3に示すようにサブストレート(substrate)32上に捕集される。サブストレート32は例えばセンサ面とすることができる。サブストレート32はまた、例えば捕集器20に関連して上述した濾過装置のいずれかのような、いずれかの適切な濾過媒体とすることもできる。第一装置30はまた、サブストレート32上の粒子5bの濃縮を改善するために、バーチャルインパクタ(virtual impactor)をも含むことができる。空気試料5は空気流F4として第一装置30から排出され、それは周囲環境に直接排出することができ、あるいは捕集器20内に流入する空気流F1と結合することができる。第一装置30を介する空気流F3のサンプリングレートは、例えば毎分約1から10リットルの範囲とすることができる。例示的実施形態では、第一検出器30は連続的に動作して、粒子の実時間または近実時間分析(real-time to near-real-time analysis)を達成する。捕集された試料はサブストレート32上に維持するか、あるいは上述した方法のいずれかによって液体試料中に洗い流すことができる。
【0018】
第一装置30は検出器を含むこともできる。検出器は、生物学的粒子を検出するのに適した任意の検出器とすることができる。一実施形態では、検出器は例えば蛍光分光法を利用する分光計である。この実施形態では、検出器は捕集された試料内の分子(例えばレセプタ分子)の蛍光を誘発するように適応される。検出器は誘発された蛍光を読み取り、該読取に基づいて粒子5bのクラスを決定する。一実施形態では、クラスは粒子5bを大まかに類別するために使用される。例えばクラスは、次のような分類つまり「バクテリア」、「真菌」「毒素」、および「ウィルス」を含むことができる。別の実施形態では、クラスは「非生物学的物質」または「干渉性物質」のようなヌル指定を含むことができる。ヌル指定とは、例えば粒子5bが潜在的バイオハザードでないことを示す(例えばカビ、花粉、他の一般的な干渉性物質)。代替的に、第一装置30は潜在的バイオハザードでない粒子5bが第一装置30によって登録されない(つまり無視される)ように構成することができる。このようにして、第一装置30は粒子5bを予備的に分類し、それによって粒子5bの考えられる正体が狭められる。例えば第一装置30が粒子5bを毒素と分類した場合、全てのバクテリア、真菌類、およびウィルスは検討から排除される。
【0019】
例示的実施形態では、第一装置30は、エコー・テクノロジーズ・インコーポレーテッドによって開発された「スマートトリガ」技術による生物学的検出システム(BDS)である。BDSは、バクテリア、胞子、毒素、およびウィルスをはじめとする生物剤の広範なクラスを検出し弁別するように適応された光センサを利用する。エアロゾル試料はセンサ面上に直接衝突し、センサケミストリは、生物剤と蛍光レセプタ分子との間の反応に基づく。BDSはユーザの介在無しに動作することができ、エアロゾル試料がセンサ面に直接衝突するので、流体は不要である。
【0020】
第一装置30は、公知の方法で、検出システム10の他の構成要素、例えば捕集器20、第二検出器40、および/または制御システム50に接続または一体化することができる。代替的に、第一装置30は、有線または無線遠隔制御によって制御システム50に接続された、別個のユニットとすることができる。例示的実施形態では、第一装置30は手持型となるように適応される。例えば、第一装置30は約2インチの高さ、約2インチの幅、および約8インチの長さを持つことができる。検出システム10は、検出システム10が広範な領域をカバーするように各々異なる場所に配備することのできる、複数の第一装置30および/または複数の第二装置40を含むこともできる。
【0021】
第一装置30は、粒子5bを実時間または近実時間で分類するように構成することができる。例えば第一装置30および/または制御システム50は、第一装置30が粒子5bを約2分以内に検出して分類することを可能にする、ソフトウェアアルゴリズムおよび/またはデータベースを含むことができる。かくして、第一装置30は、迅速な予備的遺伝子検出を達成するように適応させることができる。さらに、第一装置30は、(粒子が特定の有機物または生物剤であるか否かを決定するというよりむしろ)粒子が属する広範なクラスを決定するので、第一装置30は、特定の有機物または生物剤を検出するように設計されたセンサでは見逃される、未知のあるいは遺伝子操作された空中浮遊粒子(例えばバイオエアロゾル)を含む環境によく適している。さらに、第一装置30によってもたらされる分類は、第二装置40によって実行される試験の多重化要件を軽減する。例えば第一装置30が細菌剤(つまり「バクテリア」)を検出した場合、細菌剤の試験(例えばPCR試験)だけが第二装置40によって実行される。したがって、第二装置40によって実行される分析の数が低減され、それにより試験に必要な消耗品の量、分析時間、および運用コストが低減される。
