舗装路、舗装路の修復方法及び舗装路の製造方法
【課題】重交通路に適用しても耐久性に優れ、工期の短縮、工費の低減化、さらにはブロック舗装材の再利用も容易に行なうことができる舗装路を提供する。
【解決手段】舗装下地5上に複数のブロック舗装材PBを載せて敷設し、隣接するブロック舗装材PBの間に設けた目地部1に目地材6を介在させてなる舗装路である。この舗装路は、目地部1の目地幅Hより僅かに小さなボール形状であり、ブロック舗装材PB以上の硬さを有する複数の目地ボール7が、目地材6として目地部1に充填されている。
【解決手段】舗装下地5上に複数のブロック舗装材PBを載せて敷設し、隣接するブロック舗装材PBの間に設けた目地部1に目地材6を介在させてなる舗装路である。この舗装路は、目地部1の目地幅Hより僅かに小さなボール形状であり、ブロック舗装材PB以上の硬さを有する複数の目地ボール7が、目地材6として目地部1に充填されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック舗装材を複数敷設した舗装路、舗装路の修復方法及び舗装路の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歩道、公共広場、車道等の舗装路は、舗装下地上に複数のブロック舗装材を設け、隣接するブロック舗装材の間に設けた所定目地幅の目地部に目地材を埋め込んで形成される。
ブロック舗装材として、従来からコンクリートブロック、レンガブロック、タイルブロックなどのブロック舗装材が使用されているが、近年、大理石や御影石(花崗岩)で代表される天然石ブロックをブロック舗装材として使用することで、景観を重視した舗装路の需要が増加傾向にある。
【0003】
天然石ブロックをブロック舗装材とする舗装路として、舗装下地の上部及び目地部に、特殊なセメントモルタル材料やアスファルトモルタル材料を用いる工法が開発され、実用化されている。この工法は、上記材料を舗装下地上に設け、上記材料を目地材として使用することで複数の天然石ブロックを舗装下地及び目地材に固着して水平移動、局部沈下や傾斜を防止するものであり、重交通路での車両の輪荷重による目地材破壊に対する耐久性は優れている。しかし、この工法は、工期が長く、工費の面で問題がある。しかも、舗装下地及び目地材に固着されている天然石ブロックは、取り替えの際に目地材を破壊すると天然石ブロックも損傷するおそれがあり、固着している舗装下地及び目地材を取り除くことが困難なため、再利用が難しいという問題もある。
【0004】
一方、例えば特許文献1に記載されている技術のように、粘土を焼結又は素焼きした素材を最大径寸法5mm以下に粉砕して顆粒ないし粉末に形成したものを目地材とし、舗装下地上に複数のブロック舗装材を載せて敷設し、ブロック舗装材の間の目地部に、前記目地材を充填する工法も知られている。この工法を、天然石ブロックをブロック舗装材とした舗装路に適用すると、前述したモルタル材料を用いた工法と比較して工期の短縮、工費の低減化の面で有利であり、天然石ブロックの再利用も行なうことができる。しかし、特許文献1に記載されている目地材は、天然石ブロックより硬度が低い部材であり、天然石ブロックの水平移動、沈下、傾斜などを拘束することができないので、舗装路の耐久性の面で問題があり、重交通路での適用は難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−48551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、重交通路に適用してもブロック舗装材の水平移動、沈下、傾斜などを抑制して舗装路の耐久性に優れ、工期の短縮、工費の低減化、維持・補修の省力化、さらにはブロック舗装材の再利用も容易に行なうことができる、ブロック舗装材として天然石ブロックを使用するものに好適な舗装路、舗装路の修復方法及び舗装路の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1の舗装路は、舗装下地上に複数のブロック舗装材を載せて敷設し、隣接する前記ブロック舗装材の間に設けた目地部に目地材を介在させてなる舗装路において、前記目地部の目地幅より僅かに小さなボール形状であり、前記ブロック舗装材以上の硬さを有する複数の目地ボールが、前記目地材として前記目地部に充填されていることを特徴とする舗装路である。
【0008】
本発明によると、目地材の目地ボールが、目地幅を画成する隣接したブロック舗装材同士の端面に1個ずつ近接しながら充填され、ブロック舗装材が外力の作用によって上下方向、水平方向に移動しようとすると、目地ボールがブロック舗装材の端面に係合して、くさび効果によってブロック舗装材の上下方向、水平方向移動を規制するので、水平移動、沈下及び傾斜などが抑制される。したがって、景観を重視した舗装路となる天然石ブロックをブロック舗装材に使用して、重交通路で適用可能な舗装路を提供することができる。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の舗装路において、前記目地ボールが、前記目地幅より僅かに小さな直径の真球形状である。
この発明によると、目地ボールは、ブロック舗装材の端面との係合面積が大きくなるように真球形状とされているので、ブロック舗装材を水平方向に移動させようとする外力、或いは、ブロック舗装材を上下方向に移動させようとする外力を確実に抑制することができる。
【0010】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の舗装路において、前記目地ボールはセラミックス製である。
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の舗装路において、前記目地ボールはアルミナで形成されている。
これら請求項3、4の発明によると、長期間使用しても摩耗により目地ボールが縮径しないので、長期に渡って舗装路の水平移動、沈下及び傾斜を維持することができる。
【0011】
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の舗装路において、前記目地ボールより小さな粒径の砂が、前記目地材として前記目地部に充填されている。
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の舗装路において、前記目地ボールより小さな粒径であり、アスファルトコンクリートを粉砕してなるアスファルト粉砕粒を混合した砂が、前記目地材として前記目地部に充填されている。
これら請求項5、6の発明によると、目地ボールとともに目地部に充填されている粒状目地(砂、アスファルト粉砕粒を混合した砂)は、目地ボールとブロック舗装材の端面とが僅かに離れている場合には、その間に入り込むことで目地ボールのくさび効果を確実にブロック舗装材に伝達することができる。
【0012】
一方、請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の舗装路を修復する方法であって、交換すべきブロック舗装材の周囲の前記目地部に充填されている前記目地材を取り除く目地材除去工程と、前記交換すべきブロック舗装材を前記舗装下地から取り外す舗装材除去工程と、前記舗装下地上に新たなブロック舗装材を敷設する舗装材敷設工程と、前記新たなブロック舗装材の周囲の前記目地部に向けて前記目地材を供給する目地材供給工程と、を備えていることを特徴とする舗装路の修復方法である。
【0013】
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載の舗装路の修復方法において、前記目地材供給工程の後に、前記ブロック舗装材に対して振動を付与することで前記目地材を前記目地部の底に向けて充填させていく振動充填工程を行なう。