【0022】
第二装置40は、捕集器20によって生成される液体試料L1(例えば反応混合液)中に含まれる粒子5aの正体を決定するように構成することができる。一実施形態では、第二装置40は捕集器20から液体試料L1を受け取り、(例えば溶解、精製、および/または液体試料L1への反応流体Rcの添加によって)液体試料L1を分析用に調製する。第二装置40は次いで液体試料L1を分析して、粒子5aの正体を決定する。例えば、第二装置40は、細菌剤(例えばバシラスアンスラシス(炭疽病)、ビフリオコレラ(コレラ)、ブルコルデリアマレイ(鼻疽)、エルシニアペスティス(ペスト)、フランシセラツラレンシス(野兎病)、サルモネラチフィ(チフス熱)、ウィルス剤(例えば天然痘ウィルス(疱瘡を引き起こすウィルス)、ベネズエラウマ脳炎(VEE)ウィルス、西部ウマ脳炎(WEE)ウィルス、東部ウマ脳炎(EEE)ウィルス、エボラウィルス)、毒剤(例えばリシン、ブドウ球菌性エンテロトキシンB(SEB)、ボツリヌス菌毒素、トリコテセンミコトキシン)、および/または真菌剤について、液体試料L1を試験するように適応させることができる。真菌剤(例えば胞子)は環境条件によく見られ、一般的に誤認警報の原因となる。したがって、第一装置30に真菌剤クラス(またはチャネル)を組み込むことにより、誤認警報を低減し、したがってシステム全体のライフサイクルコストを低減することができる。このようにして、第二装置40を使用して粒子5aを識別することができる。
【0023】
第二装置40は、捕集器20から液体試料L1を受け取るように適応させることができる。液体試料L1は、ポンプの力により、例えば検出システム10内の微小流体チャネルを通して、第二装置40へ移送することができる。代替的に、液体試料L1は、第二装置40に挿入するかまたはその中に設置するように構成された、反応室または試料保持器に移送することができる。試料保持器は例えば、参照して本明細書に組み込まれる、2003年12月4日に出願された米国特許出願第10/737,037号および2004年5月25日に出願された米国特許出願第10/852,684号に記載された試料保持器のような、いずれかの公知の試料保持器とすることができる。第二装置40はまた、液体試料の少なくとも一部分を保管目的のために貯蔵するように構成することもできる。例えば第二装置40は、以前のサンプル期間の液体試料の独立保管貯蔵用の貯蔵室48を含むことができる。例示的実施形態では、第二装置40は以前の五日間の操作からの試料(例えば約40個の試料)の貯蔵能力を含む。加えて、第二装置40は、手動または自動的にいずれかの公知の方法で周期的に一掃されかつ/または清掃することのできる廃棄物室49を含むことができる。
【0024】
液体試料L1は、第二装置40に移送される前または後にいずれかの公知の方法で処理することができる。例えば、試薬、緩衝液、および/またはプライマのような反応流体Rcを液体試料L1に添加することができる。液体試料はまた、液体試料L1中の粒子5aから核酸を回収するために溶解プロセスを受けることもできる。粒子5aは、音波処理、機械的撹拌、ホモジナイゼーション、またはパーコレーションによるなど、いずれかの既知の方法で溶解することができる。一実施形態では捕集器20は、例えば米国特許出願第10/962,480号に記載されているように、音波処理器、機械的撹拌器、またはパーコレータを含む。別の実施形態では、第二装置40は細胞溶解用の音波処理モジュールを含む。音波処理モジュールは例えば、1mlの試料中のバクテリア胞子を約60秒で溶解することのできる低出力微小流体音波処理器とすることができる。マイクロフルイディック・システムズ・インコーポレーテッド(MicroFluidic Systems, Inc.)またはパシフィック・ノースウェスト・ナショナル・ラボラトリ(Pacific Northwest National Laboratories.))によって生産された音波処理モジュールのような、いずれかの適切な市販の音波処理モジュールを使用することができる。
【0025】
溶解プロセスで粒子5aから核酸を解放した後、感度を改善するためにいずれかの公知の方法で核酸を任意に精製(濃縮)して、第二液体試料(濃縮試料)にすることができる。一実施形態では、捕集器20は、例えば米国特許出願第10/962,477号に記載されているように、核酸の精製のための第二濾過装置を含む。別の実施形態では、第二装置40は、少量の高度に濃縮された核酸を捕捉し、洗浄し、かつ溶出するための精製モジュールを含む。精製モジュールは例えば、チャンバ(例えば12μlのチャンバ)内に高い表面領域を形成するマイクロピラーから構成される微細加工シリコン構造を有する精製チップを含む。試料の濃度は感度を改善し、検出システム10がより少量の試料および試薬を各試験に使用することを可能にする。