これら請求項7、8の発明によると、舗装路の修復の工期の短縮を図ることができるとともに、工費の低減化も図ることができる。また、交換すべきブロック舗装材PBに対して何ら損傷を与えないので、天然石ブロックをブロック舗装材PBとして使用すると、天然石ブロックの再利用を確実に行なうことができる。
【0014】
また、請求項9記載の舗装路の製造方法は、舗装下地上に、互いの間に所定目地幅の目地部を設けながら複数のブロック舗装材を敷設していく敷設工程と、前記目地幅より僅かに小さなボール形状とし、前記ブロック舗装材以上の硬さを有する複数の目地ボールを含んだ目地材を、前記目地部に向けて供給する目地材供給工程と、を備えたことを特徴とする舗装路の製造方法である。
【0015】
また、請求項10記載の発明は、請求項9記載の舗装路の製造方法において、前記目地材供給工程では、前記複数のブロック舗装材に対して振動を付与することで前記目地材を前記目地部の底に向けて充填させていく振動充填工程を行なう。
これら請求項9、10の発明によると、舗装下地の上部及び目地部に特殊なセメントモルタル材料やアスファルトモルタル材料を用いた従来の工法と比較して、本発明は、目地ボールを有する目地材を目地部に充填するだけで舗装路の製造が完了するので、大幅な工期の短縮を図ることができるとともに、工費の低減化も図ることができる。
【0016】
また、請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載の舗装路の製造方法において、前記目地ボールが、前記目地幅より僅かに小さな直径の真球形状である。
また、請求項12記載の発明は、請求項9乃至11の何れか1項に記載の舗装路の製造方法において、前記目地材供給工程では、前記複数の目地ボールの供給の後に、前記目地ボールより小さな粒径の砂を前記目地部に向けて供給する。
【0017】
さらに、請求項13記載の発明は、請求項9乃至12の何れか1項に記載の舗装路の製造方法において、前記目地材供給工程では、前記複数の目地ボールの供給の後に、前記目地ボールより小さな粒径であり、アスファルトコンクリートを粉砕してなるアスファルト粉砕粒を混合した砂を、前記目地部に向けて供給することを特徴とする。
これら請求項12、13の発明によると、目地部からの目地ボールの抜け出しを防止することができるとともに、目地部から目地ボールが露出しないので、目地部の外観が良好となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る舗装路、舗装路の修復方法及び舗装路の製造方法によれば、ブロック舗装材の水平移動、沈下、傾斜などを抑制して舗装路の耐久性に優れ、工期の短縮、工費の低減化、維持・補修の省力化、さらにはブロック舗装材の再利用も容易に行なうことができる。
そして、本発明に係る舗装路、舗装路の修復方法及び舗装路の製造方法によれば、景観を重視した舗装路となる天然石ブロックをブロック舗装材に使用して、重交通路で適用可能な舗装路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る舗装路を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線矢視図である。
【図3】図2の要部を示す断面図である。
【図4】本発明に係る舗装路の衝撃吸収性の試験結果を示すグラフである。
【図5】本発明に係る舗装路の透水性の試験結果を示すグラフである。
【図6(a)】所定の大きさのブロック舗装材を使用した本発明に係る舗装路の沈下量の試験結果を示すグラフである。
【図6(b)】図6(a)に対して異なる大きさのブロック舗装材を使用した本発明に係る舗装路の沈下量の試験結果を示すグラフである。
【図7(a)】所定の大きさのブロック舗装材を使用した本発明に係る舗装路の傾斜量の試験結果を示すグラフである。
【図7(b)】図7(a)に対して異なる大きさのブロック舗装材を使用した本発明に係る舗装路の傾斜量の試験結果を示すグラフである。
【図8(a)】所定の大きさのブロック舗装材を使用した本発明に係る舗装路の水平移動量の試験結果を示すグラフである。
【図8(b)】図8(a)に対して異なる大きさのブロック舗装材を使用した本発明に係る舗装路の水平移動量の試験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[舗装路の構成]
図1から図3は、本発明に係る舗装路の1実施形態を示すものである。
本実施形態は、図1に示すように、舗装路を形成する位置に、複数のブロック舗装材PBが所定の目地幅Hの目地部1を設けて縦横に並列配置されている。ブロック舗装材PBは、コンクリートブロック、レンガ、タイル、天然石ブロックのうちの何れか一種類である。
【0021】
各ブロック舗装材PBは、一辺の寸法がL、厚みがM(図2参照)の正方形状ブロック体である。本実施形態のブロック舗装材PBは、L=300mm、M=60mmである。
図2に示すように、本実施形態の舗装路の路盤2は、所定厚さで設けられた砕石層3と、砕石層3の上部に所定厚さで設けられたアスファルト層4とで構成されている。路盤2のアスファルト層4上には、所定厚さSの舗装下地5が設けられている。
この舗装下地5の上部に、図1で示したように、複数のブロック舗装材PBが所定の目地幅Hの目地部1を設けて載置することで縦横に並列配置されている。
【0022】
そして、各ブロック舗装材PBの間の目地部1に、目地材6が充填されている。
図3に示すように、目地部1に充填される目地材6は、目地ボール7と、粒状目地8とで構成されている。
目地ボール7は、アルミナ(酸化アルミニウム、比重:3.6以上、硬度:9(モース硬度)、成分:アルミナ純度92%以上)を材料とし、目地部1の目地幅Hより僅かに小さな直径Dの真球形状の部材である。本実施形態の目地部1の目地幅Hは、H=10mm程度に設定しているので、目地ボール7の直径Dは、D=8〜9mmに設定されている。
【0023】
なお、上述した目地ボール7の材質は一例であり、ブロック舗装材PBに対して同等以上の硬度を有する特性を有し、真球形状が形成可能なものであれば、他のセラミックスを材料としてもよい。
目地材6を構成する粒状目地8は、下の表1に示す性状の粗砂と、アスファルト粉砕粒を微量に混合したAs砂との何れか一方である。
【0024】
【表1】
【0025】
上記構成の目地材6は、図3に示すように、目地部1の内部に空間が存在しないように充填されている。すなわち、複数の目地ボール7が、目地幅Hを画成する隣接したブロック舗装材PB同士の端面に1個ずつ近接しながら、目地部1の下部に充填されているとともに、目地ボール7の周囲に隙間が存在しないように、且つ、目地ボール7を上部から覆いながら粒状目地8が密に入り込んだ状態で充填されている。
ここで、前述した舗装下地5は、粒状目地8を構成する粗砂及びAs砂の何れか一方が所定厚さSで敷設されることで形成されている。
【0026】
上記構成の舗装路によると、舗装面(ブロック舗装材PBの上面)に車両重量等の大きな輪荷重が作用すると、舗装下地5の上部に載置されている各ブロック舗装材PBを水平方向に移動させようとする外力、或いは、各ブロック舗装材PBを上下方向に移動させようとする外力が働く。
この際、ブロック舗装材PB同士の端面に1個ずつ近接して目地部1に充填されている目地材6の目地ボール7は、各ブロック舗装材PBの端面に係合し、ブロック舗装材PBが外力によって水平方向に移動しようとすると、端面との係合によるくさび効果によってブロック舗装材PBの水平方向移動を拘束する。また、ブロック舗装材PBが外力によって上下方向に移動しようとすると、目地ボール7がブロック舗装材PBの端面との係合によるくさび効果によってブロック舗装材PBの上下方向移動を拘束する。
【0027】
したがって、本実施形態の舗装路は、目地材6の目地ボール7が、舗装路を構成している複数のブロック舗装材PBの水平移動及び上下移動による沈下や傾斜などを拘束するので、コンクリートブロック、レンガ、タイルの何れかのブロック舗装材PBに限らず、景観を重視した舗装路となる天然石ブロックをブロック舗装材PBに使用して、重交通路で適用可能な舗装路を提供することができる。
【0028】
また、目地ボール7は、ブロック舗装材PBより硬度が高いアルミナを材料としており、長期間使用しても摩耗による直径Dの減少が発生しないので、長期に渡って舗装路の水平移動、沈下及び傾斜を維持することができる。
また、目地ボール7は、ブロック舗装材PBの端面との係合面積が大きくなるように真球形状とされているので、ブロック舗装材PBを水平方向に移動させようとする外力、或いは、各ブロック舗装材PBを上下方向に移動させようとする外力を確実に抑制することができる。
【0029】
また、目地部1に充填されている目地材6の粒状目地8は、目地ボール7とブロック舗装材PBの端面とが僅かに離れている場合には、その間に入り込むことで目地ボール7のくさび効果を確実にブロック舗装材PBに伝達することができる。
また、目地部1の下部に複数の目地ボール7が充填され、粒状目地8が、目地ボール7を上部から覆いながら目地部1の上部に充填されているので、目地部1からの目地ボール7の抜け出しを防止することができるとともに、目地部1から目地ボール7が露出しないので、目地部1の外観を良好とすることができる。
【0030】
さらに、本実施形態の目地材6及び舗装下地5は各ブロック舗装材PBを固着しておらず、輪荷重に対して多少の水平移動、上下移動が許容されるため、各ブロック舗装材PBの破損や目地材6の繰り返し荷重に対する耐久性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、真球形状の目地ボール7を使用しているが、ブロック舗装材PBを水平方向に移動させようとする外力、或いは、各ブロック舗装材PBを上下方向に移動させようとする外力を確実に抑制することができる形状であれば、少々歪んだ球状や楕円形状の目地ボールであってもよい。
【0031】
また、図2及び図3では、目地部1に3段重ねの目地ボール7を充填したものを示しているが、本発明の要旨がこれに限定されるものではなく、経済性や耐久性に応じて目地ボール7の重ね段数(使用個数)を設定すればよい。
また、本実施形態の路盤2は、砕石層3とアスファルト層4とで構成されているが、本発明の要旨がこれに限定されるものではなく、既設舗装上の施工やその他様々な舗装構成にも対応できる。
【0032】
また、本実施形態では、正方形状ブロック体であるブロップ舗装材PBを使用して説明したが、外周縁がランダム形状のブロップ舗装材PBを使用し、ブロップ舗装材PBの周囲の目地幅Hが一定でない場合には、目地幅Hが広い目地部1には直径が大きい目地ボール7を充填し、目地幅Hが狭い目地部1には直径が小さい目地ボール7を充填することで、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0033】
さらに、目地ボール7を上部から覆いながら目地部1の上部に充填されている粒状目地8の表面に、芝や苔などの吹き付け植生を施すと、目地部1のコーティングと同時に、舗装路の景観を向上させることができる。
さらにまた、粒状目地8の砂として、砕石を製造する際に形成される砕石ダストを使用してもよい。また、前述した粗砂、As砂及び砕石ダストの3種類のうち何れか2種類を選択して粒状目地8としてもよいし、3種類の全てを選択して粒状目地8としてもよい。
【0034】
[舗装路の製造方法]
次に、図2を参照しながら舗装路の製造方法の1実施形態について説明する。
本実施形態の舗装路の製造方法は、先ず、舗装下地5の上部に、互いの間に所定目地幅Hの目地部1を設けながら複数のブロック舗装材を載置して敷設していく(敷設工程)。
次いで、目地部1に向けて、目地材6を構成する複数の目地ボール7を供給する(目地材供給工程)。複数の目地ボール7は、目地幅Hを画成するブロック舗装材PBの端面に1個ずつ近接しながら目地部1の下部に入り込んでいく。
【0035】
次いで、図2に示すように、ブロック舗装材PBに対してバイブレータ9により振動を付与する(振動充填工程)。この工程を行なうと、各ブロック舗装材PBの上面に残っていた目地ボール7が目地部1に入り込んでいくとともに、目地部1内の目地ボール7は密に充填されていく。
次いで、目地部1に向けて、目地材6を構成する粒状目地8を供給する(目地材供給工程)。粒状目地8は、目地ボール7を上部から覆いながら、ブロック舗装材PBの端面に接触しながら目地部1の上部に入り込んでいく。
【0036】
次いで、ブロック舗装材PBに対してバイブレータ9により振動を付与する(振動充填工程)。この振動充填工程を終えることで舗装路の製造が完了する。この工程を行なうと、各ブロック舗装材PBの上面に残っていた粒状目地8が目地部1に入り込んでいくとともに、目地ボール7の上部に密に充填されていく。
本実施形態の舗装路の製造方法によると、舗装下地の上部及び目地部に特殊なセメントモルタル材料やアスファルトモルタル材料を用いた従来の工法と比較して、本実施形態は、舗装下地5に複数のブロック舗装材を載置して敷設し、複数の目地ボール7及び粒状目地8からなる目地材6を目地部1に充填するだけで舗装路の製造が完了するので、大幅な工期の短縮を図ることができるとともに、工費の低減化も図ることができる。
【0037】
また、目地材供給工程及び振動充填工程において、目地材6を構成する目地ボール7は真球形状とされているので目地部1に容易に充填されやすくなり、さらに工期の短縮を図ることができる。
なお、本実施形態では、振動充填工程においてバイブレータ9がブロック舗装材PBに振動を付与しているが、プレートを使用して人的作業によりブロック舗装材PBに振動を与えてもよい。
【0038】
[舗装路の修復方法]
次に、図2を参照して舗装路の修復方法の1実施形態について説明する。
本実施形態の舗装路の補修方法は、先ず、交換すべきブロック舗装材(図2の左右のブロック舗装材PBの間に位置する中央のブロック舗装材PBとする)の周囲の目地部1に充填されている目地材6を取り除く(目地材除去工程)。この目地材除去工程は、目地部1の内部に固着されていない目地ボール7及び粒状目地8を除去するだけでいいので、目地材6の除去作業が容易となる。また、衝撃を与えて目地材6を破壊除去する従来方法とは異なるので、交換すべきブロック舗装材PB、他の交換しないブロック舗装材PBには影響を与えない。
【0039】
次いで、交換すべきブロック舗装材PBを舗装下地5から取り外す(舗装材除去工程)。
次いで、取り外したブロック舗装材PBの跡の舗装下地5上に、新たなブロック舗装材PBを敷設する(舗装材敷設工程)。
次いで、前述した舗装路の製造方法と同様の手順で、目地ボール7の目地材供給工程及び振動充填工程と、粒状目地8の目地材供給工程及び振動充填工程とを行なうことで、舗装路の修復が完了する。
【0040】
本実施形態の舗装路の補修方法によると、交換すべきブロック舗装材PBの周囲の目地部1に充填され、目地部1に固着されていない目地ボール7及び粒状目地8を除去し、舗装下地5の上部から交換すべきブロック舗装材PBを取り外した後、前述した舗装路の製造方法と同様の手順で新たなブロック舗装材PBを敷設すればいいので、舗装路の補修の工期の短縮を図ることができるとともに、工費の低減化も図ることができる。
また、本実施形態の舗装路の補修方法では、交換すべきブロック舗装材PBに対して何ら損傷を与えないので、天然石ブロックをブロック舗装材PBとして使用すると、天然石ブロックの再利用を確実に行なうことができる。
【0041】
[本発明に係る舗装路の性能評価]
次に、本発明に係る舗装路の性能を評価した試験結果について説明する。
下の表2は、本発明に係る舗装路と、本発明と異なる比較例の舗装路の舗装下地と目地材の構成を示すものである。
【0042】
【表2】
【0043】