【0026】
第二装置40は、液体試料L1(または濃縮液体試料)ならびに試薬、緩衝液、プライマ、および廃液のような他の流体を取り扱い、かつ処理するように適応させることができる。例えば、第二装置40は、流体を取り扱うための微小流体マニホルドおよびポンプ、ならびに流体を混合、処理、および分析するためのチャンバを含むことができる。第二装置40は例えば、参照して本明細書に組み込まれる米国特許特許第6,374,684号に記載されたシステムのような、いずれかの公知の流体処理および取扱システムを利用することができる。第二装置40はまた、液体試料L1を試験し、かつ/または液体試料L1中の核酸を増幅するためのサーマルサイクラ(thermal cycler)をも含むことができる。サーマルサイクラは、参照して本明細書に組み込まれる、2004年5月4日に出願された例えば米国特許出願第10/837,745号に記載されたサーマルサイクラのようないずれかの公知のサーマルサイクラとすることができる。例示的実施形態では、第二装置40は、複数の試験を液体試料のアリコート(aliquots)に(独立してまたは同時に)実行することができるように、並列に配置されたアレイ状のサーマルサイクラを含む。
【0027】
第二装置40は、液体試料L1(または濃縮液体試料)を試験して液体試料中の粒子5aの正体を決定するように構成することができる。例えば図4に示すように、第二装置40は、液体試料を試験するための識別モジュール42と、試験の結果を読み取るように構成された画像源または検出器44とを含むことができる。第二装置40は、単一の識別モジュール42を含むことができる。代替的に、第二装置40は、並列に配置し独立してまたは同時に動作するように適応させることのできる識別モジュール42のアレイ46を含むことができる。したがって、アレイ46は、第二装置40が液体試料の複数のアリコートを異なる時間に独立して、または同時に分析することを可能にする。例示的実施形態では、第二装置は少なくとも12個の識別モジュール42のアレイを含み、少なくとも12の生物剤の同時分析が可能である。同様に、検出器44は、複数の試験の結果を同時に読み取ることができるように、複数の検出器44を含むことができる。代替的に、単一および/または複数の試験結果を読み取るように適応された単一の検出器44を使用することができる。したがって、第二装置40は、幾つかの異なる生物剤について同時に試験を実行し、かつ試験結果を分析するように適応され、それにより粒子5aを識別するのに要する時間を低減することができる。
【0028】
一実施形態では、識別モジュール42は、図5に示すようにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)モジュール42aを含むことができる。例示的実施形態では、PCRモジュール42aは上述したサーマルサイクラを組み込む。PCRモジュール42aは、粒子5aの正体を決定するためにいずれかの公知のPCR試験を実行するように構成することができる。例えば、PCRモジュール42aによって実行される試験は、ラテラルフロー抗体アッセイ(lateral flow antibody assay)とすることができる。一実施形態では、ラテラルフロー抗体アッセイは、周知の通りラテラルフローストリップ(lateral flow strip)(図6に示す)を用いて実行される。動作中、いずれかの公知の方法で液体試料はラテラルフローストリップに塗布される。例えば液体試料は、ラテラルフローストリップに配置された吸収パッドと接触して配置され、ストリップに吸い込まれる。所定の試験間隔(例えば20分)後に、検出器44はラテラルフローストリップを読み取り、特定の生物剤が液体試料中に存在するか否かを決定する。検出器44は、例えば光電子増倍管および/またはCCDカメラのようないずれかの適切な検出器とすることができる。
【0029】
別の実施形態では、識別モジュールは競合抗体−抗原アッセイを実行するように構成することができ、検出器44は、競合抗体−抗原アッセイの結果を読み取るように構成されたルミノメータとすることができる。
【0030】
識別モジュール42は上述した試験に限定されず、細菌、真菌、毒素、またはウィルスの検出のためのアッセイのような適切な試験またはアッセイを実行するように構成することができる。一実施形態では、アッセイは、例えばリシン、SEB、およびボツリヌス菌毒素のような毒素の検出のためのアッセイを提供する、スミス・ディテクション・インコーポレーテッド(Smiths Detection Inc.)によって開発されたイムノPCR(I−PCR)アッセイである。I−PCRアッセイは、I−PCRアッセイにおける識別抗体(例えばリシン)を異なる抗体(例えばSEBまたはボツリヌス菌)と置き換えることによって、様々な毒素用のアッセイを提供するように改変することができる。
【0031】
別の実施形態では、第二装置40の識別モジュール42は、図7に示すように表面プラズモン共鳴(SPR)チップ42bを含むことができる。動作中、液体試料は、液体試料がSPRチップ上で不動化されたレセプタと接触するように、SPRチップ上を流動する。所定の試験間隔(例えば20分)後に、検出器44はSPRチップを読み取り、特定の生物剤が液体試料中に存在するか否かを決定する。検出器44は、例えば表面プラズモン共鳴検出器のようないずれかの適切な検出器とすることができる。
【0032】
例示的実施形態では、第二装置40によって実行される試験は、第一装置30によって提供されたクラスに基づいて、制御システム50によって選択される。したがって、制御システム50は、粒子5bの分類に応じて、第二装置40が粒子5aに対して細菌剤、ウィルス剤、真菌剤、または毒剤について試験を実行するかどうかを決定する。例えば、第一装置30が粒子5bを細菌と分類した場合、制御システム50は細菌剤についての試験だけを粒子5aに対して実行するように第二装置40に命令する。同様に、第一装置30が粒子5bをウィルスと分類した場合、制御システム50はウィルス剤についての試験だけを実行するように第二装置40に命令する。第一装置30が粒子5bを真菌と分類した場合、制御システム50は真菌剤についての試験だけを実行するように第二装置40に命令する。第一装置30が粒子5bを毒素と分類した場合、制御システム50は毒剤についての試験だけを実行するように第二装置40に命令する。別の実施形態では、第一装置30が粒子5bを非生物、干渉性物質、および/または無害と分類した場合、制御システム50は第二装置40に粒子5aを試験しないように命令する。
【0033】
第二装置40は、比較的短時間に粒子5aの正体を決定するように構成することができる。例えば第二装置40および/または制御システム50は、粒子5aが捕集器20によって捕捉された後、約1時間以内に第二装置40が粒子5aを検出し分類することを可能にする、ソフトウェアアルゴリズムおよび/またはデータベースを含むことができる。例示的実施形態では、第二装置はスミス・ディテクション・インコーポレーテッド(Smiths Detection Inc.)によって開発されたBIO−SEEQ(登録商標)の構成を含む。BIO−SEEQ(登録商標)(図5に示す)は、PCRを利用して生物剤を識別するように構成することのできる手持型計器である。一実施形態では、該計器は有害な病原体の有無について六個の独立した試料を分析することができ、重さが約6.5ポンドであり(市販のバッテリを含む)、約1立方フィート未満のサイズを有する。別の実施形態では、第二装置40は、マイクロフルイディック・システムズ・インコーポレーテッド(MicroFluidic Systems, Inc.)によって開発された自動微小流体プラットフォームを組み込む。
【0034】
制御システム50は、検出システム10の動作を監視かつ制御し、第一装置30および第二装置40から得られたデータを分析するように構成(例えばプログラム)することができる。例示的実施形態では、制御システム50は、上述の通り第一装置30によって提供されたクラスに基づいて、第二装置40によって実行される試験を制御システム50が選択することを可能にする、ソフトウェアを含む。制御システム50はまた、第一装置30が粒子5bの分類を決定した後、第二装置40における試験を開始するようにプログラムすることもできる。加えて、制御システム50は、例えば捕集器20および第一装置30への空気の取入の制御、捕集流体Fcの捕集器20への送出の制御および濾過装置22の洗浄の制御の制御、捕集器20から第二装置40への液体試料L1の移送の制御、第二装置40における液体試料L1の処理および分析の制御、および/または他の作動機能の制御のような、一般的制御機能を実行するように適応することができる。
【0035】
制御システム50は、例えばマイクロプロセッサを含め、いずれかの公知のコンピュータハードウェアおよび/またはソフトウェアを含むことができる。制御システム50はまた、情報を表示するためのグラフィカルユーザインタフェース、ならびにユーザが制御システム50と対話することを可能にするキーボードおよび/またはマウスのようなユーザ入力装置を含むこともできる。制御システム50は携帯可能なサイズにすることができ、かつ例えばラップトップコンピュータおよび/または手持型パーソナルデータアシスタントを含むことができる。制御システム50は、検出システム10を遠隔制御することができるように、無線通信システムを含むこともできる。制御システム50はさらに電源を含むことができ、それは例えばバッテリのようないずれかの公知の電源とすることができ、あるいはライン電圧を利用することができる。