本発明に係る舗装路は、Type2、Type4及びType5である。Type2は、舗装下地を粗砂とし、目地材を粗砂と目地ボールとし、Type4は、舗装下地をAs砂とし、目地材をAs砂と目地ボールとし、Type5は、舗装下地を粗砂とし、目地材をAs砂と目地ボールとしている。
本発明と異なる比較例の舗装路は、Type1、Type3、Type6及びType7である。Type1は、舗装下地を粗砂とし、目地材を粗砂のみとし、Type3は、舗装下地をAs砂とし、目地材をAs砂のみとし、Type6は、株式会社NIPPOにおいて開発したデンポリーS工法であり、舗装下地の上部及び目地部に特殊なセメントモルタル材料を使用してブロック舗装材PBを固着する方法である。さらに、Type7は、舗装下地の上部及び目地部にモルタル材料を使用してブロック舗装材PBを固着する一般的な工法である。
【0044】
[弾力性試験]
図4は、本発明及び比較例の一部の弾力性試験を行なった結果である。
この弾力性試験の結果から、本発明に係るType2:S−SB(舗装下地を粗砂とし、目地材を粗砂と目地ボールとする)の反発係数は45%であり、舗装下地の上部及び目地部にモルタル材料を使用した比較例のType7(反発係数が80%弱)と比較して衝撃吸収性が向上することがわかる。
【0045】
[透水性試験]
図5は、本発明及び比較例の一部の透水性試験を行なった結果である。
この透水性試験の結果から、本発明に係るType2:S−SBは、舗装下地を粗砂とし目地材を粗砂のみとした比較例のType1と、舗装下地をAs砂とし目地材をAs砂のみとしたType3と比較しての透水量が増大しており、透水性が向上することがわかる。
【0046】
[沈下量試験]
図6は、本発明及び比較例の沈下量試験を行なった結果である。この試験では、舗装路を20tダンプで走行した。使用するブロック舗装材PBを、600×300mm×60mm(図6(a))と、300×300mm×60mm(図6(b))の2種類とした。
図6(b)で示すように、舗装下地をAs砂とし目地材をAs砂のみとした比較例のType3と比較して、本発明に係るType4:A−AB(舗装下地をAs砂とし、目地材をAs砂と目地ボールとする)の沈下量の減少が見られる。これは、本発明に係るType4の目地材を構成する目地ボールが、ブロック舗装材に対して上下方向移動のくさび効果を発揮しているからである。
【0047】
[傾斜量試験]
図7は、本発明及び比較例の傾斜量試験を行なった結果である。この試験も、舗装路を20tダンプで走行した。使用するブロック舗装材PBを、600×300mm×60mm(図7(a))と、300×300mm×60mm(図7(b))の2種類とした。
図7(a)で示すように、本発明に係るType4:A−AB(舗装下地をAs砂とし、目地材をAs砂と目地ボールとする)の2800輪後の傾斜量は、比較例のType6、Type7と銅程度の1mmである。これも、本発明に係るType4の目地材を構成する目地ボールが、ブロック舗装材に対して上下方向移動のくさび効果を発揮しているからである。
【0048】
[水平移動量試験]
図8は、本発明及び比較例の水平移動量試験を行なった結果である。この試験も、舗装路を20tダンプで走行した。使用するブロック舗装材PBを、600×300mm×60mm(図8(a))と、300×300mm×60mm(図8(b))の2種類とした。
図8(b)で示すように、本発明に係るType4:A−AB(舗装下地をAs砂とし、目地材をAs砂と目地ボールとする)の2800輪後の移動量は、略半分まで減少している。これも、本発明に係るType4の目地材を構成する目地ボールが、ブロック舗装材に対して水平方向移動のくさび効果を発揮しているからである。
【符号の説明】
【0049】
1…目地部、2…路盤、3…砕石層、4…アスファルト層、5…舗装下地、6…目地材、7…目地ボール、8…粒状目地(砂、アスファルト粉砕粒、砕石ダスト)、9…バイブレータ、H…目地幅、PB…ブロック舗装材
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック舗装材を複数敷設した舗装路、舗装路の修復方法及び舗装路の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歩道、公共広場、車道等の舗装路は、舗装下地上に複数のブロック舗装材を設け、隣接するブロック舗装材の間に設けた所定目地幅の目地部に目地材を埋め込んで形成される。
ブロック舗装材として、従来からコンクリートブロック、レンガブロック、タイルブロックなどのブロック舗装材が使用されているが、近年、大理石や御影石(花崗岩)で代表される天然石ブロックをブロック舗装材として使用することで、景観を重視した舗装路の需要が増加傾向にある。
【0003】
天然石ブロックをブロック舗装材とする舗装路として、舗装下地の上部及び目地部に、特殊なセメントモルタル材料やアスファルトモルタル材料を用いる工法が開発され、実用化されている。この工法は、上記材料を舗装下地上に設け、上記材料を目地材として使用することで複数の天然石ブロックを舗装下地及び目地材に固着して水平移動、局部沈下や傾斜を防止するものであり、重交通路での車両の輪荷重による目地材破壊に対する耐久性は優れている。しかし、この工法は、工期が長く、工費の面で問題がある。しかも、舗装下地及び目地材に固着されている天然石ブロックは、取り替えの際に目地材を破壊すると天然石ブロックも損傷するおそれがあり、固着している舗装下地及び目地材を取り除くことが困難なため、再利用が難しいという問題もある。
【0004】
一方、例えば特許文献1に記載されている技術のように、粘土を焼結又は素焼きした素材を最大径寸法5mm以下に粉砕して顆粒ないし粉末に形成したものを目地材とし、舗装下地上に複数のブロック舗装材を載せて敷設し、ブロック舗装材の間の目地部に、前記目地材を充填する工法も知られている。この工法を、天然石ブロックをブロック舗装材とした舗装路に適用すると、前述したモルタル材料を用いた工法と比較して工期の短縮、工費の低減化の面で有利であり、天然石ブロックの再利用も行なうことができる。しかし、特許文献1に記載されている目地材は、天然石ブロックより硬度が低い部材であり、天然石ブロックの水平移動、沈下、傾斜などを拘束することができないので、舗装路の耐久性の面で問題があり、重交通路での適用は難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−48551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、重交通路に適用してもブロック舗装材の水平移動、沈下、傾斜などを抑制して舗装路の耐久性に優れ、工期の短縮、工費の低減化、維持・補修の省力化、さらにはブロック舗装材の再利用も容易に行なうことができる、ブロック舗装材として天然石ブロックを使用するものに好適な舗装路、舗装路の修復方法及び舗装路の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1の舗装路は、舗装下地上に複数のブロック舗装材を載せて敷設し、隣接する前記ブロック舗装材の間に設けた目地部に目地材を介在させてなる舗装路において、前記目地部の目地幅より僅かに小さなボール形状であり、前記ブロック舗装材以上の硬さを有する複数の目地ボールが、前記目地材として前記目地部に充填されていることを特徴とする舗装路である。
【0008】
本発明によると、目地材の目地ボールが、目地幅を画成する隣接したブロック舗装材同士の端面に1個ずつ近接しながら充填され、ブロック舗装材が外力の作用によって上下方向、水平方向に移動しようとすると、目地ボールがブロック舗装材の端面に係合して、くさび効果によってブロック舗装材の上下方向、水平方向移動を規制するので、水平移動、沈下及び傾斜などが抑制される。したがって、景観を重視した舗装路となる天然石ブロックをブロック舗装材に使用して、重交通路で適用可能な舗装路を提供することができる。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の舗装路において、前記目地ボールが、前記目地幅より僅かに小さな直径の真球形状である。
この発明によると、目地ボールは、ブロック舗装材の端面との係合面積が大きくなるように真球形状とされているので、ブロック舗装材を水平方向に移動させようとする外力、或いは、ブロック舗装材を上下方向に移動させようとする外力を確実に抑制することができる。
【0010】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の舗装路において、前記目地ボールはセラミックス製である。
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の舗装路において、前記目地ボールはアルミナで形成されている。
これら請求項3、4の発明によると、長期間使用しても摩耗により目地ボールが縮径しないので、長期に渡って舗装路の水平移動、沈下及び傾斜を維持することができる。
【0011】
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の舗装路において、前記目地ボールより小さな粒径の砂が、前記目地材として前記目地部に充填されている。
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の舗装路において、前記目地ボールより小さな粒径であり、アスファルトコンクリートを粉砕してなるアスファルト粉砕粒を混合した砂が、前記目地材として前記目地部に充填されている。
これら請求項5、6の発明によると、目地ボールとともに目地部に充填されている粒状目地(砂、アスファルト粉砕粒を混合した砂)は、目地ボールとブロック舗装材の端面とが僅かに離れている場合には、その間に入り込むことで目地ボールのくさび効果を確実にブロック舗装材に伝達することができる。
【0012】
一方、請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の舗装路を修復する方法であって、交換すべきブロック舗装材の周囲の前記目地部に充填されている前記目地材を取り除く目地材除去工程と、前記交換すべきブロック舗装材を前記舗装下地から取り外す舗装材除去工程と、前記舗装下地上に新たなブロック舗装材を敷設する舗装材敷設工程と、前記新たなブロック舗装材の周囲の前記目地部に向けて前記目地材を供給する目地材供給工程と、を備えていることを特徴とする舗装路の修復方法である。
【0013】
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載の舗装路の修復方法において、前記目地材供給工程の後に、前記ブロック舗装材に対して振動を付与することで前記目地材を前記目地部の底に向けて充填させていく振動充填工程を行なう。
これら請求項7、8の発明によると、舗装路の修復の工期の短縮を図ることができるとともに、工費の低減化も図ることができる。また、交換すべきブロック舗装材PBに対して何ら損傷を与えないので、天然石ブロックをブロック舗装材PBとして使用すると、天然石ブロックの再利用を確実に行なうことができる。
【0014】
また、請求項9記載の舗装路の製造方法は、舗装下地上に、互いの間に所定目地幅の目地部を設けながら複数のブロック舗装材を敷設していく敷設工程と、前記目地幅より僅かに小さなボール形状とし、前記ブロック舗装材以上の硬さを有する複数の目地ボールを含んだ目地材を、前記目地部に向けて供給する目地材供給工程と、を備えたことを特徴とする舗装路の製造方法である。
【0015】
また、請求項10記載の発明は、請求項9記載の舗装路の製造方法において、前記目地材供給工程では、前記複数のブロック舗装材に対して振動を付与することで前記目地材を前記目地部の底に向けて充填させていく振動充填工程を行なう。
これら請求項9、10の発明によると、舗装下地の上部及び目地部に特殊なセメントモルタル材料やアスファルトモルタル材料を用いた従来の工法と比較して、本発明は、目地ボールを有する目地材を目地部に充填するだけで舗装路の製造が完了するので、大幅な工期の短縮を図ることができるとともに、工費の低減化も図ることができる。
【0016】
また、請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載の舗装路の製造方法において、前記目地ボールが、前記目地幅より僅かに小さな直径の真球形状である。
また、請求項12記載の発明は、請求項9乃至11の何れか1項に記載の舗装路の製造方法において、前記目地材供給工程では、前記複数の目地ボールの供給の後に、前記目地ボールより小さな粒径の砂を前記目地部に向けて供給する。
【0017】
さらに、請求項13記載の発明は、請求項9乃至12の何れか1項に記載の舗装路の製造方法において、前記目地材供給工程では、前記複数の目地ボールの供給の後に、前記目地ボールより小さな粒径であり、アスファルトコンクリートを粉砕してなるアスファルト粉砕粒を混合した砂を、前記目地部に向けて供給することを特徴とする。
これら請求項12、13の発明によると、目地部からの目地ボールの抜け出しを防止することができるとともに、目地部から目地ボールが露出しないので、目地部の外観が良好となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る舗装路、舗装路の修復方法及び舗装路の製造方法によれば、ブロック舗装材の水平移動、沈下、傾斜などを抑制して舗装路の耐久性に優れ、工期の短縮、工費の低減化、維持・補修の省力化、さらにはブロック舗装材の再利用も容易に行なうことができる。
そして、本発明に係る舗装路、舗装路の修復方法及び舗装路の製造方法によれば、景観を重視した舗装路となる天然石ブロックをブロック舗装材に使用して、重交通路で適用可能な舗装路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る舗装路を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線矢視図である。
【図3】図2の要部を示す断面図である。
【図4】本発明に係る舗装路の衝撃吸収性の試験結果を示すグラフである。
【図5】本発明に係る舗装路の透水性の試験結果を示すグラフである。
【図6(a)】所定の大きさのブロック舗装材を使用した本発明に係る舗装路の沈下量の試験結果を示すグラフである。
【図6(b)】図6(a)に対して異なる大きさのブロック舗装材を使用した本発明に係る舗装路の沈下量の試験結果を示すグラフである。
【図7(a)】所定の大きさのブロック舗装材を使用した本発明に係る舗装路の傾斜量の試験結果を示すグラフである。
【図7(b)】図7(a)に対して異なる大きさのブロック舗装材を使用した本発明に係る舗装路の傾斜量の試験結果を示すグラフである。
【図8(a)】所定の大きさのブロック舗装材を使用した本発明に係る舗装路の水平移動量の試験結果を示すグラフである。
【図8(b)】図8(a)に対して異なる大きさのブロック舗装材を使用した本発明に係る舗装路の水平移動量の試験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[舗装路の構成]
図1から図3は、本発明に係る舗装路の1実施形態を示すものである。
本実施形態は、図1に示すように、舗装路を形成する位置に、複数のブロック舗装材PBが所定の目地幅Hの目地部1を設けて縦横に並列配置されている。ブロック舗装材PBは、コンクリートブロック、レンガ、タイル、天然石ブロックのうちの何れか一種類である。
【0021】
各ブロック舗装材PBは、一辺の寸法がL、厚みがM(図2参照)の正方形状ブロック体である。本実施形態のブロック舗装材PBは、L=300mm、M=60mmである。