【0036】
一実施形態では制御システム50は、検出システム10に含まれる各センサシステムからデータを収集するように構成される。例えば制御システム50は、第一装置30内の検出器からの情報(例えば粒子5bのクラス)、および第二装置40内の検出器44からの情報(例えば粒子5aの正体)を受け取るように適応させることができる。受け取った情報に基づいて、制御システム50は、警報をトリガするように、かつ/または他のシステムの監視および/または試験を開始するようにプログラムすることができる。例えば、カテゴリが「細菌」であるというシグナルを制御システム50が第一装置30から受け取ったときに、制御システム50は、細菌剤について液体試料L1を試験するように第二装置40にコマンドを発行することができる。一実施形態では、液体試料の第一アリコートは第一細菌剤(例えば炭疽菌)についての試験を受けることができ、液体試料の第二アリコートは第二細菌剤(例えばコレラ)についての試験を受けることができ、液体試料の第三アリコートは第三細菌剤(例えばペスト)についての試験を受けることができる。
【0037】
制御システム50は、所定のスケジュールにより試料採取および分析が行われる通常の動作用に構成することができる。代替的に、通常の動作条件は、捕集器20を第一装置30と同時に連続的に動作させることを含むことができる。第一装置30が潜在的危険を検出した場合、液体試料を分析のために第二装置40へ移送するように捕集器20に命令することができる。可能性のある危険が第一装置30によって検出されない場合、検出システム10は通常の動作条件下で作動し続ける。粒子の潜在的に危険なクラス(すなわち推定陽性結果)が検出されると、制御システム50は、周囲の全てのシステム(例えば第二装置40内の検出器44)に試験を開始するように命令することができる。したがって、制御システム50は察知された脅威に自動的に応答するように構成することができ、それによって察知された脅威を識別し、かつ脅威を緊急対応要員に知らせるまでの時間が短縮される。その結果、汚染された領域から効果的に避難することができ、有害なバイオエアロゾルの拡散を軽減することができる。
【0038】
例示的実施形態では、制御ユニット50は、リチャルディ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド(RTI)によって開発された、検出システム10の完全遠隔操作を可能にするSensorView(商標)プラットフォームに基づく通信ネットワークを含む。SensorView(商標)プラットフォームは、分散されたセンサの管理のためのコマンド、制御、および監視システムである。例えば、SensorView(商標)プラットフォームは、RS−232、RS−422、RS−485、およびイーサネット(登録商標)をはじめとする様々なインタフェースで様々なセンサ型を接続するプラグアンドプレイ能力を提供するように適応させることができる。該プラットフォームはユーザが様々な型の複数のセンサに(局所的に、および遠隔的に)命令し、制御し、かつ監視することを可能にし、また出来事に関連する実時間位置および気象データを提供するGPSおよび気象センサオプションをも含むことができる。SensorView(商標)プラットフォームはさらに、安全な暗号化された無線通信および安全なウェブアクセスを達成することができる。
【0039】
検出システム10を一つの場所から別の場所へ運搬することができるように、検出システム10は携帯可能かつ/または移動可能に成るように構成することができる。例えば検出システム10のサイズは、約6立方フィート以下とすることができる。加えて、検出システム10の重さは約40ポンドから約60ポンドの範囲とすることができる。例示的実施形態では、重さは約50ポンド以下である。したがって装置10は、ユーザが装置10を様々な場所に運搬することを可能にする物理的サイズおよび重量を持つように構成することができる。例えば検出システム10は、軍用車両、パトカー、消防車、救急車、または危険物処理車両のような車両に搭載することができる。検出システム10は、検出システム10を一つの場所から別の場所へ転がして移動することができるように、キャスタおよび/または車輪を有する台車に取り付けることもできる。代替的に検出システム10は、例えば建物、鉄道の駅、または都市交通システムの屋内または屋外の場所、あるいは軍フィールド現場、遊園地、または市街地のような屋外(戸外または外側)の場所のような静止位置に取り付けることができる。
【0040】