図2に示すように、本実施形態の舗装路の路盤2は、所定厚さで設けられた砕石層3と、砕石層3の上部に所定厚さで設けられたアスファルト層4とで構成されている。路盤2のアスファルト層4上には、所定厚さSの舗装下地5が設けられている。
この舗装下地5の上部に、図1で示したように、複数のブロック舗装材PBが所定の目地幅Hの目地部1を設けて載置することで縦横に並列配置されている。
【0022】
そして、各ブロック舗装材PBの間の目地部1に、目地材6が充填されている。
図3に示すように、目地部1に充填される目地材6は、目地ボール7と、粒状目地8とで構成されている。
目地ボール7は、アルミナ(酸化アルミニウム、比重:3.6以上、硬度:9(モース硬度)、成分:アルミナ純度92%以上)を材料とし、目地部1の目地幅Hより僅かに小さな直径Dの真球形状の部材である。本実施形態の目地部1の目地幅Hは、H=10mm程度に設定しているので、目地ボール7の直径Dは、D=8〜9mmに設定されている。
【0023】
なお、上述した目地ボール7の材質は一例であり、ブロック舗装材PBに対して同等以上の硬度を有する特性を有し、真球形状が形成可能なものであれば、他のセラミックスを材料としてもよい。
目地材6を構成する粒状目地8は、下の表1に示す性状の粗砂と、アスファルト粉砕粒を微量に混合したAs砂との何れか一方である。
【0024】
【表1】
【0025】
上記構成の目地材6は、図3に示すように、目地部1の内部に空間が存在しないように充填されている。すなわち、複数の目地ボール7が、目地幅Hを画成する隣接したブロック舗装材PB同士の端面に1個ずつ近接しながら、目地部1の下部に充填されているとともに、目地ボール7の周囲に隙間が存在しないように、且つ、目地ボール7を上部から覆いながら粒状目地8が密に入り込んだ状態で充填されている。
ここで、前述した舗装下地5は、粒状目地8を構成する粗砂及びAs砂の何れか一方が所定厚さSで敷設されることで形成されている。
【0026】
上記構成の舗装路によると、舗装面(ブロック舗装材PBの上面)に車両重量等の大きな輪荷重が作用すると、舗装下地5の上部に載置されている各ブロック舗装材PBを水平方向に移動させようとする外力、或いは、各ブロック舗装材PBを上下方向に移動させようとする外力が働く。
この際、ブロック舗装材PB同士の端面に1個ずつ近接して目地部1に充填されている目地材6の目地ボール7は、各ブロック舗装材PBの端面に係合し、ブロック舗装材PBが外力によって水平方向に移動しようとすると、端面との係合によるくさび効果によってブロック舗装材PBの水平方向移動を拘束する。また、ブロック舗装材PBが外力によって上下方向に移動しようとすると、目地ボール7がブロック舗装材PBの端面との係合によるくさび効果によってブロック舗装材PBの上下方向移動を拘束する。
【0027】
したがって、本実施形態の舗装路は、目地材6の目地ボール7が、舗装路を構成している複数のブロック舗装材PBの水平移動及び上下移動による沈下や傾斜などを拘束するので、コンクリートブロック、レンガ、タイルの何れかのブロック舗装材PBに限らず、景観を重視した舗装路となる天然石ブロックをブロック舗装材PBに使用して、重交通路で適用可能な舗装路を提供することができる。
【0028】
また、目地ボール7は、ブロック舗装材PBより硬度が高いアルミナを材料としており、長期間使用しても摩耗による直径Dの減少が発生しないので、長期に渡って舗装路の水平移動、沈下及び傾斜を維持することができる。
また、目地ボール7は、ブロック舗装材PBの端面との係合面積が大きくなるように真球形状とされているので、ブロック舗装材PBを水平方向に移動させようとする外力、或いは、各ブロック舗装材PBを上下方向に移動させようとする外力を確実に抑制することができる。
【0029】
また、目地部1に充填されている目地材6の粒状目地8は、目地ボール7とブロック舗装材PBの端面とが僅かに離れている場合には、その間に入り込むことで目地ボール7のくさび効果を確実にブロック舗装材PBに伝達することができる。
また、目地部1の下部に複数の目地ボール7が充填され、粒状目地8が、目地ボール7を上部から覆いながら目地部1の上部に充填されているので、目地部1からの目地ボール7の抜け出しを防止することができるとともに、目地部1から目地ボール7が露出しないので、目地部1の外観を良好とすることができる。
【0030】
さらに、本実施形態の目地材6及び舗装下地5は各ブロック舗装材PBを固着しておらず、輪荷重に対して多少の水平移動、上下移動が許容されるため、各ブロック舗装材PBの破損や目地材6の繰り返し荷重に対する耐久性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、真球形状の目地ボール7を使用しているが、ブロック舗装材PBを水平方向に移動させようとする外力、或いは、各ブロック舗装材PBを上下方向に移動させようとする外力を確実に抑制することができる形状であれば、少々歪んだ球状や楕円形状の目地ボールであってもよい。
【0031】
また、図2及び図3では、目地部1に3段重ねの目地ボール7を充填したものを示しているが、本発明の要旨がこれに限定されるものではなく、経済性や耐久性に応じて目地ボール7の重ね段数(使用個数)を設定すればよい。
また、本実施形態の路盤2は、砕石層3とアスファルト層4とで構成されているが、本発明の要旨がこれに限定されるものではなく、既設舗装上の施工やその他様々な舗装構成にも対応できる。
【0032】
また、本実施形態では、正方形状ブロック体であるブロップ舗装材PBを使用して説明したが、外周縁がランダム形状のブロップ舗装材PBを使用し、ブロップ舗装材PBの周囲の目地幅Hが一定でない場合には、目地幅Hが広い目地部1には直径が大きい目地ボール7を充填し、目地幅Hが狭い目地部1には直径が小さい目地ボール7を充填することで、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0033】
さらに、目地ボール7を上部から覆いながら目地部1の上部に充填されている粒状目地8の表面に、芝や苔などの吹き付け植生を施すと、目地部1のコーティングと同時に、舗装路の景観を向上させることができる。
さらにまた、粒状目地8の砂として、砕石を製造する際に形成される砕石ダストを使用してもよい。また、前述した粗砂、As砂及び砕石ダストの3種類のうち何れか2種類を選択して粒状目地8としてもよいし、3種類の全てを選択して粒状目地8としてもよい。
【0034】
[舗装路の製造方法]
次に、図2を参照しながら舗装路の製造方法の1実施形態について説明する。
本実施形態の舗装路の製造方法は、先ず、舗装下地5の上部に、互いの間に所定目地幅Hの目地部1を設けながら複数のブロック舗装材を載置して敷設していく(敷設工程)。
次いで、目地部1に向けて、目地材6を構成する複数の目地ボール7を供給する(目地材供給工程)。複数の目地ボール7は、目地幅Hを画成するブロック舗装材PBの端面に1個ずつ近接しながら目地部1の下部に入り込んでいく。
【0035】
次いで、図2に示すように、ブロック舗装材PBに対してバイブレータ9により振動を付与する(振動充填工程)。この工程を行なうと、各ブロック舗装材PBの上面に残っていた目地ボール7が目地部1に入り込んでいくとともに、目地部1内の目地ボール7は密に充填されていく。
次いで、目地部1に向けて、目地材6を構成する粒状目地8を供給する(目地材供給工程)。粒状目地8は、目地ボール7を上部から覆いながら、ブロック舗装材PBの端面に接触しながら目地部1の上部に入り込んでいく。
【0036】
次いで、ブロック舗装材PBに対してバイブレータ9により振動を付与する(振動充填工程)。この振動充填工程を終えることで舗装路の製造が完了する。この工程を行なうと、各ブロック舗装材PBの上面に残っていた粒状目地8が目地部1に入り込んでいくとともに、目地ボール7の上部に密に充填されていく。