検出システム10は筺体60を含むこともできる。図8に示すように、筺体60は検出システム10の少なくとも一部分を収容する。例えば一実施形態では、第一装置30および第二装置40は筺体60内に収容されるが、捕集器20は筺体60の外側に取り付けられる。例示的実施形態では、検出システム10の全ての構成要素が筺体60内に収容される。筺体60のサイズは、筺体内に収容される構成要素の数に応じて変えることができる。例えば筺体60の幅は約24から36インチの範囲とすることができ、筺体60の奥行は約24から36インチの範囲とすることができ、筺体60の高さは約24から36インチの範囲とすることができる。加えて、筺体60はコーキング(caulking)、インシュレーション、および他の密閉機構を含め、いずれかの公知の手段によって密閉することができる。筺体60は、検出システム10の様々な構成要素を収容するために複数の筺体を含むことができる。例えば、検出システム10の構成要素が様々な場所に分散される(例えば複数の第一装置30および/または複数の第二装置40が各々異なる場所に配置される)場合、分散された各構成要素は別個の筺体に収容することができる。例示的実施形態では、筺体60はNEMA−4定格の環境筺体である。
【0041】
筺体60は、温度および湿度センサのようなセンサならびに環境制御システムをも含むことができる。環境制御システムは、例えば加熱器、空調機(冷房装置)、加湿器、除湿器のようないずれかの公知の加熱、換気、および空気調節(HVAC)ユニット、および/またはサーモエレクトリック・クーリング・アメリカ・コーポレーション(Thermoelectric Cooling America Corporation.)によって供給される環境制御システムのような粒子濾過ユニットとすることができる。制御ユニット50は、筺体60内の環境を監視しかつ制御するように構成することができる。例えば、温度センサ(例えばサーミスタ、熱電対、RTD)からのデータで、筺体60内の温度が所定の値未満に降下したことが示されたときに、加熱ユニットを起動させることができる。同様に、温度センサからのデータで、筺体60内の温度が所定の値を超えることが示されたときに、冷却ユニットを起動させることができる。制御ユニット50は、筺体内の温度を約10℃から30℃の範囲内に維持するように構成することができる。例示的実施形態では、筺体内の温度は約18℃に維持される。
【0042】
動作中に、本発明に係る実施形態では、検出システム10を使用してエアロゾル化粒子を分析するための方法は、図9に示した以下のステップを含む。ステップS1で、周囲空気が捕集器20および第一装置30によって採取される。ステップS2で、第一粒子(例えば粒子5a)が捕集器20によって捕捉される。ステップS3で、捕集器20は第一粒子を含む液体試料を生成する。ステップS4で、第一装置30は周囲空気からの第二粒子(例えば粒子5b)を分析して、第二粒子の分類を決定する。例えば分類は、「細菌」、「真菌」、「ウィルス」、または「毒素」を含むことができる。ステップS5で、制御システム50は、第二粒子の分類に基づいて、第一粒子の正体を決定する試験を選択する。例えば、ステップ5aで、分類が「細菌」である場合、細菌剤についてのPCRアッセイが選択される。ステップS5bで、分類が「真菌」であった場合、真菌剤についてのPCRアッセイが選択される。ステップS5cで、分類が「ウィルス」であった場合、ウィルス剤についてのPCRアッセイが選択される。ステップS5dで、分類が「毒素」であった場合、毒剤についてのPCRアッセイが選択される。ステップS6で、装置40は選択された試験を液体試料に受けさせる。
【0043】
かくして、上述した実施形態は、未知の空中浮遊粒子を収集し、分析し、識別するための検出システムおよび方法を提供する。検出システムは、捕集された粒子を識別する試験を開始する前に、捕集された粒子を分類することによって、試験多重化要件を緩和するように構成することができる。その結果、より少数の試験が実行され、より少量の試薬および消耗品が必要になる。したがって該検出システムは携帯性および/または実時間分析がもたらされるように適応させることができ、したがって、生命を脅かすバイオハザードがその場所、現地、現場に存在するか否かを決定するために施設のセキュリティ専門家、軍隊、および緊急対応要員が使用するのに適している。
【0044】
本発明の開示を前提として、当業熟練者は、本発明の範囲内で他の実施形態および変形があることを理解されるであろう。したがって、当業熟練者が本開示から本発明の範囲内で達成できる全ての変形は、本発明のさらなる実施形態として含まれるものとする。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る検出システムの一実施形態の略図である。
【図2】図1の検出システムの捕集器の濾過装置の斜視図である。
【図3】図1の検出システムの第一装置のサブストレートの斜視図である。
【図4】図1の検出システムの第二装置の識別モジュールおよび検出器の略図である。
【図5】本発明に係る検出システムの第二装置の実施形態の斜視図である。
【図6】本発明に係る検出システムの第二装置の実施形態のテストストリップの斜視図である。
【図7】本発明に係る検出システムの第二装置の実施形態の識別モジュールの平面図である。
【図8】本発明に係る検出システムの実施形態の筺体の斜視図である。
【図9】本発明に係る方法の実施形態のブロック図である。
【符号の説明】
【0046】
10 検出システム
20 捕集器
30 第一装置
40 第二装置
50 制御システム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾルに含まれる第一粒子を捕捉するための捕集器と、
前記エアロゾルに含まれる第二粒子のクラスを決定するための第一装置と、
前記第一粒子の正体を決定するための第二装置と、
前記第一装置によって決定されたクラスに基づいて、前記第二装置によって実行すべき試験を選択するように構成された制御システムと、
を含む検出システム。
【請求項2】
前記第二装置が細菌、真菌、毒素、およびウィルスから成る群からクラスを選択するように構成された、
請求項1に記載の検出システム。
【請求項3】
前記第一および第二粒子が生物学的粒子である、請求項1に記載の検出システム。
【請求項4】
前記検出システムが携帯可能となるように構成された、請求項1に記載の検出システム。
【請求項5】
前記検出システムが車両に搭載されるように構成された、請求項1に記載の検出システム。
【請求項6】
前記検出システムが手持型検出システムである、請求項1に記載の検出システム。
【請求項7】
前記検出システムが静止物体に搭載されるように構成された、請求項1に記載の検出システム。
【請求項8】
前記検出システムが建物内に設置されるように構成された、請求項1に記載の検出システム。
【請求項9】
前記検出システムが戸外位置に設置されるように構成された、請求項1に記載の検出システム。
【請求項10】
前記検出システムのサイズが約6立方フィート以下である、請求項1に記載の検出システム。
【請求項11】
前記捕集器が周囲空気を採取するように構成された、請求項1に記載の検出システム。
【請求項12】
前記捕集器が呼吸可能な粒子を捕捉するように構成された、請求項1に記載の検出システム。
【請求項13】
前記捕集器が約1μmから約10μmまでの範囲内のサイズを有する粒子を捕集するように構成された、請求項1に記載の検出システム。
【請求項14】
前記捕集器が湿式濃縮器を含む、請求項1に記載の検出システム。
【請求項15】
前記捕集器は乾式フィルタを含む、請求項1に記載の検出システム。
【請求項16】
前記乾式フィルタを自動的に洗浄するための機構をさらに含む、請求項15に記載の検出システム。
【請求項17】
前記捕集器が第一粒子を含む液体試料を生成するように構成された、請求項1に記載の検出システム。
【請求項18】
前記捕集器が前記第二装置に液体試料を提供するように構成された、請求項17に記載の検出システム。
【請求項19】
前記第一装置が周囲空気を採取するように構成された、請求項1に記載の検出システム。
【請求項20】
前記第一装置が前記第二粒子の蛍光を誘起しかつ誘起された蛍光を分析して前記第二粒子のクラスを決定するように構成された、請求項1に記載の検出システム。
【請求項21】
前記第一装置が前記第二粒子のクラスを約2分以内に決定するように構成された、請求項1に記載の検出システム。
【請求項22】
前記第二装置がポリメラーゼ連鎖反応モジュールを含む、請求項1に記載の検出システム。
【請求項23】
前記第二粒子のクラスが細菌であることを前記第一装置が決定した場合、前記制御システムは細菌剤についてのポリメラーゼ連鎖反応試験を選択するように構成され、前記第二粒子のクラスが真菌であることを前記第一装置が決定した場合、前記制御システムは真菌剤についてのポリメラーゼ連鎖反応試験を選択するように構成され、前記第二粒子のクラスがウィルスであることを前記第一装置が決定した場合、前記制御システムはウィルス剤についてのポリメラーゼ連鎖反応試験を選択するように構成され、かつ/または前記第二粒子のクラスが毒素であることを前記第一装置が決定した場合、前記制御システムは毒剤についてのポリメラーゼ連鎖反応試験を選択するように構成された、請求項22に記載の検出システム。
【請求項24】
前記制御システムによって選択される試験の一つが、細菌剤についてのポリメラーゼ連鎖反応試験、真菌剤についてのポリメラーゼ連鎖反応試験、ウィルス剤についてのポリメラーゼ連鎖反応試験、および/または毒剤についてのポリメラーゼ連鎖反応試験を含む、請求項22に記載の検出システム。
【請求項25】