本実施形態の舗装路の製造方法によると、舗装下地の上部及び目地部に特殊なセメントモルタル材料やアスファルトモルタル材料を用いた従来の工法と比較して、本実施形態は、舗装下地5に複数のブロック舗装材を載置して敷設し、複数の目地ボール7及び粒状目地8からなる目地材6を目地部1に充填するだけで舗装路の製造が完了するので、大幅な工期の短縮を図ることができるとともに、工費の低減化も図ることができる。
【0037】
また、目地材供給工程及び振動充填工程において、目地材6を構成する目地ボール7は真球形状とされているので目地部1に容易に充填されやすくなり、さらに工期の短縮を図ることができる。
なお、本実施形態では、振動充填工程においてバイブレータ9がブロック舗装材PBに振動を付与しているが、プレートを使用して人的作業によりブロック舗装材PBに振動を与えてもよい。
【0038】
[舗装路の修復方法]
次に、図2を参照して舗装路の修復方法の1実施形態について説明する。
本実施形態の舗装路の補修方法は、先ず、交換すべきブロック舗装材(図2の左右のブロック舗装材PBの間に位置する中央のブロック舗装材PBとする)の周囲の目地部1に充填されている目地材6を取り除く(目地材除去工程)。この目地材除去工程は、目地部1の内部に固着されていない目地ボール7及び粒状目地8を除去するだけでいいので、目地材6の除去作業が容易となる。また、衝撃を与えて目地材6を破壊除去する従来方法とは異なるので、交換すべきブロック舗装材PB、他の交換しないブロック舗装材PBには影響を与えない。
【0039】
次いで、交換すべきブロック舗装材PBを舗装下地5から取り外す(舗装材除去工程)。
次いで、取り外したブロック舗装材PBの跡の舗装下地5上に、新たなブロック舗装材PBを敷設する(舗装材敷設工程)。
次いで、前述した舗装路の製造方法と同様の手順で、目地ボール7の目地材供給工程及び振動充填工程と、粒状目地8の目地材供給工程及び振動充填工程とを行なうことで、舗装路の修復が完了する。
【0040】
本実施形態の舗装路の補修方法によると、交換すべきブロック舗装材PBの周囲の目地部1に充填され、目地部1に固着されていない目地ボール7及び粒状目地8を除去し、舗装下地5の上部から交換すべきブロック舗装材PBを取り外した後、前述した舗装路の製造方法と同様の手順で新たなブロック舗装材PBを敷設すればいいので、舗装路の補修の工期の短縮を図ることができるとともに、工費の低減化も図ることができる。
また、本実施形態の舗装路の補修方法では、交換すべきブロック舗装材PBに対して何ら損傷を与えないので、天然石ブロックをブロック舗装材PBとして使用すると、天然石ブロックの再利用を確実に行なうことができる。
【0041】
[本発明に係る舗装路の性能評価]
次に、本発明に係る舗装路の性能を評価した試験結果について説明する。
下の表2は、本発明に係る舗装路と、本発明と異なる比較例の舗装路の舗装下地と目地材の構成を示すものである。
【0042】
【表2】
【0043】
本発明に係る舗装路は、Type2、Type4及びType5である。Type2は、舗装下地を粗砂とし、目地材を粗砂と目地ボールとし、Type4は、舗装下地をAs砂とし、目地材をAs砂と目地ボールとし、Type5は、舗装下地を粗砂とし、目地材をAs砂と目地ボールとしている。
本発明と異なる比較例の舗装路は、Type1、Type3、Type6及びType7である。Type1は、舗装下地を粗砂とし、目地材を粗砂のみとし、Type3は、舗装下地をAs砂とし、目地材をAs砂のみとし、Type6は、株式会社NIPPOにおいて開発したデンポリーS工法であり、舗装下地の上部及び目地部に特殊なセメントモルタル材料を使用してブロック舗装材PBを固着する方法である。さらに、Type7は、舗装下地の上部及び目地部にモルタル材料を使用してブロック舗装材PBを固着する一般的な工法である。
【0044】
[弾力性試験]
図4は、本発明及び比較例の一部の弾力性試験を行なった結果である。
この弾力性試験の結果から、本発明に係るType2:S−SB(舗装下地を粗砂とし、目地材を粗砂と目地ボールとする)の反発係数は45%であり、舗装下地の上部及び目地部にモルタル材料を使用した比較例のType7(反発係数が80%弱)と比較して衝撃吸収性が向上することがわかる。
【0045】
[透水性試験]
図5は、本発明及び比較例の一部の透水性試験を行なった結果である。
この透水性試験の結果から、本発明に係るType2:S−SBは、舗装下地を粗砂とし目地材を粗砂のみとした比較例のType1と、舗装下地をAs砂とし目地材をAs砂のみとしたType3と比較しての透水量が増大しており、透水性が向上することがわかる。
【0046】
[沈下量試験]
図6は、本発明及び比較例の沈下量試験を行なった結果である。この試験では、舗装路を20tダンプで走行した。使用するブロック舗装材PBを、600×300mm×60mm(図6(a))と、300×300mm×60mm(図6(b))の2種類とした。
図6(b)で示すように、舗装下地をAs砂とし目地材をAs砂のみとした比較例のType3と比較して、本発明に係るType4:A−AB(舗装下地をAs砂とし、目地材をAs砂と目地ボールとする)の沈下量の減少が見られる。これは、本発明に係るType4の目地材を構成する目地ボールが、ブロック舗装材に対して上下方向移動のくさび効果を発揮しているからである。
【0047】
[傾斜量試験]
図7は、本発明及び比較例の傾斜量試験を行なった結果である。この試験も、舗装路を20tダンプで走行した。使用するブロック舗装材PBを、600×300mm×60mm(図7(a))と、300×300mm×60mm(図7(b))の2種類とした。
図7(a)で示すように、本発明に係るType4:A−AB(舗装下地をAs砂とし、目地材をAs砂と目地ボールとする)の2800輪後の傾斜量は、比較例のType6、Type7と銅程度の1mmである。これも、本発明に係るType4の目地材を構成する目地ボールが、ブロック舗装材に対して上下方向移動のくさび効果を発揮しているからである。
【0048】
[水平移動量試験]
図8は、本発明及び比較例の水平移動量試験を行なった結果である。この試験も、舗装路を20tダンプで走行した。使用するブロック舗装材PBを、600×300mm×60mm(図8(a))と、300×300mm×60mm(図8(b))の2種類とした。
図8(b)で示すように、本発明に係るType4:A−AB(舗装下地をAs砂とし、目地材をAs砂と目地ボールとする)の2800輪後の移動量は、略半分まで減少している。これも、本発明に係るType4の目地材を構成する目地ボールが、ブロック舗装材に対して水平方向移動のくさび効果を発揮しているからである。
【符号の説明】
【0049】
1…目地部、2…路盤、3…砕石層、4…アスファルト層、5…舗装下地、6…目地材、7…目地ボール、8…粒状目地(砂、アスファルト粉砕粒、砕石ダスト)、9…バイブレータ、H…目地幅、PB…ブロック舗装材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
舗装下地上に複数のブロック舗装材を載せて敷設し、隣接する前記ブロック舗装材の間に設けた目地部に目地材を介在させてなる舗装路において、
前記目地部の目地幅より僅かに小さなボール形状であり、前記ブロック舗装材以上の硬さを有する複数の目地ボールが、前記目地材として前記目地部に充填されていることを特徴とする舗装路。
【請求項2】
前記目地ボールは、前記目地幅より僅かに小さな直径の真球形状であることを特徴とする請求項1記載の舗装路。
【請求項3】
前記目地ボールは、セラミックス製であることを特徴とする請求項1又は2記載の舗装路。
【請求項4】
前記目地ボールは、アルミナで形成されていることを特徴とする請求項3記載の舗装路。
【請求項5】