前記第二装置がポリメラーゼ連鎖反応モジュールのアレイを含む、請求項1に記載の検出システム。
【請求項26】
前記ポリメラーゼ連鎖反応モジュールが同時に動作することができる、請求項25に記載の検出システム。
【請求項27】
前記ポリメラーゼ連鎖反応モジュールが独立して動作することができる、請求項25に記載の検出システム。
【請求項28】
前記第二装置がラテラルフロー抗体アッセイを実行するように構成された、請求項1に記載の検出システム。
【請求項29】
前記第二装置がラテラルフローストリップを含む、請求項28に記載の検出システム。
【請求項30】
前記第二装置が前記ラテラルフローストリップを読み取るように構成された画像源を含む、請求項29に記載の検出システム。
【請求項31】
前記画像源が光電子増倍管および/またはCCDカメラを含む、請求項30に記載の検出システム。
【請求項32】
前記制御システムが、前記第一装置によって決定されたクラスに基づいて、ラテラルフローストリップを選択するように構成された、請求項29に記載の検出システム。
【請求項33】
前記第二装置が競合抗体−抗原アッセイを実行するように構成された、請求項1に記載の検出システム。
【請求項34】
前記第二装置が、競合抗体−抗原アッセイの結果を読み取るように構成されたルミノメータを含む、請求項33に記載の検出システム。
【請求項35】
前記制御システムが、前記第一装置によって決定されたクラスに基づいて競合抗体−抗原アッセイを選択するように構成された、請求項33に記載の検出システム。
【請求項36】
前記第二装置が表面プラズモン共鳴チップを含む、請求項1に記載の検出システム。
【請求項37】
前記制御システムが、前記第一装置によって決定されたクラスに基づいて前記表面プラズモン共鳴チップを選択するように構成された、請求項36に記載の検出システム。
【請求項38】
前記第一粒子が前記捕集器によって捕捉されてから約1時間以内に前記第一粒子の正体を決定するように、前記第二装置が構成された、請求項1に記載の検出システム。
【請求項39】
前記制御システムが前記検出システムの動作を制御するように構成された、請求項1に記載の検出システム。
【請求項40】
前記制御システムが検出システムの遠隔制御のために無線通信システムを含む、請求項1に記載の検出システム。
【請求項41】
前記制御システムが、前記第一装置が前記第二粒子のクラスを決定した後、第二装置で試験を開始するように構成された、請求項1に記載の検出システム。
【請求項42】
前記検出システムの少なくとも一部分を密閉するための筺体をさらに含む、請求項1に記載の検出システム。
【請求項43】
前記制御システムが前記筺体内の温度を制御するように構成された、請求項42に記載の検出システム。
【請求項44】
前記制御システムが前記筺体内の温度を約10℃から30℃の範囲内に維持するように構成された、請求項42に記載の検出システム。
【請求項45】
前記制御システムが前記筺体内の温度を約18℃に維持するように構成された、請求項42に記載の検出システム。
【請求項46】
周囲空気を採取し、
前記周囲空気から第一粒子を捕捉し、
前記第一粒子を含む液体試料を生成し、
前記周囲空気からの第二粒子を分析して前記第二粒子のクラスを決定し、
前記第二粒子のクラスに基づいて前記第一粒子の正体を決定する試験を選択し、
前記液体試料に前記試験を受けさせることを含む、
空中浮遊粒子を分析するための方法。
【請求項47】
前記クラスが細菌、真菌、ウィルス、および毒素を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記クラスが細菌である場合、細菌剤についてのポリメラーゼ連鎖反応アッセイを実行し、前記クラスが真菌である場合、真菌剤についてのポリメラーゼ連鎖反応アッセイを実行し、前記クラスがウィルスである場合、ウィルス剤についてのポリメラーゼ連鎖反応アッセイを実行し、前記クラスが毒素である場合、毒剤についてのポリメラーゼ連鎖反応アッセイを実行することをさらに含む、請求項47に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−528214(P2007−528214A)
【公表日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543952(P2006−543952)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/041099
【国際公開番号】WO2005/078674
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(506197945)スミスズ ディテクション インコーポレイティド (6)
【Fターム(参考)】