前記目地ボールより小さな粒径の砂が、前記目地材として前記目地部に充填されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の舗装路。
【請求項6】
前記目地ボールより小さな粒径であり、アスファルトコンクリートを粉砕してなるアスファルト粉砕粒を混合した砂が、前記目地材として前記目地部に充填されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の舗装路。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の舗装路を修復する方法であって、
交換すべきブロック舗装材の周囲の前記目地部に充填されている前記目地材を取り除く目地材除去工程と、
前記交換すべきブロック舗装材を前記舗装下地から取り外す舗装材除去工程と、
前記舗装下地上に新たなブロック舗装材を敷設する舗装材敷設工程と、
前記新たなブロック舗装材の周囲の前記目地部に向けて前記目地材を供給する目地材供給工程と、を備えていることを特徴とする舗装路の修復方法。
【請求項8】
前記目地材供給工程の後に、前記ブロック舗装材に対して振動を付与することで前記目地材を前記目地部の底に向けて充填させていく振動充填工程を行なうことを特徴とする請求項7記載の舗装路の修復方法。
【請求項9】
舗装下地上に、互いの間に所定目地幅の目地部を設けながら複数のブロック舗装材を敷設していく敷設工程と、
前記目地幅より僅かに小さなボール形状とし、前記ブロック舗装材以上の硬さを有する複数の目地ボールを含んだ目地材を、前記目地部に向けて供給する目地材供給工程と、を備えたことを特徴とする舗装路の製造方法。
【請求項10】
前記目地材供給工程では、前記複数のブロック舗装材に対して振動を付与することで前記目地材を前記目地部の底に向けて充填させていく振動充填工程を行なうことを特徴とする請求項9記載の舗装路の製造方法。
【請求項11】
前記目地ボールは、前記目地幅より僅かに小さな直径の真球形状であることを特徴とする請求項9又は10記載の舗装路の製造方法。
【請求項12】
前記目地材供給工程において、前記複数の目地ボールの供給の後に、前記目地ボールより小さな粒径の砂を前記目地部に向けて供給することを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載の舗装路の製造方法。
【請求項13】
前記目地材供給工程において、前記複数の目地ボールの供給の後に、前記目地ボールより小さな粒径であり、アスファルトコンクリートを粉砕してなるアスファルト粉砕粒を混合した砂を、前記目地部に向けて供給することを特徴とする請求項9乃至12の何れか1項に記載の舗装路の製造方法。
【請求項1】
舗装下地上に複数のブロック舗装材を載せて敷設し、隣接する前記ブロック舗装材の間に設けた目地部に目地材を介在させてなる舗装路において、
前記目地部の目地幅より僅かに小さなボール形状であり、前記ブロック舗装材以上の硬さを有する複数の目地ボールが、前記目地材として前記目地部に充填されていることを特徴とする舗装路。
【請求項2】
前記目地ボールは、前記目地幅より僅かに小さな直径の真球形状であることを特徴とする請求項1記載の舗装路。
【請求項3】
前記目地ボールは、セラミックス製であることを特徴とする請求項1又は2記載の舗装路。
【請求項4】
前記目地ボールは、アルミナで形成されていることを特徴とする請求項3記載の舗装路。
【請求項5】
前記目地ボールより小さな粒径の砂が、前記目地材として前記目地部に充填されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の舗装路。
【請求項6】
前記目地ボールより小さな粒径であり、アスファルトコンクリートを粉砕してなるアスファルト粉砕粒を混合した砂が、前記目地材として前記目地部に充填されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の舗装路。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の舗装路を修復する方法であって、
交換すべきブロック舗装材の周囲の前記目地部に充填されている前記目地材を取り除く目地材除去工程と、
前記交換すべきブロック舗装材を前記舗装下地から取り外す舗装材除去工程と、
前記舗装下地上に新たなブロック舗装材を敷設する舗装材敷設工程と、
前記新たなブロック舗装材の周囲の前記目地部に向けて前記目地材を供給する目地材供給工程と、を備えていることを特徴とする舗装路の修復方法。
【請求項8】
前記目地材供給工程の後に、前記ブロック舗装材に対して振動を付与することで前記目地材を前記目地部の底に向けて充填させていく振動充填工程を行なうことを特徴とする請求項7記載の舗装路の修復方法。
【請求項9】
舗装下地上に、互いの間に所定目地幅の目地部を設けながら複数のブロック舗装材を敷設していく敷設工程と、
前記目地幅より僅かに小さなボール形状とし、前記ブロック舗装材以上の硬さを有する複数の目地ボールを含んだ目地材を、前記目地部に向けて供給する目地材供給工程と、を備えたことを特徴とする舗装路の製造方法。
【請求項10】
前記目地材供給工程では、前記複数のブロック舗装材に対して振動を付与することで前記目地材を前記目地部の底に向けて充填させていく振動充填工程を行なうことを特徴とする請求項9記載の舗装路の製造方法。
【請求項11】
前記目地ボールは、前記目地幅より僅かに小さな直径の真球形状であることを特徴とする請求項9又は10記載の舗装路の製造方法。
【請求項12】
前記目地材供給工程において、前記複数の目地ボールの供給の後に、前記目地ボールより小さな粒径の砂を前記目地部に向けて供給することを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載の舗装路の製造方法。
【請求項13】
前記目地材供給工程において、前記複数の目地ボールの供給の後に、前記目地ボールより小さな粒径であり、アスファルトコンクリートを粉砕してなるアスファルト粉砕粒を混合した砂を、前記目地部に向けて供給することを特徴とする請求項9乃至12の何れか1項に記載の舗装路の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6(a)】
【図6(b)】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6(a)】
【図6(b)】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図8(a)】
【図8(b)】
【公開番号】特開2011−231552(P2011−231552A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104175(P2010−104175)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 日本大学大学院生産工学研究科 土木工学専攻,平成21年度 修士論文概要集 日本大学大学院生産工学研究科 土木工学専攻,平成22年2月14日発行
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【出願人】(510120078)株式会社寒風 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 日本大学大学院生産工学研究科 土木工学専攻,平成21年度 修士論文概要集 日本大学大学院生産工学研究科 土木工学専攻,平成22年2月14日発行
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【出願人】(510120078)株式会社寒風 (1)
【Fターム(参考)】
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